JP5369340B1 - 地盤改良工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ある程度の液状化は許容しながらも、地上に建つ建物やライフライン等の地下埋設物の液状化による被害を未然に防止することができる地盤改良工法を提供する。
【解決手段】液状化が予想される地盤に細粒子を主材とする注入液を注入して地盤中に5μmより小さい粒径を含む細粒分を増やして液状化対策を行う。地盤に細粒子又は細粒子とシリカ溶液を有効成分とする注入液を注入して地盤中に細粒分又は細粒分とシリカ分を増やして液状化対策を行う。該細粒子は粘土、シリカのコロイド粒子、シリカフューム、炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、ブラックカーボンまたはこれらの混合物を有効成分とする。地粘土はベントナイトである。
【選択図】図1

Description

本発明は、液状化対策工に適した地盤改良工法に関し、地上に建つ建物やライフライン等の地下埋設物の液状化による被害を未然に防止する技術にかかわる。
緩く堆積した飽和砂地盤が地震動による繰返しせん断力を受けると、砂粒子間の構造は乱され、粒子間同士のかみ合わせが次第に外れ、その結果、過剰間隙水圧が上昇し、有効応力が減少することにより砂地盤は液体状の性質を示し(液状化現象)、その結果、噴砂、構造物の不等沈下、側方流動、地震揺動、斜面の流動的破壊、支持力低下、護岸・擁壁の破壊、埋設管などの浮き上がり等の液状化に伴う被害が発生する。
このような液状化現象に備えて薬液注入による地盤改良工法が広く実施されているが、薬液注入は砂粒子の間隙にゲルを填充することによって間隙水圧の上昇を抑えて液状化を防ごうとするものである。
特開2007-182724号 特開2007-23496号
しかし、薬液注入による液状化防止の課題は、液状化しやすい地盤に対する浸透可能性の問題と液状化強度に対応した一軸圧縮強度を得るにはシリカ溶液のシリカ濃度を十分濃くしなくてはならず、高価になる等の課題であった。
また、近年、直径5〜100μmの微粒子気泡含有液(マイクロバブル液)や気体を地盤中に注入して地盤を不飽和化して、液状化を防ぐ方法が種々提案されている(図23(b))。マイクロバブル液は土粒子間に保持されやすいという特性があり、一方、空気は地上に抜けてしまいやすいと云われているが(図24)、いずれも地盤に浸透流があるような場合には、気泡や気体が地表面に流出したり地下水に流出したりして耐久性が不明であった。また効果の確認法、施工管理法、設計法が確立していなかった。
そこで、本出願人は、気体の流失を防ぐため気体とシリカ溶液の混合液を地盤に注入して気体を含むシリカのゲル化によって液状化を防ぐ発明をしたが、本発明は液状化対策工としてきわめて優れたものであるものの、更に経済性が要求されている。
本出願人は、既にシリカ溶液を用いた液状化対策工法により液状化が全く起きない地盤改良工法を開発しその効果を実証しているが、本発明は経済的に液状化対策を行うことを可能にした地盤改良工法を提供することを目的とするものである。
本発明は、液状化が地下水面下のルーズな砂地盤に生じやすいところから、
(1) 図1に示す粒径分布にある地盤に細粒子を注入して、その粒径分布を左側に移行させること、
(2) 並びにルーズな地盤に細粒分を加えることで、相対密度をルーズから中〜密の地盤に変える事により経済的に液状化しにくい地盤にできること、に着目した。
しかるに懸濁液はどのように細粒子であれ、土粒子間に浸透しにくい。即ち、粒子が土粒子の間のフィルタレーションで詰まってしまい浸透性が阻害されるという問題がある。
Figure 0005369340
本出願人は以上の点を解決して本発明を完成した。
本発明は、上記のような課題に対して地盤に細粒子を注入し、或は気体を混入した細粒子を地盤に注入して地盤を粘土化または高密度化を増大させることにより、或いは、粘土化または高密度化して拘束した地盤内にマイクロバブル含有液を注入することにより液状化を防止しようとするものである。また、地盤改良を経済的に行おうとするものである。
地盤を粘土化または高密度化することにより土粒子間の粘弾性のある連結機能や拘束機能を付与し、更にこの拘束下において気泡または気体を注入すると、地震動によるせん断力に対して気体体積収縮機能が効果的に生じ、間隙水圧の上昇を抑え経済的に液状化防止を可能にするものである。
液状化の予測に当っては、図1に図示するような粒径分布の地盤は、液状化しやすいと考えられ、このような地盤の液状化対策として薬液注入がきわめて有効とされているが、経済的に問題がある。
そこで出願人は、細粒子としてベントナイト、シリカフューム、炭酸カルシウム、ホワイトカーボン等、を用いて液状化しやすいルーズな砂地盤を粘土化または高密度化する考えに到った。
特にホワイトカーボンは水に混入した場合は解けることなく沈殿するがシリカ溶液の中では一部が溶解し、残りの微粒子が液中に分散し、ある時間が経つと溶液とシリカ粒子が分離して底部にシリカ粒子の沈殿物が生ずることを見出した。
この現象は地盤に注入した場合、浸透するにつれシリカ溶液が希釈されて水に近くなり、そのため溶解していたホワイトカーボンが折出するものと思われる。従ってシリカ溶液がアルカリ性ならば更にホワイトカーボンの溶解は大になる。
また、シリカ溶液が温度が高い場合或は加熱した場合、ホワイトカーボンは更に溶解する。従って、そのような状態において地盤に注入すれば時間と共にホワイトカーボンの溶解しているシリカ分が折出されるという現象が生ずることが判った。
上記溶液を地盤中に注入し、その溶液がある時間後にシリカの粒子を土粒子間に沈積すれば土の粒径分布も左側に移行し、かつ土の密度や増大することを見出した。
これらの混合物は、図1に図示するような粒径分布地盤の粒子よりも小さな細粒子を含むため(表2参照)、図1に図示するような液状化の可能性のある粒径分布からなる地盤に対しては、前記粘土、シリカフューム等の細粒子を注入して粒径分布曲線の通過100分率の20%以下の細粒分を増やすことにより液状化の起きにくい細粒土地盤の方向に粒径分布を移動させることにより、または高密度化することによりきわめて経済的に液状化を防止できる(図2)ことに着目した。
ここに云う細粒子は、セメントや超微粒子セメントのように硬化性がなくてもよい。地盤の土の粒径分布を細粒土の方向に移行させればよい。勿論、細粒子に硬化性粒子が混入されても良い。しかし細粒子はその粒径から液状化の可能性のある地盤のうち砂地盤への注入は可能であるが、細粒土地盤には浸透不可能な場合もある。
このため、細粒子の浸透可能性を向上させるために低濃度シリカ溶液を溶媒とする細粒子液を用いれば細粒子が浸透不可能な細粒土地盤でも低濃度シリカ溶液分がろ過されて浸透が可能であることを見出した。経済性を考慮したら気体の注入やマイクロバブル液の注入が望ましい。
しかし、マイクロバブルのような気泡混入液の注入においては、気泡はそれ自体の粒径が5μm〜100μm程でセメント系粒径と同程度であってその浸透性は充分でない。
本発明者はマイクロバブル液を細粒子と併用した場合
(1) 細粒子はマイクロバブルよりも極めて微粒子であって比表面積が大きくかつ、電気的化学的性質を有していることから、マイクロバブル液と併在する場合、気泡を閉じ込め或は泡の流動を妨ぐ効果がある。
特にベントナイトの場合は粘着性と水密性と膨潤性に富む事からこのような特性に優れている。このため気泡の逃げ道をふさいで気泡が浸透しやすい砂層を経済的に液状化防止することができる。
(2) 細粒子は液状化層の土粒子間に全て充填することができなくてもシリカ溶液中に細粒子を含ませることにより液状化しやすい地盤の土粒子間同士を鎖状にかつ粘弾性をもって連結する。そして、マイクロバブル液が浸透しやすい砂層を経済的に液状化防止することができる。
(3) シリカ溶液に気泡を混入したシリカバブルではシリカのゲル化が優勢なためゲル強度が高くバブルが地震動によって収縮しにくいが、細粒子に拘束された気泡は地震動によって収縮し間隙水圧の上昇を防ぐ。
また、細粒子と低濃度シリカ溶液を混合した注入液を注入した地盤では気泡が細粒子と共に粘弾性のある弱いゲル化物で拘束されるため地盤内の気泡も同様な現象が起り得る。
このように本発明では地震動によって気泡の体積が収縮して間隙水圧の上昇を防ぐことがでる。また、細粒子を含むシリカ溶液は細粒子を含まないシリカ溶液に比べて低いシリカ濃度で安定したゲルを形成するので、細粒子からなる充填物は自己修復性があるので地震動による土の完全な破壊を防ぐ。
以上の3つの機能によって細粒子と気体の併用は液状化を経済的に防ぐことが判り、本発明を完成した。参考までに懸濁型グラウトの注入可能限界は土の間隙率と間隙径と土粒子のD10,D15と懸濁液のD85,D95から得られると考えられている。
直径Dの球の「間隙の大きさ」、すなわち間隙径αは、間隙率26%(もっとも締まった状態)で球の直径Dの15%の大きさであり、間隙率48%(もっとも緩い状態)で球の直径Dの41%の大きさであると考えられている。
砂れきの間隙率n と「間隙径」αは、多くの実験の結果では、実際の河床砂れきの間隙率は35〜38%程度を示すことがもっとも多いと知られている。
また、室内実験では単粒度骨材の「間隙径」を実測した結果を統計的に調査してみると、α/D≒20%,すなわちα=D×(1/5)の場合がもっとも「頻度」が大きいと考えられている。ここでd=間隙径、D土粒子間隙をスムーズに通りうる粒子径とする。
このような考えをもとに懸濁粒子が浸透しうる土粒子の粒径加積曲線の10%,15%径を求めることができると考えられている。懸濁液の粒径加積曲線の10%径,15%径をD10,D15とし、地盤の粒径加積曲線の85%径,95%径をD85,D95とすると、D10,D15とD85,D95の関係の実験的統計結果より多くの実験結果をまとめてみると、
N1=D15/D85≧15
N2=D10/D95≧8
の関係が満足されないとグラウト(懸濁液)はスムーズに浸透できないことが知られている。
N(ふつうはN1をとる)を「注入比」(Groutability Ratio)という。
セメント,ベントナイトの85%、95%径の値として以下の例とすると、
セ メ ン ト :D95=0.074mm
D85=0.067mm
ベントナイト:D95=0.007mm
D85=0.007mm
懸濁液の浸透可能な土粒子の粒度は以下のようになる。
セ メ ン ト :D15=D85×15=0.067×15=1.005mm
D10=D95×8=0.074×8=0.592mm
ベントナイト:D15=D85×15=0.002×15=0.030mm
D10=D95×8=0.007×8=0.056mm
図1に図示する液状化しやすい粒径分布の地盤に細粒子を注入してもその間隙が細粒子に充填されるだけだから、地盤の粒径分布そのものが左側に移行する訳ではないが、全体の粒径分布を左側に移さなくても粒径分布曲線の通過100分率の20%以下の細粒分を増やすことにより左側に移行するだけでも液状化がしにくくなることが判ったことは大きな発見であった。
例えば、直径5cm×高さ10cmのモールド内に豊浦砂300g(約196ml、Dr60%)を詰めた模擬地盤の場合、液状化の可能性がある範囲に粒径加積曲線がくるが、該模擬地盤あたり10gの図2(a)に示す粒径曲線をもつ5μ以下のベントナイトを注入すると粒径曲線が左に移行する。さらに注入を行い、地盤中にベントナイトが40g注入された場合、図2(b)となり液状化の可能性のある範囲から粒径加積曲線が左に移行する。
この時の細粒子は上記ベントナイト以外でもシリカフューム、炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、ブラックカーボン等の細粒子であれば同様の結果が得られる(表2,図3)。特に、液状化の可能性のある粒径加積曲線から左側に外れるもの程効果的である。
しかし、地盤の間隙充填が不十分な場合、或いは地震動が大きい場合、地震による繰返しセン断力が加わると間隙水圧が上昇して液状化を生ずる危険がある。
一般に水ガラスグラウトの最適の適用対象は、微細砂あるいは粗砂である。
すなわち、比表面積が100〜1000cm-1の砂に適用される(表1)。
透水係数からいえば主に k=10-1〜10-3cm/secの砂に適用されるが(表1)、シリカ濃度の極めて低いシリカ溶液、特に非アルカリ性のPH領域のシリカ濃度はシリカ濃度が1〜3%でも浸透可能であり、シルト質砂の10-4オーダーの地盤でも可能である。シリカ濃度が2%以下の場合、シリカの固結や、特に地下水面下におけるシリカのゲル化能力は極めて少なく、液状化強度改善度は低い。ところが、細粒子の存在下ではシリカ濃度が2%以下、0.5%でも十分な液状化強度が得られる。
また、シリカ濃度の薄いシリカ溶液では地下水の流れがあると長期的にゲルが細かく砕かれ耐久性が不十分になる。しかし、細粒子によって空隙が充填され地下水の影響が遮断されていればシリカのゲルは安定化する。
したがって、このように細粒子と希薄シリカを地盤の粒度に対応して用いれば液状化の可能性のある地盤は大部分が液状化しにくい細粒度地盤へ移向させることができる。
したがって、細粒子又は細粒子+低濃度シリカ溶液は注入可能限界内の地盤中に注入すれば注入液の注入量相当の量の粘性土分が増加した地盤になるとみなせるので液状化の起こらない粘性土地盤にすることが出来る事が判る。
また、経済性を考慮したマイクロバブル液の注入を併用が望ましい。マイクロバブルと細粒子の注入を併用した場合、マイクロバブル液の前記課題を解決するだけでなくマイクロバブルによる液状化防止効果が薬液に比べて低くても細粒子注入液による拘束効果でマイクロバブル浸透領域に対する地震時のセン断力が低減されるため経済的な液状化防止効果が得られる。
このため、気泡又は気体を共存させる事により間隙水圧の上昇を気泡又は気体の体積変化によって吸収して間隙水圧の上昇を抑えて液状化を防止することができる。
本発明は、液状化の可能性のある粒径分布からなる地盤にベントナイトやホワイトカーボン、炭酸カルシウム、シリカフューム等の極微細粒子等の細粒子、或は気体を混入した細粒子を注入して地盤を粘土化、或いは相対密度を上げることにより、地盤改良をきわめて経済的に行うことができる。
(a),(b)は、特に液状化の可能性のある地盤の粒径分布を示すグラフである。 (a),(b)は、特に液状化の可能性のある地盤の粒径分布を示すグラフである。 極細粒子としてホワイトカーボンの10%液を豊浦砂に注入した場合のホワイトカーボンの粒径分布と豊浦砂の粒径分布の変化を示す。 図23(a)図示する装置で作製されるモールドに用いられる砂の粒径曲線を示すグラフである。 本発明の地盤改良工法に用いられる微細気泡(マイクロバブル)溶液生成装置と注入管の一例を示し、図5(a),(b)はその全体説明図、図5(c)はマイクロバブル発生装置の説明図である。 本発明の地盤改良工法に用いられる微細気泡(マイクロバブル)注入液生成装置と注入管の他の例を示し、図6(a),(b)はその全体説明図、図6(c)はマイクロバブルノズルの説明図である。 図7(a)〜(d)は、本発明の地盤改良工法に用いられる注入管の一例を示す説明図である。 図8(a)〜(c)は、本発明の地盤改良工法に用いられる注入管の他の例を示し、図8(a),(b)は注入管先端の縦断面図、図8(c)は横断面図である。 図9(a),(b)は、地盤貫入試験機能を備えた注入管の一例を示す一部破縦側面図である。 既存構造物直下の地盤改良工法を示す概略縦断面図である。 図11(a),(b)は、既存構造物直下の地盤改良工法を示す概略平面図である。 図12(a),(b)は既存構造物直下の地盤改良工法を示す概略縦断面図である。 既存構造物直下の地盤改良工法を示し、図13(a)は概略平面図、図13(b)は概略縦断面図である。 図14(a),(b)は既存構造物直下の地盤改良工法を示す概略縦断面図である。 既存構造物直下の地盤改良工法を示し、図15(a)は概略平面図、図15(b)は概略縦断面図である。 排水機能を備えた注入管を示し、図16(a),(c)は排水機能の作用する状態を示す概略縦断面図、図16(b)は排水機能が作用する前の状態を示す概略縦断面図である。 図17(a)は地盤改良領域内の複数の注入地点に注入材を注入する地盤改良工法を示す概略平面図、図17(b)は、ガス管などの敷設管(ライフライン)に沿って、複数の注入地点に注入材を注入する地盤改良工法を示す概略平面図、図17(c)はその概略縦断面図である。 図18(a),(b)は、ガス管などの敷設管(ライフライン)に沿って、複数の注入地点に注入材を注入する地盤改良工法を示す縦断面図である。 図19(a),(b)は、ガス管などの敷設管(ライフライン)に沿って、複数の注入地点に注入材を注入する地盤改良工法を示す縦断面図である。 図20(a),(b),(c)は、複数の注入地点に注入材を注入する地盤改良工法を示す説明図である。 図21(a)は、複数の注入地点に注入材を注入する地盤改良工法を示す全体の説明図、図21(b)は注入管の一部を示す拡大説明図である。 図22(a),(b)は、地盤中における細粒分の含有率を測定するRI法の説明図である。 図23(a)は供試体製作装置の説明図、図23(b)は地盤中におけるマイクロバブルと気泡の挙動を示す説明図である。 図24(a),(b)は気泡混入工法とマイクロバブル水注入工法の説明図である。 図25(a)は事前に飽和度と誘電率との関係を示した結果を示すグラフ、図25(b)は注入地点を示す図、図25(c)は現場にて複数箇所を同時に計測しながら施工管理を行った例を示すグラフである。 図26(a)は地盤の間隙に細粒分を注入したときの間隙比と液状化強度との関係を示すグラフ、図26(b)はそのときの誘電率と間隙比との関係を示すグラフ、図26(c)は現場にて複数箇所を同時に計測しながら施工管理を行った例を示すグラフである。 図27(a)は表6に示すL2/L1の値を注入口からの距離との関係で示したグラフであり、図27(b)は表6に示すL22/L1の値を同様に示したグラフである。 注入量の計算値を示すグラフであり、図25(b)のようにL1は同心球状にマイクロバブルが拡がった場合の注入口からの距離との関係を示したものであり、L21はL1に図28に示すL21/l1を乗じた値を示したものである。 注入速度を途中で高くした場合における経過時間と飽和度の関係を示すグラフである。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明に用いられるシリカ溶液はアルカリ性水ガラス溶液、水ガラスの酸で除去した非アルカリ性水ガラス(シリカゾル)、コロイダルシリカ、或いはこれらを有効成分とする混合物である。特に、本発明に使用されるシリカ溶液は水ガラス系グラウト好ましくは耐久性にすぐれたコロイダルシリカ系またはシリカゾル系等水ガラスを素材とするシリカ溶液からアルカリを除いた溶液型薬液を用いるのが望ましい。
上記におけるアルカリ性水ガラス溶液、水ガラスの酸で除去した非アルカリ性水ガラス(シリカゾル)、は水ガラスを希釈したものにゲル化時間の調整の為の反応剤を混合したものである。
上述の反応剤としては、酸性調整材として、硫酸、リン酸、重硫酸ソーダ、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の酸性塩、アルミニウム塩、炭酸塩、重炭酸塩、炭酸ガス、炭酸水、塩化物、アルミン酸塩、グリオキザール、エチレンカーボネートのような炭酸エステル、多価酢酸エステル等が挙げられ、さらにこの他、セメント、石灰、スラグ等も反応剤として単独で、または上記反応剤に併用して用いることができる。
上記におけるシリカコロイドは、粒径が5〜100nmの粒径の弱アルカリ性に安定させてなるコロイドである。また、水ガラス、あるいは水ガラスと酸を混合してなる酸性水ガラスをイオン交換樹脂やイオン交換膜で処理して得られる活性シリカでもよい。この活性シリカコロイドに水ガラス、酸あるいは塩を加えてなる活性シリカコロイド等である。
本発明におけるシリカコロイドは、液状のアルカリ金属シリカ塩水溶液(水ガラス)からアルカリ金属イオンのほとんどを除去して得られるものであって、例えば、ゼオライト系陽イオン交換体、アンモニウム系イオン交換体のイオン交換樹脂に水ガラスを通過させ、生成したシリカコロイドを80℃〜90℃の温度でさらに水ガラスに加え、再び上記イオン交換樹脂に通過してイオン交換を行って得られるものであり、比較的純粋な(希薄な)シリカコロイド(活性シリカコロイド)が得られる。
さらに、純粋なシリカコロイドを得るには、前述の希薄なシリカコロイドを微アルカリ性に調製し、これにさらに前述のシリカコロイドを加えながら蒸発し、安定化と濃縮を同時に行う方法、あるいはイオン交換後の活性シリカコロイドを適当なアルカリの下に加熱し、これにさらに活性シリカコロイドを加えて安定化する方法が用いられる。また、金属シリカからなるシリカ溶液でも良い。
本発明におけるシリカコロイド溶液は、Naイオンがほとんど分離除去されているため、通常pHが10以下の弱アルカリ性を示しており、Na2Oは0.2質量%〜4.0質量%の範囲にある。Na2Oは4質量%以上になるとシリカコロイドは溶けてしまい、ケイ酸塩の水溶液となってしまう。
一方、Na2Oが0.2質量%より少なくなるとシリカコロイドは安定して存在し得ず、凝集
してしまう。すなわち、Na2Oが0.2質量%〜4.0質量%の範囲で、Naイオンがシリカコロイドの表面に分布して安定したコロイド状に保ち得る。
このようにして調製されたシリカコロイドは、ほとんど中性に近く、かつ、半永久的に安定しており、これを注入液として用いる場合、工場から現場への搬入ならびに注入操作の際にゲル化する心配がない。
このシリカのコロイド溶液をそのまま地盤中に注入してもそれ自体実用時間内にゲル化することはないので実用上の固結効果は得られない。
また、本発明の地盤注入剤は、さらにこれらの注入材を併用することもできる。水ガラスはシラノール基を多く含み、反応性が早いため、初期の強度発現が早い。しかし、シリカコロイドに比べNaを多く含み、ゲル化後、ゲル化物の収縮が起こる。
本発明の細粒子は粘土、ベントナイト、シリカフューム、炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、超微粒子セメントや超微粒子スラグの製造時の残渣があげられる。
なお、粘土としてベントナイトは地盤改良分野において一般的に使用されており、粒径が5μm以下である。また、シリカヒュームは主成分が非晶質のシリカであり平均粒径は1μm以下である。そして、炭酸カルシウムは平均粒径30nm〜1μmのものを挙げることができる。
ホワイトカーボンは合成された微粉の無水ケイ酸、含水ケイ酸塩、含水ケイ酸カルシウム、含水ケイ酸アルミニウムなどの総称で、ゴムに配合すると、カーボンブラックに次ぐ優れた補強効果を示すことから、ホワイトカーボンとよばれる。製品中のシリカ(二酸化ケイ素)SiO2含有量も98%以上のものから50〜70%のものまで各種ある。製法により粒子径が異なるが、5nm〜5μmである。
ブラックカーボン、工業的に品質制御して製造される直径3-500nm程度の炭素の微粒子。化学的には単体の炭素として扱われるが、表面には様々な官能基が残存した複雑な組成を持ち、いわゆる無定形炭素と呼ばれるものに含まれる。
粒子径(粒の大きさ)、ストラクチャー(粒子のつながり)、表面性状(官能基)をさまざまに変えることにより特性が大きく変わり、これらは製造法によりある程度コントロールできる。
超微粒子セメントや、超微粒子スラグの細粒子の製造方法の例としては本発明者らにより特許文献3において分級する方法が示されている。
これら一種または複数を間隙中に混合して注入することで改良効果を上げることができる。
Figure 0005369340
配合1〜4にシリカ化合物と細粒子としてベントナイトを混合し、後述の珪砂7号に注入した時の28日後の液状化強度を表4に示す。
珪砂のみの場合に比べて、液状化強度が高い値が得られた。
Figure 0005369340
(1) 細粒子としてベントナイト、炭酸カルシウムまたはホワイトカーボンを用いた時の改良効果、及び、ベントナイト、炭酸カルシウムまたはホワイトカーボンとシリカとの混合液の改良効果を確認した。
(2) ベントナイト、炭酸カルシウムまたはホワイトカーボン懸濁液、あるいはベントナイト、炭酸カルシウムまたはホワイトカーボン懸濁液+シリカを作製し(表5)、図23(a)に図示する装置により現場砂に注入し、現場砂の改良効果を確認した。
Figure 0005369340
供試体作製手順は先ず砂を密度60%になるようにモールドに詰め、載荷板を供試体に取り付け、空圧により載荷板を押し下げ拘束圧を付加する。この状態で試料を脱気水により飽和したのち、表4の薬液の浸透注入を行った。
さらに、それぞれの混合液に気泡発生装置により注入材及び13注入口に気泡を混入し11供試体内部に注入材と気泡を注入した。注入された供試体は所定期間拘束圧下で養生し、4週間後液状化強度比Rを求めた。結果を表5に示す。
なお、試験No.3は実施例1の配合No.2、試験No.4は実施例1の配合No.3を用いた。
砂は、細かい砂質地盤を想定した7号珪砂と、粗い砂地盤を想定した5号珪砂を用いてモールドを作成した。なお、使用した砂の粒径曲線は図4に示す。
ここで用いる気泡発生装置を図6(a)〜(c)に示す。図6(a),(b)のマイクロバブル発生装置にはマイクロバブルノズル(図6(c))が内臓されており、加圧水がノズルの円形通路の円の接線上に空気と共に供給されると渦流と共にじょうご状に開放された出口からマイクロバブル液が噴出する。
この場合、加圧水の圧力と流量と気体流量調整弁を調整することにより注入液中の空気量の調整が可能である。また、注入液はシリカを含有してゲル化機能を有するものでもよい。なお空気を供給しなくても加圧水の圧力が高ければノズル中の細孔を経て加圧水の圧力が解放されて加圧水中に溶存していた空気が分離してマイクロバブル液となって噴出する。また後述する図5(a)〜(c)に図示する装置を用いることもできる。
Figure 0005369340
(1)細かい砂質地盤(7号珪砂)での検証
試験No.1、2の注入材を注入した供試体は改良前に対し液状化強度が0.26に上昇した。
さらに気泡混入を行ったものは0.32に上昇した。これより、ベントナイトや炭酸カルシウムが砂の間隙で膨潤し、液状化強度が上がること、さらに、間隙に気泡が混入することで、繰り返し載荷時の振幅を吸収する効果が得られることがわかった。その効果は水で飽和し、気泡混入した時に比べ、注入材の粘性が高いことから気泡残存量が多くなり液状化強度の上昇効果が高くなることがわかった。
さらに、少量のシリカ化合物を混合し、全体がゲル化する注入材試験No,3,4,5においては、気泡無しでも高い液状化強度が得られ、更に気泡を混入後の液状化強度の上昇効果が高くなることがわかった。
これは、注入液全体がゲル化することにより気泡が砂の間隙で保持しやすくなり、試験No.1,2に比べ繰り返し載荷時の振幅を吸収する効果が得られると考えられる。また、比較例の水ガラスのみの場合に比べて液状化強度が上昇したことより、ベントナイトをシリカ系注入材に混入することで液状化防止効果が高まることがわかる。
(2)粗い砂地盤(5号珪砂)での検証
粗い砂地盤(5号珪砂)に注入したものは細かい珪砂を使用したものに比べて液状化強度が高くなった。更に、気泡を混入したものも同様に珪砂7号に比べて高い液状化強度が得られた。これより、粗い砂地盤ではベントナイトや炭酸カルシウムが間隙に浸透しやすく、より高い効果が得られることがわかった。
実施例1の実験において、さらに13注入口において供試体内に4週間後に気泡を追加注入し一年後の液状化強度を測定した。表7に気泡の追加注入の有無による液状化強度の比較を示す。
Figure 0005369340
液状化対策の方法として豊浦砂に細粒子を入れた場合の粒径分布の変化や相対密度の変化の実験を行った。結果を表8に示す。
Figure 0005369340
φ5cm×10cm、相対密度Drが40%及び60%の豊浦砂の供試体を作製した後、シリカ濃度6%の注入液を1l作製し、注入液にホワイトカーボンを100g溶解した。
供試体を水で飽和させ、ホワイトカーボンを溶解した溶解液を供試体に浸透させた後、浸透後の供試体を乾燥させ、乾燥重量を計測した。相対密度40%では38g、相対密度60%では35.2gの重量増加が確認できた。この分は供試体内に含まれるホワイトカーボンにあてはまる。
そこで、豊浦砂とホワイトカーボンを混合させた試料の最大、最小密度試験を行った。混合比率は相対密度40%では豊浦砂:ホワイトカーボン=283.1:38.0、相対密度60%では豊浦砂:ホワイトカーボン=295.3:35.2である。その結果、相対密度40%では最大乾燥密度1.742、最小乾燥密度が1.388、相対密度60%では最大乾燥密度1.737、最小乾燥密度が1.381となった。ホワイトカーボンが含まれる供試体の相対密度を計算した結果、それぞれ74%と87%を示し、高密な地盤を形成できることが分かった。
相対密度40%の豊浦砂にホワイトカーボンが含まれた場合における粒度分布を示す(図3参照)。「液状化の可能性あり」のグラフから外れ、液状化しにくくなることが分かる。また、へーゼンの実験式より地盤の透水係数kは10%粒径D10と以下の関係が示されている。
K=CD10 2
Cは100程度であるが、D10は有効径といわれており、10%粒径が透水係数に大きく影響を及ぼすことが分かっている。
ホワイトカーボンや炭酸カルシウムを水ガラスに溶解させることによって、溶解度が大きく、10%粒径が小さくなることで、透水係数が低下し、液状化に対して安定する。
以上より豊浦砂の細粒分含有率が10%程度増え、かつ相対密度が20〜35%程度増大することがわかった。
また混合液のpHによって極細粒子の溶解性が異なり、水では殆ど溶解せずシリカ溶液では一部が溶解し、他は長時間後に沈殿する。pHによって異なり、アルカリでは溶解性に大きく酸性では少ない。残りは炭酸カルシウム或いはホワイトカーボンが土粒子間に沈積して粒径分布の細粒分を増やす。
従って、添加量の他、pHによって粒径分布の変化や相対密度の変化をコントロールできることが分かる。またシリカ溶液に反応剤が入っていれば、上ずみ液のシリカがゲル化するために液状化強度が大きくなることがわかる。
Figure 0005369340
未改良砂、比較例においては、追加で気泡注入しても一年後には気泡が抜けてしまい液状化強度は初期値とほぼ同じ値になった。試験No1,2,3においては追加気泡無し、に比べ追加気泡有の場合液状化強度野低下率が少ない。
これは先に注入したベントナイトが後から注入した気泡を閉じ込めることにより液状化強度が長期において保持したものと考えられる。
試験No.4、5はNo.3の配合にくらべ長期においては液状化強度の若干の低下がみられたが、液状化対策工としては十分な改良効果が得られた。
以上の追加気泡の効果は実施工後において永年月経て後の計測の効果万一不飽和度が低下している事が判ったら、その時点で追加気泡を行えば液状化防止効果を継続させる事が出来ることがわかる。
次に、上記の細粒子を注入液として地盤に注入して地盤中に5μmより小さい粒径を含む細粒分を増やして液状化を防止する具体的を説明する。
図5(a)〜(c)は、本発明の地盤改良工法の実施に際して用いられる微細気泡(以下「マイクロバブル」)液生成装置と注入管の一例を示し、図において符号1は、水またはシリカ溶液(以下「注入液」)にマイクロバブルを混入するためのマイクロバブル発生装置(渦流発生装置)、符号2はマイクロバブル発生装置1に送り込まれる注入液をいれる溶液タンク、そして符号3はマイクロバブル発生装置1において生成されたマイクロバブル液を地盤中に注入する注入管である。
マイクロバブル発生装置1は、動力によって高速回転する羽根車1aを内臓し(図5(c)参照)、また、溶液タンク2から延びる送液管4と空気を取り込むエア供給管5がそれぞれ接続され、さらに、マイクロバブル発生装置1内で撹拌、混合および溶解された水またはシリカ溶液と微細気泡との混合液を地盤中に注入する注入管3に延びる圧送管6が接続されている。また、送液管4、エア供給管5および圧送管6にバルブ7がそれぞれ取り付けられている。
このような構成において、マイクロバブル発生装置1内の羽根車1aが動力によって高速回転することにより、溶液タンク2から装置1内に注入液が送液管4を介して吸引され、同時にエア供給管5を介して装置1内にエアが吸引される。
そして、装置1内で高速回転する羽根車1aによって注入液と微細気泡が撹拌、混合および溶解され、かつ圧送管6を介して注入管3に圧送され、そして注入管3から地盤中に注入されることにより地盤が不飽和化される。
マイクロバブル液生成装置としては、例えば、図6(a)〜(c)に図示するようなマイクロバブル液生成装置も使用される。当該マイクロバブル液生成装置は、マイクロバブル発生装置8と給水ポンプ9とコンプレッサー10を備えて構成され、簡便なマクロブブル液生成装置といえる。
マイクロバブル発生装置8は、直線状をなす円形通路11aとその先端に円形通路11aより大きい内径のじょうご状に形成された溶液放出路11bとからなるマイクロバブルノズル11を備え、円形通路11aの後端側には気体流量調整弁7を介してコンプレッサー10から延びるエア供給管5が接続され、また、円形通路11aの先端寄りの側部に給水ポンプ9から延びる給水管12が接続されている。給水管12の先端12aは円形通路11aの内周面の接線方向に開口している。
このような構成において、コンプレッサー10の作動によりエア供給管5を介して円形通路11aにエアが供給され、同時に給水ポンプ9から給水管12を介して円形通路11a内に加圧水が給水されると、円形通路11aの先端部分から溶液放出路11bにおいて加圧水の水流により加圧水と気体の旋回流(渦流)が形成され、溶液放出路11bの先端からマイクロバブル水となって放出される。なお、円形通路11aに加圧水の代わりにシリカ溶液を加圧供給することによりマイクロバブルが混入されたシリカ溶液を生成することができる。
図7(a)〜(d)は、本発明の実施に際して地盤中に挿入される注入管の一例を示し、特に図7(a),(b)に図示する注入管は、複数の注入細管13を各注入細管13の先端吐出口13aを管軸方向に一定長ずらし、かつひと束に結束することにより構成されている。
このように構成されていることにより、各注入細管13の先端吐出口13aから深さの異なる複数のステージ(地層)にマイクロバブルを混入した水またはシリカ溶液を同時に、または一または複数のステージを任意に選択して注入することができる。また、浅いステージに細粒子含有注入材またはシリカ溶液注入材を注入し、深いステージにマイクロバブルを注入することもできる。
図8(a)〜(c)は同じく注入管を示し、ケーシング14と当該ケーシング14内に設置された一または複数の注入細管13を備えて構成され、ケーシング14の先端に先端コーン15が離脱可能に取り付けられている。
また、特に図8(a),(c)に図示する注入管においては、複数の注入細管13が一束に結束され、かつ各注入細管13の先端吐出口13aが管軸方向に一定長ずれている。なお、符号16は複数の注入細管13をケーシング14内に保持する保持具である。
このような構成において、ケーシング14を注入細管13と共に地盤中に打ち込み、続いてケーシング14内にシールグラウト16を圧入しながらケーシング14のみを徐々に引き抜くことにより注入細管13の周囲にシールグラウト16を充填する。
そして、各注入細管13を介して地盤中にマイクロバブルを混入した水またはシリカ溶液を注入することにより、地盤を不飽和化して地盤改良することができる。
なお、ケーシング先端の先端コーン15はケーシング14内にシールグラウト16を圧入することにより、その注入圧により押し出してケーシング14の先端から取り外すことができる。
図9(a),(b)は注入管の変形例を示し、図8(a),(b),(c)で説明した注入管において、さらに自然落下による連続打撃によってケーシング14を注入細管13と共に地盤中に貫入させるハンマー17と、ハンマー17の打撃によるケーシング14の一定貫入量ごとの打撃回数(N値)を記録するカウンター18を備えている。この注入管3を用いると、本来なら別途作業により事前に行うべき地盤の貫入試験、地盤調査およびボーリングを地盤に注入管3を打ちこみながら行うことができる。
図10〜図15は、貯蔵タンクなどの既存の構造物直下の地盤に、液状化対策として行う本発明の地盤改良工法を示したものである。最初に、既存構造物Aの周囲の地盤中に細粒子混入液を注入することにより隔壁18を形成する。
続いて、隔壁18によって区画された地盤中に細粒子混入液またはシリカ溶液(シリカグラウト)、あるいはこれらの溶液中に気泡液、空気またはマイクロバブルを混入した溶液を注入することにより既存構造物直下の地盤を不飽和化して液状化を防止することができる。
隔壁は特に気体混入液の注入において好ましい。なぜならば空気注入の場合は注入された空気は容易に上方の空気中に逸脱してしまうが、気体混入液は混入液中の微粒子バブルは土粒子表面に吸着するため直ちにそれ自体で空気中に散逸することはない。しかし気体混入液は液状化が生じやすい堆積層において平面的に堆積された土層の境界面に沿って平面的に広範囲に逸出しやすい。
このために所定範囲に隔壁を設けて混入液の逸出を防ぎその上でこの隔壁内で不飽和化をはかるのが好ましい。不飽和化をはかる管理方法は後述する。そして隔壁内で後述する不飽和化管理方法を用いてはじめて本発明の優れた効果を発現しうる。
なお、気泡液、空気、マイクロバブルは、地盤中に細粒子混入液またはシリカ溶液を注入した後から注入してもよい。また、図12(b)に図示するように地盤の表層部にシリカグラウトまたは気泡、空気またはマイクロバブル混入シリカグラウトを注入し、その下層部分に気泡、空気またはマイクロバブルを注入してもよい。さらに、マイクロバブルを混入した水またはシリカ溶液 (10μm〜100μmの気泡を含む空気溶存溶液)を地盤中に注入するのがよい。
隔壁18は、既存構造物Aの周囲に構造物直下の地盤を完全に取り囲むように、例えば矩形の枠状に形成し、また、隔壁18は不透水層または非液状化層19まで連続して形成する。
さらに、既存構造物Aの周囲を取り巻く隔壁18内の地盤面積がかなり広い場合には、必要に応じて図11(b)に図示するように隔壁18の内側に格子状の仕切り壁20を形成して隔壁18内の地盤を複数に仕切る。
なお、隔壁18は鋼製矢板、コンクリート矢板、場所打ちコンクリート壁、場所打ちRC杭、高圧噴射固結体または固結柱(ソイルセメント柱体)の連続壁、さらには懸濁液などの固結材を注入することにより形成することもできる。
このように施工することで、細粒子混入液、シリカ溶液、あるいはマイクロバブル等の注入材が周辺に逸脱しにくくなり、また地下水の影響を受けにくくなり、さらには地下水の移流や地震動による地盤の変状も起こりにくくなるため液状化が発生しにくくなる。
また、気泡液、空気またはマイクロバブル溶液を混入して地盤を不飽和化することにより液状化を防止することができる。したがって、少々の地盤の変状を許容して地盤改良を行っても大きな液状化に至らないため、きわめて経済的に地盤改良を行うことができる。
さらに、仕切り壁20によって仕切られた各地盤内にマイクロバブルを混入した水または細粒子液或はこれらにシリカ溶液を加えた注入材を注入することにより、隔壁18と仕切り壁20の剛性により地震力によるせん断力を低減し、内部に作用するせん断力を小さくして液状化を防止することができる。
また、マイクロバブルの液状化強度が小さいために、地震時に少々の変位が生じても格子状の仕切り壁20によって全体的な地盤の変位は抑制されることにより液状化は防止できるため、経済的な地盤改良が可能であり、また、隔壁18と仕切り壁20によって細粒子を注入した後のマイクロバブルの注入液の逸送を防止することができることにより、マイクロバブルによる液状化防止効果を長期にわたって持続させることができる。
なお、隔壁18内に仕切り壁20の代わりに複数の柱状固結体(ソイルセメント杭)を一定間隔おきに形成し、この柱状固結体の周囲に細粒子を注入した後、微細気泡を混入したマイクロバブル液またはシリカバブル液を注入することにより、既存構造物直下および周辺の地盤を不飽和して液状化を防止することができる。この場合も少々の地盤の変状を許容しても大きな液状化に至らない範囲で地盤改良を経済的に行うことができる。
また特に、隔壁18内の地盤中に地盤改良計測センサー21を設置して気泡液、空気、マイクロバブルの注入状況をリアルタイムで確認しながら注入を行うことにより、地盤改良を無駄なくきわめて効率的かつ確実に行うことができる。
地盤改良計測センサー21は電気比抵抗測定器などで、地盤の電気抵抗変化または誘電率から気泡の到達範囲や飽和度の変化や間隙率の減少の程度とその分布状況を知り、それによって注入の管理を行なうことができる。
また、図13(a),(b)に図示するように注入領域内の削孔中に設置した地盤改良計測センサー21、注入管22、当該注入管22にそれぞれ接続された分岐バルブ23、圧力計24、流量計25およびマイクロバブル発生装置26をコントローラー27によって集中管理することにより、地盤改良計測センサー21からの情報に基づき注入量、注入管22の選定、注入の完了、注入の繰返し等の管理を行なうことができる。
間隙率と間隙充填率と目標不飽和度と注入液中に含まれるマイクロバブルの空気量から目標とする不飽和度を得るに必要なマイクロバブル水の注入量を算出することができる。このようにして注入管理と不飽和化の管理を行うことができる。
図10〜15において前述したように隔壁内の液状化層の地盤を目標不飽和地盤にするのに必要とする空気量が得られるように注入されたマイクロバブル注入液の注入量から地盤に注入された空気量が算出される。一方所定の注入管から注入されたマイクロバブル液の注入量からマイクロバブル中の空気量を算出したその注入による不飽和化度が算出される。またその注入孔からの注入液の到達範囲に設けたセンサーから地盤の不飽和化度が算出されて(図1、図25)、以上の注入液から算出される不飽和化度とセンサーによる計測値から算出される不飽和化度を比較してその差率を算出することができる。地盤中におけるマイクロバブルの損失率とみなすか、或いは、その差率を製造された空気含有注入液中に含まれる空気量と地盤中で放出される空気量の差をマイクロバブル生成率とみなして、その量を加算して注入するか或いはマイクロバブル混入率を上げて(マイクロバブル製造中に加圧してマイクロバブルの含有率を大きくする等)注入設計を行うことができる。
なぜならば地盤に注入される前の空気含有液中の空気の全量が地盤中に放出されるとは限らないからである。以上を一本当たりのマイクロバブル液の注入に対して、或いは注入領域全体の注入のいずれか或いは両方に関して比較検討して注入管理を行うことができる。
1.注入改良体の設計
1-1 基本式
改良範囲の飽和度Srは以下の式に示すことができる。
Figure 0005369340
ここで、
改良範囲V,間隙率n
充填率α,マイクロバブル生成率β,ロス率d,注入量Qである。
1-2 マイクロバブルの溶存率と生成率
空気の溶解度は1気圧(0.1MPa)あたり、水1cm3に対して20℃で0.019cm3(1.9%)である。
ヘンリーの法則より圧力と溶存率は比例関係となる。20℃、P気圧で注入した場合の、水1cm3に対するマイクロバブルの溶存率δは以下の式に示すことができる。
Figure 0005369340
また、注入液が地盤に注入されると大気圧となるとみなすと、溶存量は0.019cm3まで低下し、その差がマイクロバブルとなって地中に生成される。
マイクロバブル生成率βは以下の式に示すことができる。
Figure 0005369340
2気圧(0.2MPa)で注入した場合、マイクロバブルの溶存率δは3.8%,生成率は1.9%となる。
ただし上記差がそのままマイクロバブルの生成にあずかるとは限らない。その場合はマイクロバブル生成率をその分加算すればよい。或いはその分をロス率としてもよい。
1-3ロス率の検討
改良範囲Vが1000m3(10m×10m×10m),間隙率nが0.4の地盤とする。
飽和度90%とするために必要となる注入量を計算する。
Figure 0005369340
ロス率がない(d=0)場合には2104m3注入すればよい。
上式においてロス率を10%(d=0.1)と仮定すると4208m3の注入が必要となる。
これよりロス率に応じた注入量の検討が可能となる。その他,各パラメータを変更することによって実地盤に応じた設計が可能となる。図25(b)において改良体を半径r(=0.5m)の球状とする.飽和度Srを90%としたときに、改良球に含まれる気泡量qは以下に示される。
Figure 0005369340
注入速度をvとすると、水に含まれる気泡の生成速度はv’=βv=0.019vとなる。
注入速度vを8l/minで20.9lの気泡が入るために必要となる時間tは以下に示される。
Figure 0005369340
2.マイクロバブル液の空気含有量測定法
地盤中に注入される前のマイクロバブル液の空気含有量を測定する。
マイクロバブルの溶存率δを計測する方法である。
1)マイクロバブル製造装置により算出
1気圧(0.1MPa)あたり、水1cm3に対して20℃で空気は0.019cm3(1.9%)溶解する。
ヘンリーの法則より、注入圧と溶解度は比例関係にある。圧力目盛がx(atm)の場合における溶解度γ(%)は
γ=1.9×xで計算でき、この値とδを比較する。
2)溶存酸素計からの算出
溶存酸素計として、横河電機株式会社製の(DO402G,DO70G,DO30G)を使用する。
空気内に酸素はおよそ20%含まれている。計測値を5倍することで空気量を算出できる。
地盤中の飽和度Srのとき、地盤中に含まれる空気量はβ=(1−Sr)(%)となり、マイクロバブル溶存率δ=(1‐Sr+1.9)=2.9‐Srとなる。酸素量Doは溶存率δの20%となるため、以下に示される。
Figure 0005369340
飽和度90%(=0.9)の場合、Doは40%(=400ppm)となればよい。
3)ピクノメータでの計測
測定口から取り出した水をピクノメータに入れる。気体が外に逃げないように密閉する。水は下に,気泡が上に分離する。分離時間と気泡の径、水面の位置よりストークスの式を用いて気泡の量及び飽和度を計算する。
3.地盤中における空気含有量の計測
地盤中に含まれるマイクロバブル生成率βを求める方法である。
1)電気抵抗による計測
計測された誘電率より飽和度を算出してマイクロバブル生成率を求める。飽和度の計算式を式1、誘電率の計算式を式2に示す。Kairを1、Kwaterを81、Ksoilを4として間隙率nと体積含水比θをパラメータとした場合のSrとKとの関係を図25(a)に示す。計測値Kから図25(a)より飽和度Srを読み取る。
式1及び式2を以下に示す。
式1
Sr=θ/n×100
式2
K=(n-θ)Kair0.5+θKwater0.5+(1-n)Ksoil0.5
Sr:飽和度
θ:体積含水率
n:間隙率
K:誘電率
Kair:空気の誘電率
Kwater:水の誘電率
Ksoil:土の誘電率
2)土壌水分計による計測
土壌水分計では体積含水率θが得られる。体積含有率から飽和度を計算する。
Figure 0005369340
これらの結果よりロス率を換算して,トータルの注入量を計算することができる。
4.注入例
(設計)
地盤中に一定領域を囲むように遮断壁を形成し、当該遮断壁内の地盤中に気体混入液を注入することにより地盤を不飽和化する。
改良範囲Vが1000m3(10m×10m×10m),間隙率nが0.4の地盤を改良する。
目標飽和度は90%とし,実際の地盤におけるロス率dを10%として、飽和度80%となるように注入する。
空気の溶解度は1気圧(0.1MPa)あたり、水1cm3に対して20℃で0.019cm3(1.9%)である。2気圧(0.2MPa)で注入するため、ヘンリーの法則より、水1cm3に対して20℃で0.038cm3のマイクロバブルが溶存されている(溶存率δ=3.8%)。注入液が土中に含まれると大気圧(0.1MPa)になるため、溶存量は0.019cm3となる。0.038cm2-0.019m2=0.019m2が溶出され、土中に気泡として存在する(気泡含有率β=1.9%)。
改良体へ注入するマイクロバブルの総量を以下に示す。
Figure 0005369340
80m3のマイクロバブルが存在するために必要な改良体への注入量の総量を以下に示す。
Figure 0005369340
注入間隔を1mとすると、改良球が1000個形成できる。改良球1個あたりの注入量を以下に示す。
Figure 0005369340
改良球1個あたりの注入時間は60分を目標とする。注入速度を以下に示す。
Figure 0005369340
そこで、マイクロバブル発生装置(エアターボミキサー)はKTM32ND15Z(NIKUNI社商品)を用い,流量80l/min,圧力0.2MPa,モータ動力1.95kWで注入することによって地盤改良した。
地盤中のマイクロバブル生成速度v´を以下に示す。
Figure 0005369340
(施工)
注入前に下図に示す6箇所にセンサー(TDR土壌水分計(藤原製作所TDR-341F))を設置して品質管理を行った。飽和度Srは体積含水率θと間隙率nより以下の式で算出できる。
Figure 0005369340
表示された体積含水率θから飽和度Srを算出する。例えば、θが0.36を示せば目標飽和度は90%となる。
(請求項8→センサーの結果から注入量を管理、請求項9→センサーの限定、
請求項13・14→注入時間の管理)
体積含水率から飽和度を算出し、経過時間と飽和度の関係をプロットした。
その結果を図25(c)に示す。70分経過した段階で計測位置から最も遠い位置でも飽和度が90%以下を示し、ロス率10%を考慮して80%で設計することによって所定の品質が得られたことを確認した。他の改良体においても70分で注入すればよい。
(施工管理)
注入口から同心球状にマイクロバブルが形成された際に、飽和度80%において必要となるマイクロバブル量L1を示す。
センサーによって計測された飽和度Syが90%、80%となる際の時間を測定し、地盤中のマイクロバブル生成速度v´(=1.52l/min)で乗じた値L21、L22を示す。この差がロス率となるため、L21/L1、L22/L1を算出し括弧内に併記した。注入口からの距離が近いA1〜A3はロス率が大きいが、B-1〜B-3に関しては2倍〜5倍である。
注入口からの距離とロス率との関係を図に示した。近似線によって推測することで、注入口からの距離の違いによるロス率の値を求めることができる。
Figure 0005369340
飽和度90%の改良径を1.2m形成する場合、注入口からの距離が0.6mのため近似式よりL21/L1が1.56となる。
必要となるマイクロバブル量L21は下式により112.8lとなる。
Figure 0005369340
マイクロバブル生成量から算出した必要注入量L1とセンサーからの飽和度より算出した必要注入量L21との関係を示す。注入初期は注入口付近に形成されたマイクロバブルが集中し、時間の経過によって改良域が拡大する傾向をL21で示すことができ、実情に応じた注入量の設計が可能となる。
ロス率を10%として設計、施工したが、ロス率が設計より大きく飽和度が低減できず40分後でも飽和度が96%である。そこで注入速度を2倍にしてマイクロバブルの注入量を増加することにより、70分程度で目標飽和度の90%を得ることができた(図29参照)。
さらに、図14と図15に図示するように、隔壁18によって区画された地盤中に注入管22と共に地下水を汲み上げるための吸水管28を設置して、注入管22による注入液の注入と吸水管28による地下水の汲み上げを行うことによって、地下水位と地下水圧のバランスをとることにより、液状化を抑制することができる。
地盤改良領域内を隔壁18で囲んだ状態で気泡混入液を注入した場合、地下水が上昇して場合によっては被圧状態になることもありうる。(この場合、液状化しやすくなる)このため、地盤改良領域内を隔壁18によって区画し、その内側の地盤中に吸水管28を設置した状態で、注入液の注入と吸水を行って地下水の水位と地下水圧のバランスをとることもできるし、また特定の吸水管28から吸水することによって気泡混合液の浸透の方向性を制御することもできる。
さらに、吸水管28からの地下水の気泡の混入状態より注入液の到達の有無や気泡の混入量から地盤の不飽和度を把握することが出来る。また、吸水管28からくみ上げた地下水を用いて注入液とすることにより施工の合理化をはかることができる。この場合、吸水管28−注入液製造装置−注入管22を地下水が循環することになる。
既存構造物Aの直下の地盤を隔壁18によって囲い、その内側にマイクロバブル混入液を注入した場合、地下水が上昇して場合によっては被圧状態になることもありうる(この場合、液状化しやすくなる。
このため、隔壁18によって区画された地盤中に注入管22と共に地下水を汲み上げるための吸水管28を設置して、注入液の注入と吸水を行って地下水の水位または地下水圧のバランスをとることにより地下水位の上昇を抑制して液状化未然に防止することができる。
また、特定の吸水管28から吸水することによってマイクロバブル混入液の浸透の方向性を制御することもできるし、また吸水管28からの地下水の気泡の混入状態より注入液の到達の有無や気泡の混入量から地盤の不飽和度を把握することができる。さらに、吸水管28から汲み上げた地下水を用いて注入液とすることにより施工の合理化をはかることができる。この場合、吸水管28−注入液製造装置−注入管22を地下水が循環することになる。
また、図15(b)に図示するように注入領域内の削孔中に設置した地盤改良計測センサー21、注入管22、吸水管28、当該注入管22にそれぞれ接続された吸水バルブ29a、圧力計24、流量計25およびマイクロバブル発生装置26、さらに注入管22に接続された吸水バルブ29および吸水ポンプ30をコントローラー27によって集中管理することにより、地盤改良計測センサー21からの情報に基づき注入量、注入管22の選定、注入の完了、注入の繰返し等、さらに地下水位と地下水圧のバランスの管理を行なうことができる。
図16(a)〜(c)は、地震時における地下水位の上昇を抑制するための排水機能を備えた注入管と吸水管を示したものである。
注入管22も吸水管28もマイクロバブルの注入では薬液の注入と違って注入後に閉束する心配はない。したがって、注入管22および吸水管28の上部を通常は閉束しておき、地震時に間隙水圧が上昇した場合に限って地下水が逆止弁29aを通して排出する。
このようにしておけば、通常時は脱水圧密で地盤沈下をおこすことはなく、地震時に作動するため、たとえ永年月後にマイクロバブルの機能が低下しても液状化を防ぐという効果を生ずる。
図16(a)に図示する吸水管を例に説明すると、吸水管28の下端部から中間部付近にかけての側壁部に地下水が流入する地下水流入口28aが管軸方向に一定深さおきに形成されている。また、吸水管28の上端付近の側壁部には吸水管28内に流れ込んだ地下水が吸水管28の外に流出する地下水排水口28bが形成され、地下水排水口28bには地下水の逆流を防止する逆止弁29aが取り付けられている。
さらに、吸水管28の上端部の周囲地盤中に砕石類を敷き詰める等の方法により形成された排水路30が形成されて、そして、吸水管28の上端部に止水蓋31が取り付けられている。
このような構成において、隔壁18によって区画された既設構造物直下の地下水位が上昇したとしても、地下水は吸水管28の地下水流入口28aを通って吸水管28内に流れ込み、吸水管上部の地下水排水口28bを通って吸水管28の外に流出し、排水路30を通って排水される。これにより地震時の液状化を未然に防止することができる。
また、図16(b),(c)に図示する吸水管について説明すると、吸水管28の下端部から中間部付近にかけての側壁部に地下水が流入する地下水流入口28aが管軸方向に一定深さおきに形成されている。また、吸水管28の上端部に止水蓋31が取り付けられている。
止水蓋31は地下水流入口28aから吸水管28内に流入した地下水の水圧が作用することにより、スプリング32の働きによって自動的に開くように取り付けられている。
図17〜図19は、複数の注入地点に注入材を同時または、一または複数の注入地点を任意に選択して注入材を注入する地盤改良工法を示し、このうち図17(a)は、ひとつづきの土地が複数に区画され、各区画内に戸建て住宅が建つ領域などにおいて複数の注入地点に注入材を同時または、一または複数の注入地点を任意に選択して注入材を注入する地盤改良工法を示す平面図である。
また、図17(b)は、主としてガス管や上下水道などの敷設管(ライフライン)に沿って、一定間隔おきに設定した注入地点に注入管を介して注入材を注入する地盤改良工法を示す平面図、そして、図17(c),図18(a),(b)および図19(a),(b)はこれらの概略縦断面図である。
図17(a)おいて、符号X1,X2,X5,X6、X2,X3,X4,X5、X4,Xn,Xi,X5、X5,X6,X7,Xiは、ひとつづきの土地が複数に区画され、かつ各区画内の戸建て住宅A1,A2,Ai,Anを囲むように設定された注入地点を示す。
また、図17(b)において、符号X1,X2はガス管、上下水道管などの敷設管(ライフライン)33に沿って一定間隔おきに設定された注入地点を示す。そして、図18(a)においてL1は粗砂層、L2は細砂層であり、いずれも液状化が予想される地層である。
図示するように、設定された各注入地点に注入管22を挿入し、各注入地点の注入管22に注入材製造プラント34、注入ポンプ並びに圧力・流量検出器35を送液管36を介してそれぞれ接続する。そして、これらを電気信号回路37を介しコントローラー27によって一括制御することにより、複数の注入地点または、一または複数の注入地点を任意に選択して注入材を連続的に注入することができる。
さらに説明すると、各注入管22に通じる送液管36に流路変換電磁バルブ38が設置され、各流路変換電磁バルブ38はコントローラー27によって一括制御されている。そして、ある注入地点において電気信号回路37を介してコントローラー27から指示があると、流路変換電磁バルブ38が作動して注入地点Xiの流路変換電磁バルブ38が地盤中の注入管22の方に開き、注入地点Xi+1方向へは閉じ、注入地点X1からXi−1までの流路変換電磁バルブ38は注入地点Xiの方向へのみ開く。
そうすると、注入地点Xiの注入管22に所定の注入量が注入され、あるいは注入圧力が所定圧よりも上昇すると、同様に流路変換電磁バルブ38が作動して他の注入地点に注入液が送液され、これにより複数の注入地点に注入地点を変えながら注入することにより地盤改良を連続的に行うことができる。たとえば、ある注入地点の流路変換電磁バルブ38を開け、他の流路変換電磁バルブ38を閉めれば、所定の注入管22からのみ注入液が地盤中に注入される。
なお、注入ポンプ並びに圧力・流量検出器35からの加圧下での注入管先端の吐出口13aからの注入液の吐出速度は送液管36内の圧力(正確には送液管36内の液圧と地盤の注入抵抗圧力の差圧)と吐出口13aの口径で決まるから所定の口径を定めておけば地盤中に複数の注入管13から所定の吐出速度で気体混合液が注入することができる。
勿論、流路変換電磁バルブ38は手動式で作動する構成でもよいが、管理センターから電気信号回路37を通して指示されることにより作動する構成であれば、限られた作業スペースにおいてでも、ライフラインを供用しながらで液状化対策工を実施することができる。
また、所定の位置に複数の地盤変位センサー39が配置され、各地盤変位センサー39はコントローラー27によって一括管理されている。そして、地盤変位センサー39によって地上構造物や地下埋設物の損壊が生じないようにコントローラー27を通して監視し、ある注入地点において地盤変位に異常が見られたときは、その注入地点における注入を中止して他の注入地点に注入を切り換えて構造物周辺から簡便に液状化防止注入を行うことができる。
各流路変換電磁バルブ38は三方コックとし、さらに水洗い管を装着しておき、これもまた、コントローラー27によって管理し、所定の三方コックからの注入が完了したら直ちに水洗いするようにすれば、管路は常に所定の注入地点に注入することができる。
以上の構成により、図17(a)に図示する地盤改良工法によれば、特にひとつづきの土地が複数に区画され、各区画内に戸建て住宅が建つ領域における液状化対策をきわめて効率的かつ確実に行うことができる。また、戸建て住宅地全体の液状化対策を一括して行うことができ、住宅地全体の地盤改良を容易にかつ経済的に行うことができる。
また、住宅地の生活環境に支障をきたすことなく地盤改良を行うことができる。なお、ここでは、住宅地の液状化対策について説明したが、連続した道路や空港の滑走路などであってもよく、液状化を防止する対象をいくつかに区分して注入ラインを形成し、その線上に固結体を連続して形成してもよい。なお、注入ラインとは、注入管22どうしを連続させる送液管36のラインをいう。
一方、図17(b)に図示する地盤改良工法によれば、共同溝、地下鉄、ガス管、上下水道管などの敷設管(ライフライン)33、電信電話線などのケーブル類、あるいは道路、鉄道等の敷設構造物の液状化対策をきわめて効率的にかつ確実に行うことができる。さらに、図8(a),(b)に図示する注入管を用いることにより、地盤に注入管を打ちこみながら地盤の貫入試験、地盤調査およびボーリングを同時に行うことができる。
図18(a),(b)は、ガス管、上下水道管などの敷設管33に沿って一定間隔おきに設定された注入地点に注入材を注入して固結柱体(ソイルセメント柱体)40を形成し、固結柱体40に敷設管33を直接支持させることにより、液状化による敷設管33の不同沈下などの被害を回避するようにしたものである。図中、符号41はシールグラウト、L1は粗砂層、L2は細砂層であり、いずれも液状化が予想される地層である。また、符号38は流路変換電磁バルブである。
図において、注入地点Xi−1、Xi、Xi+1、……へ注入地点を順に移動しながら注入を連続的に行う場合、注入並びに管理プラント34から電気信号回路37を通して三方向に流路を変換できる流路変換電磁バルブ38に指示して、Xi−1までの三方コックの注入管22aへの流路を遮断してXiまでの流路を解放する。
なお、地震時の液状化で破壊しやすい敷設管33どうしの各継手部(連結部)に固結柱体40を形成して、各継手部を固結柱体40によって支持させるのが望ましい。また、注入管22に注入材を供給する送液管36は敷設管33を挟んでジグザグに配置してもよく、また敷設管33の両側に配置してもよい。
このように液状化対策工がなされた敷設管33は、たとえ周辺地盤に液状化が発生したとしても、各敷設管33の継手部が固結柱体40によって支持され、また敷設管33自身が一定の弾性を有することにより、ある程度のたわみは生じるものの破壊に至ることはない。
図20(a)〜(c)に図示する地盤改良工法および地盤改良装置は、それぞれ独立した駆動源42によって作動し、かつ集中管理装置43によって制御される複数のユニットポンプ44と、これら複数のユニットポンプ44に送液管36を介して接続された複数の注入管22、さらに各ユニットポンプ44と注入管22間に配置された送液管36にそれぞれ接続されたマイクロバブル発生装置45を備えている。
そして、各ユニットポンプ44の作動によりマイクロバブル発生装置45において生成されたマイクロバブル溶液(例えば、微細気泡混入水または微細気泡とシリカ溶液との混合液)は、送液管36を介して各注入地点の注入管22に圧送され、注入管22を介して各注入地点の地盤中に注入される。
また、集中管理装置43によって各ユニットポンプ44が制御されることにより各注入地点における気泡混入液の注入の開始、停止、再開等が任意に制御できるように構成されている。
図20(b)は、同じく本発明の地盤改良工法および地盤改良装置を示し、軟弱地盤の複数の注入地点に対してマイクロバブル溶液を同時にまたは選択的に注入することができ、また特に、地盤状況が異なる土層(ステージ)ごとに最適量のマイクロバブル溶液を注入することができ、さらにマイクロバブル溶液の注入に先だって粗詰め注入を行うことにより、マイクロバブル溶液の逸送を防止することができる。
図21(a),(b)に図示する地盤改良装置は、地盤中にマイクロバブル溶液を注入する複数の注入管22を備え、各注入管22は削孔46内に挿入された外管47と外管47内に挿入された内管48を備えて構成されている。
各外管47の管軸方向の異なる位置に複数の一次注入材吐出口47aが形成され、一次注入材吐出口47a,47a間に複数の二次注入材吐出口47bが形成されている。
また、各一次注入材吐出口47aの上下両側に膨縮性の袋体からなる外管パッカー49,49がそれぞれ取り付けられている。さらに、外管パッカー49,49間の二次注入材吐出口47bの外周に柱状空間導水部材50が二次注入材吐出口47bを含む外管47の外周を覆うように取り付けられている。
内管48にはダブルパッカー工法やエキスパッカー工法などで使用される注入内管が用いられ、図21(b)に図示するように先端部にダブルパッカー48a,48aと1個ないし複数の内管吐出口48bを備えている。また、各内管48の上端部にマイクロバブル溶液生成装置45が接続されている。
このような構成において、施工方法を簡単に説明する。
(1) 最初に、削孔46内に外管47を挿入し、当該外管47内に内管48とは異なる注入内管(図省略)を挿入する。そして、当該注入内管を介して各外管パッカー49内にエアまたはモルタル等の固化材を注入して外管パッカー49,49を膨張させることにより削孔46の孔壁と外管47の上下外管パッカー49,49間に注入材浸透源51を形成する。
(2) 次に、内管48とは異なる注入管(図省略)を外管47内に挿入し、当該注入管を介して、外管47の一次注入材吐出口47aから周囲の地盤中に注入する。この工程は、いわゆる粗詰め注入であり、マイクロバブルの注入に先だってマイクロバブルの逸送を防止するために行うものである。
(3) 次に、外管47内に内管48を挿入し、内管48にマイクロバブル溶液を注入する。マイクロバブルは、内管48の吐出口48bおよび外管47と内管48間のダブルパッカー48a,48a間を介して外管47の二次注入材吐出口48bから注入材浸透源51内に流れ込み、注入材浸透源51から周囲の地盤中に浸透し、周辺地盤を不飽和化する。
なお、図20,21においてマイクロバブル溶液液は注入液製造装置中で生成されてもよいし、注入管22の地上部中のポンプと圧力、流量計の間の管路に設けられてもよい。
次に、本発明に係る地盤改良工法の実施に際しての品質管理方法について説明する。
[実施例1]
気体を混入した液体を既存構造物又は建造する予定の構造物の周囲および/または直下の地盤に注入管を通して注入することにより、地盤を不飽和化する地盤改良工法において、地盤中に一定領域を囲むように遮蔽壁を形成し、当該遮蔽壁内の地盤中に気体混入液を注入することにより地盤を不飽和化することを特徴とする地盤の不飽和化による地盤改良工法における品質管理は、飽和度と誘電率の関係を式1、式2よりあらかじめ求め、現場にて所定の飽和度に達したことを確認する。
図25(a)は事前に飽和度と誘電率の関係を求めた結果であり、図25(c)は、図12(a),図25(b)に示すように現場にて複数箇所を同時に計測しながら施工管理を行なった例である。
図25(c)より70分注入し続ければ飽和度が90%以下になる事がわかるのでその時点で注入を完了すればよい。
また、同様の理由で図13,図15に図示する注入配置を用いればC1から注入してD1〜D4で計測すれば、どこまで広がるか判るし、D1〜D4の又測定データを見ながら注入孔C1〜C4の選定を行って最少の施工時間で注入を完了することができる。
式1
Sr=θ/n×100
式2
K=(n-θ)Kair0.5+θKwater0.5+(1-n)Ksoil0.5
Sr:飽和度
θ:体積含水率
n:間隙率
K:誘電率
Kair:空気の誘電率
Kwater:水の誘電率
Ksoil:土の誘電率
[実施例2]
地盤改良工法において液状化が予想される地盤に細粒子を主材とする注入液を注入して地盤中に細粒分を増やして液状化対策を行う場合、その設計は細粒分含有率を多くすることにより補正N値を増加させる方法と、細粒子によって間隙比を減少させることにより負のダイレタンシーを生じさせない方法があるが、いずれもあらかじめ間隙比と誘電率の関係を求め施工管理を行うことができる。
図26(a)は、細粒分を間隙に注入したときの間隙比と液状化強度の関係であり、図26(b)はその時の誘電率と間隙比の関係である。なお、図26(c)は図25(c)と同じように施工管理を行なった例である。
上記においては地盤改良検出センサーを用いる方法として電気比抵抗法による管理方法の例を示したがRI法によりRI水分計やRI密度計や土壌水分計や弾性波速定装置を用いることができるが、図22はRI法を示す。
地盤中にγ線源54を挿入する調査孔52およびγ線検出器57を挿入する調査孔53をほぼ平行に掘削し、かつこれら調査孔52,53にそれぞれγ線源54およびγ線検出器57を挿入し、これら調査孔52,53内のγ線源54および/またはγ線検出器57を該調査孔に沿って移動させながらγ線源54からのγ線をγ線検出器57で検出することにより調査孔52,53間の含水比や密度を計測することができる。
地盤A中にはγ線源54およびγ線検出器57をそれぞれ挿入するための調査孔52,53が所定距離を隔てた位置にほぼ平行に掘削される。さらに調査孔52には先端にγ線源54の収容された挿入管55が挿入され、かつ調査孔53にはプローブ56が挿入される。
このプローブ56は下方にγ線検出器57、これに給電する高圧電源58、および検出器57の出力信号を増幅するプリアンプ59を収容し、信号線が併設されたケーブル60によって調査孔53内に吊り下げて挿入される。符号61は信号線を経て送られるγ線検出信号をカウントする計数器である。
上述の調査孔52内のγ線源54および調査孔53内のγ線検出器57はそれぞれ調査孔52,53に沿って下方から上方に移動され、γ線源54からのγ線をγ線検出器57で検出することにより地盤の密度と水分を測定して地盤の含水比の変化を測定して飽和度の変化を知ることができる。
本発明は、性能設計の考えをとり入れ、ある程度の液状化は許容しながらも地上に建つ建物やライフライン等の地下埋設物の液状化による致命的な被害を未然に防止することができる。
1 マイクロバブル発生装置(渦流発生装置)、
2 溶液タンク、
3 注入管
4 送液管
5 エア供給管
6 圧送管
7 気体流量調整弁
8 マイクロバブル発生装置
9 給水ポンプ
10 コンプレッサー
11a 円形通路
11b 溶液放出路
12 給水管
12a 給水管の先端
13 注入細管
14 ケーシング
15 先端コーン
16 シールグラウト
17 ハンマー
18 カウンター
A 既存構造物

Claims (18)

  1. 液状化が予想される地盤に細粒子として粒径が5μm以下のホワイトカーボンとベントナイト、シリカフュームおよび/または炭酸カルシウムを含有するシリカ溶液を注入材として注入することにより、5μmより小さい粒径の細粒分を増やして地盤の粒径分布曲線の通過百分率の20%以下の細粒分を増加させることにより地盤の粘土化および高密度化を増大して土粒子間の粘弾性のある連結機能と拘束機能を付与して液状化しにくくすることを特徴とする地盤改良工法。
  2. 請求項1記載の地盤改良工法において、注入液としてセメント或いはスラグ或は超微粒子のセメントまたはスラグ等のいずれかまたは複数の懸濁性材料と気体を併用することを特徴とする地盤改良工法。
  3. 請求項1または2に記載の地盤改良工法において、マイクロバブルおよび/または、空気を併用することを特徴とする地盤改良工法。
  4. 請求項1〜3のいずれかひとつに記載の地盤改良工法において、該シリカ溶液を注入した後、マイクロバブルおよび/または空気注入することを特徴とする地盤改良工法。
  5. 請求項3または4に記載の地盤改良工法において、該シリカ溶液がマイクロバブルを含むことを特徴とする地盤改良工法。
  6. 請求項3〜5のいずれかひとつに記載の地盤改良工法において、マイクロバブルを含有する注入液の注入とマイクロバブルを含まない注入液の注入を別々に又は同時に注入することを特徴とする地盤改良工法。
  7. 請求項1〜6のいずれかひとつに記載の地盤改良工法において、あらかじめ改良すべき地盤に細粒子或いは懸濁性材料を有効成分とする注入液を注入してのち、気体又はマイクロバブル液の注入を行うことを特徴とする地盤改良工法。
  8. 請求項1〜7のいずれかひとつに記載の地盤改良工法において、懸濁粒子或いは細粒子を有効成分とする注入材で地盤を拘束し、地盤の粒径分布曲線の通過百分率の20%以下の細粒分を10%以上増加させ、かつ当該拘束地盤内に気泡を有効成分とする注入材或いは気体を注入することを特徴とする地盤改良工法。
  9. 請求項3〜8のいずれかひとつに記載の地盤改良工法において、細粒子、懸濁粒子および気体又はマイクロバブル液の注入は複数の注入管から同時に或は連続的に行うことを特徴とする地盤改良工法。
  10. 請求項1〜9のいずれかひとつに地盤改良工法において、構造物を建造する予定の地盤内或は周辺部に沿って注入管を配置し、或いは線状に敷設された、または敷設される予定の構造物の地盤内又は近傍部に沿って注入管を配置し、当該注入管を介して地盤に注入材を注入し、地表面に近い地盤改良部および/または側面の改良部に懸濁粒子/細粒子又は/並びにシリカ溶液を有効成分とする注入材を注入して地盤を拘束し、拘束地盤内にマイクロバブルを有効成分とする注入材、或いは気体を注入することを特徴とする地盤改良工法。
  11. 請求項10に記載の地盤改良工法において、注入管は1本の注入管あるいは複数の注入管を管軸方向に注入管の吐出口が異なるように並列に束ねて構成された結束注入管であることを特徴とする地盤改良工法。
  12. 請求項10または11に記載の地盤改良工法おいて、複数の注入管のうち上部に吐出口のある注入管からは懸濁粒子又は細粒子および/またはシリカ溶液を有効成分とする注入材を注入し、下方に吐出口のある注入管からは気体またはマイクロバブルを有効成分とする注入液を注入することを特徴とする地盤改良工法。
  13. 請求項1〜12のいずれかひとつに記載の地盤改良工法において、注入管を複数の注入地点にそれぞれライン状に配置し、当該各注入地点の注入管を注入ポンプ並びに圧力・流量検出器、送液管を介して接続し、かつこれらをコントローラーによって一括制御することにより、複数の注入地点における地盤注入を連続的に、または選択的に注入することを特徴とする地盤改良工法。
  14. 請求項1〜12のいずれかひとつに記載の地盤改良工法において、地中埋設管がライン状に設置されている液状化が予想される地盤に、複数の注入管を管路に沿って設置し、該複数の注入管の上端部を送液管に流路変換装置を介して連結し、前記送液管はコントローラーによって制御している注入プラントに連通してなり、各注入管からの注入は流路変換バルブの作動によってライン状に連続的に注入管を変換して地盤に注入することを特徴とする地中埋設管周辺部の地盤改良工法。
  15. 請求項13または14に記載の地盤改良工法において、液状化が予想される地盤の、所定の改良領域にマイクロバブル含有液を注入するに際して目標とする不飽和度を設定して必要とする体積の気体量を設定して、その気体量を満たすようにマイクロバブル注入液のマイクロバブル含有率或は/並びにマイクロバブル含有液の注入量或は更にロス率を設定して地盤改良を行うことを特徴とする地盤改良工法。
  16. 請求項13〜15のいずれかひとつに記載の地盤改良工法において、地盤中に地盤改良計測センサーを設けてマイクロバブル含有液を注入することを特徴とする地盤改良工法。
  17. 請求項16に記載の地盤改良工法において、マイクロバブル含有液の注入から算出した飽和度と地盤改良センサーから算出した飽和度から実際の飽和度を推定する地盤改良工法。
  18. 請求項3〜17のいずれかひとつに記載の地盤改良工法において、動力によって高速回転する羽根車を備えたマイクロバブル発生装置にシリカ溶液とエアを送り込み、当該マイロバブル発生装置においてシリカ溶液とエアを羽根車によって撹拌・混合・溶融してマイクロバブルを含有するシリカ溶液を生成することを特徴とする地盤改良工法。
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