JP5728694B1 - 既設埋設管の液状化対策工法 - Google Patents

既設埋設管の液状化対策工法 Download PDF

Info

Publication number
JP5728694B1
JP5728694B1 JP2014089735A JP2014089735A JP5728694B1 JP 5728694 B1 JP5728694 B1 JP 5728694B1 JP 2014089735 A JP2014089735 A JP 2014089735A JP 2014089735 A JP2014089735 A JP 2014089735A JP 5728694 B1 JP5728694 B1 JP 5728694B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
buried pipe
injection
pipe
existing buried
liquefaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014089735A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015209638A (ja
Inventor
内村 太郎
太郎 内村
郁生 東畑
郁生 東畑
島田 俊介
俊介 島田
小山 忠雄
忠雄 小山
隆光 佐々木
隆光 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
University of Tokyo NUC
Original Assignee
University of Tokyo NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by University of Tokyo NUC filed Critical University of Tokyo NUC
Priority to JP2014089735A priority Critical patent/JP5728694B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5728694B1 publication Critical patent/JP5728694B1/ja
Publication of JP2015209638A publication Critical patent/JP2015209638A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
  • Foundations (AREA)

Abstract

【課題】道路や戸建て住宅が密集して建つ分譲地などの住宅地等における、ガス管、上水管、下水管などのライフライン等の液状化対策を簡便、かつ経済的に行うことのできる既設埋設管の液状化対策工法を提供する。【解決手段】既設埋設管1の上方に複数の注入管2を既設埋設管1の管軸方向に一定の間隔を開けて設置する。各注入管2を通じて既設埋設管1上部または側部の地盤中に注入材を注入し、既設埋設管1の側方および/または底部に注入材を流下浸透させて浸透固結領域内に埋設管1が包含するように固結せしめ、既設埋設管1の側方および/または底部に既設埋設管1と一体の固結体を形成して既設埋設管1の重量を増大させることにより液状化に伴う既設埋設管1の浮き上がりを抑制する。【選択図】図20

Description

本発明は、薬液注入による既設埋設管の液状化対策工法に関し、特に道路や戸建て住宅が密集して建つ分譲地などの住宅地におけるガス管、上水管、下水管などのライフライン等の液状化対策工を簡便かつ経済的に行えるようにしたものである。
近年、地震時における液状化に伴う埋設管の浮き上がりは大きな問題となっている。本発明は薬液注入工法による埋設管の浮上低減工法を簡便かつ経済的に可能ならしめたものである。
薬液注入による液状化対策は、凝固する性質の薬液を地盤の一定範囲に注入管を通じて注入することにより、地盤中の水の流れを止めたり地盤の強度を増加させる工事方法であり、地盤の透水性を低下させ粘着力を付与することによって、一体化したサンドゲル(注入材を土に浸透させ硬化させた固結体)を形成することにより地盤中の水の流れを止めたり地盤の強度を増加させることができる。注入材には主として劇物またはフッ素化合物を含まない水ガラス系薬液(主剤がケイ酸ナトリウム)が用いられる。
しかし、薬液注入工法は、液状化対策としての信頼性は高いものの高価であるため、重要な建築物の基礎の耐震性能の向上などでは多く用いられているが、既設埋設管の浮上低減の目的ではあまり利用されていなかった。
また、液状化対策をとらねばならない既設埋設管はきわめて多いにもかかわらず、薬液注入が利用されてきた重要な建造物等に比べて、埋設管そのものが低価格であるため高価な薬液を利用するメリットが無かったのである。
しかし前述の通り薬液注入工法は施工範囲の狭さや、騒音の小ささといった観点から、都市部や市街地では他の液状化対策工法と比べてもメリットは十分にあることは確かである。また、公害性のないコロイダル系シリカグラウトのように安全で、恒久性を期待できる注入材も開発されている現在、環境面での問題もクリアされている。
このため、既設埋設管に対する薬液注入工法利用の際に残されている数少ない、最大の懸念事項であるコスト並びに作業性のことが解決できれば、その有用性は計り知れない。
特許第5156989号 特許第4672693号 特許第3724644号 特開平7-300851
最先端技術の薬液注入工法 理工図書 島田俊介外.平成7年10月31日(P.139図3.5、P151写真3.7(a)、P152写真3.8、写真3.9)
地盤注入による土中埋設管の液状化対策工はすでに特許文献4、特許文献1等によって提案されている。特許文献4においては埋設管の周辺地盤の延長をすべて高圧噴射工法で固結する方法が開示されているが、高圧噴射では埋設管を破損する危険がある。又特許文献1では液状化の際に破壊しやすい埋設管の継ぎ手(連結部)を支持する固結支持体を形成する方法が開示されている。しかし継ぎ手部を支持しても液状化時の浮力が大きければ埋設管は浮き上がり破損する。
しかし、一般にガス管や上下水道管などの既設埋設管は、数キロないし数十キロにもわたって地盤中に敷設されており、また、戸建て住宅が密集する分譲地などの住宅地においては狭い敷地内を縫うように敷設されている場合が多い。
このため、従来の薬液注入工法をそのまま既設埋設管の液状化対策に適用すると、注入材の大量消費につながりかねず、また設備を設置するスペース等の問題や、長距離区間を注入プラントを移動させながら注入する必要があるために施工費が大幅に嵩み、経済性、作業性等の問題があった。
このように従来の埋設管の液状化対策工は、単に埋設管の設置されている地盤或は液状化によって破壊されやすい部分を注入によって支持力を増大させるという考えによって行われていた。このため最小の注入量でもって経済的に液状化対策を行う事が出来なかった。
本発明は、建造物の基礎部に薬液を注入する場合と違い、埋設管の液状化対策として利用する際のコスト面並びに作業性の問題を解決するためには少ない薬液量で最大限の効果が得られる最適な注入方法を開発したものである。
ただ、最適な注入方法の決定といっても様々な方向からのアプローチが可能であり、例えば、一カ所の注入量はどれくらいの量にすれば、埋設管の浮き上がりを防ぎつつ、コストを最も低減することができるか、あるいは埋設管に対して一体どれだけの間隔をあけて固結体を形成するのがベストなのか、あるいは固結体をどのような形状に形成すれば地震時に安定であり、そのためにどのような手法によればよいのか等である。
また、埋設管の敷設地盤の全体が液状化する場合と、埋設管の埋戻し部のみが液状化して、その周辺部は液状化しない地盤ではどうなのか、さらには、それらの場合で固結体の形成の位置関係はどうなのか等、埋設管に対する液状化防止のための薬液注入工法の経済的手法については今まであまり考えられていなかった。
本発明では特に、必要な最小量の薬液を最大限効果的に利用できるように、注入管の位置や固結体の形状、各固結体間の間隔、注入方法を複数変えて比較することで最適な薬液の注入方法を決定することに係る。
本発明者は、永年にわたる研究の結果、埋設管の液状化防止のために、間隔をあけて1箇所当り少量の注入材を注入して比較的小さな固結体を埋設管と一体に形成し、その固結体と一体化した埋設管が液状化に際して浮き上りが抑制するように固結体の大きさと固結体間の間隔を設定することにより、少量の薬液で液状化による埋設管の浮き上りを経済的に低減できることを見出した。
また、供用中の長い延長のライフラインに固結体を埋設管に沿って間隔をあけ少量ずつ形成することは、注入プラントの移動や施工性、さらには正確な施工管理を必要とすることを考えれば、かえって経済性が得られないことを見出し、埋設管の状態と注入設計と施工法、施工管理を一体として、埋設管の経済的な液状化対策工の発明を完成したものである。
また、長尺な埋設管の近傍を削孔することにより設置した注入管からの埋設管の破損をさけながら注入を安全に行うための方法を発明した。すなわち、既設埋設管に対して、注入管の削孔本数をへらし、かつ削孔深度を浅くすることにより薬液注入工法により埋設管の浮上低減対策を行う際の、最も効果的かつ安全性にすぐれた注入方法の提供が本発明の目的である。
以上の問題に対して本発明者は、固結体をあえて埋設管に沿って連続して形成しなくても、埋設管に沿って必要最小限の固結体を間隔を開け、かつ固結体の重量と固結体の間隔を固結体と一体化した埋設管が浮き上りを抑制するように設定することにより液状化対策をきわめて経済的に行うことができることを見出した。
さらに、一または複数の注入ラインを配置し、固結体を埋設管の管軸方向に間隔を開けて形成することにより、ライフラインを供用しながら急速施工を行うことを可能にした液状化対策工を見出したのである。
このようにすることにより比較的少量の固結体で液状化を防止する事が可能になり、経済的かつ急速に液状化対策工を行う事が可能になった。
本発明者は、更に埋設管に間隔をあけて比較的小さな固結体を複数個形成して液状化を防止するに際してのいくつかの課題を本発明によって解決した。
即ち、埋設管の上部に注入材を単に注入して埋設管の周囲を埋設管と一体に固結して重量を大きくしても、固結体の形状や大きさ等によっては重心が高くなり、埋設管の底部や側面部の液状化に伴う浮き上がりの途中で埋設管が回転して埋設管の継手部が外れたり、あるいは埋設管自体が破損するおそれがある。
或は、固結体自身が回転して液状化した地盤の中で落ち込んだり個々の固結体が液状化の際に地震動によって異なった挙動を示し、埋設管が回転してしまうことがある。これを防ぐには、埋設管と一体化した固結体の重心が下方になるように埋設管周囲の地盤を浸透固結させることが好ましい。
またこのために埋設管の近傍を底部や側面迄掘削して注入管を設置して注入液を注入して固結体を側面や底部に形成する必要があるが、その場合誤って埋設管を破損してしまうおそれがある。
埋設管が破損すると、供用中の埋設管は使用不能に陥り、場合によっては埋設管内に地下水が流入したり、あるいは埋設管内の液体(上下水道等)や気体(ガス等)が周囲の土中や地上に吹き出す等の危険なトラブルに見舞われることがある。
本発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、ガス管、下水管、上水管、電信電話線などの線状に延びるライフラインを供用しながら液状化対策工を安全かつ効果的に行うことを可能にしたものである。
更に本発明は、液状化が予想される地盤内に設置された既設埋設管の周辺部に注入材を注入しておこなう既設埋設管の液状化対策工法であって、複数の注入管を前記埋設管の管軸方向に間隔をあけて設置し、当該注入管を通じて地盤中に注入材を注入し、埋設管の周辺部を流下浸透させることにより、埋設管の上部、側部および/または底部に埋設管の周辺土(埋戻し土含む)からなる固結体を埋設管の管軸方向に間隔をあけ、かつ埋設管と一体に形成して既設埋設管の重量を増大させることにより液状化に伴う埋設管の浮き上りを抑制することを特徴とするものである(図4〜9参照)。
本発明者は、以下の薬液注入の地盤中における浸透の挙動を利用する事により上記目的を解決したものである。
注入圧力と注入速度に関するもっとも基本的な浸透式としては、Maagによって以下の式.1が提示されているが、この式.1はダルシーの法則から導きだされたものである(上記非特許文献1「最先端技術の薬液注入工法」平成3年6月10日発行 島田俊介・佐藤武・多久実 共著 理工図書)。
図2のグラフは、Maagの式における注入時間と浸透半径の関係を示したものであり(非特許1文献 P139.図3.5)、地下水圧が一様な地盤では、注入材は一般に球状に浸透していくと考える(上記非特許1文献P.137)。
一般に、浸透注入は図3に図示するように所定領域を固結するように行われる(上記非特許1文献 P.151写真3.6(a))。ところで、ゲル化時間が長いと注入時にはほぼ上記浸透理論に沿って球状に固結したものが注入完了後注入薬液は地下水よりも重いため下方に流下して浸透固結する(上記非特許文献1 P.152写真3.8、3.9 註:写真中の丸い物はストップウォッチである)。これは注入としては失敗と考えられている。
これより注入材の注入時間より土中におけるゲル化時間を長く設定することにより、注入後の注入材は地盤中を流下浸透し、鉛直方向に長軸を有する固結体を形成することが判る(図7参照)。
そこで、本発明者は、上記非特許文献1 P152 写真3.8、3.9の浸透流下固結の特性を利用することに着目して薬液注入における注入時間、ゲル化および固結体の形状等の研究を行った結果、注入時間よりも土中ゲル化時間が長い注入材を注入した場合或は土中における注入液の浸透先端部のゲル化時間が注入完了後も流動性を維持している場合、図4の(a)→(b)→(c)の過程をへて所定の注入量の注入後も下方に流下して固結体を形成することを埋設管の液状化防止に利用する事により上記課題を解決できることに想到した。
液状化を生じやすい地盤では非液状化層にくらべて密度がゆるく透水性が大きいため当然このような現象はおきやすい。またこのような手法によれば固結体の形状を重心が下方に位置するように浸透固結することができる。
この地盤中における薬液の流下浸透固結範囲内に埋設管を含むように上記薬液を流下浸透注入すれば(図5,6,7参照)、注入管の削孔深度が底面や側面迄到らなくても埋設管の上部、側部または下部に固結体を形成できることに着目して本発明を完成させた。
このようにすれば埋設管周辺部の削孔の安全を保って施工できるし、又埋設管と一体となった固結体の重心を低くすることが出来るし、低圧浸透注入により地盤の変状がさけられ従って埋設管が破損したり変状を生じたりしなくてすむ。勿論施工も容易になる。
特に、該埋設管のように非液状化地盤を掘削して設置したあと埋め戻し地盤などの液状化しやすいゆるい地盤では、又埋設管下方に非液状化層があると薬液は下方に広がるように浸透固化する傾向にあるため、ゲル化時間を保ち流動性を持続しながら下方に徐々に広がって地震等にも安定した固結体を形成しうる(図4(c)参照)。
また、薬液の注入は、各注入地点において原則一本の注入管により行うことが可能であり(一点注入 図5(a),(b)参照)、必要により一注入地点において複数の注入管を用いることも可能である(二点注入 図5(c)、図7(c)参照)。
また、注入材は、注入管を埋設管の上部に設置して埋設管の上部にのみ流下浸透させる場合、埋設管の上部および上部から埋設管の側方にかけて連続して流下浸透させる場合、また、注入管を埋設管の側方に設置して埋設管の側方にのみ流下浸透させる場合、埋設管の側方および埋設管の側方から埋設管の底部にかけて連続させて流下浸透させる場合がある。
さらに、注入管を埋設管の上部に設置して埋設管の上部、埋設管の上部から埋設管の側方、さらに埋設管の側方から底部にかけて連続させて流下浸透させる場合がある。また、注入管を埋設管の底部まで挿入して埋設管の底部および埋設管の底部から下方の一定範囲かけて連続して流下浸透させることもできる。
いずれの方法を採用するかは、埋設管の大きさ(外径)や周辺地盤の性状などにより最適な方法を選択すればよい。
図7(b)は、二点注入により埋設管の上方注入管から注入液を浸透流下させて埋設管の上部に固結体を形成して埋設管と一体化した例を示す。埋設管の削孔は埋設管に到らないので埋設管の損壊の心配はない。
また、ゲル化時間の長い注入液を小さい吐出速度で注入して注入後も注入液が流下浸透固結する事により埋設管上部に液状化に際しての浮力に充分耐えるだけの重さの固結体を形成できる。
また、埋設管は比較的地表面の浅い深度に位置しており、通常の注入では注入液は地表面に逸出するか、或いは注入速度が大きいと地盤が変位して埋設管が変状する(図22参照)。それに対し本発明は、後述する図23〜図32のように低吐出速度で同時注入、或いは連続注入して低圧で急速施工することで上記問題を解決することができる。
ここに、土中ゲル化時間とは地上部における配合時のゲル化時間ではなく地盤中に浸透している土中のゲル化時間をいう。注入液は地盤中において注入液のpH、土のpHや組成による影響を受けるため地上部におけるゲル化時間とは異なってくる。このため、採取土を用いて注入液と混合して土中ゲルタイムを測定する。
或は、例えば1mの長さのビニールパイプに現場採取土砂を所定の密度で填充し注入液を注入し先端部から流出した注入液のゲルタイムを測定して土中における浸透先端部のゲルタイムを測定して注入液の配合を設定することができる。このようにすれば注入完了時にも注入液がゲル化を有しながらどれだけの流動性を維持しているかが判る。
このように本発明において、注入液を地盤中で流下浸透固化させて既設埋設管を包含させた状態で固結することにより注入材の注入に際し、埋設管の周辺に地上から挿入した注入管を通じて埋設管上部の地盤中に注入材を注入し、埋設管の上部、側方および/または底部に注入材を流下浸透させて埋設管と一体の固結体を形成して既設埋設管の重量を増大させることにより液状化に伴う埋設管の浮き上りを抑制することができる。
また、埋設管と一体化した固結体の重心が注入前の埋設管の重心よりも下方向に位置するように形成することにより、液状化時の埋設管の浮き上がりや回転やねじれ等を防止することもできる(図7参照)。
また、薬液の注入時間よりも土中におけるゲル化時間を長くすることにより、または薬液の先端部の浸透先端部のゲル化時間が注入完了時においても流動性が持続されるように注入することにより埋設管の側方および下方に注入材を流下浸透固結させて、埋設管と一体化した液状化時にも安定した形状の固結体を形成することができる。
さらに、埋設管の周辺部に形成する固結体の大きさ、重量、各固結体どうしの間隔、さらには固結体ひとつの固結領域に注入する薬液量と当該薬液の注入によって形成される固結体の形状や固結体体積、さらには薬液の注入時間、注入速度およびゲル化時間を設定することにより、埋設管の周辺地盤の性状等に応じて最適形状、最適大きさ、最適重量の固結体を埋設管と一体に形成することにより、液状化に伴う既設埋設管の浮き上りを抑制することができる。
図8は、一点注入により埋設管の上部に固結体を形成して埋設管の重量を増大させることにより、埋設管の液状化に伴う浮き上がりを抑制する方法を図示したものであるり、この場合、埋設管の両側に固結体が対称に広がるように注入材を注入することで、埋設管の浮き上がりに伴う回転等を防止することができる。
また、図9は、二点注入により埋設管の両側部に固結体を形成して埋設管の重量を増大させることにより、埋設管の液状化に伴う浮き上がりを抑制する方法を図示したものであるり、この場合、両側の固結体が対称に拡径するように2点で注入材を注入することで、埋設管の重量を効率的に増大させることができて、埋設管の浮き上がりに伴う回転等をより確実に防止することができる。
また、一般にガス管、上水管、下水管などの埋設管は、本来液状化しにくい地盤を溝状に掘削した中に敷設された後、掘削土によって埋め戻される。このため、埋設管上部の埋め戻し土はゆるく液状化しやすいが、埋設管上部の地盤中に薬液を注入することにより、薬液は埋設管の両側部および下方の埋め戻し土内およびその外側の非液状化地盤内を流下浸透して固結体を形成する。その際特に、埋め戻し土とその外側の非液状化地盤の一定範囲が一体化された固結体を形成するため(図6(a),(b)破線参照)、非液状化地盤のアンカー効果により埋設管の浮き上がり抑制効果はきわめて大きい。
さらに、複数の注入管を埋設管の管軸方向に間隔を開けて設置し(図7(a),(b),(c)参照)、複数の注入地点に薬液を連続して、あるいは同時に注入して各注入地点における固結体を急速に形成することにより、ガス管、下水管、上水管、電信電話線などのように数キロないし数十キロにもわって線状に延びるライフラインの液状化対策を、埋設管を供用しながらきわめて効率的かつ効果的に行うことができる。特に、図7(c)に図示するように一注入地点において二本の注入管による二点注入を行うことによりその効果は倍増する。
本発明における固結体の形成は、主に薬液の浸透範囲およびゲル化時間と大きく関係しており、薬液注入における薬液の浸透範囲とゲル化時間の関係に関しては、浸透範囲はゲル化時間のほかに注入圧力、注入速度、注入量、注入時間、注入孔の有口径、注入方式および地盤の透水係数、間隙率、空隙の発達状況、注入材の粘性などが相互に関連し、これらを地盤の性状に合わせて適宜値に設定することにより既設埋設管の周囲に粒子間浸透により最適大、最適形状の固結体を形成することができる。
実際には不均質な地盤状況、地下水の流動、注入材の経時的な粘土変化、ゲル化を伴う流動体の複雑な浸透機構などが関連しているため、これらを厳密に数値化することは困難であるが、埋設管の周りに試験注入を試みてから、サウンディングにより注入条件、地盤条件に対応した浸透固結体の形状を把握して本施工に反映させることができる。
薬液注入工法は地盤を開削せずに施工が可能であり、既設埋設管に対しても適用できる点で優れているが、薬液が高価であることを考慮すると、固化改良範囲とそのパイプライン上の配置と施工法が一体化した技術の開発が必要である。
そこで本発明者は、埋設管の浮き上がりを抑えるために必要な薬液の量を検討し、少量でも効果的な注入方法を検討して本発明を完成した。さらに、線状のパイプラインに沿って所定位置に間隔を開けて固結体を形成し、最少限の注入を効果的に経済的に、かつ急速に施工することを可能にする液状化対策工を発明した(図4〜図9参照)。
後述する大型土槽液状化実験(図18参照)によって得られた本発明の要点は以下の通りである。
(A).液状化が予想される地盤内に設置された既設埋設管の液状化対策工法において、埋設管の延長方向に複数の注入管を間隔をあけて設置し、かつ当該注入管を通じて埋設管上部、あるいは側面の地盤中に薬液を注入し、埋設管の側方および/または底部に薬液を流下浸透させて埋設管の側方および/または底部に埋設管の周辺土(埋戻し土等)からなる固結体を埋設管と一体に形成して埋設管の重量を増大させることにより、地震時の液状化に伴う埋設管の浮き上りを抑制することを特徴とし、以下の方法を伴うことができる。
(1)埋設管を原地盤の非液状化層に定着させて地震時における既設埋設管の浮き上がりを抑制する方法。
(2)埋設管下の埋戻し土を固化して地震時に非液状化層の土が左右や上部に落ち込んで埋設管の浮き上がりを抑制する方法。
(B).上記において、F=(管と固結土にかかる重力)/(管と固結土にかかる浮力)を設定して、埋設管延長方向の固結体の固結量と、固結体間の間隔を設定する。ここでFは、以下のように設定する液状化対策工法。
(1)周辺地盤も液状化する場合、
安全率 F≧0.7(好ましくは、F≧0.8)。
図10より F≧0.7ならば浮上り量は10mm以下で大幅に軽減しており、実用上は殆ど問題ないものと考えるし、また図11より薬液による改良固結体の体積は埋設管体積のほぼ2倍程度で済み、経済的にも好ましい。
図10、図11より F≧0.8 ならば浮上り量は0であって全く問題なく、また固結体の体積は埋設管の体積の約2.5倍のみで済み、極めて経済的であることが判る。
(2)埋戻し部のみ液状化する場合、
(i)埋設管の上部を固結する場合、
安全率 F≧0.7
(ii)埋設管と固結部を非液状化層の側面部、または/並びに底面部に定着させる場合、
安全率 F≧0.6(好ましくは、F≧0.7)。
図9、図13より埋設管と一体化して非液状化層の側面部又は/並びに底面部に定着させれば(二点注入)安全率 F≧0.6 にすれば浮上り量は大幅に軽減し、実質的に殆ど生じない事が判る。この場合も F≧0.7ならば浮上り量は生じない。
(C).上記において、Fを以下のように設定する。
F(安全率)=(AVpipe+BVsolidified)/(CVpipe+CVsolidified)
=(A+B (Vsolidified/Vpipe))/( C+C (Vsolidified/Vpipe))
ただし、A:埋設管の密度、正確には管内部も含めた管体の平均密度(例:0.50g/cm3)、B:固結土の密度(例:1.85g/cm3)、C:液状化時の泥水の密度(例:1.81g/cm3)、管の体積:Vpipe、固化した土の体積:Vsolidified
従来の考えのように安全率 ≧1 とすれば埋設管の体積の33倍の砂を改良する必要があったが、本発明者の研究によって上述した安全率を設定することによって少量の固結体で液状化による浮上りを防止できることが判った。
(D).上記において、固結体は所定の間隔をおいて形成してなり、該固結体の形成は以下のいずれかの方法によってなされる。
(1)埋設管の両側に設けた注入管から注入して、埋設管を原地盤の非液状化層に定着させる方法(埋設管の両側に設けた注入管から注入するのが好ましいが、片側の注入管から原地盤の側面又は底面の非液状化層に定着させても良い)。
(2)埋設管の片側から注入して、埋設管下部の埋戻し土を固結して埋設管と固結体を一体化する方法。
埋設管の下部の埋戻し土を固化すれば地震時に側面の非液状化層が崩れ落ちてきても埋設管下部には入り込めず、埋設管上部に落ち込み、埋設管の浮上りを防止する(図15参照)。
(3)埋設管の上部に注入して、埋設管と固結体を一体化して埋設管と固結体にかかる重力を大きくする方法。
(E).上記において、埋設管の延長方向の固結量と固結体同士の間隔を安全率F≧0.8以上或いは上記のような安全率になるように定める。いずれの条件でも安全率0.8以上にすれば問題ない。
勿論上記において、埋設管やマンホールや排水管との接続部等で浮上に対する反力が期待できるところでは、同じ安全率Fの値に対しても、より浮上しにくくなる。
(F).線状に敷設された敷設物または線状に敷設された注入ライン、あるいは構造物の周辺部に沿って所定の間隔をあけて、複数の注入管を配置し、当該注入管は流路変換バルブを介し送液管と接続し、当該送液管は圧力・流量計を備えた注入ポンプと注入材貯蔵槽を備え、流路変換バルブを作動することにより、連続的に或は選択的に注入管への流路を切り換えて注入する(図20(a),図21(a),図27(a),図30参照)。
(G).該注入管はオリフィスを介して送液管と接続し、該送液管は圧力・流量計を備えた注入ポンプと注入材製造装置を備え、複数の注入管に同時、または選択的に注入する(図20(b),図23,図24,図27(b),図28(a),(b),図29参照)。
(H).線状に敷設された敷設物または線状に敷設された注入ライン、あるいは構造物の周辺部に沿って所定の間隔をあけて、複数の注入管を配置し、該注入は複数のユニットポンプから、それぞれ複数の注入管路に連通し、各ユニットポンプの作動は該複数のユニットポンプの圧力流量計測からの情報に基き、コントローラで一括管理される(図21(b),図31,図32(b)参照)。
[実験]
本発明者は、実験を表1に示すように、注入量を変えた比較実験(Case1〜3)と注入方法を変えた比較実験(Case4〜7)を行った。
1.実験概要
最大間隙比1.104、最小間隙比0.673の7号硅砂を用いて深さ50cm、幅270cm、奥行き40cm の地盤を作成した(図18参照)。地盤作成には湿潤締め固め法を用い、5cm 毎に密度管理を行った。
埋設管模型は外径6cm、長さ35cm、管内が空洞で密度が0.50g/cm3 の塩化ビニール管を用い、土槽中央の深さ33cm の地点に設置した。入力加速度は図1に示すものを用い、その周波数は10Hz である。
埋設管の浮き上がり量は巻取り式変位計で測り、土中には加速度計や水圧計を設置した。薬液にはコロイダルシリカを使用した。薬液の注入にはサイフォンの原理を用いており、水頭差を利用して浸透注入を行った。
注入方法は埋設管周りに広がる事を考え、図8,9の二種類を選定し、それぞれ埋設管の上部から一点で入れる「一点注入」、左右から二点で入れる「二点注入」である。注入管は地盤作成中に設置しておき、薬液注入後に撤去した(図18、図19参照)。
また、7号硅砂に対して薬液注入を行う場合はゲルタイムが1日以上と長く、水より比重の重い薬液は垂れ下がってきてしまうという問題があったため、硅砂に対し重量比1/300の水酸化マグネシウムを混合する事でゲルタイムを1時間程度まで短縮して実験を行った。
2.注入量の比較実験
2.1.実験内容
注入量の比較実験(Case1〜3)では、土槽内の地盤全体が液状化するように相対密度を30%として地盤を作成した。薬液の注入量は0ml、500ml、1000ml の三種類とし、薬液は全て一点注入方法で注入した。なお、これらの実験ケースは地盤中に3 本の埋設管を40cm 間隔で設置する事で同時に行った(表-1,図10,図19(a)参照)。
2.2実験結果と考察
注入量比較実験の結果を図10に示す。図中の安全率は実験時に埋設管とその周りの固化改良砂全体にかかる重力を浮力で除した値であり、小さい方が浮き上がり易い。なお、固化改良砂の重量と体積は実験終了時に地盤を開削する際に測定した。この図から、安全率が0.80 で十分な埋設管の浮上はゼロとなり0.7でも浮上低減効果があると分かる。埋設管は密度A:0.50g/cm3、固化した砂はB:1.85g/cm3、液状化時の泥水はC:1.81g/cm3であり、管の体積をVpipe、固化した砂の体積をVsolidifiedとすると、
安全率F= (A Vpipe +B Vsolidified)/(C Vpipe + C Vsolidified)
= (A+ B (Vsolidified/ Vpipe))/( C + C (Vsolidified / Vpipe))
となる。
また、縦軸に安全率を、横軸にVsolidified/ Vpipe を取ったグラフを図11に示す。図より薬液の量を増やして安全率を1.0 以上にするためには埋設管の体積の約33倍の砂を改良する必要がある。
一方、0.9では約5 倍、0.8では約2.5 倍、0.7では約2.0倍の体積の砂のみを改良すれば良いので、これらは十分に実際に利用しうる数値だと言える。
3.注入方法の比較実験
3.1.実験内容
図12に示すように、埋設管周りの埋め戻し部のみが液状化する条件を想定し、土槽中央部の深さ35cm、幅25cmの範囲のみ相対密度30%、それ以外では80%となるように地盤を作成した。
図8,9に示す二種類の注入方法で薬液を注入する場合と薬液を注入しない「無対策」の計3ケース実験を行った。なお、これらの実験では全てのケースで完全に浮き上がりが止まると注入方法毎の比較が出来ないため、差が明確になるように薬液の注入量を一律500mlとした。また、加振中の砂の動きがわかるように、7号硅砂を着色した色砂を土槽壁面に縦横に入れた(図16,図74参照)。
3.2.実験結果と考察
注入方法比較実験の結果を図13に示す。この図から、二点注入が効果的な注入方法だと分かる。理由として、図14のように埋設管の下まで薬液が広がるので、下の非液状化層に定着する事で埋設管の浮き上がりが抑えられたのだと考えられる。一点注入では薬液が埋設管上部に広がるため、非液状化層への定着が無かったので大きく浮き上がったと思われる。
また、液状化が起きた際、図15のように埋め戻し部と周辺地盤の境界壁面が剛性が失われた液状化層に崩れ落ちると考えられる。一点注入では埋設管下部が固化していないため、浮き上がるのと同時に崩れてきた砂が埋設管下に入る事で、浮き上がり量が増大した事が実験後の土槽壁面の色砂から確認された(図16参照)。一方、二点注入では砂が埋設管の下に回り込めず、左右或いは上方に崩れる事で埋設管の浮き上がりが抑制された事が確認された(図17参照)。
さらに、一点注入では薬液が埋設管上部に固まることで重心が高くなり、浮き上がり途中で回転が起こり得るため、固化する砂の量が他の方法に比べて少なくなることが実験から観察された。以上より、周辺地盤が非液状化の場合には二点注入が最も効果的な注入方法であると分かった。
また、本発明は、上述した注入をライフラインに沿って急速に、かつ効果的に行う技術である。埋設管等のライフラインは、道路や住宅地等を常時供用される条件下で行われる。
また、交通の多い都市内で作業が行われることから、安全性の確保が重要となる。このため、本発明は以下の点を考慮して完成したものである。
(1)人手に触れることなく全自動で行われることが好ましい。さらに、道路に沿って、車両に搭載して移動できるコンパクトな車上プラントとして使用できる装置が必要である(図20参照)。このような注入液製造システムの例を図32に示す。
(2)道路や護岸や宅地等の長い距離を有するライフラインを対象とするのであるから、製造プラントから送液管を通して、長距離の注入箇所に同時に、または連続的に送れるシステムが要求される。
そして一度注入システムを設置すれば、ライフラインが供用される状態でも自動的に施工が行われることが好ましい。通常の注入工事のように、注入ポイント毎に注入プラントを移動していたのでは、その都度交通を中断しなくてはならない。
本発明によれば、長距離にわたる施工箇所を、広範囲に渡って移動させることなく複数のポイントに、同時に、または、連続的に、あらかじめ設置した管路で作業できるため、ライフラインを止めることなく、注入作業を行うことができる(図20,図21,図27〜図31参照)。
図32(a)の注入液製造システムは、送液ポンプが原料液を吸引し、かつ吐出する複数のシリンダーポンプよりなり、該複数のシリンダーポンプの吸引および吐出が同一時間内に同調するように制御する制御機構が設けられている。
また、これらのシリンダーポンプからの直接複数の送液管に送液することもできる(図32(b)参照)。この装置はコンパクトな制御装置で注入液を製造できるため、車上プラントで安全に施工できる(図1)。
本発明によれば、特に道路や戸建て住宅が密集して建つ分譲地などの住宅地等における、ガス管、上水管、下水管などのライフライン等の液状化対策工を簡便、かつ経済的に行うことができ、特に液状化時の既設埋設の浮き上がりを抑制することができる。また、本発明の液状化対策はライフラインを供用しながらでも行うことができる。
また、薬液の注入に際し、埋設管の周辺部に形成する固結体の大きさ、重量、さらには固結体どうしの間隔や固結体一個の固結領域に注入する薬液量と当該薬液による固結体の形状や固結体積、注入液の注入時間、薬液の注入速度およびゲル化時間等を設定することにより、地盤の性状等に応じて最適形状、最適大の固結体を埋設管と一体に形成することにより、液状化に伴う既設埋設管の浮き上りを抑制することができる。
入力加速度を示すグラフである。 Maagの式における注入時間と浸透半径の関係を示すグラフである。 地下水圧が一様な地盤における注入材の浸透状態を示す説明図である。 図4(a)〜(c)は、注入時間より土中ゲル化時間が長い場合における注入材の流下浸透固化する状態を示す説明図である。 図5(a)〜(c)は、注入材が埋設管を包囲した形で流下浸透固化する状態を示す説明図である。 非液状化地盤を掘削して埋設された埋設管の薬液注入による液状化対策工法であり、図6(a)は一点注入、図6(b)は二点注入による液状化対策工法を示す説明図である。 既設埋設管の上部地盤中に複数の注入管を管軸方向に間隔をおいて設置して行う、薬液注入による既設埋設管の液状化対策工法を示し、図7(a)は既設埋設管の側面図、図7(b)は一点注入による薬液注入を、図7(c)は二点注入よる薬液注入を示す図7(a)における管軸直角方向の断面図である。 一点注入による注入方法を示す説明図である。 二点注入による注入方法を示す説明図である。 注入量比較実験の結果を示すグラフである。 改良範囲と安全率との関係を示すグラフである。 注入方法の比較実験の概要を示す説明図である。 注入方法の比較実験の結果を示すグラフである。 埋設管の非液状化地盤への定着状況を示す説明図である。 図15(a),(b)は液状化時の砂の動きを示し、図15(a)は液状化前、図15(b)は液状化後の状態を示す説明である。 一点注入された土槽の加振後の土槽壁面を示す図である。 二点注入された土槽の加振後の土槽壁面を示す図である。 大型土槽実験装置の概要を示し、図18(a)は正面図、図18(b)は平面図である。 予備実験の概要を示す説明図である。 図20(a)は、施工例を示す説明図、図20(b)は他の施工例を示す説明図である。 図21(a),(b)は、送液システムと変位センサーによる施工管理システムを示す説明図である。 注入速度と注入圧による限界注入速度の関係を示す説明図である。 オリフィスによる注入液の供給原理を示す説明図である。 図24(a)は、送液圧力(P0)とノズル径(a)と噴出量と地盤の浸透抵抗圧の関係を示す説明図、図24(b)は、浸透抵抗圧P1=0の場合の送液圧とノズル径と噴出量の関係を示すグラフである。 図25(a)噴出量とノズル口径と差圧の関係を示すグラフ、図25(b)は、浸透抵抗圧とノズル径と噴出量の関係を示すグラフである。 図26(a)は、送液圧と浸透抵抗圧と噴出量の関係を示すグラフ、図26(b)は、送液圧とノズル口径、ノズル数と噴出量の関係を示すグラフである。 図27(a)は、基本的な送液システムの例を示す説明図、図27(b)はは、基本的な送液システムの他の例を示す説明図である。 図28(a)はは、基本的な送液システムのさらに他の例を示す説明図、図28(b)基本的な送液システムのさらに他の例を示す説明図である。 基本的な送液システムのさらに他の例を示す説明図である。 図30(a)は、複数の注入箇所に連続的または選択的に送液するシステムの例を示す説明図、図30(b)は複数の注入箇所に連続的または選択的に送液するシステムの他の例を示す説明図である。 複数の注入ポイントに注入液を同時にまたは選択的に送液するシステムを示す説明図である。 図32(a),(b)は注入液の全自動製造装置を示す説明図である。
図27(b)、図28(a),(b)および図29に示す例は、注入液の製造装置から注入ポイントに至るまでの送液管路に、設けられた複数の分岐管に任意の径の孔が設けられたオリフィスを設けた。これにより、複数の注入箇所に所定量の注入液を供給して注入することが可能となる。
図において、符号1は地中に敷設されている上水管、下水管、ガス管などの既設埋設管、2は既設埋設管1の周囲に注入液(薬液)を注入するための注入管、3は注入液製造装置である。
また、符号4は注入液を各注入地点の注入管2に送り込むための加圧送液ポンプ、5は各注入地点における注入液の流路を制御する分岐バルブ、6は各注入地点における注入液の流量を測定するオリフィス、そして、符号7はこれらを制御するコントローラである。
図20は、上記装置を車両8に搭載した例で、移動しながら複数の注入箇所に同時に或は選択的に所定量の注入液を送液して注入することができる。
さらにまた、本発明のさらなる施工方法(図21(b),図31参照)は、注入液製造装置3で製造された注入液を、複数のユニットポンプ9を経て、複数の注入箇所に送液し、該複数のユニットポンプ9の駆動をコントローラ7で一括管理することにより、該複数の注入箇所に、同時にまたは選択的に、注入液を送液して注入することができる。
なお、図において、符号10は注入液の注入に伴う地盤の異状な隆起等を監視するための地盤変位センサーであり、コントローラ7によって管理されている。
さらにまた、本発明のさらに他の施工方法は、注入液の製造装置3で製造された注入液を、1つの送液ポンプ4を経て、送液管路から複数の分岐バルブ5を介して、複数の注入箇所に送液し、該複数の分岐バルブ5を作動させることにより、該複数の注入箇所に、連続的にまたは選択的に、注入液を送液して注入することができる(図20(a),(b),図21(a),図27(a),(b),図28(a),(b),図29,図30(a),(b)参照)においてオリフィスのない場合も同様である)。
上記施工方法においては、注入液製造装置3から注入管路を延ばすことにより、一箇所にプラントを設置したまま、前記複数の注入箇所毎に該注入液製造装置3を移動させることなく、ライフラインの供用を可能にしながら注入施工を行うことができるので、道路や宅地等に適用する場合にも、急速施工が可能であって、かつ、適用箇所近傍の道路や鉄道を常時交通に供用させることが可能となる(図21,図30参照)。
さらにまた、本発明のさらに他の施工方法は、注入液製造装置3を車両8に搭載して、ライフラインに沿って車両8を走行移動させながら、注入液製造装置3で製造された注入液を用いて急速施工することができる(図20参照)。
また、本発明によれば経済施工のみならず、作業性や環境性の点からも安全性にも優れた液状化対策工を提供することができる。
図24は、オリフィスを設けた管路における送液圧力(PO)とノズル径(a)と噴出量(リットル/min)と浸透抵抗圧(P1)の関係を示す。
図24(a)は、その試験装置であり、ノズル径(a)を設けた管路を外管内に挿入してノズルの両側にパッカを設けて、外管からの管路に圧力調整弁を設け、圧力調整弁の開度を調整する構造である。
ポンプで管路内に送液して、圧力(P0)と流量を計測する。圧力調整弁の開度を調整して、ノズル径(a)から噴出した噴出液の圧力と流量を計測する。その際の圧力P1が浸透抵抗圧であり、その時の流量が噴出量である。
図24(b)は、圧力調整弁が全開した場合、すなわち、気中で送液した場合の送液圧(P0)とノズル径(a)と噴出量の関係を示す。ポンプ圧力P0は一定の時ノズル径が小さい程圧力が高く、ノズル径が大きい程噴出量は大きくなる。
図25(a)は、オリフィスのノズル口径(a)と差圧△Pと毎分噴出量の関係を示す。差圧△Pは、ポンプの送液圧量P0とオリフィス下流の抵抗力圧力P1の差をいう。差圧が大きい程、ノズル口径が大きい程、噴出量は大きい。抵抗圧P1が大きく、送液圧力P0に近づくにつれて、噴出量は0に近づく(図25(b)参照)。
また、抵抗圧力P1≒0ならば△P=P0であるが、地盤中に加圧浸透させる場合は、浸透抵抗が大きい場合は△Pが小さくなり、噴出量は小さくなる。しかし、図25(b)浸透抵抗圧P1が充分小さければ、抵抗圧に多少の変化があっても、噴出量はノズル口径によって値が一定値を得ることができる。道路や宅地では注入が地盤変位が生じてはならない。このため、土粒子間浸透するよう、少量の速度で注入されなくてはならない(図22参照)。
しかし、この場合、施工能率が低下するが複数の注入箇所からの同時注入で、全体で大きな吐出量で注入できるので、経済性が得られる。また、連続注入できれば施工プラントを移動することなく施工できるので、効率に優れ、短期間で施工が完了し、やはり大きな経済性を得ることが出来る。吐出速度が小さい時、或は地盤の透水性が大きい時、抵抗圧力はほとんど0に近く、したがって加圧送液圧とオリフィスの径に対応した一定の噴出量を得ることがわかる(図24(b)参照)。したがって、図26(b)に示すように、注入箇所における地盤の透水性に応じて、ノズル口径やノズル数や注入ポイントの数を複数にして、注入箇所毎に所定の噴出量の注入液を同時に供給することができる。
本発明では、オリフィスのほかにレギュレータ((有)光匠技研製)を用いることができる。レギュレータは、上流側の圧力に対応して下流側の圧力と流量をコントロールすることができ、かつ、複数の管路に設けて、同時に圧力・流量をコントロールできるが、本発明ではレギュレータは流量・圧力可変式・オリフィスとみなして、オリフィスの一種として取り扱う。
もちろん、本発明ではオリフィスを用いなくても、コントローラー7により分岐バルブ5を作動することにより分岐バルブ5のみを操作して、順次所定の注入箇所に材料を供給して注入することができる(図27(a)参照)。
図21(a)では、オリフィスを用いないで分岐バルブを作動して、分岐バルブV1を開いて他を閉じれば分岐バルブV1のみから処理液が注入され、分岐バルブViを開いて他を閉じれば分岐バルブViから処理液が注入されるため、連続的にかつ選択的に処理液を注入できる。また、オリフィスを用いれば全ての注入部に同時注入が可能になる。分岐バルブは電磁バルブを用いてコントローラー7から電気信号により作動させる事ができる。
また、図21(b),図31に示す複数のユニットポンプ9や分岐バルブをコントローラー7により一括管理して、複数の注入箇所への同時供給や選択的に供給をすることが容易になる。
(I).上記注入システムに用いる注入材は、長い送液管路、注入管路でゲル化することなく、送液・注入され、かつ小さな吐出速度で土粒子間注入されるにはゲル化時間が数十分〜十数時間といった長いゲル化時間が要求される。さらに長期にわたって耐久性のある注入液であることが必要である。
そのためには、シリカ溶液(コロイダルシリカ系グラウト、シリカゾル系グラウト、水ガラス系グラウト)、粘土、気泡、セメント、スラグから選ばれた1種または複数種を有効成分とする注入材を単独或は併用して注入する等、長い時間でゲル化する耐久性に優れた注入材の使用が好ましい。
一方において、長いゲル化時間の注入材は注入後、水よりも重い注入液であるところから、ゲル化するまでに下方に沈積してしまうという問題がある。本発明の目的のためには、所定の位置で通常の注入工事の場合と違って小さな固結体を形成できることが必要である。
このため、ゲル化促進剤を一次注入しておくとか、注入管を二重にして、或は二本並列して、一方からゲル化促進剤を注入し、他方からゲル化時間の長い注入液を注入して、合流注入するか、主材に混入してゲル化時間を短縮して注入してもよい。
この場合、主材が酸性シリカグラウトの場合は、促進剤としては実験例にあるように炭酸カルシウムや水酸化マグネシウム等の難溶性アルカリ剤を用いてもよいし、また、水ガラスを用いてもよい。また、主材が水ガラスの場合は、ゲル化時間調整剤やセメント等をゲル化促進剤として用いることも出来る。
シリカゾルグラウトは水ガラスのアルカリを酸で中和して酸性側のpHとし、長いゲル化時間と耐久性を付与した注入液であり、コロイダルシリカは水ガラスのアルカリをイオン交換樹脂やイオン交換膜で処理して中性〜弱アルカリ性で増粒安定化した粒径が5〜20nmのシリカコロイドを主材とし、水ガラスや反応剤を加えて所定の時間にゲル化せしめたグラウトである。コロイダルシリカとして金属シリカを用いても良い。コロイダルシリカは酸の使用量がゼロか或いは少量でほぼ中性値を示し、埋設管のコンクリートや金属管に腐食を生じさせないので恒久グラウトとしてのみならず、環境の点からも無公害注入材として本発明のように生活環境における使用に適している。
(J).本発明は、道路や宅地等の生活圏内で使用される。このため注入後、注入管の除去が要求されることがある。特に塩化ビニール等の注入管は除去作業が大変であるし、また、埋設されたままだと、その後の掘削工事に支障をきたすことがある。このため、生分解樹脂による注入管の使用が好ましい。
本発明が使用される工事は、地表面から浅い場所であることから、施工が簡単な注入管としては、前記注入管は直径1mm〜10mmのプラスチック細管や、細管を軸方向に異なる位置に複数本結束した注入管を用いて地盤中に注入することが、作業上、施工性から好ましい。更にこれらの注入細管を生分解性樹脂で作った注入管を用いれば、施工後、半年から1年以内に炭酸ガスと水に分解されてしまい、本発明が実施される生活環境内において施工後そのままにしても環境保全性に優れた液状化対策工となる。
なお、生分解樹脂としては、その化学構造は(1)主鎖が脂肪族で、これにエーテル結合またはエステル結合を有するもの、(2)主鎖(または側鎖)に水酸基、カルボキシル基を有するもの、あるいは、(3)プラスチックスの光分解および微生物分解を誘因、促進する添加剤を含有することにより生物分解性が良好なプラスチックスであり、具体的には澱粉系、酢酸セルロース系、ポリ乳酸系、脂肪族ポリエステル系、ポリビニルアルコール系等の生物分解性プラスチックスが挙げられる。これらの主原料には、性能の向上あるいは可撓性の付与等の目的で他の高分子化合物、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチックス、可塑剤、安定剤、着色剤等を必要に応じて添加することもできる。
また、上記(2)の水酸基あるいはカルボキシル基を有する化合物としては、脂肪族化合物が好ましい。これらの生物分解性プラスチックスとしては具体的には、上記(1)の例として、「ビオノーレ」(ポリオールとジカルボン酸の脂肪族ポリエステル)(昭和高分子株式会社と昭和電工株式会社)、「セルグリーン」(酢酸セルロース系、ポリカプロラクトン系)(ダイセル化学工業株式会社)、「ラクティ(乳酸系)」(株式会社島津製作所)、(2)の例として、「ポバール」(ポリビニルアルコール)(株式会社クラレ)、(3)の例として、「ワンダースターケン」(トウモロコシ澱粉とポリエチレン)(ワンダー株式会社)等々が挙げられる。
上記生物分解性プラスチックスには、ポリヒドロキシブチレート、ポリ乳酸、ポリグリコシド等の高融点生物分解性プラスチックスをブレンドすることによ
り、加工性を向上させ、織物、不織布とすることにより袋体としても使用できる。これらの主原料は、土中ではバクテリアにより、例えば90〜300日程度の日数で分解される。また本発明の注入管の設置方法は金属性注入細管を地盤中に打ち込んで設置しても良いし、コーンつき中空管を地盤中に打ち込みシールグラウトと共に注入管を挿入して中空管を引き抜いても良いし、勿論ボーリングした削孔内に注入管をシールグラウトと共に設置する等、任意の方法を用いる事ができる。
1)ライン状の埋設管の周辺に延長方向に間隔を開けて固結体を形成することにより、比較的少量の注入液で経済的かつ安全に、そして急速に液状化を防止することができる。
2)効果的な注入量や注入方法を選ぶことで、埋設管の浮き上がりを十分に低減することが可能である。
3)土中における注入液の先端部のゲル化時間が注入完了時においても流動性が持続されるように注入することにより、注入液を下方に流下浸透固化させ、固結体中に埋設管が包含された形状で固化させることにより、液状化時においても安定した固結体を形成せしめかつ埋設管の上方または側面付近までの注入管削孔ですむので注入管の掘削に当ってトラブルが生じない施工を行うことができる。
4)周辺地盤も液状化する場合、安全率を0.7 以上にする事で一定の浮上低減効果が得られる。
5)埋め戻し部のみ液状化する場合には、固化された土塊を非液状化地盤に定着させることが重要である。
6)適切な注入方法で埋設管に沿って間隔をあけて埋設管と一体化した固結体を少量の注入薬液で形成して、材料的には経済性を得ることが施工はかえって効率的でなくなる。各固結体を同時注入、或は連続注入によって埋設管に間隔をあけて上述した方式で固結体を形成して初めてライン状の埋設管の経済的にも効率的な施工が可能になる。
1 既設埋設管
2 注入管
2A 吸水管
3 注入液製造装置
4 加圧送液ポンプ
5 分岐バルブ
6 オリフィス
7 コントローラ
8 車輛
9 ユニットポンプ
10 地盤変位センサー

Claims (8)

  1. 液状化が予想される地盤内に設置された既設埋設管の周辺部に、既設埋設管の管軸方向に間隔を開けて複数の固結体を形成して、既設埋設管の重量を増大せしめることにより、液状化に伴う既設埋設管の浮き上りを抑制する既設埋設管の液状化対策工法において、前記既設埋設管の上方の当該既設埋設管から離れた位置の両側に、ほぼ対称にかつ管軸方向に間隔を開けて設置した複数の注入管より注入材を注入すると共に、注入材の注入時間よりも土中におけるゲル化時間を長くすることにより、または注入材の先端部の浸透先端部のゲル化時間が注入完了時においても流動性が持続されるように注入することにより、既設埋設管の上部、両側部および底部に注入材を流下浸透固結させて、注入材の流下浸透固結範囲内に既設埋設管を含むように、かつ既設埋設管と一体化した、液状化時にも安定した形状の固結体を形成することを特徴とする既設埋設管の液状化対策工法。
  2. 液状化が予想される地盤内に設置された既設埋設管の周辺部に、既設埋設管の管軸方向に間隔を開けて複数の固結体を形成して、既設埋設管の重量を増大せしめることにより、液状化に伴う既設埋設管の浮き上りを抑制する既設埋設管の液状化対策工法において、既設埋設管の上方の当該既設埋設管から離れた位置の両側に、対称にかつ既設埋設管の管軸方向に間隔を開けて設置した複数の注入管より注入材を注入すると共に、注入材を既設埋設管の上部、両側部および底部に流下浸透固結させて、注入材の流下浸透固結範囲内に既設埋設管を含むように、かつ鉛直方向に長軸を有し、既設埋設管と一体化した固結体を形成することを特徴とする既設埋設管の液状化対策工法。
  3. 請求項1または2記載の液状化対策工法において、既設埋設管と一体化した固結体の重心が埋設管の重心より下方に位置するように固結体を形成することを特徴とする液状化対策工法。
  4. 請求項1〜3のいずれかひとつに載の既設埋設管の液状化対策工法において、埋設管の延長方向に所定間隔をあけて複数の注入管を設置して、以下(1),(2),(3)のいずれかの方法で該注入管から前記埋設管の周辺部に注入材を注入して該埋設管と埋戻し土中の固結体を一体化して、地震による浮き上がりを抑制するように注入材の注入を行い、かつ安全率F=(管と固結土にかかる重力)/(管と固結土にかかる浮力)を設定して、埋設管延長方向の固結体の固結量と、固結体間の間隔を設定し、前記安全率Fは以下(イ),(ロ)のように設定することによって浮き上がりを抑制することを特徴とする既設埋設管の液状化対策工法。
    (1)埋設管を原地盤の非液状化層に定着させて地震時における既設埋設管の浮き上がりを抑制する方法。
    (2)埋設管下の埋戻し土を固化して地震時に非液状化層の土が左右や上部に落ち込んで埋設管の浮き上がりを抑制する方法。
    (3)埋設管の上面または側面を固化して埋設管と固結体を一体化して、埋設管と固結体に加わる重力を増やすことにより浮き上がりを抑制する方法。
    (イ)周辺地盤も液状化する場合、
    安全率 F≧0.7
    (ロ)埋戻し部のみ液状化する場合、
    (i)埋設管の上部を固結する場合、
    安全率 F ≧0.7
    (ii)埋設管と固結部を非液状化層の側面部、または/並びに底面部に定着させる場合、
    安全率 F ≧0.6
  5. 請求項1〜4のいずれかひとつに記載の既設埋設管の液状化対策工法において、Fを以下のように設定することを特徴とする既設埋設管の液状化対策工法。
    F(安全率)=(AVpipe+BVsolidified)/(CVpipe+CVsolidified)
    =(A+B (Vsolidified/Vpipe))/( C+C (Vsolidified/Vpipe))
    ただし、A:埋設管の密度、B:固結土の密度、C:液状化時の泥水の密度、管の体積:Vpipe、固化した土の体積:Vsolidified
  6. 請求項1〜5のいずれかひとつに記載の既設埋設管の液状化対策工法において、固結体は、所定の間隔をおいて形成してなり、該固結体の形成は以下(1) (2),(3)のいずれかの方法によってなされることを特徴とする既設埋設管の液状化対策工法。
    (1)埋設管の両側に設けた注入管から注入して、埋設管を原地盤の非液状化層に定着させる方法。
    (2)埋設管の片側から注入して、埋設管下部の埋戻し土を固結して埋設管と固結体を一体化する方法。
    (3)埋設管の上部に注入して、埋設管と固結体を一体化して埋設管と固結体にかかる重力を大きくする方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかひとつに記載の既設埋設管の液状化対策工法において、埋設管の延長方向の固結量と固結体同士の間隔を安全率F≧0.7以上になるように定めることを特徴とする既設埋設管の液状化対策工法。
  8. 請求項1〜7のいずれかひとつに記載の既設埋設管の液状化対策工法において、線状に敷設された敷設物または線状に敷設された注入ライン、あるいは構造物の周辺部に沿って所定の間隔をあけて、複数の注入管を配置し、当該注入管は流路変換バルブを介し送液管と接続し、当該送液管は圧力・流量計を備えた注入ポンプと注入材貯蔵槽を備え、流路変換バルブを作動することにより、連続的に或は選択的に注入管への流路を切り換えて注入することを特徴とする既設埋設管の液状化対策工法。
JP2014089735A 2014-04-24 2014-04-24 既設埋設管の液状化対策工法 Active JP5728694B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014089735A JP5728694B1 (ja) 2014-04-24 2014-04-24 既設埋設管の液状化対策工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014089735A JP5728694B1 (ja) 2014-04-24 2014-04-24 既設埋設管の液状化対策工法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5728694B1 true JP5728694B1 (ja) 2015-06-03
JP2015209638A JP2015209638A (ja) 2015-11-24

Family

ID=53437927

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014089735A Active JP5728694B1 (ja) 2014-04-24 2014-04-24 既設埋設管の液状化対策工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5728694B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021179148A (ja) * 2020-05-15 2021-11-18 鹿島建設株式会社 地盤改良工法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020148037A (ja) * 2019-03-14 2020-09-17 鹿島建設株式会社 地盤改質方法
JP7394344B2 (ja) 2020-05-19 2023-12-08 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 液状化対策工法及び液状化対策構造

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07300851A (ja) * 1994-05-10 1995-11-14 Fujita Corp 地中埋設管の液状化対策工法
JP5433890B1 (ja) * 2013-06-19 2014-03-05 強化土株式会社 不飽和化地盤改良工法
JP5515190B1 (ja) * 2013-06-27 2014-06-11 国立大学法人 東京大学 既設埋設管の液状化対策工法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07300851A (ja) * 1994-05-10 1995-11-14 Fujita Corp 地中埋設管の液状化対策工法
JP5433890B1 (ja) * 2013-06-19 2014-03-05 強化土株式会社 不飽和化地盤改良工法
JP5515190B1 (ja) * 2013-06-27 2014-06-11 国立大学法人 東京大学 既設埋設管の液状化対策工法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6014028477; 志村雅仁,外4名: '埋設管路の液状化被害軽減に関する実験-薬液注入工法の利用-' 第48回地盤工学会研究発表会 , 201307, p.1771-p.1772 *

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021179148A (ja) * 2020-05-15 2021-11-18 鹿島建設株式会社 地盤改良工法
JP7461211B2 (ja) 2020-05-15 2024-04-03 鹿島建設株式会社 地盤改良工法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015209638A (ja) 2015-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5728747B1 (ja) 既設埋設管の液状化対策工法
CN110359921A (zh) 一种盾构近距离侧穿建筑物的施工方法
CN100591866C (zh) 流砂层及砂砾层动水双液高压注浆堵水施工方法
CN105040775B (zh) 深层承压自流井封堵系统与方法
CN101906991B (zh) 一种治理地下采空区或空洞的施工方法
CN104455726A (zh) 一种管道底部注浆加固的顶管施工方法
CN110469332B (zh) 一种穿越泥石流堆积体隧道的超前支护固结方法
CN107513995A (zh) 一种桥梁灌注桩后压浆施工方法
JP5728694B1 (ja) 既設埋設管の液状化対策工法
CN104947686A (zh) 软土地区地下室支护结构
CN113174958A (zh) 一种劣质地况下临近道路基坑施工方法
CN107191188B (zh) 基岩段不良含水层定位靶向注浆立井井壁结构、施工装置及方法
TWI588325B (zh) Unsaturated soil improvement device and unsaturated ground improvement method
JP5515190B1 (ja) 既設埋設管の液状化対策工法
KR101209008B1 (ko) 연약지반의 흡입배수 보강방법
CN110055973B (zh) 施工空间受限时的高铁桥下基坑围护结构与止水方法
JP3418069B2 (ja) 注入工法ならびに注入装置
CN102995647B (zh) 一种桩孔注浆隔渗的地下水控制方法
CN108868796A (zh) 用于富水砂层下的盾构小半径曲线与大坡度下穿高层建筑群施工方法
JP5499271B1 (ja) 不飽和化地盤改良装置
CN109914390A (zh) 一种用于咬合式排桩施工冷缝的注浆结构及施工方法
CN209816830U (zh) 一种用于咬合式排桩施工冷缝的注浆结构
CN214194466U (zh) 用于埋置式大型振动设备地基处理的预留灌浆孔结构
CN108867279B (zh) 一种软土路基市政道路施工方法
JP2001123438A (ja) 空気溶存水又は圧縮空気を地中に注入することによる都市内等地盤の地震時液状化防止工法及び、この工法に用いる装置およびその施工法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20141014

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150224

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5728694

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250