JP5368931B2 - トグル式型締機構を有する射出成形機の制御装置 - Google Patents

トグル式型締機構を有する射出成形機の制御装置

Info

Publication number
JP5368931B2
JP5368931B2 JP2009242504A JP2009242504A JP5368931B2 JP 5368931 B2 JP5368931 B2 JP 5368931B2 JP 2009242504 A JP2009242504 A JP 2009242504A JP 2009242504 A JP2009242504 A JP 2009242504A JP 5368931 B2 JP5368931 B2 JP 5368931B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold clamping
clamping force
toggle
injection molding
molding machine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009242504A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011088322A (ja
Inventor
淳平 丸山
聡 高次
浩司 千田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FANUC Corp
Original Assignee
FANUC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by FANUC Corp filed Critical FANUC Corp
Priority to JP2009242504A priority Critical patent/JP5368931B2/ja
Publication of JP2011088322A publication Critical patent/JP2011088322A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5368931B2 publication Critical patent/JP5368931B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

本発明は、射出成形機の制御装置に関し、特に、トグル式型締機構を有する射出成形機において、装置のスペック上の最大型締力に対して小さい型締力を発生させる場合に、トグル機構のクロスヘッドストロークのうち、力の拡大率が比較的小さいストローク範囲を使用することで、型締に必要な時間を短縮することが可能なトグル式型締機構を有する射出成形機の制御装置に関する。
従来、トグル式型締機構の制御方法としては、特許文献1に開示されているように、トグルの腕が伸びきったところでサーボモータを停止させ、前記トグルの腕が伸びきった分だけタイバーを引っ張り、そのタイバーの伸びにより発生した弾性回復力により金型を締め付ける技術が知られている。この制御技術では、トグルの腕が伸びきったときに所望の型締力が発生するようにリアプラテンの位置を調節する型締力調整(型厚調整とも言う)が行われる。ここで型締力調整とは、リアプラテンの位置を調整することで、トグルの腕が伸びきった状態で発生する型締力を調整することを指す。通常、トグル式型締機構を有する射出成形機ではこのような制御方法が用いられている。
また、特許文献2には、トグル機構におけるトグルリンクが完全に伸びきる十分手前の状態、すなわち、クニッキングが比較的大きい状態で型締を行うことで、摩擦力の影響を少なくして型締力の制御を精度よく行う技術が開示されている。
また、特許文献3には、型締時にトグル機構を非ロックアップ状態にすることにより、金型を保護するための検出精度を向上させる技術が開示されている。
特開昭60−112417号公報 特開2000−71299号公報 特開2006−159440号公報
射出成形機を用いた薄肉成形の場合、金型のキャビティからガス抜けを良くして充填性を向上させるために、射出を開始した後で型締を行う圧縮成形が知られている。この圧縮成形では、キャビティに樹脂を充填する射出工程の射出段階では型締力を抜いておき、キャビティ内のガスが抜け易い状態にすることで、薄肉部への樹脂の充填性を向上させる。そして、射出工程の後半では、キャビティに樹脂が充填されて樹脂圧力が印加されるため、樹脂圧力によって金型が開かないように、必要な型締力を発生させる。
このとき、型締力を発生させるタイミングが遅いと、樹脂圧力によって金型が開いてしまい、成形品がバリになってしまう。一方で、型締力を発生させるタイミングが早すぎると、ガス抜けが悪くなって成形品が未充填になってしまう。
このように、圧縮成形においては、キャビティに樹脂が充填される直前まで型締力を抜いた状態にしておき、樹脂の充填と同時に可及的速やかに型締力を発生させることが望ましい。すなわち、型締工程に必要な時間を短縮することが望ましい。
ところが、トグル式型締装置の場合、所定の型締力を発生させるためにはクロスヘッドを所定量だけ前進させる必要があるため、直圧式の型締装置に比べて型締に時間がかかるという問題があった。
そこで本発明の目的は、型締力が発生していない状態から所定の型締力が発生するまでの時間を短縮することが可能なトグル式型締機構を有する射出成形機の制御装置を提供することである。
本願の請求項1に係る発明は、トグル式型締機構を有し、前記トグル式型締機構を介して可動プラテンを前後進させる駆動装置と、前記トグル式型締機構のクロスヘッドの位置を検出するクロスヘッド位置検出手段と、リアプラテンを前後進させる駆動装置と、を備えた射出成形機の制御装置において、前記トグル式型締機構の最大型締力に対して小さい設定型締力を発生させる場合には、該トグル式型締機構のトグルの腕が伸びきった状態で前記最大型締力よりも大きな仮想最大型締力が発生するように前記リアプラテンの位置を調整した上で、型締時の前記クロスヘッドの前進位置を前記設定型締力に対応するクロスヘッド前進制限位置で制限することを特徴とするトグル式型締機構を有する射出成形機の制御装置である。
請求項2に係る発明は、前記設定型締力に対応する前記仮想最大型締力は、該設定型締力と前記トグル式型締機構の最大型締力との比率に基づいて算出することを特徴とする請求項1に記載のトグル式型締機構を有する射出成形機の制御装置である。
請求項3に係る発明は、前記クロスヘッド前進制限位置は、前記設定型締力と前記仮想最大型締力とに基づいて、型締時の前記可動プラテンの前進制限位置を求め、前記可動プラテンの前進制限位置に対応するクロスヘッド位置を求めることで算出することを特徴とする請求項1または2に記載のトグル式型締機構を有する射出成形機の制御装置である。
請求項4に係る発明は、前記設定型締力と、前記設定型締力に対応する前記仮想最大型締力と、前記設定型締力に対応する前記型締時のクロスヘッド前進制限位置とを予めテーブルとして制御装置に記憶することを特徴とする請求項1に記載のトグル式型締機構を有する射出成形機の制御装置である。
請求項5に係る発明は、前記トグル式型締機構の最大型締力に対して小さい設定型締力を発生させる場合には、該トグル式型締機構のトグルの腕が伸びきった状態で前記最大型締力よりも大きな仮想最大型締力が発生するように前記リアプラテンの位置を調整した上で、型締時の前記クロスヘッドの前進位置を前記設定型締力に対応するクロスヘッド前進制限位置で制限する制御方式と、前記トグルの腕が伸びきった状態で前記設定型締力が発生するように前記リアプラテンの位置を調整した上で、型締時に該トグルの腕が伸びきった状態になるまで前記クロスヘッドを前進させる制御方式と、を切り替える設定スイッチを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のトグル式型締機構を有する射出成形機の制御装置である。
本発明により、型締力が発生していない状態から所定の型締力が発生するまでの時間を短縮することが可能なトグル式型締機構を有する射出成形機の制御装置を提供できる。
トグル式型締機構を有する射出成形機を制御する制御装置の概略ブロック図である。 従来技術の型締力の調整を説明する図である。 本発明による型締力の調整を説明する図である。 従来技術の型締制御方法を説明する図である。 従来技術の型締制御方法におけるクロスヘッド移動量と型締力の関係を説明する図である。 本発明による型締力の調整を説明する図である。 本発明によるクロスヘッド移動量と型締力の関係を説明する図である。
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1は、トグル式型締機構を有する射出成形機を制御する制御装置の概略ブロック図である。射出成形機は一般的には機台上に型締装置と射出装置とを備えている。型締装置100の固定プラテン1とリアプラテン2は、型締機構を構成する4本のタイバー4によって連結されている。固定プラテン1とリアプラテン2間には、可動プラテン3がタイバー4に案内されて移動自在に配設されている。また、固定プラテン1には固定側金型5aが取り付けられ、可動プラテン3には可動側金型5bが固定側金型5aに対面して取り付けられている。
リアプラテン2と可動プラテン3間には型締機構を構成するトグル機構6が配設され、トグル機構6のクロスヘッド6aに設けられたナット(図示せず)が、リアプラテン2に回動自在で軸方向移動不能に取り付けられたボールネジ7と螺合している。可動プラテン3の可動プラテン前後進用サーボモータである型締用サーボモータ8がプーリ15,ベルト10,プーリ16から構成される伝動機構を介してボールネジ7を駆動することにより、クロスヘッド6aを前進,後退させてトグル機構6を構成する腕6b,6cを伸ばしたり縮めたりすることにより、可動プラテン3を固定プラテン1の方向に前進、後退させて金型5a,5bの開閉、型締を行う。これによって、トグル式型締装置を形成している。
型閉動作は可動プラテン3を固定プラテン1側に前進させる動作である。また、型開動作は可動プラテン3を固定プラテン1側から離す動作、つまり、後退させる動作である。型締用サーボモータ8には、該サーボモータ8の回転位置(回転角度)、速度を検出する位置・速度検出器11が取り付けられている。位置・速度検出器11からの出力信号をもとに、クロスヘッド6aの位置、すなわちトグル機構6の状態、可動プラテン3(可動側金型5b)の位置を検出できる。
また、タイバーナット9とギヤ(図示せず)から構成される伝動機構(図示せず)と型締力調整用モータ14によって型締力調整手段を構成している。タイバー4のリアプラテン2側の端部にはネジが切られている。該ネジと螺合するタイバーナット9を、前記伝動機構(図示せず)を介して型締力調整用モータ14によって回転駆動し、リアプラテン2をタイバー4に沿って前後進できる。
射出成形機を制御する制御装置20は、射出成形機全体を制御するプロセッサ(CPU)21にバスを介して、サーボモータの位置、速度、および電流(トルク)を制御する軸制御回路22、入出力回路24、メモリ26、表示装置29のインタフェース回路28が接続されている。
軸制御回路22はプロセッサやメモリ、インタフェースなどで構成され、型締用サーボモータ8に取り付けられた位置・速度検出器11からの位置、速度フィードバック信号が帰還され、さらに、型締用サーボモータ8の駆動電流を検出する電流検出器12からの電流フィードバック信号が帰還されている。
また、軸制御回路22にはサーボアンプ23を介して型締用サーボモータ8が接続されている。さらに、入出力回路24にはインバータ25を介して型締力調整用モータ14が接続されて、インタフェース28には表示装置29が接続されている。
メモリ26には射出成形機を制御するプログラムが格納されている。プロセッサ(CPU)21はこれらのプログラムに基づいて射出成形機を制御する。型締動作については、プロセッサ(CPU)21はプログラムに基づいて移動指令を軸制御回路22に出力する。軸制御回路22に内蔵されるプロセッサ(図示せず)は、この移動指令と位置・速度検出器11からの位置、速度フィードバック信号および電流検出器12からの電流フィードバック信号に基づいて、位置、速度、および電流のフィードバック制御を行い、サーボアンプ23を介して型締用サーボモータ8を駆動制御する。
型締用サーボモータ8の駆動により、ボールネジ7が回転し、該ボールネジ7に螺合するナット(図示せず)を有するトグル機構6のクロスヘッド6aがボールネジ7に沿って移動し、トグル機構6が駆動されトグル機構6の腕が伸び、可動プラテン3が前進し固定側金型5aに可動側金型5bが当接し(金型タッチ位置)、さらに可動プラテン3を前進させ、トグル機構6の腕が伸び、可動プラテン3が所定の型締完了位置(クロスヘッド前進制限位置)に達したとき、この位置に型締用サーボモータ8は位置決めされ、設定された型締力が発生する。すなわち、固定プラテン1とリアプラテン2はタイバー4によって連結されているから、固定側金型5aと可動側金型5bが当接し、さらに可動プラテン3および可動側金型5bが前進したとき、タイバー4が伸び、このタイバー4の伸びの弾性回復力によって型締力が得られる。
そのような構造であるため、型締力を変更するときには、型締完了位置まで可動プラテン3が前進した時に設定型締力が得られるようなタイバー4の伸びが発生するようリアプラテン2の位置を変化させ、型締力を調整する。リアプラテン2の位置を変化させる場合、プロセッサ(CPU)21は入出力回路24を介して型締力調整用モータ14を駆動し、伝動機構(図示せず)を介してタイバーナット9を回転させて、リアプラテン2の位置を変化させることができる。
型締力調整用モータ14には、型締力調整用モータ14の回転位置を特定するためのセンサであるリアプラテン位置検出器13が取り付けられている。リアプラテン位置検出器13により検出された型締力調整用モータ14の回転位置のデータは、入出力回路24を介して制御装置20に入力する。
本発明は、上述したトグル式型締機構を有する射出成形機を制御する制御装置20において、射出成形機のスペック上の最大型締力Fmaxに対して小さい型締力を発生させる場合に、トグル機構6を構成するクロスヘッド6aのクロスヘッドストロークのうち、力の拡大率が比較的小さいストローク範囲を使用することで、型締に必要な時間を短縮するものである。
なお、図中のプラテン位置とは、リアプラテン2の位置に対する可動プラテン3の位置のことであり、この座標系はトグル機構6の腕6b,6cが伸び切った状態を基準(0mm)とし、リアプラテン2の方向に増加する向きに設定されている。また、クロスヘッド位置の座標系はトグル機構6の腕6b,6cが伸びきった位置を基準(0mm)としリアプラテン2の方向に増加する向きに設定されている。
ここで、本発明の制御装置による制御方法の理解を助けるために、まず、従来の型締制御方法を図4,図5を用いて説明する。なお、図4、図5、後述する図6、図7は、図1に示されるクロスヘッド位置の座標系によって表す。
図4(a)は可動側金型5bが固定側金型5aにタッチ(金型タッチ)した状態(以下、「状態A’」という)を図示している。この状態では、型締力=0トンである。そして、図4(b)に示されるように、型締用サーボモータ8(図1参照)を駆動することによって型締動作を開始するとクロスヘッド6aはボールネジ7の先端側に移動し、トグル機構6の腕6b,6cが伸び切った位置でクロスヘッド6aが停止する(以下、「状態B’」という)。この状態で、設定型締力Fsetが金型5a,5bに掛かる。
図5(a)の横軸はクロスヘッド6aの位置を表し、縦軸は可動プラテン3の位置を表す。そして、図5(a)は、クロスヘッド6aの位置が金型タッチ位置(状態A’)からクロスヘッド前進制限位置(状態B’)まで移動することによって、型締力=30トンが発生することを示している。なお、型締動作では、図1に示されるクロスヘッド位置の座標系では位置の絶対値が減少する方向(つまり、金型5に向かって)クロスヘッド6aは移動する。また、図5(b)は、クロスヘッド6aが金型タッチ位置(状態A’)からクロスヘッド前進制限位置(状態B’)に移動することによって、設定型締力Fsetが発生することを示している。
上述したように従来の制御方法では、例えば、トグル式型締機構の最大型締力Fmaxが100トンの射出成形機において30トンの型締力を発生させる場合、通常はトグル機構6の腕6b,6cが伸びきった位置(図4(b)の状態B’を参照)、すなわち、力の拡大率が最大になる位置で30トンの設定型締力Fsetが発生するようにリアプラテン2の位置を調整して型締力の調整を行う。
次に、本発明の制御装置における型締制御方法について図6,図7を用いて説明する。図6(a)は可動側金型5bが固定側金型5aにタッチ(金型タッチ)した状態(以下、「状態A」という)を図示している。この状態では、型締力=0トンである。そして、図6(b)に示されるように、型締動作を開始するとクロスヘッド6aはボールネジ7の先端側に移動し、トグル機構6の腕(トグル)が伸び切らない位置(クロスヘッド前進制限位置)(以下、「状態B」という)でクロスヘッド6aは停止する。この状態Bで、設定型締力Fsetが金型5a,5bに掛かる。
図7(a)の横軸はクロスヘッド6aの位置を表し、縦軸は可動プラテン3の位置を表す。そして、図7(a)は、クロスヘッド6aの位置が金型タッチ位置(状態A)からクロスヘッド前進制限位置(状態B)まで移動することによって、設定型締力Fset=30トンが発生することを示している。なお、型締動作では、図1に示されるクロスヘッド位置の座標系では位置の絶対値が減少する方向(つまり、金型5に向かって)クロスヘッド6aは移動する。また、図7(b)は、クロスヘッド6aが金型タッチ位置(状態A)からクロスヘッド前進制限位置(状態B)に移動することによって、設定型締力Fsetが発生することを示している。なお、設定型締力Fset、型締機構の最大型締力Fmax、仮想最大型締力Fim(後述して説明する)であり、設定型締力Fset=30トンが発生することを示している。なお、30トンの設定型締力Fsetは一例である。
上述したように本発明では、例えば、トグル機構6の腕が伸びきった位置で200トンの型締力が発生するようにリアプラテン2の位置を移動することによって型締力の調整を行う。ただし、200トンの型締力は仮想的な値であって実際に発生することはない。以下、この実際には発生しない型締力を「仮想最大型締力Fim」という。より具体的に説明すると、リアプラテン2の位置を通常使用する場合より、より固定プラテン1側に接近させた位置に移動することによって、仮想最大型締力Fimを得ることができる。
そして、実際に型締動作を行うときは、トグル機構6の腕が伸びきった位置までクロスヘッド6aを前進させるのではなく、30トンの設定型締力Fsetが発生する前進が制限された位置(クロスヘッド前進制限位置)までクロスヘッド6aを前進させるようにし、それ以上はクロスヘッド6aが前進しないように制限しておく。
このように、力の拡大率が比較的小さいストローク範囲を使用することで、設定型締力Fsetを発生させるのに必要なクロスヘッド6aの移動量を小さくすることができ、その結果、型締に必要な時間を短縮することができる。本発明の型締動作におけるクロスヘッド6aの移動量(図7(a)参照)は、従来技術の型締動作におけるクロスヘッド6aの移動量(図5(a)参照)に比較して小さくなっている。
なお、上記の説明では設定型締力Fsetが30トンの場合に、200トンの仮想最大型締力Fimが発生するように型締力調整を行う場合を具体例として記載したが、設定型締力Fsetが射出成形機の型締機構のスペック上での最大型締力Fmax(以下、本発明では、スペック上の最大型締力を単に「最大型締力」という)に対して小さいほど、仮想最大型締力Fimを大きくすることが望ましい。つまり、設定型締力Fsetが小さい場合には、型締に必要なモータトルクが小さくて済むので、力の拡大率の小さいストローク範囲を使用しても問題ないからである。逆に、射出成形機の型締機構のスペック上での最大型締力Fmaxを発生させる場合には、仮想最大型締力Fimを実際に設定型締力Fsetと同値にして、力の拡大率の大きいストローク範囲を使用することが望ましい。
なお、型締用サーボモータ8を用いてクロスヘッド6aを駆動して型締をする場合の例について上述したが、油圧装置(図示せず)を用いてクロスヘッド6aを駆動して型締するようにしてもよい。
次に、仮想最大型締力Fimの算出方法について説明する。
上記の例において、設定型締力Fsetに対応する仮想最大型締力Fimは、設定型締力Fsetと型締機構の最大型締力Fmaxとの比率に基づいて算出するようにしてもよい。例えば、数1式のようにして、設定型締力Fsetに対応する仮想最大型締力Fimを算出するようにしてもよい。
Figure 0005368931
ただし、Fim:仮想最大型締力、Fmax:型締機構の最大型締力、Fset:設定型締力、α:係数である。
数1式によると、最大型締力Fmaxに対して設定型締力Fsetが小さいほど、仮想最大型締力Fminが大きくなる。また、設定型締力Fset=最大型締力Fmaxの場合は、仮想最大型締力Fim=設定型締力Fmaxとなる。またこのとき、係数αが大きいほど仮想最大型締力Fimが大きくなる傾向があるが、係数αが大きすぎると、力の拡大率が極端に小さいストロークを使用することになり、クロスヘッド6aを前後進させる駆動装置(型締用サーボモータ8)がトルク不足に陥って型締をできない恐れがある。よって、係数αは、駆動装置の最大トルクに応じて、トルク不足を回避するように適切な値を予め設定しておく必要がある。
上記の例において、設定型締力Fsetに対応する型締時のクロスヘッド6aのクロスヘッド前進制限位置は、設定型締力Fsetと仮想最大型締力Fimとに基づいて算出するようにしてもよい。まず、設定型締力Fsetからタイバー4を伸ばす距離が求まり、タイバー4の伸び=可動プラテン3の移動量であるから、型締時の可動プラテン3の前進距離が求まる。また、仮想最大型締力Fimからタイバー4を伸ばす距離(つまり、可動プラテン3の移動距離)が求められる。そうすると、型締力が0(ゼロ)、つまり、金型タッチ時の可動プラテン3のプラテン位置が求められるので、設定型締力Fsetが発生する可動プラテン3のプラテン位置は、金型タッチ時の可動プラテン3のプラテン位置から前記求めた可動プラテン3のプラテン前進距離だけ進んだ位置であることが求まる。
そして、前記求めた可動プラテン3のプラテン位置に対応するクロスヘッド6aのクロスヘッド位置は、可動プラテン3のプラテン位置―クロスヘッド6aのクロスヘッド位置の関係式より求まる。上記のように、設定型締力Fsetに対応する型締時のクロスヘッド6aのクロスヘッド前進制限位置を算出するようにしてもよい。なお、可動プラテン3のプラテン位置―クロスヘッド6aのクロスヘッド位置の関係式の算出方法については、周知であるのでここでは記載しない。
上記の例において、設定型締力Fsetと、設定型締力Fsetに対応する仮想最大型締力Fimと、設定型締力Fsetに対応するクロスヘッド6aの前進制限位置とは、予めテーブルとして記憶しておくようにしてもよい(図3参照)。なお、図2のテーブルには従来の型締力の調整方法が示されている。図3と図2のテーブルを比較すると、本発明では型締時間が短縮されていることがわかる。
従来の型締制御方法において、図2に示されるように設定型締力Fsetを発生した状態ではトグルの力の拡大率が大きいため、比較的小さな駆動力で設定型締力Fsetを保持することができたが、本発明の型締制御を行う場合、設定型締力Fsetを保持した状態での駆動力が大きくなり、省エネ性の観点では従来の型締制御に劣る。
そこで、本発明の1つの実施形態として、型締制御の方式を切り替える設定スイッチを設け、省エネ性能を犠牲にして型締時間の短縮を重視する制御モードと、型締時間の短縮を犠牲にして省エネ性能を重視する制御モードとを、オペレータ操作によって切り替えるようにしてもよい。
例えば、圧縮成形を行う際に型締時間を短縮する場合には、型締時間の短縮を重視する本発明の制御モードを使用するとよい。なお、制御モードを切り替えると、制御モードの切り替え前後で同じ型締力を発生させる場合でもリアプラテン2の位置が変るため、型締力調整を行う必要がある。このモード切り替え時の型締力調整は、モードを切り替えたときに自動で行うようにしてもよいし、モードを切り替えたときに画面に型締力調整を行う旨のメッセージを表示し、オペレータの確認操作によって型締力調整を行うようにしてもよい。
以上、本発明により、トグル式型締機構を有する射出成形機において、スペック上の最大型締力に対して小さい型締力を発生させる場合に、トグル装置のクロスヘッドストロークのうち、力の拡大率が比較的小さいストローク範囲を使用することで、型締に必要な時間を短縮することが可能なトグル式型締機構を有する射出成形機の制御装置を提供できる。
1 固定プラテン
2 リアプラテン
3 可動プラテン
4 タイバー
5a 固定側金型
5b 可動側金型
6 トグル機構
6a クロスヘッド
6b,6c 腕
7 ボールネジ
8 型締用サーボモータ
9 タイバーナット
10 ベルト
15 プーリ
16 プーリ
11 位置・速度検出器
12 電流検出器
13 リアプラテン位置検出器
14 型締力調整用モータ
20 制御装置
100 型締装置
im 仮想最大型締力
max 型締機構の最大型締力
set 設定型締力
α 係数

Claims (5)

  1. トグル式型締機構を有し、前記トグル式型締機構を介して可動プラテンを前後進させる駆動装置と、前記トグル式型締機構のクロスヘッドの位置を検出するクロスヘッド位置検出手段と、リアプラテンを前後進させる駆動装置と、を備えた射出成形機の制御装置において、
    前記トグル式型締機構の最大型締力に対して小さい設定型締力を発生させる場合には、該トグル式型締機構のトグルの腕が伸びきった状態で前記最大型締力よりも大きな仮想最大型締力が発生するように前記リアプラテンの位置を調整した上で、型締時の前記クロスヘッドの前進位置を前記設定型締力に対応するクロスヘッド前進制限位置で制限することを特徴とするトグル式型締機構を有する射出成形機の制御装置。
  2. 前記設定型締力に対応する前記仮想最大型締力は、該設定型締力と前記トグル式型締機構の最大型締力との比率に基づいて算出することを特徴とする請求項1に記載のトグル式型締機構を有する射出成形機の制御装置。
  3. 前記クロスヘッド前進制限位置は、前記設定型締力と前記仮想最大型締力とに基づいて、型締時の前記可動プラテンの前進制限位置を求め、前記可動プラテンの前進制限位置に対応するクロスヘッド位置を求めることで算出することを特徴とする請求項1または2に記載のトグル式型締機構を有する射出成形機の制御装置。
  4. 前記設定型締力と、前記設定型締力に対応する前記仮想最大型締力と、前記設定型締力に対応する前記型締時のクロスヘッド前進制限位置とを予めテーブルとして制御装置に記憶することを特徴とする請求項1に記載のトグル式型締機構を有する射出成形機の制御装置。
  5. 前記トグル式型締機構の最大型締力に対して小さい設定型締力を発生させる場合には、該トグル式型締機構のトグルの腕が伸びきった状態で前記最大型締力よりも大きな仮想最大型締力が発生するように前記リアプラテンの位置を調整した上で、型締時の前記クロスヘッドの前進位置を前記設定型締力に対応するクロスヘッド前進制限位置で制限する制御方式と、
    前記トグルの腕が伸びきった状態で前記設定型締力が発生するように前記リアプラテンの位置を調整した上で、型締時に該トグルの腕が伸びきった状態になるまで前記クロスヘッドを前進させる制御方式と、
    を切り替える設定スイッチを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のトグル式型締機構を有する射出成形機の制御装置。
JP2009242504A 2009-10-21 2009-10-21 トグル式型締機構を有する射出成形機の制御装置 Active JP5368931B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009242504A JP5368931B2 (ja) 2009-10-21 2009-10-21 トグル式型締機構を有する射出成形機の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009242504A JP5368931B2 (ja) 2009-10-21 2009-10-21 トグル式型締機構を有する射出成形機の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011088322A JP2011088322A (ja) 2011-05-06
JP5368931B2 true JP5368931B2 (ja) 2013-12-18

Family

ID=44107042

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009242504A Active JP5368931B2 (ja) 2009-10-21 2009-10-21 トグル式型締機構を有する射出成形機の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5368931B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5925926B1 (ja) 2015-02-19 2016-05-25 東芝機械株式会社 型締装置、成形装置および成形方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2652820B2 (ja) * 1991-03-13 1997-09-10 ファナック株式会社 射出成形機における型締高圧復帰位置設定方法
JP2000071299A (ja) * 1998-06-18 2000-03-07 Sumitomo Heavy Ind Ltd 電動式型締装置及び型締方法
JP4231474B2 (ja) * 2004-12-02 2009-02-25 日精樹脂工業株式会社 トグル式型締装置の型締方法
JP4668261B2 (ja) * 2005-03-16 2011-04-13 住友重機械工業株式会社 成形条件設定方法及び射出成形機の制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011088322A (ja) 2011-05-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101111359B (zh) 成形条件设定方法以及射出成形机的控制方法
US9296144B2 (en) Molding method of injection molding machine
JP4027380B2 (ja) 射出成形機の制御装置
JP3962725B2 (ja) トグル式射出成形機の型締力調整装置
JP5770317B2 (ja) 射出成形機の型締力設定装置および型締力設定方法
JP3235058B2 (ja) 電動式型締装置
JP2007021861A (ja) 成形機管理装置及び成形機管理方法
JP5368931B2 (ja) トグル式型締機構を有する射出成形機の制御装置
KR101972477B1 (ko) 사출 성형기 및 형두께 제어 방법
JP5412068B2 (ja) ダイカストマシン
JP2000006217A (ja) 電動射出成形機におけるロードセル原点調整方法
JP2012228822A (ja) 射出成形機の型開閉速度の制御方法および装置
JP4689559B2 (ja) 型締装置及び型締装置の制御方法
JP4860732B2 (ja) 型厚調整方法
JP2009234144A (ja) トグル式型締装置を備えた射出成形機
JP5546811B2 (ja) 型締制御装置及び型締制御方法
JP6505403B2 (ja) 射出成形機、射出成形機の情報処理装置、および射出成形機の情報処理方法
JP2001239563A (ja) トグル式射出成形機の型締力調整方法およびその装置
JP2001239562A (ja) トグル式射出成形機の型締力調整方法およびその装置
JP5118239B1 (ja) 射出成形機のノズル前後進用モータの制御装置
JP5764230B2 (ja) 型締制御装置及び型締制御方法
WO2022210979A1 (ja) 射出成形機の制御装置、射出成形機、及び制御方法
JP3232550B2 (ja) 射出圧縮成形における型締圧力の制御方法
JP2002052582A (ja) 射出成形機及び射出成形方法
JP2000071299A (ja) 電動式型締装置及び型締方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120620

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130812

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130820

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130913

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5368931

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150