JP5368471B2 - カチオン電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤 - Google Patents
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Description
本発明は、カチオン電着およびその塗膜物性に悪影響を及ぼさず、補充操作が容易なカチオン電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤に関する。
本願は、2008年11月4日に、日本に出願された特願2008−283366号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
本願は、2008年11月4日に、日本に出願された特願2008−283366号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
カチオン電着塗料は、つきまわり性(袋部構造を有する被塗装物など塗料が付き難いところにも塗膜を形成する性能)に優れ、耐久性や防食性などに優れるという性能を有する塗膜を形成することができるため、自動車車体や電気製品などの導電性金属の下塗り塗料として広く採用されている。従来、カチオン電着塗料は非水(溶剤)系であったため、電着浴中の有機溶剤が防腐剤の役割を果たし防腐剤は特に必要とされていなかった。しかしながら、近年カチオン電着塗料が水系に代わり、それにつれて電着浴が腐敗し、微生物が繁殖することにより電着膜が形成されにくくなったり、形成された膜がはがれたり、外観不良、防食性不良等が起こりやすいなどの問題が生じている。
カチオン電着塗料に用いる塗料としては、塩基性樹脂(例えば、アミン変性エポキシ樹脂)を中和剤である有機酸(例えば、スルファミン酸、酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ギ酸、および乳酸)によって中和し、水溶化あるいはエマルジョン化したものが用いられる。カチオン電着塗装を行った際に、陽極付近で中和酸イオンが発生する。この電着槽内に蓄積される一定濃度以上の中和酸イオンを除去することによって、電着が促進されることが知られている。そこで、例えばイオン交換膜からなる隔膜を介して過剰中和酸イオンを選択的に隔膜室に導入し、この過剰中和酸イオン等含有隔膜液(極液)を極液槽に送液し、所定の処理を施して、一部は電着槽に戻される。この極液には、真菌類、細菌等の微生物が繁殖しやすい。この細菌等の繁殖を原因として、電着膜が形成されにくくなったり、形成された膜がはがれたり、外観不良、防食性不良等が起こりやすいなどの問題が生じている。
上記のような問題の解決を試みた方法として、特許文献1には、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを含有するカチオン性電着塗料組成物が開示されている。このカチオン性電着塗料組成物は、電着塗料中での細菌、カビ、酵母などの微生物の発生防止ならびに微生物の殺菌を可能としている。特許文献2には、クロルメチルイソチアゾロン、メチルイソチアゾロン、オクチルイソチアゾロンなどのイソチアゾロン化合物からなる抗菌剤を含有させた電着塗料組成物が開示されている。特許文献1および2に開示されているイソチアゾリン系化合物は常温液体であるのでそのまま塗料に添加することができる。
さらに、特許文献3には、4,5−ジクロロ−2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンと、1,4−ビス(ブロモアセトキシ)−2−ブテンまたは1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンとを含む工業用防菌防黴剤が記載されている。特許文献4には、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンと2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンとを含む工業用抗菌剤が記載されている。特許文献5には、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンと1,4−ビス(ブロモアセトキシ)−2−ブテンとを含む工業用抗菌剤が記載されている。これら特許文献3〜5に記載の防菌防黴剤や抗菌剤は常温固体であるので、該固形分が塗料等の性能に影響しないようにするために、溶媒に均一に溶解させて、該溶液で塗料等に添加される。しかし、特許文献3〜5にはカチオン電着塗装システムに適用することの記載がない。特許文献3〜5に記載の抗菌剤は、カチオン電着塗料に難溶であり、溶け切らなかった抗菌剤粉末が塗膜に支障をきたすおそれがあるため、カチオン電着塗装システムに適用されることがなかった。
電着塗装が施された被塗装物は、この後コンベアによって電着槽から槽外に取り出されるが、被塗装物表面には若干の電着塗料液が付着している。そこで、この電着塗料液を除去するために被塗装物に対して水洗処理が施される。例えば、電着塗装が施された被塗装物は、コンベアによって搬送されつつ、ディップ水洗装置、スプレー水洗装置、工水スプレー洗浄装置、イオン交換水スプレー洗浄装置などによって水洗浄され、その表面に付着している電着塗料液が除去されるようになっている。ディップ水洗装置及びスプレー水洗装置ではディップ水洗槽又は洗浄水貯槽に貯留(保持)された洗浄水で洗浄される。このように貯留された洗浄水中では菌類(カビ)、細菌等の微生物が繁殖しやすい。これらの微生物は主としてディップ水洗槽あるいは洗浄水貯槽の内壁面に一群となって膜状に付着して生息するが、このような膜状の付着物(ぬめり)の一部はしばしば内壁面から剥離されて、洗浄水中に浮遊するフロックとなる。そして、このようなフロックは電着塗装が施された被塗装物の塗膜に付着ないしは粘着する傾向があるが、フロックが被塗装物の塗膜に付着すると、該フロックはこの後の工水スプレー洗浄装置あるいはイオン交換水スプレー洗浄装置での洗浄によってもなかなか除去されず、そのまま次の塗装工程に持ち込まれて不良塗膜を生じさせるおそれがある。
このような問題の解決を試みた方法として、特許文献6には、電着塗装における洗浄水にイソチアゾロン系の抗菌剤(5−クロロ−2−メチル−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンなど)を添加することが記載されている。5−クロロ−2−メチル−イソチアゾリン−3−オンや2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンは常温液体であるので、補充される洗浄水に該化合物をそのまま添加して使用される。
上記の電着塗装システムにおける抗菌剤、殺菌剤または防黴剤は、電着塗装や洗浄を行うことによって消耗され、それらの有効性が失われる。有効性を維持するために、溶媒に均一溶解された抗菌剤、殺菌剤または防黴剤を、電着槽、極液貯槽または洗浄水貯槽に補充される塗料、極液または洗浄水に連続的に添加する必要がある。そのために、殺菌・抗菌処理装置や連続添加するための手段など、複雑な設備または煩雑な作業を要する。
本発明は、殺菌・抗菌処理装置や連続添加するための手段など、煩雑な工程を要さずとも、電着塗装システムにおける持続的な殺菌・抗菌手段を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために、カチオン電着塗料に難溶で、溶け切らなかった抗菌剤粉末が塗膜に支障をきたすおそれがあるためにカチオン電着塗装システムに従来適用されることがなかった殺菌・抗菌剤の一種である1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンに注目した。この1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンは酸性の水に対する溶解度が低い。一方、カチオン電着塗装に用いられる塗料、極液、洗浄水などは低pHの酸性液である。そこで、本発明者は、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンを含有するタブレット又はブリケットからなる殺菌・抗菌剤および1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンを通水性容器に収納してなる殺菌・抗菌剤を創製し、これを電着槽、電着塗料貯槽、極液貯槽、ディップ洗浄槽、洗浄水貯槽等に入れ、カチオン電着塗料、極液もしくは洗浄水中に浸しておくことによってまたはカチオン電着塗料、極液もしくは洗浄水の流通下に置くことによって、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンが徐々に溶解し、適切な濃度で持続的に供給され、カチオン電着塗装システムにおける持続的な殺菌・抗菌が可能であることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、
(1)1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンを含有するタブレット又はブリケットからなるカチオン電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤、
(2)1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンと、安息香酸、ソルビン酸、1,4−ビスブロモアセトキシ−2−ブテン(BBAB)、1,4−ビスブロモアセトキシ−2−エタン(BBAE)、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン(DBDCB)、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)、2―ブロモ―2―ニトロ―1,3―プロパンジオール(BNP)及び1,1,2,2―テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン・クロロイソチアゾリン包接体(TEP−CIT包接体)からなる群より選ばれる1つ以上の化合物を含有するタブレット又はブリケットからなるカチオン電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤、
(3)前記タブレット又はブリケットが圧縮成形体である、前記(1)に記載のカチオン電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤、
(4)前記タブレット又はブリケットが圧縮成形体である、前記(2)に記載のカチオン電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤、
(5)1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンを通水性容器に収納してなるカチオン電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤、
(6)1、2−ベンゾイソチアゾリン―3―オンと、安息香酸、ソルビン酸、1,4−ビスブロモアセトキシ−2−ブテン(BBAB)、1,4−ビスブロモアセトキシ−2−エタン(BBAE)、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン(DBDCB)、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)、2―ブロモ―2―ニトロ―1,3―プロパンジオール(BNP)及び1,1,2,2―テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン・クロロイソチアゾリン包接体(TEP−CIT包接体)からなる群より選ばれる1つ以上の化合物を通水性容器に収納してなるカチオン電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤、
(7)前記通水性容器が不織布で形成されている前記(5)に記載のカチオン電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤、
(8)前記通水性容器が不織布で形成されている前記(6)に記載のカチオン電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤、
(9)前記(1)〜(8)に記載の徐放性殺菌・抗菌剤を、カチオン電着塗装システムにおけるカチオン電着塗料中に浸しまたはカチオン電着塗料の流通下に置き、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンがカチオン電着塗料に徐々に溶解するようにしたカチオン電着塗料の殺菌・抗菌方法、
(10)前記(1)〜(8)に記載の徐放性殺菌・抗菌剤を、カチオン電着塗装システムにおける極液中に浸しまたは極液の流通下に置き、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンが極液に徐々に溶解するようにした極液の殺菌・抗菌方法、および
(11)前記(1)〜(8)に記載の徐放性殺菌・抗菌剤を、カチオン電着塗装システムにおける洗浄水中に浸しまたは洗浄水の流通下に置き、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンが洗浄水に徐々に溶解するようにした洗浄水の殺菌・抗菌方法、である。
(1)1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンを含有するタブレット又はブリケットからなるカチオン電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤、
(2)1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンと、安息香酸、ソルビン酸、1,4−ビスブロモアセトキシ−2−ブテン(BBAB)、1,4−ビスブロモアセトキシ−2−エタン(BBAE)、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン(DBDCB)、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)、2―ブロモ―2―ニトロ―1,3―プロパンジオール(BNP)及び1,1,2,2―テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン・クロロイソチアゾリン包接体(TEP−CIT包接体)からなる群より選ばれる1つ以上の化合物を含有するタブレット又はブリケットからなるカチオン電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤、
(3)前記タブレット又はブリケットが圧縮成形体である、前記(1)に記載のカチオン電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤、
(4)前記タブレット又はブリケットが圧縮成形体である、前記(2)に記載のカチオン電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤、
(5)1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンを通水性容器に収納してなるカチオン電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤、
(6)1、2−ベンゾイソチアゾリン―3―オンと、安息香酸、ソルビン酸、1,4−ビスブロモアセトキシ−2−ブテン(BBAB)、1,4−ビスブロモアセトキシ−2−エタン(BBAE)、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン(DBDCB)、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)、2―ブロモ―2―ニトロ―1,3―プロパンジオール(BNP)及び1,1,2,2―テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン・クロロイソチアゾリン包接体(TEP−CIT包接体)からなる群より選ばれる1つ以上の化合物を通水性容器に収納してなるカチオン電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤、
(7)前記通水性容器が不織布で形成されている前記(5)に記載のカチオン電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤、
(8)前記通水性容器が不織布で形成されている前記(6)に記載のカチオン電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤、
(9)前記(1)〜(8)に記載の徐放性殺菌・抗菌剤を、カチオン電着塗装システムにおけるカチオン電着塗料中に浸しまたはカチオン電着塗料の流通下に置き、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンがカチオン電着塗料に徐々に溶解するようにしたカチオン電着塗料の殺菌・抗菌方法、
(10)前記(1)〜(8)に記載の徐放性殺菌・抗菌剤を、カチオン電着塗装システムにおける極液中に浸しまたは極液の流通下に置き、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンが極液に徐々に溶解するようにした極液の殺菌・抗菌方法、および
(11)前記(1)〜(8)に記載の徐放性殺菌・抗菌剤を、カチオン電着塗装システムにおける洗浄水中に浸しまたは洗浄水の流通下に置き、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンが洗浄水に徐々に溶解するようにした洗浄水の殺菌・抗菌方法、である。
本発明のカチオン電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤は、カチオン電着塗装システムの電着槽、電着塗料貯槽、極液貯槽、ディップ洗浄槽、洗浄水貯槽等に入れ、カチオン電着塗料、極液もしくは洗浄水中に浸しまたはカチオン電着塗料、極液もしくは洗浄水の流通下に置くだけで、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンが徐々に溶解し、適切な濃度で持続的に供給され、電着塗装システムにおける持続的な殺菌・抗菌が可能である。その結果、殺菌・抗菌剤の補充操作が容易になる。しかも、本発明の殺菌・抗菌剤は、カチオン電着およびその塗膜物性に悪影響を及ぼさない。
(カチオン電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤)
本発明のカチオン電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤は、主成分として、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(以下、「BIT」と記載することがある。)を含有するものである。BITは、粉末状または顆粒状の各種製品が市販されており、それらを使用することができる。また、BITをゲストとし、該ゲストをホストで取り囲むことによって生じるBIT包接化合物を使用することができる。
本発明のカチオン電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤は、主成分として、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(以下、「BIT」と記載することがある。)を含有するものである。BITは、粉末状または顆粒状の各種製品が市販されており、それらを使用することができる。また、BITをゲストとし、該ゲストをホストで取り囲むことによって生じるBIT包接化合物を使用することができる。
本発明の第一の徐放性殺菌・抗菌剤は、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンを含有するタブレットまたはブリケットからなるものである。タブレットまたはブリケットは粉末または顆粒を固めたものである。固め方によってタブレットとブリケットとを区別して呼んでいる場合もあるが、本発明では特に区別しない。なお、本明細書では、タブレットまたはブリケットを「錠剤」と記すことがある。
タブレットまたはブリケットの形は、特に制限されず、例えば、円柱形、楕円柱形、円板形、ドーナツ形、球形、楕円体形などが挙げられる。円柱形または円板形の錠剤の場合は、直径が通常10〜100mm、好ましくは30〜70mmであり、高さまたは厚さが、通常5〜30mm、好ましくは10〜20mmである。また、ブリケットとしては、長径が5〜50mmのものが使用できる。
タブレットまたはブリケットからなる徐放性殺菌・抗菌剤は、BITのみを固めたものであってもよいし、またBITにタブレットまたはブリケットの形成において通常使用される成分を適宜配合して固めたものであってもよい。
配合できる成分は特に制限されない。例えば、流動剤、賦形剤、滑沢剤、結合剤、BIT以外の防腐・抗菌剤、pH調整剤、キレート剤、消泡剤などが挙げられる。徐放性を高めるために、配合成分として溶解性の異なる基材などを使い、一定時間持続的に有効成分が放出されるよう調整することができる。例えば、タブレットまたはブリケットの表面に皮膜などを施すなどして、徐放性を高めることができる。
配合できる成分は特に制限されない。例えば、流動剤、賦形剤、滑沢剤、結合剤、BIT以外の防腐・抗菌剤、pH調整剤、キレート剤、消泡剤などが挙げられる。徐放性を高めるために、配合成分として溶解性の異なる基材などを使い、一定時間持続的に有効成分が放出されるよう調整することができる。例えば、タブレットまたはブリケットの表面に皮膜などを施すなどして、徐放性を高めることができる。
賦形剤は、有効成分が少ない場合に、取り扱うのに適当な量になるように加えるものである。賦形剤は、一般に生理活性を持たない物質である。例えば、乳糖、デンプン、マンニトール、ソルビトール、エリスリトール、硫酸カルシウムを挙げることができる。賦形剤は、本発明錠剤中に、例えば70質量%以下で含有させることができる。
滑沢剤は、粉体の流動性をよくし圧縮形成を容易にするために加えるものである。例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリルアルコール、ショ糖脂肪酸エステル、硬化ヒマシ油、硬化ナタネ油、ポリエチレングリコール、マイクロクリスタリンワックスを挙げることができる。これらのうち、ショ糖脂肪酸エステルが好適である。滑沢剤は、本発明錠剤中に、例えば5質量%以下で含有させることができる。
流動剤としては、例えば、ステアリン酸などの長鎖脂肪酸;長鎖(炭素数10〜22個)脂肪酸のモノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド;カルナバロウ、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ステアリルアルコール等の高級脂肪アルコール;セタノールなどのワックス;レシチン、ラウリル硫酸ナトリウムを挙げることができる。流動剤は、本発明錠剤中に、例えば5%質量%以下で含有させることができる。
流動剤としては、例えば、ステアリン酸などの長鎖脂肪酸;長鎖(炭素数10〜22個)脂肪酸のモノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド;カルナバロウ、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ステアリルアルコール等の高級脂肪アルコール;セタノールなどのワックス;レシチン、ラウリル硫酸ナトリウムを挙げることができる。流動剤は、本発明錠剤中に、例えば5%質量%以下で含有させることができる。
結合剤は、原料の粉体粒子同士を結びつけるために加えるもので、錠剤の機械的強度を高めることができる。錠剤の機械的強度が低いと錠剤が崩壊し、溶け切らなかったBIT固形粉末がカチオン電着塗料、極液、洗浄水等に拡散するおそれが生じ易い。例えば、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、セルロース高分子、アクリル酸系高分子、アラビアゴム、デンプン糊、ポリビニルアルコール、マクロゴール、プルランを挙げることができる。これらのうち、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはヒドロキシプロピルセルロースが好適である。結合剤は、本発明錠剤中に、例えば10質量%以下で含有させることができる。
BIT以外の防腐・抗菌剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、アクリノール、塩化メチルロザニリン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、臭化セチルピリジニウム、ポリヘキサメチレンビグアニド、アルキルポリアミノエチルグリシン、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、クロロブタノール、フェノキシエタノール、リン酸ジルコニウムの銀、亜鉛、酸化亜鉛などの担持体、銀亜鉛アルミノケイ酸塩、マーキュロクロム、チメロサール、ポビドンヨード、デヒドロ酢酸、クロルキシレノール、クロロフェン、レゾルシン、オルトフェニルフェノール、イソプロピルメチルフェノール、チモール、ヒノキチオール、スルファミン、リゾチーム、ラクトフェリン、トリクロサン、8−ヒドロキシキノリン、ウンデシレン酸、カプリル酸、プロピオン酸、安息香酸、プロピオン酸、ソルビン酸、トリクロカルバン、ハロカルバン、チアベンダゾール、ポリミキシンB、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、ポリリジン、オルトフタルアルデヒド、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール(BNP)、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)、2,2−ジブロム−2−ニトロエタノールプロピオンアミド、1,4−ビスブロモアセトキシ−2−ブテン(BBAB)、1,4−ビスブロモアセトキシ−2−エタン(BBAE)、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン(DBDCB)、1,1,2,2―テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン・クロロイソチアゾリン包接体(TEP−CIT包接体)などを挙げることができる。
これらのうち、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、デヒドロ酢酸、安息香酸、ソルビン酸、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール(BNP)、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)、2,2−ジブロム−2−ニトロエタノールプロピオンアミド、1,4−ビスブロモアセトキシ−2−ブテン(BBAB)、1,4−ビスブロモアセトキシ−2−エタン(BBAE)、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン(DBDCB)、または1,1,2,2―テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン・クロロイソチアゾリン包接体(TEP−CIT包接体)が好適である。中でも安息香酸とソルビン酸が特に好ましい。BIT以外の防腐・抗菌剤は、本発明錠剤中に、例えば70質量%以下で含有させることができる。特に安息香酸はBITと混合すると打錠する際の成形性が良好となり、本発明の徐放性殺菌・抗菌剤として好適な溶解特性を示す錠剤が得られるので好ましい。安息香酸は、本発明錠剤中に、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは40〜70質量%含有させることができる。
pH調整剤としては、例えば、塩酸、硫酸、シュウ酸、グルコン酸、プロピオン酸、アスパラギン酸、イプシロンアミノカプロン酸、グルタミン酸、アミノエチルスルホン酸、リン酸、ポリリン酸、ホウ酸、グルコノラクトン、酢酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、リジン、ホウ砂などを挙げることができる。pH調整剤は、本発明錠剤中に、例えば50質量%以下で含有させることができる。
キレート剤としては、例えば、エデト酸、ポリリン酸、メタリン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸などを挙げることができる。キレート剤は、本発明錠剤中に、例えば50質量%以下で含有させることができる。
本発明の徐放性殺菌・抗菌剤の製造においては、当該技術分野で慣用の方法をそのまま、又は適宜応用して用いればよい。タブレットまたはブリケットの製造には、当該技術分野で慣用の造粒法、打錠法(例えば、湿式打錠法、直接打錠法など)などを適宜組み合わせて用いることができる。
具体的には、BITに賦形剤などの配合成分を適宜加えて練り合わせ、のばしたものを一定の形に打ち抜いて製造する湿製方法;混合した原料を圧縮形成する方法;湿式練合したものを型に入れ乾燥させる製法がある。錠剤の圧縮形成のことを「打錠」といい、本発明の徐放性殺菌・抗菌剤の製法として好ましい。打錠には、混合した原料をそのまま打錠する直接打錠法と、混合した原料を顆粒にしてから打錠する造粒打錠法がある。直接打錠法では工程は単純になるが、原料の流動性が悪いと重量にばらつきが出たり仕上がりが悪くなることがある。また、湿式練合したものを型に入れ乾燥させる製法がある。
過熱によって溶融する成分を錠剤成分として多く含ませる場合には、各成分を混ぜ合わせ、次いでそれを加熱撹拌してスラリーにし、そのスラリーを型に注入し、冷却し、型から取り出すという方法で、錠剤を成形することができる。
具体的には、BITに賦形剤などの配合成分を適宜加えて練り合わせ、のばしたものを一定の形に打ち抜いて製造する湿製方法;混合した原料を圧縮形成する方法;湿式練合したものを型に入れ乾燥させる製法がある。錠剤の圧縮形成のことを「打錠」といい、本発明の徐放性殺菌・抗菌剤の製法として好ましい。打錠には、混合した原料をそのまま打錠する直接打錠法と、混合した原料を顆粒にしてから打錠する造粒打錠法がある。直接打錠法では工程は単純になるが、原料の流動性が悪いと重量にばらつきが出たり仕上がりが悪くなることがある。また、湿式練合したものを型に入れ乾燥させる製法がある。
過熱によって溶融する成分を錠剤成分として多く含ませる場合には、各成分を混ぜ合わせ、次いでそれを加熱撹拌してスラリーにし、そのスラリーを型に注入し、冷却し、型から取り出すという方法で、錠剤を成形することができる。
顆粒打錠法では、例えば、下記のような工程を行う。先ず、打錠に使用する各成分を秤量し、有効成分(BIT)と、賦形剤、結合剤、崩壊剤などの配合成分とを均一になるように混合する(一次混合)。これを造粒して顆粒にする。そして顆粒を必要に応じて篩い分けする(篩過)。顆粒に滑沢剤等を混ぜる(二次混合)。ある程度均一にすることが好ましいが、混ぜすぎると撥水性のある滑沢剤の場合、有効成分が放出されにくくなることがある。二次混合物を圧縮成形する(打錠)。打錠圧が品質に影響することがある。打錠圧が低いと錠剤の強度が低下するおそれがある。逆に高すぎると表面が割れて剥がれたりする打錠障害が起きるおそれがある。打錠圧(打錠時の錠剤上面の単位面積にかかる最大荷重)は、好ましくは100〜2000kg/cm2、より好ましくは300〜1000kg/cm2である。最後にコーティングや包装を必要に応じて行うことができる。
打錠においては、脱型の際に錠剤の上杵側に帽子状にはがれるキャッピング;打錠中に粉が杵に付着し杵離れが悪く、錠剤表面に傷がつくスティッキング;錠剤と臼の摩擦が大きく打錠後の錠剤の排出性が悪くなるバインディングを生じることがあるので、滑沢剤や流動剤を適宜選択することができる。
また、杵への付着を防止するために、主成分を含む混合物の上下に打錠性の良好な組成物を薄く層状になるように金型に充填し、しかる後に打錠して、三層構造の錠剤にする方法が好ましく採用できる。
また、杵への付着を防止するために、主成分を含む混合物の上下に打錠性の良好な組成物を薄く層状になるように金型に充填し、しかる後に打錠して、三層構造の錠剤にする方法が好ましく採用できる。
本発明の第二の徐放性殺菌・抗菌剤は、粉末状、顆粒状、タブレット、ブリケット等のBITを、通水性の容器に収納してなるものである。ここで、通水性は、水は通過させるが粉末などの固体は通過させない性質である。容器は、その形状によって特に制限されず、例えば、箱状、袋状、ボトル状、樽状などが挙げられる。通水性を確保するために、不織布、織布、有孔フィルム等が容器の材料として用いられる。これらのうち、不織布は、溶け切らなかったBITの固形粉末や錠剤を成形する際に配合した水不溶性の滑沢剤等が、電着塗装液に混入することを防ぐことができ、該不溶物等による電着塗装への影響を防止できるので、好ましい。
粉末状もしくは顆粒状のBITは、タブレットもしくはブリケットにされたBITに比べ、水への溶解が早いため、粉末状もしくは顆粒状のBITを用いる場合には、徐放性を高めるために通水性がある程度制限された容器を用いることが好ましい。本発明では通水性容器として不織布製の袋が好ましく採用される。なお、不織布は水の通過をある程度制限できるもの、さらに、BITを収納した包装体を水の通過を制限できるプラスチック製の容器に収納する等の各種公知の収納方法が採用できる。不織布とプラスチック製有孔フィルムとをラミネートして得られる積層フィルムを材料とする容器は、粉末状BITを用いるときに、粉末の拡散防止および溶解調整の観点から、特に好ましく用いられる。
(電着塗装システムにおける本発明の徐放性殺菌・抗菌剤の使用方法)
電着塗装システムは、通常、前処理工程、電着工程および焼付乾燥工程とからなる。前処理工程は、被塗物の表面を塗装に適した状態に調整する工程である。該工程では、脱脂、水洗浄、湯洗、化成被膜などの操作が行われる。水洗浄は、通常、常温で行われ、脱脂、湯洗および化成被膜は、通常、40〜60℃で行われる。電着工程は、被塗物の表面に塗膜を載せる工程である。該工程では、通常、被塗物に電気化学的に塗膜を形成させる電着塗装、未電着塗料等を洗い落とすための水洗浄(工水洗浄と純水洗浄)などの操作が行われる。電着塗装は、通常、25〜35℃で行われ、水洗浄は、通常、常温で行われる。水洗浄にはスプレー洗浄、ディップ洗浄などがある。また、水洗浄は、再生水を用いる洗浄と、工水やイオン交換水などの純水を用いる仕上げ洗浄とがある。焼付乾燥工程は、被塗物の表面の塗膜を硬化させる工程である。該工程では、セッティング自然乾燥、焼付乾燥などの操作が行われる。焼付乾燥は塗料の種類に応じて温度等が選択されるが、通常、150〜200℃で行われる。
電着塗装システムは、通常、前処理工程、電着工程および焼付乾燥工程とからなる。前処理工程は、被塗物の表面を塗装に適した状態に調整する工程である。該工程では、脱脂、水洗浄、湯洗、化成被膜などの操作が行われる。水洗浄は、通常、常温で行われ、脱脂、湯洗および化成被膜は、通常、40〜60℃で行われる。電着工程は、被塗物の表面に塗膜を載せる工程である。該工程では、通常、被塗物に電気化学的に塗膜を形成させる電着塗装、未電着塗料等を洗い落とすための水洗浄(工水洗浄と純水洗浄)などの操作が行われる。電着塗装は、通常、25〜35℃で行われ、水洗浄は、通常、常温で行われる。水洗浄にはスプレー洗浄、ディップ洗浄などがある。また、水洗浄は、再生水を用いる洗浄と、工水やイオン交換水などの純水を用いる仕上げ洗浄とがある。焼付乾燥工程は、被塗物の表面の塗膜を硬化させる工程である。該工程では、セッティング自然乾燥、焼付乾燥などの操作が行われる。焼付乾燥は塗料の種類に応じて温度等が選択されるが、通常、150〜200℃で行われる。
本発明の徐放性殺菌・抗菌剤は、カチオン電着塗装システムにおける、カチオン電着塗料の殺菌・抗菌、極液の殺菌・抗菌、および洗浄水の殺菌・抗菌に使用するのが好ましい。
カチオン電着塗料の殺菌・抗菌は、本発明の徐放性殺菌・抗菌剤をカチオン電着塗装システムの電着槽や電着塗料貯槽等に入れ、カチオン電着塗料中に浸しまたはカチオン電着塗料の流通下に置き、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンが徐々に溶解するようにして行われる。図1に示すように、電着槽は、カチオン電着塗料を満たした浴槽である。カチオン電着塗料に負極に接続された被塗物100と正極に接続された電極101とが浸され、両極間に電圧を印加することによって、塗料粒子が被塗物側に移動し、被塗物表面に塗料が載せられる。電極101側に向かって中和酸イオンが移動し、隔膜16の中に高濃度の中和酸イオンを含む極液が溜まる。電着塗料貯槽(図示せず)は、電着槽へ補充するために新たに調製された塗料や電着槽から抜き出され再生された塗料を一時的に貯蔵するための容器である。電着塗装では、カチオン電着塗料の補給だけでは、水分の蒸発や酸の極液としての持ち出し等で電着浴の液面が下がるので、イオン交換水と新鮮な中和酸または後述するように極液を電着槽に補給することができる。
カチオン電着塗料の殺菌・抗菌は、本発明の徐放性殺菌・抗菌剤をカチオン電着塗装システムの電着槽や電着塗料貯槽等に入れ、カチオン電着塗料中に浸しまたはカチオン電着塗料の流通下に置き、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンが徐々に溶解するようにして行われる。図1に示すように、電着槽は、カチオン電着塗料を満たした浴槽である。カチオン電着塗料に負極に接続された被塗物100と正極に接続された電極101とが浸され、両極間に電圧を印加することによって、塗料粒子が被塗物側に移動し、被塗物表面に塗料が載せられる。電極101側に向かって中和酸イオンが移動し、隔膜16の中に高濃度の中和酸イオンを含む極液が溜まる。電着塗料貯槽(図示せず)は、電着槽へ補充するために新たに調製された塗料や電着槽から抜き出され再生された塗料を一時的に貯蔵するための容器である。電着塗装では、カチオン電着塗料の補給だけでは、水分の蒸発や酸の極液としての持ち出し等で電着浴の液面が下がるので、イオン交換水と新鮮な中和酸または後述するように極液を電着槽に補給することができる。
極液の殺菌・抗菌は、本発明の徐放性殺菌・抗菌剤をカチオン電着塗装システムの極液貯槽等に入れ、極液中に浸しまたは極液の流通下に置き、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンが徐々に溶解するようにして行われる。図1に示すように極液は、電極が収まった隔膜内から、抜き出され極液貯槽20に移され、そこで再生処理が施され、ポンプで、電着槽または隔膜の内側に戻される。
洗浄水の殺菌・抗菌は、本発明の徐放性殺菌・抗菌剤をカチオン電着塗装システムのディップ洗浄槽や洗浄水貯槽(図示せず)等に入れ、洗浄水中に浸しまたは洗浄水の流通下に置き、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンが徐々に溶解するようにして行われる。本発明の徐放性殺菌・抗菌剤は、カチオン電着塗装システムにおける洗浄水のうち、電着塗装後の第一回目および第二回目の水洗浄で使用される洗浄水に好適である。第一回目および第二回目の水洗浄で使用される洗浄水は洗い流されたカチオン電着塗料を多く含み酸性を呈しており、また洗浄水貯槽やディップ洗浄槽に溜められるので菌類等が繁殖しやすい。なお、洗浄水貯槽では、洗い流されたカチオン電着塗料を限外濾過等で洗浄水から除き、洗浄水を再生させる処理が行われる。洗浄水から除かれたカチオン電着塗料は前述の塗料貯槽に移送され、電着槽10にて再使用される。
また、本発明の徐放性殺菌・抗菌剤はネット等に収納して、カチオン電着塗料、極液もしくは洗浄水中に浸しまたはカチオン電着塗料、極液もしくは洗浄水の流通下に置くことができる。
また、本発明の徐放性殺菌・抗菌剤はネット等に収納して、カチオン電着塗料、極液もしくは洗浄水中に浸しまたはカチオン電着塗料、極液もしくは洗浄水の流通下に置くことができる。
次に実施例を示して本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
(電着塗装用殺菌・抗菌剤の製造)
(実施例1)
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(BIT)の粉末を打錠圧900〜1000kg/cm2で打錠成形して、直径30mm、質量15gの円柱状の殺菌・抗菌剤(錠剤)を得た。この殺菌・抗菌剤では、錠剤表面からBITが順次水に溶解していくので、電着槽、極液貯槽、水洗槽等内に溶け切れなかったBITが固形粉末として拡散しにくく、塗膜に支障をきたすおそれが低減されていた。
(実施例1)
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(BIT)の粉末を打錠圧900〜1000kg/cm2で打錠成形して、直径30mm、質量15gの円柱状の殺菌・抗菌剤(錠剤)を得た。この殺菌・抗菌剤では、錠剤表面からBITが順次水に溶解していくので、電着槽、極液貯槽、水洗槽等内に溶け切れなかったBITが固形粉末として拡散しにくく、塗膜に支障をきたすおそれが低減されていた。
(実施例2)
BIT 50質量部、および安息香酸 50質量部の混合物を打錠圧600〜700kg/cm2で打錠成形して、直径60mm、質量60gの円板状の殺菌・抗菌剤(錠剤)を得た。この殺菌・抗菌剤では、錠剤表面からBITが順次水に溶解していくので、電着槽、極液貯槽、水洗槽等内に溶け切れなかったBITが固形粉末として拡散しにくく、塗膜に支障をきたすおそれが低減されていた。
BIT 50質量部、および安息香酸 50質量部の混合物を打錠圧600〜700kg/cm2で打錠成形して、直径60mm、質量60gの円板状の殺菌・抗菌剤(錠剤)を得た。この殺菌・抗菌剤では、錠剤表面からBITが順次水に溶解していくので、電着槽、極液貯槽、水洗槽等内に溶け切れなかったBITが固形粉末として拡散しにくく、塗膜に支障をきたすおそれが低減されていた。
(実施例3)
BIT 99質量部、および蔗糖脂肪酸エステル 1質量部の混合物を打錠圧300〜400kg/cm2で打錠成形して、直径30mm、質量20gの円柱状の錠剤を得た。この錠剤1錠を不織布製の袋に収納し、ヒートシールにより密封し、殺菌・抗菌剤(バッグ)を得た。この殺菌・抗菌剤では、水に不溶な蔗糖脂肪酸エステル等が電着槽、極液貯槽、水洗槽等内に拡散しないので、塗膜に支障をきたすおそれが大幅に低減されていた。
BIT 99質量部、および蔗糖脂肪酸エステル 1質量部の混合物を打錠圧300〜400kg/cm2で打錠成形して、直径30mm、質量20gの円柱状の錠剤を得た。この錠剤1錠を不織布製の袋に収納し、ヒートシールにより密封し、殺菌・抗菌剤(バッグ)を得た。この殺菌・抗菌剤では、水に不溶な蔗糖脂肪酸エステル等が電着槽、極液貯槽、水洗槽等内に拡散しないので、塗膜に支障をきたすおそれが大幅に低減されていた。
(実施例4)
BITの粉末40gを、不織布と直径5mmの穴を5mm間隔で有する厚さ0.1mmのポリエチレンフィルムとをラミネートしてなる2層構造のフィルムからなる袋に収納し、ヒートシールにより密封し、殺菌・抗菌剤(バッグ)を得た。この殺菌・抗菌剤では、BITの固形粉末が、電着槽、極液貯槽、水洗槽等内に拡散しないので、塗膜に支障をきたすおそれが大幅に低減されていた。
BITの粉末40gを、不織布と直径5mmの穴を5mm間隔で有する厚さ0.1mmのポリエチレンフィルムとをラミネートしてなる2層構造のフィルムからなる袋に収納し、ヒートシールにより密封し、殺菌・抗菌剤(バッグ)を得た。この殺菌・抗菌剤では、BITの固形粉末が、電着槽、極液貯槽、水洗槽等内に拡散しないので、塗膜に支障をきたすおそれが大幅に低減されていた。
(性能試験−1)
実施例1〜4の電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤をプラスチック製のネットに収納し、極液貯槽およびディップ水洗槽中に設置し、極液および洗浄水の流通下に置いて、通常の電着塗装の操作を連日行った。電着槽中のカチオン電着塗料およびディップ水洗槽中の洗浄水の生菌数および槽内壁の状態を1週に一回の頻度で調べた。
実施例1〜4の殺菌・抗菌剤を用いた場合には、4週間経過時点でも、極液および洗浄水は良好な状態を保ち、微生物膜やぬめりの発生はなかった。本発明の殺菌・抗菌剤によれば、連続添加をしなくても、殺菌・抗菌性を長期間持続させることができる。
一方、極液貯槽およびディップ水洗槽のいずれにも抗菌剤を使用しなかった場合には、4週間経過時点で、電着槽の極液中の生菌数が105cfu/mlまで増加し、電極内部に微生物膜の発生が認められた。また、4週間経過時点で、水洗槽内の生菌数は104cfu/mlとなり、水洗槽の内壁にぬめりが生じた。
実施例1〜4の電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤をプラスチック製のネットに収納し、極液貯槽およびディップ水洗槽中に設置し、極液および洗浄水の流通下に置いて、通常の電着塗装の操作を連日行った。電着槽中のカチオン電着塗料およびディップ水洗槽中の洗浄水の生菌数および槽内壁の状態を1週に一回の頻度で調べた。
実施例1〜4の殺菌・抗菌剤を用いた場合には、4週間経過時点でも、極液および洗浄水は良好な状態を保ち、微生物膜やぬめりの発生はなかった。本発明の殺菌・抗菌剤によれば、連続添加をしなくても、殺菌・抗菌性を長期間持続させることができる。
一方、極液貯槽およびディップ水洗槽のいずれにも抗菌剤を使用しなかった場合には、4週間経過時点で、電着槽の極液中の生菌数が105cfu/mlまで増加し、電極内部に微生物膜の発生が認められた。また、4週間経過時点で、水洗槽内の生菌数は104cfu/mlとなり、水洗槽の内壁にぬめりが生じた。
また、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを極液貯槽およびディップ水洗槽中の極液および洗浄水に添加した場合には、2週目までは、カチオン電着塗料および洗浄水中の菌の発生数は102cfu/ml程度で、ぬめりは無かった。しかし、4週目になると、電着槽の極液中の生菌数が105cfu/mlまで増加し、電極内部に微生物膜の発生が認められた。また、4週目になると、水洗槽内の生菌数は104cfu/mlとなり、水洗槽の内壁にぬめりが生じた。2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンでは、殺菌・抗菌性を持続させるために、カチオン電着塗料、極液または洗浄水に連続的に添加することを要した。
(性能試験−2)
実施例1〜4で得られた殺菌・抗菌剤それぞれの1/10スケール試料をネットに収納し、極液貯槽およびディップ水洗槽からサンプリングした1000mlの極液および洗浄水中に浸した。スターラーでゆっくり攪拌しながら培養し、48時間経過時に生菌数(cfu/ml)を測定した。結果を表1に示す。
なお、1/10スケール試料は、次のようにして調製した。
実施例1および実施例2の電着塗装システム用殺菌・抗菌剤(錠剤)を粗く砕き、微粉末を除き、1/10の質量の塊状固体を試料としてそれぞれ用意した(実施例1および2)。
実施例3で得られた錠剤を粗く砕き、微粉末を除き、1/10の質量の塊状固体を得、該塊状固体を不織布製の小型袋に収納し、ヒートシールにより密封したものを試料として用意した(実施例3)。
実施例4で用いたBIT粉末4gを不織布と直径5mmの穴を5mm間隔で有する厚さ0.1mmのポリエチレンフィルムとをラミネートしてなる2層構造のフィルムからなる小袋に収納し、ヒートシールにより密封したものを試料として用意した(実施例4)。
実施例1〜4で得られた殺菌・抗菌剤それぞれの1/10スケール試料をネットに収納し、極液貯槽およびディップ水洗槽からサンプリングした1000mlの極液および洗浄水中に浸した。スターラーでゆっくり攪拌しながら培養し、48時間経過時に生菌数(cfu/ml)を測定した。結果を表1に示す。
なお、1/10スケール試料は、次のようにして調製した。
実施例1および実施例2の電着塗装システム用殺菌・抗菌剤(錠剤)を粗く砕き、微粉末を除き、1/10の質量の塊状固体を試料としてそれぞれ用意した(実施例1および2)。
実施例3で得られた錠剤を粗く砕き、微粉末を除き、1/10の質量の塊状固体を得、該塊状固体を不織布製の小型袋に収納し、ヒートシールにより密封したものを試料として用意した(実施例3)。
実施例4で用いたBIT粉末4gを不織布と直径5mmの穴を5mm間隔で有する厚さ0.1mmのポリエチレンフィルムとをラミネートしてなる2層構造のフィルムからなる小袋に収納し、ヒートシールにより密封したものを試料として用意した(実施例4)。
(性能試験−3)
実際に稼働している電着塗装ラインのUF水洗水(UF膜(ウルトラフィルター)で濾過した循環洗浄水、6トンタンク)に対して、不織布の袋に入れた下記薬剤(200g)を浸漬し、一定期間、水の濁りを観察した。濁りのあるものは微生物の増殖あり、無いものは増殖無しと判断した。薬剤の混合比は1:1(w/w)とした。その結果、以下の通りとなり、薬剤の効果が確認された。
実際に稼働している電着塗装ラインのUF水洗水(UF膜(ウルトラフィルター)で濾過した循環洗浄水、6トンタンク)に対して、不織布の袋に入れた下記薬剤(200g)を浸漬し、一定期間、水の濁りを観察した。濁りのあるものは微生物の増殖あり、無いものは増殖無しと判断した。薬剤の混合比は1:1(w/w)とした。その結果、以下の通りとなり、薬剤の効果が確認された。
薬剤の略号は以下の通りである。
BIT :1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン
BBAB :1,4−ビスブロモアセトキシ−2−ブテン
BBAE :1,4−ビスブロモアセトキシ−2−エタン
DBDCB:1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン
DBNPA:2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド
TEP−CIT包接体:1,1,2,2―テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン・クロロイソチアゾリン包接体
BNP :2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール
BIT :1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン
BBAB :1,4−ビスブロモアセトキシ−2−ブテン
BBAE :1,4−ビスブロモアセトキシ−2−エタン
DBDCB:1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン
DBNPA:2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド
TEP−CIT包接体:1,1,2,2―テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン・クロロイソチアゾリン包接体
BNP :2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール
(性能試験−4)
電着塗装ラインの水洗水(塗装ラインで使用している再生水ではない純水)をサンプリングし、1リットルに小分けした。その中に薬剤(5g)の入った不織布袋を浸漬し、60分間軽く攪拌した。攪拌後、不織布袋を取りだし、更に水のみを48時間連続攪拌し、生菌数を測定した。薬剤の混合比は1:1(w/w)とした。その結果以下の通りとなり、薬剤の効果が確認された。
電着塗装ラインの水洗水(塗装ラインで使用している再生水ではない純水)をサンプリングし、1リットルに小分けした。その中に薬剤(5g)の入った不織布袋を浸漬し、60分間軽く攪拌した。攪拌後、不織布袋を取りだし、更に水のみを48時間連続攪拌し、生菌数を測定した。薬剤の混合比は1:1(w/w)とした。その結果以下の通りとなり、薬剤の効果が確認された。
10 : 電着槽
20 : 極液貯槽
16 : 隔膜
100: 被塗物
101: 電極
P : ポンプ
+ : 正極
− : 負極
20 : 極液貯槽
16 : 隔膜
100: 被塗物
101: 電極
P : ポンプ
+ : 正極
− : 負極
Claims (11)
- 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンを含有するタブレット又はブリケットからなるカチオン電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤。
- 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンと、安息香酸、ソルビン酸、1,4−ビスブロモアセトキシ−2−ブテン(BBAB)、1,4−ビスブロモアセトキシ−2−エタン(BBAE)、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン(DBDCB)、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)、2―ブロモ―2―ニトロ―1,3―プロパンジオール(BNP)及び1,1,2,2―テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン・クロロイソチアゾリン包接体(TEP−CIT包接体)からなる群より選ばれる1つ以上の化合物を含有するタブレット又はブリケットからなるカチオン電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤。
- 前記タブレット又はブリケットが圧縮成形体である、請求項1に記載のカチオン電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤。
- 前記タブレット又はブリケットが圧縮成形体である、請求項2に記載のカチオン電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤。
- 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンを通水性容器に収納してなるカチオン電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤。
- 1、2−ベンゾイソチアゾリン―3―オンと、安息香酸、ソルビン酸、1,4−ビスブロモアセトキシ−2−ブテン(BBAB)、1,4−ビスブロモアセトキシ−2−エタン(BBAE)、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン(DBDCB)、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)、2―ブロモ―2―ニトロ―1,3―プロパンジオール(BNP)及び1,1,2,2―テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン・クロロイソチアゾリン包接体(TEP−CIT包接体)からなる群より選ばれる1つ以上の化合物を通水性容器に収納してなるカチオン電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤。
- 前記通水性容器が不織布で形成されている請求項5に記載のカチオン電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤。
- 前記通水性容器が不織布で形成されている請求項6に記載のカチオン電着塗装システム用徐放性殺菌・抗菌剤。
- 請求項1〜8に記載の徐放性殺菌・抗菌剤を、カチオン電着塗装システムにおけるカチオン電着塗料中に浸しまたはカチオン電着塗料の流通下に置き、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンがカチオン電着塗料に徐々に溶解するようにしたカチオン電着塗料の殺菌・抗菌方法。
- 請求項1〜8に記載の徐放性殺菌・抗菌剤を、カチオン電着塗装システムにおける極液中に浸しまたは極液の流通下に置き、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンが極液に徐々に溶解するようにした極液の殺菌・抗菌方法。
- 請求項1〜8に記載の徐放性殺菌・抗菌剤を、カチオン電着塗装システムにおける洗浄水中に浸しまたは洗浄水の流通下に置き、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンが洗浄水に徐々に溶解するようにした洗浄水の殺菌・抗菌方法。
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