JP5367973B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、入賞口への不正な遊技球の入賞を検知する遊技機に関するものである。
従来、遊技機の一種であるパチンコ機では、始動入賞口に遊技球が入賞したことを契機に、可変表示器において、複数種類の図柄を変動させて表示させる図柄変動ゲームが行われるようになっている。そして、前記図柄変動ゲームの表示結果が大当りを示す表示結果の場合には大当り遊技が付与されるようになっている。大当り遊技では、大入賞口が備える大入賞口扉が開動作し、大入賞口へ遊技球が入賞するチャンスが与えられ、遊技者に多数の遊技球を獲得し得る機会が与えられるようになっている。
ところで、始動入賞口が設けられた遊技盤には、遊技釘や役物が配置され、遊技領域に発射された遊技球を始動入賞口へ誘導したり、アウト口などに振り分けたりしている。このようなパチンコ機に対して、パチンコ機を押したり、引っ張ったりしてパチンコ機を振動させて遊技球の動きを変化させ、遊技球を特定の領域(始動入賞口などの入賞装置)に誘導する振動による不正行為や、鉄球である遊技球を磁石により入賞口へ誘導する磁気による不正行為がある。このような不正行為は、遊技店にとって大きな損害となる。特に、特定の入賞装置に入賞した場合には、大当り遊技がほぼ発生するようなパチンコ機においてはその被害が大きい。そこで、このような不正行為を防止するため、振動センサが設けられた遊技機(特許文献1参照)や磁気センサが設けられた遊技機(特許文献2参照)が提案されている。これにより、不正行為を防止していた。
特開2002−901号公報 特開2007−135709号公報
ところで、パチンコ機は、遊技に興奮した遊技者により、叩かれる場合がある。この叩かれるタイミングは、入賞装置に遊技球が入賞しなかったときや、図柄変動ゲームにはずれたとき、或いは、入賞したとき、当たったときなど、入賞させるためにパチンコ機を揺らす場合とは異なっている。また、パチンコ機に加わる衝撃も大きく異なり、遊技に興奮した遊技者が叩く強さは、不正に入賞させる行為よりも大きく、場合によってはパチンコ機が破損するほどである。
このように、遊技球を不正に入賞させる不正行為と、興奮のあまりにパチンコ機を叩くような不正行為(迷惑行為)とは、行われるタイミングやパチンコ機に加わる衝撃が異なるため、特許文献1の発明のように一律に判定していたのでは、何れの不正行為であるか否かが判断しにくかった。このため、遊技球を不正に入賞させる不正行為を行っていない遊技者に対して遊技球を不正に入賞させる不正行為だと判断して遊技者に不快な思いをさせる虞や、逆に遊技球を不正に入賞させる不正行為を見逃してしまう虞があった。
また、同じ不正行為であっても、パチンコ機を揺らして遊技球を誘導する不正行為と、磁石を持って遊技球を誘導する不正行為とでは、磁石という道具を前もって用意しなくてはならなく、また、確実に入賞口へ遊技球を誘導できるという点で悪質さの度合いが異なる。すなわち、磁石による不正行為のほうがより悪質である。しかしながら、特許文献1、2に示すパチンコ機のように、不正行為が行われる毎に報知されるパチンコ機においては、同時に或いは連続して異なる種類の不正行為が行われた場合、最初に行われた不正行為若しくは最後に行われた不正行為しか報知することができず、迷惑行為しかしていないと言い逃れができてしまう虞があった。
この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、不正行為の種類を判別し、最も悪質な不正行為を優先的に報知することで遊技店への被害を最小限にすることができる遊技機を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、遊技球が流入可能な流入口を有すると共に流入した遊技球を誘導して複数の入賞口に振り分ける振分手段を有する誘導部材が遊技盤の遊技領域に配設され、複数の入賞口のうち所定の入賞口に遊技球が入賞したことを契機として遊技者に有利な特定遊技状態が付与される機会が与えられる遊技機において、前記流入口を遊技球が通過したことを検知する通過検知手段と、前記入賞口に遊技球が入賞したことを検知する入賞検知手段と、前記遊技機に対する振動を検知する振動検知手段と、前記遊技機に対する磁気を検知する磁気検知手段と、前記振動検知手段からの振動検知のタイミング及び遊技機に対する振動の大きさに基づき、振動による第1の不正行為が行われているか否か、及び前記振動による第1の不正行為とは異なる振動による第2の不正行為が行われているか否かを判定する振動不正判定手段と、前記磁気検知手段からの遊技機に対する磁気の大きさに基づき、磁気による第3の不正行為が行われているか否かを判定する磁気不正判定手段と、前記振動不正判定手段と前記磁気不正判定手段の判定内容に基づいて不正報知内容を決定する不正報知内容決定手段と、前記振動不正判定手段が振動による第1又は第2の不正行為が行われたと判定した場合、または前記磁気不正判定手段が磁気による第3の不正行為が行われたと判定した場合、行われた各不正行為に関する情報をそれぞれ遊技機の外部に出力する出力手段を備え、前記振動不正判定手段は、前記通過検知手段が遊技球を検知してから前記入賞検知手段が遊技球を検知するまでの間に、前記振動検知手段が所定の大きさの振動を検知した場合には、前記振動による第1の不正行為と判定し、前記通過検知手段が遊技球を検知するよりも前に、又は前記入賞検知手段が遊技球を検知した後に、前記振動検知手段が前記所定の大きさの振動よりも大きい振動を検知した場合には、前記振動による第2の不正行為と判定し、前記不正報知内容決定手段は、前記振動不正判定手段により振動による第1の不正行為が行われたと判定された場合には、当該振動による第1の不正行為を遊技機に設けられた不正報知手段によって報知させると共に前記出力手段によって第1の不正行為に関する情報を外部に出力させ、前記振動不正判定手段により振動による第2の不正行為が行われたと判定された場合には、当該振動による第2の不正行為を前記不正報知手段によって報知させることなく、前記出力手段によって第2の不正行為に関する情報を外部に出力させ、前記磁気不正判定手段により磁気による第3の不正行為が行われたと判定された場合には、前記振動不正判定手段により振動による第1又は第2の不正行為が行われたと判定された場合であっても磁気による第3の不正行為を優先的に前記不正報知手段によって報知させると共に前記出力手段によって第3の不正行為に関する情報を外部に出力させることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記不正報知内容決定手段は、振動による第1の不正行為を報知させた後に、前記磁気不正判定手段により磁気による第3の不正行為が行われたと判定した場合には、磁気による第3の不正行為が行われたことを優先的に報知させる一方、磁気による第3の不正行為を報知させた後に、前記振動不正判定手段により振動による第1の不正行為が行われたと判定した場合には、磁気による第3の不正行為の報知を継続させることを要旨とする。
本発明によれば、不正行為の種類を判別し、最も悪質な不正行為を優先的に報知することで遊技店への被害を最小限にすることができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図19にしたがって説明する。なお、以下の説明において「上」「下」「左」「右」「前(表)」「後(裏)」は、特に断らない限り、パチンコ遊技機を機表側から見た場合(遊技場での設置状態において遊技者側から見た場合)の「上」「下」「左」「右」「前(表)」「後(裏)」を示すものとする。
図1は、パチンコ遊技機10の機表側を示す。パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、中央部に窓口13を有する前枠14が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠14の裏面側には、機内部に配置される遊技盤YBを保護し、かつ窓口13を覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。遊技盤YBは、中枠12に装着される。前枠14には、窓口13の周囲を囲むように、図示しない発光体(ランプ、LEDなど)の発光(点灯や点滅)により発光演出を行う電飾表示部を構成する左側枠用ランプ15と、右側枠用ランプ16とが配置されている。各枠用ランプ15,16は、前枠14の前面に装着される複数の発光体を、これら発光体の発する光を透過可能に成形したランプレンズ15a,16aで覆って構成されている。
中枠12の前面側であって前枠14の下部には、パチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な上皿(貯留皿)17を有する上皿ユニット18が装着されている。上皿17には、その左方側に機内部から払出される遊技球の払出口(図示しない)が設けられているとともに、遊技者の保有する遊技球を貯留する凹状の貯留通路(図示しない)が連設されており、さらに右方側に貯留通路内の遊技球を機内部に取り込む上皿取込口(図示しない)が設けられている。上皿17に貯留された遊技球は、貯留通路により上皿取込口へ案内されるとともに、上皿取込口を介して1球ずつ機内に取り込まれ、機内に装備された発射ユニット(図示しない)によって遊技盤YBに向けて発射される。なお、遊技盤YBに向けて発射される遊技球は、発射ハンドル19の回動量に応じて発射の強弱が設定される。
また、下皿ユニット21には、下皿20の右方に、発射ハンドル19が装着されている。発射ハンドル19は、遊技球を遊技盤YBに発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の操作部である。また、下皿ユニット21の下部である外枠11の下部には、各種音声を出力して音声演出を行う左右一対のスピーカ23が配置されている。
次に、遊技盤YBの構成について図1及び図2にしたがって詳しく説明する。
遊技盤YBの前面には、発射ハンドル19の操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域H1を形成する誘導レール24が円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レール24によって遊技盤YBには、該遊技盤YBの左下方から左上方に向かって延びる遊技球の誘導路24aが形成されるとともに、誘導レール24の内側に遊技領域H1が形成される。誘導路24aの下方には、中枠12に装着されるとともに、発射ユニットの作動によって打球される遊技球を案内する図示しない発射レールが配置されている。また、遊技盤YBの前面であって誘導レール24の外側となる遊技領域H1外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域H2とされているとともに、非遊技領域H2には遊技盤YBの隅部に位置するようにコーナー飾り部材25が設けられている。
遊技盤YBの遊技領域H1のほぼ中央(センタ)位置には、入球した遊技球を所定の入球口に誘導し、振り分ける誘導部材としての遊技球振分装置26が配置されている。遊技球振分装置26は、取付基板27に固定される正面視縦長のほぼ楕円形をなす筐体28の内部に各種の振分部材を配置して構成されており、遊技球振分装置26の左上方に遊技球が流入可能な流入口29が設けられている。これにより、遊技球振分装置26の内部には、流入口29を通過した遊技球のみの流入が許容されており、遊技球振分装置26の内部と遊技領域H1とは流入口29のみによって連通されている。すなわち、遊技球振分装置26は、流入口29以外の部位から内部に遊技球が流入し得ない構成となっている。なお、流入口29には、遊技球振分装置26への遊技球の流入量を調整するための一対の遊技釘29aが配設されている。遊技釘29aは、流入口29を開口するように上下方向に離間配置されており、一対の遊技釘29aの間隔を上下方向に広げると、遊技球振分装置26に対して遊技球が比較的流入し易くなり、その一方で一対の遊技釘29aの間隔を上下方向に狭めると、遊技球振分装置26に対して遊技球が流入し難くなる。
遊技球振分装置26の上部には、円弧状の転動面30aを有する流入球受入部としての受入板30が左右方向に延設されている。受入板30の左端は、流入口29に連設されており、流入口29を通過した遊技球は、受入板30に受け入れられる。受入板30の中央には、転動面30a上の遊技球を下方に導くよう流下案内する案内路31が連設されている。案内路31は、1球の遊技球の通過を許容する通路幅で構成されており、遊技球振分装置26の下方に向かって延設されている。したがって、流入口29を通過した遊技球は、勢い良く受入板30で受け入れられ、その勢いに応じて受入板30の転動面30aを左右方向に何度も揺動し、やがて転動の勢いがなくなる(減衰する)と案内路31を通じて下方へ導かれる。
遊技球振分装置26のほぼ中央には、正面視円形をなす開口部26aが形成されている。開口部26aには、第1の振分部としての中央回転体(第1の回転体)32が配置されている。中央回転体32は、図5及び図6に示すように、円環部材33の内側に透明で、かつ円形平板状の第1円板34を固着するとともに、第1円板34の中央に円柱状の回転式振分体35を固着して構成される。第1円板34は、遊技盤YBを正面視した場合において回転式振分体35の後面(背面)に配置される。また、第1円板34は、樹脂製である。なお、図5及び図6は、遊技盤YBを背面視した場合における中央回転体32を示す。
円環部材33の外周(外面)には断面凹状の案内溝36が形成されており、円環部材33は、案内溝36に嵌め込まれる4つの回転安定部材37により安定した状態で回転し得るよう、遊技球振分装置26に対し回転可能に支持されている。各回転安定部材37は、遊技球振分装置26に固定される固定軸37aと、円環部材33の回転により案内溝36を摺動するローラ部材37bからなる。そして、円環部材33は、駆動源となるモータMに対し動力伝達機構38を介して連結されている。動力伝達機構38は、モータMの回転軸に連結される第1ギアG1と、第1ギアG1に噛み合うとともに円環部材33の外周に形成された図示しない歯に噛み合う第2ギアG2からなる。この構成により、中央回転体32は、モータMの動力が動力伝達機構38を介して円環部材33に伝達され、その動力を受けた円環部材33とともに第1円板34及び回転式振分体35が回転することで回転する。そして、中央回転体32は、パチンコ遊技機10の奥行き方向に沿う方向を回転中心として常時一定方向(本実施形態では正面視で時計回り方向)に、かつ一定速度で回転する。
回転式振分体35の外周(外面)には、遊技球を入球させて保持する第1の保持溝39が複数形成されている。第1の保持溝39は、90度毎に間隔をあけて4つ形成されており、第1の保持溝39の溝幅は1球の遊技球の入球を許容し得る幅とされ、回転式振分体35の長さ方向に沿って形成されている。そして、受入板30の案内路31は、遊技球をほぼ真下に案内するように垂下した状態で配置され、案内路31の下流となる球出口から回転式振分体35の外周に向かって遊技球を落下させる。このため、案内路31で流下案内された遊技球は、案内路31の球出口に到達した時に、回転式振分体35の第1の保持溝39が前記球出口にほぼ一致する位置に到達していれば第1の保持溝39に入球し、保持される。一方、案内路31で流下案内された遊技球は、案内路31の球出口に到達した時に、回転式振分体35の第1の保持溝39が前記球出口にほぼ一致する位置に到達していなければ第1の保持溝39に入球せずに保持されない。そして、回転式振分体35は、案内路31で流下案内された遊技球を、第1の保持溝39で保持した場合と保持しなかった場合とで後述する異なる2つのルートへ振り分ける。
開口部26aには、透明で、かつ円形平板状の第2円板40が、中央回転体32(回転式振分体35)の前面に位置するように固着されている。すなわち、第2円板40は、第1円板34に対して、遊技球ほぼ一球分の間隔をあけて対向配置されている。第2円板40は、第1円板34と同様に樹脂製である。そして、第2円板40は、中央回転体32に対して接合されておらず、開口部26aの内縁のみに固着されている。したがって、第1円板34は、中央回転体32の回転に伴って回転するのに対し、第2円板40は回転しない。
第2円板40には、規制板41と、第1誘導板42と、第2誘導板43と、振分路44が固着されている。円弧状をなす規制板41は、回転式振分体35の外面に沿って、第1円板34と第2円板40との間の間隙を埋めるように両円板34,40の間に配置されている。規制板41は、案内路31の球出口に一致する位置に到達した第1の保持溝39が当該位置から100〜110度程度回転する位置まで延設されている。これにより、回転式振分体35の第1の保持溝39で保持された遊技球は、規制板41により、回転式振分体35の回転に伴って第1円板34と第2円板40との間の空間へ落下することが規制される。
平板状をなす第1誘導板42は、規制板41の下端から回転式振分体35の周方向へ所定の間隔をあけ、第1円板34と第2円板40との間の間隙を埋めるように両円板34,40の間に配置されている。第1誘導板42は、右下がり勾配をなすように傾けた状態で配置されている。そして、第1誘導板42と規制板41との間は、遊技球の通過を許容する大きさの球排出口45とされている。したがって、回転式振分体35の第1の保持溝39で保持された遊技球は、規制板41と第1誘導板42の間の球排出口45に到達すると、第1の保持溝39の開口が規制板41によって閉塞されなくなることにより、第1の保持溝39から球排出口45を通って第1誘導板42を転動する。第1誘導板42を転動する遊技球は、第1誘導板42の下端から落下し、第1円板34と第2円板40の間に形成される下部案内路46によって下部中央に誘導される。下部案内路46の下部中央には、遊技球の通過を許容する球出口47が形成されている。そして、下部案内路46を転動する遊技球は、球出口47を介して、中央回転体32の下部に配置される第2の振分部としての非回転式振分体(本実施形態ではクルーン)50に遊技球を誘導する誘導連通路48へ落下する。
通路状をなす振分路44の球入口44aは、案内路31の球出口に連設されているとともに、振分路44は第2円板40の前面に向かって突出形成されている。そして、振分路44の球出口44bは、第2円板40の後面に開口している。振分路44は、案内路31を流下案内され、かつ回転式振分体35の第1の保持溝39で保持されなかった遊技球を案内する通路であって、該遊技球は振分路44の球入口44aから第2円板40の前面に転動した後、球出口44bへ案内され、球出口44bから第2円板40の後面、すなわち第1円板34と第2円板40との間の間隙に排出される。案内路31を流下案内され、回転式振分体35の第1の保持溝39で保持されなかった遊技球は、回転式振分体35の外面を転動しながら振分路44の球入口44aへ入球する。
階段状をなす第2誘導板43は、振分路44の球出口44bに連設され、第1円板34と第2円板40との間の間隙を埋めるように両円板34,40の間に配置されている。そして、第2誘導板43の下端は、中央回転体32の左下部であって、中央回転体32と第2の振分部としての非回転式振分体(本実施形態ではクルーン)50との間に配置される第3の振分部としての左下回転体(第2の回転体)55へ遊技球を誘導する左部案内路49に連設されている。したがって、第2誘導板43で誘導された遊技球は、左部案内路49を介して左下回転体55へ誘導される。中央回転体32では、誘導連通路48へ遊技球を導いて非回転式振分体50へ遊技球を誘導するルートと、左部案内路49へ遊技球を導いて左下回転体55へ遊技球を誘導するルートの2つのルートの何れかに遊技球を振り分ける。
中央回転体32の下部に配置される非回転式振分体50は、遊技盤YBの面(遊技領域H1を形成する面)に対してほぼ水平に配置される円盤状の部材とされているとともに、固定的に配置される非回転体とされている。そして、非回転式振分体50の外周には、誘導連通路48の一部となる円弧状の誘導部としての回廊式誘導路51が配設されている(図3参照)。これにより、中央回転体32と非回転式振分体50は、回廊式誘導路51を含む誘導連通路48を介して連通されている。すなわち、下部案内路46の球出口47から誘導連通路48へ落下した遊技球は、回廊式誘導路51を転動し、その回廊式誘導路51から非回転式振分体50上に誘導される。そして、非回転式振分体50上に誘導された遊技球は、遊技球の自重と遊技球が誘導連通路48を転動する間に生じる水平面内での回転力とによって非回転式振分体50上を回転するように転動する。なお、回廊式誘導路51は、図3において時計回り方向へ屈曲形成されているので、非回転式振分体50上において遊技球は時計回り方向へ回転するように転動する。
非回転式振分体50には、遊技球の入球が可能な3つの入球口が設けられている。具体的には、非回転式振分体50の最も手前側に始動入賞口としての普通図柄1作動口52が設けられるとともに、普通図柄1作動口52の後方に2つの第1一般入賞口としての普通入賞口53,54が左右方向に並んで設けられている。したがって、非回転式振分体50へ誘導されて回転するように転動する遊技球は、その回転力が弱まるに連れて非回転式振分体50の中央に向かって移動し、普通図柄1作動口52、普通入賞口53及び普通入賞口54の何れか一つの入球口へ入球する。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技球が普通図柄1作動口52へ入球した場合には特定遊技状態を生起させるか否かの内部抽選を受けることができ、普通入賞口53,54へ入球した場合には前記内部抽選を受けることができず、所謂はずれとなる。普通入賞口53,54は、遊技球の入球を契機に所定個数(本実施形態では3球)の賞球としての遊技球の払出条件を付与する。
中央回転体32の左下部に配置される左下回転体55の外周(外面)には、遊技球を入球させて保持する第2の保持溝56が形成されている(図4参照)。第2の保持溝56は、1球の遊技球の入球を許容し得る大きさとされ、左下回転体55の外周の一部を窪ませることによって形成されている。
また、左下回転体55には、図5及び図6に示すように回転軸57が連結されている。そして、左下回転体55は、回転軸57に連結される動力伝達機構58を介して中央回転体32の円環部材33に連結されている。動力伝達機構58は、左下回転体55の回転軸57に連結される第3ギアG3と、第3ギアG3に噛み合うとともに円環部材33の外周に形成された図示しない歯に噛み合う第4ギアG4からなる。この構成により、左下回転体55は、モータMの動力が円環部材33に連結される動力伝達機構58を介して伝達され、回転する。すなわち、左下回転体55の駆動源は、中央回転体32の駆動源と同一であって共通化されており、左下回転体55は中央回転体32の回転に連動して回転する。そして、左下回転体55は、パチンコ遊技機10の奥行き方向に沿う方向を回転中心として常時一定方向(本実施形態では正面視で時計回り方向)に、かつ一定速度で回転する。
また、左下回転体55へ遊技球を誘導する左部案内路49の途中には、遊技球を受け入れる受皿59と、受皿59の中央に形成された排出口(図示しない)から落下した遊技球を受け入れる円弧状の転動面60aを有する受入棚60が配設されている。この受皿59へと導かれた遊技球は、受皿59上をすり鉢状に周回して排出口から落下することによって左下回転体55への誘導タイミングを一定のものとせずに、多様なタイミングとすることが可能となる。また、受入棚60の転動面60aに導かれた遊技球は、左右方向に何度も揺動し、やがて転動の勢いが無くなる(減衰する)と左下回転体55へ誘導されることによって同様に左下回転体55への誘導タイミングを一定のものとせずに、多様なタイミングとすることが可能となる。そして、左下回転体55は、受入棚60の球出口60bの下方に配置されており、前記球出口60bからは遊技球が左下回転体55の外周に向かって落下する。
左下回転体55の右方には、図3及び図4に示すように、誘導連通路48へ連通する連通口61へ遊技球を案内する案内通路62が配設されている。また、左下回転体55の左方には、図3に示すように、第2一般入賞口としての普通入賞口63へ遊技球を排出する排出通路64が配設されている。したがって、遊技球は、受入棚60の球出口60bから落下して到達した時に、左下回転体55の第2の保持溝56が前記球出口60bにほぼ一致する位置に到達していれば第2の保持溝56に入球し、保持される。そして、第2の保持溝56で保持された遊技球は、左下回転体55の回転によって案内通路62へ導かれ、案内通路62の連通口61を通過して誘導連通路48により非回転式振分体50へ誘導される。一方、遊技球は、受入棚60の球出口60bから落下した時に、左下回転体55の第2の保持溝56が前記球出口60bにほぼ一致する位置に到達していなければ第2の保持溝56に入球せずに保持されない。この場合、遊技球は、左下回転体55の外周を転動し、排出通路64へ導かれ、排出通路64により普通入賞口63へ誘導される。左下回転体55では、案内通路62へ遊技球を導き、誘導連通路48から非回転式振分体50へ遊技球を誘導するルートと、排出通路64へ遊技球を導いて普通入賞口63へ遊技球を誘導するルートの2つのルートの何れかに遊技球を振り分ける。普通入賞口63は、遊技球の入球を契機に所定個数(本実施形態では3球)の賞球としての遊技球の払出条件を付与する。
このように構成した遊技球振分装置26へ流入した遊技球は、中央回転体32の第1の保持溝39へ入球することにより、下部案内路46と誘導連通路48を通って非回転式振分体50へ到達する第1のルートを取り得る。また、遊技球振分装置26へ流入した遊技球は、中央回転体32の第1の保持溝39へ入球しなかったことにより、左部案内路49を通って左下回転体55へ到達し、左下回転体55の第2の保持溝56に入球することにより、案内通路62と誘導連通路48を通って非回転式振分体50へ到達する第2のルートを取り得る。さらに、遊技球振分装置26へ流入した遊技球は、中央回転体32の第1の保持溝39へ入球しなかったことにより、左部案内路49を通って左下回転体55へ到達し、左下回転体55の第2の保持溝56へ入球しなかったことにより、排出通路64を通って普通入賞口63へ到達する第3のルートを取り得る。第1,第2のルートを取り得た遊技球は、非回転式振分体50により普通図柄1作動口52へ入球する可能性がある。このため、第1,第2のルートは、非回転式振分体50へ遊技球が到達し得ない第3のルートに比べて有利なルートである。また、中央回転体32の第1の保持溝39へ入球した遊技球は、全て第1のルートを取り得るので、左下回転体55を経由する第2のルートに比べて有利なルートである。そして、第2のルートは、中央回転体32の第1の保持溝39へ入球せずに第1のルートを取り得なかった遊技球が、非回転式振分体50へ再び誘導されるルート、すなわち非回転式振分体50の普通図柄1作動口52へ入球させるチャンスを再び生じさせるルートであり、復活的な印象を与えるルートとなる。
また、遊技球振分装置26の中央、すなわち中央回転体32の第1円板34の後面には、開口部26aに望むように液晶表示器LHが配置されている。液晶表示器LHは、表示画像による表示演出を実行する。なお、本実施形態では、液晶表示器LHの前面に第1円板34と第2円板40が配設されるが、透明の樹脂製の各円板34,40を用いることにより、液晶表示器LHの視認性を妨げることがない。
遊技領域H1の左方領域には、普通入賞口65が配置されている。普通入賞口65は、予め定めた個数(本実施形態では10球)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。なお、賞球の個数は、1球の遊技球の入球に対して払出す個数を示す。
また、遊技領域H1の左方領域であって、普通入賞口65の下部には、普通図柄表示装置66が配置されている。普通図柄表示装置66は、始動保留球の記憶数を表示する保留記憶表示器と、普通図柄を変動させて表示する抽選としての普通図柄変動ゲームを行うゲーム表示器を備えている。普通図柄変動ゲームは、当りか否かの当り判定の結果を「当り図柄」と「はずれ図柄」を用いて導出するゲームであり、ゲーム表示器に「当り図柄」が確定的に停止表示されることにより遊技者は当りを認識できる一方で、「はずれ図柄」が確定的に停止表示されることにより遊技者ははずれを認識できる。そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、普通図柄1作動口52と、普通図柄2作動口75と、普通図柄3作動口78と、普通図柄4作動口83へ入球する遊技球を対象として始動保留球の記憶数を各別に管理するとともに、普通図柄変動ゲームを各別に行わせる。普通図柄2作動口75、普通図柄3作動口78及び普通図柄4作動口83は、図2に示しており、詳細は後述する。したがって、普通図柄表示装置66は、これらの作動口52,75,78,83毎に、始動保留球の記憶数を表示する4つの保留記憶表示器と普通図柄変動ゲームを行う4つのゲーム表示器を備えている。
具体的に言えば、図9に示すように、普通図柄表示装置66は、普通図柄1記憶表示LED67a,67bと、第1の抽選手段(図柄表示装置)としての普通図柄1表示LED68a,68bを備えている。普通図柄1記憶表示LED67a,67bは、普通図柄1作動口52用の始動保留球の記憶数を表示する普通図柄1用保留記憶表示器を構成する。普通図柄1表示LED68a,68bは、普通図柄1作動口52への入球に基づく普通図柄1を用いた普通図柄変動ゲーム(以下、「普通図柄1変動ゲーム」と示す)を表示する普通図柄1用ゲーム表示器を構成する。普通図柄1作動口52は、普通図柄1表示LED68a,68bで行う普通図柄1変動ゲームの始動条件と、予め定めた個数(本実施形態では14球)の賞球としての遊技球の払出条件を付与する。
また、普通図柄表示装置66は、普通図柄2記憶表示LED69a,69bと、第2の抽選手段としての普通図柄2表示LED70a,70bを備えている。普通図柄2記憶表示LED69a,69bは、普通図柄2作動口75用の始動保留球の記憶数を表示する普通図柄2用保留記憶表示器を構成する。普通図柄2表示LED70a,70bは、普通図柄2作動口75への入球に基づく普通図柄2を用いた普通図柄変動ゲーム(以下、「普通図柄2変動ゲーム」と示す)を表示する普通図柄2用ゲーム表示器を構成する。また、普通図柄表示装置66は、普通図柄3記憶表示LED71a,71bと、第3の抽選手段としての普通図柄3表示LED72a,72bを備えている。普通図柄3記憶表示LED71a,71bは、普通図柄3作動口78用の始動保留球の記憶数を表示する普通図柄3用保留記憶表示器を構成する。普通図柄3表示LED72a,72bは、普通図柄3作動口78への入球に基づく普通図柄3を用いた普通図柄変動ゲーム(以下、「普通図柄3変動ゲーム」と示す)を表示する普通図柄3用ゲーム表示器を構成する。また、普通図柄表示装置66は、普通図柄4記憶表示LED73a,73bと、普通図柄4表示LED74a,74bを備えている。普通図柄4記憶表示LED73a,73bは、普通図柄4作動口83用の始動保留球の記憶数を表示する普通図柄4用保留記憶表示器を構成する。普通図柄4表示LED74a,74bは、普通図柄4作動口83への入球に基づく普通図柄4を用いた普通図柄変動ゲーム(以下、「普通図柄4変動ゲーム」と示す)を表示する普通図柄4用ゲーム表示器を構成する。
各作動口52,75,78,83の始動保留球の記憶数は、予め定めた上限数(本実施形態では4)を上限として機内部(記憶手段としてのRAM85c)で記憶される。始動保留球の記憶数は、保留中(待機中)の普通図柄変動ゲームの回数を示す。これらの始動保留球の記憶数は、遊技球の入球によって1加算されるとともに普通図柄変動ゲームの開始によって1減算される。そして、各保留記憶表示器は、前述のように2つのLEDから構成されており、始動保留球の記憶数が「0(零)」、すなわち始動保留球が存在しない場合に2つのLEDが消灯し、始動保留球の記憶数が「1」の場合に1つのLEDが点灯する。また、各保留記憶表示器は、「2」の場合に両方のLEDが点灯し、「3」の場合に一方のLEDが点灯する一方で他方のLEDが点滅し、「4」の場合に両方のLEDが点滅する。このようなLEDの発光態様により、遊技者に始動保留球の記憶数、すなわち保留中の普通図柄変動ゲームの回数を報知する。
また、各ゲーム表示器は、前述のように2つのLEDから構成されており、普通図柄変動ゲームの開始により両方のLEDが交互に点灯を繰り返し、普通図柄変動ゲームのゲーム時間として定める変動時間の経過時に当り判定の判定結果が「当り」であれば両方のLEDが点灯し、「はずれ」であればいずれか一方のLEDのみが点灯する。本実施形態では、両方のLEDが点灯した状態を「当り図柄」とし、いずれか一方のLEDのみが点灯した状態を「はずれ図柄」としている。また、変動時間は、普通図柄変動ゲームの開始後、当り判定の判定結果となる「当り図柄」及び「はずれ図柄」のいずれか一方を確定的に停止表示させる迄の時間である。なお、普通図柄変動ゲームが行われていない場合には、前回の普通図柄変動ゲームの表示結果が表示されている。
遊技領域H1の右方領域には、第1の変動入賞装置としての普通電動役物Fと、普通電動役物Gと、第2の変動入賞装置としての普通電動役物Hと、第3の変動入賞装置としての普通電動役物Iが、上下方向に沿って順に配置されている。具体的には、普通電動役物Fの下方に普通電動役物Gが配置されるとともに、普通電動役物Gの下方に普通電動役物Hが配置され、さらに普通電動役物Hの下方に普通電動役物Iが配置されている。これらの普通電動役物F,G,H,Iは同一構成とされている。
普通電動役物Fは、普通図柄2作動口75への遊技球の入球を許容する開状態と遊技球の入球を規制する閉状態を取り得るように開閉動作する1つの開閉羽根76を備えている。普通電動役物Gは、普通図柄2作動口75への遊技球の入球を許容する開状態と遊技球の入球を規制する閉状態を取り得るように開閉動作する1つの開閉羽根77を備えている。普通電動役物F,Gの普通図柄2作動口75は、作動口として物理的に別構成として遊技盤YBに形成されているが、機能的には普通図柄2記憶表示LED69a,69bを兼用して始動保留球の記憶数が管理されるとともに、普通図柄2表示LED70a,70bを兼用して普通図柄2変動ゲームが行われる。そして、普通電動役物F,Gの普通図柄2作動口75は、普通図柄2表示LED70a,70bで行う普通図柄2変動ゲームの始動条件と、予め定めた個数(本実施形態では15球)の賞球としての遊技球の払出条件を付与する。
普通電動役物Hは、普通図柄3作動口78への遊技球の入球を許容する開状態と遊技球の入球を規制する閉状態を取り得るように開閉動作する1つの開閉羽根79を備えている。普通電動役物Hの普通図柄3作動口78は、普通図柄3表示LED72a,72bで行う普通図柄3変動ゲームの始動条件と、予め定めた個数(本実施形態では15球)の賞球としての遊技球の払出条件を付与する。普通電動役物Iは、普通入賞口80への遊技球の入球を許容する開状態と遊技球の入球を規制する閉状態を取り得るように開閉動作する1つの開閉羽根81を備えている。普通電動役物Iの普通入賞口80は、予め定めた個数(本実施形態では15球)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
各開閉羽根76,77,79,81は、閉状態を取り得る場合には図2に二点鎖線で示すようにほぼ垂直姿勢となって各作動口を閉鎖し、開状態を取り得る場合には図2に実線で示すように閉状態から所定の角度だけ時計回りに回動して作動口を開放する。そして、各開閉羽根76,77,79,81は、特定遊技状態が生起されると、特定遊技状態中、所定の開放条件の成立を契機に閉状態から開状態へ動作して遊技球の入球を許容し、特定遊技状態以外の通常遊技状態中は常時閉状態とされている。
また、遊技領域H1の右方領域であって、普通電動役物Fの右横には、普通図柄4作動ゲート82が配設されている。普通図柄4作動ゲート82は、遊技球の通過を許容する普通図柄4作動口83を有し、普通図柄4表示LED74a,74bで行う普通図柄4変動ゲームの始動条件を付与する。なお、普通図柄4作動ゲート82を遊技球が通過した場合の賞球は設定されていない。普通図柄4作動ゲート82を通過した遊技球は、再び遊技盤YBへ排出される。
また、遊技領域H1の右方領域には、入球した遊技球をアウト球として機外に排出するための複数(本実施形態では3つ)のアウト口A1,A2,A3が設けられている。さらに、遊技領域H1の下部には、入球した遊技球をアウト球として機外に排出するためのアウト口A4が設けられている。遊技領域H1に発射された遊技球のうち、何れの入球口にも入球しなかった遊技球は、アウト口A4を介して機外に排出される。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機10のゲーム性について図12にしたがって説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、通常時、遊技球振分装置26の流入口29へ遊技球を流入させて、その流入した遊技球を非回転式振分体50の普通図柄1作動口52へ入球させることを目的として遊技を行わせる。このようなゲーム性のもと、普通図柄1作動口52へ遊技球が入球すると、その入球を契機に普通図柄1表示LED68a,68bで普通図柄1変動ゲームが行われる(図12の時点a)。そして、当り判定が当りの場合には、普通図柄1表示LED68a,68bに当り図柄が確定停止表示された後(図12の時点b)、多量の遊技球を獲得し得るチャンスとなる特定遊技状態が生起される。この特定遊技状態では、普通電動役物F、普通電動役物H、及び普通電動役物Iが所定の条件下で開放し、その開放した普通電動役物内に遊技球を入球させることで、その入球に応じた賞球としての遊技球が遊技者に払出される。なお、特定遊技状態中は、各普通電動役物F〜Iが遊技盤YBの右方領域に配設されていることから遊技者に遊技盤YBの右方領域へ遊技球を発射させる右打ちを促すこととなる。また、特定遊技状態中、普通電動役物F〜Iは、同時に開放されないように制御される。
そして、特定遊技状態が生起されると、最初に、普通電動役物Fが開放される(図12の時点b)。普通電動役物Fは、予め定めた最大開放時間(本実施形態では「5900(ms)」)の経過、又は予め定めた規定入球個数(本実施形態では「4球」)の入球のうち、いずれか一方の閉鎖条件の成立を契機に閉鎖される。普通電動役物Fに入球した遊技球は、普通図柄2用の始動保留球として最大4個まで保留される(図12の時点b〜c)。この始動保留球の記憶数は、普通図柄2記憶表示LED69a,69bに表示される。
また、普通電動役物Fの閉鎖後、普通電動役物Hを開放させるか否かの当り判定の結果を導出する普通図柄2変動ゲームが普通図柄2表示LED70a,70bで開始される(図12の時点c)。そして、当り判定が当りの場合には、普通図柄2表示LED70a,70bに当り図柄が確定停止表示された後、続いて、普通電動役物Hが開放される(図12の時点d)。普通電動役物Hは、予め定めた最大開放時間(本実施形態では「5900(ms)」)の経過、又は予め定めた規定入球個数(本実施形態では「6球」)の入球のうち、いずれか一方の閉鎖条件の成立を契機に閉鎖される。そして、普通電動役物Hに入球した遊技球は、普通図柄3用の始動保留球として最大4個まで保留される(図12の時点d〜e)。この始動保留球の記憶数は、普通図柄3記憶表示LED71a,71bに表示される。
また、普通電動役物Hの閉鎖後、普通図柄2用の始動保留球が存在する場合には普通図柄2変動ゲームが普通図柄2表示LED70a,70bで再び開始される(図12の時点e)。また、その普通図柄2変動ゲームの開始と同期するようにして、普通電動役物Iを開放させるか否かの当り判定の結果を導出する普通図柄3変動ゲームが普通図柄3表示LED72a,72bで開始される(図12の時点e)。
本実施形態では、普通図柄2変動ゲームの変動時間(判定結果を導出するまでに要する導出時間)よりも普通図柄3変動ゲームの変動時間の方が短く設定されている。このため、普通図柄3変動ゲームが当りとなる場合には、普通図柄3表示LED72a,72bに当り図柄が確定停止表示された後、続いて、普通電動役物Iが開放される(図12の時点f)。普通電動役物Iは、予め定めた最大開放時間(本実施形態では「5900(ms)」)の経過、又は予め定めた規定入球個数(本実施形態では「7球」)の入球のうち、いずれか一方の閉鎖条件の成立を契機に閉鎖される。また、普通電動役物Iが開放されたことに伴って、普通図柄2変動ゲームの時間の計測が中断する(図12の時点f)。
そして、普通電動役物Iの閉鎖後、中断していた普通図柄2変動ゲームの変動時間の計測が再開するとともに、普通図柄3用の始動保留球が存在する場合には普通図柄3変動ゲームが再び開始される(図12の時点g)。本実施形態では、前述したように普通図柄2変動ゲームの変動時間よりも普通図柄3変動ゲームの変動時間の方が短くなっていることから、普通図柄2用の始動保留球よりも普通図柄3用の始動保留球の方が早く消化される。
このため、普通図柄3変動ゲームの方が普通図柄2変動ゲームよりも先に終了し、普通電動役物Iが普通電動役物Hよりも先に開放される。その後、普通電動役物Iの開放を普通図柄3用の始動保留球が「0(零)」となるまで繰り返した後(図12の時点h〜m)、図12の時点eで開始した普通図柄2変動ゲームが終了し、当りの場合には普通電動役物Hが開放される(図12の時点m)。図12の時点f〜mの間、普通図柄2変動ゲームの時間の計測は、普通電動役物Iが開放する度に中断する。その結果、普通図柄2変動ゲームの変動時間は、内部決定した変動時間よりも、実質的に長くなる。そして、普通電動役物Hに入球した遊技球は、普通図柄3用の始動保留球として再び記憶されるので、前述同様に複数回の普通図柄3変動ゲームが再び行われることになり、当該ゲームの結果に応じて普通電動役物Iが再び複数回開放されることになる。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、各変動ゲームが当りとなる当選確率をほぼ100%に設定しているので、特定遊技状態の生起後、最初に開放される普通電動役物Fへ入球した遊技球の数により普通図柄2用の始動保留球の数が設定され、その数に相当する回数分、普通電動役物Hが開放される。そして、1回の普通電動役物Hの開放により、普通電動役物Hへ入球した遊技球の数によって普通図柄3用の始動保留球の数が設定され、その数に相当する回数分、普通電動役物Iが開放される。したがって、普通図柄2用の始動保留球の数と普通図柄3用の始動保留球の数が常に上限数に達した場合、1回の特定遊技状態において普通電動役物Hは最大4回開放し、さらに普通電動役物Iは普通電動役物Hの1回の開放で最大4回開放することになるので、普通電動役物Hが4回開放すれば16回開放することになる。このように本実施形態のパチンコ遊技機10では、普通電動役物F、普通電動役物H及び普通電動役物Iが順次開放されていくことにより、多量の遊技球を獲得し得るチャンスとなる特定遊技状態が作り出される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、特定遊技状態よりも獲得し得る賞球総数を少なく抑えた追加遊技状態をさらに生起させる構成となっている。この追加遊技状態は、普通図柄4作動ゲート82の普通図柄4作動口83への遊技球の入球に基づく普通図柄4変動ゲームが当りになると生起される。普通図柄4変動ゲームは、普通図柄4表示LED74a,74bで行われる。図12には、時点f1で普通図柄4作動ゲート82に遊技球が入球した状態を例示している。そして、普通図柄4変動ゲームも、先に説明した各変動ゲームと同様にいずれかの普通電動役物の開放中は時間の計測が中断されるようになっている。
このため、図12の例では、時点f1で普通図柄4作動ゲート82に遊技球が入球した後、時点gで普通図柄4変動ゲームが開始される。その後、普通図柄4変動ゲームは、時間の計測の中断を繰り返し、当該ゲームが当りであればゲーム終了後に普通電動役物Gが開放される。なお、普通図柄4作動ゲート82への遊技球の入球は、普通図柄4作動ゲート82が遊技盤YBの右方領域に配置されていることから右打ちを実践する特定遊技状態中に起こり易い。しかし、本実施形態のパチンコ遊技機10では、普通図柄4変動ゲームの変動時間の設定と、普通電動役物F〜Iの開放中における時間の計測の中断により、追加遊技状態は特定遊技状態の終了後に生起されるように設定されている。したがって、遊技者は、特定遊技状態中に普通図柄4作動ゲート82へ遊技球を入球させ、当該遊技球に基づく普通図柄4変動ゲームが当りであれば、特定遊技状態の終了後に追加遊技状態が生起されて、さらに賞球を獲得し得るチャンスが得られる。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10の電気的構成について図7〜図9にしたがって説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御基板85が装着されている。主制御基板85には、制御動作を所定の手順で実行することができるCPU(Central Processing Unit )85aと、主制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)85bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができるRAM(Read Write Memory )85cが設けられている。CPU85aは、ROM85bに格納された主制御プログラムにしたがって各種制御を実行するとともに、当り判定用乱数などの各種乱数値を所定の周期毎(例えば、4ms毎)にカウントし、発生させる。本実施形態では、普通図柄1作動口52への入球に基づく普通図柄1変動ゲームと、普通図柄2作動口75への入球に基づく普通図柄2変動ゲームと、普通図柄3作動口78への入球に基づき普通図柄3変動ゲームと、普通図柄4作動口83への入球に基づく普通図柄4変動ゲームの4つのゲームが行われる。そして、これらのゲームでは、それぞれのゲームで行われる当り判定の判定結果が導出されるようになっており、各当り判定は異なる当り判定用乱数を用いて異なる当選確率で行われる。したがって、本実施形態においてCPU85aは、4つの当り判定用乱数を発生させる。
RAM85cは、始動保留球、当り判定用乱数の値やフラグなど、遊技中に適宜書き替えられる情報を記憶する。図8は、RAM85cにおける始動保留球の記憶エリアを示す。図8に示すように、RAM85cには、普通図柄1作動口52用の始動保留球を記憶する記憶エリアE1と、普通図柄2作動口75用の始動保留球を記憶する記憶エリアE2と、普通図柄3作動口78用の始動保留球を記憶する記憶エリアE3と、普通図柄4作動口83用の始動保留球を記憶する記憶エリアE4が各別に設定されている。そして、各記憶エリアE1〜E4には、始動保留球の上限記憶数である「4」に対応するように保留1エリアと、保留2エリアと、保留3エリアと、保留4エリアの4つエリアが設定されている。保留1エリアは最初の始動保留球を記憶し、保留2エリアは2番目の始動保留球を記憶し、保留3エリアは3番目の始動保留球を記憶し、保留4エリアは4番目の始動保留球を記憶する。そして、これらの保留エリアには、各作動口52,75,78,83へ遊技球が入球した際にCPU85aが取得する当り判定用乱数の値が記憶される。また、保留エリアにおける記憶内容は、普通図柄変動ゲームの開始に伴って記憶される保留エリアが1つずつ繰り上げられる。
主制御基板85には、図9に示す各種の保留記憶表示器と各種のゲーム表示器を備える普通図柄表示装置66が接続されている。主制御基板85と普通図柄表示装置66は、主制御基板85から普通図柄表示装置66に対して制御信号を出力可能に接続されている。また、主制御基板85には、図9に示すように各種の検知スイッチSW1〜SW12が接続されている。
入球検知スイッチSW1は、流入口29に配設されており、流入口29を通過した遊技球を検知する。始動検知手段としての特賞入球スイッチSW2は、非回転式振分体50の普通図柄1作動口52に配設されており、普通図柄1作動口52に入球した遊技球を検知する。普通電動役物FスイッチSW3は、普通電動役物Fの普通図柄2作動口75に配設されており、当該普通図柄2作動口75に入球した遊技球を検知する。普通電動役物GスイッチSW4は、普通電動役物Gの普通図柄2作動口75に配設されており、当該普通図柄2作動口75に入球した遊技球を検知する。普通電動役物HスイッチSW5は、普通電動役物Hの普通図柄3作動口78に配設されており、普通図柄3作動口78に入球した遊技球を検知する。普通電動役物IスイッチSW6は、普通電動役物Iの普通入賞口80に配設されており、普通入賞口80に入球した遊技球を検知する。普通図柄作動ゲートスイッチSW7は、普通図柄4作動ゲート82の普通図柄4作動口83に配設されており、普通図柄4作動口83に入球した遊技球を検知する。
普通入賞口スイッチSW8は、非回転式振分体50の普通入賞口53,54に配設されており、普通入賞口53,54に入球した遊技球を検知する。普通入賞口スイッチSW9は、左下回転体55の左方に配置した普通入賞口63に配設されており、普通入賞口63に入球した遊技球を検知する。普通入賞口スイッチSW10は、遊技盤YBに配設した普通入賞口65に配設されており、普通入賞口65に入球した遊技球を検知する。クルーン誘導検知スイッチSW11は、中央回転体32及び左下回転体55と非回転式振分体50を繋ぐ誘導連通路48に配設されており、誘導連通路48を転動する遊技球を検知する。回転体誘導検知スイッチSW12は、中央回転体32と左下回転体55を繋ぐ左部案内路49に配設されており、左部案内路49を転動する遊技球を検知する。
また、主制御基板85には、駆動回路86が接続されている。駆動回路86には、中央回転体32及び左下回転体55の駆動源(駆動手段)となる普通電動役物FソレノイドSOL1、普通電動役物GソレノイドSOL2、普通電動役物HソレノイドSOL3、普通電動役物IソレノイドSOL4が接続されている。駆動回路86は、パチンコ遊技機10の電源投入後、中央回転体32と左下回転体55を常時、一定の回転速度で、かつ一定の回転方向へ回転動作させるようにモータMの回転動作を制御する。また、駆動回路86には、普通電動役物F〜Iの開閉羽根76,77,79,81の駆動源(駆動手段)となる普通電動役物F〜IソレノイドSOL1〜SOL4が接続されている。普通電動役物FソレノイドSOL1は、普通電動役物Fの開閉羽根76を開閉動作する。普通電動役物GソレノイドSOL2は、普通電動役物Gの開閉羽根77を開閉動作する。普通電動役物HソレノイドSOL3は、普通電動役物Hの開閉羽根79を開閉動作する。普通電動役物IソレノイドSOL4は、普通電動役物Iの開閉羽根81を開閉動作する。駆動回路86は、主制御基板85が出力する開閉信号を入力し、普通電動役物F〜IソレノイドSOL1〜SOL4をON(励磁)/OFF(消磁)制御することにより、開閉羽根76,77,79,81を開閉動作させる。
また、主制御基板85には、機裏側に装着される表示制御基板87が接続されている。表示制御基板87には、遊技盤YBの中央であって中央回転体32の後面側に配置される液晶表示器LHが接続されている。表示制御基板87には、図示しないCPU、ROM及びRAMが設けられており、前記CPUは、主制御基板85のCPU85aが出力した制御信号(制御コマンド)を入力し、ROMに格納される表示制御プログラムに基づいて液晶表示器LHの表示内容(背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、主制御基板85には、機裏側に装着される音声・ランプ制御基板88が接続されている。音声・ランプ制御基板88には、左側/右側枠用装飾ランプ15,16とスピーカ23が接続されている。音声・ランプ制御基板88には、図示しないCPU、ROM及びRAMが設けられている。そして、前記CPUは、主制御基板85のCPU85aが出力した制御信号(制御コマンド)を入力し、ROMに格納される音声ランプ制御プログラムに基づいて左側/右側枠用装飾ランプ15,16の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御するとともに、スピーカ23の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
また、主制御基板85には、機裏側に装着される球払出装置89を制御する払出制御基板90が接続されている。払出制御基板90には、図示しないCPU、ROM及びRAMが設けられており、前記CPUは、主制御基板85のCPU85aが出力した制御信号(制御コマンド(賞球制御コマンド))を入力し、球払出装置89の動作を制御する。賞球制御コマンドは、賞球としての遊技球の払出条件が成立した場合に、該払出条件に応じた数の賞球の払出しを指示する信号であり、払出制御基板90のCPUは、賞球制御コマンドの入力により、球払出装置89から前記数に応じた遊技球を払出させるように球払出装置89を動作させる。
次に、主制御基板85のCPU85aが実行する制御内容を説明する。
主制御基板85のCPU85aは、主制御プログラムにしたがって、所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に、入力処理、出力処理、乱数処理、普通図柄処理、普通電動役物処理などの各種処理を実行する。
入力処理は、検知スイッチSWからの検知信号の入力に係る処理である。出力処理は、普通図柄表示装置66、駆動回路86、表示制御基板87、及び音声・ランプ制御基板88に対する制御信号の出力に係る処理である。乱数処理は、当り判定用乱数の更新に係る処理である。乱数処理にてCPU85aは、乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM85cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換える。普通図柄処理は、普通図柄変動ゲームの実行に係る処理である。普通電動役物処理は、普通電動役物F〜Iの開閉動作に係る処理である。
以下、入力処理について詳しく説明する。
図10は、普通図柄1作動口52の特賞入球スイッチSW2、普通図柄2作動口75の普通電動役物FスイッチSW3と普通電動役物GスイッチSW4、普通図柄3作動口78の普通電動役物HスイッチSW5、及び普通図柄4作動口83の普通図柄作動ゲートスイッチSW7に係る入力処理を示す。
図10の入力処理においてCPU85aは、普通図柄1作動口52に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS10)。CPU85aは、特賞入球スイッチSW2からの検知信号を入力している場合にはステップS10を肯定判定し、前記検知信号を入力していない場合にはステップS10を否定判定する。ステップS10の判定結果が肯定(入球あり)の場合、CPU85aは、普通図柄1用(普通図柄1作動口52用)の始動保留球の記憶数が「4(上限数)」未満であるか否かを判定する(ステップS11)。この判定結果が肯定(保留球数<4)の場合、CPU85aは、ステップS11で判定した前記始動保留球の記憶数を+1(1加算)する(ステップS12)。次に、CPU85aは、普通図柄1用の当り判定用乱数の値をRAM85cから取得する(ステップS13)。ステップS13で取得される当り判定用乱数の値は、乱数処理においてRAM85cに設定されたカウント値である。そして、CPU85aは、ステップS13で取得した値をRAM85cの所定の記憶エリアに記憶する(ステップS14)。ステップS14にてCPU85aは、ステップS12の対象となった始動保留球に対応する普通図柄1用の保留エリアに取得した当り判定用乱数の値を記憶する。また、始動保留球の記憶数を書き替えたCPU85aは、普通図柄1記憶表示LED67a,67bの発光態様を書き換え後の前記記憶数に応じて変更する。
続いて、CPU85aは、RAM85cに設定される保留時間タイマの計測を開始する(ステップS15)。この保留時間タイマは、始動保留球毎に対応付けられたものであり、RAM85cには始動保留球の記憶数の上限数である「4」に対応するように4つ設定される。そして、CPU85aは、始動保留球をRAM85cに記憶する毎に、その始動保留球が特賞入球スイッチSW2で検知されてから当該始動保留球に基づく普通図柄変動ゲームが開始される迄の保留時間(すなわち、ゲーム開始を待機していた時間)を計数する。CPU85aは、制御周期毎に保留時間タイマのタイマ値を制御周期分の時間だけ加算することにより、時間を計測する。そして、ステップS15で保留時間タイマの計測を開始したCPU85aは、ステップS16へ移行する。本実施形態では、CPU85aが、保留時間計測手段として機能する。なお、CPU85aは、ステップS10の判定結果が否定(入球なし)の場合、及びステップS11の判定結果が否定(保留球数=4)の場合、ステップS16へ移行する。
ステップS16に移行したCPU85aは、普通図柄2作動口75に遊技球が入球したか否かを判定する。CPU85aは、普通電動役物FスイッチSW3又は普通電動役物GスイッチSW4からの検知信号を入力している場合にはステップS16を肯定判定し、前記検知信号を入力していない場合にはステップS16を否定判定する。ステップS16の判定結果が肯定(入球あり)の場合、CPU85aは、普通図柄2用(普通図柄2作動口75用)の始動保留球の記憶数が「4(上限数)」未満であるか否かを判定する(ステップS17)。この判定結果が肯定(保留球数<4)の場合、CPU85aは、ステップS17で判定した前記始動保留球の記憶数を+1(1加算)する(ステップS18)。次に、CPU85aは、普通図柄2用の当り判定用乱数の値をRAM85cから取得する(ステップS19)。ステップS19で取得される当り判定用乱数の値は、乱数処理においてRAM85cに設定されたカウント値である。そして、CPU85aは、ステップS19で取得した値をRAM85cの所定の記憶エリアに記憶する(ステップS20)。ステップS20にてCPU85aは、ステップS18の対象となった始動保留球に対応する普通図柄2用の保留エリアに取得した当り判定用乱数の値を記憶する。また、始動保留球の記憶数を書き替えたCPU85aは、普通図柄2記憶表示LED69a,69bの発光態様を書き換え後の前記記憶数に応じて変更する。
ステップS20で当り判定用乱数の値を記憶させたCPU85aは、ステップS21へ移行する。なお、CPU85aは、ステップS16の判定結果が否定(入球なし)の場合、及びステップS17の判定結果が否定(保留球数=4)の場合、ステップS21へ移行する。
ステップS21に移行したCPU85aは、普通図柄3作動口78に遊技球が入球したか否かを判定する。CPU85aは、普通電動役物HスイッチSW5からの検知信号を入力している場合にはステップS21を肯定判定し、前記検知信号を入力していない場合にはステップS21を否定判定する。ステップS21の判定結果が肯定(入球あり)の場合、CPU85aは、普通図柄3用(普通図柄3作動口78用)の始動保留球の記憶数が「4(上限数)」未満であるか否かを判定する(ステップS22)。この判定結果が肯定(保留球数<4)の場合、CPU85aは、ステップS22で判定した前記始動保留球の記憶数を+1(1加算)する(ステップS23)。次に、CPU85aは、普通図柄3用の当り判定用乱数の値をRAM85cから取得する(ステップS24)。ステップS24で取得される当り判定用乱数の値は、乱数処理においてRAM85cに設定されたカウント値である。そして、CPU85aは、ステップS24で取得した値をRAM85cの所定の記憶エリアに記憶する(ステップS25)。ステップS25にてCPU85aは、ステップS23の対象となった始動保留球に対応する普通図柄3用の保留エリアに取得した当り判定用乱数の値を記憶する。また、始動保留球の記憶数を書き替えたCPU85aは、普通図柄3記憶表示LED71a,71bの発光態様を書き換え後の前記記憶数に応じて変更する。
ステップS25で当り判定用乱数の値を記憶させたCPU85aは、ステップS26へ移行する。なお、CPU85aは、ステップS21の判定結果が否定(入球なし)の場合、及びステップS22の判定結果が否定(保留球数=4)の場合、ステップS26へ移行する。
ステップS26に移行したCPU85aは、普通図柄4作動口83に遊技球が入球したか否かを判定する。CPU85aは、普通図柄作動ゲートスイッチSW7からの検知信号を入力している場合にはステップS26を肯定判定し、前記検知信号を入力していない場合にはステップS26を否定判定する。ステップS26の判定結果が肯定(入球あり)の場合、CPU85aは、普通図柄4用(普通図柄4作動口83用)の始動保留球の記憶数が「4(上限数)」未満であるか否かを判定する(ステップS27)。この判定結果が肯定(保留球数<4)の場合、CPU85aは、ステップS27で判定した前記始動保留球の記憶数を+1(1加算)する(ステップS28)。次に、CPU85aは、普通図柄4用の当り判定用乱数の値をRAM85cから取得する(ステップS29)。ステップS29で取得される当り判定用乱数の値は、乱数処理においてRAM85cに設定されたカウント値である。そして、CPU85aは、ステップS29で取得した値をRAM85cの所定の記憶エリアに記憶する(ステップS30)。ステップS30にてCPU85aは、ステップS28の対象となった始動保留球に対応する普通図柄4用の保留エリアに取得した当り判定用乱数の値を記憶する。また、始動保留球の記憶数を書き替えたCPU85aは、普通図柄4記憶表示LED73a,73bの発光態様を書き換え後の前記記憶数に応じて変更する。
ステップS30で当り判定用乱数の値を記憶させたCPU85aは、図10の入力処理を終了する。なお、CPU85aは、ステップS26の判定結果が否定(入球なし)の場合、及びステップS27の判定結果が否定(保留球数=4)の場合、図10の入力処理を終了する。
次に、入力処理で行われるその他の処理を説明する。
CPU85aは、流入口29の入球検知スイッチSW1からの検知信号を入力すると、遊技球振分装置26に対して遊技球が入球した旨を、液晶表示器LHの表示画像やスピーカ23の音声出力で報知するように、報知指定コマンドをRAM85cに設定する。この報知指定コマンドは、次周期以降の出力処理にて、表示制御基板87及び音声・ランプ制御基板88に出力される。そして、報知指定コマンドを入力した表示制御基板87及び音声・ランプ制御基板88は、所定の報知を実行させるように制御する。
また、CPU85aは、賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る普通図柄1作動口52、普通図柄2作動口75、普通図柄3作動口78、及び普通入賞口53,54,63,65,80に入球した遊技球を検出する各スイッチSW2〜SW6,SW8〜SW10からの検出信号の入力に伴う賞球記憶数設定処理を実行する。賞球記憶数設定処理にてCPU85aは、遊技球の入球の有無を判定し、入球が有った場合にはその入球に対応する賞球数をRAM85cに設定する。そして、CPU85aは、設定した賞球数に応じた賞球制御信号を生成し、その賞球制御信号を次周期以降の出力処理にて払出制御基板90に順次出力する。
また、CPU85aは、誘導連通路48のクルーン誘導検知スイッチSW11からの検知信号を入力すると、遊技球振分装置26へ入球した遊技球が普通図柄1作動口52を有する非回転式振分体50へ誘導される旨を、液晶表示器LHの表示画像で報知するように、報知指定コマンドをRAM85cに設定する。また、CPU85aは、左部案内路49の回転体誘導検知スイッチSW12からの検知信号を入力すると、遊技球振分装置26へ入球した遊技球が中央回転体32によって左下回転体55側へ振分けられた旨を、液晶表示器LHの表示画像で報知するように、報知指定コマンドをRAM85cに設定する。これらの報知指定コマンドは、次周期以降の出力処理にて、表示制御基板87に出力される。そして、報知指定コマンドを入力した表示制御基板87は、所定の報知を実行させるように制御する。
また、CPU85aは、普通電動役物Fの普通電動役物FスイッチSW3、普通電動役物Gの普通電動役物GスイッチSW4、普通電動役物Hの普通電動役物HスイッチSW5及び普通電動役物Iの普通電動役物IスイッチSW6からの検知信号を入力すると、これらの普通電動役物F〜Iへの入球個数をカウントする。具体的には、CPU85aは、これらの普通電動役物F〜IスイッチSW3〜SW6の検知信号を入力すると、その検知信号の種類に応じて対応する普通電動役物G〜I毎の入球個数を1加算する。この入球個数は、開放した普通電動役物G〜Iの各開閉羽根76,77,79,81の閉鎖条件の一つとして規定される。本実施形態では、普通電動役物Fの規定入球個数を「4球」とし、普通電動役物Gの規定入球個数を「2球」とし、普通電動役物Hの規定入球個数を「6球」とし、普通電動役物Iの規定入球個数を「7球」としている。なお、規定入球個数は、開閉羽根76,77,79,81の1回の開放中において入球を許容する遊技球の個数である。
次に、普通図柄処理について詳しく説明する。
普通図柄処理にてCPU85aは、普通図柄変動ゲームを開始させる処理、変動中の処理、及び普通図柄を表示する処理などを実行する。
図11は、普通図柄1作動口52へ遊技球が入球することによって行われる普通図柄1変動ゲームの開始処理を示す。
図11の普通図柄1変動ゲーム開始処理においてCPU85aは、普通図柄1変動ゲーム、すなわち普通図柄1表示LED68a,68bを用いた普通図柄変動ゲームの変動中(実行中)か否かを判定する(ステップS40)。CPU85aは、普通図柄変動ゲームを実行させる場合には、実行中である旨を示すフラグをRAM85cに設定し、このフラグによりステップS40の判定を行う。そして、ステップS40の判定結果が否定(変動中ではない)の場合、CPU85aは、普通図柄1用の始動保留球の記憶数が「0(零)」であるか否かを判定する(ステップS41)。この判定結果が否定(保留球>0)の場合、CPU85aは、ステップS42に移行する。なお、CPU85aは、ステップS40の判定結果が肯定(変動中である)の場合、及びステップS41の判定結果が肯定(保留球=0)の場合、普通図柄1変動ゲーム開始処理を終了する。
ステップS42に移行したCPU85aは、普通図柄1変動ゲームを開始させるので、普通図柄1用の始動保留球の記憶数を−1(1減算)する。次に、CPU85aは、今回の普通図柄1変動ゲームの対象となる始動保留球に対応付けてRAM85cに記憶した普通図柄1用の当り判定用乱数の値を読み出す(ステップS43)。そして、CPU85aは、ステップS43で読み出した当り判定用乱数の値と普通図柄1用の当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの普通図柄1当り判定を行う(ステップS44)。当り判定値は、当り判定用乱数の取り得る値の中から予め定められており、ROM85bに記憶されている。本実施形態において普通図柄1当り判定は、当選確率を「655535分の655534」に設定して行われる。このような当選確率に設定した場合、非回転式振分体50の普通図柄1作動口52に遊技球が入球すると、ほぼ100%の割合で当選することになる。
そして、ステップS44の判定結果が否定(当り判定用乱数の値と当り判定値が不一致)の場合、CPU85aは、普通図柄1表示LED68a,68bに確定停止表示させる普通図柄1としてはずれ図柄を決定し(ステップS45)、ステップS47に移行する。一方、ステップS44の判定結果が肯定(当り判定用乱数の値と当り判定値が一致)の場合、CPU85aは、普通図柄1表示LED68a,68bに確定停止表示させる普通図柄1として当り図柄を決定し(ステップS46)、ステップS47に移行する。
ステップS47に移行したCPU85aは、今回の普通図柄1変動ゲームの対象となる始動保留球に対応する保留時間タイマのタイマ値を読み出し、そのタイマ値が「500(ms)」未満であるか否かを判定する。前記タイマ値は、図10に示す入力処理のステップS12で始動保留球を記憶した際に、ステップS15で計測を開始したタイマ値である。本実施形態では、保留時間タイマのタイマ値を判定するCPU85aが、計測時間判定手段として機能する。
ステップS47にてCPU85aは、特定遊技状態でない場合であって、普通図柄1変動ゲーム中でない場合に、普通図柄1作動口52へ複数(2球)の遊技球が連続入球したことを想定した場合において、今回の普通図柄1変動ゲームの対象となる始動保留球が最初に入球した遊技球であるか否かを判定している。すなわち、最初に入球した遊技球である場合には、その入球時において始動保留球が存在せず、入球後直ちに普通図柄1変動ゲーム処理が実行されることになるので、ステップS47の判定結果は否定となる。つまり、入球時において始動保留球が存在しなければ、普通図柄1変動ゲーム処理の開始までに最大で制御周期分の時間待機することになるが、その時間はごく僅かであり、ステップS47で判定する「500(ms)」よりも遙かに短い。その一方で、今回の普通図柄変動ゲームの対象となる始動保留球が入球した時点で、既に始動保留球が存在する場合や普通図柄1変動ゲームが行われている場合には、その遊技球は始動保留球となって先に入球した遊技球に基づく普通図柄1変動ゲームが終了する迄の間、普通図柄1変動ゲーム処理の開始が待たされることになる。そして、本実施形態では、普通図柄1変動ゲームの変動時間を、通常「50000(ms)」としている。変動時間は、ゲーム表示器において抽選開始(ゲーム開始)から抽選結果(内部判定の結果)を導出するまでの導出時間に相当する。このため、タイマ値は、先に入球した遊技球に基づく普通図柄1変動ゲームが終了する迄の時間を計測することになるので、ステップS47の判定結果は肯定となる。
そして、ステップS47の判定結果が否定(タイマ値<500ms)の場合、CPU85aは、普通図柄1変動ゲームの変動時間として変動秒数を計測する普通図柄1用タイマに「50000(ms)」をセットし(ステップS48)、普通図柄1変動ゲーム処理を終了する。一方、ステップS47の判定結果が肯定(タイマ値>=500ms)の場合、CPU85aは、変動秒数を計測する普通図柄1用タイマに「70000(ms)」をセットし(ステップS49)、普通図柄1変動ゲーム処理を終了する。本実施形態では、普通図柄1変動ゲームの変動時間(導出時間)を決定するCPU85aが、第1の導出時間決定手段(導出時間決定手段)として機能する。
その後、CPU85aは、普通図柄1表示LED68a,68bで普通図柄1変動ゲームを開始させる。また、CPU85aは、普通図柄1変動ゲームの開始に伴って普通図柄1記憶表示LED67a,67bの発光態様を書き換え後の始動保留球の記憶数に応じて変更する。
また、CPU85aは、普通図柄2変動ゲーム、普通図柄3変動ゲーム、及び普通図柄4変動ゲームについても、図11の普通図柄1変動ゲーム開始処理と同様の処理を実行し、それぞれの普通図柄変動ゲームを開始させる。但し、普通図柄2変動ゲーム、普通図柄3変動ゲーム及び普通図柄4変動ゲームにおいては、各普通電動役物F,G,Hに入球してから当該入球に対する変動までの時間を計測し、一定時間以上であるか否かの判定を行う処理は行わないものとする。
CPU85aは、普通図柄2作動口75への遊技球の入球に伴う普通図柄2変動ゲームを開始させる普通図柄2変動ゲーム開始処理において、普通図柄2用の当り判定用乱数の値と普通図柄2用の当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの普通図柄2当り判定を行う。本実施形態において普通図柄2当り判定は、当選確率を「10111分の10110」に設定して行われる。このような当選確率に設定した場合、普通電動役物F又は普通電動役物Gの普通図柄2作動口75に遊技球が入球すると、ほぼ100%の割合で当選することになる。
そして、CPU85aは、普通図柄2当り判定で当選した場合には普通図柄2表示LED70a,70bに確定停止表示させる普通図柄2として当り図柄を決定するとともに、当選しなかった場合には普通図柄2としてはずれ図柄を決定する。また、CPU85aは、普通図柄2変動ゲームの変動時間として一義的に「14580(ms)」を決定し、変動秒数を計測する普通図柄2用タイマにセットする。この変動時間は、普通図柄1変動ゲームの変動時間としてセットされる変動時間よりも短くなっている。本実施形態では、普通図柄2変動ゲームの変動時間(導出時間)を決定するCPU85aが、第2の導出時間決定手段として機能する。
その後、CPU85aは、普通図柄2表示LED70a,70bで普通図柄2変動ゲームを開始させる。また、CPU85aは、普通図柄2変動ゲームの開始に伴って普通図柄2記憶表示LED69a,69bの発光態様を書き換え後の始動保留球の記憶数に応じて変更する。
CPU85aは、普通図柄3作動口78への遊技球の入球に伴う普通図柄3変動ゲームを開始させる普通図柄3変動ゲーム開始処理において、普通図柄3用の当り判定用乱数の値と普通図柄3用の当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの普通図柄3当り判定を行う。本実施形態において普通図柄3当り判定は、当選確率を「11117分の11116」に設定して行われる。このような当選確率に設定した場合、普通電動役物Hの普通図柄3作動口78に遊技球が入球すると、ほぼ100%の割合で当選することになる。そして、CPU85aは、普通図柄3当り判定で当選した場合には普通図柄3表示LED72a,72bに確定停止表示させる普通図柄3として当り図柄を決定するとともに、当選しなかった場合には普通図柄3としてはずれ図柄を決定する。また、CPU85aは、普通図柄3変動ゲームの変動時間として一義的に「2916(ms)」を決定し、変動秒数を計測する普通図柄3用タイマにセットする。この変動時間は、普通図柄1変動ゲーム及び普通図柄2変動ゲームの各変動時間としてセットされる変動時間よりも短くなっている。本実施形態では、普通図柄3変動ゲームの変動時間(導出時間)を決定するCPU85aが、第3の導出時間決定手段として機能する。
その後、CPU85aは、普通図柄3表示LED72a,72bで普通図柄3変動ゲームを開始させる。また、CPU85aは、普通図柄3変動ゲームの開始に伴って普通図柄3記憶表示LED71a,71bの発光態様を書き換え後の始動保留球の記憶数に応じて変更する。
CPU85aは、普通図柄4作動口83への遊技球の入球に伴う普通図柄4変動ゲームを開始させる普通図柄4変動ゲーム開始処理において、普通図柄4用の当り判定用乱数の値と普通図柄4用の当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの普通図柄4当り判定を行う。本実施形態において普通図柄4当り判定は、当選確率を「281分の1」に設定して行われる。そして、CPU85aは、普通図柄4当り判定に当選した場合には普通図柄4表示LED74a,74bに確定停止表示させる普通図柄4として当り図柄を決定するとともに、普通図柄4の変動ゲームの変動時間として一義的に「50388(ms)」を決定し、変動秒数を計測する普通図柄4用タイマにセットする。この変動時間は、普通図柄1〜普通図柄3変動ゲームの各変動時間としてセットされる変動時間よりも長くなっている。一方、CPU85aは、当選しなかった場合には普通図柄4としてはずれ図柄を決定するとともに、普通図柄4変動ゲームの変動時間として一義的に「5040(ms)」を決定し、変動秒数を計測する普通図柄4用タイマにセットする。
その後、CPU85aは、普通図柄4表示LED74a,74bで普通図柄4変動ゲームを開始させる。また、CPU85aは、普通図柄4変動ゲームの開始に伴って普通図柄4記憶表示LED73a,73bの発光態様を書き換え後の始動保留球の記憶数に応じて変更する。
次に、変動中の処理、及び普通図柄を表示する処理について説明する。
普通図柄変動ゲームを開始させたCPU85aは、普通電動役物F〜Iの開放判定と、各タイマ(普通図柄1用タイマ、普通図柄2用タイマ、普通図柄3用タイマ、普通図柄4用タイマ)による時間の計測を開始する。すなわち、CPU85aは、普通図柄変動ゲームを開始させたことにより、タイマによるタイマ値を制御周期毎に制御周期分の時間だけ減算し、前述した変動ゲーム開始処理で決定した変動時間を計測する。この処理により、CPU85aは、第1の計測手段(導出時間計測手段)、第2の計測手段、及び第3の計測手段として機能する。
また、CPU85aは、普通電動役物F〜Iの開放判定により、何れかの普通電動役物が開放している場合には、各タイマによる時間の計測を中断する。具体的には、CPU85aは、何れかの普通電動役物の開放信号を出力すると同時に各タイマによる時間の計測を中断する。なお、CPU85aは、時間の計測を中断した場合、ゲーム表示器については普通図柄の変動を継続させる。このため、見た目上は、普通図柄変動ゲームが継続されているように見える。
そして、CPU85aは、時間の計測を中断させた場合、全ての普通電動役物が閉鎖してから所定時間の経過後に、各タイマの時間の計測を再開させる。すなわち、CPU85aは、全ての普通電動役物が閉鎖しているか否かを判定し、その判定結果が肯定の場合にはさらに所定時間が経過したか否かを判定し、その判定結果が肯定になると、各タイマの時間の計測を再開させる。この処理により、各タイマは、普通電動役物F〜Iが閉鎖している時、すなわち特定遊技状態中において普通図柄変動ゲームのみが行われている間や、ゲーム表示器で判定結果が導出された後、対応する普通電動役物が開放する迄の間、時間を計測する。なお、本実施形態では、普通図柄1変動ゲームで当り図柄が導出されてから普通電動役物Fが開放する迄の時間として「5000(ms)」が設定されているとともに、普通図柄2変動ゲームで当り図柄が導出されてから普通電動役物Hが開放する迄の時間として「4(ms)」が設定されている。また、本実施形態では、普通図柄3変動ゲームで当り図柄が導出されてから普通電動役物Iが開放する迄の時間として「4(ms)」が設定されているとともに、普通図柄4変動ゲームで当り図柄が導出されてから普通電動役物Gが開放する迄の時間として「5000(ms)」が設定されている。また、所定時間は、普通電動役物の閉鎖後、当該役物内に残存している遊技球を検出する迄に必要とされる時間として設定されている。なお、普通電動役物の閉鎖後に残存する遊技球としては、閉鎖直前に入球したような遊技球である。
そして、CPU85aは、各タイマの計測時間が「0(零)」になると、対応するゲーム表示器に前述した変動ゲーム開始処理で決定した普通図柄(当り図柄又はずれ図柄)を確定停止表示させ、普通図柄変動ゲームを終了させる。
次に、普通電動役物処理について説明する。
CPU85aは、普通図柄変動ゲームの開始後、当り図柄が導出されて普通図柄変動ゲームが終了すると、対応する普通電動役物を開放させるべく開放信号(ON信号)をRAM85cにセットする。この開放信号は、次周期以降の出力処理で駆動回路86に出力される。具体的に言えば、CPU85aは、当りとなる普通図柄1変動ゲームが終了すると、普通電動役物Fを開放させる開放信号を出力する。また、CPU85aは、当りとなる普通図柄2変動ゲームが終了すると、普通電動役物Hを開放させる開放信号を出力する。また、CPU85aは、当りとなる普通図柄3変動ゲームが終了すると、普通電動役物Iを開放させる開放信号を出力する。また、CPU85aは、当りとなる普通図柄4変動ゲームが終了すると、普通電動役物Gを開放させる開放信号を出力する。開放信号を入力した駆動回路86は、対応する普通電動役物ソレノイドを作動させて普通電動役物を開放させる。
開放信号を出力したCPU85aは、普通電動役物が開放してからの経過時間と開放した普通電動役物に入球した遊技球の数を判定する。そして、CPU85aは、開放させた普通電動役物に規定する閉鎖条件の成立(最大開放時間又は規定入球個数のいずれか一方の成立)により、当該普通電動役物を閉鎖させるべく閉鎖信号(OFF信号)をRAM85cにセットする。この閉鎖信号は、次周期以降の出力処理で駆動回路86に出力される。閉鎖信号を入力した駆動回路86は、対応する普通電動役物ソレノイドを作動させて普通電動役物を閉鎖させる。
以上のように、本実施形態のパチンコ機10では、普通図柄1作動口52に遊技球が入球することを契機として、特定遊技状態が付与されるか否かの抽選が行われるようになっている。すなわち、遊技において、普通図柄1作動口52に遊技球を入球させる点が重要なポイントとなる。このため、遊技機を揺らすなど、振動を加え、普通図柄1作動口52に遊技球が入球するように、振動により誘導する不正行為を行う遊技者や、磁石などにより鉄球である遊技球を普通図柄1作動口52に遊技球が入球するように、磁力により誘導する不正行為を行う遊技者が存在する。そこで、本実施形態のパチンコ機10では、不正行為を検知するための構造が備えられている。以下、詳しく説明する。
遊技盤YBの裏面側には、パチンコ機10の振動を検知する振動センサ100が設けられている。より詳しくは、遊技盤YBの裏面側には、図13に示すように、普通図柄1作動口52、普通図柄2作動口75、普通図柄3作動口78、普通図柄4作動口83、普通入賞口53,54,63,65,80及び各アウト口A1〜A4(以下、まとめて入球口と示す場合がある)に入球した遊技球を集合させて中枠12の機外排出経路(図示せず)に排出する裏樋101が設けられている。
この裏樋101は、遊技盤YBに形成された入球口全てを覆うように設置されている。裏樋101の内部には、遊技球が通過する通過路が形成されており、入球口に入球した遊技球がその通過路を通過することができるように構成されている。そして、裏樋101の下方に設けられた排出口から通過路を通過した遊技球をまとめて前記機外排出経路に排出することができるようになっている。なお、裏樋101の中央部は、遊技球振分装置26が設置することができるように、設置空間が設けられている。すなわち、裏樋101は、遊技球振分装置26を囲むように形成されている。以上のように、裏樋101は、遊技盤YBの形状(すなわち、入球口の位置)及び遊技球振分装置26に対応した形に形成されており、パチンコ機10の機種毎に異なるのが一般的である。
そして、この裏樋101には、振動センサ100が設置されている。本実施形態の振動センサ100は、図13において、裏樋101の左側に設置されている。この振動センサ100は、衝撃(又は振動)が加わることにより揺動する振動増幅部102と、遊技盤YBに取り付けられる取付部103と、衝撃を検知する衝撃検知回路104が備えられている。
取付部103には、振動増幅部102が取り付けられる支軸105が設けられている。この支軸105は、パチンコ機10の左右方向に、水平に設けられている。このため、振動増幅部102は、支軸105を中心としてパチンコ機10の前後方向に揺動可能に取り付けられることとなる。振動増幅部102の先端(支軸105に固定される側とは反対側の端部)には、錘106が固定されている。この錘106は、通常、図14に示すように、取付部103に固定された衝撃検知回路104に接触しており、パチンコ機10に所定値以上の衝撃(又は振動)が加わると、支軸105を中心として後方に揺動する。その後、錘106の自重により、支軸105を中心として前方へ移動し、衝撃検知回路104に衝突する。その際、錘106により、衝撃検知回路104に加わる衝撃は、パチンコ機10に実際に加わる衝撃(又は振動)と比較して大きなものとなる。このため、衝撃検知回路104は、パチンコ機10に小さな衝撃(又は振動)が加えられても衝撃(又は振動)を検知することができる。
なお、本実施形態において、パチンコ機10は、上下方向及び左右方向において島設備に隙間なく固定されている。すなわち、パチンコ機10は、上下左右には移動しないようになっている。一方で、パチンコ機10の前後方向には、空間が空いているため、パチンコ機10は、大きな力が加われば、前後方向にのみ揺動する。特に本実施形態におけるパチンコ機10のような非回転式振分体50、受皿59などの遊技球を円運動させる構造物を有するものに対しては、パチンコ機10を前後方向へ揺動させて転動している遊技球がコントロールされることが多くなっている。このため、錘106は、前後方向に揺動するように構成され、パチンコ機10の前後方向の振動を検知できるようにしている。
衝撃検知回路104は、所定の閾値以上の衝撃力が加えられると、衝撃(又は振動)を検知したことを示す振動検知信号を出力する。衝撃検知回路104は、遊技球が遊技領域において、遊技釘や遊技球振分装置26等の役物に衝突した際に生じる衝撃力では、振動検知信号を出力することはなく、パチンコ機10全体が揺動する程度の衝撃力が加わらなければ、振動検知信号を出力しないようになっている。すなわち、振動増幅部102の錘106は、遊技球が遊技領域において、遊技釘や遊技球振分装置26等の役物に衝突した際に生じる衝撃力では、前後に揺動することはなく、パチンコ機10全体が揺動する程度の衝撃力が加わらなければ、揺動しないようになっている。或いは、前記閾値は、遊技球が遊技領域において、遊技釘や遊技球振分装置26等の役物に衝突した際に生じる衝撃力(すなわち、接触しているときに加わる力)より大きな値であり、且つ、パチンコ機10全体が揺動する程度の衝撃力以下の値が設定されている。
また、振動増幅部102の錘106は、パチンコ機10に加わる力が大きければ大きいほど、揺動する時間が長くなり、パチンコ機10に加わる力が小さければ小さいほど、揺動する時間が短くなる。すなわち、衝撃検知回路104が、振動検知信号を出力する時間が長ければ長いほど、パチンコ機10に加わる力が大きかったことを示し、振動検知信号を出力する時間が短ければ短いほど、パチンコ機10に加わる力が小さいことを示している。
また、衝撃検知回路104は、CPU85aと接続されており、CPU85aは、振動検知信号を入力することができる。振動センサ100から振動検知信号を入力することにより、CPU85aは、パチンコ機10に所定値以上の衝撃(又は振動)が加えられたことを検知することができる。
また、遊技球振分装置26には、磁気を検知する磁気センサ200,201が設けられている。詳しく説明すると、遊技球振分装置26の左側上部には、図2及び図15に示すように、流入口29周辺の磁気を検知する磁気センサ200(破線で示す)が設けられている。この磁気センサ200は、磁石などにより、遊技球が流入口29を通過するように遊技球を誘導する際、その磁石から発生する磁気を検知するようになっている。そして、この磁気センサ200は、CPU85aと接続されており、CPU85aは、磁気検知信号を入力することができる。磁気センサ200から磁気検知信号を入力することにより、CPU85aは、遊技球が磁石により誘導されていることを検知することができる。また、遊技球振分装置26の非回転式振分体(本実施形態ではクルーン)50の近傍(本実施形態では、非回転式振分体50の左側)には、図2及び図16に示すように、普通図柄1作動口52、普通入賞口53,54周辺の磁気を検知する磁気センサ201(破線で示す)が設けられている。この磁気センサ201は、磁石などにより、遊技球が普通図柄1作動口52を通過するように遊技球を誘導する際、その磁石から発生する磁気を検知するようになっている。そして、この磁気センサ201は、CPU85aと接続されており、CPU85aは、磁気検知信号を入力することができる。磁気センサ201から磁気検知信号を入力することにより、CPU85aは、遊技球が磁石により誘導されていることを検知することができる。
次に、遊技球に加わる衝撃(又は振動)が、パチンコ機10を揺らして不正に遊技球を所望の入賞口に誘導する不正行為(第1の不正)によるものであるか、それとも遊技に興奮した遊技者が興奮のあまりの遊技機を叩く等のパチンコ機10を破損させる虞がある迷惑行為(第2の不正)によるものなのかを判定する振動不正判定処理について説明する。なお、CPU85aは、所定の周期(本実施形態では、4ms)毎に振動不正判定処理を実行するようになっている。
図17に示すように、CPU85aは、振動不正判定処理を実行すると、まず、入球検知スイッチSW1から遊技球が流入口29を通過した旨を示す検知信号を入力したか否かを判定する(ステップS101)。ステップS101の判定結果が肯定の場合、CPU85aは、特賞入球スイッチSW2、普通入賞口スイッチSW8,SW9の何れから検知信号を入力したか否かを判定する(ステップS102)。すなわち、CPU85aは、普通図柄1作動口52、普通入賞口53,54,63のいずれかに遊技球が入賞検知されたか否かを判定する。このステップS101及びステップS102の処理において、CPU85aは、遊技球が遊技球振分装置26の内部に存在するか否かを判定している。
ステップS102の判定結果が肯定の場合、CPU85aは、振動不正判定処理を終了する。一方、ステップS102の判定結果が否定の場合、CPU85aは、振動センサ100から振動検知信号を入力したか否かを判定する(ステップS103)。この判定結果が否定の場合、CPU85aは、振動不正判定処理を終了する。一方、ステップS103の判定結果が肯定の場合、CPU85aは、最初の振動検知信号を入力してから第1判定期間(本実施形態では0.5秒間)経過後に当該振動検知信号がまだ入力されているか否かを判定する(ステップS104)。
ステップS104の判定結果が否定の場合、CPU85aは、所定期間経過後(本実施形態では4ms後)、ステップS102の処理に移行し、再びステップS102〜ステップS104の処理を実行する。一方、ステップS104の判定結果が肯定の場合、CPU85aは、遊技機を揺らして不正に遊技球を所望の入賞口に誘導する第1の不正行為が行われたことを示す第1不正フラグに「1」を設定する(ステップS105)。第1不正フラグは、RAM85cに記憶されており、「1」が設定されている場合には、振動による不正行為(第1の不正行為)が行われたことを示し、「0」が設定されている場合には、不正行為が行われていないことを示している。なお、第1不正フラグに「0」を設定するためには、電源を消去する必要があるなど、遊技店側だけが行えるようになっている。
一方、ステップS101の判定結果が否定の場合(入球検知スイッチSW1から遊技球が流入口29を通過した旨を示す検知信号を入力していない場合)、CPU85aは、振動センサ100から振動検知信号を入力したか否かを判定する(ステップS106)。すなわち、CPU85aは、ステップS106において、遊技球が遊技球振分装置26の外部に存在しているときに、パチンコ機10に所定値以上の衝撃(又は振動)が加えられたか否かを判定する。この判定結果が否定の場合、CPU85aは、振動不正判定処理を終了する。一方、ステップS106の判定結果が肯定の場合、CPU85aは、最初の振動検知信号を入力してから第2判定期間(本実施形態では1.5秒間)経過後に当該振動検知信号がまだ入力されているか否かを判定する(ステップS107)。
ステップS107の判定結果が否定の場合、CPU85aは、所定期間経過後(本実施形態では4ms後)、ステップS106の処理に移行し、再びステップS106及びステップS107の処理を実行する。一方、ステップS104の判定結果が肯定の場合、CPU85aは、遊技に興奮した遊技者が興奮のあまりの遊技機を叩く等の遊技機を破損させる虞がある迷惑行為が行われたことを示す第2不正フラグに「1」を設定する(ステップS108)。第2不正フラグは、RAM85cに記憶されており、「1」が設定されている場合には、振動による迷惑行為(第2の不正行為)が行われたことを示し、「0」が設定されている場合には、迷惑行為が行われていないことを示している。なお、第2不正フラグに「0」を設定するためには、電源を消去する必要があるなど、遊技店側だけが行えるようになっている。
以上のように、CPU85aは、遊技球が遊技球振分装置26の内部に存在しているときには、予め決められた第1判定期間の間、振動検知信号を入力することにより、第1不正フラグを設定している。そして、第1判定期間の間、振動検知信号を入力するには、遊技球が遊技領域において、遊技釘や遊技球振分装置26等の役物に衝突した際に生じる衝撃力より大きい衝撃力を受けたときであって、パチンコ機10全体が揺動する程度の衝撃力を受けることが必要である。そして、本実施形態では、遊技球振分装置26の内部に存在する普通図柄1作動口に遊技球が入球することにより、ほぼ特定遊技状態が付与されるようになっている。このため、不正行為を行う者は、通常、パチンコ機10が破損するほどの衝撃を加えることなく、パチンコ機10を前後に揺動する程度の振動を加えて、転動面30aや非回転式振分体(本実施形態ではクルーン)50上で転動している遊技球をコントロールし、普通図柄1作動口52へ遊技球を誘導することとなる。
従って、CPU85aは、遊技球が遊技球振分装置26の内部に存在している場合、遊技球が遊技領域において、遊技釘や遊技球振分装置26等の役物に衝突した際に生じる衝撃力より大きい衝撃力を受けたときであって、パチンコ機10全体が揺動する程度の衝撃力を受けたときに、振動による不正行為(第1の不正行為)が行われたと判定する。
一方、CPU85aは、遊技球が遊技球振分装置26の外部に存在しているときには、第1判定期間より長い第2判定期間の間、振動検知信号を入力することにより、第2不正フラグを設定している。そして、振動検知信号の入力時間の長さは、パチンコ機10に加えられた衝撃(又は振動)の大きさに比例していることから、第2判定期間の間、振動検知信号を入力するには、第1判定期間の間、振動検知信号が出力され続けたときに加えられた衝撃力より大きい衝撃力を受けたときである。そして、遊技に興奮してパチンコ機10を叩くような人は、遊技球が遊技球振分装置26の外部に存在するとき(すなわち、遊技球が普通図柄1作動口52に入賞したとき又は入賞しなかったとき)に、パチンコ機10が破損する虞があるほどの衝撃を加えることが多い。従って、CPU85aは、遊技球が遊技球振分装置26の外部に存在している場合、振動による不正行為(第1の不正行為)が行われるときに加えられる衝撃力より大きい衝撃力を受けたときに、振動による迷惑行為(第2の不正行為)が行われたと判定する。
すなわち、本実施形態では、CPU85aは、遊技球が遊技球振分装置26の内部に存在しているときには、外部に存在しているときと比較して衝撃(又は振動)の力が小さくても、パチンコ機10全体が揺れるほどの振動であれば、不正行為が行われたと判定する。一方、CPU85aは、遊技球が遊技球振分装置26の外部に存在しているときには、内部に存在しているときと比較して衝撃(又は振動)の力が大きければ、不正行為であると判定せず迷惑行為が行われたと判定する。換言すれば、CPU85aは、遊技球が遊技球振分装置26の外部に存在しているときには、内部に存在しているときと同程度の衝撃(又は振動)の力では、不正行為であると判定せず、また迷惑行為であるとも判定しない。
以上のように、本実施形態では、CPU85aが、第1の不正行為か又は第2の不正行為(迷惑行為)かを判定する振動不正判定手段となる。また、振動センサ100が、パチンコ機10に対する振動を検知する振動検知手段となる。また、本実施形態では、入球検知スイッチSW1が、遊技球が流入口29を通過したことを検知する通過検知手段を構成する。また、特賞入球スイッチSW2、普通入賞口スイッチSW8,SW9が、普通図柄1作動口52、普通入賞口53,54,63の何れかに遊技球が入賞したことを検知する入賞検知手段を構成する。また、中央回転体(第1の回転体)32、非回転式振分体(本実施形態ではクルーン)50及び左下回転体(第2の回転体)55が、流入口29に流入した遊技球を誘導して複数の入賞口に振り分ける振分手段を構成する。
次に、磁気センサ200,201が検知した磁気が遊技球を誘導する際に発生した磁気か否かを判定する磁気不正判定処理について図18に基づいて説明する。なお、CPU85aは、所定の周期(本実施形態では、4ms)毎に磁気不正判定処理を実行するようになっている。まず、CPU85aは、磁気不正判定処理を実行すると、磁気センサ200,201から磁気不正信号を入力したか否かを判定する(ステップ201)。この判定結果が否定の場合、CPU85aは、磁気不正判定処理を終了する。一方、ステップS201の判定結果が肯定の場合(磁気不正信号を入力した場合)、CPU85aは、磁気不正信号を0.3秒間連続して入力したか否かを判定する(ステップS202)。
この判定において、CPU85aは、入力した信号がノイズによるものでなく、磁気不正信号であることを確認する。すなわち、ステップS202の判定結果が否定の場合、CPU85aは、入力した信号が、ノイズによるものであり、磁気不正信号でないと確認し、磁気不正判定処理を終了する。一方、ステップS202の判定結果が肯定の場合、CPU85aは、入力した信号が磁気不正信号であると確認し、磁石などにより磁気を発生させて、遊技球を普通図柄1作動口52又は流入口29に誘導するという磁気による不正行為(第3の不正行為)が行われたことを示す第3不正フラグに「1」を設定する(ステップS203)。第3不正フラグは、RAM85cに記憶されており、「1」が設定されている場合には、磁気による不正行為(第3の不正行為)が行われたことを示し、「0」が設定されている場合には、不正行為が行われていないことを示している。なお、第3不正フラグに「0」を設定するためには、電源を消去する必要があるなど、遊技店側だけが行えるようになっている。
以上のように、本実施形態のCPU85aは、第3の不正行為が行われたか否かを判定する磁気不正判定手段となる。また、磁気センサ200,201が、磁気を検知する磁気検知手段となる。
次に、不正判定処理において、振動による不正行為(第1の不正行為)、振動による迷惑行為(第2の不正行為)、又は磁気による不正行為(第3の不正行為)のうちいずれが行われたことを報知するため不正報知処理について図19に基づき説明する。この不正報知処理は、所定の周期毎(本実施形態では、4ms毎)に実行されている。
CPU85aは、不正報知処理を実行すると、第3不正フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS301)。この判定結果が肯定の場合(磁気による不正行為が行われていた場合)、CPU85aは、パチンコ機10の機裏側に配設された外部接続端子板を介してホールコンピュータに、磁気による不正行為(第3の不正行為)が行われたことを示す第3不正報知信号を出力する(ステップS302)。これにより、遊技店側は、ホールコンピュータを見ることにより、磁気による不正行為が行われた時間及びパチンコ機10を特定することができる。
また、CPU85aは、表示制御基板87及び音声・ランプ制御基板88に第3不正報知信号を出力する(ステップS303)。音声・ランプ制御基板88は、当該第3不正報知信号を入力すると、磁気による不正行為が行われたことを報知する磁気不正報知を枠用ランプ15,16及びスピーカ23に実行させるように枠用ランプ15,16の発光態様及びスピーカ23の音声出力態様を制御する。本実施形態では、音声・ランプ制御基板88は、第3不正報知信号を入力すると、枠用ランプ15,16を激しく赤色で点滅させるように枠用ランプ15,16の発光態様を制御すると共に、スピーカ23から連続して警告音を出力させるにスピーカ23の音声出力態様を制御する。また、表示制御基板87は、当該第3不正報知信号を入力すると、磁気による不正行為が行われたことを報知し、店員が駆けつけることを報知する磁気不正報知を実行させるように液晶表示器LHの表示内容を制御する。本実施形態では、表示制御基板87は、第3不正報知信号を入力すると、「磁気センサエラー係員が来ます」という文字列による不正報知を表示させるように液晶表示器LHの表示内容を制御する。
このステップS303の処理が終了した場合、又は前記ステップS301の判定結果が否定の場合、CPU85aは、第1不正フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS304)。この判定結果が肯定の場合(振動による不正行為が行われていた場合)、CPU85aは、パチンコ機10の機裏側に配設された外部接続端子板を介してホールコンピュータに、第1の不正行為が行われたことを示す第1不正報知信号を出力する(ステップS305)。これにより、遊技店側は、ホールコンピュータを見ることにより、第3の不正行為が行われた時間及びパチンコ機10を特定することができる。
次に、CPU85aは、第3不正フラグに「1」が設定されているか否か、すなわち、磁気による不正行為が行われているか否かについて判定する(ステップS306)。この判定結果が否定の場合、CPU85aは、表示制御基板87及び音声・ランプ制御基板88に第1不正報知信号を出力する(ステップS307)。音声・ランプ制御基板88は、当該第1不正報知信号を入力すると、磁気による不正行為が行われたことを報知したときの報知態様とは異なる態様で、振動による不正行為が行われたことを報知する振動不正報知を枠用ランプ15,16及びスピーカ23に実行させるように枠用ランプ15,16の発光態様及びスピーカ23の音声出力態様を制御する。本実施形態では、音声・ランプ制御基板88は、第1不正報知信号を入力すると、枠用ランプ15,16を激しく青色で点滅させるように枠用ランプ15,16の発光態様を制御すると共に、スピーカ23から断続的に警告音を出力させるにスピーカ23の音声出力態様を制御する。また、表示制御基板87は、当該第1不正報知信号を入力すると、磁気による不正行為が行われたことを報知したときの報知態様とは異なる態様で、振動による不正行為が行われたことを報知し、店員を呼ぶことを報知する振動不正報知を実行させるように液晶表示器LHの表示内容を制御する。本実施形態では、表示制御基板87は、第1不正報知信号を入力すると、「振動センサエラー係員を呼んでください」という文字列による振動不正報知を表示させるように液晶表示器LHの表示内容を制御する。なお、ステップS306の判定結果が肯定の場合(第3の不正行為が行われた場合)、CPU85aは、ステップS307の処理を実行しない。これにより、CPU85aは、第3の不正行為が行われていた場合には、継続的に磁気による不正行為が行われたことを報知させることとなる。つまり、CPU85aは、第1の不正行為より第3の不正行為を優先的に報知させるようになっている。その一方で、第3の不正行為が行われた場合には、CPU85aは、ステップS303の処理により、ステップS307にて表示制御基板87及び音声・ランプ制御基板88に第1不正報知信号を出力したか否かにかかわらず、第3不正報知信号を出力して、第3の不正行為が行われたことを報知させる。つまり、CPU85aは、報知内容を上書きして第1の不正行為より第3の不正行為を優先的に報知させるようになっている。
そして、ステップS307の処理を終了した場合、又はステップS304の判定結果が否定の場合(第1の不正行為が行われなかった場合)又はステップS306の判定結果が肯定の場合(第3の不正行為が行われた場合)、CPU85aは、第2不正フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS308)。この判定結果が肯定の場合、CPU85aは、パチンコ機10の機裏側に配設された外部接続端子板を介してホールコンピュータに、迷惑行為が行われたことを示す第2不正報知信号を出力する(ステップS309)。これにより、遊技店側は、ホールコンピュータを見ることにより、迷惑行為が行われた時間及びパチンコ機10を特定することができる。
以上のように、CPU85aが、不正報知内容を決定する不正報知内容決定手段となる。また、CPU85aが、不正行為に関する情報を外部に出力する出力手段となる。
そして、振動不正判定処理において、第1の不正行為が行われたと判定され、第1不正フラグに「1」が設定された後、CPU85aは、入力処理において、以降の遊技球の検知を無効としている。具体的には、CPU85aは、入力処理のステップS10の処理後、ステップS11の処理前に、第1不正フラグに「1」が設定されているか否かを判定する。この判定結果が肯定である場合(不正行為が行われた場合)、CPU85aは、ステップS16の処理に移行する。一方、判定結果が否定である場合(不正行為が行われていない場合)、CPU85aは、ステップS11の処理に移行する。
以上のように、CPU85aは、第1不正フラグに「1」が設定されると、入力処理において、保留球数(普通図柄1)に1加算することなく、また、当り判定用乱数(普通図柄1)を取得しない。このため、CPU85aは、普通図柄1変動ゲーム開始処理において、普通図柄1当り判定を行わない。従って、第1不正フラグに「1」が設定されると、それ以降に入球した遊技球に基づいて、特定遊技状態が付与されることがなくなる。
また、CPU85aは、第1不正フラグに「1」が設定された後、賞球払出処理において、賞球を払い出さなくなる。具体的には、CPU85aは、第1不正フラグに「1」が設定された後、遊技球が普通図柄1作動口52、普通図柄2作動口75、普通図柄3作動口78、普通図柄4作動口83、普通入賞口53,54,63,65,80のいずれかに入賞検知されたとしても、遊技球の払い出しを指示する賞球制御コマンドを出力しなくなる。これにより、第1不正フラグに「1」が設定された後、遊技球が普通図柄1作動口52、普通図柄2作動口75、普通図柄3作動口78、普通図柄4作動口83、普通入賞口53,54,63,65,80のいずれかに入賞検知されたとしても、遊技球が払い出されなくなる。このため、遊技店は、不正行為による不利益を回避することができる。
同様に、磁気不正判定処理において、第3の不正行為が行われたと判定され、第3不正フラグに「1」が設定された後、CPU85aは、入力処理において、以降の遊技球の検知を無効としている。具体的には、CPU85aは、入力処理のステップS10の処理後、ステップS11の処理前に、第3不正フラグに「1」が設定されているか否かを判定する。この判定結果が肯定である場合(不正行為が行われた場合)、CPU85aは、ステップS16の処理に移行する。一方、判定結果が否定である場合(不正行為が行われていない場合)、CPU85aは、ステップS11の処理に移行する。
以上のように、CPU85aは、第3不正フラグに「1」が設定されると、入力処理において、保留球数(普通図柄1)に1加算することなく、また、当り判定用乱数(普通図柄1)を取得しない。このため、CPU85aは、普通図柄1変動ゲーム開始処理において、普通図柄1当り判定を行わない。従って、第3不正フラグに「1」が設定されると、それ以降に入球した遊技球に基づいて、特定遊技状態が付与されることがなくなる。
また、CPU85aは、第3不正フラグに「1」が設定された後、賞球払出処理において、賞球を払い出さなくなる。具体的には、CPU85aは、第3不正フラグに「1」が設定された後、遊技球が普通図柄1作動口52、普通図柄2作動口75、普通図柄3作動口78、普通図柄4作動口83、普通入賞口53,54,63,65,80のいずれかに入賞検知されたとしても、遊技球の払い出しを指示する賞球制御コマンドを出力しなくなる。これにより、第3不正フラグに「1」が設定された後、遊技球が普通図柄1作動口52、普通図柄2作動口75、普通図柄3作動口78、普通図柄4作動口83、普通入賞口53,54,63,65,80のいずれかに入賞検知されたとしても、遊技球が払い出されなくなる。このため、遊技店は、不正行為による不利益を回避することができる。
その一方で、CPU85aは、第2不正フラグに「1」が設定されていた場合には、遊技球の検知を無効とすることはない。すなわち、遊技球が遊技球振分装置26の外部に存在するときにいくらパチンコ機10を振動させたとしても、遊技球が普通図柄1作動口52、普通図柄2作動口75、普通図柄3作動口78、普通図柄4作動口83、普通入賞口53,54,63,65,80のいずれかに入賞検知されるとは考えにくいからである。すなわち、遊技機を揺らして不正に遊技球を所望の入賞口に誘導する意図があるとは考えにくいからである。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)CPU85aは、入球検知スイッチSW1が遊技球を検知してから特賞入球スイッチSW2、普通入賞口スイッチSW8,SW9の何れかが遊技球を検知するまでの間に、振動センサ100が所定の大きさの振動を検知した場合には、普通図柄1作動口52に不正に振動させて誘導する不正行為(第1の不正行為)として判定する。すなわち、CPU85aは、遊技球振分装置26内に遊技球が存在し、普通図柄1作動口52等の入賞口に遊技球を振り分けるタイミングにおいて、振動センサ100が所定の大きさの振動を検知した場合には、遊技球を特定遊技状態が付与される契機となる普通図柄1作動口52に不正に誘導する不正行為として判定する。そして、CPU85aは、入球検知スイッチSW1が遊技球を検知する前、又は特賞入球スイッチSW2、普通入賞口スイッチSW8,SW9の何れかが遊技球を検知した後に、振動センサ100が不正行為であると判定される所定の大きさの振動より強い振動を検知した場合には、第1の不正行為とは判定せずに、振動による迷惑行為として判定する。すなわち、CPU85aは、遊技球振分装置26内に遊技球が存在しないタイミングにおいて、振動センサ100が第1の不正行為であると判定される所定の振動より強い振動を検知した場合には、迷惑行為(第2の不正行為)として判定する。このため、不正に遊技球を所望の入賞口に誘導する第1の不正行為か、又は、遊技機を破損させる虞がある迷惑行為(第2の不正行為)かを判定することが確実にできる。従って、振動による不正行為を行っていない遊技者に対して振動による不正行為だと判定して遊技者に不快な思いをさせる虞がなくなる。また、振動による不正行為を行っている遊技者に対して迷惑行為だと判定して、振動による不正行為を見逃してしまう虞もなくなる。
さらに、振動による第1の不正行為より、不正の意図が高く、悪質な磁気による第3の不正行為が行われた場合、磁気センサ200,201により検知可能とした。そして、磁気による第3の不正行為が行われた場合、CPU85aは、第3の不正行為が行われたことを第1又は第2の不正行為よりも優先的に報知した。このため、遊技店が迅速に不正行為を察知することが可能となり、被害を最小限にすることができる。
(2)CPU85aは、第1不正フラグが設定された場合には、表示制御基板87及び音声・ランプ制御基板88に第1不正報知信号を出力し、第3不正フラグが設定された場合には、第3不正報知信号を出力した。そして、音声・ランプ制御基板88及び表示制御基板87は、第1不正報知信号又は第3不正報知信号を入力した場合には、所定の不正報知を、液晶表示器LH、枠用ランプ15,16及びスピーカ23に実行させていた。その際、音声・ランプ制御基板88及び表示制御基板87は、第1不正報知信号を入力した場合と、第3不正報知信号を入力した場合とでは、異なる態様にて不正報知を実行させた。これにより、どのような不正行為が行われたか否か即座に認識することができ、遊技店は、行為に応じた対応を適切にとることができる。
(3)CPU85aは、振動による第1の不正行為を報知した後に、磁気による第3の不正行為が行われたと判定した場合には、磁気による第3の不正行為が行われたことを優先的に報知する。その一方、CPU85aは、磁気による第3の不正行為を報知した後に、振動による第1の不正行為が行われたと判定した場合には、磁気による第3の不正行為の報知を継続する。このように、磁気による第3の不正行為を振動による不正行為より優先的に報知している。このため、より悪質な第3の不正行為を積極的に報知することにより遊技店の被害を最小限に抑えることができる。
(4)各種不正行為に関する情報を外部に出力することにより、遊技店側は明確に各不正行為の内容及び履歴を把握することが可能となる。また、悪質な不正行為とは言えず、どちらかといえば迷惑行為である振動による第2の不正行為の情報についても把握することが可能となる。
(5)遊技球振分装置26は、複数の振分部、すなわち、中央回転体32、非回転式振分体50、左下回転体55を備えており、遊技球の振り分け先が多い。このため、通常状態では、特定遊技状態が付与される契機となる普通図柄1作動口52に遊技球が入賞しにくい。すなわち、普通図柄1作動口52へ1回入賞させることの重要さが大きくなる。これにより、普通図柄1作動口52へ1回入賞させることに対する遊技の興趣が向上する。また、普通図柄1作動口52に遊技球を入賞させるためには、中央回転体32、非回転式振分体50、左下回転体55のうち2つ以上の振分部においてパチンコ機10を揺らす、又は磁気により遊技球を誘導しなくてはならず、CPU85aが不正行為を判定する機会が増え、不正行為を判定できる確率を高くすることができる。
(6)また、非回転式振分体50上で遊技球をコントロールする前に、不正行為を行った場合には、その時点で表示制御基板87及び音声・ランプ制御基板88が、所定の不正報知を実行させるため、不正行為が遊技店側に検知されてしまう。すなわち、非回転式振分体50上で遊技球をコントロールする前に、不正行為が押さえられてしまう。このため、不正行為が押さえられることなく、普通図柄1作動口52に入賞させるには、中央回転体32又は左下回転体55において、正常に遊技しなくてはならず、不正行為が困難となる。従って、遊技店側が不正行為により損害を受ける確率が少なくなる。
(7)また、CPU85aは、第1の不正行為又は第3の不正行為と判定した場合には、特賞入球スイッチSW2、普通入賞口スイッチSW8,SW9からの検知信号を無効とし、入賞検知した入賞口に応じた処理を実行しない。具体的には、CPU85aは、入力処理において、特賞入球スイッチSW2から検知信号を入力しても、保留球数(普通図柄1)に1加算することなく、また、当り判定用乱数(普通図柄1)を取得しない。すなわち、CPU85aは、特賞入球スイッチSW2から検知信号を入力しても、普通図柄1変動ゲーム開始処理において、普通図柄1当り判定を行わない。また、CPU85aは、遊技球が普通図柄1作動口52、普通図柄2作動口75、普通図柄3作動口78、普通図柄4作動口83、普通入賞口53,54,63,65,80のいずれかに入賞検知されたとしても、賞球払出処理において、賞球を払い出さない。このため、遊技店は、不正行為による損害を防止することができる。
(8)また、不正行為を行う不正遊技者は、何度も不正行為を繰り返す傾向があるが、CPU85aは、パチンコ機10外部のホールコンピュータに不正行為を報知する第1不正報知信号及び第3不正報知信号を出力し、遊技店側に不正行為を知らせる。このため、1度不正行為を行った不正遊技者を発見し、以後不正行為を監視して、不正行為を抑制することができる。そして、再び不正行為が行われた場合の早期発見に繋げることができる。
(9)また、迷惑行為を行う遊技者は、何度も迷惑行為を繰り返す傾向があるが、CPU85aは、パチンコ機10外部のホールコンピュータに迷惑行為を報知する第2不正報知信号を出力し、遊技店側に迷惑行為を知らせる。このため、1度迷惑行為を行った遊技者を発見して、以後迷惑行為を監視することができ、迷惑行為を抑制することができる。また、再び迷惑行為が行われ、度が過ぎれば迷惑行為が行われた瞬間に注意することもできる。
(10)CPU85aは、振動が続く長さ(振動検知信号の入力時間)により、振動の大きさを判定した。これにより、振動センサ100は、振動の大きさ自体を判定する機構を備えなくてよくなり、構造を単純化することができる。
(第二実施形態)
次に、本発明を具体化した第二実施形態を説明する。なお、第一実施形態と同様の構成は、第一実施形態と同じ符号を付してその詳細な説明及び図面は省略又は簡略する。
第二実施形態では、図20に示すように、裏樋101の左側には、第1振動センサ300と、第2振動センサ301が取り付けられている。なお、本実施形態では、第1振動センサ300が、パチンコ機10に所定の振動が加わったときに振動を検知する第1の振動検知部材を構成する。また、第2振動センサ301が、パチンコ機10に前記所定の振動より大きな振動が加わったときに振動を検知する第2の振動検知部材を構成する。また、本実施形態では、第1振動センサ300及び第2振動センサ301が、振動検知手段を構成する。
第1振動センサ300は、衝撃(又は振動)が加わることにより揺動する振動増幅部302と、遊技盤YBに取り付けられる取付部303と、衝撃を検知する衝撃検知回路304が備えられている。
取付部303には、振動増幅部302が取り付けられる支軸305が、パチンコ機10の左右方向に水平に設けられている。また、振動増幅部302の先端には、錘306が固定されている。この錘306は、通常、図21に示すように、取付部303に固定された衝撃検知回路304に接触しており、パチンコ機10に衝撃(又は振動)が加わると、支軸305を中心として後方に揺動する。その後、錘306の自重により、支軸305を中心として前方へ移動し、衝撃検知回路304に衝突する。その錘306により、衝撃検知回路304に加わる衝撃は、パチンコ機10に加わる衝撃(又は振動)と比較して大きなものとなる。
衝撃検知回路304は、所定の閾値以上の衝撃力が予め決められた第1所定期間(本実施形態では、0.5秒間)以上加えられると、衝撃(又は振動)を検知したことを示す第1振動検知信号を出力する。衝撃検知回路304は、遊技球が遊技領域において、遊技釘や遊技球振分装置26等の役物に衝突した際に生じる衝撃力では、第1振動検知信号を出力することはなく、パチンコ機10全体が揺動する程度の衝撃力が加わらなければ、第1振動検知信号を出力しないようになっている。
次に、第2振動センサ301について説明する。第2振動センサ301も、第1振動センサ300と同様に、衝撃(又は振動)が加わることにより揺動する振動増幅部307と、遊技盤YBに取り付けられる取付部308と、衝撃を検知する衝撃検知回路309が備えられている。
取付部308には、振動増幅部307が取り付けられる支軸310が、パチンコ機10の左右方向に水平に設けられている。また、振動増幅部307の先端には、錘311が固定されている。この錘311は、通常、図21に示すように、取付部308に固定された衝撃検知回路309に接触しており、パチンコ機10に衝撃(又は振動)が加わると、支軸310を中心として後方に揺動する。その後、錘311の自重により、支軸310を中心として前方へ移動し、衝撃検知回路309に衝突する。その錘311により、衝撃検知回路309に加わる衝撃は、パチンコ機10に加わる衝撃(又は振動)と比較して大きなものとなる。
衝撃検知回路309は、所定の閾値以上の衝撃力が、第1所定期間より長い第2所定期間(本実施形態では、1.5秒間)以上加えられると、衝撃(又は振動)を検知したことを示す第2振動検知信号を出力する。衝撃検知回路304は、遊技球が遊技領域において、遊技釘や遊技球振分装置26等の役物に衝突した際に生じる衝撃力では、第2振動検知信号を出力することはなく、パチンコ機10全体が揺動する程度の衝撃力が加わらなければ、第2振動検知信号を出力しないようになっている。
ところで、振動増幅部302の錘306及び振動増幅部307の錘311は、同一の構成である(同じ重さである)。そして、振動増幅部302の錘306及び振動増幅部307の錘311は、同一の構成であれば、パチンコ機10に加わる力が大きければ大きいほど、揺動する時間が長くなり、パチンコ機10に加わる力が小さければ小さいほど、揺動する時間が短くなる。すなわち、衝撃検知回路304,309が所定の閾値以上の衝撃力を受ける時間が長ければ長いほど、パチンコ機10に加わる力が大きかったことを示し、受ける時間が短ければ短いほど、パチンコ機10に加わる力が小さいことを示している。
そして、衝撃検知回路309は、所定の閾値以上の衝撃力が、第1所定期間より長い第2所定期間以上加えられると、第2振動検知信号を出力するようになっている。このため、第2振動センサ301の衝撃検知回路309は、第1振動センサ300の衝撃検知回路304と比較して、パチンコ機10により大きな衝撃力が加わったとき(例えば、パチンコ機10が破損する虞があるような衝撃力)にしか振動検知信号を出力しないようになっている。
また、衝撃検知回路304及び衝撃検知回路309は、CPU85aと接続されており、CPU85aは、第1振動検知信号及び第2振動検知信号を入力することができる。第1振動センサ300から第1振動検知信号を入力することにより、CPU85aは、パチンコ機10に所定値以上の衝撃(又は振動)が加えられたことを検知することができる。また、第2振動センサ301から第2振動検知信号を入力することにより、CPU85aは、衝撃検知回路304が検知する衝撃力と比較して、パチンコ機10により大きな衝撃力が加えられたことを検知することができる。
次に、第二実施形態の振動不正判定処理について図22に基づき説明する。
CPU85aは、振動不正判定処理を実行すると、まず、入球検知スイッチSW1から遊技球が流入口29を通過した旨を示す検知信号を入力したか否かを判定する(ステップS401)。ステップS401の判定結果が肯定の場合、CPU85aは、特賞入球スイッチSW2、普通入賞口スイッチSW8,SW9の何れから検知信号を入力したか否かを判定する(ステップS402)。
ステップS402の判定結果が肯定の場合、CPU85aは、振動不正判定処理を終了する。一方、ステップS402の判定結果が否定の場合、CPU85aは、第1振動センサ300から第1振動検知信号を入力したか否かを判定する(ステップS403)。この判定結果が否定の場合、CPU85aは、振動不正判定処理を終了する。一方、ステップS403の判定結果が肯定の場合、CPU85aは、第1不正フラグに「1」を設定する(ステップS404)。
一方、ステップS401の判定結果が否定の場合(入球検知スイッチSW1から遊技球が流入口29を通過した旨を示す検知信号を入力していない場合)、CPU85aは、第2振動センサ301から第2振動検知信号を入力したか否かを判定する(ステップS405)。この判定結果が否定の場合、CPU85aは、振動不正判定処理を終了する。一方、ステップS405の判定結果が肯定の場合、CPU85aは、第2不正フラグに「1」を設定する(ステップS406)。
以上のように、CPU85aは、遊技球が遊技球振分装置26の内部に存在しているときには、第1振動検知信号を入力することにより、第1不正フラグを設定している。そして、第1振動検知信号が出力されるときは、遊技球が遊技領域において、遊技釘や遊技球振分装置26等の役物に衝突した際に生じる衝撃力より大きい衝撃力を受けたときであって、パチンコ機10全体が揺動する程度の衝撃力を受けたときである。従って、CPU85aは、遊技球が遊技球振分装置26の内部に存在している場合、遊技球が遊技領域において、遊技釘や遊技球振分装置26等の役物に衝突した際に生じる衝撃力より大きい衝撃力を受けたときであって、パチンコ機10全体が揺動する程度の衝撃力を受けたときに、不正行為が行われたと判定する。
一方、CPU85aは、遊技球が遊技球振分装置26の外部に存在しているときには、第2振動検知信号を入力することにより、第2不正フラグを設定している。そして、第2振動検知信号が出力されるときは、第1振動検知信号が出力されたときに加えられた衝撃力より大きい衝撃力を受けたときである。従って、CPU85aは、遊技球が遊技球振分装置26の外部に存在している場合、第1振動検知信号が出力されたときに加えられた衝撃力より大きい衝撃力を受けたときに、迷惑行為が行われたと判定する。
すなわち、本実施形態では、CPU85aは、遊技球が遊技球振分装置26の内部に存在しているときには、外部に存在しているときと比較して衝撃(又は振動)の力が小さくても、パチンコ機10全体が揺れるほどの振動であれば、不正行為が行われたと判定する。一方、CPU85aは、遊技球が遊技球振分装置26の外部に存在しているときには、内部に存在しているときと比較して衝撃(又は振動)の力が大きければ、不正行為であると判定せず迷惑行為が行われたと判定する。換言すれば、CPU85aは、遊技球が遊技球振分装置26の外部に存在しているときには、内部に存在しているときと同程度の衝撃(又は振動)の力では、不正行為であると判定せず、また迷惑行為であるとも判定しない。
以上詳述したように、本実施形態は、第一実施形態の効果(1)〜(9)に加えて、以下の効果を有する。
(11)CPU85aは、第1振動検知信号を入力したか否か、及び第2振動検知信号を入力したか否かによって、パチンコ機10が受けた振動の強さを判定することができる。このため、不正判定処理を単純化することができ、プログラム作成の手間を少なくすることができる。
尚、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
○上記実施形態において、普通図柄1変動ゲーム、普通図柄2変動ゲーム及び普通図柄3変動ゲームの各変動時間は、実施形態で説明した設定要領を逸脱しない範囲で変更しても良い。例えば、各変動ゲームの変動時間を全体的に短くしたり、長くしても良い。また、普通図柄1変動ゲームの変動時間として、普通図柄1変動ゲーム開始処理のステップS47を肯定判定する場合の変動時間をさらに長くしても良い。
○上記実施形態において、普通図柄1変動ゲーム開始処理のステップS47の判定において保留時間タイマの値と比較する時間(実施形態では「500(ms)」)を変更しても良い。
○上記実施形態において、遊技球振分装置26の構成を変更しても良い。例えば、中央回転体32や左下回転体55を、非回転式振分体50と同様の振分体(クルーン)に変更しても良い。その逆に、非回転式振分体50を、中央回転体32や左下回転体55と同様の回転体に変更しても良い。また、中央回転体32の回転式振分体35に形成する第1の保持溝39の数や、左下回転体55に形成する第2の保持溝56の数を変更しても良い。また、遊技球振分装置26へ遊技球を流入させる流入口29の数を増加させても良い。また、非回転式振分体50が振り分ける普通入賞口53,54の数や、左下回転体55が振り分ける普通入賞口63の数を増加させても良い。すなわち、これらの非回転式振分体50と左下回転体55は、少なくとも1つの普通入賞口へ遊技球を振り分けることができるように構成されていれば良い。
○上記実施形態において、普通図柄表示装置66の構成を変更しても良い。例えば、普通図柄表示装置66には、普通図柄1表示LED68a,68bのみ、又は普通図柄1表示LED68a,68bと普通図柄4表示LED74a,74bを設け、普通図柄2表示LED70a,70bと普通図柄3表示LED72a,72bを省略しても良い。このような構成の場合、普通図柄2変動ゲームや普通図柄3変動ゲームが遊技者に視認可能な状態で行われなくなるだけで、内部的には実施形態と同様に普通図柄2当り判定と普通図柄3当り判定による抽選がCPU85aによって行われ、変動時間の経過時に普通電動役物Hと普通電動役物Iが開放することになる。
○上記実施形態において、普通電動役物F〜Iの構成を変更しても良い。例えば、一対の開閉羽根を有する普通電動役物としても良い。
○上記実施形態において、普通図柄1作動口52、普通図柄2作動口75、普通図柄3作動口78及び普通図柄4作動口83における始動保留球の上限数を変更しても良い。
○上記実施形態において、各普通図柄変動ゲームを、例えば液晶表示器LHなどの画像式の表示器で行うようにしても良い。
○上記実施形態は、特定遊技状態と追加遊技状態を生起させる仕様のパチンコ遊技機10に具体化したが、特定遊技状態のみを生起させる仕様のパチンコ遊技機10に具体化しても良い。
○上記実施形態では、不正報知処理のステップS302、ステップS305及びステップS309において、CPU85aは、第1不正報知信号〜第3不正報知信号の出力を行ったが、行わなくても良い。また、不正報知処理のステップS302、ステップS305及びステップS309において、CPU85aは、第1不正報知信号〜第3不正報知信号の出力を行ったが、ステップS302及びステップ305の処理だけ実行して、第2不正報知信号の出力を行わなくても良い。また、不正報知処理のステップS302、ステップS305及びステップS309において、CPU85aは、第1不正報知信号及び第1不正報知信号と異なる第2不正報知信号の出力を行ったが、同一の振動不正報知信号を出力しても良い。
○上記実施形態では、不正報知処理において、CPU85aは、表示制御基板87及び音声・ランプ制御基板88に、振動不正報知及び磁気不正報知の実行を指示したが、表示制御基板87だけに指示しても良い。また、不正報知処理において、CPU85aは、音声・ランプ制御基板88に、迷惑報知の実行を指示しても良い。
○上記実施形態では、CPU85aは、入力処理において、第1不正フラグ又は第3不正フラグに「1」が設定された後、以降の遊技球の検知を無効としたが、無効にしなくても良い。また、同様に、CPU85aは、第1不正フラグ又は第3不正フラグに「1」が設定された後、賞球払出処理において、賞球の払い出しを指示しなかったが、賞球の払い出しを指示しても良い。
○上記実施形態の入力処理において、CPU85aは、第2不正フラグに「1」が設定された後、以降の遊技球の検知を無効としてもよい。同様に、上記実施形態の入力処理において、CPU85aは、第2不正フラグに「1」が設定された後、賞球払出処理において、賞球の払い出しを指示しなくてもよい。
○上記第二実施形態の第1振動センサ300及び第2振動センサ301は、所定の閾値以上の衝撃が加えられた時間の長さによって衝撃の強さを検出していたが、衝撃力そのものを検出できるようにしても良い。この場合、振動増幅部302の錘306の重さと、振動増幅部307の錘311の重さを変更すればよい。なお、第1振動センサ300が検知する振動よりも大きい振動だけを第2振動センサ301が検知するように錘306,311の重さを調整する必要がある。また、衝撃検知回路304の閾値と、衝撃検知回路309の閾値を変更しても良い。なお、第1振動センサ300が検知する振動よりも大きい振動だけを第2振動センサ301が検知するように閾値を調整する必要がある。
○上記第二実施形態の第1振動センサ300及び第2振動センサ301は、パチンコ機10に対して加えられた振動の力のみを検知していたが、振動が加えられた時間も計測できるようにしても良い。例えば、振動増幅部302の錘306を、パチンコ機10に所定の振動が加えられたときに揺動するような重さに変更すると共に、振動増幅部307の錘311を、パチンコ機10に所定の振動より大きい振動が加えられたときだけに揺動するような重さに変更する。そして、衝撃検知回路304は、所定の閾値以上の衝撃力が予め決められた第1期間(本実施形態では、2.0秒間)以上加えられると、衝撃(又は振動)を検知したことを示す第1振動検知信号を出力するように変更する。すなわち、衝撃検知回路304は、遊技球が遊技領域において、遊技釘や遊技球振分装置26等の役物に衝突した際に生じる衝撃力では、第1振動検知信号を出力することはなく、パチンコ機10全体が揺動する程度の衝撃力が、第1の所定期間の間加わらなければ、第1振動検知信号を出力しないようにする。また、衝撃検知回路309は、第1振動センサ300の衝撃検知回路304が検知する衝撃力よりも大きい衝撃力が、第1期間より短い第2期間(本実施形態では、0.5秒間)以上加えられると、衝撃(又は振動)を検知したことを示す第2振動検知信号を出力するように変更する。以上のようにすれば、第1振動センサ300及び第2振動センサ301は、パチンコ機10に対して加えられた振動の力及び振動が加えられた時間も計測できる。ところで、一般的に、不正に遊技球を所望の入賞口に誘導するためには、比較的長い期間の間、パチンコ機10をゆっくりと揺らす続ける必要がある一方、遊技に興奮して遊技機に衝撃を加える迷惑行為は、瞬間的に行われる。このため、所定の閾値以上の衝撃力が第2期間より長い第1期間以上加えられるときに、不正行為と判定し、第1振動センサ300の衝撃検知回路304が検知する衝撃力よりも大きい衝撃力が、第1期間より短い第2期間以上加えられたときに、迷惑行為と判定することにより、より正確に不正行為か又は迷惑行為かを判定することができる。
○上記実施形態では、振動センサ100、第1振動センサ300及び第2振動センサ301を裏樋101に配置したが、遊技者が触れることができない位置に配置するならば、パチンコ機10の任意の位置に配置しても良い。例えば、パチンコ機10の機裏側に振動センサ100、第1振動センサ300及び第2振動センサ301を配置しても良い。
○上記第二実施形態では、第1振動センサ300を第2振動センサ301の近傍に配置したが、遊技者が触れることができない位置に配置するならば、離れた位置に配置しても良い。例えば、第1振動センサ300を裏樋101に、第2振動センサ301を遊技盤YBに配置しても良い。なお、この場合、不正行為に繋がる振動を検知する第1振動センサ300は、不正行為に繋がる振動を精度良く検知する必要があるため、遊技球振分装置26の近傍に配置することが好ましい。
○上記実施形態において、CPU85aは、第2の不正行為が行われた場合に、表示制御基板87及び音声・ランプ制御基板88に第2の不正行為が行われたことを通知する第2不正報知信号を出力するようにしてもよい。そして、表示制御基板87及び音声・ランプ制御基板88は、当該第2不正報知信号を入力すると、迷惑行為が行われたことを報知する迷惑報知を液晶表示器LH、枠用ランプ15,16及びスピーカ23に実行させるように表示態様、発光態様及び音声出力態様を制御するようにしてもよい。その場合、表示制御基板87及び音声・ランプ制御基板88は、第1又は第3の不正行為が行われたことを報知する第1不正報知又は第3不正報知における報知態様と異なる態様にて報知する必要がある。これにより、遊技店は、報知態様を見る(又は聞く)ことにより、パチンコ機10で不正行為が行われたか否か及び迷惑行為が行われたか否かを認識できる。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記振動検知手段は、遊技機に所定の振動が加わったときに振動を検知する第1の振動検知部材と、遊技機に所定の振動より大きな振動が加わったときに振動を検知する第2の振動検知部材を備えており、前記振動不正判定手段は、前記通過検知手段が遊技球を検知してから前記入賞検知手段が遊技球を検知するまでの間に、前記振動検知手段の第1の振動検知部材が予め決められた第1期間継続して振動を検知した場合には、前記第1の不正行為と判定し、前記通過検知手段が遊技球を検知する前に又は前記入賞検知手段が遊技球を検知した後に、前記振動検知手段の第2の振動検知部材が第1期間より長い第2期間継続して振動を検知した場合には、前記第2の不正行為と判定することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
パチンコ遊技機の機表側を示す正面図。 遊技盤の正面図。 振分体と左下回転体の周辺を示す拡大図。 左下回転体の周辺を示す拡大図。 中央回転体の裏側を示す正面図。 中央回転体の裏側を示す斜視図。 電気的構成を示すブロック図。 始動保留球の記憶エリアを示す概念図。 電気的構成を詳細に示すブロック図。 入力処理を示すフローチャート。 普通図柄1変動ゲーム開始処理を示すフローチャート。 パチンコ遊技機の基本的なゲーム性を示すタイミングチャート。 裏樋を示す正面図。 遊技盤及び裏樋の側面を示す側面図。 パチンコ遊技機の左側面図。 遊技球振分装置の断面図。 振動不正判定処理を示すフローチャート。 磁気不正判定処理を示すフローチャート。 不正報知処理を示すフローチャート。 第二実施形態の裏樋を示す正面図。 第二実施形態の裏樋を示す側面図。 第二実施形態の振動不正判定処理を示すフローチャート。
符号の説明
F,G,H,I…普通電動役物、YB…遊技盤、H1…遊技領域、SW2…特賞入球スイッチ、26…遊技球振分装置、29…流入口、32…中央回転体、50…非回転式振分体、52…普通図柄1作動口、55…左下回転体、53,54,63…普通入賞口、61…連通口、68a,68b…普通図柄1表示LED、70a,70b…普通図柄2表示LED、72a,72b…普通図柄3表示LED、74a,74b…普通図柄4表示LED、85a…CPU、85b…ROM、85c…RAM、100…振動センサ、101…裏樋、200,201…磁気センサ、300…第1振動センサ、301…第2振動センサ。

Claims (2)

  1. 遊技球が流入可能な流入口を有すると共に流入した遊技球を誘導して複数の入賞口に振り分ける振分手段を有する誘導部材が遊技盤の遊技領域に配設され、複数の入賞口のうち所定の入賞口に遊技球が入賞したことを契機として遊技者に有利な特定遊技状態が付与される機会が与えられる遊技機において、
    前記流入口を遊技球が通過したことを検知する通過検知手段と、
    前記入賞口に遊技球が入賞したことを検知する入賞検知手段と、
    前記遊技機に対する振動を検知する振動検知手段と、
    前記遊技機に対する磁気を検知する磁気検知手段と、
    前記振動検知手段からの振動検知のタイミング及び遊技機に対する振動の大きさに基づき、振動による第1の不正行為が行われているか否か、及び前記振動による第1の不正行為とは異なる振動による第2の不正行為が行われているか否かを判定する振動不正判定手段と、
    前記磁気検知手段からの遊技機に対する磁気の大きさに基づき、磁気による第3の不正行為が行われているか否かを判定する磁気不正判定手段と、
    前記振動不正判定手段と前記磁気不正判定手段の判定内容に基づいて不正報知内容を決定する不正報知内容決定手段と、
    前記振動不正判定手段が振動による第1又は第2の不正行為が行われたと判定した場合、または前記磁気不正判定手段が磁気による第3の不正行為が行われたと判定した場合、行われた各不正行為に関する情報をそれぞれ遊技機の外部に出力する出力手段を備え、
    前記振動不正判定手段は、前記通過検知手段が遊技球を検知してから前記入賞検知手段が遊技球を検知するまでの間に、前記振動検知手段が所定の大きさの振動を検知した場合には、前記振動による第1の不正行為と判定し、前記通過検知手段が遊技球を検知するよりも前に、又は前記入賞検知手段が遊技球を検知した後に、前記振動検知手段が前記所定の大きさの振動よりも大きい振動を検知した場合には、前記振動による第2の不正行為と判定し、
    前記不正報知内容決定手段は、
    前記振動不正判定手段により振動による第1の不正行為が行われたと判定された場合には、当該振動による第1の不正行為を遊技機に設けられた不正報知手段によって報知させると共に前記出力手段によって第1の不正行為に関する情報を外部に出力させ
    前記振動不正判定手段により振動による第2の不正行為が行われたと判定された場合には、当該振動による第2の不正行為を前記不正報知手段によって報知させることなく、前記出力手段によって第2の不正行為に関する情報を外部に出力させ、
    記磁気不正判定手段により磁気による第3の不正行為が行われたと判定された場合には、前記振動不正判定手段により振動による第1又は第2の不正行為が行われたと判定された場合であっても磁気による第3の不正行為を優先的に前記不正報知手段によって報知させると共に前記出力手段によって第3の不正行為に関する情報を外部に出力させることを特徴とする遊技機。
  2. 前記不正報知内容決定手段は、振動による第1の不正行為を報知させた後に、前記磁気不正判定手段により磁気による第3の不正行為が行われたと判定した場合には、磁気による第3の不正行為が行われたことを優先的に報知させる一方、磁気による第3の不正行為を報知させた後に、前記振動不正判定手段により振動による第1の不正行為が行われたと判定した場合には、磁気による第3の不正行為の報知を継続させることを特徴とする請求項1に記載の遊技機
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