以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。なお、以下では、パチンコ遊技機1を、単に、遊技機1という場合がある。
[パチンコ遊技機1の概略構成]
以下、図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1の概略構成について説明する。なお、図1は、本発明の一実施形態に係る遊技機1の一例を示す概略正面図である。図2は、遊技機1に設けられた表示器4の一例を示す拡大図である。図3は、遊技機1の部分平面図である。
図1において、遊技機1は、例えば遊技者の操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたパチンコ遊技機である。この遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材5とを備えている。枠部材5は、軸支側に設けられた蝶番を中心に、遊技機1の主部に対して開閉可能に構成されている。そして、枠部材5の前面側となる所定位置(例えば、軸支側とは反対側となる端部)には錠部43が設けられており、錠部43を開錠することによって枠部材5を開くことが可能となる。
遊技盤2は、その前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域20が形成されている。遊技領域20には、下方(発射装置211;図4参照)から発射された遊技球が遊技盤2の主面に沿って上昇して遊技領域20の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材(図示せず)と、上昇した遊技球を遊技領域20の右側に案内する案内部材(図示せず)とが備えられている。遊技者は、後述するレバー32の回転操作角度を調整することで遊技球の発射力を調整し、小さな発射力で例えば矢印10で示すように遊技領域20の左側領域(遊技者から見て左側の領域)に向けて遊技球を発射する(以下、左打ちという)ことができるとともに、より大きな発射力で例えば矢印11で示すように遊技領域20の右側領域(遊技者から見て右側の領域)に向けて遊技球を発射する(以下、右打ちという)ことができる。
また、遊技盤2には、遊技者により視認され易い位置に、各種演出のための画像を表示する画像表示部6が配設されている。画像表示部6は、遊技者による遊技の進行に応じて、例えば、装飾図柄を表示することによって特別図柄抽選(大当り抽選)の結果を遊技者に報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現等による予告演出を表示したり、特別図柄抽選が保留されている回数を示す保留画像を表示したりする。なお、画像表示部6は、液晶表示装置やEL(Electro Luminescence:電界発光)表示装置等によって構成されるが、他の任意の表示装置を利用してもよい。さらに、遊技盤2の前面には、各種の演出に用いられる可動役物7および盤ランプ8が設けられている。可動役物7は、遊技盤2に対して可動に構成され、遊技の進行に応じて又は遊技者の操作に応じて、所定の動作を行うことによって演出を行う。また、盤ランプ8は、遊技の進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。
遊技領域20には、遊技球の落下方向を変化させる遊技くぎ及び風車(共に図示せず)等が配設されている。また、遊技領域20には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。なお、図1においては、入賞や抽選に関する種々の役物の一例として、第1始動口21、第2始動口22、第1ゲート25a、第2ゲート25b、大入賞口23、および普通入賞口24が遊技盤2に配設されている。さらに、遊技領域20には、遊技領域20に打ち出された遊技球のうち何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球を、
遊技領域20の外に排出する排出口26が配設されている。
第1始動口21は、左打ちされた遊技球が流下する経路の途上に位置するように遊技領域20の中央下領域に配置され、第1ゲート25aおよび普通入賞口24は、左打ちされた遊技球が流下する経路の途上に位置するように遊技領域20の左領域に配置されている。また、第2ゲート25bおよび大入賞口23は、右打ちされた遊技球が流下する経路の途上に位置するように遊技領域の右領域に配置されている。また、遊技くぎや仕切り板等の規制部材(不図示)により、遊技球の流下可能な経路は規制されており、左打ちされた遊技球は、第2ゲート25bの通過、および大入賞口23へ入賞できないように規制されており、右打ちされた遊技球は、第1ゲート25aの通過、および第1始動口21へ入賞できないように規制されている。また、第2始動口22は、左打ちされた遊技球、および右打ちされた遊技球がともに流下可能な経路途上に位置するように遊技領域20の中央下領域(第1始動口21の下領域)に配置されており、左打ちによっても右打ちによっても第2始動口22へ遊技球を入賞させることができる。但し、上述した遊技くぎや仕切り板等の規制部材により、左打ちよりも右打ちの方が第2始動口22へ遊技球を入賞させやすくなっている。このため、遊技者は、第1始動口21へ遊技球を入賞させるのか、大入賞口23または第2始動口22へ遊技球を入賞させるのか、その目的に応じて、左打ちおよび右打ちを使い分けることになる。
第1始動口21および第2始動口22は、それぞれ遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当り抽選)が始動する。第1始動口21は、予め定められた特別電動役物(大入賞口23)および/または予め定められた特別図柄表示器(後述する第1特別図柄表示器4a)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。また、第2始動口22は、上記特別電動役物および/または予め定められた特別図柄表示器(後述する第2特別図柄表示器4b)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。第1ゲート25aまたは第2ゲート25bを遊技球が通過すると普通図柄抽選(下記の電動チューリップ27の開閉抽選)が始動する。なお、普通入賞口24に遊技球が入賞しても抽選は始動しない。
第2始動口22は、第1始動口21の下部に設けられ、普通電動役物の一例として、遊技球の入口近傍に電動チューリップ27を備えている。電動チューリップ27は、チューリップの花を模した一対の羽根部を有しており、後述する電動チューリップ開閉部112(例えば、電動ソレノイド)の駆動によって当該一対の羽根部が左右に開閉する。電動チューリップ27は、一対の羽根部が閉じていると、第2始動口22の入口へ案内される開口幅が極めて狭いため、遊技球が第2始動口22へ入らない閉状態となる。一方、電動チューリップ27は、一対の羽根部が左右に開くと、第2始動口22の入口へ案内される開口幅が拡大するため、遊技球が第2始動口22へ入り易い開状態となる。そして、電動チューリップ27は、第1ゲート25aまたは第2ゲート25bを遊技球が通過して普通図柄抽選に当選すると、一対の羽根部が規定時間(例えば、0.10秒間、5.5秒間または3.0秒間)開き、規定回数(例えば、1回または2回)だけ開閉する。この普通図柄抽選および電動チューリップ27の動作(開放パターン)については、図7を用いて後述する。
大入賞口23は、遊技領域20の右領域に位置し、特別図柄抽選の結果に応じて開放する。大入賞口23は、通常は閉状態であり遊技球が入ることがない状態となっているが、特別図柄抽選の結果に応じて遊技盤2の主面から突出傾斜して開状態となって遊技球が入り易い状態となる。例えば、大入賞口23は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態となるラウンドを、所定回数(例えば、16回)だけ繰り返す。
また、遊技盤2の右下には、上述した特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果や保留数に関する表示を行う表示器4が配設されている。表示器4の詳細については後述する。
ここで、賞球の払い出しについて説明する。第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、および普通入賞口24に遊技球が入る(入賞する)と、遊技球が入賞した場所に応じて、1つの遊技球当たり規定個数の賞球が払い出される。例えば、第1始動口21および第2始動口22に遊技球が1個入賞すると3個の賞球、大入賞口23に遊技球が1個入賞すると13個の賞球、普通入賞口24に遊技球が1個入賞すると10個の賞球がそれぞれ払い出される。なお、第1ゲート25aおよび第2ゲート25bを遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは無い。
遊技機1の前面となる枠部材5には、ハンドル31、レバー32、停止ボタン33、取り出しボタン34、スピーカ35、枠ランプ36、演出ボタン37、演出キー38、および皿39等が設けられている。
遊技者がハンドル31に触れてレバー32を時計回りに回転させる操作を行うと、その操作角度に応じた打球力にて所定の時間間隔(例えば、1分間に100個)で、発射装置211(図4参照)が遊技球を電動発射する。皿39(図3参照)は、遊技機1の前方に突出して設けられ、発射装置211に供給される遊技球を一時的に溜めておく。また、皿39には、上述した賞球が払い出される。そして、皿39に溜められた遊技球は、遊技者のレバー32による操作と連動したタイミングで、供給装置(図示せず)によって1つずつ発射装置211に供給される。
停止ボタン33は、ハンドル31の下部側面に設けられ、ハンドル31に遊技者が触れてレバー32を時計回りに回転させている状態であっても、遊技者に押下されることによって遊技球の発射を一時的に停止させる。取り出しボタン34は、皿39が設けられた位置近傍の前面に設けられ、遊技者に押下されることによって皿39に溜まっている遊技球を箱(図示せず)に落下させる。
スピーカ35および枠ランプ36は、それぞれ遊技機1の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりする。スピーカ35は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。また、枠ランプ36は、点灯/点滅によるパターンや発光色の違い等によって光による各種の演出を行う。
次に、図2を参照して、遊技機1に設けられる表示器4について説明する。図2において、表示器4は、第1特別図柄表示器4a、第2特別図柄表示器4b、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、普通図柄表示器4e、普通図柄保留表示器4f、および遊技状態表示器4gを備えている。
第1特別図柄表示器4aは、第1始動口21に遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、第1特別図柄表示器4aは、7セグ表示装置で構成され、第1始動口21に遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。また、第2特別図柄表示器4bは、第2始動口22に遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、第2特別図柄表示器4bも同様に、7セグ表示装置で構成され、第2始動口22に遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。普通図柄表示器4eは、第1ゲート25a、第2ゲート25bを遊技球が通過することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、普通図柄表示器4eは、LED表示装置で構成され、遊技球が第1ゲート25a、第2ゲート25bを通過した場合、普通図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。
第1特別図柄保留表示器4cは、第1始動口21に遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。第2特別図柄保留表示器4dは、第2始動口22に遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。普通図柄保留表示器4fは、普通図柄抽選を保留している回数を表示する。例えば、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、および普通図柄保留表示器4fは、それぞれ列設されたLED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留回数が表示される。
遊技状態表示器4gは、遊技機1の電源投入時点における遊技状態(通常状態、時短状態等)を表示する。
次に、図3を参照して、遊技機1に設けられる入力装置について説明する。図3において、遊技機1には、入力装置の一例として、演出ボタン37および演出キー38が設けられている。
演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者が演出に対する入力を行うために設けられている。演出ボタン37は、遊技機1の前方に突出した皿39の上面脇部に設けられる。演出キー38は、中央キーと略十字に配列された4つの方向キーとを有し、演出ボタン37に隣接して皿39の上面脇部に設けられる。演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者に押下されることによって所定の演出が行われる。例えば、遊技者は、所定のタイミングで演出ボタン37を押下することによって所定の演出を楽しむことができる。また、遊技者は、演出キー38の4つの方向キーを操作することにより、画像表示部6に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶこと等が可能である。また、遊技者は、演出キー38の中央キーを操作することにより、選んだ画像を情報として入力することが可能である。
また、遊技機1の背面側には、払出用の遊技球を溜めておく球タンクや遊技球を皿39に払い出す払出装置(払出駆動部311)が設けられ、各種の基板等が取り付けられている。例えば、遊技盤2の後面には、メイン基板およびサブ基板等が配設されている。具体的には、メイン基板には、内部抽選および当選の判定等を行うメイン制御部100(図4参照)が構成されたメイン制御基板が配設されている。サブ基板には、遊技球を遊技領域20の上部へ発射する発射装置211を制御する発射制御部200(図4参照)が構成された発射制御基板、賞球の払出を制御する払出制御部300が構成された払出制御基板、演出を統括的に制御する演出制御部400が構成された演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像音響制御部500が構成された画像制御基板、および各種のランプ(枠ランプ36、盤ランプ8)や可動役物7による演出を制御するランプ制御部600が構成されたランプ制御基板等が配設されている。また、遊技盤2の後面には、遊技機1の電源オン/オフを切り替えると共に、遊技機1に供給された24V(ボルト)の交流電力を各種電圧の直流電力に変換して、それぞれの電圧の直流電力を上述した各種の基板等に出力するスイッチング電源が配設されている。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
次に、図4を参照して、遊技機1における動作制御や信号処理を行う制御装置について説明する。なお、図4は、遊技機1に設けられた制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4において、遊技機1の制御装置は、メイン制御部100、発射制御部200、払出制御部300、演出制御部400、画像音響制御部500、およびランプ制御部600等を備えている。
メイン制御部100は、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)101、ROM(Read Only Memory)102、およびRAM(Random Access Memory)103を備えている。CPU101は、内部抽選および当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM102には、CPU101により実行されるプログラムや各種データ等が記憶されている。RAM103は、CPU101の作業用メモリ等として用いられる。以下、メイン制御部100の主な機能について説明する。
メイン制御部100は、第1始動口21または第2始動口22に遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当り抽選)を行い、特別図柄抽選で当選したか否かを示す判定結果データを演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、電動チューリップ27の羽根部が開状態となる開時間や羽根部が開閉する回数、さらには羽根部が開閉する開閉時間間隔を制御する。また、メイン制御部100は、遊技球が第1始動口21へ入賞したときの特別図柄抽選の実行保留回数、遊技球が第2始動口22へ入賞したときの特別図柄抽選の実行保留回数、および遊技球が第1ゲート25a、第2ゲート25bを通過したときの普通図柄抽選の実行保留回数をそれぞれ管理し、これらの保留回数に関連するデータを演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口23の開閉動作を制御する。例えば、メイン制御部100は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで、大入賞口23が突出傾斜して開状態となるラウンドを所定回数(例えば、16回)だけ繰り返すように制御する。また、メイン制御部100は、大入賞口23が開閉する開閉時間間隔を制御する。
メイン制御部100は、遊技の進行に応じて遊技状態を変化させ、又、遊技の進行に応じて、特別図柄抽選の当選確率、特別図柄抽選の実行間隔(特別図柄が表示器4に変動表示されて停止表示される時間と言ってもよい)、電動チューリップ27の開閉動作等を変化させる。
メイン制御部100は、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、および普通入賞口24に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように払出制御部300に対して指示する。なお、メイン制御部100は、第1ゲート25aおよび第2ゲート25bを遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しを払出制御部300に指示しない。払出制御部300がメイン制御部100の指示に応じて賞球の払い出しを行った場合、払出制御部300から払い出した賞球の個数に関する情報がメイン制御部100へ送られる。そして、メイン制御部100は、払出制御部300から取得した情報に基づいて、払い出した賞球の個数を管理する。
上述した機能を実現するために、メイン制御部100には、第1始動口スイッチ111a、第2始動口スイッチ111b、電動チューリップ開閉部112、第1ゲートスイッチ113a、第2ゲートスイッチ113b、大入賞口スイッチ114、大入賞口開閉部115、普通入賞口スイッチ116、表示器4(第1特別図柄表示器4a、第2特別図柄表示器4b、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、普通図柄表示器4e、普通図柄保留表示器4f、および遊技状態表示器4g)が接続されている。
第1始動口スイッチ111aは、第1始動口21へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。第2始動口スイッチ111bは、第2始動口22へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。電動チューリップ開閉部11
2は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、電動チューリップ27の一対の羽根部を開閉する。第1ゲートスイッチ113aは、第1ゲート25aを遊技球が通過したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。第2ゲートスイッチ113bは、第2ゲート25bを遊技球が通過したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口スイッチ114は、大入賞口23へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口開閉部115は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、大入賞口23を開閉する。普通入賞口スイッチ116は、普通入賞口24へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。
[本実施形態のスイッチ処理について]
以下では、本実施形態のスイッチ処理(遊技球通過判定処理)について、具体的に説明する。なお、この遊技球通過判定処理は、上記した第1始動口21、第2始動口22、第1ゲート25a、第2ゲート25b、大入賞口23等に遊技球が入球(又は通過)したことを判定する場合に限らず、例えば、払い出した賞球(賞球数)を払出制御部300が判定(カウント)する場合等にも実行される。
図5は、上記した第1始動口21等への遊技球入賞(通過)を検出するための第1始動口スイッチ111a等として設置される近接スイッチの出力信号の例、および、この出力信号を通過判定閾値(5V)を用いてONレベルとOFFレベルとに2値化した2値化信号の例について説明するための図である。なお、近接スイッチは、一例として、長方形のプレートに遊技球が通過する円形の貫通孔を有しており、この貫通孔を遊技球が通過する際の磁束の変化に対応した電圧の出力信号を出力する直流2線式電子スイッチである。図5の点線で示すように、近接スイッチの出力信号の電圧レベルは、遊技球が貫通孔の中心に近づくにつれて降下していき、遊技球が貫通孔の中心に達する辺りで最小(極小)となり、遊技球が貫通孔の中心を通り過ぎて離れるにつれて上昇していく。また、図5に示すように、近接スイッチの出力信号は、コンパレータ(図示なし)によって、電圧レベルが通過判定閾値(5V)よりも大きいときには2値化信号のOFFレベルに変換され、電圧レベルが通過判定閾値(5V)以下のときには2値化信号のONレベルに変換される。なお、図5の例では、判定に用いる通過判定閾値を1つの通過判定閾値(5V)として説明したが、例えば、OFFレベルからONレベルに切り替わる際には第1の通過判定閾値(5V)を用いる一方で、ONレベルからOFFレベルに切り替わる際には第2の通過判定閾値(6V)を用いる構成としてもよい。これにより、ノイズの影響等で通過判定閾値を跨いで近接スイッチの出力信号が上下することによって2値化信号が不適切にON/OFF間で行き来することを防止できる。
そして、図8を用いて後述するメイン制御部100により4ミリ秒(4ms)間隔で実行されるタイマ割り込み処理における各処理の一部として、図5に示す2値化信号を4ミリ秒間隔でON/OFF判定することによって、遊技球の通過判定を行う。以下、具体的に説明する。
図5に示すように、2値化信号に対して、ONレベルであるのかOFFレベルであるのかが4ミリ秒間隔で判定(ON/OFF判定)される。図5では、自然数nを用いて、ON/OFF判定の順番を表している。また、図5では、n−2回目からn回目のON/OFF判定によってOFFレベルと判定され、その後、n+1回目のON/OFF判定によってONレベルと判定されている。ここで、本実施形態では、ONレベルと判定された場合には、このONレベルと判定したON/OFF判定の処理において、4ミリ秒間隔よりも短い所定の微小時間(例えば4マイクロ秒)が経過したタイミングで2回目のON/OFF判定を実行する。図5では、n+1回目のタイマ割り込み処理におけるON/OFF判定で2回ともONレベルと判定されている。その後、n+2回目からn+4回目のON/OFF判定によってOFFレベルと判定されている。なお、2値化信号のONレベルの
期間(ON期間という)が図5の場合よりも長く(つまり、遊技球が図5の場合よりも遅い速度で通過して)例えばn+2回目のON/OFF判定もON期間に実行される場合には、n+2回目のON/OFF判定においても2回の判定を実行する。
本実施形態では、図5に示すように、n回目のON/OFF判定によってOFFレベルと判定されて、n+1回目のON/OFF判定によって2回ONレベルと判定されると、近接スイッチの貫通孔を遊技球が1つ通過したと判定する。なお、これらのON/OFF判定は、例えば第1始動口スイッチ111aとして設置された近接スイッチに対しては、メイン制御部100(より正確にはCPU101)が実行し、例えば払出制御部300に接続された遊技球の払い出し数を検出するための近接スイッチに対しては、払出制御部300(より正確にはCPU301)が実行する(図4参照)。
ここで、図5に示すn+1回目のON/OFF判定における上記した所定の微小時間(例えば4マイクロ秒)は、遊技球通過判定の演算処理を実行するためのソフトウエアのプログラミング内容によって予め設定される。つまり、上記した所定の微小時間は、このプログラミング内容によって任意な時間に設定できる可変時間である。遊技機1には微細周期のノイズ(例えば3〜15マイクロ秒周期のノイズ)が発生する場合があり、このノイズの周期は、遊技機の機種に或る程度依存している。例えば、或る機種の遊技機には5マイクロ秒周期のノイズが発生し易く、或る機種の遊技機には9マイクロ秒周期のノイズが発生し易い。そこで、本実施形態では、上記した所定の微小時間をプログラミング内容によって任意な時間に設定できる構成とすることによって、微細周期のノイズによる誤判定を有効に回避することができる。なお、上記した所定の微小時間を設けるための演算処理は、遊技進行には関係しない処理であって時間を稼ぐためだけの処理である。例えば、1マイクロ秒の時間を要する処理を4回繰り返すことによって、上記した所定の微小時間として4マイクロ秒をソフト的に設けることができる。
ところで、近年の遊技機では、演算処理内容の増大により演算処理の負荷が増大したために、以前の遊技機では2ミリ秒であったタイマ割り込み処理の実行間隔は4ミリ秒に延長され、このため、図5を用いて説明したように、近接スイッチを用いたON/OFF判定も2ミリ秒間隔から延長されて4ミリ秒間隔で実行される。
ここで、以前の遊技機は、n回目のON/OFF判定でOFFレベルと判定してn+1回目のON/OFF判定でONレベルと判定してn+2回目のON/OFF判定でONレベルと判定したことをもって1つの遊技球が通過したと判定していた(以下、「以前の判定方法」という)。つまり、3回のタイマ割り込み処理による3回のON/OFF判定によって遊技球通過を判定していた。なお、このようにn+1回目およびn+2回目でONレベルと判定するのは、ノイズにより偶然ONレベルと1回判定されたことによって遊技球が通過したと誤判定することを回避するためである。しかしながら、ON/OFF判定の間隔が4ミリ秒間隔に延長された近年の遊技機においては、上記した以前の判定方法では、速い速度で通過する遊技球の通過を判定することはできない。例えば、図5に示すような2値化信号のONレベルの期間(ON期間)が非常に短くなる(例えば7ミリ秒前後)ほど、速い速度で通過する遊技球の通過を判定することは困難となってしまう。そこで、本実施形態では、図5を用いて説明した判定方法により、1つの遊技球が通過したと判定する。このことから、本実施形態によれば、2回のタイマ割り込み処理によるON/OFF判定によって、ノイズによる誤判定を防止しつつ確実に遊技球通過を判定することができる。
ところで、遊技機1には、遊技機1への電源供給が遮断されたことを検知するための電源監視回路、近接スイッチの配線が断線したことを検知するための断線検知回路、および近接スイッチの配線が短絡(ショート)したことを検知するための短絡検知回路等の異常
検知回路(何れも図示なし)が設けられている。これらの異常検知回路は、異常発生を判定するための閾値(異常判定レベル)を、図5に示した通過判定閾値(5V)よりも高い電圧レベルに設けることによって、断線、電源遮断、又は短絡により近接スイッチの出力信号の電圧が低下した場合に、この出力信号の電圧が通過判定閾値まで降下する前に異常を判定して、遊技球が通過したと誤判定することを防止している。このように、通過判定閾値よりも高い電圧レベルに異常判定レベルを設けているため、通過判定閾値を高い値(例えば10V)にすることによってON期間を長く取ることは困難である(図5参照)。この結果として、遊技機1において、出力信号のON期間を長く取って、上記した以前の判定方法を用いて遊技球通過を判定することは、現実的ではない。
なお、以上に説明したスイッチ処理において、ON判定されたタイマ割り込み処理の後に実行されるON判定されるタイマ割り込み処理においては、2回目のON/OFF判定は行わない構成としてもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、2値化信号がONからOFFに切り替わるところを検出して遊技球の通過を判定する構成としてもよい。つまり、図5において、n+1回目のタイマ割り込み処理で2回ON判定してn+2回目のタイマ割り込み処理でOFF判定したことを持って1つの遊技球が通過したと判定してもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、1回のタイマ割り込み処理(ON検出)において、3回以上ON/OFF判定を行ってもよいし、又、1回のタイマ割り込み処理(OFF検出)において、2回以上ON/OFF判定を行ってもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、近接スイッチの出力信号(アナログ信号)を2値化信号(デジタル信号)に変換することなく遊技球通過判定を行う構成としてもよい。つまり、近接スイッチの出力信号(アナログ信号)に対して通過判定閾値(5V)以下か否かを判定することによって、遊技球通過判定を行ってもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、近接スイッチの出力信号は、遊技球非検出時には低電圧レベルであり遊技球検出時に高電圧レベルになる出力信号であり、この出力信号を反転させる信号反転手段によりこの出力信号を反転させて図5の点線で示すような信号に変換する構成としてもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、近接スイッチ自身がアナログ信号を2値化信号に変換して出力する構成を備えて、近接スイッチから2値化信号が出力される構成としてもよい。
以上で、本実施形態のスイッチ処理(遊技球通過判定処理)についての説明を終了し、説明は図4に戻る。
また、メイン制御部100は、第1始動口21への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(以下、第1特別図柄抽選という場合がある)の結果を、第1特別図柄表示器4aに表示する。メイン制御部100は、第2始動口22への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(以下、第2特別図柄抽選という場合がある)の結果を、第2特別図柄表示器4bに表示する。メイン制御部100は、第1特別図柄抽選を保留している保留回数を、第1特別図柄保留表示器4cに表示する。メイン制御部100は、第2特別図柄抽選を保留している保留回数を、第2特別図柄保留表示器4dに表示する。メイン制御部100は、第1ゲート25a、第2ゲート25bへの遊技球の通過により始動した普通図柄抽選の結果を、普通図柄表示器4eに表示する。メイン制御部100は、普通図柄抽選を保留している保留回数を、普通図柄保留表示器4fに表示する。また、メイン制御部100は、遊技機1の電源投入時にその時点の遊技状態を遊技状態表示器4gに表示する。
発射制御部200は、CPU201、ROM202、およびRAM203を備えている。CPU201は、発射装置211に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM202は、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。R
AM203は、CPU201の作業用メモリ等として用いられる。
レバー32は、その位置が中立位置にある場合、信号を出力せずに発射停止状態となる。そして、レバー32は、遊技者によって時計回りに回転操作されると、その回転角度に応じた信号を打球発射指令信号として発射制御部200に出力する。発射制御部200は、打球発射指令信号に基づいて、発射装置211の発射動作を制御する。例えば、発射制御部200は、レバー32の回転角度が増すほど、遊技球が発射される速度が速くなるように、発射装置211の動作を制御する。発射制御部200は、停止ボタン33が押下された信号が出力された場合、発射装置211が遊技球を発射する動作を停止させる。
払出制御部300は、CPU301、ROM302、およびRAM303を備えている。CPU301は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。ROM302は、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM303は、CPU301の作業用メモリ等として用いられる。
払出制御部300は、メイン制御部100から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。具体的には、払出制御部300は、メイン制御部100から、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部311を制御する。ここで、払出駆動部311は、遊技球の貯留部(球タンク)から遊技球を送り出す駆動モータ等で構成される。
演出制御部400は、CPU401、ROM402、RAM403、およびRTC(リアルタイムクロック)404を備えている。また、演出制御部400には、遊技者によって操作される演出キー38が接続され、演出制御部400は、遊技者による演出キー38の操作に応じて演出キー38から出力される操作データを取得する。また、演出制御部400は、ランプ制御部600を介して演出ボタン37から出力される操作データを取得する。これは、演出ボタン37が、遊技者の操作入力を受け付ける役割に加えて、ランプ制御部600の制御により突出動作や振動動作や発光動作等を行う可動役物としての役割を担っていることから、ランプ制御部600に接続されているためである。CPU401は、演出を制御する際の演算処理を行う。ROM402は、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM403は、CPU401の作業用メモリ等として用いられる。RTC404は、現時点の日時を計測する。
演出制御部400は、メイン制御部100から送られる特別図柄抽選結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。また、演出制御部400は、遊技者によって演出ボタン37または演出キー38が押下操作された場合、当該操作入力や検出結果に応じて演出内容を設定する場合もある。
画像音響制御部500は、CPU501、ROM502、およびRAM503を備えている。CPU501は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行う。ROM502は、CPU501にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM503は、CPU501の作業用メモリ等として用いられる。
画像音響制御部500は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、画像表示部6に表示する画像およびスピーカ35から出力する音響を制御する。具体的には、画像音響制御部500のROM502には、特別図柄抽選結果を報知等するための装飾図柄画像、予告演出や先読み予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等の画像、特別図柄抽選が保留されていることを示す保留画像、および各種背景画像等を、画像表示部6に表示するための画像データが記憶されている。また、画像音響制御部500のROM5
02には、画像表示部6に表示される画像と同期させて、または表示される画像とは独立に、スピーカ35から出力させる楽曲や音声等の各種音響データが記憶されている。画像音響制御部500のCPU501は、ROM502に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU501は、読み出した画像データを用いて、背景画像表示、装飾図柄画像表示、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理を行って、演出制御部400から送られたコマンドに対応した各種演出表示を行う。そして、CPU501は、画像処理された画像データが示す画像を画像表示部6に表示する。また、CPU501は、読み出した音響データを用いて音声処理を行い、音声処理された音響データが示す音響をスピーカ35から出力する。
ランプ制御部600は、CPU601、ROM602、およびRAM603を備えている。CPU601は、盤ランプ8や枠ランプ36の発光、および可動役物7や演出ボタン37の動作を制御する際の演算処理を行う。ROM602は、CPU601にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM603は、CPU601の作業用メモリ等として用いられる。
ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、可動役物7や演出ボタン37の動作を制御する。具体的には、ランプ制御部600のROM602には、演出制御部400により設定される演出内容に応じた盤ランプ8や枠ランプ36での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した発光パターンデータに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36の発光を制御する。また、ROM602には、演出制御部400により設定される演出内容に応じた可動役物7や演出ボタン37の動作パターンデータが記憶されている。なお、演出ボタン37は、遊技者による操作入力受付手段であると共に、動作(突出動作等)による演出を行う演出手段である。CPU601は、ROM602に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した動作パターンデータに基づいて、可動役物7や演出ボタン37の動作を制御する。
また、ランプ制御部600には、遊技者によって操作される演出ボタン37が接続され、ランプ制御部600は、遊技者による演出ボタン37の操作に応じて演出ボタン37から出力される操作データを取得して、当該操作データを演出制御部400に伝達する。
なお、演出制御部400は、ランプ制御部600から伝達される演出ボタン37の操作データ、および演出キー38から出力された操作データに基づいて、画像音響制御部500に対して、演出ボタン37および演出キー38の操作状態を通知する。ここで、演出ボタン37および演出キー38の操作状態とは、操作が行われているか否かや、どのような操作が行われているか(例えば、演出ボタン37の長押しや、演出キー38の左方向キーの押下)等を含む情報である。したがって、例えば演出ボタン37が遊技者によって操作された場合、ランプ制御部600によって検出された演出ボタン37の操作状態が、演出制御部400を介して画像音響制御部500に伝達される。このため、画像音響制御部500は、演出制御部400から伝達される演出ボタン37の操作状態に基づいて、演出内容を変化させることもできる。
[本実施形態における遊技状態の概要]
次に、本実施形態における遊技機1の遊技状態について説明する。遊技機1の遊技状態としては、高確状態、低確状態、電サポ状態、非電サポ状態、時短状態、非時短状態、大当り遊技状態が少なくとも存在する。低確状態は、特別図柄抽選の当選確率が通常の低確率(例えば1/300)に設定されている遊技状態であり、高確状態は、特別図柄抽選の当選確率が、低確状態よりも高確率(例えば1/50)に設定されている遊技状態である。非電サポ状態は、普通図柄抽選の当選確率が通常の低確率(例えば1/10)であり、普通図柄抽選の実行時間(普通図柄の変動時間)が通常の時間(例えば30秒)であり、普通図柄抽選に当選した場合、電動チューリップ27が低確率(例えば2/10)で長時間(例えば5.50秒間を1回)開放されるように制御される一方で、高確率(例えば8/10)で極短時間(例えば0.10秒間を1回)しか開放制御されない遊技状態であり、このため、電動チューリップ27が長時間開放され難く第2始動口22に遊技球が入球し難い遊技状態である。電サポ状態は、普通図柄抽選の当選確率が非電サポ状態よりも高確率(例えば10/10)であり、普通図柄抽選の実行時間(普通図柄の変動時間)が非電サポ状態よりも短時間(例えば3秒)であり、普通図柄抽選に当選した場合に電動チューリップ27が長時間(例えば3.00秒間を2回)開放されるように制御される遊技状態であり、このため、電動チューリップ27が頻繁に長時間開放されて第2始動口22に遊技球が頻繁に入球(入賞)し易くなる遊技状態である。非時短状態とは、特別図柄抽選の実行時間(特別図柄の変動表示時間)が通常の所定時間である遊技状態であり、時短状態とは、特別図柄抽選の実行時間(特別図柄の変動表示時間)が、非時短状態よりも短縮される遊技状態である。大当り遊技状態とは、特別図柄抽選に当選して(大当りして)大入賞口23が開放される大当り遊技が実行されている遊技状態であり、非電サポ状態かつ非時短状態で制御される遊技状態である。なお、本実施形態においては、電サポ状態と時短状態とは同時に制御されるものとするが、この遊技状態においては、第2始動口22へ遊技球が入賞し易くなることにより遊技球が殆ど減ることなく、かつ短時間で多数の特別図柄抽選を実行できることとなる。このため、電サポ状態かつ時短状態は、遊技者にとって有利な遊技状態である。したがって、遊技者は、右打ちと左打ちを使い分けて、大当り遊技状態においては、右打ちを行うことにより大入賞口23へ遊技球を入賞させ、電サポ状態かつ時短状態(つまり、本実施形態では下記の確変遊技状態)においては、左打ちを行うよりも右打ちを行うことにより頻繁に第2始動口22へ遊技球を入賞させる一方で、大当り遊技状態以外の非電サポ状態かつ非時短状態(つまり、本実施形態では下記の通常遊技状態および潜伏遊技状態)においては、電動チューリップ27により殆どの期間閉鎖された第2始動口22ではなく、第1始動口21を狙って左打ちを行うことにより第1始動口21に遊技球を入賞させる。なお、以下では、低確状態かつ非電サポ状態かつ非時短状態に制御される遊技状態を通常遊技状態といい、高確状態かつ電サポ状態かつ時短状態に制御される遊技状態を確変遊技状態といい、高確状態かつ非電サポ状態かつ非時短状態に制御される遊技状態を潜伏遊技状態という。
[本実施形態における大当り内訳および大当り遊技の概要]
次に、本実施形態における特別図柄抽選の大当り内訳および大当り遊技の概要について、図6を参照して説明する。図6は、本実施形態に係る特別図柄抽選の大当り内訳および大当り遊技の一例を説明するための図である。図6(1)は、第1始動口21への遊技球入賞による第1特別図柄抽選の大当り内訳を示し、図6(2)は、第2始動口22への遊技球入賞による第2特別図柄抽選の大当り内訳を示す。図6(1)に示すように、第1始動口21への遊技球入賞による第1特別図柄抽選の大当り内訳は、大当りAの当選確率が75%であり、大当りBの当選確率が15%であり、大当りCの当選確率が10%である。また、図6(2)に示すように、第2始動口22への遊技球入賞による第2特別図柄抽選の大当り内訳は、大当りAの当選確率が50%であり、大当りDの当選確率が50%である。
次に、図6(3)を参照して、各大当りに当選した場合の大当り遊技について説明する
。大当りAに当選した場合に実行される大当り遊技が開始すると、所定のオープニング時間の経過後、大入賞口23が閉状態から開状態にされて1ラウンド(以下、単に「R」と記載する場合がある)のラウンド遊技が開始される。1Rにおいて、大入賞口23に遊技球が10個入賞するか大入賞口23の開放時間が29.5秒経過すると、大入賞口23が開状態から閉状態にされて1Rのラウンド遊技が終了する。その後、ラウンドとラウンドとの間のインターバル期間(例えば2秒間)が設けられた後に、1Rと同様に大入賞口23が開放されてから2Rのラウンド遊技が開始され、大入賞口23が閉鎖されて2Rのラウンド遊技が終了する。以後同様に2回のラウンド遊技が実行されて、合計4回のラウンド遊技が実行される。そして、所定のエンディング時間が経過すると、大当り遊技が終了する。この大当り遊技によって、遊技者は、約500球の賞球総数を獲得することができる。その後、遊技状態は、大当り遊技が終了してから70回転終了するまで(つまり、特別図柄抽選が70回実行されて表示器4に特別図柄が70回変動表示されてから停止表示されるまで)の間、高確状態に制御され、又、大当り遊技が終了してから70回転終了するまで時短状態かつ電サポ状態に制御される。つまり、大当り遊技が終了してから70回転終了するまでは、確変遊技状態に制御され、71回転目以降は通常遊技状態に制御される。
また、大当りBに当選した場合に実行される大当り遊技が開始すると、所定のオープニング時間の経過後、大入賞口23が閉状態から開状態にされて極めて短時間(例えば0.4秒)経過すると大入賞口23が開状態から閉状態にされるラウンド遊技が、インターバル期間を挟んで4回実行される。そして、所定のエンディング時間が経過すると、大当り遊技が終了する。つまり、この大当り遊技の間には、大入賞口23は瞬間的にしか開放されないため、遊技球が大入賞口23に入賞し難く、遊技者は、この大当り遊技の間に実質的に賞球を得難い。その後、遊技状態は、大当りAに当選した場合と同様に、大当り遊技が終了してから70回転終了するまでは、確変遊技状態に制御され、71回転目以降は通常遊技状態に制御される。なお、大当りBに当選すると、大当り遊技による賞球を獲得することなく突然、確変遊技状態になったと遊技者が感じることから、以下では、大当りBを「突確当り」と言う場合がある。
大当りCに当選した場合に実行される大当り遊技が開始すると、所定のオープニング時間の経過後、大入賞口23が閉状態から開状態にされて極めて短時間(例えば0.4秒)経過すると大入賞口23が開状態から閉状態にされるラウンド遊技が、インターバル期間を挟んで4回実行される。そして、所定のエンディング時間が経過すると、大当り遊技が終了する。つまり、この大当り遊技の間には、大入賞口23は瞬間的にしか開放されないため、遊技球が大入賞口23に入賞し難く、遊技者は、この大当り遊技の間に実質的に賞球を得難い。その後、遊技状態は、大当り遊技が終了してから70回転終了するまで潜伏遊技状態に制御され、71回転目以降は通常遊技状態に制御される。なお、大当りCは、大当り遊技後に潜伏遊技状態に制御されることから、以下では、大当りCを「潜伏当り」と言う場合がある。
大当りDに当選した場合に実行される大当り遊技が開始すると、所定のオープニング時間の経過後、インターバル期間を挟んで大入賞口23の開閉によって大当りAに当選した場合と同様のラウンド遊技が合計16回実行される。そして、所定のエンディング時間が経過すると、大当り遊技が終了する。したがって、遊技者は、この大当り遊技の間に約2000球の賞球総数を獲得することができる。その後、遊技状態は、大当りAに当選した場合と同様に、大当り遊技が終了してから70回転終了するまでは、確変遊技状態に制御され、71回転目以降は通常遊技状態に制御される。
また、本実施形態では、第1始動口21への遊技球入賞に基づく第1特別図柄抽選(つまり、潜伏当りのある第1特別図柄抽選)に当選しなかった場合において、所定の確率(
例えば2/300)で当選する「小当り」を設けている。この第1特別図柄抽選の所定のハズレである「小当り」に当選した場合には、大当りC(潜伏当り)に当選したかのような演出が行われ、かつ、大当りCに当選した場合と同様に大入賞口23が開閉制御される(但し、「小当り」前後で遊技状態は変更されない)。このことによって、遊技者に対して、実際は「小当り」であっても、大当りCに当選して潜伏遊技状態に制御されているかもしれないという期待感を抱かせ、遊技の興趣性を向上させることができる。
なお、上述したように、特別図柄抽選により「大当り」に当選した場合や、第1特別図柄抽選により「小当り」に当選した場合、大入賞口23が開閉制御される(開放される)ため、大入賞口23に遊技球を入賞させようとして右打ちを行うこととなる。
次に、本実施形態における普通図柄の変動時間や当選確率、電動チューリップ27の開放パターンについて、図7を参照して説明する。図7は、本実施形態に係る普通図柄の変動時間や当選確率、電動チューリップ27の開放パターンの一例を説明するための図である。図7に示すように、通常遊技状態または潜伏遊技状態(つまり、非電サポ状態)では、遊技球が第1ゲート25aまたは第2ゲート25bを通過することにより普通図柄表示器4eに普通図柄を変動表示させた後に停止表示させる普通図柄変動時間は30秒であり、普通図柄が所定の当り図柄となる確率(つまり、普通図柄抽選の当選確率)は低確率(1/10)である。また、通常遊技状態または潜伏遊技状態で普通図柄抽選に当選した場合、電動チューリップ27は、高確率(8/10)で0.10秒間を1回だけ開放(第1開放パターン)され、低確率(2/10)で5.50秒間を1回だけ開放(第2開放パターン)される。このことにより、通常遊技状態または潜伏遊技状態では、普通図柄抽選の当選確率が低く、かつ、電動チューリップ27が第2開放パターンに制御される当りよりも第1開放パターンに制御される当りに当選する確率が高くなっている。このため、電動チューリップ27が開放状態に制御されることによって入賞可能な状態となる第2始動口22に遊技球が入賞し難くなっている。しかしながら、電動チューリップ27が第2開放パターンに制御される当りに当選した場合には、電動チューリップ27が長時間開放されるため、第2始動口22に遊技球が入賞し易くなる。このため、通常遊技状態または潜伏遊技状態において、電動チューリップ27が第2開放パターンに制御される当りに当選した場合、上述したように左打ちよりも右打ちの方が第2始動口22へ遊技球を入賞させやすくなっているため、第2始動口22へ多くの遊技球を入賞させようと遊技者は右打ちをすることがある。
また、図7に示すように確変遊技状態(つまり、電サポ状態)では、遊技球が第1ゲート25aまたは第2ゲート25bを通過することにより普通図柄表示器4eに普通図柄を変動表示させた後に停止表示させる普通図柄変動時間は3秒に短縮され、普通図柄が所定の当り図柄となる確率(つまり、普通図柄抽選の当選確率)は高確率(10/10)である。また、確変遊技状態で普通図柄抽選に当選した場合、電動チューリップ27は、3.00秒間を2回開放(第3開放パターン)される。このことにより、確変遊技状態では、普通図柄抽選の当選確率が高く、かつ、普通図柄抽選に当選すると電動チューリップ27が第3開放パターンに制御されるため、電動チューリップ27が開放状態に制御されることによって入賞可能な状態となる第2始動口22に遊技球が入賞し易くなる。このため、確変遊技状態において、遊技者は第2始動口22へ多くの遊技球を入賞させようと右打ちを行う。
次に、パチンコ遊技機1が実行する処理フローについて説明する。
[メイン制御部のタイマ割込み処理]
メイン制御部100において実行されるタイマ割込み処理について説明する。図8は、メイン制御部100によって行われるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートであ
る。以下に、図8を参照して、メイン制御部100において行われるタイマ割込み処理について説明する。メイン制御部100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図8に示す一連の処理を一定時間(4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図8以降のフローチャートに基づいて説明するメイン制御部100で行われる処理は、ROM102に記憶されているプログラムに基づいて実行される。
まず、ステップS1において、メイン制御部100のCPU101は、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の各種の乱数の更新、および各乱数がカウントアップ更新される際の開始値となるそれぞれの初期値乱数の更新を行う乱数更新処理を実行する。ここで、大当り乱数は、特別図柄抽選の当選又は落選を判定する(つまり、特別図柄抽選を行う)ための乱数である。図柄乱数は、特別図柄抽選に当選した場合に大当りの種類(図6に示す大当りA〜D)を決定するための乱数である。大当り乱数及び図柄乱数は、後に説明する図11のステップS407の処理で使用される乱数である。リーチ乱数は、特別図柄抽選に落選した場合にリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間(変動パターン)を決定するための乱数である。ここで、特別図柄の変動時間は、この特別図柄の変動に同期して実行される変動演出の実行時間と等しい。リーチ乱数及び変動パターン乱数は、後に説明する図11のステップS408の処理で使用される。ステップS1の乱数更新処理において、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等および各初期値乱数の値は、それぞれ、1ずつ加算されて更新される。つまり、カウントアップされる。そして、ステップS2の始動口スイッチ(SW)処理やステップS3のゲートスイッチ(SW)処理において各乱数が取得されて、後述するステップS4の特別図柄処理やステップS5の普通図柄処理で使用される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタは、典型的にはループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば大当り乱数では299)に達した後は再び0に戻る(つまり、循環する)。また、ステップS1の乱数更新処理において、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の各カウンタは、それぞれ、ループカウンタのカウントが一巡すると、その時点での各乱数に対応する初期値乱数を取得して、当該初期値乱数の値を開始値として、新たにループカウンタのカウントを開始する。なお、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の乱数範囲は、任意に設定すればよいが、それぞれを異なる範囲に設定することで、これらの乱数の間でカウンタの値(カウント値)が同期しないように設定することが好ましい。
次に、ステップS2において、CPU101は、第1始動口スイッチ111a及び第2始動口スイッチ111bの状態を監視し、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞したと判定した時点で、第1特別図柄抽選の保留数U1や第2特別図柄抽選の保留数U2に関する処理や各種乱数を取得する処理を行う始動口スイッチ処理を実行する。この始動口スイッチ処理の詳細については、図9を用いて後に詳述する。
次に、ステップS3において、CPU101は、第1ゲートスイッチ113aおよび第2ゲートスイッチ113bの状態を監視し、第1ゲートスイッチ113aまたは第2ゲートスイッチ113bからの出力信号に基づいて、第1ゲート25aまたは第2ゲート25bを遊技球が通過したと判定された時点で、普通図柄抽選の保留数に関する処理や後述するステップS5の普通図柄処理に使用される乱数を取得するゲートスイッチ処理を実行する。このゲートスイッチ処理の詳細については、図10を用いて後に詳述する。
次に、ステップS4において、CPU101は、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選を実行し、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bに特別図柄を変動表示させた後にこれらの抽選結果を示す停止図柄を表示する処理や、演出制御部400へ各種コマンドを送信等するための特別図柄処理を実行する。この特別図柄処理については、図11を用いて後に詳述する。
次に、ステップS5において、CPU101は、ステップS3のゲートスイッチ処理で取得された乱数が所定の当り乱数と一致するか否かを判定する普通図柄処理を実行する。そして、CPU101は、普通図柄表示器4eに普通図柄を変動表示させた後に判定結果を示す普通図柄を停止表示させる。具体的には、CPU101は、普通図柄を変動表示させた後に停止表示させる普通図柄変動時間を、通常遊技状態または潜伏遊技状態(つまり、非電サポ状態)では30秒に設定し、確変遊技状態(つまり、電サポ状態)では3秒に短縮する。また、CPU101は、普通図柄表示器4eに表示された普通図柄が所定の当たり図柄となる確率(つまり、普通図柄抽選の当選確率)を、通常遊技状態または潜伏遊技状態では低確率(1/10)に設定し、確変遊技状態では高確率(10/10)に上昇させる。この普通図柄処理については、図13を用いて後に詳述する。
次に、ステップS6において、CPU101は、ステップS4の特別図柄処理で特別図柄抽選に当選したと判定された場合(大当りした場合)等に、大入賞口開閉部115を制御して大入賞口23に所定の開閉動作を行わせ、また、いわゆる大当り遊技演出等に関する各種コマンドを演出制御部400に対して送信等するための大入賞口処理を実行する。この処理によって、大当り遊技(特別遊技)が進行され、遊技者は原則として多量の賞球を獲得可能となる。この大入賞口処理については、図14及び図15を用いて後に詳述する。
次に、ステップS7において、CPU101は、ステップS5の普通図柄処理によって普通図柄表示器4eに表示された普通図柄が所定の当たり図柄である場合(つまり、普通図柄抽選に当選した場合)に、電動チューリップ27を作動させる電動チューリップ処理を実行する。その際、CPU101は、上述したように、通常遊技状態または潜伏遊技状態(つまり、非電サポ状態)では電動チューリップ27を極短期間(0.10秒間を1回)または長期間(5.50秒間を1回)開放制御し、確変遊技状態(つまり、電サポ状態)では電動チューリップ27を長期間(3.00秒間を2回)開放制御する。なお、電動チューリップ27が開放状態に制御されることによって第2始動口22に遊技球が入賞可能な状態となり、第2始動口22に遊技球が入賞することで、第2特別図柄抽選が行われることとなる。この電動チューリップ処理については、図16を用いて後に詳述する。
次に、ステップS8において、CPU101は、遊技球の入賞個数の管理及び入賞に応じた賞球の払出しを制御する賞球処理を実行する。
次に、ステップS9において、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理、ステップS3のゲートスイッチ処理、ステップS4の特別図柄処理、ステップS6の大入賞口処理、ステップS8の賞球処理等でRAM103にセットされた各種コマンドや演出に必要な情報を演出制御部400又は払出制御部300へ出力する出力処理を実行する。
[始動口スイッチ処理]
図9は、図8のステップS2における始動口スイッチ処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図8のステップS2における始動口スイッチ処理について、図9を参照して説明する。
まず、ステップS201において、メイン制御部100のCPU101は、第1始動口スイッチ111aからの出力信号に基づいて、第1始動口21に遊技球が入賞したか否かを判定する。ステップS201での判定がYESの場合、処理はステップS202に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS207に移る。
ステップS202において、CPU101は、ROM102から第1特別図柄抽選の保
留数の上限値Umax1(本実施形態では「4」)を読み出し、RAM103に記憶されている第1特別図柄抽選の保留数U1が上限値Umax1未満であるか否かを判定する。ステップS202での判定がYESの場合、処理はステップS203に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS207に移る。
ステップS203において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1の値を、1加算した値に更新する。その後、処理はステップS204に移る。
ステップS204において、CPU101は、第1特別図柄抽選等に使用される乱数のセット(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、取得した乱数の各セット(遊技情報)を、時系列順でRAM103に格納する。なお、後述する図11のステップS406の処理によって第1特別図柄抽選の保留数U1の値が1減算される度に、RAM103に格納された上記乱数セットは、格納時期が早いものから順に1セットずつ削除される。このことから、例えば第1特別図柄抽選の保留数U1の値が「3」の場合、直近3回のステップS204の処理によって取得された直近3回の上記乱数セットが、時系列順でRAM103に格納されていることとなる。その後、処理はステップS205に移る。
ステップS205において、CPU101は、事前判定処理を行う。具体的には、CPU101は、直近のステップS204の処理で取得されてRAM103に格納された大当り乱数等の乱数セット(つまり、直近に格納された第1特別図柄抽選用の大当り乱数等の乱数セット)を読み出し、この大当り乱数等がROM102に記憶されている所定値等と一致するか否かに基づいて、この大当り乱数を用いる第1特別図柄抽選の結果が大当りであるか否かや、リーチ演出を実行するか否か等を事前判定する。つまり、先読み予告演出や保留変化予告演出を実行するために必要な判定を、後述する図11のステップS407及びS408の処理に先立って事前判定する。その後、処理はステップS206に移る。
ステップS206において、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が1増加したことを通知する第1保留数増加コマンドをRAM103にセットする。ここで、この第1保留数増加コマンドには、ステップS205の処理で行われた事前判定の結果を示す情報(以下、「事前判定情報」という)が含められている。なお、この事前判定情報を含む第1保留数増加コマンドが、図8のステップS9の出力処理によって出力されることにより、第1特別図柄抽選の保留に対する抽選結果が、第1特別図柄抽選における図柄変動が開始されるよりも前にメイン制御部100から演出制御部400に通知される。その後、処理はステップS207に移る。
ステップS207において、CPU101は、第2始動口スイッチ111bからの出力信号に基づいて、第2始動口22に遊技球が入賞したか否かを判定する。ステップS207での判定がYESの場合、処理はステップS208に移り、この判定がNOの場合、処理は図8のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
ステップS208において、CPU101は、ROM102から第2特別図柄抽選の保留数の上限値Umax2(本実施形態では「4」)を読み出し、RAM103に記憶されている第2特別図柄抽選の保留数U2が上限値Umax2未満であるか否かを判定する。ステップS208での判定がYESの場合、処理はステップS209に移り、この判定がNOの場合、処理は図8のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
ステップS209において、CPU101は、RAM103に格納されている保留数U2の値を、1加算した値に更新する。その後、処理はステップS210に移る。
ステップS210において、CPU101は、第2特別図柄抽選等に使用される乱数のセット(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、取得した乱数の各セットを、時系列順でRAM103に格納する。なお、後述する図11のステップS404の処理によって第2特別図柄抽選の保留数U2の値が1減算される度に、RAM103に格納された上記乱数セットは、格納時期が早いものから順に1セットずつ削除される。このことから、例えば第2特別図柄抽選の保留数U2の値が「3」の場合、直近3回のステップS210の処理によって取得された直近3回の上記乱数セットが、時系列順でRAM103に格納されていることとなる。その後、処理はステップS211に移る。
ステップS211において、CPU101は、事前判定処理を行う。具体的には、CPU101は、直近のステップS210の処理で取得されてRAM103に格納された大当り乱数等の乱数セット(つまり、直近に格納された第2特別図柄抽選用の大当り乱数等の乱数セット)を読み出し、この大当り乱数等がROM102に記憶されている所定値等と一致するか否かに基づいて、この大当り乱数を用いる第2特別図柄抽選の結果が大当りであるか否かや、リーチ演出を実行するか否か等を事前判定する。つまり、先読み予告演出や保留変化予告演出を実行するために必要な判定を、後述する図11のステップS407及びS408の処理に先立って事前判定する。その後、処理はステップS212に移る。
ステップS212において、CPU101は、第2特別図柄抽選の保留数が1増加したことを通知する第2保留数増加コマンドをRAM103にセットする。ここで、この第2保留数増加コマンドには、ステップS211の処理で行われた事前判定の結果を示す情報(事前判定情報)が含められている。なお、この事前判定情報を含む第2保留数増加コマンドが、図8のステップS9の出力処理によって出力されることにより、第2特別図柄抽選の保留に対する抽選結果が、第2特別図柄抽選における図柄変動が開始されるよりも前にメイン制御部100から演出制御部400に通知される。その後、処理は図8のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
[ゲートスイッチ処理]
図10は、図8のステップS3におけるゲートスイッチ処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図8のステップS3におけるゲートスイッチ処理について、図10を用いて説明する。
まず、ステップS301において、メイン制御部100のCPU101は、第1ゲートスイッチ113aからの出力信号に基づいて、第1ゲート25aを遊技球が通過したか否かを判定する。ステップS301での判定がYESの場合、処理はステップS302に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS303に移る。
ステップS302において、CPU101は、第1ゲート25aを遊技球が通過したことを演出制御部400に対して通知するための第1ゲート通過コマンドをRAM103にセットする。この第1ゲート通過コマンドは、図8のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS305に移る。
ステップS303において、CPU101は、第2ゲートスイッチ113bからの出力信号に基づいて、第2ゲート25bを遊技球が通過したか否かを判定する。ステップS303での判定がYESの場合、処理はステップS304に移り、この判定がNOの場合、処理は図8のステップS4(特別図柄処理)に移る。
ステップS304において、CPU101は、第2ゲート25bを遊技球が通過したことを演出制御部400に対して通知するための第2ゲート通過コマンドをRAM103に
セットする。この第2ゲート通過コマンドは、図8のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS305に移る。
ステップS305において、CPU101は、ROM102から普通図柄抽選の保留数の上限値Gmax(本実施形態では「4」)を読み出し、RAM103に記憶されている普通図柄抽選の保留数Gが上限値Gmax未満であるか否かを判定する。ステップS305での判定がYESの場合、処理はステップS306に移り、この判定がNOの場合、処理は図8のステップS4(特別図柄処理)に移る。
ステップS306において、CPU101は、RAM103に格納されている保留数Gの値を、1加算した値に更新する。その後、処理はステップS307に移る。
ステップS307において、CPU101は、普通図柄抽選に使用される乱数のセット(当り乱数、図柄乱数)を取得して、取得した乱数の各セットを、時系列順でRAM103に格納する。なお、後述する図13のステップS503の処理によって普通図柄抽選の保留数Gの値が1減算される度に、RAM103に格納された上記乱数セットは、格納時期が早いものから順に1セットずつ削除される。このことから、例えば普通図柄抽選の保留数Gの値が「3」の場合、直近3回のステップS307の処理によって取得された直近3回の上記乱数セットが時系列順でRAM103に格納されていることとなる。その後、処理は図8のステップS4(特別図柄処理)に移る。
[特別図柄処理]
図11は、図8のステップS4における特別図柄処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図11を参照して、図8のステップS4における特別図柄処理について説明する。
まず、ステップS401において、メイン制御部100のCPU101は、RAM103に記憶されている情報(典型的にはフラグによる情報)に基づいて、遊技機1の現在の状態が大当り遊技中(大当り遊技状態)または小当り遊技中であるか否かを判定する。つまり、特別図柄抽選に当選した場合に実行される大当り遊技(特別遊技)の実行中または小当りに当選した場合に実行される小当たり遊技の実行中であるか否かを判定する。ステップS401での判定がYESの場合、処理は図8のステップS5(普通図柄処理)に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS402に移る。
ステップS402において、CPU101は、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する。ステップS402での判定がYESの場合、処理はステップS411に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS403に移る。
ステップS403において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U2が1以上であるか否か(つまり第2特別図柄抽選が保留されているか否か)を判定する。ステップS403での判定がYESの場合、処理はステップS404に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS405に移る。
ステップS404において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U2を、1減算した値に更新する。また、その際、CPU101は、RAM103に格納されている図9のステップS210によって取得されて格納された乱数セットのうち格納時期が最も早いものを読み出してRAM103から削除する。その後、処理はステップS407に移る。
一方、ステップS405において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1が1以上であるか否か(つまり第1特別図柄抽選が保留されているか否か)を判定する。ステップS405での判定がYESの場合、処理はステップS406に移り、この判定がNOの場合、実行されるべき特別図柄抽選は無いとみなして、処理はステップS415に移る。
ステップS406において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1を、1減算した値に更新する。また、その際、CPU101は、RAM103に格納されている図9のステップS204によって取得されて格納された乱数セットのうち格納時期が最も早いものを読み出してRAM103から削除する。その後、処理はステップS407に移る。
以上のステップS403〜S406の処理によって、第2特別図柄抽選が、第1特別図柄抽選よりも優先して実行されることとなる。
ステップS407において、CPU101は、特別図柄抽選が大当りであるかハズレであるかを判定する大当り判定処理を実行する。具体的には、ステップS404の処理に続いてステップS407の処理を実行する場合、CPU101は、このステップS404の処理でRAM103から読み出した大当り乱数が、ROM102に記憶されている大当りの当選値と一致するか否かに基づいて、第2特別図柄抽選の結果が大当りであるかハズレであるかを判定する。一方、ステップS406の処理に続いてステップS407の処理を実行する場合、CPU101は、このステップS406の処理でRAM103から読み出した大当り乱数が、ROM102に記憶されている大当りの当選値と一致するか否かに基づいて、第1特別図柄抽選の結果が大当りであるかハズレであるかを判定する。なお、CPU101は、この大当り乱数値(第1特別図柄抽選の大当り乱数値)が、特定のハズレである小当りの当選値と一致する場合には、小当りと判定する。そして、CPU101は、特別図柄抽選の結果がハズレと判定した場合、特別図柄抽選にハズレたことを表すハズレ図柄(小当りの場合には小当りを表す小当り図柄)を、設定情報における特別図柄の停止図柄としてRAM103にセットする。一方、CPU101は、特別図柄抽選の結果が大当りであると判定した場合、この判定に使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された図柄乱数がROM102に記憶されている所定値の何れと一致するかに基づいて、今回の大当りの種類(図6に示す大当りA〜Dのいずれか)を判定する。そして、CPU101は、大当りしたこと及び大当りの種類を表す大当り図柄の情報を、設定情報における特別図柄の停止図柄の情報としてRAM103にセットする。その後、処理はステップS408に移る。
ステップS408において、CPU101は、変動パターン選択処理を実行する。具体的には、ステップS408において、CPU101は、ステップS407の処理で第1特別図柄抽選が実行された場合には、図12(1)を用いて後述するテーブルセットTS1を使用対象の変動時間テーブルセットとして設定し、ステップS407の処理で第2特別図柄抽選が実行された場合には、図12(2)を用いて後述する変動時間テーブルセッTS2を使用対象の変動時間テーブルとして設定し、変動パターンを選択する。なお、以下の説明では、変動時間テーブルセットTS1及びTS2を、単に、TS1及びTS2という。
図12は、ステップS407の処理で第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選が実行された場合に使用される変動時間テーブルセットの例を説明するための図である。変動時間テーブルセットは、表示器4に特別図柄が変動表示されてから停止表示されるまでの時間である特別図柄変動時間を決定するために使用されるテーブルセットである。ここで、特別図柄変動時間は、演出を交えて大当り抽選結果を報知する変動演出の実行時間と等し
い。
図12(1)に示すように、TS1は、ステップS407の処理で第1特別図柄抽選が実行された場合に使用される変動時間テーブルセットであり、大当り用変動時間テーブルと、小当り用変動時間テーブルと、リーチありハズレ用変動時間テーブルと、リーチなしハズレ用変動時間テーブルとからなる。
TS1を構成する大当り用変動時間テーブルは、「30.03秒」、「60.03秒」及び「90.03秒」の特別図柄変動時間からなり、特別図柄抽選に当選(大当り)して変動演出においてリーチ演出を実行した後に大当りしたことを報知する場合に使用されるテーブルである。大当り用変動時間テーブルが使用される確率は、通常遊技状態(つまり、低確状態)においては1/300であり、潜伏遊技状態または確変遊技状態(つまり、高確状態)においては6/300である。また、この大当り用変動テーブルが使用される確率のうち、1/6の確率で「30.03秒」、2/6の確率で「60.03秒」、3/6の確率で「90.03秒」が特別図柄変動時間として決定される。ここで、TS1を構成する大当り用変動時間テーブルによって特別図柄変動時間が「30.03秒」に決定された場合に実行されることとなる変動演出のタイプは、リーチ成立した後に大当りするタイプである(以下、タイプHという)。また、TS1を構成する大当り用変動時間テーブルによって特別図柄変動時間が「60.03秒」に決定された場合に実行されることとなる変動演出のタイプは、リーチ成立してからSPリーチに発展した後に大当りするタイプである(以下、タイプIという)。また、TS1を構成する大当り用変動時間テーブルによって特別図柄変動時間が「90.03秒」に決定された場合に実行されることとなる変動演出のタイプは、リーチ成立してSPリーチに発展してからSPSPリーチに発展した後に大当りするタイプである(以下、タイプJという)。
ここで、リーチとは、変動演出において例えば複数の装飾図柄列のうち最後に停止される変動中の装飾図柄列の装飾図柄が、所定の図柄で停止表示された場合には既に停止中の他の装飾図柄との関係で大当りの図柄パターンになることとなる演出(大当りを期待させる演出)であり、典型的には、右側と左側の装飾図柄列が同じ図柄(例えば7)で停止しており、最後に停止される中央の装飾図柄列が、同じ図柄(例えば7)で停止する(つまり、ゾロ目777となる)ことを期待させて変動表示される演出である。また、SPリーチとは、一般にスーパーリーチやスペシャルリーチと呼ばれ、リーチよりも大当りすることを更に期待させる演出であり、例えば、主人公のキャラクタが敵のキャラクタと戦う動画像の演出である。また、SPSPリーチとは、一般にスーパースーパーリーチやスペシャルスペシャルリーチと呼ばれ、SPリーチ演出よりも大当りすることを更に期待させる演出であり、例えば、主人公のキャラクタが敵のボスキャラクタと戦う動画像の演出である。
TS1を構成する小当り用変動時間テーブルは、「30.02秒」、「60.02秒」及び「90.02秒」の特別図柄変動時間からなり、特別図柄抽選に落選して(ハズレて)変動演出においてリーチ演出を実行した後に小当りしたことを報知する場合に使用されるテーブルである。小当り用変動時間テーブルが使用される確率は、遊技状態に関わらず(つまり、低確状態および高確状態に関わらず)2/300であり、この2/300うち、それぞれ1/3の確率で「30.02秒」、「60.02秒」、「90.02秒」が特別図柄変動時間として決定される。ここで、TS1を構成する小当り用変動時間テーブルによって特別図柄変動時間が「30.02秒」に決定された場合に実行されることとなる変動演出のタイプは、リーチ成立した後に小当りするタイプである(以下、タイプEという)。また、TS1を構成する大当り用変動時間テーブルによって特別図柄変動時間が「60.02秒」に決定された場合に実行されることとなる変動演出のタイプは、リーチ成立してからSPリーチに発展した後に小当りするタイプである(以下、タイプFという)
。また、TS1を構成する大当り用変動時間テーブルによって特別図柄変動時間が「90.02秒」に決定された場合に実行されることとなる変動演出のタイプは、リーチ成立してSPリーチに発展してからSPSPリーチに発展した後に小当りするタイプである(以下、タイプGという)。
TS1を構成するリーチありハズレ用変動時間テーブルは、「30.01秒」、「60.01秒」及び「90.01秒」の特別図柄変動時間からなり、特別図柄抽選に落選して(ハズレて)変動演出においてリーチ演出を実行した後にハズレたことを報知する場合に使用されるテーブルである。リーチありハズレ用変動時間テーブルが使用される確率は、通常遊技状態(つまり、低確状態)においては14/300であり、潜伏遊技状態または確変遊技状態(つまり、高確状態)においては、9/300である。また、このリーチありハズレ用変動時間テーブルを使用される確率のうち、3/6の確率で「30.01秒」、2/6の確率で「60.01秒」、1/6の確率で「90.01秒」が特別図柄変動時間として決定される。ここで、TS1を構成するリーチありハズレ用変動時間テーブルによって特別図柄変動時間が「30.01秒」に決定された場合に実行されることとなる変動演出のタイプは、リーチ成立した後にハズレとなるタイプである(以下、タイプBという)。また、TS1を構成するリーチありハズレ用変動時間テーブルによって特別図柄変動時間が「60.01秒」に決定された場合に実行されることとなる変動演出のタイプは、リーチ成立してからSPリーチに発展した後にハズレとなるタイプである(以下、タイプCという)。また、TS1を構成するリーチありハズレ用変動時間テーブルによって特別図柄変動時間が「90.01秒」に決定された場合に実行されることとなる変動演出のタイプは、リーチ成立してSPリーチに発展してからSPSPリーチに発展した後にハズレとなるタイプである(以下、タイプDという)。
TS1を構成するリーチなしハズレ用変動時間テーブルは、「10.00秒」、「9.00秒」、「8.00秒」及び「4.00秒」の特別図柄変動時間からなり、特別図柄抽選に落選して(ハズレて)変動演出においてリーチ演出を実行しないでハズレたことを報知する場合に使用されるテーブルである。リーチなしハズレ用変動時間テーブルが使用される確率は、遊技状態に関わらず(つまり、低確状態および高確状態に関わらず)283/300であり、第1及び第2特別図柄抽選の保留数の合計が0又は1の場合は「10.00秒」が特別図柄変動時間として決定され、この合計が2の場合は「9.00秒」が特別図柄変動時間として決定され、この合計が3の場合は「8.00秒」が特別図柄変動時間として決定され、この合計が4以上の場合は「4.00秒」が特別図柄変動時間として決定される。ここで、TS1を構成するリーチなしハズレ用変動時間テーブルによって特別図柄変動時間が「4.00秒」「8.00秒」「9.00秒」「10.00秒」の何れかに決定された場合に実行されることとなる変動演出のタイプは、リーチ演出を行うことなく即ハズレとなるタイプである(以下、タイプAという)。以上のように、大当り用変動時間テーブル、小当り用変動時間テーブルおよびリーチありハズレ用変動時間テーブルは、変動演出においてリーチ演出が実行される場合に使用されるので、比較的長い特別図柄変動時間からなる。一方、リーチなしハズレ用変動時間テーブルは、変動演出においてリーチ演出が実行されない場合に使用されるので、比較的短い特別図柄変動時間から成り、上記した保留数の合計が多くなるほど、より短い時間となる。
[大当り信頼度]
ここで、大当り信頼度(大当り期待度)について説明する。大当り信頼度が高い演出とは、その演出が実行された場合において大当りしている可能性が高い演出であり、大当り信頼度が低い演出とは、その演出が実行された場合において大当りしている可能性が低い演出である。例えば上述したようにTS1の大当り用変動時間テーブルを用いる(大当りの)場合には、「リーチから大当り(タイプH)」、「SPリーチから大当り(タイプI)」、「SPSPリーチから大当り(タイプJ)」の順で、演出のタイプが選ばれる確率
が大きくなっている。一方で、上述したようにTS1の小当りではないリーチありハズレ用変動時間テーブルを用いる場合には、「リーチからハズレ(タイプB)」、「SPリーチからハズレ(タイプC)」、「SPSPリーチからハズレ(タイプD)」の順で、演出のタイプが選ばれる確率が小さくなっている。以上から分かるように、大当りの場合に実行され易くハズレの場合に実行され難い演出(典型的には、SPSPリーチまで実行される演出)は大当り信頼度が高い一方で、大当りの場合に実行され難くハズレの場合に実行され易い演出(典型的には、リーチまで実行される演出)は大当り信頼度が低い。
次に、図12(2)に示すように、TS2は、ステップS407の処理で第2特別図柄抽選が実行された場合に使用されるテーブルセットであり、大当り用変動時間テーブルと、リーチありハズレ用変動時間テーブルと、リーチなしハズレ用変動時間テーブルとからなる。
TS2を構成する大当り用変動時間テーブルは、上記した図12(1)に示すTS1を構成する大当り用変動時間テーブルと同様である。
TS2を構成するリーチありハズレ用変動時間テーブルは、上記した図12(1)に示すTS1のリーチありハズレ用変動時間テーブルに対して、リーチありハズレ用変動時間テーブルが使用される確率が、通常遊技状態(つまり、低確状態)においては74/300であり、潜伏遊技状態または確変遊技状態(つまり、高確状態)においては69/300である点で異なる。このことにより、リーチが成立する確率は、第1特別図柄抽選に基づいて変動パターンが選択される場合に比べて、第2特別図柄抽選に基づいて変動パターンが選択される場合の方が高くなる。
TS2を構成するリーチなしハズレ用変動時間テーブルは、上記した図12(1)に示すTS1のリーチなしハズレ用変動時間テーブルに対して、リーチなしハズレ用変動時間テーブルが使用される確率が、遊技状態に関わらず(つまり、低確状態および高確状態に関わらず)225/300である点と、リーチなしハズレ用変動時間テーブルが、「10.00秒」、「5.00秒」、「4.00秒」及び「3.00秒」の特別図柄変動時間からなり、第1及び第2特別図柄抽選の保留数の合計が2の場合は「5.00秒」が特別図柄変動時間として決定され、この合計が3の場合は「4.00秒」が特別図柄変動時間として決定され、この合計が4以上の場合は「3.00秒」が特別図柄変動時間として決定される点とで異なる。
以上のようにしてステップS408において決定された変動パターンの情報(つまり、変動演出の実行時間:変動演出の演出パターンの情報とも言える)は、設定情報としてRAM103にセットされる。その後、処理はステップS409に移る。
ステップS409において、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理によってセットされた設定情報、及びステップS408の変動パターン選択処理によってセットされた設定情報を含む変動演出開始コマンドを生成して、RAM103にセットする。ここで、変動演出開始コマンドは、演出制御部400に対して、画像表示部6及びスピーカ35等による変動演出の開始を指示するコマンドである。また、変動演出開始コマンドに含まれる設定情報には、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の何れが実行されたかを示す情報も含まれる。また、CPU101は、現在の遊技状態を示す遊技状態通知コマンドをRAM103にセットする。ここで、遊技状態通知コマンドに含まれる遊技状態を示す情報は、大当り後に制御され得る遊技状態によって区分される遊技機のタイプによって異なる。具体的には、遊技機は、大当り後に潜伏遊技状態に制御され得る「非報知タイプ」と、大当り後に潜伏遊技状態に制御され得ない「報知タイプ」に区分され、「非報知タイプ」の遊技機においては、遊技状態を示す情報として、時短状態または非時短状態を
示す情報が通知される一方、「報知タイプ」の遊技機においては時短状態または非時短状態を示す情報に加えて、高確状態または低確状態を示す情報が通知される。なお、本実施形態における遊技機は、図6を参照して上述したように、例えば大当りC(潜伏当り)に当選した場合に大当り遊技が終了してから1回転目〜70回転目まで潜伏遊技状態に制御されることから「非報知タイプ」の遊技機であり、したがって、時短状態または非時短状態を示す遊技状態通知コマンドがRAM103にセットされる。このため、演出制御部400には、遊技状態として時短状態または非時短状態を示す情報のみが通知される。上記した変動演出開始コマンドおよび遊技状態通知コマンドは、図8のステップS9における出力処理によって、演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS410に移る。
ステップS410において、CPU101は、ステップS409の処理でセットされた変動演出開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示を開始する。その後、処理はステップS411に移る。
ステップS411において、CPU101は、ステップS410における特別図柄の変動表示の開始時点から、ステップS408の変動パターン選択処理で設定された変動パターンが示す特別図柄変動時間が経過したか否かを判定する。ステップS411での判定がYESの場合、処理はステップS412に移り、この判定がNOの場合、処理は図8のステップS5(普通図柄処理)に移る。
ステップS412において、CPU101は、画像表示部6等による変動演出の終了を指示する変動演出停止コマンドをRAM103にセットする。その後、処理はステップS413に移る。なお、ステップS412でセットされた変動演出停止コマンドは、図8のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。
ステップS413において、CPU101は、ステップS410の処理で開始した第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示を終了してその停止図柄を表示する。その後、処理はステップS414に移る。
ステップS414において、CPU101は、停止中処理を実行する。具体的には、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で大当りしたと判定した場合、RAM103に記憶されている情報(典型的にはフラグによる情報)を大当り遊技中(大当り遊技状態)であることを示すものに変更し、大当り遊技演出の開始を指示するオープニングコマンドをRAM103にセットする。また、CPU101は、ステップS410及びS413の処理によって特別図柄が変動して停止表示される回数(つまり、回転数)に応じて、遊技状態を切り替える(つまり、特別図柄抽選の当選確率設定や電動チューリップ27の開放設定等を切り替える)。なお、ステップS414における処理は、規定の確定時間(例えば0.5秒)が経過することで終了され、その後、処理は図8のステップS5(普通図柄処理)に移る。このため、次のタイマ割り込み処理によって再び図11に示す特別図柄処理が実行されるタイミングは、ステップS413の処理において特別図柄の変動表示が終了してから確定時間(0.5秒)を経過したタイミング(より厳密には、確定時間を経過して初めて到来する割り込みタイミング)となる。なお、上記したオープニングコマンドは、ステップS414の処理が開始されてから(ステップS413の処理が終了してから)、規定の確定時間(0.5秒)が経過すると、図8のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、大当り遊技演出が開始される。
ステップS415おいて、CPU101は、客待ちコマンドおよび現在の遊技状態を示す遊技状態通知コマンドを、ステップS416の処理(後述)で既に送信済みであるか否
かを判定する。ここで、客待ちコマンドとは、ステップS414の処理が開始されてから規定の確定時間(0.5秒)を経過した時点(言い換えると、ステップS413の処理において特別図柄の変動表示が終了してから0.5秒経過した時点)において、特別図柄抽選の保留が存在しない場合に送信されるコマンドであり、特別図柄抽選の抽選結果を報知する変動演出が実行されていない状態(いわゆる客待ち状態)になったことを通知するコマンドである。ステップS415での判定がYESの場合、処理は図8のステップS5(普通図柄処理)に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS416に移る。
ステップS416おいて、CPU101は、客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドをRAM103にセットする。この客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドは図8のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、当該客待ちコマンドに基づいて、所定の停止演出(装飾図柄が全て停止表示されている状態の演出)が開始される。なお、上記した停止演出が開始されてから所定時間(例えば90秒)が経過すると、客待ち演出(客待ち演出表示)が開始される。ここで、客待ち演出は、例えば、遊技機1の題材となったコンテンツ(アニメや物語等)に関する映像を画像表示部6に表示させる演出や、例えば、遊技中に実行される所定の演出(例えばリーチ演出)の一部を画像表示部6に表示させる演出である。その後、処理は図8のステップS5(普通図柄処理)に移る。
[普通図柄処理]
図13は、図8のステップS5における普通図柄処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図8のステップS5における普通図柄処理について、図13を用いて説明する。
まず、ステップS501において、メイン制御部100のCPU101は、電動チューリップ27が開放制御されているか否かを判定する。具体的には、CPU101は、電動チューリップ開閉制御フラグがONに設定されているか否かを判定する。ステップS501での判定がYESの場合、処理は図8のステップS6(大入賞口処理)に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS502に移る。
まず、ステップS502において、メイン制御部100のCPU101は、普通図柄表示器4eによる普通図柄の変動表示中であるか否かを判定する。ステップS502での判定がYESの場合、処理はステップS507に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS503に移る。
ステップS503において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数Gが1以上であるか否か(つまり普通図柄抽選が保留されているか否か)を判定する。ステップS503での判定がYESの場合、処理はステップS504に移り、この処理がNOの場合、処理は図8のステップS6(大入賞口処理)に移る。
ステップS504において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数Gを、1減算した値に更新する。また、その際、CPU101は、RAM103に格納されている図10のステップS307によって取得されて格納された乱数セット(当り乱数、図柄乱数)のうち格納時期が早いものを読み出してRAM103から削除する。その後、処理はステップS505に移る。
ステップS505において、CPU101は、普通図柄抽選に当選しているかハズレであるかを判定する。具体的には、ステップS503の処理でRAM103から読み出した当り乱数が、ROM102に記憶されている当りの当選値と一致するかに基づいて、普通図柄抽選に当選しているかハズレであるかを判定する。そして、CPU101は、普通図
柄抽選の結果が当選していると判定した場合、この判定に使用した当り乱数と共にRAM103から読み出された図柄乱数がROM102に記憶されている所定値の何れと一致するかに基づいて、今回の当選における電動チューリップ27の開放パターン(図7参照)を判定する。なお、本実施形態において、通常遊技状態または潜伏遊技状態では、普通図柄抽選の当選確率は低確率(1/10)であり、確変遊技状態では、普通図柄抽選の当選確率は高確率(10/10)である。また、通常遊技状態または潜伏遊技状態で普通図柄抽選に当選した場合、電動チューリップ27は高確率(8/10)で0.10秒間を1回だけ開放(第1開放パターン)され、低確率(2/10)で5.50秒間を1回だけ開放(第2開放パターン)される。また、確変遊技状態で普通図柄抽選に当選した場合、電動チューリップ27は3.00秒間を2回開放(第3開放パターン)される。その後、処理はステップS506に移る。
ステップS506において、CPU101は、普通図柄表示器4eによる普通図柄の変動表示を開始する。その後、処理はステップS507に移る。
ステップS507において、CPU101は、ステップS505における普通図柄の変動表示の開始時点から、現在の遊技状態に基づく普通図柄変動時間が経過したか否かを判定する。なお、本実施形態において、通常遊技状態または潜伏遊技状態では、普通図柄抽選の変動時間は30秒であり、確変遊技状態では、普通図柄抽選の変動時間は3秒である(図7参照)。ステップS507での判定がYESの場合、処理はステップS508に移り、この判定がNOの場合、処理は図8のステップS6(大入賞口処理)に移る。
ステップS508において、CPU101は、ステップS506の処理で開始した普通図柄表示器4eによる普通図柄の変動表示を終了してその停止図柄を表示する。具体的には、普通図柄抽選の結果がハズレである場合には、ハズレ図柄を普通図柄表示器4eに表示し、普通図柄抽選の結果が当選している場合には、今回の当選における電動チューリップ27の開放パターンに応じた当選図柄を普通図柄表示器4eに表示する。その後、処理は図8のステップS6(大入賞口処理)に移る。
[大入賞口処理]
図14及び図15は、図8のステップS6における大入賞口処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図8のステップS6における大入賞口処理について、図14及び図15を用いて説明する。
まず、ステップS601において、メイン制御部100のCPU101は、RAM103に格納されている情報(典型的には、フラグによる情報)に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技中であるか否かを判定する。ステップS601での判定がYESの場合、処理はステップS602に移り、この判定がNOの場合、処理は図8のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS602において、CPU101は、RAM103に格納されている情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のオープニング中(つまり、オープニング演出中)であるか否かを判定する。ステップS602での判定がYESの場合、処理はステップS603に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS609に移る。
ステップS603において、CPU101は、オープニングの実行時間を規定する設定オープニング時間が経過したか否かを判定する。ステップS603での判定がYESの場合、処理はステップS604に移り、この判定がNOの場合、オープニングは終了していないので、処理は図8のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS604において、CPU101は、大当り遊技の全ラウンド数Rmaxと大当り遊技の大入賞口23の動作パターンとを設定し、その設定情報をRAM103にセットする。具体的には、CPU101は、大当り遊技に含まれるラウンドの数量(Rmax:本実施形態では「4」または「16」)と大当り遊技中の大入賞口23の動作パターンを設定し、その設定情報をRAM103にセットする。ステップS604の処理によって、大当り遊技の全ラウンド数Rmax、大当り遊技中のラウンドとラウンドとの間のインターバル時間、大当り遊技の最後にエンディング演出を行う時間である設定エンディング時間等が設定される。その後、処理はステップS605に移る。
ステップS605において、CPU101は、RAM103に格納されている大入賞口23への遊技球の入賞数Cを「0」にリセットする。その後、処理はステップS606に移る。
ステップS606において、CPU101は、RAM103に格納されている大当り遊技のラウンド数Rを、1加算した値に更新する。その後、処理はステップS607に移る。
ステップS607において、CPU101は、大入賞口開閉部115を制御して大入賞口23の開放制御を開始する。この処理によって、大当り遊技のラウンド(ラウンド遊技)が開始されて大入賞口23の開放動作(1回の開放動作)が開始される。その後、処理はステップS608に移る。
ステップS608において、CPU101は、ラウンド開始(ラウンド遊技開始)を通知するラウンド開始通知コマンドをRAM103にセットする。このラウンド開始通知コマンドは図8のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、ラウンド演出が開始されることとなる。なお、このラウンド開始通知コマンドには、ステップS604で設定された全ラウンド数Rmaxを示す情報およびステップS606の処理により更新された現在のラウンド数Rを示す情報が含まれている。その後、処理はステップS612に移る。
ステップS609において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のインターバル中であるか否かを判定する。ステップS609での判定がYESの場合、処理はステップS610に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS611に移る。
ステップS610において、CPU101は、大当り遊技中の前回のラウンド終了時に大入賞口23が閉塞された時点から、ステップS604の処理で設定された大当り遊技中の設定インターバル時間が経過したか否かを判定する。ステップS610での判定がYESの場合、大当り遊技中の次のラウンドを開始するタイミングになっているので処理はステップS605に移り、この判定がNOの場合、大当り遊技中の次のラウンドを開始するタイミングになっていないので、処理は図8のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS611において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のエンディングの実行中(つまり、エンディング演出中)であるか否かを判定する。ステップS611での判定がYESの場合、処理は図15のステップS621に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS612に移る。
ステップS612において、CPU101は、遊技機1の状態が大当り遊技のラウンド中であると判断して、大入賞口スイッチ114からの出力信号に基づいて、大入賞口23
に遊技球が入賞したか否かを判定する。ステップS612での判定がYESの場合、処理はステップS613に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS614に移る。
ステップS613において、CPU101は、大入賞口23への遊技球の入賞を検出したと判断して、RAM103に格納されている遊技球の入賞数Cを、1加算した値に更新する。ステップS613の処理が大入賞口23に遊技球が入賞する毎に実行されることで、1つのラウンド中に大入賞口23に入賞した遊技球の総数(入賞数C)がRAM103に累積記憶されていく。また、CPU101は、大入賞口23に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドは、図8のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、図19のステップS125の入賞処理指示が実行されることとなる。その後、処理はステップS614に移る。
ステップS614において、CPU101は、ステップS607の処理で大入賞口23の開放制御が開始された時点から規定の開放制御時間(本実施形態では29.5秒間)が経過したか否かを判定する。ステップS614での判定がYESの場合、処理はステップS616に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS615に移る。
ステップS615において、CPU101は、今回のラウンドにおける遊技球の入賞数Cが、大入賞口23が閉塞されるタイミングを規定する上限遊技球数Cmax(本実施形態では「10」)となったか否かを判定する。ステップS615での判定がYESの場合、処理はステップS616に移り、この判定がNOの場合、処理は図8のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS616において、CPU101は、大入賞口開閉部115を制御して、ステップS607で開始した大入賞口23の開放制御を終了する。このように、CPU101は、大当り遊技中の各ラウンドにおいて、大入賞口23を開放してから29.5秒が経過するまでに大入賞口スイッチ114によって検出された遊技球の総数(入賞数C)が10個(Cmax)に達したこと、又は大入賞口23を開放してから10個の遊技球が入賞することなく29.5秒が経過したことを条件として大入賞口23を閉塞する。その後、処理はステップS617に移る。
ステップS617において、CPU101は、ラウンド終了(ラウンド遊技終了)を通知するラウンド終了通知コマンドをRAM103にセットする。このラウンド終了通知コマンドは図8のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、ラウンド演出が終了されることとなる。その後、処理はステップS618に移る。
ステップS618において、CPU101は、RAM103に格納されている現在のラウンド数Rが、ステップS604の処理で設定された大当り遊技の最大ラウンド数Rmaxに達したか否かを判定する。ステップS618での判定がYESの場合、処理は図15のステップS619に移り、この判定がNOの場合、処理は図8のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
図15のステップS619において、CPU101は、RAM103に格納されているラウンド数Rを「0」にリセットする。その後、処理はステップS620に移る。
ステップS620において、CPU101は、演出制御部400に対して大当り遊技のエンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを、RAM103にセットする。この処理でセットされたエンディングコマンドは、図8のステップS9(出力処理)によって演出制御部400へ送信される。なお、このエンディングコマンドとしては、大当
り図柄(つまり、大当りの種類)および大当り遊技終了後に制御される遊技状態に対応したコマンドが送信され、演出制御部400は、このエンディングコマンドに基づいて、エンディング演出終了後(大当り遊技演出終了後)の演出を制御する。具体的には、例えば図6に示す大当りAを示す大当り図柄に対応したエンディングコマンドである場合には、大当り遊技終了後70回転まで確変遊技状態に制御されることを示すエンディングコマンドが送信され、演出制御部400は、当該エンディングコマンドに基づいて大当り遊技演出の終了後、確変遊技状態を示す演出モードで変動演出を実行する。その後、処理はステップS621に移る。
ステップS621において、CPU101は、ステップS620でエンディングコマンドをRAM103にセットした時点から図14のステップS604の処理で設定された設定エンディング時間が経過したか否かを判定する。ステップS621での判定がYESの場合、処理はステップS622に移り、この判定がNOの場合、処理は図8のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS622において、CPU101は、実行していた大当り遊技を終了する。具体的には、CPU101は、RAM103に格納されている大当り遊技中であることを示す設定情報(典型的には、フラグによる情報)を解除して、大当り遊技を終了する。その後、処理はステップS623に移る。
ステップS623において、CPU101は、遊技状態設定処理を実行する。具体的には、CPU101は、ステップS622で大当り遊技を終了した場合に、今回の大当りの種類(大当り図柄)に応じて遊技状態を切り替える(つまり、特別図柄抽選の当選確率設定および電動チューリップ27の開放設定を切り替える)。その後、処理は図8のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
なお、特別図柄抽選で小当りに当選して小当り遊技が実行される場合には、CPU101は、小当り遊技を開始することを示す通知コマンドをRAM103にセットして当該コマンドを演出制御部400に送信してから、以上に説明した大入賞口処理ではないものの、大当りC(潜伏当り;図6参照)の大当り遊技と同様に大入賞口23を例えば0.1秒瞬間開放させる動作を4回行う小当り遊技を実行する。そして、CPU101は、小当り遊技を実行した後に、小当り遊技を終了したことを示す通知コマンドをRAM103にセットして当該コマンドを演出制御部400に送信して、小当り遊技の前後においては遊技状態を切り替えない。演出制御部400は、小当り遊技を開始することを示す通知コマンドを受信すると、画像音響制御部500等に指示して大当りC(潜伏当り)の大当り遊技演出と同一内容の小当り遊技演出の実行を開始し、小当り遊技を終了したことを示す通知コマンド受信すると、この小当り遊技演出を終了する。以上の制御によって、遊技者は大当りC(潜伏当り)したのか小当りしたのかを上記の遊技演出や大入賞口23の動作から判断できず、遊技の興趣性を有効に高めることができる。
[電動チューリップ処理]
図16は、図8のステップS7における電動チューリップ処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図8のステップS7における電動チューリップ処理について、図16を用いて説明する。
まず、ステップS701において、メイン制御部100のCPU101は、電動チューリップ27の開閉制御中であるか否かを判定する。具体的には、CPU101は、電動チューリップ開閉制御フラグがONに設定されているかを判定する。ステップS701での判定がYESの場合、処理はステップS704に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS702に移る。
ステップS702において、CPU101は、図13のステップS505の処理で、普通図柄抽選に当選したか否かを判定する。ステップS702での判定がYESの場合、処理はステップS703に移り、この判定がNOの場合、処理は図8のステップS8(賞球処理)に移る。
ステップS703において、CPU101は、ステップS702の処理で判定された普通図柄抽選の当選における開放パターンに基づいて、電動チューリップ27の開閉制御を開始する。なお、本実施形態において、通常遊技状態または潜伏遊技状態で普通図柄抽選に当選した場合、電動チューリップ27は高確率(8/10)で0.10秒間を1回だけ開放(第1開放パターン)され、低確率(2/10)で5.50秒間を1回だけ開放(第2開放パターン)される。また、確変遊技状態で普通図柄抽選に当選した場合、電動チューリップ27は3.00秒間を2回開放(第3開放パターン)される。そして、CPU101は、電動チューリップ開閉制御フラグをONに設定する。その後、処理はステップS704に移る。
ステップS704において、CPU101は、ステップS703における電動チューリップ27の開閉制御の開始時点から、開放パターンに基づく電動チューリップ27の開閉制御時間が経過したか否かを判定する。ステップS704での判定がYESの場合、処理はステップS705に移り、この判定がNOの場合、処理は図8のステップS8(賞球処理)に移る。
ステップS705において、CPU101は、電動チューリップ27の開閉制御を終了する。そして、CPU101は、電動チューリップ開閉制御フラグをOFFに設定する。その後、処理は図8のステップS8(賞球処理)に移る。
[演出制御部または画像音響制御部によるタイマ割込み処理]
図17は、演出制御部400または画像音響制御部500によって行われるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図17を参照して、演出制御部400または画像音響制御部500において行われるタイマ割込み処理について説明する。演出制御部400は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図17に示す一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図17以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御部400で行われる処理は、ROM402に記憶されているプログラムに基づいて実行され、画像音響制御部500で行われる処理はROM502に記憶されているプログラムに基づいて実行される。
まず、ステップS11において、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100から図8のステップS9の出力処理により出力された各種コマンドを受信して、受信したコマンドに応じて演出内容を設定し、設定した演出内容の演出を画像音響制御部500等に実行指示するための各種コマンドをRAM403にセットするコマンド受信処理を実行する。このコマンド受信処理については、図18及び図19を用いて後に詳述する。
次に、ステップS12において、CPU401は、遊技者の操作により演出ボタン37および演出キー38から出力される操作入力信号に応じて、演出内容を設定し、設定した内容の演出を画像音響制御部500等に実行指示するための各種コマンドをRAM403にセットする演出入力制御処理を実行する。例えば、CPU401は、所定の操作入力有効期間において遊技者により演出ボタン37が操作されて操作入力信号が出力された場合、所定の演出(大当りの可能性を示唆する予告画像を表示する演出等)の実行を設定してコマンドをRAM403にセットする。なお、演出ボタン37等から出力される操作入力信号に応じて、演出制御部400が演出内容を設定して画像音響制御部500等に演出を
実行させるのではなく、この操作入力信号に応じて、画像音響制御部500等が演出内容を設定して実行してもよい。
次に、ステップS13において、CPU401は、メイン制御部100から図8のステップS9の出力処理により出力された第2ゲート通過コマンドの受信状況や遊技機1の遊技状態等に応じて、遊技球の打ち出し領域の報知(左打ちを報知)を制御する打ち出し領域報知制御処理を実行する。この打ち出し領域報知制御処理については、図22を用いて後に詳述する。
次に、ステップS14において、CPU401は、ステップS11〜S13の処理でRAM403にセットされた各種コマンドを画像音響制御部500等に出力する出力処理を実行する。この処理によって、ステップS11〜S13の処理で実行決定された各種演出が、画像音響制御部500等の実行制御により、画像表示部6、スピーカ35および盤ランプ8等で実行されることとなる。
なお、上記したタイマ割り込み処理の実行毎に、CPU401は、演出に使用する各種演出乱数(典型的には、実行する演出を決定するための各種演出乱数)を更新する乱数更新処理を行う。この乱数更新処理においても、図8のステップS1の乱数更新処理と同様に、典型的にはループカウンタが用いられ、そのカウント値(更新された乱数値)は、最大値(例えば、99)に達した後は再び0に戻る(つまり、循環する)。また、この乱数更新処理において、各演出乱数のカウンタは、それぞれ、1回循環するとランダムに初期値(循環の起点となる値)を更新する。このことによって、これらの演出乱数の間でカウンタの値(カウント値)が同期することを回避できる。
[演出制御部によるコマンド受信処理]
図18及び19は、図17のステップS11のコマンド受信処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図18及び19を参照して、図17のステップS11のコマンド受信処理について説明する。
まず、ステップS111において、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100から保留増加コマンド(第1保留数増加コマンド又は第2保留数増加コマンド)を受信したか否かを判定する(図9のステップS206及びS212参照)。ステップS111での判定がYESの場合、処理はステップS112に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS114に移る。
ステップS112において、CPU401は、ステップS111の処理で受信した保留増加コマンドに応じて、画像音響制御部500に指示して、画像表示部6に特別図柄抽選の保留を示す保留画像の追加表示処理や、保留画像を先読み表示態様に変化させる保留画像表示処理を行う。なお、この画像音響制御部500への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。また、CPU401は、第1保留数増加コマンドを受信した場合、RAM403に、第1特別図柄抽選の保留を示すデータ(保留データ)を時系列順で1つ累積記憶させ、一方、第2保留数増加コマンドを受信した場合、RAM403に、第2特別図柄抽選の保留を示すデータ(保留データ)を時系列順で1つ累積記憶させる。また、その際に、CPU401は、保留増加コマンドに含まれる事前判定情報を抽出して上記した各保留データに含めて、RAM403に記憶する。その後、処理はステップS113に移る。
ステップS113において、CPU401は、先読み予告演出設定処理を行う。具体的には、CPU401は、RAM403に記憶されている特別図柄抽選の保留数(保留データの数)が、ステップS112で追加された保留を含めて2以上である場合、直近にRA
M403に記憶された(つまり、直近の保留データに含まれる)事前判定情報に基づいて、先読み予告演出を実行するか否かを抽選等によって判定する。例えば、CPU401は、事前判定情報が、「大当り」を示すものである場合、「ハズレ」かつ「リーチ演出あり」を示すもの(リーチありハズレ)である場合、または、「ハズレ」かつ「リーチ演出なし」を示すもの(リーチなしハズレ)である場合のそれぞれにおいて、先読み乱数(演出乱数)を取得し、当該先読み乱数が所定の先読み当選値に一致した場合に、先読み予告演出を実行すると決定する。なお、この先読み当選値は、事前判定情報が「大当り」の場合と、「リーチありハズレ」の場合と、「リーチなしハズレ」の場合とで、それぞれ異なる個数が設定されるものとしてもよい。具体的には、「大当り」の場合の先読み当選値の個数は、「リーチありハズレ」の場合の先読み当選値の個数よりも多く設定することにより、「大当り」時には先読み予告演出が実行され易いものとしてもよい。そして、先読み予告演出を実行すると決定した場合、CPU401は、この事前判定情報の条件(大当りしたか否かの条件等)を満たす多数の先読み予告演出のパターンから、演出乱数を用いた抽選によって、実行する先読み予告演出の内容を設定する。つまり、先読み予告演出として、各変動演出においてどの様な予告演出を行うかを設定する。なお、先読み予告演出は、例えば複数の変動演出に亘って大当りの可能性を示唆する予告演出である。その後、処理はステップS114に移る。
ステップS114において、CPU401は、図11のステップS409でセットされた変動演出開始コマンドおよび遊技状態通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS114での判定がYESの場合、処理はステップS115に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS116に移る。
ステップS115において、CPU401は、ステップS114の処理で受信した変動演出開始コマンドおよび遊技状態通知コマンドに応じて、画像音響制御部500等に指示して、画像表示部6等による変動演出を開始等する変動演出実行処理を行う。ここで、変動演出は、特別図柄の変動表示に応じて画像表示部6等において実行されて特別図柄抽選の結果を報知する演出であり、例えば、装飾図柄が変動表示され、当該変動表示された装飾図柄が停止表示されることにより特別図柄抽選の結果が報知される演出である。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。この変動演出実行処理については、図20及び図21を用いて、後に詳述する。その後、処理はステップS116に移る。
ステップS116において、CPU401は、図11のステップS412の処理でセットされた変動演出停止コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS116での判定がYESの場合、処理はステップS117に移り、この判定がNOの場合、処理は図19のステップS120に移る。
ステップS117において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、ステップS115の処理で実行開始した変動演出を終了して、変動表示させていた装飾図柄を最終的に全て停止させて(確定停止表示させて)特別図柄抽選の結果を演出的に報知する。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理は図19のステップS120に移る。
図19のステップS120において、CPU401は、図11のステップS414の停止中処理でセットされたオープニングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS120での判定がYESの場合、処理はステップS121に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS122に移る。
ステップS121において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、大
当り遊技演出のオープニング演出処理を行う。つまり、大当り遊技演出を開始させる。ここで、大当り遊技演出のオープニング演出は、大当り遊技の開始を報知する演出であり、典型的には、大入賞口23に向けて遊技球を発射するように遊技者に促す画像演出(つまり、遊技領域20の右側領域に向けて遊技球を発射するように遊技者に促す画像演出)である。この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS122に移る。
ステップS122において、CPU401は、図14のステップS608の処理でセットされたラウンド開始通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS122での判定がYESの場合、処理はステップS123に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS124に移る。
ステップS123において、CPU401は、ラウンド演出開始指示を行う。具体的には、CPU401は、画像音響制御部500等に対して、大当り遊技演出のラウンド演出処理の開始を指示する。ここで、ラウンド演出は、大当り遊技のラウンド遊技中に実行される演出であり、例えば、主人公のキャラクタが敵のキャラクタと戦っている画像等による演出である。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS124に移る。
ステップS124において、CPU401は、図14のステップS613等の処理でセットされ、図8のステップS9の出力処理によって出力された入賞コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS124での判定がYESの場合、処理はステップS125に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS126に移る。
ステップS125において、CPU401は、画像音響制御部500に指示して入賞処理を開始する。ここで、入賞処理は、例えば大当り遊技中(ラウンド中)に開放される大入賞口23に入賞した遊技球に基づいて払い出された賞球数をカウントする処理であり、入賞処理の開始を指示された画像音響制御部500のCPU501は、演出制御部400を介して受信した入賞コマンドのうち、大入賞口23への遊技球入賞に基づく入賞コマンドを受信する毎に(すなわち、大入賞口23へ遊技球が1つ入賞する毎に)、大入賞口23に対応する賞球数「13」をRAM503に記憶された賞球総数に加算して更新し、更新された賞球総数を画像表示部6に表示する。その後、処理はステップS126に移る。
ステップS126において、CPU401は、図14のステップS617の処理でセットされたラウンド終了通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS126での判定がYESの場合、処理はステップS127に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS128に移る。
ステップS127において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、大当り遊技演出のラウンド演出を終了する。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS128に移る。
ステップS128において、CPU401は、図15のステップS620の処理でセットされたエンディングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS128での判定がYESの場合、処理はステップS129に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS130に移る。
ステップS129において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、大当り遊技演出のエンディング演出を開始する。つまり、大当り遊技演出を終了させる。こ
こで、エンディング演出は、大当り遊技の終了を報知する演出であり、典型的には、遊技機1のメーカー名を表示させる演出である。この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS130に移る。
ステップS130において、CPU401は、図11のステップS416の処理でセットされた客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS130での判定がYESの場合、処理はステップS131に移り、この判定がNOの場合、処理は図17のステップS12に移る。
ステップS131において、CPU401は、ステップS130で受信した客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドに基づいて、画像音響制御部500に指示して、停止状態処理を開始する。ここで、停止状態処理は、いわゆる客待ち状態になることを契機に開始される処理であり、停止状態処理の開始を指示された画像音響制御部500のCPU501は、遊技状態に応じた所定の停止演出(例えば、装飾図柄の全てが停止表示された演出)を画像表示部6に表示する。なお、CPU501は、上記した停止演出を開始してから、所定時間(例えば90秒)が経過したときに、CPU401から、他の演出の指示を受けない場合、客待ち演出を開始する。なお、客待ち演出は、例えば、遊技機1の題材となったコンテンツ(アニメや物語等)に関する映像を画像表示部6に表示させる演出や、例えば、遊技中において実行される所定の演出(例えばリーチ演出)の一部を画像表示部6に表示させる演出である。この画像音響制御部500への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。そして、コマンド受信処理を終了し、処理は図17のステップS12に移る。
[変動演出実行処理]
図20及び図21は、図18のステップS115の変動演出実行処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図18のステップS115の変動演出実行処理について、図20及び図21を用いて説明する。
まず、ステップS1151において、演出制御部400のCPU401は、図18のステップS114で受信した遊技状態通知コマンドに基づいて、現在の遊技状態が非時短状態(つまり、本実施形態では、通常遊技状態または潜伏確変遊技状態)であるか否かを判定する。ステップS1151での判定がYESの場合、処理は、ステップS1152に移り、この判定がNOの場合、処理は図21のステップS1160に移る。
ステップS1152において、CPU401は、遊技状態が時短状態から非時短状態に移行直後の変動演出であるか否かを判定する。具体的には、CPU401は、大当り遊技終了の際に受信したエンディングコマンドによって確変遊技状態(時短状態)で70回転制御された後に通常遊技状態に制御されることを認識して、変動演出の実行数(回転数)をカウントすることによって、確変遊技状態(時短状態)終了直後の変動演出であるか否かを判定する。ステップS1152での判定がYESの場合、処理はステップS1154に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1153に移る。
ステップS1153において、CPU401は、潜伏当り(大当りC:図6参照)の大当り遊技または小当り遊技終了直後の変動演出であるか否かを判定する。ステップS1153での判定がYESの場合、処理はステップS1154に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1155に移る。
ステップS1154において、CPU401は、左打ち報知フラグをONに設定し、RAM403に格納されている左打ち報知演出を実行する変動を定める数である左打ち報知
演出実行数Nを「3」に設定する。その後、処理はステップS1159に移る。
ステップS1155において、CPU401は、左打ち報知フラグがONに設定されているか否かを判定する。ステップS1155での判定がYESの場合、処理はステップS1156に移り、この判定がNOの場合、処理は図21のステップS1160に移る。
ステップS1156において、CPU401は、左打ち報知演出実行数Nが「1」であるか否かを判定する。ステップS1156での判定がYESの場合、処理はステップS1157に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1158に移る。
ステップS1157において、CPU401は、左打ち報知フラグをONからOFFに切り替える(OFFに設定する)。その後、処理はステップS1158に移る。
ステップS1158において、CPU401は、RAM403に格納されている左打ち報知演出実行数Nを、1減算した値に更新する。その後、処理はステップS1159に移る。
ステップS1159において、CPU401は、遊技領域20の左側領域に向けて遊技球を発射すること(左打ち)を遊技者に促す左打ち報知演出を実行させることを決定する。ここで、左打ち報知演出とは、典型的には、「左打ち」と書かれた左向きの矢印の画像を画像表示部6の左上部に表示させるとともに、スピーカ35から「左打ちしてください」との音声を出力させることにより、遊技者に左打ちを促す報知を行う演出である(図23参照)。その後、処理は図21のステップS1160に移る。
以上に説明したステップS1151〜S1159の処理により、時短状態から非時短状態(つまり、本実施形態では、確変遊技状態から通常遊技状態)に遊技状態が移行した直後の4回転(変動)、及び、潜伏当り(大当りC:図6参照)の大当り遊技または小当り遊技終了直後の4回転(変動)における変動演出において、左打ちを遊技者に促す左打ち報知演出を実行することが決定される。
図21のステップS1160において、CPU401は、図18のステップS114で受信した変動演出開始コマンドを解析して、変動演出開始コマンドに含まれている設定情報を取得する。その後、処理はステップS1161に移る。
ステップS1161において、CPU401は、ステップS1160で取得した設定情報に基づいて、変動演出の演出パターンを決定する。具体的には、CPU401は、この設定情報の条件(大当りしたか否かの条件、変動演出時間の条件等)を満たす多数の変動演出の演出パターンから、抽選等によって、実行する変動演出の演出パターンを決定する。より具体的には、例えば、この設定情報に特別図柄変動時間として60.01秒(図12参照)が決定されている情報が含まれていると、CPU401は、複数種類あるSPリーチ演出の中から実行するSPリーチ演出を1つ抽選等によって決定し、決定したSPリーチ演出を実行した後に、特別図柄抽選にハズレたことを報知することを決定する。その後、処理はステップS1162に移る。
ステップS1162において、CPU401は、図20のステップS1159の処理で左打ち報知演出の実行を決定したか否かを判定する。ステップS1162での判定がYESの場合、処理はステップS1163に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1165に移る。
ステップS1163において、CPU401は、ステップS1161で決定した変動演
出の演出パターンに基づく演出に特定演出を実行することが含まれているか否かを判定する。ここで、本実施形態における特定演出とは、大当り信頼度が高い演出や、特別図柄抽選の結果大当りまたは小当りしたことを示唆する当選示唆演出や、特別図柄抽選の結果大当りまたは小当りしたことを報知する当選報知演出である。典型的には、大当り信頼度が高い演出とは、SPリーチ演出やSPSPリーチ演出であり、当選示唆演出とは、装飾図柄が大当りまたは小当り図柄列で仮停止した後に、完全停止するまでに行われる演出であり、当選報知演出とは、装飾図柄が大当りまたは小当り図柄列(ハズレの図柄列)で完全停止して大当り等を報知する演出である。なお、仮停止とは、装飾図柄の変動が停止したと遊技者が認識できる態様で停止されることをいい、完全に停止しているわけではなく、例えば、上下に僅かに変動した状態で表示される停止状態である。ステップS1163での判定がYESの場合、処理はステップS1164に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1165に移る。
ステップS1164において、CPU401は、図20のステップS1159の処理で決定した左打ち報知演出の実行を、特定演出の実行中は中止することを決定する。その後、処理はステップS1165に移る。
以上に説明したステップS1160〜ステップS1164の処理により、左打ち報知演出を実行すると決定された変動演出において特定演出が実行される場合、特定演出の実行中においては図20のステップS1159の処理によって決定された左打ち報知演出の実行が中止される(左打ち報知演出が実行されない)。
ステップS1165において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、ステップS1151〜S1164の処理で決定した内容の変動演出を画像表示部6等において実行する。なお、この画像音響制御部500への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理は図18のステップS116に移る。
[打ち出し領域報知制御処理]
図22は、図17のステップS13における打ち出し領域報知制御処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図17のステップS13における打ち出し領域報知制御処理について、図22を用いて説明する。
まず、ステップS1301において、演出制御部のCPU401は、遊技領域20の左側領域に向けて遊技球を発射すること(左打ち)を遊技者に促す左打ち報知演出の実行中であるか否かを判定する。ステップS1301での判定がYESの場合、処理はステップS1305に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1302に移る。
ステップS1302において、CPU401は、図18のステップS114または図19のステップS130で受信した遊技状態通知コマンドに基づいて、現在の遊技状態が非時短状態であるか否かを判定する。ステップS1302での判定がYESの場合、処理はステップS1303に移り、この判定がNOの場合、処理は図17のステップS14に移る。
ステップS1303において、CPU401は、所定条件を満たす遊技球の第2ゲート25bの通過があったか否かを判定する。具体的には、CPU401では所定時間内に所定回数以上(本実施形態では、5秒以内に3回以上)、遊技球の第2ゲート25bの通過があったか否かを判定する。より具体的には、CPU401は、メイン制御部100から第2ゲート通過コマンドを受信した場合、第2ゲート通過コマンドを受信したことを所定時間(本実施形態では5秒)RAM403に一時的に記憶することにより、所定時間内に第2ゲート通過コマンドの受信を所定回数(本実施形態では3回)以上したか否かを判定
する。ステップS1303での判定がYESの場合、処理はステップS1304に移り、この判定がNOの場合、処理は図17のステップS14に移る
ステップS1304において、CPU401は、左打ち報知演出を60秒間実行することを決定し、画像音響制御部500等に指示して、この60秒間の左打ち報知演出を実行する。なお、この画像音響制御部500等への指示はコマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS1305に移る。
ステップS1305において、CPU401は、電動チューリップ27が開閉制御されているか否かを判定する。具体的には、CPU401は、電動チューリップ開閉制御フラグがONに設定されているかを判定する。ステップS1305での判定がYESの場合、処理はステップS1308に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1306に移る。
ステップS1306において、CPU401は、遊技機1の現在の状態が大当り遊技中または小当り遊技中であるか否かを判定する。ステップS1306での判定がYESの場合、処理はステップS1308に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1307に移る。
ステップS1307において、CPU401は、現在変動演出が実行されている場合、図21のステップS1161で決定した変動演出の演出パターンに基づいて、実行中の変動演出において特定演出の実行中であるか否かを判定する。ステップS1307での判定がYESの場合、処理はステップS1308に移り、この判定がNOの場合、処理は図17のステップS14に移る。
一方、ステップS1308において、CPU401は、ステップS1301で実行中と判定した左打ち報知演出の実行を、画像音響制御部500等に指示して禁止する。なお、CPU401は、電動チューリップ27の開閉制御、大当り遊技または小当り遊技の実行、または、変動演出における特定演出の実行が終了した後には、ステップS1305〜S1307で全てNOと判定してステップS1308の処理を実行しないので、実行を禁止していた左打ち報知演出を再開させることとなる。その後、処理は図17のステップS14に移る。
つまり、ステップS1301〜S1304の処理により、左打ち報知演出が実行されておらず、非時短状態において、所定条件(本実施形態では、5秒間に3回以上)を満たす第2ゲート25bの遊技球の通過を検出(つまり、右打ちを検出)した場合、左打ち報知演出を60秒間実行することが決定され実行される。しかしながら、ステップS1305〜S1308の処理により、電動チューリップ27が開閉制御されている、大当り遊技または小当り遊技が実行されている(つまり、大入賞口23が開閉制御されている)、または、変動演出において特定演出が実行中である場合、左打ち報知演出の実行が禁止され、左打ち報知演出は実行されない。そして、電動チューリップ27の開閉制御、大当り遊技または小当り遊技の実行、または、変動演出における特定演出の実行が終了すると、左報知演出の実行が再開される。なお、上記では、左打ち報知演出が実行されておらず、非時短状態において、右打ちを検出した場合、左打ち報知演出を60秒間実行することを決定するものとしたが、これに限られるものではない。例えば、左打ち報知演出が実行されておらず、非時短状態において、右打ちを検出した場合、左打ちによってのみ入賞可能である第1始動口21に所定数の遊技球が入賞するまで左打ち報知演出を行うように決定してもよい。
[本実施形態による特徴的動作]
次に、フローチャートを用いて以上に説明した制御により実行される本実施形態による特徴的動作について、図23〜図27を用いて具体的に説明する。図23〜図27は、本実施形態における打ち出し領域報知演出について説明するための図である。
まず、遊技機1において、確変遊技状態(時短状態)から、通常遊技状態(非時短状態)へ移行された際に実行される本実施形態の特徴的動作について、図23を用いて説明する。図23に示すように、第2始動口22へ遊技球が非常に入賞し易くなっているために右打ちすべき確変遊技状態である場合、画像表示部6に、装飾図柄DI(DI1〜DI3)が表示されるとともに、遊技者に右打ちを促す右打ち報知演出が実行される(左打ちを促す左打ち報知演出は実行されない)。ここで、右打ち報知演出とは、典型的には、「右打ち」と書かれた右向きの矢印の画像を画像表示部6の右上部に表示させ、遊技者に右打ちすることを促す報知を行う演出である。なお、装飾図柄DIは、3つの(3列の)装飾図柄DI1、DI2、DI3から構成されて画像表示部6の画面に表示される。より具体的には、左側に左装飾図柄DI1が表示され、右側に右装飾図柄DI2が表示され、中央に中装飾図柄DI3が表示される。この装飾図柄DI1、DI3、DI2を、特別図柄の変動表示に応じて(変動表示に同期して)、変動表示させてから停止表示させることにより、特別図柄抽選の結果が遊技者に報知される。また、図23以降では、装飾図柄DIが上から下に変動している様子を矢印で表現している。
ここで、確変遊技状態は第2始動口22へ遊技球が非常に入賞し易いため右打ちすべき遊技状態である一方で、通常遊技状態は右打ちしても第2始動口22へ遊技球が非常に入賞し難いため左打ちすべき遊技状態である。そのため、図23に示すように、確変遊技状態から通常遊技状態に移行した直後の4回の変動演出において、遊技者に左打ちに戻すことを促す左打ち報知演出が実行される。ここで、左打ち報知演出とは、典型的には、「左打ち」と書かれた左向きの矢印の画像を画像表示部6の左上部に表示させるとともに、スピーカ35から「左打ちしてください」との音声を出力させることにより、左打ちを促す報知を行う演出である。しかしながら、本実施形態では、この4回の変動演出において、特定演出が実行される場合には、特定演出の実行中は左打ち報知演出の実行が取り消され、左打ち報知演出は実行されない。ここで、特定演出とは、大当り信頼度が高い演出や、特別図柄抽選の結果大当りまたは小当りしたことを示唆する当選示唆演出や、特別図柄抽選の結果大当りまたは小当りしたことを報知する当選報知演出である。具体的には、大当り信頼度が高い演出とは、SPリーチ演出やSPSPリーチ演出であり、当選示唆演出とは、装飾図柄が大当りまたは小当り図柄列で仮停止した後に、完全停止するまでに行われる演出であり、当選報知演出とは、装飾図柄が大当りまたは小当り図柄列(ハズレの図柄列)で完全停止して大当り等を報知する演出である。なお、図23では、特定演出としてSPリーチ演出のみが実行され、SPリーチ演出終了後、装飾図柄DI1〜DI3がハズレ図柄列(「323」)で仮停止した後に完全停止しハズレとなる場合を例として示している。
このように、本実施形態では、変動演出において遊技者が最も興奮して楽しむ特定演出(大当り信頼度が高い演出(SPリーチ演出、SPSPリーチ演出)や当選示唆演出や当選報知演出)の実行中は、左打ち報知演出の実行が取り消されることにより、遊技者の注意を特定演出に集中させることができ、遊技者の興奮に水を差すことを効果的に防止できる。また、図23に示すような確変遊技状態から通常遊技状態へと移行した直後の4回の変動は、確変遊技状態では第2始動口22に遊技球が非常に入賞し易いため、第2特別図柄抽選の保留(保留上限数4)による変動となる可能性が高い。また、図12を用いて上述したように、第2特別図柄抽選による変動は、第1特別図柄抽選による変動に比べ、変動演出においてSPリーチ演出、SPSPリーチ演出が実行される確率が高い(つまり、特定演出が実行される確率が高い)。このため、上記したように、この4回の変動演出における特定演出の実行中は左打ち報知演出の実行が取り消されることにより、より効果的
に遊技者の興奮に水を差すことを防止できる。
また、上記したように、確変遊技状態から通常遊技状態へ移行した後の4回の変動に渡って左打ち報知演出が実行されることにより、遊技者に右打ちではなく左打ちすべきであることを確実に報知することができる。なお、この4回の変動の終了後は、右打ちが検出された場合に、左打ち報知演出が実行される。この左打ち報知演出については、図25、図26を用いて後述する。
次に、潜伏当りしたことに応じて実行される大当り遊技または非時短状態(本実施形態では、通常遊技状態および潜伏遊技状態)において小当りしたことに応じて実行される小当り遊技が終了した際に実行される本実施形態の特徴的動作について、図24を用いて説明する。図24に示すように、遊技機1において、潜伏当り(大当りC:図6参照)に当選すると潜伏当りしたことに応じた大当り遊技(潜伏当り遊技)が実行され、小当りに当選すると小当り遊技が実行される。また、潜伏当り遊技中または小当り遊技中において、大入賞口23を開放させる動作(開閉制御)が行われるため、右打ち報知演出が実行される(左打ち報知演出は実行されない)。
ここで、潜伏当り遊技の終了後には、潜伏遊技状態(非時短状態)に制御される。また、非時短状態(本実施形態では、通常遊技状態および潜伏遊技状態)において小当りして実行される小当り遊技の終了後には、(小当り遊技前後で遊技状態は変更されないため)そのまま通常遊技状態(非時短状態)または潜伏遊技状態(非時短状態)での制御が継続される。ここで、通常遊技状態および潜伏遊技状態は、右打ちしても第2始動口22へ遊技球が非常に入賞し難いため左打ちすべき遊技状態である。そのため、図24に示すように、潜伏当り遊技または上記した小当り遊技終了直後の4回の変動演出において、左打ちに戻すことを促す左打ち報知演出が実行される。しかしながら、本実施形態では、図24に示すように、この4回の変動演出において、特定演出が実行される場合には、特定演出の実行中は左打ち報知演出の実行が取り消され、左打ち報知演出は実行されない。なお、図24では、図23と同様に、特定演出としてSPリーチ演出のみが実行され、SPリーチ演出終了後、装飾図柄DI1〜DI3がハズレ図柄列(「323」)で仮停止した後に完全停止しハズレとなる場合を例として示している。
このように、本実施形態では、変動演出において遊技者が最も興奮して楽しむ特定演出(大当り信頼度が高い演出(SPリーチ演出、SPSPリーチ演出)や当選示唆演出や当選報知演出)の実行中は、左打ち報知演出の実行が取り消されることにより、遊技者を特定演出に集中させることができ、遊技者の興奮に水を差すことを効果的に防止できる。
また、上記したように、潜伏当り遊技または上記した小当り遊技の終了後の4回の変動に渡って左打ち報知演出が実行されることにより、遊技者に右打ちではなく左打ちすべきであることを確実に報知することができる。なお、この4回の変動の終了後は、右打ちが検出された場合に、左打ち報知演出が実行される。この左打ち報知演出については、図25、図26を用いて後述する。なお、上記では、潜伏当り遊技の終了後または非時短遊技状態において小当りして実行される小当たりの遊技の終了後には、図23で示した場合と同様に、4回の変動演出に渡って、左打ち報知演出が実行されるものとしたが、左打ち報知演出が行われる期間は、これより短い期間であってもよい。例えば、潜伏当り遊技の終了直後または非時短遊技状態において小当りして実行される小当たりの遊技の終了直後の1回の変動演出においてのみ、左打ち報知演出が実行されるものとしてもよい。
次に、左打ちすべき遊技状態(本実施形態では、通常遊技状態または潜伏遊技状態)において変動演出の実行中に、右打ちが検出された場合に実行される本実施形態の特徴的動作について、図25、図26を用いて説明する。
図25、図26に示すように、通常遊技状態(非時短状態)または潜伏遊技状態(非時短状態)において、右打ちを検出(所定条件(本実施形態では5秒間に3回以上)を満たす第2ゲート25bの遊技球の通過を検出)した場合、左打ちを促す左打ち報知演出が60秒間実行される。
しかしながら、本実施形態では、図25および図26に示すように、通常遊技状態(非時短状態)または潜伏遊技状態(非時短状態)において変動演出が開始され、この変動演出において特定演出が実行される場合には、特定演出の実行中は、左打ち報知演出の実行が禁止される(左打ち報知演出は実行されない)。なお、図25では、図23と同様に、特定演出としてSPリーチ演出のみが実行され、SPリーチ演出終了後、装飾図柄DI1〜DI3がハズレ図柄列(「323」)で仮停止した後に完全停止しハズレとなる場合を例として示している。この場合、図25に示すように、SPリーチ演出の終了後、左打ち報知演出が実行(再開)される。一方、図26では、特定演出としてSPリーチ演出と、SPリーチ演出終了後に装飾図柄DIが大当り図柄列(例えば、「333」)または小当り図柄列(図示なし)で仮停止したことを示唆する当選示唆演出と、当選示唆演出が実行された後に装飾図柄DI1〜DI3が大当り図柄列(例えば、「333」)または小当り図柄列で完全停止する当選報知演出とが実行される場合を例として示している。この場合、図26に示すように、当選報知演出の終了後、右打ちすべき大当り遊技または小当り遊技が実行されるため、右打ち報知演出が実行される(左打ち報知演出は実行されない)。
このように、本実施形態では、変動演出において遊技者が最も興奮して楽しむ特定演出の実行中(大当り信頼度が高い演出(SPリーチ演出、SPSPリーチ演出)や当選示唆演出や当選報知演出)は、左打ち報知演出の実行が禁止されることにより、遊技者を特定演出に集中させることができ、遊技者の興奮に水を差すことを効果的に防止できる。また、図26に示すように、特定演出である当選示唆演出や当選報知演出の実行中に左打ち報知演出の実行が禁止されることにより、特別図柄抽選に当選したと確信した遊技者の高揚感に水を差すことを防止できると共に、当選報知演出実行後に開始される大当り遊技のラウンド遊技において右打ちが遅れることを防止することができる。
次に、左打ちすべき遊技状態(本実施形態では、通常遊技状態または潜伏遊技状態)において、電動チューリップ27の開閉制御中に右打ちが検出された場合に実行される本実施形態の特徴的動作について、図27を用いて説明する。
図27に示すように、通常遊技状態(非時短状態)または潜伏遊技状態(非時短状態)において、右打ちを検出(所定条件(本実施形態では5秒間に3回以上)を満たす第2ゲート25bの遊技球の通過を検出)した場合、遊技者に左打ちを促す左打ち報知演出が60秒間実行される。
しかしながら、本実施形態では、図27に示すように、通常遊技状態(非時短状態)または潜伏遊技状態(非時短状態)において、普通図柄抽選に当選し、この当選に応じた開閉制御パターン(図7参照:第1または第2の開閉制御パターン)で電動チューリップ27が開閉制御されている間は、左打ち報知演出の実行は禁止される(左打ち報知演出は実行されない)。
ここで、普通図柄抽選に当選し電動チューリップ27が開閉制御され、第2始動口22への遊技球の入賞が可能となると、遊技者は多くの遊技球を第2始動口22へ入賞させようと、第2始動口へ遊技球を入賞させ易い右打ちを行うことがある。このような遊技者に、電動チューリップの開閉制御中に右打ちが検出されたことによって左打ち報知演出を実行すると、遊技者はこの左打ち報知演出を煩わしく感じてしまう虞がある。そこで、本実
施形態のように、電動チューリップ27の開閉制御中は右打ちを検出しても左打ち報知演出の実行が禁止されることにより、上述したような遊技者が煩わしさを感じることを防止することができる。
以上に説明したように、本実施形態では、第2始動口22または大入賞口23に遊技球が非常に入賞し難く左打ちすべき場合に、右打ちが検出されると左打ちを促す左打ち報知演出が実行される。また、第2始動口22または大入賞口23に遊技球が入賞し易く右打ちすべき遊技状態(または、遊技)から第2始動口22または大入賞口23に遊技球が入賞し難く左打ちすべき遊技状態へ移行した直後の所定数(本実施形態では、4)の変動において、変動演出が開始されると、左打ち報知演出が実行される。しかしながら、これらの変動演出における特定演出(本実施形態では、大当り信頼度が高い演出(SPリーチ演出、SPSPリーチ演出)や当選示唆演出や当選報知演出)の実行中には、左打ち報知演出は実行されない(つまり、禁止される)。ここで、特定演出は、遊技者が最も興奮して楽しむ演出であるため、遊技者は特定演出に集中したいと望んでいる。このため、特定演出の実行中に、左打ち報知演出の実行を取り消すことにより、遊技者を特定演出に集中させることができ、遊技者の興奮に水を差すことを効果的に防止できる。したがって、本実施形態によれば、遊技者の興奮に水を差すことなく、適切に左打ち報知演出を実行することができる。
また、以上に説明したように、本実施形態では、非時短状態において、右打ちを検出しても、第2始動口22または大入賞口23に遊技球が入賞可能な場合(第2始動口22または大入賞口23が開閉制御されている場合)、左打ちを促す左打ち報知演出は実行されない。このように、非時短状態において、開閉制御されている第2始動口22または大入賞口23への遊技球の入賞を試みて右打ちを行う遊技者に対して左打ち報知演出が実行されないため、遊技者が煩わしいと感じることを防止することができる。したがって、本実施形態によれば、遊技者に不快感を抱かせることなく、適切に左打ち報知演出を実行することができる。
[変形例]
なお、上記した実施形態では、図23〜図27に示すように、特定演出の実行中等において、左打ち報知演出の実行を取り消す(左打ち報知演出を実行しない)こととしたが、これに限られるものではない。例えば、上記実施形態で述べた左打ち報知演出の代わりに、図28(1)に示すように、スピーカ35から音声を出力せず上記実施形態で述べた「左打ち」と書かれた左向きの矢印の画像を画像表示部6の左上部に表示させる演出を実行するようにしてもよいし、図28(2)に示すように、スピーカ35から音声を出力せず、上記実施形態で述べた「左打ち」と書かれた左向きの矢印の代わりに、この左向きの矢印よりも小さく文字が書かれていない左向きの矢印の画像を画像表示部6の左上部に表示させる演出を実行するようにしてもよい。つまり、左打ち報知演出の実行を取り消す代わりに、遊技者にとって煩わしくない態様に切替えて左打ち報知演出を実行してもよい。このような構成にしても、遊技者の特定演出における興奮や高揚感に水を差すことなく、また、遊技者に不快感を抱かせることなく、適切に左打ち報知演出を実行することができる。
また、上記した実施形態では、確変遊技状態(時短状態)から通常遊技状態(非時短状態)へ移行した後、または、潜伏当り遊技または非時短状態(通常遊技状態および潜伏遊技状態)において小当りに当選したことに応じて実行される小当り遊技終了後から、所定変動数(例えば、4変動)の変動演出において、左打ち報知演出が実行されるものとしたが、これに限られるものではない。例えば、確変遊技状態から通常遊技状態への移行後、または、潜伏当り遊技または上記した小当り遊技終了後から、所定時間(例えば、30秒)において、左打ち報知演出が実行されるようにしてもよい。ここで、上記した実施形態
においては、確変遊技状態から通常遊技状態への移行後、または、潜伏当り遊技または上記した小当り遊技終了後に、第1特別図柄抽選および第2特別図柄抽選の保留がなく、また、第1始動口21および第2始動口22に遊技球が入賞されなかった場合、変動演出が開始されないため、左打ち報知演出が実行されない虞がある。しかしながら、このような構成(左打ち報知演出が所定時間実行される構成)にすることにより、遊技状態が確変遊技状態から通常遊技状態への移行後、または、潜伏当り遊技または上記した小当り遊技終了後に、変動演出が開始されなかった場合においても、遊技状態が確変遊技状態から通常遊技状態への移行後、または、潜伏当り遊技または上記した小当り遊技終了後、確実に左打ち報知演出を実行することができる。
また、上記した実施形態では、遊技状態が非時短状態である場合に、右打ちが検出された場合でも、電動チューリップ27が開閉制御中、または、大当り遊技中または小当り遊技中(つまり、大入賞口23が開閉制御中)であると判定された場合には、左打ち報知演出の実行を禁止するものとした。しかし、これに限られず、例えば、電動チューリップ27または大入賞口23が開閉制御中であるかを判定する代わりに、電動チューリップ27または大入賞口23が開放状態となっているか否かを判定し、電動チューリップ27または大入賞口23が開放状態となっている期間、左打ち報知演出の実行を禁止するものとしてもよい。更には、左打ちから右打ちに切替えてから遊技球が電動チューリップ27(または大入賞口23)に到達するまでの時間(例えば1.5秒)を考慮して、電動チューリップ27(または大入賞口23)を開放状態に制御する所定時間前(例えば2秒前)から閉塞状態に制御するまでの期間、左打ち報知演出の実行を禁止するものとしてもよい。このような構成にしても、遊技者に不快感を抱かせることなく適切に左打ち報知演出を実行することができる。
また、上記した実施形態では、変動演出における特定演出の実行中や、電動チューリップ27が開閉制御されている、または、大当り遊技又は小当り遊技がされている(つまり、大入賞口23が開閉制御されている)場合に、左打ち報知演出の実行を取り消す(左打ち報知演出を実行しない)ものとしたが、これに限られるものではない。例えば、遊技機1にエラーが発生した場合等に報知されるエラー報知演出の実行中においても、左打ち報知演出の実行を取り消すようにしてもよい。このようにすることにより、エラー報知演出と左打ち報知演出とが同時に実行されることを防止でき、遊技者がエラー報知演出を認識し難くなることを防止することができる。ここで、エラー報知演出としては、例えば、賞球の払出が行えない状態になったことを遊技者に報知する払出異常エラー報知演出等がある。
また、上記した実施形態では、特別図柄抽選に当選(大当り)した場合には、100%の割合で、その後の特別図柄の表示が所定の変動数(回転数:例えば70回)実行されるまで高確状態に設定されるゲーム構成(いわゆるST機)を一例に挙げて説明した。しかし、これには限らず、例えば特別図柄抽選に当選(大当り)した場合には、所定の割合(例えば70%)で、次回大当りするまで(正確には特別図柄の変動表示が9999回に達するまで)確変遊技状態に設定され、所定の割合(例えば30%)で、その後の特別図柄の変動表示が所定の変動数(回転数:例えば40回)実行されるまで、低確状態かつ時短状態かつ電サポ状態(低確時短遊技状態)に設定されるゲーム構成(いわゆるループ機)であってもよい。この場合、低確時短遊技状態から通常遊技状態に移行した直後の4回の変動演出において左打ち報知演出を実行する一方で、この4回の変動演出において、特定演出が実行される場合には、特定演出の実行中は左打ち報知演出の実行が取り消され、左打ち報知演出の実行が禁止されるようにしてもよい。
以上、本実施形態の特徴および各変形例の特徴について説明したが、これらの特徴を組み合わせてもよいことは言うまでもない。
また、上述したパチンコ遊技機1に設けられている各構成要素の形状、数、および設置位置等は、単なる一例に過ぎず他の形状、数、および設置位置であっても、本発明の範囲を逸脱しなければ本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述した処理で用いられている数値等は、単なる一例に過ぎず他の数値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
以上、実施形態を用いて、本発明を詳細に説明してきたが、上述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義も含めて)が優先する。