JP5367518B2 - 医療用内視鏡、医療用内視鏡の製造方法、医療用内視鏡と医療用内視鏡の処置具との組立体、及び医療用内視鏡と医療用内視鏡画像処理システム - Google Patents

医療用内視鏡、医療用内視鏡の製造方法、医療用内視鏡と医療用内視鏡の処置具との組立体、及び医療用内視鏡と医療用内視鏡画像処理システム Download PDF

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この発明は、接合部材を用いて湾曲操作ロープと、湾曲駒のロープ受けとの接合における湾曲操作ロープの接合部の機械的強度特性を向上させた医療用内視鏡に関する。
体内へ挿入する医療用内視鏡の先端部は、湾曲操作ロープを介して手元操作を先端部へ伝達させる為、湾曲駒のロープ受けと湾曲操作ロープとの接合部の機械的強度特性を考慮して、病変部治療に際して人体への安全確保を満たさなければならず、この為種々の提案がなされている。
特許文献1には、操作ワイヤの先端を、最先端の節輪の内周部にレーザー溶接する接合技術が開示され、局部的な加熱の為の焼きなましによる劣化を極力防止し、接続作業を容易、かつ短時間に行うことを目的としている。
しかし、短時間であってもレーザー光による細線の操作ワイヤと節輪との「溶接」であって細線のワイヤは溶け、溶接前の操作ワイヤの機械的強度を維持することはできない。
特許文献2には、湾曲操作ワイヤと挿入先端部とを真空環境下、又は不活性ガス環境下における「ろう付け固着」する接合技術が開示され、錆発生による湾曲操作ワイヤの断線防止を目的としている。
しかし、一般的に、例えばステンレス鋼のろう付けには融点が895℃から1030℃の金ろう(JISZ3266)等が用いられ、かかる場合に湾曲操作ワイヤを撚合構成する金属素線は溶けて溶接され、又かかる特許文献にはろう材の開示はなく、そして、ろう材の溶融温度と湾曲操作ワイヤとの機械的強度特性については何ら開示はなく、さらに上記いずれの特許文献も「ろう付けを単なる固着手段」として用いる考え方である。
特開昭61−293419号公報 特開2001−149307号公報
従来の医療用内視鏡において、その湾曲操作ロープにステンレス鋼線を用いて湾曲操作ロープと、節輪又は湾曲駒のロープ受けとを接合する際、接合部材であるろう材等は単なる固着手段としてのみの技術思想しか存在せず、ステンレス鋼線の加工度の高い強加工の伸線加工した金属素線を複数本撚合構成した湾曲操作ロープと、この強加工した金属素線を用いた湾曲操作ロープの熱影響による機械的強度特性を考慮した、ろう付けやはんだ付けの際の接合材料である共晶合金を用いた接合に関する技術思想は存在していない。
この発明の目的は、湾曲操作ロープの金属素線にオーステナイト系ステンレス鋼線を用いて強加工の伸線加工を行い、この強加工した金属素線への熱影響による引張破断強度特性向上効果を利用して、前記接合部材を単に固着手段として用いるのみではなく、湾曲操作ロープの引張破断力を向上させながら、かつ接合強度を向上させる新たな接合の技術思想を開示することにより、術者が安全に操作できる医療用内視鏡を提供することにある。
請求項1記載の発明は、先端部に湾曲駒が複数個連結して成る湾曲部を設け、前記湾曲駒と湾曲操作ロープとを接合部材を用いて接合し、前記湾曲部を牽引操作する前記湾曲操作ロープから成る医療用内視鏡において、前記湾曲操作ロープは、固溶化処理したオーステナイト系ステンレス鋼線を用いて、総減面率が80%から99.5%の伸線加工した金属素線を複数本撚合構成して成り、前記接合部材は、180℃から495℃の溶融温度をもつ共晶合金からなり、又は前記操作用ロープの金属素線がMoを含むオーステナイト系ステンレス鋼線のときには、180℃から525℃の溶融温度をもつ共晶合金からなり、前記湾曲駒と前記湾曲操作ロープとを前記接合部材を用いて接合して成ることを特徴とする医療用内視鏡である。
この構成により、接合部材の溶融熱を利用して接合部での湾曲操作ロープの引張破断力を向上させて高度の機械的強度特性を得て、かつ湾曲操作ロープと湾曲駒との接合強度を向上させ、術者が安全に操作できる医療用内視鏡の提供ができる。
請求項2記載の発明は、前記湾曲操作ロープは、固溶化処理したオーステナイト系ステンレス鋼線を用いて、総減面率が90%から99.5%の伸線加工した金属素線を複数本撚合構成して成り、前記湾曲駒と接合する前記湾曲操作ロープの少なくとも先端部の接合部に、電解研磨処理、又は前記接合部材と同一、又は同種の組成成分を含むめっき処理を施したことを特徴とする請求項1に記載の医療用内視鏡である。
この構成により、接合部での接合部材との濡れ性を向上させて、湾曲操作ロープの引張破断力を向上させながら、かつ接合部の接合強度をより向上させることができる。
請求項3記載の発明は、前記湾曲操作ロープは、素線直径が0.008mmから0.200mmの金属素線を芯材と側材に用いて、前記芯材の外周に側材を6本から9本撚合構成し、前記芯材の素線直径が前記側材の素線直径の1.07倍から2.12倍とし、前記湾曲操作ロープから成ることを特徴とする請求項1〜2のいずれか一つに記載の医療用内視鏡である。
この構成により、引張破断力を向上させた湾曲操作ロープを用いて接合部の接合強度をさらに向上させることができる。
請求項4記載の発明は、前記接合部材である共晶合金が、金、又は銀のいずれかを含む組成から成り、溶融温度が217℃から525℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の医療用内視鏡である。
この構成により、接合部材の溶融熱を利用して湾曲操作ロープの引張破断力を向上させ、かつ接合部の接合強度を向上させることができる。
請求項5記載の発明は、先端部に湾曲駒が複数個連結して成る湾曲部を設けて、前記湾曲駒と湾曲操作ロープの先端部とを接合部材を用いて接合し、前記湾曲部を牽引操作する前記湾曲操作ロープから成る医療用内視鏡の製造方法において、前記湾曲操作ロープは、固溶化処理したオーステナイト系ステンレス鋼線を用いて、総減面率が90%から99.5%の伸線加工した金属素線を複数本用いて撚合構成したロープから成る工程と、前記撚合構成したロープを電解研磨した後に所定長切断する工程と、又は前記撚合構成したロープを所定長切断した後に電解研磨する工程と、その後切断した前記湾曲操作ロープの先端部を前記湾曲駒と接触させて、180℃から495℃の溶融温度をもつ共晶合金から成る前記接合部材を溶融させ、又は前記湾曲操作ロープの金属素線がMoを含むオーステナイト系ステンレス鋼線のときには、180℃から525℃の溶融温度をもつ共晶合金からなる前記接合部材を溶融させ、前記湾曲駒と前記湾曲操作ロープとを前記接合部材により接合する工程からなることを特徴とする医療用内視鏡の製造方法である。
この構成により、接合部での接合部材との濡れ性を向上させ、強加工伸線の金属素線を撚合構成して引張破断力を向上させた湾曲操作ロープを用いて接合部材による溶融熱を利用して、より高い引張破断強度特性をもつ湾曲操作ロープから成る医療用内視鏡の製造ができる。
請求項6記載の発明は、先端部に湾曲駒が複数個連結して成る湾曲部を設けて、前記湾曲駒と湾曲操作ロープとを接合部材を用いて接合し、前記湾曲駒を牽引操作する前記湾曲操作ロープから成る医療用内視鏡の製造方法において、前記湾曲駒はステンレス鋼材を用いて円筒状に成形して連結ピンにて連結する工程と、前記湾曲操作ロープは、固溶化処理したオーステナイト系ステンレス鋼線を用いて、総減面率が90%から99.5%の伸線加工した金属素線を複数本用いて撚合構成したロープから成る工程と、前記撚合構成したロープを電解研磨した後に所定長切断する工程と、又は前記撚合構成したロープを所定長切断した後に電解研磨する工程と、その後切断した湾曲操作ロープの先端部を前記湾曲駒と接触させて、180℃から495℃の溶融温度をもつ共晶合金から成る前記接合部材を溶融させ、又は前記湾曲操作ロープの金属素線がMoを含むオーステナイト系ステンレス鋼線のときには、180℃から525℃の溶融温度をもつ共晶合金からなる前記接合部材を溶融させ、同一、又は同種の材料から成る前記湾曲駒と前記湾曲操作ロープとを前記接合部材により接合する工程からなることを特徴とする医療用内視鏡の製造方法である。
この構成により、接合部での接合部材との濡れ性を接合面で均一にさせ、湾曲操作ロープの引張破断力をより向上させながら、接合部材による接合強度をより一層向上させることができる。
請求項7記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の医療用内視鏡と、前記医療用内視鏡の処置具孔より病変部治療を行う医療用内視鏡の処置具を出入りさせたことを特徴とする医療用内視鏡と医療用内視鏡の処置具との組立体である。
この構成により、湾曲操作ロープの引張破断強度不足に起因する医療用内視鏡の操作不能状態での術者の手技の中断を防ぎ、高度の操作性を維持しながら円滑、かつ迅速な手技対応ができる治療用具の組立体の提供ができる。
請求項8記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の医療用内視鏡と、画像処理する為のモニターと、ビデオプロセッサーと、光源装置と、写真撮影装置と、プリンターから成ることを特徴とする医療用内視鏡と医療用内視鏡画像処理システムである。
この構成により、高度の操作性を維持する医療用内視鏡を用いて術者が患部の状態を正確かつ迅速に把握認識し、的確な治療行為ができる医療用内視鏡を用いた医療用内視鏡画像処理システムを提供することができる。
本発明の医療用内視鏡の全体を示す斜視図。 本発明の医療用内視鏡の挿入部先端側を側方からみた断面図。 本発明の医療用内視鏡の先端の湾曲駒、及び湾曲操作ロープの組付図。 他の実施例(管体ロープ受け)の医療用内視鏡の先端の湾曲駒、及び湾曲操作ロープの組付図。 本発明の医療用内視鏡に用いる湾曲操作ロープの構成図。(実施例1〜7) 総減面率と引張破断強度特性図。 湾曲操作ロープに用いる金属素線の温度と引張破断強度特性図。 他の実施例の医療用内視鏡と医療用内視鏡画像処理システムの斜視図。
この発明の実施形態を図に示すとともに説明する。
図1は本発明の医療用内視鏡1の全体の斜視図を示し、医療用内視鏡1は、操作部2と、この操作部2の先端に接続されて体内へ挿入される細長の挿入部4と、並びに前記操作部2の手元部に医療用内視鏡1の処置具11の出入りを可能にした処置具孔10と、及び光源装置15(図8)に着脱自在に接続されるコネクタ9を備えたユニバーサルコード8から構成されている。又、前記操作部2には、先端部を自在に湾曲させる湾曲操作ノブ3、及びビデオプロセッサー14(図8)をコントロールするリモートスイッチ12が設けられている。
そして挿入部4は、手元部から可とう管部5と、湾曲部6と、先端構成部7を直列に連結した構造となっている。
図2の湾曲部6は、短円筒状の湾曲駒18を複数個直列に並べてリベット19を介して回動自在に連結し、かつ各湾曲駒18はリベット19の軸方向と概ね直交する部位の短円筒状の軸方向の中間部位で内側へ円弧上に切り曲げて一対のロープ受け22を形成する。 そして湾曲操作ロープ20は、複数の湾曲駒18の内側のロープ受け22内を貫挿し、最先端の先端湾曲駒18aと、先端ロープ受け22aにて接合部材21を用いて接合されている。
そして、湾曲操作ロープ20の手元部は、図1に示した操作部2の湾曲操作ノブ3まで挿入部4、及び操作部2内を貫挿して湾曲操作ノブ3と連動させ、この湾曲操作ノブ3を回動操作することにより湾曲操作ロープ20を押し引き等、牽引操作させて湾曲部6を、図2において上下方向へ湾曲操作が可能な構造となっている。尚、前記図2の上下一対のロープ受け22と図2の手前・奥方向で直交する方向にもう一対のロープ受けを配設(図示せず)すると、図2の上下方向と手前奥の四方向に湾曲操作が可能な構造となる。かかる構造を用いてもよい。
そして又、湾曲駒18の外周には線材を編組したブレード23と、その外周には合成樹脂から成る外層チューブ24を被覆した構成から成っている。
そして先端構成部7は、口金管25内にイメージガイドファイバー26が挿入され、その先端側に対物レンズ27が配設されている。そして接続パイプ29と接続したチャンネルチューブ28は操作部2の手元部まで通ずる処置具孔10と連結しており、このチャンネルチューブ28内へ生検鉗子等の鉗子類の他に、高周波スネア、回転クリップ装置、注射針等の種々の医療用内視鏡1の処置具11が出入りでき、病変部の治療行為ができる構造となっている。
図3は、最先端の先端湾曲駒18aと湾曲操作ロープ20の組付図を示し、先端湾曲駒18aの短円筒状の長軸方向の略中間部位で内側へ円弧状に切り曲げて、突起状の一対の先端ロープ受け22a内に湾曲操作ロープ20が貫挿され、先端ロープ受け22aで接合部材21を用いて湾曲操作ロープ20の先端部20aが接合されている。
そして図5(A)は、本発明の医療用内視鏡に用いる湾曲操作ロープ20の撚り構成図、実施例1の湾曲操作ロープ200を示す。本発明の実施例の湾曲操作ロープ20は、素線直径が0.008mmから0.200mmの金属素線を複数本用いて撚合構成し、実施例1の湾曲操作ロープ200では、素線直径(線径)が0.13mmの金属素線1本の芯材200Aと、素線直径(線径)が0.11mmの金属素線6本から成る側材200Bを、芯材200Aの外側に側材200Bを撚合させ、撚合方向が長手方向に対して連続して一方向螺旋状の巻回形成とした撚合構成とし、つまり一般にスパイラルロープの撚り構成1×7(芯材1本の外側に6本の側材)とし、撚合後のロープ外径Dは0.35mmで、ロープピッチ(図示P)はロープ外径Dの2.5倍から15倍とする。ここで、スパイラルロープとは、3本以上の金属素線を撚り合わせてストランド(束)としたロープのことをいい、(1×n)の形の呼び名とし、nは金属素線の本数を示す。
そして湾曲操作ロープ200の芯材200Aは、線径が0.46mmの固溶化処理したオーステナイト系ステンレス鋼線を複数のダイスを用いて線径が0.13mmになるまで伸線加工を行い、伸線加工の加工硬化により引張破断強度を約70kgf/mm2 から232kgf/mm2 まで向上させる。
このときの減面率は92.0%となる。又、側材200Bについても概ね前記芯材200Aと同様である。
そして又、本実施例2の湾曲操作ロープ201の芯材201Aは、線径が0.76mmの固溶化処理したオーステナイト系ステンレス鋼線を複数のダイスを用いて線径が0.23mmになるまで一次伸線加工を行い、その後450℃で30分の一次低温熱処理を加えた後に、線径が0.168mmまで二次伸線加工を行い、その後前記同様二次低温熱処理(450℃で30分)を加えた後に、線径が0.13mmまで三次伸線加工を行うと総減面率が97.1%となって、より高い引張破断強度を有する芯材201Aを得ることができる。又、側材201Bについても概ね前記芯材201Aと同様である。
そして前記実施例2と同様の製造方法にて総減面率99.5%とする芯材202A、及び側材202Bから成る湾曲操作ロープ202を実施例3とし、実施例1〜3の芯材、及び 側材の製造工程を整理すると表1、2となる。尚、実施例1〜2の芯材、及び側材の金属素線の材質は、オーステナイト系ステンレス鋼線のSUS304材を用い、又実施例3の芯材、及び側材の金属素線の材質は、再溶解材のSUS316材を用いた。又、ここでいう総減面率とは、固溶化処理した線材の線径と伸線加工により伸線工程での最終仕上がり線径との間の断面積差を減少率で表したものをいい、又引張破断強度とは、線材に引張力を加えて破断したときの値を線材の断面積で除した値のことをいう。
Figure 0005367518
Figure 0005367518
表1、2によれば、芯材、及び側材のいずれも総減面率は80%以上で、99.5%の実施例3において最も高い引張破断強度を示す。
そして本発明の湾曲操作ロープに用いる金属素線の芯材、及び側材は、固溶化処理したオーステナイト系ステンレス鋼線を用いて総減面率が80%から99.5%の伸線加工を行ったことを特徴とする。尚、総減面率が95%以上の強加工伸線においては後述する再溶解材を用いることが望ましい。又、総減面率が80%以上としたのは、80%を境にして引張破断強度が増大する変曲ポイントとなるからである。(図6、ばね第3版丸善株式会社63頁、図2.82参照)
そして、総減面率90%を境にして、さらに急激に引張破断強度が増大する変曲ポイントを見出した。
表3は前記実施例1又は2と同様の製造方法を用いて総減面率のみ異ならせて温度を450℃加えた後の引張破断強度の比較を示したものである。尚、表中の増加比とは、総減面率が70%のときの最大引張破断強度の値を基準としたときの比を示す。例えば総減面率が90%のとき増加比は1.31(256/196)となる。
Figure 0005367518
表3によれば、総減面率80%のときには、総減面率が70%のときの値の1.12倍増加し、さらに総減面率が90%のときには1.31倍となって、明らかに総減面率が80%で引張破断強度が増大する変曲ポイントがみられ、さらに総減面率が90%で急激に引張破断強度が増大する変曲ポイントがみられ、図6に示すような非線形特性を示すと考えられる。
この理由は、総減面率80%以上という強加工による伸線加工により加工度の増大に伴い繊維状組織が現れ、そしてさらに総減面率90%以上においては、この繊維状組織が著しく発達したことによると考えられる。
そして総減面率が99.5%以下としたのは、これを超える伸線加工の強い加工度では、後述する再溶解材を用いても組織内に空隙が生じはじめて脆化し、又伸びの不足により、特に撚合構成時に側材の金属素線の断線が発生し易くなり、これが伸線加工、撚線加工の限界と考えるからである。
従って、後述する接合部材21の共晶合金を用いて溶融熱により湾曲操作ロープに用いて金属素線の引張破断強度を向上させながら接合させる為には、総減面率が80%から99.5%以下が好ましく、より好ましくは、総減面率が90%から99.5%であり、より高い引張破断強度を得て安定して撚合構成する為には、総減面率が90%から99%である。
そして「固溶化処理したオーステナイト系ステンレス鋼線の伸線加工」としたのは、加工性のよいオーステナイト組織を得る為であり、オーステナイト系ステンレス鋼線は変態点を利用した熱処理による結晶粒の微細化ができず、冷間加工によってのみ結晶粒の微細化が可能で、伸線加工により顕著な加工硬化性を示して引張破断強度を向上させることができるからである。又オーステナイト系ステンレス鋼線を用いる理由は、マルテンサイト系ステンレス鋼線では熱処理による焼入硬化性を示して熱影響を受け易く、又フェライト系ステンレス鋼線では温度脆性(シグマ脆性)の問題があるからである。
次に図3において湾曲操作ロープ20の先端部20aと、先端湾曲駒18aの先端ロープ受け22aとは、接合部材21を溶融加熱して接合させる。
そして接合部材21は、溶融温度が180℃から495℃の共晶合金、又は湾曲操作ロープ20の金属素線が後述するMoを含むオーステナイト系ステンレス鋼線のときには180℃から525℃の共晶合金を用いる。ここでいう共晶合金とは、合金の成分比を変更することにより得られる最低融点(溶融温度)を有する特殊な合金のことをいい、具体的には、金又は銀を含む合金材で金錫系合金材として金80重量%、残部が錫で溶融温度が280℃、又銀錫系合金として銀3.5重量%、残部が錫で溶融温度が221℃、そして、金88重量%、残部がゲルマニウムで溶融温度が356℃、又銀と錫とインジウムから成り、溶融温度が450℃から472℃の共晶合金であり、その代表例を表4に示す。
Figure 0005367518
ここで接合部材21として金を用いる理由は、耐食性、展延性向上の為であり、銀を用いる理由は、融点調整等の為であり、錫を用いる理由は、融点を低下させて湾曲操作ロープ20との濡れ性を向上させる為であり、又インジウム、銅を用いる理由も濡れ性向上の為であり、そしてゲルマニウムを用いる理由は、金属間化合物の結晶粒粗大化を抑止して、接合強度の低下防止を図る為である。尚、鉛、アンチモンは人体への不適合性、又加工性の難度等の観点から好ましくない。
そして接合部材21の溶融温度が180℃から495℃、又は180℃から525℃としたのは、180℃を下回ると加工硬化させた湾曲操作ロープ20の引張破断力を接合部材21の溶融温度を利用して向上させることはできず、そして495℃を超えると湾曲操作ロープ20に用いる金属素線のオーステナイト系ステンレス鋼線の特質から、又は525℃を超えるとMoを含むオーステナイト系ステンレス鋼線の特質から、前記各オーステナイト系ステンレス鋼線を520℃、又は540℃を超える800℃に加熱すると鋭敏化現象を生じて、後述するように極端に引張破断強度特性等を低下させることとなり、この現象を防ぎ、湾曲操作ロープ20の機械的強度特性を最大限に発揮させる為である。
この構造により、以下に述べる特有の作用効果がある。
湾曲操作ロープ20と先端湾曲駒18aの先端ロープ受け22aとを前記接合部材21である共晶合金を用いて接合すると、接合時の溶融熱によって湾曲操作ロープ20の芯材、及び側材のような細線を撚合構成したロープであっても引張強度特性等を低下させることなく、むしろこの引張破断強度特性等を向上させて強固接合させることができる。
そして図7は、一般に金属素線の母線にオーステナイト系ステンレス鋼線を用いて総減面率が95%以上の最終伸線加工後の金属素線を熱影響下(各温度30分)での引張破断強度特性を示した図で、SUS304材のときは図示イを、SUS316材のときは図示ロを示す。
これによるとSUS304材は180℃の熱影響により引張破断強度が上昇し始め、概ね450℃近傍で最高の引張破断強度特性を示し、495℃まで引張破断強度特性向上効果が顕著にみられ、そして520℃を超えると常温(20℃)よりも急激に引張破断強度が低下する。又、Moを含むSUS316材は、低温側でSUS304材と同様な傾向を示すが高温側では概ね480℃近傍で最高の引張破断強度特性を示し、525℃まで引張破断強度特性向上効果が顕著にみられ、そして540℃を超えると常温(20℃)よりも急激に引張破断強度が低下する。
この引張破断強度特性が急激に低下する理由は、前述のように、この固溶化処理したオーステナイト系ステンレス鋼線は、前記520℃、540℃を超える温度から800℃に加熱されると、カーボンの析出、クロムの移動の為のエネルギーを必要とし、鋭敏化現象を生じて、特にカーボンが0.08%以下の通常のSUS304のオーステナイト系ステンレス鋼線では、700℃4分から5分程度で、この鋭敏化現象が現れ、引張破断強度が極端に低下するからである。
このような引張破断強度特性を有する為、SUS304材の金属素線の低温熱処理温度範囲は180℃から495℃が望ましく、又Moを含む例えばSUS316材(Moが2重量%〜3重量%)の金属素線の低温熱処理温度範囲は180℃から525℃が望ましい。
従って、接合部材21の溶融温度は、前記望ましい低温熱処理温度範囲と一致させる。 このように本発明は、強加工伸線して総減面率の高いオーステナイト系ステンレス鋼線の温度による引張破断強度特性に着目して、並びに、湾曲操作ロープ20に用いる金属素線は細線・極細線で熱容量小で熱影響を受け易いことに着目して、湾曲操作ロープの金属素線の撚合状態での引張破断強度を、接合部材21の溶融熱を利用して大幅に向上させながら、かつ接合することのできる、新たな技術思想を提供するものである。
そして、本実施例に用いる金属素線のオーステナイト系ステンレス鋼線の化学成分は、重量%でC:0.15%以下、Si:1%以下、Mn:2%以下、Ni:6%〜16%、Cr:16%〜20%、P:0.045%以下、S:0.030%以下、Mo:3%以下、残部が鉄及び不可避的不純物から成る。このように高珪素ステンレス鋼(Si:3.0%〜5.0%)を用いなくても前記工法を用いることにより、高強度のオーステナイト系ステンレス鋼線の金属素線を得ることができる。尚、Cは引張破断強度向上の為には、0.005%以上が望ましく、粒界腐食抑制の観点から0.15%以下が望ましい。
本発明の医療用内視鏡の湾曲操作ロープ20に用いる芯材、又は側材の金属素線は、素線直径が0.008mmから0.200mmのオーステナイト系ステンレス鋼線で、特に引張破断強度が300kgf/mm2 以上で、総減面率が95%以上の伸線加工を可能とする為には、再溶解材を用いたSUS304材、又はSUS316材が望ましい。
この理由は、ステンレス鋼線の伸線時の断線原因は、表面疵もさることながら酸化物系介在物であることが最も多く、細線・極細線化するほどこの傾向が著しい。
そしてその化学成分は、介在物生成元素であるAl、Ti、Ca、Oの成分は低く、又硫化物の作用で伸線低下を引き起こすSも低く抑える。具体的なオーステナイト系ステンレス鋼線の化学成分は、重量%で、C:0.08%以下、Si:0.10%以下、Mn:2%以下、P:0.045%以下、S:0.010%以下、Ni:8%〜12%、Cr:16%〜20%、Mo:3%以下、Al:0.0020%以下、Ti:0.10%以下、Ca:0.005%以下、O:0.0020%以下、で残部がFeと不可避的不純物から成る。
そして再溶解材の製造方法としては、ステンレス鋼の溶製後のインゴットにフラックスを用いたエレクトロスラグ再溶解の製造方法等である。
そして次に、実施例1〜3の湾曲操作ロープ200〜202と湾曲駒とを接合部材21を用いて接合する際に接合部材21の溶融加熱時間、及び組付時間等を考慮して、温度と引張破断力との関係を表5に示す。尚、時間の5秒は、接合部材21を用いて接合固着するときにロープが180℃以上で溶融加熱される平均時間を示し、又60秒は、再度接合固着作業(やり直し作業)によりロープが180℃以上で再溶融加熱されるのを含む時間を示す。又ここでロープの引張破断力とは、ロープに引張力を加えてロープが破断したときの最大荷重のことをいう。
Figure 0005367518
表5によれば、接合部材21の溶融加熱時間を考慮して450℃で5秒間の加熱であっても、湾曲操作ロープ200の引張破断力は16.5kgfから17.1kgfとなって約3.6%増大し、又湾曲操作ロープ201の引張破断力は24.7kgfから25.9kgfとなって約4.9%増大し、さらに湾曲操作ロープ202の引張破断力は25.6kgfから27.0kgfとなって約5.5%増大し、総減面率の増加とともに引張破断力の増加率は増大する傾向となる。
そして前述のように、接合部材21の共晶合金を用いて溶融熱により湾曲操作ロープの引張破断力を向上させながら接合させる為には、湾曲操作ロープに用いる金属素線の総減面率は80%から99.5%が望ましく、好ましくは90%から99.5%以下で、高い引張破断力を有する湾曲操作ロープを安定して得る為には、90%以上99%以下が望ましい。この理由は、99.5%以上の総減面率を有する金属素線は伸びが不足して撚合時に、側線に用いる金属素線の断線が発生し易いからである。
そして湾曲操作ロープの他の実施例を図5(B)〜(E)に示す。図5(B)〜(E)はそれぞれ実施例4〜7を示し、スパイラルロープの撚り構成は、それぞれ1×8、1×9、1×10、1×19である。
そして、芯材と側材の金属素線の素線直径は、いずれも0.008mmから0.200mmとし、芯材と側材とは同一素線直径の金属素線を撚合構成して用いてもよい。尚、実施例4〜6、及び撚り構成1×7の他の実施例の芯材と側材の素線直径(線径)、及び線径比(芯材/側材)を整理すると、表6となる。
Figure 0005367518
表6によれば、例えば実施例6(図示(D))は、撚り構成1×10で、芯材は線径が0.18mmの金属素線1本と、側材は線径が0.085mmの金属素線9本からなり、線径比は2.12である。同様に、撚り構成1×7の他の実施例において、芯材は線径が0.122mm、側材の線径は0.114mmで線径比は1.07である。
そして、前記各実施例で示すように、芯材の線径は側材の線径よりも1.07倍から2.12倍の太径線を用いている。芯材も側材も同一線径を用いてもよいが、芯材に太径線を用いる理由は、湾曲操作ロープ20に引張力を加えたとき、芯材1本に加わる引張力の負荷は、数本から成る側材よりもその構造差(側材はスパイラル状で伸び易い構造に対して、芯材はストレート状で直接引張力の負荷が加わり易い構造)から増大する。この為、芯材に太径線を用いて横断面積を増大させて芯材へ加わる引張応力を軽減させて、その結果芯材の側材よりも早い破断を防いで、ロープとしての引張破断力を向上させる為である。
そして芯材と側材とが同一線径の線径比1.0を下回れば、芯材へ加わる引張力の負荷は増大して芯材の早期破断によるロープの引張破断力を低下させる。又、前記上限値(線径比2.12)を上回れば、芯材の剛性が増大して、耐繰り返し曲げ疲労特性が劣ってくる。尚補足すれば、前記実施例1 〜3 の線径比は、1.18である。
従って、線径比(芯材/側材)は、1.0倍から2.12倍が好ましく、より好ましくは1.07倍から2.12倍で、さらに好ましくは、1.18倍から2.12倍である。
そして補足すれば、湾曲操作ロープ20は、芯材、及び側材を一定の撚りピッチで撚合構成した後に短時間低温熱処理(380℃から550℃で2秒から10秒)を加えた後、又は撚合構成した後に公知の曲げと捩りの歪を与えるスピナー矯正機、又はローラーレベラー式矯正機等により矯正加工した後に短時間低温熱処理(380℃から550℃で2秒から10秒)を加えた後に、前記接合部材21を用いて接合せても同様の効果を得ることができる。
そして前記工法を用いることにより、湾曲操作ロープの直線性を向上させることができ、術者の医療用内視鏡の操作性をより向上させることがでる。この理由は、撚合加工後、又は矯正加工後の前記短時間熱処理により、湾曲操作ロープに局部的に発生した集中応力を平均化させることによる、と考えることができる。
そして、この固溶化処理したオーステナイト系ステンレス鋼線を用いて強加工の伸線加工をして引張破断強度特性を向上させた芯材と側材を撚合構成した湾曲操作ロープ20との接合部材21は、湾曲操作ロープ20の引張破断強度向上効果が顕著にみられる温度範囲と同じ温度の、180℃から495℃の溶融温度をもつ共晶合金、又は、湾曲操作ロープの金属素線がMoを含むオーステナイト系ステンレス鋼線のときには180℃から525℃の溶融温度をもつ共晶合金を用いる。
これにより共晶合金の溶融熱を利用して引張破断強度を向上させながら接合することが可能となる。尚、接合部材21の溶融温度が180℃から495℃、又は180℃から525℃としたのは、この範囲であれば溶融熱を利用して湾曲操作ロープの引張破断強度を向上させて、湾曲駒18と湾曲操作ロープ20との強固接合が可能となるからである。
そして、接合部材21の溶融熱により先端ロープ受け22aとの接合部の湾曲操作ロープ20の先端部20aの引張破断強度は増大し、この引張破断強度増大に伴い、接合部での湾曲操作ロープの耐繰り返し曲げ疲労特性は向上し、術者の操作中の、湾曲操作ロープ20の先端部20aの接合部へ加わる繰り返し曲げ疲労により、湾曲操作ロープ20と先端ロープ受け22aとが離脱する危険は生じない。
尚、補足すれば、溶融温度が605℃から800℃の銀ろう、溶融温度が895℃から1030℃金ろうを用いた場合には、前述したように芯材、又は側材の鋭敏化現象による脆化、又は、なまし状態となって大幅に引張破断強度が低下し、引張破断強度及び曲げ応力の低下に伴い、湾曲操作ロープ20の先端部20aが先端ロープ受け22aからの脱落の危険が増大し、湾曲操作ノブ3の操作不能を生じ、医療用内視鏡が操作不能に陥る恐れがある。
そして、溶融温度が約880℃の金74.5重量%から75.5重量%、銀12重量%から13重量%、その他亜鉛、鉄、鉛等0.15重量%以下の金ろうを用いた場合、又溶融温度が780℃の銀72重量%、銅28重量%の銀ろうを用いた場合にも、前記同様の問題が発生し易い。
そして次に、湾曲操作ロープ20の先端部20aの部分には、ロープ受け22aの長手方向の長さに添って所定長、例えばロープ受け22aの長手方向の長さが2mmであれば、2mmから100mm程度電解研磨を施すことが望ましい。又は、紙やすり等により研磨してもよい。
そして、湾曲操作ロープ20の先端部20aを、接合部材21の共晶合金を溶融する前に研磨する理由は、特に強加工における伸線加工(総減面率90%以上)した金属素線を用いて撚合構成した湾曲操作ロープは、その接合部材21との濡れ性が極端に悪くなり、これを防ぐ為に電解研磨等を用いて酸化皮膜を除去して濡れ性を向上させ、接合部材21による接合性を向上させる為である。又、予め全長にわたって電解研磨等を施した湾曲操作ロープ20を用いてもよい。尚、補足すれば、前記湾曲操作ロープの接合部材21との濡れ性が極端に悪くなる理由は、強加工伸線加工の加工度の増大に伴って現われる金属素線表層部の繊維状組織に発達、及び酸化被膜の形成によるものと考えることができる。
そして又、湾曲操作ロープ20の先端部20aの部分には、ロープ受け22aの長手方向の長さに添って所定長、例えばロープ受け22aの長手方向の長さが2mmであれば、1mmから10mm程度めっき処理、又は接合部材211を芯材と側材との線間間隙に含浸、及び側材の外周に固着させて、その後接合部材21を溶融固着させてもよい。かかる場合、めっき処理に用いる材料は、前記接合部材21の共晶合金と同一、又は同種の組成成分を含む材料を用いることが望ましく、例えば接合部材21に金、又は錫を含む成分が含まれていれば、めっき処理する材料は、金めっき、又は錫めっきが望ましい。
そして湾曲操作ロープ20の先端部20aの部分に予め含浸・固着させる接合部材211は、接合部材21と同一又は同種の共晶合金が望ましい。尚、ここでいう同種の共晶合金である接合部材とは、金、銀、又は錫のうちいずれか一つ、又は二つの成分の合計した重量%が全体の50重量%以上のものをいい、例えば表1で符号A1からA5の間、又はB1からB5との間では同種であり、符号A1からA5とB1からB5との間のいずれかの組み合わせは異種である。
この構造により、以下に述べる特有の作用効果がある。つまり、湾曲操作ロープ20の先端部20aと先端のロープ受け22aとの接合を強固にさせ、又接合部材211と接合部材21との接合部での溶融一体化固着により、接合強度を大幅に向上させることができる。
そして、湾曲操作ロープ20の先端部20aをめっき処理、又は接合部材211を予め含浸・固着する理由は、前記強加工による伸線加工により濡れ性が極端に悪化した湾曲操作ロープ20の接合部材21との濡れ性を向上させて強固結合を可能とする為である。尚、予め接合部材211を溶融固着した場合には、ロープ受け22aに貫挿後、溶融固着した接合部材211にレーザー光を照射させて接合部材211を再溶融させてロープ受け22aと接合させてもよい。かかる場合、接合部材211は、湾曲操作ロープ20の先端部20aの表面に撚合構成の撚り線の谷間が目視できない程度に厚く形成する必要があり、又本発明の湾曲操作ロープ20の各実施例で用いる接合部材21と同一、又は同種の共晶合金を用いることが望ましい。これにより、接合工程での先端ロープ受け22aと湾曲操作ロープ20の先端部20aとの接合の組付作業を簡略化することができる。
そして次に、湾曲操作ロープ20の先端ロープ受け22aの構造は、先端湾曲駒18aの内周側先端部へ短小管体の管体ロープ受け221を用いて固着させ、湾曲操作ロープ20の先端部20aを貫挿させた後、接合部材21を用いて接合させてもよい。かかる場合、先端湾曲駒18aのロープ受け22a、又は管体ロープ受け221は、湾曲操作ロープ20と同一、又は同種の材料から形成されることが接合強度向上の観点からより望ましい。ここで同種材料とは、オーステナイト系かマルテンサイト系か否かを問わず、ステンレス鋼材であれば同種のことをいい、従ってアルミニウム材とは異種材料を意味する。最も好ましいのは、同一材料である。
そして次に、本発明の医療用内視鏡の製造方法について以下に述べる。
先端部に湾曲駒が複数個連結して成る湾曲部を設けて、前記湾曲駒と湾曲操作ロープの先端部とを接合部材を用いて接合し、前記湾曲部を牽引操作する前記湾曲操作ロープから成る医療用内視鏡の製造方法において、前記湾曲操作ロープは、固溶化処理したオーステナイト系ステンレス鋼線を用いて、総減面率が90%から99.5%の伸線加工した金属素線を用いて複数本撚合構成したロープから成る工程と、前記撚合構成したロープを電解研磨した後に所定長切断する工程と、又は前記撚合構成したロープを所定長切断した後に電解研磨する工程と、その後切断した湾曲操作ロープの先端部を前記湾曲駒と接触させて、180℃から495℃の溶融温度をもつ共晶合金から成る前記接合部材を溶融させ、又は前記操作用ロープの金属素線がMoを含むオーステナイト系ステンレス鋼線のときには、180℃から525℃の溶融温度をもつ共晶合金からなる前記接合部材を溶融させ、前記湾曲駒と前記操作用ロープとを前記接合部材により接合する工程からなることを特徴とする医療用内視鏡の製造方法である。
この構成により、強加工伸線した金属素線を複数本用いて撚合構成して湾曲操作ロープを形成し、又強加工の伸線加工による接合部材との濡れ性を向上させ、かつ湾曲駒との接合において、オーステナイト系ステンレス鋼線の強加工と低温熱処理の引張破断強度との相関性に着目して、強加工による高度の引張破断強度を有する湾曲操作ロープの引張破断強度を接合時の接合部材の溶融熱を利用して、より引張破断強度を向上させて接合できる、新たな技術思想から成る医療用内視鏡の製造ができる。
そして又、先端部に湾曲駒が複数個連結して成る湾曲部を設けて、前記湾曲駒と湾曲操作ロープとを接合部材を用いて接合し、前記湾曲駒を牽引操作する前記湾曲操作ロープから成る医療用内視鏡の製造方法において、前記湾曲駒はステンレス鋼材を用いて円筒状に成形して連結ピンにて連結する工程と、前記操作用ロープは、固溶化処理したオーステナイト系ステンレス鋼線を用いて、総減面率が90%から99.5%の伸線加工した金属素線を用いて複数本撚合構成したロープから成る工程と、前記撚合構成したロープを電解研磨した後に所定長切断する工程と、又は前記撚合構成したロープを所定長切断した後に電解研磨する工程と、その後切断した湾曲操作ロープの先端部を前記湾曲駒と接触させて、180℃から495℃の溶融温度をもつ共晶合金から成る前記接合部材を溶融させ、又は前記操作用ロープの金属素線がMoを含むオーステナイト系ステンレス鋼線のときには、180℃から525℃の溶融温度をもつ共晶合金からなる前記接合部材を溶融させ、同一、又は同種の材料から成る前記湾曲駒と前記操作用ロープとを前記接合部材により接合する工程からなることを特徴とする医療用内視鏡の製造方法である。
この構成により、湾曲操作ロープと湾曲駒との接合において、オーステナイト系ステンレス鋼線の強加工と低温熱処理の引張破断強度との相関性に着目して、強加工による高度の引張破断強度を有する湾曲操作ロープの引張破断強度を、接合時の接合部材の溶融熱を利用して、より引張破断強度を向上させ、さらに湾曲操作ロープと湾曲駒とが同一、又は同種材料を用いることにより湾曲操作ロープと接合部材との濡れ性、及び湾曲駒と接合部材との濡れ性を接合面で概ね均一にさせることにより、接合部の部材間の接合力を均一にさせることにより、より高い接合部の接合強度を得ることができる。
そして又、前記医療用内視鏡の製造方法の湾曲駒と湾曲操作ロープとを接合する工程が、真空環境下、又は不活性ガス環境下における接合工程から成ることがより望ましい。
この理由は、医療用内視鏡のオートクレープ滅菌後であっても、フラックス残留に起因する高強度を有する湾曲操作ロープの引張破断強度の低下を防いで接合させることができるからである。
次に本発明の医療用内視鏡1の全体を示す図1において、医療用内視鏡1は、操作部2と、この操作部2の先端に接続されて体内へ挿入される細長の挿入部4と、並びに前記操作部2の手元部に医療用内視鏡の処置具11の出入りを可能にした処置具孔10が配設されている。
この処置具孔10より処置具11を出入りさせて病変部の治療行為をすることができる。ここでいう医療用内視鏡1の処置具11とは、生検鉗子等の鉗子類の他に、例えば高周波スネア、回転クリップ装置、注射針等の処置具11のことをいう。
ここで例えば高周波スネアを用いて患部治療する際、患部に生理食塩水を注射針にて注入した後病変部を切除する。その際に生理食塩水の漏れ等により、例えば銀成分を含む接合部材21を用いた場合には、生理食塩水との接触により硫化銀等が形成され黒色化が始まり、時間の経過とともに黒色化がさらに進んで腐食が増大して接合強度が低下する。
この為、腐食進行による接合強度の低下防止、及び黒色化の防止の観点から処置具11に生理食塩水を用いる場合には、金系共晶合金の接合部材21を用いることが、より望ましい接合形態である。
次に図8は、本発明の医療用内視鏡1を用いて術者の手技を円滑かつ迅速にする為の医療用内視鏡1と、医療用内視鏡画像処理システムを示す。
医療用内視鏡1は、ユニバーサルコード8の端部に備えた着脱自在のコネクタ9を光源装置15へ接続し、さらにビデオプロセッサー14に電気的、機械的に連結されている。 そして、ビデップロセッサー14はモニター13と連結されて医療用内視鏡1からの画像をモニター13にて表示する構成となっている。又、写真撮影装置16、及びプリンター17と電気的、機械的に連結されている。
そして高強度の引張破断強度特性を有する湾曲操作ロープ20を備えた医療用内視鏡1の湾曲操作ノブ3を操作することにより、術者の所望の位置へ湾曲部6を湾曲させて、迅速、的確、かつ安定して操作することができ、その結果前記医療用内視鏡画像処理システムによりモニターに映し出された病変部の状態を術者が正確に把握認識することができ、術者の迅速治療に大きく寄与することができる。
[発明の効果]
以上説明のとおり、本発明の医療用内視鏡は、強加工伸線して引張破断強度の高い金属素線を複数本用いて撚合構成し、引張破断力の高い湾曲操作ロープを備え、そして接合部材である共晶合金の溶融熱を利用して、前記湾曲操作ロープの引張破断力をより向上させながら、湾曲駒のロープ受けとの強固な接合を可能とするものである。
そして又、処置具孔を備えた本発明の医療用内視鏡を用いて処置具孔より各処置具を出入りさせて病変部の治療を行い、さらに高度の操作性を有する本発明の医療用内視鏡に病変部の状態を術者が正確に把握認識できる医療用内視鏡画像処理システムを備えることにより、術者へ迅速対応可能な医療用具の提供ができ、迅速治療に大きく寄与することができる。以上の諸効果がある。
1 医療用内視鏡
2 操作部
3 湾曲操作ノブ
4 挿入部
5 可とう管部
6 湾曲部
7 先端構成部
10 処置具孔
18 湾曲駒
20 湾曲操作ロープ
20a 湾曲操作ロープの先端部
21 接合部材
22 ロープ受け
22a 先端ロープ受け
221 管体ロープ受け

Claims (8)

  1. 先端部に湾曲駒が複数個連結して成る湾曲部を設け、前記湾曲駒と湾曲操作ロープとを接合部材を用いて接合し、前記湾曲部を牽引操作する前記湾曲操作ロープから成る医療用内視鏡において、
    前記湾曲操作ロープは、固溶化処理したオーステナイト系ステンレス鋼線を用いて、総減面率が80%から99.5%の伸線加工した金属素線を複数本撚合構成して成り、
    前記接合部材は、180℃から495℃の溶融温度をもつ共晶合金からなり、又は前記操作用ロープの金属素線がMoを含むオーステナイト系ステンレス鋼線のときには、180℃から525℃の溶融温度をもつ共晶合金からなり、
    前記湾曲駒と前記湾曲操作ロープとを前記接合部材を用いて接合して成ることを特徴とする医療用内視鏡。
  2. 前記湾曲操作ロープは、固溶化処理したオーステナイト系ステンレス鋼線を用いて、
    総減面率が90%から99.5%の伸線加工した金属素線を複数本撚合構成して成り、 前記湾曲駒と接合する前記湾曲操作ロープの少なくとも先端部の接合部に、電解研磨処理、又は前記接合部材と同一、又は同種の組成成分を含むめっき処理を施したことを特徴とする請求項1に記載の医療用内視鏡。
  3. 前記湾曲操作ロープは、素線直径が0.008mmから0.200mmの金属素線を芯材と側材に用いて、前記芯材の外周に側材を6本から9本撚合構成し、前記芯材の素線直径が前記側材の素線直径の1.07倍から2.12倍とし、前記湾曲操作ロープから成ることを特徴とする請求項1〜2のいずれか一つに記載の医療用内視鏡。
  4. 前記接合部材である共晶合金が、金、又は銀のいずれかを含む組成から成り、溶融温度が217℃から525℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の医療用内視鏡。
  5. 先端部に湾曲駒が複数個連結して成る湾曲部を設けて、前記湾曲駒と湾曲操作ロープの先端部とを接合部材を用いて接合し、前記湾曲部を牽引操作する前記湾曲操作ロープから成る医療用内視鏡の製造方法において、
    前記湾曲操作ロープは、固溶化処理したオーステナイト系ステンレス鋼線を用いて、総減面率が90%から99.5%の伸線加工した金属素線を複数本用いて撚合構成したロープから成る工程と、
    前記撚合構成したロープを電解研磨した後に所定長切断する工程と、
    又は前記撚合構成したロープを所定長切断した後に電解研磨する工程と、
    その後切断した前記湾曲操作ロープの先端部を前記湾曲駒と接触させて、180℃から495℃の溶融温度をもつ共晶合金から成る前記接合部材を溶融させ、
    又は前記湾曲操作ロープの金属素線がMoを含むオーステナイト系ステンレス鋼線のときには、180℃から525℃の溶融温度をもつ共晶合金からなる前記接合部材を溶融させ、前記湾曲駒と前記湾曲操作ロープとを前記接合部材により接合する工程からなることを特徴とする医療用内視鏡の製造方法。
  6. 先端部に湾曲駒が複数個連結して成る湾曲部を設けて、前記湾曲駒と湾曲操作ロープとを接合部材を用いて接合し、前記湾曲駒を牽引操作する前記湾曲操作ロープから成る医療用内視鏡の製造方法において、
    前記湾曲駒はステンレス鋼材を用いて円筒状に成形して連結ピンにて連結する工程と、 前記湾曲操作ロープは、固溶化処理したオーステナイト系ステンレス鋼線を用いて、
    総減面率が90%から99.5%の伸線加工した金属素線を複数本用いて撚合構成したロープから成る工程と、
    前記撚合構成したロープを電解研磨した後に所定長切断する工程と、
    又は前記撚合構成したロープを所定長切断した後に電解研磨する工程と、
    その後切断した湾曲操作ロープの先端部を前記湾曲駒と接触させて、180℃から495℃の溶融温度をもつ共晶合金から成る前記接合部材を溶融させ、
    又は前記湾曲操作ロープの金属素線がMoを含むオーステナイト系ステンレス鋼線のときには、180℃から525℃の溶融温度をもつ共晶合金からなる前記接合部材を溶融させ、
    同一、又は同種の材料から成る前記湾曲駒と前記湾曲操作ロープとを前記接合部材により接合する工程からなることを特徴とする医療用内視鏡の製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか一つに記載の医療用内視鏡と、前記医療用内視鏡の処置具孔より病変部治療を行う医療用内視鏡の処置具を出入りさせたことを特徴とする医療用内視鏡と医療用内視鏡の処置具との組立体。
  8. 請求項1〜4のいずれか一つに記載の医療用内視鏡と、画像処理する為のモニターと、ビデオプロセッサーと、光源装置と、写真撮影装置と、プリンターから成ることを特徴とする医療用内視鏡と医療用内視鏡画像処理システム。
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