JP5366300B2 - 二酸化炭素低排出発電方法及びシステム - Google Patents

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Description

本発明は、二酸化炭素低排出発電方法及びシステムに関し、詳細には、メタンガスを燃料とする発電によって二酸化炭素の発生自体を抑えるとともに、発電によって生じた二酸化炭素を海底のメタンハイドレート層内に貯留することで、二酸化炭素の大気中への放出を抑制する技術に関する。
近年の化石エネルギー枯渇の問題を背景に、石油等の在来化石燃料に代わる次世代の一次エネルギー源として、メタンハイドレートが注目されている。メタンハイドレートは、メタンと水との包摂化合物であり、高緯度地域の永久凍土下に存在する陸上メタンハイドレートと、水深500m以上の海底面下に存在する海洋メタンハイドレートとに大別される。これらのうち、後者の海洋メタンハイドレートは、南海トラフ基礎試錐を中心として日本近海に相当量の賦存が見込まれている。メタンハイドレートは、温度又は圧力の変化によってメタンと水とに分解することが可能であり、メタンハイドレートから解離したメタンガスは、他の化石燃料と比べて単位発熱量当たりの二酸化炭素排出量が少ないことが知られている。
メタンハイドレートの代替一次エネルギー源としての利用を可能とするだけでなく、発電所等からの排出二酸化炭素の大気中への放出を削減することが求められている。2008年7月開催の第34回主要国首脳会議(北海道洞爺湖G8サミット)では、「2050年までに世界全体の温室効果ガス排出量の少なくとも50%を削減する」という長期的削減目標が立てられたところである。このような要請のもと、化石燃料を使用しても二酸化炭素を大気中に放出しないシステムの検討が進められており、二酸化炭素回収・貯留技術(CCS)が注目されている。CCSは、発電所等の人為的排出源からの二酸化炭素を大気から分離し、地中又は海洋に隔離貯留する技術であり、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)でも検討されている。IPCC報告書(2005年)の試算によれば、CSSにより、世界の二酸化酸素排出量の約80年分に当たる2兆トンの地下貯留が可能であるといわれている。そして、CCSは、2100年には大気中への二酸化炭素排出量の削減に対して15〜55%の割合で貢献するといわれ、地球温暖化対策における実質的貢献が期待されている。
CCSに関して、次のような技術が存在する。発電所等の熱利用プラントから排出される二酸化炭素ガスを圧縮して液化し、この液化二酸化炭素を容器(貯蔵タンク)に収めた状態で海上又は陸上の採掘基地に輸送する。そして、採掘基地から海底面下又は地下に存在するメタンハイドレート層内の採掘地点に二酸化炭素ガスを圧入し、この層内に二酸化炭素ハイドレートの状態で貯留するものである。ここで、二酸化炭素ハイドレートの生成に際して生じる反応熱によって採掘地点のメタンハイドレートを水とメタンとに分解し、これによって生じたメタンガスを採掘基地に回収して、熱利用プラントに供給する(下記特許文献1)。
特開2000−061293号公報(段落番号0063,0087)
熱利用プラントから排出される二酸化炭素をガスの状態でメタンハイドレート層内に注入し、この二酸化炭素ガスがハイドレートに相変化を起こす際に発する熱によってガス注入部付近のメタンハイドレートを分解するものは、上記特許文献1に記載されるように既に存在する。しかしながら、この文献記載の技術は、二酸化炭素を海水に吸着させた状態で海底面下へ輸送して、メタンハイドレート層内に注入するものではなく、メタンハイドレートの分解に、この海水が有する熱を利用するものでもない。
本発明は、以上を考慮した二酸化炭素低排出発電方法及びシステムを提供するものである。
本発明は、メタンガスを燃料とする発電を行う一方、加熱した海水に前記発電によって生じた二酸化炭素が吸着した加熱海水を取得し、取得した加熱海水を海底のメタンハイドレート層内に注入する。注入した加熱海水が有する熱をこの層内のメタンハイドレートに伝達させ、この熱を受けてメタンハイドレートから解離したメタンガスを燃料として回収する一方、前記注入した加熱海水中の二酸化炭素は、メタンハイドレート層内に隔離固定する。
本発明によれば、発電によって生じた二酸化炭素を海底に隔離貯留することで、二酸化炭素の大気中への放出を抑制することができる。これに加え、本発明によれば、海底へ向けた二酸化炭素の輸送に海水を利用することとし、この海水を加熱したうえでメタンハイドレート層内に注入することで、二酸化炭素の輸送媒体としての機能と、メタンハイドレートの加熱媒体としての機能とを海水に兼ねさせることが可能となる。従って、隔離貯留による二酸化炭素排出量の削減と、メタンハイドレートからのメタンガスの取得とを高い効率で達成することができる。
本発明の一実施形態に係る発電方法を実施するシステムの全体構成図 同上システムを構成する海上プラントの概略構成図 メタンハイドレート及び二酸化炭素ハイドレートの相平衡図 本実施形態に係る発電システムの具体例を示す全体構成図 同上具体例の発電システムに使用する二酸化炭素吸着装置(CO2回収ユニット)の構成図 タービン入口温度を変化させた場合のタービン排ガス組成変化の説明図 熱水輸送パイプ内流れの計算モデルの説明図 水深に対する水温近似プロフィール パイプ内径とパイプ出口温度との関係を示す説明図 パイプ内径とパイプ出口圧力との関係を示す説明図 設計評価パラメータ(=ti/λi)とパイプ出口温度との関係を示す説明図
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る発電方法を実施するシステム(以下「低CO2排出発電システム」という。)の全体的な構成を示している。本実施形態では、メタンガスを燃料として発電を行い、この発電の結果として生じた二酸化炭素を海水に吸着溶解させ、更にこの二酸化炭素が吸着した海水を加熱して、海底のメタンハイドレート層内に注入する。注入した海水が有する熱によってメタンハイドレートを分解してメタンガスを生じさせ、このメタンガスを回収して、発電の燃料として使用する。海水に吸着した二酸化炭素は、海水を注入するメタンハイドレート層内の、低温高圧の環境条件によって液化二酸化炭素に変化させ、メタンハイドレート層内に隔離貯留する。
海上に浮かぶ発電プラント(以下「海上プラント」という。)1は、メタンガスを燃料とする火力発電装置と、発電によって生じた二酸化炭素を海水に吸着溶解させる二酸化炭素吸着装置(以下「CO2回収ユニット」という。)とを備えている。
本実施形態に係る発電装置は、図2にその概略的な構成を示すように、圧縮機(「第1の圧縮機」に相当する。)101、燃焼器102及びガスタービン103を備えた、単段ブレイトンサイクル型の発電装置である。ガスタービン103の排ガスは、熱交換器104によって冷却した後、その一部を、ガス分配器105を介して吸気側へ再循環させる。タービン排ガスの一部を再循環させることで、タービン入口温度を調節し、その結果として、空気比を低減させ、システム全体の熱効率を上昇させている。このように、基本となる発電サイクルにブレイトンサイクルを採用したことで、圧縮機101等のサイクル構成機器を、海上設置用にコンパクトに構成することが可能である。再循環ガス以外の残りのタービン排ガスは、圧縮機(「第2の圧縮機」に相当する。)106によって加圧した後、CO2回収ユニット107に供給する。CO2回収ユニット107には、ポンプ108によって圧縮した海水を供給し、タービン排ガス中の二酸化炭素を高圧下で海水に吸着溶解させる。具体的には、CO2回収ユニット107の高圧タンクにタービン排ガスを吹き込むとともに、圧縮した海水をノズル等によって噴射供給することで、海水に二酸化炭素を吸着させる。このような二酸化炭素吸着方法は、物理吸収法として知られるところである。低温高圧下で二酸化炭素とタービン排ガスとを混合することで、二酸化炭素の海水への溶解度を高めることが可能である。本実施形態では、熱交換器109を設置することで、常温にまで冷却したタービン排ガスをCO2回収ユニット107に導入することとしている。ここで、ヘンリーの法則によれば、タービン排ガスにおける二酸化炭素分圧が高いほど、上記溶解度が増大することになる。このようにして、大気中へ放出される二酸化炭素は、再循環ガスを除くタービン排ガス中の二酸化炭素のうち、CO2回収ユニット107において海水に吸着しなかった二酸化炭素のみとなる。吸着した二酸化炭素を除く排ガス(残ガス)は、熱交換器109によって加熱した後、ガスタービン110に供給し、大気圧にまで膨張させる。ガスタービン103,110によってジェネレータ111を駆動し、これによって生じた電気を、海底ケーブル5(図1)を通じて陸上の集電設備等へ送電する。ガスタービン103及びジェネレータ111は、本実施形態に係る「発電タービン」を構成する。
図1に戻り、CO2回収ユニット107によって二酸化炭素を吸着させた海水は、熱交換器104(図2)による加熱後、海中に設置した熱水輸送パイプ2を通じて海底面S下へ輸送し、メタンハイドレート層H内の採掘ポイントPに注入する。メタンハイドレート層Hと下部地層Uとの間に存在するのは、フリーガス層Fである。図3は、メタンハイドレート及び二酸化炭素ハイドレートの相平衡図であり、メタン、二酸化炭素及び水が共存している場合に、それぞれが気体、液体及びハイドレートのうち、どの状態で存在するかを示している。海洋メタンハイドレートの存在領域Aは、一点鎖線によって示すメタンハイドレート−ガス相平衡線よりも低温側の領域として示されている。Goal等によれば、実線によって示す二酸化炭素ハイドレート−ガス相平衡線よりも低温側の領域Bの温度及び圧力条件下でメタンハイドレートを分解することで、メタンハイドレートと二酸化炭素ハイドレートとを置換可能とされている(Naval Goal,“In situ methane hydrate dissociation with carbon dioxide sequestration: Current knowledge and issues”, Journal of Petroleum Science and Engineering, vol. 51, pp.169-184, 2006)。本実施形態では、加熱した海水を利用した熱水圧入法によってメタンハイドレートを分解するため、海水中の二酸化炭素は、液化二酸化炭素の状態で安定すると考えられる。点線によって示すのは、二酸化炭素液体−ガス相平衡線である。
加熱した海水の注入によってメタンハイドレートから解離したメタンガスは、メタンガス回収パイプ3を通じて海上プラント1に輸送し、発電の燃料として、燃焼器102に供給する。
以下の説明では、以上で概略的に述べた低CO2排出発電システムの具体例について、計算によって検討する。
(二酸化炭素の排出のみを考慮した場合)
図4は、本発電システムの全体的な構成を示しており、図5は、本発電システムに使用するCO2回収ユニット107の構成を示している。
本計算では、定常プロセスシミュレータである商品名「HYSYS version 2006.5」を使用する。HYSYSは、化学プロセスにおける物質・熱バランスについて収支計算を行うシミュレータである。流体パッケージ(物性値データベース)には、炭化水素を用いる反応に対して高い信頼性を有するとされる、Peng Robinson型状態方程式を採用した(Ding-Yu Peng and Donald B. Robinson,“A New Two-Constant Equation of State”, Industrial and Engineering Chemistry Fundamentals, vol. 15, pp.59-60, 1976)。なお、本計算では、燃焼等の化学反応について化学平衡状態を仮定するとともに、メタンハイドレートの解離プロセスを考慮せず、常温のメタンガスが燃焼器102に供給されるものと仮定した。実際の発電プラントの設計では、燃焼ガス組成の時間変化やメタンガスの供給可能量を定量化するため、これらの非定常要素についても考慮するのが好ましい。本発電サイクルのプロセスについて以下に述べる。
1.常温常圧の空気を圧縮機101によって3Mpaにまで圧縮する。
2.燃料である常温3MPaのメタンガスと、圧縮空気とを燃焼器102において燃焼させる。
3.燃焼ガスをガスタービン103において常圧にまで膨張させる。
4.ガスタービン103からの排ガス(タービン排ガス)を熱交換器104によって常温にまで冷却する。
5.凝縮して生じた水を気液分離器121によってタービン排ガスから分離する。
6.タービン排ガスの一部をガス分配器105によって分離し、吸気側に再循環させる。再循環させる排ガスは、ガス混合器122によって空気と混合させる。再循環させる排ガス以外の残りのタービン排ガスは、圧縮機106によって5MPaにまで圧縮する。
7.圧縮したタービン排ガスを熱交換器109によって常温にまで冷却する。
8.冷却後のタービン排ガスと、ポンプ108によって5MPaにまで圧縮した海水とを、CO2回収ユニット107において混合させ、タービン排ガス中の二酸化炭素を海水に吸着させる。
9.二酸化炭素が吸着除去された後の残ガス(高圧窒素ガス)を熱交換器109によって加熱する一方、二酸化炭素が吸着した海水を熱交換器104によって加熱する。
10.加熱後の残ガスをガスタービン(膨張タービン)110において常圧にまで膨張させ、エネルギーを回収した後、大気中に放出する。
本計算では、以上のプロセスについて、更に以下の仮定を設けた。
本実施形態では、メタンハイドレートから生成して発電に供するメタンガスの質量流量を毎秒1kgとするが、この流量は、発電規模に応じて適宜増減することが可能であり、1kg/sに限定されるものではない。
a.常圧を0.1013MPa、常温を15℃とする。
b.空気の組成について、窒素が79%、酸素が21%とする。
c.燃料の組成をメタン100%とし、かつその流量を1kg/sとする。
d.完全燃焼によるものとし、空気比を1とする。これにより、燃焼生成物は、二酸化炭素及び水のみとなる。
e.断熱効率は、圧縮機についてηCOMP=88%、ガスタービンについてηGT=92%とし、次式(1),(2)によって定義する。
ηCOMP=(断熱圧縮過程における動力)/(実際の圧縮過程における動力) ・・・(1)
ηGT=(実際の膨張過程における出力)/(断熱膨張過程における出力) ・・・(2)
以上で述べたプロセスの解析条件を次表(1)にまとめる。
Figure 0005366300
本計算の結果を表2に示す。
Figure 0005366300
本計算では、発電サイクルの性能を決定するパラメータとして、二酸化炭素吸着(回収)プロセスの段数、海水の流量、タービン排ガスの再循環比及び圧縮機101の圧力比を挙げ、表2は、各パラメータの値を変化させた場合の計算結果を示している。CO2回収プロセスは、CO2吸着(回収)率を上昇させるため、図5に示すように対向流式としている。例えば、図5に示すCO2回収ユニット107では、CO2回収プロセスの段数は、混合タンク107a〜107cの数に応じて3段と解釈する。従って、混合タンクの数が2つであれば、この段数は、2段となる。再循環比は、ガスタービン101の排ガス全体のうち、吸気側に再循環させる排ガスの割合である。
ここで、本計算では、発電プラントの基本的な仕様を評価するため、サイクル全体の発電出力WTOTALは、メタンガスの流量を1kg/sとした場合の値としている。サイクル全体の熱効率ηTOTALは、次式(3)によって算出した。
ηTOTAL=WTOTAL/LHVCH4
=(WGT1−WCOMP1+WGT2−WCOMP2−WPUMP)/LHVCH4 ・・・(3)
上式(3)では、メタンの低位発熱量LHVCH4(=50030kJ/kg)を基準として熱効率ηTOTALを算出している。これは、低位発熱量を基準とした既存の多くの研究との比較を容易にするためである。
表2から明らかなように、CO2回収プロセスを2段から3段にすることで、CO2回収率が大幅に増大することが分かる(ケースB)。そして、海水の流量を減少させることで、CO2回収率が若干減少するものの、加熱後の海水の温度が上昇することが分かる(ケースC)。再循環比を減少させた場合は、ガスタービン101の入口温度が上昇し、結果としてサイクル全体の発電出力WTOTAL及び熱効率ηTOTALが上昇している(ケースD)。再循環比を更に減少させることで、発電出力WTOTAL及び熱効率ηTOTALを若干上昇させることが可能である一方、タービン入口温度が大幅に上昇することが分かる(ケースE)。最後に、圧縮機101の圧力比を低下させると、加熱後の海水の温度が上昇する一方、発電出力WTOTAL及び熱効率ηTOTALが減少することが分かる(ケースE)。
このように、発電サイクルの性能を決定するパラメータは、複数存在する。表2に示した5つのケースのなかでは、加熱後の海水の温度、ならびにサイクル全体の発電出力WTOTAL及び熱効率ηTOTALが比較的高いケースDの設定が適切であると考えられる。サイクル全体の熱効率ηTOTALは、41.0%と最新の火力発電プラントと比較するとそれ程高くはないが、91.7%の回収率で二酸化炭素が回収され、更にタービン廃熱が海水の加熱に用いられ、メタンハイドレートの分解に利用されることから、システム全体としてみれば決して低い値ではないと考えられる。これに対し、ケースEによれば、41.5%と最も高い熱効率ηTOTALが得られるものの、タービン入口温度が1590℃と比較的高温となる。現在開発が進められている1700℃級ガスタービン等の最新技術が実用化されれば、実現の可能性がある。
メタンハイドレートをメタンガスと水とに分解するには、少なくとも56.9kJ/molの解離潜熱が必要である(Sloan E. D. Jr.,“Clathrate Hydrates of Natural Gas -2nd ed.”, Marcel Dekker, 1998)。ここで、メタンの分子量が16.04であり、本計算で設定したメタンガスの流量が1kg/sであることから、メタンガスの解離に最小限必要な熱量は、約3547kWと計算される。これに対し、本計算(ケースD)での海水の流量が200kg/sであることを考慮すれば、海水の比エンタルピーは、少なくとも18kJ/kgであることが要求される。これは、常圧で約4.2℃の水の比エンタルピーに相当する。常圧で40℃の水の比エンタルピーが167.62kJ/kgであることを考えれば、本発電サイクルについて想定している海水によるならば、熱力学的には解離に必要な熱を供給可能であることが分かる。本発電サイクルをより詳細に検討するうえでは、二酸化炭素が吸着した海水とメタンハイドレートとの反応速度、及びメタンハイドレート層内での海水の拡散速度等を考慮することが課題となる。
(一酸化炭素及び窒素化合物の排出を考慮した場合)
以上の計算では、完全燃焼を仮定し、燃焼生成物として二酸化炭素及び水のみを考慮した。これに対し、本計算では、不完全燃焼によって生じる一酸化炭素(CO)と、燃焼ガス中の窒素及び酸素が高温下で反応して生じる窒素酸化物(サーマルNOx)とを考慮する。そして、後者の窒素酸化物として、特にNO,NO,NO,Nを考慮する。発電サイクルのプロセス及び計算上の仮定は、二酸化炭素の排出のみを考慮した上述の計算におけると同様である。
図6は、タービン入口温度を変化させた場合のタービン排ガス組成の変化を示している。一酸化炭素(CO)を四角のプロットによって、窒素酸化物のうち、NO,Nを夫々円又は三角のプロットによって示している。各プロットについて、空気比λを1.0に設定した場合を点線(中抜きのプロット)によって、空気比λを1.1に設定した場合を実線によって示している。タービン入口温度は、上述のシミュレーションにおいて定義した再循環比によって変化させている。タービン排ガスには、二酸化炭素及び窒素も含まれているが、CO及びNOxに着目するために省略した。
図6によれば、空気比λを1.0から1.1にすることで、NO及びNの生成量が増大するものの、COの生成量は減少することが分かる。NO及びNOは、図6の縦軸が示すppmオーダでは生成しない。そして、CO及びNOx双方の生成量について、タービン入口温度の上昇に対して増大する傾向があることが分かる。
表3は、タービン入口温度が1400℃付近のタービン排ガスを対象として、上述の計算におけると同様の物理吸収法(図5)による処理を施す前と後との排ガス組成を示している。本計算では、簡単のため、吸着(回収)プロセスを1段としている。
Figure 0005366300
表3によれば、空気比λが1.0及び1.1のいずれの場合であっても物理吸収法による回収後にCO及びNOの濃度が上昇していることが分かる。これは、CO及びNOが水に溶け難く、回収率が1%未満であることや、N等の水に溶け易いガスが回収除去された結果、排ガスにおけるそれらの相対濃度が上昇したためと考えられる。これに対し、Nは、99%以上の回収率で回収されている。以上から得られる知見として、COの生成量を減少させるには、空気比λを増大させ、NOxの生成量を減少させるには、空気比λを減少させればよい。
上記CO及びNOについては、ガスタービン103に出口部等に触媒を設置して、CO及びNOに酸化させることが可能である。これらの生成物は、高圧下で容易に海水に溶解させることができ、加熱した後、温排水の状態でメタンハイドレート層内に注入し、海底面S下に貯蔵することができる。従って、CO及びNOの大気中への放出を抑えながら、メタンハイドレートを利用した発電を行うことが可能である。
一般に、単段のブレイトンサイクルでは、圧縮機101の圧縮比を大きくすると発電効率が上昇する。しかしながら、通常の発電施設では、NOxの排出量が増大するため、圧縮比の増大には限界があった。本実施形態に係る発電システムによれば、生成したNOxも二酸化炭素とともにメタンハイドレート層内に隔離されるので、本実施形態におけるよりも更に大きな圧縮比のブレイトンサイクルを構築し、より高い発電効率を得ることが可能である。
(熱水輸送パイプ内流れの解析)
以下の説明では、二酸化炭素が吸着した海水を海底面S下へ輸送する過程で生じる、熱水輸送パイプ2の内部から、外部の海水への熱損失について検討する。この熱損失を考慮して熱水輸送パイプ内流れを解析し、熱水輸送パイプ2出口付近の温度(パイプ出口温度)について評価する。
図7は、本解析に使用する計算モデルを示している。南海トラフ基礎試錐には、深度約1200mにメタンハイドレートが存在することが報告されていることから、本計算では、熱水輸送パイプ2の長さLを安全側の2000mに設定した。海水は、表2に示したケースEの流量及び温度で熱水輸送パイプ2に流入すると仮定した。そして、熱水輸送パイプ2の壁における熱伝導は無視し、パイプ外壁と周囲の海水との間の熱伝達率を無限大、即ちパイプ外壁は周囲の海水と等しい温度であるものとした。
初めに、本計算に先立ち、熱水輸送パイプ2の内径Rを0.25mとしてパイプ出口温度Tbottomを概算する。パイプ入口における海水の流量がMin=200kg/sであることから、海水の平均流速Uは、次式(4)から1.02m/sとなる。
=Min/πRρ=200/(π×0.25×998.2)
=1.02 ・・・(4)
従って、熱水輸送パイプ2内の平均レイノルズ数Reは、次式(5)によって5.07×10となる。
Re=2UR/ν=2×1.02×0.25/(1.005×10−6
=5.07×10 ・・・(5)
よって、熱水輸送パイプ2内の流れは、乱流であることが分かる。他方で、プラントル数Pr=6.7であるので、Dittus−Boelterの式を用いれば、平均ヌセルト数Nuは、次式(6)によって1491となる。
Nu=0.023Re 0.8Pr0.3
=0.023×(5.07×100.8×6.70.3=1491 ・・・(6)
以上の結果から、パイプ内壁の平均熱伝達率hは、次式(7)によって1789となる。
=Nuλ/2R=1491×0.6/(2×0.25)
=1789 ・・・(7)
パイプ内壁における対流熱伝達によって奪われる熱量Qconvは、パイプ壁面の温度、熱伝達率及び流体の比熱がパイプ2全体で一定と仮定すると、次式(8)によって与えられる。
conv={(Tin−Tout)/(1/h)}×2πRL
=[{(ΔT−ΔT)/ln(ΔT/ΔT)}/(1/h)]×2πRL ・・・(8)
ここで、Tinは、熱水輸送パイプ2内の混合平均流体温度であり、Toutは、周囲の海水の温度である。右辺の分子は、パイプ2内外の対数平均温度差である。ΔTは、パイプ入口における海水の温度Ttopとパイプ外壁の温度Toutとの差であり、ΔTは、パイプ出口における海水の温度Tbottomとパイプ外壁の温度Toutとの差である。本概算では、Ttopを51.24℃とし、Toutを5℃とする。上式(8)は、パイプ壁面の温度、熱伝達率及び流体の比熱が一定とみなせる場合に成り立つ。
熱水輸送パイプ2の入口から出口までの海水のエンタルピー変化は、次式(9)によって与えられる。
en=ρπR{c(Ttop−Tbottom)+(Ptop−Tbottom)/ρ} ・・・(9)
上式(9)において、右辺第1項は、温度変化によるエンタルピー変化を、第2項は、圧力変化によるエンタルピー変化を夫々示している。ここで、エネルギー保存則によれば、Qconv=Qenであるので、パイプ出口温度Tbottomは、5.04℃と算出される。このように、熱水輸送パイプ2の出口付近では、メタンハイドレート層H内に注入する海水の温度と、周囲の海水の温度とが略等しく、パイプ2による輸送過程における熱損失が大きいことが分かる。従って、メタンハイドレートに対してその分離に必要な熱を供給するには、熱水輸送パイプ2の周囲に断熱材を取り付ける必要があると考えられる。
以上の結果を踏まえ、熱流体解析ツールである商品名「FLUENT 6.3」を使用して熱水輸送パイプ内流れを解析する。本解析に使用した計算モデルは、図7に示したものと同様であるが、パイプ2の周囲に断熱材を取り付けることを想定している。断熱材外壁と海水との間の熱伝達率を無限大とし、断熱材外壁の境界条件として、図8に示す条件を採用するとともに、パイプ入口の境界条件に表2のケースEの条件(U=1.02m/s,Ttop=51.24℃)を採用した。ここで、図8は、南海トラフ基礎試錐周辺海域の水深に対する水温分布を、指数関数によって近似したものである。本計算におけるレイノルズ数も上式(5)に示したように10以上であることから、計算モデルにk−ε乱流モデルを使用した。
図9,10は、パイプ内径を変化させた場合のパイプ出口温度及びパイプ出口圧力を夫々示している。断熱材の厚さを0.01m、熱伝達率を0.173W/m・Kとしている。
図9によれば、パイプ内径を増大させると、パイプ出口温度が低下することが分かる。これは、流量一定の仮定により、パイプ内径が大きいほど流速が小さくなり、単位時間当たりの熱損失が増大するからであると考えられる。これに対し、図10によれば、パイプ内径を減少させると、圧力損失が増大することが分かる。これらの結果から、パイプ内径は、0.5m程度が妥当である。
図11は、パイプ内径を0.5mに固定して、断熱材の厚さti[m]及び熱伝達率λi[W/m・K]を変化させた場合のパイプ出口温度を示している。ti/λi[mK/W]を横軸のパラメータとして、縦軸にパイプ出口温度を示している。四角のプロットは、断熱材がない場合の計算結果である。円のプロットAは、ti=0.001,λi=0.173(ti/λi≒0.00578)とした場合の計算結果であり、正三角のプロットBは、ti=0.01,λi=0.5(ti/λi=0.02)とした場合のものを、逆三角のプロットCは、ti=0.01,λi=0.173(ti/λi≒0.0578)とした場合のものを示している。
図11から明らかなように、パイプ出口温度は、パラメータti/λiの増加に応じて上昇する。従って、目標とするパイプ出口温度を設定し、この目標温度に対するパラメータti/λiの値を読み取ることで、断熱材の選定が可能である。
以上で述べたように、本実施形態によれば、海上プラント1から排出される二酸化炭素を海底面S下に隔離貯留して、二酸化炭素の大気中への放出を抑制することができる。これに加え、本実施形態によれば、この排出二酸化炭素を海水に吸着溶解させ、この海水を加熱したうえで熱水輸送パイプ2を通じてメタンハイドレート層H内に注入することで、海底面S下へ向けた二酸化炭素の輸送と、メタンハイドレートの加熱とを1つの媒体(海水)によって行うことが可能となる。従って、隔離貯留による二酸化炭素排出量の削減と、メタンハイドレートからのメタンガスの取得とを高い効率で達成することができる。ここで、熱水輸送パイプ2の周囲に断熱材を取り付けることで、海中を輸送する間の海水からの熱損失を抑え、現実的なシステム構築が可能となる。そして、熱水輸送パイプ2の内径を0.5m程度に設定することで、パイプ出口における海水の温度及び圧力に関して良好な結果が得られるとともに、所要のパイプ出口温度に対するパラメータti/λiの値から、適切な断熱材を選定することができる。
1…海上プラント、2…熱水輸送パイプ、3…メタンガス回収パイプ、5…海底ケーブル、101…圧縮機(第1の圧縮機)、102…燃焼器、103…ガスタービン、104…熱交換器、105…ガス分配器、106…圧縮機(第2の圧縮機)、107…CO2回収ユニット、108…ポンプ、109…熱交換器、110…ガスタービン、111…ジェネレータ、S…海底面、H…メタンハイドレート層、P…採掘ポイント。

Claims (29)

  1. メタンガスを燃料として発電を行うステップと、
    加熱した海水に前記発電によって生じた二酸化炭素が吸着した加熱海水を取得するステップと、
    前記取得した加熱海水を海底のメタンハイドレート層内に注入して、この加熱海水中の二酸化炭素を前記層内に隔離固定するステップと、
    前記加熱海水が有する熱を前記層内のメタンハイドレートに伝達させて、この熱を受けてメタンハイドレートから解離したメタンガスを回収するステップと、
    前記回収したメタンガスを前記発電のための設備に供給するステップと、
    を有する二酸化炭素低排出発電方法。
  2. 前記加熱海水取得ステップは、前記発電の廃熱を利用して海水を加熱する請求項1に記載の発電方法。
  3. 前記加熱海水取得ステップは、加圧した海水に前記二酸化炭素を吸着させる請求項1又は2に記載の発電方法。
  4. 前記加熱海水取得ステップは、前記二酸化炭素の吸着を複数段に分けて行う請求項1〜3のいずれかに記載の発電方法。
  5. 前記加熱海水取得ステップは、海水に前記二酸化炭素を吸着させた後、この海水を加熱して、前記加熱海水を取得する請求項1〜4のいずれかに記載の発電方法。
  6. 前記加熱海水取得ステップは、海上で前記加熱海水を取得する請求項1〜5のいずれかに記載の発電方法。
  7. 前記加熱海水注入ステップは、断熱材を施したパイプを通じて前記加熱海水を前記メタンハイドレート層内に注入する請求項1〜6のいずれかに記載の発電方法。
  8. 前記パイプの内径が略0.5mである請求項7に記載の発電方法。
  9. 前記断熱材の厚さ及び熱伝達率を夫々ti,λiとして、ti/λiの値が略0.00578〜0.0578の範囲内である請求項8に記載の発電方法。
  10. 前記加熱海水注入ステップは、前記加熱海水中の二酸化炭素を液体二酸化炭素の状態で前記層内に隔離固定する請求項1〜9のいずれかに記載の発電方法。
  11. 前記発電ステップは、海上で発電を行う請求項1〜10のいずれかに記載の発電方法。
  12. 前記発電ステップは、ブレイトンサイクルによって発電を行う請求項1〜11のいずれかに記載の発電方法。
  13. 前記発電ステップは、メタンを燃焼させるとともに、その燃焼熱を電気的エネルギーに変換して発電を行い、
    前記加熱海水取得ステップは、加圧した海水と、前記メタンの燃焼排ガスとを混合させて、海水に前記燃焼排ガス中の二酸化炭素を吸着させる請求項1〜12のいずれかに記載の発電方法。
  14. 前記加熱海水取得ステップに続いて、二酸化炭素が吸着除去された残余の排ガスが有するエネルギーを回収するステップを更に有する請求項13に記載の発電方法。
  15. 前記発電によって生じた電気を、海底ケーブルを通じて送電するステップを更に有する請求項1〜14のいずれかに記載の発電方法。
  16. メタンガスを燃料とする発電装置と、
    前記発電装置から排出された二酸化炭素を海水に吸着させる二酸化炭素吸着装置と、
    前記二酸化炭素が吸着した海水を加熱する加熱装置と、
    前記加熱した海水を海底へ向けて輸送し、メタンハイドレートの分解が可能な条件として定められた温度及び圧力のもとで前記海底のメタンハイドレート層内に注入する注入装置と、
    前記海水の注入によって前記層内のメタンハイドレートから解離したメタンガスを回収可能に配設され、回収したメタンガスを前記発電装置に供給するメタンガス供給装置と、
    を含んで構成される二酸化炭素低排出発電システム。
  17. 前記加熱装置は、前記発電装置の廃熱を利用して前記海水を加熱する請求項16に記載の発電システム。
  18. 前記発電装置は、
    空気を圧縮する第1の圧縮機と、
    所定圧力のメタンガス及び前記第1の圧縮機によって圧縮した空気の混合ガスを燃焼させる燃焼器と、
    前記第1の圧縮機に対してこれを駆動可能に連結されるとともに、前記燃焼器の排ガスを受けて作動し、この排ガスの燃焼熱を電気的エネルギーに変換して出力する発電タービンと、を含んで構成される請求項16又は17に記載の発電システム。
  19. 前記加熱装置は、前記燃焼器の排ガスと、前記海水との間で熱交換を行う熱交換器を含んで構成される請求項18に記載の発電システム。
  20. 海水を昇圧させて送出するポンプを更に含んで構成され、
    前記二酸化炭素吸着装置は、前記ポンプから送出された海水と、前記燃焼器の排ガスとを混合させて、前記海水に前記排ガス中の二酸化炭素を吸着させる請求項18又は19に記載の発電システム。
  21. 前記排ガスのうち前記二酸化炭素が吸着除去された残余の排ガスを受けて作動するガスタービンを更に含んで構成される請求項20に記載の発電システム。
  22. 前記ガスタービンによって駆動可能に配設され、前記燃焼器の排ガスを前記二酸化炭素吸着装置への供給前に圧縮する第2の圧縮機を更に含んで構成される請求項21に記載の発電システム。
  23. 前記発電装置、二酸化炭素吸着装置及び加熱装置を海上に設置する設備を更に含んで構成される請求項16〜22のいずれかに記載の発電システム。
  24. 前記注入装置は、
    前記加熱した海水を前記海底に向けて輸送可能に配設された熱水輸送パイプと、
    前記熱水輸送パイプの内部から、外部の海水への熱伝達を抑制可能に設けられた断熱材と、を含んで構成される請求項16〜23のいずれかに記載の発電システム。
  25. 前記熱水輸送パイプの内径が略0.5mである請求項24に記載の発電システム。
  26. 前記断熱材の厚さ及び熱伝達率を夫々ti,λiとして、ti/λiの値が略0.00578〜0.0578の範囲内である請求項25に記載の発電システム。
  27. 前記発電装置によって生成した電気を送電する海底ケーブルを更に含んで構成される請求項16〜26のいずれかに記載の発電システム。
  28. 前記発電装置は、メタンを燃焼させるとともに、その燃焼熱を電気的エネルギーに変換して発電を行う装置であり、
    前記二酸化炭素吸着装置は、前記二酸化炭素に加え、前記燃焼に伴って生じた二酸化炭素以外の燃焼生成物を高圧下で海水に吸着させ、
    前記注入装置は、前記二酸化炭素及び燃焼生成物が吸着した海水を前記海底のメタンハイドレート層内に注入する請求項16〜27のいずれかに記載の発電システム。
  29. 前記発電装置がブレイトンサイクルによって発電を行う請求項16〜28のいずれかに記載の発電システムであって、
    前記発電装置の燃焼部出口又はその下流側に設けられ、前記発電に伴って生じる燃焼生成物を酸化する触媒を更に含んで構成され、
    前記二酸化炭素吸着装置は、前記二酸化炭素に加え、前記触媒によって酸化された燃焼生成物を海水に吸着させる発電システム。
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