JP5365892B2 - 減速装置 - Google Patents

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Description

本発明はドアに関する
本発明は開くときにバネに閉める力を蓄え、何処から手を離しても勝手に閉まるドアに関するものである。何処から手を離してもドアが閉まる途中で止まらないようにするには、ドアに回転力が作用し続ける必要があり、ドアに力が作用するとドアの回転速度は加速するので、ドアが閉まるに従いドアの回転速度は加速し、ドアが閉まったときドアの回転速度は最高値に達して、激しい衝撃音を伴うことになる。
力が作用すると運動速度は加速する、何処においてもドアに力が作用するので、たとえ減速しても減速されながらドアの回転速度は加速の一途をたどる。本発明はドアが閉まる直前(以下、閉止直前という)に最高値に達した回転速度を減速して衝撃を緩和し、しかもドアを戸当たりに当たる時(以下、密閉時という)まで回転させて確実に密閉するようになされたものである。
ドアには閉まったドアが再び開かないように、ドア側面に取付けたラッチがドア枠に施された穴に嵌り込む逆転防止装置(以下、ラッチ装置という)が付いており、ドアを戸当たりに当てるまでに、ドアの回転に加えてラッチ装置を作動させる仕事が追加される。
従ってドアが勝手に閉まるようにするバネの力よりもドアを戸当りに押圧し密閉する力のほうが大きいことになる。しかも、バネの力が弱まったドアを閉める最後の段階で、ドアを戸当りに押圧するための最大の力が要求される。
ドアを開き始めるとき、バネの力は上記の「戸当りに押圧するための最大の力(以下、密閉力という)」であり、ドアを開くときこれを初期値にして、バネの力は増加する。即ちドアを開くとき、強くした密閉力は最後まで影響を与える。本発明はドアを開くときの力を最小限に留めて、しかも密閉力を最大にするようになされたものである。
ドアが閉まる過程において最後まで強い力が働くとそれだけ慣性力が閉まるに従って大きく成長することになり、ドアが閉まったときの衝撃が大きくなる。通常ドアクローザと呼ばれる商品は油の粘性抵抗やその他の摩擦抵抗によって慣性力によって生じたドアの加速に抵抗をかけて減速するもので、この抵抗に打ち勝って回転させるため、バネの力を更に強める結果となり、ドアを開く際、更に重たく感じるようになった。
本発明はドアを閉める回転作業と最後に密閉する作業を別々に処理して、ドアを閉めるバネが閉まるときに限って作用して、ドアを密閉する際働かないようにするもので、ドアを開くときドアが重たく感じないようにするものである。
従来のドアの閉止装置、例えば特許文献1〜5は、ドアを最後に密閉する力でドアを全開状態から閉止するまで回転させるものであって、本願のように、ドアを回転させる範囲を全開状態から閉止直前までに留める回転装置と、閉止直前から閉止にいたる範囲に限ってドアを回転させる密閉装置ではない。本願の密閉装置では密閉力を強くしてもドアの回転は速くならないが、従来のドアの閉止装置では密閉力を強くすればするほどドアの回転が速くなり、抵抗をかけて減速する必要になった。
特許文献1〜5に限らず従来の減速装置は密閉力に反対方向の力を負荷して密閉力を弱めるものであり、本願の密閉装置は密閉力を弱めるものではなく、閉止直前から閉止にいたる範囲において、自ら制動しながら密閉力を発生させようとするものである。
特許文献1〜5は閉止直前に減速或いは一時停止させるドアの緩衝装置に関するものであり、これらの緩衝装置には本願の密閉装置のように密閉する機能を備えていない。また特許文献4,5の緩衝装置はドアの取手に近い位置でドアの回転軸から離れた位置に取り付けられ、ドアの回転軸から離れた位置の長い円周の軌跡に対してブレーキをかける距離が短くいので、ブレーキのかかる時間は短くなり、減速は殆んど衝突に近い状態になる。特許文献4,5やその他一般の緩衝装置は強い密閉力を温存して閉止するドアを止めようとするものであり、本発明のように密閉力を失ったドアを減速しようとするものではない。
特許文献6〜8は本願出願人のドアに関する一連の発明であり未公開であるが、既に本願の回転装置と密閉装置について記載している。
特開平9−177425 特開2006−63557 特開2007−39917 特開2003−286787 特願2006−144419 特願2007−087561 特願2007−198248 特願2007−265603
ドアが閉まるに従いドアの回転速度は加速し閉止時に最高速度に達する。ドアの回転速度は加速された上に加速されるので閉止直前でドアの回転速度は急激に上昇する。閉止直前でドアの回転速度が急激に上昇しないようにさえすれば、ドアの全開から閉止直前までのドアが閉まる過程において減速しなくても問題はない。
閉止直前以後は加速されたドアに力が作用しないようにしてドアの回転速度が上昇しないようにし、出来れば閉止直前ではブレーキがかかり減速する(以下減速作業という)か、或いは一旦停止することが望ましい。本発明は、閉止直前でドアを回転させる力を取り除くもので、それにも拘わらず、閉止時に大きな力を発生させてドアを確実に密閉するようにするものである。
即ち本発明はドアが閉まり始めて閉止直前までのドアを回転させる作業(以下回転作業という)と、閉止直前以後から密閉までの作業(以下密閉作業という)とがそれぞれの作業において、互いに関与しないようにするもので、閉止直前の回転作業から密閉作業へのリレーを主な課題とするものである。
通常ドアクローザは回転作業と密閉作業を行う回転装置と減速装置からなるが、強力な減速装置を取付けることによって回転装置が強力となり、その結果減速装置が強力となり、またまた回転装置が強力となってしまう。このような事態を避けるため、本発明の装置は回転装置と減速装置を備えた密閉装置からなるもので、回転に抵抗を負荷せず、回転装置による回転力が取り除かれた状態で減速しようとするものである。
ドアが閉まるとき空気抵抗を受ける。ドアを閉める力が強い場合は空気抵抗に影響されることなくドアに回転速度はどんどん加速されるが、ドアを閉める力が小さい場合は、空気抵抗に打ち勝ってドアを静止状態から運動状態にすることが困難となり、ドアを閉める力が弱くなると、運動状態にあるドアでも減速して停止に至る。ドアの回転軸に近い位置で弱い力でドアに回転を与えようとする場合、この力を取り去ると、ドアは直ちに減速する。即ちドアを閉める力が小さい場合は空気抵抗に影響され、ドアの全開から閉止直前までのドアが閉まる過程(以下回転過程という)において減速しなくてもよい。
回転作業は空気抵抗に打ち勝ってドアを静止状態から運動状態にする必要最小限の力で行う。この必要最小限の力はドアが閉まるに従い減少し、閉止直前で最小値になる。この最小値の力は回転作業の終了時に、密閉作業を始動させる力でなければならない。密閉作業がこの最小の力で始動することが課題である。
通常のドアクローザはドアが閉止するまで密閉力が働き続け、密閉力によって発生する慣性力に抵抗を負荷するもので、密閉力を減少させるものである。本発明はドアが閉まる直前において、密閉力に逆らって抵抗させるものではなく密閉力を発生させるものである。この際、密閉力が発生する状態に至らしめるに要する力(以下、密閉始動力という)が問題となる。
本発明は空気抵抗に打ち勝ってドアを静止状態から運動状態にする必要最小限の力でドアを閉め、密閉作業を始動させる前後からドアの回転に関与しない装置(以下、回転装置という)と、密閉作業がこの最小の力で始動し密閉に十分な力を発生して密閉する装置(以下、密閉装置という)からなる。
即ち本発明のドアは、「ドアが閉まり始めて閉止直前まで回転区間においてのみドアに回転を伝える回転装置と、閉止直前以後から密閉までの回転区間においてのみドアに回転を伝える密閉装置を備え、閉止直前に上記回転装置から上記密閉装置にリレーされて回転が継続されるドア」である。
本発明の回転装置は力を要れずに軽くドアが開くことができるようにして、ドアが閉まるとき、出来るだけ加速しないようにし、回転作業の終了時に密閉作業を始動させるものである。
回転装置から密閉装置にリレーするとき、回転装置が密閉装置を始動させる仕事をするので、ドアの回転速度は減速される。しかし回転装置が密閉装置を始動させる仕事をしてドアの回転速度を減速したとしても、もし回転装置がドアに回転力を伝え続けるとしたならばドアの回転の加速が継続する。回転装置がドアに回転力を伝え続けるより、回転装置からドアへの回転の伝達が途中で途切れるほうがドアの回転速度は減速される。ドアへの回転の伝達が途中で途切れるようにするには、回転装置とドアの連結部が終了と同時に切断される必要がある。回転装置とドアとが連結されている以上、回転装置のバネに力が残っていれば、バネは緩むことがないので、回転装置のバネに力がドアに作用しドアの回転速度を加速する。
本発明の密閉装置は始動と同時にドアの回転速度を減速しながら最後にドアを密閉するものである。回転装置の回転軸と密閉装置の回転軸とが別個のものであり、それぞれが別々に回転するものである場合で、回転装置から密閉装置にリレーするとき、密閉装置が静止状態を保とうとする静慣性によって、ドアの回転速度は減速される。
密閉装置が静止状態から運動し所定の回転をするには時間の経過が必要となる。時間の経過の間にドアに回転は伝達されないが、回転装置と密閉装置を回転させる駆動部は休止することなく動き続けている。回転装置から密閉装置にリレーされた後、密閉装置は静止状態から運動し始めるが、回転速度が急激に上昇して、動慣性で維持されるドアの回転速度に達することはない。その結果、ドアの回転速度は減速されるが、このリレー時の減速は密閉装置がドアをゆっくりと回転させる装置であればあるほど大きく減速される。
ドアに回転を伝える速比が回転装置と密閉装置とで異なり、密閉装置の回転がドアの回転に回転装置よりも減速して伝える場合、回転装置から密閉装置にリレーするとき、自動車のギアチェンジによるシフトダウンと同じようにドアの回転速度は減速される。
ドアに回転を伝える駆動部の回転はドアの回転に影響され、1つの駆動部が回転作業と密閉作業を操作する装置である場合、回転装置から密閉装置にリレーした後、動慣性で変化せずに維持されるドアの回転速度は密閉装置の回転を早めて、密閉作業の短い時間内に或いはドアの少ない回転の間でドアの回転速度を減速できない。
回転装置が密閉装置を始動させた以後に回転装置はドアに回転を伝えないが、ドアの回転速度は動慣性で変化せずに維持される。このとき、密閉装置の力がドアの回転に作用するとドアの回転速度は減速されずに加速する。従って回転作業の終了と同時に密閉作業を始動してドアに回転を伝える作業が継続するより、回転装置が密閉装置を始動させる以前にドアに回転を伝えないようにして、ドアに回転を伝える作業が継続しないほうがドアの回転速度は減速される。
本発明の閉止装置は、図9〜11に示す駆動部とそれに連続し図11に示す減速部と、それに連続し図1〜3に示す回転部、或いは図4〜7に示す密閉装置を備える回転部と、それに連続し図8に示すドアとの連結部とで構成される。
本発明の密閉装置の実施例は、図1図2に示すトグルバネV3によって静止状態を保つ密閉装置と、図3に示すカム体J3の滑走面に沿ってカム車輪Baが移動する密閉装置と、図4〜7に示す減速機能を備える密閉装置などである。
実施例を図1図2に示して詳述する密閉装置は、
「トグルバネV3が片方の静止状態を保つことによって静止し、ドアが閉まる寸前に、駆動部の回転体軸Qの周りに回転自在に軸支される駆動部の回転体J1の回転が伝達されてトグルバネV3が他方の静止状態に向かって始動して回転することによって回転してドアを密閉する、ようにした密閉装置の回転体J3を備えるドア」。
実施例を図3に示して詳述する密閉装置は、
「カム体J3と、カム車輪Baを先端部に取り付けたカム車輪回転体Aとを備え、上記カム体J3の滑走面がカム車輪Baを押圧する力の作用線Yaが上記カム車輪回転体Aの回転軸Iaを通るようにして静止状態を保ち、ドアが閉まる直前に、前記駆動部の回転体J1の回転が上記カム車輪回転体Aに伝達されて、上記カム車輪Baが上記カム体J3の滑走面に沿って移動し、上記カム体J3が回転することによってドアを密閉するようにしたドア」。
実施例を図4〜7に示して詳述する減速機能を備える密閉装置の減速部分は
「ドアに設けたドア上部回転支軸Qの周りに回転自在に軸支され、減速カム車輪BBを先端部に取り付けた減速回転体J3と、ドアが閉まる直前の上記ドア上部回転支軸Qの位置を中心としドア枠に固定される滑走面K4とを備え、ドアが閉まる直前に上記減速カム車輪BBが滑走面K4に沿って移動するとによって、ドアが閉まる直前に停止状態になるドア」と
「ドアに設けたドア上部回転支軸Qの周りに回転自在に軸支される減速回転体J3と、ドアが閉まる直前の上記ドア上部回転支軸Qの位置を中心とする滑走面K4を備えドア枠に設けた滑走体回転支軸I4の周りに回転自在に軸支される滑走体J4と、ドアが閉まる直前に上記滑走面K4上を移動し上記減速回転体J3の先端部に取り付けられる減速カム車輪BBと、該減速カム車輪BBに対抗して上記滑走体J4を押圧するバネU4と、該バネU4による上記滑走体J4の一方向の回転を阻止する当りとを備え、ドアが閉まる直前に上記減速カム車輪BBが上記滑走体J4を押圧しながら、上記減速カム車輪BBの進行に抵抗するように傾斜させた上記滑走面K4に沿って移動するとによって、ドアが閉まる直前に減速するドア」。
実施例を図4〜7に示して詳述する減速機能を備える密閉装置の密閉部分は
「前記滑走面K4の末端に凹部N4を有して、前記減速カム車輪BBを包含してドアを密閉するようにしたドア」
実施例を図4〜7に示して詳述する減速機能を備える密閉装置を駆動させる駆動部は
「前記減速カム車輪BBが取り付く先端部と異なる先端部にもう1つの車輪Bを取り付けた前記減速回転体J3と、該減速回転体J3が軸支される上記ドア上部回転支軸Qと異なる位置のもう1つのドア上部回転支軸の周りに回転自在に軸支される回転車輪BBBと、ドア枠に設けた滑走体回転支軸I4と異なる位置のもう1つのドア枠回転支軸I2の周りに回転自在に軸支され、上記もう1つの車輪B或いは上記回転車輪BBBが接触しながら移動する滑走面を有するカム体J2とを備え、
ドアが閉まる直前で上記もう1つの車輪Bと上記回転車輪BBBの上記カム体J2との接触が入れ替わるドア」。
本発明の閉止装置を駆動させる部分は、図9に示す回転作業から密閉作業へリレーする駆動装置とそれに連続する図11に示す減速装置で構成される。図9に示す駆動装置において、密閉作業の最後の瞬間に密閉力がドアに作用するようにした装置は、実施例を図9図10に示し詳述するように、
「駆動部の回転体Jに設けられるリンク回転支軸Iに回転自在に軸支されるリンクS2と、駆動部の回転体Jに設けられる接触体Gs(図9に示す図10に示す円周の滑走面K2である。)に接触しながら回転することによって、バネVの支点SVを回転軸Qの位置に留めて、上記バネVの力を上記駆動部の回転体Jに作用しないようにし、離れて回転することによって、バネVの支点SVを回転軸Qの位置から遠ざけて、上記バネVの力を上記駆動部の回転体Jに作用させることを特徴とするバネの装置を有するドア」。
実施例を図11に示し詳述するように、駆動部の回転を減速してドアに伝える装置は、
「駆動部の回転軸Qの近傍に設けられる回転軸Iに回転自在に軸支され、減速アームAに施された長穴H内を移動しながら回転軸Qの周りを公転し、回転体Jの先端に取付けられる車輪Bを有する減速装置で、車輪Bが回転軸Iから離れるに従い、アームAの回転速度が遅くなり回転モーメントが大きくなることを特徴とする減速装置を有するドア。」
通常ドアクローザと呼ばれる商品はドアを閉める回転作業と最後に密閉する作業を1本のバネで処理するため、ドアを開いてバネを引き伸ばす際、バネの力はドアを密閉する強い力から始まってどんどん強くなり、何処から手を離しても勝手に閉まるようにする以上の力が蓄えられる。これがドアを開く際、ドアが重たく感じる要因の1つであり、我々はドアクローザが取り付けられたドアを重たく感じているにもかかわらず、慣れてしまって意識しないようになっていて不便さを感じてないようになっている。また一気に回転して激しい衝撃音ともに戸当たりに衝突するようになる原因でもあり、ドアに指などを挟む事故の原因でもある。通常のドアクローザはともすれば、単に勝手に閉まる機能をつけるだけで、せっかく抵抗なく回転するドアにわざわざ抵抗をつけて回りにくくしただけの結果になっている。
本発明のドアにおいては、ドアに回転を与えるバネはドアの回転軸に近い位置に取り付けられ、しかも何処から手を離しても勝手に閉まるようにバネの力を被地用最小限に微弱にして、ドアの回転軸から遠い位置のドアノブを押さえてドアの開閉する際、このバネをドアに取付けたとことも感じ取れないようにしている。
また本発明ではドアに作用する力の方向をドアの回転の接線方向から半径方向に移行させることによって、密閉時にはバネの力の最大値を、全開時には最小値を作用させるようにしている。即ちドアの回転量に対してバネの伸縮量を少なくして、ドアの開閉に力がかからないようにしている
玄関ドアのように外壁に取り付けられるドアクローザは、ドアクローザを取り付ける骨組の強度が強く強力なバネで作動するドアクローザを支持することが出来るが、室内に取り付ける場合、取付け部分がともすれば木造であるように骨組の強度が弱く、又使用頻度が高いため、取付け部分の骨組が壊れたり、取付けボルトが抜けたりする。本発明の強力なバネで作動するものではないので、ドアの回転時にドアが受ける反力が小さく、強度が弱い骨組にも取付けることができる。また本願図面に示した全ての実施例において本願の閉止装置はドアのドア枠に対面しない外面に取り付けられ、装置がドアとドア枠に挟まれる領域内に入らないので、開口部を通過する人の邪魔にならない。
図1は本発明の回転装置から密閉装置へのリレーを説明する回転伝達機構の説明図で、図1(a)は閉止状態、図1(b)は閉止直前の状態、図1(c)は全開状態を平面図で示すものである。
ドア枠に取り付けられる金具Wには、第1の回転体J1の回転軸Ij1と、第2の回転体J2の回転軸Ij2と密閉装置の回転体J3の回転軸Ij3と、第1の回転体J1を回転させるバネU1の片方の端部の取付け軸Sw1と、密閉装置の回転体J3を回転させるバネV3の片方の端部の取付け軸Sw3とが取付けられる。金具Wは図1(c)に図示し、図1(a)図1(b)には一部省略して図示する。ドアDは回転軸Oを中心に回転する
第1の回転体J1の回転と密閉装置の回転体J3の回転は第2の回転体J2を介してドアDに伝達される。ドアが閉まるとき第1の回転体J1は、第2の回転体J2を押圧して共に図面矢印→イ方向に回転する。図1に示す第1の回転体J1は押しバネU1によって回転するが、回転を与える駆動手段には図1に例示する押しバネによる手段に限らず、引きバネ、捩りバネ、その他の手段でもよい。
図1の場合第1の回転体J1の先端の回転支軸IBj1に取付けた車輪Bj1が、第2の回転体J2の側面の滑走面Kj2上を移動することによって回転が伝えられる。ドアを開くとき第2の回転体J2が第1の回転体J1を押圧して図面矢印→イ方向と反対方向に回転させる。即ち第1の回転体J1と第2の回転体J2は常に片方が他方を押圧しながら他方と接触するだけで、開く或いは閉じるの、どちらか一方の回転を伝達する。
直線Y1は回転軸Ij1とバネU1の支点Sw1を通る直線で、第1の回転体J1のバネU1の取付軸Sj1が第2の回転体の回転軸Ij2を含む範囲にあるときは、第1の回転体J1は矢印→イ方向に回転し、その回転は当りGj1aで止められる。取付軸Sj1が回転軸Ij2を含まない範囲にあるときは矢印→イ方向と反対方向に回転し、その回転は当りGj1bで止められる。第1の回転体J1によってドアDも回転し、直線Y1を境界にして第1の回転体J1が矢印→イ方向に回転するとき、ドアは閉止し密閉に至る。また矢印→イ方向と反対方向に回転するとき全開方向に回転し、全開時に静止状態を保つ。第2の回転体J2に取り付く凹部Nj2は、図1(c)に示すように静止状態にある第1の回転体J1の先端部の車輪Bj1を包含してとらえて、ドアを全開状態から閉めるとき、第1の回転体J1を牽引して閉止方向に回転を始動させる。その後、第1の回転体J1はバネU1によって回転し続ける。
第2の回転体J2は第1の回転体J1に連動して回転し、図1(a)に示すように第2の回転体J2に取り付く突起Ej2がドアDに取り付けられる連結部Ndの長穴Hの押面Haを押圧してドアDに回転を伝える。ドアが閉まる直前に当りGj1aによって第1の回転体J1の回転が停止する。第1の回転体J1の回転が停止する直前に、第2の回転体J2に取付けた凹部Fj2の押圧面Faが密閉装置の回転体J3の車輪Bj3に接触して、密閉装置の回転体J3は回転軸Ij3を中心に矢印→ロ方向に回転させる。回転体J3に取り付く引きバネV1の取付軸Sj3も回転軸Ij3を中心に円運動する。
静止状態にあった密閉装置の回転体J3が運動し始めることによって、第1の回転体J1の回転に負荷がかかり減速し、ドアDが回転速度を維持して回転し続けるので、第2の回転体J2の突起Ej2が長穴Hの押面Haからはなれて、回転装置の回転がドアに伝達されなくなる。
ここでドアが閉まる直前に第1の回転体J1が当りGj1aによっての回転が停止することなく、第2の回転体J2の突起Ej2がドアDの連結部Ndの長穴Hの押面Haを押圧してドアDに回転を伝え続けるとしたならば、第1の回転体J1を回転させるバネU1の力が微小になったとしても、バネは緩まず且つ、第1の回転体J1が第2の回転体J1と離れることがないので、また突起Ej2がドアDの連結部Ndの長穴Hの押面Haと離れることがないので、微小とはいえドアDに回転力が働き続ける。微小とはいえどもドアに力が働く以上、ドアの回転速度は加速される。本発明はドアに力が働き続けて、ドアの回転速度は加速されないように、ドアが閉まる直前に回転装置の回転が一時的にドアに伝達されなくなることを特徴としている。
ドアが回転装置から遊離したあと、ドアが暴走してドアが戸当たりに当たってしまってしまわないように、突起Ej2は長穴Hの反対側の面Hbに当ってドアの回転が止められる。長穴Hの幅は突起Ej2の幅より広く、突起Ej2は長穴Hの押面Haと当り面Hbの間を長穴Hの幅方向に自由に振幅することが出来る。
突起Ej2が長穴Hの反対側の面Hbに当ってドアの回転が止められるとき、第2の回転体J2はドアによって回転される立場になり、更に密閉装置の回転体J3もドアによって回転される立場になる。回転を与える立場が逆になる。回転装置から遊離したドアは動慣性で運度し続け、ドアに力が働かないのでドアの回転速度は加速されないが、ドアの回転速度は維持される。回転速度が維持された状態で密閉力が作用すると、ドアが閉まる直前に更に加速することになる。
そもそも密閉力は回転力よりはるかに大きくドアを大きく加速させる。ドアが閉まる直前から密閉力を働かすことは、ドアが閉まる直前にドアを大きく加速させることなので、密閉力を働かす前に減速するか、減速しながら密閉するかしなければドアが閉まるときの衝撃は避けられない。図1の発明は密閉力を働かす前に静止した密閉装置を始動させることによって減速し、減速されたドアに密閉力を働かすようにしている。
図2は、第2の回転体J2と密閉装置の回転体J3のみを図示する動作説明図で、図1から第1の回転体J1とドアDの図示を省略するものである。図1(a)(b)(c)は図2(a)(b)(c)に対応している。
図1(a)(b)図2(a)(b)に示すように、ドアが閉まる直前から密閉に至る範囲で、密閉装置の回転体J3は第2の回転体J2と合体して回転し、トグルバネV3の力により第2の回転をドアに伝えてドアを密閉する。
ドアの閉まる直前の位置から密閉する位置に至る間の回転範囲内では、第2の回転体J2の凹部Fj2は密閉装置の回転体J3に取り付く車輪Bj3を包含し、第2の回転体J2と回転体J3は互いに接触して回転を伝え合う。即ちドアが閉まるとき密閉装置の回転体J3が回転体J2を回転させ、閉まったドアを開くとき第2の回転体J2が密閉装置の回転体J3を回転させる。
図1(c)図2(c)に示すように、ドアが閉まる直前の位置から全開の位置に至る間の回転範囲内では、車輪Bj3は凹部F3から排出されて、密閉装置の回転体J3は第2の回転体J2と分離して当りGj3によって回転が止められ静止状態を保つ。図1(a)(b)に示すように、ドアが閉まるとき第2の回転体J2の回転は第2の回転体J2の突起Ej2がドア連結部Ndの長穴Hの押面Haを押してドアに伝えられ、ドアを開くときドアの押面Haが突起Ej2を押すことによって第2の回転体J2を回転させる。更に回転体J1を回転させバネU1がドアを閉止する力を蓄え、密閉装置の回転体J3を回転させバネV3がドアを密閉する力を蓄えることになる。
図1において第2の回転体J2はドアDと殆んど同じ動作をしている。駆動部である第1の回転体J1と密閉装置の回転体J3とがドアに直接連結せず、駆動部である第1の回転体J1或いは密閉装置の回転体J3とドアDとの間に第2の回転体J2を介在する理由の1つに、回転装置J1から密閉装置J2へのリレーにおいて、僅かにドアに伝える回転力が途絶えるようにするためであるが、主な理由は第1の回転体J1と第2の回転体J2と密閉装置の回転体J3のそれぞれの回転軸を1つのプレートに固定することにより、それぞれの回転軸の取り付け位置によって装置の動作や性能が異ならないようにするためである。
装置の取付けの際、閉止装置をドア枠に取り付けた後は、第2の回転体J2に取付けた突起Ej2をドアに取付けた連絡部Ndの間隙幅の大きな長穴Hに嵌めるだけでよくなり、閉止装置をドア枠に取り付ける位置によって装置の動作や性能が異ならないようになる。
図3は図1図2と同じく本発明の回転装置から密閉装置へのリレーを説明する回転伝達機構の説明図で、図3に示す回転体J1は本発明の構成要素の1つである回転装置である。図3(a)は閉止状態、図3(b)は閉止直前の状態、図3(c)は全開状態を平面図で示すものである。回転体J1は回転軸Qを中心に回転するドアDは回転軸Oを中心に回転する。
図1図2の場合、密閉始動力はトグルバネによるものであったが、図3の場合、密閉始動力はカム体滑走面上をカム車輪が移動する機構によるものである。回転装置から密閉装置へのリレーに限らず、回転体J1を駆動させる装置においても、図1図2のようにバネによる場合、バネは瞬時に縮み、無負荷の回転体J1の回転は瞬時に終わるが、図3のようにカム体滑走面K上を車輪Bが移動する機構による場合、車輪の転がり摩擦も減速に有効に働き、回転体J1が無負荷の場合でも回転に時間がかかることになる。
上述のカム体は図3において、回転軸Qを中心にバネV1の力で回転する回転体J1であり、上述のカム車輪はドアDに取り付く車輪Bdである。回転体J1に取り付く滑走面K1が車輪Bjを押圧することによって、回転体J1は図中矢印→イ方向に回転する。
ドアDが閉まるに従いドアD上部上面に取り付く枝Fの先端の車輪Bdは、回転軸Qを中心に回転する回転体J1の滑走面K1上を回転軸Qから遠ざかる方向に移動する。車輪Bdが回転軸Qから遠ざかるほど、回転体J1がドアDを回転させる力は弱くなるが、ドアDの回転速度は遅くなる。
回転体J1は車輪Bdを回転体J1の滑走面K1上を移動させてドアDを閉める方向に回転させ、図3(a)に示すようにドアDが閉まる直前に回転体J1の側面が回転軸Iaを中心に回転するアームA先端の車輪Baを押してアームAを回転させ、密閉装置を始動させる。密閉装置の回転体J3は滑走面K3を有し、滑走面K3に沿ってアームA先端の車輪Baが移動し、その後ドアDに取り付く車輪Bdが移動する。
アームAの軸心方向Yaが密閉装置の回転体J3の軸心方向Y3と直行し、当りGaによってアームAの回転軸Iaを中心とする図中矢印→イ方向と反対方向の回転が阻止された状態のとき密閉装置の回転体J3は静止している。アームAが図中矢印→イ方向に回転してアームAの軸心方向Yaと密閉装置の回転体J3の軸心方向Y3とのなす角度が直角から離れるに従い、密閉装置を始動させる。密閉装置の回転体J3は押しバネU3の力によって図中矢印→ロ方向に回転する。
回転体J1の回転が当りG1によって止められた後、回転を始めたアームAは回転体J1に頼ることなく押しバネU3の力によって図中矢印→イ方向に回転する。アームA先端の車輪Baが密閉装置の回転体J3の滑走面K3に沿って移動する間にドアDの車輪Bdは回転体J1の滑走面K1から離れて、密閉装置の回転体J3が回転し始めた後に、密閉装置の回転体J3の滑走面K3上に移動する。ドアDの車輪Bdが回転体J1の滑走面K1から離れて回転体J3の滑走面K3上に移動するまでの間は、ドアDの車輪Bdには、回転体J1からも回転体J3からも力は伝達されない。このとき閉止装置全体は運転し続けるが、ドアDは閉止装置から力を受けることなく減速するか停止する。
閉ったドアを開くとき、ドアDの車輪Bdが密閉装置の回転体J3を図中矢印→ロ方向と反対方向に回転させ、アームAは押しバネUaの力によって図中矢印→イ方向と反対方向に回転し当りGaに当って、アームAの軸心方向Yaが密閉装置の回転体J3の軸心方向Y3と直行する状態で静止する。図3(c)に示すように、ドアDの車輪Bdが密閉装置の回転体J3から離れた後も密閉装置の回転体J3は図中矢印→ロ方向と反対方向の回転が阻止される。ドアDを開くとき、車輪Bは滑走面K1上に移動し回転体Jに図中矢印→イ方向と反対方向の回転を与え、回転体Jを回転させる駆動部のバネを伸縮させ、駆動部のバネにドアを閉める力を蓄える。また全開したドアDを閉めるとき、車輪Bは長穴H内の引面Hb上に移動し回転体Jに図中矢印→イ方向の回転を与える。
車輪Bが回転軸Qから遠ざかるに従い、回転体Jが車輪Bに働く回転力は弱まるが、車輪Bの長穴H内の移動距離は長くなりドアDの回転速度は減速される。回転体Jが車輪Bに働く回転力が弱まることはドアを開く力が大きくなることでもあるが、ドアを回転させるだけであれば,バネの力は微小でありドアを開くとき重たく感じられるほどのものではない。むしろ弱い力で回転するドアは止まったドアを動かすときに力が要り、動き出したドアに力が要らないので、ドアを開くに従い力がかかる状態のほうが好ましい。
図3は図2と構造はほぼ同じで、ドアが閉まるに従いドア上部上面に取り付く車輪Bが、回転軸Qを中心に回転する回転体Jの長穴H内を回転軸Qから近づく方向に移動するようにしたものである。図3の場合は図2の場合と異なり、車輪Bが回転軸Qに近づくに従い回転体Jが車輪Bに働く回転力は強まるが、車輪Bの長穴H内の移動距離は短くなりドアDの回転速度は加速される。またドアを開くに従い力が要らなくなり、バネの力は大きくてもドアを開くとき重たく感じられない。
図2の場合においても図3の場合においても、バネの力は開くに従い大きくなり、閉まるに従い小さくなるが、バネの力の作用線とバネによって回転する回転体の回転中心との距離によって、回転体に働く回転モーメントが変化する。また回転体に同じ回転モーメントが働く場合、働く力の作用線とバネによって回転する回転体の回転中心との距離が小さいほど大きな力が必要となる。ドアを開くときに必要な力は、図2の場合においては開けば開くほど大きくなり、図3の場合においては開けば開くほど小さくなる。またドアが閉まるときに必要な力は、図2の場合において閉まれば閉まる程ほど小さくなり、図3の場合においては閉まれば閉まる程ほど大きくなる。図2において車輪Bの円運動で回転体Jを回転させる場合、図3の場合と同様にバネの力が弱まった最後の段階で、小さな力を大きく作用させる効果が得られる。
ドアの重量が大きくなればドアに取り付く慣性力も大きくなるので、ドアの重さに関係なく、ドアが閉まり始めるとき大きく力が作用し、閉まりだしたドアには小さく力が作用するのが好ましい。従ってドアの回転に摩擦が小さく作用しドアに慣性力のつきやすくドアの回転速度が加速されるドアについては図2の構造が適している。しかしバネの力は閉まるに従い小さくなるので、ドアの回転に摩擦が大きく作用しドアに慣性力のつかないドアについては図3の構造が適している。本願の回転装置はドアを回転させた後にドアを密閉する必要はなく回転装置に密閉装置を始動させる力が残っていればよいのでドアの回転速度が加速されない図2の構造を採用する。
図2、図3に示すドアの閉止装置は、ドアを挟んでドアの室内外に渡って取付けられるものではなく、ドアが回転する室内外のどちらかに限って取り付くもので、ドア内を通過する人の頭上にあって、ドア枠内の空間を狭めるものではない。また回転体Jの回転軸Qの位置がドアDの回転軸Oの位置より取って側に位置し、ドア枠内に納まっている。また装置が動作して装置の一部が例えば回転する滑走面Kが、ドアの回転範囲外(図中に示すハの範囲)に出ることはない。従ってドア枠を廊下の幅いっぱいに取付ける場合でも図2、図3に示すドアの閉止装置は取付けることができる。
図4、図5、図6はドアが閉まる直前から閉止するまでの間に限って作動し、減速しながら密閉する閉止装置に関するもので、特許文献4,5のように減速するだけで密閉する機能を持たないものではない。図4において回転作業から密閉作業へのリレーについて、図5において密閉動作について、図6において閉まったドアを開くときの動作について説明する。
図4(a)はドアが全開した位置から閉止した位置にある範囲内でのドアDと、ドアDに取り付くカム車輪BBBと回転体J3と、並びにドア枠に取り付く回転軸I2に軸支されるカム体J2との関係を図示している。ドアDが略30度開いた状態を実線でその他の状態を点線で示す。円RoとRiとRjはそれぞれカム車輪BBBの回転軸とカム体J2の先端と回転体J3の回転軸の軌跡を示す。符合に付記される添字の数値はドアDの開いた角度を示している。
図4(a)においてドアが全開状態から閉まるに従い、ドアDとカム体J2とが交差する角度Θは次第に狭まり、ドアが全開時の位置に近いときは、カム体J2はドアDに取り付くカム車輪BBBと接触し回転体J3の片端に取り付く車輪Bとは離れている。この状態はドアDが閉まるときカム体J2が図示しないバネの力で回転し、カム車輪BBBを押してドアDを回転させ、ドアDを開くときカム車輪BBBがカム体J2を回転させ図示しないバネに力を蓄える。
ドアが閉まるに従い、車輪Bとカム体J2は接近してドアが閉まる直前で車輪Bとカム車輪BBBが同時にカム体J2に接触し、その後ドアが閉止するまでの範囲では車輪Bだけが接触する。即ち実線で示されるドアD30が閉まる直前の状態を境界にして、カム体の回転力が車輪BからBBBへ、或いはBBBからBへリレーされる。
図4(b)は密閉動作を説明する部分詳細図で、実線で示す回転体J3+10は密閉直前の状態を示し、破線で示す回転体J3+0は密閉時の状態を示す。実線で示す回転体J3+10は回転軸Qを中心に回転する前の状態を示し、破線で示す回転体J3+0は回転した後の状態を示す。密閉動作の詳細については図5に後述する。図4(b)は回転軸I2の位置が閉まったドアD0より離れた位置である場合で、破線で示すように回転体J3が回転した後の状態においても、車輪BBBは接触しない。回転軸I2の位置が閉まったドアD0により近づくと、一旦カム体J2から離れていた車輪BBBは、ドアが閉止するまでに再びカム体J2に接触する。回転軸I2の位置が閉まったドアD0に近づいた位置である場合については図7に後述する。
図4〜6の場合図1図3の場合と異なり、図4(b)に示すようにドアが閉まる直前から密閉するまでの間に、ドアが閉まる方向と反対方向の力を作用させることによって減速している。図5は密閉装置の動作説明図で、ドアDは回転軸Oを中心に回転し、ドアDに取り付く密閉装置の回転軸Qの周りを回転体J3が回転自在に軸支される。回転体J2の回転軸I2と、回転体J4の回転軸I4はドア枠に取り付くプレートWに取り付けられる。プレートWは図5(a)においてのみ図示する。回転体J3の片方の端部には車輪Bが取り付き、他方の端部に車輪BBが取り付く。車輪Bは回転体J2の滑走面K2と常に接触し、車輪BBはドアが閉まる直前から閉止するまでの間だけ回転体J3の滑走面K4と接触する。
図5(a)は車輪BBが滑走面K4と離れた状態、図5(b)は車輪BBが滑走面K4と接触した瞬間の状態、図5(c)は車輪BBが滑走面K4を押圧して後退させた状態を示す。
直線Fは回転体J2の滑走面K2が車輪Bを押圧する力の作用線で、
カム体と車輪Bとの接点を通るカム体接触面に立てた垂線であり、円の接線に立てた垂線は円の中心を通るので、カム体J2が車輪Bを押す力の作用線Fは、車輪Bの回転軸Ibと車輪Bと滑走面K2との接点Pを通る。
図5(a)において作用線Fは回転体J3の回転中心Qよりドアの回転軸Oと反対側を通るので、回転体J3を図中矢印→ヘ方向に回転させる力を与えながらドアが閉まる方向、即ち図中矢印→イ方向に回転させる。当りGj3は回転体J3のヘ方向の回転を阻止し、回転体J3は自転せずにドアの回転軸Oを中心に公転する。
ドアが回転軸Oを中心に回転すると共にカム体J2は回転し、作用線Fの方向が変化する。図5(b)に示すように車輪BBが滑走面K4と接触するとき、作用線Fは回転体J3の回転中心Qよりドアの回転軸O側を通るようになり、回転体J3を当りGj3から離して図中矢印→ホ方向に回転させる。車輪BBが滑走面K4上を移動するとき、回転体J2の滑走面K2が車輪Bを押圧する力は、車輪BBが滑走面K4を押圧する力となって作用するので、車輪BBと滑走面K4の間に摩擦が生じて車輪BBが滑走面K上を一瞬にして通過することはない。
しかし回転体J2の滑走面K2が車輪Bを押圧する力は、作用線Fが回転体J3の回転中心Qから離れるに従い、回転体J3を回転させるだけの力となって、車輪BBが滑走面K4を押圧する力とはならずに、車輪BBと滑走面K4の間に摩擦が生じることなく、車輪BBが滑走面K上を一瞬にして通過する。また回転体J3の車輪BBが滑走面に接触するまでドアの回転速度が減速されずに加速され、回転体J3の車輪BBが滑走面に接触するときドアの回転速度は最高値に達しており、車輪BBが滑走面に衝突してドアの回転速度が突如としてゼロとなり、ドアの慣性力がなくなり、車輪BBが滑走面K4を押える力が負荷されない状態になると、車輪BBが滑走面K上を一瞬にして通過する。
図5(b)において円Rzoは車輪BBが滑走面K4に接触したときの回転軸Qzoの位置を中心とする円で、車輪BBの回転軸Qから最も遠い位置の軌跡である。滑走面K4の凹面は円Rzoと一致する円弧で、車輪BBが滑走面K4に沿って移動するときは、回転軸Qは回転軸Oを中心に公転しない。従ってこのときドアは一旦停止している。
図4〜6に図示する閉止装置においても、図1図3の場合と同様に回転作業から密閉作業にリレーされ、装置は運転し続けるがドアは一旦停止している。この際、車輪BBが滑走面K上を一瞬にして通過すると、「ドアが減速されずに戸当たりにあったって衝撃が起きる現象」が単にドアが閉まる寸前に起きたことに変わらないので、車輪BBが滑走面K上を時間をかけて通過するようにしなければならない。
図5(c)はドアが慣性力によって高速回転して閉まるときの状態図で、車輪BBが回転体J4の滑走面K4を押圧するので、回転体に仕込まれたバネU4を縮めて回転体J4は回転軸I4を中心に図中矢印→ト方向に回転し、滑走面に勾配がついて車輪BBは滑走面K4上を図中矢印→ヌ方向に移動しようとし、回転体J3を図中矢印→ヘ方向ニ回転させる。同時に滑走面K2が車輪Bを押圧して回転体J3を図中矢印→ホ方向に回転させ、互いに干渉しあう。滑走面K2の押圧力より慣性力が強いとき、回転体J3は図中矢印→ヘ方向に回転し、滑走面K2の押圧力が慣性力より強いとき回転体は図中矢印→ホ方向に回転する。
円弧R10は回転軸Q10を中心とする車輪BB先端の通過する軌跡を示し、図5(c)に示される回転体J4の回転後の滑走面K4の円弧より戸当たりに近いので、車輪BBが図中矢印→ル方向に移動すると、ドアDは図中矢印→ロ方向に回転し、開く方向に回転する。ドアDが閉まる方向から開く方向に回転するとき、ドアの回転速度はゼロとなるが、ドアDが開く方向に回転しないようにする手段を図8に後述する。
バネで動くドアが閉まるに従い加速されて、ドアが閉まるときの衝撃を和らげるために、一般的には粘性抵抗や摩擦抵抗を負荷するが、この場合バネの力が抵抗に打ち勝って運動し続ける力が必要となる。図4〜図6に図示した減速装置は慣性力が消失すると抵抗もなくなり、装置は抵抗がなくなった後で再起動するので、抵抗に打ち勝って回転させるバネの力は要らない。従って減速するに必要なバネの力の追加は不要となる。
図4〜6の閉止装置は図1図3の閉止装置と異なり、回転装置と密閉装置が別々の回転軸を有し、回転装置から密閉装置へのリレーの際、ドアを回転させる力の伝達が一時的に途切れたり、静止した密閉装置を起動させることによってドアの回転速度が減速されるものではない。図4〜6の場合図1図3の場合と異なり、回転装置と密閉装置が回転軸を共有し、回転装置から密閉装置へのリレーの際、ドアを回転させる力の伝達が途切れることがなく作用し続けるため、たとえ回転装置に働くバネの力が弱くなっていたとしても、バネの力に、その位置で止まったドアを運動させる力がある以上、ドアの回転速度は減速されることなく加速される。また回転体J3の車輪BBが滑走面に接触して移動しなければ、静止した回転体J3を自転させることによって、ドアの回転は影響されない。回転装置から密閉装置へリレーすると同時に、回転体J3の車輪BBが滑走面に接触するようにして、回転装置から密閉装置へのリレーの際、ドアの回転速度を減速させることが望ましい。
図6(a)は密閉直前の状態図で、回転体J3が図中矢印→イ方向に回転するとき、車輪BBは滑走面K4の末端の凹部N4に至って更に回転し続けると、ドア枠に取り付くプレートWに取付けられる回転体J4を、ドアDに取り付くプレートFに引き寄せてドアを密閉することになる。車輪Bと回転軸Qとの距離が長いほど、引き寄せる力即ち密閉力は強くなる。また車輪も大きく移動する。
閉まったドアは、図示されないカム体J2に働くバネの力で戸当たりに押さえつけられているが、閉まったドアを開くときドアを戸当たりから引き離すには、ドアを押さえつけている力と同じ力を反対方向に働かす必要がある。車輪Bと回転軸Qとの距離を大きくすればする程大きな力が必要で、また車輪Bはドアを僅かに開くだけで凹部N4に包含された車輪BBを中心に大きく円運動し、カム体J2を大きく回転させる。ドアが閉まった状態から僅かに開くだけでカム体J2が大きく回転することは、図示されないカム体J2に作用するバネを大きく伸縮させることであり、ドアを開く瞬間に重たく感じられるようになる。
図6(b)〜(d)は図6(a)と密閉機構が異なるもので、図6(b)に示すように、車輪BBがプレートWに直接固定される滑走面NN4を押圧するとき、ドアは密閉される。ラッチ装置を具備するドアは一度密閉されると再び開くことはなく、図6(a)の場合のように密閉力が働き続ける必要はない。従って滑走面NN4は滑走面KK4の途中に設けられる。図6(c)に示すように、ドアが閉まった状態でも回転体J3は回転し続けることが可能で、車輪BBは滑走面NN4から離れてドアに密閉力は働かないようになる。
図6(d)は図6(a)と同じくドアを僅かに開いた状態図で、図6(a)では車輪Bがカム体J2に作用し、図6(d)ではカム輪BBBがカム体J2に作用している。図6(b)〜(d)の構造は図6(a)のように車輪BBの移動が拘束されていないので、車輪Bにカム体を回転させる力はない。回転軸Qの周りに仕込まれた捩りバネZの力で、車輪Bはカム体J2と接触を保ち、回転体J3は図中矢印→ロ方向に回転し、当りGj3に当って回転が止まる。
ドアのラッチ装置はドアが閉まる最後の一瞬に作動する。図6(a)に示した凹部N4の車輪BBの移動を阻止する部分は少なくてよく、図6(a)に示した凹部N4を図6(a)に点線で示したように勾配の緩い滑走面N5を延長したものにすると、閉まったドアを開くとき図6(a)に示した凹部N4に車輪BBが包含されたまま回転体J3が回転する場合よりも、ドアを僅かに開いた場合でも回転体J3が大きく回転することはなく、回転体J2も大きく回転することはない。この場合も図6(b)〜(d)と同様にドアを開く瞬間に重たく感じられない。
通常のドアクローザは1つの駆動部が回転作業と密閉作業を処理する装置であり、最初から最後まで強力な密閉力で回転し、強力な密閉力による動慣性に、油の粘性抵抗や摩擦抵抗などで、ドアの回転方向と反対方向の力を作用させることによって減速するものであるが、図1~図3に説明した本発明はドアの回転方向と同方向の力を作用させながら減速するものである。従ってドアの回転に抵抗が加えられない分だけ、ドアに働くバネの力は小さくて済み、ドアを開くときの力は少なくなる。図1の発明は密閉力を働かす前に静止した密閉装置を始動させることによって減速し、減速されたドアに密閉力を働かすようにしている。図1の場合、密閉始動力はトグルバネによるものである。図1〜3場合、リレーするときドアに回転を与え、図4〜6の密閉するときも減速作業が行われている。
図4~図6においては密閉作業の過程においてドアの回転方向と反対方向の力がドアに働き、ドアの回転速度は減速されるが、この反対方向の力は慣性力によって生まれる抗力であり、動慣性がなくなれば抗力もなくなり、ドアの回転が止まったままになることはなく必ず再開する。これに対して、通常のドアクローザの油の粘性抵抗や摩擦抵抗などは動慣性がなくなっても、働き続けるものである。
本発明の開園作業に携わるバネの強さは、止まったドアを、動き出すようにするために必要十分な力を有支、このように弱い力のバネで動くドアは、ドアが閉まる寸前にドアに取り付く慣性力はそれほど大きくなく、バネの力が弱まった段階で、ドアに回転力を伝えないとか僅かに抵抗を与えるだけで減速し、一旦ドアが止まってしまう。本発明のようにドアに働く慣性力を抵抗として作用させる手段を採用する場合は、ドアが閉まる寸前に僅かに抵抗を与えるだけでドアは慣性力に関係のない無負荷の状態となり、ドアを閉止するまでの残りの僅かな回転のために大きな密閉力が突如として作用して、静から動への衝撃が発生する。
本発明においては閉止直前の減速より、閉止直前からの加速に問題があり、残りの僅かな回転に大きな密閉力を衝撃的に作用させずに、大きなバネの力に抵抗をかけて徐々に負荷させながら、密閉時にその抵抗を取り除くようにする。密閉力は閉止作業の最後に最大の力を発揮するもので、最後に至る以前の過程の大きな抵抗をかけたとしても、最後にこの抵抗を取り除くようにすれば密閉力が損なわれることはない。図7図8はドアが閉まる寸前から閉止するまでの全過程に亘って減速するものである。
図7は回転軸I2の位置が閉まったドアD0に近づいた位置である場合について説明するものである。
回転軸I2の位置が閉まったドアD0に近づいた位置である場合は、車輪BBBはドアが閉止するまでに再びカム体J2に接触するので、閉まったドアを開くとき、図6(d)に示した場合と同じくドアを僅かに開いた状態で、カム輪BBBがカム体J2に作用して回転させ、回転体J3の回転はカム体J2に作用しない。
図7(a)においてR20は、ドアが略20度開いたときの回転体J3の回転軸Q20の位置を中心とし、車輪BBの回転軸Q20から最も遠い位置と回転軸Qとの距離を半径とする円で、回転軸I4を中心に回転する回転体J4の滑走面K4はこれに一致する。
車輪BBが滑走面K4を押圧する力の作用線F4は、車輪BBが滑走面K4との接点を通り、滑走面K4に立てた垂線である。
力の作用線F4は図7(a)に示すように、車輪BBが滑走面K4に接触した瞬間には回転体J3の回転軸Qを通るので回転体J3は回転しない。よって車輪BBが滑走面K4に接触する以前はカム体J2の回転によって車輪BBBが押圧されドアが回転するが、回転体J3が回転軸Q20を中心に図中矢印→ホ方向に回転出来ない状態では、ドアDは回転出来ない。
回転体J4は回転軸I4を中心に回転可能で、押しバネU4によって当りG4に押さえつけられている。従って図7(b)に示すように。ドアDは回転体J4を図中矢印→ト方向に回転させながら、暫らくの間は回転し続けることが出来る。回転体J4が図中矢印→ト方向に回転すると車輪BBは進行方向に対して勾配の滑走面K4を移動することになる。
ドアDが暫らく回転したあと、回転体J3がカム体に接触するようになる。回転体J3がカム体に接触するときカム体J2が車輪Bを押圧する力の作用線F3は、回転体J3の回転軸QよりドアDの回転軸O側にあって、たとえ車輪BBが滑走面K4の上り勾配を登板するとしても、回転体J3を図中矢印→ホ方向に回転させる。
回転体J3が図中矢印→ホ方向に回転すると、回転体J4の滑走面K4が車輪BBを押圧する力の作用線は、回転軸Qの回転軸Oと反対側を通るようになるので、ドアDの回転によって回転体J3は回転できるようになる。回転軸I2の位置が閉まったドアD0に近づいた位置である場合は、車輪Bがカム体J2から離れてもカム体J2と車輪BBBが再び接触するので、ドアDが回転し、ドアDの回転軸によって回転体J3は図中矢印→ホ方向に回転する。車輪BBは滑走面K4上を図中矢印→チ方向に移動し、図7(c)に示すように滑走面K4の末端の凹部N4に包含されドアを密閉する。回転軸I2はドアにではなく、滑走面K4の末端の凹部N4と同じくドア枠に取り付けられているので、ドアを密閉することが出来る。
図7(a)(b)においてドアの慣性力で回転体J4は回転するが、回転体J3の回転に抵抗するのは押しバネU4ではなく、滑走面K4の勾配である。従って押しバネU4の力は強い必要がなく、図7(c)に示すように車輪BBが滑走面末端に至ったとき、回転体J4が元の無負荷の状態に復帰する力があればよい。滑走面K4が回転しない場合、回転体J3の回転によってドアDが開く方向に回転することもあるが、滑走面K4が回転する場合ドアが閉まる方向に回転しながら回転体J3が回転することが可能であり、車輪Bが滑走面末端にいたって回転体J4が図中矢印→チ方向に回転して元の状態に戻るようにするならば、ドアは開く方向に回転せずに押しバネU4が元に戻ることになる。
図7(c)に示す密閉されたドアを開くとき、開き始めて暫らくの間は車輪BBBがカム体J2と接触しているので、カム体J2は車輪BBBによって回転されることになり、回転体J3はカム体J2の回転に関与しない。
図4〜図7に示した装置は、ドアの回転軸およびドアに取り付けるその他の回転体の回転軸と、ドア枠に取り付けられるカム体その他の回転体の回転軸の位置関係が少しでも設計と異なれば、装置は機能しなくなる。従って図4〜図7の装置はドアに取り付く部分とドア枠に取り付く部分に分離することが出来ない。装置全体をひとつにして、これをドア枠に取り付け、これとドアを連結するようにしなければならない。
図8に示す回転体DJは図4〜図7に示したドアDに相当し、図1図2に示した回転体J2に匹敵する。回転体DJの回転軸OJはドア枠に取り付けられる。ドアDは回転軸Oに軸支される。図8に示す取付け例において、ドアDに設ける接続軸Oと回転体DJに設ける接続軸PとはひとつのリンクAで連結される。図8(a)においては、ドアが閉止したときから全開するまでの間の構造の変化を説明する。閉止時のドアD0と回転体DJ0とリンクA0を実線で表し、ドアの回転角が30度と45度と60度90度であるときのそれぞれにおけるドアDと回転体DJとリンクAの軸芯線を点線で示す。図8(b)において、ドアが閉まる直前での減速効果に関連する動作を説明する。
図8(a)に示すようにドアDと回転体DJとを結ぶリンクAは全開時にドアとほぼ直角で、閉止に近づくに従いドアと平行な方向に移行する。ドアが閉まる直前ではドアDと回転体DJのそれぞれはあまり連動せず自由に動くことが出来、閉止時の回転体DJとドアDとの力の伝達しあう手段はリンクAに頼らず、ドアD或いは回転体DJに取り付けられる当りGdの接触によるものとなる。ドアが閉まる直前で回転体DJの回転が、図5或いは図7で説明したように装置が動作して減速されると、ドアDに動慣性が働いてドアDは回転体DJから離れようとする。ドアDは回転体DJを牽引しても、回転体DJから回転力を受け取らないようになる。回転体DJが牽引されると、回転体DJ に加わる抵抗が増加するので回転体DJは減速し、回転体DJとドアDは互いに引き寄せあう力が働くようになる。その後ドアDの慣性力が弱まって、回転体DJの回転が再開すると押し合うようになる。図8(b)に示すように、リンクAがドアDと平行に近い状態では、回転体DJの回転がドアDに伝わりにくいリンク装置で、回転体DJとドアDのそれぞれは僅かに回転する範囲内では互いに回転を伝達し合うことは少なく、回転体DJがドアDを引き寄せてもドアDが開く方向に回転することはない。
図9図10は図1~図8に係る本発明の装置を駆動させるバネの機構の説明図で、図9は回転作業に携わるバネV1から密閉作業に携わるバネV2へのリレーについての動作説明図で、図10は密閉作業の最後の瞬間にドアに作用するようにしたバネの動作説明図である。
図9においてプレートWに設けられる回転軸Qを中心に回転体Jは図中矢印→イ方向に回転しドアを閉める。
回転体Jに設けられる回転支軸SJ1、SJ2のそれぞれに、アームS1,S2が回転自在に軸支され、アームS1,S2の先端の接続軸SU1,SU2のそれぞれに、引きバネV1,V2の片方の端部が接続される。引きバネV1,V2の他方の端部は、それぞれプレートWに取り付く回転軸Iに軸支される回転アームAの先端の接続軸SAと、プレートWに設けられる接続軸SWに接続される。
図9(a)はドアの全開時、図9(b)は閉まる直前、図9(c)は密閉時の状態を示す。アームS1は図9(a)に示すように、その側面を回転軸Qに接続しながら回転軸Qの周りを回転し、アームS1の端部Svは回転軸Qの周りを円運動する。その後アームS1は回転軸Qと離れて、図9(b)に示すようにドアが閉まる直前でバネVは自然長に戻り、バネの力はゼロになる。図9(a)〜(b)へ移行する過程においてバネの長さは減少してその力を弱めるが、バネの力の作用線F1と回転軸Qとの距離L1は増加し、バネV1が回転体Jに与える回転モーメントは出来る限り一定に保たれる。
バネV1は長さに対してコイル径の大きなコイルバネで、自然長に戻る位置は一定しており、バネV1の力がゼロになったとき、図9(c)に示すように回転アームAは回転軸Iを中心に図中矢印→ロ方向に回転する。
アームS2は図9(a)、(b)に示すように全開時から閉止直前までを当りG2に接触させて端部Sv2を回転軸Qの位置に留める。このことにより全開時から閉止直前までバネV2の長さに変化はなく、バネV2の力が回転体Jの回転に関与しないことになる。図9(c)に示すように、閉止直前からアームS2は当りGsから離れて、バネV2の力の作用線F2と回転軸Qとの距離L2を増加させながら、回転軸Qの周りの回転モーメントを増加させ、強い力でドアを密閉する。
図10に図示されるアームS、回転軸IバネVとその支点SV、SWは、それぞれ図9に図示されるアームS2、回転軸SJ2バネV2とその支点SV2,SWに同じ動作をするもので、アームSには車輪Bが取り付き、図10においては図9に示した当りGSに代わって、回転軸Qを中心とする円周の滑走面K2が端部Svを回転軸Qの位置に留める役目を果たす。
図10(a)、(b)に示すように、車輪Bが円周の滑走面K2に沿って移動することによって、バネVの支点SVを回転軸Qの位置に留める。また図10(b)に示すように、車輪Bが滑走面K2から離れても滑走面K1の凹面に沿って移動し、図10(c)の密閉作業の終点付近で車輪Bが滑走面K1からも離れて、バネの支点SVを回転軸Qから大きく引き離す。図10(b)に示すように、バネの支点SVが回転軸Qから離れる以前は、アームSの軸芯線とバネの軸芯線は折れ曲がり、図10(c)に示すように、離れた瞬間に一直線になる。このようにアームSとバネが突如として一直線になるとき、バネVの力の作用線Fと回転軸との距離Sが瞬時に最大値を示すので、回転軸の周りの回転モーメントもドアの閉止終了時に瞬間的に発生する。即ちラッチが作動するドアの僅かな回転にだけバネVの力が作用することになる。
車輪Bが滑走面K1K2上を移動するとき、転がり摩擦で回転体Jの回転速度は減速されるが、最後に密閉力を作用させるとき、バネVはこれらの摩擦抵抗から解放されて、密閉時に持てる力の全てを発揮することになる。図10(c)の図中矢印→ロ方向は閉まったドアを開くときの車輪Bの移動方向を示し、ドアが閉まるとき車輪Bは滑走面K1の内側凸面上を移動するが、ドアを開くとき車輪Bは滑走面K1の外側凸面上を移動する。
図11は図10に説明した駆動部の回転体Jに減速装置が連続するもので、回転体Jは回転軸Qを中心に図中矢印→イ方向に回転しドアを閉める。回転体Jの先端に取付けられる車輪Bは、回転軸Iを中心に回転するアームAに施された長穴H内を移動しながら、回転軸Qの周りを公転する。図中H1〜H6のそれぞれは、アームAの回転の最初から最後までの間における各途中の状態を示すもので、長穴がH4の位置にあるときの回転体Jと車輪BとアームAとを実線で示し、その他を点線で示す。長穴Hが回転軸Iの周りに図中矢印→イ方向に回転して、長穴HがH1の位置からH6の位置に至る過程において、車輪Bの長穴H内の位置は回転軸Iに近い位置から遠い位置に移り、その結果車輪Bの回転軸Iを中心とする回転半径が大きくなり、車輪Bが回転軸Iに近い位置にあるときはアームAの回転速度は早く、且つ回転軸Iの周りの回転モーメントは小さい。また車輪Bが回転軸Iから離れるに従い、アームAの回転速度は遅くなり回転モーメントは大きくなる。
トグルバネによる密閉装置を備えるドア 図1の部分詳細図 カム体滑走面をカム車輪が移動するようにした密閉装置を備えるドアネ 回転装置から密閉装置へのリレーの動作説明図 減速機能を有する密閉装置の動作説明図 閉まったドアを開くときの動作説明図 図5と異なる減速機能を有する密閉装置の動作説明図 閉止装置とドアの連結部の動作説明図 閉止装置を駆動するバネの動作説明図 密閉する瞬間に駆動するバネの動作説明図 減速装置の動作説明図合
符号の説明
A 連結部リンク
B 車輪
C ドアの接続軸
D ドア
E 軸
G 当たり
H 長穴
I 回転軸
J 回転体
K 滑走面
M 渦巻き車輪
N 軸受け
O ドアの回転軸
P 回転体の接続軸
Q 回転体の回転軸
R 円弧
S バネ端部の接続軸
T 垂線
U 押しバネ
V 引きバネ
W ドア枠

Claims (1)

  1. ドアDに設けた回転軸Qの周りに回転自在に軸支され、先端部に車輪BBを装着する回転体J3と、ドア枠に設けた回転軸I4の周りに回転自在に軸支される回転体J4と、上記回転体J4に設ける滑走面K4と、上記車輪BBが上記滑走面K4を押圧する方向と反対方向に上記回転体J4を付勢するバネU4を備え、上記車輪BBが、上記滑走面K4を押圧しながら滑走面K4に沿って移動するとき、上記滑走面K4の傾斜が上記車輪BBの進行方向に対して変化することを特徴とする減速装置。
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