JP5365100B2 - 短絡回路を含むワイヤハーネス及びその製造方法 - Google Patents

短絡回路を含むワイヤハーネス及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、自動車等の車両に設けられ、複数の電線を含むとともにその特定の電線同士を短絡させる短絡回路を含むワイヤハーネス、及びこのワイヤハーネスを製造するための方法に関するものである。
従来、前記のような短絡回路を含むワイヤハーネスとして、例えば特許文献1に記載されるものが知られている。このワイヤハーネスは、複数の電線が束ねられてなる幹線と、その幹線から分岐した分岐電線の端末に装着されるジョイントコネクタとを備える。このジョイントコネクタは、前記各分岐電線の端末に接続されることにより、これら分岐電線の端末同士を短絡する。
特開2003−297451号公報
前記のようなワイヤハーネスでは、その細線化及び軽量化が重要な課題である。当該細線化及び軽量化の手段として、従来から多用されている銅系電線(導体が銅または銅合金により形成されている電線)に代え、銅を構成する素線の一部を銅または銅合金よりも強度の高いステンレス鋼により構成することにより細線化が可能とされる複合電線や、導体が銅または銅合金よりも比重の小さいアルミニウムまたはアルミニウム合金により形成されたアルミニウム系電線を用いることが考えられる。
しかし、前記複合電線や前記アルミニウム系電線といった非銅系電線は、その使用にあたり厳しい制約があるため、特に車両用のワイヤハーネスにはほとんど適用されていないのが現状である。具体的に、前記複合電線は銅系電線よりも抵抗が大きいために要求電圧の高い部位には用いることが難しく、また、アルミニウム系電線はその導体を構成するアルミニウムまたはアルミニウム合金がさび易く、またその強度が低いため、雨水等に晒される箇所や強制的に屈曲させられる箇所への配線が非常に困難であるという事情がある。
本発明は、このような制約の著しい非銅系電線を利用して細線化または軽量化を図ることが可能なワイヤハーネスを提供し、また、当該ワイヤハーネスを簡素な工程によって製造することができる方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、複数の短絡回路を含むワイヤハーネスであって、前記短絡回路をそれぞれ構成する複数の回路構成部材と、これらの回路構成部材が互いに束ねられた状態で当該回路構成部材同士を固定するための結束用テープとを備え、前記回路構成部材のうちの少なくとも一つは、複数の電線と、これらの電線の一方の端末に接続される複数の外部接続用コネクタと、これらの電線の他方の端末にそれぞれ装着される電線側端子と、これらの電線側端子にそれぞれ嵌合可能な短絡用導体を含んで当該短絡用導体と前記各電線側端子との嵌合により前記各電線の他方の端末同士を短絡させるジョイントコネクタとを含み、かつ、前記電線として当該電線を構成する導体が銅または銅合金からなる銅系電線とそれ以外の材質の導体を有して単位長さあたりの重量、直径のうちの少なくとも一方が前記銅系電線よりも小さい非銅系電線とが混在する複合回路部材であり、これらの電線の導体に前記各電線側端子が電気的に接続されかつこれらの電線側端子が共通の前記ジョイントコネクタの短絡用導体に嵌合されることによって前記電線同士が互いに短絡されるものである。
このワイヤハーネスでは、少なくとも一つの回路構成部材について、これに含まれる電線に銅系電線とこれよりも小径または軽量の非銅系電線とを混在させることにより、非銅系電線の受ける制約を回避しながらこれを使用してワイヤハーネスの細線化または軽量化を達成することができる。
具体的に、前記非銅系電線として、その導体が銅または銅合金により形成された素線とステンレス鋼により形成された素線とを含む小径の複合電線を用いる場合には、例えば、この複合電線を要求電圧の低い部位(すなわち当該複合電線に低抵抗が求められない部位)にのみ配線し、それ以外の要求電圧が高い部位には低抵抗の銅系電線を配線することにより、電圧上の制約を回避しながら複合電線の使用を可能にして当該使用によるワイヤハーネスの細線化を図ることができる。
また、前記非銅系電線として、その導体がアルミニウムまたはアルミニウム合金により形成された軽量(単位長さあたりの重量が小さい)アルミニウム系電線を用いる場合には、例えば、このアルミニウム系電線を比較的雨水等を受けにくい部位や屈曲の必要が少ない部位にのみ配線し、それ以外の部位に銅系電線を配線することにより、防錆上や強度上の制約を回避しながらアルミニウム系電線の使用を可能にして当該使用によるワイヤハーネスの軽量化を図ることができる。
しかも、前記回路構成部材に含まれる電線の材質が互いに異なっていても、その端末にそれぞれ電線側端子を装着してこれらの電線側端子を共通のジョイントコネクタの短絡用導体に嵌合することにより、当該電線同士を不都合なく短絡することができる。
前記ジョイントコネクタとしては、単一の金属板からなり、前記各分岐電線の端末に設けられた電線側端子と嵌合する複数の嵌合部を含み、その嵌合状態で当該電線同士を短絡させる短絡用金属板と、この短絡用金属板の厚み方向に偏平な外形を有し、当該短絡用金属板を保持する絶縁ハウジングとを有するものが、好適である。このジョイントコネクタを当該短絡用金属板が前記ワイヤハーネスの幹線の径方向に対して略直交する姿勢で前記幹線上に固定すれば、当該幹線からの当該ジョイントコネクタの突出寸法をさらに小さく抑えることができ、ワイヤハーネス全体のさらなる細線化を進めることができる。
また本発明は、複数の短絡回路をそれぞれ構成する複数の回路構成部材を含み、各回路構成部材が複数の電線とこれらの電線の一方の端末に接続される複数の外部接続用コネクタとを含んで各電線の他方の端末同士が短絡されるワイヤハーネスを製造するための方法であって、前記各回路構成部材に含まれる電線同士を束ねることにより幹線を形成する幹線形成工程と、前記幹線形成工程の前または後に前記各電線の一方の端末に前記外部接続用コネクタを接続する外部接続用コネクタ接続工程と、前記幹線形成工程の前または後に、共通の回路構成部材に含まれる電線の他方の端末同士をジョイントコネクタを用いて短絡させる短絡工程と、前記各工程の終了後に、前記幹線を構成する電線の周囲に結束用テープを巻付けてその結束状態を保持するとともに、前記ジョイントコネクタの設置位置においては当該ジョイントコネクタと前記幹線とに跨ってその周囲に前記結束用テープを一括して巻付けることにより当該ジョイントコネクタを当該幹線上に固定する工程とを含み、前記幹線形成工程では、少なくとも一つの回路構成部材について、当該回路構成部材に含まれる電線としてその導体が銅または銅合金からなる銅系電線とそれ以外の材質の導体を有して単位長さあたりの重量、直径のうちの少なくとも一方が前記銅系電線よりも小さい非銅系電線とが併用され、前記短絡工程は、前記銅系電線及び前記非銅系電線の他方の端末にそれぞれ電線側端子を装着してこれらの電線の導体に電気的に接続することと、前記ジョイントコネクタに含まれる共通の短絡用導体に前記各電線側端子を嵌合することにより前記各電線の他方の端末同士を短絡させることとを含むものである。
この方法では、各回路構成部材のうちの少なくとも一つについて、銅系電線と非銅系電線とが併用されるので、当該非銅系電線の使用によりワイヤハーネスの細線化または軽量化を図ることができる。しかも、これら銅系電線と非銅系電線は、その導体の材質の相違にかかわらず、当該電線の端末に装着される電線側端子と、これらの電線側端子が嵌合可能な短絡用導体を含むジョイントコネクタとによって、不都合なく相互に短絡される。そして、当該回路構成部材同士が束ねられた状態で結束用テープが巻かれるとともに、各ジョイントコネクタの配設位置においてはワイヤハーネスの幹線への結束用テープの巻付けと当該幹線へのジョイントコネクタの固定とが一括して効率良く行われる。
以上のように、本発明によれば、少なくとも一つの回路構成部材に銅系電線と非銅系電線とを混在させることにより、ワイヤハーネス全体の細線化及び軽量化を果たすことができるとともに、前記銅系電線及び前記非銅系電線が混在する電線同士を、これらに装着される電線側端子とジョイントコネクタとの組合せによって不都合なく短絡することができる。また、当該ワイヤハーネスは簡素な工程で効率よく製造することが可能である。
本発明の好ましい実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るワイヤハーネス100の配線図である。この実施の形態に係るワイヤハーネス100は、3つの短絡回路を含んでおり、各短絡回路をそれぞれ形成するための3つの回路構成部材50A,50B,50Cを備え、これらが後述の図4に示される結束用テープ18により相互に一体化されている。
ただし、本発明に係るワイヤハーネスに含まれる短絡回路の数は3つに限定されない。また、短絡回路以外の回路を構成する部材を含んでいてもよい。
前記回路構成部材50Aは、いわゆるサブハーネスに相当するものであり、複数本(図例では3本)の電線52A,53A,54Aと、これらの電線52A,53A,54Aの一方の端末にそれぞれ接続される複数の外部接続用コネクタ56A,57A,58Aと、前記各電線52A,53A,54Aの他方の端末同士を短絡させるように当該他方の端末と接続されるジョイントコネクタJCAとを含む。同様に、前記回路構成部材50Bは、複数本(図例では3本)の電線52B,53B,54Bと、これらの電線52B,53B,54Bの一方の端末にそれぞれ接続される複数の外部接続用コネクタ56B,57B,58Bと、前記各電線52B,53B,54Bの他方の端末同士を短絡させるように当該他方の端末と接続されるジョイントコネクタJCBとを含み、前記回路構成部材50Cは、複数本(図例では3本)の電線52C,53C,54Cと、これらの電線52C,53C,54Cの一方の端末にそれぞれ接続される複数の外部接続用コネクタ56C,57C,58Cと、前記各電線52C,53C,54Cの他方の端末同士を短絡させるように当該他方の端末と接続されるジョイントコネクタJCCとを含む。
前記各外部接続用コネクタは、車両に搭載される各種機器類その他の電気負荷(例えばECUやスイッチ)に接続され、当該接続により当該機器類等が前記短絡回路によって相互短絡される状態にする。前記各ジョイントコネクタJCA,JCB,JCCの具体的な構造の例は後に詳述する。
前記各電線は、基本的に、低抵抗で防錆性の高い銅系電線(その導体が銅または銅合金からなる電線)により構成される。しかし、このワイヤハーネス100の特徴として、前記回路構成部材50A,50B,50Cの少なくとも一つが、これを構成する電線として前記銅系電線とそれ以外の非銅系電線とを含む複合回路部材とされている。具体的には、前記回路構成部材50A,50B,50Cのうちのいずれか一つが複合回路部材であってもよいし、全ての回路構成部材50A,50B,50Cが複合回路部材であってもよい。例えば回路構成部材50Aが複合回路部材である場合、その電線52A,53A,54Aのうちの一部に非銅系電線が用いられ、残りに銅系電線が用いられる。
前記非銅系電線としては、ワイヤハーネス100の細線化または軽量化の観点から、その導体が銅または銅合金により形成された素線とステンレス鋼により形成された素線とを含む複合電線や、その導体がアルミニウムまたはアルミニウム合金により形成されたアルミニウム系電線が好適である。前記の複合電線は、高強度のステンレス鋼製素線を含む分、細線化が可能であり、前記銅系電線よりも直径の小さい電線とすることが可能である。また、前記アルミニウム系電線は、その導体の比重が小さいので前記銅系電線よりもその単位長さ当りの重量が小さい電線とすることが可能であり、その使用がワイヤハーネス全体の軽量化に寄与し得る。
しかし、その反面、これらの非銅系電線には使用上の著しい制約がある。例えば、前記複合電線は、銅系電線よりも抵抗が高いため、要求電圧の高い部位には使用できないという制約がある。また、前記アルミニウム系電線の導体を構成するアルミニウムまたはアルミニウム合金は、銅または銅合金よりも錆び易く、また強度が低いことから、雨水等を受け易い部位や、著しい屈曲を余儀なくされる部位への適用が困難であるという制約がある。
しかしながら、これらの非銅系電線についての制約は、少なくとも一つの回路構成部材について当該非銅系電線と前記銅系電線とが併用されることにより、克服される。具体的に、前記非銅系電線として前記複合電線が用いられる場合には、要求電圧の高い部位に銅系電線が用いられれば良く、前記非銅系電線として前記アルミニウム系電線が用いられる場合には、雨水等を受け易い部位や著しい屈曲が余儀なくされる部位に銅系電線が用いられればよい。
このようにして各回路構成部材を構成する電線が互いに束ねられてワイヤハーネス100の幹線を構成し、この幹線を形成する電線の周囲に前記結束用テープが巻付けられることにより、ワイヤハーネス100全体が一体化される。このワイヤハーネス100では、少なくとも一つの回路構成部材に含まれる非銅系電線の使用がワイヤハーネス100全体の細線化及び軽量化に著しく寄与し得る。
この効果は、例えば図2に示す配線形態でも同様である。この配線例では、各回路構成部材50A〜50Cにおける電線同士の短絡が共通のジョイントコネクタJCTにて行われている。しかし、この場合、当該ジョイントコネクタJCTの配設位置は著しく制限されるので、当該ジョイントコネクタJCTから各外部接続用コネクタ56A,57A,…57C,58Cに至るまでの電線52A,52B,…53C,54Cの必要長さが大きくなる。従って、ワイヤハーネス全体の細線化または軽量化の観点からは図1に示されるような配線形態がより好ましい。
ここで、前記各電線への外部接続用コネクタ及びジョイントコネクタの接続は、前記幹線の形成の前に行われてもよいが、例えば図3および図4に示す短絡接続方法のように前記幹線の形成の後に前記ジョイントコネクタの接続が行われることにより、効率のよいワイヤハーネス100の製造が達成される。
具体的に、前記短絡接続方法は次の各手順を含む。なお、以下の説明及び図3〜図8においては、便宜上、前記各回路構成部材50A,50B,50Cに含まれる全ての電線に共通の参照符を便宜上全て「電線10」と総称し、同様に各ジョイントコネクタJCA,JCB,JCCを「ジョイントコネクタJC」と総称する。また、図1に示される例では各回路構成部材50A〜50Cに含まれる電線の本数は3本であるが、図3〜図8に示す方法例は4本の電線10が互いに短絡されることを前提として示されている。
1)電線10の配索
複数本の電線10が束ねられることにより幹線12が形成されるとともに、その電線10のうちの複数本(この実施の形態では4本)の電線が分岐電線14として前記幹線10から引き出される。各電線10には、いわゆる被覆電線が用いられ、当該電線10は導体とこれを被覆する絶縁被覆とをそれぞれ有する。
なお、この実施の形態では、前記各分岐電線14を共通のジョイントコネクタJCに接続するために、予め各分岐電線14の端末に図3及び図4に示すような電線側端子20が装着されている。この電線側端子20は、雌型の電気接触部22と電線圧着部24とを前後に有する。前記電気接触部22は、中空角筒状の本体と、この本体内で撓み可能に設けられる接触ばね片26とを有する。この電気接触部22の底壁からは、前記ジョイントコネクタJCに係止されるための被係止片28が外向きに突出している。
前記各分岐電線14の端末には、予め、その絶縁被覆を除去して導体を露出させる処理が施されており、前記電線圧着部24は、前記導体の端末及びその近傍の絶縁被覆をそれぞれ抱き込むように曲げ加工されることにより、前記分岐電線14の端末に圧着され、その導体に電気的に接続されている。
これら電線側端子20とジョイントコネクタJCとの組合せは、前記分岐電線14に銅系電線と非銅系電線とが含まれる場合(すなわち互いに導体の材質が異なる複数種の電線が混在している場合)にも、これらの電線同士を不都合なく短絡することを可能にする。例えば、一般的な短絡手段として複数の電線の導体の端末同士を溶接により一体化する方法では、当該導体の材質が互いに異なる場合に適用することが困難であるが、ここに示すような電線側端子20及びジョイントコネクタJCによる短絡は、電線を構成する導体の材質にかかわらず行うことが可能である。
2)ジョイントコネクタJCへの接続
前記各分岐電線14に装着された電線側端子20が図5〜図8に示されるようなジョイントコネクタJCに接続されることにより、当該電線側端子20同士の短絡が行われる。
図5〜図8に示されるジョイントコネクタJCは、単一の短絡用導体30と、この短絡用導体30を保持するための絶縁ハウジング40とを備える。前記短絡用導体30は、導電材料からなり、前記各電線側端子20に共通して接続されることによりこれらの電線側端子20同士を短絡する。前記絶縁ハウジング40は、合成樹脂等の絶縁材料により全体が一体に成型され、前記短絡用導体30を格納した状態で保持することが可能な形状、具体的には当該短絡用導体30の厚み方向に偏平な形状を有する。
この実施の形態に係る短絡用導体30は、単一の金属板を適当な形状に打ち抜くことにより形成された短絡用金属板からなり、複数の電気接触部32と、短絡部34とを一体に有する。各電気接触部32は、前記各電線側端子20の雌型の電気接触部22に嵌入可能な雄型(タブ)の嵌合部であり、これらの電気接触部32がその幅方向と平行な方向に配列されている。前記短絡部34は、前記電気接触部32の配列方向に延び、この短絡部34に前記各電気接触部32の基端がつながっている。
前記絶縁ハウジング40は、互いに平行な平板状の天壁41及び底壁42と、両壁41,42の幅方向両端部同士(すなわち左側端部同士及び右側端部同士)をそれぞれつなぐ一対の側壁44とを一体に有する。これらの壁41,42,44は絶縁ハウジング40の外壁を構成する。
前記外壁の後端部(図5〜図8では右端部)は、導体保持部43を構成する。この導体保持部43内に前記開口部43aから前記短絡用導体30の短絡部34が圧入されることにより、当該短絡部34が当該導体保持部43に保持される。
前記導体保持部43は、前記短絡用導体30の短絡部34を保持する形状を有する。具体的には、前記短絡部34よりも一回り大きく、前記短絡用導体30の電気接触部32の配列方向に延びる外形を有し、前記短絡部34が後方(図8では左方)から挿入可能な短絡用金属板挿入口43aを囲む。この挿入口43aから前記短絡部34が前記各電気接触部32を前方に向けた姿勢で導体保持部43内に圧入される。より詳しくは、当該短絡部34の幅方向両端部に図8に示すような突起34aが形成されており、これらの突起34aが前記導体保持部43の内側面に食い込むことで前記導体保持部43に前記短絡部34が固定されている。
前記導体保持部43よりも前側の部分には、両側壁44と平行な複数(図では3つ)の仕切り壁45がコネクタ幅方向に配列される。各仕切り壁45は、これに隣接する他の仕切り壁45または側壁44との間に端子収容室47を画定する。各端子収容室47は、前方に開口し、かつ、その開口から前記電線側端子20が挿入可能な形状を有する。各端子収容室47内にはそれぞれ後方から前記短絡用導体30の各電気接触部32が突出しており、当該端子収容室47に挿入された電線側端子20の電気接触部22がこれに対応する電気接触部32と嵌合することにより、当該電線側端子20と短絡用導体30とが電気的に導通し、これらが電気的に短絡される。
前記底壁42には、前記各端子収容室47に対応する位置にランス(端子係止部)46が形成されている。各ランス46は、前記底壁42に形成された略コ字状のスリット42a(図5)により囲まれていて、当該底壁42の本体に対してその厚み方向に撓み変形することが可能な自由端部を有し、その自由端部に爪状の係止部46aが形成されている。この係止部46aは、挿入される電線側端子20と接触することにより図5に示すように撓み変形して当該電線側端子20の通過を許容し、その通過後に正規の位置に弾性的に復帰することにより前記電線側端子20の被係止部28を後方から拘束する。つまり、電線側端子20をこの電線側端子20が前記電気接触部32と嵌合する位置に係止する。
従って、このジョイントコネクタJCでは、その端子収容室47内に前記各分岐電線14の端末の電線側端子20が挿入されて短絡用導体30の電気接触部32に嵌合されることにより、当該短絡用導体30を媒体とした電線側端子20同士の短絡が達成される。
3)ジョイントコネクタJCの設置
前記のようにして各分岐電線14が接続されたジョイントコネクタJCは、分岐電線14を畳むようにして幹線12上に設置される。具体的に、この方法例では、各分岐電線14の中間部分16が幹線12に沿う方向に膨出するようにして畳まれながら、前記ジョイントコネクタJCが前記分岐電線14の分岐始点15(図1)の近傍の位置に設置される。この設置は、例えば次のテープ巻き作業の直前に行われて作業者が指等で前記ジョイントコネクタJCを押えておくだけで行われてもよいし、粘着テープ等によるジョイントコネクタJCの仮止めが行われてもよい。
このようにして畳まれた分岐電線14の弛み部分の長さは、本来の分岐電線14の電線長に比して短く(この実施の形態では約半分)、従って当該弛み部分に後述の結束用テープ18を巻付ける作業は容易である。しかし、本発明は必ずしも前記分岐電線14が折り畳まれるものに限定されず、例えば当該分岐電線14が幹線12に沿った状態でジョイントコネクタJCの設置が行われてもよい。
4)テープ巻き作業
前記幹線12を構成する電線10の周囲に、その結束状態を保持するように結束用テープ18が螺旋状に巻付けられる。この巻付けは、図2に示すように幹線12の全面を覆うように行われてもよいし、幹線12の一部が露出する隙間をおいて行われてもよい。
さらに、前記ジョイントコネクタJCが設置される部位では、図2に示すように、このジョイントコネクタJC及びこれにつながる分岐電線14と前記幹線12とに跨るようにしてこれらの周囲に一括して前記結束用テープ18が巻付けられる。これにより、当該結束用テープ18を利用したジョイントコネクタJCの固定が効率よく行われる。このようにして固定されたジョイントコネクタJCおよび分岐電線14は、前記結束用テープ18によって外側から覆われた状態にあり、これらと他の部材との直接的な接触が阻止されるので、ワイヤハーネス100の取扱いは容易となる。
なお、本発明において前記ジョイントコネクタJCの具体的な形状や構造は限定されない。しかし、ジョイントコネクタJCの外形が図示のような偏平な形状(単一の金属板からなる短絡用導体30の板厚方向に偏平な形状)であれば、当該短絡用導体30が幹線12の径方向と略直交する姿勢でジョイントコネクタJCが幹線12上に固定されることにより、当該幹線12からのジョイントコネクタJCの突出寸法が有効に抑えられる。この突出量の削減は、ワイヤハーネス100全体のさらなる細線化に寄与し得る。
本発明の実施の形態に係るワイヤハーネスの配線形態を示す模式図である。 本発明の実施の形態に係るワイヤハーネスの他の配線形態を示す模式図である。 本発明の実施の形態に係るワイヤハーネスの短絡接続例を示す斜視図であって、複数の分岐電線の端末に共通のジョイントコネクタが接続された状態を示す図である。 本発明の実施の形態に係るワイヤハーネスの短絡接続例を示す斜視図であって、前記ジョイントコネクタが結束用テープを用いて幹線上に固定された状態を示す図である。 前記分岐電線の端末に装着された電線側端子が前記ジョイントコネクタに挿入される途中の状態を示す断面側面図である。 前記分岐電線の端末に装着された電線側端子が前記ジョイントコネクタに完全に挿入された状態を示す断面側面図である。 前記ジョイントコネクタの底面図である。 前記ジョイントコネクタの断面平面図である。
符号の説明
10 電線
12 ワイヤハーネスの幹線
14 分岐電線
18 結束用テープ
20 電線側端子
30 短絡用導体
32 電気接触部(嵌合部)
34 短絡部
40 絶縁ハウジング
50A,50B,50C 回路構成部材
52A,53A,54A 回路構成部材50Aに含まれる電線
52B,53B,54B 回路構成部材50Bに含まれる電線
52C,53C,54C 回路構成部材50Cに含まれる電線
56A,57A,58A 回路構成部材50Aに含まれる外部接続用コネクタ
56B,57B,58B 回路構成部材50Bに含まれる外部接続用コネクタ
56C,57C,58C 回路構成部材50Cに含まれる外部接続用コネクタ
100 ワイヤハーネス
JC,JCA,JCB,JCC ジョイントコネクタ

Claims (4)

  1. 複数の短絡回路を含むワイヤハーネスであって、
    前記短絡回路をそれぞれ構成する複数の回路構成部材と、これらの回路構成部材が互いに束ねられた状態で当該回路構成部材同士を固定するための結束用テープとを備え、
    前記回路構成部材のうちの少なくとも一つは、複数の電線と、これらの電線の一方の端末に接続される複数の外部接続用コネクタと、これらの電線の他方の端末にそれぞれ装着される電線側端子と、これらの電線側端子にそれぞれ嵌合可能な短絡用導体を含んで当該短絡用導体と前記各電線側端子との嵌合により前記各電線の他方の端末同士を短絡させるジョイントコネクタとを含み、かつ、前記電線として当該電線を構成する導体が銅または銅合金からなる銅系電線とそれ以外の材質の導体を有して単位長さあたりの重量、直径のうちの少なくとも一方が前記銅系電線よりも小さい非銅系電線とが混在する複合回路部材であり、これらの電線の導体に前記各電線側端子が電気的に接続されかつこれらの電線側端子が共通の前記ジョイントコネクタの短絡用導体に嵌合されることによって前記電線同士が互いに短絡されることを特徴とする短絡回路を含むワイヤハーネス。
  2. 請求項1記載の短絡回路を含むワイヤハーネスにおいて、
    前記非銅系電線には、その導体が銅または銅合金により形成された素線とステンレス鋼により形成された素線とを含んで前記銅系電線よりも小さい直径を有する複合電線と、その導体がアルミニウムまたはアルミニウム合金により形成されて前記銅系電線よりも単位長さあたりの重量が小さいアルミニウム系電線のうちの少なくとも一方が含まれることを特徴とする短絡回路を含むワイヤハーネス。
  3. 請求項1または2に記載の短絡回路を含むワイヤハーネスであって、
    前記複合回路部材に含まれるジョイントコネクタの短絡用導体は、単一の金属板からなり、前記各電線の端末に設けられた電線側端子とそれぞれ嵌合する複数の嵌合部を含み、その嵌合状態で当該電線同士を短絡させる短絡用金属板と、この短絡用金属板の厚み方向に偏平な外形を有し、当該短絡用金属板を保持する絶縁ハウジングとを有し、前記短絡用金属板が前記ワイヤハーネスの幹線の径方向に対して略直交する姿勢で前記幹線上に固定されることを特徴とする短絡回路を含むワイヤハーネス。
  4. 複数の短絡回路をそれぞれ構成する複数の回路構成部材を含み、各回路構成部材が複数の電線とこれらの電線の一方の端末に接続される複数の外部接続用コネクタとを含んで各電線の他方の端末同士が短絡されるワイヤハーネスを製造するための方法であって、
    前記各回路構成部材に含まれる電線同士を束ねることにより幹線を形成する幹線形成工程と、
    前記幹線形成工程の前または後に前記各電線の一方の端末に前記外部接続用コネクタを接続する外部接続用コネクタ接続工程と、
    前記幹線形成工程の前または後に、共通の回路構成部材に含まれる電線の他方の端末同士をジョイントコネクタを用いて短絡させる短絡工程と、
    前記各工程の終了後に、前記幹線を構成する電線の周囲に結束用テープを巻付けてその結束状態を保持するとともに、前記ジョイントコネクタの設置位置においては当該ジョイントコネクタと前記幹線とに跨ってその周囲に前記結束用テープを一括して巻付けることにより当該ジョイントコネクタを当該幹線上に固定する工程とを含み、
    前記幹線形成工程では、少なくとも一つの回路構成部材について、当該回路構成部材に含まれる電線としてその導体が銅または銅合金からなる銅系電線とそれ以外の材質の導体を有して単位長さあたりの重量、直径のうちの少なくとも一方が前記銅系電線よりも小さい非銅系電線とが併用され、
    前記短絡工程は、前記銅系電線及び前記非銅系電線の他方の端末にそれぞれ電線側端子を装着してこれらの電線の導体に電気的に接続することと、前記ジョイントコネクタに含まれる共通の短絡用導体に前記各電線側端子を嵌合することにより前記各電線の他方の端末同士を短絡させることとを含むことを特徴とする短絡回路を含むワイヤハーネスの製造方法。
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