JP5363678B2 - 電磁波放射素子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、いわゆるテラヘルツ波の放射素子およびその製造方法に関するものである。
テラヘルツ波は、一般的に0.1THz〜10THzまでの周波数の電磁波であり、物性、電子分光、生命科学、化学、薬品科学の基礎分野から大気環境計測、セキュリティ、材料検査、食品検査、通信などの応用分野への展開が期待されている。
テラヘルツ波発生素子として、これまで数100GHz帯では後進波管(Backward wave oscillator:BWO)、フォトミキシシング、1THz以上で自由電子レーザ、p-Geレーザ、量子カスケードレーザ(Quantum Cascade Laser:QCL)などが開発されているが、小型化、高出力化に課題があった。
一方、最近ではフェムト秒レーザを光源とした光スイッチあるいは光整流により広帯域のテラヘルツ波を発生し、時間領域分光(TDS:Time Domain Spectroscopy)などに応用されている。
これに対して、LiNbOなどの非線形光学結晶を用いたテラヘルツ波発生は、擬似位相整合(Quasi Phase Matching:QPM)を利用した方法とフォノンポラリトンを利用した方法があり、時間的、空間的コヒーレントの高い発生源として応用が期待されている。
さらに、上記のフェムト秒光パルスを用いた光電流による広帯域テラヘルツ発生も可能であり、適用範囲が広い発生方式となっている。
特許文献1(特開平9-146131)には、y板、あるいはz板LiNbO3基板を使用したテラヘルツ波発振素子が記載されている。すなわち、光源からポンプ波を基板に照射すると共に、別の光源からアイドラー波を基板に照射する。ポンプ波(周波数ω1)とアイドラー波(周波数ω2)、およびポラリトン(テラヘルツ波:周波数ωT)の間にエネルギー保存則(ω1=ω2+ωT)および運動量保存則(ノンコリニア位相整合条件:k1=k2+kth)が成立し、ポラリトン誘導散乱が観測される。この場合、分散特性のために、ポンプ波の光軸からの角度α、θに応じて、アイドラー波およびテラヘルツ波の周波数が定まる。
本法では、典型的には、ポンプ波3の波動ベクトルk1とアイドラー波動ベクトルk2との角度αが0.5°〜1°のときに位相整合条件が満足され、高効率なテラヘルツ波7(波長100μm〜300μm:周波数3THz〜1THz)が発生する。また、テラヘルツ波は、アイドラー波に対して65°〜66°で発生するとしている。y板を用いる場合には、結晶方位が異なる関係でポンプ波とアイドラー波は基板の垂直平面上で角度αで伝搬し、ポンプ波に対してθとなる角度でテラヘルツ波が発生する。
しかし、(1)結晶のサブミリ波(テラヘルツ波)に対する屈折率値は5.2と大きく、空気との間に全反射が生じるので、y板、z板LiNbO3基板のいずれの場合も、そのままでは空気中に取り出すことができない。(2)結晶中は光損失が大きく、テラヘルツ波の伝搬距離が3mmとすると、0.1%程度に減衰する。これに対して、特許文献1(特開平9-146131)では、基板の側面にグレーティングを設けて、高効率に空気中に出射させることを試みている。
特許文献2(特開2002-72269)では、単一周波数の励起光源(レーザ)を照射し、かつ単一周波数のアイドラー波で光注入することによって、スペクトル線幅の狭線化が可能でかつ高出力のテラヘルツ波発生方法が開示されている。しかし、テラヘルツ波の取り出しにはシリコンプリズムを使用している。
また、本出願人は、特許文献3(特願2009-185768)において、厚さ20μm以下の基板においてテラヘルツ波がカットオフとなることから、高効率に空気中に放射することを開示した。
フェムト秒光パルスによる光整流では、フェムト秒光パルス自体が持つ広いスペクトルの中の二つの周波数成分の差周波発生によりテラヘルツ波が発生する。このとき、入射光のスペクトルの中から様々な差周波が同時に発生するので、結果として、テラヘルツ波のスペクトルはフェムト秒光パルスのパルス時間幅の逆数程度の周波数幅を持った広帯域のものになる。
フェムト秒光パルスを利用したテラヘルツ波発生は、基本的には上記のようにパラメトリック的な過程と同じであるが、非特許文献4(「パルス面傾斜法による高強度テラヘルツパルス発生」レーザー研究 37(5), 345-349 (2009))記載のように、最近、光パルス面を傾斜させることにより高強度でかつ平面波的なテラヘルツ波発生が可能になり、イメージング用途での応用が期待されている。
以上述べてきたように、従来の素子では、テラヘルツ波がパラメトリック発振しても、その大部分は結晶内部で吸収されてしまう。しかも、結晶の屈折率が空気の屈折率に比べて著しく高いため、結晶表面にプリズムやグレーティングを取り付けないと、テラヘルツ波を外部へと取り出すことができない。従って、素子から発振させ得るテラヘルツ波の強度が低くて実用に適さない上、プリズムやクレーティングを結晶表面に取り付ける工程が必要である。また、厳密にはプリズムやグレーティングによる伝搬損失や反射損失が発生してしまう。
一方、可視光や赤外光においては、光学部品の表面に光の波長よりも小さな間隔を置いて規則的な3次元構造を微細加工することにより、光学部品の表面に反射防止機能を与える試みがなされている(特許文献4、5、6、7:非特許文献1、2、3)。
特開平9-146131 特開2002-72269 特願2009-185768 特開2002−287370 号公報) 特表2004−521329号公報 特開2003−177210号公報 特開2010−20120号公報
「OPTICS L ETTERS,」 Vol. 24, No.20, October 15,p1422(Optical Society of America) 「KONICA MINOLTATECHNOLOGYREPORT」 Vol. 2(2005) 97〜100頁「ナノインプリント技術を利用したサブ波長構造広帯域波長板の製作」 「Synthesiology」 Vol. 1, No. 1 (2008) 24〜30頁「高機能光学素子の低コスト製造へのチャレンジ―ガラスインプリント法によるサブ波長周期構造の実現」 「パルス面傾斜法による高強度テラヘルツパルス発生」レーザー研究 37(5), 345-349 (2009).
本発明者は、前記文献記載のようなサブ波長格子構造に着目し、これをテラヘルツ波の反射防止に利用することを検討した。このような検討はこれまでなされていない。しかし、実際に検討し、試作を行ってみると、種々の問題点があり、適用困難であることが判明してきた。
すなわち、例えば特許文献7の記載によると、素子表面の凹凸の深さdは下式のように表される。
d=λ/(4√n×n0)
(λは光の波長、nは素子を構成する結晶の屈折率、n0は空気の屈折率=1)
したがって、例えば光の周波数を1THzとし、λ=300μm、nをニオブ酸リチウム単結晶の屈折率5.2とすると、32.8μmの深さが必要になる。前記文献では、こうした3次元格子は、ナノインプリントや半導体製造プロセスによる反応性イオンエッチング、ウェットエッチング(LN系の場合フッ硝酸)で形成されている。しかし、ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウム単結晶は、難加工材料であるので、30μm以上の深さの微細な凹凸を形成することは困難である。
本発明の課題は、サブ波長格子構造を利用することで、テラヘルツ波をニオブ酸リチウム単結晶等の高屈折率の結晶から外部へと高効率で放射可能な素子を提供することである。
本発明は、0.1THz〜30THzの範囲内にある目的周波数の電磁波を結晶の外部へと放射する電磁波放射素子であって、
非線形光学結晶からなる本体と、この本体の表面に形成されたサブ波長格子構造とを備えており、サブ波長格子構造が、本体の表面に規則的に配列された柱状体からなり、各柱状体が、一定幅を有する定幅部と、表面から定幅部へと向かって設けられている基部とを備えており、柱状体の配列方向に切った横断面で見たときに、基部の表面が、前記基部外に曲率中心を有する弧状をなしていることを特徴とする。
また、本発明は、0.1THz〜30THzの範囲内にある目的周波数の電磁波を結晶の外部へと放射する電磁波放射素子であって、
非線形光学結晶からなる本体と、この本体の表面に形成されたサブ波長格子構造とを備えており、サブ波長格子構造が、本体の表面に規則的に配列された柱状体からなり、各柱状体が、外周刃を利用した切削加工により形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、0.1THz〜30THzの範囲内にある目的周波数の電磁波を結晶の外部へと放射する電磁波放射素子を製造する方法であって、
非線形光学結晶からなる本体の表面を、外周刃を利用して切削加工することによって、前記本体の前記表面に,規則的に配列された柱状体からなるサブ波長格子構造を形成することを特徴とする。
本発明の素子によれば、サブ波長格子構造を利用することで、テラヘルツ波をニオブ酸リチウム単結晶等の高屈折率の結晶から外部へと高効率で放射可能な素子を提供できる。とくに、各柱状体が、先端側の一定幅を有する定幅部と、表面から定幅部へと向かって設けられている基部とを備えており、基部の側面が、基部外に曲率中心を有する弧状をなしているような形態であると、他の形態を有する柱状体によってサブ波長格子構造を形成した場合に比べて、高いピーク透過率を得ることができる。
また,本発明者は、結晶本体の表面を、外周刃を利用した切削加工に供することによって、テラヘルツ波の反射を抑制するのに十分な深さと形状のサブ波長格子構造を本体表面に形成可能なことを見いだし、本発明に到達した。
図1は、比較例の素子11を模式的に示す斜視図である。 図2は、本発明例の素子1を模式的に示す斜視図である。 図3は、図2の素子1の部分拡大図である。 図4は、図2の素子の柱状部を示す拡大図である。 図5は、榾の形態の柱状部を示す拡大図である。 図6は、本発明実施例の素子の形態を示す拡大図である。 図7は、他の比較例に係る素子の柱状部の形態を示す拡大図である。 図8は、更に他の比較例に係る素子の柱状部の形態を示す拡大図である。
サブ波長格子構造とは、所定の光に対して回折限界以下の微細な周期構造(SWG:
sub-wavelength grating)である。光がこの構造に入射した場合、構造の詳細を認識できず、屈折率についてもその平均値を持った媒質が存在するものとして振舞う性質がある。特に、「moth-eye」構造と呼ばれる反射防止効果を持つ構造が知られている。
例えば、比較形態に係る図1の素子11では、非線形光学結晶からなる本体17の表面にサブ波長格子構造15が形成されている。このサブ波長格子構造15は、縦横に規則的に形成された多数の柱状体16からなる。隣接する柱状体の間には隙間が形成されており、隙間下では本体17の表面が平坦面として露出している。各柱状体は四角柱形状を有している。
しかし、本発明者の検討では、非線形光学結晶にこうした柱状体を深く形成することは困難であり、このためテラヘルツ波の反射を抑制するサブ波長格子構造を量産することが困難である。また、こうした形態の柱状体では、目的周波数の光の透過率をある程度以上向上させることが難しいことが判明してきた。
図2、図3、図4は、本発明の一実施形態に係る素子を示すものである。
本例では、支持基板2上に接着層3を介して、非線形光学結晶からなる本体7の底面7bが接着されている。本体7の上面が電磁波放射面7aとして働く。本体7の放射面7a側にはサブ波長格子構造5が形成されており、結晶内部から外への電磁波の放射を促進し、結晶表面における電磁波の反射を抑制している。サブ波長格子構造5は、縦横に規則的に配列された柱状体6からなる。柱状体6は、互いに交差する(好ましくは直交する)2方向X、Yに向かって配列されている。
図4に示すように、各柱状体6は、先端側の定幅部6dと、本体表面8から定幅部6dへと向かって延びる基部6gとからなる。定幅部6dの上端には平坦面6aが形成されている。定幅部6dは全体として四角柱形状をなしており、また定幅部6dの幅Wrは略一定である。定幅部6dの壁面6bは平面である。
定幅部6f下に基部6gが形成されている。柱状体をその配列方向X、Yに切ってみた横断面で見たときに、基部6gの壁面6eは、曲率中心Oを中心とする弧状をなしている。曲率中心Oは、柱状体6外にある。本例では、更に、隣接する基部6間に平坦面8が形成されている。
図5の例では、各柱状体6は、先端側の定幅部6dと、本体表面8から定幅部6dへと向かって延びる基部6gとからなる。定幅部6dの上端には平坦面6aが形成されている。定幅部6dは全体として四角柱形状をなしており、また定幅部6dの幅Wrは略一定である。定幅部6dの壁面6bは平面である。
定幅部6f下に基部6gが形成されており、基部6gの壁面6eは、曲率中心Oを中心とする弧状をなっている。曲率中心Oは、柱状体6外にある。本例では、隣接する基部6間に平坦面がなく、隣接する柱状体の基部6の壁面6eが連続している。
本発明の素子は、0.1THz〜30THz範囲内の目的周波数の電磁波を結晶の外部へと透過できるものである。本発明のサブ波長格子の寸法は、目的周波数に対して透過率が最大となるように調整されるものであり、0.1THz〜30THzの周波数の全範囲にわたって高い透過性を有している必要はない。
本体を構成する非線形光学結晶は、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体、KTP、KNなどの誘電体である。また、光損傷を抑制するために酸化マグネシウムなどのドーピングをしていてもよい。さらに、ニオブ酸リチウムについては、コングルエント組成のほかストイキオメトリ組成であってもよい。また、基板方位についても依存性がなく、どの方位の面であってもよい。
柱状体を平面的に見て規則的に配列することによってサブ波長格子を形成する。この配列パターンは、格子形成の一般的な手法による。好ましくは、柱状体を縦横の二方向に向かって配列する。この2方向は交差するが、交差角度は85〜95度であることが好ましく、直交していることが最も好ましい。
また、本発明では、柱状体を配列方向に切った横断面で見たときに、基部表面が弧状をなしている。ここで、基部表面の曲率中心は一つであることが好ましいが、複数点あってもよい。
好適な実施形態においては、隣接する柱状体の間で基部の側面が連続するように形成されている。また、好適な実施形態においては、隣接する柱状体の基部の間に平坦面が形成されている。
本発明においては、素子の外側に電磁波発振源を設置し、この電磁波発振源から発振した電磁波を素子内に入射させ、次いで素子本体の電磁波放射面から放射させることができる。あるいは、素子の内部において電磁波をパラメトリック発振させることもできる。
パラメットリック発振の場合には、パラメトリック発振可能な非線形光学結晶からなる素子本体内にポンプ波を入射し、ノンコリニア位相整合条件を満たす方向にアイドラー波とテラヘルツ波を発生させる。このとき、ポンプ波として単一周波数の第1レーザー光を使用し、かつ、アイドラー波の発生方向に単一周波数の別の第2レーザー光を光注入することが好ましい。
例えば光源からポンプ波を素子本体に照射すると共に、光源からアイドラー波を素子本体に照射する。このとき、ポンプ波(周波数ω1)、アイドラー波(周波数ω2)、およびポラリトン(テラヘルツ波:周波数ωT)の間にエネルギー保存則(ω1=ω2+ωT)および運動量保存則(ノンコリニア位相整合条件:k1=k2+kth)が成立し、ポラリトン誘導散乱が観測される。この場合、分散特性のために、ポンプ波の光軸からの角度α、θに応じて、アイドラー波およびテラヘルツ波の波長が定まる。
ポンプ波、アイドラー波、テラヘルツ波の周波数、α、θは、パラメトリック発振条件によって定まるものである。典型的には、ポンプ波の波長は800nm〜1600nmが好ましく、αは0.04°〜4°が好ましい。この場合、θは65°〜62°の範囲となる。
支持基板の材質は特に限定されないが、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体、KTP、KNなどの誘電体や、GaP、ZnSeなどの半導体、石英ガラスなどのガラスを例示できる。また、信頼性上、熱膨張を素子本体と合わせるという観点では、支持基板は素子本体と同じ材質であることが望ましい。
素子本体と支持基体とを接着する接着剤は、発振基板よりも低誘電率である材料からなることが好ましい。具体的には、接着層の屈折率が2以下であることが好ましい。接着層の具体例は特に限定されないが、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、カルドポリマー系接着剤、室温硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、紫外線硬化性接着剤、アロンセラミックスC(商品名、東亜合成社製)(熱膨張係数13×10−6/K)を例示できる。
接着層の厚さは特に限定されないが、テラヘルツ波の漏れを防止するという観点からは、0.5μm以上が好ましい。
ポンプ波やアイドラー波の光源は、半導体レーザや半導体レーザ励起の固体レーザ(YAG、YVO4、YLFなど)を直接バットジョイント、あるいはレンズ結合させる。またこれらの光源をファイバでガイドし、そのファイバ端面を結晶に直接バットジョイントさせることができるし、レンズ結合させてもよい。
本発明においては、定幅部6dの幅Wrは、目的周波数に合わせて設計するが、テラヘルツ帯にピーク透過率を得るには30μm以下が好ましく、柱状体の機械的強度を保持するためには1μm以上が好ましい。
また、定幅部6dの高さTstは、目的周波数に合わせて設計するが、テラヘルツ帯にピーク透過率を得るという観点からは、10〜190μmであることが好ましく、さらには、15〜90μmであることがいっそう好ましい。曲率半径Rに対して、Tstは0.5×R以上、5×R以下であることが好ましい。
また、柱状体6の高さTは、目的周波数に合わせて設計するが、ピーク透過率を高くするという観点からは、20〜200μmであることが好ましい。
各柱状体6の幅は、(Wr+Wp)で表される。Wp/2は、柱状体6の側面6bからの水平方向の突出寸法である。このとき、Wpは、目的周波数での光の透過率を向上させるという観点から、20μm以上であることが好ましい。また、Wpが大きくなると、隣接する柱状体の間隔も大きくなり、設計が難しくなるので、Wpは100μm以下であることが好ましい。
隣接する柱状体間に平坦面8を設けることによって、隣接する柱状体のピッチを調節することができる。したがって、平坦面8の幅Wbは0でも良い。しかし、平坦面8の幅Wbが大きくなり過ぎると加工が困難になるので、この観点からは、20μm以下が好ましい。
外周刃を利用した切削加工は、好ましくは以下の手順で行う。まず、前記した所望の形状を得るための外周刃(ブレード)を選定する。次いで、ブレード形状を整形する(ドレス加工)。次いで、ブレードの高さ位置を基板の表面に一致させる(ブレード高さ零点調整)。次いで、所望の溝深さ、柱状体幅、定幅部幅となるブレードの高さと送りピッチを設定する。次いで、ブレード回転数、送り速度、カットウォータ量を設定する。次いでx、y方向に向かってそれぞれ溝入れ加工を行う。
(実施例1)
図6に示す形態の電磁波放射素子を製造した。ただし、このサブ波長格子構造5は、図5を参照しつつ説明したものであり、支持基板と接着層とを設けていないものである。
具体的には、yカットMgドープニオブ酸リチウム単結晶からなる本体7を用意した。本体7の寸法は、縦30mm×横30mm×厚さ0.5mmである。ダイシングソーを利用し、ブレードを縦横に移動させて研削加工することで、柱状体6を形成した。ブレードは、電鋳ボンドタイプ、幅35μmであり、砥粒#2000を使用した。加工条件は、回転数30000rpm、スピード0.5mm/sとし、深さ30〜200μmまで溝加工を行い、ピッチが40μmとなるようにブレード送り調整した。
以下、各部分の寸法を示す。
Wr: 5μm
Wp: 35μm
Wb: 0μm
T: 30〜200μm
Tst: 12.5〜182.5μm
R: 17.5μm
テラヘルツ波による透過特性を測定するためにTDS測定を実施した。すなわち、素子本体7の底面7b上にテラヘルツ波光源20を取り付け、素子本体内部へと向かって矢印Aのようにテラヘルツ波を入射させた。そして、サブ波長格子構造5上の空気中に受信素子21を設置し、受光強度を測定した。受光強度/発振強度を透過率とする。この結果、高さT=35μm、Tst=17.5μmのとき、ピーク透過率は99%であった(周波数1THz)。また、Tstが更に大きくなるとピーク周波数が低周波側にシフトすることもわかった。
(比較例1)
実施例1と同じ素子本体7を使用し、電磁波透過率を測定した。ただし、素子表面にサブ波長格子構造を形成しなかった。この場合、ピーク透過率は周波数にほとんど依存なく、55%であった。これはニオブ酸リチウム単結晶の屈折率が本周波数では5になることに起因する。
(比較例2)
従来、サブ波長格子は、図7に示す四角錘形状が利用される。しかしながら、ニオブ酸リチウムは難加工材料であるので四角錘形状を形成することは困難であり、実施例1の構造と比較するためにFDTD法によるシミュレーションによる2次元解析を行った。シミュレーションのモデルとして、実施例1の構造のモデルとし、寸法は上記の実施例1に記載のモデルとした。ただし、四角錘形状については四角錘底面幅40μm、ピッチP:40μmと固定し、H:30μm〜200μmの領域において透過率を計算した。
この結果、実施例1と同じ高さH:35μmではピーク透過率は76%であった(周波数1THz)。この場合、ピーク透過率を90%以上とするためには、高さHを100μm以上にする必要があることがわかった。このことから、本願構造では溝深さが浅くても高いピーク透過率が得られることがわかった。
(比較例3)
実施例1と同じ素子本体を使用し、電磁波透過率を測定した。ただし、素子本体の表面に、図8に示す形態のサブ波長格子構造を形成した。ここで、各柱状体23は四角柱形状をしている。各柱状体23の高さHは35μmであり、柱状体のピッチPは40μmであり、柱状体23の幅Wは20μmである。
なお、本構造は、エキシマレーザを用いた疑似レーザアブレーション法で作製し、レーザのショット回数を調整して深さおよびピッチを調整した。
この結果、ピーク透過率は77%であった(周波数は0.6THz)。この構造において今回検証した高さT(30μm〜200μm)の範囲ではTを大きくしてもピーク透過率は90%以上にはならなかった。
本発明の特定の実施形態を説明してきたけれども、本発明はこれら特定の実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲の範囲から離れることなく、種々の変更や改変を行いながら実施できる。

Claims (4)

  1. 0.1THz〜30THzの範囲内にある目的周波数の電磁波を結晶の外部へと放射する電磁波放射素子であって、
    非線形光学結晶からなる本体と、この本体の表面に形成されたサブ波長格子構造とを備えており、前記サブ波長格子構造が、前記本体の前記表面に規則的に配列された柱状体からなり、前記各柱状体が、先端側に設けられ、一定幅を有する定幅部と、前記表面から前記定幅部へと向かって設けられている基部とを備えており、前記柱状体の配列方向に切った横断面で見たときに、前記基部の表面が、前記基部外に曲率中心を有する弧状をなしていることを特徴とする、電磁波放射素子。
  2. 隣接する前記柱状体の間で前記基部の前記側面が連続するように形成されていることを特徴とする、請求項1記載の素子。
  3. 隣接する前記柱状体の前記基部の間に平坦面が形成されていることを特徴とする、請求項1記載の素子。
  4. 前記各柱状体が、外周刃を利用した切削加工により形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の電磁波放射素子。
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