JP5363155B2 - 車両用自動変速機におけるパーキングロック機構 - Google Patents

車両用自動変速機におけるパーキングロック機構 Download PDF

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Description

本発明は、動力源からの回転動力が第1油圧クラッチを介して伝達される第1入力軸と、前記動力源からの回転動力が第2油圧クラッチを介して伝達されるとともに該第1入力軸を同軸且つ相対回転自在に挿通させる、該第1入力軸よりも大径の第2入力軸と、これらの入力軸と平行な軸線を有して駆動輪に連動、連結される出力軸と、選択的な確立を可能として前記第1入力軸の前記第2入力軸一端からの突出部および前記出力軸間に設けられる奇数変速段のギヤ列と、選択的な確立を可能として前記第2入力軸および前記出力軸間に設けられる偶数変速段のギヤ列と、前記入力軸および前記出力軸の軸線と平行な軸線まわりに回動することを可能としたシフトドラムと、該シフトドラムを回動駆動するアクチュエータと、該シフトドラムの回動に応じて前記入力軸および前記出力軸)の軸線と平行な方向に移動して前記ギヤ列の選択的な確立を切換えることを可能として前記シフトドラムの外周に係合される複数のシフトフォークとを備える車両用自動変速機に関し、特に、パーキングロック状態を得るためのパーキングロック機構の改良に関する。
車両用自動変速機において、車両をパーキングロックするために、複数変速段のギヤ列を選択的に確立するためのシフトフォークとは別に、ギヤ列を確立してパーキングロックを得るパーキング用シフトフォークをパーキングロッドに固定し、そのパーキングロッドを軸方向に作動せしめるようにしたものが、特許文献1によって知られている。
特開2006−105221号公報
ところが、上記特許文献1で開示されたものでは、変速段を切換えるためのシフトフォークとは別に、パーキング用シフトフォークと、該パーキング用シフトフォークを移動させるためのパーキングロッドとが必要であり、部品点数が多くなり、変速機の大型化を招いてしまう。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、部品点数の低減を図るとともに変速機の小型化を可能とした車両用自動変速機におけるパーキングロック機構を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、動力源からの回転動力が第1油圧クラッチを介して伝達される第1入力軸と、前記動力源からの回転動力が第2油圧クラッチを介して伝達されるとともに該第1入力軸を同軸且つ相対回転自在に挿通させる、該第1入力軸よりも大径の第2入力軸と、これらの入力軸と平行な軸線を有して駆動輪に連動、連結される出力軸と、選択的な確立を可能として前記第1入力軸の前記第2入力軸一端からの突出部および前記出力軸間に設けられる奇数変速段のギヤ列と、選択的な確立を可能として前記第2入力軸および前記出力軸間に設けられる偶数変速段のギヤ列と、前記入力軸および前記出力軸の軸線と平行な軸線まわりに回動することを可能としたシフトドラムと、該シフトドラムを回動駆動するアクチュエータと、該シフトドラムの回動に応じて前記入力軸および前記出力軸)の軸線と平行な方向に移動して前記ギヤ列の選択的な確立を切換えることを可能として前記シフトドラムの外周に係合される複数のシフトフォークとを備える車両用自動変速機において、前記シフトドラムが前記変速段のギヤ列を非確立とするニュートラル状態にあるときに、前記奇数変速段のギヤ列の隣り合うギヤ列に対応した2つのシフトフォークを、該隣り合うギヤ列を同時に確立し得る位置に駆動してパーキングロック状態を得ることを可能としたパーキングドラムを備え前記パーキングドラムは、前記2つのシフトフォークに係合しつつ前記シフトドラムの軸線まわりに相対回動することを可能として前記シフトドラムの外周を同軸に囲繞すると共に、該シフトドラムの軸線と直交する方向で前記奇数変速段のギヤ列と前記パーキングドラムとが重なるよう配置されることを第1の特徴とする。
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記奇数変速段のギヤ列の前記隣り合うギヤ列には、各々のギヤ列を確立するためのシフタが各ギヤ列を構成するギヤと一体に各々設けられ、前記パーキングドラムには、前記各々のシフタが移動することで前記隣り合うギヤ列を同時に確立するように、前記2つのシフトフォークが係合されることを第2の特徴とする。
本発明は、第1または第2の特徴の構成に加えて、前記2つのシフトフォークは、前記第1入力軸の前記突出部に支承されるシフタを保持する第1のシフトフォークと、前記出力軸に支承されるシフタを保持する第2のシフトフォークとで構成され、これら第1,第2のシフトフォークは、それらの一部が前記シフトドラムの軸線と直交する方向で重なることを第3の特徴とする。
本発明は、第1〜第3の特徴の構成のいずれかに加えて、前記シフトドラムの外周面には、該シフトドラムの回動に応じて前記シフトフォークを軸方向にスライドさせるリード溝が設けられ、これらのリード溝にはギヤ列確立部が各々設けられるとともに、前記2つのシフトフォークをスライドさせるリード溝には、前記隣り合うギヤ列を同時に確立する位置に前記2つのシフトフォークを移動させるための逃げ部が形成されることを第4の特徴とする。
本発明は、第1〜第4の特徴の構成のいずれかに加えて、前記動力源がエンジンであり、該エンジンのクランクケースに両持ち支持された前記シフトドラムの一端部に、前記パーキングドラムが片持ち支持されることを第の特徴とする。
本発明は、第1〜第5の特徴の構成のいずれかに加えて、前記アクチュエータが、前記パーキングドラムが配置される側とは反対側で前記シフトドラムの端部に連動、連結されることを第の特徴とする。
さらに本発明は、第1〜第の特徴の構成のいずれかに加えて、前記パーキングドラムに、電動アクチュエータが連動、連結されることを第の特徴とする。
なお実施の形態の第1シャフト44,第2シャフト45が本発明の第1入力軸,第2入力軸にそれぞれ対応し、実施の形態のカウンタシャフト46が本発明の出力軸に対応し、実施の形態の第1シフトフォーク78が本発明の2つのシフトフォークのうちの第2のシフトフォークに対応し、実施の形態の第2シフトフォーク79が本発明の特定の2つのシフトフォークのうちの第1のシフトフォークに対応し、実施の形態の後輪WRが本発明の駆動輪に対応する。
本発明の第1の特徴によれば、シフトドラムが各変速段のギヤ列を非確立とするニュートラル状態にあるときに、奇数変速段のギヤ列の隣り合うギヤ列に対応した2つのシフトフォークを、該隣り合うギヤ列を同時に確立し得る位置に駆動してパーキングロック状態を得ることを可能としたパーキングドラムが、前記2つのシフトフォークに係合しつつ前記シフトドラムの軸線まわりに相対回動することを可能として前記シフトドラムの外周を同軸に囲繞すると共に、該シフトドラムの軸線と直交する方向で前記奇数変速段のギヤ列と前記パーキングドラムとが重なるよう配置されるので、パーキングロック状態を得るために専用のロック機構を設けることが不要となって部品点数を低減できるとともに、新たにパーキングドラムを追加するだけで、新たなシフトフォークを設ける必要がないので、部品点数の更なる減が可能となって、自動変速機の小型化を図ることができる。
また、シフトドラムおよびパーキングドラムを同軸に配置することで、シフトドラムおよびパーキングドラムのコンパクトな配置を可能として自動変速機の更なる小型化を図ることができ、部品点数の低減にも寄与することができる。しかも、パーキングドラムがシフトドラムを囲繞して配置されるので、シフトドラムおよびパーキングドラムを軸方向でよりコンパクトに配置することができる
発明の第の特徴によれば、クランクケースに両持ち支持されたシフトドラムの一端部にパーキングドラムが片持ち支持されるので、支持剛性を確保しつつ同軸配置のシフトドラムおよびパーキングドラムの支持構造を簡略化し、両持ち支持の場合に比べてパーキングドラムの組付け性を高めることができる。
本発明の第の特徴によれば、前記パーキングドラムがシフトドラムの一端側を囲繞して配置され、シフトドラムの他端部にアクチュエータが連動、連結されるので、アクチュエータのシフトドラムへの連結構造を、パーキングドラムとの干渉を考慮することなく簡略化することができる。
さらに本発明の第の特徴によれば、電動アクチュエータによってパーキングドラムを回動駆動するので、自動的なパーキングロックが可能となる。
実施例1の自動二輪車の側面図である。 図1の2矢示部拡大図である。 自動変速機の一部構成を図2の3−3線に沿って示す断面図である。 シフトドラムおよびパーキングドラムの支持構造を図2の4−4線に沿って示す断面図である。 シフトドラムおよびアクチュエータの連結構造を図4の5−5線に沿って示す断面図である。 シフトドラムの外周面の周方向展開図である。 パーキングドラムの外周面の周方向展開図である。 シフトドラムおよびパーキングドラムを重ねた状態での外周面の周方向展開図である。 実施例2の図4に対応した断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
本発明の実施例1について図1〜図を参照しながら説明すると、先ず図1において、、この自動二輪車の車体フレームFは、前輪WFを軸支したフロントフォーク11を操向可能に支承するヘッドパイプ12と、該ヘッドパイプ12から後下がりに延びる左右一対のメインフレーム13と、それらのメインフレーム13よりも急傾斜で後下がりに延びる左右一対のダウンフレーム14と、両ダウンフレーム14の下端から後方に延びるロアフレーム15と、前記メインフレーム13の後端から下方に延びて前記両ロアフレーム15の後端に連接される左右一対のセンターフレーム16と、前記メインフレーム13の後端から後上がりに延びる左右一対のシートレール17と、前記センターフレーム16の下部および前記シートレール17の後部間を結ぶリヤフレーム18とを備え、メインフレーム13、ダウンフレーム14、ロアフレーム15およびセンターフレーム16は、金属製パイプの曲げ加工によって一体に連なって形成される。
前記メインフレーム13、ダウンフレーム14、ロアフレーム15およびセンターフレーム16で囲まれる領域には、動力源であるエンジンEと、該エンジンEのクランクケース19に一部が内蔵される自動変速機M(図2〜図5参照)とから成るパワーユニットPが車体フレームFで支持されるようにして配置され、該パワーユニットPが発揮する動力で駆動される駆動輪としての後輪WRを後端部で軸支するスイングアーム20の前端部が、前記センターフレーム16の下部に設けられるピボットプレート21に支軸22を介して上下揺動可能に支承される。また前記エンジンEの上方でメインフレーム13に燃料タンク24が搭載され、該燃料タンク24の後方に配置される乗車用前部シート25ならびに該乗車用前部シート25のさらに後方に配置される乗車用後部シート26が前記シートレール17で支持される。
図2において、前記エンジンEは、車体フレームFの幅方向に延びる軸線を有するクランクシャフト30を回転自在に支承するクランクケース19と、前傾したシリンダ軸線Cを有してクランクケース19の前部上端に結合されるシリンダ31と、該シリンダ31の上端に結合されるシリンダヘッド32と、該シリンダヘッド32の上端に結合されるヘッドカバー33と備える。
図3を併せて参照して、自動変速機Mは、入力軸であるメインシャフト43と、出力軸であるカウンタシャフト46との間に、選択的に確立可能な複数変速段のギヤ列たとえば第1速〜第6速ギヤ列G1〜G6が設けられて成るものであり、メインシャフト43およびカウンタシャフト46は、前記クランクシャフト30と平行な軸線を有する。前記カウンタシャフト46の一端はクランクケース19の後部側面から突出され、カウンタシャフト46から出力される回転動力は、図1で示すように、動力伝達手段38を介して駆動輪である後輪WRに伝達される。而して動力伝達手段38は、前記カウンタシャフト46の軸端に固定される駆動側伝動輪である駆動スプロケット39と、前記後輪WRに同軸に設けられる被動スプロケット40とに、無端状伝動帯である無端状のチェーン41が巻掛けられて成る。
前記メインシャフト43は、第1シャフト44と、第1シャフト44を同軸にかつ相対回転可能に挿通せしめる第2シャフト45とから成り、第1シャフト44およびカウンタシャフト46間に、奇数変速段の第1速ギヤ列G1、第3ギヤ列G3および第5速ギヤ列G5が設けられ、第2シャフト45およびカウンタシャフト46間に、偶数変速段の第2速ギヤ列G2、第4速ギヤ列G4および第6速ギヤ列G6が設けられる。
第1シャフト44は、第2シャフト45よりも小径に形成されており、第1シャフト44の一端部はクランクケース19にボールベアリング47を介して回転自在に支承され、第1シャフト44の他端側はクランクケース19を回転自在に貫通し、クランクケース19に締結されるクランクケースカバー48に、クラッチインナ60およびボールベアリング49を介して第1シャフト44の他端部が回転自在に支承される。またクランクケース19には、第1シャフト44よりも大径である第2シャフト45がボールベアリング50を介して回転自在に支承され、第2シャフト45には、第1シャフト44の中間部が同軸にかつ相対回転自在に挿通され、第1シャフト44および第2シャフト45間には複数のニードルベアリング51が介装される。
第1シャフト44の他端側には、第2シャフト45に軸方向で隣接する伝動筒軸53が相対回転可能に装着されており、該伝動筒軸53には、クランクシャフト30からの動力が一次減速装置54およびダンパースプリング57を介して伝達される。而して一次減速装置54は、前記クランクシャフト30とともに回転する駆動ギヤ55(図2参照)と、該駆動ギヤ55に噛合するようにして第1および第2シャフト44,45と同軸に配置される被動ギヤ56とから成り、被動ギヤ56が前記ダンパースプリング57を介して伝動筒軸53に連結される。
前記伝動筒軸53および第1シャフト44間には第1油圧クラッチ58が設けられ、第1油圧クラッチ58が備えるクラッチインナ60が第1シャフト44の他端部に相対回転不能に結合され、このクラッチインナ60および前記クランクケースカバー48間に前記ボールベアリング49が介装される。また伝動筒軸53および第2シャフト45間には、前記第1油圧クラッチ58との間に一次減速装置54を挟む第2油圧クラッチ59が設けられる。
而して第1油圧クラッチ58が動力伝達状態にあって第1シャフト44にクランクシャフト30から動力が伝達されているときには、第1、第3および第5速ギヤ列G1,G3,G5のうち択一的に確立したギヤ列を介して第1シャフト44からカウンタシャフト46に動力を伝達することが可能であり、第2油圧クラッチ59が動力伝達状態にあって第2シャフト45にクランクシャフト30から動力が伝達されているときには、第2、第4および第6速ギヤ列G2,G4,G6のうち択一的に確立したギヤ列を介して第2シャフト45からカウンタシャフト46に動力を伝達することが可能である。
第1、第3および第5速ギヤ列G1,G3,G5は、第1シャフト44のうち第1および第2油圧クラッチ58,59との間に第2シャフト45を挟む位置すなわち第1シャフト44の第2シャフト45から突出した一端側の部分と、カウンタシャフト46との間に設けられるものであり、第1速ギヤ列G1は、第1シャフト44に一体に設けられる第1速駆動ギヤ61と、カウンタシャフト46に相対回転不能に支承されて第1速駆動ギヤ61に噛合する第1速被動ギヤ62とから成る。第3速ギヤ列G3は、軸方向のスライド作動を可能として第1シャフト44に相対回転不能に結合される第3速駆動ギヤ63と、前記カウンタシャフト46に相対回転可能に支承されて第3速駆動ギヤ63に噛合する第3速被動ギヤ64とから成る。また第5速ギヤ列G5は、第1および第3速駆動ギヤ61,63間に配置されて第1シャフト44に相対回転可能に支承される第5速駆動ギヤ65と、軸方向のスライド作動を可能としてカウンタシャフト46に相対回転不能に結合されるとともに第5速駆動ギヤ65に噛合する第5速被動ギヤ66とから成る。
第2速ギヤ列G2は、第2シャフト45に一体に設けられる第2速駆動ギヤ67と、カウンタシャフト46に相対回転自在に支承されて第2速駆動ギヤ67に噛合する第2速被動ギヤ68とから成る。また第4速ギア列G4は、軸方向のスライド作動を可能として第2シャフト45に相対回転不能に結合される第4速駆動ギヤ69と、カウンタシャフト46に相対回転可能に支承されて第4速駆動ギヤ69に噛合する第4速被動ギヤ70とから成る。また第6速ギヤ列G6は、第2および第4速駆動ギヤ67,69間に配置されて第2シャフト45に相対回転可能に支承される第6速駆動ギヤ71と、軸方向のスライド作動を可能としてカウンタシャフト46に相対回転不能に結合されるとともに第6速駆動ギヤ71に噛合する第6速被動ギヤ72とから成る。
第1および第3速被動ギヤ62,64間でカウンタシャフト46には、第1シフタ74が相対回転不能かつ軸方向スライド可能に支承されており、第5速被動ギヤ66は第1シフタ74に一体に設けられる。この第1シフタ74は、第1速被動ギヤ62に係合する位置と、第3速被動ギヤ64に係合する位置と、第1および第3速被動ギヤ62,64のいずれにも係合しない位置との間でスライド可能である。また第5速駆動ギヤ65を第1速駆動ギヤ61との間に挟むようにして第1シャフト44には、第2シフタ75が相対回転不能かつ軸方向スライド可能に支承されており、第3速駆動ギヤ63は第2シフタ75に一体に設けられる。この第2シフタ75は、第5速駆動ギヤ65に係合する位置ならびにその係合を解除する位置間でスライド可能である。
而して第2シフタ75が第5速駆動ギヤ65に係合していない状態で第1シフタ74が第1速被動ギヤ62に係合することで第1速ギヤ列G1が確立し、第2シフタ75が第5速駆動ギヤ65に係合していない状態で第1シフタ74が第3速被動ギヤ64に係合することで第3速ギヤ列G3が確立し、第1シフタ74が第1速被動ギヤ62および第3速被動ギヤ64のいずれにも係合していない状態で第2シフタ75が第5速駆動ギヤ65に係合することで第5速ギヤ列G5が確立する。
第6速駆動ギヤ71を第2速駆動ギヤ67との間に挟むようにして第2シャフト45には、第3シフタ76が相対回転不能かつ軸方向スライド可能に支承されており、第4速駆動ギヤ69は第3シフタ76に一体に設けられる。この第3シフタ76は、第6速駆動ギヤ71に係合する位置ならびにその係合を解除する位置間でスライド可能である。また第2および第4速被動ギヤ68,70間でカウンタシャフト46には、第4シフタ77が相対回転不能かつ軸方向スライド可能に支承されており、第6速被動ギヤ72は第4シフタ77に一体に設けられる。この第4シフタ77は、第2速被動ギヤ68に係合する位置と、第4速被動ギヤ70に係合する位置と、第2および第4速被動ギヤ68,70のいずれにも係合しない位置との間でスライド可能である。
而して第3シフタ76が第6速駆動ギヤ71に係合していない状態で第4シフタ77が第2速被動ギヤ68に係合することで第2速ギヤ列G2が確立し、第3シフタ76が第6速駆動ギヤ71に係合していない状態で第4シフタ77が第4速被動ギヤ70に係合することで第4速ギヤ列G4が確立し、第4シフタ77が第2速被動ギヤ68および第4速被動ギヤ70のいずれにも係合していない状態で第3シフタ75が第6速駆動ギヤ71に係合することで第6速ギヤ列G6が確立する。
第1〜第4シフタ74,75,76,77は、第1〜第4シフトフォーク78,79,80,81で回転自在に保持されており、第1および第4シフトフォーク78,81は第1シフトフォーク軸82でその軸方向にスライド可能に支承され、第2および第3シフトフォーク79,80は第2シフトフォーク軸83でその軸方向にスライド可能に支承され、第1および第2シフトフォーク軸82,83は、第1および第2シャフト44,45ならびにカウンタシャフト46と平行な軸線を有してクランクケース19に支持される。
またクランクケース19には、第1および第2シャフト44,45ならびにカウンタシャフト46と平行な軸線を有するシフトドラム85が軸線まわりに回動することを可能として支承されており、このシフトドラム85の外周面に設けられる第1〜第4のリード溝86,87,88,89に第1〜第4シフトフォーク78〜81に突設されたシフトピン78a,79a,80a,81aがそれぞれスライド可能に係合され、シフトドラム85が回動すると第1〜第4のリード溝86〜89のパターンに応じて第1〜第4シフトフォーク78〜81が軸方向にスライド作動する。
図4を併せて参照して、第1および第2油圧クラッチ58,59とは反対側の端部である前記シフトドラム85の一端部には軸90が同軸に設けられており、この軸90がクランクケース19に設けられる支持孔91に嵌合することでシフトドラム85の一端部がクランクケース19に回動可能に支承され、シフトドラム85の他端部はクランクケース19にボールベアリング92を介して回転自在に支承される。
図5を併せて参照して、第1および第2油圧クラッチ58,59側の端部である前記シフトドラム85の他端部には、該シフトドラム85とともに回動するシフトドラムセンター93が同軸のボルト94で固定される。このシフトドラムセンター93は、間欠駆動手段95によって所定角度ずつ間欠的に回動駆動されるものであり、該間欠駆動手段95にはアクチュエータ96からの動力が入力される。
前記アクチュエータ96は、クランクケースカバー48を外側から覆うようにしてクランクケースカバー48に締結されるカバー97に取付けられる電動モータ98を備える。一方、シフトドラム85と平行な軸線を有するチェンジ軸99が、クランクケース19、クランクケースカバー48および前記カバー97を回転自在に貫通するように配置されており、前記電動モータ98および前記チェンジ軸99間には減速ギヤ機構100が介設される。
前記チェンジ軸99には、該チェンジ軸99の半径方向に沿って間欠駆動手段95側に延びて該間欠駆動手段95に連動、連結されるチェンジアーム101の基端部が固定されており、チェンジアーム101がチェンジ軸99とともに回動することで、前記間欠駆動手段95が、シフトドラムセンター93および前記シフトドラム85を間欠的に回動駆動する。
図6において、シフトドラム85には、複数の変速位置が周方向に等間隔をあけて設定されるものであり、この実施例1では、第1〜第13変速位置P1〜P13が周方向に等間隔をあけて設定され、シフトドラム85が間欠的に回動するのに応じて第1〜第4シフトフォーク78〜81を軸方向にスライドさせるようにしてシフトドラム85の外周に第1〜第4のリード溝86〜89が設けられる。しかも第1〜第4シフトフォーク78〜81のシフトピン78a,79a,80a,81aの相対位置は、第1シフトフォーク78のシフトピン78aが第2変速位置P2に在る状態では、第2シフトフォーク79のシフトピン79aが第7変速位置P7に在り、第3シフトフォーク80のシフトピン80aが第7変速位置P7に在り、第4シフトフォーク81のシフトピン81aが第2変速位置P2に在るように設定される。
第1のリード溝86は、第1シフタ74を保持する第1シフトフォーク78のスライド作動をガイドするためのものであり、第1速被動ギヤ62に第1シフタ74を係合させるようにして第3および第4変速位置P3,P4間にわたってシフトドラム85の周方向に延びる第1速ギヤ列確立部86aと、第3速被動ギヤ64に第1シフタ74を係合させるようにして第1速ギヤ列確立部86aとはシフトドラム85の軸方向にオフセットしつつ第6〜第8変速位置P6〜P8間にわたってシフトドラム85の周方向に延びる第3速ギヤ列確立部86bと、第1シフタ74を第1速被動ギヤ62および第3速被動ギヤ64のいずれにも係合させることがないようにして第1および第3速ギヤ列確立部86a,86b間を結んで第5変速位置P5に設けられるとともに第9〜第2変速位置P9〜P2間にわたって設けられる中間位置部86c,86dとを有してシフトドラム85の全周にわたって設けられる。
第2のリード溝87は、第2シフタ75を保持する第2シフトフォーク79のスライド作動をガイドするためのものであり、第5速駆動ギヤ65に第2シフタ75を係合させることがないようにして第6〜第2変速位置P6〜P2間にわたってシフトドラム85の周方向に延びる中間位置部87aと、第5速駆動ギヤ65に第2シフタ75を係合させるようにして中間位置部87aとはシフトドラム85の軸方向にオフセットしつつ第3〜第5変速位置P3〜P5間にわたってシフトドラム85の周方向に延びる第5速ギヤ列確立部87bとを有して、シフトドラム85の全周にわたって設けられる。
第3のリード溝88は、第3シフタ76を保持する第3シフトフォーク80のスライド作動をガイドするためのものであり、第6速駆動ギヤ71に第3シフタ76を係合させることがないようにして第7〜第4変速位置P7〜P4間にわたってシフトドラム85の周方向に延びる中間位置部88aと、第6速駆動ギヤ66に第3シフタ76を係合させるようにして中間位置部88aとはシフトドラム85の軸方向にオフセットしつつ第5および第6変速位置P5,P6間にわたって該シフトドラム85の周方向に延びる第6速ギヤ列確立部88bとを有する。
さらに第4のリード溝89は、第4シフタ77を保持する第4シフトフォーク81のスライド作動をガイドするためのものであり、第2速被動ギヤ68に第4シフタ77を係合させるようにして第4〜第6変速位置P4〜P6間にわたってシフトドラム85の周方向に延びる第2速ギヤ列確立部89aと、第4速被動ギヤ70に第4シフタ77を係合させるようにして第2速ギヤ列確立部89aとはシフトドラム85の軸方向にオフセットしつつ第8〜第10変速位置P8〜P10間にわたってシフトドラム85の周方向に延びる第4速ギヤ列確立部89bと、第4シフタ77を第2速被動ギヤ68および第4速被動ギヤ70のいずれにも係合させることがないようにして第2および第4速ギヤ列確立部89a,89b間を結んで第7変速位置P7に設けられるとともに第11〜第3変速位置P11〜P3間にわたって設けられる中間位置部89c,89dとを有する。
而して第1シフトフォーク78のシフトピン78aが第2変速位置P2に在り、第2シフトフォーク79のシフトピン79aが第7変速位置P7に在り、第3シフトフォーク80のシフトピン80aが第7変速位置P7に在り、第4シフトフォーク81のシフトピン81aが第2変速位置P2に在るような図6の状態にシフトドラム85が在るときに、第1〜第6速ギヤ列G1〜G6はいずれも非確立の状態である。
図3および図4に注目して、前記シフトドラム85が第1〜第6速ギヤ列G1〜G6を非確立とするニュートラル状態にあるときに前記カウンタシャフト46の回転を不能としたパーキングロック状態を得る位置に第1〜第4シフトフォーク78〜81のうち特定のシフトフォークである第1および第2シフトフォーク78,79を駆動することを可能としたパーキングドラム105が、第1および第2シフトフォーク78,79に係合しつつ前記メインシャフト43および前記カウンタシャフト46の軸線と平行な軸線まわりの回動を可能としてシフトドラム85とは別に配置される。
前記パーキングドラム105は、第1〜第4シフトフォーク78〜81のうち奇数変速段のギヤ列G1,G3,G5の隣り合うギヤ列G3,G5に対応した2つのシフトフォークである第1および第2シフトフォーク78,79に係合しつつシフトドラム85の軸線まわりに相対回動することを可能として、シフトドラム85の外周を同軸に囲繞すると共に、該シフトドラム85の軸線と直交する方向で奇数変速段のギヤ列G1,G3,G5とパーキングドラム105とが重なるよう配置される。而してアクチュエータ96が前記シフトドラム85の他端部に連動、連結されるので、前記パーキングドラム105が配置される側とは反対側でシフトドラム85の端部にアクチュエータ96が連動、連結されることになる。
しかもシフトドラム85がクランクケース19に両持ち支持されるのに対し、パーキングドラム105は、前記シフトドラム85の一端部にボールベアリング106を介して片持ち支持される。
前記パーキングドラム105に設けられた被動ギヤ107には、前記シフトドラム85および前記パーキングドラム105と平行な軸線を有してクランクケース19およびクランクケースカバー48で回動可能に支承される回動軸109に固定されたセクタギヤ108が噛合され、クランクケースカバー48から突出した回動軸109の突出端部にはレバー110が固定され、ライダーの手動操作によってレバー110が回動操作されることによってパーキングドラム105がシフトドラム85に対して相対回動することになる。
図7において、パーキングドラム105には、第1シフトフォーク78のシフトピン78aを挿通せしめる第1ガイド孔111と、第2シフトフォーク79のシフトピン79aを挿通せしめる第2ガイド孔112とが設けられる。而して第1ガイド孔111は、周方向位置を固定した状態にあるパーキングドラム105に対してシフトドラム85が相対回動する際に第1シフトフォーク78のシフトピン78aがシフトドラム85における第1のリード溝86内で移動することを許容するようにしてシフトドラム85およびパーキングドラム105の軸方向に延びる長孔部111aと、シフトドラム85側での変速位置が長孔部111aから2つずれた位置に配置されて前記長孔部111aに連なる移動強制孔部111bとを有し、第2ガイド孔112は、周方向位置を固定した状態にあるパーキングドラム105に対してシフトドラム85が相対回動する際に第2シフトフォーク79のシフトピン79aがシフトドラム85における第2のリード溝87内で移動することを許容するようにしてシフトドラム85およびパーキングドラム105の軸方向に延びる長孔部112aと、シフトドラム85側での変速位置が長孔部112aから2つずれた位置に配置されて前記長孔部112aに連なる移動強制孔部112bとを有する。
しかもパーキングドラム105は、第1シフトフォーク78のシフトピン78aが第2変速位置P2に在り、第2シフトフォーク79のシフトピン79aが第7変速位置P7に在るようにして、前記シフトドラム85が第1〜第6速ギヤ列G1〜G6を非確立とするニュートラル状態にあるときに、図8の実線で示すように、第1シフトフォーク78のシフトピン78aを第1ガイド孔111の長孔部111aに配置し、第2シフトフォーク79のシフトピン79aを第2ガイド孔112の長孔部112aに配置するように、シフトドラム85に対する相対位置が定められている。そのようなニュートラル状態からシフトドラム85の変速位置2つ分だけパーキングドラム105が回動駆動されると、図8の鎖線で示すように第1および第2ガイド孔111,112が移動することによって、第1シフトフォーク78のシフトピン78aならびに第2シフトフォーク79のシフトピン79aが、第1および第2孔111,112の移動強制孔部111b,112bによってシフトドラム85の軸方向に駆動され、第1シフトフォーク78のシフトピン78aは、第3速被動ギヤ64に第1シフタ74を係合させて第3速ギヤ列G3を確立する位置に移動し、第2シフトフォーク79のシフトピン79aは、第5速駆動ギヤ65に第2シフタ75を係合させて第5速ギヤ列G5を確立する位置に移動する。すなわち奇数変速段のギヤ列G1,G3,G5のうちの隣り合う2つのギヤ列である第3速ギヤ列G3および第5速ギヤ列G5が同時に確立して、カウンタシャフト46の回転が阻止されたパーキングロック状態となる。
またシフトドラム85の第1のリード溝86には、第2変速位置P2で第1シフトフォーク78のシフトピン78aを第1ガイド孔111の移動強制孔111bによって第3速ギヤ列G3を確立する側に強制移動することを可能とするための逃げ部86eが、第2変速位置P2で中間位置部86dに直角に連なるようにして設けられ、第2のリード溝87には、第7変速位置で第2シフトフォーク79のシフトピン79aを第2ガイド孔112の移動強制孔112bによって第5速ギヤ列G5を確立する側に強制移動することを可能とするための逃げ部87cが、第7変速位置で中間位置部87aに直角に連なるようにして設けられる。
次にこの実施例1の作用について説明すると、シフトドラム85が第1〜第6速ギヤ列G1〜G6を非確立とするニュートラル状態にあるときに第1〜第4シフトフォーク78〜81のうち奇数変速段のギヤ列G1,G3,G5の隣り合うギヤ列G3,G5に対応した2つのシフトフォークである第1および第2シフトフォーク78,79を、該隣り合う2つのギヤ列G3,G5を同時に確立し得る位置に駆動してパーキングロック状態を得ることを可能としたパーキングドラム105が、前記2つのシフトフォーク78,79に係合しつつ前記シフトドラム85の軸線まわりに相対回動することを可能として前記シフトドラム85の外周を同軸に囲繞すると共に、該シフトドラム85の軸線と直交する方向で前記奇数変速段のギヤ列G1,G3,G5と前記パーキングドラム105とが重なるよう配置される。
したがって新たにパーキングドラム105を追加するだけで、新たなシフトフォークを設けることを不要としてパーキングロック状態を得ることが可能であり、部品点数を低減することが可能となるとともに、自動変速機Mの小型化を図ることができる。
またパーキングドラム105に、該パーキングドラム105の回動によって奇数変速段のギヤ列G1,G3,G5のうちの隣り合う2つのギヤ列、この実施例1では第3および第5速ギヤ列G3,G5を同時に確立するようにして第1および第2シフトフォーク78,79が係合されるので、専用のロック機構を設けることを不要とし、部品点数をより低減することができるとともに自動変速機Mの小型化に寄与することができる。
またシフトドラム85およびパーキングドラム105が同軸上に配置されるので、シフトドラム85およびパーキングドラム105のコンパクトな配置を可能として自動変速機Mの更なる小型化を図ることができ、部品点数の低減にも寄与することができ,パーキングドラム105が、シフトドラム85の軸線と直交する方向で奇数変速段のギヤ列G1,G3,G5と重なるよう配置されるので、シフトドラム85およびパーキングドラム105をよりコンパクトに配置することができる
たクランクケース19に両持ち支持されたシフトドラム85の一端部に、前記パーキングドラム105が片持ち支持されるので、支持剛性を確保しつつ同軸配置のシフトドラム85およびパーキングドラム105の支持構造を簡略化し、両持ち支持の場合に比べてパーキングドラム105の組付け性を高めることができる。
さらにアクチュエータ96が、パーキングドラム105が配置される側とは反対側で前記シフトドラム85の端部に連動、連結されるので、アクチュエータ96のシフトドラム85への連結構造を、パーキングドラム105との干渉を考慮することなく簡略化することができる。
図9を参照しながら本発明の実施例2について説明するが、実施例1に対応する部分には同一の参照符号を付して図示するのみとし、詳細な説明は省略する。
前記パーキングドラム105に設けられた被動ギヤ107に噛合するセクタギヤ108が固定される回動軸109に、たとえばクランクケースカバー48の外面に取付けられる電動アクチュエータ115が連結される。
この実施例2によれば、電動アクチュエータ115によってパーキングドラム105を回動駆動するので、自動的なパーキングロックが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
19・・・クランクケース
44・・・第1入力軸である第1シャフト
45・・・第2入力軸である第2シャフト
46・・・出力軸であるカウンタシャフト
58・・・第1油圧クラッチ
59・・・第2油圧クラッチ
63,66・・・各ギヤ列を構成するギヤ
74,75・・・シフタ
78・・・第2のシフトフォークである第1シフトフォーク
79・・・第1のシフトフォークである第2シフトフォーク
80,81・・・シフトフォーク
85・・・シフトドラム
86,87,88,89・・・リード溝
86a,86b,87b,88b,89a,89b・・・ギヤ列確立部
86e,87c・・・逃げ部
96・・・アクチュエータ
105・・・パーキングドラム
115・・・電動アクチュエータ
E・・・動力源であるエンジン
G1,G2,G3・・・奇数変速段のギヤ列
G2,G4,G6・・・偶数変速段のギヤ列
WR・・・駆動輪である後輪

Claims (7)

  1. 動力源(E)からの回転動力が第1油圧クラッチ(58)を介して伝達される第1入力軸(44)と、前記動力源(E)からの回転動力が第2油圧クラッチ(59)を介して伝達されるとともに該第1入力軸(44)を同軸且つ相対回転自在に挿通させる、該第1入力軸(44)よりも大径の第2入力軸(45)と、これらの入力軸(44,45)と平行な軸線を有して駆動輪(WR)に連動、連結される出力軸(46)と、選択的な確立を可能として前記第1入力軸(44)の前記第2入力軸(45)一端からの突出部および前記出力軸(46)間に設けられる奇数変速段のギヤ列(G1,G,G5)と、選択的な確立を可能として前記第2入力軸(45)および前記出力軸(46)間に設けられる偶数変速段のギヤ列(G2,G4,G6)と、前記入力軸(44,45)および前記出力軸(46)の軸線と平行な軸線まわりに回動することを可能としたシフトドラム(85)と、該シフトドラム(85)を回動駆動するアクチュエータ(96)と、該シフトドラム(85)の回動に応じて前記入力軸(44,45)および前記出力軸(46)の軸線と平行な方向に移動して前記ギヤ列(G1〜G6)の選択的な確立を切換えることを可能として前記シフトドラム(85)の外周に係合される複数のシフトフォーク(78,79,80,81)とを備える車両用自動変速機において、
    前記シフトドラム(85)が前記変速段のギヤ列(G1〜G6)を非確立とするニュートラル状態にあるときに、前記奇数変速段のギヤ列(G1,G3,G5)の隣り合うギヤ列(G3,G5)に対応した2つのシフトフォーク(78,79)を、該隣り合うギヤ列(G3,G5)を同時に確立し得る位置に駆動してパーキングロック状態を得ることを可能としたパーキングドラム(105)を備え
    前記パーキングドラム(105)は、前記2つのシフトフォーク(78,79)に係合しつつ前記シフトドラム(85)の軸線まわりに相対回動することを可能として前記シフトドラム(85)の外周を同軸に囲繞すると共に、該シフトドラム(85)の軸線と直交する方向で前記奇数変速段のギヤ列(G1,G3,G5)と前記パーキングドラム(105)とが重なるよう配置されることを特徴とする車両用自動変速機におけるパーキングロック機構。
  2. 前記奇数変速段のギヤ列(G1,G3,G5)の前記隣り合うギヤ列(G3,G5)には、各々のギヤ列を確立するためのシフタ(74,75)が各ギヤ列を構成するギヤ(63,66)と一体に各々設けられ、前記パーキングドラム(105)には、前記各々のシフタ(74,75)が移動することで前記隣り合うギヤ列を同時に確立するように、前記2つのシフトフォーク(78,79)が係合されることを特徴とする請求項1記載の車両用自動変速機におけるパーキングロック機構。
  3. 前記2つのシフトフォーク(78,79)は、前記第1入力軸(44)の前記突出部に支承されるシフタ(75)を保持する第1のシフトフォーク(79)と、前記出力軸(46)に支承されるシフタ(74)を保持する第2のシフトフォーク(78)とで構成され、これら第1,第2のシフトフォーク(78,79)は、それらの一部が前記シフトドラム(85)の軸線と直交する方向で重なることを特徴とする請求項1または2記載の車両用自動変速機におけるパーキングロック機構。
  4. 前記シフトドラム(85)の外周面には、該シフトドラム(85)の回動に応じて前記シフトフォーク(78,79,80,81)を軸方向にスライドさせるリード溝(86,87,88,89)が設けられ、これらのリード溝(86,87,88,89)にはギヤ列確立部(86a,86b,87b,88b,89a,89b)が各々設けられるとともに、前記2つのシフトフォーク(78,79)をスライドさせるリード溝(86,87)には、前記隣り合うギヤ列(G3,G5)を同時に確立する位置に前記2つのシフトフォーク(78,79)を移動させるための逃げ部(86e,87c)が形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両用自動変速機におけるパーキングロック機構。
  5. 記動力源がエンジン(E)であり、該エンジン(E)のクランクケース(19)に両持ち支持された前記シフトドラム(85)の一端部に、前記パーキングドラム(105)が片持ち支持されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車両用自動変速機におけるパーキングロック機構。
  6. 記アクチュエータ(96)が、前記パーキングドラム(105)が配置される側とは反対側で前記シフトドラム(85)の端部に連動、連結されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車両用自動変速機におけるパーキングロック機構。
  7. 記パーキングドラム(105)に、電動アクチュエータ(115)が連動、連結されることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の車両用自動変速機におけるパーキングロック機構。
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