JP5362947B2 - 固体高分子電解質膜および燃料電池 - Google Patents

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Description

この発明は、固体高分子電解質膜およびその製造方法に関する。
固体高分子電解質膜は、例えば、固体高分子型燃料電池における電解質層を構成する部材として知られている。固体高分子電解質膜は、湿潤状態でプロトン伝導性を示すが、湿潤状態である膨潤時と、乾燥状態である収縮時とでは、大きく寸法が変化する。そのため、燃料電池の発電と停止を繰り返す場合などに固体高分子電解質膜の膨張・収縮が繰り返されると、固体高分子電解質膜の劣化が進行し、強度が低下するという問題があった。このような固体高分子電解質膜の耐久性を向上させるために、固体高分子電解質膜中に、固体高分子電解質膜と平行な補強層を設ける構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。ここでは、固体高分子電解質膜中に、樹脂で構成されて孔を有する補強層を設けることによって、固体高分子電解質膜の寸法安定性および機械的強度の向上を図っている。
特開2005−285757号公報 特開2003−132907号公報 特開2005−243292号公報 特開2003−82488号公報
しかしながら、固体高分子電解質膜の膜面に平行に補強層を配置する場合には、配置した補強層が、膜厚方向に略直進するプロトンの移動を抑制し、固体高分子電解質膜におけるプロトン伝導性が低下する可能性があった。固体高分子電解質膜におけるプロトン伝導性をより高めるには、固体高分子電解質膜の膜厚を薄くすればよいが、膜厚を薄くすると、補強層を設けたにもかかわらず強度の確保がかえって困難になってしまう場合がある。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、プロトン伝導性の低下を抑えつつ、固体高分子電解質膜の強度を確保することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の固体高分子電解質膜は、
プロトン伝導性を有する固体高分子電解質によって形成される電解質膜基部と、
前記電解質膜基部を構成する前記固体高分子電解質よりも吸湿および乾燥に伴う伸縮が少ない材料により構成され、前記固体高分子電解質膜内で2〜30μmの幅にて線状に配置されると共に、前記固体高分子電解質膜の外周を成す4辺に沿って、各々の辺の内側部分に形成されている補強部と
を備えることを要旨とする。
以上のように構成された本発明の固体高分子電解質によれば、電解質膜基部を構成する固体高分子電解質よりも吸湿および乾燥に伴う伸縮が少ない材料から成る補強部を備えるため、固体高分子電解質膜の使用条件が、電解質膜の膨張・収縮を繰り返す条件であっても、電解質膜の膨張・収縮を抑えて電解質膜の強度を保ち、電解質膜の損傷を抑制することができる。さらに、このとき、補強部が、電解質膜内で線状に配置されるため、電解質膜における膜厚方向に略平行なプロトンの移動が補強部によって妨げられることがない。そのため、補強部を設けることに起因する電解質膜の性能低下を低く抑えることができる。さらに、このような構成とすれば、外周に沿って設けた補強部の方向について、固体高分子電解質膜の変形を抑える効果を高めることができる。また、このように固体高分子電解質膜の外周に沿って補強部を設けることで、固体高分子電解質膜の中央近傍の領域におけるプロトン伝導性の低下を抑えることができる。
本発明の固体高分子電解質膜において、前記補強部は、前記固体高分子電解質膜の表面にまで達して形成されていることとしても良い。
このような構成とすれば、電解質膜における膜厚方向のプロトンの移動が補強部によって妨げられることなく、電解質膜の強度を向上させる効果を高めることができる。また、電解質膜の膜厚方向全体にわたって、電解質膜の強度を高める効果を得ることができる。
あるいは、本発明の固体高分子電解質膜において、前記補強部は、前記固体高分子電解質膜の表面を除く前記固体高分子電解質膜の内部に形成されていることとしても良い。
このような構成とすれば、固体高分子電解質膜の表面では、補強部が形成されることなく固体高分子電解質から成る層が形成されるため、固体高分子電解質膜と、この電解質膜に接する部材との間のプロトンの受け渡しの効率を確保することができる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、固体高分子電解質膜を備える固体高分子型燃料電池などの形態で実現することが可能である。
次に、本発明の実施の形態を以下の順序で説明する。
A.第1の参考例の電解質膜10の構成:
B.電解質膜10の製造方法:
C.第2の参考例
D.実施例:
E.変形例:
A.第1の参考例の電解質膜10の構成:
図1は、本発明の第1の参考例の電解質膜10の概略構成を表わす斜視図である。電解質膜10は、膜状部材であって、電解質膜基部12と、補強部14とを備えている。電解質膜基部12は、電解質膜10の基盤を成して全体として膜状に形成されており、プロトン伝導性を有する固体高分子電解質によって形成されている。より具体的には、電解質膜基部12は、例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸を備えるフッ素系樹脂によって形成することができる。
補強部14は、電解質膜10内において、電解質膜10の面に対して互いに平行な複数の線状に設けられると共に、電解質膜10の厚み方向と略同一の方向の厚みを有し、電解質膜基部12を構成する固体高分子電解質よりも吸湿および乾燥に伴う伸縮が少ない材料によって形成されている。より具体的には、補強部14は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂や、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド、ポリプロピレン等の樹脂によって形成することができる。電解質膜10の使用環境中で充分に安定であり、導電性を有しない材料であれば、補強部14の構成材料として用いることができる。本参考例では、補強部14は、多孔質なPTFEによって形成している。
電解質膜10の厚みは、例えば、30〜50μmとすることができる。また、電解質膜10内に設けられた各補強部14の幅A(図1参照)は、例えば2〜30μmとすることができ、各補強部14間の距離B(図1参照)は、例えば50〜1000μmとすることができる。各補強部14の幅を太くするほど、電解質膜10の強度を向上させることができるが、電解質膜10全体としてのプロトン伝導性は抑制される。また、補強部14間の距離を長くするほど、電解質膜10全体としてのプロトン伝導性の低下は抑えられるが、電解質膜10の強度を強める効果は小さくなる。補強部14を設けることによる電解質膜10の強度向上の効果と、プロトン伝導性の抑制の影響とを考慮して、各補強部14の幅および各補強部14間の距離を適宜設定すればよい。
B.電解質膜10の製造方法:
電解質膜10は、例えば、キャスト法あるいはダイコート法によって形成することができる。その際には、まず、キャスト法あるいはダイコート法による成膜を行なう基板上に、形成すべき補強部14の幅、高さ、および間隔を有する複数の線状となるように、既述した構成材料を用いて補強部14を形成する。補強部14を形成する際には、補強部14の構成材料である樹脂を、軟化・溶融させて基板上に所定のストライプ形状に配置し、その後、樹脂を硬化させる処理を施せばよい。所望の幅および高さを有する線状の補強部14を形成するには、軟化・溶融させた樹脂材料の粘度を調製すると共に、樹脂材料の粘度および形成すべき補強部14の幅および高さに応じた開口部形状を有するノズルを用いて、軟化・溶融させた樹脂材料を基板上に吐出させればよい。そして、この補強部14を形成した基板を、キャスト法あるいはダイコート法による成膜の工程に供すればよい。
図2は、固体高分子電解質を所定の分散媒中に分散させた電解質液を、補強部14を形成した基板上に塗布あるいは吹きつけるキャスト法による成膜の様子を表わす説明図である。また、図3は、固体高分子電解質を所定の溶媒と混合して作製した電解質スラリを、補強部14を形成した基板上に、膜厚に対応する所定の間隔を有するスリット状のノズルから吐出して塗布するダイコート法による成膜の様子を表わす説明図である。
以上のように構成された第1の参考例の電解質膜10によれば、内部に、電解質膜基部12を構成する固体高分子電解質よりも吸湿および乾燥に伴う伸縮が少ない材料から成る補強部14を備えるため、電解質膜10の使用条件が、電解質膜10の膨張・収縮を繰り返す条件であっても、電解質膜の膨張・収縮を抑えて電解質膜の強度を保ち、電解質膜の損傷を抑制することができる。さらに、このとき、補強部14が、電解質膜10の面に対して線状に配置されると共に、電解質膜10の厚み方向と略同一の方向にわたって形成されるため、電解質膜10における膜厚方向に略平行なプロトンの移動が補強部14によって妨げられることがない。そのため、補強部14を設けることに起因する電解質膜10の性能低下を低く抑えることができる。
また、第1の参考例の電解質膜10によれば、電解質膜10全体にわたって、互いに略平行な複数の線状に補強部14を設けているため、電解質膜10全体で、偏り無く強度を維持することができる。このとき、特に、線状に形成された補強部14の長手方向について、電解質膜10の変形を抑える効果が高くなる。そのため、例えば電解質膜10の製造方法等に起因して電解質膜10の特定の方向について変形が大きくなる場合には、この変形が大きくなる方向が補強部14の長手方向となるように、予め補強部14を形成することが望ましい。
なお、第1の参考例の電解質膜10において、補強部14をPTFEにより形成する場合には、容易に多孔質な補強部14を形成することができる。このように、補強部14を多孔質体により形成する場合には、補強部14内に形成される微細な細孔内に電解質が入り込み、補強部14内においてもある程度のプロトンが移動可能になる。そのため、補強部14を設けることに起因する電解質膜10のプロトン伝導性の低下を抑えることができる。補強部14を、他種の樹脂により形成する場合であっても、補強部14を多孔質に形成することにより、同様の効果が得られる。
第1の参考例の電解質膜10は、例えば、固体高分子型燃料電池における電解質層として用いることができる。図4は、電解質膜10を電解質層として用いた固体高分子型燃料電池の一例として、単セル20の概略構成を表わす断面模式図である。単セル20は、第1の参考例の電解質膜10と、アノード電極21、カソード電極22、ガス拡散層23,24、セパレータ25,26によって構成されている。
アノード電極21およびカソード電極22は、電解質膜10上に形成されると共に、電気化学反応を促進する触媒金属を備える層である。ガス拡散層23,24は、ガス透過性および電子伝導性を有する部材によって構成される層である。セパレータ25,26は、ガス不透過の導電性部材によって形成される部材である。セパレータ25,26は、その表面に、単セル内のガス流路を形成するための凹凸形状を有しており、セパレータ25とガス拡散層23との間には、水素を含有する燃料ガスが通過する単セル内燃料ガス流路27が形成され、セパレータ26とガス拡散層24との間には、酸素を含有する酸化ガスが通過する単セル内酸化ガス流路28が形成される。
このように、第1の参考例の電解質膜10を電解質層として用いる燃料電池によれば、燃料電池の発電と停止を繰り返す場合であっても、電解質膜の膨張・収縮に起因する電解質膜の劣化を抑え、燃料電池の耐久性を向上させることができる。
C.第2の参考例
第1の参考例の電解質膜10では、補強部14は、電解質膜10の膜厚方向に貫通して設けられているが、異なる構成としても良い。電解質膜の厚み方向と略同一の方向にわたって形成される補強部を、電解質膜の表面を除く電解質膜の内部に形成した電解質膜110を、第2の参考例として以下に説明する。 図5(A)は、図1に示す第1の参考例の電解質膜10における5−5断面の様子を表わす説明図であり、図5(B)は、図5(A)と同様の断面模式図によって電解質膜110を表わした説明図である。なお、図5(B)に示す電解質膜110において、電解質膜10と共通する部分には同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。
図5(B)に示すように、電解質膜110は、その両方の表面において、補強部14が形成されること無く電解質から成る層を備えるため、電解質膜110の表面では、プロトンの移動が妨げられることがない。したがって、例えば電解質膜110を燃料電池(図4参照)の電解質層として用いる場合には、電解質層と電極(アノード電極21およびカソード電極22)との間のプロトンの受け渡しが、補強部14によって妨げられることが無く、補強部14に起因する電池性能の低下を抑えることができる。なお、第2の参考例における補強部14の膜厚方向の長さは、補強部14を膜厚方向に長く形成することによって電解質膜110の強度を向上させる効果と、電解質膜110の表面に電解質から成る層を形成することによってプロトンの移動を確保する効果とを考慮して、設定すればよい。図5(B)に示したように、電解質膜の膜厚方向にわたって、すなわち、補強部14の断面形状において電解質膜の膜厚方向が長手方向となるように、あるいは、電解質膜110表面の近傍にまで、補強部14を形成するならば、電解質膜の強度を高める効果を向上させることができる。
電解質膜110を、例えば図2に示したキャスト法あるいは図3に示したダイコート法により作製する場合には、予め基板上に補強部14を形成する際に、最終的に作製すべき電解質膜110の膜厚よりも薄く、補強部14を形成すればよい。その後、補強部14の高さよりも厚く電解質の層を形成すれば、一方の表面には電解質の層が形成された電解質膜を得ることができる。その後、電解質膜を基板から剥離し、剥離面上に電解質の層をさらに形成すれば、両面に電解質の層が形成された電解質膜110を得ることができる。電解質膜の表面に形成する電解質の層の厚さは、補強部14による電解質膜の強度向上の効果と、電解質膜表面におけるプロトンの移動性の確保とのバランスを考慮して適宜設定すれば良く、例えば、2〜5μmとすることができる。なお、電解質膜において、一方の表面のみに電解質の層を設けることとしても良く、この場合には、電解質の層を設けた側の表面において、プロトンの移動性の低下を抑制することができる。
.実施例:
第1および第2の参考例では、補強部14は、略一定の幅A、略一定の間隔Bを有するように形成された互いに略平行な線状としたが、異なる形状の補強部を設けても良い。互いに平行ではない直線状あるいは曲線状としても良く、固体高分子電解質膜の面に対して線状に形成されると共に、線状に形成された各補強部が、電解質膜の厚み方向と略同一方向にわたって形成されているならば、参考例と同様の効果を得ることができる。
例えば、固体高分子電解質膜の使用条件によって、膜面の中で特に強度が必要とされる領域が存在する場合には、そのような領域において幅Aをより大きくする、および/または間隔Bをより狭くすることとしても良い。これにより、電解質膜において、強度が必要とされる領域の強度を高めると共に、電解質膜全体では、補強部を設けることに起因するプロトン伝導性の低下を抑えることができる。
あるいは、補強部を、電解質膜の外周部に沿って設けても良い。図6は、補強部214を固体高分子電解質膜の外周に沿って設けた本発明の実施例である電解質膜210の概略構成を表わす斜視図である。電解質膜210は、その外周を成す4辺に沿って、各々の辺の内側部分に、膜厚方向に貫通して設けられた補強部214を備えている。このような電解質膜210を作製するには、例えば、基板上の所定の位置に、四角形状を有する線状の補強部214を予め形成しておき、補強部214を形成した基板を用いて、第1の参考例と同様に、キャスト法あるいはダイコート法により電解質から成る層(電解質膜基部12)を形成すれば良い。ダイコート法により電解質膜210を作製する場合には、基板上に、連続して補強部214を形成しておき、電解質の層を形成した後に、所定の位置で切断を行なうことで、図6に示す形状の電解質膜210を得ることができる。このような電解質膜210によれば、電解質膜210の外周に沿って補強部214が形成されているため、縦横いずれの方向についても、電解質膜210の膨張・収縮による変形を抑えることができる。また、電解質膜210によれば、中央近傍の領域においては、補強部214を設けることによるプロトン伝導性の低下が生じない。なお、補強部は、電解質膜の外周を成す4辺すべてに沿って設ける必要はなく、外周の少なくとも一部、例えば対向する2辺に沿って設けるならば、補強部を設けた範囲において、電解質膜の強度を高める効果を得ることができる。
また、補強部を、互いに略平行な複数の線状に形成する構成に代えて、格子状に形成しても良い。図7は、格子状の補強部314を備える電解質膜310の概略構成を表わす斜視図である。このような電解質膜310を作製するには、例えば、基板上の所定の位置に、格子状の補強部314を予め形成しておき、補強部314を形成した基板を用いて、第1の参考例と同様に、キャスト法あるいはダイコート法により電解質から成る層(電解質膜基部12)を形成すればよい。例えばスクリーン印刷法を用いれば、全体として略一定の高さを有すると共に、充分に幅の細い格子状の補強部314を、容易に形成することができる。このような電解質膜310によれば、格子状の補強部314を備えることにより、縦横いずれの方向についても、電解質膜310の膨張・収縮による変形を抑えることができる。
E.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
E1.変形例
本発明の電解質膜を作製する際には、電解質膜基部を形成する成膜の際に、溶剤に分散させた固体高分子電解質あるいは溶融させた固体高分子電解質を用いる他、電解質の前駆体である樹脂の分散液あるいは溶融液を用いて成膜を行ない、成膜後にスルホン酸基などのイオン交換基を導入しても良い。このような構成としても、実施例および参考例と同様の固体高分子電解質膜を製造することができる。
E2.変形例
施例および参考例では、固体高分子電解質膜は、フッ素系の樹脂から成ることとしたが、異なる構成としても良い。例えば、炭化水素系の固体高分子によって固体高分子電解質膜を形成しても良い。電解質膜の動作時および停止時、例えば、電解質膜を燃料電池の電解質層として用いる場合には、この固体高分子型燃料電池の発電時および停止時に、湿潤状態と乾燥状態との間で変化して電解質膜が伸縮しても、本発明を適用することにより、同様の効果が得られる。
第1の参考例の電解質膜10の概略構成を表わす斜視図である。 キャスト法による成膜の様子を表わす説明図である。 ダイコート法による成膜の様子を表わす説明図である。 単セル20の概略構成を表わす断面模式図である。 電解質膜の断面の様子を表わす説明図である。 電解質膜210の概略構成を表わす斜視図である。 電解質膜310の概略構成を表わす斜視図である。
符号の説明
10,110,210,310…電解質膜
12…電解質膜基部
14,214,314…補強部
20…単セル
21…アノード電極
22…カソード電極
23,24…ガス拡散層
25,26…セパレータ
27…単セル内燃料ガス流路
28…単セル内酸化ガス流路

Claims (4)

  1. 固体高分子電解質膜であって、
    プロトン伝導性を有する固体高分子電解質によって形成される電解質膜基部と、
    前記電解質膜基部を構成する前記固体高分子電解質よりも吸湿および乾燥に伴う伸縮が少ない材料により構成され、前記固体高分子電解質膜内で2〜30μmの幅にて線状に配置されると共に、前記固体高分子電解質膜の外周を成す4辺に沿って、各々の辺の内側部分に形成されている補強部と
    を備える固体高分子電解質膜。
  2. 請求項1記載の固体高分子電解質膜であって、
    前記補強部は、前記固体高分子電解質膜の表面にまで達して形成されている
    固体高分子電解質膜。
  3. 請求項1記載の固体高分子電解質膜であって、
    前記補強部は、前記固体高分子電解質膜の表面を除く前記固体高分子電解質膜の内部に形成されている
    固体高分子電解質膜。
  4. 固体高分子型燃料電池であって、
    電解質層として、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の固体高分子電解質膜を備える
    燃料電池。
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