JP5362825B2 - 溶接部の加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼、これを用いた溶接鋼管及びその製造方法 - Google Patents

溶接部の加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼、これを用いた溶接鋼管及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、溶接部の加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼、これを用いた溶接鋼管及びその溶接鋼管の製造方法に関し、より詳細には、鋼材の組成成分及び溶接入熱量を適切に制御することで、造管直後に発生する溶接部における軟化現象を防止し、加工性に優れたフェライト系ステンレス溶接鋼管に関する。
近年、自動車産業では排ガス規制の強化及び軽量化による燃費向上が強く求められており、自動車メーカは排気系部品として既存の鋳物、またはアルミニウムめっき鋼板の代わりに耐食性、耐熱性に優れたフェライト系ステンレス鋼を採用している。
排気系用部品材は、大別して、板材のプレス成形製品とパイプの成形製品で構成され、その多くは溶接によって製造及び組み立てられる。そのため、溶接部の品質特性を確保することは、排気系部品の性能を左右する上で非常に重要な要素とも言える。
排気系の形状は非常に複雑なため、成形中に鋼板または鋼管の一部分に過酷な加工を受ける。フェライト系ステンレス溶接鋼管(高周波溶接、TIG溶接、レーザ溶接などの方法で製造した鋼管)は、溶接部に曲げまたは拡管のような2次加工が適用されると、溶接金属または溶接熱影響部(Heat Affected Zone,HAZ)に溶接割れが発生し、母材の優れた加工性にも関わらず、溶接部の加工性が低下し、その特性を発揮できない場合が多い。このような現象は、加工温度が低い冬季、または加工速度が速いといった条件下で成形すると、より顕著に発生する。
なお、上述したように、環境規制の強化により、排ガスの温度上昇に対する使用鋼材の高温特性を確保すべく、通常は高合金フェライトステンレス鋼が採用されているが、合金量の増加によって、鋼管における溶接部の加工性がさらに低下することが問題として指摘されている。
本研究の対象である耐熱用14Cr系フェライトステンレス鋼に対して、高周波溶接、TIG溶接、レーザ溶接を適用したところ、高周波溶接とTIG溶接の場合には十分な加工特性の確保が困難であった。高周波溶接鋼管の場合、接合部の界面に粗大なTi、Nb系析出物が集積されて、加工中に割れ発生地点として作用し、高温圧接時の塑性変形により溶接部近傍に加工硬化現象が現れ、TIG溶接の場合は、溶接効率が低下することから他の溶接に比べて硬化された溶接部の幅が広く、結晶粒も粗大化され加工性が低下した。
一方、レーザ溶接の場合は、高周波溶接、TIG溶接に比べて低入熱溶接が可能なため、溶接部の幅が狭く、溶接欠陥がないため良好な品質特性が得られた。しかし、高合金フェライトステンレス鋼に対してレーザ造管溶接を適用した場合には、溶接してから一定時間、軟化現象が現れた。これは、造管成形時の素材の加工硬化により、素材の硬度が過度に上昇し、溶接中、一部に軟化現象が起こるためであると推定される。このような溶接部の軟化現象は、一定時間が経過すると時効現象により硬さが回復し、数日後、溶接鋼管を加工するときに良好な品質特性を示すことが分かった。しかし、造管してから数日待機することにより部品の生産が遅れ、さらに、造管溶接後の鋼管の品質検査が困難であると指摘されている。
高温部で使用される代表的な鋼種である高Cr系フェライトステンレス鋼管の加工性を確保するための従来の公知技術は、以下の通りである。
特許文献1では、Nb等を含有した耐熱性フェライトステンレス鋼を電気抵抗溶接(ERW)により造管溶接した後、850〜1000℃の高温で後熱処理を施し、1℃/sec以上で急冷する方法を提示している。また、特許文献2では、Ti、Nbの1種または2種を、重量%でそれぞれ0.1〜0.5%含有するフェライト単相のステンレス溶接鋼管において、溶接部のビッカース硬度Hvと母材部のビッカース硬度Hvとの硬度差ΔHv(=Hv−Hv)が10〜40の範囲内で、溶接部のビード幅Tと母材の厚さTとの比RT(=T/T)を1.05〜1.3とし、成形、溶接後(ERW、GTAW)に長さ方向に0.5〜2.0%の変形量で矯正して、700〜850℃の温度範囲で後熱処理する方法を提示している。しかし、これらは、溶接鋼管の加工硬化を低減させることを目的とする、造管溶接後に焼鈍熱処理を適用する発明としては、溶接鋼管の加工性の向上において効果的であるが、焼鈍熱処理の適用によるコストの上昇、表面の酸化といった問題点がある。
特許文献3では、Ti、Nbを単独または複合で1%以下含有するフェライト系ステンレス鋼をオープンパイプに成形し、対向する面をレーザ溶接する場合、溶接管が矯正ロールを通過するときの温度は、溶接部のビッカース硬度Hvと母材部のビッカース硬度Hvとの硬度差ΔHv(HVW−HV)を10〜80の範囲にするために、150℃以下で且つ素材の耐力が室温耐力の80%以上となる温度域で制御する方法を提供している。この方法は、レーザ造管溶接技術であり、溶接金属部と母材の硬度差を一定水準に確保するために、溶接後150℃以下で素材の耐力が室温耐力の80%以上になる温度域で制御する補正方法であるが、レーザ造管溶接は溶接熱サイクルが他の溶接法に比べて非常に大きく、溶接後の訂正ラインでは室温水準に到達するため、別途の制御が困難であり、本発明で要求する溶接熱影響部の軟化現象にはあまり影響を与えないと判断される。
特許文献4では、フェライトステンレス鋼溶接金属部の結晶粒を微細化する方法であり、第1レーザビームにより貫通溶接し、溶接部の温度が400℃以下になると、該溶接部に低入熱の第2レーザビームを照射して、部分的に溶接する方法を提供する。しかし、2つのレーザビームを用いて溶接金属部の結晶粒を微細化するこの方法は、レーザ溶接機の追加設置によるコストの上昇と溶接熱影響部の軟化という問題の改善にはならないと判断される。
特許文献5では、フェライトステンレス鋼のレーザ造管溶接前に250℃以上に予熱し、内面ビードの突出高さを0.15mm以上に溶接し、溶接部を板厚方向に圧下して加工性を向上させる方法を提供する。しかし、レーザ造管溶接前に250℃以上に予熱し、内面ビードの突出高さを0.15mm以上に溶接し、溶接部を板厚方向に圧下して加工性を向上させるこの方法は、予熱処理機の設置とレーザ溶接が低入熱溶接法であるため、内面ビードの突出高さを安定的に0.15mm以上に確保することは困難である。
耐熱用フェライト系ステンレス鋼の溶接部の加工性を確保するための鋼材製造方法として、公知された技術は以下の通りである。
特許文献6は、耐熱性フェライトステンレス鋼を、ERW鋼管に対して後熱処理を省略することを目的として、C:0.02%以下、Si:0.7〜1.0%、Mn:1.0〜1.5%、Cr:13.5〜15.5、N:0.02%以下、Nb:0.3〜0.6%、Cu:0.02〜0.24%、及びAl:0〜0.03%を含有し、かつ1.45≧Nb+Si、1.35≦Nb+1.2Siの関係を満たす加工用無焼鈍溶接鋼管を提供する。しかし、この発明では、曲げ部の拡管のような深加工用途には十分な加工性の確保が困難なことを確認した。
特許文献7では、ステンレス鋼レーザ溶接部の窒素吸収を防止して加工性を改善することを目的とし、レーザ造管溶接時、溶接線近傍の雰囲気窒素濃度をステンレス鋼のCr濃度[%Cr]、溶融金属の温度T(℃)及び溶接金属の許容窒素量[%N]WMによって決定される[%N]at、log([%N]at)≦2log([%N]WM)−2×(518/T+1.068)−2×(0.046[%Cr]−0.00028[%Cr])で制御する方法を提供する。しかし、実際の造管工程においてそれぞれの工程変数をリアルタイムで制御することは困難である。
特許文献8では、Cr:11〜20%、Nb:0.2〜0.8%含有したフェライトステンレス鋼に、Co、V、Bをそれぞれ、Co:0.01〜0.3%、V:0.01〜0.3%及びB:0.0002〜0.005%の範囲で複合添加して、溶接部の耐2次加工脆性及び高温疲労特性を確保する方法を提供する。しかし、この方法はCo、V、Bを複合添加して溶接部の耐2次加工脆性及び高温疲労特性を確保する方法であるが、曲げ後に、その近傍を再び拡管するような深加工用途には適用が困難であるのが実情である。
日本特許公開第1997−125209号 日本特許公開第2006−193770号 日本特許公開第2000−326079号 日本特許公開第1996−155665号 日本特許公開第1993−277769号 日本特許公開第1999−256286号 日本特許公開第1995−266072号 日本特許公開第2002−80943号
本発明の目的は、溶接部の加工性に優れた耐熱用14Cr系フェライトステンレス鋼を提供することにある。
また、本発明は、レーザ造管溶接を適用する場合、造管直後の溶接部の軟化現象を防止することで、鋼管材の生産性を改善すると共に、過酷な加工条件においても品質を保証できる溶接鋼管及びその溶接鋼管の製造方法を提供する。
本発明は、重量%で、C:0.01%以下、N:0.01%以下、Si:0.8〜1.0%、Mn:0.5%以下、Cr:13.7〜14.3%、Cu:0.1〜0.3%、Nb:0.3〜0.4%、及びTi:0.1〜0.2%、並びに残部Fe及びその他の不可避不純物を含むことを特徴とする、溶接部の加工性に優れたステンレス鋼を提供する。
また、本発明は、重量%で、C:0.01%以下、N:0.01%以下、Si:0.8〜1.0%、Mn:0.5%以下、Cr:13.7〜14.3%、Cu:0.1〜0.3%、Nb:0.3〜0.4%、及びTi:0.1〜0.2%、残部Fe及びその他の不可避不純物を含み、鋼管溶接時、鋼管の硬度比(HAZ/母材)が0.98〜1.05であることを特徴とする、溶接部の加工性に優れたステンレス溶接鋼管を提供する。
また、本発明は、重量%で、C:0.01%以下、N:0.01%以下、Si:0.8〜1.0%、Mn:0.5%以下、Cr:13.7〜14.3%、Cu:0.1〜0.3%、Nb:0.3〜0.4%、及びTi:0.1〜0.2%、残部Fe及びその他の不可避不純物を含むステンレス鋼の溶接鋼管製造時に、保護ガス下で0.86〜1.28kW・min/mの溶接入熱量(出力/速度、kW/m/min)でレーザ溶接する段階を含むことを特徴とする、溶接部の加工性に優れたステンレス溶接鋼管の製造方法を提供する。
本発明のフェライト系ステンレスレーザ溶接鋼管は、鋼材のCu及び(Ti+Nb)/(C+N)を適正水準まで低減し、レーザ溶接の入熱量を制御することで、通常、高合金フェライト系ステンレス溶接鋼管に適用される後熱処理の省略が可能であり、且つ、溶接部の軟化現象を防止できるため、加工品質特性及び生産性の向上に大きく寄与することができる。このような結果は、本発明の対象鋼種である14Cr系のみならず、高Cr、高合金溶接鋼管に対しても同じ方法で改善できるため、活用度の側面で非常に有用である。
レーザ溶接鋼管の偏平試験の模式図である。 レーザ溶接時、工程変数の変化による溶接部の欠陥発生状況を調べた結果である。 鋼材1、3及び8に対してエリクセン試験を行った結果である。
以下、本発明のステンレス鋼について詳細に説明する。
本発明のステンレス鋼は、以下に示す成分範囲を満たす。(以下、重量%)
炭素(C)及び窒素(N)の含量はそれぞれ0.01%以下とする。C、Nは母材及び溶接部の加工性を低下させる元素であるため、可能な限り極少量とすることが好ましいが、製鋼技術上の製造コストの上昇を考慮して、0.01%以下とする。
ケイ素(Si)の含量は0.8〜1.0%とする。Siは高温露出時に耐酸化性を改善するのに有効な元素である。耐酸化性を確保するための最低含有量は0.8%であり、過多に添加すると、鋼材の加工性が低下し、造管時に加工硬化が深化して溶接熱影響部の軟化現象を助長するようになるため、上限は1.0%に限定する。
銅(Cu)の含量は0.1〜0.3%とする。Cuは鋼材の加工性を向上させる元素であるが、過剰に添加すると、溶接前の造管成形工程においてn値(加工硬化指数)を上昇させ、鋼管素材部の加工硬化を深化させ、溶接熱影響部の軟化現象を促進させるため、その適正範囲を0.1〜0.3%に限定する。
クロム(Cr)の含量は13.7〜14.3%とする。Crは耐食性と耐酸化性を保証するために13.7%以上を必要とするが、Cr含量が増加するほどコスト上昇を招くため、その上限は14.3%とする。
チタニウム(Ti)の含量は0.1〜0.2%とし、ニオブ(Nb)の含量は0.3〜0.4%とする。TiとNbは鋼材加工性、高温強度及び高温熱疲労特性を向上させる元素であるが、Ti、Nbを上限以上に添加すると、固溶Nb、Ti量の増加により加工性が悪化するという問題がある。したがって、Tiの含量は0.1〜0.2%、Nbの含量は0.3〜0.4%とする。
残部は、Fe及び不可避不純物を含む。
本発明のステンレス鋼は、0.982≦1.55−0.847Cu−0.00899(Ti+Nb)/(C+N)≦1.05を満たす。上記式において下限値及び上限値は溶接鋼管の硬度比(HAZ/母材)を示す。本発明では、14Cr系フェライトステンレスレーザ溶接鋼管に対して硬度分布を測定し、加工性を評価した結果、溶接鋼管の硬度比と加工性が密接な関係にあることが明らかになった。即ち、硬度比が0.982以下であると、溶接熱影響部(HAZ)の硬度値が母材より低下するという軟化現象により、加工中に割れが発生する。また、硬度比が1.05以上であると、溶接部が硬化されることにより加工性が低下する。
また、鋼材に含有された成分元素と溶接鋼管の硬度比を、回帰式を用いて検討した結果、Cu及び(Ti+Nb)/(C+N)が支配的な因子であることが分かり、特に、Cuの影響が顕著なことが分かった。Cu、Ti、Nbのような元素はフェライト内の固溶強化元素であり、造管溶接工程で素材の成形時、素材の加工硬化を促進するため、その添加量を下向きに制御する必要がある。
以下、本発明の溶接鋼管について詳細に説明する。
本発明の溶接鋼管は、上記のように重量%で、C:0.01%以下、N:0.01%以下、Si:0.8〜1.0%、Mn:0.5%以下、Cr:13.7〜14.3%、Cu:0.1〜0.3%、Nb:0.3〜0.4%、及びTi:0.1〜0.2%、並びに残部Fe及びその他の不可避不純物を含む。
また、本発明の溶接鋼管は、0.982≦1.55−0.847Cu−0.00899(Ti+Nb)/(C+N)≦1.05を満たす。
本発明の溶接鋼管は、鋼管の硬度比(HAZ/母材)が0.98〜1.05の値を有する。硬度比は、造管溶接してから1時間経過した時点で測定した値であって、初期の溶接熱影響部の軟化現象を防止するために下限値0.98を設定し、上限値1.05は溶接熱影響部が母材に比べてやや硬化されたことを意味し、それ以上を超過すると、溶接部が過度に硬化するようになって鋼管成形時に溶接部の脆性割れが発生する可能性がある。
以下、レーザ溶接鋼管の製造方法について詳細に説明する。
本発明の溶接鋼管を製造するために、重量%で、C:0.01%以下、N:0.01%以下、Si:0.8〜1.0%、Mn:0.5%以下、Cr:13.7〜14.3%、Cu:0.1〜0.3%、Nb:0.3〜0.4%、及びTi:0.1〜0.2%、残部Fe及びその他の不可避不純物を含むステンレス鋼を溶接入熱量(出力/速度,kW/m/min)0.86〜1.28kW・min/mでレーザ溶接する。溶接入熱量は、レーザ出力と溶接速度で制御される。溶接入熱量が少ない場合は貫通溶接が困難であり、溶接入熱量が過多に適用される場合は、溶接部のビード垂れ現象が発生し、ビードの上部にはアンダーフィル(underfill)が、下部にはビード突出量が増加するため、鋼管の形状矯正及び成形性の確保が困難になる。本発明では、鋼管において母材を中心に溶接部が垂れた長さとビードの下部の突出長さを−0.15〜0.25mmの範囲内になるように、鋼材の溶接入熱量を0.86〜1.28kW・min/mに限定する。
本発明では、上記レーザ溶接において、ビードの上部と下部の両方に、保護ガス(Shielding Gas)として不活性ガスを使用する。保護ガスは、溶接中の外部空気からの不純物の混入を防止するのに有効である。レーザ溶接時には、溶融金属の温度が一般のアーク溶接に比べて非常に高いため、空気中の窒素及び酸素が混入しやすい。そのため、ビードの上部と下部の両方に保護ガス処理を行わないと、混入された窒素と酸素により溶接部の脆性が高くなる。よって、本発明では、溶接部の脆性を防止するためにビードの上部と下部の両方に保護ガスを使用する。
上記保護ガスは、ビードの上部にHeガスを流速15〜20L/minで投入し、ビードの下部はArガス雰囲気で処理することが好ましい。保護ガスHeの流速が15L/min未満であると、溶接部の表面シールドが不十分なため、外部空気が混入しやすくなり、20L/minを超過して過多に供給すると、溶接中に溶融金属が飛散することにより健全なビード形状を確保しにくくなる。よって、Heガスの流速は15〜20L/minに限定する。ビードの下部はArガス雰囲気の処理で済むため、流速を限定する必要がない。
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。
表1に示すように、Fe−14Cr−0.9Siを基本組成とし、Cu、(Ti+Nb)/(C+N)比をそれぞれ0.16〜0.5%、22.8〜41.8に変更したフェライト系ステンレス鋼8種を溶製し、熱延、焼鈍、冷延、焼鈍の工程を経て厚さ1.5mmのコイルを製造した。本発明の適用例として、鋼材3は、Cuが0.278%、(Ti+Nb)/(C+N)比が37であり、鋼材8は、Cuが0.164%、(Ti+Nb)/(C+N)比が41.8である。
造管工程としては、一般的に排気系用途に適用されている連続ロール成形方式を採用し、成形、レーザ溶接、矯正、切断の工程を経て外径33mmの溶接鋼管を製造した。レーザ溶接は12kWのCOレーザ溶接機を用いて行った。溶接時にはレーザ出力、溶接速度を変更しながら溶接部の欠陥がない最適条件を導出した。保護ガスは、外部空気からの不純物の混入を防止するのに有効であり、レーザ溶接には溶融金属の温度が一般のアーク溶接に比べて非常に高いため、空気中の窒素が混入しやすい。よって、上部は保護ガスとしてHeガスを流速15〜20L/minで投入し、ビードの下部はArガス雰囲気で処理した。
レーザ溶接鋼管は、製造してから1時間経過した時点で、図1に示すように、溶接部を負荷される荷重の方向に垂直において完全に密着する扁平試験を20回ずつそれぞれ実施した後、溶接部における割れの発生有無を観察した。また、上記試験片をマイクロビッカース硬度機を用いて鋼管の溶接部と母材の硬度を測定して硬度比(HAZ/母材)を求めた。硬度の測定は、母材と溶接部を含む領域に対して荷重500g、保持時間10secとして、0.2mmの間隔でそれぞれ3回ずつ測定することによって行われた。
板材のレーザ溶接部の品質特性を確認するためにエリクセン(Erichsen)試験を施した。板材の溶接部の下面にパンチを設け、押し上げながら溶接部の割れ発生地点までの高さを測定してエリクセン値を測定した。エリクセン値が高いほど成形性は良好であった。
図2は、レーザ溶接時の工程変数の変化による溶接部の欠陥発生状況を調べた結果である。レーザ出力の減少及び溶接速度の増加により未貫通領域が拡大し、また、レーザ出力が過多に増加する場合、または溶接速度が減少する場合は、溶接部のビード垂れ現象(underfill)が深化し、良好なビードを確保しにくいことが分かった。図2において、適正溶接範囲を示す直線の勾配から適正溶接入熱量を求めると、その値は0.86〜1.28kW・min/mとなる。
上記表1は、適正溶接条件であるレーザ出力6kW、溶接速度5m/minで8種の鋼種に対して造管溶接を施した後、溶接部の硬度比及び加工性を評価した結果である。造管溶接部の軟化現象を定量的に評価するために、造管溶接してから1時間以内に溶接部の硬度測定及び偏平試験を施した。
溶接鋼管の硬度比において支配的な成分であるCu値が小さい鋼材3と鋼材8の鋼管の場合、造管してから1時間経過した時点では割れが発生せず、その他の鋼材で製造された鋼管の場合には溶接熱影響部で割れが発生した。硬度比は、鋼材3の値が下限値を示し、その値が約0.982以上になると、割れが防止されることが分かった。このような結果を用いて回帰分析を施した結果、次の式を満たすことが分かり、回帰式の信頼度を示すR−Sq(adjusted R square)は80.4%と比較的良好であった。
[式1]
硬度比(HAZ/母材)=1.55−0.847Cu−0.00899(Ti+Nb)/(C+N)
上記式から、Cu、(Ti+Nb)/(C+N)を適正水準まで下向きに調整すると、加工性を十分に確保できると判断される。
図3は、鋼材1、鋼材3、鋼材8に対し、母材及びレーザ出力6kW、溶接速度5m/minで溶接した継手部に対してエリクセン試験を行った結果である。鋼材1の場合、溶接熱影響部で割れが発生し、鋼材3及び鋼材8の場合はそれぞれ溶接金属部で割れが発生した。即ち、鋼材3及び鋼材8は、鋼材1に比べて溶接熱影響部の軟化現象が低減したものと判断される。また、各鋼種に対する溶接部のエリクセン値を比較してみると、鋼材1より鋼材3及び鋼材の溶接部が良好な成形特性を有することが分かった。

Claims (8)

  1. 質量%で、C:0.01%以下、N:0.01%以下、Si:0.8〜1.0%、Mn:0.5%以下、Cr:13.7〜14.3%、Cu:0.1〜0.3%、Nb:0.3〜0.4%、及びTi:0.1〜0.2%、並びに残部Fe及びその他の不可避不純物からなることを特徴とする、溶接部の加工性に優れたステンレス鋼。
  2. 前記ステンレス鋼は、0.982≦1.55−0.847Cu−0.00899(Ti+Nb)/(C+N)≦1.05を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の溶接部の加工性に優れたステンレス鋼。
  3. 質量%で、C:0.01%以下、N:0.01%以下、Si:0.8〜1.0%、Mn:0.5%以下、Cr:13.7〜14.3%、Cu:0.1〜0.3%、Nb:0.3〜0.4%、及びTi:0.1〜0.2%、並びに残部Fe及びその他の不可避不純物からなり
    鋼管溶接時に、鋼管の硬度比(HAZ/母材)が0.98〜1.05であることを特徴とする、溶接部の加工性に優れたステンレス溶接鋼管。
  4. 前記溶接鋼管は、0.982≦1.55−0.847Cu−0.00899(Ti+Nb)/(C+N)≦1.05を満たすことを特徴とする、請求項3に記載の溶接部の加工性に優れた溶接鋼管。
  5. 質量%で、C:0.01%以下、N:0.01%以下、Si:0.8〜1.0%、Mn:0.5%以下、Cr:13.7〜14.3%、Cu:0.1〜0.3%、Nb:0.3〜0.4%、及びTi:0.1〜0.2%、残部Fe及びその他の不可避不純物からなるステンレス鋼の溶接鋼管製造時に、保護ガス下で0.86〜1.28kW・min/mの溶接入熱量(出力/速度、kW/m/min)でレーザ溶接する段階を含むことを特徴とする、溶接部の加工性に優れたステンレス溶接鋼管の製造方法。
  6. 前記ステンレス鋼は、0.982≦1.55−0.847Cu−0.00899(Ti+Nb)/(C+N)≦1.05を満たすことを特徴とする、請求項5に記載の溶接部の加工性に優れたステンレス溶接鋼管の製造方法。
  7. 前記保護ガスとして不活性ガスをビードの上部と下部の両方に使用することを特徴とする、請求項5または6に記載の溶接部の加工性に優れたステンレス溶接鋼管の製造方法。
  8. 前記保護ガスとして、ビードの上部に15〜20L/minの流速でHeガスを投入し、ビードの下部をArガス雰囲気で処理することを特徴とする、請求項7に記載の溶接部の加工性に優れたステンレス溶接鋼管の製造方法。
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