JP5362621B2 - スタータ - Google Patents

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Description

本発明は、アイドリングストップ用のスタータに関する。
一般に、エンジンを始動する場合、エンジンをクランキングするためにスタータの動力をエンジンへ伝達するピニオンを、ソレノイドコイルによって押し出して、ピニオンをエンジンのクランク軸に連結されたリングギヤに噛み込ませて、スタータの動力にてエンジンをクランキングする。アイドリングストップ用のスタータにおいては、車両が一時停止する際、エンジンが停止状態になってから、ピニオンを押し出してリングギヤに噛み込ますようにしている。ここで、運転者は、一時停止をしようとしたが、急に考えを変えて再始動要求を出す場合がある。しかし、エンジン回転が降下中に再始動要求が発生しても、エンジン回転が停止状態になるまで再始動を行えず、再始動を行うまでに時間の遅れが発生してしまう。
このため、特許文献1では、エンジン回転が降下中に再始動要求が発生した際、スタータへ通電してピニオンを空転させ、ピニオンとリングギヤの回転速度を各々検出し、各々の回転が同期する時点でピニオンを押し出してリングギヤに噛み込ますようにして、俊敏にエンジンの再始動を行っている。特許文献2では、スタータ用ワンウェイクラッチのクラッチアウタの筒形外周壁の外周面に凸凹状の信号出力部を形成し、信号検出用のセンサでクランク軸の回転速度を検出している。
特許第4214401号公報 特許第4237150号公報
特許文献1には、ピニオンの回転速度の具体的な検出方法については記載されていない。又、特許文献2のセンサはクランク軸の回転速度を検出するものであり、ピニオンの回転速度を検出するものではない。即ち、従来技術では、アイドリングストップ用のスタータに搭載されるピニオンの回転速度を具体的に検出する方法について考慮されていない、という課題がある。
そこで、本発明の目的は、ピニオンの回転速度を検出することができるアイドリングストップ用のスタータを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の望ましい態様の1つは次の通りである。
本スタータは、スタータの回転駆動力をエンジンのクランク軸のリングギヤに伝達するピニオンと、ピニオンをリングギヤに押し出すアーマチャシャフトと、エンジンの回転駆動力がアーマチャシャフトに伝わらないように、ピニオンとリングギヤの間に配置されたワンウェイクラッチと、ワンウェイクラッチのクラッチアウタの外周面を覆うクラッチカバーと、ピニオンの回転速度を検出する回転速度検出装置と、を備え、回転速度検出装置は、ワンウェイクラッチの外周面に形成された回転速度被検出部と、回転速度被検出部を検出する回転速度検出センサと、を備え、回転速度被検出部は、クラッチカバーの円周上に形成された貫通孔と、貫通孔が形成された円周上に沿って、クラッチアウタの外周面に形成された円周状の溝と、で形成され、回転速度検出センサは、貫通孔及び溝に対向して配置されている。
本発明によれば、ピニオンの回転速度を検出することができるアイドリングストップ用のスタータを提供することができる。
スタータを含むシステムの全体構成図。 スタータの要部を示す一部を破断した要部構成図。 クラッチカバーを示す一部を破断した正面図と、その側面図。 クラッチカバーを外した状態を示すクラッチアウタの正面図。 クラッチアウタとクラッチカバーの要部と回転速度検出センサとの位置関係を示す要部断面図。 クラッチアウタに溝が形成されていない他の実施形態のクラッチアウタとクラッチカバーの要部と回転速度検出センサとの位置関係を示す要部断面図。 クラッチアウタに凹部が形成されている他の実施形態を示し、(a)はクラッチアウタの一部を破断した正面図、(b)はクラッチアウタと回転速度検出センサとの位置関係を示す要部断面図。
以下、一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1〜4において、エンジン1のクランク軸2には、リングギヤ3が取り付けられている。一方、エンジン1を始動するための回転駆動力を発生するスタータ5には、内部にアーマチャ6が回転可能に支持されており、アーマチャシャフト6aの一端にピニオン7が取り付けられている。このピニオン7が、リングギヤ3に係脱可能に噛み合うことによって、スタータ5の回転駆動力をエンジン1に伝達することができる。スタータ5には、ピニオン7の回転速度を検出する回転速度検出センサ8が設置されている。
図1に示されるシステムは、エンジン1、エンジン1のクランク軸2に固定されたリングギヤ3、リングギヤ3に噛み合うピニオン7を備えるスタータ5、スタータ5の電源であるバッテリ4、リレー4a、及び、回転速度検出センサ8とから構成される。又、エンジンを一時自動停止後、自動再始動させるため、更にエンジンの回転速度を検出するためのリングギヤ3の回転速度検出センサ9を含んで構成され、制御装置20が、車両の運転中にエンジンの一時停止が許容される条件が成立した時、エンジンを一時停止させ、再始動条件が成立した時、スタータ5を回転させてエンジン1を再始動させる。
図2において、スタータ5は、直流電動機であり、内蔵するアーマチャ6がバッテリ4からの通電を受けて回転駆動力を発生する。アーマチャ6により発生した回転駆動力は、スタータ5の出力軸であるアーマチャシャフト6aに伝達される。アーマチャシャフト6aとピニオン7との間には、エンジン1が始動した後、エンジン1の回転駆動力がアーマチャシャフト6aに伝わらないように、ワンウェイクラッチ10が配置されている。ワンウェイクラッチ10の外周部の径方向の外側(エンジン1側)から対向する位置に、回転速度検出センサ8が配置されており、ワンウェイクラッチ10の回転信号を検出する。本実施形態では磁気センサが用いられている。
ワンウェイクラッチ10は、ピニオン7と、ローラ11を介して半径方向に対向して同軸上に配置されたクラッチインナ12とクラッチアウタ13とクラッチカバー14を有している。クラッチインナ12はピニオン7と一体に構成されており、エンジン1を始動する際にアーマチャシャフト6aを介して回転駆動される。
ワンウェイクラッチ10は、アーマチャシャフト6aに形成されたスプライン(図示せず)に嵌合され、軸方向に移動可能となっている。ワンウェイクラッチ10は、スタータ5のエンジン1からの連れ廻りを防止する。クラッチアウタ13は、ピニオン7と一体となって回転するクラッチインナ12とワンウェイクラッチ10の機能により、エンジン回転から切り離される。そして、ローラ11は、クラッチインナ12とクラッチアウタ13の間を結合・分離する。クラッチアウタ13の外周面は、クラッチカバー14に覆われ、外嵌されている。
クラッチアウタ13は、アーマチャシャフト6aに嵌合する軸受部13a、軸受部13aの一端から外周方向に延在するディスク部13b、及び、ディスク部13bの外周より水平方向に延在する外周部13cとを備えており、外周部13cの内周面とクラッチインナ12の外周面との間にローラ11が介在されている。この構成により、クラッチアウタ13の一方向の回転はローラ11を介してクラッチインナ12に伝達され、クラッチアウタ13が他方向に回転する時はクラッチインナ12に伝達しない構成となっている。そして、エンジンが始動してリングギヤ3の周回転速度がピニオンの周回転速度を上回る場合は、この回転はスタータ5側に伝達されない。即ち、ワンウェイクラッチ10は一方向の回転のみ伝達し、クラッチアウタ13の回転数とピニオン7の回転数とは同じとなり、他方向の回転はローラがクラッチインナから開放されてフリーの状態となる。
ワンウェイクラッチ10のクラッチカバー14は、薄肉の金属板材から形成され、円筒状の外周面14aと、この外周面に連続して内周側に延在する円板状部14bとを有しており、外周面と円板状部とは直角に折り曲げられている。この円板状部14bは、ワンウェイクラッチ10を構成するローラ11や、ローラに隣接するディスク等の構成部材を包み込んで脱落を防止し、円板状部14bと反対側の外周面の端部14cを内側に折り曲げることでワンウェイクラッチ10を一体化している。
クラッチカバー14の外周面14aには、回転速度を検出するための回転速度被検出部として複数の貫通孔15が貫通して形成されている。この貫通孔は外周面の円周上に等間隔で複数個が形成されている。この貫通孔は、クラッチカバー14がクラッチアウタ13の外周面に密着しているため、クラッチカバー14が薄肉であることから、その深さは浅く、クラッチカバー14の板厚分だけの深さd1となっている。例えば、クラッチカバーを構成する金属板材の厚さが0.5mmの場合は、貫通孔15の深さd1は0.5mmとなる。
クラッチアウタ13の外周面には、クラッチカバー14の貫通孔15に合わせて、同じ円周上に沿って円周状の環状溝16が形成されている。環状溝16の深さは、使用するセンサの性能にもよるが、2〜3mm程度から5mm程度が好ましく、クラッチカバー14とクラッチアウタ13とが一体となった状態では貫通孔15の深さは、クラッチカバーの厚さ分d1と環状溝16の深さ分d2が合計された深さとなる。尚、環状溝の深さは更に深く設定してもよい。
スタータ5の側部にはマグネットスイッチ21が固定されている。マグネットスイッチは、内部のプランジャコイルに通電してプランジャを吸引し、ドライブレバーによってピニオン7を押し出してリングギヤ3に噛み合わせる構成となっている。従って、リングギヤ3にピニオン7を噛み合わせてスタータ5を回転させることでエンジンを始動できる。
制御装置20は、ワンウェイクラッチ10の外周に位置している回転速度検出センサ8からの信号線8a、及び、リングギヤ3の回転速度を検出する回転速度検出センサ9からの信号線9aに接続されている。又、制御装置20の駆動部(DRV)から、リレー4aへ電源を供給するための電源線5aと、マグネットスイッチ21に電源を供給するための電源線21aが接続されている。
次に、本実施形態のスタータ5の動作について説明する。エンジン1を始動する時は、制御装置20からの信号によりマグネットスイッチ21に電源が供給され、プランジャが吸引されてドライブレバーがピニオン7を押し出してリングギヤ3に噛み合わせ、リレー4aを介しバッテリ4からスタータ5に電源が供給されて回転し、この回転でリングギヤ3を回転させてエンジン1を始動する。エンジンが始動すると、リングギヤ3の回転はワンウェイクラッチ10でスタータ5側へ伝達されず、スタータ5への電源供給は停止される。
次に、回転速度検出センサ8、及び回転速度検出センサ9で検出される回転速度を使用する例について、以下に説明する。制御装置20は、車両の運転中に交差点等で停止した時等、エンジンの一時停止が許容される条件が成立した時、エンジン1を一時停止させ、再始動条件が成立した時、スタータ5を回転させてエンジンを再始動させることができる。
制御装置20は、エンジン1のクランク軸2に連結された回転速度検出センサ9で検出された回転速度と、スタータ5に連動するピニオン7の回転速度を検出する回転速度検出センサ8で検出された回転速度とを比較して、例えば、スタータ5を回転させてピニオン7とリングギヤ3の周速度が略一致した時にピニオン7とリングギヤ3とを噛み合わせてエンジン1を始動する。
車両を運転中に、交差点等で停止した時、エンジン1はアイドリング運転状態となる。この状態でエンジン停止の条件が整った時、例えば所定時間が経過した時にはエンジン1は停止され、燃料消費を低減する。このような車両の停止中に、エンジン再始動の条件が整った時にはエンジン1は再始動される。エンジンの一時停止と、再始動については、制御装置20が行う。再始動要求がありエンジン再始動する際に、エンジンの回転速度が降下中であっても、ピニオン7の周速度とリングギヤ3の周速度が略一致しているため、ギヤの噛み合い時の異音や噛み合いの不具合を起こすことなく迅速に再始動することができる。
又、ピニオン7の周速度とリングギヤ3の周速度が一致していなくても、エンジン停止中の回転速度の降下分を予測し、予測された回転速度でピニオン7をリングギヤ3に噛み合わせることで迅速に再始動を実行することができる。更に、リングギヤ3の回転速度の降下と、始動時のスタータのピニオン7の回転速度の上昇を予測して、リングギヤにピニオンを噛み合わせることも可能となる。
本実施形態の信号検出用の貫通孔15は、図5に示されるように、貫通孔15の底面の深さがd2と深く形成されており、回転速度検出センサ8からクラッチカバー14の外周部までの距離をL1とし、回転速度検出センサ8からクラッチアウタ13の外周部までの距離をL2とし、回転速度検出センサ8からクラッチアウタ13の環状溝16の底面までの距離をL3とすると、L1<L2<L3となる。
回転速度検出センサ8に磁気センサを用いる場合、信号検出はL1とL3で行われ、クラッチアウタ13の外周部に形成された環状溝16が無い場合の信号検出L1とL2に比べて、大幅に安定した信号検出が可能となる。又、貫通孔15の深さを深くして信号を安定させるための環状溝16はクラッチアウタ13の外周面に円周方向に形成するので、クラッチアウタの成型時に同時に形成することができ、簡単な構成で軽量化も図ることができる。
尚、クラッチカバー14に貫通孔を設けずに、一旦クラッチアウタ13の外周部にクラッチカバー14を覆い被せた後、ポンチ等で環状溝16の上部に位置するクラッチカバー14の部分を環状溝16内部に押し付けて、クラッチカバー14上に凹部を設けることで、当該凹部を回転速度被検出部としてもよい。
制御装置20はピニオン7を回転させ、回転速度検出センサ8で検出されたピニオン7の回転速度から周速度を求め、回転速度検出センサ9で検出されたリングギヤ3の回転速度から周速度を求め、ピニオン7の周速度とリングギヤ3の周速度が一致した時、マグネットスイッチ21を作動させてピニオン7を軸方向に移動してピニオン7とリングギヤ7とを噛み合わせる。2つのギヤは互いに周速度が同じであるため、異音等が発生することなく、滑らかに噛み合い、エンジン1の迅速な始動が可能となる。
他の実施形態を図6に基づき詳細に説明する。図6はスタータの他の実施形態の要部を示す断面図である。尚、この実施形態は前記した実施形態に対し、回転速度検出センサで回転速度を検出する回転速度被検出部が貫通孔だけであることを特徴とする。そして、他の実質的に同等の構成については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
この実施形態では、ワンウェイクラッチ10Aは、クラッチアウタ13Aの外周面に環状溝が形成されない構成となっている。クラッチカバー14Aの材質をメッキ鋼板などの表面が光沢面である材料とすることで、外周部は光を反射することができる。そして、クラッチアウタ13Aは表面が暗色処理されている。具体的には、クラッチアウタ13Aはワンウェイクラッチ10Aの剛性上から熱処理を行う結果、クラッチアウタ13Aの外周部は光を反射しにくい黒い色となる。そして、この実施形態では、回転速度検出センサ8Aは光学式センサが用いられる。
この結果、クラッチアウタ13Aに形成された貫通孔の深さを増やすための溝が形成されず、回転速度検出センサ8Aとクラッチカバー14Aとの間隔L4と、回転速度検出センサ8Aとクラッチアウタ13Aとの間隔L5との間隔に大きな差がなくても、回転速度検出センサ8Aに光学式センサを用いる場合、光を反射させるための追加部材を用いることなく、安定した信号検出が可能となる。
尚、光沢処理されたクラッチカバー14Aと暗色処理されたクラッチアウタ13Aで安定した信号を得ることができる例を示したが、クラッチカバーを白色等の明色処理しておき、クラッチカバーの貫通孔から露出するクラッチアウタの表面を暗色処理しておき、明暗を強調することで得られる信号を安定化させることもできる。
更に他の実施形態を図7に基づき詳細に説明する。図7はスタータの更に他の実施形態を示し、(a)はワンウェイクラッチの一部を破断した正面図、(b)は要部を示す断面図である。尚、この実施形態は前記した実施形態に対し、回転速度検出センサで回転速度を検出する回転速度被検出部が凹部だけである。そして、他の実質的に同等の構成については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
この実施形態では、ワンウェイクラッチ10Bは、クラッチアウタ13Bの外周にクラッチカバーがなく、クラッチアウタの外周面に直接回転速度検出センサ8Bが対向して配置されている。そして、クラッチアウタ13Bの外周面には、円周上に複数の凹部17が等間隔で形成されている。凹部17の深さはd3であり、この深さはクラッチアウタ13Bと回転速度検出センサ8との間隔L6より深く設定されている。
このように構成された本実施形態では、クラッチアウタ13Bが回転すると、外周面の円周上に形成された凹部17と外周面との段差により凹凸が形成され、この凹凸にセンサからの磁力が作用して、凹凸状態がパルスとなって検出される。この凹凸状態の信号は、間隔L6と凹部の深さd3との和L7とにより検出されるため、信号検出のレベルが大きくなって安定した回転速度の信号が得られる。このため、簡単な構成で軽量化でき、迅速なエンジンの始動が可能となる。
尚、上記実施例では、貫通孔又は凹部を回転速度被検出部にするとして説明したが、クラッチカバー上に、非磁性体と磁性体を交互に(好ましくは等間隔に)埋め込み、それらの磁気変化により、磁気センサが回転速度を検出する形態としてもよい。又、クラッチカバー上に明部と暗部を交互に(好ましくは等間隔に)設置し、それらの反射率の変化により、光学センサが回転速度を検出する形態としてもよい。
本実施例によれば、クラッチカバーを有したワンウェイクラッチを装着したスタータであっても、パルサーギヤのような回転速度検出のための回転部材をスタータの回転軸に設ける必要はなくなり、既存の部品構成のまま回転速度検出用の信号を検出できると共に、追加部品を設ける必要がないため、スタータの軸方向寸法を延長することなく、ピニオンの回転速度の検出が可能となる。
又、クラッチカバーの外周部の信号検出部の肉厚のみで検出する場合に比べて、クラッチアウタに所定の深さを有する空間が加わることにより、クラッチカバーの外周部とクラッチアウタの所定の空間の底径までを検出することができ、回転速度の信号検出性能を大幅に向上させることができる。即ち、回転速度の検出を確実に行うことができる。
又、クラッチカバーに光沢処理を行えば、クラッチカバーの反射率が高くなり、貫通孔の内部は暗色で反射率が低くなる。即ち、光学センサを用いれば、明暗の比が大きくなるため信号の振幅が大きくなって安定した回転速度の信号を得ることができる。
又、クラッチカバーは、外周面に連続して内周側に延在する円板状部を有しており、該円板状部は、ワンウェイクラッチを構成する部材を包み込むように形成されている。即ち、ワンウェイクラッチを構成する部材はクラッチカバーの円板状部で包み込まれて保持されるため、簡単な構成でワンウェイクラッチを一体化することができる。
又、ピニオンの回転速度とエンジンの回転速度を比較して、例えば両方の周速度が一致した時にピニオンをリングギヤに噛み合わせてスタータを回転させてエンジンを再始動するため、運転者の要求に沿って迅速に、しかもギヤの噛み合い時に異音を発生することなく、滑らかにエンジンを始動させることができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができる。例えば、前記の実施形態では、回転速度検出センサとして磁気センサの例を示したが、受光素子等を用いた光学式センサや音波等を用いたセンサ等、各種のセンサを用いることができる。
1:エンジン、2:クランク軸、3:リングギヤ、4:バッテリ、4a:リレー、5:スタータ、6:アーマチャ、6a:アーマチャシャフト、7:ピニオン、8,8A:回転速度検出センサ、9:回転速度検出センサ、10,10A,10B:ワンウェイクラッチ、11:ローラ、12:クラッチインナ、13,13A,13B:クラッチアウタ、14,14A:クラッチカバー、14a:外周面、14b:円板状部、14c:端部、15:貫通孔(クラッチカバーの回転速度被検出部)、16:クラッチアウタの外周面の環状溝、17:凹部、20:制御装置、21:マグネットスイッチ、d1:貫通孔の深さ、d2:環状溝の深さ、d3:凹部の深さ

Claims (6)

  1. スタータの回転駆動力をエンジンのクランク軸のリングギヤに伝達するピニオンと、
    前記ピニオンを前記リングギヤに押し出すアーマチャシャフトと、
    前記エンジンの回転駆動力が前記アーマチャシャフトに伝わらないように、前記ピニオンと前記リングギヤの間に配置されたワンウェイクラッチと、
    前記ワンウェイクラッチのクラッチアウタの外周面を覆うクラッチカバーと、
    前記ピニオンの回転速度を検出する回転速度検出装置と、を備え、
    前記回転速度検出装置は、前記ワンウェイクラッチの外周面に形成された回転速度被検出部と、該回転速度被検出部を検出する回転速度検出センサと、を備え
    前記回転速度被検出部は、前記クラッチカバーの円周上に形成された貫通孔と、該貫通孔が形成された円周上に沿って、前記クラッチアウタの外周面に形成された円周状の溝と、で形成され、
    前記回転速度検出センサは、前記貫通孔及び前記溝に対向して配置されている、スタータ。
  2. 前記クラッチカバーは、前記クラッチアウタの外周面を覆う外周面を有し、該外周面に連続して内周側に延在する円板状部を有しており、該円板状部は、前記ワンウェイクラッチを構成する部材を包み込むように形成されている、請求項記載のスタータ。
  3. 前記貫通孔は、前記クラッチカバーの外周面に、その円周上に沿って等間隔に複数個形成されている、請求項1又は2記載のスタータ。
  4. 前記回転速度検出センサが検出した前記ピニオンの回転速度と前記エンジンの回転速度検出センサで検出したエンジンの回転速度とに基づいて、前記ピニオンを前記リングギヤに噛み合わせてエンジンを始動させるべく、前記ピニオンを移動させる制御をする制御装置を更に備える、請求項1乃至何れか一に記載のスタータ。
  5. 前記制御装置は、前記ピニオンの回転速度から求めた周速度と前記リングギヤの回転速度から求めた周速度とが一致した時に、前記ピニオンを移動させる、請求項記載のスタータ。
  6. 前記制御装置は、前記エンジン一時自動停止、該エンジンの前記クランク軸が回転している状態でエンジンを自動再始動する場合、前記スタータを回転駆動させる制御を行った後、前記ピニオンと前記リングギヤの周速度とが一致した時、前記リングギヤに前記ピニオンを噛み合わせるべく、前記ピニオンを移動させる、請求項記載のスタータ。
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