JP5362445B2 - 流体ダンパ装置およびダンパ付き機器 - Google Patents

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Description

本発明は、流体圧を利用した流体ダンパ装置、および当該流体ダンパ装置を備えたダンパ付き機器に関するものである。
近年、洋式便器の便座あるいは便座を開閉するときの利便性を考慮して、便座や便蓋に流体ダンパ装置を機構的に連結したものが案出されている。この種の流体ダンパ装置は、ケーシングの内部に回転軸が配設されているとともに、回転軸とケーシングとの間に形成された密閉空間内にはオイル(粘性流体)が充填されている。このような流体ダンパ装置では、ケーシングの一方側の開口部をカバーに塞ぎ、回転軸においてケーシングから突出している部分を軸状連結部として、洋式トイレの便座などに連結している(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−112538号公報
このように、流体ダンパ装置は、便座などの可動部材に形成された係合穴に軸状連結部を嵌めた状態で機器に搭載される。従って、流体ダンパ装置が搭載される機器毎に、可動部材に形成された係合穴のサイズが相違している場合には、軸状連結部の外径が異なる回転軸を用いて流体ダンパ装置を製作する必要があるため、部品の共通化を図ることができないという問題点がある。
また、オイルが充填されている空間を確実に密閉するという観点からすれば、加わるトルクに耐え得る限度において回転軸の外径が小さい方が好ましい。但し、回転軸の外径を小さくするに伴って軸状連結部の外径が小さくなると、機器の機能や意匠性の面から可動部材を比較的、強度の低い樹脂製とした場合に、軸状連結部が嵌った係合穴が変形してしまい、空回りを起こすという問題点もある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、機器本体側の可動部材において軸状連結部が嵌る係合穴のサイズが相違していても、ケーシング、回転軸、カバーなどの部品の共通化を図ることのできる流体ダンパ装置、および当該流体ダンパ装置を備えたダンパ付き機器を提供することにある。
また、本発明の課題は、機器本体側の可動部材において軸状連結部が嵌る箇所が強度の低い樹脂製である場合でも、係合穴が変形することがない流体ダンパ装置、および当該流体ダンパ装置を備えたダンパ付き機器を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、筒状のケーシングと、該ケーシングの一方側の開口部を塞ぐカバーと、該ケーシング内に軸線周りに回転可能に配置されているとともに、前記カバーを貫通して軸線方向に突出した軸状連結部を備えた回転軸と、該回転軸と前記ケーシングとの間の密閉空間に充填された粘性流体とを有する流体ダンパ装置において、前記軸状連結部において、前記軸線方向で前記カバーから前記ケーシングとは反対側に突出している部分には、当該突出している部分の全体が内周側に嵌る筒部を備えたアダプタ部材が装着されていることを特徴とする。
本発明に係る流体ダンパ装置において、流体ダンパ装置が搭載される機器本体側との連結部とされる回転軸の軸状連結部には、アダプタ部材が取り付けられており、かかるアダプタ部材を介して軸状連結部と、機器本体側の可動部材とが連結される。このため、機器本体の種類などにより可動部材において軸状連結部が嵌る係合穴などのサイズなどが相違している場合でも、かかる係合穴のサイズに対応したアダプタ部材を軸状連結部に取り付ければよいので、軸状連結部自身の外径寸法などを変更する必要がない。それ故、ケーシング、回転軸、カバーなどの部品の共通化を図ることができる。
また、本発明では、前記カバーは、前記ケーシングの一方側端面に被さるフランジ部を備え、当該フランジ部と前記ケーシングの一方側端面とが溶着されている。かかる構成を採用した場合でも、アダプタ部材を取り付ける前の軸状連結部は外径寸法が小さく、溶着個所や接着個所から離れているので、溶着時に溶け出た樹脂屑や接着剤が軸状連結部に付着することがない。
さらに、本発明では、前記フランジ部と前記ケーシングの一方側端面とは超音波溶着されている。かかる構成を採用すると、超音波溶着の場合、カバーのフランジ部をケーシングに向けて押圧する構成となるため、溶着作業中、カバーとケーシングとの間から粘性流体が漏れ出すことがない。かかる超音波溶着作業を行なう際、アダプタ部材を取り付ける前の軸状連結部は外径寸法が小さいので、超音波溶着用のホーンをカバーのフランジ部やケーシングの一方側端面が位置する個所に近づけやすい。
本発明において、前記回転軸は金属製である構成を採用することができる。回転軸が金属製であれば、加わるトルクに耐え得る限度において回転軸の外径を小さくすることができ、回転軸の外径寸法が小さければ、オイルが充填される空間の密閉を図りやすいという利点がある。
本発明において、前記アダプタ部材は樹脂製である構成を採用することができる。一般的に金属の型成形は、成型時の圧力が高いとともに溶融した金属の流動性が高いことから、樹脂の型成形より大きなバリが発生しやすいことが知られている。アダプタ部材が樹脂製であれば、回転軸が樹脂製のアダプタ部材によってカバーされるため、金属製の回転軸のバリが可動部材の係合穴に当接することがない。このため、流体ダンパ装置において可動部材と連結される部分と、可動部材の係合部とのクリアランスを小さくすることが可能となる。
本発明において、前記軸状連結部の外周側および前記アダプタ部材の内周側のうちの一方には係合凸部が形成され、他方には、前記軸状連結部を前記アダプタ部材の前記筒部内に挿入した際に前記係合凸部と係合する係合凹部が形成されていることが好ましい。かかる構成を採用すれば、軸状連結部をアダプタ部材の筒部内に挿入するだけで、アダプタ部材を軸状連結部と結合させることができる。
本発明において、前記軸状連結部は、径方向外側に向けて突出する計4つの突出部を備えた断面十字形状を有し、前記アダプタ部材において前記軸状連結部が嵌る連結穴は、当該軸状連結部の断面形状に対応する十字形状をもって開口していることが好ましい。かかる構成によれば、軸状連結部とアダプタ部材との間の回転方向の結合力が大きいので、アダプタ部材と軸状連結部との間で空回りが発生しない。
本発明においては、前記軸状連結部は、径方向外側に向けて突出する計4つの突出部を備えた断面十字形状を有し、前記アダプタ部材において前記軸状連結部が嵌る連結穴は、当該軸状連結部の断面形状に対応する十字形状をもって開口し、前記軸状連結部の外周側および前記アダプタ部材の内周側のうちの一方には係合凸部が形成され、他方には、前記軸状連結部を前記アダプタ部材の前記筒部内に挿入した際に前記係合凸部と係合する係合凹部が形成されている場合、前記係合凸部と前記係合凹部との係合は、前記4つの突出部のうちの少なくとも1つの突出部の径方向外側の先端部で行なわれていることが好ましい。かかる構成によれば、アダプタ部材に回転力が加わっても、アダプタ部材と軸状連結部との間で空回りが発生しない。また、軸状連結部をアダプタ部材の筒部内に挿入するだけで、アダプタ部材を軸状連結部と結合させることができる。ここで、突出部の径方向外側の先端部は、アダプタ部材から軸状連結部への回転伝達に寄与しない。このため、突出部の先端部で係合凸部と係合凹部との係合を行なえば、係合凸部と係合凹部との係合に起因するガタがあっても、アダプタ部材から軸状連結部に回転伝達を行なう際にガタつきが発生しにくい。
本発明において、前記回転軸において、当該回転軸を型成形した際のパーティングラインが位置する角度方向は、前記4つの突出部のいずれかが突出している角度方向と一致していることが好ましい。軸状連結部を断面十字形状とした場合、アダプタ部材の回転は、突出部の側面部を介して回転軸に伝達されるため、軸状連結部とアダプタ部材との間のクリアランスは、突出部の側面部が位置する個所で小さくする必要があるが、突出部の先端部が位置する個所では大きくてもよい。従って、回転軸を型成形した際のパーティングラインが位置する角度方向と、4つの突出部のいずれかが突出している角度方向と一致させれば、成形時のバリは、軸状連結部とアダプタ部材との間のクリアランスが大きな突出部の先端部に形成されることになる。それ故、軸状連結部にバリが発生した場合でも、アダプタ部材を軸状連結部に装着する作業に支障がない。
本発明に係る流体ダンパ装置を備えたダンパ付き機器では、前記アダプタ部材を介して前記軸状連結部に連結される可動部材において、少なくとも前記アダプタ部材が連結される係合穴部分は樹脂製である構成を採用することができる。かかる構成を採用した場合には、軸状連結部にアダプタ部材を取り付けた効果が特に顕著である。確実な密閉を行なうという観点からすれば、加わるトルクに耐え得る限度において回転軸の径が小さい方が好ましいが、軸状連結部の径が小さいと、機器の機能や意匠性の面から可動部材が比較的、強度の低い樹脂製とした場合に係合穴が変形し、空回りを起こしてしまう。しかるに本発明によれば、回転軸の径を小さくしても、回転軸にアダプタ部材を装着した分、可動部材の係合穴を大きくすることができるので、係合穴の変形およびそれに起因する空回りの発生を抑制することができる。
本発明に係る流体ダンパ装置において、流体ダンパ装置が搭載される機器本体側との連結部とされる回転軸の軸状連結部には、アダプタ部材が取り付けられており、かかるアダプタ部材を介して軸状連結部と、機器本体側の可動部材とが連結される。このため、機器本体の種類などにより可動部材において軸状連結部が嵌る係合穴などのサイズなどが相違している場合でも、かかる係合穴のサイズに対応したアダプタ部材を軸状連結部に取り付ければよいので、軸状連結部自身の外径寸法などを変更する必要がない。それ故、ケーシング、回転軸、カバーなどの部品の共通化を図ることができる。
本発明の実施の形態1に係る流体ダンパ装置が搭載された洋式便器を備えた洋式トイレユニットの説明図である。 本発明の実施の形態1に係る流体ダンパ装置の斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る流体ダンパ装置の分解斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る流体ダンパ装置の内部構成を示す説明図である。 本発明の実施の形態1に係る流体ダンパ装置のアダプタ部材の説明図である。 本発明の実施の形態2に係る流体ダンパ装置の説明図である。 本発明の実施の形態2に係る流体ダンパ装置における回転軸とアダプタ部材との連結構造を示す説明図である。 本発明の実施の形態2に係る流体ダンパ装置に用いた回転軸の説明図である。 本発明の実施の形態2に係る流体ダンパ装置の回転軸の翼部に設けた抜け止め突起等の構成を示す説明図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、流体ダンパ装置が搭載されたダンパ付き機器として、便座に流体ダンパ装置が連結された洋式便器を説明する。
[実施の形態1]
(ダンパ付き機器および流体ダンパ装置の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る流体ダンパ装置が搭載された洋式便器を備えた洋式トイレユニットの説明図であり、図1(a)、(b)は各々、洋式トイレユニット全体の構成を示す説明図、および便座と流体ダンパ装置との連結部分の説明図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る流体ダンパ装置の斜視図である。
図1(a)に示す洋式トイレユニット100は、洋式便器1および水タンク3を備えている。洋式便器1は、便器本体2、樹脂製の便蓋6、便座ユニット4などから構成され、便座ユニット4は、樹脂製の便座5および本体カバー7を備えている。
本体カバー7の内部には、図1(b)および図2に示す流体ダンパ装置10が内蔵されている。流体ダンパ装置10は、流体ダンパ装置本体10aから軸状に突出した連結部10bを備えており、かかる連結部10bは、便座5の回転中心側の端部に形成された係合穴50に嵌っている。流体ダンパ装置10は、以下に説明する構成を有しており、起立している便座5が便器本体2に被さるように倒れようとする際、それに抗する力を発生させ、便座5が倒れる速度を低下させる。
(流体ダンパ装置10の詳細構成)
図3は、本発明の実施の形態1に係る流体ダンパ装置10の分解斜視図であり、図3(a)、(b)は各々、流体ダンパ装置10を、ケーシングから回転軸やカバーなどを外した状態の分解斜視図、および回転軸からカバーなどを外した状態の分解斜視図である。図4は、本発明の実施の形態1に係る流体ダンパ装置10の内部構成を示す説明図であり、図4(a)、(b)は各々、ケーシングの一部を切り欠いて示す分解斜視図、および流体ダンパ装置10の流体ダンパ装置本体を軸線方向に対して直交する面で切断したときの説明図である。
図3(a)、(b)および図4(a)、(b)に示すように、流体ダンパ装置10は、有底筒状のケーシング11と、このケーシング11の内部に挿入される回転軸12と、回転軸12が貫通する穴130が中央に形成されたカバー13とを有しており、カバー13によって、ケーシング11の一方端側で開口する開口部110が塞がれている。
かかる流体ダンパ装置10では、回転軸12においてカバー13の穴130を貫通して軸線方向に突出する軸端部が軸状連結部128として利用される。また、本形態の流体ダンパ装置10は、軸状連結部128が嵌る略円筒状の筒部170を備えた有底のアダプタ部材17が用いられており、かかるアダプタ部材17の目的や構成などについては、後述する。
本形態の流体ダンパ装置10において、ケーシング11は開口部110の側が円筒状の薄肉部115になっており、ケーシング11の円筒内壁111には、薄肉部115に対して奥側で隣接する部分が段部113になっている。ケーシング11の内側には、段部113に当接するようにSUS、真鍮、アルミニウム、セラミック、樹脂など、カバー13と異なる材質からなる円環状のワッシャ14が配置されている。ここで、ケーシング11の外周面には相対向する位置に平坦部11aが形成されている。
カバー13において、ケーシング11の外側に位置する端部には円環状のフランジ部131が形成され、ケーシング11の内側に位置する部分は、ケーシング11の薄肉部115に嵌る円筒部133になっている。従って、ケーシング11の薄肉部115の内周面に沿うようにカバー13の円筒部133を挿入すると、ケーシング11において開口部110が形成されている一方側端面117にフランジ部131が対向する。この状態で、本形態では、図5(b)を参照して後述するように、カバー13のフランジ部131に超音波溶着装置のホーンを当接させて超音波溶着を行う。その際、フランジ部131が溶融し、円筒部133が薄肉部115の内周面に沿って軸線方向にさらに押し込まれる。そして、カバー13において円筒部133の端部がワッシャ14を介して段部113に当接すると、円筒部133のそれ以上の挿入が阻止される。さらに、ワッシャ14をカバー13と異なる材質で構成したため、超音波振動が回転軸12と大径部126の当接面に到達することを防ぐことが可能となる。そのため、超音波振動によって回転軸12と大径部126が溶着されることはない。
回転軸12は金属製であり、本形態において、回転軸12は亜鉛ダイカスト製である。回転軸12の軸線方向の略中央位置には大径部126が形成されており、大径部126の外周面には、Oリング15が装着されたOリング装着溝127が形成されている。従って、Oリング装着溝127にOリング15を装着する一方、ケーシング11内に所定量のオイル(粘性流体)を注入しておき、ケーシング11内に回転軸12を挿入すれば、回転軸12とケーシング11との間には密閉空間20が区画形成され、密閉空間20内にはオイル(粘性流体)が充填された状態となる。その際、ケーシング11の円筒内壁111には、回転軸12の大径部126が当接する。ここで、ケーシング11の円筒内壁111には、回転軸12の挿入位置を規制する段部114が形成されている。かかる段部114は、オイルを密閉空間20内から漏れ難くするラビリンスシールの機能を有している。
回転軸12において、大径部126からは小径の軸状連結部128が突出し、かかる軸状連結部128は、カバー13の穴130を貫通して軸線方向に突出している。この状態で、回転軸12は、大径部126がカバー13と干渉するので、軸線方向に抜けることがない。
(ダンパ機構の構成)
図4(a)、(b)に示すように、ケーシング11の円筒内壁111からは、半径方向内側に一対の隔壁112が回転軸12の胴部129の外周面近傍まで突出している一方、回転軸12の外周面からは一対の翼部120が突出し、密閉空間20は、隔壁112と翼部120とによって2つのオイル室21に区画形成されている。
図3(a)、(b)に示すように、回転軸12では、翼部120を周方向で貫通するオリフィス125が軸線方向で離間する2箇所に形成されている一方、この翼部120には、オリフィス125を開閉する樹脂製の逆止弁30が装着されている。翼部120には、オリフィス125に対して軸線方向で隣接する位置に3つの保持用突部121が形成されており、軸線方向の中央の保持用突部121には、切り欠き123が形成されている。
逆止弁30は、翼部120の周方向に位置する両端面のうち、反時計周りCCW側の端面(一方側端面)の側でオリフィス125を覆う平板状の弁部35を備えている、また、逆止弁30は、弁部35の軸線方向の両端部から保持用突部121の外側を回って翼部120の時計周りCW側の端面(他方側端面)まで屈曲する折曲部31と、弁部35の軸線方向の中央から切り欠き123を通って、翼部120に対して時計周りCW側の位置で軸線方向の両側に屈曲する折曲部32とを備えている。
かかる逆止弁30は、折曲部31、32の内側に保持用突部121が嵌ることにより周方向に所定の寸法だけ変位可能な状態で翼部120に装着される。また、ケーシング11の内部に回転軸12を挿入した状態で、逆止弁30は、ケーシング11の内底部と回転軸12の大径部126とによって軸線方向の両側から支持される。
図4(b)において、ケーシング11の円筒内壁111から突出された一対の隔壁112の先端は各々、回転軸12の外周面と対向する端面が回転軸12の外周面に面接触可能な円弧状に形成されている。また、円筒内壁111は周方向で連続した面になっているが、隔壁112に対して反時計周りCCWの側で隣接する領域は、内径が大で逆止弁30との間に隙間が形成される大径領域111aとなっており、大径領域111aに対して反時計周りCCWの側で隣接する領域は、内径が小で逆止弁30と密接可能な小径領域111bになっている。なお、大径領域111aと小径領域111bとは、回転軸12の回転軸線を中心として点対称に配設されている。ここで、図1(a)に示す便座5が開かれた状態(=立ち上がった状態)のとき、逆止弁30は、大径領域111aと対向する位置にある。このため、大径領域111aと逆止弁30との間には、わずかな隙間が形成され、粘性流体は、かかる隙間を通過可能である。
一方、回転軸12の胴部129は外周面が連続した面になっているが、反時計周りCCWの方向で大径領域129a、中径領域129b、および小径領域129cの順になっており、便座5が開かれた状態(=立ち上がった状態)のときに、隔壁112は、小径領域129cに対向する位置にある。このため、小径領域129cと隔壁112との間には、わずかな隙間が形成され、粘性流体は、かかる隙間を通過可能である。
本形態の場合、ケーシング11と回転軸12との位置関係が、便座5が開かれた状態の位置関係のときに、ケーシング11とカバー13との超音波溶着がなされる。すなわち、大径領域111aと逆止弁30とが対向し、小径領域129cと隔壁112とが対向した状態で超音波溶着が行なわれる。従って、ケーシング11とカバー13との超音波溶着を行なう際、かかる超音波振動の影響で円筒内壁111と逆止弁30とが溶着されることを防止することができるとともに、隔壁112と回転軸12の胴部129とが溶着されることを防止することができる。
(動作)
このように構成した流体ダンパ装置10に対して、その回転軸12に便座5を機構的に連結した場合の動作を説明する。本形態の流体ダンパ装置10では、起立していた便座を倒そうとする動作を行うと、ケーシング11の方は固定されたまま、回転軸12が反時計周りCCWに回転する。かかる動作は、オイル室21の間で流体が通る経路が狭くなっていく動作であるため、オイルの流動抵抗によって高負荷状態になって制動力が発生する。それ故、途中で便座5から手を放しても、便座5が便器本体2に勢いよく衝突することによる衝突音の発生や破損といった不具合を防止することができる。
これに対して、平伏していた便座を起こそうとする動作を行うと、ケーシング11の方は固定されたまま、回転軸12が時計周りCWに回転する。かかる動作は、オイル室21の間で流体が通る経路が広くなっていく動作であるため、便座5を軽い力で開けることができる。
(アダプタ部材17の構成)
図5は、本発明の実施の形態1に係る流体ダンパ装置10のアダプタ部材17の説明図であり、図5(a)、(b)、(c)は各々、アダプタ部材17の斜視図、軸線方向に直交する断面のうち、ネジを通る箇所で流体ダンパ装置10を切断したときの断面図、およびアダプタ部材17を取り付ける前にケーシンング11とカバー13とを超音波溶着する様子を示す説明図である。
図3(a)、(b)、および図5(b)において、本形態の流体ダンパ装置10において、回転軸12の軸状連結部128は、丸棒部分に対して中心軸線を挟んで対向する位置に平坦部128aを形成した構造になっており、軸状連結部128は略長穴の断面形状を有している。また、軸状連結部128には、相対向する平坦部128aで開口するようにネジ穴128hが形成されている。
かかる構造の軸状連結部128に対しては、図5(a)、(b)に示す樹脂製のアダプタ部材17が取り付けられている。アダプタ部材17の筒部170には、軸状連結部128の形状に対応する平坦部を備えた連結穴171が形成されている。このため、軸状連結部128とアダプタ部材17とが回転方向にずれることを防止することができる。
筒部170は、外周面に対して中心軸線を挟んで対向する位置に平坦部170aが形成されているなど、アダプタ部材17は、軸状連結部128に略相似形の略長穴の断面形状を備えている。また、筒部170には、2つの平坦部170aのうちの一方に貫通穴170bが形成されている。ここで、貫通穴170bは、図3(a)、(b)に示す皿ネジ18の頭を受けるテーパ穴になっている。従って、回転軸12の軸状連結部128をアダプタ部材17の連結穴171に嵌めた状態で皿ネジ18を止めれば、軸状連結部128にアダプタ部材17を取り付けた連結部10bが構成される。かかる連結部10bの外径は、アダプタ部材17の筒部170の肉厚分、軸状連結部128の外径より大である。また、連結部10bの長さは、アダプタ部材17の底部175の肉厚分、軸状連結部128の長さより大である。
本形態では、筒部170の外径が相違する複数種類のアダプタ部材17が準備されており、便座5において連結部10bが嵌められる係合穴50の内径に応じて、最適なアダプタ部材17が軸状連結部128に固着される。また、アダプタ部材17としては、底部175が有るもの、底部175が無いものが準備されており、便座5において連結部10bが嵌められる係合穴50の深さに応じて、最適なアダプタ部材17が軸状連結部128に固着される。さらに、外形形状が相違する複数種類のアダプタ部材17を準備しておき、便座5において連結部10bが嵌められる係合穴50の形状に応じて、最適なアダプタ部材17が軸状連結部128に固着される。
ここで、カバー13のフランジ部131をケーシング11の一方側端面117に対して超音波溶着を行なう工程は、図5(c)に示すように、軸状連結部128にアダプタ部材17を取り付ける前に行なう。ホーン90には、軸状連結部128とホーン90との干渉を避けるための穴93が形成されている。かかる穴93は、円形の穴92と錐面を備えたテーパ穴91とから構成されており、テーパ穴91の開口縁部分94がフランジ部131に当接して、フランジ部131に超音波振動を与え、その摩擦熱によってフランジ部131とケーシング11の一方側端面117とを溶着する。なお、溶着は、カバー13の周方向の全体、あるいは周方向の複数個所のいずれであってもよい。
かかる方法によれば、超音波溶着工程では、カバー13のフランジ部131をケーシング11に向けて押圧する構成となるため、溶着作業中、カバー13とケーシング11との間からオイルが漏れ出すことがない。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の流体ダンパ装置10では、回転軸12の軸状連結部128にアダプタ部材17を固着しているため、便座5において連結部10bが嵌る係合穴50のサイズなどが相違している場合でも、かかる係合穴50のサイズなどに対応したアダプタ部材17を軸状連結部128に取り付ければよく、軸状連結部128自身の外径寸法などを変更する必要がない。それ故、流体ダンパ装置10を種々の機器に対応する場合でも、ケーシング11、回転軸12、カバー13などの部品の共通化を図ることができる。
また、超音波溶着作業を行なう際、アダプタ部材17を取り付ける前の軸状連結部128は外径寸法が溶着個所であるフランジ部131やケーシング11の一方側端面117の外形寸法より小さいので、ホーン90をカバー13のフランジ部131やケーシング11の一方側端面117が位置する個所に近づけやすい。また、アダプタ部材17を取り付ける前の軸状連結部128は外径寸法が小さく、溶着個所から離れているので、溶着時に溶け出た樹脂屑が軸状連結部128に付着することがない。
さらに、回転軸12は金属製である。このため、加わるトルクに耐え得る限度において回転軸12の外径を小さくすることができ、回転軸12の外径寸法が小さければ、オイルが充填される空間の密閉を図りやすいという利点がある。
また、確実な密閉を行なうという観点からすれば、加わるトルクに耐え得る限度において回転軸12の外径が小さい方が好ましい。但し、回転軸12の外径を小さくするに伴って軸状連結部128の外径も小さくなると、洋式便器1の機能や意匠性の面から便座5が比較的、強度の低い樹脂製とした場合に係合穴50が変形し、空回りを起こしてしまう。しかるに本形態によれば、軸状連結部128にアダプタ部材17を取り付けた分、連結部10bが太い。それ故、係合穴50を構成する部分が樹脂製であっても、変形しないので、空回りを起こすことがない。
[実施の形態2]
(流体ダンパ装置の全体構成)
図6は、本発明の実施の形態2に係る流体ダンパ装置の説明図であり、図6(a)、(b)は各々、流体ダンパ装置の斜視図、および分解斜視図である。図7は、本発明の実施の形態2に係る流体ダンパ装置における回転軸とアダプタ部材との連結構造を示す説明図であり、図7(a)、(b)は各々、流体ダンパ装置をアダプタ部材の側からみた斜視図、およびケースの側からみた斜視図である。図8は、本発明の実施の形態2に係る流体ダンパ装置に用いた回転軸の説明図であり、図8(a)、(b)は各々、回転軸と逆止弁との位置関係等を示す斜視図、および回転軸とアダプタ部材との位置関係等を示す斜視図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの詳細な説明を省略する。
図6および図7に示す流体ダンパ装置も、実施の形態1と同様、図1を参照して説明した洋式便器1の本体カバー7の内部において便座5に対して取り付けられる。流体ダンパ装置10は、流体ダンパ装置本体10aから軸状に突出した連結部10bを備えており、かかる連結部10bは、便座5の回転中心側の端部に形成された係合穴50に嵌っている。かかる流体ダンパ装置10は、起立している便座5が便器本体2に被さるように倒れようとする際、それに抗する力を発生させ、便座5が倒れる速度を低下させる。
図6(b)に示すように、本形態の流体ダンパ装置10も、実施の形態1と同様、有底筒状のケーシング11と、このケーシング11の内部に挿入される回転軸12と、回転軸12が貫通する穴130が中央に形成されたカバー13とを有しており、カバー13によって、ケーシング11の一方端側で開口する開口部110が塞がれている。
かかる流体ダンパ装置10では、回転軸12においてカバー13の穴130を貫通して軸線方向に突出する軸端部が軸状連結部128として利用される。また、本形態の流体ダンパ装置10は、軸状連結部128が嵌る筒部170を備えた有底のアダプタ部材17が用いられている。
ケーシング11は開口部110の側が円筒状の薄肉部115になっており、ケーシング11の円筒内壁111には、薄肉部115に対して奥側で隣接する部分が段部113になっている。ケーシング11の内側には、段部113に当接するようにSUS、真鍮、アルミニウム、セラミック、樹脂など、カバー13と異なる材質からなる円環状のワッシャ14が配置されている。ここで、ケーシング11の外周面には相対向する位置に平坦部11aが形成されている。
カバー13において、ケーシング11の外側に位置する端部には円環状のフランジ部131が形成され、ケーシング11の内側に位置する部分は、ケーシング11の薄肉部115に嵌る円筒部133になっている。従って、ケーシング11の薄肉部115の内周面に沿うようにカバー13の円筒部133を挿入すると、ケーシング11において開口部110が形成されている一方側端面117にフランジ部131が対向する。この状態で、本形態では、図5(b)を参照して説明したように、カバー13のフランジ部131に超音波溶着装置のホーンを当接させて超音波溶着を行う。その際、フランジ部131が溶融し、円筒部133が薄肉部115の内周面に沿って軸線方向にさらに押し込まれる。そして、カバー13において円筒部133の端部がワッシャ14を介して段部113に当接すると、円筒部133のそれ以上の挿入が阻止される。さらに、ワッシャ14をカバー13と異なる材質で構成したため、超音波振動が回転軸12と大径部126の当接面に到達することを防ぐことが可能となる。そのため、超音波振動によって回転軸12と大径部126が溶着されることはない。
回転軸12は金属製であり、本形態において、回転軸12は亜鉛ダイカスト製である。回転軸12の軸線方向の略中央位置には大径部126が形成されており、大径部126の外周面には、Oリング15が装着されたOリング装着溝127が形成されている。従って、Oリング装着溝127にOリング15を装着する一方、ケーシング11内に所定量のオイル(粘性流体)を注入しておき、ケーシング11内に回転軸12を挿入すれば、図4(b)を参照して説明したように、回転軸12とケーシング11との間には密閉空間20が区画形成され、密閉空間20内にはオイル(粘性流体)が充填された状態となる。ケーシング11の円筒内壁111からは、半径方向内側に一対の隔壁112が回転軸12の胴部129の外周面近傍まで突出している一方、回転軸12の外周面からは一対の翼部120が突出し、密閉空間20は、隔壁112と翼部120とによって2つのオイル室21に区画形成されている。
図6(b)および図8(a)において、回転軸12では、翼部120を周方向で貫通するオリフィス125が軸線方向で離間する2箇所に形成されている一方、この翼部120には、オリフィス125を開閉する樹脂製の逆止弁30が装着されている。翼部120には、オリフィス125に対して軸線方向で隣接する位置に3つの保持用突部121が形成されており、軸線方向の中央の保持用突部121には、切り欠き123が形成されている。
逆止弁30は、翼部120の周方向に位置する両端面のうち、反時計周りCCW側の端面(一方側端面)の側でオリフィス125を覆う平板状の弁部35を備えている、また、逆止弁30は、弁部35の軸線方向の両端部から保持用突部121の外側を回って翼部120の時計周りCW側の端面(他方側端面)まで屈曲する折曲部31と、弁部35の軸線方向の中央から切り欠き123を通って、翼部120に対して時計周りCW側の位置で軸線方向の両側に屈曲する折曲部32とを備えている。また、本形態では、折曲部31と折曲部32とは時計周りCW側に位置する先端部同士が連結部39で繋がっている。
かかる逆止弁30は、折曲部31、32の内側に保持用突部121が嵌ることにより周方向に所定の寸法だけ変位可能な状態で翼部120に装着される。また、ケーシング11の内部に回転軸12を挿入した状態で、逆止弁30は、ケーシング11の内底部と回転軸12の大径部126とによって軸線方向の両側から支持される。
(軸状連結部128およびアダプタ部材17の構成)
図6、図7および図8(b)において、本形態の流体ダンパ装置10において、回転軸12の軸状連結部128は、径方向外側に向けて突出する計4つの突出部128a、128b、128c、128dを備えた断面十字形状を有している。本形態では、4つの突出部128a、128b、128c、128dのうち、相対向する2つの突出部128a、128bは、他の突出部128c、128dより寸法が大である。このため、軸状連結部128では、2つの突出部128a、128bにより構成された肉厚の板状部分から2つの突出部128c、128dが互いに反対側に向けて突出した構造になっている。かかる構造の軸状連結部128に対しては、ガラス入PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂製のアダプタ部材17が取り付けられている。
図7(b)に示すように、アダプタ部材17の筒部170には、軸状連結部128が嵌る連結穴171が形成されており、連結穴171は、軸状連結部128の断面形状に対応する十字形状をもって開口している。このため、軸状連結部128とアダプタ部材17とが回転方向にずれることを防止することができる。
かかる構造では、アダプタ部材17の回転は、突出部128a、128b、128c、128dの側面部を介して回転軸12に伝達される。このため、軸状連結部128とアダプタ部材17の連結穴171との間のクリアランスは、突出部128a、128b、128c、128dの側面部が位置する個所で小さく、突出部128a、128b、128c、128dの先端部が位置する個所では比較的大きく設定されている。
筒部170の外周面には、中心軸線を挟んで対向する両側に平坦部170aが形成されており、筒部170は略長穴の断面形状を備えている。本形態では、アダプタ部材17では、筒部170に軸状連結部128が嵌めた状態で、突出部128c、128dが位置する角度方向に平坦部170aが形成されている。かかる平坦部170aは、図1(b)に示すように流体ダンパ装置10の連結部10bを便座5の係合穴50に嵌めた状態で、便座5の回転を連結部10bを介して回転軸12に伝達する部分として作用する。
ここで、軸状連結部128の外周側には係合凸部128gが形成され、アダプタ部材17には、軸状連結部128をアダプタ部材17の筒部170内に挿入した際に係合凸部128gと係合する係合凹部179が形成されている。本形態において、係合凸部128gは、突出部128a、128bの径方向外側の先端部に爪状に形成され、係合凹部179は、筒部170において平坦部170aを避けて、円弧部170sを貫通する穴によって形成されている。このため、軸状連結部128をアダプタ部材17の筒部170内に挿入した際に、係合凸部128gが係合凹部179の縁部分に引っ掛かって係合する。なお、アダプタ部材17の連結穴171の内周面に係合凸部を形成し、軸状連結部128に係合凹部を形成してもよい。
(回転軸12とアダプタ部材17との角度位置関係)
図9は、本発明の実施の形態2に係る流体ダンパ装置の回転軸の翼部に設けた抜け止め突起等の構成を示す説明図であり、図9(a)は抜け止め突起を斜め下方からみた斜視図、および抜け止め突起を斜め上方からみた斜視図である。
図8(a)および図9に示すように、本形態の流体ダンパ装置100に用いた回転軸12において、翼部120の軸線方向両端に形成された保持用突部121の外側端面には抜け止め突起120aが形成されており、逆止弁30の折曲部31の内側には小さな張り出し部31aが形成されている。このため、翼部120に対して径方向外側から逆止弁30を取り付けると、張り出し部31aが抜け止め突起120aの下に潜り込む。従って、逆止弁30は翼部120から抜けにくい。
かかる構成を採用した場合、高価なスライド型を使わずに回転軸12を型成形するには、翼部120を両側から挟むように型部材を配置することになる。このため、翼部120が突出する角度方向に型部材同士の接合箇所(パーティングラインPL)が位置することになる。ここで、翼部120が突出する角度方向と突出部128c、128dが位置する角度方向とは一致している。このため、回転軸12を成形した際のバリが発生した場合でも、かかるバリは、軸状連結部128において、突出部128c、128dの径方向外側の先端部に形成され、かかる箇所は、軸状連結部128とアダプタ部材17の連結穴171との間のクリアランスが大きな個所である。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の流体ダンパ装置10では、回転軸12の軸状連結部128にアダプタ部材17を固着しているため、便座5において連結部10bが嵌る係合穴50のサイズなどが相違している場合でも、かかる係合穴50のサイズなどに対応したアダプタ部材17を軸状連結部128に取り付ければよく、軸状連結部128自身の外径寸法などを変更する必要がない。それ故、流体ダンパ装置10を種々の機器に対応する場合でも、ケーシング11、回転軸12、カバー13などの部品の共通化を図ることができるなど、実施の形態1と同様な効果を奏する。
また、本形態の流体ダンパ装置10において、軸状連結部128は、径方向外側に向けて突出する計4つの突出部128a、128b、128c、128dを備えた断面十字形状を有し、アダプタ部材17において軸状連結部128が嵌る連結穴は、軸状連結部128の断面形状に対応する十字形状をもって開口している。このため、アダプタ部材17の回転は、突出部128a、128b、128c、128dの側面部を介して回転軸12に伝達されるため、アダプタ部材17と軸状連結部128との間で空回りが発生しない。
また、アダプタ部材17の回転が回転軸12に伝達される際のガタつきを抑えるという観点からすれば、軸状連結部128とアダプタ部材17の連結穴171との間のクリアランスについては、突出部128a、128b、128c、128dの側面部が位置する個所で小さくする必要があるが、突出部128a、128b、128c、128dの先端部が位置する個所では大きくてもよい。従って、アダプタ部材17の連結穴171に軸状連結部128をスムーズに挿入することができる。
また、本形態では、軸状連結部128の外周側には係合凸部128gが形成され、アダプタ部材17には、軸状連結部128をアダプタ部材17の筒部170内に挿入した際に係合凸部128gと係合する係合凹部179が形成されている。このため、軸状連結部128をアダプタ部材17の筒部170内に挿入した際に、係合凸部128gが係合凹部179の縁部分に引っ掛かって自動的に係合する。それ故、ネジ止めなどの固定を行なわなくても、軸状連結部128にアダプタ部材17を容易かつ確実に固定することができる。
また、係合凸部128gと係合凹部179との係合は、突出部128a、128bの径方向外側の先端部で行なわれており、かかる箇所は、アダプタ部材17の回転が回転軸12に伝達される際のガタつきを発生させない個所である。それ故、軸状連結部128とアダプタ部材17とを係合させる構成を採用するには、ある程度の隙間を確保する必要があるが、本形態では、かかる隙間をガタつきを発生させない個所に設けてある。このため、アダプタ部材17の回転が回転軸12に伝達される際のガタつきが発生しない。
また、本形態では、翼部120が突出する角度方向と突出部128c、128dが位置する角度方向と一致させたため、回転軸12を成形する際のパーティングラインPLが位置する角度方向と、突出部128c、128dが位置する角度方向とが一致している。このため、回転軸12を成形した際のバリは、軸状連結部128とアダプタ部材17の連結穴171との間のクリアランスが大きな突出部128b、128dの先端部に形成されることになる。それ故、軸状連結部128にバリが発生した場合でも、アダプタ部材17を軸状連結部128に装着する作業に支障がない。
また、本形態では、アダプタ部材17が樹脂製である。一般的に金属の型成形は、成型時の圧力が高いとともに溶融した金属の流動性が高いことから、樹脂の型成形より大きなバリが発生しやすいことが知られている。かかる観点からすれば、本形態のようにアダプタ部材17を樹脂製とすれば、金属製の回転軸12が樹脂製のアダプタ部材17によってカバーされるため、金属製の回転軸12にバリが発生した場合でも、かかるバリが、図1(b)に示す便座5(可動部材)の係合穴50に当接することはない。このため、連結部10bと、便座5の係合穴50とのクリアランスを小さくすることが可能となる。
上記実施の形態1では、軸状連結部128とアダプタ部材17とを皿ネジ18で固着させたが、その他のネジや固着方法を採用してもよい。
上記実施の形態1では、軸状連結部128において相対向する2つの平坦部を形成したが、1箇所のみに平坦部を形成してもよい。かかる構成によっても、軸状連結部128とアダプタ部材17とが回転方向にずれることを防止することができる。
上記実施の形態1、2では、アダプタ部材17において相対向する2つの平坦部を形成したが、1箇所のみに平坦部を形成してもよい。かかる構成によっても、アダプタ部材17と便座5とが回転方向にずれることを防止することができる。
上記実施の形態2では、係合凸部と係合凹部とによって軸状連結部128とアダプタ部材17とを自動的に連結させたが、実施の形態1においても係合凸部と係合凹部とによって軸状連結部128とアダプタ部材17とを自動的に連結させてもよい。
1 洋式便器(ダンパー付き機器)
2 便器本体
4 便座ユニット
5 便座(可動部材)
6 便蓋
10 流体ダンパ装置
11 ケーシング
12 回転軸
13 カバー
14 ワッシャ
17 アダプタ部材
18 皿ネジ
20 密閉空間
30 逆止弁
50 係合穴
128 軸状連結部
128a、128b、128c、128d 突出部
128g 係合凸部
170 筒部
171 連結穴
179 係合凹部

Claims (8)

  1. 筒状のケーシングと、該ケーシングの一方側の開口部を塞ぐカバーと、該ケーシング内に軸線周りに回転可能に配置されているとともに、前記カバーを貫通して軸線方向に突出した軸状連結部を備えた回転軸と、該回転軸と前記ケーシングとの間の密閉空間に充填された粘性流体とを有する流体ダンパ装置において、
    前記カバーは、前記ケーシングの一方側端面に被さるフランジ部を備え、
    当該フランジ部と前記ケーシングの一方側端面とが超音波溶着されており、
    前記軸状連結部において、前記軸線方向で前記カバーから前記ケーシングとは反対側に突出している部分には、当該突出している部分の全体が内周側に嵌る筒部を備えたアダプタ部材が装着されていることを特徴とする流体ダンパ装置。
  2. 前記回転軸は金属製であることを特徴とする請求項1に記載の流体ダンパ装置。
  3. 前記アダプタ部材は樹脂製であることを特徴とする請求項2に記載の流体ダンパ装置。
  4. 前記軸状連結部の外周側および前記アダプタ部材の内周側のうちの一方には係合凸部が形成され、他方には、前記軸状連結部を前記アダプタ部材の前記筒部内に挿入した際に前記係合凸部と係合する係合凹部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の流体ダンパ装置。
  5. 前記軸状連結部は、径方向外側に向けて突出する計4つの突出部を備えた断面十字形状を有し、
    前記アダプタ部材において前記軸状連結部が嵌る連結穴は、当該軸状連結部の断面形状に対応する十字形状をもって開口していることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の流体ダンパ装置。
  6. 前記軸状連結部は、径方向外側に向けて突出する計4つの突出部を備えた断面十字形状を有し、
    前記アダプタ部材において前記軸状連結部が嵌る連結穴は、当該軸状連結部の断面形状に対応する十字形状をもって開口し、
    前記軸状連結部の外周側および前記アダプタ部材の内周側のうちの一方には係合凸部が形成され、他方には、前記軸状連結部を前記アダプタ部材の前記筒部内に挿入した際に前記係合凸部と係合する係合凹部が形成されており、
    前記係合凸部と前記係合凹部との係合は、前記4つの突出部のうちの少なくとも1つの突出部の径方向外側の先端部で行なわれていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の流体ダンパ装置。
  7. 前記回転軸において、当該回転軸を型成形した際のパーティングラインが位置する角度方向は、前記4つの突出部のいずれかが突出している角度方向と一致していることを特徴とする請求項5または6に記載の流体ダンパ装置。
  8. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の流体ダンパ装置を備えたダンパ付き機器であって、
    前記アダプタ部材を介して前記軸状連結部に連結される可動部材において、少なくとも前記アダプタ部材が連結される係合穴部分は樹脂製であることを特徴とするダンパ付き機器。
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