JP5361558B2 - 磁性キャリアの製造方法及び該製造方法を用いて製造した磁性キャリア - Google Patents

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Description

本発明は、静電潜像担持体上に形成された静電潜像を二成分系現像剤で現像して、静電潜像担持体上にトナー像を形成する現像方法に用いられる磁性キャリアの製造方法、及び該製造方法を用いた磁性キャリアに関するものである。
近年、電子写真法に用いられる二成分系現像剤は、オフィスユースの加速度的なカラーシフト、グラフィック市場対応の高精彩化、軽印刷対応の高速化といった市場ニーズを満たすため、性能面での更なる高画質、高安定性が求められている。
現状、二成分系現像剤を構成する磁性キャリアは、フェライトコア粒子や磁性体分散型樹脂コア粒子(以降、磁性キャリアコア粒子と表記する)の表面を、樹脂組成物粒子で被覆層を形成したキャリアが主流である。
該被覆層は、トナーの帯電量分布を安定化させるためや、長期間の使用にも安定して帯電付与できる耐久性を向上させるため、磁性キャリアから感光体への電荷の注入を抑制するといった役割を果たしている。
従来、該磁性キャリアコア粒子の表面へ該樹脂組成物粒子を被覆処理する方法としては、該樹脂組成物粒子を溶剤に溶解した塗布液を、流動層に浮遊する磁性キャリアコア粒子の表面にスプレー塗布する方法や、該樹脂組成物粒子を溶剤に溶解した塗付液中に、磁性キャリアコア粒子を浸漬して被覆処理する方法といった所謂湿式被覆処理によるものが多かった。
上記した湿式被覆処理方法は、該磁性キャリアコア粒子表面へ該樹脂組成物粒子を均一に被覆処理するという点においては有効である。しかしながら、該湿式被覆処理には、溶剤が揮発する際に磁性キャリアの合一が発生しやすいという課題があった。
一度合一が発生した磁性キャリアが攪拌によって解砕されると、その解砕面には磁性キャリアコア粒子表面が露出し、前述した磁性キャリアから感光体への電荷の注入現象である所謂リーク現象が発生し易くなる。
上記したリーク現象が発生すると、感光体の表面電位が現像バイアスに収束して現像コントラストが確保できなくなり、白抜け画像が発生する場合がある。また、磁性キャリアコア粒子表面が露出することで、特に高温高湿下ではトナーの電荷も保持できなくなり、長期放置後のトナーの電荷が低いことによる、カブリなどの画像不良等も発生しやすくなる。
更に、該溶剤を完全に除去するために、別途乾燥工程が必要であり、タクトアップの要因となることで、生産面からも該湿式被覆処理に関しては未だ多くの改善点がある。
そこで、該湿式被覆処理の課題を克服するものとして、熱によって乾式被覆処理を行う方法が提案されている。
例えば、高速攪拌混合機を用いて、粉体状の処理物を攪拌羽根で混合攪拌しながら、処理物に含有される該樹脂組成物粒子のガラス転移点(Tg)以上で熱的に被覆処理して磁性キャリアを得る方法が開示されている(特許文献1)。上記した方法においては、別途乾燥工程は必要ではない。
しかしながら、本体ケーシング内側に設置したジャケットに熱媒体を流すことで装置全体を加熱し、処理物全体の温度が処理物に含有される該樹脂組成物粒子のガラス転移点(Tg)以上となるため、磁性キャリアの合一が発生しやすく、均一な被覆処理を行うという点では未だ不十分である。
これに対し、機械的衝撃力によって乾式被覆処理を行う方法が提案されている。例えば、回転子と固定子を有する表面改質処理装置を用いて、該磁性キャリアコア粒子表面に、磁性キャリアコア粒子の1/10以下の粒径である該樹脂組成物粒子を被覆処理させる方法が開示されている(特許文献2)。
上記した方法においては、該磁性キャリアコア粒子表面に被覆処理用の装置とは別の装置を用いて該樹脂組成物粒子を分散させており、分散用の装置が別に必要になるという不便さがある。該分散用の装置を用いない場合には、該樹脂組成物粒子が遊離した状態のままとなり、該磁性キャリアコア粒子表面への該樹脂組成物粒子の被覆を良好に行うことは困難である。
また、被覆用の装置とは別の装置を用いて該樹脂組成物粒子を磁性キャリアコア粒子表面に付着させても、付着しきれない量の該樹脂組成物粒子を添加した場合、余剰の該樹脂組成物粒子(以降、残留樹脂組成物粒子と表記する)は遊離した状態となってしまうため、均一な被覆を行うことは困難である。
従って、上記した方法では該樹脂組成物粒子の被覆量が制限され、トナーの帯電量制御や、磁性キャリアから感光体への電荷の注入を抑制することは困難となってしまう場合がある。
これに対し、該樹脂組成物粒子の被覆量をアップさせるために、高速攪拌混合機を用いて、該樹脂組成物粒子を少なくとも2回に分けて間欠的に供給する方法が開示されている(特許文献3)。
しかしながら、上記した方法においても、被覆されなかった残留樹脂組成物粒子が生じ、磁性キャリアを製造する毎に、磁性キャリアの帯電性や比抵抗など磁性キャリア間で性能のばらつきが生じるため、長期に安定した磁性キャリアを得ることができない場合がある。
また、機械的衝撃力を用いた複合化処理装置として、回転翼型の装置の利点を生かしつつ、従来にない強い力を粉体等の処理物に与えて攪拌効果を高めることにより、粉体等の処理物の複合化、表面改質などの各処理をなしうる処理装置が提案されている(特許文献4)。
上記した装置においては、該磁性キャリアコア粒子表面に該樹脂組成物粒子を乾式処理で被覆することは可能である。しかしながら、該樹脂組成物粒子の被覆処理の均一化、特に、該磁性キャリア表面の均一性においては未だ問題がある。
また、該樹脂組成物粒子種によっては、被覆されなかった残留樹脂組成物粒子が生じるという問題があり、残留樹脂組成物粒子削減による処方の安定化という点で未だ検討が不十分であった。尚、本発明において、該樹脂組成物粒子の被覆処理の均一化とは、被覆処理後の磁性キャリア表面に層厚ムラがなく、粒子界面が存在しないことを言う。
特開平09−160307号公報 特開昭63−235959号公報 特許第2811079号公報 特開2005−270955号公報
本発明の目的は、該磁性キャリアコア粒子の表面に該樹脂組成物粒子を乾式被覆処理で、均一に被覆する製造方法を提供することである。
更に本発明の目的は、磁性キャリアコア粒子の表面に該樹脂組成物粒子を均一に被覆処理し、該磁性キャリアコア粒子の割れ、欠けの発生を抑制し、該樹脂組成物粒子の被覆層の厚みにムラ及び粒子界面が存在しない磁性キャリアを提供することである。
更に本発明の目的は、残留樹脂組成物粒子低減により処方を安定化させ、高温高湿下においても放置後のトナー帯電量低下を抑制することができる経時安定性に優れた磁性キャリアを得ることである。
上記の課題は、下記の本発明の構成により達成される。
[1]機械的衝撃力により被覆処理をする手段を有する被覆処理装置を用いて、樹脂組成物粒子を磁性キャリアコア粒子の表面に被覆する被覆処理工程を有する磁性キャリアの製造方法であって、
該被覆処理装置は、少なくとも複数の攪拌部材が表面に有する回転体と、該回転体を回転駆動する駆動部と、該攪拌部材と間隙を有して設けられた本体ケーシングとを有する装置であり
該被覆処理工程においては、該回転体を回転させ、一部の該攪拌部材により、該回転体の軸方向の一方向である該駆動部方向に、該磁性キャリアコア粒子及び該樹脂組成物粒子を送り、他の一部の該攪拌部材により、該回転体の軸方向の逆方向である反該駆動部方向に、該磁性キャリアコア粒子及び該樹脂組成物粒子を送り、該駆動部方向への送りと、該反駆動部方向への送りとを繰り返し行うことにより、該磁性キャリアコア粒子の表面に該樹脂組成物の被覆処理が行われ、
該被覆処理が、該樹脂組成物粒子を投入後第一の被覆処理を行い、更に該樹脂組成物粒子を投入して被覆処理を行うが如く、該樹脂組成物粒子を複数回に分けて投入し、複数回の被覆処理を行うことを特徴とする磁性キャリアの製造方法。
[2]該樹脂組成物粒子を投入後第一の被覆処理を行い、更に該樹脂組成物粒子を投入して被覆処理を行うが如く、該樹脂組成物粒子を複数回に分けて投入し、複数回の被覆処理を行う際、初回に行う該樹脂組成物粒子の投入量をA質量部とし、初回以降の該樹脂組成物粒子の投入量をB質量部したとき、磁性キャリアコア粒子100.0質量部に対し、該樹脂組成物粒子の投入量Aが0.1質量部以上1.0質量部以下であることを特徴とする[1]に記載の磁性キャリアの製造方法。
[3]該樹脂組成物粒子の投入量Aと該樹脂組成物粒子の投入量Bの関係が下記式を満足することを特徴とする[1]または[2]に記載の磁性キャリアの製造方法。
A<B
[4]該磁性キャリアコア粒子の表面を該樹脂組成物粒子で被覆処理した磁性キャリアであって、[1]乃至[3]のいずれかに記載の製造方法により製造された磁性キャリア。
[5]該磁性キャリアは、下記式より求められる円形度(a)の円形度分布において、0.900以下の円形度(a)の磁性キャリア粒子が、10.0個数%以下であることを特徴とする[4]に記載の磁性キャリア。
円形度a=L0/L
〔L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕
本発明によれば、該磁性キャリアコア粒子の表面に該樹脂組成物粒子を乾式被覆処理で、均一に被覆する製造方法を提供することができる。
更に本発明によれば、磁性キャリアコア粒子の表面に該樹脂組成物粒子を均一に被覆処理し、該磁性キャリアコア粒子の割れ、欠けの発生を抑制し、該樹脂組成物粒子の被覆層の厚みにムラや磁性キャリア表面に粒子界面が存在しない磁性キャリアを提供することができる。
更に本発明によれば、残留樹脂組成物粒子を低減でき、高温高湿下においても放置後のトナー帯電量低下を抑制することができる経時安定性に優れた磁性キャリアを得ることができる。
本発明の磁性キャリアの製造方法に用いることができる被覆処理装置の一例を示す模式図である。 本発明の磁性キャリアの製造方法に用いることのできる被覆処理装置に使用される攪拌部材の構成を示す模式図である。 本発明の製造方法により得られる磁性キャリア表面の電子顕微鏡(SEM)の一例を示す図である。 参考例の製造方法により得られる磁性キャリア表面の電子顕微鏡(SEM)の一例を示す図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
本発明に係る磁性キャリアの製造方法は、機械的衝撃力により被覆処理する手段を有する被覆処理装置を用いて、該樹脂組成物粒子を該磁性キャリアコア粒子の表面に被覆処理する被覆処理工程を有している。まず、本発明の磁性キャリアの被覆処理工程について図1及び図2(a)を用いて説明する。
本発明における磁性キャリアの被覆処理工程は、少なくとも複数の攪拌部材3が表面に設置された回転体2と、該回転体を回転駆動する駆動部8と、該攪拌部材3と間隙を有して設けられた本体ケーシング1とを有する。
本発明における磁性キャリアの被覆処理工程は、該被覆処理装置を用い、該駆動部8によって該回転体2を回転させ、該被覆処理装置中に投入された該磁性キャリアコア粒子及び該樹脂組成物粒子を攪拌、混合することで該磁性キャリアコア粒子の表面に該樹脂組成物粒子を被覆処理する。
本発明は、図2(a)において、該被覆処理装置に投入された該磁性キャリアコア粒子及び該樹脂組成物が、該攪拌部材の一部攪拌部材により、該回転体の軸方向の一方向である該駆動部方向(12)に送られ、該攪拌部材の他の一部攪拌部材により、該駆動部方向の逆方向である反駆動部方向(13)に送られ、該駆動部方向への送り(12)と、該反駆動部方向への送り(13)とを繰り返し行いながら該磁性キャリアコア粒子の表面に該樹脂組成物の被覆処理を行う。
本発明は、該被覆処理が、該樹脂組成物粒子を投入後第一の被覆処理を行い、更に該樹脂組成物粒子を投入して被覆処理を行うが如く、該樹脂組成物粒子を複数回に分けて投入し、複数回の被覆処理を行うことを特徴としている。以下、図1及び図2(a)に示す装置の模式図に従って、本発明を更に詳細に説明する。
図1に示す装置は、少なくとも複数の攪拌部材3が表面に設置された回転体2と、該回転体2を回転駆動する駆動部8と、該攪拌部材3と間隙を有して設けられた本体ケーシング1と、本体ケーシング1の内側及び回転体端部側面10にあって、冷熱媒体を流すことのできるジャケット4を有している。
更に、図1に示す装置は、該磁性キャリアコア粒子及び該樹脂組成物粒子を導入するために、該本体ケーシング1上部に形成された原料投入口5、被覆処理された磁性キャリアを該本体ケーシング1外に排出するために、該本体ケーシング1下部に形成された磁性キャリア排出口6を有している。
更に、図1に示す装置は、被覆処理された磁性キャリアを該本体ケーシング1外に排出するために、該本体ケーシング1下部に形成された磁性キャリア排出口6を有している。更に、図1に示す装置は、該原料投入口5内に、原料投入口用インナーピース16が挿入されており、該磁性キャリア排出口6内に、磁性キャリア排出口用インナーピース17が挿入されている。
本発明においては、まず、該原料投入口5から該原料投入口用インナーピース16を取り出し、該磁性キャリアコア粒子を該原料投入口5より投入する。次に該樹脂組成物を該原料投入口5より投入し、該原料投入口用インナーピース16を挿入する。次に、該駆動部8により該回転体2を回転させ、上記で投入した処理物を、該回転体2表面に複数設けられた該撹拌部材3により撹拌、混合しながら被覆処理する。
尚、投入する順序は、先に該樹脂組成物を該原料投入口5より投入し、次に、該磁性キャリアコア粒子を該原料投入口5より投入しても構わない。また、ヘンシェルミキサーのような混合機で予め、該磁性キャリアコア粒子と該樹脂組成物を混合した後、該混合物を、図1に示す装置の該原料投入口5より投入しても構わない。
被覆処理終了後、該磁性キャリア排出口6内の、該磁性キャリア排出口用インナーピース17を取り出し、該駆動部8により該回転体2を回転させ、該製品排出口6から磁性キャリアを排出する。得られた磁性キャリアを磁力選鉱し、必要に応じて円形振動篩機等の篩機で残留樹脂組成物を分離し、磁性キャリアを得る。
尚、本発明においては、上記した通り回分方式で被覆処理を行うが、該原料投入口用インナーピース16及び該磁性キャリア排出口用インナーピース17を最初から取り出した状態で、連続方式で被覆処理を行っても構わない。
該連続方式で被覆処理を行う際は、該原料投入口用インナーピース16及び該磁性キャリア排出口用インナーピース17を最初から取り出した状態で、該駆動部8により該回転体2を回転させ、処理物を該原料投入口5より投入し、磁性キャリアを該磁性キャリア排出口6から回収する。
本発明の特徴は、該磁性キャリアコア粒子の表面に該樹脂組成物粒子を被覆処理する際、図1に示す装置を用い、該樹脂組成物粒子を投入後第一の被覆処理を行い、更に該樹脂組成物粒子を投入して被覆処理を行うが如く、該樹脂組成物粒子を複数回に分けて投入し、複数回の被覆処理を行うことである。
つまり、本発明においては、まず、該磁性キャリアコア粒子を該原料投入口5より投入する。次に該樹脂組成物粒子を該原料投入口5より投入し、投入した該磁性キャリアコア粒子及び該樹脂組成物粒子を、該回転体2表面に複数設けられた該攪拌部材3により攪拌、混合しながら被覆処理する。
この場合図2(a)において、該攪拌部材3を回転体2上部に位置する攪拌部材を攪拌部材3a、回転体2中央部に位置する攪拌部材を攪拌部材3bとしたとき、該攪拌部材3aの端部位置から、該回転体2中心に対して垂直方向に線を引いた際、隣接する該攪拌部材3aと該攪拌部材3bとが、幅dだけ重なる位置関係にあることが好ましい。
被覆処理後、更に該樹脂組成物粒子を該原料投入口5より投入し、該回転体2表面に複数設けられた該攪拌部材3により攪拌、混合しながら被覆処理する。これを複数回繰り返し、被覆処理終了後該磁性キャリア排出口6から磁性キャリアを排出し、磁性キャリアを得る。
本発明者が検討した結果、該磁性キャリアコア粒子の表面に該樹脂組成物粒子を被覆処理する際に用いる装置を、図1に示す装置とし、上記したように、該樹脂組成物粒子を投入後第一の被覆処理を行い、更に該樹脂組成物粒子を投入して被覆処理を行うが如く、該樹脂組成物粒子を複数回に分けて投入し、複数回の被覆処理を行うことで、残留樹脂組成物粒子が殆どなく、該磁性キャリアコア粒子表面に該樹脂組成物粒子を均一に被覆処理できることを見出した。
上記の理由として、図2(a)に示す通り、被覆処理の際、該回転体2は、該駆動部8方向から見て反時計方向11に回転する。その際、該回転体2中央に位置する該攪拌部材3bが、該攪拌部材3aの位置へと移動する方向に回転する。
この際、該攪拌部材3bにより、該磁性キャリアコア粒子及び該樹脂組成物粒子は、該回転体端部側面10から該駆動部8の方向(12)に送られ、該攪拌羽根3aにより、該駆動部8から該回転体端部側面10の方向(13)に送られる。
また、該攪拌部材3aと該攪拌部材3bとが幅dだけ重なる位置関係にあるため、該攪拌部材3bにより該回転体端部側面10から該駆動部8の方向(12)に送られた磁性キャリアコア粒子及び該樹脂組成物粒子と、該攪拌羽根3aにより該駆動部8から該回転体端部側面10の方向(13)に送られた磁性キャリアコア粒子及び該樹脂組成物粒子とが衝突する。
つまり、該回転体2の回転により、該回転体端部側面10から該駆動部8の方向(12)への送りと、該駆動部8から該回転体端部側面10の方向(13)への送りが繰り返し行われ、更に該重なり幅dによる磁性キャリアコア粒子及び該樹脂組成物粒子同士の衝突が繰り返し行われることにより、該本体ケーシング1内での処理物の移動経路が複雑、且つ、長距離となり、均一混合される。
更に、初回の被覆処理は、該磁性キャリアコア粒子の表面に該樹脂組成物粒子による薄い被覆層が形成されることで、該磁性キャリアコア粒子表面のならし効果を発現すると考えられる。
そして、2回目以降の被覆処理により、初回の被覆処理で残留した残留樹脂組成物粒子共々、初回の被覆層と馴染みがあるため、該樹脂組成物粒子が取り込まれやすくなることで、該樹脂組成物粒子の被覆層の厚みにムラや粒子界面が存在しない磁性キャリアを得ることができると考えている。
更に本発明は、該磁性キャリアコア粒子の表面に該樹脂組成物粒子を被覆処理する際、該樹脂組成物粒子を投入後第一の被覆処理を行い、更に該樹脂組成物粒子を投入して被覆処理を行うが如く、該樹脂組成物粒子を複数回に分けて投入し、複数回の被覆処理を行う際、初回に行う該樹脂組成物粒子の投入量をA質量部、初回以降の該樹脂組成物粒子の投入量をB質量部したとき、該磁性キャリアコア粒子100.0質量部に対し、該樹脂組成物粒子の投入量Aが0.1質量部以上1.0質量部以下であることが好ましい。更に、該樹脂組成物粒子の投入量Aと該樹脂組成物粒子の投入量Bの関係が下記式を満足することが好ましい。
A<B
本発明者が検討した結果、該磁性キャリアコア粒子の表面に該樹脂組成物粒子を被覆処理する際、該樹脂組成物粒子を1回で投入し、処理時間を長くしただけでは残留樹脂組成物粒子の削減を達成することが困難な場合があることを見出した。
更に、上記した方法で製造した磁性キャリアを、電子顕微鏡(SEM)で詳細に観察すると、図4に示すように、該樹脂組成物粒子の被覆層の厚みにムラ及び粒子界面が存在していることを見出した。更に、被覆処理の際、処理物に高い動力を与えると、該磁性キャリアコア粒子の表面に割れ、欠けが発生してしまうことを見出した。
上記した課題を解決すべく、本発明者が検討した結果、該樹脂組成物粒子の投入量Aと該樹脂組成物粒子の投入量Bに差を付け、該樹脂組成物粒子の投入量Aを該樹脂組成物粒子の投入量Bより少なくすることにより、図3に示すように、該樹脂組成物粒子の被覆層の厚みにムラ及び粒子界面が存在せず、該磁性キャリアコア粒子の表面に該樹脂組成物粒子を均一に被覆処理し、該磁性キャリアコア粒子の割れ、欠けの発生を抑制できることを見出した。
上記の理由として、該樹脂組成物粒子を1回で投入した際、該樹脂組成物粒子の被覆層の厚みにムラがあり、粒子界面が存在するのは、被覆処理の際、該磁性キャリアコア粒子表面に存在する凹凸部の凹部から優先的に被覆処理され、凸部分の被覆処理が最後になるためと考えられる。
磁性キャリアコア粒子表面に存在する凸部分を被覆処理すべく、処理時間を長くしても、残留樹脂組成物粒子の削減を達成することができない。つまり、該磁性キャリアコア粒子の表面に該樹脂組成物粒子を均一に被覆するためには、該磁性キャリアコア粒子表面に存在する凹凸差を如何になくすかが重要である。
本発明においては、該樹脂組成物粒子の投入量Aの被覆処理で、該磁性キャリアコア粒子表面に存在する凹凸部の凹部を早い段階で被覆処理することで、相対的に凸部との凹凸差をなくすことができ、更に、該磁性キャリアコア粒子の表面に薄い該樹脂組成物粒子層を形成することができる。
該磁性キャリアコア粒子表面に、薄い該樹脂組成物粒子層が存在し、且つ、該樹脂組成物粒子の投入量Bの被覆層とのなじみ効果を与えられた状態で、該樹脂組成物粒子の投入量Bの被覆処理を行うため、該樹脂組成物粒子の被覆層の厚みにムラがなく、粒子界面が存在せず、残留樹脂組成物粒子の削減により処方を安定化することができると考えている。
本発明者が検討した結果、樹脂組成物粒子の投入量Aは、磁性キャリアコア粒子100.0質量部に対し、0.1質量部以上1.0質量部以下であることが好ましい。より好ましい範囲は、0.2質量部以上0.9質量部以下である。尚、該樹脂組成物粒子の被覆処理回数は2回以上何回でも構わないが、コスト面から2回が好ましい。この際樹脂組成物粒子の投入量Bは、5.0質量部以下が好ましく、更には4.0質量部以下が好ましい。
また、本発明においては、投入の仕方として、該磁性キャリアコア粒子と該樹脂組成物粒子を別々に投入しているが、該磁性キャリアコア粒子と該樹脂組成物粒子を予めミキサー等の混合装置で混合してから投入してもよい。
つまり、該磁性キャリアコア粒子と該樹脂組成物粒子を予めミキサー等で混合しておき、該混合品を図1に示す装置に投入して被覆処理し、該被覆処理終了後、更に該樹脂組成物粒子を投入して被覆処理するという方法でも構わない。
また、該磁性キャリアコア粒子と該樹脂組成物粒子を予めミキサー等で混合しておき、該混合品を図1に示す装置に投入して被覆処理し、該被覆処理終了後、該被覆処理品を一旦排出して更に該樹脂組成物粒子とミキサー等で混合し、該混合品を図1に示す装置に再度投入して被覆処理するという方法でも構わない。
更に、本発明においては、該樹脂組成物粒子を投入後第一の被覆処理を行い、更に該樹脂組成物粒子を投入して被覆処理を行うが如く、複数回に分けて投入し、複数回の被覆処理を行った際、被覆処理中の該本体ケーシング1と該攪拌部材3との間の処理空間9における温度T(℃)は、下記式を満たす範囲に温度制御することが好ましい。
Tg−50≦T≦Tg+20(℃)
(Tg:該樹脂組成物粒子ガラス転移温度(℃))
尚、被覆用樹脂組成物粒子のガラス転移点(Tg)については、70℃以上が好ましく、更には80℃以上が好ましい。従って、該被覆処理中の処理物の温度T(℃)は、20℃以上が好ましく、更には30℃以上が好ましい。
尚、該被覆処理中の処理物の温度T(℃)とは、被覆処理中の該本体ケーシング1内雰囲気温度のことである。具体的には、該本体ケーシング1の内壁表面に熱電対を装置外側から装着して、被覆処理時の熱履歴を測定した際の、被覆処理中における最高温度のことである。
従来の熱的な乾式被覆処理の場合、該被覆処理中の処理物近傍の温度T(℃)は、該樹脂組成物粒子のTgよりもある程度高いことが必要であり、そのために本体ケーシング1の内側に設置されたジャケット4に熱媒体を流すことで装置全体を加熱していた。
しかしながら、該被覆処理中の処理物近傍の温度T(℃)を高くすればするほど、処理物の偏在や滞留が生じやすくなり、磁性キャリアの合一が促進され、均一な被覆処理ができなくなる場合がある。一方で、該被覆処理中の処理物近傍の温度T(℃)を低くすれば、該磁性キャリアコア粒子表面への該樹脂組成物粒子の密着性や、被覆処理そのものが不十分となってしまい、磁性キャリアの合一の抑制と、均一な被覆処理を両立することは非常に困難であった。
これに対して、本発明では、該樹脂組成物粒子を投入後第一の被覆処理を行い、更に該樹脂組成物粒子を投入して被覆処理を行うが如く、複数回に分けて投入し、複数回の被覆処理を行うことにより、従来の機械的衝撃力を用いて被覆処理する乾式被覆処理装置と比較して、該被覆処理中の処理物近傍の温度T(℃)を該樹脂組成物粒子のTgより低くすることで均一な被覆処理が可能となった。
上記の理由として、本発明においては、該回転体端部側面10から該駆動部8の方向(12)への送りと、該駆動部8から該回転体端部側面10の方向(13)への送りを繰り返すことにより、該本体ケーシング1内壁や該攪拌部材3と処理物との衝突に加えて、処理物同士の衝突が効果的に頻繁に生じる。これにより、該磁性キャリア粒子1粒について、ごく微小領域においては瞬間的に熱が掛かり、処理物の温度が局所的でのみTg以上となり、処理される領域以外では冷却され、すぐに磁性キャリアの温度は低下する。このため磁性キャリア同士の合一が防止でき、合一した磁性キャリアの解砕面が生じることによる被覆層の不均一さがなくなる。そして、該樹脂組成物粒子を投入後第一の被覆処理を行い、更に該樹脂組成物粒子を投入して被覆処理を行うが如く、複数回に分けて投入し、複数回の被覆処理を行うことにより、上記で説明したように処理物の温度の上げ下げが繰り返されることで、均一な被覆処理が行えると考えている。
更に、該樹脂組成物粒子を投入後第一の被覆処理を行い、更に該樹脂組成物粒子を投入して被覆処理を行うが如く、複数回に分けて投入し、複数回の被覆処理を行うことにより、処理物同士の衝突が効果的に頻繁に生じ、該被覆処理中の処理物の温度T(℃)を該樹脂組成物粒子のTgより高くしなくとも、良好な被覆処理が可能となり、磁性キャリアの合一を抑制することができるようになったと考えている。
よって本発明では、該樹脂組成物粒子を投入後第一の被覆処理を行い、更に該樹脂組成物粒子を投入して被覆処理を行うが如く、複数回に分けて投入し、複数回の被覆処理を行い、該被覆処理中の処理物の温度T(℃)を上記したように制御することにより、磁性キャリア合一を抑制することと、均一な被覆処理を行うことが高いレベルで両立できるようになった。該被覆処理中の処理物の温度T(℃)を制御するためには、冷熱媒体を流すことのできる該ジャケット4を有している該回転体2や該本体ケーシング1を用いることが好ましい。冷熱媒体としては、冷却チラー水や熱水、スチーム、オイル等の流体を用いることができる。
また、本発明においては、該攪拌部材3の位置関係は、以下のように配置されていることが好ましい。
図2(a)において、該攪拌部材3aの端部位置から垂直方向に線を引くと、隣接する該攪拌部材3aと該攪拌部材3bとが幅dだけ重なる位置関係にあることが好ましい。尚、該重なり幅dは、該攪拌部材3aの最大幅をDとした場合、0.05D以上0.50D以下が好ましく、更には0.10D以上0.30D以下であることが好ましい。また、該攪拌部材3の形状としては、図2(c)に示されるようにパドル形状のものであってもよい。
また、本発明において、処理物の被覆処理時間は、該処理空間9の有効処理容積が2.0×10-33の場合は、2分以上60分以下であることが好ましい。尚、スケールアップの際は、上記の処理時間と該処理空間9容積の倍数の立方根との積から処理時間を求める。例えば、該処理空間9の有効容積が2.0×10-33の装置において、処理時間が10分である場合、該処理空間9の有効容積が4.0×10-23の装置にスケールアップすると、処理時間は、10分×3√20≒27分となる。
また、本発明においては、また、本発明において、処理物に与える動力としては、該駆動部8の定格動力の45%以上85%以下が好ましい。例えば、該駆動部8の定格が5.5kWの場合なら、処理物に与える動力としては、2.5kW以上4.7kW以下が好ましく、該駆動部8の定格が30.0kWの場合なら、処理物に与える動力としては、13.5kW以上25.5kW以下が好ましい。
また、本発明においては、処理部に与える動力が上記した範囲内に収まるよう、該攪拌部材3の回転周速を制御することが好ましい。具体的には、最外端部で5m/sec以上30m/sec、更には、10m/sec以上20m/sec以下とすることが好ましい。
また、本発明においては、処理部に与える動力が上記した範囲内に収まるよう、該本体ケーシング1と該攪拌羽根3との間隙を調整することが好ましい。具体的には0.5mm以上30.0mm以下、更には、1.0mm以上20.0mm以下であることが好ましい。
以上のように、処理物に与える動力、該攪拌部材3の周速、該本体ケーシング1と該攪拌羽根3との間隙、処理時間、投入量を上記した範囲に制御することにより、該樹脂組成物粒子を均一に被覆処理することができる。更には、残留樹脂組成物粒子が少なく、該磁性キャリアコア粒子の割れ、欠けがなく、表面が平滑で被着強度が強く、高温高質化においても放置後のトナー帯電量低下を抑制することができる経時安定性に優れた磁性キャリアを得ることができる。
本発明の製法により得られる磁性キャリアは、体積基準の50%粒径(D50)が20.0μm以上100.0μm以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは25.0μm以上60.0μm以下の範囲であることが好ましい。
体積基準の50%粒径(D50)が20.0μm以上100.0μm以下の範囲であることで、現像極での磁気ブラシの密度が最適化されるとともに、トナーの帯電量分布をシャープにすることができ、高画質化を図ることができる。また、磁性キャリアの体積基準の50%粒径(D50)を20.0μm以上100.0μm以下の範囲とするために、該磁性キャリアコア粒子の体積基準の50%粒径(D50)は、19.5μm以上99.5μm以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは24.5μm以上59.5μm以下の範囲であることが好ましい。
また、本発明の製法により得られる磁性キャリアは、平均円形度が0.920以上、より好ましくは0.950以上であることが、トナーに帯電量を付与する面で好ましい。
また、本発明の製法により得られる磁性キャリアは、体積基準の円形度分布において、下記式の、0.900以下の円形度(a)の磁性キャリア粒子が10.0個数%以下であることが好ましい。
円形度a=L0/L
〔L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕
尚、円形度分布における円形度0.900以下の磁性キャリアとは、不定形粒子であり、特に割れ、欠け、凝集等により生じた粒子であり、均一に被覆処理されていない磁性キャリアを大凡意味する。
本発明においては、一度に多量の該樹脂組成物粒子を処理することなく、複数回に分けることで磁性キャリアへの過大となるストレスをかけずに被覆処理を行うことができるため、円形度分布における円形度0.900以下の磁性キャリアの割合を10.0体積%以下とすることができ、高温高質下においても放置後のトナー帯電量低下を抑制することができる経時安定性に優れた磁性キャリアを得ることができる。
次に、該磁性キャリアコア粒子について説明する。該磁性キャリアコア粒子としては、公知のフェライト粒子、マグネタイト粒子、磁性体分散型樹脂キャリアコア等の該磁性キャリアコア粒子が使用できる。該磁性キャリアコア粒子は、例えば以下に記載するように製造される。
該磁性キャリアコア粒子は、磁性体を用いて製造される。該磁性体としては、鉄、リチウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ルビジウム、ストロンチウム、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム及びチタンから選ばれる一種または二種以上の元素を含む磁性フェライト粒子、またはマグネタイト粒子が挙げられる。
好ましくは、マグネタイト粒子、または、マンガン、カルシウム、リチウム及びマグネシウムから選ばれる一種または二種以上の元素を少なくとも有するフェライト粒子である。
該フェライト粒子としては、Ca−Mg−Fe系フェライト、Li−Fe系フェライト、Mn−Mg−Fe系フェライト、Ca−Be−Fe系フェライト、Mn−Mg−Sr−Fe系フェライト、Li−Mg−Fe系フェライト、Li−Ca−Mg−Fe系フェライト及びLi−Mn−Fe系フェライトの如き鉄系酸化物の粒子が挙げられる。
該鉄系酸化物のフェライト粒子は、それぞれ金属の酸化物、炭酸塩、硝酸塩を湿式あるいは乾式にて混合し、所望のフェライト組成となるよう仮焼成することにより得られる。次いで、得られた鉄系酸化物のフェライトを、サブミクロンまで粉砕する。
粉砕されたフェライトに、磁性キャリアコアの粒径を調整するための水を20質量%以上50質量%以下を加え、結着樹脂として例えばポリビニルアルコール(分子量500以上10,000以下)を0.1質量%以上10質量%以下を加えて、スラリーを調製する。このスラリーを、スプレードライヤー等を用いて造粒を行い、焼成することでフェライトコアを得ることができる。
他の方法としては、磁性体分散型樹脂キャリアコアの結着樹脂を形成するためのモノマーを磁性体存在下で重合して得ることもできる。ここで結着樹脂を形成するためのモノマーとしては以下のものが挙げられる。
ビニル系モノマー、エポキシ樹脂を形成するためのビスフェノール類とエピクロルヒドリン;フェノール樹脂を生成するためのフェノール類とアルデヒド類;尿素樹脂を形成するための尿素とアルデヒド類、メラミンとアルデヒド類が含まれる。
フェノール類とアルデヒド類からフェノール樹脂を重合する方法が特に好ましい。この場合は、水性媒体に磁性体およびフェノール類とアルデヒド類を添加し、水性媒体中のフェノール類とアルデヒド類を塩基性触媒の存在下で重合させることにより、磁性体分散型樹脂キャリアコアを製造することができる。
フェノール樹脂を生成するためのフェノール類は、フェノール(ヒドロキシベンゼン)のほか、フェノール性水酸基を有する化合物であればよい。フェノール性水酸基を有する化合物としては、m−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、o−プロピルフェノール、レゾルシノール、ビスフェノールAの如きアルキルフェノール類;芳香環(例えばベンゼン環)の水素またはアルキル基の水素の一部または全部が、塩素原子や臭素原子で置換されたハロゲン化フェノール類が挙げられる。
フェノール樹脂を生成するためのアルデヒド類としては以下のものが挙げられる。例えばホルマリン、パラホルムアルデヒドのいずれかの形態のホルムアルデヒド、およびフルフラールであり、より好ましくはホルムアルデヒドである。
アルデヒド類のフェノール類に対するモル比は1:1乃至1:4であることが好ましく、1:1.2乃至1:3であることがより好ましい。アルデヒド類のフェノール類に対するモル比が1より小さいと、粒子が生成しにくかったり、生成したとしても樹脂の硬化が進行しにくいために、生成する粒子の強度が弱くなったりする傾向がある。一方、アルデヒド類のフェノール類に対するモル比が4よりも大きいと、反応後に水系媒体中に残留する未反応のアルデヒド類が増加する傾向がある。
フェノール類とアルデヒド類との縮合は、塩基性触媒を用いて行うことができる。該塩基性触媒は通常のレゾール型樹脂の製造に使用されている触媒であればよく、該塩基性触媒の例にはアンモニア水、ヘキサメチレンテトラミン及びジメチルアミン、ジエチルトリアミン、ポリエチレンイミンの如きアルキルアミンが含まれる。これら塩基性触媒のフェノール類に対するモル比は1:0.02乃至1:0.3であることが好ましい。
また、磁性体分散型樹脂キャリアコアに用いる磁性体としては、マグネタイト粒子、フェライト粒子が挙げられ、その粒径が0.02μm以上2.00μm以下のものであれば好適である。
磁性体分散型樹脂粒子の具体的な作製方法としては、以下の方法が挙げられる。例えば、鉄粉、マグネタイト粒子、フェライト粒子の如きサブミクロンの磁性体を熱可塑性樹脂中に分散させるように混練し、所望のキャリア粒径まで粉砕し、必要に応じて熱的または機械的な球形化処理を施して得ることができる。また、磁性体をモノマー中に分散させ、モノマーを重合して樹脂を形成することによりキャリアコアを重合法により作製することも可能である。
次に本発明に用いられる、磁性キャリアコア表面を被覆する樹脂組成物粒子に関して説明する。本発明に用いられる樹脂組成物粒子は少なくとも樹脂成分を含有する。樹脂成分としては、熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。また、樹脂成分としては、一種類の樹脂であってもよく、二種以上の樹脂の組み合わせでもよい。
樹脂成分としての熱可塑性樹脂の例には、ポリスチレン;ポリメチルメタクリレートやスチレン−メタクリル酸共重合体等のアクリル樹脂;スチレン−ブタジエン共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;ポリ塩化ビニル;ポリ酢酸ビニル;ポリフッ化ビニリデン樹脂;フルオロカーボン樹脂;パーフルオロカーボン樹脂;溶剤可溶性パーフルオロカーボン樹脂;ポリビニルアルコール;ポリビニルアセタール;ポリビニルピロリドン;石油樹脂;セルロース;酢酸セルロース、硝酸セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体;ノボラック樹脂;低分子量ポリエチレン;飽和アルキルポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレートといったポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリエーテルケトン樹脂が含まれる。
該樹脂組成物粒子に含まれる樹脂成分のテトラヒドロフラン(THF)可溶分の重量平均分子量Mwは、15,000以上1,000,000以下であることが、磁性キャリアコアとの密着性や、被覆する際に特に均一に磁性キャリアコア表面を被覆することができるという点で好ましい。
該樹脂組成物粒子の体積基準の50%粒径(D50)としては、0.1μm以上15.0μm以下が好ましく、0.1μm以上5.0μm以下がより好ましい。更には、0.3μm以上3.0μm以下が好ましい。
該樹脂組成物粒子を製造する方法としては、懸濁重合、乳化重合等により粒子を直接得る方法や、溶液重合により粒子を合成した後スプレードライ等により溶液を除去しつつ、粒子を作成する方法が挙げられる。
本発明の磁性キャリアと共に用いられるトナーとしては、公知のものが使用でき、粉砕法、重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法等のいずれの方法で製造されたものであってもよい。
次に本発明に係る結着樹脂、ワックス及び着色剤を含有するトナー粒子の構成材料について説明する。本発明では、従来知られている種々のトナー粒子の材料を用いることが可能である。
トナー粒子を構成する結着樹脂としては、通常トナーに用いられ樹脂を使用することができる。以下のようなものが挙げられる。
本発明に好適に用いられるトナーのおいて、結着樹脂としては、ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂及び石油系樹脂が挙げられる。本発明において、粒子の表面改質する上で、架橋されたスチレン系樹脂及び架橋されたポリエステある樹脂が好ましい結着樹脂である。
トナーの物性のうち、結着樹脂に起因するものとしては、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される分子量分布において、分子量2,000以上50,000以下の領域に少なくとも一つのピークを有し、分子量1000以上30000以下の成分が50%以上90%以下存在する場合がより好ましい。
本発明に好適に用いられるトナーのおいては、定着時の定着部材からの離型性の向上、定着性の向上の点から次のようなワックスがトナー粒子の材料として用いられる。ワックスとしては、パラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導体が挙げられる。これらのワックスの誘導体として、酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。そのワックスとして、アルコール、脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス、鉱物系ワックス、ペトロラクタムが挙げられる。
本発明に好適に用いられるトナーのおいては、トナー粒子の帯電量及び帯電量分布の制御のために、荷電制御剤をトナー粒子に配合(内添)、又はトナー粒子と混合(外添)して用いることが好ましい。
トナーを負荷電性に制御するための負荷電制御剤としては、有機金属錯体、キレート化合物が挙げられる。有機金属錯体としては、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸金属錯体、芳香族ジカルボン酸金属錯体が挙げられる。さらに、負荷電制御剤としては、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸及びその金属塩;芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸の無水物;芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸のエステル化合物、ビスフェノールの如きフェノール誘導体が挙げられる。
トナーを正荷電性に制御するための正荷電制御剤としては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩によるニグロシンの変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリブチルベンジルホスホニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルホスホニウムテトラフルオロボレートの如きホスホニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等);高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドの如きジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレートが挙げられる。
これらの荷電制御剤は、単独で又は二種類以上を組み合わせて用いることができる。また、電荷制御樹脂も用いることができ、上記の電荷制御剤と併用することもできる。
上記した荷電制御剤は微粒子状で用いることが好ましい。これらの荷電制御剤をトナー粒子に内添する場合は、結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上20.0質量部以下、特に0.2質量部以上10.0質量部以下をトナー粒子に添加することが好ましい。
本発明に好適に用いられるトナーのおいては、トナー粒子の材料として、従来知られている種々の着色剤を用いることができる。本発明に用いられる着色剤は、黒色着色剤としては、マグネタイト、カーボンブラック、以下に示すイエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤の如き有彩色着色剤によって黒色に調色されるように組み合わせたものが用いられる。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。
具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、155、162、168、174、176、180、181、191が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。
具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、31、48;2、48;3、48;4、57;1、81;1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254が挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が挙げられる。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明において、着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性を考慮して選択される。
これらの有彩色に非磁性の着色剤は、結着樹脂100質量部に対し総量で1.0質量部以上20.0質量部以下がトナー粒子中に含有される。また、磁性の着色剤は、結着樹脂100質量部に対し総量で20質量部以上60質量部以下がトナー粒子中に含有される。
本発明に好適に用いられるトナーのおいては、微粒子である外添剤を外添されていてもよい。微粒子を外添されることにより、流動性や転写性が向上しうる。トナー粒子表面に外添される外添剤は、酸化チタン、酸化アルミナ、及びシリカ微粒子のいずれかの微粒子を含むことが好ましい。
該外添剤に含まれる微粒子の表面は、疎水化処理をされていることが好ましい。疎水化処理は、各種チタンカップリング剤、シランカップリング剤の如きカップリング剤;脂肪酸及びその金属塩;シリコーンオイル;またはそれらの組み合わせによってなされることが好ましい。
様々な組み合わせの中でも、微粒子の一つとして、個数平均粒子径が80nm以上300nm以下である微粒子を添加することが好ましい。理由としてはキャリアとの付着力を低減でき、トナーが高い帯電を持っていても、効率良く現像できるためである。
材質としては例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化セリウム等が挙げられる。シリカの場合、例えば、気相分解法、燃焼法、爆燃法など従来公知の技術を用いて製造されたいかなるシリカをも使用することができる。中でも、粒度分布をシャープにできるゾルゲル法により得られるシリカ粒子が好ましい。
該外添剤のトナー中における含有量は、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上4.0質量%以下であることがより好ましい。また外添剤は、複数種の微粒子の組み合わせでもよい。
本発明の磁性キャリアとトナーを混合して二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2質量%以上15質量%以下、好ましくは4質量%以上13質量%以下にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%以下では画像濃度が低下しやすく、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が発生しやすい。
次に、本発明に関わる測定方法について述べる。
<樹脂組成物粒子のガラス転移点(Tg)測定>
樹脂組成物粒子のガラス転移点(Tg)は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、樹脂組成物粒子を約10mg精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲30乃至200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。この昇温過程で、温度40℃乃至100℃の範囲において比熱変化が得られる。
このときの比熱変化が出る前と出た後の、ベースラインの中間点の線と、示差熱曲線との交点を、樹脂組成物粒子のガラス転移温度Tgとする。
<磁性キャリアコア、樹脂組成物粒子、及び磁性キャリアの体積分布基準50%粒径(D50)、樹脂組成物粒子の10.0μm以上の粒子の含有量の測定方法>
粒度分布測定は、レーザー回折・散乱方式の粒度分布測定装置「マイクロトラックMT3300EX」(日機装社製)に、乾式測定用の試料供給機「ワンショットドライ型サンプルコンディショナーTurbotrac」(日機装社製)を装着して測定を行う。
Turbotracの供給条件として、真空源として集塵機を用い、風量33リットル/sec、圧力17kPaとし、制御は、ソフトウエア上で自動的に行う。粒径は体積基準の累積値である50%粒径(D50)を求め、10.0μm以上の粒子の含有量を求める。制御及び解析は付属ソフト(バージョン10.3.3−202D)を用いて行う。
測定条件は、SetZero時間10秒、測定時間10秒、測定回数1回。粒子屈折率は、1.81、粒子形状を非球形、測定上限1408μm、測定下限0.243μmとする。測定は、常温常湿(23℃、50%RH)環境下で行う。
<樹脂組成物粒子の分子量測定>
樹脂組成物粒子のテトラヒドロフラン(THF)可溶分の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、23℃で24時間かけて、樹脂組成物粒子をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。
尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、
807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<磁性キャリアコアの平均円形度、磁性キャリアの平均円形度、円形度0.900以下の磁性キャリアの割合の測定>
磁性キャリアコア及び磁性キャリアの平均円形度、円形度0.900以下の磁性キャリアの割合の測定は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000型」(シスメックス社製)を用いて、以下の解析条件で測定する。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えばDuke Scientific社製5200Aをイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。自動焦点調整終了後、測定用の分散液を作製する。
具体的には、ビーカーに入れたイオン交換水20mlに、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を適量加えた後、測定試料を0.3g加える。
次に、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散機(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製など))を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。
磁性キャリアコアの平均円形度、磁性キャリアの平均円形度の測定は、標準対物レンズ(10倍)を搭載した上記のフロー式粒子像分析装置を用い、上記の手順に従い調整した分散液を上記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて500個の磁性キャリアコア、磁性キャリアを計測することで求める。
その際計測条件として、粒子解析時の2値化閾値を85%、円相当径を個数基準とし、粒径限定を19.92μm以上200.00μm以下、形状限定を0.20以上1.00以下とし、磁性キャリアコアの平均円形度、磁性キャリアの平均円形度を求める。
円形度0.900以下の磁性キャリアの割合の測定も、標準対物レンズ(10倍)を搭載した上記のフロー式粒子像分析装置を用い、上記の手順に従い調整した分散液を上記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて500個の磁性キャリアを計測することで求める。
その際計測条件として、粒子解析時の2値化閾値を85%、円相当径を個数基準、粒径限定を19.92μm以上200.00μm以下、形状限定を0.200以上0.900以下として磁性キャリアを測定し、磁性キャリアの円形度0.900以下の粒子数を求める。
次に円相当径を個数基準、粒径限定を19.92μm以上200.00μm以下のままで、形状限定を0.200以上1.000以下とし、磁性キャリアの円形度1.000以下の粒子数を求める。
上記の磁性キャリアの円形度0.900以下の粒子数を、磁性キャリアの平均円形度1.000以下の粒子数で割ることで、円形度0.900以下の磁性キャリアの割合を求める。
<磁性キャリア中の残留樹脂組成物粒子の測定>
磁性キャリア中の残留樹脂組成物粒子の測定も、標準対物レンズ(10倍)を搭載した上記のフロー式粒子像分析装置を用い、上記の手順に従い調整した分散液を上記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて500個の磁性キャリアを計測することで求める。
その際計測条件として、粒子解析時の2値化閾値を85%、円相当径を体積基準とし、粒径限定を0.500μm以上19.92μm以下、形状限定を0.200以上1.000以下として磁性キャリアを測定し、粒径限定内の存在する粒子の存在率を求め、これをもって残留樹脂組成物粒子として測定する。
以下、具体的製造例及び実施例をもって本発明を更に詳しく説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
<磁性キャリアコアaの製造例>
マグネタイト粒子(個数平均粒径0.3μm)と、シラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)とを容器に導入する。このとき、該シラン系カップリング剤は、該マグネタイト粒子の質量に対して、3.0質量%の量になるよう導入した。該容器内において110℃で高速混合攪拌して、マグネタイト粒子を表面処理した。
次に、下記に示す材料を用いて磁性キャリアコアaを製造した。
フェノール :10.0質量部
ホルムアルデヒド溶液(37質量%水溶液) : 6.0質量部
表面処理したマグネタイト粒子 :84.0質量部
上記の材料と、28質量%アンモニア水5質量部、水25質量部をフラスコに入れ、混合しながら30分間で85℃まで昇温・保持し、3時間重合反応させて硬化させた。その後、30℃まで冷却し、更に水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾した。
次いで、これを減圧下、60℃の温度で乾燥して、マグネタイト粒子がフェノール樹脂中に分散された磁性微粒子分散型の磁性キャリアコアaを得た。
得られた磁性キャリアコアaの体積基準の50%粒径(D50)は37.2μmであり、平均円形度は0.970であり、円形度0.900以下の磁性キャリアコアの割合は4.0個数%であった。結果を表1に示す。
<磁性キャリアコアbの製造例>
下記に示す材料を用いて磁性キャリアコアbを製造した。
Fe23 :66.5質量部
MnCO3 :28.1質量部
Mg(OH)2 : 4.8質量部
SrCO3 : 0.6質量部
上記の各材料を湿式混合した後、900℃で2時間仮焼し、仮焼されたフェライト組成物をボールミルで粉砕した。得られた粉砕物の個数平均粒径は0.8μmであった。得られた粉砕物に、水(粉砕物に対して300質量部)と重量平均分子量5,000のポリビニルアルコール(粉砕物に対して3質量部)を加え、スプレードライヤーにより造粒した。
次に、電気炉にて、酸素濃度2.0%の窒素雰囲気下、造粒物を1300℃で6時間焼結した後に粉砕し、更に分級することによりMn−Mg−Sr−Feフェライト組成の磁性キャリアコアbを得た。
得られた磁性キャリアコアbの体積基準の50%粒径(D50)は42.3μmであり、平均円形度は0.950であり、円形度0.900以下の磁性キャリアコアの割合は6.0個数%であった。結果を表1に示す。
Figure 0005361558
<樹脂組成物粒子αの製造例>
攪拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに、溶剤としてメタノール100.0質量部及びメチルエチルケトン200.0質量部を仕込んだ。更にメタクリル酸メチルモノマー400.0質量部、メタクリル酸シクロヘキシルモノマー100.0質量部と、重合開始剤としてアゾビスイソバレロニトリル3.0質量部とを仕込み、攪拌、窒素導入下、65℃の条件下において12時間溶液重合反応行い、重合溶液を得た。
攪拌機、リービッヒ冷却管、温度計を備えた4つ口のセパラブルフラスコにヘキサン交換水500質量部を仕込み、これに上記重合溶液を100.0質量部仕込み、95℃下の条件下において10時間加熱攪拌しながら脱溶剤を行った。得られた樹脂分散液を濾別して樹脂成分を得、樹脂成分は樹脂分を99.5%以上になるまで50℃で乾燥し、樹脂を得た。
得られた樹脂を粗粉砕機にて粗粉砕し、更に微粉砕機にて微粉砕し、体積基準の50%粒径(D50)が8.1μm、10.1μm以上が17.8体積%の樹脂組成物粒子αを得た。尚、得られた樹脂組成物粒子αの重量平均分子量Mwは51000であり、ガラス転移点(Tg)は98.0℃であった。結果を表2に示す。
<樹脂組成物粒子βの製造例>
上記した樹脂100.0質量部に対して、平均一次粒径が20.0nmのカーボンブラックを5.0質量部加えて、ヘンシェルミキサーを用いて混合を行い、二軸式押出機にて溶融混練した。得られた混練物を冷却し、粗粉砕機にて1.0mm以下に粗粉砕し粗砕物を得た。
得られた粗砕物を、微粉砕機を用いて微粉砕した後、風力分級機により分級し、樹脂組成物粒子βを得た。得られた樹脂組成物粒子βは、体積基準の50%粒径(D50)が3.7μmであり、10.1μm以上が4.2体積%であった。結果を表2に示す。
Figure 0005361558
<トナーの製造例>
下記に示す材料及び製法を用いてトナーを製造した。
ポリエステル樹脂(ピーク分子量Mp6500,Tg65℃) :100.0質量部
C.I.ピグメントブルー15:3 : 5.0質量部
パラフィンワックス(融点75℃) : 5.0質量部
3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 : 0.5質量部
上記の材料をヘンシェルミキサーで混合した後、二軸式押出機にて溶融混練した。得られた混練物を冷却し、粗粉砕機にて1mm以下に粗粉砕し粗砕物を得た。得られた粗砕物を、粉砕機を用いて微粉砕した後、風力分級機により分級し、トナー粒子を得た。得られたトナー粒子の体積基準の50%粒径(D50)は6.5μmであった。
得られたトナー粒子100.0質量部に対して、下記の材料を加えて、ヘンシェルミキサーを用いて外添しトナーを製造した。
アナターゼ型酸化チタン微粉末 : 1.0質量部
(BET比表面積80m2/g、イソブチルトリメトキシシラン12質量%処理)
オイル処理シリカ : 1.5質量部
(BET比表面積95m2/g、シリコーンオイル15質量%処理)
球状シリカ : 1.5質量部
(ヘキサメチルジシラザン処理、BET比表面積24m2/g、個数平均粒径:0.1μm)
〔実施例1〕
図1に示す装置を用い被覆処理を行い、下記に示した材料及び製法を用いて磁性キャリアを製造した。
本実施例においては、図1に示す装置の該処理空間9の容積が2.0×10-33の装置を用い、該駆動部8の定格動力を5.5kWとし、該攪拌部材3の形状を図2(a)のものとした。そして、図2(a)における該攪拌部材3aと該攪拌部材3bの該重なり幅dを該攪拌部材3の最大幅Dに対して0.25Dとし、該攪拌部材3と該本体ケーシング1内周との最小間隙を3.0mmとした。
上記した装置構成で、該磁性キャリアコアa100.0質量部に対して、該樹脂組成物粒子αを投入量Aとして0.3質量部を加え被覆処理を行った。被覆処理の際、処理時間を10分間とし、該駆動部8動力を3.5kWで一定となるよう、該攪拌部材3の最外端部周速を11m/secに調整した。被覆処理条件を表3に示す。
処理時間が経過し、回転体2の回転が停止した後、処理物が本体ケーシング1に入った状態で原料投入口5を開け、該樹脂組成物粒子αを投入量Bとして1.7質量部加え、上記と同じ運転条件で被覆処理を行った。得られた磁性キャリアを磁力選鉱し、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得た。
得られた磁性キャリアは、平均円形度が0.978であり、円形度0.900以下の磁性キャリアの割合が0.1個数%であり、磁性キャリア中の残留樹脂組成物粒子が2.0体積%であった。
得られた磁性キャリアを以下の基準で評価した。評価結果を表4に示す。
[磁性キャリアの表面状態の評価]
得られた磁性キャリアを電子顕微鏡(SEM)を用い、一視野に磁性キャリアの全体が入るよう、倍率2,000倍で観察した。この観察を15回行い、以下の基準で磁性キャリアの表面状態を評価した。尚、評価C以上が本発明における実用レベルである。本実施例においては、図3に示すように、該樹脂組成物粒子の被覆層に粒子界面が存在せず、該磁性キャリアコアの表面に該樹脂組成物粒子が均一に被覆処理されていることが確認できた。
A:非常に良好。 粒子界面が存在する磁性キャリアが0個。
B:良好。 粒子界面が存在する磁性キャリアが3個。
C:実用上問題ない。 粒子界面が存在する磁性キャリアが5個。
D:やや悪い。 粒子界面が存在する磁性キャリアが7個。
E:悪い。 粒子界面が存在する磁性キャリアが10個以上。
[画像濃度の変化率]
得られた磁性キャリア90.0質量部に対し、上記のトナーを10.0質量部加え、V型混合機にて混合し二成分現像剤とした。得られた二成分現像剤を、キヤノン製フルカラー複写機IRC3220Nを用いて、下記の条件で評価した。
評価は、まず初期評価として、30℃、80%RHの環境下、感光体上のトナーの現像量が0.6g/cm2となるように現像バイアスを調整し、画像を出力した。次に、初期評価と同様に、印字比率1%の画像にて、トナー濃度が一定となるよう定量補給し、1万枚(10k)画像出力を行い、10k耐久後の画像濃度を測定した。
画像濃度は、ベタ画像を出力し、濃度計X−Rite500型により濃度測定を行い、6点の平均値をとって画像濃度とした。初期画像濃度をD1とし、10k耐久後の画像濃度をD10としたときの画像濃度変化率D10/D1を算出して以下の基準で判断した。
尚、評価C以上が本発明における実用レベルである。
A:非常に良好。 画像濃度変化率D10/D1が95%以上。
B:良好。 画像濃度変化率D10/D1が85%以上、95%未満。
C:実用上問題ない。 画像濃度変化率D10/D1が75%以上、85%未満。
D:やや悪い。 画像濃度変化率D10/D1が65%以上、75%未満。
E:悪い。 画像濃度変化率D10/D1が65%未満。
[感光体上Q/M(mC/kg)の維持性]
評価は、まず初期評価として、30℃、80%RHの環境下、感光体上のトナーの載り量が0.6g/cm2となった時点で、感光体上のトナーを、金属円筒管と円筒フィルターにより吸引捕集した。その際、金属円筒管を通じてコンデンサーに蓄えられた電荷量Q及び、捕集されたトナー質量Mとを測定し、それより単位質量当たりの電荷量Q/M(mC/kg)を計算し、感光体上Q/M(mC/kg)とした。
上記の初期の感光体上Q/Mを100%とし、続いて30℃、80%RHの環境下、印字比率40%の画像にて1万枚(10k)耐久し、10k耐久後の感光体上Q/Mの維持率を算出して以下の基準で判断した。尚、評価C以上が本発明における実用レベルである。
A:非常に良好。 感光体上Q/M維持率が90%以上。
B:良好。 感光体上Q/M維持率が80%以上、90%未満。
C:実用上問題ない。 感光体上Q/M維持率が70%以上、80%未満。
D:やや悪い。 感光体上Q/M維持率が60%以上、70%未満。
E:悪い。 感光体上Q/M維持率が60%未満。
[リーク]
評価は、30℃、80%RHの環境下、感光体上のトナーの載り量が0.4g/cm2となった時点の感光体上のトナー層と、出力したベタ画像を目視により評価し、以下の基準で判断した。
尚、リークは磁性キャリア表面でのトナー被覆率が低下した時に、現像担持体から磁性キャリアを介して感光体表面に電荷が移動する現象で、リーク現象が発生すると潜像の電位が現像電位に収束し、現像されなくなる。その結果、感光体上のトナー層にリーク跡(トナー層が抜けて感光体が見える箇所)が発生したり、リークが顕著な場合にはベタ画像にもリーク跡(白く抜ける箇所)が発生したりする。評価C以上が本発明における実用レベルである。
A:非常に良好。 感光体上のトナー層にリーク跡が見られない。
B:良好。 感光体上のトナー層に若干のリーク跡が見られる。
C:実用上問題ない。 感光体上にはリーク跡はあるが、ベタ画像には見られない。
D:やや悪い。 ベタ画像にも若干リーク跡が見られる。
E:悪い。 ベタ画像一面に多数のリーク跡が見られる。
[放置後Q/M(mC/kg)の維持性]
評価は、23℃、50%RHの環境下、印字比率30%の画像にて1万枚(10k)耐久し、現像性の評価を行った後、現像器を機外に取り外し、40℃、90%RHの環境下に72時間放置後、再度現像器を機内に装着し、感光体上の単位質量当たりの電荷量Q/Mを測定した。
1万枚(10k)耐久後の画像評価時の感光体上Q/Mを100%とし、72時間放置後の感光体上Q/Mの維持率を算出して以下の基準で判断した。尚、評価C以上が本発明における実用レベルである。
A:非常に良好。 感光体上Q/M維持率が90%以上で非常。
B:良好。 感光体上Q/M維持率が80%以上、90%未満。
C:実用上問題ない。 感光体上Q/M維持率が70%以上、80%未満。
D:やや悪い。 感光体上Q/M維持率が60%以上、70%未満。
E:悪い。 感光体上Q/M維持率が60%未満。
〔実施例2〕
本実施例においては、樹脂組成物粒子αを投入量Aとして0.6質量部、投入量Bとして2.4質量部とした以外は、実施例1と同様に被覆処理を行い、磁性キャリアを得た。被覆処理条件を表3に示す。磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
得られた磁性キャリアは、平均円形度が0.971であり、円形度0.900以下の磁性キャリアの割合が0.4個数%であり、磁性キャリア中の残留樹脂組成物粒子が2.9体積%であった。
次に、磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例3〕
本実施例においては、樹脂組成物粒子αを投入量Aとして0.3質量部、投入量Bとして1.2質量部とした以外は、実施例1と同様に被覆処理を行い、磁性キャリアを得た。被覆処理条件を表3に示す。
得られた磁性キャリアは、平均円形度が0.978であり、円形度0.900以下の磁性キャリアの割合が0.2個数%であり、磁性キャリア中の残留樹脂組成物粒子が1.7体積%であった。
次に、磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例4〕
本実施例においては、該樹脂組成物粒子αを投入量Aとして0.7質量部を加え、実施例1と同様に被覆処理を行った。
処理時間が経過し、回転体2の回転が停止した後、処理物が本体ケーシング1に入った状態で原料投入口5を開け、該樹脂組成物粒子αを投入量Bとして0.7質量部加え、上記と同じ運転条件で被覆処理を行った。
更に、処理時間が経過し、回転体2の回転が停止した後、処理物が本体ケーシング1に入った状態で原料投入口5を開け、該樹脂組成物粒子αを0.7質量部加え、上記と同じ運転条件で被覆処理を行った。
得られた磁性キャリアを実施例1と同様に磁力選鉱し、円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得た。被覆処理条件を表3に示す。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例5〕
本実施例においては、該樹脂組成物粒子αを投入量Aとして0.3質量部を加え、実施例1と同様に被覆処理を行った。
処理時間が経過し、回転体2の回転が停止した後、処理物が本体ケーシング1に入った状態で原料投入口5を開け、該樹脂組成物粒子αを投入量Bとして0.6質量部加え、上記と同じ運転条件で被覆処理を行った。
更に、処理時間が経過し、回転体2の回転が停止した後、処理物が本体ケーシング1に入った状態で原料投入口5を開け、該樹脂組成物粒子αを1.2質量部加え、上記と同じ運転条件で被覆処理を行った。
得られた磁性キャリアを実施例1と同様に磁力選鉱し、円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得た。被覆処理条件を表3に示す。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例6〕
本実施例においては、該磁性キャリアコアをbとし、樹脂組成物粒子をβとした以外は、実施例1と同じ運転条件で被覆処理を行い、磁性キャリアを得た。被覆処理条件を表3に示す。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例7〕
本実施例においては、該樹脂組成物粒子αを投入量Aとして1.0質量部、投入量Bとして3.0質量部とした以外は、実施例1と同様に被覆処理を行い、磁性キャリアを得た。被覆処理条件を表3に示す。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例8〕
本実施例においては、該樹脂組成物粒子αを投入量Aとして0.1質量部、投入量Bとして0.3質量部とした以外は、実施例1と同様に被覆処理を行い、磁性キャリアを得た。被覆処理条件を表3に示す。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例9〕
本実施例においては、該樹脂組成物粒子αを投入量Aとして1.7質量部、投入量Bとして0.3質量部とした以外は、実施例1と同様に被覆処理を行い、磁性キャリアを得た。被覆処理条件を表3に示す。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例10〕
本実施例においては、該樹脂組成物粒子αを投入量Aとして1.0質量部、投入量Bとして1.0質量部とした以外は、実施例1と同様に被覆処理を行い、磁性キャリアを得た。被覆処理条件を表3に示す。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例11〕
本実施例においては、該攪拌部材3の形状を図2(b)のものとし、図2(b)における該攪拌部材3aと該攪拌部材3bの該重なり幅dを該攪拌部材3の幅Dに対して0.10Dとした以外は、実施例1と同様に被覆処理を行い、磁性キャリアを得た。被覆処理条件を表3に示す。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例12〕
本実施例においては、該攪拌部材3の形状を図2(c)のものとし、図2(c)における該攪拌部材3aと該攪拌部材3bの該重なり幅dを該攪拌部材3の幅Dに対して0.30Dとした以外は、実施例1と同様に被覆処理を行い、磁性キャリアを得た。被覆処理条件を表3に示す。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
〔参考例〕
本参考例においては、樹脂組成物粒子αを2.0質量部加えた以外は、実施例1と同様に被覆処理を行い、磁性キャリアを得た。被覆処理条件を表3に示す。
得られた磁性キャリアを磁力選鉱し、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離した。
更に、本参考例においては、得られた磁性キャリアを網面固定式風力篩ハイボルター(NR−300型、新東京機械社製:金網の裏にエアーブラシを装着)を用い、これに直径300mm,目開き75μmと目開き20μmの2枚のスクリーンを設置し、風量6Nm3/minの気流に乗せて、1時間あたりの供給量を50kgとして磁性キャリアを供給し、残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得た。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表4に示す。
〔比較例1〕
本比較例においては、該樹脂組成物粒子α10.0質量部に、トルエン90.0質量部を加えて樹脂溶液(固形分濃度10%)を作製し、被覆処理装置として、万能混合攪拌機(不二パウダル社製)を用いて被覆処理を行った。
被覆処理条件は、窒素を導入しながら機内温度を60℃に加熱し、攪拌しつつ、該磁性キャリアコアa100質量部に対し、該樹脂溶液を10質量部(固形分として1.0質量部相当)を投入し、塗布時間を30分として被覆処理を行った。被覆処理終了後、更に、該樹脂溶液を10質量部(固形分として1.0質量部相当)を投入し、上記した被覆条件で被覆処理を行った。
被覆処理終了後、溶剤を完全に乾燥し、真空乾燥機を用いて減圧下にて100℃で2時間熱処理し、冷却後解砕し、磁力選鉱した。次に、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得た。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表4に示す。
〔比較例2〕
本比較例においては、被覆装置として、高速攪拌混合機(深江パウテック社製ハイフレックスグラルLFS−GS−2J型)を用いて被覆処理を行った。
被覆処理条件は、該磁性キャリアコア粒子a100質量部に対し、該樹脂組成物粒子αを投入量Aとして1.0質量部加え、高速攪拌混合機本体ケーシング外側に設置されたジャケットに熱媒体としてオイルを流し、本体ケーシング内が108℃となるよう加温し、攪拌機先端周速を11m/secとして、15分間攪拌した。
攪拌終了後、更に、該樹脂組成物粒子αを投入量Bとして1.0質量部加え、高速攪拌混合機本体ケーシング内を108℃となるよう加温し、15分間攪拌し、被覆処理を行った。得られた磁性キャリアを磁力選鉱し、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得た。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表4に示す。
〔比較例3〕
本比較例においては、被覆装置を比較例2と同じ装置を用いて被覆処理を行った。被覆処理条件は、該磁性キャリアコアa100質量部に対し、該樹脂組成物粒子αを0.7質量部加え、装置本体ケーシング外側に設置されたジャケットに熱媒体としてオイルを流し、本体ケーシング内を108℃となるよう加温し、攪拌機先端周速を11m/secとして、10分間攪拌し、被覆処理を行った。
処理時間が経過し、回転体2の回転が停止した後、処理物が本体ケーシング1に入った状態で原料投入口を開け、該樹脂組成物粒子αを投入量Bとして0.7質量部加え、上記と同じ運転条件で被覆処理を行った。
更に、処理時間が経過し、回転体の回転が停止した後、処理物が本体ケーシング1に入った状態で原料投入口を開け、該樹脂組成物粒子αを0.7質量部加え、上記と同じ運転条件で被覆処理を行った。
得られた磁性キャリアを磁力選鉱し、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得た。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表4に示す。
Figure 0005361558
Figure 0005361558
1:本体ケーシング、2:回転体3、3a、3b:攪拌部材、4:ジャケット、5:原料投入口、6:製品排出口、7:中心軸、8:駆動部、9:処理空間、10:回転体端部側面、11:回転方向、12:送り方向(駆動部方向)、13:送り方向(反駆動部方向)、16:原料投入口用インナーピース、17:磁性キャリア排出用インナーピースd:攪拌部材の重なり部分を示す間隔D:攪拌部材の最大幅

Claims (5)

  1. 機械的衝撃力により被覆処理をする手段を有する被覆処理装置を用いて、樹脂組成物粒子を磁性キャリアコア粒子の表面に被覆する被覆処理工程を有する磁性キャリアの製造方法であって、
    該被覆処理装置は、少なくとも複数の攪拌部材が表面に有する回転体と、該回転体を回転駆動する駆動部と、該攪拌部材と間隙を有して設けられた本体ケーシングとを有する装置であり
    該被覆処理工程においては、該回転体を回転させ、一部の該攪拌部材により、該回転体の軸方向の一方向である該駆動部方向に、該磁性キャリアコア粒子及び該樹脂組成物粒子を送り、他の一部の該攪拌部材により、該回転体の軸方向の逆方向である反該駆動部方向に、該磁性キャリアコア粒子及び該樹脂組成物粒子を送り、該駆動部方向への送りと、該反駆動部方向への送りとを繰り返し行うことにより、該磁性キャリアコア粒子の表面に該樹脂組成物の被覆処理が行われ、
    該被覆処理が、該樹脂組成物粒子を投入後第一の被覆処理を行い、更に該樹脂組成物粒子を投入して被覆処理を行うが如く、該樹脂組成物粒子を複数回に分けて投入し、複数回の被覆処理を行うことを特徴とする磁性キャリアの製造方法。
  2. 該樹脂組成物粒子を投入後第一の被覆処理を行い、更に該樹脂組成物粒子を投入して被覆処理を行うが如く、該樹脂組成物粒子を複数回に分けて投入し、複数回の被覆処理を行う際、初回に行う該樹脂組成物粒子の投入量をA質量部とし、初回以降の該樹脂組成物粒子の投入量をB質量部したとき、磁性キャリアコア粒子100.0質量部に対し、該樹脂組成物粒子の投入量Aが0.1質量部以上1.0質量部以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁性キャリアの製造方法。
  3. 該樹脂組成物粒子の投入量Aと該樹脂組成物粒子の投入量Bの関係が下記式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の磁性キャリアの製造方法。
    A<B
  4. 該磁性キャリアコア粒子の表面を該樹脂組成物粒子で被覆処理した磁性キャリアであって、請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法により製造された磁性キャリア。
  5. 該磁性キャリアは、下記式より求められる円形度(a)の円形度分布において、0.900以下の円形度(a)の磁性キャリア粒子が、10.0個数%以下であることを特徴とする請求項4に記載の磁性キャリア。
    円形度a=L0/L
    〔L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕
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