JP5359648B2 - 発光ダイオード駆動回路 - Google Patents

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本発明は、各種の照明装置や表示装置に用いられる発光ダイオードを駆動するための発光ダイオード駆動回路に関するものである。
発光ダイオード(以下、LEDと記す)は、小型・軽量で長寿命という優れた特徴を有していることから、従来より盛んに研究開発が行われてきた。近年、高輝度化や高効率化、低コスト化に関する技術が大きく進展したことによって、LEDは更に大きな期待を集めている。例えば液晶ディスプレイのバックライトなど、これまで輝度の高い放電灯などがカバーしていた光源の分野をLEDで置き換え可能になりつつあり、今後とも応用範囲の拡大が見込まれている。
特許文献1には、LEDの駆動電流の立ち上がり・立ち下りのスロープを調整することによりEMIを抑制できるLED駆動回路が記載されている。
特開2009−135138号公報
図24は、LEDの駆動回路の一例を示す図である。
n個の直列接続されたLED群(LEDストリングS1)には、一定の駆動電圧VOUTが供給される。このLEDストリングS1と直列に定電流回路102が設けられており、LEDストリングS1に流れる駆動電流IL1が一定に制御される。
図24に示すように、LEDストリングS1の各LEDには、定電流回路102の駆動電流IL1に応じた順方向電圧(Vled(1),Vled(2),…)が生じる。定電流回路102に生じる電圧降下VSINKは次式で表される。
定電流回路102の消費電力WLは、電圧降下VSINKと駆動電流IL1の積として次式のように表される。
消費電力WLは、LEDの発光に寄与しない無駄な電力なので、できるだけ小さいことが望ましい。消費電力WLを減らすには、式(2)から分かるように、駆動電圧VOUTをできるだけ低くする必要がある。しかしながら、定電流回路102は一般にトランジスタを用いて構成されているため、あまり低い電圧では定電流動作を維持できなくなる。
図25(A)は、定電流回路102の構成例を示す。図25(A)に示す定電流回路102では、N型MOSトランジスタのゲートに一定電圧Vfixを入力することで、そのドレインからソースに流れる駆動電流IL1を一定に制御している。この定電流特性は、図25(B)に示すようなN型MOSトランジスタの電圧−電流特性に基づいている。N型MOSトランジスタのドレイン−ソース電圧が小さくなると、N型MOSトランジスタの動作点が飽和領域から外れてしまうため、駆動電流IL1が所望の値より小さくなってしまう。
従って、LEDの輝度を保ちつつ消費電力WLをできるだけ小さくするためには、定電流回路102の電圧降下を適切な値に設定する必要がある。
しかしながら、一般にLEDの順方向電圧には、製造プロセスに起因する個体ごとのばらつきや、温度特性に起因するばらつきが存在している。そのため、LEDに一定の駆動電圧VOUTを供給する場合、LEDストリングS1と直列に接続される定電流回路102の電圧降下VSINKが、各LEDの順方向電圧(Vled(1),Vled(2),…)のばらつきに応じて変動する。電圧降下VSINKが極端に低くなると、上述のように定電流回路102が所望の電流を維持できなくなり、LEDの輝度が低下してしまう。また、電圧降下VSINKがあまり大きくなると、定電流回路における電力損失が大きくなってしまい、発熱の処理が問題となる。
このような問題を回避する方法として、例えば、定電流回路の電圧降下に応じて駆動電圧を制御する方法が考えられる。図26は、そのようなLED駆動回路の一例を示す図である。
図26に示すLED駆動回路は、電源回路101と、定電流回路102と、帰還制御回路103を有する。電源回路101は、LEDストリングS1に駆動電圧VOUTを供給する。定電流回路102は、LEDストリングS1に流れる駆動電流IL1の経路に設けられており、駆動電流IL1を一定に制御する。帰還制御回路103は、定電流回路102に生じる電圧降下VSINKが基準電圧VPに近づくように電源回路101を制御する。
定電流回路102の電圧降下VSINKが基準電圧VPに近づくように駆動電圧VOUTを帰還制御することによって、LEDの順方向電圧にばらつきが生じている場合でも、LEDの輝度を一定に保ちつつ消費電力を抑えることができる。
ところで、LEDの明るさを調節する場合、人間の視覚に感応しない程度の高い周波数でLEDの駆動電流をスイッチングする手法(以下、「PWM調光」と記す。)が一般に用いられている。PWM調光では、1周期における駆動電流のオン時間の割合(デューティー比)を調節することにより、駆動電流の平均値を調節する。人間の視覚では、駆動電流の平均値に応じて光の明るさが変化するため、デューティー比を調節することにより明るさを調節することができる。
このPWM調光を図26に示すLED駆動回路に適用した場合、次のような問題が生じる。
例えば駆動電流IL1を遮断する期間において、定電流回路102のトランジスタがオフするようにゲート電圧の制御を行うものとする。この場合、電圧降下VSINKの検出用の端子SINKがグランドに対してフローティング状態になる。通常、LEDストリングS1の漏れ電流がトランジスタのカットオフ電流に比べて大きいため、定電流回路102のトランジスタがオフすると、端子SINKの電圧が駆動電圧VOUT付近まで上昇する。この状態は、帰還制御回路103にとって駆動電圧VOUTが非常に高い場合と等価であるため、帰還制御回路103は駆動電圧VOUTを極端に低下させるように帰還制御信号SFBを生成する。
次に、この状態から駆動電流IL1を流す期間に移行すると、その期間の初期において駆動電圧VOUTが極端に低い状態から帰還制御が開始される。駆動電圧VOUTが低いと、電圧降下VSINKが基準電圧VPより低くなるため、LEDストリングS1の駆動電流IL1が一定値Iconstに比べて小さくなる。その結果、LEDストリングS1に流れる電流の平均値が低下し、輝度が低下してしまう。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、駆動電流のスイッチングによって発光ダイオードの輝度を調節可能であるとともに、発光ダイオードの特性のばらつきに伴う消費電力の増大や輝度の変化を抑制できる発光ダイオード駆動回路を提供することにある。
本発明に係る発光ダイオード駆動回路は、1つ又は直列接続された複数の発光ダイオードを含んだ発光ダイオード回路を駆動する発光ダイオード駆動回路であって、上記発光ダイオード回路に駆動電圧を供給する電圧供給回路と、上記発光ダイオード回路に流れる駆動電流の経路に設けられており、上記駆動電流を一定に制御する定電流回路と、上記定電流回路に生じる電圧降下又は上記発光ダイオード回路のカソード電圧が第1のしきい電圧より低い場合、上記駆動電圧が上昇するように上記電圧供給回路を制御し、上記電圧降下又は上記カソード電圧が上記第1のしきい電圧より高い場合、若しくは、上記電圧降下又は上記カソード電圧が上記第1のしきい電圧より高い第2のしきい電圧を超える場合、上記駆動電圧が低下するように上記電圧供給回路を制御する帰還制御回路とを有し、上記定電流回路は、入力される調光信号に応じて上記駆動電流の経路を遮断するスイッチ回路を含んでおり、上記帰還制御回路は、上記スイッチ回路がオフすると、上記定電流回路の上記電圧降下又は上記カソード電圧に応じた上記駆動電圧の制御を停止し、上記スイッチ回路がオンすると、当該停止した制御を再開する。
上記発光ダイオード駆動回路によれば、上記定電流回路に生じる電圧降下又は上記発光ダイオード回路のカソード電圧が第1のしきい電圧より低い場合、上記駆動電圧が上昇するように上記電圧供給回路が制御され、上記電圧降下又は上記カソード電圧が上記第1のしきい電圧より高い場合、若しくは、上記電圧降下又は上記カソード電圧が上記第1のしきい電圧より高い第2のしきい電圧を超える場合、上記駆動電圧が低下するように上記電圧供給回路が制御される。これにより、上記定電流回路に生じる電圧降下又は上記発光ダイオード回路のカソード電圧が上記第1のしきい電圧と上記第2のしきい電圧によって規定される電圧範囲に近づくように帰還制御が行われる。また、上記定電流回路の上記スイッチ回路が上記調光信号に応じてオフすると、上記電圧降下又は上記カソード電圧に応じた上記駆動電圧の制御が停止され、上記スイッチ回路がオンすると、当該停止した制御が再開される。これにより、上記スイッチ回路がオフする期間において上記電圧降下又は上記カソード電圧が大きく変動しても、この変動の影響が上記駆動電圧に及ばなくなる。
好適に、上記帰還制御回路は、上記スイッチ回路がオン状態のとき、上記定電流回路に生じる上記電圧降下又は上記カソード電圧と上記第1のしきい電圧又は上記第2のしきい電圧との差に応じて変化する帰還制御信号を生成し、上記スイッチ回路がオン状態からオフ状態へ移行するとき、上記帰還制御信号を保持し、上記スイッチ回路がオフ状態からオン状態へ移行するとき、上記帰還制御信号の上記保持を解除する。上記電圧供給回路は、上記帰還制御信号に応じて上記駆動電圧を調節する。
これにより、上記スイッチ回路のオン状態の期間に生成された上記帰還制御信号が、オフ状態の期間を挟んで、次のオン状態の開始時に初期値として用いられる。そのため、上記スイッチ回路のオン状態の初期において適切な上記帰還制御信号により上記駆動電圧の制御が開始される。
好適に、上記帰還制御回路は、上記スイッチ回路がオフ状態からオン状態へ移行してから、上記電圧降下のレベルが安定し得る所定の遅延時間が経過した後で上記帰還制御信号の上記保持を解除する。
上記帰還制御回路は、上記定電流回路に生じる上記電圧降下又は上記発光ダイオード回路の上記カソード電圧を、上記第1のしきい電圧並びに上記第2のしきい電圧と比較する比較回路と、上記比較回路の出力信号を一定の周期で保持する信号保持回路と、上記信号保持回路に保持される上記比較回路の出力信号に基づいて、上記電圧降下又は上記カソード電圧が上記第1のしきい電圧より低い場合は、上記駆動電圧が上昇するように上記帰還制御信号を段階的に若しくは連続的に変化させ、上記電圧降下又は上記カソード電圧が上記第2のしきい電圧より高い場合は、上記駆動電圧が低下するように上記帰還制御信号を段階的に若しくは連続的に変化させ、上記電圧降下又は上記カソード電圧が上記第1のしきい電圧より高く上記第2のしきい電圧より低い場合は、上記帰還制御信号を保持する帰還制御信号生成回路とを含む。
好適に、上記比較回路の出力信号と上記調光信号とを入力し、上記調光信号が上記スイッチ回路のオン状態を示すとき、上記比較回路の出力信号を出力し、上記調光信号が上記スイッチ回路のオフ状態を示すときは、当該オフ状態を示す所定の信号を出力するゲート回路を有し、上記信号保持回路は、上記ゲート回路から出力される信号を上記一定の周期で保持し、上記帰還制御信号生成回路は、上記信号保持回路に保持される上記比較回路の出力信号に応じて上記帰還制御信号を変化させるか又は保持し、上記信号保持回路に上記所定の信号が保持される場合は上記帰還制御信号を保持する。
好適に、上記帰還制御信号生成回路は、上記信号保持回路に保持される上記比較回路の出力信号に応じて計数値を一定の周期で増減させるか又は保持し、上記信号保持回路に上記所定の信号が保持される場合は上記計数値を保持する計数回路と、上記計数回路の計数値に応じたアナログ信号を生成するデジタル−アナログ変換回路とを含む。
好適に、上記スイッチ回路がオフ状態からオン状態へ移行することを示す上記調光信号を入力した場合、上記調光信号を所定の遅延時間だけ遅延させてから上記ゲート回路に入力する遅延回路を有する。
好適に、上記電圧供給回路から共通の上記駆動電圧を供給される複数の上記発光ダイオード回路に流れる上記駆動電流をそれぞれ一定に制御する複数の上記定電流回路と、上記複数の定電流回路に生じる上記電圧降下又は上記発光ダイオード回路のカソード電圧と上記第1のしきい電圧又は上記第2のしきい電圧との差に応じて上記帰還制御信号をそれぞれ生成する複数の上記帰還制御回路とを有し、上記電圧供給回路は、上記複数の帰還制御回路において生成される複数の上記帰還制御信号を合成した信号に応じて上記駆動電圧を調節する。
好適に、上記複数の帰還制御回路において生成される複数の上記帰還制御信号のうち、上記駆動電圧を最も上昇させる帰還制御信号を出力する信号合成部を有し、上記電圧供給回路は、上記信号合成部から出力される帰還制御信号に応じて上記駆動電圧を調節する。
好適に、上記電圧供給回路が、上記駆動電圧を分圧した分圧電圧を第1のノードに供給する分圧回路と、上記分圧電圧と基準電圧とを比較して誤差信号を生成する誤差増幅回路と、上記誤差信号とランプ信号とを比較してスイッチング信号を生成するコンパレータと、上記スイッチング信号に応答してオン・オフ動作するスイッチングトランジスタとを含み、上記帰還制御回路が、上記電圧降下又は上記カソード電圧に応じて上記駆動電圧を制御するための帰還制御信号を生成し、上記帰還制御信号が抵抗を介して上記第1のノードに供給される。
本発明によれば、発光ダイオードに駆動電流を流すオン期間において、定電流回路の電圧降下又は発光ダイオード回路のカソード電圧に応じて発光ダイオードの駆動電圧を制御するとともに、発光ダイオードの駆動電流を遮断するオフ期間において、当該駆動電圧の制御を停止することにより、オン期間の初期における消費電力の増大や輝度の変化を抑制できる。
第1の実施形態に係るLED駆動回路の構成の一例を示す図である。 LEDの駆動電流と調光信号の波形の例を示す図である。 図1に示すLED駆動回路におけるLED点灯時の各部の電圧波形を例示する第1の図である。 図1に示すLED駆動回路におけるLED点灯時の各部の電圧波形を例示する第2の図である。 図1に示すLED駆動回路においてLEDが点灯と消灯を繰り返す場合の各部の電圧波形を例示する第1の図である。 図1に示すLED駆動回路においてLEDが点灯と消灯を繰り返す場合の各部の電圧波形を例示する第2の図である。 位相補償要素を付加したLED駆動回路の一例を示す。 第2の実施形態に係るLED駆動回路の構成の一例を示す図である。 ロジック回路の構成の一例を示す図である。 遅延回路の動作を説明するための図である。 アップ/ダウン・カウンタの計数動作を説明するための図である。 デジタル−アナログ変換回路のアナログ信号とアップ/ダウン・カウンタの計数値との関係を示す図である。 図8に示すLED駆動回路におけるLED点灯時の各部の電圧波形を例示する第1の図である。 図8に示すLED駆動回路におけるLED点灯時の各部の電圧波形を例示する第2の図である。 図8に示すLED駆動回路においてLEDが点灯と消灯を繰り返す場合の各部の電圧波形を例示する第1の図である。 図8に示すLED駆動回路においてLEDが点灯と消灯を繰り返す場合の各部の電圧波形を例示する第2の図である。 第3の実施形態に係るLED駆動回路の構成の一例を示す図である。 第3の実施形態に係るLED駆動回路の他の構成例を示す図である。 他の実施形態に係るLED駆動回路の一例を示す第1の図である。 他の実施形態に係るLED駆動回路の一例を示す第2の図である。 他の実施形態に係るLED駆動回路の一例を示す第3の図である。 他の実施形態に係るLED駆動回路の一例を示す第4の図である。 他の実施形態に係るLED駆動回路の一例を示す第5の図である。 LED駆動回路の一例を示す第6の図である。 定電流回路の構成例を示す図である。 LED駆動回路の他の例を示す図である。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係るLED駆動回路の構成の一例を示す図である。
図1に示すLED駆動回路は、スイッチング電源回路20と、スイッチング制御回路30と、帰還制御回路40と、定電流回路50とを有する。
スイッチング電源回路20及びスイッチング制御回路30を含む回路ブロックは、本発明における電圧供給回路の一例である。
定電流回路50は、本発明における定電流回路の一例である。
帰還制御回路40は、本発明における帰還制御回路の一例である。
スイッチング電源回路20は、直流電源10から供給される電圧VINを昇圧して駆動電圧VOUTを発生する昇圧型のコンバータである。スイッチング電源回路20は、スイッチング制御回路30の制御に従って昇圧比を可変する。図1の例において、スイッチング電源回路20は、インダクタL1と、トランジスタM1と、ダイオードD1と、キャパシタC1を有する。
インダクタL1の一方の端子が直流電源10の出力(電圧VIN)に接続され、インダクタL1の他方の端子がトランジスタM1を介してグランド電位に接続される。ダイオードD1のアノードがインダクタL1とトランジスタM1の共通接続ノードに接続され、ダイオードD1のカソードが駆動電圧VOUTの出力ノードに接続される。ダイオードD1のカソードとグランド電位の間にキャパシタC1が接続される。
トランジスタM1は、例えばN型MOSトランジスタであり、後述するスイッチング制御回路30から出力されるゲート駆動信号に応じてオン又はオフする。
トランジスタM1がオンすると、インダクタL1に直流の電圧VINが印加され、インダクタL1に磁気エネルギーが蓄積される。トランジスタM1がオフすると、インダクタL1に蓄積された磁気エネルギーが電流として放出され、この電流がダイオードD1を介してキャパシタC1に流れる。トランジスタM1が周期的にオンとオフを繰り返すことにより、キャパシタC1には電圧VINより昇圧された駆動電圧VOUTが発生する。
スイッチング制御回路30は、駆動電圧VOUTが目標値に近づくようにスイッチング電源部20のスイッチング動作を制御する。図1の例において、スイッチング制御回路30は、ランプ波形信号発生器31と、コンパレータ32と、基準電圧発生器33と、誤差増幅器34と、抵抗R1,R2を有する。
抵抗R1及びR2は、スイッチング電源回路20の出力とグランド電位の間に直列に接続される。抵抗R1と抵抗R2が共通接続されるノードFBには、駆動電圧VOUTを分圧したフィードバック電圧VFBが発生する。
誤差増幅器34は、基準電圧発生器33において発生する基準電圧VREFとフィードバック電圧VFBとの差を増幅し、誤差信号として出力する。誤差増幅器34は、フィードバック電圧VFBが上昇すると誤差信号の出力レベルを低下させ、フィードバック電圧VFBが低下すると誤差信号の出力レベルを上昇させる。
ランプ波形信号発生器31は、一定周期でランプ波形を繰り返すランプ波形信号(のこぎり波形信号)を出力する。
コンパレータ32は、ランプ波形信号発生器31から出力されるランプ波形信号と誤差増幅器34から出力される誤差信号とを比較し、その比較結果に応じてハイレベル又はローレベルとなる信号を出力する。すなわち、コンパレータ32は、誤差信号がランプ波形信号より高い場合にハイレベルとなり、誤差信号がランプ波形信号より低い場合にローレベルとなる信号を出力する。コンパレータ32の出力信号は、ランプ波形信号に同期したPWM(pulse width modulation:パルス幅変調)信号であり、1周期に対するハイレベル期間の割合(デューティー比)が誤差信号に応じて変化する。すなわち、誤差信号が低くなるほどPWM信号のデューティー比が小さくなる。
コンパレータ32から出力されるPWM信号は、スイッチング電源回路20のトランジスタM1のゲートに入力される。PWM信号がハイレベルのときトランジスタM1がオンし、PWM信号がローレベルのときトランジスタM1がオフする。
フィードバック電圧VFBが基準電圧VREFより上昇する場合、誤差増幅器34から出力される誤差信号が低下するので、コンパレータ32から出力されるPWM信号のディユーティー比が小さくなり、トランジスタM1のオン時間が短くなる。トランジスタM1のオン時間が短くなると、1周期ごとにインダクタL1において蓄積・放出されるエネルギーが小さくなるので、スイッチング電源回路20から出力される駆動電圧VOUTが低下する。フィードバック電圧VFBが基準電圧VREFより低下する場合は、上述と逆の動作により、駆動電圧VOUTが上昇する。従って、誤差増幅器34のゲインが十分に高い場合、駆動電圧VOUTは、フィードバック電圧VFBと基準電圧VREFが等しくなるように制御される。
スイッチング電源回路20から出力される駆動電圧VOUTは、LEDストリングS1に供給される。LEDストリングS1は、極性を揃えて直列に接続された複数のLEDにより構成される。
定電流回路50は、LEDストリングS1に流れる駆動電流IL1の経路に設けられており、駆動電流IL1を一定の電流値Iconstに制御する。図1の例において、定電流回路50は、LEDストリングS1のカソード側の端子SINKとグランド電位との間に挿入される。
また定電流回路50は、調光制御部60から出力される調光信号Scに応じて駆動電流IL1の経路を遮断するスイッチ回路を含む。このスイッチ回路は、例えば、定電流動作用のトランジスタをカットオフ動作させることによって実現してもよいし、あるいは、定電流動作用のトランジスタと独立に設けたスイッチ用のトランジスタによって実現してもよい。
調光制御部60は、LEDストリングS1が所望の輝度で点灯するようにパルス幅変調された調光信号Scを生成する。
図2は、調光信号Scと駆動電流IL1の波形の例を示す図である。この図の例においては、調光信号Scがハイレベルになると駆動電流IL1が流れ、調光信号Scがローレベルになると駆動電流IL1が遮断される。調光信号Scのデューティー比(1周期に対するハイレベル期間の割合)が大きくなるほど、駆動電流IL1の平均値が大きくなるため、LEDストリングS1の輝度が高くなる。調光制御部60は、例えば不図示の上位装置から輝度データを入力すると、この輝度データに応じて調光信号Scのデューティー比を設定する。
帰還制御回路40は、端子SINKに生じる定電流回路50の電圧降下VSINK(又は端子SINKの電圧(LEDストリングS1のカソード電圧))が基準電圧VPに近づくようにスイッチング電源回路20の駆動電圧VOUTを制御する。すなわち、帰還制御回路40は、電圧降下VSINKが基準電圧VPより低い場合、駆動電圧VOUTが上昇するようにトランジスタM1のスイッチング動作(デューティー比)を制御し、電圧降下VSINKが基準電圧VPより高い場合、駆動電圧VOUTが低下するようにトランジスタM1のスイッチング動作を制御する。
また、帰還制御回路40は、調光信号Scに応じて定電流回路50のスイッチ回路がオフするとき、電圧降下VSINKと基準電圧VPとの比較に応じて行う上述の駆動電圧VOUTの制御を停止し、定電流回路50のスイッチ回路がオンするとき、当該停止した制御を再開する。
帰還制御回路40は、例えば図1に示すように、電圧電流変換増幅器41と、基準電圧発生器42と、スイッチ回路SF1と、抵抗R3を有する。
電圧電流変換増幅器41は、定電流回路50の電圧降下VSINKと基準電圧VPとの
差を電流IADJに変換してノードFBに出力する。例えば、電圧電流変換増幅器41は、電圧降下VSINKが基準電圧VPより低くなると、ノードFBからグランド電位へ流れる極性(正極性)の電流IADJを増大させ、電圧降下VSINKが基準電圧VPより高くなると、正極性の電流IADJを減少させる(負極性の電流IADJを増大させる)。
抵抗R3とスイッチ回路SF1は、電圧電流変換増幅器41の電流出力端子とノードFBとの電流経路に直列に挿入される。
スイッチ回路SF1は、調光信号Scに応じて、駆動電流ILが流れるときにオンし、駆動電流IL1が遮断されるときにオフする。
抵抗R3は、電圧電流変換増幅器41の出力電流IADJを制限するための抵抗であり、電圧電流変換増幅器41の出力電圧がグランド電位や電源電圧Vccに飽和する場合でも、抵抗R3によって出力電流IADJが所定の範囲に制限される。出力電流IADJの範囲を制限することで、駆動電圧VOUTの調整範囲を制限することができる。
スイッチング制御回路30の誤差増幅器34のゲインが十分に大きい場合、駆動電圧VOUTは概ね次の式で表すことができる。
式(3)において、「R1」,「R2」は抵抗R1,R2の抵抗値を示す。
電圧電流変換増幅器41のゲインが十分に大きい場合、電圧降下VSINKと基準電圧VPがほぼ等しくなるように出力電流IADJが調節される。
ここで、上述した構成を有する図1に示すLED駆動回路の動作について説明する。
まず、図3及び図4を参照して、電圧降下VSINKが適正なレベルになるように駆動電圧VOUTを制御する動作について説明する。
図3及び図4は、図1に示すLED駆動回路におけるLED点灯時の各部の電圧波形を例示する図である。図3は電圧降下VSINKが基準電圧VPより低い場合を示し、図4は電圧降下VSINKが基準電圧VPより高い場合を示す。
図3を参照すると、時刻t11において、駆動電圧VOUT(図3(B))が適正なレベルより低くなっており、定電流回路50の電圧降下VSINK(図3(C))がゼロ付近まで低下している。この場合、定電流回路50が定電流源として機能しないため、駆動電流IL1(図3(D))もゼロ付近まで小さくなる。電圧降下VSINKが基準電圧VPより低くなると、帰還制御回路40は、正極性(ノードFBからグランド電位の方向)の電流IADJ(図3(A))を増大させる。正極性の電流IADJが増大すると、ノードFBの電圧が低下するため、トランジスタM1を駆動するPWM信号のデューティー比が大きくなり、駆動電圧VOUTが上昇する。駆動電圧VOUTの上昇に応じて、電圧降下VSINKと駆動電流IL1も上昇する。電流IADJが「ΔIa」だけ増えると、式(3)の関係から、駆動電圧VOUTは「ΔIa×R1」だけ上昇する。
時刻t12において電圧降下VSINKが基準電圧VPに達すると、帰還制御回路40は電流IADJの増大を停止させて、電圧降下VSINKが基準電圧VPに近い値になるように電流IADJを維持する。このとき、定電流回路50は定電流源として機能しており、駆動電流IL1をほぼ一定の電流値Iconstに保つ。
他方、図4を参照すると、時刻t13において駆動電圧VOUT(図4(B))が適正なレベルより高くなっている。この場合、定電流回路50は駆動電流IL1(図4(D))を一定の電流値Iconstに保持しているものの、その消費電力は無駄に大きくなっている。電圧降下VSINK(図4(C))が基準電圧VPより高くなると、帰還制御回路40は、正極性の電流IADJ(図3(A))を減少させる(負極性の電流IADJを増大させる)。正極性の電流IADJが減少すると、ノードFBの電圧が上昇するため、トランジスタM1を駆動するPWM信号のデューティー比が小さくなり、駆動電圧VOUTが低下する。駆動電圧VOUTの低下に応じて、電圧降下VSINKと駆動電流IL1が低下する。
時刻t14において電圧降下VSINKが基準電圧VP付近まで低下すると、帰還制御回路40は電流IADJの減少を停止させて、電圧降下VSINKが基準電圧VPに近い値になるように電流IADJを維持する。
このようにして、LEDストリングS1に駆動電流IL1が流れる点灯期間においては、電圧降下VSINKが基準電圧VPと近い値になるように駆動電圧VOUTが制御される。
次に、図5及び図6を参照して、LEDが点灯と消灯を繰り返すときの動作を説明する。
図5及び図6は、図1に示すLED駆動回路においてLEDが点灯と消灯を繰り返す場合の各部の電圧波形を例示する図である。図5は、LEDの点灯期間の初期状態において電圧降下VSINKが基準電圧VPより低い場合を示し、図6は、この初期状態において電圧降下VSINKが基準電圧VPより高い場合を示す。
定電流回路50のスイッチ回路がオフ状態のとき、帰還制御回路40のスイッチSF1がオフ状態になっており、電圧降下VSINKを基準電圧VPへ近づける制御が停止されている。このとき、電流IADJが流れていないため、式(3)の関係から、駆動電圧VOUTは抵抗R1,R2と基準電圧VREFによって決まる一定の電圧値「Vr=VREF×(R1+R2)/R1」に近づくように制御される。
定電流回路50のスイッチ回路がオフからオンに切り替わると、帰還制御回路40のスイッチSF1もオフからオンに切り替わる。スイッチSF1がオンすることにより、電圧降下VSINKを基準電圧VPへ近づける帰還制御が始まる。帰還制御の初期状態において、駆動電圧VOUTの電圧値は「Vr」になっている。
図5の例では、この初期状態(時刻t21)の電圧値「Vr」が適切なレベルより低くいため、電圧降下VSINK(図5(C))がゼロボルト付近まで低下しており、駆動電流IL1(図5(D))がほとんど流れていない。帰還制御回路40の帰還制御が開始されて電流IADJ(図5(A))が増大すると、これに応じて駆動電圧VOUT(図5(B))が上昇し、電圧降下VSINKが上昇する。電圧降下VSINKが基準電圧VP付近まで上昇すると(時刻t22)、定電流回路50の定電流動作が正常に機能して、駆動電流IL1が一定の電流値Iconstに制御される。
次いで、調光信号Scがハイレベルからローレベルに立ち下がると(時刻t23)、定電流回路50のスイッチ回路がオフ状態になって駆動電流IL1が遮断される。駆動電流IL1が遮断されると、端子SINKの電圧VSINKは駆動電圧VOUT付近まで上昇する。しかしながら、このときスイッチSF1がオフ状態になって帰還制御回路40の帰還制御が停止されるため、駆動電圧VOUTは電圧VSINKの上昇に影響を受けることなく電圧Vrに近づいていく(時刻T24)。
他方、図6の例では、初期状態(時刻t25)の電圧値「Vr」が適切なレベルより高いため、電圧降下VSINK(図6(C))が基準電圧VPより高くなっている。この場合、定電流回路50は初期状態から正常に定電流動作をするため、駆動電流IL1(図6(D))は速やかに一定値Iconstまで上昇する。帰還制御回路40の帰還制御が開始されて電流IADJ(図6(A))が負極性に増大すると、これに応じて駆動電圧VOUT(図6(B))が低下し、電圧降下VSINKが基準電圧VP付近まで低下する(時刻t26)。
次いで、調光信号Scがハイレベルからローレベルに立ち下がると(時刻t27)、定電流回路50のスイッチ回路がオフ状態になって駆動電流IL1が遮断され、端子SINKの電圧VSINKは駆動電圧VOUT付近まで上昇する。しかしながら、この場合も帰還制御回路40の帰還制御が停止されているため、駆動電圧VOUTは電圧VSINKの上昇に影響を受けることなく電圧Vrに近づいていく(時刻t28)。
以上説明したように、本実施形態に係るLED駆動回路によれば、定電流回路50のスイッチ回路がオン状態となってLEDストリングS1に駆動電流IL1が流れる期間において、電圧降下VSINKが基準電圧VPに近づくように帰還制御が行われる。一方、定電流回路50のスイッチ回路がオフ状態となってLEDストリングS1の駆動電流IL1が遮断される期間においては、当該帰還制御が停止される。
LEDストリングS1の駆動電流IL1が遮断されるとき、端子SINKがフローティング状態となり、端子SINKに生じる電圧VSINKが大きく変動する。そのため、この状態で帰還制御が働くと、駆動電圧VOUTが大きく変動してしまう。本実施形態では、帰還制御回路40による帰還制御を停止することによって、上記のような駆動電圧VOUTの変動を抑えることができる。従って、駆動電流IL1が流れ始める初期状態において、駆動電圧VOUTが適切なレベルから大幅にずれてしまうことを防止し、LEDの輝度の極端な低下や、定電流回路50の消費電力の大幅な増大を抑制できる。
また、駆動電流IL1の遮断期間において、駆動電圧VOUTが一定値「Vr」に近づくようにスイッチング制御回路30が制御を行うため、駆動電流IL1が流れ始める初期状態において駆動電圧VOUTを比較的適切なレベルに設定することができる。
なお、図1に示すLED駆動回路には、帰還系の安定性を保つため、帰還制御回路40による帰還ループに位相補償要素を設けてもよい。図7は、位相補償要素を付加したLED駆動回路の一例を示す。図7に示すLED駆動回路における帰還制御回路40Aは、上述した帰還制御回路40に位相補償要素として抵抗R4とキャパシタC2を加えたものである。抵抗R3と直列に抵抗R4が挿入され、抵抗R3及びR4の共通接続ノードとグランド電位の間にキャパシタC4が接続される。このような位相遅れ要素を付加することによって、高周波域のループゲインを抑制して制御系を安定化することができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図8は、第2の実施形態に係るLED駆動回路の構成の一例を示す図である。図8に示すLED駆動回路は、図1に示すLED駆動回路における帰還制御回路40を次に述べる帰還制御回路40Bに置き換えたものであり、他の構成要素は図1に示すLED駆動回路と同様である。
帰還制御回路40Bは、LEDストリングS1に駆動電流IL1が流れる期間において、定電流回路50の電圧降下VSINK(又は端子SINKの電圧(LEDストリングS1のカソード電圧))が基準電圧(VL,VH)に近づくように電流IADJを可変させ、駆動電圧VOUTを適切なレベルに制御する。
すなわち、帰還制御回路40Bは、電圧降下VSINKが基準電圧VLより低い場合、駆動電圧VOUTが上昇するように正極性の電流IADJを増大させ、電圧降下VSINKが基準電圧VH(VH>VL)より高い場合、駆動電圧VOUTが低下するように正極性の電流IADJを減少させる(負極性の電流IADJを増大させる)。
一方、帰還制御回路40Bは、LEDストリングS1の駆動電流IL1が遮断される期間において、電圧降下VSINKを基準電圧VPに近づける上述した帰還制御を停止するとともに、電流IADJを保持する。すなわち、帰還制御回路40Bは、定電流回路50のスイッチ回路がオン状態のとき、電圧降下VSINKと基準電圧VL,VHとの差に応じて電流IADJを変化させ、定電流回路50のスイッチ回路がオン状態からオフ状態へ移行するとき、電流IADJを保持し、定電流回路50のスイッチ回路がオフ状態からオン状態へ移行するとき、電流IADJの保持を解除する。
また、帰還制御回路40Bは、LEDストリングS1の駆動電流IL1を流し始めるときに、上述した電流IADJの保持を解除するタイミングを遅延させる。すなわち、帰還制御回路40Bは、定電流回路50のスイッチ回路がオフ状態からオン状態へ移行してから、電圧降下VSINKのレベルが安定し得る所定の遅延時間が経過した後で、電流IADJの保持を解除する。
帰還制御回路40Bは、例えば図8に示すように、コンパレータ43,45と、基準電圧発生器44,46と、ロジック回路45と、デジタル−アナログ変換回路47と、バッファ回路48と、抵抗R3を有する。
ここで、コンパレータ43及び45は、本発明における比較回路の一例である。
デジタル−アナログ変換回路47は、本発明におけるデジタル−アナログ変換回路の一例である。
コンパレータ43は、基準電圧発生器44において発生する基準電圧VHと定電流回路50の電圧降下VSINKとを比較し、その比較結果として信号HIを出力する。コンパレータ43は、電圧降下VSINKが基準電圧VHより高い場合にハイレベルの信号HIを出力し、電圧降下VSINKが基準電圧VHより低い場合にローレベルの信号HIを出力する。
コンパレータ45は、基準電圧発生器46において発生する基準電圧VLと定電流回路50の電圧降下VSINKとを比較し、その比較結果として信号LOを出力する。コンパレータ45は、電圧降下VSINKが基準電圧VLより低い場合にハイレベルの信号LOを出力し、電圧降下VSINKが基準電圧VLより高い場合にローレベルの信号LOを出力する。
ロジック回路45は、コンパレータ43,45の出力信号(HI,LO)に応じて値が増減するデジタル信号を生成する。ロジック回路45は、例えば図9に示すように、ゲート回路451と、遅延回路UL1と、ラッチ回路452,453と、アップ/ダウン・カウンタ454を有する。ゲート回路451は、AND回路U1,U2を含む。
ここで、ゲート回路451は、本発明におけるゲート回路の一例である。
遅延回路UL1は、本発明における遅延回路の一例である。
ラッチ回路452,453は、本発明における信号保持回路の一例である。
アップ/ダウン・カウンタ454は、本発明における計数回路の一例である。
遅延回路UL1は、調光信号Scを遅延させて出力する回路であり、図10に示すように、調光信号Scのローレベルからハイレベルへの立ち上がりを遅延させる。遅延回路UL1から出力される調光信号Sc_D(図10(B))は、元の調光信号(図10(A))に比べて立ち上がりが遅延しており、立ち下がりはほとんど同じタイミングになっている。
ゲート回路451は、コンパレータ43,45の出力信号(HI,LO)と、遅延回路UL1から出力される調光信号Sc_Dとを入力し、調光信号Sc_Dがハイレベルのとき(定電流回路50のスイッチ回路がオンのとき)、出力信号HI,LOをそのまま出力する。一方、ゲート回路451は、調光信号Sc_Dがローレベルのとき(定電流回路50のスイッチ回路がオフのとき)、出力信号HI,LOを両方ともローレベルに設定して出力する。
このゲート回路451において、AND回路U1は出力信号HIと調光信号Sc_Dの論理積をラッチ回路452に出力し、AND回路U2は出力信号LOと調光信号Sc_Dの論理積をラッチ回路453に出力する。
ラッチ回路452は、ゲート回路451のAND回路U1から出力される信号をクロック信号CLKに同期してラッチする。ラッチ回路453は、ゲート回路451のAND回路U2から出力される信号をクロック信号CLKに同期してラッチする。
アップ/ダウン・カウンタ454は、ラッチ回路452,453に保持される信号HI_L,LO_Lに応じて計数値DATを増減させるか又は保持する。
図11は、アップ/ダウン・カウンタ454の計数動作を説明するための図である。クロック信号(図11(A))の立ち上がりにおいてラッチ回路452に保持される信号HI_L(図11(B))がハイレベルのとき、アップ/ダウン・カウンタ454は計数値DAT(図11(D))を1ずつインクリメントする。また、クロック信号の立ち上がりにおいてラッチ回路453に保持される信号LO_L(図11(C))がハイレベルのとき、アップ/ダウン・カウンタ454は計数値DATを1ずつデクリメントする。他方、クロック信号の立ち上がりにおいて信号HI_L,LO_Lがともにローレベルのとき、アップ/ダウン・カウンタ454は計数値DATを保持する。
デジタル−アナログ変換回路47は、アップ/ダウン・カウンタ454の計数値DATをアナログ信号に変換する。
バッファ回路48は、デジタル−アナログ変換回路47のアナログ信号を高インピーダンスで入力し、このアナログ信号とほぼ等しい電圧VADJを低インピーダンスで出力する。バッファ回路48の出力は、抵抗R3を介してノードFBに接続される。
図12は、デジタル−アナログ変換回路47のアナログ信号(電圧VADJ)とアップ/ダウン・カウンタ454の計数値DATとの関係を示す図である。
図12に示すように、電圧VADJは計数値DATにほぼ比例して変化する。計数値DATが最小(Dmin)のとき電圧VADJは最小(Vmin)となり、計数値DATが最大(Dmax)のとき電圧VADJは最大(Vmax)となる。
また、アップ/ダウン・カウンタ454の初期状態において計数値DATの値は「Di」となるように設定される。計数値DATの値が「Di」のとき、デジタル−アナログ変換回路47は基準電圧VREFとほぼ等しい電圧VADJを出力する。
スイッチング制御回路30の誤差増幅器34のゲインが十分に大きい場合、駆動電圧VOUTは概ね次の式で表すことができる。
式(4)において、「R1」〜「R3」は抵抗R1〜R3の抵抗値をそれぞれ示す。
ここで、上述した構成を有する図8に示すLED駆動回路の動作について説明する。
まず、図13及び図14を参照して、電圧降下VSINKが適正なレベルになるように駆動電圧VOUTを制御する動作について説明する。
図13及び図14は、図8に示すLED駆動回路におけるLED点灯時の各部の電圧波形を例示する図である。図13は電圧降下VSINKが基準電圧VLより低い場合を示し、図14は電圧降下VSINKが基準電圧VHより高い場合を示す。
図13を参照すると、時刻t31において、駆動電圧VOUT(図13(B))が適正なレベルより低くなっており、定電流回路50の電圧降下VSINK(図13(C))がゼロ付近まで低下している。この場合、定電流回路50が定電流源として機能しないため、駆動電流IL1(図13(D))もゼロ付近まで小さくなる。電圧降下VSINKが基準電圧VLより低い場合、コンパレータ43がローレベルの信号HIを出力し、コンパレータ45がハイレベルの信号LOを出力する。LEDの点灯時、すなわち調光信号Scがハイレベルのとき、信号HI,LOは同じ値のままAND回路U1,U2を通ってラッチ回路452,453に入力される。ラッチ回路452,453に入力された信号HI,LOは、クロック信号CLKに同期してラッチ回路452,453にラッチされ、信号HI_L,LO_Lとしてアップ/ダウン・カウンタ454に入力される。信号HI_Lがローレベル、信号LO_Lがハイレベルなので、アップ/ダウン・カウンタ454はクロック信号CLKの立ち上がりごとに1ずつ計数値DATをデクリメントする。計数値DATが1ずつ小さくなると、電圧VADJが1ビットの電圧ステップずつ段階的に低下する。電圧VADJが段階的に低下すると、式(4)の関係から、駆動電圧VOUTが段階的に上昇する。電圧VADJが「ΔVa」だけ低下すると、駆動電圧VOUTは「(R1/R3)×ΔVa」だけ上昇する。
駆動電圧VOUTの上昇に応じて電圧降下VSINKが上昇し、時刻t32において基準電圧VLに達すると、コンパレータ43,45の出力信号HI,LOが共にローレベルになり、これに応じて信号HI_L,LO_Lが共にローレベルになる。これにより、アップ/ダウン・カウンタ454が計数値DATを保持するため、駆動電圧VOUTの上昇が停止する。電圧降下VSINKは、基準電圧VLより高く基準電圧VHより低い範囲に維持される。このとき、定電流回路50は定電流源として機能しており、駆動電流IL1をほぼ一定の電流値Iconstに保つ。
他方、図14を参照すると、時刻t33において、駆動電圧VOUT(図14(B))が適正なレベルより高くなっている。この場合、定電流回路50は駆動電流IL1(図14(D))を一定の電流値Iconstに保持しているものの、その消費電力は無駄に大きくなっている。電圧降下VSINKが基準電圧VHより高い場合、コンパレータ43がハイレベルの信号HIを出力し、コンパレータ45がローレベルの信号LOを出力する。このとき、調光信号Scがハイレベルになっているので、信号HI,LOは同じ値のままAND回路U1,U2を通りラッチ回路452,453に入力される。ラッチ回路452,453に入力された信号HI,LOは、クロック信号CLKに同期してラッチ回路452,453にラッチされ、信号HI_L,LO_Lとしてアップ/ダウン・カウンタ454に入力される。信号HI_Lがハイレベル、信号LO_Lがローレベルなので、アップ/ダウン・カウンタ454はクロック信号CLKの立ち上がりごとに1ずつ計数値DATをインクリメントする。計数値DATが1ずつ大きくなると、電圧VADJが1ビットの電圧ステップずつ段階的に上昇する。電圧VADJが段階的に上昇すると、式(4)の関係から、駆動電圧VOUTが段階的に低下する。電圧VADJが「ΔVa」だけ上昇すると、駆動電圧VOUTは「(R1/R3)×ΔVa」だけ低下する。
駆動電圧VOUTの低下に応じて電圧降下VSINKが低下し、時刻t34において基準電圧VHまで低下すると、コンパレータ43,45の出力信号HI,LOが共にローレベルになり、これに応じて信号HI_L,LO_Lが共にローレベルになる。これにより、アップ/ダウン・カウンタ454が計数値DATを保持するため、駆動電圧VOUTの低下が停止する。電圧降下VSINKは、基準電圧VHより低く基準電圧VLより高い範囲に維持される。
以上のように、本実施形態に係るLED駆動回路においても、LEDの点灯期間において電圧降下VSINKが基準電圧VPと近い値になるように駆動電圧VOUTが制御される。
次に、図15及び図16を参照して、LEDが点灯と消灯を繰り返すときの動作を説明する。
図15及び図16は、図8に示すLED駆動回路においてLEDが点灯と消灯を繰り返す場合の各部の電圧波形を例示する図であり、計数値DATが初期値(Di)の状態からLEDの駆動を開始する場合を示す。図15は、初期状態において電圧降下VSINKが基準電圧VLより低い場合を示し、図16は、初期状態において電圧降下VSINKが基準電圧VHより高い場合を示す。
計数値DATが初期値(Di)のとき、デジタル−アナログ変換回路47において出力される電圧VADJは基準電圧VREFと等しくなる。この場合、式(4)の関係から、駆動電圧VOUTは一定の電圧値「Vr=VREF×(R1+R2)/R1」とほぼ等しくなっている。
図15の例では、この電圧値「Vr」が適切なレベルより低いため、時刻t41において定電流回路50のスイッチ回路がオンすると、電圧降下VSINK(図15(C))がゼロボルト付近まで低下する。電圧降下VSINKが低く、定電流回路50が定電流源として機能しないため、駆動電流IL1(図15(D))がほとんど流れていない。この初期状態から、帰還制御回路40Bの帰還制御が開始されて電圧VADJ(図15(A))が低下すると、これに応じて駆動電圧VOUT(図15(B))が上昇し、電圧降下VSINKが上昇する。電圧降下VSINKが基準電圧VL付近まで上昇すると(時刻t42)、定電流回路50の定電流動作が正常に機能して、駆動電流IL1が一定の電流値Iconstに制御される。
次いで、調光信号Scがハイレベルからローレベルに立ち下がると(時刻t43)、定電流回路50のスイッチ回路がオフ状態になって駆動電流IL1が遮断される。駆動電流IL1が遮断されると、端子SINKの電圧VSINKは駆動電圧VOUT付近まで上昇する。一方、調光信号Scがローレベルになると、AND回路U1,U2の出力が共にローレベルになるので、ラッチ回路452,453にラッチされる信号HI_L,LO_Lが共にローレベルになる。その結果、アップ/ダウン・カウンタ454におけるカウントが停止され、計数値DATが保持される。計数値DATが保持されるので、駆動電圧VOUTもほぼ一定に保持される。
その後、再び調光信号Scがローレベルからハイレベルに立ち上がると(時刻t44)、定電流回路50のスイッチ回路がオン状態になって駆動電流IL1が流れる。駆動電流IL1が流れると、駆動電圧VOUT付近まで上昇していた端子SINKの電圧VSINKが急激に低下する。一方、調光信号Scがローレベルからハイレベルに立ち上がるとき、この立ち上がり信号は遅延回路DL1によって一定の遅延時間だけ遅延されてからAND回路U1,U2に伝達される。すなわち、駆動開始直後において電圧VSINKが急激に変化する期間は、駆動電圧VOUTの制御が行われず、計数値DATが保持される。遅延回路DL1の遅延時間が経過した後、コンパレータ43,45の出力信号HI,LOに対応した信号HI_L,LO_Lがラッチ回路452,453にラッチされ、アップ/ダウン・カウンタ454に入力される。
ところで、このときアップ/ダウン・カウンタ454の計数値DATは、前回のLED駆動期間の最終時点における値がそのまま持ち越されている。この計数値DATは、LED駆動期間の最終時点において、電圧降下VSINKをほぼ目標範囲内(VL<VSINK<VH)に設定する適切な値となっている。僅かな駆動停止期間でLEDの特性が大きくばらつくことはほとんどないため、直前のLED駆動期間から持ち越された計数値DATは、次のLED駆動期間においても電圧降下VSINKを適切な目標範囲内に設定できる値になっている。
従って、定電流回路50のスイッチ回路をオンした直後から、適切な電圧降下VSINKでLEDの駆動が行われる。
他方、図16の例では、電圧値「Vr」が適切なレベルより高いため、時刻t45において定電流回路50のスイッチ回路がオンすると、定電流回路50はその直後から駆動電流IL1(図16(D)を一定値Iconstに制御する。この初期状態から、帰還制御回路40Bの帰還制御が開始されて電圧VADJ(図16(A))が上昇すると、これに応じて駆動電圧VOUT(図16(B))が低下し、電圧降下VSINKが基準電圧VHまで低下する(時刻t46)。
次いで、調光信号Scがハイレベルからローレベルに立ち下がると(時刻t47)、定電流回路50のスイッチ回路がオフ状態になって駆動電流IL1が遮断され、端子SINKの電圧VSINKが駆動電圧VOUT付近まで上昇する。このとき、アップ/ダウン・カウンタ454におけるカウントが停止され、計数値DATが保持される。計数値DATが保持されるので、駆動電圧VOUTもほぼ一定に保持される。
その後、再び調光信号Scがローレベルからハイレベルに立ち上がると(時刻t48)、定電流回路50のスイッチ回路がオン状態になって駆動電流IL1が流れ、端子SINKの電圧VSINKが急激に低下する。この駆動開始時点から遅延回路DL1による遅延時間が経過した後、アップ/ダウン・カウンタ454のカウント動作が再開される。
この時、アップ/ダウン・カウンタ454の計数値DATは、電圧降下VSINKをほぼ目標範囲内(VL<VSINK<VH)に設定する適切な値となっている。そのため、定電流回路50のスイッチ回路をオンした直後から、適切な電圧降下VSINKでLEDの駆動が行われる。
以上説明したように、本実施形態に係るLED駆動回路によれば、定電流回路50のスイッチ回路がオン状態となってLEDストリングS1に駆動電流IL1が流れているとき、定電流回路50に生じる電圧降下VSINKと基準電圧VH,VLとの差に応じて電圧VADJが変化して、電圧降下VSINKが適切な範囲(HL<VSINK<VH)に入るように駆動電圧VOUTが帰還制御される。一方、定電流回路50のスイッチ回路がオン状態からオフ状態へ移行するとき、電圧VADJが保持され、上記帰還制御が一時的に停止される。そして、定電流回路10のスイッチ回路が再びオフ状態からオン状態へ移行してLEDストリングS1に駆動電流IL1が流れ始めるとき、電圧VADJの保持が解除されて上記帰還制御が再開される。
このように、駆動電流IL1を遮断する期間において、帰還制御回路40Bの帰還制御のために生成される電圧VADJが保持されるため、帰還制御を再開するとき、その当初から適切な電圧降下VSINKで駆動電流IL1を流すことができる。従って、LEDの駆動開始時に電圧降下VSINKが低すぎてLEDの輝度が低下したり、電圧降下VSINKが高すぎて無駄な電力損失が発生したりするといった問題を効果的に防止できる。
また、本実施形態に係るLED駆動回路によれば、定電流回路50のスイッチ回路がオン状態からオフ状態へ移行して駆動電流IL1が流れ始めた後、電圧降下VSINKのレベルが安定し得る一定の遅延時間が経過してから帰還制御回路40Bの帰還制御が再開される。これにより、電圧降下VSINKのレベルが不安定な状態で帰還制御が開始されて、駆動電圧VOUTが適切なレベルから外れることによるLEDの輝度低下や消費電力の増大を効果的に防止できる。
また、本実施形態に係るLED駆動回路によれば、帰還制御回路40Bによる帰還制御系がデジタル回路を含んだ離散系になっているため、位相補償のために大容量のキャパシタや抵抗を設ける必要がなく、回路規模を小型化できる。また、帰還制御回路40Bの大部分がデジタル回路で構成可能であることから、調整の必要な回路素子が少なくなり(例えば図8の例では抵抗R3のみ)、製造工程を簡略化できる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図17は、第3の実施形態に係るLED駆動回路の構成の一例を示す図である。図17に示すLED駆動回路は、図1,図8に示すLED駆動回路と同様にスイッチング電源回路20及びスイッチング制御回路30を有するとともに、LEDストリングS1〜Smと、定電流回路50−1〜50−mと、帰還制御回路40−1〜40−mを有する。
LEDストリングS1〜Smは、それぞれ直列接続された複数のLEDにより構成されており、アノード側に共通の駆動電圧VOUTが供給される。
定電流回路50−k(kは1からmまでの整数を示す)は、例えば図1における定電流回路50と同様の回路であり、LEDストリングSkの駆動電流ILkを一定値に制御する。定電流回路50−kは、LEDストリングSkの駆動電流ILkの経路に設けられており、例えば定電流回路50−kのカソード側の端子とグランド電位との間に接続される。また、定電流回路50−kは、調光制御部60Aから供給される調光信号Sckに応じて駆動電流ILkを遮断するスイッチ回路を含む。
帰還制御回路40−kは、例えば図1,図7における帰還制御回路40,40Aや図8における帰還制御回路40Bと同様の回路であり、定電流回路50−kの電圧降下(端子SINKkの電圧(LEDストリングSkのカソード電圧))に応じた帰還制御信号(電流IADJ,電圧VADJ)を出力する。図17に示すように、帰還制御回路40−1〜40−mの各出力がノードFBに直接接続されているので、m個の帰還制御信号の合成結果がノードFBに入力される。
図17に示すように、それぞれ定電流回路が接続された複数のLEDストリングに共通の駆動電圧VOUTを供給する場合は、LEDストリングごとに帰還制御回路を設けて、各帰還制御回路の出力を合成した信号によりスイッチング電源回路20の駆動電圧VOUTを制御する。これにより、各定電流回路の電圧降下を適切な範囲に調節することができる。
また、本実施形態に係るLED駆動回路の他の変形例では、図18に示すように、複数の帰還制御回路の出力信号をダイオード(Ds−1〜Ds−m)で合成してもよい。
図18に示すLED駆動回路は、図17に示すLED駆動回路における帰還制御回路40−kとノードFBとの間にダイオードDs−kを設けたものである。ダイオードDs−kのアノードがノードFBに接続され、ダイオードDs−kのカソードが帰還制御回路40−kの出力に接続される。
図18に示すように、ダイオードDs−1〜Ds−mを介して帰還制御回路40−1〜40−mの帰還制御信号をノードFBで合成した場合、最も出力電圧の低い帰還制御信号が優先的にノードFBに入力される。最も電圧の低い帰還制御信号は、最も駆動電圧VOUTを上昇させる信号であり、この帰還制御信号に応じて駆動電圧VOUTが制御されるということは、m個の定電流回路(50−1〜50−m)のうち最も低い電圧降下VSINKに合わせて駆動電圧VOUTが帰還制御されることを意味する。
従って、図18に示すLED駆動回路によれば、m個の定電流回路(50−1〜50−m)のうち最も低い電圧降下VSINKが基準電圧(VP,VL)より高くなるように駆動電圧VOUTが制御される。これにより、各定電流回路(50−1〜50−m)を正常に定電流源として動作させることができるので、各LEDストリングS1〜Smを正常に発光させることができる。
以上、本発明の幾つかの実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々のバリエーションを含んでいる。
例えば、図8に示すLED駆動回路においては、電圧降下VSINKと基準電圧VL,VHとを比較するにコンパレータ43,45を設けているが、本発明はこれに限定されない。本発明の他の実施形態では、電圧降下VSINKをクロック信号CLKによりサンプリングしてデジタル信号に変換し、このデジタル信号について上記の比較動作と等価な基準データとの比較を行ってもよい。
図19は、そのようなLED駆動回路の一例を示す図である。図19に示すLED駆動回路は、図8に示すLED駆動回路における帰還制御回路40Bを次に述べる帰還制御回路40Cに置き換えたものである。
帰還制御回路40Cは、アナログ−デジタル変換回路49と、ロジック回路45Aと、デジタル−アナログ変換回路47と、バッファ回路48と、抵抗R3とを有する。アナログ−デジタル変換回路49は、電圧降下VSINKをデジタルデータDSINKに変換してロジック回路45Aに入力する。ロジック回路45Aは、デジタルデータDSINKに対して、基準電圧VH,VLと等価な基準データとの比較を行い、その比較結果をロジック回路45と同様な回路によって処理し、計数値DATを生成する。計数値DATの処理については帰還制御回路40Bと同様である。
このように、本発明では大部分の処理をデジタル回路で行うことも可能である。
また、本発明の他の実施形態では、上記とは逆に、大部分の処理をアナログ回路で行うことも可能である。例えば、アップ/ダウン・カウンタ454の替わりにチャージポンプ回路を設けてもよい。アップ/ダウン・カウンタ454をカウントアップ/カウントダウンさせる替わりにチャージポンプ回路がキャパシタの充電/放電を行うことで、このキャパシタに蓄積される電荷に基づいて帰還制御信号(電流IADJ,電圧VADJ)を生成することが可能である。
また、本発明の他の実施形態では、例えば図20に示すように、バッファ回路48においてデジタル−アナログ変換回路47の出力電圧を増幅するようにしてもよい。図20に示すLED駆動回路では、バッファ回路48の出力端子とグランド電位との間に抵抗R5及びR6が直列接続されており、その共通接続ノードがバッファ回路48の負入力端子に接続されている。これにより、デジタル−アナログ変換回路47の出力電圧を(1+R5/R6)倍に増幅したものが電圧VADJとして出力される。
また、本発明の他の実施形態では、例えば図21に示すように、電圧出力型のデジタル−アナログ変換回路47の替わりとして電流出力型のデジタル−アナログ変換回路49を設けてもよい。デジタル−アナログ変換回路49は、複数の電流源を備えており、その電流源の出力電流を計数値DATに応じて合成することにより、計数値DATをアナログの電流に変換する。デジタル−アナログ変換回路49の出力電流は、バッファ回路を介さずにノードFBへ直接出力することが可能である。
また、本発明の他の実施形態では、駆動電圧VOUTを生成する電源回路を昇圧型スイッチング電源以外の任意の電源に置き換えることも可能である。
例えば図22に示すLED駆動回路では、降圧型のスイッチング電源回路20Aによって駆動電圧VOUTを発生し、図23に示すLED駆動回路では、昇降圧型のスイッチング電源回路20Bによって駆動電圧VOUTを発生する。
スイッチング電源回路に限らず、例えばリニアレギュレータ回路によって駆動電圧VOUTを発生してもよい。
10…直流電源、20…スイッチング電源回路、30…スイッチング制御回路、31…ランプ波形信号発生器、32,43,45…コンパレータ、33,42,44,46…基準電圧発生器、34…誤差増幅器、40,40A〜40E,40−1〜40−m…帰還制御回路、41…電圧電流変換増幅器、45,45A…ロジック回路、47…デジタル−アナログ変換回路、48…バッファ回路、49…アナログ−デジタル変換回路、50,50−1〜50−m…定電流回路、S1〜Sm…LEDストリング、R1〜R6…抵抗、M1〜M3…トランジスタ、SF1…スイッチ回路、L1,L2…インダクタ、D1,D2,Ds−1〜Ds−m…ダイオード、C1〜C4…キャパシタ

Claims (10)

  1. 1つ又は直列接続された複数の発光ダイオードを含んだ発光ダイオード回路を駆動する発光ダイオード駆動回路であって、
    上記発光ダイオード回路に駆動電圧を供給する電圧供給回路と、
    上記発光ダイオード回路に流れる駆動電流の経路に設けられており、上記駆動電流を一定に制御する定電流回路と、
    上記定電流回路に生じる電圧降下又は上記発光ダイオード回路のカソード電圧が第1のしきい電圧より低い場合、上記駆動電圧が上昇するように上記電圧供給回路を制御し、上記電圧降下又は上記カソード電圧が上記第1のしきい電圧より高い場合、若しくは、上記電圧降下又は上記カソード電圧が上記第1のしきい電圧より高い第2のしきい電圧を超える場合、上記駆動電圧が低下するように上記電圧供給回路を制御する帰還制御回路と、
    を有し、
    上記定電流回路は、入力される調光信号に応じて上記駆動電流の経路を遮断するスイッチ回路を含んでおり、
    上記帰還制御回路は、上記スイッチ回路がオフすると、上記定電流回路の上記電圧降下又は上記カソード電圧に応じた上記駆動電圧の制御を停止し、上記スイッチ回路がオンすると、当該停止した制御を再開する、
    発光イオード駆動回路。
  2. 上記帰還制御回路は、上記スイッチ回路がオン状態のとき、上記定電流回路に生じる上記電圧降下又は上記カソード電圧と上記第1のしきい電圧又は上記第2のしきい電圧との差に応じて変化する帰還制御信号を生成し、上記スイッチ回路がオン状態からオフ状態へ移行するとき、上記帰還制御信号を保持し、上記スイッチ回路がオフ状態からオン状態へ移行するとき、上記帰還制御信号の上記保持を解除し、
    上記電圧供給回路は、上記帰還制御信号に応じて上記駆動電圧を調節する、
    請求項1に記載の発光ダイオード駆動回路。
  3. 上記帰還制御回路は、上記スイッチ回路がオフ状態からオン状態へ移行してから、上記電圧降下又は上記カソード電圧のレベルが安定し得る所定の遅延時間が経過した後で上記帰還制御信号の上記保持を解除する、
    請求項2に記載の発光ダイオード駆動回路。
  4. 上記帰還制御回路は、
    上記定電流回路に生じる上記電圧降下又は上記発光ダイオード回路の上記カソード電圧を、上記第1のしきい電圧並びに上記第2のしきい電圧と比較する比較回路と、
    上記比較回路の出力信号を一定の周期で保持する信号保持回路と、
    上記信号保持回路に保持される上記比較回路の出力信号に基づいて、上記電圧降下又は上記カソード電圧が上記第1のしきい電圧より低い場合は、上記駆動電圧が上昇するように上記帰還制御信号を段階的に若しくは連続的に変化させ、上記電圧降下又は上記カソード電圧が上記第2のしきい電圧より高い場合は、上記駆動電圧が低下するように上記帰還制御信号を段階的に若しくは連続的に変化させ、上記電圧降下又は上記カソード電圧が上記第1のしきい電圧より高く上記第2のしきい電圧より低い場合は、上記帰還制御信号を保持する帰還制御信号生成回路と、
    を含む、
    請求項2又は3に記載の発光ダイオード駆動回路。
  5. 上記比較回路の出力信号と上記調光信号とを入力し、上記調光信号が上記スイッチ回路のオン状態を示すとき、上記比較回路の出力信号を出力し、上記調光信号が上記スイッチ回路のオフ状態を示すときは、当該オフ状態を示す所定の信号を出力するゲート回路を有し、
    上記信号保持回路は、上記ゲート回路から出力される信号を上記一定の周期で保持し、
    上記帰還制御信号生成回路は、上記信号保持回路に保持される上記比較回路の出力信号に応じて上記帰還制御信号を変化させるか又は保持し、上記信号保持回路に上記所定の信号が保持される場合は上記帰還制御信号を保持する、
    請求項4に記載の発光ダイオード駆動回路。
  6. 上記帰還制御信号生成回路は、
    上記信号保持回路に保持される上記比較回路の出力信号に応じて計数値を一定の周期で増減させるか又は保持し、上記信号保持回路に上記所定の信号が保持される場合は上記計数値を保持する計数回路と、
    上記計数回路の計数値に応じたアナログ信号を生成するデジタル−アナログ変換回路と、
    を含む、
    請求項5に記載の発光ダイオード駆動回路。
  7. 上記スイッチ回路がオフ状態からオン状態へ移行することを示す上記調光信号を入力した場合、上記調光信号を所定の遅延時間だけ遅延させてから上記ゲート回路に入力する遅延回路を有する、
    請求項6に記載の発光ダイオード駆動回路。
  8. 上記電圧供給回路から共通の上記駆動電圧を供給される複数の上記発光ダイオード回路に流れる上記駆動電流をそれぞれ一定に制御する複数の上記定電流回路と、
    上記複数の定電流回路に生じる上記電圧降下又は上記カソード電圧と上記第1のしきい電圧又は上記第2のしきい電圧との差に応じて上記帰還制御信号をそれぞれ生成する複数の上記帰還制御回路と、
    を有し、
    上記電圧供給回路は、上記複数の帰還制御回路において生成される複数の上記帰還制御信号を合成した信号に応じて上記駆動電圧を調節する、
    請求項2乃至7の何れか一項に記載の発光ダイオード駆動回路。
  9. 上記複数の帰還制御回路において生成される複数の上記帰還制御信号のうち、上記駆動電圧を最も上昇させる帰還制御信号を出力する信号合成部を有し、
    上記電圧供給回路は、上記信号合成部から出力される帰還制御信号に応じて上記駆動電圧を調節する、
    請求項8に記載の発光ダイオード駆動回路。
  10. 上記電圧供給回路が、上記駆動電圧を分圧した分圧電圧を第1のノードに供給する分圧回路と、上記分圧電圧と基準電圧とを比較して誤差信号を生成する誤差増幅回路と、上記誤差信号とランプ信号とを比較してスイッチング信号を生成するコンパレータと、上記スイッチング信号に応答してオン・オフ動作するスイッチングトランジスタとを含み、
    上記帰還制御回路が、上記電圧降下又は上記カソード電圧に応じて上記駆動電圧を制御するための帰還制御信号を生成し、上記帰還制御信号が抵抗を介して上記第1のノードに供給される、
    請求項1に記載の発光ダイオード駆動回路。
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