JP5359015B2 - モータの制御装置、制御方法、ロボット及び移動体 - Google Patents

モータの制御装置、制御方法、ロボット及び移動体 Download PDF

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Description

この発明は、電動モータの制御技術に関する。
電動モータの駆動と回生を行う制御装置としては、例えば下記の特許文献に記載されたものが知られている。
特開2005−333707号公報
しかし、従来のモータ制御装置では、駆動と回生の効率をそれぞれ向上させるための工夫が十分でない場合があった。
本発明は、電動モータの駆動と回生の効率をそれぞれ向上させるための技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
本発明の第1の形態は、電磁コイルと永久磁石とを有する電動モータを制御する制御装置であって、
前記電磁コイルを駆動するための制御を行う駆動制御部と、
前記電磁コイルから電力を回生するための制御を行う回生制御部と、
を備え、
前記駆動制御部は、前記永久磁石の移動によって前記電磁コイルに誘起される誘起電圧の波形で極性が反転する位置をπ位相点としたときのπ/2位相点を中心とする対称な励磁区間において前記電磁コイルに電圧を印加するとともに、前記誘起電圧の波形の前記π位相点を中心とする対称な非励磁区間において前記電磁コイルに電圧を印加しないように前記励磁区間と前記非励磁区間とを設定する励磁区間設定部を含み、
前記回生制御部は、前記π/2位相点を中心とする対称な回生区間において前記電磁コイルから電力を回生するとともに、前記誘起電圧の波形の前記π位相点を中心とする対称な非回生区間において前記電磁コイルから電力を回生しないように前記回生区間と前記非回生区間とを設定する回生区間設定部を含み、
前記駆動制御部は、さらに、
経時的な変化を示す変化信号の信号値と、所定の範囲で任意に設定可能な指令値と、を乗算することによって乗算値を算出する乗算部と、
前記乗算値に対してPWM制御を行うことによって、前記乗算値に応じたパルス幅を有するPWM信号を生成するPWM信号生成部と、
前記PWM信号を前記非励磁区間においてマスクすることによって前記電動モータの駆動信号を生成するマスク回路と、
前記電動モータに対する出力要求に応じて、前記指令値と、前記励磁区間と前記非励磁区間との間の区分と、の双方を調整する調整部と、
を備える
この制御装置では、励磁区間をπ/2位相点を中心とする対称な区間に設定し、また、非励磁区間をπ位相点を中心とする対称な区間に設定するので、励磁区間における駆動効率を向上させることができる。また、回生区間をπ/2位相点を中心とする対称な区間に設定し、また、非回生区間をπ位相点を中心とする対称な区間に設定するので、回生区間における回生効率を向上させることができる。また、指令値と、励磁区間と非励磁区間との間の区分と、の両方の値を調整することによって、効率を向上させつつモータの出力要求を満足させることが可能となる。
[適用例1]
電磁コイルと永久磁石とを有する電動モータを制御する制御装置であって、
前記電磁コイルを駆動するための制御を行う駆動制御部と、
前記電磁コイルから電力を回生するための制御を行う回生制御部と、
を備え、
前記駆動制御部は、前記永久磁石の移動によって前記電磁コイルに誘起される誘起電圧の波形で極性が反転する位置をπ位相点としたときのπ/2位相点を中心とする対称な励磁区間において前記電磁コイルに電圧を印加するとともに、前記誘起電圧の波形の前記π位相点を中心とする対称な非励磁区間において前記電磁コイルに電圧を印加しないように前記励磁区間と前記非励磁区間とを設定する励磁区間設定部を含み、
前記回生制御部は、前記π/2位相点を中心とする対称な回生区間において前記電磁コイルから電力を回生するとともに、前記誘起電圧の波形の前記π位相点を中心とする対称な非回生区間において前記電磁コイルから電力を回生しないように前記回生区間と前記非回生区間とを設定する回生区間設定部を含む、制御装置。
この制御装置では、励磁区間をπ/2位相点を中心とする対称な区間に設定し、また、非励磁区間をπ位相点を中心とする対称な区間に設定するので、励磁区間における駆動効率を向上させることができる。また、回生区間をπ/2位相点を中心とする対称な区間に設定し、また、非回生区間をπ位相点を中心とする対称な区間に設定するので、回生区間における回生効率を向上させることができる。
[適用例2]
適用例1記載の制御装置であって、
前記励磁区間設定部と前記回生区間設定部は、前記励磁区間と前記非励磁区間との間の区分、及び、前記回生区間と前記非回生区間との間の区分を互いに独立に変更可能である、制御装置。
この構成によれば、駆動と回生の効率をそれぞれ別個に向上させることが可能である。
[適用例3]
適用例1又は2記載の制御装置であって、
前記駆動制御部は、さらに、
経時的な変化を示す変化信号の信号値と、所定の範囲で任意に設定可能な指令値と、を乗算することによって乗算値を算出する乗算部と、
前記乗算値に対してPWM制御を行うことによって、前記乗算値に応じたパルス幅を有するPWM信号を生成するPWM信号生成部と、
前記PWM信号を前記非励磁区間においてマスクすることによって前記電動モータの駆動信号を生成するマスク回路と、
前記電動モータに対する出力要求に応じて、前記指令値と、前記励磁区間と前記非励磁区間との間の区分と、の双方を調整する調整部と、
を備える制御装置。
この構成によれば、指令値と、励磁区間と非励磁区間との間の区分と、の両方の値を調整することによって、効率を向上させつつモータの出力要求を満足させることが可能となる。
[適用例4]
適用例1〜3のいずれかに記載の制御装置であって、
前記駆動制御部と前記回生制御部は、前記電動モータの駆動と回生のいずれも行わない場合には、前記電磁コイルをハイインピーダンス状態に維持する、制御装置。
この構成によれば、電磁コイルが電源から切り離された状態になるので、電動モータのロータを自由回転が可能な状態に設定することが可能である。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、電動モータ、その制御方法及び制御回路、それらを用いたアクチュエータや、電子機器、家電機器、ロボット、移動体等の形態で実現することができる。
次に、本発明の実施の形態を以下の順序で説明する。
A.装置の全体構成:
B.駆動制御部の構成と動作:
C.回生制御部の構成と動作:
D.具体的な適用例1:
E.具体的な適用例2:
F.変形例:
A.装置の全体構成:
図1は、本発明の一実施例としての電動アクチュエータの構成を示すブロック図である。この電動アクチュエータは、入力部10と、制御部20と、蓄電部30と、電動モータ40と、負荷50とを有している。入力部10は、制御部20への各種の入力を行うための装置であり、例えば操作盤やスイッチなどで構成することが可能である。制御部20は、入力部10からの入力(指令)に従って、電動モータ40の駆動と回生の制御を行う。回生された電力は蓄電部30に蓄電される。蓄電部30としては2次電池やキャパシタを利用することが可能である。負荷50は、駆動力伝達部材42によって電動モータ40に連結されており、電動モータ40によって駆動される。駆動力伝達部材42は、ギヤトレインや回転軸などで構成することが可能である。負荷50の具体例については後述する。
図2は、制御部20の内部構成を示すブロック図である。制御部20は、主制御部100と、駆動制御部200と、回生制御部300と、電源ユニット400とを含んでいる。主制御部100は、入力部10からの指令に従って、駆動制御部200と回生制御部300とを制御する。主制御部100は、例えばCPUとメモリとを含む論理演算回路で構成することが可能である。駆動制御部200は電動モータ40の駆動を制御するための回路であり、回生制御部300は電動モータ40からの電力の回生を制御するための回路である。電源ユニット400は、制御部20内の各部に電源を供給するための回路である。これらの各部の機能の詳細については後述する。
電動モータ40は、A相とB相の2相のコイル41,42と、それぞれの位置センサ43,44とを備えた2相モータである。A相コイル41とB相コイル42は、それぞれ1つ以上の電磁コイルを含んでいる。電動モータ40は、さらに1つ以上の永久磁石(図示省略)も備えている。通常の電動モータでは、コイル41,42がステータに搭載されており、永久磁石はロータに搭載されている。但し、この逆の構成も可能であり、本発明の実施例としては、コイル41,42と永久磁石が互いの位置関係が変化する2つの被駆動部材にそれぞれ搭載されているモータを利用可能である。A相センサ43とB相センサ44は、永久磁石に対するA相コイル41とB相コイル42の位置をそれぞれ示すセンサ出力SSA,SSBを生成する。A相センサ出力SSAとB相センサ出力SSBは、例えば正弦波状の信号である。これらのセンサ出力は、A相コイル41とB相コイル42の逆起電力とほぼ同じ波形形状を有している。逆起電力の波形は、コイル形状や磁石とコイルとの位置関係にも依存するが、正弦波か、正弦波に近い波形となるのが普通である。なお、「逆起電力」を「誘起電圧」とも呼ぶ。なお、センサ43,44としては、例えばホール素子を備えたホールICを利用することが可能である。
ところで、一般に、電動モータは、機械的エネルギと電気的エネルギとを相互に変換するエネルギ変換装置として機能するものである。そして、コイルの逆起電力は、電動モータの機械的エネルギが電気的エネルギに変換されたものである。従って、コイルに印加する電気的エネルギを機械的エネルギに変換する場合(すなわちモータを駆動する場合)には、逆起電力と同じ波形の電圧を印加することによって、最も効率良くモータを駆動することが可能である。なお、正弦波状の逆起電力波形の中位点近傍(電圧0の近傍)ではエネルギ変換効率が比較的低く、反対に、逆起電力波形のピーク近傍ではエネルギ変換効率が比較的高いことが理解できる。逆起電力と同じ波形の電圧を印加してモータを駆動すると、エネルギ変換効率の高い期間において比較的高い電圧を印加することになるので、モータ効率が向上する。一方、例えば単純な矩形波でモータを駆動すると、逆起電力がほぼ0となる位置(中位点)の近傍においてもかなりの電圧が印加されるので、モータ効率が低下する。また、このようにエネルギ変換効率の低い期間において電圧を印加すると、振動や騒音が発生するという問題も生じる。このように、逆起電力波形のピーク近傍ではエネルギ変換効率が比較的高いので、この期間において駆動や回生を行うようにすれば、駆動効率や回生効率を高めることが可能である。
B.駆動制御部の構成と動作:
図3は、駆動制御部200の内部構成と動作を示す説明図である。駆動制御部200は、PWM制御部240と、ドライバ回路250とを有している。ドライバ回路250は、複数のスイッチング素子を備えたブリッジ回路である。PWM制御部240は、基本クロック生成回路510と、1/N分周器520と、PWM部530と、正逆方向指示値レジスタ540と、乗算器550,552と、符号化部560,562と、AD変換部570,572と、電圧指令値レジスタ580と、励磁区間設定部590とを備えている。
主制御部100は、PWM部530に制動制御信号PKを供給している。また、主制御部100は、符号化部560,562に波形切替信号Sswを供給し、励磁区間設定部590に駆動イネーブル信号Denbを供給している。これらの信号の機能については後述する。
基本クロック生成回路510は、所定の周波数を有するクロック信号PCLを発生する回路であり、例えばPLL回路で構成される。分周器520は、このクロック信号PCLの1/Nの周波数を有するクロック信号SDCを発生する。Nの値は所定の一定値に設定される。このNの値は、予め主制御部100によって分周器520に設定される。PWM部530は、クロック信号PCL,SDCと、乗算器550,552から供給される乗算値Ma,Mbと、正逆方向指示値レジスタ540から供給される正逆方向指示値RIと、符号化部560,562から供給される正負符号信号Pa,Pbと、励磁区間設定部590から供給される励磁区間信号Ea,Ebとに応じて、交流駆動信号DRVA1,DRVA2,DRVB1,DRVB2(図2)を生成する。この動作については後述する。
正逆方向指示値レジスタ540内には、モータの回転方向を示す値RIが主制御部100によって設定される。本実施例では、正逆方向指示値RIがLレベルのときにモータが正転し、Hレベルのときに逆転する。
PWM部530に供給される他の信号Ma,Mb,Pa,Pb,Ea,Ebは以下のように決定される。なお、乗算器550と符号化部560とAD変換部570はA相用の回路であり、乗算器552と符号化部562とAD変換部572はB相用の回路である。これらの回路群の動作は同じなので、以下ではA相用の回路の動作について主に説明する。なお、以下では、A相とB相のパラメータ(後述する励磁区間など)は同じ値に設定されるものとして説明するが、A相とB相のパラメータを互いに異なる値に設定することも可能である。
なお、本明細書において、A相とB相とをまとめて指す場合には、符号の末尾「a」「b」(A相とB相を示すもの)を省略している。例えば、A相とB相の乗算値Ma,Mbを区別する必要が無い場合には、これらを合わせて「乗算値M」と呼ぶ。他の符号についても同様である。
磁気センサの出力SSAは、AD変換部570に供給される。このセンサ出力SSAのレンジは、例えばGND(接地電位)からVDD(電源電圧)までであり、その中位点(=VDD/2)が出力波形の中位点(正弦波の原点を通る点)である。AD変換部570は、このセンサ出力SSAをAD変換して、センサ出力のデジタル値を生成する。AD変換部570の出力のレンジは、例えばFFh〜0h(語尾の”h”は16進数であることを示す)であり、プラス側の中央値を80hとし、マイナス側の中央値を7Fhとしてそれぞれを波形の中位点に対応させる。
符号化部560は、AD変換後のセンサ出力値のレンジを変換するとともに、センサ出力値の中位点の値を0に設定する。この結果、符号化部560で生成されるセンサ出力値Xaは、正側の所定の範囲(例えば+127〜0)と負側の所定の範囲(例えば0〜−127)の値を取る。但し、符号化部560から乗算器550に供給されるのは、センサ出力値Xaの絶対値であり、その正負符号は正負符号信号PaとしてPWM部530に供給される。
電圧指令値レジスタ580は、主制御部100によって設定された電圧指令値Yaを格納する。この電圧指令値Yaは、後述する励磁区間信号Eaとともに、モータの印加電圧を設定する値として機能するものである。電圧指令値Yaは、典型的には0〜1.0の値を取るが、1.0よりも大きな値を設定可能としても良い。但し、以下では電圧指令値Yaが0〜1.0の範囲の値を取るものと仮定する。このとき、仮に、非励磁区間を設けずに全区間を励磁区間とするように励磁区間信号Eaを設定した場合には、Ya=0は印加電圧をゼロとすることを意味し、Ya=1.0は印加電圧を最大値とすることを意味する。乗算器550は、符号化部560から出力されたセンサ出力値Xaと、電圧指令値Yaとを乗算して整数化し、その乗算値MaをPWM部530に供給する。
図3(B)〜(E)は、乗算値Maが種々の値を取る場合におけるPWM部530の動作を示している。ここでは、全期間が励磁区間であり非励磁区間が無いものと仮定している。PWM部530は、クロック信号SDCの1周期の間に、デューティがMa/Nであるパルスを1つ発生させる回路である。すなわち、図3(B)〜(E)に示すように、乗算値Maが増加するに従って、駆動信号DRVA1,DRVA2のパルスのデューティが増加する。なお、第1の駆動信号DRVA1は、センサ出力SSAが正のときにのみパルスを発生する信号であり、第2の駆動信号DRVA2はセンサ出力SSAが正のときにのみパルスを発生する信号であるが、図3(B)〜(E)ではこれらを合わせて記載している。また、便宜上、第2の駆動信号DRVA2を負側のパルスとして描いている。
図4(A)〜(D)は、センサ出力の波形とPWM部530で生成される駆動信号の波形の対応関係を示す説明図である。図中、「Hiz」はハイインピーダンス状態を意味している。図3で説明したように、A相用の駆動信号DRVA1,DRVA2はA相センサ出力SSAのアナログ波形をそのまま利用したPWM制御によって生成される。B相用の駆動信号DRVB1,DRVB2も同様である。従って、これらの駆動信号を用いて、A相コイルとB相コイルに、センサ出力SSA,SSBの変化と対応するレベル変化を示す実効電圧を供給することが可能である。
PWM部530は、さらに、励磁区間設定部590から供給される励磁区間信号Ea,Ebで示される励磁区間のみに駆動信号を出力し、励磁区間以外の区間(非励磁区間)では駆動信号を出力しないように構成されている。図4(E),(F)は、励磁区間信号Ea,Ebによって励磁区間EPと非励磁区間NEPを設定した場合の駆動信号波形を示している。励磁区間EPでは図4(C),(D)の駆動信号パルスがそのまま発生し、非励磁区間NEPでは駆動信号パルスが発生しない。このように、励磁区間EPと非励磁区間NEPを設定するようにすれば、逆起電力波形の中位点近傍(すなわち、センサ出力の中位点近傍)においてコイル電圧を印加しないので、モータの効率をさらに向上させることが可能である。なお、励磁区間EPは、逆起電力波形(誘起電圧波形)のピークを中心とする対称な区間に設定されることが好ましく、非励磁区間NEPは、逆起電力波形の中位点(中心点)を中心とする対称な区間に設定されることが好ましい。換言すれば、励磁区間EPは、永久磁石の移動によって電磁コイルに誘起される誘起電圧の波形で極性が反転する位置をπ位相点としたときのπ/2位相点を中心とする対称な区間に設定することが好ましい。また、非励磁区間NEPは誘起電圧の波形のπ位相点を中心とする対称な区間に設定することが好ましい。なお、鉄心を用いたブラシレスモータでは、電圧に対して電流に位相遅れが生じるのが普通である。この場合には、進角制御を行うことにより、電流波形のピークが誘起電圧波形のピークにほぼ一致するようにすることが好ましい。
なお、前述したように、電圧指令値Yaを1未満の値に設定すれば、乗算値Maが電圧指令値Yaに比例して小さくなる。従って、電圧指令値Yaによっても、実行的な印加電圧を調整することが可能である。
上述の説明から理解できるように、本実施例のモータでは、電圧指令値Yaと、励磁区間信号Eaとの両方を利用して印加電圧を調整することが可能である。B相についても同様である。望ましい印加電圧と、電圧指令値Ya及び励磁区間信号Eaとの関係は、予め主制御部100内のメモリにテーブルとして格納されていることが望ましい。こうすれば、主制御部100が、入力部10から望ましい印加電圧の指令を受信したときに、主制御部100が電圧指令値Yaと、励磁区間信号EaとをPWM制御部240内に設定することが可能である。なお、印加電圧の調整には、電圧指令値Yaと、励磁区間信号Eaの両方を利用する必要はなく、いずれか一方のみを利用するようにしてもよい。
図5は、PWM部530(図3)の内部構成の一例を示すブロック図である。PWM部530は、カウンタ531,532と、EXOR回路533,534と、駆動波形形成部535,536とを備えている。カウンタ531とEXOR回路533と駆動波形形成部535はA相用の回路であり、カウンタ532とEXOR回路534と駆動波形形成部536はB相用の回路である。これらは以下のように動作する。
図6は、モータ正転時のPWM部530の動作を示すタイミングチャートである。この図には、2つのクロック信号PCL,SDCと、正逆方向指示値RIと、励磁区間信号Eaと、乗算値Maと、正負符号信号Paと、カウンタ531内のカウント値CM1と、カウンタ531の出力S1と、EXOR回路533の出力S2と、駆動波形形成部535の出力信号DRVA1,DRVA2とが示されている。カウンタ531は、クロック信号SDCの1期間毎に、クロック信号PCLに同期してカウント値CM1を0までダウンカウントする動作を繰り返す。カウント値CM1の初期値は乗算値Maに設定される。なお、図6では、図示の便宜上、乗算値Maとして負の値も描かれているが、カウンタ531で使用されるのはその絶対値|Ma|である。カウンタ531の出力S1は、カウント値CM1が0で無い場合にはHレベルに設定され、カウント値CM1が0になるとLレベルに立ち下がる。
EXOR回路533は、正負符号信号Paと正逆方向指示値RIとの排他的論理和を示す信号S2を出力する。モータが正転する場合には、正逆方向指示値RIがLレベルである。従って、EXOR回路533の出力S2は、正負符号信号Paと同じ信号となる。駆動波形形成部535は、カウンタ531の出力S1と、EXOR回路533の出力S2から、駆動信号DRVA1,DRVA2を生成する。すなわち、カウンタ531の出力S1のうち、EXOR回路533の出力S2がLレベルの期間の信号を第1の駆動信号DRVA1として出力し、出力S2がHレベルの期間の信号を第2の駆動信号DRVA2として出力する。なお、図6の右端部付近では、励磁区間信号EaがLレベルに立ち下がり、これによって非励磁区間NEPが設定されている。従って、この非励磁区間NEPでは、いずれの駆動信号DRVA1,DRVA2も出力されず、ハイインピーダンス状態に維持される。
なお、駆動波形形成部535,536(図5)には、制動制御信号PKが供給されており、この制動制御信号PKに応じて駆動信号DRVA1,DRVA2,DRVB1,DRVB2が変更される場合がある。この動作については後述する。
上述の説明から理解できるように、カウンタ531は、乗算値Maに基づいてPWM信号を生成するPWM信号生成回路として機能している。また、駆動波形形成部535は、励磁区間信号Eaに応じてPWM信号をマスクするマスク回路として機能している。
図7は、モータ逆転時のPWM部530の動作を示すタイミングチャートである。モータ逆転時には、正逆方向指示値RIがHレベルに設定される。この結果、2つの駆動信号DRVA1,DRVA2が図6から入れ替わっており、この結果、モータが逆転することが理解できる。なお、PWM部530のB相用の回路532,534,536も上述と同様に動作する。
図8は、励磁区間設定部590の内部構成と動作を示す説明図である。励磁区間設定部590は、電子可変抵抗器592と、電圧比較器594,596と、OR回路598と、AND回路599とを有している。電子可変抵抗器592の抵抗値Rvは、主制御部100によって設定される。電子可変抵抗器592の両端の電圧V1,V2は、電圧比較器594,596の一方の入力端子に与えられている。電圧比較器594,596の他方の入力端子には、センサ出力SSAが供給されている。なお、図8ではB相用の回路は図示の便宜上省略されている。電圧比較器594,596の出力信号Sp,Snは、OR回路598に入力されている。OR回路598の出力は、主制御部100から供給される駆動イネーブル信号Denbとともに、AND回路599の2つの入力端子に入力されている。AND回路599の出力は、励磁区間と非励磁区間とを区別するための励磁区間信号Eaである。後述するように、駆動イネーブル信号Denbは、モータを未励磁状態にする際に用いられる。
図8(B)は、励磁区間設定部590の動作を示している。ここでは、駆動イネーブル信号DenbがHレベルであると仮定している。駆動イネーブル信号DenbがLレベルの場合の動作については後述する。電子可変抵抗器592の両端電圧V1,V2は、抵抗値Rvを調整することによって変更される。具体的には、両端電圧V1,V2は、電圧レンジの中央値(=VDD/2)からの差分が等しい値に設定される。センサ出力SSAが第1の電圧V1よりも高い場合には第1の電圧比較器594の出力SpがHレベルとなり、一方、センサ出力SSAが第2の電圧V2よりも低い場合には第2の電圧比較器596の出力SnがHレベルとなる。駆動イネーブル信号DenbがHレベルの場合には、励磁区間信号Eaは、出力信号Sp,Snの論理和を取った信号となる。従って、図8(B)の下部に示すように、励磁区間信号Eaは、励磁区間EPと非励磁区間NEPとを示す信号として使用することができる。励磁区間EPと非励磁区間NEPの設定は、主制御部100が可変抵抗値Rvを調整することによって行なわれる。
なお、励磁区間EPと非励磁区間NEPの設定機能は、主制御部100以外の他の回路で実現するようにしてもよい。また、外部からの要求(例えばモータの出力要求)に応じて電圧指令値Yaと励磁区間信号Eaの両者の値を調整し、これによって、要求に応じた出力を達成する調整部としての機能についても同様である。
ところで、モータの始動時には、励磁区間EPはなるべく大きく、非励磁区間NEPはなるべく小さくすることが好ましい。この理由は、モータが位相が非励磁区間NEPの内部に相当する位置で静止している場合には、PWM信号が駆動波形形成部535(図5)でマスクされてしまうので、始動できない可能性があるためである。従って、始動時には、非励磁区間NEPは、その許容範囲の中の最小値とすることが好ましい。なお、非励磁区間NEPの最小値は、ゼロでない値とすることが好ましい。この理由は、非励磁区間NEPの最小値をゼロとすると、センサ出力SSAの極性(すなわち駆動信号の極性)が反転するタイミングにおいて、ドライバ回路250(図3)内において電流が逆流してしまい、スイッチングトランジスタが損傷する可能性があるからである。
図9は、可変抵抗値Rvと励磁区間EPとの関係を示すタイミングチャートである。ここでは、センサ出力SSAと、可変抵抗値Rvと、励磁区間信号Eaと、駆動信号DRVA1+DRVA2とが示されている。可変抵抗値Rvとしては、その取りうる値の範囲0〜32Ωのうちの4つの値(0Ω,8Ω,16Ω,24Ω)の例が記載されている。可変抵抗値Rvがその最小値の0Ωである場合には、ほぼ全区間が励磁区間EPである。一方、可変抵抗値Rvを増加させると、励磁区間EPが減少し、非励磁区間NEPが増加する。
なお、可変抵抗値Rvが最小値に設定された場合にも、電圧の切替時におけるスイッチング素子での電流の逆流を防止するために、所定のわずかな長さの非励磁区間NEPを設けても良い。こような動作は、例えば、図8(A)の電子可変抵抗器592に直列に(すなわち電圧V1,V2の出力端子の間に)、小さな固定抵抗を設けておくことによって実現可能である。あるいは、可変抵抗値Rvの最小値を0でない値としても同様な動作を実現可能である。
図9の下に示すように、大きなトルクを必要とする場合(例えば始動時)には、ほぼ全区間を励磁区間EPとし、一方、小さなトルクで良い場合(例えば定速時)には、励磁区間EPを少なくして非励磁区間NEPを大きくするように励磁区間EPと非励磁区間NEPとの区分が決定される。具体的な励磁区間EPの設定方法については後述する。
図10は、符号化部560の内部構成を示すブロック図である。この符号化部560は、絶対値変換部564で構成されている。絶対値変換部564は、AD変換部570(図3)でデジタル信号に変換されたセンサ信号DSSAと、主制御部100から供給された波形切替信号Sswとに応じて、センサ出力値Xaと、正負符号信号Paとを生成する。波形切替信号Sswは、正弦波駆動と矩形波駆動とを切り替えるための信号である。すなわち、絶対値変換部564は、Sswが0レベル(Lレベル)の時にはセンサ信号DSSAの変化を表す値を有するセンサ出力値Xaを生成し、一方、Sswが1レベル(Hレベル)の時にはセンサ信号DSSAの変化に依らない一定値を有するセンサ出力値Xaを生成する。
図11は、符号化部560の動作を示すタイミングチャートである。図11(A)に示すように、波形切替信号Sswが0レベルの場合には、センサ出力値Xaと正負符号信号Paの値は、以下のように設定される。
(1a)デジタル値DSSAが所定値(128)以上の場合:
Xa=DSSA−128
Pa=0(センサ波形が正の範囲であることを示す)
(1b)デジタル値DSSAが所定値(128)未満の場合:
Xa=127−DSSA
Pa=1(センサ波形が負の範囲であることを示す)
すなわち、波形切替信号Sswが0レベルの場合には、センサ出力値Xaとして、センサ出力SSAの変化を表す値が生成される。
一方、図11(B)に示すように、波形切替信号Sswが1レベルの場合には、センサ出力値Xaと正負符号信号Paの値は、以下のように設定される。
(2a)デジタル値DSSAが所定値(128)以上の場合:
Xa=127(一定)
Pa=0(センサ波形が正の範囲であることを示す)
(2b)デジタル値DSSAが所定値(128)未満の場合:
Xa=127(一定)
Pa=1(センサ波形が負の範囲であることを示す)
すなわち、波形切替信号Sswが1レベルの場合には、センサ出力値Xaとして、センサ出力SSAの変化によらない一定値が生成される。
このように、符号化部560として、図11(A),(B)のような2つの動作モードのいずれかを選択的に実行可能な回路を使用すれば、必要に応じて上述した2つの動作モードを任意に実行することが可能である。例えば、モータの始動時には矩形波駆動モードを使用することによって、より確実に始動できるようにし、一方、始動後には正弦波駆動モードを使用することによって効率を向上させることが可能である。
なお、PWM部530(PWM制御回路)は、時系列的に変化する変化信号値Xaと、電圧指令値Yaとを乗算することによって乗算値Maを求め、この乗算値MaにPWM制御を行うことによってPWM信号を生成する回路として構成されている。このようなPWM部530は、電圧指令値Yaを調整することによって、変化信号SSAに比例した波形を模擬するとともに、電圧指令値Yaのレベルに応じた有効振幅を有するPWM信号を生成することが可能である。従って、モータに対する制御要求に応じた適切なPWM信号を容易に生成することが可能である。
図12は、駆動イネーブル信号Denbと制動制御信号PKに応じたドライバ回路の動作状態を示す説明図である。図12(A)に示すように、ドライバ回路250は、4つのスイッチングトランジスタ251〜254を有しており、また、上アーム側のトランジスタ251,253には、駆動信号のレベルを調整するためのレベルシフタ255,256が設けられている。但し、レベルシフタ255,256は省略可能である。
ドライバ回路250には、PWM部530(図5)から4種類の駆動信号DRVA1U,DRVA2L,DRVA2U,DRVA1Lが供給される。駆動信号DRVA1U,DRVA2L,DRVA2U,DRVA1Lは、駆動イネーブル信号Denbと制動制御信号PKに応じて以下のような設定され、これによって以下に説明するような種々の状態が実現される。
Denb=1(励磁可),PK=0(非制動)の場合には、モータは、図12(A)に示す通常の駆動状態となる。この状態では、1組目の駆動信号DRVA1U,DRVA1Lが同時にオン状態になるととともに2組目の駆動信号DRVA2U,DRVA2Lがオフ状態になるときに、第1の電流方向IA1に電流が流れる。逆に、1組目の駆動信号DRVA1U,DRVA1Lが同時にオフ状態になるととともに2組目の駆動信号DRVA2U,DRVA2Lがオン状態になるときに、第2の電流方向IA2に電流が流れる。この結果、モータが駆動信号に応じて駆動される。
駆動イネーブル信号Denbが0レベルになると、励磁区間信号Eaが常に0レベルになるので、すべての駆動信号がLレベル(オフ)に維持され、モータは図12(B)に示す未励磁状態になる。この状態では、電磁コイルが電源から切り離された状態(ハイインピーダンス状態)となり、ロータを回転させても電磁コイルに電流が流れないので、ロータが自由に回転し得る。すなわち、駆動イネーブル信号Denbを0ベルに設定することによって、ロータを自由回転状態にすることが可能である。また、この状態でロータが回転すると、電磁コイルは逆起電力の働きで発電機となり、後述する回生制御を実現することができる。
一方、制動制御信号PKが1レベルになると、モータが図12(C)、(D)に示す制動状態になる。図12(C)に示す制動状態では、上アーム側の駆動信号DRVA1U,DRVA2UがHレベル(オン)になり、下アーム側の駆動信号DRVA1L,DRVA2LがLレベル(オフ)になる。従って、電磁コイルは短絡状態になる。同様に、図12(D)に示す制動状態では、上アーム側の駆動信号DRVA1U,DRVA2UがLレベルになり、下アーム側の駆動信号DRVA1L,DRVA2LがHレベルになる。この場合にも、電磁コイルは短絡状態になる。なお、図12(C),(D)の間の信号レベルの切替は、センサ出力SSA(より具体的には正負符号信号Pa)に応じて行われる。このように、制動制御信号PKが1レベルになると、電磁コイルを短絡状態にするような駆動信号が生成されるので、ロータが回転すると逆起電力の働きによって回転が強制的に阻止される方向の力が発生する。この状態は、後述するパーキングの状態ともなる。
このように、図12(A),(B)の状態でモータを制御する場合には、1組目の駆動信号DRVA1U,DRVA1Lは互いに同じレベル(オン/又はオフ)を示し、2組目の駆動信号DRVA2U,DRVA2Lも互いに同じレベル(オン/又はオフ)を示す。従って、これらの状態でモータを制御する場合には、DRVA1U=DRVA1L,DRVA2U=DRVA2Lである。前述した図4,図6,図7では、主として図12(A),(B)の状態を考慮して、1組目の2つの駆動信号DRVA1U,DRVA1Lを区別せずに「DRVA1」としてまとめて記載している。2組目の駆動信号DRVA2U,DRVA2Lについても同様である。一方、図12(C),(D)に示す制動時には、1組目の駆動信号DRVA1U,DRVA1Lは互いに逆のレベルを示し、2組目の駆動信号DRVA2U,DRVA2Lも互いに逆のレベルを示す。そこで、図12(A)〜(D)では、4つの駆動信号DRVA1U,DRVA2L,DRVA2U,DRVA1Lに異なる符号を用いて示している。なお、図12(C),(D)のような制動を行わないように回路を構成することも可能であり、この場合には、1組目の駆動信号DRVA1U,DRVA1L同士の区別は不要であり、2組の駆動信号DRVA2U,DRVA2L同士の区別も不要である。
以上のように、駆動制御部200は、図3〜図9で説明したように、電圧指令値Yaと励磁区間Eaの2つのパラメータを調整することが可能であり、これらのパラメータYa,Eaに応じてモータの運転状態(トルクと回転数)を変更可能である。また、駆動制御部200は、図10,図11で説明したように、波形切替信号Sswに応じて矩形波駆動と正弦波駆動とを切り替えることが可能である。駆動制御部200は、さらに、図12で説明したように、駆動イネーブル信号Denbと制動制御信号PKに応じて、駆動状態と、未励磁状態と、制動状態と、の3つの状態を切り替えることが可能である。但し、未励磁状態や制動状態を取らない回路として駆動制御部を構成することも可能である。
C.回生制御部の構成と動作:
図13は、回生制御部300の内部構成を示す回路図である。この回生制御部300は、図12(B)の状態において電力を回生する機能を有している。回生制御部300は、整流回路310と、回生区間設定部320とを有している。整流回路310は、A相コイル用の回路として、複数のダイオードを含む全波整流回路330と、2つのゲートトランジスタ341,342と、バッファ回路351と、インバータ回路352(NOT回路)とを有している。なお、B相用にも同じ回路が設けられている。ゲートトランジスタ341,342の出力端子は、蓄電部30に接続されている。回生区間設定部320は、A相用の回生区間信号EGaとB相用の回生区間信号EGbを生成して整流回路310に供給する。A相とB相の回路構成は同じなので、以下では主としてA相用の回路について説明する。
電力回生時にA相コイル列で発生した交流電力は、全波整流回路330で整流される。ゲートトランジスタ341,342のゲートには、回生区間信号EGaとその反転信号が与えられており、これに応じてゲートトランジスタ341,342がオン/オフ制御される。従って、回生区間信号EGaがHレベルの期間では回生電力が蓄電部30に蓄積され、一方、回生区間信号EGaがLレベルの期間では電力の回生が禁止される。
図14は、回生区間設定部の内部構成を示す説明図である。図8と比較すれば理解できるように、回生区間設定部320は、励磁区間設定部590とほぼ同じ回路構成をしている。但し、AND回路599には、駆動イネーブル信号Denbの代わりに回生イネーブル信号Genbが入力されており、このAND回路599の出力が回生区間信号EGaとなる。
図15は、回生区間設定部における可変抵抗値Rgvと回生区間との関係を示すタイミングチャートである。ここでは、逆起電力波形と、センサ出力SSAと、可変抵抗値Rgvと、回生区間信号EGaと、回生される電力とが示されている。可変抵抗値Rgvとしては、4つの値(0Ω,8Ω,16Ω,24Ω)の例が記載されている。可変抵抗値Rgvが0Ωである場合には、ほぼ全区間が回生区間GEPである。一方、可変抵抗値Rgvを増加させると、回生区間GEPが減少し、非回生区間NGEPが増加する。
図15の下部に示すように、強い制動力を必要とする場合には、ほぼ全区間を回生区間GEPとして多くの電力を回生し、一方、小さな制動力で良い場合には、回生区間GEPを少なくして非回生区間NGEPを大きくすることによってより少ない電力を回生する。必要な制動力と回生区間GEPの関係、すなわち、必要な制動力と可変抵抗値Rgvの関係は、予め主制御部100内のメモリ内に格納されている。従って、主制御部100は、モータの要求制動力に応じて可変抵抗値Rgvを適切な値に設定することが可能である。なお、回生が不要な場合には、主制御部100は、回生イネーブル信号GenbをLレベルに設定することによって、可変抵抗値Rgvの値に拘わらずに回生区間GEPをゼロにすることが可能である。
以上のように、回生制御部300は、回生区間信号EGa,EGbに応じてA相コイル列とB相コイル列からの電力を回収する期間を制限し、これによって回生される電力量と制動力を調整することが可能である。なお、回生区間GEPは、永久磁石の移動によって電磁コイルに誘起される誘起電圧の波形で極性が反転する位置をπ位相点としたときのπ/2位相点を中心とする対称な区間に設定することが好ましい。また、非回生区間NGEPは、誘起電圧の波形のπ位相点を中心とする対称な区間に設定することが好ましい。
D.具体的な適用例1:
図16は、本発明の実施例における電動アクチュエータを電気自動車に適用した例を示す説明図である。この例では、入力部10(図1)として、3つの入力部11〜13が使用されている。第1の入力部11はアクセルベダルであり、第2の入力部12はシフトレバーであり、第3の入力部13はブレーキペダルである。アクセルベダル11は、その踏込量SPが0〜1.0の範囲で変化する。ブレーキベダル13も同様に、その踏込量BKが0〜1.0の範囲で変化する。シフトレバー12は、トルク変換比TNがP,100%〜20%の値を取る。ここで、値「P」はパーキングを意味している。また、或るシフト位置に対するギア比トルク変換比TNの%値は、最高速用シフト位置のギア比を、そのシフト位置のギア比で除した値を意味している。例えば、1速のギア比が4.0であり、最高速のギア比が0.8である場合には、1速のトルク変換比TNは0.8/4.0=20%である。なお、この例では、電気自動車はオートマチック車であり、シフトレバー12がドライブポジションに設定されていれば運転中にギア比が自動的に変更される。
図16(D)は、電気自動車の運転例を示しており、3つの入力値SP,TN,BKの変化と、モータの目標回転速度ωtの変化を示している。停止時にはSP=O,TN=P,BK=1であるが、自動車が始動するとこれらの入力値SP,TN,BKが時々刻々と変化し、これに応じてモータの目標回転速度ωtも変化する。なお、主制御部100(図2)は、目標回転速度ωtとともに、モータの目標トルクも入力値SP,TN,BKに応じて決定するが、図16では図示を省略している。なお、入力値としては、電気自動車の動作状態を測定するための各種のセンサ(例えば車速センサ)の出力信号なども利用することが可能であるが、ここでは説明を簡単にするために他の入力値は省略している。
主制御部100は、回転速度とトルクの目標値に応じて、前述した以下の信号やパラメータを駆動制御部200と回生制御部300とに供給して、それぞれの動作状態を設定する。
(1)波形切替信号Ssw(図10)
(2)電圧指令値Y(図3のYa,Yb)
(3)励磁区間信号E(図9)
(4)駆動イネーブル信号Denb(図12)
(5)制動制御信号PK(図12)
(6)回生区間信号EG(図15)
(7)回生イネーブル信号Genb(図14)
図17は、主制御部100による電気自動車の制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。ステップS10では、入力部10から主制御部100に各種の入力値が入力される。ステップS20以降の処理は、主制御部100によって実行される。まず、ステップS20では、各種の入力値から目標回転数ωt及び目標トルクTtが決定される。なお、各種の入力値と目標値ωt,Ttとの対応関係は、ルックアップテーブルやマップなどの種々の形態で予め主制御部100内のメモリに格納しておくことが可能である。
ステップS30では、電力の回生を行うか否かが決定される。これは、例えばブレーキベダル13が踏まれているか否かに基づいて判断される。電力の回生を行わない場合には、ステップS40において励磁区間EP(すなわち励磁区間設定部590の可変抵抗値RV)と駆動波形(すなわち波形切替信号Sswの値)を決定し、ステップS50では電圧指令値Yを決定する。なお、回生を行わずに駆動を行う場合には駆動イネーブル信号DenbもHレベルに設定されるが、図17では他の信号についての説明は省略している。
図18は、励磁区間EPと駆動波形の選択方法の一例を示す説明図である。横軸は、回転速度差Δω(目標回転数と実回転数の差)であり、縦軸は励磁区間EPの値を示している。励磁区間EPは、回転速度差Δωが大きいほど大きな値を取るように設定されることが好ましい。こうすれば、より素早く目標回転数に到達させることが可能である。なお、この例では、回転速度差Δωと励磁区間EPとの関係が、S字状の非線形的な関係であるが、両者の関係は他の非線形な対応関係をとっても良く、あるいは直線的な対応関係を有していても良い。
図18では、駆動波形としては、回転速度差Δωが所定の閾値ωth1未満の場合には正弦波が選択され、閾値ωth1を超えると矩形波が選択されることが示されている。こうすれば、例えばモータの始動時にも比較的大きなトルクで始動を開始することが可能となる。なお、励磁区間EPや駆動波形の決定方法は、これに限らず、他の種々の方法でこれらを決定しても良い。例えば、駆動波形としては、モータの始動時の所定の低回転数の範囲では矩形波を選択し、その後は正弦波が選択するようにしてもよい。
図19は、電圧指令値Yの決定方法の一例を示す説明図である。図19(A)は、励磁区間EPが100%の場合に、電圧指令値Yの値がモータのトルク/回転数特性に与える影響を示している。本実施例のブラシレスモータは、直流モータとしての特性を有しているので、回転速度ωとトルクTは図19(A)に示すように右下がりの直線的な関係を有する。この直線は、以下の式で与えられる。
ω=ω0−(Rα/KT・KE)T …(1)
ここで、ω0は切片、Rαは巻線抵抗、KTはトルク定数、KEは逆起電力定数である。なお、よく知られているように、トルク定数KTと逆起電力定数KEは、モータ効率が良いほど大きな値を取り、低回転数でより大きなトルクが得られるモータとなる。
一方、図3で説明したように、PWM制御部240では、A相のセンサ出力Xaが電圧指令値Yaと乗算されて乗算値Maとなり、この乗算値Maに比例したPWM信号が生成される。B相についても同様である。従って、モータに印加される実効電圧は、電圧指令値Y(Ya,Yb)に比例する。この結果、図19(A)に示すように、電圧指令値Yが減少すると、実効電圧が低下して、トルク/回転数特性の直線も原点に近づくことが理解できる。
図19(B)は、電圧指令値Yが1.0の場合に、励磁区間EPがモータのトルク/回転数特性に与える影響を示している。励磁区間EPが減少した場合にも、モータに印加される実効電圧が低下する。但し、図4で説明したように、本実施例では、励磁区間EPは逆起電力波形(誘起電圧波形)のピークを中心とする対称な区間に設定される。逆起電力波形(誘起電圧波形)のピークを中心とする対称な区間は、機械的エネルギと電気的エネルギとの変換効率が高い領域であり、励磁区間EPが減少すると変換効率の良い部分のみで駆動力を発生させることになる。従って、励磁区間EPが減少すると上記(1)式のトルク定数KTと逆起電力定数KEの値が大きくなり、直線の傾きが減少する。この結果、励磁区間EPが減少した場合には、図19(B)に示すように、トルク/回転数特性を示す直線が原点に近づくとともに、その傾きがより小さくなる。
図19(C)は、図19(A),(B)のグラフを重ねて描いたものである。実線のグラフは励磁区間EPが100%一定で電圧指令値Yが変化した場合の特性であり、破線のグラフは電圧指令値Yが1.0一定で励磁区間EPが変化した場合の特性である。このグラフにおいて、目標点Ptは、目標トルクTtと目標回転数ωtとで示される。この目標点Ptを実現する電圧指令値Yと励磁区間EPの組み合わせは、図19(C)では2通り存在する。但し、実際には、目標点Ptを実現する電圧指令値Yと励磁区間EPはきわめて多数存在することが理解できる。そこで、主制御部100は、まず、図18の特性に基づいて、回転速度差Δωから励磁区間EPを決定し、その後、決定された励磁区間EPを用いて目標点Pt(Tt,ωt)を実現する電圧指令値Yを決定している。こうすれば、これらの2つのパラメータEP,Yを目標点Pt(Tt,ωt)に応じて容易に決定することが可能である。但し、この決定方法は、一例であり、他の方法で励磁区間EPと電圧指令値Yとを決定しても良い。例えば、目標値Tt,ωtと車両の実速度とを入力とし、励磁区間EPと電圧指令値Yとを出力とするルックアップテーブルを用いるようにしてもよい。また、電圧指令値Yは常に一定値(例えば1.0)に設定しておき、励磁区間EPのみを調整するようにしてもよい。
図20は、励磁区間EPの大きさと電力削減率の関係を示すグラフである。ここで、「電力削減率」とは、効率の上昇分を意味している。各実線は、同じ負荷の場合の電力削減率を示している。同じ負荷で励磁区間EPの値が小さくなる(図中で右側に移動する)と、電圧指令値Yがより高い値となる。図20においては、仮想的に電圧指令値Yが1よりも大きな値を取りうるものと仮定している。重負荷時(慣性力大の場合)には、ほぼ定常回転状態になると、慣性力のために励磁区間EPを20%近くの小さな値に低下させることができる。一方、軽負荷時(慣性力小の場合)には、慣性力が小さいので、定常回転状態でも励磁区間EPはより大きな値に維持される。前述したように、励磁区間EPが小さい場合には、機械的エネルギと電気的エネルギとの変換効率が高い領域においてモータが駆動されるので、モータ効率が増大し、電力削減率が大きくなる。なお、一定の負荷において励磁区間EPをある程度以上減少させると効率が低下する理由は、励磁区間EPを過度に小さくすると電圧指令値Yが過度に大きな値になり、PWM信号の実効波形が単純な矩形波に近くなるので、逆に効率が低下する要因となるからである。
図17のステップ30において、電力の回生を行うと判断された場合には、ステップS70において回生区間GEP(すなわち回生区間設定部320の可変抵抗値Rgv)を決定してステップS60に移行する。
図21は、回生区間GEPの決定方法の一例を示すグラフである。横軸は、回転速度差Δωであり、縦軸は回生区間GEPの値を示している。回生区間GEPは、回転速度差Δωが大きいほど大きな値を取るように設定されることが好ましい。こうすれば、より素早く目標速度に近づけることができ、また、より多くの電力を回生することが可能である。この例では、回転速度差Δωと回生区間GEPとの関係が非線形的であるが、両者の関係は直線的な対応関係を有していても良い。なお、回生を行う場合には回生イネーブル信号Genbと制動制御信号PKがHレベルに設定されるが、図17ではこれらの信号については省略されている。
図17のステップS60では、制御動作が完了したか否かが判定され、完了していなければステップ10に戻り、ステップS10〜S70の処理を繰り返し実行する。このように、電気自動車への適用例では、複数の入力値SP,TP,BKに基づいて、目標回転数及び目標トルクと、駆動と回生のいずれかを行うかと、励磁区間EP又は回生区間GEPとを決定しているので、入力値に応じた適切な状態でモータを動作させることが可能である。また、励磁区間EPと回生区間GEPとは、互いに独立にそれぞれ設定されるので、駆動と回生のそれぞれについて高効率な動作を行わせることが可能である。なお、図16(D)のTN=Pの状態は、図12(C)又は(D)の設定によって実現することも可能である。
E.具体的な適用例2:
図22は、本発明の実施例における電動アクチュエータをプリンタに適用した例を示す説明図である。このプリンタでは、モータ40とプーリ52との間に、無端ベルト51が掛け渡されている。無端ベルト51には、印刷ヘッド53が連結されている。印刷ヘッド53は、位置センサとしてのエンコーダ14に沿って摺動可能に設置されている。モータ40に駆動されて無端ベルト51が回転すると、これに応じて印刷ヘッド53が図の左右方向に移動する。この移動時に、印刷ヘッド53からインクを吐出することによって、印刷媒体上に画像を印刷することが可能である。この適用例では、エンコーダ14が入力部10(図1)として機能している。
図22(B)は、ヘッド位置とモータの目標回転数との関係の一例を示している。ここで、印刷ヘッド53は、左端位置P1から右端位置P4間での間を移動するものと仮定している。左端位置P1から次の所定の位置P2までの間においては、目標回転速度ωtが直線的に増加する。印刷ヘッド53の移動の開始時は、モータ40の始動時に相当するので、この期間では駆動波形として始動トルクの大きな矩形波が選択される。位置P2〜P3の間では、目標回転速度ωtも一定値に保たれる。この期間では、駆動波形として効率の良い正弦波が選択される。位置P3〜P4の間では、目標回転速度ωtが直線的に減少し、これに応じて電力が回生される。
なお、印刷ヘッド53の位置と、目標回転数ωt及び駆動波形との関係は、予め主制御部100(図2)内のメモリに格納しておくことができる。印刷ヘッド53の位置と他のパラメータ(EP,GEP等)の関係についても同様であるが、ここでは他のパラメータの値についての説明は省略する。この例では、入力値は1つ(印刷ヘッド53の位置)であるが、この入力値に応じて種々の制御パラメータが決定されている。しかし、この場合にも、その入力値に応じて、駆動波形や励磁区間EP,回生区間GEPなどの各種の制御パラメータを適切に設定することによって、モータを好ましい態様で制御することが可能である。
F.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
F1.変形例1:
上記実施例では、主制御部100が、回転速度とトルクの目標値に応じて以下の信号やパラメータを駆動制御部200と回生制御部300とに供給して、それぞれの動作状態を設定していた。
(1)波形切替信号Ssw(図10)
(2)電圧指令値Y(図3のYa,Yb)
(3)励磁区間信号E(図9)
(4)駆動イネーブル信号Denb(図12)
(5)制動制御信号PK(図12)
(6)回生区間信号EG(図15)
(7)回生イネーブル信号Genb(図14)
しかし、本発明の制御装置としては、1つ以上の入力値に応じてこれらの一部のみを決定するような構成を採用することも可能である。例えば、本発明は、1つ以上の入力値に応じて励磁区間信号Eと回生区間信号EGを決定して駆動や回生に使用し、上記の他の信号を使用しないような回路にも適用可能である。
F2.変形例2:
上記実施例では、2相駆動用の制御回路の構成及び動作を説明したが、本願発明は、単相駆動要の制御回路や3相以上の駆動用の制御回路など、2相以外の任意数の相の駆動用の制御回路も同様に構成することが可能である。また、正逆方向指示値レジスタ540や、励磁区間設定部590などの一部の回路要素は省略することが可能である。なお、本発明による制御部20は、半導体集積回路(IC)として実装されていることが好ましい。
F3.変形例3:
本発明は、電気自動車やプリンタ以外の任意の装置のためのアクチュエータに適用可能である。例えば、本発明によるモータは、移動体やロボット用のモータとしても利用可能である。
図23は、本発明の実施例によるモータ/発電機を利用した移動体の一例としての電動自転車(電動アシスト自転車)を示す説明図である。この自転車3300は、前輪にモータ3310が設けられており、サドルの下方のフレームに制御回路3320と充電池3330とが設けられている。モータ3310は、充電池3330からの電力を利用して前輪を駆動することによって、走行をアシストする。また、ブレーキ時にはモータ3310で回生された電力が充電池3330に充電される。制御回路3320は、モータの駆動と回生とを制御する回路である。このモータ3310としては、上述した各種のブラシレスモータを利用することが可能である。
図24は、本発明の実施例によるモータを利用したロボットの一例を示す説明図である。このロボット3400は、第1と第2のアーム3410,3420と、モータ3430とを有している。このモータ3430は、被駆動部材としての第2のアーム3420を水平回転させる際に使用される。このモータ3430としては、上述した各種のブラシレスモータを利用することが可能である。
図25は、本発明の実施例によるモータを利用した鉄道車両を示す説明図である。この鉄道車両3500は、モータ3510と、車輪3520とを有している。このモータ3510は、車輪3520を駆動する。さらに、モータ3510は、鉄道車両3500の制動時には発電機として利用され、電力が回生される。このモータ3510としては、上述した各種のブラシレスモータを利用することができる。
本発明の一実施例としての電動アクチュエータの構成を示すブロック図である。 制御部の内部構成を示すブロック図である。 駆動制御部200の内部構成と動作を示す説明図である。 センサ出力波形と駆動信号波形の対応関係を示す説明図である。 PWM部の内部構成を示すブロック図である。 モータ正転時のPWM部の動作を示すタイミングチャートである。 モータ逆転時のPWM部の動作を示すタイミングチャートである。 励磁区間設定部の内部構成と動作を示す説明図である。 励磁区間設定部における可変抵抗値Rvと励磁区間EPとの関係を示すタイミングチャートである。 符号化部の他の構成を示すブロック図である。 符号化部の動作を示すタイミングチャート図である。 駆動イネーブル信号Denbと制動制御信号PKに応じたドライバ回路の動作状態を示す説明図である。 回生制御部300の内部構成を示す回路図である。 回生区間設定部の内部構成を示す説明図である。 回生区間設定部における可変抵抗値Rgvと回生区間GEPとの関係を示すタイミングチャートである。 本発明の実施例における電動アクチュエータを電気自動車に適用した例を示す説明図である。 主制御部による電気自動車の制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 励磁区間EPと駆動波形の選択方法の一例を示す説明図である。 電圧指令値Yの決定方法の一例を示す説明図である。 励磁区間EPの大きさと電力削減率の関係を示すグラフである。 回生区間GEPの決定方法の一例を示すグラフである。 本発明の実施例における電動アクチュエータをプリンタに適用した例を示す説明図である。 本発明の実施例によるモータ/発電機を利用した移動体の一例としての電動自転車(電動アシスト自転車)を示す説明図である。 本発明の実施例によるモータを利用したロボットの一例を示す説明図である。 本発明の実施例によるモータを利用した鉄道車両を示す説明図である。
符号の説明
10〜14…入力部
20…制御部
30…蓄電部
40…電動モータ
41,42…コイル
42…駆動力伝達部材
43,44…位置センサ
50…負荷
51…無端ベルト
52…プーリ
53…印刷ヘッド
100…主制御部
200…駆動制御部
240…PWM制御部
250…ドライバ回路
251〜254…スイッチングトランジスタ
255,256…レベルシフタ
300…回生制御部
310…整流回路
320…回生区間設定部
330…全波整流回路
341,342…ゲートトランジスタ
351…バッファ回路
352…インバータ回路
400…電源ユニット
510…基本クロック生成回路
520…分周器
530…PWM部
531,532…カウンタ
533,534…EXOR回路
535,536…駆動波形形成部
540…正逆方向指令値レジスタ
550,552…乗算器
560,562…符号化部
564…絶対値変換部
570,572…AD変換部
580…電圧指令値レジスタ
590…励磁区間設定部
592…電子可変抵抗器
594,596…電圧比較器
598…OR回路
599…AND回路
3300…自転車
3310…モータ
3320…制御回路
3330…充電池
3400…ロボット
3410…第1のアーム
3420…第2のアーム
3430…モータ
3500…鉄道車両
3510…モータ
3520…車輪

Claims (6)

  1. 電磁コイルと永久磁石とを有する電動モータを制御する制御装置であって、
    前記電磁コイルを駆動するための制御を行う駆動制御部と、
    前記電磁コイルから電力を回生するための制御を行う回生制御部と、
    を備え、
    前記駆動制御部は、前記永久磁石の移動によって前記電磁コイルに誘起される誘起電圧の波形で極性が反転する位置をπ位相点としたときのπ/2位相点を中心とする対称な励磁区間において前記電磁コイルに電圧を印加するとともに、前記誘起電圧の波形の前記π位相点を中心とする対称な非励磁区間において前記電磁コイルに電圧を印加しないように前記励磁区間と前記非励磁区間とを設定する励磁区間設定部を含み、
    前記回生制御部は、前記π/2位相点を中心とする対称な回生区間において前記電磁コイルから電力を回生するとともに、前記誘起電圧の波形の前記π位相点を中心とする対称な非回生区間において前記電磁コイルから電力を回生しないように前記回生区間と前記非回生区間とを設定する回生区間設定部を含み、
    前記駆動制御部は、さらに、
    経時的な変化を示す変化信号の信号値と、所定の範囲で任意に設定可能な指令値と、を乗算することによって乗算値を算出する乗算部と、
    前記乗算値に対してPWM制御を行うことによって、前記乗算値に応じたパルス幅を有するPWM信号を生成するPWM信号生成部と、
    前記PWM信号を前記非励磁区間においてマスクすることによって前記電動モータの駆動信号を生成するマスク回路と、
    前記電動モータに対する出力要求に応じて、前記指令値と、前記励磁区間と前記非励磁区間との間の区分と、の双方を調整する調整部と、
    を備える制御装置。
  2. 請求項1記載の制御装置であって、
    前記励磁区間設定部と前記回生区間設定部は、前記励磁区間と前記非励磁区間との間の区分、及び、前記回生区間と前記非回生区間との間の区分を互いに独立に変更可能である、制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の制御装置であって、
    前記駆動制御部と前記回生制御部は、前記電動モータの駆動と回生のいずれも行わない場合には、前記電磁コイルをハイインピーダンス状態に維持する、制御装置。
  4. 電磁コイルと永久磁石とを有する電動モータを制御する方法であって、
    前記電磁コイルを駆動するための制御を行う駆動工程と、
    前記電磁コイルから電力を回生するための制御を行う回生工程と、
    を備え、
    前記駆動工程は、前記永久磁石の移動によって前記電磁コイルに誘起される誘起電圧の波形で極性が反転する位置をπ位相点としたときのπ/2位相点を中心とする対称な励磁区間において前記電磁コイルに電圧を印加するとともに、前記誘起電圧の波形の前記π位相点を中心とする対称な非励磁区間において前記電磁コイルに電圧を印加しないように前記励磁区間と前記非励磁区間とを設定する工程を含み、
    前記回生工程は、前記π/2位相点を中心とする対称な回生区間において前記電磁コイルから電力を回生するとともに、前記誘起電圧の波形の前記π位相点を中心とする対称な非回生区間において前記電磁コイルから電力を回生しないように前記回生区間と前記非回生区間とを設定する工程を含み、
    前記駆動工程は、さらに、
    経時的な変化を示す変化信号の信号値と、所定の範囲で任意に設定可能な指令値と、を乗算することによって乗算値を算出する工程と、
    前記乗算値に対してPWM制御を行うことによって、前記乗算値に応じたパルス幅を有するPWM信号を生成する工程と、
    前記PWM信号を前記非励磁区間においてマスクすることによって前記電動モータの駆動信号を生成する工程と、
    前記電動モータに対する出力要求に応じて、前記指令値と、前記励磁区間と前記非励磁区間との間の区分と、の双方を調整する工程と、
    を含む、制御方法。
  5. ロボットであって、
    電磁コイルと永久磁石とを有する電動モータと、
    前記電動モータを制御する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記電磁コイルを駆動するための制御を行う駆動制御部と、
    前記電磁コイルから電力を回生するための制御を行う回生制御部と、
    を備え、
    前記駆動制御部は、前記永久磁石の移動によって前記電磁コイルに誘起される誘起電圧の波形で極性が反転する位置をπ位相点としたときのπ/2位相点を中心とする対称な励磁区間において前記電磁コイルに電圧を印加するとともに、前記誘起電圧の波形の前記π位相点を中心とする対称な非励磁区間において前記電磁コイルに電圧を印加しないように前記励磁区間と前記非励磁区間とを設定する励磁区間設定部を含み、
    前記回生制御部は、前記π/2位相点を中心とする対称な回生区間において前記電磁コイルから電力を回生するとともに、前記誘起電圧の波形の前記π位相点を中心とする対称な非回生区間において前記電磁コイルから電力を回生しないように前記回生区間と前記非回生区間とを設定する回生区間設定部を含み、
    前記駆動制御部は、さらに、
    経時的な変化を示す変化信号の信号値と、所定の範囲で任意に設定可能な指令値と、を乗算することによって乗算値を算出する乗算部と、
    前記乗算値に対してPWM制御を行うことによって、前記乗算値に応じたパルス幅を有するPWM信号を生成するPWM信号生成部と、
    前記PWM信号を前記非励磁区間においてマスクすることによって前記電動モータの駆動信号を生成するマスク回路と、
    前記電動モータに対する出力要求に応じて、前記指令値と、前記励磁区間と前記非励磁区間との間の区分と、の双方を調整する調整部と、
    を備える、ロボット。
  6. 移動体であって、
    電磁コイルと永久磁石とを有する電動モータと、
    前記電動モータを制御する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記電磁コイルを駆動するための制御を行う駆動制御部と、
    前記電磁コイルから電力を回生するための制御を行う回生制御部と、
    を備え、
    前記駆動制御部は、前記永久磁石の移動によって前記電磁コイルに誘起される誘起電圧の波形で極性が反転する位置をπ位相点としたときのπ/2位相点を中心とする対称な励磁区間において前記電磁コイルに電圧を印加するとともに、前記誘起電圧の波形の前記π位相点を中心とする対称な非励磁区間において前記電磁コイルに電圧を印加しないように前記励磁区間と前記非励磁区間とを設定する励磁区間設定部を含み、
    前記回生制御部は、前記π/2位相点を中心とする対称な回生区間において前記電磁コイルから電力を回生するとともに、前記誘起電圧の波形の前記π位相点を中心とする対称な非回生区間において前記電磁コイルから電力を回生しないように前記回生区間と前記非回生区間とを設定する回生区間設定部を含み、
    前記駆動制御部は、さらに、
    経時的な変化を示す変化信号の信号値と、所定の範囲で任意に設定可能な指令値と、を乗算することによって乗算値を算出する乗算部と、
    前記乗算値に対してPWM制御を行うことによって、前記乗算値に応じたパルス幅を有するPWM信号を生成するPWM信号生成部と、
    前記PWM信号を前記非励磁区間においてマスクすることによって前記電動モータの駆動信号を生成するマスク回路と、
    前記電動モータに対する出力要求に応じて、前記指令値と、前記励磁区間と前記非励磁区間との間の区分と、の双方を調整する調整部と、
    を備える、移動体。
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