JP5358812B2 - ペットボトルのリーク検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ペットボトルのリーク検査装置に係り、特に、ペットボトルに飲料等の液体を充填する前にペットボトルにピンホール等の欠陥がないかを検出する装置であって、ペットボトル内に圧縮空気を充填してペットボトルから圧縮空気がリークするか否かを検出するペットボトルのリーク検査装置に関するものである。
従来から、清涼飲料などを充填するために軽量のプラスチックボトルであるペットボトル(PETボトル)が多用されている。ペットボトルに飲料等の液体を充填する前には、ペットボトルにピンホール等の欠陥がないかを検査する必要があり、従来からペットボトルのリーク検査装置が用いられている。このペットボトルのリーク検査装置においては、ペットボトルをスターホイールで移送してメインロータに供給し、ペットボトルをメインロータの容器台上に載置し、加圧ヘッドを下降させてペットボトルの口部に当接させ、加圧ヘッドのパッキンによりペットボトルの口部をシールし、この状態で圧縮空気源から圧縮空気を加圧ヘッドを介してペットボトル内に供給する。そして、ペットボトル内へ所定量の圧縮空気を供給した後に、ペットボトル内を密閉し、メインロータによりペットボトルを搬送しつつ、所定時間経過後に加圧ヘッドに接続された圧力センサによりペットボトル内の圧力を測定し、ペットボトルからのリーク(漏れ)を検出するようにしている。この場合、ペットボトルの口部と加圧ヘッドとの間のシールは、加圧ヘッドに設けられたパッキンをペットボトルの口部に高い荷重を加えて押圧することにより行っている。
本件出願人は、環境負荷低減や廃棄時に容器が潰しやすいといったことから、容器の軽量化に伴いペットボトルの肉厚が薄くなっていくため、リーク検査時に加圧ヘッドによりペットボトルに高い荷重を加えた場合に、ペットボトルの変形の度合いが大きく、シール部からの空気のリーク量が大きいという問題点を解消するために、特開2004−205453号公報(特許文献1)において、複数のペットボトルを支持して所定円周上を搬送するメインロータにペットボトルのネックリングを支持するネックリングスターホイールを設け、前記加圧ヘッドからペットボトルに加わる加重をネックリングスターホイールで受けるようにしたペットボトルのリーク検査装置を提案した。このリーク検査装置においては、ネックリングスターホイールの外周側に、ペットボトルの飛び出し防止とペットボトルの位置決めのために、スターホイール用ガイドが設けられている。
特開2004−205453号公報
しかしながら、特許文献1に開示された装置においては、ネックリングスターホイールとペットボトルのネックリングとの間およびスターホイール用ガイドとペットボトルのネックリング外周縁との間に摩擦が生じる。メインロータの搬送速度が低速搬送であれば、摩擦による温度上昇が問題となることはないが、搬送速度が600BPM以上の高速搬送になると、ネックリングスターホイールとペットボトルのネックリングとの接触部およびスターホイール用ガイドとペットボトルのネックリングとの接触部に摩擦熱がより多く発生するため、高速搬送には適しないことが判明した。
そこで、本発明者らは、加圧ヘッドからペットボトルに加わる荷重を受けるネックリングスターホイールを削除して、リーク検査時にペットボトルの高速搬送を可能にするとともに、リーク検査時に加圧ヘッドによりペットボトルに高い荷重を加えていたため、ペットボトルの変形の度合いが大きいという従来の方式の欠点を解消することができる機構について鋭意研究を行ったものである。
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、ペットボトルのリーク検査時に、ペットボトルに高い荷重を加える必要がなく、またペットボトルの高速搬送を可能にするペットボトルのリーク検査装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明の第1の態様は、複数のペットボトルを支持して所定円周上を搬送するメインロータと、前記メインロータに設置され、ペットボトルの口部に係合して該口部を押圧するとともに気体をペットボトル内に供給する複数の容器押えヘッドとを備えたペットボトルのリーク検査装置において、前記メインロータの固定部に設置されたカムと、前記容器押えヘッドに連結されるとともに前記カムに接触可能なカムフォロワとを設け、前記メインロータの回転に伴い前記カムフォロワを前記カムに接触させながら移動させることにより、前記容器押えヘッドを上下動させて容器押えヘッドをペットボトルの口部に係合可能とし、前記カムに前記カムフォロワが非接触となる非接触部を設け、該非接触部において前記容器押えヘッドの自重によりペットボトルの口部を押圧するようにし、前記容器押えヘッドが自重でペットボトルを押圧することによりペットボトルが変形する際の変形量を所定範囲内にするために前記容器押えヘッドの下降を制限するストッパを設けたことを特徴とする。
本発明によれば、メインロータの回転に伴って、カムとカムフォロワの作用により容器押えヘッドが下降し、容器押えヘッドがペットボトルの口部に当接する。そして、カムの非接触部にカムフォロワが到達すると、カムフォロワはカム輪郭との接触が解除され、容器押えヘッドはフリーとなり、ペットボトルの口部には容器押えヘッドの自重のみが加わる。ペットボトルは容器押えヘッドの自重により縮み、カムフォロワは所定の量だけ落ち込むが、容器押えヘッドの下降を制限するストッパが設けられているため、容器押えヘッドの下降は規制され、ペットボトルはそれ以上縮むことはない。すなわち、ペットボトルは容器押えヘッドの自重により弾性変形するが、ペットボトルの弾性変形による反力のために、ペットボトルの口部のシールを行うことができる。
本発明の好ましい態様は、前記カムの非接触部は、下方に落ち込んで低くなった段差部からなることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記ストッパは、ペットボトルの変形量が1mm〜3mmの範囲になるように前記容器押えヘッドの下降を制限することを特徴とする。より具体的には、容器押えヘッドの自重が2.5〜2.7kgあればペットボトルの口部のシールを行うことができ、そのときのペットボトルの変形量が2mm程度になるように、ストッパにより容器押えヘッドの下降を制限している。
本発明のペットボトル外観リーク検査機は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のペットボトルのリーク検査装置と、該リーク検査装置の後段に設置され、カメラによる撮像によりペットボトルの外観検査を行う外観検査用装置とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、飲料充填前のペットボトル検査では、外観検査とピンホールなどのリーク検査とが欠かせないものとなるが、従来は、これら外観検査とリーク検査を別々の装置で行ってきたが、本発明のペットボトル外観リーク検査機によれば、飲料充填前のペットボトル検査における外観検査とピンホールなどのリーク検査を1台の装置で行うことが可能となる。
本発明によれば、容器押えヘッドの自重により、ペットボトルを弾性変形させて口部を密封(シール)するとともに、ストッパにより容器押えヘッドの下降を規制することによりペットボトルの弾性変形量を抑制している。このようにヘッドの下降を規制するストッパを設けることにより、ペットボトルが薄肉の場合にペットボトルが弾性変形内での変形に留まり、荷重を取り除いたときに元の状態に完全に復元可能であり、またシール機能を十分に発揮できる。一方、ペットボトルの肉厚が比較的厚く、ペットボトルの剛性が高い場合には、ペットボトルの弾性変形量が少ないため、容器押えヘッドの下降を規制するストッパは機能しないが、容器押えヘッドの自重によりペットボトルの口部を密封(シール)することができる。
本発明によれば、ペットボトルが薄肉で剛性が低い場合、厚肉で剛性が比較的高い場合のいずれにおいても、カムや容器押えヘッドを含む機器構成要素を変更することなく、ストッパの位置の調整を必要とすることなく、また設計変更等の装置仕様を変更することなく、リーク検査を行うことができる。例えば、液種の切替えに伴い変形量が大きいペットボトルから小さいペットボトルに変更されても、逆に変形量が小さいペットボトルから大きいペットボトルに変更されても、事前に変形量が大きいペットボトルに合わせてストッパの位置を設定しておけば、ストッパの位置を調整したり、取外すことなく、液種切替えが可能となる。
また、本発明によれば、ペットボトルに高い荷重を加えるために必須とされたネックリングスターホイールを設ける必要がないため、リーク検査時にペットボトルの高速搬送が可能となり、スループットを飛躍的に高めることができる。
図1は、ペットボトル外観リーク検査機の全体構成を示す平面図である。 図2はリーク検査用メインロータの詳細構造を示す図であり、メインロータの断面図である。 図3は、ヘッドの詳細構造およびヘッドの周辺機器の構成を示す図である。 図4は、ペットボトルのリーク検査装置の動作を説明する図である。 図5は、円筒状のカムを平面に展開した図である。 図6は、ペットボトルの肉厚が比較的厚く、ペットボトルの剛性が高い場合のヘッドとペットボトルとストッパとの関係を示す図である。
以下、本発明に係るペットボトルのリーク検査装置の実施形態について図1乃至図5を参照して説明する。なお、図1乃至図5において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、ペットボトル外観リーク検査機の全体構成を示す平面図である。図1に示すように、ペットボトル外観リーク検査機は、検査対象のペットボトル1に定間隔を形成するための入口スクリュー2と、入口スクリュー2からペットボトル1を受け取って搬送するための入口スターホイール3と、ペットボトル1のリーク検査を行うためのリーク検査用メインロータ5を備えている。さらに、ペットボトル外観リーク検査機は、リーク検査後にペットボトル1の底部外観検査を行うための外観検査用スターホイール6と、底部検査後に口部および胴部の外観検査を行うための外観検査用メインロータ7と、検査後のペットボトル1を良品と不良品とに分けて排出するための排出スターホイール8と、良品のペットボトル1を移送する出口スターホイール9とを備えている。また、検査機内にペットボトル1を搬入するためのエアフローコンベヤAFC1が入口スクリュー2に隣接して設置されており、検査機からペットボトル1を外部に搬出するためのエアフローコンベヤAFC2が出口スターホイール9に隣接して設置されている。
図2はリーク検査用メインロータの詳細構造を示す図であり、メインロータの断面図である。図2に示すように、リーク検査用メインロータ5は、図示しない駆動源により回転駆動されるとともにカップリング11により一体に連結された上下の回転軸12と、回転軸12の下部に固定されて回転軸12と一体的に回転するベースプレート13と、回転軸12の上部に固定されて回転軸12と一体的に回転する支持プレート14と、上下動してリーク検査時にペットボトル1の口部1mに係合する複数のヘッド35とを備えている。回転軸12の下部は、軸受が内設された軸受ハウジング18を介して支持フレーム19により支持されている。回転軸12の上部は、支持プレート14に固定された軸受ハウジング20内の軸受(図示せず)により支持されている。
前記ベースプレート13には、ペットボトル1を載置するための容器台15が設置されている。支持プレート14には複数のガイドバー28が立設されており、これらガイドバー28は所定の円周上に所定の間隔で配置されている。そして、各ガイドバー28には、カムフォロワ29を有したスライド部材30が上下動可能に取り付けられている。各スライド部材30にはヘッド35が固定されており、ヘッド35とスライド部材30とは一体的に上下動するようになっている。
前記軸受ハウジング20には、中空の固定軸21が挿入され支持されており、固定軸21に固定プレート32が固定されている。そして、固定プレート32には、サポート33を介して円筒状のカム34が固定されている。円筒状のカム34の上端面は、全周に亘って高低差を設けて形成されており、円周方向にカム輪郭(cam profile)を構成している。したがって、メインロータ5の回転に伴って支持プレート14が回転すると、各スライド部材30のカムフォロワ29がカム34のカム輪郭に追従して上下動し、これにより、スライド部材30およびヘッド35がガイドバー28に沿って上下動するようになっている。また、支持プレート14の上面には、スライド部材30の下降を規制するストッパ40が固定されている。すなわち、スライド部材30の下降位置はストッパ40により制限されるようになっており、したがって、スライド部材30に固定されたヘッド35の下降位置が制限される。
図3は、ヘッド35の詳細構造、ヘッド35の周辺機器の構成および容器台15の構成を示す図である。ヘッド35はメインロータ5の所定円周上に複数個(本実施形態では36個)配置されており、ヘッド35はペットボトル1の口部1mに係合して口部1mを押圧する容器押えヘッドを構成している。各ヘッド35は、スライド部材30に固定された支持棒36と、支持棒36の下端に固定されたヘッド本体37と、ヘッド本体37の下端面に貼着されシール部材を構成するパッキン38と、ヘッド本体37から下方に突出した略半球状のノズル39とを備えている。また、ベースプレート13に設置された容器台15は、ヘッド35に対応してメインロータ5の所定円周上に複数個(本実施形態では36個)配置されている。容器台15は、昇降軸16に固定されており、ベースプレート13に対して昇降可能になっている。すなわち、昇降軸16を昇降させることにより、ペットボトルの容量に応じて容器台15の高さを調整できるようになっている。容器台15の高さを調整した後に、固定用レバー17を締めることにより、容器台15の位置決めが可能になっている。図3に示す例においては、容量1000mlのペットボトルの場合の容器台15の位置を実線で示し、容量500mlのペットボトルの場合の容器台15の位置を二点鎖線で示している。容器台15の高さを調整することにより、容器台15に載置されたペットボトル1の口部1mの天面は、ボトル容量に拘らず一定の高さになる。
図3に示すように、前記ノズル39内には圧縮空気をペットボトル1内に噴出する開口39aが形成されており、この開口39aは、ノズル39内に形成された連通路39b及びヘッド本体37内に形成された連通路37aを介して空気供給用チューブ41に連通されている。空気供給用チューブ41は、電磁バルブVおよび配管42を介してマニホールド43に連通されており、マニホールド43は回転軸12内の連通路(図示せず)を介して圧縮空気源44(図2参照)に連通されている。また、ヘッド本体37内の連通路37aはセンサ用チューブ45を介して圧力センサ46に接続されている。圧力センサ46は各ヘッド35に対応して設置されており、本実施形態では36個設置されている。マニホールド43は、図3に示すように、支持プレート14に固定されている。マニホールド43内にはHEPAフィルタ47が収納されており、HEPAフィルタ47によってペットボトル1内に供給される圧縮空気が清浄化されるようになっている。
次に、前述のように構成されたペットボトルのリーク検査装置の動作を図4を参照して説明する。
ペットボトル1が入口スターホイール3からリーク検査用メインロータ5に移送されると、メインロータ5の回転に伴って支持プレート14が回転し、円筒状のカム34のカム輪郭とカムフォロワ29の作用により、図4(a)に示すようにヘッド35が下降し、ヘッド35のヘッド本体37がペットボトル1の口部1mに当接する。このとき、図4(b)に示すように、ヘッド本体37の下端面にはパッキン38が設けられているため、パッキン38はペットボトル1の口部1mの天面に密接する。この際、ペットボトル1にはヘッド35の自重のみがかかるように設定されている。そして、ペットボトル1はヘッド35の自重により縮むが、図2の左側部分において示すように、スライド部材30の下端面がストッパ40に当接すると、ヘッド35の下降は規制され、ペットボトル1はそれ以上縮むことはない。すなわち、ペットボトル1はヘッド35の自重により弾性変形するが、ペットボトル1の弾性変形による反力のためにパッキン38が押圧され、その結果、ペットボトル1の口部1mのシールを行うことができる。
本発明者らは、ペットボトル1の弾性変形の度合とパッキン38のシール機能との関係を調べるために、検査対象のペットボトルについて繰り返し実験を行った。その結果、容量500mlおよび1000mlの薄肉のペットボトルにおいては、容器押えヘッドを構成するヘッド35の自重が2.5〜2.7kgのとき、ペットボトルの鉛直方向(軸心方向)の変形量が1mm〜3mmの範囲内にあれば、ペットボトルが弾性変形内での変形に留まり、荷重を取り除いたときに元の状態に完全に復元可能であり、またパッキンのシール機能を十分に発揮できることを見出したものである。したがって、ヘッド35の下降を規制するためのストッパ40の高さは、ペットボトル1の弾性変形量が1mm〜3mmの範囲内に収まるように設定されている。本実施形態においては、ペットボトル1の弾性変形量が2mm程度になるように、ストッパ40の高さを設定している。
このように、ヘッド35の下端面に設けられたパッキン38とペットボトル1の口部1mとの間のシールが完了すると、図4(b)に示すように、圧縮空気源44より回転軸12内の連通路、マニホールド43、電磁バルブV、空気供給用チューブ41およびヘッド35内の連通路37aを介してノズル39に供給される。このとき、マニホールド43からノズル39に供給される圧縮空気は、HEPAフィルタ47により清浄化されるため、この圧縮空気は高い清浄度を有する。こうして、ノズル39からペットボトル1内に所定量の清浄な圧縮空気が供給され、ペットボトル1内は所定圧力196kPa(約2kgf/cm)を有した清浄な圧縮空気が充たされる。
この状態で、ペットボトル1はメインロータ5のピッチ円に沿って搬送され、この搬送中の所定時間経過後に、図4(c)に示すように、圧力センサ46によりペットボトル1内の圧力が測定される。そして、この所定時間経過後のペットボトル内の圧力が当初の圧力と同一であればペットボトルからのリーク(漏れ)はなく、ペットボトル1にピンホール等の欠陥がないと判定される。この判定後に、図4(d)に示すようにヘッド35は上昇してペットボトル1の口部1mから離間し、リーク検査を終了する。リーク検査終了後に、ペットボトル1はリーク検査用メインロータ5から外観検査用スターホイール6に受け渡され、ペットボトル1の外観検査が行われる。
次に、図4(a)乃至図4(c)に示すヘッド35の動作を可能とするためのカム34とカムフォロワ29とストッパ40との関係を説明する。
図5は、円筒状のカム34を平面に展開した図である。図5に示すように、カム34は、カムフォロワ29が接触する接触部と、カムフォロワ29が非接触になる非接触部からなっている。すなわち、カム34のカム輪郭(cam profile)は、前半の円弧状部からなる接触部CP1と、中間の段差部からなる非接触部CP2と、後半の円弧状部からなる接触部CP3とから構成されている。このように、カム輪郭(cam profile)は、円弧状の連続部から下方に落ち込んだ段差部がある非線形になっている。
図5に示すカム輪郭において、前半の円弧状部からなる接触部CP1にカムフォロワ29が接触することにより、図4(a)に示すようにヘッド35が下降してヘッド35のヘッド本体37がペットボトル1の口部1mに当接する。そして、中間の段差部からなる非接触部CP2にカムフォロワ29が到達すると、カムフォロワ29はカム輪郭との接触が解除され、ヘッド35はフリーとなり、ペットボトル1の口部1mにはヘッド35の自重のみが加わる。そして、ペットボトル1はヘッド35の自重により縮み、カムフォロワ29はΔhだけ落ち込むが、図2の左側部分において示すように、スライド部材30の下端面がストッパ40に当接すると、ヘッド35の下降は規制され、ペットボトル1はそれ以上縮むことはない。すなわち、ペットボトル1はヘッド35の自重により弾性変形するが、ペットボトル1の弾性変形による反力のためにパッキン38が押圧され、その結果、ペットボトル1の口部1mのシールを行うことができる。この状態で、図4(b)および図4(c)に示すようにリーク検査が行われる。その後、後半の円弧状部からなる接触部CP3にカムフォロワ29が接触することにより、図4(d)に示すようにヘッド35は上昇してペットボトル1の口部1mから離間し、リーク検査を終了する。
以上のように、図1乃至図5に示す本発明のペットボトルのリーク検査装置によれば、容器押えヘッドを構成するヘッド35の自重により、ペットボトル1を弾性変形させて口部1mを密封(シール)するとともに、ストッパ40によりヘッド35の下降を規制することによりペットボトル1の弾性変形量を抑制している。このように、ヘッド35の下降を規制するストッパ40を設けることにより、ペットボトル1が薄肉の場合にペットボトルが弾性変形内での変形に留まり、荷重を取り除いたときに元の状態に完全に復元可能であり、またパッキンのシール機能を十分に発揮できる。
図6は、ペットボトルの肉厚が比較的厚く、ペットボトルの剛性が高い場合のヘッド35とペットボトル1とストッパ40との関係を示す図である。図6に示すように、ペットボトル1の肉厚が比較的厚く、ペットボトル1の剛性が高い場合には、ペットボトル1の弾性変形量が少ないため、スライド部材30の下端面がストッパ40に当接することはなく、ヘッド35の下降を規制するストッパ40は機能しないが、ヘッド35の自重によりペットボトル1の口部1mを密封(シール)することができる。
このように、本発明のペットボトルのリーク検査装置によれば、ペットボトルが薄肉で剛性が低い場合、厚肉で剛性が比較的高い場合のいずれにおいても、カム34やヘッド35を含む機器構成要素を変更することなく、ストッパ40の位置の調整を必要とすることなく、また設計変更等の装置仕様を変更することなく、リーク検査を行うことができる。
例えば、一般的に飲料の製造ラインは、液種切替えに伴いペットボトル容器の変更が頻繁に行なわれるため、ペットボトルの変形量が1〜3mmの範囲の第1のペットボトル容器群と、変形量が1mm以下の変形量の第2のペットボトル容器群に分別することにより、第1のペットボトル容器群用に事前にストッパを設定しておけば、液種切替えで第2のペットボトル容器群になったとしても、第2のペットボトル容器群は前記ストッパに接触する前にシール機能が完了するので、ストッパの位置を調整したり、取外すことなく、液種切替えが可能となる。
また、特許文献1に開示されているように、ペットボトルに高い荷重を加えるために必須とされたネックリングスターホイールを設ける必要がないため、リーク検査時にペットボトルの高速搬送が可能となり、スループットを飛躍的に高めることができる。
次に、図1に示すペットボトル外観リーク検査機の全体の動作について説明する。
ペットボトル1は、エアフローコンベヤAFC1により検査機内に搬入され、入口スクリュー2により隣接するペットボトル間に定間隔を形成した後に入口スターホイール3に移送される。ペットボトル1は、入口スターホイール3によりリーク検査用メインロータ5に移送され、メインロータ5において前述したようにリーク検査が行われる。リーク検査後のペットボトル1は外観検査用スターホイール6に供給され、外観検査用スターホイール6の下方に設置された底検査用カメラ51によりペットボトル1の底部の外観検査が行われる。その後、ペットボトル1は外観検査用メインロータ7に移送され、外観検査用メインロータ7の側方に設置された2台の口側面検査用カメラ52および2台の胴検査用カメラ53によりペットボトル1の口部および胴部の外観検査が行われる。
このようにして、リーク検査および外観検査が終了したペットボトル1は外観検査用メインロータ7から排出スターホイール8に受け渡され、正常なペットボトル1は排出スターホイール8によって移送され、出口スターホイール9を介して次工程に移送される。一方、不良品と判定されたペットボトル1は、不良品排出シュートS1又はS2の位置で排出スターホイール8による支持が解除され、ペットボトル1は不良品排出シュートS1又はS2に排出される。なお、不良品排出シュートS1はリーク検査において不良品と判定されたペットボトルを排出するためのものであり、不良品排出シュートS2は外観検査において不良品と判定されたペットボトルを排出するためのものである。
近年、清涼飲料容器の主流は、壜や缶からペットボトルへと移行している。インプラント成形による充填ラインも増え、ブロー成形後の検査がより重要となっている。飲料充填前のペットボトル検査では、外観検査とピンホールなどのリーク検査とが欠かせないものとなるが、従来は、これら外観検査とリーク検査を別々の装置で行ってきた。図1に示すペットボトル外観リーク検査機によれば、飲料充填前のペットボトル検査における外観検査とピンホールなどのリーク検査を1台の装置で行うことが可能となる。
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内において、種々の異なる形態で実施されてよいことは勿論である。
1 ペットボトル
1m 口部
2 入口スクリュー
3 入口スターホイール
5 リーク検査用メインロータ
6 外観検査用スターホイール
7 外観検査用メインロータ
8 排出スターホイール
9 出口スターホイール
11 カップリング
12 回転軸
13 ベースプレート
14 支持プレート
15 容器台
16 昇降軸
17 固定用レバー
18 軸受ハウジング
19 支持フレーム
20 軸受ハウジング
21 固定軸
28 ガイドバー
29 カムフォロワ
30 スライド部材
32 固定プレート
33 サポート
34 円筒状のカム
35 ヘッド
36 支持棒
37 ヘッド本体
37a 連通路
38 パッキン
39 ノズル
39a 開口
39b 連通路
40 ストッパ
41 空気供給用チューブ
42 配管
43 マニホールド
44 圧縮空気源
45 センサ用チューブ
46 圧力センサ
47 HEPAフィルタ
51 底検査用カメラ
52 口側面検査用カメラ
53 胴検査用カメラ
AFC1,AFC2 エアフローコンベヤ
CP1,CP3 接触部
CP3 非接触部
S1,S2 不良品排出シュート
V 電磁バルブ

Claims (4)

  1. 複数のペットボトルを支持して所定円周上を搬送するメインロータと、
    前記メインロータに設置され、ペットボトルの口部に係合して該口部を押圧するとともに気体をペットボトル内に供給する複数の容器押えヘッドとを備えたペットボトルのリーク検査装置において、
    前記メインロータの固定部に設置されたカムと、前記容器押えヘッドに連結されるとともに前記カムに接触可能なカムフォロワとを設け、前記メインロータの回転に伴い前記カムフォロワを前記カムに接触させながら移動させることにより、前記容器押えヘッドを上下動させて容器押えヘッドをペットボトルの口部に係合可能とし、
    前記カムに前記カムフォロワが非接触となる非接触部を設け、該非接触部において前記容器押えヘッドの自重によりペットボトルの口部を押圧するようにし、
    前記容器押えヘッドが自重でペットボトルを押圧することによりペットボトルが変形する際の変形量を所定範囲内にするために前記容器押えヘッドの下降を制限するストッパを設けたことを特徴とするペットボトルのリーク検査装置。
  2. 前記カムの非接触部は、下方に落ち込んで低くなった段差部からなることを特徴とする請求項1記載のペットボトルのリーク検査装置。
  3. 前記ストッパは、ペットボトルの変形量が1mm〜3mmの範囲になるように前記容器押えヘッドの下降を制限することを特徴とする請求項1および2記載のペットボトルのリーク検査装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のペットボトルのリーク検査装置と、該リーク検査装置の後段に設置され、カメラによる撮像によりペットボトルの外観検査を行う外観検査用装置とを備えたことを特徴とするペットボトル外観リーク検査機。
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