JP5354706B2 - レーザ測長器 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザ素子における自己結合効果を利用して計測対象物までの距離を計測するレーザ測長器に関する。
光学的な距離計測技術の1つに半導体レーザ素子の自己結合効果(自己混合効果とも言う)を利用したものがある(例えば特許文献1,2を参照)。この手法は、例えば図1に示すように所定の変調信号を用いて駆動したレーザ素子(LD)1から出力されるレーザ光(出力光)を検出対象物2に向けて照射すると共に、検出対象物2により反射されて前記レーザ素子1に戻ったレーザ光(戻り光)と前記出力光との自己結合効果により生じた干渉信号が重畳した出力光を受光器(PD)3にて受光し、その出力を周波数分析する等して前記検出対象物2までの距離(L)や速度、振動等の状態を測定するものである。
即ち、レーザ素子1の出力光の発振波長を連続的に変化させると、検出対象物2により反射した戻り光と上記レーザ素子1の出力光とが干渉を生じ、共振条件(強めあう)を満たす波長においてはレーザ素子1の増幅効率が僅かに上がり、また減衰条件(弱めあう)を満たす波長においては増幅効率が僅かに下がり、この結果、受光器3の出力が増減を繰り返す。例えば付与した電流値に応じて出力光の発振波長が変化するタイプのレーザー素子に、三角波形の駆動電流を付与すると、三角波の一周期分において、電流値が時間の経過に比例して連続的に増加し、ピークに達した後に減少する。これに応じてレーザ素子から放出される出力光の波長は連続的に長くなり、ピークに達した後、出力光の波長は連続的に短くなる。
このようにして出力光の波長が連続的に増減する中で、上記出力光とその戻り光との間の共振条件および減衰条件が交互に何度も満たされる。この結果、前記受光器3からは図2に示すように上記三角波に微小な干渉成分(共振成分および減衰成分)が重畳した波形が得られる。この干渉成分は、レーザ素子1と検出対象物2との距離L等の情報を含んでいる。従ってこの波形を解析すれば、上記共振成分の周波数から検出対象物2までの距離や速度、振動等の状態を求めることが可能となる。例えば上記変調光を微分して三角波に重畳した信号成分を抽出し、この信号成分を計数することによって検出対象物2の状態を求めることが可能となる。
特開平10−246782号公報 特開平11−287859号公報
ところでレーザ素子自体をパッケージ化する場合、或いはレーザ素子や受光器等を含むレーザ装置(レーザ測長器)をケーシング(筐体)に収納してパッケージ化する場合、一般にレーザ素子の前面に対峙させてガラス等の透明体(カバー)を設け、これによって前記レーザ素子を保護することが多い。このようなパッケージ化されたレーザ素子またはレーザ装置を用いて距離計測を行うとき、レーザ素子自体はパッケージの内部に存在するので、その測定基準点を何処に定めるかが問題となる。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、計測基準点を正確に設定して、レーザ素子の自己結合効果を利用した距離計測を信頼性良く高精度に実行することのできるレーザ測長器を提供することにある。
上述した目的を達成するべく本発明に係るレーザ測長器は、計測対象物に向けて波長変調した変調レーザ光を照射すると共に、前記計測対象物にて反射した前記変調レーザ光が導入される自己結合型のレーザ素子を備え、前記レーザ素子における自己結合効果により前記変調レーザ光に重畳する干渉成分を分析して前記計測対象物までの距離を測定するレーザ測長器であって、前記レーザ素子の前面に設けられて前記レーザ素子からの前記変調レーザ光の入出射部を形成する透明体の片面にだけ反射防止処理を施し、前記透明体の反射防止処理を施していない面を計測基準点とし、前記変調レーザ光に重畳する干渉成分を分析して前記レーザ素子から前記計測対象物までの距離に対応する第1干渉周波数から第1距離を求め、前記変調レーザ光に重畳する干渉成分を分析して前記レーザ素子から前記計測基準点までの距離に対応する第2干渉周波数から第2距離を求め、前記第1距離から前記第2距離を減算することによって前記計測基準点から前記計測対象物までの距離を求める、ことを特徴としている。
好ましくは前記透明体の反射防止処理を施さない面を、計測対象物に対するレーザ光の入出射端面となる外部露出面として設定することが望ましい。即ち、レーザ測長器を用いて計測対象物までの距離を測定する場合、専ら、レーザ測長器におけるレーザ光の入出射端面と計測対象物との距離を計測したいことが多い。従って、例えばレーザ素子の前面に設けられて該レーザ素子を保護し、レーザ測長器におけるレーザ光の入出射端面として用いられる透明体の外部露出面を除いて反射防止処理を施し、これによって前記透明体の入出射端面(外部露出面)においてレーザ光の反射が生じるようにする。そしてこの反射光から計測される上記入出射端面(外部露出面)の位置(レーザ素子からの距離)を計測基準点として用いることを特徴としている。
尚、前記透明体の反射防止処理を施していない面には、例えば前記レーザ素子において十分な自己結合効果が生じる強度の反射光を得るに必要な処理を施すようにしても良い。
上述した構成のレーザ測長器によれば、レーザ素子の前面に設けられて該レーザ素子を保護する透明体の測定対象物に対するレーザ光の入出射端面においてレーザ光の反射が生じるので、この入出射端面における反射光を用いてレーザ素子から該入出射端面までの距離Loを正確に求めることが可能となる。この結果、レーザ素子から計測対象物までの距離がLとして計測されたとき、前記透明体におけるレーザ光の入出射端面を計測基準点として、この計測基準点から計測対象物までの距離Lsを[=L−Lo]として正確に計測することが可能となる。
しかもレーザ測長器におけるレーザ光の入出射端面については、例えば基準位置への突き合わせ等によって機械的に正確に位置決めすることができるので、仮にレーザ素子とその前面に設けられた透明体(レーザ光の入出射端面)との距離が不明な場合であっても、或いはレーザ測長器の個体差に起因するバラツキがあっても、その距離計測を高精度に行うことが可能となる。
更には上述した如く透明体の測定対象物に対するレーザ光の入出射端面においてレーザ光の反射が生じるようにしておけば、レーザ素子から上記入出射端面までの距離Loを正確に求めることができ、またこの距離Loと自己結合によって生じる干渉成分の周波数とが比例するので、例えばその周波数のずれをモニタすることで前記レーザ素子から出力されるレーザ光の発振波長を補正することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係るレーザ測長器について説明する。
図3はこの実施形態に係るレーザ測長器の要部概略構成図であり、レーザ素子1と、このレーザ素子1の前面に設けられてレーザ素子1を保護するガラス等の透明カバー(透明体)7とを示している。基本的には前述した図1に示すように、レーザ素子1を主体として構成されるレーザ測長器は、密閉ケース8に収納されてパッケージ化(モジュール化)されるものであって、前記透明カバー7は密閉ケース8の窓部に嵌め込んで設けられる。そして前記レーザ素子1は、その前面であるレーザ光入出射面を上記透明カバー7に対峙させて上記密閉ケース8内に組み込まれる。
基本的にはこのように構成されたレーザ測長器において本発明が特徴とするところは、上記透明カバー7のレーザ素子1側に位置付けられる内側面にだけ反射防止膜9を設けて前記レーザ素子1から射出されるレーザ光の反射を防止するようにし、反射防止処理を施さない前記透明カバー7の計測対象物2側に位置付けられる外側面(レーザ測長器の外部露出面)を計測基準点として用いるようにした点にある。
即ち、ガラス等の透明体(透明カバー7)を通してレーザ光を入出力する場合、透明体と空気との界面で僅かではあるがレーザ光の反射が生じる。このような反射を防ぐ場合、専ら、低屈折率材料を分散させたフィラーを上記透明体の表面にコーティングして反射防止膜を形成することが行われる。本発明に係るレーザ測長器においても、レーザ光の入出射面となる透明カバー7での不要な反射を抑えるべく、上記透明カバー7の表面に反射防止膜(ARコート)9を設けるが、この際、透明カバー7の内側面にだけ反射防止膜9を設け、その外側面には反射防止膜を形成しないことで、敢えて透明カバー7の外側面においてレーザ光の反射が生じるようにしたことを特徴としている。そしてレーザ素子1から出力されたレーザ光の一部が上記透明カバー7の外側面にて反射して前記レーザ素子1に戻るようにしている。尚、前記透明カバー7の外側面については、反射防止処理を施さないことは勿論のことではあるが、敢えて前記レーザ素子において自己結合効果が生じる強度の反射光を得るに必要な処理を施すようにしても良い。具体的には前記透明カバー7の外側面を鏡面研磨したり、或る程度の反射率を有する光学膜を被覆形成することも可能である。
このように構成されたレーザ測長器によれば、レーザ素子1から出力され、透明カバー7を介して計測対象物2に向けて照射されたレーザ光が該計測対象物2により反射され、上記透明カバー7を通してレーザ素子1に戻ると共に、前記透明カバー7の外側面にて反射されたレーザ光も前記レーザ素子1に戻ることになる。この結果、レーザ素子1においては、その出力光と計測対象物2における反射光との自己結合効果による干渉が生じると共に、上記出力光と透明カバー7における反射光との自己結合効果による干渉が生じる。
すると上記計測対象物2および透明カバー7にてそれぞれ生じた反射光(戻り光)に対応して前記レーザ光の干渉成分が、例えば図4に示すように互いに異なる周波数成分fo,f1として生じる。そしてこれらの干渉成分の周波数fo,f1は、レーザ素子1から透明カバー7までの距離Lo、および計測対象物2までの距離Lにそれぞれ対応することになる。従って上記レーザ素子1の自己結合効果により生じた干渉成分の周波数fo,f1をそれぞれ検出し、これらの各周波数周波数fo,f1に相当する距離情報Lo,Lを求めれば、前述した透明カバー7を計測基準点として該計測基準点(透明カバー7)から計測対象物2までの距離Lsを[=L−Lo]として高精度に計測することが可能となる。
またこのようにして透明カバー7の外側面においてレーザ光の反射が生じるようにしておけば、レーザ測長器におけるレーザ素子1と透明カバー7との位置関係に個体差(バラツキ)が存在しても、上記透明カバー7の外側面を計測基準点として計測対象物2までの距離Lを高精度に測定することができるので、量産されるレーザ測長器の個体差に拘わりなく信頼性の高い距離計測を行うことが可能となる。特にこの種のレーザ測長器を工場等の現場に設置して用いる場合、専ら、予め設定された計測原点からの計測対象物2の距離(位置)が計測対象となることが多い。この場合、レーザ測長器のレーザ光入出射端面となる前述した透明カバー7の外側面を上記計測原点に突き合わせして該レーザ測長器の取り付け位置を決定(調整)するだけで良いので、その取り扱いの容易化を図ることが可能となる。
尚、上述した実施形態においては、レーザ測長器における密閉ケース8の窓部に嵌め込まれる透明カバー7の外側面を計測基準点とするべく、この外側面を除く部位にだけ反射防止膜9を設ける例について示したが、レーザ素子1をキャン・パッケージに封入してレーザ素子を単体で用いるような場合、上記キャン・パッケージの窓部に設けられる透明カバー7に対しても同様に適用することができる。更にはレーザ素子1に対峙させて光ファイバを設け、この光ファイバを通してその先端部から計測対象物2に向けてレーザ光を入出力することが考えられる。このような光ファイバを備えたレーザ装置にも、本発明を同様に適用することができる。
この光ファイバを備えたレーザ測長器の具体的な実施形態について図5を参照して説明する。前述した半導体レーザ素子1およびモニタ用の受光器2は金属製のキャン・パッケージ40の中に密閉収納されている。半導体レーザ素子1とレンズ42と光ファイバ10とは、それぞれの光軸が一致するように配置される。パッケージ40の一端面(裏面側)から複数の導線41が導出されており、それぞれその内部のレーザ素子1および受光器2と電気的に接続されている。パッケージ40の他端面(表面側)は上記一端面に対して傾斜して設けられており、その中央には貫通孔が設けられている。この貫通孔を完全に塞ぐ平板ガラス40aが、パッケージ40の内側に接着剤(溶融させたガラス)によって固定されており、レーザ光に対する光学的な窓を形成すると共にパッケージ40の内部の密閉性を保っている。
半導体レーザ素子1から放射されたレーザ光の大部分は平板ガラスを透過するが、その一部は平板ガラス40aの表面で反射する。このとき、平板ガラス40aが半導体レーザ素子1の光軸に対して傾いて設けられているので、平板ガラス40aの表面で反射された光は半導体レーザ素子1の方向には向かわずに、受光器2の方向へ向かう。このようにして受光器2は半導体レーザ素子1から放射されたレーザ光の一部を受光する。また光ファイバ10の端面81から放射される戻り光はレンズ42によって半導体レーザ素子1に向けて集光されるので、受光器2が戻り光を受光することはない。
一方、前記パッケージ40の外側を覆って、透光性の樹脂で形成されたケース43が設けられている。ケース43の内側には内壁面431によって空間が形成されており、この空間部に前記レーザ素子に1に対峙させて集光用の片凸レンズ42が固定されている。この片凸レンズ42は、後述するようにレーザ素子1から放射されたレーザ光を集光して光ファイバ10に導入する役割を担う。またケース43の外側には光ファイバ保持部432がケース43と一体に形成されている。この光ファイバ保持部432は有底の中空円筒形状をなしており、その内径は光ファイバ10の外径よりもやや大きく形成されていて、該光ファイバ保持部432に光ファイバ10の一端部分が着脱可能に嵌め込まれて保持される。この光ファイバ保持部432の底面は、またケースの外壁面433でもあり、上記底面に光ファイバ10の一端面81が突き当てられることによって光ファイバ10が位置決めされる。尚、光ファイバ10の固定を完全にするために、光ファイバ10の外周を圧迫して把持する構造のクランプ44(破線で示す)が設けられる。光ファイバ10の一端面81から他端面82までが光ファイバ10の長さLxをなす。
さてレーザ素子1から或る放射角をもって円錐状(あるいは楕円錐状)に放射されたレーザ光の大部分は、前記片凸レンズ42によって集光され、ケース43を透過して光ファイバ10の一端面81に入射する。レーザ素子1、レンズ42およびケース43の位置関係は、レンズ42およびケース43によるレーザ光の屈折を考慮して、光ファイバ10の一端面81の位置にレーザ素子1の発光面が結像するように設定されている。またレーザ光の一部は片凸レンズ42の平面で反射されてパッケージ40の内部へ戻り、受光器2に受光される。この際、パッケージ40の内部へ戻った光がレーザ素子1に入射しないように考慮して設計しておくことが重要である。
このような光路が形成された場合、レーザ素子1から射出されたレーザ光は、レンズ42の凸側の表面、ケース内壁面431、ケース外壁面433、光ファイバ端面81、光ファイバ端面82のそれぞれにおいて反射し、これらの各面からの反射光がレーザ素子1へ戻って受光される。これらの各面からの反射光は、それぞれレーザ素子1に干渉を生じさせる(物体として検出される)が、これらの干渉によって生じた検出信号は、基準位置に相当する光ファイバ端面82を除き、レーザ測長器には不必要な検出信号である。
そのため、光ファイバ端面82よりもレーザ素子1に近い反射面(レンズ42の凸側の表面、ケース内壁面431、ケース外壁面433、光ファイバ端面81)にそれぞれ反射防止膜が形成されており、これらの各部位でのレーザ光の反射が抑えられている。具体的には測定基準点として用いる前記光ファイバ端面82を除いて、上述したレーザ光の不要な反射光を抑えるべき部位にそれぞれ反射防止膜をコートする。
尚、上記各部位における反射光によって生じた検出信号をフィルタ回路(ハイパスフィルタ)を用いて減衰させるようにしも良い。このとき、上記フィルタ回路(ハイパスフィルタ)の遮断周波数は、ファイバ端面81による検出信号の周波数よりも高く、ファイバ端面82による検出信号の周波数よりも低く設定される。また前記フィルタ回路の回路時定数(遮断周波数)については、理論計算値や該レーザ測長器を用いた距離計測の実測値等に基づいて外部から可変設定可能に設けておくことが好ましい。例えばレーザ測長器の仕様として最短計測距離Lminと最大計測距離Lmaxとがそれぞれ指定された場合には、これらの指定された距離Lmin,Lmaxにそれぞれ対応する前記干渉成分βの周波数fmin,fmaxを求め、これらの周波数fmin,fmaxを前記ハイパスフィルタおよびローパスフィルタの遮断周波数として、その回路時定数を設定するようにすれば良い。
またレーザ測長器の設置現場において計測対象物2の検出領域を、その計測環境等に応じて設定する場合には、サンプルとしての計測対象物2を最短計測距離Lminおよび最大計測距離Lmaxにそれぞれ位置付けたときに計測される周波数fmin,fmaxを求め、これらの各周波数fmin,fmaxを前記ハイパスフィルタおよびローパスフィルタの遮断周波数として、その回路時定数を設定するようにすれば良い。尚、フィルタ回路の回路時定数の可変設定については、例えばハイパスフィルタ用、およびローパスフィルタ用のポテンショメータ(可変抵抗器)等をそれぞれ調整し得るようにしておけば良い。
ところでレーザ測長器の使用環境によっては、例えばレーザ素子1から出力されたレーザ光を光ファイバ10を介して計測対象領域まで導き、光ファイバ1の先端から計測対象物2に向けてレーザ光を照射すると共に、その反射光(戻り光)を前記光ファイバ10を介してレーザ素子1に導くことがある。この場合、レーザ素子1を介して計測される計測対象物2までの距離は、光ファイバ10の先端からレーザ光が計測対象物2まで空間伝播される距離Lsだけでなく、光ファイバ10の長さLxおよびレーザ素子1と光ファイバ10との距離Lyも含まれることになる。従って光ファイバ10の先端を計測基準点(計測原点)として計測対象物2までの距離Lsを計測する場合には、レーザ素子1にて計測された計測対象物2までの距離Lから光ファイバ10の長さ(光路長)Lxおよびレーザ素子1と光ファイバ10との距離Lyをそれぞれ差し引き、[Ls =L−Lx−Ly]として求めることが必要である。
しかしながら上述した光ファイバ10は、専らレーザ測長器の設置現場において、その測定環境に応じた適度な長さに切断して用いられることが多い。これ故、光ファイバ10の長さ(光路長)Lxを正確に計測できないことが多い。しかし光ファイバ10の先端(端面)においても、光ファイバ10の材質と空気との屈折率の違いによって、若干ではあるが該光ファイバ10を導かれたレーザ光が反射することに鑑みれば、その反射光によって生じるレーザ素子1での共振成分から上記レーザ素子1と光ファイバ10との距離Ly、更には上記光ファイバ10の先端までの距離[Lx+Ly]をそれぞれ計測することができる。即ち、レーザ素子1から光ファイバ10の先端までの距離Lo[=Lx+Ly]を求めることができる。
従って、例えば光ファイバ10の先端に計測対象物2を密着させた状態、或いは計測対象物2そのものを無くして計測対象物2による戻り光が生じない状態を設定し、この状態で上記光ファイバ108の先端にて生じた戻り光による干渉成分βの周波数foから該光ファイバ10の先端までの距離Lo(レーザ素子1から光ファイバ10までの距離Lyと光ファイバ10の光路長Lxとの和)を計測し、この計測値Loを前記計測基準点(計測原点)を規定する為の情報としてレーザ測長器に設定するようにすれば良い。同時に上記周波数foを前述したハイパスフィルタの遮断周波数として設定すれば、光ファイバ10の先端からのレーザ光の出力領域だけを該レーザ測長器の計測対象領域として規定することが可能となる。
かくしてこのように構成されたレーザ測長器によれば、光ファイバ10の先端部を計測基準点として、光ファイバ端面82と計測対象物2との間の距離を正確に計測することが可能となるので、その実用的利点が多大である。特に光ファイバ10については、その設置環境に応じて適宜切断して用いられることが多いので、その切断面である光ファイバ端面82を計測基準点として計測対象物2までの距離を計測する本レーザ測長器を、取り扱い性に優れたものとすることができる等の効果が奏せられる。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。反射防止膜9としては従来より提唱されている種々の材料を用いることができ、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
レーザ素子の自己結合効果を利用したレーザ測長器の基本的な構成を示す図。 レーザ素子から出力される波長変調したレーザ光の強度と、その干渉成分の例を示す図。 本発明の一実施形態に係るレーザ測長器の要部概略構成を示す図。 複数の反射点からの戻り光により生じる干渉成分の周波数の違いを示す図。 本発明に係るレーザ測長器の具体的な構成例を示す図。
符号の説明
1 レーザ素子
2 計測対象物
3 受光器
7 透明カバー(透明体)
8 密閉ケース
9 反射防止膜
10 光ファイバ

Claims (4)

  1. 計測対象物に向けて波長変調した変調レーザ光を照射すると共に、前記計測対象物にて反射した前記変調レーザ光が導入される自己結合型のレーザ素子を備え、前記レーザ素子における自己結合効果により前記変調レーザ光に重畳する干渉成分を分析して前記計測対象物までの距離を測定するレーザ測長器であって、
    前記レーザ素子の前面に設けられて前記レーザ素子からの前記変調レーザ光の入出射部を形成する透明体の片面にだけ反射防止処理を施し、前記透明体の反射防止処理を施していない面を計測基準点とし、
    前記変調レーザ光に重畳する干渉成分を分析して前記レーザ素子から前記計測対象物までの距離に対応する第1干渉周波数から第1距離を求め、
    前記変調レーザ光に重畳する干渉成分を分析して前記レーザ素子から前記計測基準点までの距離に対応する第2干渉周波数から第2距離を求め、
    前記第1距離から前記第2距離を減算することによって前記計測基準点から前記計測対象物までの距離を求める、ことを特徴とするレーザ測長器。
  2. 前記透明体の反射防止処理を施さない面は、前記計測対象物に対する前記変調レーザ光の入出射端面となる外部露出面である請求項1 に記載のレーザ測長器。
  3. 前記透明体は、前記レーザ素子を保護する透明カバー、または前記レーザ素子からの前記変調レーザ光を計測対象部位まで導く光ファイバである請求項1 に記載のレーザ測長器。
  4. 前記透明体の反射防止処理を施していない面は、前記レーザ素子において自己結合効果が生じる強度の反射光を得るに必要な処理が施されるものである請求項1 に記載のレーザ測長器。
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