JP5353790B2 - 生体情報測定装置および該方法 - Google Patents

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本発明は、生体の生理的現象を測定することによって生体に関する生体情報を測定する生体情報測定装置に関し、特に、例えば生体の体動等によってノイズが生じた場合でも例えば血中酸素飽和度や脈拍数等を好適に測定し得る生体情報測定装置および生体情報測定方法に関する。
生体組織の酸素濃度を監視する意義が、臨床において極めて大きいことは周知の通りである。酸素は、生命活動維持のために最も重要な物質であり、酸素の供給が絶たれると生体組織細胞は、重大な傷害を受けることから、酸素供給に関するパラメータが重要であると考えられている。このため、酸素供給が不安定になり得る場合、例えば、麻酔中、術後、呼吸不全および循環不全等の患者を治療する場合には、特に酸素が適切に供給されているか否かをモニタすることが重要である。この生体組織への酸素供給は、動脈血によって行われる。そのため、生体組織への酸素供給が適切に行われているか否かを把握するために、例えば脈拍数や血中酸素飽和度等の生体に関する生体情報がモニタされる。
これら脈拍数や血中酸素飽和度等の生体情報を測定する装置として、従来、パルスオキシメータと称される生体情報測定装置が知られている。この生体情報測定装置は、動脈血の脈動により生ずる生体組織の透過または反射光量における変動成分を利用するもので、脈動分の減光度を異なる2波長の光で測定してその比から酸素飽和度を求める装置である。この生体情報測定装置では、例えば生体の体動等によってノイズが生じるため、このノイズを除去または低減する必要があり、ノイズを除去する装置が例えば、特許文献1および特許文献2に開示されている。
この特許文献1に開示の血中吸光物質測定装置は、複数の異なる波長の光を生体組織に照射する光照射手段と、この光照射手段からの光であって生体組織の透過光または反射光を受光しそれらの強度に応じた信号を出力する受光手段と、この受光手段の出力信号であって各波長に対応する信号のそれぞれの直流成分と交流成分を求める直流交流検出手段と、この直流交流検出手段が求めた各波長についての交流成分と直流成分の比である交流直流比信号を求める交流直流比検出手段と、前記交流直流比検出手段が求めた各波長の交流直流比信号について所定周波数以上の成分を抽出する成分抽出手段と、この成分抽出手段が抽出した各波長の抽出成分信号の相互の比を求める抽出成分比検出手段と、この抽出成分比検出手段が検出した比に基づいて血中吸光物質に関する情報を検出する血中吸光物質情報検出手段とを備えて構成される。そして、前記血中吸光物質情報検出手段は、例えば、血中酸素飽和度を求める場合に、第1波長に対する脈波信号(AC/DC)S1と第2波長に対する脈波信号(AC/DC)S2との比をΦとすると、この比Φを順次に変化させて、各比Φについて、式;△A2−Φ△A1=(Φ−Ψ)(AC/DC)S1および式;△A2−Ψ△A1=(Ψ−Φ)(AC/DC)N1の相互相関を求めて相関係数が0となる比Φを求め、この比Φから酸素飽和度を求めるものである。ここで、△A1は、第1波長の場合の測定信号であり、△A2は、第2波長の場合の測定信号であり、Ψは、各測定信号△A1、△A2を、△A1=(AC/DC)S1+(AC/DC)N1、△A2=(AC/DC)S2+(AC/DC)N2のように信号成分とノイズ成分とに分けた場合における{(AC/DC)N2}/{(AC/DC)N1}である。
また、前記特許文献2に開示のパルスオキシメータは、生体組織に対して複数の波長の光を照射するように構成された光源と、生体組織透過光または反射光を受光してそれぞれの波長毎に透過光の時間的変化を記憶するように構成された受光手段と、前記受光手段で得られた波長毎の信号につき、それらの変動に基づいて減光度を求めると共に、異なる2波長についてそれらの比を求めるように構成された減光度比計算手段と、前記受光手段ないし減光度比計算手段で得られた信号に基づいて、動脈血と静脈血の酸素飽和度の差または動脈血と静脈血に関するパラメータの差からなる最適定数を求めるように構成した最適定数計算手段と、前記受光手段ないし減光度比計算手段で得られた信号および最適定数計算手段において算定した最適定数値を用いて、生体組織内の動脈血酸素飽和度または静脈血酸素飽和度をもとめるように構成したSpO2計算手段とを備えて構成される。そして、前記最適定数計算手段は、例えば、動脈血酸素飽和度と静脈血酸素飽和度との差をαとする場合に、所定のタイミング指定区間の減光度比計算手段の信号を記憶し、仮のαを順次変更して、それぞれの仮のαを用いて仮の動脈血酸素飽和度を計算し、それぞれの仮のαの動脈血酸素飽和度のばらつきを計算し、そのばらつきの最小となるαを最適定数として決定するものである。
特許第3627214号公報 特開2007−295973号公報
ところで、この特許文献1に開示の血中吸光物質測定装置では、前記比Φを順次に変化させる必要があり、また、この特許文献2に開示のパルスオキシメータでは、前記αを順次に変化させる必要がある。このため、これら特許文献1および特許文献2に開示の各装置では、その演算処理量が比較的多くなってしまい、この結果、その演算処理量が比較的多いために、消費電力が多くなってしまう。
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、より簡易な処理によってノイズを低減しつつ生体情報を求めることができ、消費電力を低減することができる生体情報測定装置および生体情報測定方法を提供することである。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様にかかる生体情報測定装置は、測定対象の生体における所定の生理的現象を測定して測定データを出力する測定部と、前記測定部によって測定された測定データに基づいてヒストグラムを求めるヒストグラム算出部と、前記測定データに含まれるノイズの度合いを表す所定のノイズ指標を算出するノイズ指標算出部と、前記ノイズ指標算出部によって算出されたノイズ指標が所定の閾値以上である場合には、予め設定された所定の積分範囲における上限値および下限値のうちの少なくとも一方を変更し、この変更後の積分範囲で前記ヒストグラム算出部によって求められたヒストグラムを用いて期待値を算出する期待値算出部と、前記期待値算出部によって算出された前記期待値に基づいて前記所定の生体情報を求める生体情報算出部とを備えることを特徴とする。そして、本発明の他の一態様にかかる生体情報測定方法は、測定対象の生体における所定の生理的現象を測定して測定データを出力する測定工程と、前記測定工程によって測定された測定データに基づいてヒストグラムを求めるヒストグラム算出工程と、前記測定データに含まれるノイズの度合いを表す所定のノイズ指標を算出するノイズ指標算出工程と、前記ノイズ指標算出工程によって算出されたノイズ指標が所定の閾値以上である場合には、予め設定された所定の積分範囲における上限値および下限値のうちの少なくとも一方を変更し、この変更後の積分範囲で前記ヒストグラム算出工程によって求められたヒストグラムを用いて期待値を算出する期待値算出工程と、前記期待値算出工程によって算出された前記期待値に基づいて前記所定の生体情報を求める生体情報算出工程とを備えることを特徴とする。
このような構成の生体情報測定装置および生体情報測定方法では、測定データのヒストグラムが求められ、測定データに含まれるノイズの度合いによって、予め設定された所定の積分範囲における上限値および下限値のうちの少なくとも一方が変更され、この変更後の積分範囲でそのヒストグラムを用いて期待値が求められ、そのヒストグラムの期待値に基づいて所定の生体情報が求められる。このように本発明にかかる生体情報測定装置および生体情報測定方法は、より簡易な処理によってノイズを低減しつつ生体情報を求めることができ、その結果、消費電力を低減することができる。
また、他の一態様では、上述の生体情報測定装置において、前記期待値算出部は、前記ノイズ指標算出部によって算出されたノイズ指標が所定の閾値以上である場合には、予め設定された所定の積分範囲における上限値および下限値のうちの少なくとも一方を前記ノイズ指標算出部によって算出されたノイズ指標に応じて変更し、この変更後の積分範囲で前記ヒストグラム算出部によって求められたヒストグラムを用いて期待値を算出することを特徴とする。
この構成によれば、前記所定の積分範囲における上限値および下限値のうちの少なくとも一方を前記ノイズ指標に応じて変更する生体情報測定装置が提供される。
また、他の一態様では、上述の生体情報測定装置において、前記期待値算出部は、前記ノイズ指標算出部によって算出されたノイズ指標が所定の閾値以上である場合には、予め設定された所定の積分範囲における上限値および下限値のうちの少なくとも一方を前記ノイズ指標算出部によって算出されたノイズ指標から第1所定値を減算した値の比例値に応じて変更し、この変更後の積分範囲で前記ヒストグラム算出部によって求められたヒストグラムを用いて期待値を算出することを特徴とする。
この構成によれば、前記所定の積分範囲における上限値および下限値のうちの少なくとも一方を前記ノイズ指標から第1所定値を減算した値の比例値に応じて変更する生体情報測定装置が提供される。
また、他の一態様では、これら上述の生体情報測定装置において、前記所定の積分範囲に対する変更は、前記上限値であることを特徴とする。
この構成によれば、前記所定の積分範囲における下限値を固定する一方、前記所定の積分範囲における上限値を変更する生体情報測定装置が提供される。
また、他の一態様では、上述の生体情報測定装置において、前記測定部は、所定の第1波長の第1光を前記生体の生体組織に照射し、前記生体の生体組織を透過または反射した第1光を受光して第1測定データを出力する第1センサ部と、前記第1波長と異なる所定の第2波長の第2光を前記生体の生体組織に照射し、前記生体の生体組織を透過または反射した第2光を受光して第2測定データを出力する第2センサ部とを備えるセンサ部を備え、前記期待値算出部は、前記ノイズ指標算出部によって算出されたノイズ指標が所定の閾値以上である場合には、前記第1測定データにおける直流成分に対する交流成分の第1比Rおよび前記第2測定データにおける直流成分に対する交流成分の第2比Rのぞれぞれを信号成分sとノイズ成分nとによってR=s×pa+n×pvおよびIR=s+nと表した場合におけるノイズ成分比pvを算出し、予め設定された所定の積分範囲における上限値を、前記算出したノイズ成分比pvから、ノイズ指標から第2所定値を減算した値の比例値を減算した値に変更し、この変更後の積分範囲で前記ヒストグラム算出部によって求められたヒストグラムを用いて期待値を算出することを特徴とする。
この構成によれば、前記所定の積分範囲における上限値を、前記ノイズ成分比pvから、前記ノイズ指標から第2所定値を減算した値の比例値を減算した値に変更する生体情報測定装置が提供される。
また、他の一態様では、上述の生体情報測定装置において、前記ヒストグラム算出部は、前記第1比Rと前記第2比IRとの第3比pのヒストグラムf(p)を求め、前記期待値算出部は、前記第3比pのヒストグラムf(p)から前記ノイズ成分比pvを算出することを特徴とする。
この構成によれば、前記第3比pのヒストグラムf(p)から前記ノイズ成分比pvを算出する生体情報測定装置が提供される。
また、他の一態様では、上述の生体情報測定装置において、前記期待値算出部は、pt=∫pf(p)dp(積分∫は、前記第3比pのヒストグラムf(p)の複数のクラスにおける最小のクラスの値plowから最大のクラスの値pupまでの範囲で実行される)とし、関数g(p)=f(2×pt−p)とし、p≦ptまたはg(p)−f(p)≦0の第1ケースの場合では関数h(p)=0であるとともに前記第1ケースを除く第2ケースの場合では関数h(p)={g(p)−f(p)}/∫{g(p)−f(p)}dp(積分∫は、前記最小のクラスの値plowから前記最大のクラスの値pupまでの範囲で実行される。ただし、p≦ptおよびg(p)−f(p)≦0のpの領域を除く)とする場合に、∫p×h(p)dp(積分∫は、ptから前記所定の積分範囲における上限値までの範囲で実行される)を前記ノイズ成分比pvとして算出することを特徴とする。
この構成によれば、∫p×h(p)dp(積分∫は、ptから前記所定の積分範囲における上限値までの範囲で実行される)を前記ノイズ成分比pvとして算出する生体情報測定装置が提供される。
また、他の一態様では、これら上述の生体情報測定装置において、前記ノイズ指標算出部は、前記ヒストグラムの標準偏差を前記所定のノイズ指標として算出することを特徴とする。
この構成によれば、前記ヒストグラムの標準偏差を前記所定のノイズ指標として算出する生体情報測定装置が提供される。
また、他の一態様では、これら上述の生体情報測定装置において、前記ノイズ指標算出部は、前記測定データにおける周期のばらつきを前記所定のノイズ指標として算出することを特徴とする。
この構成によれば、前記測定データにおける周期のばらつきを前記所定のノイズ指標として算出する生体情報測定装置が提供される。
また、他の一態様では、これら上述の生体情報測定装置において、前記測定部は、所定の第1波長の第1光を前記生体の生体組織に照射し、前記生体の生体組織を透過または反射した第1光を受光して第1測定データを出力する第1センサ部と、前記第1波長と異なる所定の第2波長の第2光を前記生体の生体組織に照射し、前記生体の生体組織を透過または反射した第2光を受光して第2測定データを出力する第2センサ部とを備えるセンサ部を備え、前記ノイズ指標算出部は、前記第1測定データにおける直流成分に対する交流成分の第1比Rおよび前記第2測定データにおける直流成分に対する交流成分の第2比IRのぞれぞれを信号成分sとノイズ成分nとによってR=s×pa+n×pvおよびIR=s+nと表した場合におけるノイズ成分比pvを算出し、前記ヒストグラム全体での全体期待値と前記ノイズ成分比pvとの差を前記所定のノイズ指標として算出することを特徴とする。
この構成によれば、前記所定の積分範囲での前記ヒストグラムの期待値と前記ノイズ成分比pvとの差を前記所定のノイズ指標として算出する生体情報測定装置が提供される。
また、他の一態様では、上述の生体情報測定装置において、前記ヒストグラム算出部は、前記第1比Rと前記第2比IRとの第3比pのヒストグラムf(p)を求め、前記ノイズ指標算出部は、前記第3比pのヒストグラムf(p)から前記ノイズ成分比pvを算出することを特徴とする。
この構成によれば、前記第3比pのヒストグラムf(p)から前記ノイズ成分比pvを算出する生体情報測定装置が提供される。
また、他の一態様では、これら上述の生体情報測定装置において、前記測定部は、所定の第1波長の第1光を前記生体の生体組織に照射し、前記生体の生体組織を透過または反射した第1光を受光して第1測定データを出力する第1センサ部と、前記第1波長と異なる所定の第2波長の第2光を前記生体の生体組織に照射し、前記生体の生体組織を透過または反射した第2光を受光して第2測定データを出力する第2センサ部とを備えるセンサ部を備え、前記ヒストグラム算出部は、前記第1測定データにおける直流成分に対する交流成分の第1比と前記第2測定データにおける直流成分に対する交流成分の第2比との第3比pのヒストグラムf(p)を求め、前記ノイズ指標算出部は、pt=∫pf(p)dp(積分∫は、前記第3比pのヒストグラムf(p)の複数のクラスにおける最小のクラスの値plowから最大のクラスの値pupまでの範囲で実行される。ただし、p≦ptおよびg(p)−f(p)≦0のpの領域を除く)とし、関数g(p)=f(2×pt−p)とし、p≦ptまたはg(p)−f(p)≦0の第1ケースの場合では関数h(p)=0であるとともに前記第1ケースを除く第2ケースの場合では関数h(p)={g(p)−f(p)}/∫{g(p)−f(p)}dp(積分∫は、前記最小のクラスの値plowから前記最大のクラスの値pupまでの範囲で実行される)とする場合に、{∫p×h(p)dp−∫p×h(p)dp}1/2(両積分∫は、ptから前記所定の積分範囲における上限値までの範囲で実行される)を前記所定のノイズ指標として算出することを特徴とする。
この構成によれば、{∫p×h(p)dp−∫p×h(p)dp}1/2(両積分∫は、ptから前記所定の積分範囲における上限値までの範囲で実行される)を前記所定のノイズ指標として算出する生体情報測定装置が提供される。
本発明にかかる生体情報測定装置および生体情報測定方法は、より簡易な処理によってノイズを低減しつつ生体情報を求めることができ、その結果、消費電力を低減することができる。
第1実施形態における生体情報測定装置の構成を示すブロック図である。 第1実施形態における生体情報測定装置の動作を示すフローチャートである。 ノイズが比較的小さい場合における第3比のヒストグラムの一例を示す図である。 ノイズが中程度である場合における第3比のヒストグラムの一例を示す図である。 ノイズが比較的大きい場合における第3比のヒストグラムの一例を示す図である。 第1実施形態における生体情報測定装置によって算出される期待値の誤差を示す図である。 第2実施形態における生体情報測定装置の構成を示すブロック図である。 第2実施形態における生体情報測定装置の動作を示すフローチャートである。
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。また、本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態における生体情報測定装置の構成を示すブロック図である。第1実施形態における生体情報測定装置Saは、測定対象である生体の生理的現象を測定することによって生体に関する生体情報を測定する装置である。生体情報は、例えば、脈拍数や血中酸素飽和度(血中酸素濃度)等である。このような生体情報は、動脈血の脈動により生ずる生体組織の透過光量または反射光量における変動成分を利用することによって求めることができ、その基本原理は、公知の常套手段であって、例えば、特公昭53−026437号公報等に開示されている。
このような生体情報測定装置Saは、例えば、図1に示すように、生体の所定の生理的現象を測定して測定データを出力するセンサ部1と、センサ部1で測定された測定データに基づいて例えば脈拍数や血中酸素飽和度等の生体情報を求める演算制御部3aと、演算制御部3aで測定した生体情報を外部から認識可能に表示する表示部5とを備えて構成される。
センサ部1は、演算制御部3aに接続され、本実施形態では、生体の生理的現象として生体組織中の血液に関する情報を測定する装置である。より具体的には、センサ部1は、生体の生理的現象として、心拍による動脈血の脈動により生ずる生体組織の透過光量または反射光量における変動成分を測定する装置である。
このような生体の生理的現象を測定する方法は、例えば、生体組織のヘモグロビンの吸光特性を利用する方法を挙げることができる。酸素は、ヘモグロビンによって生体の各細胞に運ばれるが、ヘモグロビンは、肺で酸素と結合して酸化ヘモグロビンとなり、生体の細胞で酸素が消費されるとヘモグロビン(還元ヘモグロビン)に戻る。血中酸素飽和度は、血中(血液中)の酸化ヘモグロビンの割合として定義される。これらヘモグロビンおよび酸化ヘモグロビンの各吸光度は、波長依存性を有しており、ヘモグロビンは、例えば赤色光(赤色波長領域の光)に対して酸化ヘモグロビンより光を多く吸収し、一方、赤外光(赤外線波長領域の光)に対して酸化ヘモグロビンより光の吸収が少ない。すなわち、ヘモグロビンは、酸化されて酸化ヘモグロビンになると赤色光の吸収が減少して赤外光の吸収が増加し、逆に還元されてヘモグロビンに戻ると赤色光の吸収が増加して赤外光の吸収が減少するという光学的特性を有している。本実施形態の生体情報測定装置Saは、このようなヘモグロビンと酸化ヘモグロビンとの赤色光と赤外光とに対する吸光特性の違いを利用することによって、例えば脈拍数や血中酸素飽和度等の生体情報を求めるものである。すなわち、赤色光の吸光度が大きいほど、還元ヘモグロビンが多く、酸素飽和度が小さくなり、逆に、赤外光の吸光度が大きいほど、酸化ヘモグロビンが多く、酸素飽和度が大きくなる。
このような方法によるため、本実施形態のセンサ部1は、例えば、赤色光に対する生体組織における吸光特性を測定する第1センサ部11と、赤外光に対する前記生体組織における吸光特性を測定する第2センサ部12とを備えて構成され、演算制御部3aに接続される。この第1センサ部11は、例えば、波長λ1の赤色光を前記生体組織に照射する例えば発光ダイオード等のR発光素子と、前記R発光素子で照射され前記生体組織を透過または反射した赤色光を受光する例えばシリコンホトダイオード等のR受光素子とを備えて構成され、この第2センサ部12は、例えば、前記波長λ1と異なる波長λ2の赤外色光を前記生体組織に照射する例えば発光ダイオード等のIR発光素子と、前記IR発光素子で照射され前記生体組織を透過または反射した赤外光を受光する例えばシリコンホトダイオード等のIR受光素子とを備えて構成される。センサ部1は、このような透過型または反射型のセンサを用いることができる。
そして、センサ部1は、例えば、手指や耳朶等や、乳幼児の場合の手の甲、手首、足の甲等の、所定の生体組織にセット可能な構造を有して前記所定の生体組織にセットされ、第1および第2センサ部11、12で測定された測定データを演算制御部3aへ出力する。より具体的には、このような構成の第1センサ部11では、前記R発光素子は、前記生体組織に対し赤色光を照射し、前記R受光素子は、このR発光素子によって前記生体組織に照射された赤色光の前記生体組織を透過または反射した赤色光Rを受光し、この受光した赤色光を光電変換することによって、その受光量に応じた電気信号を前記測定データとして演算制御部3aへ出力する。同様に、第2センサ部12では、前記IR発光素子は、前記生体組織に対し赤外光を照射し、前記IR受光素子は、このIR発光素子によって前記生体組織に照射された赤外光の前記生体組織を透過または反射した赤外光を受光し、この受光した赤外光を光電変換することによって、その受光量に応じた電気信号を前記測定データとして演算制御部3aへ出力する。
演算制御部3aは、表示部5に接続され、センサ部1で測定された測定データに基づいて生体情報を求めるとともに、生体情報測定装置Sa全体の制御を司る装置である。演算制御部3aは、例えば、センサ部1で測定された測定データを所定のサンプリング周期(例えば周波数37.5Hz等)でサンプリングすることによって測定データの時系列データをセンサ部1から取得するものである。また例えば、演算制御部3aは、所定の周期でセンサ部1を駆動、すなわち、発光および受光の各動作を行わせることによって、時系列データとして測定データをセンサ部1から取得するものである。また例えば、センサ部1が所定のサンプリング周期でサンプリングすることによって前記生体組織から時系列データとして測定データを測定し、この時系列データの測定データを演算制御部3aへ出力するものである。この測定データは、アナログデータであってもよいが、本実施形態では、ディジタルデータであり、アナログデータからディジタルデータへの変換(AD変換)は、センサ部1または演算制御部3aで行われ、また、必要に応じて、前記AD変換前の測定データを増幅する増幅部をセンサ部1または演算制御部3aにさらに備えてよい。
より具体的には、この演算制御部3aは、センサ部1によって測定された測定データに基づいてヒストグラムを求め、前記測定データに含まれるノイズの度合いを表す所定のノイズ指標を算出し、この算出されたノイズ指標が所定の閾値th以上である場合には、予め設定された所定の積分範囲における下限値aおよび上限値bのうちの少なくとも一方を変更し、この変更後の積分範囲で前記ヒストグラムを用いて期待値を算出し、この算出された期待値に基づいて所定の生体情報を求めるものであり、例えば、マイクロプロセッサ、メモリおよびその周辺回路を備えるマイクロコンピュータによって構成される。前記メモリは、センサ部1で測定された測定データに基づいて生体情報を求めるための生体情報演算プログラムや、生体情報測定装置Sa全体を制御するための制御プログラム等の各種のプログラムや、センサ部1で測定された前記測定データや前記プログラムの実行に必要なデータ等の各種のデータを記憶する例えば書き換え可能な不揮発性の記憶素子であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)や不揮発性の記憶素子であるROM(Read Only Memory)、および、前記マイクロプロセッサのいわゆるワーキングメモリとなる例えば揮発性の記憶素子であるRAM(Random Access Memory)等を備えて構成され、前記マイクロプロセッサは、いわゆるCPU(Central Processing Unit)等であり、前記プログラムを実行することにより、機能的に、例えば、第1前処理部31と、第2前処理部32と、第1バンドパスフィルタ部(第1BPF部)33と、第2バンドパスフィルタ部(第2BPF部)34と、ヒストグラム算出部35と、比算出部36と、ノイズ指標算出部37と、期待値算出部38aと、血中酸素飽和度算出部39と、脈拍数算出部40と、信頼度算出部41とを備える。
第1および第2前処理部31、32は、センサ部1から入力された測定データに対し、所定の前処理を行うものである。より具体的には、第1前処理部31は、第1センサ部11から入力された赤色光に係わる測定データに対し、前記R受光素子での暗電流を補正するためのいわゆるダーク処理を行い、そして、その直流成分RDCに対する交流成分RACの第1比(赤色光交直比)R(=RAC/RDC)を算出し、この第1比Rを第1BPF部33へ通知(出力)する。この第1比Rは、ランバート・ビア(Lambert-Beer)の法則による近似から、赤色光に対する前記生体組織の吸光度の変化分に等しいとみなされる。また、第2前処理部32は、第2センサ部12から入力された赤外光に係わる測定データに対し、前記IR受光素子での暗電流を補正するためのいわゆるダーク処理を行い、そして、その直流成分IRDCに対する交流成分IRACの第2比(赤外光交直比)IR(=IRAC/IRDC)を算出し、この第2比IRを第1BPF部33へ通知(出力)する。この第2比IRは、前記ランバート・ビアの法則による近似から、赤外光に対する前記生体組織の吸光度の変化分に等しいとみなされる。前記ダーク処理は、公知の常套手段が用いられ、例えば、前記赤色光に係わる測定データから遮光状態のR受光素子から出力される出力値(暗電流値)Rdarkを減算するとともに、前記赤外光に係わる測定データから遮光状態のIR受光素子から出力される出力値(暗電流値)IRdarkを減算することによって行われる。これら遮光状態のR受光素子およびIR受光素子から出力される各出力値Rdark、IRdarkは、予め測定される。例えば、これら遮光状態のR受光素子およびIR受光素子から出力される各出力値Rdark、IRdarkは、測定の都度、予め測定されてもよく、また例えば、予め測定して記憶しておいてもよい。
第1および第2BPF部33、34は、センサ部1によって測定された測定データから所定のノイズ成分を除去するフィルタであり、動脈血の脈動により生ずる生体組織の透過または反射光量における変動成分として通常含まれる周波数成分以外の周波数成分を除去するものである。第1BPF部33は、例えば、赤色光に対する、動脈血の脈動により生ずる生体組織の透過光量または反射光量における変動成分として通常含まれる周波数成分を含む所定の周波数帯域を通過帯域とするフィルタであり、第1比Rをフィルタ処理(フィルタリング)し、このフィルタ処理した後の第1比Rを比算出部36、血中酸素飽和度算出部39、脈拍数算出部40および信頼度算出部41の各部へ通知する。第2BPF部34は、例えば、赤外光に対する、動脈血の脈動により生ずる生体組織の透過光量または反射光量における変動成分として通常含まれる周波数成分を含む所定の周波数帯域を通過帯域とするフィルタであり、第2比IRをフィルタ処理(フィルタリング)し、このフィルタ処理した後の第2比IRを比算出部36、血中酸素飽和度算出部39、脈拍数算出部40および信頼度算出部41の各部へ通知する。
比算出部36は、第2比IRに対する第1比Rの第3比(2波長変動比)p(=R/IR)を算出し、この第3比pをヒストグラム算出部35へ通知するものである。
ヒストグラム算出部35は、所定の時間範囲内においてセンサ部1によって測定された測定データから求められた第3比pのヒストグラム(度数分布)f(p)を算出し、この第3比pのヒストグラムf(p)をノイズ指標算出部37および期待値算出部38aの各部へ通知するものである。前記所定の時間範囲は、ヒストグラムf(p)が統計的に有意となるような個数の測定データを取得することができる時間範囲であり、この測定データの個数は、例えば、300や400や500等である。ヒストグラム算出部35は、第3比pが取り得る数値範囲として想定される所定の範囲を所定の間隔で複数の階級(クラス)に階級分け(クラス分け)を行い、このヒストグラムf(p)を作成する時点から前記所定の時間だけ前までに比算出部36から入力された複数の第3比pのそれぞれをこれらいずれかのクラスに振り分けることによって、各クラスにおける第3比pの頻度を求める。これによってヒストグラム算出部35は、第3比pのヒストグラムf(p)を求める。
ノイズ指標算出部37は、所定の時間範囲内においてセンサ部1によって測定された測定データに含まれるノイズの度合いを表す所定のノイズ指標を算出し、この算出した所定のノイズ指標を期待値算出部38aへ通知するものである。所定のノイズ指標は、測定データに含まれるノイズの度合いを表すものであれば、任意の指標でよいが、本実施形態では、例えば、第3比pのヒストグラムf(p)における標準偏差σであり、ノイズ指標算出部37は、ヒストグラム算出部35で算出された第3比pのヒストグラムf(p)に対し、その標準偏差σを前記所定のノイズ指標として算出するものである。
期待値算出部38aは、予め設定された所定の積分範囲でヒストグラム算出部35によって求められた第3比pのヒストグラムf(p)における期待値evを算出し、この算出した期待値evを血中酸素飽和度算出部39へ通知するものである。前記期待値evは、次式A1によって算出される。
期待値ev=∫p×f(p)dp ・・・(A1)
ただし、積分∫は、ヒストグラム算出部35によって求められた第3比pのヒストグラムf(p)全体における期待値(全体期待値)をptとし、その標準偏差をσとした場合に、下限値a=pt−2×σから上限値b=pt+2×σまでの範囲で実行される。すなわち、期待値evは、第3比pのヒストグラムf(p)におけるいわゆる2σの範囲で求められる。なお、この第3比pのヒストグラムf(p)全体における期待値ptは、∫p×f(p)dp(ただし、積分∫は、前記複数のクラスにおける最小のクラスの値plowから最大のクラスの値pupまでの範囲で実行される)によって算出される。
ここで、本実施形態では、期待値算出部38aは、ノイズ指標算出部37によって算出されたノイズ指標α、本実施形態では標準偏差σが所定の閾値σth以上である場合には、前記所定の積分範囲における上限値bおよび下限値aのうちの少なくとも一方を変更し、この変更後の積分範囲でヒストグラム算出部35によって求められた第3比pのヒストグラムf(p)における期待値evを算出するものである。
より具体的には、期待値算出部38aは、ノイズ指標算出部37によって算出されたノイズ指標α、本実施形態では標準偏差σが所定の閾値σth以上である場合には、前記所定の積分範囲における上限値bおよび下限値aのうちの少なくとも一方を、ノイズ指標算出部37によって算出されたノイズ指標α、本実施形態では標準偏差σに応じて変更し、この変更後の積分範囲でヒストグラム算出部35によって求められた第3比pのヒストグラムf(p)の期待値evを算出する。
さらに、より具体的には、期待値算出部38aは、ノイズ指標算出部37によって算出されたノイズ指標α、本実施形態では標準偏差σが所定の閾値σth以上である場合には、前記所定の積分範囲における上限値bおよび下限値aのうちの少なくとも一方を、ノイズ指標算出部37によって算出されたノイズ指標α、本実施形態では標準偏差σから予め設定された第1所定値β1を減算した値(σ−β1)の比例値((予め設定された定数)×(σ−β1))に応じて変更し、この変更後の積分範囲でヒストグラム算出部35によって求められた第3比Pのヒストグラムf(p)の期待値evを算出する。
本実施形態では、期待値算出部38aによって前記所定の積分範囲における下限値aおよび上限値bの両方が変更され、例えば、前記下限値aは、a−(定数)×(σ−β1)(=(pt−2×σ)−(定数)×(σ−β1))とされ、前記上限値bは、b−(定数)×(σ−β1)(=(pt+2×σ)−(定数)×(σ−β1))とされる。このように前記所定の積分範囲は、第3比pの小さい値の方へ(定数)×(σ−β1)だけ移動される。
なお、前記所定の積分範囲に対する変更では、前記下限値aが固定され、前記上限値bが変更されてもよく、また、前記下限値aが変更され、前記上限値bが固定されてもよい。
そして、ノイズ指標算出部37によって算出されたノイズ指標α、本実施形態では標準偏差σが所定の閾値σth未満である場合には、期待値算出部38aは、上述のように、前記所定の積分範囲(下限値a、上限値b)でヒストグラム算出部35によって求められた第3比pのヒストグラムf(p)における期待値evを算出する。
血中酸素飽和度算出部39は、期待値算出部38aによって算出された期待値evに基づいて酸素飽和度、例えば、動脈血の酸素飽和度の推定値SpOを求め、この求めた酸素飽和度SpOを表示部5へ出力するものである。
より具体的には、例えば、血中酸素飽和度算出部39は、予め求められ記憶されている、期待値evと酸素飽和度との関係を表すルックアップテーブル(校正テーブル)を用いることにより、動脈血の酸素飽和度の推定値SpOを求める。
脈拍数算出部40は、赤色光に係わる前記第1比Rおよび赤外光に係わる前記第2比IRに基づいて所定の時間内における脈拍数(例えば1分間の脈拍数)を算出し、この脈拍数を表示部5へ出力するものである。
より具体的には、脈拍数算出部40は、例えば、次のように脈拍数を算出する。生体組織の吸光度を測定する場合、その吸光度の変化分の信号成分をsとし、この信号成分に重畳されるノイズ成分をnとする場合に、第1比Rおよび第2比IRは、次の式B1および式B2が成り立つ。
IR=s+n ・・・(B1)
R=s×pa+n×pv ・・・(B2)
この信号成分比paは、赤外光における吸光度の変化分の信号成分sと赤色光における吸光度の変化分の信号成分との比であり、この信号成分比paは、一般に、血中酸素飽和度と一対一で対応することが知られている。また、ノイズ成分比pvは、赤外光に対する信号成分sに重畳されるノイズ成分nと赤色光に対する信号成分に重畳されるノイズ成分との比である。このノイズ成分比pvを用いることによって、脈波の信号S(i)=R(i)−pv×IR(i)が求められ、この信号S(i)の周期T_periodが求められ、この信号S(i)の周期T_periodで60を割り算することによって脈拍数(=60/周期T_period)が求められる。
信頼度算出部41は、所定の信頼度を算出し、この算出した信頼度を表示部5へ出力するものである。
信頼度は、生体情報に係わる算出値がどの程度信頼することができる値であるかを表す指標(度合い)である。このような信頼度は、例えば、次の式C1ないし式C6のいずれかによって求めることができ、信頼度算出部41は、赤色光に係わる前記第1比Rおよび赤外光に係わる前記第2比IRに基づいて、血中酸素飽和度算出部39によって算出された酸素飽和度に対する所定の信頼度を算出する。このような式によって得られる信頼度zでは、その値zの絶対値が大きいほど血中酸素飽和度の信頼度が低くなる。なお、これら各式において、Σは、iについて和を求める。
z=(ΣR(i)×IR(i))/(Σ{IR(i)})−(Σ{R(i)})/(ΣR(i)×IR(i)) ・・・(C1)
z=[Σ{R(i)×IR(i)}/Σ{IR(i)}−[(Σ{R(i)}/Σ{IR(i)}) ・・・(C2)
z=[Σ{R(i)}/Σ{R(i)×IR(i)}]−[Σ{R(i)}/Σ{IR(i)}] ・・・(C3)
z=[(1/N)×ΣR(i)/IR(i)]−(Σ{R(i)})/(Σ{IR(i)}) ・・・(C4)
z=(ΣR(i)×IR(i))/(Σ{IR(i)})−(1/N)×ΣR(i)/IR(i) ・・・(C5)
z=(Σ{R(i)})/(ΣR(i)×IR(i))−(1/N)×ΣR(i)/IR(i) ・・・(C6)
表示部5は、この生体情報測定装置Saの動作状態や演算制御部3aによって求められた生体情報等を表示する装置であり、例えば、液晶表示装置(LCD)や有機EL表示装置等である。表示部5は、例えば、本実施形態では、脈拍数算出部40で算出された脈拍数を表示する脈拍数表示部51と、血中酸素飽和度算出部39で算出された酸素飽和度を表示する血中酸素飽和度表示部52と、信頼度算出部41で算出された信頼度を表示する信頼度表示部53とを備えている。
次に、第1実施形態の生体情報測定装置Saの動作について説明する。図2は、第1実施形態における生体情報測定装置の動作を示すフローチャートである。図3は、ノイズが比較的小さい場合における第3比のヒストグラムの一例を示す図である。図4は、ノイズが中程度である場合における第3比のヒストグラムの一例を示す図である。図5は、ノイズが比較的大きい場合における第3比のヒストグラムの一例を示す図である。図3ないし図5において、その横軸は、第3比pのクラスであり、その縦軸は、頻度である。図6は、第1実施形態における生体情報測定装置によって算出される期待値の誤差を示す図である。図6の横軸は、ノイズの大きさであり、その縦軸は、期待値evの誤差である。
本実施形態の生体情報測定装置Saでは、例えば、図略の電源スイッチの投入や電源スイッチの投入後に図略の測定開始スイッチの投入によって、測定対象である生体の生体情報の測定が開始され、測定データが取得され、ヒストグラムf(p)が作成される。
より具体的には、まず、センサ部1の第1センサ部11によって、赤色光に係わる測定データRs(暗電流を含む)およびその暗電流Rdarkが測定され、アナログ信号からディジタル信号へ変換されるとともに、センサ部1の第2センサ部12によって、赤外光に係わる測定データIRs(暗電流を含む)およびその暗電流IRdarkが測定され、アナログ信号からディジタル信号へ変換される。続いて、演算制御部3aの第1前処理部31によって、センサ部1から入力された赤色光に係わる測定データRsに対し、ダーク処理(Rs−Rdark)が実行され、第1比Rが算出されるとともに、演算制御部3aの第2前処理部32によって、センサ部1から入力された赤外光に係わる測定データIRsに対し、ダーク処理(IRs−IRdark)が実行され、第2比IRが算出される。続いて、演算制御部3aの第1BPF部33によって、第1前処理部31から通知された第1比Rがフィルタリングされるとともに、演算制御部3aの第2BPF部34によって、第2前処理部32から通知された第2比IRがフィルタリングされる。続いて、演算制御部3aの比算出部36によって、第2比IRに対する第1比Rの第3比pが算出され、演算制御部3aのヒストグラム算出部35によって、所定の時間範囲での第3比pのヒストグラムf(p)が算出される。例えば、現在時刻tiから過去の時刻ti−(N+1)までの時間範囲の測定データについて、図3ないし図5に示すような第3比pのヒストグラムf(p)が求められる。
このように第3比pのヒストグラムf(p)が作成されると、図2において、まず、ステップS11では、演算制御部3aのノイズ指標算出部37は、所定の範囲、例えば、ヒストグラムf(p)のクラスにおける最小のクラスの値plowから最大のクラスの値pupまでの範囲で、第3比pのヒストグラムf(p)全体に対する標準偏差σをノイズ指標として算出する。そして、演算制御部3aは、ヒストグラムf(p)のクラスにおける最小のクラスの値plowから最大のクラスの値pupまでの範囲で、第3比pのヒストグラムf(p)全体に対する期待値ptを算出する。
続いて、ステップS12では、演算制御部3aは、この求めた標準偏差σが予め設定された所定閾値σth以上であるか否かを判断する(σ≧σthか?)。このステップS12は、第3比pのヒストグラムf(p)に含まれるノイズの度合いを判断するための処理であり、前記所定閾値σthは、後述のノイズの大きさに応じた処理を行うことなく、測定データから例えば仕様に応じた所定の精度で血中酸素飽和度を求めることができるか否かの観点から適宜に設定される。
このステップS12の判断の結果、標準偏差σが所定閾値σth以上である場合(Yes)には、ステップS13の処理が実行され、一方、このステップS12の判断の結果、標準偏差σが所定閾値σth以上ではない場合(No)には、ステップS21の処理が実行される。例えば、第3比pのヒストグラムが図3に示すようなノイズの比較的少ない場合では、このステップS12の判断で、その標準偏差σが所定閾値σth以上ではないと判断され、ステップS21の処理が実行される一方、第3比pのヒストグラムが図4や図5に示すような中程度のノイズやノイズの比較的多い場合では、このステップS12の判断で、その標準偏差σが所定閾値σth以上であると判断され、ステップS13の処理が実行される。
ステップS13では、演算制御部3aの期待値算出部38aは、前記所定の積分範囲(下限値a=pt−2×σ、上限値b=pt+2×σ)をシフトするシフト量shift1を、shift1=(定数)×(σ−β1)によって算出する。
続いて、ステップS14では、期待値算出部38aは、前記シフト量shiftで前記所定の積分範囲を第3比pの小さい値の方へシフトした変更後の積分範囲(下限値a−shift1=pt−shift1−2×σ、上限値b−shift1=pt−shift1+2×σ)で、第3比pのヒストグラムf(p)を積分することによって、期待値evを算出する。
続いて、ステップS15では、演算制御部3aの血中酸素飽和度算出部39は、期待値evに基づいて前記ルックアップテーブルを参照することによって動脈血の酸素飽和度SpOを求める。
一方、ステップS21では、期待値算出部38aは、前記所定の積分範囲(下限値a=pt−2×σ、上限値b=pt+2×σ)で、第3比pのヒストグラムf(p)を積分することによって、期待値evを算出し、続いて、前記ステップS15の処理が実行され、演算制御部3aの血中酸素飽和度算出部39は、動脈血の酸素飽和度SpOを求める。
そして、演算制御部3aは、この求めた酸素飽和度SpOを表示部5の血中酸素飽和度表示部52に表示する。
また、演算制御部3aの信頼度算出部41は、所定の信頼度を求め、演算制御部3aは、この求めた信頼度を表示部5の信頼度表示部53に表示する。
第3比pのヒストグラムf(p)は、図3ないし図5の各図に示すように、ノイズの大小に依存し、第3比pの頻度は、ノイズが比較的少ない場合には、図3に示すように、第3比pの小さい値の側に集中し、ノイズが多くなるに従って図4および図5の各図に示すように、第3比pの大きい値の方へ広がる。本実施形態の生体情報測定装置Saでは、上述のように動作することで、期待値evの積分範囲は、予め設定された所定の積分範囲(下限値a、上限値b)から、測定データR、IRに含まれるノイズの度合いに応じて、第3比pの小さい値の方へシフトされ、下限値a−shift1から上限値b−shift1までの範囲となる。したがって、ノイズによって第3比pの大きい値の方へ広がった部分がカットされ、ノイズがカットされる。
すなわち、ノイズがカットされない場合には、期待値evの誤差は、図6に実線Nncで示すようにノイズの増加に従って増加するが、本実施形態の生体情報測定装置Saでは、期待値evの誤差は、図6に実線Ncで示すようにノイズの増加に従って一旦減少しその後増加する。この実線Nncと実線Ncとの差分が本実施形態の生体情報測定装置Saにおけるノイズ低減の効果である。
このように本実施形態の生体情報測定装置Saでは、測定データR、IRによる第3比pのヒストグラムf(p)が求められ、測定データR、IRによる第3比pに含まれるノイズの度合いによって、予め設定された所定の積分範囲における上限値bおよび下限値aのうちの少なくとも一方が変更され、この変更後の積分範囲でそのヒストグラムf(p)の期待値evが求められ、そのヒストグラムf(p)の期待値evに基づいて所定の生体情報が求められる。このように本実施形態の生体情報測定装置Saは、より簡易な処理によってノイズを低減しつつ生体情報を求めることができ、その結果、消費電力を低減することができる。
次に、別の実施形態について説明する。
(第2実施形態)
第1実施形態の生体情報測定装置Saは、期待値evを算出する際に、前記所定の積分範囲をノイズの度合いに応じてシフト量shift1で第3比pの小さい値の方へ変更したが、第2実施形態の生体情報測定装置Sbは、期待値evを算出する際に、前記所定の積分範囲における上限値bをノイズの度合いに応じて前記ノイズ成分比pvに関する値に変更するものである。
図7は、第2実施形態における生体情報測定装置の構成を示すブロック図である。図7において、このような第2実施形態の生体情報想定装置Sbは、センサ部1と、演算制御部3bと、表示部5とを備えて構成される。第2実施形態の生体情報想定装置Sbにおけるセンサ部1および表示部5は、それぞれ、第1実施形態の生体情報想定装置Saにおけるセンサ部1および表示部5と同様であるので、その説明を省略する。
そして、第2実施形態の生体情報想定装置Sbにおける演算制御部3bは、表示部5に接続され、センサ部1で測定された測定データに基づいて生体情報を求めるとともに、生体情報測定装置Sa全体の制御を司る装置であり、機能的に、例えば、第1前処理部31と、第2前処理部32と、第1バンドパスフィルタ部(第1BPF部)33と、第2バンドパスフィルタ部(第2BPF部)34と、ヒストグラム算出部35と、比算出部36と、ノイズ指標算出部37と、期待値算出部38bと、血中酸素飽和度算出部39と、脈拍数算出部40と、信頼度算出部41とを備える。第2実施形態の生体情報想定装置Sbにおける第1前処理部31、第2前処理部32、第1BPF部33、第2BPF部34、ヒストグラム算出部35、比算出部36、ノイズ指標算出部37、血中酸素飽和度算出部39、脈拍数算出部40および信頼度算出部41は、それぞれ、第1実施形態の生体情報想定装置Saにおける第1前処理部31、第2前処理部32、第1BPF部33、第2BPF部34、ヒストグラム算出部35、比算出部36、ノイズ指標算出部37、血中酸素飽和度算出部39、脈拍数算出部40および信頼度算出部41と同様であるので、その説明を省略する。
期待値算出部38bは、第1実施形態の期待値算出部38aと同様に、予め設定された所定の積分範囲でヒストグラム算出部35によって求められた第3比pのヒストグラムf(p)における期待値evを算出し、この算出した期待値evを血中酸素飽和度算出部39へ通知するものであって、ノイズ指標算出部37によって算出されたノイズ指標α、本実施形態では標準偏差σが所定の閾値σth以上である場合には、前記所定の積分範囲における上限値bおよび下限値aのうちの少なくとも一方を変更し、この変更後の積分範囲でヒストグラム算出部35によって求められた第3比pのヒストグラムf(p)における期待値evを算出するものであるが、本実施形態の期待値算出部38bは、第3比pのヒストグラムf(p)に基づいて前記ノイズ成分比pvを算出するpv算出部381を備え、このpv算出部381によってノイズ成分比pvを算出し、前記所定の積分範囲における上限値bを、前記算出したノイズ成分比pvから、ノイズ指標α、本実施形態では標準偏差σから予め設定された第2所定値β2を減算した値(σ−β2)の比例値(予め設定された定数)×(σ−β2)を減算した値(pv−(定数)×(σ−β2))に変更し、この変更後の積分範囲(下限値a=pt−2×σ、上限値(pv−(定数)×(σ−β2))でヒストグラム算出部35によって求められた第3比pのヒストグラムf(p)の期待値evを算出するものである。
pv算出部381は、より具体的には、本実施形態では、所定の統計パラメータに基づいてヒストグラムf(p)のクラスを複数の所定範囲に分け、この分けた複数の所定範囲のぞれぞれに所定の関数h(p)を定義し、この関数h(p)を用いてノイズ成分比pvを算出するものである。より具体的には、本実施形態では、関数g(p)=f(2×pt−p)と定義した場合に、p≦ptでは、h(p)=0と定義され、p>ptでは、h(p)={g(p)−f(p)}/∫{g(p)−f(p)}dpと定義され、g(p)−f(p)≦0では、h(p)=0と定義され、g(p)−f(p)>0では、h(p)={g(p)−f(p)}/∫{g(p)−f(p)}dpと定義される。すなわち、
h(p)=0;p≦ptまたはg(p)−f(p)≦0
h(p)={g(p)−f(p)}/∫{g(p)−f(p)}dp(ただし、積分∫は、前記複数のクラスにおける最小のクラスの値plowから最大のクラスの値pupまでで実行される。ただし、p≦ptおよびg(p)−f(p)≦0のpの領域を除く);p>ptまたはg(p)−f(p)>0 ・・・(A2)
そして、ノイズ成分比pvは、次式A3によって算出される。
ノイズ成分比pv=∫p×h(p)dp ・・・(A3)
ただし、積分∫は、ptから前記所定の積分範囲における上限値bまでの範囲で実行される。
次に、第2実施形態の生体情報測定装置Saの動作について説明する。図8は、第2実施形態における生体情報測定装置の動作を示すフローチャートである。
本実施形態の生体情報測定装置Sbでは、第1実施形態の生体情報測定装置Saと同様に、例えば、図略の電源スイッチの投入や電源スイッチの投入後に図略の測定開始スイッチの投入によって、測定対象である生体の生体情報の測定が開始され、測定データが取得され、ヒストグラムf(p)が作成される。例えば、現在時刻tiから過去の時刻ti−(N+1)までの時間範囲(ti;i=0〜−N)の測定データについて、図3ないし図5に示すような第3比pのヒストグラムf(p)が求められる。
この第3比pのヒストグラムf(p)が作成されると、図8において、まず、ステップS31では、演算制御部3bのノイズ指標算出部37は、ステップS11と同様に、所定の範囲、例えば、ヒストグラムf(p)のクラスにおける最小のクラスの値plowから最大のクラスの値pupまでの範囲で、第3比pのヒストグラムf(p)全体に対する標準偏差σをノイズ指標として算出する。そして、演算制御部3bは、ヒストグラムf(p)のクラスにおける最小のクラスの値plowから最大のクラスの値pupまでの範囲で、第3比pのヒストグラムf(p)全体に対する期待値ptを算出する。
続いて、ステップS32では、演算制御部3bは、ステップS12と同様に、この求めた標準偏差σが予め設定された所定閾値σth以上であるか否かを判断する(σ≧σthか?)。
このステップS32の判断の結果、標準偏差σが所定閾値σth以上である場合(Yes)には、ステップS33の処理が実行され、一方、このステップS32の判断の結果、標準偏差σが所定閾値σth以上ではない場合(No)には、ステップS41の処理が実行される。
ステップS33では、演算制御部3bの期待値算出部38bは、pv算出部381によってノイズ成分比pvを算出する。
続いて、ステップS34では、期待値算出部38bは、前記所定の積分範囲(下限値a=pt−2×σ、上限値b=pt+2×σ)をシフトするシフト量shift2を、shift2=(定数)×(σ−β2)によって算出する。
続いて、ステップS35では、期待値算出部38bは、前記ノイズ成分比pvおよび前記シフト量shift2で前記所定の積分範囲における上限値bを置き換え、前記所定の積分範囲を第3比pの小さい値の方へ狭め、この変更後の積分範囲(下限値a=pt−2×σ、上限値pv−shift2)で、第3比pのヒストグラムf(p)を積分することによって、期待値evを算出する。
続いて、ステップS36では、ステップS15と同様に、演算制御部3bの血中酸素飽和度算出部39は、期待値evに基づいて前記ルックアップテーブルを参照することによって動脈血の酸素飽和度SpOを求める。
一方、ステップS41では、期待値算出部38bは、ステップS21と同様に、前記所定の積分範囲(下限値a=pt−2×σ、上限値b=pt+2×σ)で、第3比pのヒストグラムf(p)を積分することによって、期待値evを算出し、続いて、前記ステップS36の処理が実行され、演算制御部3bの血中酸素飽和度算出部39は、動脈血の酸素飽和度SpOを求める。
そして、演算制御部3bは、この求めた酸素飽和度SpOを表示部5の血中酸素飽和度表示部52に表示する。
また、演算制御部3bの脈拍数算出部40は、前記ノイズ成分比pvを用いて脈波の信号S(i)=R(i)−pv×IR(i)を求め、この信号S(i)の周期T_periodを求め、この信号S(i)の周期T_periodで60を割り算することによって脈拍数(=60/周期T_period)を求める。そして、演算制御部3aは、この脈拍数を表示部5の脈拍数表示部51に表示する。
また、演算制御部3bの信頼度算出部41は、所定の信頼度を求め、演算制御部3bは、この求めた信頼度を表示部5の信頼度表示部53に表示する。
このように本実施形態の生体情報測定装置Sbでは、測定データR、IRによる第3比pのヒストグラムf(p)が求められ、測定データR、IRによる第3比pに含まれるノイズの度合いによって、予め設定された所定の積分範囲における下限値aが固定される一方上限値bが変更され、この変更後の積分範囲でそのヒストグラムf(p)の期待値evが求められ、そのヒストグラムf(p)の期待値evに基づいて所定の生体情報が求められる。このように本実施形態の生体情報測定装置Sbは、より簡易な処理によってノイズを低減しつつ生体情報を求めることができ、その結果、消費電力を低減することができる。
なお、上述の第1および第2実施形態では、ノイズ指標算出部37によって算出される所定のノイズ指標は、第3比pのヒストグラムf(p)の標準偏差σであったが、これに限定されるものではなく、例えば、次のいずれかであってよい。
例えば、ノイズ指標算出部37によって算出されるノイズ指標は、前記測定データにおける周期のばらつきであってよい。この周期のばらつきには、周期の標準偏差や、周期の最小値と周期の最大値との差等が挙げられる。
また例えば、ノイズ指標算出部37によって算出されるノイズ指標は、第1比Rおよび第2比IRのぞれぞれを信号成分sとノイズ成分nとによってR=s×pa+n×pvおよびIR=s+nと表した場合におけるノイズ成分比pvを算出し、第3比pのヒストグラムf(p)の複数のクラスにおける最小のクラスの値plowから最大のクラスの値pupまでの積分範囲でのヒストグラムf(p)の全体期待値ptと前記ノイズ成分比pvとの差(pt−pv)であってよい。このノイズ成分比pvは、例えば、第3比pのヒストグラムf(p)から算出されてよい。
また例えば、ノイズ指標算出部37によって算出されるノイズ指標は、pt=∫pf(p)dp(積分∫は、前記第3比pのヒストグラムf(p)の複数のクラスにおける最小のクラスの値plowから最大のクラスの値pupまでの範囲で実行される)とし、関数g(p)=f(2×pt−p)とし、p≦ptまたはg(p)−f(p)≦0の第1ケースの場合では関数h(p)=0であるとともに前記第1ケースを除く第2ケースの場合では関数h(p)={g(p)−f(p)}/∫{g(p)−f(p)}dp(積分∫は、前記最小のクラスの値plowから前記最大のクラスの値pupまでの範囲で実行される。ただし、p≦ptおよびg(p)−f(p)≦0のpの領域を除く)とする場合に、{∫p×h(p)dp−∫p×h(p)dp}1/2(両積分∫は、下限値ptから上限値bまでの範囲で実行される)であってよい。
すべての実施形態において第3比pは、第2比IRに対する第1比Rの比として説明したが、もちろん、第2比IRの時間差分に対する第1比Rの時間差分の比であってもよい。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
Sa、Sb 生体情報測定装置
1 センサ部
3a、3b 演算制御部
5 表示部
11 第1センサ部
12 第2センサ部
35 ヒストグラム算出部
36 比算出部
37 ノイズ指標算出部
38a、38b 期待値算出部
39 血中酸素飽和度算出部
40 脈拍数算出部

Claims (13)

  1. 測定対象の生体における所定の生理的現象を測定して測定データを出力する測定部と、
    前記測定部によって測定された測定データに基づいてヒストグラムを求めるヒストグラム算出部と、
    前記測定データに含まれるノイズの度合いを表す所定のノイズ指標を算出するノイズ指標算出部と、
    前記ノイズ指標算出部によって算出されたノイズ指標が所定の閾値以上である場合には、予め設定された所定の積分範囲における上限値および下限値のうちの少なくとも一方を変更し、この変更後の積分範囲で前記ヒストグラム算出部によって求められたヒストグラムを用いて期待値を算出する期待値算出部と、
    前記期待値算出部によって算出された前記期待値に基づいて前記所定の生体情報を求める生体情報算出部とを備えること
    を特徴とする生体情報測定装置。
  2. 前記期待値算出部は、前記ノイズ指標算出部によって算出されたノイズ指標が所定の閾値以上である場合には、予め設定された所定の積分範囲における上限値および下限値のうちの少なくとも一方を前記ノイズ指標算出部によって算出されたノイズ指標に応じて変更し、この変更後の積分範囲で前記ヒストグラム算出部によって求められたヒストグラムを用いて期待値を算出すること
    を特徴とする請求項1に記載の生体情報測定装置。
  3. 前記期待値算出部は、前記ノイズ指標算出部によって算出されたノイズ指標が所定の閾値以上である場合には、予め設定された所定の積分範囲における上限値および下限値のうちの少なくとも一方を前記ノイズ指標算出部によって算出されたノイズ指標から第1所定値を減算した値の比例値に応じて変更し、この変更後の積分範囲で前記ヒストグラム算出部によって求められたヒストグラムを用いて期待値を算出すること
    を特徴とする請求項2に記載の生体情報測定装置。
  4. 前記所定の積分範囲に対する変更は、前記上限値であること
    を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の生体情報測定装置。
  5. 前記測定部は、所定の第1波長の第1光を前記生体の生体組織に照射し、前記生体の生体組織を透過または反射した第1光を受光して第1測定データを出力する第1センサ部と、前記第1波長と異なる所定の第2波長の第2光を前記生体の生体組織に照射し、前記生体の生体組織を透過または反射した第2光を受光して第2測定データを出力する第2センサ部とを備えるセンサ部を備え、
    前記期待値算出部は、前記ノイズ指標算出部によって算出されたノイズ指標が所定の閾値以上である場合には、前記第1測定データにおける直流成分に対する交流成分の第1比Rおよび前記第2測定データにおける直流成分に対する交流成分の第2比IRのぞれぞれを信号成分sとノイズ成分nとによってR=s×pa+n×pvおよびIR=s+nと表した場合におけるノイズ成分比pvを算出し、予め設定された所定の積分範囲における上限値を、前記算出したノイズ成分比pvから、ノイズ指標から第2所定値を減算した値の比例値を減算した値に変更し、この変更後の積分範囲で前記ヒストグラム算出部によって求められたヒストグラムを用いて期待値を算出すること
    を特徴とする請求項1に記載の生体情報測定装置。
  6. 前記ヒストグラム算出部は、前記第1比Rと前記第2比IRとの第3比pのヒストグラムf(p)を求め、
    前記期待値算出部は、前記第3比pのヒストグラムf(p)から前記ノイズ成分比pvを算出すること
    を特徴とする請求項5に記載の生体情報測定装置。
  7. 前記期待値算出部は、pt=∫pf(p)dp(積分∫は、前記第3比pのヒストグラムf(p)の複数のクラスにおける最小のクラスの値plowから最大のクラスの値pupまでの範囲で実行される)とし、関数g(p)=f(2×pt−p)とし、p≦ptまたはg(p)−f(p)≦0の第1ケースの場合では関数h(p)=0であるとともに前記第1ケースを除く第2ケースの場合では関数h(p)={g(p)−f(p)}/∫{g(p)−f(p)}dp(積分∫は、前記最小のクラスの値plowから前記最大のクラスの値pupまでの範囲で実行される。ただし、p≦ptおよびg(p)−f(p)≦0のpの領域を除く)とする場合に、∫p×h(p)dp(積分∫は、ptから前記所定の積分範囲における上限値までの範囲で実行される)を前記ノイズ成分比pvとして算出すること
    を特徴とする請求項6に記載の生体情報測定装置。
  8. 前記ノイズ指標算出部は、前記ヒストグラムの標準偏差を前記所定のノイズ指標として算出すること
    を特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の生体情報測定装置。
  9. 前記ノイズ指標算出部は、前記測定データにおける周期のばらつきを前記所定のノイズ指標として算出すること
    を特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の生体情報測定装置。
  10. 前記測定部は、所定の第1波長の第1光を前記生体の生体組織に照射し、前記生体の生体組織を透過または反射した第1光を受光して第1測定データを出力する第1センサ部と、前記第1波長と異なる所定の第2波長の第2光を前記生体の生体組織に照射し、前記生体の生体組織を透過または反射した第2光を受光して第2測定データを出力する第2センサ部とを備えるセンサ部を備え、
    前記ノイズ指標算出部は、前記第1測定データにおける直流成分に対する交流成分の第1比Rおよび前記第2測定データにおける直流成分に対する交流成分の第2比IRのぞれぞれを信号成分sとノイズ成分nとによってR=s×pa+n×pvおよびIR=s+nと表した場合におけるノイズ成分比pvを算出し、前記ヒストグラム全体での全体期待値と前記ノイズ成分比pvとの差を前記所定のノイズ指標として算出すること
    を特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の生体情報測定装置。
  11. 前記ヒストグラム算出部は、前記第1比Rと前記第2比IRとの第3比pのヒストグラムf(p)を求め、
    前記ノイズ指標算出部は、前記第3比pのヒストグラムf(p)から前記ノイズ成分比pvを算出すること
    を特徴とする請求項10に記載の生体情報測定装置。
  12. 前記測定部は、所定の第1波長の第1光を前記生体の生体組織に照射し、前記生体の生体組織を透過または反射した第1光を受光して第1測定データを出力する第1センサ部と、前記第1波長と異なる所定の第2波長の第2光を前記生体の生体組織に照射し、前記生体の生体組織を透過または反射した第2光を受光して第2測定データを出力する第2センサ部とを備えるセンサ部を備え、
    前記ヒストグラム算出部は、前記第1測定データにおける直流成分に対する交流成分の第1比と前記第2測定データにおける直流成分に対する交流成分の第2比との第3比pのヒストグラムf(p)を求め、
    前記ノイズ指標算出部は、pt=∫pf(p)dp(積分∫は、前記第3比pのヒストグラムf(p)の複数のクラスにおける最小のクラスの値plowから最大のクラスの値pupまでの範囲で実行される)とし、関数g(p)=f(2×pt−p)とし、p≦ptまたはg(p)−f(p)≦0の第1ケースの場合では関数h(p)=0であるとともに前記第1ケースを除く第2ケースの場合では関数h(p)={g(p)−f(p)}/∫{g(p)−f(p)}dp(積分∫は、前記最小のクラスの値plowから前記最大のクラスの値pupまでの範囲で実行される。ただし、p≦ptおよびg(p)−f(p)≦0のpの領域を除く)とする場合に、{∫p×h(p)dp−∫p×h(p)dp}1/2(両積分∫は、ptから前記所定の積分範囲における上限値までの範囲で実行される)を前記所定のノイズ指標として算出すること
    を特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の生体情報測定装置。
  13. 測定対象の生体における所定の生理的現象を測定して測定データを出力する測定工程と、
    前記測定工程によって測定された測定データに基づいてヒストグラムを求めるヒストグラム算出工程と、
    前記測定データに含まれるノイズの度合いを表す所定のノイズ指標を算出するノイズ指標算出工程と、
    前記ノイズ指標算出工程によって算出されたノイズ指標が所定の閾値以上である場合には、予め設定された所定の積分範囲における上限値および下限値のうちの少なくとも一方を変更し、この変更後の積分範囲で前記ヒストグラム算出工程によって求められたヒストグラムを用いて期待値を算出する期待値算出工程と、
    前記期待値算出工程によって算出された前記期待値に基づいて前記所定の生体情報を求める生体情報算出工程とを備えること
    を特徴とする生体情報測定方法。
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