JP5353437B2 - 膜電極接合体の製造方法、燃料電池の製造方法 - Google Patents

膜電極接合体の製造方法、燃料電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池に関するものである。
燃料電池には、電解質膜の両面に電極触媒層が接合された膜電極接合体(MEA:Membrane−Electrode Assembly)が用いられるものがある。MEAを製造する際、基板上に形成された電極触媒層を、電解質膜上に転写する方法が知られている(例えば、特許文献1〜4参照)。
特開2005−203332号公報 特開2006−12676号公報 特開2003−303599号公報 特許第3503193号公報
このように、基板上に形成された電極触媒層を、電解質膜上に転写する場合には、電極触媒層が電解質膜と直接接するように基板ごと配置して、熱圧縮を行った後、基板を剥離する。このとき、基板が容易に剥離して、電解質膜と電極触媒層とが剥離することなく、そのまま転写できることが望ましい。
そこで、本発明は、従来技術の課題に鑑みて、膜電極接合体の製造工程において、電極触媒層の電解質膜に対する転写を良好に行って、燃料電池の製造を容易にする技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
膜電極接合体の製造方法であって、
基板上に形成された電極触媒層を、電解質膜に接触させて熱圧縮し、
前記電極触媒層に含まれる電解質樹脂と前記基板との膨張率の相違を利用した、前記基板を前記電極触媒層から容易に剥離するための離型処理を行い、
前記基板を前記電極触媒層から剥離する、膜電極接合体の製造方法。
この膜電極接合体の製造方法によれば、基板を電極触媒層から剥離する前に、離型処理を施しているため、電極触媒層の電解質膜に対する転写を良好に行うことができる。
[適用例2]
適用例1に記載の膜電極接合体の製造方法であって、
前記離型処理は、前記電極触媒層と、前記電解質膜とを膨潤させる処理である、膜電極接合体の製造方法。
このようにすると、電極触媒層と電解質膜は膨潤し、基板は膨潤しないため、電極触媒層と基板との間が剥離しやすくなる。
[適用例3]
適用例1または2に記載の膜電極接合体の製造方法であって、
前記電極触媒層に含まれる導電性担体は前記基板上に略垂直に形成された垂直配向材料である、膜電極接合体の製造方法。
[適用例4]
適用例1ないし3のいずれか一つに記載の膜電極接合体の製造方法であって、
前記垂直配向材料は垂直配向カーボンナノチューブである、膜電極接合体の製造方法。
導電性担体として、このような垂直配向材料を用いる場合にも、基板を電極触媒層から剥離する前に、離型処理を施すことによって、電極触媒層の電解質膜に対する転写を良好に行うことができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池の製造方法、膜電極接合体、燃料電池、燃料電池を備えた燃料電池システム、燃料電池システムを搭載した車両等の形態で実現することができる。
本発明の第1の実施例としての燃料電池の断面構成を概略的に示す断面図である。 図1におけるX1部を拡大して示す拡大断面図である。 本実施例におけるMEAの製造に用いられる垂直配向CNTの構成を概念的に示す断面図である。 MEAの製造工程の流れを示すフローチャートである。 MEAの製造工程の一部を概念的に示す説明図である。 熱圧縮転写工程を概念的に示す説明図である。
A.実施例:
A1.燃料電池の構成:
図1は、本発明の第1の実施例としての燃料電池100の断面構成を概略的に示す断面図である。燃料電池100は、水素と空気とを用いて発電を行う固体高分子型の燃料電池である。
燃料電池100は、図1に示すように、シール部材一体型MEA(Membrane‐Electrode Assembly:膜電極接合体)300のアノード側に、アノード側ガス拡散層410と、アノード側セパレータ500が、その順に積層され、カソード側に、カソード側ガス拡散層430とカソード側セパレータ600が、その順に積層された構成を成している。図1では、複数のシール部材一体型MEA300、アノード側ガス拡散層410、アノード側セパレータ500、カソード側ガス拡散層430、およびカソード側セパレータ600が積層された部分の一部を抜き出して示しており、他は図示を省略している。以下、アノード側セパレータ500とカソード側セパレータ600とを、まとめて、セパレータ500、600ともいう。
なお、冷却水を流すための冷却水流路が形成された冷却水セパレータが、所定の間隔で、アノード側セパレータ500とカソード側セパレータ600との間に配設されている(図示しない)。冷却水セパレータ内部を冷却水が流通することにより、燃料電池100の電極反応に伴って生成される熱を取り除き、燃料電池100の内部温度を所定の範囲内に保っている。
燃料電池100は、以下の工程により製造される。まず、後述するMEAの製造方法により製造されたMEA30を用いて、シール部材一体型MEA300を製造する。シール部材一体型MEA(Membrane‐Electrode Assembly:膜電極接合体)300のアノード側に、アノード側ガス拡散層410と、アノード側セパレータ500が、その順に積層され、カソード側に、カソード側ガス拡散層430とカソード側セパレータ600が、その順に積層された構成を成す燃料電池モジュールが、複数(例えば、400枚)積層され、その両端に集電板(図示しない)、絶縁板(図示しない)、エンドプレート(図示しない)の順に積層されるように、各構成部品を配置する。そして、燃料電池100を構成する各構成部材を、テンションプレート、テンションロッド等により、積層方向に所定の押圧力がかかった状態で締結して、燃料電池100の積層状態を保持することにより、燃料電池100が完成する。
アノード側セパレータ500には、アノード側ガス拡散層410と対向する面に複数の凹凸状のリブ510が形成されている。同様に、カソード側セパレータ600には、カソード側ガス拡散層430と対向する面に複数の凹凸状のリブ610が形成されている。セパレータ500、600が、MEA30を両側から挟み込むことによって、アノードガスとしての水素、カソードガスとしての空気が流れる流路が、それぞれ、形成される。
燃料電池100に供給された空気は、カソード側セパレータ600のリブ610によって形成される流路を通って、カソード側ガス拡散層430に流入し、カソード側ガス拡散層430内を流通しつつ、MEA30に供給されて電極反応に利用される。同様に、燃料電池100に供給された水素は、アノード側セパレータ500のリブ510によって形成される流路を通って、アノード側ガス拡散層410に流入し、アノード側ガス拡散層410内を流通しつつ、燃料電池100内を流通して電極反応に利用される。
なお、本実施例において、セパレータ500、600はステンレス鋼製の平板を用いるものとするが、チタンやアルミニウム等、他の金属製の平板を用いるものとしてもよいし、カーボン製の平板を用いるものとしてもよい。また、セパレータ500、600の形状は、上記したリブを備える形状に限定されない。
また、本実施例において、アノード側ガス拡散層410およびカソード側ガス拡散層430としては、撥水加工が施されたカーボンフェルトを用いている。なお、本実施例において、MEA30とセパレータ500、600との間に、アノード側ガス拡散層410、カソード側ガス拡散層430が、それぞれ、配置される構成を例示しているが、アノード側ガス拡散層410、カソード側ガス拡散層430を備えない構成、すなわち、MEA30とセパレータ500、600とが当接する構成にしてもよい。
図2は、図1におけるX1部を拡大して示す拡大断面図である。図2に示すように、MEA30は、電解質膜20の両面に電極触媒層10が積層されている。本実施例において、電解質膜20としては、プロトン伝導性の固体高分子材料としてのフッ素系スルホン酸ポリマーにより形成された高分子電解質膜(ナフィオン(登録商標)膜:NRE212)を、用いている。なお、高分子電解質膜としては、ナフィオン(登録商標)に限定されず、例えば、アシプレックス(登録商標)、フレミオン(登録商標)等の他のフッ素系スルホン酸膜を用いてもよい。また、例えば、フッ素系ホスホン酸膜、フッ素系カルボン酸膜、フッ素炭化水素系グラフト膜、炭化水素系グラフト膜、芳香族膜等を用いてもよい。また、PTFE、ポリイミド等の補強材を含む、機械的特性を強化した複合高分子膜を用いてもよい。
電極触媒層10は、触媒としての白金粒子16(以下、「Pt粒子16」ともいう)と、触媒を担持する導電性担体としてのカーボンナノチューブ14(以下、「CNT14」ともいう)と、電解質樹脂18と、を備える。電極触媒層10は、Pt粒子16が担持されたCNT14を、電解質樹脂18で被覆して成る。本実施例において、電解質樹脂18としてナフィオン(登録商標)を用いている。本実施例において、電解質樹脂18/CNT14の重量比が3.0になるように、電極触媒層10が製造されている。
本実施例において、導電性担体としてCNT14を用いているため、被担持面の面積を広く確保して触媒(Pt粒子16)を高密度に担持させることが可能である。また、Pt粒子16が担持されたCNT14が電解質樹脂18で被覆されており、そのCNT14が電解質膜20に対して略垂直に配向されている(図2)。反応ガスは、複数のCNT14で形成される空隙を流通するため、三相界面付近に配置されている触媒(Pt粒子16)に反応ガスが良好に供給される。その結果、触媒の有効利用率を向上させることができる。
また、本実施例における導電性担体としてのCNT14は、上述のとおり、電解質膜20に対して略垂直に配向している。そのため、反応ガスの供給性だけでなく、電気化学反応によって生成された生成水の排出性も良好となる。本実施例では、後述するように、基板上に略垂直に配向された、垂直配向CNTを用いることにより、導電性担体としてのCNT14が電解質膜20に対して略垂直に配向するMEA30を製造している。
図3は、本実施例におけるMEAの製造に用いられる垂直配向CNTの構成を概念的に示す断面図である。図示するように、基板12上にCNT14が、略垂直に配向して形成されている。以下、基板12とCNT14とを合わせて、垂直配向CNT14vと称する。垂直配向CNT14vは、化学的気相成長(CVD)法によって、基板12上に形成される。本実施例において、基板12としては、シリコンを用いているが、シリコンに限定されず、ステンレス鋼、アルミニウム等、基板12上に略垂直にCNTを成長させるのに適した他の材料を用いてもよい。なお、垂直配向CNTは、アーク放電法、レーザー蒸着法、気相流動法によって生成された単体のCNTを、基板上に垂直に配向させることにより生成してもよい。
なお、本実施例において、触媒として白金粒子(Pt粒子16)を用いているが、その他、ロジウム、パラジウム、イリジウム、オスミニウム、ルテニウム、レニウム、金、銀、ニッケル、コバルト、リチウム、ランタン、ストロンチウム、イットリウム等の種々の金属のうち1種または2種以上を用いることができる。また、これらの2種類以上を組み合わせた合金も、用いることができる。また、電解質樹脂18として、電解質膜20と同じ高分子樹脂(ナフィオン(登録商標))を用いているが、電解質膜20と異なる高分子樹脂を用いてもよい。
A2.MEAの製造方法:
図4は、MEAの製造工程の流れを示すフローチャートである。ステップS102では、垂直配向CNT14vのCNT14の表面に、触媒としてのPt粒子16を担持させて、Pt担持垂直配向CNT14vpを製造する。
CNT14の表面へのPt粒子16の担持は、湿式法、乾式法等の周知の方法で行うことができる。湿式法による場合には、エタノール等のアルコール中に塩化白金酸や白金硝酸溶液等の白金薬液を適量溶解させた溶液(以下、「白金薬液の溶剤希釈液」ともいう)を、CNT14の表面に付与した後、水素雰囲気中で150℃以上に加熱処理する方法が好ましい。白金薬液の溶剤希釈液の付与は、例えば、白金薬液の溶剤希釈液中にCNT14を浸漬する、CNT14の表面に白金薬液の溶剤希釈液を滴下または、噴霧(スプレー)する等、種々の方法で行うことができる。また、乾式法による場合には、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、静電塗装法などを用いてもよい。
ステップS104では、ナフィオン溶液を調整して、ナフィオン調整溶液を生成する。本実施例では、ナフィオン溶液DE2020CSを、ナフィオンの濃度が6wt%になるように、エタノールで希釈する。このように、粘度の高いナフィオン溶液DE2020CSを、エタノールによって希釈することにより、ナフィオン調整溶液は粘度が低くなり、基板12上に略垂直に形成されたCNT間への浸透性が高くなる。
図5は、MEAの製造工程の一部を概念的に示す説明図である。図5(A)はステップS106、(B)はステップS108の後に基板12上に形成された電極触媒層10を示す。
ステップS106では、上記ステップS102において製造されたPt担持垂直配向CNT14vpに、ナフィオン調整溶液18qを滴下する(図5(A))。本実施例では、ステップS104において調整された、粘度の低いナフィオン調整溶液18qを用いているため、Pt粒子16が担持されたCNT14の表面に良好にナフィオン調整溶液18qを塗布することができる。なお、ステップS106では、ナフィオン調整溶液18qを滴下して、Pt担持CNTの表面にナフィオン調整溶液18qを塗布しているが、スプレー(噴霧)、浸漬等、他の方法によってナフィオン調整溶液18qを塗布してもよい。
ステップS108では、ナフィオン調整溶液が滴下されたPt担持垂直配向CNT14vpを、乾燥炉に入れ、80℃、真空にて、12時間乾燥させる。これにより、ナフィオン調整溶液中のエタノールが蒸発して、Pt粒子16が担持されたCNT14を電解質樹脂18(ナフィオン(登録商標))で被覆して成る電極触媒層10が、基板12上に形成される(図5(B))。なお、以下、電極触媒層10と基板12とを合わせて、電極触媒層基体10bと称する。なお、乾燥温度および乾燥時間は、上記に限定されないが、電解質樹脂18が劣化しない程度の温度(例えば、150℃未満)および乾燥時間が好ましい。
ステップS110では、電極触媒層基体10bの電極触媒層10を電解質膜20に接触させて、150℃、100kg/cm2にて10分間、熱圧縮する。これにより、電極触媒層基体10bが電解質膜20に接着される。
ステップS112では、電極触媒層基体10bが電解質膜20に接着された状態で、全体を、イオン交換水に1時間浸漬する。これにより、電極触媒層10中の電解質樹脂18と電解質膜20とが含水して膨張する(膨潤する)。なお、イオン交換水に代えて、アルコール水溶液、アルコール等を用いてもよい。また、イオン交換水に浸漬する代わりに、イオン交換水をスプレー、やスチームにより吹き付けてもよい。本実施例におけるイオン交換水浸漬処理が、請求項における離型処理に相当する。
ステップS114では、電解質膜20に接着された電極触媒層基体10bの全体を、イオン交換水から取り出した後、電解質膜20を引っ張って、電極触媒層10を、基板12から剥離する。これにより、電極触媒層10が電解質膜20に転写される。
なお、MEA30の製造工程において、電解質膜20に対して、片面ずつ、順に電極触媒層10を転写してもよいし(各面に対して、それぞれ、ステップS110〜114を行う)、電解質膜20の両面に、同時に電極触媒層10を転写してもよい。
また、本実施例において、ステップS102〜S108を実施することによって、電極触媒層10を製造しているが、予め、基板上に形成された電極触媒層を用いて、MEA30を製造してもよい。
A3.実施例の効果:
図6は、熱圧縮転写工程(ステップS110〜S114)を概念的に示す説明図である。本実施例のMEAの製造方法では、図示するように、熱圧縮により、電極触媒層基体10b全体を、電解質膜20に接着した(ステップS110)後、基板12を剥離する(ステップS114)前に、電極触媒層基体10bと電解質膜20を含む全体をイオン交換水に浸漬するイオン交換水浸漬処理(ステップS112)を行う。
イオン交換水浸漬処理(ステップS112)において、電解質膜20と電解質樹脂18は含水して膨張する。これに対して、基板12は、シリコン製であるため、イオン交換水に浸漬しても膨張しにくい。電解質樹脂18は、膨潤することによって、表面が歪むが、基板12は膨潤しないため、歪まない。そのため、電解質樹脂18と基板12との接着力が弱まり、ステップS114において、電極触媒層10を基板12から容易に剥離することができる。すなわち、電解質膜20と電極触媒層10の間よりも、電極触媒層10と基板12との間の方が、剥離しやすくなる。その結果、電極触媒層10を電解質膜20に熱転写する場合の転写不良を抑制することができる。
また、本実施例では、電極触媒層10を、熱圧縮により電解質膜20に接着した後に、イオン交換水浸漬処理(離型処理)を行うことによって、電極触媒層10中の電解質樹脂18と基板12との接着力を弱めている。したがって、物理的または化学的な方法により電極触媒層10と基板12と剥離を容易にすることが可能な剥離層を、予め、基板12上に設けなくても、容易に、電極触媒層10を基板12から剥離することができる。
例えば、垂直配向CNTは、化学的気相成長(CVD)法によって、基板12上に形成されることが多く、垂直配向CNTを基板12上に形成する前に、予め、上記したような剥離層を基板12上に設けるのが困難な場合がある。したがって、導電性担体として、垂直配向CNTを用いる場合には、本実施例のMEAの製造方法は、特に好適である。
B.変形例:
なお、この発明は上記の実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上記実施例において、離型処理として、イオン交換水浸漬処理を例示したが、電解質樹脂と基板との膨張率の相違を利用したその他の離型処理を行ってもよい。例えば、基板を加熱して膨張させてもよいし、電解質樹脂を乾燥させて収縮させてもよい。また、基板を収縮させてもよい。このように、電極触媒層中の電解質樹脂と基板との接着力が、電極触媒層中の電解質樹脂と電解質膜との接着力よりも小さくなるような離型処理を行うことによって、電極触媒層の転写不良を低減することができる。
(2)上記実施例において、導電性担体として垂直配向CNTを例示したが、導電性を有する種々の担体を用いることができる。例えば、垂直配向カーボンナノウォールを用いてもよい。また、カーボン以外の垂直ナノ材料、例えば、金属酸化物(TiN:窒化チタン,TiB:ホウ化チタン,Nb23:三酸化ニオブ,ZnO:酸化亜鉛)を用いてもよい。さらに、垂直配向の担体でなく、カーボンブラック、CNT、天然黒鉛粉末、人造黒鉛粉末、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)等の炭素材料を用いてもよい。このような導電性担体を用いる場合にも、上記した離型処理を施すことにより、電極触媒層の転写不良を低減することができる。なお、カーボンブラック等の垂直配向でない担体を用いる場合には、基板として、例えば、ポリテトラフルオロエチレンシート(テフロン(登録商標)シート)、ポリプロピレンシート、PETシート等を用いてもよい。
10…電極触媒層
10b…電極触媒層基体
12…基板
14…カーボンナノチューブ(CNT)
16…白金粒子(Pt粒子)
18…電解質樹脂
18q…ナフィオン調整溶液
20…電解質膜
410…アノード側ガス拡散層
430…カソード側ガス拡散層
500…アノード側セパレータ
600…カソード側セパレータ
100…燃料電池
14v…垂直配向CNT

Claims (4)

  1. 膜電極接合体の製造方法であって、
    基板上に形成された電極触媒層を、電解質膜に接触させて熱圧縮し、
    前記電極触媒層に含まれる電解質樹脂と前記基板との膨張率の相違を利用した、前記基板を前記電極触媒層から容易に剥離するための離型処理であって、前記電極触媒層と、前記電解質膜とを膨潤させる離型処理を行い、
    前記基板を前記電極触媒層から剥離する、膜電極接合体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の膜電極接合体の製造方法であって、
    前記電極触媒層に含まれる導電性担体は前記基板上に略垂直に形成された垂直配向材料である、膜電極接合体の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の膜電極接合体の製造方法であって、
    前記垂直配向材料は垂直配向カーボンナノチューブである、膜電極接合体の製造方法。
  4. 膜電極接合体を備える燃料電池の製造方法であって、
    基板上に形成された電極触媒層を、電解質膜に接触させて熱圧縮し、
    前記電極触媒層に含まれる電解質樹脂と前記基板との膨張率の相違を利用した、前記基板を前記電極触媒層から容易に剥離するための離型処理であって、前記電極触媒層と、前記電解質膜とを膨潤させる離型処理を行い、
    前記基板を前記電極触媒層から剥離することによって前記膜電極接合体を生成し、
    前記電極触媒層における電気化学反応に供される反応ガスの流路を形成する反応ガス流路形成部材を、前記膜電極接合体の両面に配置する、燃料電池の製造方法。
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