JP5352909B2 - サイアロンの合成方法及びサイアロン - Google Patents

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本発明は、サイアロンの合成方法及びサイアロンに関する。
サイアロン(SiAlON)は強度、耐摩耗性、絶縁性及び高温強度等に優れた材料の成分として用いられ、広い分野での応用が期待されている。
サイアロンはα、βの2つの結晶構造を有している。そのうちβ−サイアロンは、同じく耐熱材料である窒化ケイ素Si34 の一部をAlとOで置換した構造をとり、化学式はSi6-z Alz z 8-z で与えられる。zの値は0<z≦4.2の範囲であり、値が大きくなるにつれて機械強度が低下する傾向を示す。
β−サイアロンは例えば、数マイクロメートル粒径まで破砕され粉末にした後Y2 3 などの焼結助剤を混合して所定の形に成形し、1200℃以上の温度で焼結した焼結体製品として利用される。このβ−サイアロンを合成する方法として、燃焼合成法が知られている(例えば特許文献1)。
燃焼合成法とは一般に融点の高い金属間化合物が合成される場合に高い生成熱を放出することを利用して、原料粉末から発熱反応を秒単位の短時間で連鎖反応的に進行させ、目的化合物を合成する方法である。従って外部からのエネルギー供給が不要であり、製造装置などのコストを低減することができる等の特徴を有する。
特許文献1の燃焼合成方法によりβ−サイアロンの合成を行う場合、ケイ素、二酸化ケイ素及びアルミニウムを出発原料とし、アルミニウムを窒素雰囲気下で着火させる。着火により反応式(1)に示す反応が生じ、アルミニウムが燃焼し窒化する。この窒化の際に生じた反応熱により、反応式(2)に示す燃焼合成反応が生じ、β−サイアロンが合成される。
Figure 0005352909
Figure 0005352909
なお、特許文献1ではβ−サイアロン粉末にLi,Mg,Ca,Mn,Yやランタノイド金属からなるグループの少なくとも1つの元素Mを含む酸化物を燃結助剤として添加して焼結することで、α−サイアロン焼結体ができることが記載されている。従って後述する合成方法によりβ−サイアロンが合成される場合は、α−サイアロンを合成することも可能である。以下、「β−サイアロン」又は「β−サイアロン粉末」を単に「サイアロン」とする。
反応式(2)にて示される窒化の際に生じる反応熱は非常に大きく、反応系の温度が1800〜1900℃程度、即ち反応温度がケイ素の融点である1410℃以上に上昇するため、ケイ素が融着することがある。出発原料であるケイ素には反応を迅速かつ完全に行うべく数μm程度の粉末が用いられるところ、ケイ素の粉末同士が融着することにより質量あたりの表面積が小さくなる。また、窒素ガスを導入する管が融着したケイ素により塞がれる。これらの原因により出発原料の一部が未反応のまま合成反応が終了する事態が生じる。実際に測定を行った結果では、略34%のSiがサイアロンに転換されずに残留することが確認されている。
こうした事態に対処するための技術として、非特許文献1及び2には原料であるケイ素、二酸化ケイ素及びアルミニウムをサイアロンで希釈し、燃焼合成反応の伝搬速度を低下させて反応時の温度を低下させることによって、ケイ素の融着を防ぐ方法が記載されている。
また、特許文献2には、カオリナイトを原料として炭素熱還元・窒化によりサイアロンを製造する方法が開示されている。この方法では、カオリナイトを窒素雰囲気下で600℃から800℃程度で焼成して結晶水を除いたメタカオリン(Al2 3 ・2SiO2 )又はムライト(3Al2 3 ・2SiO2 )にし、還元剤としてのカーボンブラックと混合加熱することによりサイアロンを生成する。
特開2005−194154号公報 特開平8−253364号公報
カズヒコ.アオヤギ、ラマサミー.シバクマル、シューメイ.イ, トシユキ.ワタナベ、トモヒロ.アキヤマ(Kazuhiko. Aoyagi, Ramasamy. Sivakumar, Xuemei. Yi, Toshiyuki. Watanabe, and Tomohiro. Akiyama)著 日本 2009年 「ジャーナル オブ セラミック ソサエティー オブ ジャパン(J. Ceram. Soc. of Japan),117,777−779」 ムハマド.シャヒエン、ムハマド.ラドワン、ソウシュウ.キリハラ、ヨシナリ.ミヤモト,トシタカ.サクライ (Mohammed. Shahien, Mohamed. Radwan, Soshu. Kirihara, Yoshinari. Miyamoto, and Toshitaka. Sakurai)著 英国 2010年 「ジャーナル オブ ヨーロピアン セラミック ソサエティー(J. European Ceramics Society) 30, 1925−1930」
しかし、非特許文献1及び2の方法の場合、希釈剤であるサイアロンは反応式(2)に示された燃焼合成反応には直接用いられない。従って例えば原料の質量の合計が50%、希釈剤であるサイアロンを50%とした場合、燃焼合成反応が完全に行われたとしても新たに合成されるサイアロンは全体の50%にしかならない。このように希釈剤であるサイアロンを加えた場合、加えた分だけサイアロンが合成される効率が低下する。
また、サイアロンを合成する各工程でエネルギーが消費されるが、非特許文献1及び2の方法の場合、希釈剤としてサイアロンを用いるため、エネルギーの半分がサイアロンの生産に使用されることなく浪費されてしまうという問題があった。
他方、特許文献2に記載の方法では、カオリナイトを焼成する必要があり、かつ燃焼合成法に比べて反応に数時間を要するといった問題がある。また、還元剤としてカーボンを使用するため有毒な一酸化炭素ガスが放出され、人体に危険が生じうるという問題がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、サイアロンの合成における歩留まりを向上させ、エネルギーを効率良く合成に用いることができるサイアロンの合成方法、及びこの合成方法により合成された高純度のサイアロンを提供することを目的とする。
本発明に係るサイアロンの合成方法は、窒素雰囲気下で、ケイ素及びアルミニウムを原料としてサイアロンを燃焼合成反応により合成する方法において、含水アルミナケイ酸塩を原料としてさらに含み、前記燃焼合成反応を行うことを特徴とする。
本発明によれば、含水アルミナケイ酸塩の脱水反応が吸熱反応であるため反応系の温度が低下し、ケイ素の融点以下であり、かつ発熱反応には支障のない温度にすることができるので、ケイ素融解反応を遅延させつつ燃焼合成法によるサイアロンの合成を効率良く行うことができる。
本発明に係るサイアロンの合成方法は、前記含水アルミナケイ酸塩はカオリナイトであることを特徴とする。
本発明によれば、含水アルミナケイ酸塩の一つとして特にカオリナイトを挙げる。カオリナイトは調達が容易なカオリンの主成分であるため、サイアロンを安価に合成することができる。
本発明に係るサイアロンの合成方法は、窒素雰囲気下で、ケイ素及びアルミニウムを原料としてサイアロンを燃焼合成反応により合成する方法において、含水カオリナイトを含むカオリンを原料としてさらに用い、前記燃焼合成反応を行うことを特徴とする。
本発明によれば、カオリンが主成分として含水アルミナケイ酸塩の一つであるカオリナイトを含み、脱水反応が吸熱反応であるため反応系の温度が低下し、ケイ素融解反応を遅延させつつ燃焼合成法によるサイアロンの合成を効率良く行うことができる。
本発明に係るサイアロンは、窒素雰囲気下で燃焼合成反応によりケイ素及びアルミニウムから得られるサイアロンにおいて、含水アルミナケイ酸塩を原料としてさらに含んで得られることを特徴とする。
本発明によれば、高純度のサイアロンが得られる。
本発明に係るサイアロンの合成方法によれば、燃焼合成法によるサイアロンの合成における歩留まりを向上させ、エネルギーを効率良く合成に用いることができる。また製造工程を減らすことができるので合成を容易に行うことができる。加えて、本発明に係るサイアロンによれば、高純度のサイアロンが得られる。
カオリンの成分を示す表である。 燃焼合成反応を行う装置を示す模式図である。 本発明に係るサイアロンの製造方法を示すフローチャートである。 XRD法によって得られる回折パターンを示すグラフである。 XRD法によって得られる回折パターンを示すグラフである。 格子定数の理論値と実験値とを比較したグラフ及び表である。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。本発明のサイアロンは、ケイ素、アルミニウム及び含水アルミナケイ酸塩を出発原料とする。含水アルミナケイ酸塩は、アルミニウム、ケイ素、水素、酸素を主成分として含む鉱物であればよく、具体的にはカオリナイトの他にカオリナイトと同主成分であり結晶構造が異なるナクライト(nacrite)、ディッカイト(dickite)、モントモリロナイト(montmorillonite)、イライト(illite)、クロライト(chlorite)、アタプルガイト(attapulgite)又はアノキサイト(anauxite)等が挙げられる。このうち磁器やクレー、封止剤等に応用されるカオリナイトは世界中で産出され安価であるため、調達が容易である点で好ましい。
以下ではケイ素、アルミニウム粉及びカオリンを出発原料とする手法について例示する。図1はカオリンの成分を示す表である。カオリンは粘土鉱物の一種であり、主成分はカオリナイト(Al2 3 ・2SiO2 ・2H2 O)であるが、K2 O、TiO 等の物質もわずかに含むことがある。
本発明に係るサイアロンは燃料合成反応を用いて合成される。図2は燃焼合成反応を行う装置を示す模式図である。有底円筒状をなすステンレス鋼製の反応器2は、内側面から10mm程度内側に側壁2bを備える内容器2cを設け、また、反応器2の内側面と側壁2bとの間には後述する冷却水が流入する幅10mm程度の通流部2dが形成されている。反応器2の上部に設けられ開閉可能な蓋2aを閉じることにより、内容器2cは密封される。
内容器2cの内底面上には黒鉛るつぼ3が設けられている。黒鉛るつぼ3は外径略55mm、内径40mm、高さ略110mm、内側の原料投入部3aは深さ略80mmである。また、黒鉛るつぼ3の底には直径略40mm程度、深さ略10mm程度の凹部3bが形成されている。
反応器2の外部に設けられた真空ポンプ4は、内容器2cの内部と排気管5で連結されており、排気管5の中途部には空気開閉弁6が設けられている。空気開閉弁6を開けた状態で真空ポンプ4を作動させることにより、内容器2cの内部を高真空にすることができる。
また、反応器2の外部に設けられた窒素ボンベ7は、内容器2cの内部と窒素導入管8で連結され、窒素導入管8の中途部には窒素開閉弁9が設けられている。窒素開閉弁9を開けた状態で窒素ボンベ7から窒素を流入させることにより、内容器2cの内部が窒素雰囲気になる。なお、内容器2cの内部の側壁には窒素開閉弁9と接続された圧力計10が設置されており、窒素開閉弁9に接続された図示しない制御装置が内容器2cの内部の圧力を一定に維持するよう、窒素開閉弁9の制御を行う。
内容器2cの内底面には棒状の電極13、13が鉛直方向に延びるように設けられている。これら2本の電極13、13の上端部は黒鉛るつぼ3の上側に配置されたカーボン箔12により接続されている。同じく電極13、13の下端部は反応器2の外部に設けられた外部電源14によって電圧が印加され、発熱する。
出発原料1を原料投入部3aに投入した後、アルミニウム粉11を出発原料1の表面に添加し、かつアルミニウム粉11がカーボン箔12と接触した状態で外部電源14により電圧を印加することで、アルミニウム粉11が着火し、出発原料1を発熱させることができる。
反応器2の外部に設けられた流水ポンプ15は通流部2dと流水管16で連結されており、流水管16の中途部には流水開閉弁17が設けられている。流水開閉弁17が開けられて流水ポンプ15から冷却水が通流部2dに流入することにより、側壁を介して内容器2cが冷却される。なお、内容器2cの内側面には、温度計18、18、18が距離を隔てて3個設けられている。
続いて、本発明に係るサイアロンの合成方法について説明する。図3は本発明に係るサイアロンの合成方法を示すフローチャートである。まず、出発原料1であるケイ素、アルミニウム及びカオリンが酸化ジルコニウム製の球を内蔵した遊星ボールミルに投入され、十数分粉砕されることにより混合される(ステップS1)。混合された出発原料1は原料投入部3aに投入され(ステップS2)、表面上部にアルミニウム粉11が添加される。この際、アルミニウム粉11はカーボン箔12とも接触するように出発原料1に添加される。
原料投入部3aに出発原料1が投入された後、蓋2aが閉じられ、内容器2cが密封される(ステップS3)。密封された後は空気開閉弁6が開けられ、真空ポンプ4が作動することにより、内容器2cの内部が高真空になる(ステップS4)。
高真空になった後には、窒素開閉弁9が開けられて反応器2の外部の窒素ボンベ7から窒素が内容器2cの内部に流入することにより、内容器2cの内部が窒素雰囲気になる(ステップS5)。なお、内容器2c内の圧力は1MPa程度に維持される。
内容器2cの内部が窒素雰囲気になった後、外部電源14によって電圧が印加されてカーボン箔12が発熱し、アルミニウム粉11が着火されて出発原料1が燃焼される(ステップS6)。通電時間は約10秒である。燃焼により上述の反応式(1)の窒化反応が生じる。
反応式(1)の窒化反応で生じた反応熱により反応式(3)に示す燃焼合成反応が生じ、サイアロンが生成される。
Figure 0005352909
燃焼合成反応により反応系の温度は上昇するが、カオリンの脱水反応が吸熱反応であるために反応系の温度が低下し、ケイ素融解反応を遅延させつつも燃焼合成反応の継続には支障のない温度にすることができる。
燃焼反応が終了すると流水開閉弁17が開けられて通流部2dに冷却水が流入し、壁を介して内容器2cが冷却される(ステップS7)。
内容器2cが冷却された後、合成されたサイアロンが原料投入部3aから取り出される(ステップS8)。燃焼反応後のサイアロンは塊状になっているので、用途に応じてボールミルで粉砕される(ステップS9)。
カオリンは精製の方式が異なる湿式と乾式とがあるが、いずれでもよい。
本発明に係るサイアロンの合成方法によれば、カオリンの脱水反応が吸熱反応であるために反応系の温度が低下するので、ケイ素の融解を遅延させつつ、反応を継続させることができる。従って、燃焼合成法によるサイアロンの合成における歩留まりを向上させ、エネルギーを効率良く合成に用いることができ、純度の高いサイアロンを合成することができる。
また、カオリンを用いて合成した本発明に係るサイアロンは、カオリンを容易に調達することができるので、サイアロンを安価に合成することができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
反応式(3)がz=1における燃焼合成反応を行うべく、出発原料としてケイ素10.52g、アルミニウム1.54g及びカオリン2.94g、即ちケイ素、アルミニウム及びカオリンのモル比が33:5:1となるように秤量し混合して15分間粉砕した。カオリンはカオリンホールディングス製の粉体を用いている。
次いで原料を黒鉛るつぼに入れ、窒素雰囲気下に置いた。これに微量のアルミニウム粉を発火剤として加え、カーボン箔を経由して35V、60Aの電流を10秒間印加して燃焼合成を実施し、冷却後に生成物を粉砕した。合成反応時間は原料の量等に依存するが、本実施例では数分で終了する。
[実施例2]
上記反応式(3)におけるz=2、即ち、ケイ素、アルミニウム及びカオリンのモル比が12:5:1になるように混合したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2のサイアロンを合成した。
[実施例3]
上記反応式(3)におけるz=3、即ち、ケイ素、アルミニウム及びカオリンをモル比が5:5:1になるように混合したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2のサイアロンを合成した。
[実施例4]
上記反応式(3)におけるz=4、即ち、ケイ素、アルミニウム及びカオリンをモル比が3:10:2になるように混合したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4のサイアロンを合成した。
[比較例1]
800℃、8時間の脱水を行い、結晶水を含まなくなったカオリンを用いたこと以外は、実施例1と同様に合成を行った。
上述の実施例1から4、及び比較例1につき、生成物の同定を行った。その結果を以下に示す。即ち前述した燃焼反応が終了した後に適切にサイアロンが合成されたか否かについて検査を行い、確認を行った。
図4及び図5はXRD(X-ray diffraction)法によって得られる回折パターンを示すグラフである。横軸は回折角の角度2θ°であり、縦軸は強度を示す任意の単位である。
図4Aは本発明の実施例1に従い燃焼合成反応を行った結果得られた物質の回折パターンを示すグラフであり、図4Bは比較例1として脱水後のカオリンを用いて燃焼合成反応を行った結果得られた物質の回折パターンを示すグラフである。また、図5は実施例1から4にて合成された物質の回折パターンを示すグラフである。
図4Aと図4Bとを比較すると、図4Aでは見られないケイ素のピークが図4Bに存在している。従って脱水前のカオリンを用いた場合は、結晶水を含まない脱水後のカオリンを用いた場合よりケイ素が燃焼合成反応に用いられる割合が高いことが示された。
また、図6は格子定数の理論値と実験値とを比較したグラフ及び表である。図6Aの横軸はzの値、縦軸はa軸の格子定数を示すグラフである。図6Bはa軸及びc軸の格子定数の理論値と実験値とを、zの値毎に比較した表である。また、最終的に得られた物質の格子定数は、実施例1から3の場合にはサイアロンの理論値と概ね一致しているので、適切にサイアロンが合成されたことが示された。
実施例1及び2の場合、図5A及び図5Bにおける実施例1及び2の回折パターンでは、サイアロンのピークが見られる。サイアロンが高い効率で合成されたと考えられる。図6に示されている実施例1及び2における格子定数の理論値と実験値との比較した結果を参照しても、実施例1及び2のサイアロンが非常に高い純度で生成されたことが確認された。
実施例3の場合、図6に示されている格子定数の理論値と実験値とがほぼ一致しており、実施例3のサイアロンが非常に高い純度で合成されたと考えられる。なお、実施例3について示されている図5CではSi及びSi3 Al6122 のピークが認められる。Si3 Al6122 は、脱水されたカオリンを用いた炭素還元・窒化法では、サイアロンを製造する際の副生成物であり、本実施例でも一部合成されたと考えられる。
実施例4の場合、図6では理論値と実験値とがほぼ一致しており、実施例4のサイアロンが非常に高い純度で合成されたと考えられる。実施例4について示されている図5DではSi及びAl23 のピークが認められる。Al23 は、脱水されたカオリンを用いた炭素還元・窒化法では、サイアロンを製造する際の副生成物であり、本実施例でも一部合成されたと考えられる。
以上より、本発明における製造方法によれば、純度の高いサイアロンが合成されたことが確認された。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、前述した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 出発原料
2 反応器
2a 蓋
2b 側壁
2c 内容器
2d 通流部
3 黒鉛るつぼ
3a 原料投入部
3b 凹部
4 真空ポンプ
5 排気管
6 空気開閉弁
7 窒素ボンベ
8 窒素導入管
9 窒素開閉弁
10 圧力計
11 アルミニウム粉
12 カーボン箔
13 電極
14 外部電源
15 流水ポンプ
16 流水管
17 流水開閉弁
18 温度計

Claims (4)

  1. 窒素雰囲気下で、ケイ素及びアルミニウムを原料としてサイアロンを燃焼合成反応により合成する方法において、
    含水アルミナケイ酸塩を原料としてさらに含み、前記燃焼合成反応を行う
    ことを特徴とするサイアロンの合成方法。
  2. 前記含水アルミナケイ酸塩はカオリナイトである
    ことを特徴とする請求項1に記載のサイアロンの合成方法。
  3. 窒素雰囲気下で、ケイ素及びアルミニウムを原料としてサイアロンを燃焼合成反応により合成する方法において、
    含水カオリナイトを含むカオリンを原料としてさらに用い、前記燃焼合成反応を行う
    ことを特徴とするサイアロンの合成方法。
  4. 窒素雰囲気下で燃焼合成反応によりケイ素及びアルミニウムから得られるサイアロンにおいて、
    含水アルミナケイ酸塩を原料としてさらに含んで得られる
    ことを特徴とするサイアロン。
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