JP5352215B2 - シールド電線のシールド処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シールド処理用治具を用いたシールド電線のシールド処理方法に関する。
図7及び図8を参照しながら、シールド処理用治具を用いたシールド電線のシールド処理方法について説明する。従来のシールド処理方法は、例えば下記特許文献1等に開示されている。
引用符号1はシールド電線、2はアース線、3は樹脂チップ、4は超音波溶着機、5はアンビル、6は超音波溶着ホーン、7は樹脂チップ設置用開口部8を有するシールド処理用治具をそれぞれ示している。
先ず、図7に示す如く超音波溶着ホーン6の下面に形成された凹部、及びアンビル5の上面に形成された凹部に、上下一対の樹脂チップ3、3をそれぞれセットする。また、シールド処理用治具7の一対の電線挿入溝9、9にシールド電線1を挿入する。
次に、シールド処理用治具7のアース線挿入溝10にアース線2を挿入し、アース線2の先端が基準凹部11に当接する位置まで挿入する。これにより、アース線2は、シールド電線1の上面にほぼ接触し、且つ、シールド電線1に交差した状態で配置される。
次に、アース線2の先端が樹脂チップ3、3より突出しない程度にアース線2を所定寸法だけ引き戻すとともに、アンビル5を上方に、超音波溶着ホーン6を下方にそれぞれ移動させ、上下一対の樹脂チップ3、3を互いの接合面3a、3aで突き合わせる。すると、上下の樹脂チップ3、3がシールド電線1及びアース線2の重なり合う部分を挟み込み、シールド電線1がシールド電線用円弧溝3b、3bに、アース線2がアース線用円弧溝3c、3cにそれぞれ嵌り込む。
次に、超音波溶着ホーン6とアンビル5との間に圧縮力を作用させつつ超音波振動を加えると、シールド電線1の絶縁外皮1dとアース線2の絶縁外皮2bとが振動エネルギーによる発熱によって溶融飛散され、アース線2の芯線2aとシールド電線1の編組線1cとが接触状態となる。また、一対の樹脂チップ3、3の接合面3a、3aの各接触部分や、一対の樹脂チップ3、3の各円弧溝3b、3bの内周面とシールド電線1の絶縁外皮1dとの接触部分や、アース線2の絶縁外皮2bと一対の樹脂チップ3、3との接触部分が振動エネルギーによる発熱によって溶融し、この溶融部分が超音波加振終了後に固化する。これにより、一対の樹脂チップ3、3、シールド電線1、及びアース線2がそれぞれ互いに固定された状態になる(図8参照)。
以上により、シールド処理用治具7を用いたシールド電線1の一連のシールド処理が完了する。
特開2005−28431号公報
超音波溶着機4に関し、アンビル5は耐摩耗性材料を使用して形成することができる。しかしながら、超音波溶着ホーン6は振動源となるため、特殊材料を使用して形成する必要があり、このため超音波溶着ホーン6の下面に形成された凹部に上の樹脂チップ3をセットして超音波加振を行い続けると、凹部と上の樹脂チップ3との間の衝突が繰り返されることにより、次第に上記凹部の壁が摩耗してしまうという虞がある。超音波溶着ホーン6側に摩耗が生じると、これにセットされる上の樹脂チップ3にガタ付きが起こることから、摩耗が進行してガタ付きが大きくなると、上の樹脂チップ3が下の樹脂チップ3に対してずれた状態で溶着(図6(e)、(f)参照。実施の形態の欄で説明する)されてしまうことになり、最悪の場合、シールド電線1においては絶縁内皮1b等に変形が生じ、シールド電線1の編組線1cと芯線1aとのショートが発生してしまう虞がある。
尚、上の樹脂チップ3にガタ付きが生じないようにするために(上の樹脂チップ3がずれた状態で溶着されてしまうのを回避するために)、超音波溶着ホーン6の交換頻度を多くすると、交換部品費用が増大してしまうことは言うまでもない。
超音波溶着ホーン6の摩耗は、上の樹脂チップ3をセットするために上記凹部を有することが原因になると考えられるが、上記凹部は上の樹脂チップ3の位置決めとしての機能を有することから、上記問題点の対策は位置決め方法を含めて考える必要がある。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、ずれた状態での溶着を防止することが可能な、また、超音波溶着ホーンの交換頻度を少なくすることが可能な、シールド電線のシールド処理方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の本発明のシールド電線のシールド処理方法は、下の樹脂チップにセットしたシールド電線に対し交差するようにアース線を重ねる第一工程と、これら重ねた部分を覆うように上の樹脂チップをセットして前記重ねた部分を前記上下の樹脂チップで挟み込む第二工程と、超音波溶着ホーン及びアンビルにて前記上下の樹脂チップを加圧しつつ超音波加振をする第三工程とを経て、前記シールド電線のシールド処理を行うシールド処理方法であって、所定の間隔で対向し合う位置決め面を有する4つの位置決めブロックからなり、前記各位置決めブロックの上端が前記アンビルの上方かつ前記下の樹脂チップの上端より下方に位置する前記4つの位置決めブロックの第1の位置を有し、該第1の位置で前記位置決め面によって前記下の樹脂チップを支持し、前記第1の位置から前記4つの位置決めブロックを上方へ移動した前記4つの位置決めブロック(21)の第2の位置を有し、該第2の位置で前記位置決め面によって前記上の樹脂チップを支持すること、を含むシールド処理用治具を用い、且つ、前記第一工程は、前記位置決めブロックを前記第一の位置に配置して前記下の樹脂チップを位置決めしつつ該下の樹脂チップを前記アンビルにセットする工程と、前記位置決めブロックを上方に移動させて該位置決めブロックを前記第二の位置に配置する工程とを含み、且つ、前記第二工程は、前記第二の位置にある前記位置決めブロックにて前記上の樹脂チップを位置決めしつつ該上の樹脂チップを前記重ねた部分にセットする工程を含むことを特徴としている。
このような特徴を有する本発明によれば、位置決めブロックを用いて樹脂チップの位置決めを行い、この位置決め状態にて超音波加振をする方法になる。このような方法を採用することにより、耐摩耗性材料を使用することができず特殊材料を使用して形成される超音波溶着ホーンは、上の樹脂チップに対する位置決めをする必要がなく、仮に超音波溶着ホーンに摩耗が生じたとしても、上の樹脂チップはずれることがない。ずれは位置決めブロックによって抑制される。超音波溶着ホーンは、摩耗し難い形状にすることが可能になる。
請求項2記載の本発明のシールド電線のシールド処理方法は、請求項1に記載のシールド電線のシールド処理方法において、前記第三工程は、前記超音波加振をした後、対向し合う前記位置決め面の間隔が広がるように前記位置決めブロックを左右方向及び/又は前後方向に開き、該位置決めブロックを第三の位置に移動させる工程を含むことを特徴としている。
このような特徴を有する本発明によれば、超音波加振終了後に位置決めブロックが開いて第三の位置に移動する。これにより、位置決めをする状態ではなくなり、製品の取り出しが容易になる。
請求項3記載の本発明のシールド電線のシールド処理方法は、請求項1又は請求項2に記載のシールド電線のシールド処理方法において、前記位置決めブロックは、耐摩耗性材料にて形成したものを用いることを特徴としている。
このような特徴を有する本発明によれば、超音波加振により位置決めブロックと樹脂チップとの間で衝突が繰り返されても、位置決めブロックは摩耗に強い材料で形成されることから、摩耗が生じることはない。従って、樹脂チップがずれた状態での溶着は発生することがない。
尚、本発明のシールド電線のシールド処理方法に関する他の特徴としては、以下の(1)を挙げることができる。また、本発明のシールド電線のシールド処理方法に用いるシールド処理用治具に関する特徴としては、以下の(2)〜(4)を挙げることができる。
(1)上記請求項1に記載のシールド電線のシールド処理方法において、
前記第三工程では、前記超音波溶着ホーンの当てる位置を前記上の樹脂チップの平坦な上面として前記超音波加振をする
ことを特徴とするシールド電線のシールド処理方法。
(2)下の樹脂チップにセットしたシールド電線に対し交差するようにアース線を重ねる第一工程と、これら重ねた部分を覆うように上の樹脂チップをセットして前記重ねた部分を前記上下の樹脂チップで挟み込む第二工程と、超音波溶着ホーン及びアンビルにて前記上下の樹脂チップを加圧しつつ超音波加振をする第三工程とを経て、前記シールド電線のシールド処理を行うシールド処理方法に用いるシールド処理用治具であって、
所定の間隔で対向し合う位置決め面を有する位置決めブロックと、移動制御部の制御に基づいて前記位置決めブロックを移動させるブロック移動機構とを含み、
前記移動制御部は、前記第一工程において前記下の樹脂チップの位置決めを可能とする第一の位置に前記位置決めブロックを配置する制御をするとともに、前記上の樹脂チップのセットの際には該上の樹脂チップの位置決めを可能とする第二の位置に前記位置決めブロックを上方移動させる制御をする
ことを特徴とするシールド処理用治具。
(3)上記(2)に記載のシールド処理用治具において、
前記移動制御部は、前記第三工程において対向し合う前記位置決め面の間隔を広げるように前記位置決めブロックを左右方向及び/又は前後方向に開いて該位置決めブロックを第三の位置に移動させる制御をする
ことを特徴とするシールド処理用治具。
(4)上記(2)又は(3)に記載のシールド処理用治具において、
耐摩耗性材料を使用して前記位置決めブロックを形成する
ことを特徴とするシールド処理用治具。
上記(2)〜(4)によれば、シールド電線のシールド処理方法に用いることにより、ずれた状態での溶着を防止することが可能になり、また、超音波溶着ホーンの交換頻度を少なくすることが可能になる。
請求項1に記載された本発明によれば、ずれた状態での溶着を防止することが可能な、また、超音波溶着ホーンの交換頻度を少なくすることが可能な、シールド電線のシールド処理方法を提供することができるという効果を奏する。
請求項2に記載された本発明によれば、超音波加振終了後の製品の取り出しを容易にすることができるという効果を奏する。
請求項3に記載された本発明によれば、摩耗し難い位置決めブロックにすることができる。従って、位置決めブロックに起因した、樹脂チップのずれた状態での溶着を防止することができるという効果を奏する。
以下、図面を参照しながら説明する。図1は本発明のシールド電線のシールド処理方法の一実施の形態を示す概略図であり、図1(a)及び(b)は位置決めブロックが第一の位置にあり、下の樹脂チップをセットした状態を示す側面方向及び正面方向の断面図、図1(c)及び(d)は位置決めブロックが上方に移動して第二の位置にある状態を示す側面方向及び正面方向の断面図である。
また、図2(a)及び(b)は位置決めブロックが第二の位置にあり、下の樹脂チップにシールド電線をセットした状態を示す側面方向及び正面方向の断面図、図2(c)及び(d)は位置決めブロックが第二の位置にあり、シールド電線にアース線を重ねた状態を示す側面方向及び正面方向の断面図である。
さらに、図3(a)及び(b)は位置決めブロックが第二の位置にあり、上の樹脂チップをセットしている途中の状態を示す側面方向及び正面方向の断面図、図3(c)及び(d)は位置決めブロックが第二の位置にあり、超音波溶着ホーンを上の樹脂チップの当てて超音波加振をしている状態を示す側面方向及び正面方向の断面図である。
さらにまた、図4(a)及び(b)は位置決めブロックが第三の位置にあり、製品を取り出す直前の状態を示す側面方向及び正面方向の断面図である。
以下で説明する本発明のシールド電線のシールド処理方法に関し、説明は主要な部分のみを参照しながらするものとする。
ここでの説明において、側面方向の断面図とはアース線の軸方向に沿って断面線を設定した場合の断面図であり、正面方向の断面図とはシールド電線の軸方向に沿って断面線を設定した場合の断面図であるものとする。また、上下方向とは図面を見て紙面上下の方向に相当するものとする(前後方向、左右方向は上下方向に直交する方向)。
図1(a)及び(b)において、引用符号21は位置決めブロックを示している。また、引用符号22は位置決めブロック21を所定の方向に移動させるブロック移動機構を示している。これら位置決めブロック21及びブロック移動機構22は、本発明のシールド電線のシールド処理方法において用いられるシールド処理用治具23を構成するものとなっている。
位置決めブロック21は、特に限定するものでないが、本形態において、第一位置決めブロック21a〜第四位置決めブロック21dの四つの壁で構成されている。第一位置決めブロック21a及び第二位置決めブロック21bには、所定の溝深さとなるアース線挿入溝21eがそれぞれ形成されている。一方、第三位置決めブロック21c及び第四位置決めブロック21dには、所定の溝深さとなる電線挿入溝21fがそれぞれ形成されている。第一位置決めブロック21a〜第四位置決めブロック21dの各上端内側には、樹脂チップ案内用のテーパ面21gがそれぞれ形成されている。第一位置決めブロック21a〜第四位置決めブロック21dの各内面は、樹脂チップ位置決め用の位置決め面21hとして形成されている。各位置決め面21hは、所定の間隔で対向し合うようになっている。位置決めブロック21は、耐摩耗性材料(例えばハイス鋼が挙げられる。尚、ステンレスやアルミニウムは摩耗し易い)にて形成されている。
ブロック移動機構22は、位置決めブロック21を少なくとも第一の位置〜第三の位置(後述する)に移動させるための移動機構であって、位置決めブロック21を案内するレール等、モータ或いはシリンダ、及び、位置制御をするための移動制御部(マイコン等)を含んで構成されている。
引用符号24は超音波溶着機を構成するアンビルを示している。また、引用符号25(図3及び図4参照)は超音波溶着ホーンを示している。アンビル24は、第一位置決めブロック21a〜第四位置決めブロック21dによって囲まれるように、これらの内側に配置されている。超音波溶着ホーン25は、この先端(下面)が平形状に形成されている(従来例のような凹部は存在しない)。
引用符号26は下の樹脂チップを示し、引用符号27(図3及び図4参照)は上の樹脂チップを示している。上下の樹脂チップ27、26は、基本的に図7に示す一対の樹脂チップ3、3と同じであるものとする。また、引用符号28(図2ないし図4参照)はシールド電線を示し、引用符号29(図2ないし図4参照)はアース線を示している。シールド電線28は、特に符号を付さないが、芯線と絶縁内皮と編組線と絶縁外皮とを備えて構成されている。アース線29は、芯線と絶縁外皮とを備えて構成されている。シールド電線28及びアース線29は、公知のものが用いられている。尚、シールド電線28は、編組線の内側に、例えば、一本の芯線とこれを被覆する絶縁内皮、又は、二本の芯線とこれらをそれぞれ被覆する絶縁内皮、となる構成のものが知られているが、いずれであっても良いものとする。本形態においては、前者の構成で説明するものとする。
本発明のシールド電線のシールド処理方法は、概略説明すると、下の樹脂チップ26にセットしたシールド電線28(図2参照)に対し交差するようにアース線29(図2参照)を重ねる第一工程と、これら重ねた部分を覆うように上の樹脂チップ27(図3参照)をセットして上記重ねた部分を上下の樹脂チップ27、26で挟み込む第二工程と、超音波溶着ホーン25及びアンビル24(図3参照)にて上下の樹脂チップ27、26を加圧しつつ超音波加振をする第三工程とを経るような処理方法になっている。以下、もう少し詳しく説明する。
第一工程において、図1(a)及び(b)は、位置決めブロック21が第一の位置に配置されている状態を示している。位置決めブロック21は、第一の位置にある時、この上下方向の長さが短い状態になっている。短い状態とは、位置決めブロック21の樹脂チップ案内用のテーパ面21gがアンビル24の上端位置よりも少しだけ上方にある状態を指している。
先ず、下の樹脂チップ26のセットを行う。下の樹脂チップ26は、位置決めブロック21の位置決め面21hに位置決めされながらアンビル24の上にセットされる。下の樹脂チップ26は、アンビル24に対してガタ付きなくセットされる。下の樹脂チップ26のセットが完了したら、次に、図1(c)及び(d)に示す如く、位置決めブロック21を上方に移動させて、位置決めブロック21を第二の位置に配置する。位置決めブロック21は上方へ移動することにより、一対の電線挿入溝21f及びアース線挿入溝21eの位置が下の樹脂チップ26の一対のシールド電線用円弧溝26a及びアース線用円弧溝26bの位置に合うようになる。
位置決めブロック21が第二の位置にある状態において、次に、図2(a)及び(b)に示す如く、一対の電線挿入溝21f及びシールド電線用円弧溝26aにシールド電線28を挿入する。シールド電線28の挿入が完了したら、次に、図2(c)及び(d)に示す如く、アース線挿入溝21eにアース線29を挿入する。これにより、アース線29は、シールド電線28の上面に接触し、且つ、シールド電線28に交差した状態になる。シールド電線28とアース線29とが交差することにより、これらを重ねた部分30が形成される。
第二工程において、図3(a)及び(b)に示す如く、重ねた部分30を覆うように上の樹脂チップ27をセットする。上の樹脂チップ27は、位置決めブロック21の位置決め面21hに位置決めされながら重ねた部分30の上にセットされる。上の樹脂チップ27は、位置決め面21hに支持されるような状態になり、ガタ付きなくセットされる。
第三工程において、図3(c)及び(d)に示す如く、位置決めブロック21に超音波溶着ホーン25を差し込むような状態から、超音波溶着ホーン25及びアンビル24にて上下の樹脂チップ27、26を加圧しつつ超音波加振をする。この時、各種の接触部分が振動エネルギーによる発熱によって溶融し、超音波加振終了後には溶融部分が固化する。上下の樹脂チップ27、26、シールド電線28、及びアース線29は、それぞれ互いに固定された状態になる。超音波加振終了後、超音波溶着ホーン25は図4(a)及び(b)に示す如く、元の位置に戻るように上方に移動する。
上記のようにそれぞれ互いに固定された状態になると、次に、図4(a)及び(b)に示す如く、位置決めブロック21(第一位置決めブロック21a〜第四位置決めブロック21d)を、対向し合う位置決め面21hの間隔が広がるように位置決めブロック21を左右方向及び前後方向に開いて位置決めブロック21を第三の位置に移動させる。これにより、超音波加振終了後の製品を容易に取り出すことができ(位置決めブロック21は上下の樹脂チップ27、26の位置決めをする機能を有することから、第三の位置に移動させないと、製品の取り出しがし難い)、一連のシールド処理が完了する。
以上の説明から分かるように、位置決めブロック21を用い、且つ、上記の方法でシールド電線28のシールド処理をすれば、ずれ溶着の発生が起こることはない。尚、本発明でずれ溶着の発生がないことは、次の比較例の説明で明確になる。
図5は比較例の概略図であり、図5(a)及び(b)は下の樹脂チップをセットした状態を示す側面方向及び正面方向の断面図、図5(c)及び(d)は下の樹脂チップにシールド電線をセットした状態を示す側面方向及び正面方向の断面図、図5(e)及び(f)はシールド電線にアース線を重ねた状態を示す側面方向及び正面方向の断面図である。
また、図6は比較例の概略図であり、図6(a)及び(b)は超音波溶着ホーンに上の樹脂チップをセットした状態を示す側面方向及び正面方向の断面図、図6(c)及び(d)は超音波加振をしている状態を示す側面方向及び正面方向の断面図、図6(e)及び(f)は上の樹脂チップがずれた状態での溶着を示す側面方向及び正面方向の断面図である。
図5(a)及び(b)において、引用符号5はアンビルを示している。また、引用符号7は樹脂チップ設置用開口部8を有するシールド処理用治具を示している。すなわちここでの説明は、従来例(図7参照)のものを用いて、上下の樹脂チップ27、26、シールド電線28、及びアース線29を固定する方法であり、本発明と比較することができるようにすることを目的とする。
比較例でのシールド処理方法を順に説明すると、先ず、樹脂チップ設置用開口部8を介して下の樹脂チップ26をアンビル5の凹部に嵌め込むようにセットする。これにより、下の樹脂チップ26は位置決めされる。次に、図5(c)及び(d)に示す如く、シールド電線28を下の樹脂チップ26にセットする。次に、図5(e)及び(f)に示す如く、アース線29をシールド電線28に対し交差した状態、すなわち重ねた状態にセットする。
次に、図6(a)及び(b)に示す如く、超音波溶着ホーン6の下面に形成された凹部に嵌め込むように上の樹脂チップ27をセットする。これにより、上の樹脂チップ27は位置決めされる。次に、図6(c)及び(d)に示す如く、超音波溶着ホーン6を下降させ、超音波溶着ホーン6及びアンビル5にて上下の樹脂チップ27、26を加圧しつつ超音波加振をする。これにより、各種の接触部分が振動エネルギーによる発熱によって溶融し、超音波加振終了後には溶融部分が固化する。上下の樹脂チップ27、26、シールド電線28、及びアース線29は、それぞれ互いに固定された状態になる。
ところで、超音波溶着ホーン6の凹部に上の樹脂チップ27をセットして超音波加振を行い続けると、凹部と上の樹脂チップ27との間の衝突が繰り返されて次第に上記凹部の壁が摩耗し、図6(e)及び(f)に示す如く隙間Sが生じてしまう。隙間Sが生じると、これにセットされる上の樹脂チップ27は、次第にガタ付くようになる。そして、摩耗が進行してガタ付きが大きくなると、上の樹脂チップ27が下の樹脂チップ26に対してずれた状態で溶着されてしまうことがある(図6(e)及び(f)はシールド電線28及びアース線29の図示を省略するものとする)。
以上、図1ないし図6を参照しながら説明してきたように、本発明によれば、ずれた状態での溶着を防止することができる(仮に超音波溶着ホーン25が摩耗しても位置決めブロック21によってずれ溶着を防止することができる)。また、本発明によれば、上の樹脂チップ27のセット方法を従来例や比較例と異なる方向にしていることから、超音波溶着ホーン25は摩耗し難くなり、結果、超音波溶着ホーン25の交換頻度を少なくすることができる(交換部品費用の増大を防止することができる)。本発明によれば、超音波溶着ホーン25の廃棄回数も減ることから、環境への影響を少なくすることができる。
本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
本発明のシールド電線のシールド処理方法の一実施の形態を示す概略図であり、(a)は位置決めブロックが第一の位置にあり、下の樹脂チップをセットした状態を示す側面方向の断面図、(b)は位置決めブロックが第一の位置にあり、下の樹脂チップをセットした状態を示す正面方向の断面図、(c)は位置決めブロックが上方に移動して第二の位置にある状態を示す側面方向の断面図、(d)は位置決めブロックが上方に移動して第二の位置にある状態を示す正面方向の断面図である。 (a)は位置決めブロックが第二の位置にあり、下の樹脂チップにシールド電線をセットした状態を示す側面方向の断面図、(b)は位置決めブロックが第二の位置にあり、下の樹脂チップにシールド電線をセットした状態を示す正面方向の断面図、(c)は位置決めブロックが第二の位置にあり、シールド電線にアース線を重ねた状態を示す側面方向の断面図、(d)は位置決めブロックが第二の位置にあり、シールド電線にアース線を重ねた状態を示す正面方向の断面図である。 (a)は位置決めブロックが第二の位置にあり、上の樹脂チップをセットしている途中の状態を示す側面方向の断面図、(b)は位置決めブロックが第二の位置にあり、上の樹脂チップをセットしている途中の状態を示す正面方向の断面図、(c)は位置決めブロックが第二の位置にあり、超音波溶着ホーンを上の樹脂チップの当てて超音波加振をしている状態を示す側面方向の断面図、(d)は位置決めブロックが第二の位置にあり、超音波溶着ホーンを上の樹脂チップの当てて超音波加振をしている状態を示す正面方向の断面図である。 (a)は位置決めブロックが第三の位置にあり、製品を取り出す直前の状態を示す側面方向の断面図、(b)は位置決めブロックが第三の位置にあり、製品を取り出す直前の状態を示す正面方向の断面図である。 比較例の概略図であり、(a)は下の樹脂チップをセットした状態を示す側面方向の断面図、(b)は下の樹脂チップをセットした状態を示す正面方向の断面図、(c)は下の樹脂チップにシールド電線をセットした状態を示す側面方向の断面図、(d)は下の樹脂チップにシールド電線をセットした状態を示す正面方向の断面図、(e)はシールド電線にアース線を重ねた状態を示す側面方向の断面図、(f)はシールド電線にアース線を重ねた状態を示す正面方向の断面図である。 比較例の概略図であり、(a)は超音波溶着ホーンに上の樹脂チップをセットした状態を示す側面方向の断面図、(b)は超音波溶着ホーンに上の樹脂チップをセットした状態を示す正面方向の断面図、(c)は超音波加振をしている状態を示す側面方向の断面図、(d)は超音波加振をしている状態を示す正面方向の断面図、(e)は上の樹脂チップがずれた状態での溶着を示す側面方向の断面図、(f)は上の樹脂チップがずれた状態での溶着を示す正面方向の断面図である。 従来例のシールド処理用治具を用いたシールド電線のシールド処理方法に係る説明図である。 従来例の超音波溶着部分の断面図である。
符号の説明
21 位置決めブロック
21h 位置決め面
22 ブロック移動機構
23 シールド処理用治具
24 アンビル
25 超音波溶着ホーン
26 下の樹脂チップ
27 上の樹脂チップ
28 シールド電線
29 アース線
30 重ねた部分
S 隙間

Claims (3)

  1. 下の樹脂チップにセットしたシールド電線に対し交差するようにアース線を重ねる第一工程と、これら重ねた部分を覆うように上の樹脂チップをセットして前記重ねた部分を前記上下の樹脂チップで挟み込む第二工程と、超音波溶着ホーン及びアンビルにて前記上下の樹脂チップを加圧しつつ超音波加振をする第三工程とを経て、前記シールド電線のシールド処理を行うシールド処理方法であって、
    所定の間隔で対向し合う位置決め面を有する4つの位置決めブロックからなり、前記各位置決めブロックの上端が前記アンビルの上方かつ前記下の樹脂チップの上端より下方に位置する前記4つの位置決めブロックの第1の位置を有し、該第1の位置で前記位置決め面によって前記下の樹脂チップを支持し、前記第1の位置から前記4つの位置決めブロックを上方へ移動させた前記4つの位置決めブロックの第2の位置を有し、該第2の位置で前記位置決め面によって前記上の樹脂チップを支持すること、を含むシールド処理用治具を用い、且つ、
    前記第一工程は、前記位置決めブロックを前記第一の位置に配置して前記下の樹脂チップを位置決めしつつ該下の樹脂チップを前記アンビルにセットする工程と、前記位置決めブロックを上方に移動させて該位置決めブロックを前記第二の位置に配置する工程とを含み、且つ、
    前記第二工程は、前記第二の位置にある前記位置決めブロックにて前記上の樹脂チップを位置決めしつつ該上の樹脂チップを前記重ねた部分にセットする工程を含む
    ことを特徴とするシールド電線のシールド処理方法。
  2. 請求項1に記載のシールド電線のシールド処理方法において、
    前記第三工程は、前記超音波加振をした後、対向し合う前記位置決め面の間隔が広がるように前記位置決めブロックを左右方向及び/又は前後方向に開き、該位置決めブロックを第三の位置に移動させる工程を含む
    ことを特徴とするシールド電線のシールド処理方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のシールド電線のシールド処理方法において、
    前記位置決めブロックは、耐摩耗性材料にて形成したものを用いる
    ことを特徴とするシールド電線のシールド処理方法。
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