JP5350784B2 - 電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法 - Google Patents

電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法に関し、特に、偏向待ち時間を短縮することを可能にする電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法に関する。
近年、電子ビーム露光装置において、スループットの向上を図るために、マスクに可変矩形開口又は複数のマスクパターンを用意し、ビーム偏向によりそれらを選択して試料に転写露光している。
このような露光装置として、部分一括露光をする電子ビーム露光装置がある。部分一括露光では、マスク上に配置した複数個のパターンからビーム偏向により選択した一つのパターン領域にビームを照射し、ビーム断面をパターンの形状に成形する。さらにマスクを通過したビームを後段の偏向器で偏向振り戻し、電子光学系で決まる一定の縮小率で縮小し、試料上に転写する。
部分一括露光において、予め使用頻度の高いパターンをマスク上に用意すれば、可変矩形開口だけの場合より、必要な露光ショット数が大幅に減少し、スループットが向上する。
露光をする際には、偏向器により電子ビームの偏向位置を偏向させる。このとき、偏向器に偏向量に対応する信号を与えるため、偏向される位置において電子ビームが整定するまでの整定待ち時間が発生する。
通常、露光領域は複数のサブフィールドに分割され、主偏向器による偏向位置が1つのサブフィールドの中心付近になるように偏向量を固定し、副偏向器に露光データに対応する電圧を印加して、そのサブフィールド内のパターンを描画する。このようにして、整定待ち時間のかかる主偏向器の偏向回数を減らし、高速に露光するようにしている。
整定待ち時間を短縮する技術として、例えば、特許文献1には、主偏向器の偏向において、主偏向データと実際に主偏向器に印加されている電圧との差分を検出し、この差分をフィードバック偏向器に印加することにより、見かけ上の整定待ち時間を約3μsに短縮することが記載されている。
しかし、偏向の整定を高速に行うために、主偏向器を構成するコイルに流れる電流の調整等に多くのパラメータを正確に決定することが要求され、その調整が困難で時間がかかっている。
また、整定待ち時間は数μsに短縮されているが、パターンを露光する際の1ショットにかかる時間は数十n秒であり、偏向整定待ち時間が短縮されれば数百ショットの露光が可能になる。
また、部分一括露光法を採用した場合であっても、ウエハ上のショット数は1010台になる場合には、偏向整定待ち時間だけで10000秒かかり、露光スループットが低下してしまう。よって、更なる整定待ち時間の短縮が要求されている。
特開2004−72123号公報
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑みなされたものであり、偏向整定待ち時間の短縮を容易に行うことができ、スループットの向上を図ることのできる電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法を提供することを目的とする。
上記した課題は、電子ビームを放射する電子銃と、露光情報を示す複数のパターンデータが格納される記憶手段と、1又は複数のコイルで構成され、前記電子ビームを偏向する第1の偏向手段と、前記第1の偏向手段よりも高速に前記電子ビームを偏向する第2の偏向手段と、前記第1の偏向手段によって偏向される電子ビームの偏向軌道から電子ビームが整定する前の時点における偏向軌道上の位置を求め、当該位置情報を基に前記パターンデータを変更し、当該変更したパターンデータに従って前記偏向手段に前記電子ビームを偏向させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記第1の偏向手段のコイルに電流を供給して電子ビームを偏向させたときに前記電子ビームが照射される位置の変化率が所定の値より小さくなるまでの時間が最短になる電流値を検出し、当該電流値の電流を前記第1の偏向手段のコイルに供給して前記電子ビームを偏向させときの電子ビームの偏向軌道を求め、前記第1の偏向手段によって偏向される前記偏向軌道上の電子ビームが照射される予定の位置と前記電子ビームを照射する目標露光位置との差分を示すように前記パターンデータのうちの前記目標露光位置を変更し、前記第2の偏向手段を用いて、前記電子ビームの偏向軌道上の予定の位置から前記目標露光位置への前記電子ビームの偏向を行うことを特徴とする電子ビーム露光装置により解決する。
本発明では、電子ビームの偏向の軌道を解析して整定時間前における電子ビームが照射される予定の位置を求め、パターンデータに定義される目標露光位置との差分を示すように、目標露光位置を変更している。これにより、電子ビームの偏向位置の整定を待たずに、露光を行った場合であっても、目標の位置を露光することが可能になる。しかも、電子ビームの整定前の照射される予定の位置から目標露光位置まで、副偏向器を構成する静電偏向器によって電子ビームを偏向するため、応答速度を速くすることが可能になり、露光スループットを向上させることが可能となる。
本発明では、電子ビームを偏向させたときに前記電子ビームが照射される位置の変化を示す整定曲線の変化率が最小になる時間を最短にするように電磁偏向器に供給する電流を調整している。これにより、電子ビームを偏向させたときの過渡的な不安定状態を最短時間にすることが可能となる。
また、この形態に係る電子ビーム露光装置において、前記制御手段は、前記パターンデータのうちのパターン種別を基にパターンの重要度を判定し、パターンの重要度が低い順から高い順に露光するように前記パターンデータの露光順序を再構成し、当該露光順序に従って前記偏向手段に前記電子ビームを偏向させるようにしても良い。
本発明では、パターンデータの露光順序を並べ替えて、電子ビームが整定される前に重要でないパターンを露光し、重要なパターンが露光されるときには、電子ビームの整定後になるようにしている。これにより、重要なパターンについては、予め規定されるパターンデータの目標露光位置に正確に露光することが可能となる。
このように重要でないパターンを先に露光することにより、電子ビームが整定する前に露光されるパターンが正確な目標露光位置に露光されない場合でも、半導体装置等の結果物に歩留まりの低下等大きな問題を引き起こすことを少なくすることが可能になる。
また、本発明の他の形態によれば、電子ビームを放射する電子銃と、露光情報を示す複数のパターンデータが格納される記憶手段と、1又は複数のコイルで構成され、前記電子ビームを偏向する第1の偏向手段と、前記第1の偏向手段よりも高速に前記電子ビームを偏向する第2の偏向手段と、制御手段とを備える電子ビーム露光装置において、前記第1の偏向手段のコイルに電流を供給して前記電子ビームを偏向させたときの整定曲線を取得する整定曲線取得ステップと、整定曲線の変化率が所定の値より小さくなる整定時間を算出する整定時間算出ステップと、当該電磁偏向器に供給する電流を変えて前記整定曲線取得ステップと整定時間算出ステップを実行し、整定時間が最短のときの電流値を取得する最適電流取得ステップと、前記パターンデータから前記電子ビームが照射される目標露光位置を取得するステップと、前記第1の偏向手段によって偏向される電子ビームが整定する前の時点における偏向軌道上の電子ビームが照射される予定の位置を取得するステップと、前記目標露光位置を当該電子ビームが照射される予定の位置と前記目標露光位置との差分を示すように前記パターンデータを変更するステップと、前記パターンデータの変更後に当該パターンデータに従って、前記整定時間を最短にする電流値の電流を供給して電磁偏向器を偏向を行いつつ露光処理を行うステップとを有することを特徴とする電子ビーム露光方法が提供される。
図1は、本発明に係る電子ビーム露光装置の構成図である。 図2(a)は、偏向領域を説明する図であり、図2(b)は、偏向データの構成を説明する図である。 図3は、偏向データの構成を説明する図である。 図4は、X方向における整定曲線の一例を示す図である。 図5は、パターンデータの変更を説明する図である。 図6は、偏向待ち時間を定義するテーブルの一例を示す図である。 図7は、整定待ち時間を短縮する処理の一例を示すフローチャート(その1)である。 図8は、整定曲線の一例を示す図である。 図9は、整定待ち時間を短縮する処理の一例を示すフローチャート(その2)である。 図10は、整定待ち時間を短縮する処理の一例を示すフローチャート(その3)である。
(1)第1の実施形態
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
はじめに、電子ビーム露光装置の構成について説明する。次に、偏向器によって偏向される電子ビームの整定待ち時間の短縮について説明する。次に、電子ビーム露光方法について説明する。
(電子ビーム露光装置の構成)
図1は、本実施形態に係る電子ビーム露光装置の構成図である。
この電子ビーム露光装置は、電子光学系コラム100と、電子光学系コラム100の各部を制御する制御部200とに大別される。このうち、電子光学系コラム100は、電子ビーム生成部130、マスク偏向部140及び基板偏向部150によって構成され、その内部が減圧される。
電子ビーム生成部130では、電子銃101から生成した電子ビームEBが第1電磁レンズ102で収束作用を受けた後、ビーム整形用マスク103の矩形アパーチャ103aを透過し、電子ビームEBの断面が矩形に整形される。
その後、電子ビームEBは、マスク偏向部140の第2電磁レンズ105によって露光マスク110上に結像される。そして、電子ビームEBは、第1、第2静電偏向器104、106により、露光マスク110に形成された特定のパターンSに偏向され、その断面形状がパターンSの形状に整形される。
なお、露光マスク110はマスクステージ123に固定されるが、そのマスクステージ123は水平面内において移動可能であって、第1、第2静電偏向器104、106の偏向範囲(ビーム偏向領域)を超える部分にあるパターンSを使用する場合、マスクステージ123を移動することにより、そのパターンSをビーム偏向領域内に移動させる。
また、露光マスク110の代わりに、電子ビームを所定の形状に可変可能な開口部を配置しても良い。
露光マスク110の上下に配された第3、第4電磁レンズ108、111は、それらの電流量を調節することにより、電子ビームEBを基板W上で結像させる役割を担う。
露光マスク110を通った電子ビームEBは、第3、第4静電偏向器112、113の偏向作用によって光軸(ビーム軸)Cに振り戻された後、第5電磁レンズ114によってそのサイズが縮小される。
マスク偏向部140には、第1、第2補正コイル107、109が設けられており、それらにより、第1〜第4静電偏向器104、106、112、113で発生するビーム偏向収差が補正される。
その後、電子ビームEBは、基板偏向部150を構成する遮蔽板115のアパーチャ115aを通過し、リフォーカスレンズ128によって、電子ビームEBの断面積に応じた焦点の調整が行われ、第1、第2投影用電磁レンズ116、121によって基板W上に投影される。これにより、露光マスク110のパターンの像が、所定の縮小率、例えば1/10の縮小率で基板Wに転写されることになる。
基板偏向部150には、第5静電偏向器(副偏向器)119と電磁偏向器(主偏向器)120とが設けられており、これらの偏向器119、120によって電子ビームEBが偏向され、基板Wの所定の位置に露光マスクのパターンの像が投影される。
更に、基板偏向部150には、基板W上における電子ビームEBの偏向収差を補正するための第3、第4補正コイル117、118が設けられる。
基板Wは、モータ等の駆動部125により水平方向に移動可能なウェハステージ124に固定されており、ウェハステージ124を移動させることで、基板Wの全面に露光を行うことが可能となる。
一方、制御部200は、電子銃制御部202、電子光学系制御部203、マスク偏向制御部204、マスクステージ制御部205、ブランキング制御部206、基板偏向制御部207、ウェハステージ制御部208及びリフォーカス制御部209を有する。これらのうち、電子銃制御部202は電子銃101を制御して、電子ビームEBの加速電圧やビーム放射条件等を制御する。また、電子光学系制御部203は、電磁レンズ102、105、108、111、114、116及び121への電流量等を制御して、これらの電磁レンズが構成される電子光学系の倍率や焦点位置等を調節する。ブランキング制御部206は、ブランキング電極127への印加電圧を制御することにより、露光開始前から発生している電子ビームEBを遮蔽板115上に偏向し、露光前に基板W上に電子ビームEBが照射されるのを防ぐ。
基板偏向制御部207は、第5静電偏向器119への印加電圧と、電磁偏向器120への電流量を制御することにより、基板Wの所定の位置上に電子ビームEBが偏向されるようにする。これらの電流量は記憶部210に格納される主偏向位置、副偏向位置を指示する主偏向データ、副偏向データに基づいて調整する。
ウェハステージ制御部208は、駆動部125の駆動量を調節して基板Wを水平方向に移動させ、基板Wの所望の位置に電子ビームEBが照射されるようにする。
リフォーカス制御部209は、露光マスク110を透過して整形される電子ビームEBの断面積に応じて、リフォーカスレンズ128を構成する各電極に必要な電圧を供給するようにする。
上記の各部202〜209は、ワークステーション等の統合制御系201によって統合的に制御される。
記憶部210は、ウエハの所定の領域に電子ビームが照射されるように主偏向器120及び副偏向器119を調整するための偏向調整情報と、所定の領域に対する電子ビームの照射時間を規定するショット時間と、所定の領域への露光種類を示す露光種類情報等を有するパターンデータを複数記憶する。
(整定待ち時間の短縮)
次に、偏向器によって偏向される電子ビームの整定待ち時間の短縮について説明する。
まず、偏向器によって電子ビームが偏向される領域について説明する。図2(a)は、主偏向器及び副偏向器によって電子ビームが偏向される領域を示す図である。図2(a)のメインフィールドMFは、ウエハの一部であり、主偏向器によって電子ビームが照射できる範囲を示している。一つのメインフィールドMFは複数のサブフィールドSFに分割されている。
ウエハステージ制御部208によってウエハステージ124を移動し、メインフィールドMFの中心がコラムの中心になるようにする。この中心から主偏向によって各サブフィールドSFの中心に電子ビームを偏向させる。
各サブフィールドの所定の位置にどのようなパターンを露光するかについては、パターンデータとして予め定義される。図2(b)にパターンデータのデータ構造の一例を示す。
パターンデータは、ショットしようとするパターンの形状とショット位置をデータとして持っており、メインフィールドに対しサブフィールドが階層的に定義される。
1つのメインフィールドデータMFDは、複数のサブフィールドデータSFDを保持する。サブフィールドデータSFDは、先頭パターンデータへのポインタと、パターンデータの個数を保持している。
パターンデータは、一つの矩形ショットを表現するために、それぞれオペコード(OPC)、posX、posY、sizeX、sizeYのデータを有している。これらのデータのうち、posX,posYで矩形の左下の位置座標を示し、sizeX,sizeYで矩形のサイズを示している。
オペコード(OPC)は、例えばブロックマスク方式を利用する場合にブロックマスクのどの位置を使うか、最大ビームサイズより大きな矩形をどのように分割するか、または、パターンが近接効果の補助露光用かどうか等を表わすコードが記載されている。
電子ビーム露光装置は、上記したパターンデータに従って所望の位置を露光する。この露光の際には、電子ビームを偏向させた際に発生する整定時間を考慮して、各パターンを露光する時間が定義されている。
図3は、偏向データ形式のうち、位置情報について示したものである。主偏向データ(MX1,MY1)に対して副偏向データ(SX11,SY11)から(SX1m1,SY1m1)が定義されている。
このデータに基づいて、主偏向で基点(例えばコラムの中心)から(MX1,MY1)だけ移動して、副偏向領域の中心に電子ビームを偏向させる。さらに、そこから各副偏向データに従って電子ビームを偏向させ、各位置において対応するショットデータに従って電子ビームをショットする。
図4は、主偏向させたときの電子ビームが照射される位置の変化のうち、X方向の変化の一例を示した図である。図4の横軸は偏向を開始してからの時間を示し、縦軸は電子ビームの位置(移動距離)を示している。
図4に示すように、照射位置が安定するまでに約100μsかかっていることが分かる。従って、偏向後、約100μs待った後で電子ビームを照射すれば、目標とする露光位置を露光することができる。
本実施形態では、整定待ち時間を短縮するために、偏向される電子ビームの整定を待たずに露光を行って、目標露光位置に露光するようにしている。例えば、図4の約60μsの時点ではまだ整定していないが、この時点で露光をすると仮定すると、露光しようとする位置はP2であり、目標露光位置とP1−P2(X方向)のずれが発生する。この位置ずれを無くすように、パターンデータの位置情報を変更する。この場合は、約60μsの時点で約30ミクロン程度の距離に対応する電圧を副偏向器に印加することになる。
以下に、具体例を用いて整定待ち時間の短縮について説明する。ここでは、サブフィールドSF1においてパターンAを露光した後、サブフィールドSF2に移動し、パターンBを露光する場合を対象とする。また、サブフィールドSF1からサブフィールドSF2へは、等速直線で移動するものとする。
露光シーケンスとして、次のような場合を対象とする。図5に示すように、位置座標(X1,Y1)を中心とするサブフィールドSF1において、パターンPAを露光し、次に、位置座標(X2,Y2)を中心とするサブフィールドSF2において、パターンPBを露光する。サブフィールドSF1内でのパターンPAを露光する位置座標は(xa,ya)とし、サブフィールドSF2内でのパターンPBを露光する位置座標は、(xb、yb)とする。パターンPA,パターンPBの露光位置をメインフィールドの座標系で示すとそれぞれ次のようになる。
パターンPA:(X1+xa,Y1+ya)
パターンPB:(X2+xb,Y2+yb)
また、パターンPA、パターンPBが露光される時間をta,tbとする。
パターンPAを時間taで露光した後、主偏向器によってサブフィールドSF2に偏向させる。このとき、サブフィールドSF2の中心位置(X2,Y2)に到達し安定するまでに時間がかかる。従って、パターンPBを露光する前に、電子ビームが安定するまでの所定の時間T1秒待つようにしている。T1秒待つことにより、主偏向器による偏向で電子ビームがサブフィールドSF2の中心位置(X2,Y2)に移動することが保証される。すなわち、パターンPBの露光開始時間を時間tb+T1とすることによって、パターンPBが目標露光位置(X2+xb,Y2+yb)に露光されることになる。
本発明者等は、パターンPBを露光するまでの待ち時間Tを短縮するために、主偏向器及び副偏向器によって偏向される電子ビームの偏向軌道を解析し、待ち時間T1よりも早い時間において電子ビームが露光しようとする位置の情報を利用することに着目した。
図5において、サブフィールドSF1の中心位置(X1,Y1)からサブフィールドSF2の中心位置(X2,Y2)への移動が、等速直線運動でT秒かかると仮定する。
時刻u(0≦u≦T)では、パターンPBを露光しようとする場合の主偏向位置は、偏向軌道上の位置(X2−(X2−X1)×(T−u)/T、Y2−(Y2−Y1)×(T−u)/T)になる。従って、時刻uにおいて(xb、yb)の目標露光位置に露光させるためには、主偏向位置を考慮して、副偏向でそのずれを補償させればよい。
時刻u(0≦u≦T)において、パターンPBを露光しようとする位置(以後、露光予定位置とも呼ぶ)をメインフィールドの座標系で表わすと次のようになる。
(X2+xb−(X2−X1)×(T−u)/T、Y2+yb−(Y2−Y1)×(T−u)/T) …(1)
例えば、パターンPBの目標露光位置に電子ビームを偏向させる場合は、主偏向器に(X2,Y2)に対応する電流を供給し、副偏向器に(xb−(X2−X1)×(T−u)/T,yb−(Y2−Y1)×(T−u)/T)に対応する電圧を印加する。
(1)式において、u=Tの場合、すなわち、待ち時間がTの場合は、副偏向は(xb,yb)の位置へ露光することになる。
また、u=0の場合、すなわち、主偏向器による位置変動の整定時間待ちを行わない場合は、副偏向は(xb−(X2−X1),yb−(Y2−Y1))の位置へ露光することになる。実際には、(xb−(X2−X1),yb−(Y2−Y1))に対応する電圧を副偏向器に印加する。
なお、u=0の時点では、主偏向器による偏向はされていないため、座標(X2,Y2)は、座標(X1,Y1)に置き換えて副偏向器に印加する電圧を算出して露光する。よって、露光予定位置は、(xb,yb)になり、目標露光位置と一致する。
このように、パターンPBに対し、パターンデータの露光位置を(xb、yb)から(xb−(X2−X1)×(T−u)/T、yb−(Y2−Y1)×(T−u)/T)に変更する。また、このときの適切な待ち時間を‘u’に変更する。
図6はパターンの露光処理において適切な待ち時間を規定するテーブルの一例を示した図である。例えば、パターンP1の次にパターンP2を露光する場合、適切な待ち時間がw12と規定されている。
上記処理によって整定時間を待たずに露光処理を行う場合、パターンデータの目標露光位置の変更をするとともに、適切な待ち時間の更新も行う。
サブフィールドSF2内のパターンデータのうち、主偏向による電子ビームの整定時間前に露光を開始したいパターンデータに対して上記説明した処理を行い、露光位置及び露光待ち時間を変更する。
すなわち、サブフィールドの移動における電子ビームの偏向軌道を求め、所望の時間における移動先のサブフィールド内のすべてのパターンデータの位置情報を書き換える。さらに、すべてのメインフィールドについて上記パターンデータの位置情報の書換えを行い、記憶部210に格納する。これらの処理をした後、変更されたパターンデータに従って実際の露光処理を行う。
これにより、サブフィールドSF1からサブフィールドSF2へ偏向したときに、整定待ち時間を従来より短くすることができ、露光スループットを向上させることが可能となる。
なお、本実施形態では、電子ビームの偏向軌道が等速であるとして説明したが、実際には目標露光位置に渦巻き状に近い形で収束することが確認されている。この場合であっても、その軌道を表わす数式から、整定前の露光される位置を求め、パターンデータの目標露光位置を書き換えることによって、整定時間より早く目標露光位置を露光することが可能になる。
また、露光予定位置から目標露光位置への偏向は高速に行うために静電偏向によって偏向する。
以上説明したように、本実施形態の電子ビーム露光装置では、電子ビームの偏向の軌道を解析し、整定時間前における露光予定位置を算出し、パターンデータに定義される目標露光位置と露光予定位置との差分を示すように目標露光位置を変更している。そして、このときの位置座標に対応する電圧を静電偏向器に印加して電子ビームを偏向している。これにより、整定時間前であっても目標露光位置を露光することができ、電子ビームの偏向の整定時間を待たずに、露光を開始することが可能になり、露光処理のスループットが向上する。
また、本実施形態では、パターンデータを書き換えることによって整定待ち時間を短縮することができ、従来の偏向電圧や電流を調整して整定時間を短縮する方法に比べて容易に実施することが可能となる。
(電子ビーム露光方法)
次に、上記した電子ビーム露光装置を使用した露光方法について図7のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS11において、制御部201は記憶部210からパターンデータを抽出する。例えば、サブフィールドAからサブフィールドBへ電子ビームを偏向させて、サブフィールドB内でパターンの露光を行うものとすると、サブフィールドBにおいてパターンデータで規定される露光順序に従って、パターンデータを抽出し、目標露光位置を抽出する。
次のステップS12では、ステップS11において抽出したパターンデータが属するサブフィールドに偏向される電子ビームの整定特性を検出する。
整定特性は対象としているサブフィールド間を偏向させたときの整定曲線を基に検出する。整定曲線の軌道の算出は、主偏向器のコイルに供給する電流値や電子ビームの電荷量等を基にシミュレーションによって求める。また、サブフィールド間を偏向させて実際に電子ビームの軌道を測定して整定曲線を求めても良い。
このようにして求めた整定曲線から、所定の時刻とその時刻に対応する露光予定位置との関係を整定情報テーブルとして、記憶部210に格納しておく。
次のステップS13では、所望の整定前の時間に目標露光位置を電子ビームが照射するようにパターンデータを変更する。このパターンデータの変更は次のようにして行う。
整定特性から求めた偏向軌道上の位置座標は、サブフィールドBの中心を基点とした座標で表わす。また、目標露光位置は、サブフィールドBの中心を基点として座標で表わされる。従って、目標露光位置座標のx成分、y成分から露光予定位置座標のx成分、y成分をそれぞれ減算する。このように、目標露光位置を目標露光位置の位置座標と露光予定位置の位置座標との差分を示すようにしてパターンデータを変更する。
次のステップS14では、パターンデータの変更が完了したか否かを判定する。
主偏向による偏向軌道が整定する前に露光を開始させる場合にパターンデータの位置座標を変更する。従って、サブフィールドに属するすべてのパターンデータの位置座標を変更する必要はなく、整定時間を待たずに露光を開始するパターンデータについて座標の変更が終了すれば、そのサブフィールドにおけるパターンデータの変更処理を終了してもよい。
ひとつのサブフィールドにおけるパターンデータの変更処理が終了した後、次のサブフィールドにおけるパターンデータの変更処理を行い、メインフィールド内のすべてのサブフィールドにおける変更処理を行う。さらに、すべてのメインフィールド内の処理が終了した時点で、ステップS15に移行する。
次のステップS15では、電子ビームの整定前に露光を開始し、目標露光位置に露光がされるように変更したパターンデータに従って、露光処理を行い、本処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態の電子ビーム露光方法では、電子ビームの偏向軌道を解析し、整定時間前における露光予定位置を算出し、パターンデータに定義される目標露光位置と露光予定位置との差分を示すように目標露光位置を変更している。これにより、整定時間前であっても目標露光位置を露光することができ、電子ビームの偏向の整定時間を待たずに、露光を開始することが可能になり、露光処理のスループットが向上する。
また、本実施形態では、パターンデータを書き換えることによって整定待ち時間を短縮することができ、従来の偏向電圧や電流を調整して整定時間を短縮させる方法に比べて容易に実施することが可能となる。
なお、本実施形態では、電磁偏向器を用いる主偏向器による電子ビームの偏向軌道を解析し、整定時間より前に露光を行うことについて説明したが、この方法は、電磁偏向器を用いる場合に限らない。静電偏向器を用いて電子ビームを偏向させる場合であっても、電磁偏向に比べて短いが偏向位置が整定するまでに時間はかかり、待ち時間が発生する。上記説明した方法を採用して、この待ち時間を短縮するようにしても良い。
(2)第2の実施形態
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態で使用する電子ビーム露光装置の構成は、第1の実施形態で説明したものと同様であるため説明を省略する。
図8は、整定曲線の一例を示している。図8の横軸は電子ビームが偏向を開始してからの時間を表し、縦軸は電子ビームが偏向する位置を示している。図8において位置MPを目標露光位置とする。なお、図8はX方向の一方向における整定曲線を示している。
図8には、3つの整定曲線g1、g2、g3を示している。このうち、整定曲線g1は時間t1経過した後、電子ビームが目標露光位置に到達し、安定することを示している。
整定曲線g2は、g1に対して整定時間を短縮させるために電圧等を調整し、t1よりも短い時間t2で目標露光位置MPに到達させた場合を示している。
整定曲線g2に示すように、従来は、目標露光位置MPとの位置ずれの大きさが所定の値より小さく、かつ、目標露光位置との位置ずれの変化率が所定の値より小さくなるように偏向器に供給する電流、電圧等の値を調整していた。つまり、目標露光位置との差の大きさが所定の値より小さいことと、目標露光位置との位置ずれの変化率が所定の値より小さくなることの両方の条件を満たすことが要求されていた。
一方、第1の実施形態で説明したように、電子ビームの偏向軌道がわかれば、目標露光位置を露光することが可能となる。従って、図8の整定曲線g3に示すように、時間t3経過後に整定し、整定後の位置が目標露光位置MPとずれていたとしても、第1の実施形態で説明した方法によって目標露光位置を露光することが可能となる。
そこで、本実施形態では、整定待ち時間を短縮するために、目標露光位置との位置ずれの変化率が所定の値より小さくなる条件を満たすようにパラメータを決定する。
次に、図9のフローチャートを用いて、整定時間を短縮させる方法について説明する。
まずステップS21において、電磁偏向器に電流を供給し、電子ビームをサブフィールド間で偏向させたときの整定曲線を取得する。
この整定曲線は、実際に電磁偏向器に電流を供給して測定しても良いし、シミュレーションによって求めるようにしてもよい。
電磁偏向器として一つのコイルではなく複数のコイルを使用している場合には、各コイルに所定の電流を供給する。
次のステップS22では、ステップS21で求めた整定曲線の変化率が所定の値より小さくなる時間(整定時間)を算出し記録する。所定の値は、例えば1nm/μsである。
次のステップS23では、電磁偏向器に供給する電流値を変えて、ステップS21、S22を実行する。この際、電磁偏向器として一つのコイルではなく複数のコイルを使用している場合には、各コイルに供給する電流値を変えて行う。
このようにして整定時間が最短のときの電流値を取得する。
次のステップS24では、露光順序に従ったすべてのサブフィールド間について最短の整定時間となる電流値を取得したか否かを判定する。露光順序は予めパターンデータに基づいて決定されるため、必要なサブフィールド間での電子ビームの整定特性を求めればよい。
露光に必要なサブフィールド間での整定時間を最短にするための電磁偏向器に供給する電流値を求めていればステップS25に移行し、そうでなければステップS21に戻り処理を継続する。
次のステップS25では、整定時間を最短にする電流を電磁偏向器に供給して偏向を行い、露光を実施する。
上記したように、本処理では、整定時間を最短にすることを目的とし、目標露光位置に到達することを目的とはしていない。そこで、各パターンの露光位置ずれの補正は、第1の実施形態で説明した方法を採用する。
まず、パターンの露光順に従ってパターンの露光位置情報を取得し、そのパターンを露光する露光開始時間を決定する。この露光開始時間が整定時間よりも前であれば、第1の実施形態で説明した方法により目標露光位置のパターンデータを変更する。
また、本実施形態では電子ビームの整定後も、目標露光位置と露光予定位置が異なるため、すべてのパターンデータに対してパターンデータの変更を行う。
上記処理終了後、変更されたパターンデータに従って露光処理を行う。
以上説明したように、本実施形態における整定時間の短縮処理では、整定曲線の変化率が最小になる時間を最短にするように電磁偏向器に供給する電流を調整しているため、電子ビームを偏向させたときの過渡的な不安定状態が最短時間にすることが可能となる。
また、整定時間前であっても、目標露光位置に露光予定位置の座標を追加してパターンデータを変更することにより、さらに整定待ち時間が短縮して目標露光位置に露光することが可能となる。
なお、静電偏向器で電子ビームを偏向できる距離は限られている。よって、電子ビームの偏向軌道上の露光予定位置と目標露光位置との距離が静電偏向器で偏向できる距離よりも長いときには、目標露光位置に偏向させることができない。この場合には静電偏向器で偏向可能な距離になるまで待つことになるが、不安定状態が最短時間になるように調整しているために従来よりも待ち時間を短縮することが可能になる。
また、本実施形態では、電磁偏向器を例として説明したが、静電偏向器にも適応可能である。すなわち、偏向手段が静電偏向器の場合、偏向器の電極に電圧を印加した電子ビームを偏向させたときの整定曲線を取得する。この整定曲線の変化率が所定の値よりも小さくなるまでの時間が最短になる電圧値を検出し、この電圧を電極に供給して電子ビームを偏向させるようにしても良い。
(3)第3の実施形態
以下、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態で使用する電子ビーム露光装置の構成は、第1の実施形態で説明したものと同様であるため、説明を省略する。
第1及び第2の実施形態では、パターンデータの露光位置を調整して、偏向される電子ビームの位置が整定する前に露光を開始し、目標露光位置に露光できるようにしていた。
本実施形態では、パターンの露光の順番を調整して、電子ビームが整定する整定待ち時間より前に露光を開始するようにしている。
電子ビーム露光装置では、描画シーケンスを開始する前に、計算機上で露光データをパターンデータごとにすべて読み込み、待ち時間や電子ビーム照射時間などを抽出している。
パターンデータには、どのようなパターンデータなのかがわかるようにコード化された情報(OPC)が含まれている。また、パターンデータには少なくとも、パターンの露光位置情報と、露光するパターンの形状情報と、露光するパターンの重要度の情報が記載されている。
例えば、パターンとして、トランジスタのゲート等の重要な回路パターンの他に、近接効果補助露光用のパターンや、平坦度補償用のパターンなどのゲートパターンに比べて重要でないパターンが混在している。
どのパターンをどの順序で露光するかは予めパターンデータの配列順で規定されるが、現状ではパターンの重要性を基に露光順が決められているわけではない。
そこで、パターンの重要性を判定し、露光順を変更することによって、電子ビームの偏向による整定時間を待つことなく露光を開始するようにする。
以下、図10のフローチャートを用いて、本実施形態の整定時間短縮処理を説明する。まずステップS31において、サブフィールドを露光するパターンデータを抽出する。
次のステップS32では、パターンの重要度を解析する。パターンの重要度は、そのパターンが何のパターンであるかを基に判断する。例えば、補助露光用のパターンの場合は、多少位置がずれても重要な問題を引き起こすことがないと考えられることから、重要度を低く設定する。なお、このようなパターンと重要度の関係は予め規定しておく。
次のステップS33では、ステップS32で取得したパターンの重要度の情報を基に、重要度の低いパターンを先に露光するように露光順序を更新する。パターンデータは露光順序をインデックスとする配列であるため、配列要素を重要度の低い順に並べ替えることによって、重要度の低いパターンから露光されるようにすることができる。
次のステップS34では、更新された露光順序に従って露光処理を実施し本処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態における整定時間の短縮処理では、パターンデータの露光順序を並べ替えて、電子ビームが整定される前に重要でないパターンを露光し、重要なパターンが露光されるときには、電子ビームの整定後になるようにしている。これにより、重要なパターンについては、予め規定されるパターンデータの目標露光位置に正確に露光することが保証される。
このように重要でないパターンを先に露光することにより、電子ビームが整定する前に露光されるパターンが正確な目標露光位置に露光されない場合でも、半導体装置等の結果物に歩留まりの低下等大きな問題を引き起こすことを少なくすることが可能になる。
なお、重要でないパターンとしては、近接効果補助露光用のパターンや、平坦度補償識別用パターンなどがある。近接効果補助露光用のパターンは、電子ビームによる近接効果を補正するために、主パターンに重ねて露光する補助パターンであり、ゴースト露光法において使用される。また、平坦度補償識別用パターンは、半導体製造プロセス上の理由により、製品歩留まり向上のために描画する、集積回路の機能を提供するものではないパターンである。例えば、ウエハをCMP処理する際に、どこまで削ることができるかを示すパターン(CMPダミーパターン)が該当する。
第1の実施形態で説明したような、整定前の時点での露光予定位置を求め、パターンデータの目標露光位置を変更する場合には、その偏向距離によっては副偏向器を構成する静電偏向器では距離が長すぎて偏向できない場合も起こり得る。このような場合に、第1の実施形態では偏向可能な距離になるまで待って偏向を開始することになるが、本実施形態のように重要でないパターンを先に露光することによって偏向の待ち時間をさらに短縮することが可能となる。

Claims (9)

  1. 電子ビームを放射する電子銃と、
    露光情報を示す複数のパターンデータが格納される記憶手段と、
    1又は複数のコイルで構成され、前記電子ビームを偏向する第1の偏向手段と、
    前記第1の偏向手段よりも高速に前記電子ビームを偏向する第2の偏向手段と、
    前記第1の偏向手段によって偏向される電子ビームの偏向軌道から電子ビームが整定する前の時点における偏向軌道上の位置を求め、当該位置情報を基に前記パターンデータを変更し、当該変更したパターンデータに従って前記偏向手段に前記電子ビームを偏向させる制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記第1の偏向手段のコイルに電流を供給して電子ビームを偏向させたときに前記電子ビームが照射される位置の変化率が所定の値より小さくなるまでの時間が最短になる電流値を検出し、当該電流値の電流を前記第1の偏向手段のコイルに供給して前記電子ビームを偏向させときの電子ビームの偏向軌道を求め、
    前記第1の偏向手段によって偏向される前記偏向軌道上の電子ビームが照射される予定の位置と前記電子ビームを照射する目標露光位置との差分を示すように前記パターンデータのうちの前記目標露光位置を変更し、
    前記第2の偏向手段を用いて、前記電子ビームの偏向軌道上の予定の位置から前記目標露光位置への前記電子ビームの偏向を行う
    ことを特徴とする電子ビーム露光装置。
  2. 前記第2の偏向手段は静電偏向器で構成され、
    前記制御手段は、前記静電偏向器の電極に電圧を供給して電子ビームを偏向させたときに前記電子ビームが照射される位置の変化率が所定の値より小さくなるまでの時間が最短になる電圧値を検出し、当該電圧値の電圧を前記電極に供給して前記電子ビームを偏向させることを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム露光装置。
  3. 前記制御手段は、前記パターンデータのうちのパターン種別を基にパターンの重要度を判定し、パターンの重要度が低い順から高い順に露光するように前記パターンデータの露光順序を再構成し、当該露光順序に従って前記偏向手段に前記電子ビームを偏向させることを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム露光装置。
  4. 前記パターンデータに、パターンの重要度が記述され、
    前記制御部は、当該パターンの重要度に基づいてパターンの重要度が低い順から高い順に露光するように前記パターンデータの露光順序を再構成し、当該露光順序に従って前記偏向手段に前記電子ビームを偏向させることを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム露光装置。
  5. 前記パターンのうち重要度の低いパターンは、少なくとも近接効果補助露光用パターン又は平坦度補償識別用パターンのいずれかであることを特徴とする請求項3又は4に記載の電子ビーム露光装置。
  6. 電子ビームを放射する電子銃と、露光情報を示す複数のパターンデータが格納される記憶手段と、1又は複数のコイルで構成され、前記電子ビームを偏向する第1の偏向手段と、前記第1の偏向手段よりも高速に前記電子ビームを偏向する第2の偏向手段と、制御手段とを備える電子ビーム露光装置において、
    前記第1の偏向手段のコイルに電流を供給して前記電子ビームを偏向させたときの整定曲線を取得する整定曲線取得ステップと、
    整定曲線の変化率が所定の値より小さくなる整定時間を算出する整定時間算出ステップと、
    当該電磁偏向器に供給する電流を変えて前記整定曲線取得ステップと整定時間算出ステップを実行し、整定時間が最短のときの電流値を取得する最適電流取得ステップと、
    前記パターンデータから前記電子ビームが照射される目標露光位置を取得するステップと、
    前記第1の偏向手段によって偏向される電子ビームが整定する前の時点における偏向軌道上の電子ビームが照射される予定の位置を取得するステップと、
    前記目標露光位置を当該電子ビームが照射される予定の位置と前記目標露光位置との差分を示すように前記パターンデータを変更するステップと、
    前記パターンデータの変更後に当該パターンデータに従って、前記整定時間を最短にする電流値の電流を供給して電磁偏向器を偏向を行いつつ露光処理を行うステップと
    を有することを特徴とする電子ビーム露光方法。
  7. 前記第2の偏向手段は静電偏向器であり、
    前記静電偏向器に電圧を供給して前記電子ビームを偏向させたときの整定曲線を取得する整定曲線取得ステップと、
    整定曲線の変化率が所定の値より小さくなる整定時間を算出する整定時間算出ステップと、
    当該静電偏向器に供給する電流を変えて前記整定曲線取得ステップと整定時間算出ステップを実行し、整定時間が最短のときの電圧値を取得する最適電圧取得ステップと、
    前記整定時間を最短にする電圧値の電圧を供給して静電偏向器を偏向して露光処理を行うステップと
    を有することを特徴とする請求項6に記載の電子ビーム露光方法。
  8. 前記パターンデータから露光するパターンの重要度を取得するステップと、
    前記重要度の低いパターンを先に露光するように露光順序を変更するステップと、
    変更した前記露光順序に従って露光処理を行うステップと
    を有することを特徴とする請求項6又は7に記載の電子ビーム露光方法。
  9. 前記重要度の低いパターンは、少なくとも近接効果補助露光用のパターン又は平坦化処理識別用のパターンのいずれかであることを特徴とする請求項に記載の電子ビーム露光方法。
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