JP5350674B2 - 引抜加工方法及び引抜加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ワークを引抜加工する引抜加工方法及び引抜加工装置に関する。
なお本明細書及び特許請求の範囲において、「上流側」及び「下流側」とは、それぞれワークの引抜方向の上流側及び下流側を意味する。
ワークを引抜加工する従来の引抜加工装置は、例えば図9Aに示す構成となっている。すなわち、図9Aにおいて、120はワークである。このワーク120の先端部にはワーク120よりも小径の口付け部122が形成されている。101は引抜加工装置である。この引抜加工装置101はドローベンチ式のものであり、引抜ダイス102、引抜ダイス102を保持したダイホルダ103、チャック装置(チャック手段)110、牽引手段104等を具備している。チャック装置110は、そのワーク配置部114に配置されたワーク口付け部122を互いに協働してチャックする複数個のチャック指116、116を有している。本従来例では、チャック指116の個数は2個である。各チャック指116のチャック面には、複数個のワーク抜止め凸部116cが設けられている。両チャック指116、116はチャック指ホルダ111に保持されている。
この従来の引抜加工装置101を用いてワーク120を引抜加工する方法について、図9A〜9Cを参照して以下に説明すると、次のとおりである。
まず、ワーク120の先端部に該ワーク120よりも小径の口付け部122をスエージング加工等の縮径加工により形成する。次いで、図9Aに示すように、ワーク120の口付け部122を、引抜ダイス102のダイス孔102aとダイホルダ103の引抜材抜出孔103aとに順次挿入する。この挿入は、ワーク口付け部122がダイホルダ103の抜出孔103aの出口位置Tよりも下流側に突出するまで行われる。
次いで、図9Bに示すように、抜出孔103aの出口位置Tよりも下流側に突出したワーク口付け部122の突出部だけをチャック装置110の両チャック指116、116によりチャックする。
次いで、図9Cに示すように、チャック装置110を引抜方向Xに牽引手段104により牽引し、ワーク120を引抜加工する。これにより、引抜材125を製造する。
上記の引抜加工装置101に用いられるチャック装置110としては、例えば、特開2003−25010号公報、特開2005−95981号公報及び特開2006−263818号公報に開示されたものが知られている(特許文献1−3参照)。これらの公報に開示されたチャック装置は、いずれも互いに対向状に配置された2個のチャック指を備えている。チャック指のチャック面には、様々な形状のワーク抜止め凸部が設けられている。
特開2003−25010号公報 特開2005−95981号公報 特開2006−263818号公報
而して、上述した従来の引抜加工方法には次の難点があった。
図9Aに示すように、ワーク口付け部122をチャック装置110によりチャックできるようにするため、ダイホルダ103の抜出孔103aに挿入されたワーク口付け部122は抜出孔103aの出口位置Tよりも下流側に突出されていた。そのため、ワーク口付け部122は比較的長く形成されていた。その結果、ワーク120を引抜加工して得られる引抜材125の長さは、ワーク口付け部122が長く形成されている分、短くなっていた。
本発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、ワークから製造可能な引抜材の長さを長くすることができる引抜加工方法及び該引抜加工方法に用いられる引抜加工装置を提供することにある。
本発明は以下の手段を提供する。
[1] ワークの口付け部を、引抜ダイスのダイス孔と前記引抜ダイスを保持したダイホルダの引抜材抜出孔とに順次挿入するワーク挿入工程と、
前記ワーク挿入工程の後で、ワーク口付け部をチャック装置によりチャックするチャック工程と、
前記チャック工程の後で、前記チャック装置を引抜方向に牽引することによりワークを引抜加工する引抜加工工程と、を含み、
前記ワーク挿入工程では、ワーク口付け部が前記ダイホルダの抜出孔の出口位置よりも下流側に突出しない状態にワーク口付け部を前記抜出孔に挿入し、
前記チャック工程では、ワーク口付け部を前記ダイホルダの抜出孔の内側位置で前記チャック装置によりチャックすることを特徴とする引抜加工方法。
[2] 前記チャック装置は、
ワーク口付け部が配置されるワーク配置部と、前記ワーク配置部の周囲に前記ワーク配置部の軸心に対して近接及び離反方向に移動可能に配置された複数個のチャック指と、を備えており、
前記チャック工程では、前記チャック装置の前記複数個のチャック指の少なくとも先端部を前記ダイホルダの抜出孔に抜出孔の出口から挿入して、ワーク口付け部を抜出孔の内側位置で前記複数個のチャック指によりチャックする前項1記載の引抜加工方法。
[3] 前記チャック装置の前記複数個のチャック指の少なくとも先端部は、先細り状に形成されている前項2記載の引抜加工方法。
[4] 前記チャック装置の前記複数個のチャック指の少なくとも先端部の外周面は、円錐テーパ状に形成されている前項3記載の引抜加工方法。
[5] 前記ワーク挿入工程では、ワーク口付け部が前記ダイホルダの抜出孔の出口位置よりも下流側に突出しない状態にワーク口付け部を前記抜出孔に挿入する前項1〜4のいずれかに記載の引抜加工方法。
[6] ダイス孔を有する引抜ダイスと、
引抜材抜出孔を有するとともに前記引抜ダイスを保持したダイホルダと、
前記引抜ダイスのダイス孔と前記ダイホルダの抜出孔とに順次挿入されたワークの口付け部をチャックするチャック装置と、を具備するとともに、
前記チャック装置は、ワーク口付け部を前記ダイホルダの抜出孔の内側位置でチャックするものであることを特徴とする引抜加工装置。
[7] 前記チャック装置は、
ワーク口付け部が配置されるワーク配置部と、
前記ワーク配置部の周囲に前記ワーク配置部の軸心に対して近接及び離反方向に移動可能に配置された複数個のチャック指と、
前記複数個のチャック指の少なくとも先端部が前記ダイホルダの抜出孔に抜出孔の出口から挿入されるように前記複数個のチャック指を移動させるチャック指挿入用駆動手段と、を備えている前項6記載の引抜加工装置。
[8] 前記チャック装置の前記複数個のチャック指の少なくとも先端部は、先細り状に形成されている前項7記載の引抜加工装置。
[9] 前記チャック装置の前記複数個のチャック指の少なくとも先端部の外周面は、円錐テーパ状に形成されている前項8記載の引抜加工方法。
本発明は以下の効果を奏する。
[1]の発明によれば、チャック工程では、ワーク口付け部の少なくとも一部をダイホルダの抜出孔の内側位置でチャック装置によりチャックするので、ワーク口付け部の長さが短くても、ワーク口付け部をチャック装置によりチャックすることができる。そのため、ワーク口付け部の長さを従来よりも短くすることができ、もってワークから製造可能な引抜材の長さを長くすることができる。
[2]の発明によれば、ワーク口付け部の少なくとも一部をダイホルダの抜出孔の内側位置で確実にチャックすることができる。
[3]の発明によれば、チャック装置の複数個のチャック指の少なくとも先端部が先細り状に形成されているので、複数個のチャック指をダイホルダの抜出孔に容易に挿入することができる。
[4]の発明は次の効果を奏する。
従来の引抜加工装置では、ダイホルダの強度を確保するためにダイホルダの引抜材抜出孔の直径は小さかった。また、チャック装置の複数個のチャック指の強度を確保するために、複数個のチャック指の直径は大きかった。そのため、複数個のチャック指をダイホルダの抜出孔に挿入することができなかった。一方、ダイホルダの抜出孔の直径を大きくすると、ダイホルダの強度を確保するためにダイホルダの引抜方向の肉厚を増大する必要があるが、そうするとダイホルダの製造コストが増大するし、また引抜加工装置の設置スペースも増大するという難点があった。
これに対して、[4]の発明では、チャック装置の複数個のチャック指の少なくとも先端部の外周面は、円錐テーパ状に形成されているので、複数個のチャック指の先端部の直径が小さくても十分な強度を確保することができる。
[5]の発明によれば、ワーク挿入工程では、ワーク口付け部がダイホルダの抜出孔の出口位置よりも下流側に突出しない状態にワーク口付け部を抜出孔に挿入するので、ワーク口付け部の長さを更に短くすることができる。これにより、ワークから製造可能な引抜材の長さを更に長くすることができる。
[6]〜[9]の発明によれば、本発明に係る引抜加工方法に好適に用いることができる引抜加工装置を提供できる。
次に、本発明の幾つかの実施形態について図面を参照して以下に説明する。
図1〜7は、本発明の一実施形態に係る引抜加工装置を説明する図である。図3〜7において、1は、本実施形態の引抜加工装置である。この引抜加工装置1は、棒状の引抜加工用中空ワーク20を引抜加工するものである。この引抜加工装置1によりワーク20が引抜加工されることにより得られる中空引抜材25(図7参照)は、例えば感光ドラム基体用管に用いられるものである。感光ドラム基体用管は、複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリ装置等に搭載される感光ドラムの基体に用いられる管であり、この管の外周面にはOPC(有機光導電体)膜が塗工される。
ワーク20は、棒状の押出パイプ材からなるものである。すなわち、このワーク20は、長さ方向(即ち押出方向)に貫通して延びるとともに先端面に開口した中空部21を有するパイプ状のものである。ワーク20の材質は金属であり、詳述するとアルミニウム(その合金を含む。以下同じ。)である。ワーク20及び中空部21の断面形状はいずれも円形状である。ワーク20の外径は例えば15〜60mmであり、ワーク20の肉厚は例えば1.0〜3.0mmであり、ワーク20の長さは例えば1000〜6000mmである。ただし本発明では、ワーク20の外径、肉厚及び長さはそれぞれ上記の範囲であることに限定されるものではない。
ワーク20の先端部には、筒状の口付け部22がスエージング加工等の縮径加工により一体形成されている。すなわち、このワーク20の先端部は口付け部22からなる。
このワーク20の口付け部22の先端面の中央部には、ワーク20の中空部21の開口部23が形成されており、これにより、ワーク20の口付け部22の先端面の中央部に凹部が形成されている。口付け部22及び開口部23の断面形状はいずれも円形状である。口付け部22の外径はワーク20よりも小径である。具体的には口付け部22の外径は例えば10〜55mmであり、口付け部22の肉厚は例えば1.0〜5.0mmであり、口付け部22の長さは例えば100〜350mmである。ただし本発明では、口付け部22の外径、肉厚及び長さはそれぞれ上記の範囲であることに限定されるものではない。
引抜材25は、上述したように感光ドラム基体用管に用いられるものであり、その断面形状は円形状である。引抜材25の外径は例えば10〜50mmであり、引抜材25の肉厚は例えば0.5〜2.0mmであり、引抜材25の長さは例えば1500〜8000mmである。そして、この引抜材25が所定の長さに切断されることにより、感光ドラム基体用管が得られる。ただし本発明では、引抜材25の外径、肉厚及び長さはそれぞれ上記の範囲であることに限定されるものではない。
次に、本実施形態の引抜加工装置1の構成について以下に説明する。
図3に示すように、この引抜加工装置1はドローベンチ式のものであり、引抜ダイス2、ダイホルダ3、チャック装置(チャック手段)10、牽引手段4等を具備している。
引抜ダイス2及びダイホルダ3の構成は以下のとおりである。
引抜ダイス2の中央部には、ワーク20の引抜方向Xに貫通した引抜加工用ダイス孔2aが設けられている。このダイス孔2aの引抜方向中間部はベアリング部を構成している。ダイス孔2aの断面形状は円形状に形成されている。
ダイホルダ3は、引抜ダイス2を保持するものである。引抜ダイス2は、このダイホルダ3に設けられたダイス保持凹部3e内に収容されており、これにより、引抜ダイス2が固定状態に保持されている。
このダイホルダ3は引抜材抜出孔3aを有している。この抜出孔3aは、ワーク20が引抜ダイス2のダイス孔2aで引抜加工されて得られた引抜材25が抜出される孔である。この抜出孔3aは、ダイホルダ3の下流側の平板状壁部3cに、引抜ダイス2のダイス孔2aと連通して設けられている。平板状壁部3cの下流側の端面3dは平坦状に形成されており、この端面3dに抜出孔3aの出口3bが開口して設けられている。
図3において、Sは、引抜ダイス2のダイス孔2aの出口位置を示している。Tは、ダイホルダ3の抜出孔3aの出口位置を示している。Lは、ダイス孔2aの出口位置Sから抜出孔3aの出口位置Tまでの長さを示している。この長さLは、抜出孔3aの長さと等しく設定されている。
ダイホルダ3の抜出孔3aの断面形状は円形状に形成されている。抜出孔3aの直径は、ワーク20の引抜方向Xに一定に設定されるとともに、引抜ダイス2のダイス孔2aの出口の直径よりも大きく設定され、更にワーク口付け部22の直径よりも大きく設定されている。具体的には、抜出孔3aの直径は、ワーク口付け部22の直径よりも例えば5〜50mm大きく設定されている。また、抜出孔3aの長さLは例えば50〜300mmである。
なお本発明では、ワーク20の中空部21に引抜プラグ(図示せず)や引抜マンドレル(図示せず)が配置されていても良い。
チャック装置10の構成は以下のとおりである。
チャック装置10は、ワーク20の口付け部22をチャックするものであり、引抜ダイス2及びダイホルダ3よりも下流側に配置されている。
図1及び2に示すように、このチャック装置10は、ワーク配置部14、複数個のチャック指16、チャック指ホルダ11、チャック指挿入用駆動手段17、位置固定部材18等を具備している。
ワーク配置部14は、ワーク口付け部22をチャックする際にワーク口付け部22が配置される部分である。このワーク配置部14の軸心Pは、引抜ダイス2のダイス孔2aの引抜軸Qの延長線上に配置されており(図3参照)、すなわちワーク20の引抜方向Xと平行に配置されている。
チャック指16の個数は、本実施形態では2個である。両チャック指16、16は互いに同一形状及び同一構成である。両チャック指16、16は、ワーク配置部14の周囲にその周方向に等間隔に並んで配置されている。ここで、チャック指16の個数は2個であることから、両チャック指16、16は、ワーク配置部14の周囲にその周方向に180°の間隔をおいて並んで配置されている。換言すると、両チャック指16,16は、ワーク配置部14を挟んだ左右両側に互いに対向して配置されている。さらに、両チャック指16、16は、ワーク配置部14の軸心Pに対して近接及び離反方向に移動可能に配置されている。そして、両チャック指16、16がワーク配置部14の軸心Pに対して近接方向に移動することにより、ワーク配置部14に配置されたワーク口付け部22を左右両側から挟着状態に互いに協働してチャックするものである。両チャック指16、16によりチャックされたワーク口付け部22は、その長さ方向に移動不能となる。チャック指16の詳細な構成は後述する。
チャック指ホルダ11は、両チャック指16、16をワーク配置部14の軸心Pに対して近接及び離反方向に移動可能に、且つ、両チャック指16、16を引抜方向X及びその反対方向Yに移動可能に保持するものである(図4及び図7参照)。
このチャック指ホルダ11は、図1及び2に示すように、互いに上下に離間して対向状に配置された上板部12及び下板部12と、該上下両板部12、12の間において互いに左右に離間して対向状に配置された左右一対のスライドガイド部15、15と、を有している。両スライドガイド部15、15の互いに対向する面は、スライドガイド面15a、15aを構成している。そして、両スライドガイド面15a、15aの間に両チャック指16、16が配置されている。また、各スライドガイド部15は、上下部12と下板部12にそれぞれ複数個の固定ボルト13により固定されている。
各スライドガイド部15のスライドガイド面15aは、引抜方向Xとは反対方向Yに対してワーク配置部14の軸心P側に傾斜して配置されている。これにより、両スライドガイド面15a、15aは、引抜方向Xとは反対方向Yに向かって両者の間隔が漸次狭くなる状態に配置されている。各スライドガイド面15aは、対応するチャック指16が引抜方向Xとは反対方向Yに移動するのに伴い当該チャック指16をワーク配置部14の軸心Pに対して近接方向に案内移動させる面である。各スライドガイド面15aの傾斜角は、引抜方向Xとは反対方向Yに対して例えば10〜30°に設定されている。
さらに、下板部12の両スライドガイド面15a、15a間における上面には、下スライド凹条12aがそれぞれ各スライドガイド面15aの下縁に沿って形成されている。これと同じく、上板部12の両スライドガイド部15、15間の下面には、上スライド凹条12aがそれぞれ各スライドガイド面15aの上縁に沿って形成されている。
各チャック指16のチャック面16bには、断面円弧状(詳述すると断面半円弧状)の溝部がチャック指16の先端面から基端側に向かって真直に延びて形成されている。チャック面16bのこの溝部の凹面は、ワーク口付け部22の外周面に対応して湾曲しており、さらに、この凹面には複数個のワーク抜止め凸部16cが形成されている。本実施形態では、複数個の凸部16cは複数個のねじ山からなる。
各チャック指16のチャック面16bとは反対側の面には、引抜方向Xとは反対方向Yに対してワーク配置部14の軸心P側に傾斜した被ガイド面16eが形成されている。この被ガイド面16eは、スライドガイド面15aに摺接して案内される面である。被ガイド面16eの傾斜角は、対応するスライドガイド面15aの傾斜角と等しく設定されている。
さらに、各チャック指16の下面には、下スライド凸条16dが被ガイド面16eの下縁に沿って一体形成されている。また、各チャック指16の上面には、上スライド凸条16dが被ガイド面16eの上縁に沿って一体形成されている。
そして、このチャック指ホルダ11では、両チャック指16、16は両スライドガイド面15a、15aの間に配置されるとともに、各スライド凸条16dは対応するスライド凹条12aにスライド凹条12aに沿ってスライド自在に嵌合されている。これにより、両チャック指16は、ワーク配置部14の軸心Pに対して近接及び離反方向に移動可能に且つ引抜方向X及びその反対方向Yに移動可能にチャック指ホルダ11に保持されている。すなわち、両チャック指16、16が引抜方向Xとは反対方向Yに移動するのに伴い、両チャック指16、16がワーク配置部14の軸心Pに対して近接方向に移動し、これとは逆に、両チャック指16、16が引抜方向Xに移動するのに伴い、両チャック指16、16がワーク配置部14の軸心Pに対して離反方向に移動する。
さらに、両チャック指16、16の先端部16a、16aは、互いに合掌状に合わされた状態で断面円形状に形成されており、詳述すると断面円環状に形成されている。さらに、両先端部16a、16aは、両チャック指16、16の他の部位よりも局部的に小径に形成されており、これにより、両先端部16a、16aは、ダイホルダ3の抜出孔3aの内側においてワーク口付け部22を両先端部16a、16aでチャックしうる大きさに設定されている(図4参照)。なお、16xはチャック指16の先端である。
さらに、両チャック指16、16の先端部16a、16aは、互いに合掌状に合わされた状態で先細り状に形成されており、詳述すると円錐台状に形成されており、これにより、両先端部16a、16aがダイホルダ3の抜出孔3aに抜出孔3aの出口3bから挿入し易くなっている。さらに、両チャック指16、16の先端部16a、16aの外周面は、互いに合掌状に合わされた状態で円錐テーパ状に形成されている。これにより、両チャック指16、16の先端部16a、16aの直径が小さくもて十分な強度を確保することができる。両チャック指16、16の先端部16a、16aの外周面のテーパ角は、例えば5〜35°(特に好ましくは10〜30)°に設定されている。
さらに、各チャック指16の基端部には、連結棒用挿通孔16fが左右方向に貫通して設けられている。この挿通孔16fの断面形状は円形状である。そして、所定長さを有する断面円形状の連結棒17dの左側部と右側部が、それぞれ、一方のチャック指16の挿通孔16fと他方のチャック指16の挿通孔16fとにスライド自在に挿入されている。これにより、両チャック指16、16は、この連結棒17dを介して互いに近接及び離反方向に移動可能に連結されている。
また、ワーク配置部14には、棒状の位置固定部材18がワーク配置部14の軸心Pに沿って配置されている。この位置固定部材18は、ワーク配置部14の半径方向に対するワーク口付け部22の位置を固定するものである。この位置固定部材18の構成は後述する。
チャック指挿入用駆動手段17は、両チャック指16、16の少なくとも先端部16a、16aがダイホルダ3の抜出孔3aに抜出孔3aの出口3bから挿入されるように両チャック指16、16を移動させるものである。本実施形態では、両チャック指16、16の先端部16a、16aだけがこのチャック指挿入用駆動手段17によりダイホルダ3の抜出孔3aに挿入される。
このチャック指挿入用駆動手段17は、両チャック指16、16に駆動力を付与する駆動源17aと、両チャック指16、16を引抜方向Xとは反対方向Yに同時に押す押し板部17cと、を有している。
駆動源17aは、伸縮ロッド17bを有する流体圧シリンダ(例:油圧シリンダ、ガスシリンダ)からなるものであり、チャック指ホルダ11における両チャック指16、16よりも下流側の部分(詳述すると下板部12の下流側の部分)に固定されて配置されている。
押し板部17cの左側部と右側部は、それぞれ、一方のチャック指16の基端側と他方のチャック指16の基端側とに配置されている。そして、この押し板部17cに駆動源17aの伸縮ロッド17bの先端部が一体的に連結されている。
さらに、押し板部17cの左右方向中間部には、棒状の位置固定部材18が引抜方向Xとは反対方向Yに突出した状態に溶接等により固定されて設けられている。これにより、位置固定部材18は、押し板部17cと一体に移動可能に押し板部17cに設けられている。この位置固定部材18は、上述したようにワーク配置部14にその軸心Pに沿って配置されている。さらに、位置固定部材18の基端部には、引抜方向Xに延びた長孔からなる貫通孔19が設けられている。そして、この貫通孔19に前記連結棒17dが左右方向にスライド自在に挿通されている。
そして、このチャック指挿入用駆動手段17では、図3及び4に示すように、その駆動源17aの伸縮ロッド17bを伸長させることにより、押し板部17cが両チャック指16、16の基端面に衝合して該押し板部17cが両チャック指16、16を引抜方向Xとは反対方向Yに押圧し、これにより、両チャック指16、16がワーク配置部14の軸心Pに対して近接方向に同時に移動されるとともに、両チャック指16、16の先端部16a、16aがダイホルダ3の抜出孔3aに抜出孔3aの出口3bから同時に挿入されるものとなされている。一方、駆動源17aの伸縮ロッド17bを短縮させることにより、図5〜7に示すように、位置固定部材18の貫通孔19における上流側の端部19aが連結棒17dに衝合して位置固定部材18が連結棒17dを介して両チャック指16、16を引抜方向Xに押圧し、これにより、両チャック指16、16がワーク配置部14の軸心Pに対して離反方向に同時に移動されるものとなされている。
このように、チャック指挿入用駆動手段17は、両チャック指16、16(詳述すると両チャック指16、16の先端部16a、16a)をダイホルダ3の抜出孔3aに挿入させる役割と、更に、両チャック指16、16をワーク配置部14の軸心Pに対して近接及び離反方向に移動させる役割と、を有している。したがって、このチャック指挿入用駆動手段17は、両チャック指16をワーク配置部14の軸心Pに対して近接及び離反方向に移動させるチャック指接離用駆動手段としても機能している。すなわち、このチャック指挿入用駆動手段17はチャック指接離用駆動手段と兼用している。
位置固定部材18は、剛性を有する棒状のものである。位置固定部材18の断面形状は、ワーク口付け部22の先端面に形成された開口部23の断面形状に対応した形状であり、即ち円形状である。この位置固定部材18は、両チャック指16、16によるワーク口付け部22のチャックを解除する際に、ワーク口付け部22の開口部23内に位置固定部材18の少なくとも先端部18bが予め挿入されることで、ワーク配置部14の半径方向に対するワーク口付け部22の位置を固定するものである。さらに、この位置固定部材18は、両チャック指16、16によりワーク口付け部22をチャックすると同時又はその前に、ワーク口付け部22の開口部23内に位置固定部材18の少なくとも先端部18bが挿入されるものである。
この位置固定部材18において、図4に示すように、ワーク口付け部22の開口部23内に挿入される位置固定部材18の挿入部位18aは、位置固定部材18の先端部18bを含む部位からなる。この挿入部位18aの直径は、ワーク口付け部22の開口部23の直径よりも例えば0.2〜10mm小さく設定されている。さらに、図1及び2に示すように、位置固定部材18の挿入部位18aの先端部18bは、先細り状に形成されており、詳述すると円錐状に形成されており、これによりワーク口付け部22の開口部23内に挿入し易くなっている。
この位置固定部材18は、上述したように、ワーク配置部14にその軸心Pに沿って配置されるとともに、押し板部17cと一体に移動可能に押し板部17cに固定されている。さらに、位置固定部材18の先端は、ワーク配置部14の軸心方向において両チャック指16、16の先端16x、16xと同じ位置に配置されている。
このように位置固定部材18が配置されることにより、チャック装置10は、チャック指接離用駆動手段(即ちチャック指挿入用駆動手段)17による両チャック指16、16の近接及び離反動作にそれぞれ連動して、位置固定部材18の挿入部位18aがワーク口付け部22の開口部23に対して挿入及び抜出方向に移動されるように構成されている。すなわち、図3及び4に示すように、チャック指接離用駆動手段(即ちチャック指挿入用駆動手段)17によって両チャック指16、16をワーク配置部14の軸心Pに対して近接方向に移動させると、この近接動作に伴い位置固定部材18が押し板部17cにより引抜方向Xとは反対方向Yに押圧されて位置固定部材18の挿入部位18aがワーク口付け部22の開口部23に対して挿入方向に移動される。一方、図5〜7に示すように、チャック指接離用駆動手段(即ちチャック指挿入用駆動手段)17によって両チャック指16、16をワーク配置部14の軸心Pに対して離反方向に移動させると、この離反動作に伴い位置固定部材18が押し板部17cにより引抜方向Xに引っ張られて位置固定部材18の挿入部位18aがワーク口付け部22の開口部23に対して抜出方向に移動される。
牽引手段4の構成は以下のとおりである。
牽引手段4は、ワーク口付け部22をチャックしたチャック装置10を引抜方向Xに牽引するものである。この牽引手段4は、牽引駆動源4aを有している。この牽引駆動源4aは、伸縮ロッド4bを有する流体圧シリンダ(例:油圧シリンダ)からなるものであり、チャック装置10よりも下流側に位置固定状態に配置されている。そして、牽引駆動源4aの伸縮ロッド4bの先端部がチャック装置10(詳述するとチャック装置10のチャック指ホルダ11)に一体的に連結されている。
そして、この牽引手段4は、図3に示すように牽引駆動源4aの伸縮ロッド4bを伸長させることにより、チャック装置10をダイホルダ3の下流側近傍まで移動させ、一方、図5に示すように伸縮ロッド4bを短縮させることにより、チャック装置10を引抜方向Xに移動させるように構成されている。
ただし本発明では、牽引手段4は油圧シリンダ式のものであることに限定されるものではなく、その他に例えばチェーン駆動式のものであっても良い。
次に、本実施形態の引抜加工装置1を用いた引抜加工方法について以下に説明する。
まず、図3に示すように、本実施形態のチャック装置10を準備する[チャック装置準備工程]。そして、牽引手段4の牽引駆動源4aの伸縮ロッド4bを伸長させることにより、チャック装置10をダイホルダ3の下流側近傍に配置させる。また、チャック装置10の両チャック指16、16を互いに離間させておく。
また、ワーク20の口付け部22を、引抜ダイス2のダイス孔2aとダイホルダ3の抜出孔3aとに順次挿入する[ワーク挿入工程]。このワーク挿入工程では、図3に示すように、ワーク口付け部22がダイホルダ3の抜出孔3aの出口位置Tよりも下流側に突出しない状態にワーク口付け部22を抜出孔3aに挿入するのが望ましい。この挿入状態では、ワーク口付け部22の先端は、引抜ダイス2のダイス孔2aの出口位置Sとダイホルダ3の抜出孔3aの出口位置Tとの間に位置している。具体的には、引抜ダイス2のダイス孔2aの出口位置Sよりも下流側に突出したワーク口付け部22の突出長さは例えば20〜50mmに設定されるのが望ましい。さらに、ワーク口付け部22の先端は、ダイホルダ3の抜出孔3aの出口位置Tと同じ位置か、出口位置Tよりも上流側に位置しているのが望ましい。ただし本発明では、ワーク口付け部22の先端がダイホルダ3の抜出孔3aの出口位置Tよりも下流側に位置していても良く、即ち、本発明は、ワーク口付け部22がダイホルダ3の抜出孔3aの出口位置Tよりも下流側に突出する状態にワーク口付け部22を抜出孔3aに挿入することを排除するものではない。
次いで、チャック装置10のチャック指挿入用駆動手段(即ちチャック指接離用駆動手段)17の駆動源17aの伸縮ロッド17bを引抜方向Xとは反対方向Yに伸長させる。これにより、両チャック指16、16がワーク配置部14の軸心Pに対して近接方向に移動しながら、両チャック指16、16の先端部16a、16aがダイホルダ3の抜出孔3aに抜出孔3aの出口3bから挿入されるとともに、ワーク口付け部22がワーク配置部14に配置され、さらに、ワーク口付け部22の開口部23内に位置固定部材18の挿入部位18aが適合状態に挿入される[位置固定部材挿入工程]。このように開口部23内に位置固定部材18の挿入部位18aが挿入されることにより、ワーク配置部14の半径方向に対するワーク口付け部22の位置が固定される。
引き続き伸縮ロッド17bを伸長させることにより、図4に示すように、チャック指ホルダ11をダイホルダ3の抜出孔3aに挿入しないで、ワーク口付け部22における抜出孔3aの内側に位置している部位(即ち、引抜ダイス2のダイス孔2aの出口位置Sからダイホルダ3の抜出孔3aの出口位置Tまでのワーク口付け部22の部位)を、ダイホルダ3の抜出孔3aの内側位置で両チャック指16、16の先端部16a、16aによりチャックする[チャック工程]。これにより、各チャック指16のワーク抜止め凸部16cがワーク口付け部22の外周面に食い込み、もってワーク口付け部22のワーク配置部14からの抜け止めが図られる。なお、このように両チャック指16、16によりワーク口付け部22をチャックした状態では、両チャック指16、16の先端16x、16xは、ダイホルダ3の抜出孔3aの出口位置Tよりも上流側に位置しており、即ち抜出孔3aの内側に位置している。
ここで、本実施形態ではチャック工程は位置固定部材挿入工程の後で行われているが、本発明ではチャック工程はその他に位置固定部材挿入工程と同時に行っても良いし、その前に行っても良い。しかしながら、本発明ではチャック工程は位置固定部材挿入工程と同時又はその後で行うことが望ましく、特にその後で行うことが望ましい。
本発明では、位置固定部材挿入工程時にワーク口付け部22の開口部23内に挿入する位置固定部材18の挿入長さ、即ち位置固定部材18の挿入部位18aの長さは、特に限定されるものではないが、例えば10〜30mmに設定されるのが望ましい。
また本発明では、チャック工程時にワーク口付け部22を両チャック指16、16によりチャックするワーク口付け部22のチャック長さは、特に限定されるものではないが、例えば50〜300mmに設定されるのが望ましい。
次いで、牽引手段4の牽引駆動源4aの伸縮ロッド4bを引抜方向Xに短縮させる。これにより、図5に示すように、ワーク口付け部22をチャックしたチャック装置10を引抜方向Xに牽引し、ワーク20を引抜加工する[引抜加工工程]。
そして、ワーク20が所定長さ領域(例えばワーク20の全長さ領域)に亘って引抜加工されて、ワーク20の引抜加工が終了したら、チャック指挿入用駆動手段(即ちチャック指接離用駆動手段)17の駆動源17aの伸縮ロッド17bを引抜方向Xに短縮させる。これにより、図6に示すように、両チャック指16、16が、ワーク口付け部22の開口部23内に位置固定部材18の挿入部位18aが予め挿入された状態でワーク配置部14の軸心Pに対して離反方向に移動されて、両チャック指16、16によるワーク口付け部22のチャックが解除されるとともに、さらに、位置固定部材18の挿入部位18aがワーク口付け部22の開口部23内からの抜出方向に移動される。このとき、ワーク口付け部22が各チャック指16のチャック面16bにくっついていても、ワーク口付け部22の開口部23内に位置固定部材18の挿入部位18aが挿入されているので、ワーク口付け部22が各チャック指16のチャック面16bから引き剥される。引き続き伸縮ロッド17bを短縮させることにより、図7に示すように、両チャック指16、16によるワーク口付け部22のチャックが完全に解除されるとともに、位置固定部材18の挿入部位18aがワーク口付け部22の開口部23内から抜出される。
以上の工程を経ることにより、所望する引抜材25が得られる。
而して、上記実施形態の引抜加工方法には次の利点がある。
チャック工程では、図4に示すように、ワーク口付け部22の少なくとも一部をダイホルダ3の抜出孔3aの内側位置でチャック装置10によりチャックするので、ワーク口付け部22の長さが短くても、ワーク口付け部22をチャック装置10によりチャックすることができる。そのため、ワーク口付け部22の長さを従来よりも短くすることができ、もってワーク20から製造可能な引抜材25の長さを長くすることができる。
しかも、ワーク挿入工程では、図3に示すように、ワーク口付け部22がダイホルダ3の抜出孔3aの出口位置Tよりも下流側に突出しない状態にワーク口付け部22を抜出孔3aに挿入するので、ワーク口付け部22の長さを更に短くすることができる。これにより、ワーク20から製造可能な引抜材25の長さを更に長くすることができる。
実際に、本実施形態の引抜加工方法に従ってワーク20を引抜加工した場合、ワーク20から製造された引抜材25の長さは、従来の引抜加工方法よりも約1%長くすることができた。
さらに、チャック工程では、チャック装置10の両チャック指16、16の先端部16a,16aをダイホルダ3の抜出孔3aに抜出孔3aの出口3bから挿入して、ワーク口付け部22を抜出孔3aの内側位置で両チャック指16、16によりチャックするので、ワーク口付け部22をダイホルダ3の抜出孔3aの内側位置で確実にチャックすることができる。
さらに、チャック装置10の両チャック指16、16の先端部16a、16aが先細り状に形成されているので、両チャック指16、16をダイホルダ3の抜出孔3aに容易に挿入することができる。
また、上記実施形態の引抜加工装置1には次の利点がある。
従来の引抜加工装置では、ダイホルダ3の強度を確保するためにダイホルダ3の引抜材抜出孔3aの直径は小さかった。また、チャック装置の両チャック指の強度を確保するために、両チャック指の直径は大きかった。そのため、両チャック指をダイホルダ3の抜出孔3aに挿入することができなかった。一方、ダイホルダ3の抜出孔3aの直径を大きくすると、ダイホルダ3の強度を確保するためにダイホルダ3の引抜方向の肉厚(例えば壁部3cの肉厚)を増大する必要があるが、そうするとダイホルダ3の製造コストが増大するし、また引抜加工装置の設置スペースも増大するという難点があった。
これに対して、上記実施形態の引抜加工装置1では、チャック装置10の両チャック指16、16の少なくとも先端部16a、16aの外周面は、円錐テーパ状に形成されているので、両チャック指16、16の先端部16a、16aの直径が小さくても十分な強度を確保することができる。
さらに、上記実施形態の引抜加工方法には次の利点がある。
チャック工程では、図4に示すように、ワーク口付け部22の開口部23内に位置固定部材18を挿入することにより、ワーク配置部14の半径方向に対するワーク口付け部22の位置が固定される。そして、チャック解除工程では、図6及び7に示すように、両チャック指16、16を、ワーク口付け部22の開口部23内に位置固定部材18を挿入した状態でワーク配置部14の軸心Pに対して離反方向に移動させることにより、ワーク口付け部22が各チャック指16のチャック面16bから引き剥される。これにより、チャックを解除する際にワーク口付け部22がチャック指16と一緒に移動するのを防止することができる。そのため、引抜材25や口付け部22の曲がりを防止することができる。さらに、ワーク口付け部22のチャック面16bからの引き剥がし作業を別途行う必要がなくなり、引抜加工の作業能率が向上する。
さらに、チャック装置10は、チャック指接離用駆動手段(即ちチャック指挿入用駆動手段)17による両チャック指16、16の近接及び離反動作にそれぞれ連動して、位置固定部材18がワーク口付け部22の開口部23に対して挿入及び抜出方向に移動されるように構成されている。そのため、チャック指接離用駆動手段17を作動させることにより、両チャック指16、16の近接及び離反操作と、位置固定部材18の挿入及び抜出操作とを同時に行うことができる。
さらに、位置固定部材18の先端部18bが先細り状に形成されているので、位置固定部材18をワーク口付け部22の開口部23内へ容易に挿入することができる。
また、本実施形態に係る引抜加工装置1は、上記引抜加工方法に好適に用いられる。
また、本実施形態に係るチャック装置10は、上記引抜加工方法に好適に用いられる。
また、本実施形態に係るワーク20のチャック方法によれば、上記効果と同様の効果を奏する。
図8は、同チャック装置10のチャック指16のワーク抜止め凸部16cの一変形例を説明する図である。
本変形例では、各チャック指16のチャック面16bには、複数個のワーク抜止め凸部16cとして、先端部が錐状(詳述すると円錐状)に形成された複数個のワーク抜止めピン16gが、ワーク配置部14の軸心P方向に並んでチャック面16bに対して固定状態に且つ取外し可能に設けられている。
本変形例のチャック装置10のその他の構成は、上記実施形態のチャック装置と同じである。
以上で本発明の実施形態及び変形例を説明したが、本発明は、上記実施形態及び変形例に示したものであることに限定されるものではなく、様々に変更可能である。
例えば、上記実施形態ではワーク20は中空部21を有するパイプ材からなるものであるが、本発明ではワーク20は中実材からなるものであっても良い。
また、上記実施形態ではワーク口付け部22の先端面に設けられた凹部は、ワーク20の中空部21の開口部23からなるものであるが、本発明では凹部はこれに限定されるものではない。例えば、ワーク20が中実材からなる場合には、このワークの口付け部の先端面に切削加工により凹部を形成しても良い。
また、上記実施形態ではワーク20の材質はアルミニウムであるが、本発明ではワーク20の材質は特に限定されるものではなく、アルミニウム以外の金属であっても良い。
また、上記実施形態ではワーク20は感光ドラム基体用管を製造するためのものであるが、本発明ではワークはこれに限定されるものではなく、その他の製品を製造するためのものであっても良い。
また、上記実施形態ではチャック装置10のチャック指16の個数は2個であるが、本発明ではチャック指16の個数は2個であることに限定されるものではなく、その他に例えば3個であっても良いし4個以上であっても良い。
本発明は、ワークを引抜加工する引抜加工方法及び該引抜加工方法に用いられる引抜加工装置に利用可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係る引抜加工装置に備えられたチャック装置の分解斜視図である。 図2は、同チャック装置の組立途上の斜視図である。 図3は、同チャック装置によりワークの口付け部をチャックする前の状態を示す概略断面図である。 図4は、同チャック装置によりワークの口付け部をチャックしたときの状態を示す概略断面図である。 図5は、同チャック装置を引抜方向に牽引することによりワークを引抜加工している途中の状態を示す概略断面図である。 図6は、同チャック装置によるワーク口付け部のチャックを解除した直後の状態を示す概略断面図である。 図7は、同チャック装置によるワーク口付け部のチャックを完全に解除した状態を示す概略断面図である。 図8は、同チャック装置のチャック指のワーク抜止め凸部の一変形例を示す拡大図である。 図9Aは、従来の引抜加工装置に備えられたチャック装置によりワークの口付け部をチャックする前の状態を示す概略説明図である。 図9Bは、同チャック装置によりワークの口付け部をチャックしたときの状態を示す概略説明図である。 図9Cは、同チャック装置を引抜方向に牽引することによりワークを引抜加工している途中の状態を示す概略説明図である。
符号の説明
1:引抜加工装置
2:引抜ダイス
2a:ダイス孔
S:ダイス孔の出口位置
3:ダイホルダ
3a:引抜材抜出孔
3b:抜出孔の出口
T:抜出孔の出口位置
4:牽引手段
10:チャック装置
14:ワーク配置部
P:ワーク配置部の軸心
16:チャック指
16a:チャック指の先端部
16b:チャック面
16c:ワーク抜止め凸部
17:チャック指挿入用駆動手段兼チャック指接離用駆動手段
18:位置固定部材
18a:挿入部位
18b:先端部
20:ワーク
21:中空部
22:口付け部(ワークの先端部)
23:開口部(凹部)
25:引抜材
X:引抜方向
Y:引抜方向とは反対方向

Claims (9)

  1. ワークの口付け部が配置されるワーク配置部と、前記ワーク配置部の周囲に前記ワーク配置部の軸心に対して近接及び離反方向に移動可能に配置された複数個のチャック指と、ワークの口付け部の先端面に設けられた凹部内に挿入されることで前記ワーク配置部の半径方向に対するワーク口付け部の位置を固定する位置固定部材と、前記複数個のチャック指をワーク配置部の軸心に対して近接及び離反方向に移動可能に保持したチャック指ホルダと、を備えたチャック装置を準備するチャック装置準備工程と、
    ワークの口付け部を、引抜ダイスのダイス孔と前記引抜ダイスを保持したダイホルダの引抜材抜出孔とに順次挿入するワーク挿入工程と、
    前記ワーク挿入工程の後で、ワーク口付け部の前記凹部内に前記チャック装置の前記位置固定部材を挿入する位置固定部材挿入工程と、
    前記位置固定部材挿入工程と同時に又はその後で、ワーク口付け部を前記チャック装置によりチャックするチャック工程と、
    前記チャック工程の後で、前記チャック装置を引抜方向に牽引することによりワークを引抜加工する引抜加工工程と、を含み、
    前記チャック工程では、前記ダイホルダの抜出孔に前記チャック指ホルダを挿入しないで、ワーク口付け部の少なくとも一部を前記ダイホルダの抜出孔の内側位置で前記チャック装置の前記複数個のチャック指によりチャックすることを特徴とする引抜加工方法。
  2. 前記チャック工程では、前記チャック装置の前記複数個のチャック指の少なくとも先端部を前記ダイホルダの抜出孔に抜出孔の出口から挿入して、ワーク口付け部の少なくとも一部を前記複数個のチャック指によりチャックする請求項記載の引抜加工方法。
  3. 前記チャック装置の前記複数個のチャック指の少なくとも先端部は、先細り状に形成されている請求項1又は2記載の引抜加工方法。
  4. 前記チャック装置の前記複数個のチャック指の少なくとも先端部の外周面は、円錐テーパ状に形成されている請求項記載の引抜加工方法。
  5. 前記ワーク挿入工程では、ワーク口付け部が前記ダイホルダの抜出孔の出口位置よりも下流側に突出しない状態にワーク口付け部を前記抜出孔に挿入する請求項1〜のいずれかに記載の引抜加工方法。
  6. ダイス孔を有する引抜ダイスと、
    引抜材抜出孔を有するとともに前記引抜ダイスを保持したダイホルダと、
    前記引抜ダイスのダイス孔と前記ダイホルダの抜出孔とに順次挿入されたワークの口付け部をチャックするチャック装置と、を具備するとともに、
    前記チャック装置は、
    ワークの口付け部が配置されるワーク配置部と、前記ワーク配置部の周囲に前記ワーク配置部の軸心に対して近接及び離反方向に移動可能に配置された複数個のチャック指と、ワークの口付け部の先端面に設けられた凹部内に挿入されることで前記ワーク配置部の半径方向に対するワーク口付け部の位置を固定する位置固定部材と、前記複数個のチャック指をワーク配置部の軸心に対して近接及び離反方向に移動可能に保持したチャック指ホルダと、を備えるとともに、
    ワーク口付け部の前記凹部内に前記位置固定部材を挿入すると同時に又はその後で、前記ダイホルダの抜出孔に前記チャック指ホルダを挿入しないで、ワーク口付け部の少なくとも一部を前記ダイホルダの抜出孔の内側位置で前記複数個のチャック指によりチャックするものであることを特徴とする引抜加工装置。
  7. 前記チャック装置は、
    前記複数個のチャック指の少なくとも先端部が前記ダイホルダの抜出孔に抜出孔の出口から挿入されるように前記複数個のチャック指を移動させるチャック指挿入用駆動手段を備えている請求項記載の引抜加工装置。
  8. 前記チャック装置の前記複数個のチャック指の少なくとも先端部は、先細り状に形成されている請求項6又は7記載の引抜加工装置。
  9. 前記チャック装置の前記複数個のチャック指の少なくとも先端部の外周面は、円錐テーパ状に形成されている請求項記載の引抜加工装置。
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