JP5350465B2 - アルカンジオールおよびジアルキルカルボナートの調製プロセス - Google Patents

アルカンジオールおよびジアルキルカルボナートの調製プロセス Download PDF

Info

Publication number
JP5350465B2
JP5350465B2 JP2011507895A JP2011507895A JP5350465B2 JP 5350465 B2 JP5350465 B2 JP 5350465B2 JP 2011507895 A JP2011507895 A JP 2011507895A JP 2011507895 A JP2011507895 A JP 2011507895A JP 5350465 B2 JP5350465 B2 JP 5350465B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbonate
alkanol
mixture
reactor
alkylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011507895A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011519892A (ja
Inventor
アレ,シリーユ・ポール
ボーレンス,ミニー
フアン・デル・ハイデ,エバート
Original Assignee
シエル・インターナシヨナル・リサーチ・マートスハツペイ・ベー・ヴエー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by シエル・インターナシヨナル・リサーチ・マートスハツペイ・ベー・ヴエー filed Critical シエル・インターナシヨナル・リサーチ・マートスハツペイ・ベー・ヴエー
Publication of JP2011519892A publication Critical patent/JP2011519892A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5350465B2 publication Critical patent/JP5350465B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C68/00Preparation of esters of carbonic or haloformic acids
    • C07C68/06Preparation of esters of carbonic or haloformic acids from organic carbonates
    • C07C68/065Preparation of esters of carbonic or haloformic acids from organic carbonates from alkylene carbonates

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

本発明は、アルキレンカルボナートおよびアルカノールからアルカンジオールおよびジアルキルカルボナートを調製するためのプロセスに関する。
こうしたエステル交換プロセスは既知である。これらの既知のエステル交換プロセスによれば、アルカノールとアルキレンカルボナートとの反応は、エステル交換触媒の存在下で行われるべきである。例えばUS−A 5,359,118を参照のこと。この文献には、ジ(C−Cアルキル)カルボナートを、アルキレンカルボナートとC−Cアルカノールとのエステル交換により調製するプロセスが開示されている。加えて、このアルキレンカルボナートおよびアルカノールは、エステル交換触媒の存在下で反応する。この触媒は通常均一系であるが、不均一系触媒を使用することも示唆されている。
米国特許第5,359,118号明細書
アルキレンカルボナートおよびアルカノールからアルカンジオールおよびジアルキルカルボナートを調製するプロセスにおいて、アルカノールを、エステル交換触媒の不存在下でアルキレンカルボナートと反応させるのが望ましい。
驚くべきことに、こうしたプロセスの第1の段階において、アルカノールは、実際、エステル交換触媒の不存在下でアルキレンカルボナートと優れた転化率および選択率で反応することができ、こうした反応の結果として、ヒドロキシアルキルアルキルカルボナート、未転化アルカノールおよび未転化アルキレンカルボナートを含む混合物が得られることを見出した。さらに、第2の段階において、ヒドロキシアルキルアルキルカルボナート、アルカノールおよびアルキレンカルボナートを含む混合物のエステル交換触媒の存在下でのさらなる転化により、結果として、アルカンジオールおよびジアルキルカルボナートを含む混合物が得られ、この混合物からアルカンジオールおよびジアルキルカルボナートを回収できることを見出した。
従って、本発明は:
(a)10から200℃の温度、5×10から5×10N/m(0.5から50bar)の圧力にて、エステル交換触媒の不存在下でアルキレンカルボナートおよびアルカノールを反応させ、ヒドロキシアルキルアルキルカルボナート、アルカノールおよびアルキレンカルボナートを含む混合物を得る工程;
(b)ヒドロキシアルキルアルキルカルボナート、アルカノールおよびアルキレンカルボナートを含む混合物を、10から200℃の温度、および5×10から5×10N/m(0.5から50bar)の圧力にてエステル交換触媒と接触させて、アルカンジオールおよびジアルキルカルボナートを含む混合物を得る工程;ならびに
(c)アルカンジオールおよびジアルキルカルボナートを含む混合物からアルカンジオールおよびジアルキルカルボナートを回収する工程を含む、アルカンジオールおよびジアルキルカルボナートの調製プロセスに関する。
本発明に従うプロセスのフロースキームを示す。
アルキレンカルボナートおよびアルカノールからのアルカンジオールおよびジアルキルカルボナートの調製には、2つの工程を含むエステル交換反応機構が含まれる。第1の工程において、アルキレンカルボナートは、1分子のアルカノールと反応して、中間体、即ちヒドロキシアルキルアルキルカルボナートを生じる。第2の工程において、アルカノールの別の分子が、前記ヒドロキシアルキルアルキルカルボナートと反応して、所望のジアルキルカルボナートおよびアルカンジオールを生じる。
今般、前記中間体ヒドロキシアルキルアルキルカルボナートは、エステル交換触媒の不存在下にて容易に得られることを見出した。本プロセスの工程(a)においてエステル交換触媒が不存在であることに関して、前記工程(a)においてエステル交換触媒の量がアルキレンカルボナートに基づいて100万重量部あたり最大100部(ppmw)であることを意味する。好ましくは、前記エステル交換触媒の最大量は、50ppmw、より好ましくは10ppmw、およびさらにより好ましくは1ppmwである。最も好ましくは、検出可能なエステル交換触媒は、アルキレンカルボナートおよび/またはアルカノール中に存在しない。さらに、好ましくは本プロセスの工程(a)においてエステル交換触媒が不存在であることに関して、前記工程(a)中においてエステル交換触媒がアルキレンカルボナートおよび/またはアルカノールに添加されないことを意味する。
前記中間体ヒドロキシアルキルアルキルカルボナートに加えて、特定量のアルカンジオールおよびジアルキルカルボナート生成物は、エステル交換触媒の不存在下にて形成され得る。故に、本プロセスの利点は、これが触媒の不存在下で部分的に行われることである。エステル交換触媒を使用しない利点は、副生成物がほとんどまたは全く形成されないことである。これは、本発明のプロセスの工程(a)をさらに例示するような以下の実施例にて示される。
一般にエステル交換触媒が存在する場合に形成され得る副生成物の例は、アルカンジオールのオリゴマー、例えばアルキレンカルボナートがエチレンカルボナートである場合はジエチレングリコール(DEG)およびトリエチレングリコール(TEG)、またはアルキレンカルボナートがプロピレンカルボナートである場合はジプロピレングリコール(DPG)およびトリプロピレングリコール(TPG)である。こうした副生成物のさらなる例は、エーテル副生成物、例えばアルキレンカルボナートがエチレンカルボナートであり、アルカノールがエタノールである場合には2−エトキシエタノール(オキシトール)、またはアルキレンカルボナートがプロピレンカルボナートであり、アルカノールがエタノールである場合には、1−エトキシプロパン−2−オールおよび2−エトキシプロパン−1−オールである。
本プロセスの工程(a)および(b)は、同じ反応器にて行われてもよい。こうした場合、工程(b)にて必要とされるエステル交換触媒は、アルキレンカルボナートのヒドロキシアルキルアルキルカルボナートへの特定の転化が達成された時点で反応混合物に添加されるだけである。
しかし、好ましくは前記工程(a)および(b)は、連続して配列された2つの異なる反応器にて行われる。第1の反応器において、アルキレンカルボナートおよびアルカノールは、エステル交換触媒の不存在下で反応し、ヒドロキシアルキルアルキルカルボナート、アルカノールおよびアルキレンカルボナートを含む混合物を得る。ヒドロキシアルキルアルキルカルボナート、アルカノールおよびアルキレンカルボナートを含む混合物は、好適には配管により前記第1の反応器から前記第2の反応器に送られる。さらに、前記第2の反応器において、エステル交換触媒が提供される。前記第2の反応器においてヒドロキシアルキルアルキルカルボナート、アルカノールおよびアルキレンカルボナートを含む混合物とエステル交換触媒とを接触させることにより、さらなる転化が生じ、アルカンジオールおよびジアルキルカルボナートを含む混合物が得られる。
有利なことに、前記工程(a)および(b)が連続して配列された2つの異なる反応器にて行われるこうしたプロセスは、連続的に行うことができる。
さらに、連続して配列されており、エステル交換触媒を含有する第2の反応器に供給する前に、第1の反応器でエステル交換反応を開始する利点は、前記第2の反応器中での所与の触媒充填および滞留時間において、高い転化率を第2の反応器にて得ることができることである。さらに、前記第2の反応器において既に平衡転化状態で作動する場合、第1の反応器にてエステル交換反応を開始する利点は、前記第2の反応器中の触媒サイズおよび/または触媒充填を低減できることである。さらなる利点は、以下で説明するように、第2の反応器中の温度制御に関する。
反応器全体、例えば栓流反応器において一定温度を維持できるのが好ましい場合、温度が反応器全体の設定または平均温度よりも高いまたは低い領域が形成されることは避けなければならない。アルキレンカルボナートとアルカノールとの2工程エステル交換反応の場合、まず中間体ヒドロキシアルキルアルキルカルボナート、第2にジアルキルカルボナートおよびアルキレングリコールが生成し、前記連続的なエステル交換反応は、異なる熱力学的挙動(発熱、熱力学的に中性、吸熱)を有し得る。前記連続的なエステル交換反応が同じ反応器、例えば栓流反応器で行われるプロセスにおいては、2つの反応間における熱力学的挙動の差が、反応器全体の設定または平均温度よりも高いまたは低い温度領域の形成を導き得る。しかし、本発明のプロセスにて可能であるように、第1のエステル交換反応が別個の第1の反応器にて部分的または全体的に行われ、第2のエステル交換反応が別個の第2の反応器にて部分的または全体的に行われる場合、第2の反応器での温度制御は、反応器全体の設定または平均温度よりも高いまたは低い温度領域が部分的または完全に排除されるような方法で行うことができる。
前記第1の反応器は、混合手段を備えた容器であってもよく、ここでアルキレンカルボナートおよびアルカノールがエステル交換触媒の不存在下で混合された後、この混合物は、エステル交換触媒を含有する第2の反応器に送られる。前記第1の反応器中の滞留時間は、1分から500時間までのオーダーである。前記第2の反応器中の滞留時間も1分から500時間までのオーダーである。
前記第2の反応器は、US−A5,359,118に記載されるように、反応蒸留カラムであってもよい。これには、反応が逆流で行われることが伴う。この蒸留カラムは、バブルキャップを備えたトレイ、シーブトレイ、またはラシヒリングを含有し得る。当業者は、エステル交換触媒の幾つかのタイプのパッキングおよび幾つかのトレイ構成が可能であることを認識する。好適なカラムは、例えばUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,5th ed.Vol.B4,pp321ff,1992に記載されている。好ましくは、本プロセスの工程(a)から生じるヒドロキシアルキルアルキルカルボナート、未転化アルカノールおよび未転化アルキレンカルボナートを含む混合物は、反応蒸留カラムの中間部分に供給される。
さらなるアルカノールおよび/またはアルキレンカルボナートが、反応蒸留カラムに供給されてもよい。アルキレンカルボナートは、一般にアルカノールより高い沸点を有する。エチレンおよびプロピレンカルボナートの場合、大気圧沸点は240℃を超える。故に、一般にさらなるアルキレンカルボナートがカラムの上方部分に供給され、さらなるアルカノールがカラムの下方部分に供給される。アルキレンカルボナートは下方に流れ、アルカノールは上方に流れる。未転化アルキレンカルボナート、ヒドロキシアルキルアルキルカルボナートおよび可能なさらなるアルキレンカルボナートはアルカノールと反応し、こうしてアルカンジオールおよびジアルキルカルボナートに転化される。
好ましくは、本プロセスの工程(b)は、並流様式で行われる。好適な操作方法は、細流様式にて反応を行うものであり、反応体の気相部分と液相部分とが不均一触媒上に滴り落ちる。本発明のプロセスの工程(a)および(b)のより好ましい操作方法は、液体だけを用いる反応器中で行われるものであり、触媒を含まない1つの反応器(工程(a)用)と触媒を含む1つの反応器(工程(b)用)があり、前記反応器が連続的に配列される。このタイプの好適な反応区域は、パイプタイプの反応区域であり、反応は栓流様式にて行われる。少なくとも前記工程(b)に関しては、こうして、反応を実質的に完了させることができる。さらなる可能性としては、本発明のプロセスの工程(a)および(b)を、連続的に配列された2つの別個の連続的に撹拌された槽反応器(CSTR)で行うことである。後者の場合、前記工程(b)を行うために使用されたCSTRからの流出物は、好ましくは、反応を実質的に完了させるように栓流反応器にてポスト反応に供される。前記工程(b)の間、さらなるアルカノールおよび/またはアルキレンカルボナートが供給されてもよい。
本プロセスの工程(c)において、アルカンジオールおよびジアルキルカルボナートは、工程(b)にて形成されたアルカンジオールおよびジアルキルカルボナートを含む混合物から回収される。アルカンジオールおよびジアルキルカルボナートを含む混合物が反応蒸留カラムにて形成される場合、前記2つの化合物の分離は、前記カラム自体にて既に行われている。一般にジアルキルカルボナートは反応蒸留カラムの頂部ストリーム部分として出て、アルカンジオールは底部ストリーム部分としてカラムから出る。次いで、前記頂部ストリームと前記底部ストリームは、それぞれ未転化アルカノールからジアルキルカルボナートを分離し、未転化アルキレンカルボナートからアルカンジオールを分離するために、さらなる分離手順に供される。
反応蒸留カラムが本プロセスの工程(b)にて使用されない他の場合、アルカンジオールおよびジアルキルカルボナートを含む混合物は、別個の分離手順に供されなければならない。前記分離は、第1の蒸留カラムにて行われてもよく、それにより前記蒸留カラムの頂部からのストリームは、ジアルキルカルボナートおよび未転化アルカノールを含み、前記蒸留カラムの底部からのストリームはアルカンジオールおよび未転化アルキレンカルボナートを含む。前記第1の蒸留カラムでの好適な蒸留条件は、圧力が0.05から1.0barであり、温度が40から200℃である。
第2の蒸留カラムにおいて、ジアルキルカルボナートは前記頂部ストリームから回収され、第3の蒸留カラムにおいて、アルカンジオールは前記底部ストリームから回収される。
前記第2の蒸留カラムにおける前記蒸留は、大気圧より低い圧力から大気圧より高い圧力の範囲の圧力にて達成されるのが好適な場合がある。好適には、圧力は0.1から45barで変動し得る。温度は、選択された圧力に応じて変動し得る。温度は、35から300℃であることができる。より好ましくは、前記蒸留条件は、0.1から1.5barの範囲の圧力および35から150℃の範囲の温度を含む。
ジアルキルカルボナートおよびアルカノールが共沸混合物を形成する場合、前記第2の蒸留カラムにおいて、ジアルキルカルボナートとアルカノールとの分離を促進する抽出剤を用いて抽出蒸留を使用するのが有益な場合がある。抽出剤は、多くの化合物、特にアルコール、例えばフェノールまたはエーテル、例えばアニソールから選択できる。しかし、抽出剤としてアルキレンカルボナートを使用するのが好ましい。出発材料として使用されているアルキレンカルボナートの存在下で分離を達成するのが最も有利である。
回収されたジアルキルカルボナートは、場合によりさらに精製されてもよい。このさらなる精製は、US−A5,455,368に記載されるように、さらなる蒸留工程またはイオン交換工程を含んでいてもよい。
前記第3の蒸留カラムでの前記蒸留は、0.01から0.4barの圧力、および100から200℃の温度にて達成されるのが好適な場合がある。回収されたアルカンジオールを含有するこの蒸留中の頂部留分は、分離カットの鋭さに依存して、他の化合物、例えば未転化アルキレンカルボナートを含み得る。故に、回収されたアルカンジオールは、場合により、さらに精製されてもよい。
本発明のプロセスは、アルキレンカルボナートのアルカノールとのエステル交換を含む。エステル交換の出発材料は、好ましくはC−CアルキレンカルボナートおよびC−Cアルカノールから選択される。より好ましくは、出発材料は、エチレンカルボナートまたはプロピレンカルボナートおよびメタノール、エタノールまたはイソプロパノール、最も好ましくはエタノールである。
本プロセスの工程(b)においては、エステル交換触媒の存在が必要である。好適な均一系エステル交換触媒は、US−A5,359,118に記載されており、アルカリ金属、即ちリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムの水素化物、酸化物、水酸化物、アルコラート、アミド、または塩が含まれる。好ましい触媒は、カリウムまたはナトリウムの水酸化物またはアルコラートである。供給原料として使用されているアルカノールのアルコラートを使用するのが有利である。
他の好適な触媒は、アルカリ金属塩、例えばアセタート、プロピオナート、ブチラートまたはカルボナートである。さらなる好適な触媒は、US−A5,359,118および、この文献にて記載される参照文献、例えばEP−A274 953、US−A3,803,201、EP−A 1082およびEP−A 180 387に記載されている。
US−A 5,359,118に示されるように、不均一系触媒の使用も可能である。このプロセスにおいて、エステル交換反応の工程(b)において不均一系エステル交換触媒の使用が好ましい。好適な不均一系触媒は、官能基を含有するイオン交換樹脂を含む。好適な官能基は、三級アミン基および四級アンモニウム基を含み、さらにスルホン酸およびカルボン酸基を含む。さらに、好適な触媒は、アルカリおよびアルカリ土類シリカートを含む。好適な触媒は、US−A4,062,884およびUS−A4,691,041に開示されている。好ましくは、不均一系触媒は、ポリスチレンマトリックスおよび三級アミン官能基を含むイオン交換樹脂から選択される。例は、ポリスチレンマトリックスにN,N−ジメチルアミン基が結合したAmberlyst A−21(Rohm&Haasから)である。三級アミンおよび四級アンモニウム基を有するイオン交換樹脂を含む8種類のエステル交換触媒が、J F Knifton et al.,J.Mol.Catal,67(1991)389ffに開示されている。
本プロセスの工程(a)および工程(b)のエステル交換条件は、10から200℃の温度および0.5から50bar(5×10から5×10N/m)の圧力を含む。好ましくは、特に並流操作において、前記圧力は1から20bar、より好ましくは1.5から20bar、最も好ましくは2から15barの範囲であり、前記温度は30から200℃、より好ましくは40から170℃、最も好ましくは50から150℃の範囲である。
さらに、好ましくはアルキレンカルボナートよりも過剰のアルカノールが、本プロセスの工程(a)にて使用される。前記工程(a)におけるアルカノールとアルキレンカルボナートとのモル比は、好適には1.01:1から25:1、好ましくは2:1から20:1、より好ましくは4:1から17:1、最も好ましくは5:1から15:1である。本プロセスの工程(b)の触媒量は、アルキレンカルボナート(即ち、本プロセスの工程(a)に供給される総アルキレンカルボナート)に基づいて0.1から5.0重量%、好ましくは0.2から2重量%であることができる。本プロセスの工程(a)および(b)の重量毎時空間速度は、好適には0.1から100kg/kg.hrの範囲であることができる。
本発明のプロセスは、種々の供給原料に使用できる。プロセスは、モノエチレングリコール(1,2−エタンジオール)、モノプロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、ジメチルカルボナートおよび/またはジエチルカルボナートおよび/またはジイソプロピルカルボナートの調製に非常に好適である。プロセスは、エチレンカルボナートまたはプロピレンカルボナートおよびエタノールからモノエチレングリコールまたはプロピレングリコールおよびジエチルカルボナートの生成に使用されるのが最も有利である。
図において、本発明に従うプロセスのフロースキームを示す。プロセスは好適なアルコールとしてエタノール、アルキレンカルボナートとしてエチレンカルボナートを記載しているが、当業者は他のアルカノールおよびアルキレンカルボナートを同様に使用できることを理解する。
エタノールは、反応器2aに至るライン1を通過する。反応器2aは、好適には連続的に撹拌された槽反応器であることができる。反応器2aは、エステル交換触媒を含有していない。ライン3を介して、エチレンカルボナートも反応器2aに供給される。ライン4aを介して、反応器2aからの、ヒドロキシエチルエチルカルボナート、エタノールおよびエチレンカルボナートを含む反応混合物を反応器2bに供給する。反応器2bも、好適には連続的に撹拌された槽反応器であることができる。エステル交換触媒は、反応器2b中に存在し、触媒は連続的に前記反応器に供給されてもよい。触媒は、ライン4aにて混合物と混合されてもよく、または別のライン(図示せず)を介して反応器2bに供給されてもよい。
ジエチルカルボナート、未転化エタノール、モノエチレングリコールおよび未転化エチレンカルボナートの混合物を含む生成物は、ライン4bを介して反応器2bから引き出される。ライン4bを介して、混合物を蒸留カラム5に至らせ、ここで生成物を、ライン6を介して引き出されたジエチルカルボナートおよびエタノールを含む頂部留分と、ライン7を介して引き出されたモノエチレングリコールおよびエチレンカルボナートを含む底部留分とに分離される。ライン6中のジエチルカルボナートおよびエタノールを含む混合物は、蒸留カラム8に至り、ここで混合物は、エタノールとジエチルカルボナートとに分離される。ジエチルカルボナートは、ライン9を介して放出され、場合によりさらなる精製の後に生成物として回収される。エタノールは、ライン10を介して回収され、ライン1を介して反応器2aにリサイクルされる。
ライン7中の底部ストリームは、蒸留カラム11にて蒸留に供される。蒸留カラム11において、モノエチレングリコールを含む頂部生成物は、ライン12を介して回収される。頂部生成物は一部のエチレンカルボナートでわずかに汚染されている可能性があるので、さらなる精製を想定してもよい。ライン13を介して引き出される蒸留カラム11の底部生成物は、エチレンカルボナートを含む。ライン13の前記エチレンカルボナートは、場合によりさらなる精製の後に、ライン3を介して反応器2aにリサイクルされる。
本発明のプロセスの工程(a)におけるように、エステル交換触媒を用いないことはまた、有利なことには、ジアルキルカルボナートがアルカノールおよび(環状)アルキレンカルボナートからではなく、アルカノールおよび(非環状)ジアルキルカルボナート、ジアリールカルボナートまたはアルキルアリールカルボナートから生成される場合にも、適用できることが考慮される。例えば、ジエチルカルボナートをエタノールとジメチルカルボナートとの反応によって生成させる場合に、エタノールは、第1段階においてエステル交換触媒の不存在下でジメチルカルボナートと反応でき、結果としてエチルメチルカルボナートを含む混合物が得られ、次いで第2の段階において、前記エチルメチルカルボナートおよびいずれかの未転化ジメチルカルボナートのすべてをジエチルカルボナートに転化できる。
エステル交換触媒を使用しない本発明のプロセスの工程(a)は、さらに、次の実施例によって例示される。
これらの実験において、エチレンカルボナート(eC;Huntsmanから;純度=99.99%)およびエタノール(EtOH;Merckから;純度=99.9%)を使用して、異なるモル比にてEtOH:eC混合物を生成させた。これらのEtOH:eCモル比は、以下の表に示される。混合物中のeCのモル量を決定した。混合物は、エステル交換触媒を含有しなかった。
EtOH:eC混合物は、キャップされたガラスバイアル瓶にて調製され、56℃の温度および大気圧(1bar)でオーブンに86時間保管した。オーブンから取り出した後、eCのモル量、半生成物ヒドロキシエチルエチルカルボナート(HEEC)のモル量、最終生成物のジエチルカルボナート(DEC)のモル量を、ガスクロマトグラフィ分析によって決定した。これらのデータから、eCの転化率、HEECへの選択率、DECへの選択率および特定のダイマーへの選択率(同様に以下参照)を以下の表に示されるように算出した。
Figure 0005350465
上記表から、エステル交換触媒が存在しなくても、有利なことには、相対的に大部分のeCがEtOHと反応してHEECになり、この一部がさらにEtOHと反応してDECおよびモノエチレングリコール(MEG)になったことがわかる。EtOH:eC比が高くなるにつれ、eCの転化率が高くなる。
さらに、有利なことには、HEEC、DECおよびMEGに加えて、ただ1つの他の生成物(上記表にて「ダイマー」と記載される。)、即ち式
CHCHOC(O)OCHCHOC(O)OCHCH
を有するダイマーカルボナートが少量で形成されることが観察されたが、このダイマーカルボナートは、2つのHEEC分子の反応によって形成される。
しかし、エステル交換触媒が存在する場合に形成され得る副生成物、例えばジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)、およびオキシトール(2−エトキシエタノール)は、上記混合物中に全く検出されなかった。こうした触媒が存在する場合には、eCのエチレンオキシド(EO)および二酸化炭素への逆反応も促進されると考えられる。前記EOとEtOHとの後続反応がオキシトールを生じ、前記EOとMEGとの反応がDEGを生じ、このDEGはさらに前記EOと反応してTEGになる。故に、本発明の利点は、工程(a)での触媒を不存在にすることで、最終の所望生成物から除去されるべき副生成物を少なくすることである。
上述のダイマーカルボナートの形成は、エステル交換反応が触媒の存在下で行われる本発明のプロセスの工程(b)において、または前記工程(b)からの混合物が蒸留カラムでの蒸留を含み得る検査手順に供される後続の工程(c)において、ダイマーカルボナートがDECおよびMEGまたは可能性としてリサイクル後にはDECおよびMEGに転化され得る化合物に転化されることができるので、所望の生成物の損失を生じない。例えば、ダイマーカルボナートと2分子のEtOHまたはMEGとの反応は、それぞれ2分子のDECまたはHEECおよび1分子のMEGを生じる。さらに、例えばダイマーカルボナートと1分子のEtOHまたはMEGとの反応により、それぞれ1分子のDECまたはHEEC、1分子のeCおよび1分子のEtOHが生じる。HEECは、DECおよびMEGの中間体である。またはHEECは、反応してeCおよびEtOHに戻り得る。
故に、本発明のプロセスの工程(a)が触媒の不存在下で行われたこれらの実施例の実験において形成される唯一の生成物は、所望のアルカンジオールおよびジアルキルカルボナート、ならびに後の段階において、エステル交換反応が触媒の存在下で行われる本発明のプロセスの工程(b)において、または前記工程(b)からの混合物が検査手順に供される後続の工程(c)において、前記所望の生成物に転化され得る生成物である。結果として、これらの実施例の実験は、本プロセスの工程(a)での出発材料および所望の生成物の損失はないことを示している。

Claims (8)

  1. アルカンジオールおよびジアルキルカルボナートの調製プロセスであって:
    (a)10から200℃の温度、5×10から5×10N/mの圧力にて、エステル交換触媒の不存在下でアルキレンカルボナートおよびアルカノールを反応させ、ヒドロキシアルキルアルキルカルボナート、アルカノールおよびアルキレンカルボナートを含む混合物を得る工程;
    (b)ヒドロキシアルキルアルキルカルボナート、アルカノールおよびアルキレンカルボナートを含む混合物を、10から200℃の温度、および5×10から5×10N/mの圧力にてエステル交換触媒と接触させて、アルカンジオールおよびジアルキルカルボナートを含む混合物を得る工程;ならびに
    (c)アルカンジオールおよびジアルキルカルボナートを含む混合物からアルカンジオールおよびジアルキルカルボナートを回収する工程、
    を含むプロセス。
  2. 工程(a)および(b)が、連続に配列された2つの異なる反応器で行われる、請求項1に記載のプロセス。
  3. 連続的に行われる、請求項2に記載のプロセス。
  4. 工程(a)が混合手段を備えた容器である反応器中で行われる、請求項2または3に記載のプロセス。
  5. 工程(a)の温度が30から200℃である、請求項1から4のいずれかに記載のプロセス。
  6. 工程(a)でのアルカノールとアルキレンカルボナートとのモル比が2:1から20:1である、請求項1から5のいずれかに記載のプロセス。
  7. 工程(b)のエステル交換触媒が不均一系触媒である、請求項1から6のいずれかに記載のプロセス。
  8. アルキレンカルボナートがエチレンカルボナートまたはプロピレンカルボナートであり、ならびにアルカノールがエタノールである、請求項1から7のいずれかに記載のプロセス。
JP2011507895A 2008-05-06 2009-05-05 アルカンジオールおよびジアルキルカルボナートの調製プロセス Expired - Fee Related JP5350465B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP08155698.7 2008-05-06
EP08155698 2008-05-06
PCT/EP2009/055434 WO2009135851A1 (en) 2008-05-06 2009-05-05 Process for preparing alkanediol and dialkyl carbonate

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011519892A JP2011519892A (ja) 2011-07-14
JP5350465B2 true JP5350465B2 (ja) 2013-11-27

Family

ID=39851617

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011507895A Expired - Fee Related JP5350465B2 (ja) 2008-05-06 2009-05-05 アルカンジオールおよびジアルキルカルボナートの調製プロセス

Country Status (7)

Country Link
US (1) US20100121078A1 (ja)
EP (1) EP2279163B1 (ja)
JP (1) JP5350465B2 (ja)
CN (1) CN102015617B (ja)
ES (1) ES2478825T3 (ja)
TW (1) TWI453193B (ja)
WO (1) WO2009135851A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW200906774A (en) * 2007-04-23 2009-02-16 Shell Int Research Process for the preparation of an 1,2-alkylene diol and a dialkylcarbonate
TWI473786B (zh) * 2009-11-16 2015-02-21 Shell Int Research 製備烷二醇及碳酸二烷酯的方法
US20220017450A1 (en) * 2018-12-18 2022-01-20 Shell Oil Company Process for preparing dialkyl carbonate and alkanediol

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3803201A (en) * 1971-02-22 1974-04-09 Dow Chemical Co Synthesis of dimethyl carbonate
IT1034961B (it) * 1975-04-09 1979-10-10 Snam Progetti Procedimento per la preparazione di dialchilcarbonati
DE4216121A1 (de) * 1992-05-15 1993-11-18 Bayer Ag Verfahren zur kontinuierlichen Herstellung von Dialkylcarbonaten
JPH06157409A (ja) * 1992-11-20 1994-06-03 Chiyoda Corp 炭酸オキシエチルメチルエステルの製造方法
US5489703A (en) * 1995-05-19 1996-02-06 Amoco Corporation Reaction extraction of alkyl carbonate
JP2001318088A (ja) * 2000-05-09 2001-11-16 Nippon Shokubai Co Ltd 不安定反応中間体の定量分析方法
US6620958B2 (en) * 2001-06-26 2003-09-16 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Use of membranes to separate organic liquids having different polarities
JP2003081893A (ja) * 2001-09-10 2003-03-19 Mitsui Chemicals Inc ジアルキルカーボネートとグリコールの連続的同時製造方法
US6573396B2 (en) * 2001-10-12 2003-06-03 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Co-production of dialkyl carbonates and diols with treatment of hydroxy alkyl carbonate
JP2003300918A (ja) * 2002-04-11 2003-10-21 Mitsui Chemicals Inc ジアルキルカーボネートとグリコールの連続同時製造方法
US6620959B1 (en) * 2002-04-16 2003-09-16 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Process for the production of unsymmetric and/or symmetric dialkyl carbonates and diols
JP2004010519A (ja) * 2002-06-05 2004-01-15 Mitsubishi Chemicals Corp ジメチルカーボネートの製造方法
JP2004099554A (ja) * 2002-09-11 2004-04-02 Mitsubishi Chemicals Corp アルキレングリコール及びジアルキルカーボネートの併産方法
TWI383976B (zh) * 2006-02-22 2013-02-01 Shell Int Research 製備碳酸二烷酯及烷二醇的方法
TWI378087B (en) * 2006-02-22 2012-12-01 Shell Int Research Process for the preparation of an alkanediol and a dialkyl carbonate
KR101531063B1 (ko) * 2007-01-23 2015-06-23 셀 인터나쵸나아레 레사아치 마아츠샤피 비이부이 알칸디올 및 디알킬 카보네이트의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
US20100121078A1 (en) 2010-05-13
ES2478825T3 (es) 2014-07-23
TWI453193B (zh) 2014-09-21
JP2011519892A (ja) 2011-07-14
CN102015617A (zh) 2011-04-13
EP2279163B1 (en) 2014-05-21
CN102015617B (zh) 2013-11-20
EP2279163A1 (en) 2011-02-02
WO2009135851A1 (en) 2009-11-12
TW201000441A (en) 2010-01-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101543475B1 (ko) 알칸디올 및 디알킬 카보네이트의 제조방법
KR101753924B1 (ko) 알칸디올 및 디알킬 카르보네이트의 제조 방법
JP5350270B2 (ja) アルカンジオールおよびジアルキルカーボネートの調製方法
JP5350465B2 (ja) アルカンジオールおよびジアルキルカルボナートの調製プロセス
CN114555553B (zh) 用于制备碳酸二烷基酯和链烷二醇的方法
CN113166031B (zh) 用于制备碳酸二烷基酯和链烷二醇的方法
EP3831805A1 (en) Process for the preparation of a dialkyl carbonate and an alkanediol
TW202128606A (zh) 自有機碳酸酯流中移除醚烷醇雜質之方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120427

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130710

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130723

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130821

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5350465

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees