以下、図面とともに本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は本発明の好適な実施形態に係るコンテンツ配信システム1の構成と、それらの接続関係を示す図である。
コンテンツ配信システム1は、移動体通信網Nに含まれるコンテンツ配信装置2、通信システム50と、移動体通信網Nに接続して移動体通信を行う通信端末60と、を含んで構成される。このうち、コンテンツ配信装置2は、コンテンツサーバ10、コンテンツ管理サーバ20及び課金サーバ30を含んで構成される。移動体通信網Nは通信システム50を含んで構成される。
コンテンツ配信装置2は、特定の在圏エリアに在圏する通信端末60に対してコンテンツを配信する装置である。在圏エリアは、LAI(Local Area Identity)やRAI(Routing Area Identity)により特定される。ここで通信端末60に対して配信されるコンテンツとは、例えば物品やサービス等の販売促進を目的とした広告等であり、音声データや文字データ、画像データ等により構成される。このコンテンツは、物品やサービス等を提供する商品販売事業者や広告事業者からなるコンテンツ提供者により提供される。コンテンツ配信装置2に含まれるコンテンツサーバ10はコンテンツ提供者により管理され、ネットワーク事業者により管理されるコンテンツ管理サーバ20及び課金サーバ30と連携をとってコンテンツ配信装置2としての機能を発揮することにより、通信端末60に対してコンテンツが配信される。以下、本実施形態では、コンテンツ配信システム1で取り扱うコンテンツが広告コンテンツである場合について説明する。
コンテンツ配信装置2に含まれるコンテンツサーバ10は、コンテンツ提供者により提供される広告コンテンツを格納する装置であり、通信端末60に対して当該広告コンテンツを配信する際には広告コンテンツをコンテンツ管理サーバ20に対して送信する。また、コンテンツ配信装置2に含まれるコンテンツ管理サーバ20は、通信端末60が在圏する在圏エリアの通信状況等に関するエリア情報を取得するとともに当該エリア情報に基づいて、通信端末60に対して広告コンテンツを通信システム50を介して配信する機能を有する。また、コンテンツ配信装置2に含まれる課金サーバ30は、広告コンテンツの配信に係る価値を評価するパラメータを保持するとともに、コンテンツサーバ10及びコンテンツ管理サーバ20により行われるコンテンツの配信に関してコンテンツ提供者に対して請求する課金額を算出する機能を有する。
通信システム50は、移動体通信網Nを構成し、通信端末60と他の通信端末との通信を確立する交換局としての機能を備える。さらに通信システム50は、コンテンツ配信装置2に含まれるコンテンツ管理サーバ20と、通信システム50が管轄するエリアAに在圏する通信端末60との間の無線通信を確立する機能を備え、コンテンツ管理サーバ20から送信される広告コンテンツを通信端末60に対して送信するシステムである。なお、本実施形態では通信システム50は一つのシステムからなることとしているが、この通信システム50は複数の装置が組み合わさることにより上記の機能を発する態様とすることとしてもよい。
図1に示すコンテンツ配信システム1では、通信システム50は1基のみであり、エリアAに在圏する1機の通信端末60について示しているが、実際には、通信システム50は通信端末60が移動した際にも通信を行うことができるように複数基配置され、通信システム50毎に管轄するエリアが異なっている。また、各々のエリアに在圏する通信端末60についても複数機あり、通信端末60の所有者の移動に伴って在圏するエリアが変更されることがある。ここで、エリアとは、一基の通信システム50によって管轄される単位(例えば、セルまたは複数のセル)のことを示す。
上述のコンテンツサーバ10、コンテンツ管理サーバ20、課金サーバ30、及び、通信システム50は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)101、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)102及びROM(Read Only Memory)103、通信を行うための通信モジュール104、並びにハードディスク等の補助記憶装置105等のハードウェアを備えるコンピュータとして構成される。そして、これらの構成要素が動作することにより、上述した各装置10,20,30,50の各機能が発揮される。
通信端末60は、ユーザ(通信端末60の所有者)によって用いられるものであり、移動体通信網Nに接続して無線通信を行うための装置である。また、コンテンツ配信装置2から通信システム50を介して配信されるコンテンツを通信端末60の所有者に対して出力する機能を有する。通信端末60における所有者に対するコンテンツの出力は、例えば、音声出力、画像表示、テキスト文表示等により行われる。この通信端末60は、具体的には、例えば携帯電話、PDA等の通信機能を有する装置として実現される。
通信端末60は、図3に示すように、CPU601、RAM602、ROM603、操作部604、無線通信部605、ディスプレイ606、アンテナ607により構成されている。これらの構成要素が動作することにより、上述の通信端末60の機能が発揮される。
上記のコンテンツ配信システム1において、コンテンツ配信装置2を構成するコンテンツサーバ10とコンテンツ管理サーバ20との間及びコンテンツ管理サーバ20と課金サーバ30との間は、それぞれ有線のネットワークを介して接続されている。また、コンテンツ管理サーバ20と通信システム50との間についても、それぞれ有線のネットワークを介して接続されている。また、通信端末60と通信システム50との間は無線通信により情報の交換が行われる。
続いて、コンテンツ配信システム1に含まれる各装置の詳細について説明する。
まず、コンテンツサーバ10について説明する。コンテンツサーバ10は図1に示すように、コンテンツ格納部11と処理部12とを含んで構成される。
コンテンツ格納部11は、コンテンツ提供者から提供されるコンテンツを格納するコンテンツ格納手段として機能する。コンテンツ格納部11に格納されるコンテンツは、あらかじめコンテンツ提供者が外部の装置等を用いて作成し、当該装置とコンテンツサーバ10とを接続することにより、コンテンツ格納部11へ格納することができる。なお、コンテンツ格納部11には、通信端末60から出力する際の音声データや文字データ、画像データ等からなるコンテンツ本体と、そのコンテンツを通信端末60から出力させるタイミング(例えばメール送信後等)を示す情報とを関連付けて格納してもよい。また、コンテンツ格納部11に格納されるコンテンツには各々識別子(コンテンツID)を付与しておき、この識別子を用いて関連情報を対応付けて格納することもできる。さらに、コンテンツ格納部11には、当該コンテンツに関する好適な配信条件(例えば、当該広告コンテンツの配信ターゲットとなるエリア、時間帯、所有者の属性、広告コンテンツ配信に係る予算等)をコンテンツ本体と対応付けて格納しておくこともできる。
処理部12は、コンテンツ格納部11に格納されるコンテンツの配信可否の判断やコンテンツの配信枠の選択を行う等、コンテンツ配信判断手段の一部として機能する。そして、処理部12においてコンテンツの配信を決定した場合には、コンテンツ格納部11において格納されるコンテンツ及び配信枠に関する情報等が処理部12からコンテンツ管理サーバ20へ送信される。その具体的な処理は後述する。
ここで、上記のコンテンツの配信枠について説明する。配信枠とは、後述のコンテンツ管理サーバ20においてあらかじめ決められるものであり、セル(Cell)やRAI(ルーティングエリアID:Routing Area Identify)毎に配信時間を区切った配信単位のことである。図4は、コンテンツの配信単位(配信枠)の例を示す図である。図4では、例えば銀座4丁目をセルID#1、RAI#1で示されるエリアとし、能見台駅前をセルID#2、RAI#2で示されるエリアとしている。また、配信時間については例えば1月1月0時から6時間毎に区切る。このとき、銀座4丁目エリアの1月1日0時〜6時を一つの配信単位として広告枠クラスID#1とする。同様に、銀座4丁目エリアの1月1日6時〜12時を広告枠クラスID#2、能見台駅前エリアの1月1日0時〜6時を広告枠クラスID#5としている。そして、処理部12では、この広告枠クラスID(配信枠)毎にコンテンツ格納部11で格納しているコンテンツを配信するかの判断を含む処理が行われる。その具体的な処理は後述する。
次に、コンテンツ管理サーバ20について説明する。コンテンツ管理サーバ20は、エリア情報取得部21と、コンテンツ処理部22と、コンテンツ配信部23と、出力情報受信部24と、課金処理部25と、を含んで構成される。
エリア情報取得部21は、通信システム50から、通信システム50の管轄するエリアAの通信状況に関するエリア情報を取得するエリア情報取得手段として機能する。
ここでエリア情報について説明する。通信システム50から提供されるエリア情報とは、エリアAに在圏する通信端末60の機種に関する情報、通信端末60の所有者に関する情報、及び通信端末60の通信量に関する情報等である。具体的には、通信端末60の機種に関する情報とは、エリアAに在圏する通信端末60の機種の特性等を示す情報であり、例えば、メール送受信機能を有する機種の割合や動画再生機能を有する機種の割合等を示す情報として用いられ、コンテンツの配信方法を決定する際に用いられる。また、通信端末60の所有者に関する情報とは、エリアAに在圏する通信端末60の所有者がどのような特性を有する人が多いのかを示す情報であり、例えば年齢・性別等が挙げられる。通信端末60の機種に関する情報や所有者に関する情報は、通信端末60がエリアAに在圏した際に通信システム50との間で位置登録に関する通信を行った際に、通信システム50に接続された加入者サーバ(図1では示していない)からコンテンツ管理サーバ20に対して提供される情報である。また、通信端末60の通信量に関する情報とは、例えば呼数等が挙げられる。さらに、通信量に関する他の情報としては、過去にエリアAに在圏する通信端末60に対してコンテンツを配信した際に、当該コンテンツが所有者に認識された比率(後述の認識率)を用いてもよい。これらの情報は、通信端末60と他の通信端末との間の通信が行われた際及び通信システム50から通信端末60に対してコンテンツ配信が行われた際に、当該通信やコンテンツ配信に関する情報を通信システム50側で蓄積して、コンテンツ管理サーバ20へ送信することにより、エリア情報として用いることができる。
ここで、通信システム50から送信される情報をエリア情報として用いるためにコンテンツ管理サーバ20において行われる処理を具体的に説明する。
まず、通信端末60があるエリア(LAI/RAI等により特定されるエリア)に在圏する際に通信システム50との間で位置登録に関して行った通信に基づいて、通信システム50では、通信端末60を特定する情報(通信端末60の電話番号)と当該通信端末60が在圏するエリアとを対応付けられ、この情報が通信システム50からコンテンツ管理サーバ20へ送信される。これにより、コンテンツ管理サーバ20のエリア情報取得部21では、当該エリアに在圏する通信端末60の数を把握できると共に、エリア情報取得部21では、上記の情報を用いて加入者サーバに問い合わせることによって、当該通信端末60の所有者に関する情報及び当該通信端末60の機種に関する情報を取得することができる。さらにエリア情報取得部21において、これらの情報をエリア毎に区別した後に、当該エリアに在圏する通信端末60の所有者の男女比率や年代の比率等を求めることにより、各パラメータ(広告情報量クラス、ユーザの性別、ユーザの年齢層と、それらの条件を満たす通信端末60の在圏数、等)を得ることができる。このうち、広告情報量クラスとは、通信端末60において出力することが可能なコンテンツの種別を示す情報であり、通信端末60の機種に関する情報により得ることができる。
一方、エリア情報に含まれる通信端末60の通信に関する情報としては、当該エリアで発生する通信の量(トラフィック発生量)が挙げられる。トラフィック発生量とは、過去の実績に基づき当該エリアに在圏する通信端末60の数に応じて発生すると推測される通信量を算出したものであり、その算出に係る処理は例えば以下のように行われる。すなわち、通信システム50は、過去の同じ時間帯(配信単位)において当該エリアに在圏した通信端末の数と、当該時間帯における通信端末の通信量(例えば、呼数、通信システム50の処理能力に対する使用状況等)と、から通信発生率を算出し、コンテンツ管理サーバ20へ送信する。コンテンツ管理サーバ20のエリア情報取得部21では、通信システム50から送信される通信発生率を取得し、現在当該エリアに在圏する通信端末の数との積を求めることにより、エリア情報として用いられるトラフィック発生量に関する情報が作成される。なお、通信システム50に複数の装置が含まれ、複数の装置の一部によって管轄されるエリア(例えば、特定の駅前のみ)を配信単位としたコンテンツ配信を行う場合には、配信単位のエリアを管轄する装置における通信発生率のみを用いてエリア情報(トラフィック情報)を作成することにより、精度の高いエリア情報を作成することができる。
上記のように、エリア情報取得部21により取得されたエリア情報は、コンテンツ処理部22へ送られ、通信端末60への配信を行うかどうかを判断する際に用いられる。
コンテンツ処理部22は、エリア情報取得部21から送られるエリア情報に基づいて、エリアAに在圏する通信端末60に対してコンテンツを配信するかどうかの判断を行うコンテンツ配信判断手段の一部の機能を有する。また、コンテンツを配信した際の価値を示す情報を作成する価値情報作成手段の一部の機能も有する。具体的には、コンテンツ処理部22では、上述の図4で示す配信単位(配信枠:広告枠クラスID)毎に、エリア情報取得部21により取得されたエリア情報を用いて、当該配信単位に対してコンテンツを配信した際の価値を算出する。この価値の算出の際には、必要に応じて後述の出力情報受信部24により受信された広告コンテンツの出力に関する情報や、課金サーバ30に格納されている価値の算出のためのパラメータ等が用いられる。そして、配信単位毎のエリア情報と、そのエリア情報に基づいて作成された価値に関する情報(価値情報)と、を含めた情報を広告枠クラス情報としてコンテンツサーバ10へ送る。なお、価値の算出に関する具体的な処理については後述する。
図5は、コンテンツ処理部22からコンテンツサーバ10へ送信される広告枠クラス情報の例を示す図である。図5に示す広告枠クラス情報は、図4に示された8つの広告枠クラスIDのうち、#2,#4及び#7について示したものである。それぞれの広告枠クラスIDに対して、エリア情報として広告情報量クラス(配信するコンテンツの種類)、ユーザの性別、ユーザの年齢層と、それらの条件を満たす通信端末60の在圏数とが示され、これらの条件を満たす配信単位(広告枠クラスID)に対して広告コンテンツの配信を行った場合の価値を示す情報として評価額が示されている。すなわち、図5の例では、広告枠クラスID#2(図4に基づくと、銀座4丁目エリアの1月1日6時〜12時)では、20代の男性が所有し、テキスト文による広告を取得することができる通信端末60が5万台あることが示されている。そして、この広告枠クラスID#2において広告コンテンツの配信を行った場合には、500万円の価値があることが示されている。
図5に示す広告枠クラス情報のうち、評価額を除く部分は、エリア情報取得部21から送信されたエリア情報である。そして、この評価額を除く広告枠クラス情報をコンテンツ処理部22から課金サーバ30に送信することによって課金サーバ30から価値(評価額)を算出するためのパラメータを取得し、これに基づいて広告枠クラスIDに対応する評価額を算出することにより図5に示す広告枠クラス情報が作成される。このようにして作成された広告枠クラス情報が、コンテンツ処理部22からコンテンツサーバ10へ送られる。
コンテンツサーバ10では、処理部12がこの広告枠クラス情報に基づいて配信単位(広告枠クラスID)に対して広告コンテンツの配信を行うかどうかを判断し、その結果と広告コンテンツがコンテンツ管理サーバ20に対して送られる。具体的には、コンテンツ管理サーバ20から送信される広告枠クラス情報が、上述のコンテンツサーバ10のコンテンツ格納部11において格納される広告コンテンツの配信条件と一致するかどうかを判断し、配信条件に一致する広告枠クラスがある場合には当該広告枠への配信を決定する。また、広告枠クラス情報が配信条件と一致しない(例えば、年齢層等の在圏する通信端末60に係るユーザ特性がターゲットと異なる、広告枠の評価額が予算よりも高い、等)場合は配信を行わないことを決定する。コンテンツ処理部22ではこの結果に基づいて、コンテンツ格納部11において格納する広告コンテンツ毎に、当該広告コンテンツの配信可否を配信単位毎に判断する。そして、広告コンテンツ配信を行う場合には、その広告コンテンツを配信する広告枠クラスID情報と共にコンテンツ配信部23へ送る。また、例えば、広告コンテンツ毎にあらかじめ定められたコンテンツサーバ10から当該広告コンテンツの出力方法(出力に用いる機能)、出力タイミング、出力期限等を示す情報等を示す情報(出力条件に関する情報)を、広告コンテンツと対応付けて送信することもできる。コンテンツサーバ10から送信されるこれらの情報は、コンテンツ管理サーバ20のコンテンツ処理部22において取得され、コンテンツ配信部23へ送られる。なお、上記の出力条件に関する情報は、コンテンツサーバ10のコンテンツ格納部11にあらかじめ格納されているか、コンテンツ格納部11に格納されている配信条件に関する情報と広告枠クラス情報に基づいて必要に応じて処理部12において新たに作成される。
コンテンツ配信部23は、広告コンテンツを通信端末60に対して配信するコンテンツ配信手段として機能する。具体的には、コンテンツサーバ10から送られた広告コンテンツ及び当該広告コンテンツを配信する広告枠クラスID情報を取得して通信システム50へ送り、通信端末60に対して当該広告枠クラスID(配信単位)において広告コンテンツの配信を行うよう指示する。
図6は、コンテンツ配信部23から送信される通信端末60に対する広告コンテンツの配信指示の一例を示す図である。これは、配信すべき広告コンテンツ(広告コンテンツID)に対応付けて配信単位(広告枠クラスID)が指定されていて、実行機会(出力タイミング)、期限、広告コンテンツ表示に関する優先度、出力回数、複数の広告コンテンツを出力する場合は広告コンテンツの出力順序、出力方法(実行機能)が指定されている例である。このうち、配信単位(広告枠クラスID)、実行機会(出力タイミング)、期限、広告コンテンツ表示に関する優先度、出力回数、複数の広告コンテンツを出力する場合は広告コンテンツの出力順序については、コンテンツサーバ10から広告コンテンツと共に送信される出力に関する情報に基づいて示されている。
ここで、広告コンテンツ表示に関する優先度、出力回数、広告コンテンツの出力順序に関する配信指示があった場合について説明する。図6では、広告コンテンツID#1〜#3の広告コンテンツはそれぞれ異なる配信単位(広告枠クラスID)での配信が指示されているが、これらの広告コンテンツの配信単位が同じであり、同一の配信単位に対して複数の広告コンテンツ(広告コンテンツID#1〜#3)の配信が指示されたとする。ここで、図6では、例えば、広告コンテンツID#1の配信指示では、優先度RANK#1、出力回数2、表示順序#1と指示されている。同様に、広告コンテンツID#2の配信指示では優先度RANK#2、出力回数1、表示順序#2と指示されている。また、広告コンテンツID#3の配信指示では、優先度RANK#2、出力回数2、表示順序n/aと指示されている。通信端末60において、同じ配信単位(広告枠クラスID)において上記の広告コンテンツの配信が指示された場合、配信指示に含まれる上記の情報に基づいて広告コンテンツの配信順序を、通信端末60があらかじめ保持している優先度フィルタ等を用いて決定する。図6に示す配信指示の場合には、通信端末60においては、1番目に広告コンテンツID#1の広告コンテンツが出力され、2番目も広告コンテンツID#1の広告コンテンツが出力され、3番目に広告コンテンツID#2の広告コンテンツが出力され、4番目に広告コンテンツID#3の広告コンテンツが出力される。
なお、図6では、複数の広告コンテンツIDに関する配信指示が一つの表として示されているが、コンテンツ配信部23から通信システム50に対して配信指示が行われる場合には、広告コンテンツIDにより指定される広告コンテンツデータと、当該広告コンテンツIDに対応した配信指示(図6の一つの広告コンテンツIDに係る情報)とを組み合わせて送信される。これにより、通信端末60は広告コンテンツの出力に関する具体的な処理方法等を取得することができる。
出力情報受信部24は、広告コンテンツを配信した通信端末60から送信される広告コンテンツの出力に関する情報(出力情報)を受信する出力情報受信手段として機能する。出力情報とは、通信端末60における広告コンテンツ出力の有無、出力時間、出力に対する所有者の反応(通信端末60への操作)等に関する情報である。出力情報受信部24により受信された出力情報は、コンテンツ処理部22に送られることにより、広告枠クラス情報の作成に用いられる。また、課金処理部25へ送られることにより、当該広告コンテンツのコンテンツ提供者に対する広告コンテンツの配信に関する課金額の算出に用いられる。
課金処理部25は、コンテンツ処理部22におり作成された広告枠クラス情報に含まれる価値情報と、出力情報受信部24により受信された出力情報と、を課金サーバ30に送り、課金サーバ30により算出された課金額をコンテンツサーバ10を介してコンテンツ提供者に対して通知する機能を有する。
次に課金サーバ30について説明する。課金サーバ30は、広告コンテンツの配信に係る価値(評価額)を算出する際に用いられる価値算出用パラメータを保持し、コンテンツ管理サーバ20からの要請に応じてパラメータを送信する価値情報作成手段の一部の機能を有する。この価値算出用パラメータとしては、例えば、通信端末60に対して広告コンテンツを配信した場合の過去の実績に基づく所有者の認識率や、評価額に含まれる定額値(基本料)、定額値と認識率に基づく変動値の割合等が挙げられる。また、課金処理部25から送信される、コンテンツ処理部22により作成された広告枠クラス情報に含まれる価値情報と、出力情報受信部24により受信された出力情報と、に基づいて、広告コンテンツの配信に係る課金額を算出する課金額算出手段としても機能する。課金サーバ30において算出された結果(課金額)は、コンテンツ管理サーバ20に送られ、コンテンツ管理サーバ20の課金処理部25によってコンテンツ提供者に対する費用請求処理が行われる。
なお、上記の価値算出用パラメータは、エリア情報に含まれる種々の情報(通信量、ユーザ特性等)に基づいた算出方法(算定式)をあらかじめ課金サーバ30に保持しておき、コンテンツ管理サーバ20から送信される広告枠クラス情報のうち上記の必要な情報及び算定式を用いて価値算出用パラメータを算出することにより、コンテンツ管理サーバ20へ送信することができる。また、あらかじめ想定される広告枠クラス情報に対応付けた価値算出用パラメータを求めておき、課金サーバ30において保持しておくことで、コンテンツ管理サーバ20から送信される広告枠クラス情報に応じて当該広告枠クラス情報に対応する価値算出用パラメータを取り出してコンテンツ管理サーバ20へ送信することもできる。これらの処理に関する具体的な方法や、課金額の具体的な算出方法は、後述する。
続いて通信端末60について説明する。通信端末60は、コンテンツ受信部61と、コンテンツ出力部62と、出力情報送信部63と、を含んで構成される。
コンテンツ受信部61は、コンテンツ管理サーバ20から、通信システム50を介して送信される広告コンテンツを受信するコンテンツ受信手段として機能する。コンテンツ受信部61により受信された広告コンテンツはコンテンツ出力部62に対して送られる。
コンテンツ出力部62は、コンテンツ受信部61から送られた広告コンテンツを通信端末60の所有者に対して出力するコンテンツ出力手段として機能する。出力方法は広告コンテンツに応じて適宜変更される。また、出力するタイミング(例えば、メール送受信時等)の指示がある場合には、この指示に基づいて出力する機能を有する。
出力情報送信部63は、コンテンツ出力部62による広告コンテンツの出力に関する情報及びその出力に対する所有者の操作に関する情報等を記録し、出力情報として送信する出力情報送信手段として機能する。上述のように、出力情報には、広告コンテンツ出力の有無、出力時間、出力に対する所有者の反応等に関する情報等が含まれる。通信端末60おいて記録される広告コンテンツの出力に対する所有者の反応とは、例えば、広告コンテンツの一部にWEBサイトへのハイパーリンクが含まれている場合には、当該ハイパーリンクを介したWEBサイトへの閲覧履歴や、広告コンテンツに埋め込まれているプログラムの実行等のほか、広告コンテンツの再生中止処理等が含まれる。ボタン押下げ等によりこれらの操作が行われた場合には、当該操作を所有者の反応として記録する。
本実施形態に係るコンテンツ配信システム1は上述の機能を有する各装置により構成される。引き続いて、図7〜図9のシーケンス図を用いて、本実施形態に係るコンテンツ配信システム1を構成する各装置の動作を説明するとともに、本実施形態に係るコンテンツ配信方法について説明する。
(広告コンテンツを配信する第1の方法)
最初に、図7のシーケンス図を用いて、コンテンツ配信システム1を構成するコンテンツ配信装置2(コンテンツサーバ10、コンテンツ管理サーバ20及び課金サーバ30)が通信端末60に対して広告コンテンツを配信する第1の方法について説明する。
まず、コンテンツ配信装置2に含まれるコンテンツ管理サーバ20は、広告コンテンツを配信するための広告枠クラス(枠情報)を作成する(S101)。コンテンツ管理サーバ20により作成される広告枠クラスとは、図4に示すコンテンツの配信枠を示し、コンテンツ管理サーバ20の管理者等からの指示に基づいて、コンテンツ管理サーバ20のコンテンツ処理部22において作成される。なお、この時点では、時間帯と配信エリアによって定められた配信単位のみが決められている。また、この広告枠クラス(枠情報)の作成は、あらかじめ行っておくことができる。この広告枠クラス(枠情報)は、コンテンツ処理部22からエリア情報取得部21へ送られ、後述のエリア情報取得に関する処理に用いられる。
次に、コンテンツ管理サーバ20のエリア情報取得部21において通信システム50からエリア情報の基礎となる通信状況等に関する情報が取得され、エリア情報取得部21において当該情報が加工されることにより、上記広告枠クラスにより定められた配信単位に関するエリア情報が取得される(S102:エリア情報取得ステップ)。これらの情報の通信システム50からの送信は、例えば定期的(例えば1時間毎)に、通信システム50とコンテンツ管理サーバ20との間であらかじめ定められた情報(例えば在圏者の電話番号と、当該エリアにおける呼数等)をコンテンツ管理サーバ20に送信することにより行われる。コンテンツ管理サーバ20のエリア情報取得部21では、上述のように通信システム50から取得された情報を元に加入者サーバへ問い合わせることで、通信端末60の機種に関する情報や所有者に関する情報を取得し、これらを加工することにより、エリア情報が作成される。
そして、コンテンツ処理部22により作成された広告枠クラス(枠情報)と、エリア情報取得部21により取得された配信単位(在圏エリア及び時間)に関するエリア情報とは、コンテンツ管理サーバ20から課金サーバ30に対して送信される(S103)。
課金サーバ30では、コンテンツ管理サーバ20から送信された情報に基づいて、当該広告枠クラスに応じた価値算定用パラメータが選択され、コンテンツ管理サーバ20に対して送信される(S104)。課金サーバ30を含むコンテンツ配信装置2では、あらかじめ広告枠毎の広告コンテンツ配信に対する価値の算定方法を定められ、課金サーバ30では上記の定められた算定方法において用いられる価値算定用パラメータをあらかじめ保持しておき、エリア情報に基づいて必要な価値算定用パラメータが選択され、コンテンツ管理サーバ20に対して送信される。
次に、コンテンツ管理サーバ20のコンテンツ処理部22では、課金サーバ30から送信された価値算定用パラメータを用いて評価額が求められ、広告コンテンツを配信するかの決定に用いられる広告枠クラス情報が作成される(S105)。このステップにおいて作成される広告枠クラス情報とは、例えば上述の図5に示すものであり、広告枠毎に、エリア情報と当該枠において広告配信を行った場合の価値を示す評価額が示されている。コンテンツ処理部22において作成された広告枠クラス情報は、コンテンツ管理サーバ20からコンテンツサーバ10へ送られる(S106)。
コンテンツサーバ10の処理部12では、コンテンツ管理サーバ20から送信される広告枠クラス情報を受信し、当該広告枠クラス情報を参照し、コンテンツ格納部11に格納されている広告コンテンツの配信条件と比較することにより、当該広告枠クラス情報に示される広告枠クラスに対して広告コンテンツを配信するかを判断する(S107:コンテンツ配信判断ステップ)。処理部12では、広告枠クラス情報に含まれるエリア情報に基づく情報とコンテンツ格納部11において格納されている広告コンテンツの配信条件とを比較して、例えば、評価額を除く各パラメータが広告コンテンツの配信条件と一致し、評価額が配信条件の予算よりも小さい場合には、当該広告枠において広告コンテンツ配信を行うことと決定される。広告コンテンツの配信が決定された場合には、当該広告コンテンツとその広告コンテンツの配信枠を指定する広告枠IDと、必要な場合には通信端末におけるその広告コンテンツの出力方法に係る指示等がコンテンツサーバ10の処理部12からコンテンツ管理サーバ20へ送られる(S108)。
コンテンツ管理サーバ20のコンテンツ配信部23では、コンテンツサーバ10から送信される広告コンテンツ、広告枠ID、通信端末における出力方法に係る指示等を取得し、これらの情報を通信システム50へ送る(S109:コンテンツ配信ステップ)。通信システム50では、コンテンツ管理サーバ20から送信される広告枠IDを参照することで、当該広告コンテンツの配信先(在圏エリア)を特定し、当該エリアに在圏する通信端末60との間で通信を行うための通信確立処理を行う(S110)。そして、通信確立処理が行われた通信端末60に対して広告コンテンツと出力方法に係る指示(出力タイミング)等が送信される(S111:コンテンツ配信ステップ)。
通信端末60では、コンテンツ管理サーバ20から通信システム50を介して送信される広告コンテンツ及び出力方法に係る指示をコンテンツ受信部61において受信する。そして、これらの情報はコンテンツ出力部62に渡され、出力方法に係る指示の記載にしたがって、音声出力や画面表示等の手段により通信端末60の所有者に対して出力される(S112:コンテンツ受信ステップ、コンテンツ出力ステップ)。
以上の処理により、コンテンツ配信装置2により配信された広告コンテンツが通信端末60において出力され、所有者が当該広告コンテンツを参照することができる。
なお、上記の第1の方法に含まれる処理のうち、広告枠クラス(枠情報)の作成(S101)は、一度にあらかじめ行っておき、以降の処理(S102〜S112)は定期的(例えば1時間毎)に行うこととしてもよい。
(広告コンテンツを配信する第2の方法)
次に、図8のシーケンス図を用いて、コンテンツ配信システム1を構成するコンテンツ配信装置2(コンテンツサーバ10、コンテンツ管理サーバ20及び課金サーバ30)が通信端末60に対して広告コンテンツを配信する第2の方法について説明する。
本方法が上述の第1の方法と異なる点は、コンテンツ管理サーバ20において広告枠クラス(枠情報)が作成された時点で、あらかじめコンテンツサーバ10に対して広告枠に関する情報を提供し、コンテンツサーバ10側で広告コンテンツを配信する広告枠クラスの希望(例えば特定の広告枠ID等)をコンテンツ管理サーバ20に伝達しておく点である。これにより、コンテンツ管理サーバ20において作成される広告枠クラス情報のうちコンテンツサーバ10が指定するもののみがコンテンツ管理サーバ20からコンテンツサーバ10に伝えられる。以下、詳細について説明する。
コンテンツ管理サーバ20では第1の方法と同様にあらかじめ図4に示すような広告枠クラス(枠情報)が作成される(S151)。次に、コンテンツ管理サーバ20で作成された広告枠クラス(枠情報)がコンテンツサーバ10に対して提示される(S152)。この時点で提示される広告枠クラス(枠情報)には、CellやRAIにより特定されるエリアと配信時間とにより区切られた配信単位のみが示されている。コンテンツサーバ10の処理部12では、コンテンツ管理サーバ20から送信された広告枠クラスから、コンテンツ格納部11で保持している広告コンテンツを配信する広告枠クラスを選択する(S153)。これは、コンテンツ格納部11で保持されている広告コンテンツが、例えば地域に特化した情報である場合や、通信端末に対する配信時間が重要である情報である場合に有用である。そして、コンテンツサーバ10により選択された広告枠クラスの情報は、コンテンツサーバ10からコンテンツ管理サーバ20へ送信される(S154)。
一方、コンテンツ管理サーバ20では、第1の方法と同様に、通信システム50から送信される通信状況等を受信することにより、エリア情報を取得する(S155:エリア情報取得ステップ)。また、これらの情報を課金サーバ30に対して送信し(S156)、課金サーバ30から広告枠クラス単位に広告コンテンツ配信を行った場合の価値を算出するためのパラメータを取得する(S157)。そしてこのパラメータ及びエリア情報に基づいて、第1の方法と同様に、広告枠クラス情報を作成する(S158)。
ここで、本方法では、コンテンツ管理サーバ20のコンテンツ処理部22において、コンテンツサーバ10からあらかじめ指定されていた広告枠クラスIDに対応する広告枠クラス情報のみを取り出し、コンテンツサーバ10に対して送信する(S159)。この処理を行うことにより、コンテンツサーバ10が受信する広告枠クラス情報は、あらかじめコンテンツサーバ10により指定されていた広告枠クラスIDに対応する情報のみとなるため、第1の方法と比較して、コンテンツサーバ10とコンテンツ管理サーバ20との間でやり取りされる情報量が低減されると共に処理部12における処理が低減される。
コンテンツサーバ10の処理部12では、あらかじめ指定した広告枠の広告枠クラス情報(エリア情報及び評価額)に基づいて、当該広告枠において広告コンテンツを配信するかどうかを判断する(S160:コンテンツ配信判断ステップ)。そして、広告コンテンツの配信を行う場合には、コンテンツ格納部11に格納されている広告コンテンツ及び配信指示(通信端末60における出力方法の指示等)がコンテンツサーバ10からコンテンツ管理サーバ20に対して送信される(S161)。
そして、コンテンツ管理サーバ20のコンテンツ配信部23では、コンテンツサーバ10から送信される広告コンテンツと通信端末における出力方法に係る指示とを取得すると共に当該広告コンテンツを配信する広告枠クラスIDに関する情報を通信システム50へ送る(S162:コンテンツ配信ステップ)。通信システム50では、コンテンツ管理サーバ20から送信される広告枠IDを参照することで、当該広告コンテンツの配信先(在圏エリア)を特定し、当該エリアに在圏する通信端末との間で通信を行うための通信確立処理を行う(S163)。そして、通信システム50との通信が確立された通信端末60に対して広告コンテンツと出力方法に係る指示(出力タイミング)等が送信される(S164:コンテンツ配信ステップ)。
通信端末60では、コンテンツ管理サーバ20から通信システム50を介して送信される広告コンテンツ及び出力方法に係る指示をコンテンツ受信部61において受信する。そして、これらの情報はコンテンツ出力部62に渡され、出力方法に係る指示の記載にしたがって、鳴動や画面表示等の手段により通信端末60の所有者に対して出力される(S165:コンテンツ受信ステップ、コンテンツ出力ステップ)。
以上の処理により、コンテンツ配信装置2により配信された広告コンテンツが通信端末60において出力され、所有者が当該広告コンテンツを参照することができる。
上記の第2の方法によれば、コンテンツ管理サーバ20から提示される広告枠クラス(枠情報)に対して、コンテンツサーバ10においてあらかじめ広告コンテンツの配信を検討している広告枠クラスを伝えることにより、エリア情報等に基づいて作成される広告枠クラス情報のうちコンテンツサーバ10が関連する広告枠クラスの情報のみがコンテンツサーバ10に提供される。このため、コンテンツサーバ10においては当該広告枠クラス情報を元に広告枠において広告コンテンツ配信を行うか否かの決定のみを行うことにより、広告コンテンツの配信に関する処理が行われる。
なお、上記の第2の方法の変形例として、コンテンツ格納部11で保持している広告コンテンツを配信する広告枠クラスを選択して、当該広告枠クラスIDをコンテンツサーバ10からコンテンツ管理サーバ20に対して送信する(S154)際に、当該広告枠において配信を希望する広告コンテンツに関する配信条件をコンテンツサーバ10からコンテンツ管理サーバ20に対して送信することとしてもよい。この場合、コンテンツ管理サーバ20において広告枠クラス情報を作成した(S158)際に、当該広告枠クラス情報があらかじめコンテンツサーバ10から送信された配信条件を満たすかどうかの判断をコンテンツ管理サーバ20において行い、その結果をコンテンツサーバ10に通知する(S159)。そして、コンテンツサーバ10において配信条件を満たす結果であることを確認した(S160)上で、当該広告コンテンツ及び配信指示を行うことにより、上述の第2の方法と同様に、通信端末60に対して広告コンテンツを配信することができる。
(広告コンテンツ配信後の課金処理方法)
次に、図9のシーケンス図を用いて、通信端末60において広告コンテンツが出力された後の処理について説明する。広告コンテンツが出力された後の処理として、通信端末60における広告コンテンツの認識率に基づいてコンテンツ提供者に対する当該広告コンテンツの配信に関する課金額を算出する処理と、当該広告枠に対して広告コンテンツ配信を行う際の価値の算出の精度を高めるための処理と、が含まれる。
まず、図7、図8に示される処理等によりコンテンツ配信装置2から通信端末60に配信された広告コンテンツが出力される(S200)と、通信端末60の出力情報送信部63は、コンテンツ出力部62による広告コンテンツの出力に関する情報を記録し、出力情報を作成する(S201:コンテンツ出力情報送信ステップ)。ここで記録される広告コンテンツの出力に関する情報とは、広告コンテンツの出力を行った時刻や出力時間(画像の再生時間等)、広告コンテンツを出力した際の所有者による通信端末60の操作の有無及び操作の種類等が含まれる。そして記録された出力情報は、出力情報送信部63より通信システム50を介してコンテンツ管理サーバ20に対して送信される(S202a,S202b:コンテンツ出力情報送信ステップ)。
コンテンツ管理サーバ20の出力情報受信部24では、通信端末60から送信される出力情報を受信する(S203:コンテンツ出力情報受信ステップ)。そして、この出力情報は、コンテンツ管理サーバ20から課金サーバ30へ送信される(S204)。課金サーバ30では、コンテンツ提供者に対して広告コンテンツの配信に係る課金額を、コンテンツ管理サーバ20から送信された出力情報に基づいて算出される(S205)。具体的な課金額の算出方法については後述するが、通信端末60において出力された広告コンテンツのデータ量や出力方法(所要時間)、広告コンテンツに対する通信端末60の所有者の操作の有無等によって課金額が算出される。
課金サーバ30では、上記のように算出した課金額をコンテンツ管理サーバ20へ通知する(S206)と共に、課金額の算出に用いられた出力情報を用いて広告枠において広告コンテンツを配信した際の価値算出に用いられる価値算出用パラメータの更新を必要に応じて行う(S207)。価値算出用パラメータとして過去に用いられたパラメータが、通信端末60により出力された広告コンテンツに対する所有者の認識率等に基づくものである場合、例えば価値算出用パラメータとして用いられた認識率と実績の認識率が著しく異なることにより、広告枠毎の価値算出結果が実績と大きく異なることとなり、コンテンツ提供者が想定しているほどの広告宣伝効果が得られないという問題が発生することが考えられる。したがって、上記のように出力情報を元に価値算出用パラメータを更新することにより、次回はより正確に広告枠における広告コンテンツ配信に対する価値を算出することができる。
一方、課金額が通知されたコンテンツ管理サーバ20では、課金額を課金処理部25において取得すると共にコンテンツサーバ10に通知する(S208)。これにより、コンテンツサーバ10に格納している広告コンテンツのコンテンツ提供者に対しての課金処理が行われる。また、コンテンツ管理サーバ20において保持される広告枠クラスの更新を行う(S209)。ここでは、図7及び図8に示す広告コンテンツの配信処理が行われた時間に係るエリア情報を削除した広告枠(配信単位)が新たに作成される。
以上の処理により、広告コンテンツ出力後の処理が終了し、再び、更新された広告枠クラスについて、広告コンテンツの配信に係る処理(第1の方法、第2の方法)が行われる。
このように、本実施形態に係るコンテンツ配信システム1及びコンテンツ配信方法によれば、あらかじめコンテンツ管理サーバ20のエリア情報取得部21において取得されたエリアAのエリア情報に基づいて、広告枠クラス情報が作成され、この広告枠クラス情報に基づいてコンテンツサーバ10のコンテンツ格納部11で格納されている広告コンテンツの配信可否が判断された後に、配信することが決定された場合には広告コンテンツがエリアAに在圏する通信端末60に対して配信される。このとき、エリアAに在圏する通信端末60に関する情報をエリア情報としてコンテンツ配信装置2側で把握することができ、この情報を元にコンテンツ配信装置2においてより宣伝効果が高まるような条件を選択して広告コンテンツを配信することができる。したがって、通信端末60の所有者に対してより効果的にコンテンツを配信することができる。
一方、コンテンツ配信装置2(特にコンテンツサーバ10)において配信すると決定された広告コンテンツのみが通信端末60に配信されて、当該広告コンテンツが出力されるため、より通信端末60の所有者に関連が深く有用な広告コンテンツを取得することができる。
また上記実施形態では、在圏エリアや配信時間によって区切った配信単位(広告枠クラスID)毎に、広告コンテンツを配信するか決定する態様としていることで、コンテンツ提供者がエリアや配信時間に特化した広告コンテンツの配信を行いたい場合に、より適切な配信タイミングを選んで通信端末に対して広告コンテンツの配信を行うことができる。
さらに、エリア情報として、通信量やユーザ(所有者)の特性を示す情報を用いることにより、コンテンツ提供者としては広告コンテンツの配信が適切であるかどうかをより詳細に渡って判断することができるため、より効果的に広告コンテンツの配信を行うことができる。
さらに、上記のようにコンテンツ管理サーバ20において、広告枠クラスID毎に広告コンテンツを配信した場合の価値を示す情報(評価額)をあらかじめ算出して、これを元に広告コンテンツの配信を決定する態様であることから、例えばコンテンツ提供者側の予算に応じて広告コンテンツの配信をするかどうかを決定することができることから、これまでは費用等が懸念事項となるために通信端末を介したコンテンツ配信を行っていなかった商品販売事業者等も容易にコンテンツ提供者として広告コンテンツの配信を開始することができる。
さらに上記の実施形態のように、通信端末60において広告コンテンツを出力した後に、出力情報を記録し、コンテンツ管理サーバ20に送信する態様とすることで、実際に配信した広告コンテンツが実際に出力されたか、その結果、通信端末60の所有者は広告コンテンツに興味を持ったか、をコンテンツ配信装置2で把握することができ、コンテンツ提供者が知ることもできる。したがって、コンテンツ提供者にとっては、当該広告コンテンツの配信が適切であったかどうかを判断することもできると共に、次回以降の広告コンテンツ配信の際にもこれらの情報を生かすことができるため、より効果的な広告コンテンツの配信を行うことができる。
併せて、上記実施形態では、広告コンテンツの出力情報を用いて課金額を算出することから、実績に応じた費用がコンテンツ提供者に提供され、コンテンツ提供者としても広告コンテンツの配信を手軽に行うことができ、必要に応じて適切に行うことができる。
また、上記の出力情報は、実際に通信端末60の所有者が広告コンテンツに対してどのような処理を行ったか等のデータであるから、上記実施形態のように出力情報を用いて広告枠クラス情報(価値情報)を更新する態様とすることで、より精度の高い価値情報をコンテンツサーバ10に対して提供することができ、コンテンツ提供者は広告コンテンツ配信の選択をより的確に行うことができる。
(評価額の算出、課金額の算出及び広告枠クラス情報の更新方法について)
続いて、図10〜図12を用いて、広告枠クラスID(配信単位)毎の広告コンテンツの配信を行った場合の評価額及び実績に基づく課金額の算出方法について詳細に説明する。なお、以下に説明する各方法は、それぞれを単独に用いることもできるし、組み合わせて用いることもできる。
(1−評価額の算出の例)
図10は、課金サーバ30で保持されている評価額算出のために用いられる課金情報テーブルの一例を示す。図10に示すように、課金情報テーブルは、配信単位(広告枠クラスID)毎に、広告コンテンツを出力する通信端末60の基盤(通信端末60に広告コンテンツを配信可能な通信システム種別:図10に示すように、CBS、MBMS等が挙げられる)、広告コンテンツの情報量クラス(広告コンテンツのデータ形式)、ユーザ特性(性別、年齢)、在圏する通信端末60の数、及び単位時間当たりの呼数について、様々なパラメータがあらかじめ設定され、当該パラメータを有する配信単位に対して広告コンテンツを配信した際の評価額が、それぞれに対応付けられている。課金サーバ30は、コンテンツ管理サーバ20から取得するエリア情報と広告枠クラスを元に、このテーブルから適切な行を選択し、当該広告枠の評価額を算出用パラメータとしてコンテンツ管理サーバ20に送信する。コンテンツ管理サーバ20では、課金サーバ30から送信された配信単位毎の評価額を広告枠クラスに当てはめることにより、広告枠クラス情報が作成される。
(2−評価額の算出、課金額の算出及び広告枠クラス情報の更新例)
次に、図11及び図12を用いて評価額の算出、課金額の算出及び広告枠クラス情報の更新方法に関する例について説明する。図11は、コンテンツ管理サーバ20において、課金サーバ30から提供されるパラメータを用いて作成された広告枠クラス情報の一例を示す図である。図11では、広告枠クラスID、広告情報量クラス、ユーザ特性及び在圏数に対応した定額値(b)と共に当該広告枠クラスIDに対応した従量係数(a)と、当該エリア情報から予想される認識率(x)が価値算出用パラメータとして送信される。上記の従量係数(a)及び定額値(b)は、図10に示した課金情報テーブルの例と同様に、配信単位(広告枠クラスID)毎に、広告コンテンツの情報量クラス(広告コンテンツのデータ形式)、ユーザ特性(性別、年齢)及び在圏する通信端末60の数等のパラメータに対応付けてあらかじめ課金サーバ30において保持され、コンテンツ管理サーバ20から送信されるエリア情報の上記の種類に応じて適宜選択されて送信される態様とすることができる。また、上記のパラメータのうちの一部又は全部を用いて、あらかじめ定められた算出方法(算出式)等を用いて算出する態様とすることもできる。算出式を用いて算出する処理としては、例えば、一人当たりの売上げの平均が3000円であるスーパーに関する広告コンテンツの配信を行う場合に、通信端末60における認識率(x)を考慮しないために従量係数(a)を0とし、定額値(b)を、計算式“b=3000×在圏数(図11の広告枠クラスID#7の場合は、100)”を用いて算出して用いるという方法等がある。
一方、コンテンツ管理サーバ20では、ユーザ特性及び在圏数に対応した定額値(b)と共に当該広告枠クラスIDに対応した従量係数(a)と、当該エリア情報から予想される認識率(x)に基づいて、評価額(y)を算出する。図11に示す例では、当該広告枠クラスIDに広告コンテンツを配信した際の評価額yは、計算式“y=ax+b”により算出され、例えば図11に示す広告枠クラスID#2については、評価額が500万円であることがコンテンツ管理サーバ20からコンテンツサーバ10へ通知される。
ここで、認識率とは、通信端末60において広告コンテンツが出力された場合に、所有者が注目した割合もしくは接触した割合を示す数値である。認識率は、エリア情報や出力情報に含まれる情報の一部を用いることにより設定され、例えば「エリア情報として取得した在圏エリアに在圏する通信端末60の数に対する広告コンテンツの出力時間(出力開始からボタン押下げ等による出力停止もしくは次画面への移行処理が行われるまで)が10秒以上である通信端末60の数の割合を認識率とする」と、あらかじめコンテンツ配信装置2に含まれるコンテンツサーバ10とコンテンツ管理サーバ20と課金サーバ30との間で規定しておき、通信端末60から送信される出力情報のうち当該条件を満たす出力情報が送信された通信端末60の数を求めることによって認識率を算定することができる。図11で示される予想される認識率(x)とは、過去に同じ条件により出力された広告コンテンツにおける実績等に基づいて算定された(例えば実績データの平均値を予想される認識率とする)ものであるが、本実施形態に係る処理によって通信端末60から出力情報を取得することにより、正確な値を広告コンテンツ出力後に得ることができる。したがって、広告コンテンツ出力後に、この認識率に基づいて課金額を算出することができる。また、認識率に関係する「広告コンテンツ表示に関する優先度」及び「広告コンテンツの出力順序」にも基づいて課金額を算出することができる。なお、出力情報を送信した通信端末60のうち、広告コンテンツを所有者に対して出力した割合である出力率等を上記の認識率に代えて用いることもできる。
図12は、広告コンテンツ出力後の認識率に基づいて課金額を算出した例を示す図である。図11の各パラメータのうち、例えば図12に示す広告枠クラスID#2については、認識率(x)が100%であったので、この結果を広告枠クラスID#2の認識率として用いることにより、課金額(y’)として求められる。したがって、課金額は600万円となり、この数値がコンテンツ管理サーバ20からコンテンツサーバ10を介してコンテンツ提供者に対して請求される。
さらに、実際に得られた認識率を広告枠クラス情報における「予想される認識率」を算出する際に、例えば過去の実績の一つのデータとして用いることにより、広告枠エリア情報の精度を高めることができる。
上記のように広告枠クラス情報における評価額の決定方法や、課金額の算出方法、及び、広告枠クラス情報の更新については、種々の方法があり、コンテンツ配信装置2の運用方法や広告コンテンツの内容等に応じて適宜変更することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について述べてきたが、本発明に係るコンテンツ配信システム1は、上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の態様を取ることが可能である。
例えば、コンテンツ配信システム1を構成するコンテンツ配信装置2は、コンテンツサーバ10、コンテンツ管理サーバ20及び課金サーバ30を含んで構成される構成としたが、通信システム50がコンテンツ配信装置2の機能の一部を有する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、通信端末50が移動体通信網Nを介して通信を行う場合について説明したが、他の通信網を介して通信を行う場合であっても上記実施形態と同様にコンテンツをより効果的であると思われるタイミングで当該在圏エリアに在圏する通信端末に対して配信することができる。なお、上記の他の通信網としては、例えば無線LAN、センサーネットワーク、固定通信網等が挙げられる。
また、上記実施形態では、課金サーバ30はエリア情報及び広告枠クラス(枠情報)をコンテンツ管理サーバ20から取得し、これらに対応付けた価値算出用パラメータを送信する構成としたが、課金サーバ30において広告枠クラスに対応付けた評価額を算出し、この結果をコンテンツ管理サーバ20に送信する態様とすることもできる。このように、評価額の算出及び課金額の算出に係る処理は、コンテンツ配信装置2に含まれるどの装置で行われてもよい。
また、上記実施形態では、通信端末60における広告コンテンツ出力後に出力情報を記録した場合について説明しているが、上記の処理は必ずしも必要ではない。すなわち、上記の処理が行われない場合であっても、通信端末60の在圏するエリア情報に基づいてコンテンツを選択して、通信端末60に対して配信することにより、ターゲットである通信端末60に対して効果的にコンテンツを配信することができるという効果は変わらない。
また、上記実施形態では、配信時間が均等(6時間)に定められた配信単位を用いて、その配信単位毎に広告コンテンツを配信するか判断する態様について説明をしたが、例えば広告枠がある程度長時間に渡り、その広告枠の一部において広告コンテンツの配信を行う態様とすることもできる。
(実施形態の変形例)
図13及び図14を用いて課金額の算出及び広告枠クラス情報の更新に係る変形例である広告枠の一部において広告コンテンツの配信を行う態様について説明する。
図13はコンテンツ管理サーバ20において、課金サーバ30から提供されるパラメータを用いて作成された広告枠クラス情報の一例を示す図である。図13の例が図11の例と異なる点は、広告枠クラス(配信単位)の配信時間(定数(T)に相当する)が長い点と、評価額を算出するためのパラメータとして、定額値(b)、従量係数(a)、認識率(x)のほかに、係数(C)、定数(T)及び残り時間(t)が示されている点である。これらのパラメータは、配信時間に基づいて評価額を変更するために用いられるパラメータである。このうち係数(C)は配信時間の減少により減額する単位時間当たりの評価額であり、定数(T)は当該広告枠クラスIDにおける広告コンテンツの配信時間を示し、残り時間(t)は、定数(T)に対する残り時間(配信可能な時間)を示す。係数(C)は、図10に示した課金情報テーブルの例と同様に、配信単位(広告枠クラスID)毎に、広告コンテンツの情報量クラス(広告コンテンツのデータ形式)、ユーザ特性(性別、年齢)及び在圏する通信端末60の数等のパラメータに対応付けてあらかじめ課金サーバ30において保持され、コンテンツ管理サーバ20から送信されるエリア情報の上記の種類に応じて適宜選択されて送信される態様とすることとしてもよいし、あらかじめ定められた算定式と上記のパラメータの一部又は全部を用いることによって算出する態様してもよい。また、定数(T)は、コンテンツ管理サーバ20により作成された広告枠に対応する数値である。また、残り時間(t)は、コンテンツ管理サーバ20において自動的に更新される。図13の広告枠クラス情報では、評価額(y’’)は、計算式“y’’=ax+b+c(T−t)”により算出されるが、定数(T)と残り時間(t)とが一致するため、評価額(y’’)は図11に係る広告枠クラス情報における評価額(y)と同様に計算式“ax+b”となる。
図14は、コンテンツ管理サーバ20において図13の広告枠クラス情報を24時間後に更新した場合について示す図である。図14の広告枠クラス情報では、図13の広告枠クラス情報の作成時から24時間経過したため、残り時間tがそれぞれ24ずつ減少している。したがって、この時点で算出される評価額(y’’’)は、図13における評価額(y’’)よりも少なくなる。このように、配信時間に応じて評価額を更新することにより、より適切な評価額を算出して、当該評価額に基づいて広告コンテンツの配信可否を決定することができる。
上記の変形例のように、広告枠クラス情報を時刻に応じてコンテンツ管理サーバ20において更新することにより配信単位の大きさ及び評価額を随時変更して、更新後の広告枠クラス情報に基づいて当該配信単位広告コンテンツの配信を行うかを判定することもできる。
1…コンテンツ配信システム、2…コンテンツ配信装置、10…コンテンツサーバ、11…コンテンツ格納部11、12…処理部、20…コンテンツ管理サーバ、21…エリア情報取得部、22…コンテンツ処理部、23…コンテンツ配信部、24…出力情報受信部、25…課金処理部、30…課金サーバ、50…通信システム、60…通信端末、61…コンテンツ受信部、62…コンテンツ出力部、63…出力情報送信部。