以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明の一実施形態である遊技機の概略正面図、図2はその遊技機の遊技盤の概略正面図、図3はその遊技機の演出ユニットに設けられた各種の可動体の動作を説明するための図、図4はその遊技機の概略制御ブロック図、図5はその遊技機の主制御基板、演出制御基板及び各演出手段の概略ブロック図である。ここでは、遊技機がパチンコ機である場合について説明する。また、このパチンコ機は、CRユニットに接続する機種、すなわち、いわゆるCR機であるものとする。
本実施形態のパチンコ機は、図1、図2及び図4に示すように、ガラス枠ユニット10と、受け皿ユニット20と、シリンダ錠30と、グリップユニット40と、遊技盤50と、遊技状況表示部60と、枠電飾表示部70と、スピーカ部80と、演出ユニット100と、始動ゲートセンサ211と、普通入賞口センサ212と、始動入賞口センサ213と、大入賞口センサ214と、普通電動役物用ソレノイド221と、特別電動役物用ソレノイド222と、払出装置231と、払出制御基板232と、発射ソレノイド241と、発射制御基板242と、受皿中継端子板251と、CR基板261と、CRユニット接続端子板262と、球貸ボタン操作検出センサ271と、返却ボタン操作検出センサ272と、盤用外部端子板281と、枠用外部端子板282と、主制御基板310と、演出制御基板320とを備える。
図1に示すように、ガラス枠ユニット10はパチンコ機の前面上部に取り付けられ、受け皿ユニット20はパチンコ機の前面下部であってガラス枠ユニット10の下側に取り付けられている。ガラス枠ユニット10及び受け皿ユニット20はそれぞれ、その左側端部が軸支されており、開閉可能に構成されている。
シリンダ錠30は、受け皿ユニット20の右端部に設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーをシリンダ錠30の鍵穴に差し込んで、シリンダ錠30を時計回りに捻ると、ガラス枠ユニット10及び受け皿ユニット20が開放可能な状態になり、一方、シリンダ錠30を反時計回りに捻ると、ガラス枠ユニット10だけが開放可能な状態になる。
ガラス枠ユニット10の中央部には、縦長楕円形状の窓11が形成されており、この窓11内にガラスユニット12が装着されている。ガラスユニット12は、例えば窓11の形状に合わせてカットされた二枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。一方、ガラス枠ユニット10の背後には、遊技盤50が着脱可能に設置されている。遊技者は窓11内に装着されたガラスユニット12を通じて前面側から遊技盤50を視認可能である。ガラス枠ユニット10が閉じられると、ガラスユニット12の内面と遊技盤50との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受け皿ユニット20は、全体的に前面側に突出した形状に形成されており、上皿21と、下皿22とを有している。上皿21は、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留するためのものである。下皿22は、上皿21の下側に設けられており、上皿21が満杯の状態にあるときにさらに払い出された遊技球を貯留するためのものである。
受け皿ユニット20の上面には、球貸ボタン24及び返却ボタン25が設けられている。CRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で、遊技者が球貸ボタン24を一回押すと、予め定められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。また、遊技者が返却ボタン25を押すと、投入した有価媒体に度数が残存していれば、その有価媒体が返却される。
また、受け皿ユニット20の前面であって上皿21の手前には、上皿球抜きレバー28が設けられ、下皿22の前面中央部には、下皿球抜きボタン29が設けられている。遊技者が上皿球抜きレバー28を例えば左方向にスライドさせることにより、上皿21に貯留されている遊技球を下皿22へ流下させることができる。また、遊技者が下皿球抜きボタン29を押すことにより、下皿22に貯留されている遊技球を下方へ落下させて外部に排出することができる。ここで、排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受け皿ユニット20の右下部には、グリップユニット(発射操作ハンドル)40が設置されている。グリップユニット40は、遊技盤50に向けて遊技球を発射することを指示すると共にその遊技球の発射力を調整するためのものである。
遊技盤50は、ガラス枠ユニット10の背後であってガラスユニット12に対応する位置に設けられている。この遊技盤50には、図2に示すように、始動ゲート51と、普通入賞口52と、始動入賞口53と、電動チューリップ(普通電動役物)54と、大入賞口(特別電動役物)55と、アウト口56とが設けられている。また、遊技盤50の中央部から右側部分にかけての広い領域には、演出ユニット100が配置されている。この演出ユニット100の右下端部には、遊技状況表示部60が設けられている。遊技状況表示部60は、普通図柄表示器61と、普通図柄保留表示器62と、特別図柄表示器63と、特別図柄保留表示器64と、遊技状態表示器65とを含んで構成されている。遊技盤50における演出ユニット100の左側及び下側の領域は、遊技球が移動可能な遊技領域を構成する。始動ゲート51、普通入賞口52、始動入賞口53、電動チューリップ54、大入賞口55、アウト口56は、この遊技領域に配置されている。
演出ユニット100は、各種の演出を実行するものであり、図2、図3及び図4に示すように、画像表示装置110と、第一可動演出部120と、第二可動演出部130と、第三可動演出部140と、第一盤面電飾表示部150と、第二盤面電飾表示部160とを備えている。
画像表示装置(画像表示手段)110は、画像を表示することにより遊技に関わる演出を行うものであり、図2に示すように、演出ユニット100の左側部分に設けられている。ここでは、画像表示装置110として液晶表示装置を用いている。かかる画像表示装置110は、図5に示すように、液晶パネル111と、液晶パネル111を制御する液晶制御基板112とを有する。ここで、液晶制御基板112は、全体的な制御を行う表示制御CPUと、表示プロセッサであるVDP(Video Display Processor)と、画像データを記憶する画像ROMと、フレームバッファとして利用されるVRAMとを備えている。この画像表示装置110は、例えば、図2に示すように、三つの表示エリアの各々において数字やキャラクタによる図柄で構成される識別情報を個別に変動表示することができる。画像表示装置110に表示される識別情報を通常、「特別図柄」と呼んでいる。そして、特別図柄を変動表示した後、その変動表示が停止したときに、例えば「7」−「7」−「7」のように三つの表示エリアに表示される図柄が一致すると、パチンコ機は大当たり遊技状態に移行する。この画像表示装置110の制御は主制御基板310からのコマンドに基づき演出制御基板320により行われる。また、画像表示装置110は、特別図柄を変動表示したりその変動表示を停止表示したりする他に、各種の演出画像を表示する。
尚、図1に示すように、受け皿ユニット20の中央部であって上皿21の手前位置には、演出切替ボタン26が設けられている。遊技者は、この演出切替ボタン26を操作することにより、画像表示装置110における演出内容を切り替えたり、例えば特別図柄の変動表示中あるいは大当たり遊技状態における遊技の実行中に、画像表示装置110において所定の演出を発生させたりすることができる。
第一可動演出部120、第二可動演出部130及び第三可動演出部140はそれぞれ、所定の可動体が動作することにより、遊技に関わる演出を行う可動演出手段である。これら各可動演出部120,130,140の制御は、主制御基板310からのコマンドに基づいて演出制御基板320により行われる。具体的に、第一可動演出部120は、図3及び図5に示すように、第一可動体121と、その第一可動体121の駆動源である第一可動体用モータ122とを有する。第一可動体121は、図2及び図3に示すように、あるキャラクタの形状をした人形であり、画像表示装置110の右側に設けられている。第一可動体121は例えば拍手する動作を行うことができる。この第一可動体121の拍手動作は、演出制御基板320が第一可動体用モータ122を駆動することにより行われる。第二可動演出部130は、図3及び図5に示すように、第二可動体131と、その第二可動体131の駆動源である二つの第二可動体用モータ132,133とを有する。第二可動体131は、図3に示すように、支持部131aと、その支持部131aの先端に取り付けられた本体部131bとを有するものである。この第二可動体131は、通常、画像表示装置110の下方において遊技盤50の正面から隠れた状態で待機している。第二可動体131の動作が開始すると、支持部131aが本体部131bの取り付けられた側と反対側の端部を中心に一定角度範囲内で回動することにより、図3に示すように、第二可動体131が画像表示装置110の前側に出現する。このとき、本体部131bは一定の角速度で回転動作を行うことができる。支持部131aの回動動作は、演出制御基板320が第二可動体用モータ132を駆動することにより行われ、本体部131bの回転動作は、演出制御基板320が第二可動体用モータ133を駆動することにより行われる。また、第三可動演出部140は、図3及び図5に示すように、第三可動体141と、その第三可動体141の駆動源である第三可動体用ソレノイド142とを有する。第三可動体141は、図2及び図3に示すように、当該キャラクタに関連するロゴ(不図示)が記載されたパネルであり、第一可動体121の上側に設けられている。第三可動体141は、上下に振動する動作を行うことができる。この第三可動体141の振動動作は、演出制御基板320が第三可動体用ソレノイド142を駆動することにより行われる。尚、第一可動体用モータ122、第二可動体用モータ132,133としては、ステッピングモータを用いている。
第一盤面電飾表示部150及び第二盤面電飾表示部160はそれぞれ、複数の表示用ランプ(表示素子)を点灯表示することにより、遊技に関わる演出を行う電飾表示手段である。本実施形態では、表示用ランプとして発光ダイオード(light-emitting diode、以下「LED」とも称する。)を用いている。かかるLEDはパルス幅変調(Pulse Width Modulation、以下「PWM」とも称する。)制御が可能なものである。第一盤面電飾表示部150及び第二盤面電飾表示部160の制御は、主制御基板310からのコマンドに基づいて演出制御基板320により行われる。具体的に、図2に示すように、第一盤面電飾表示部150は演出ユニット100の裏側であってその上部に設けられ、第二盤面電飾表示部160は演出ユニット100の裏側であってその下部に設けられている。すなわち、第一盤面電飾表示部150は画像表示装置110の上側に位置し、第二盤面電飾表示部160は画像表示装置110の下側に位置している。これら第一盤面電飾表示部150及び第二盤面電飾表示部160はそれぞれ、複数のLEDとそれを搭載する基板とにより構成されている。
演出ユニット100左側の遊技領域は遊技球の流路となる領域であり、図2に示すように、この領域内の所定位置に始動ゲート51が設けられている。始動ゲート51の裏側には始動ゲートセンサ211が設けられている。この始動ゲートセンサ211は、遊技球が始動ゲート51を通過したことを検出するものである。始動ゲートセンサ211からの検出信号は主制御基板310に送られる。主制御基板310は、その検出信号を受け取ると、普通図柄抽選を行う。この普通図柄抽選は、電動チューリップ54を開放するかどうかを決定する抽選である。普通図柄抽選の結果は、普通図柄表示器61によって報知される。具体的に、普通図柄表示器61は二つのLEDで構成されており、各LEDの点灯/消灯の状態が「普通図柄」と称される。普通図柄表示器61は、例えば二つのLEDを交互に点灯させることにより普通図柄の変動表示を行った後に普通図柄の変動表示を停止する。普通図柄抽選の結果が当たりである場合には、二つのLEDはともに点灯状態で停止表示する。一方、普通図柄抽選の結果が外れである場合、いずれか一方のLEDが点灯状態で停止表示し、他方のLEDが消灯状態で停止表示する。この普通図柄表示器61の制御は主制御基板310により行われる。
普通図柄表示器61の左側には普通図柄保留表示器62が設けられている。この普通図柄保留表示器62は、始動ゲート51への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示が未だ開始されていない回数(保留数)を表示するものである。この普通図柄保留表示器62は二つのLEDで構成されており、それらのLEDの点灯・消灯・点滅の状態により保留数を表示する。例えば、二つのLEDがともに消灯している場合には、普通図柄の変動表示の保留数が「0」であることを表し、左側のLEDが点灯し、右側のLEDが消灯している場合には、普通図柄の変動表示の保留数が「1」であることを表し、二つのLEDがともに点灯している場合には、普通図柄の変動表示の保留数が「2」であることを表す。そして、左側のLEDが点灯し、右側のLEDが点滅している場合には、普通図柄の変動表示の保留数が「3」であることを表し、二つのLEDがともに点滅している場合には、普通図柄の変動表示の保留数が「4」であることを表す。このように、普通図柄の変動表示の保留数は最大「4」である。
また、電動チューリップ54は始動入賞口53に設けられている。この電動チューリップ54は、始動入賞口53の入口部に離間して取り付けられた左右一対の可動片である。電動チューリップ54は、例えば、普通図柄が当たりの態様で停止表示したときに所定時間だけ開放する。この電動チューリップ54が開放すると、始動入賞口53に遊技球が入りやすくなる。電動チューリップ54の開閉は、主制御基板310からの信号に基づいて普通電動役物用ソレノイド221により行われる。
普通入賞口52は始動ゲート51の下側に位置している。遊技球が普通入賞口52に入ると、当該遊技球は入賞する。普通入賞口52の内部には普通入賞口センサ212が設けられている。この普通入賞口センサ212は、遊技球が普通入賞口52に入ったことを検出するものである。普通入賞口センサ212からの検出信号は主制御基板310に送られる。主制御基板310は、その検出信号を受け取ると、所定数の賞球を払い出す旨の賞球指示コマンドを払出制御基板242に送信する。これにより、所定数の賞球が払い出される。
始動入賞口53は演出ユニット100の下側に位置している。遊技球が始動入賞口53に入ると、当該遊技球は入賞する。始動入賞口53の内部には始動入賞口センサ213が設けられている。この始動入賞口センサ213は、遊技球が始動入賞口53に入ったことを検出するものである。始動入賞口センサ213からの検出信号は主制御基板310に送られる。主制御基板310は、その検出信号を受け取ると、所定数の賞球を払い出す旨の賞球指示コマンドを払出制御基板242に送信する。これにより、所定数の賞球が払い出される。
また、主制御基板310は、遊技球が始動入賞口53に入り、始動入賞口センサ213からの検出信号を受け取ったときに、特別図柄抽選を行う。この特別図柄抽選は、パチンコ機を大当たり遊技状態に移行させるかどうか、すなわち、大当たりかどうかを決定する抽選である。特別図柄抽選の結果は、画像表示装置110及び特別図柄表示器63において報知される。上述したように、画像表示装置110は、特別図柄を変動表示した後、その変動表示を停止する。そして、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合には、画像表示装置110によって表示される三つの特別図柄は所定の大当たりの態様で停止表示する。また、特別図柄表示器63は二つの7セグメント表示器で構成されている。かかる二つの7セグメント表示器も表示図柄(識別情報)を変動表示することができる。そして、特別図柄表示器63によって表示される二つの表示図柄が変動表示した後、その変動表示が停止したときに、二つの表示図柄が所定の大当たりの態様で停止表示すると、特別図柄抽選の結果が大当たりであることが報知される。この特別図柄表示器63の制御は主制御基板310により行われる。尚、特別図柄表示器63によって表示される表示図柄と、画像表示装置110によって表示される特別図柄とは異なるものであるが、特別図柄抽選の結果を表示するという点で同じ役割を果たすので、以下では、特別図柄表示器63によって表示される表示図柄のことも「特別図柄」と称することにする。
特別図柄表示器63の上側には特別図柄保留表示器64が設けられている。この特別図柄保留表示器64は、遊技球が始動入賞口53に入って入賞したが、その入賞に基づく特別図柄の変動表示が未だ開始されていない回数(保留数)を表示するものである。特別図柄保留表示器64は、横一列に配列された四つのLEDで構成されており、点灯状態にあるLEDの個数により保留数を表示する。このように、特別図柄の変動表示の保留数は最大「4」である。
始動入賞口53の下側には大入賞口55が設けられている。大入賞口55は、通常、閉じた状態になっているが、特別図柄が大当たりの態様で停止表示したとき、すなわちパチンコ機が大当たり遊技状態になったときに、所定のパターンで開閉する。具体的に、大入賞口55は、開放した後、所定数の遊技球が入賞するか、所定時間経過するかのいずれかの条件を満たすと、一旦、開放状態を終了して閉じる。この開閉動作は所定回数だけ行われる。ここで、大入賞口55が開閉動作を行うことを「ラウンド」と称す。大入賞口55の開閉は、主制御基板310からの信号に基づいて特別電動役物用ソレノイド222により行われる。大入賞口55も当然、入賞口であるので、遊技球が大入賞口55に入ると、当該遊技球は入賞する。大入賞口55の内部には大入賞口センサ214が設けられている。この大入賞口センサ214は、遊技球が大入賞口55に入ったことを検出するものである。大入賞口センサ214からの検出信号は主制御基板310に送られる。主制御基板310は、その検出信号を受け取ると、所定数の賞球を払い出す旨の賞球指示コマンドを払出制御基板242に送信する。これにより、所定数の賞球が払い出される。また、主制御基板310はかかる検出信号に基づいて大入賞口55に入った遊技球の数を認識することができる。パチンコ機が大当たり遊技状態になって大入賞口55が開閉動作を繰り返している期間の遊技は「大当たり遊技」と称され、遊技者はこの大当たり遊技により多量の遊技球を獲得することが可能である。
本実施形態では、大当たりの種類として、例えば、「15ラウンド確変大当たり」と、「15ラウンド非確変大当たり」と、「3ラウンド確変大当たり」との合計三種類が設定されている。特別図柄抽選により15ラウンド確変大当たりに当選した場合には、当該大当たり遊技において大入賞口55の開閉動作が合計15回行われると共に、パチンコ機が、当該大当たり遊技状態の終了後に大当たりになる確率が通常よりも高くなる、いわゆる確率変動遊技状態に移行するという特典が与えられる。特別図柄抽選により15ラウンド非確変大当たりに当選した場合には、当該大当たり遊技において大入賞口55の開閉動作が合計15回行われるという特典が与えられるが、パチンコ機が当該大当たり遊技状態の終了後に確率変動遊技状態に移行するという特典は与えられない。また、特別図柄抽選により3ラウンド確変大当たりに当選した場合には、当該大当たり遊技において大入賞口55の開閉動作が合計3回行われると共に、パチンコ機が当該大当たり遊技状態の終了後に確率変動遊技状態に移行するという特典が与えられる。
また、大当たりの種類に応じて、画像表示装置110における特別図柄の大当たり態様(大当たり図柄)は予め決められている。例えば、大当たりの種類が15ラウンド確変大当たりである場合には、画像表示装置110には、例えば「7」−「7」−「7」のように同じ奇数を表す特別図柄が三つ揃った態様で停止表示される(図2参照)。一方、大当たりの種類が15ラウンド非確変大当たりである場合には、画像表示装置110には、例えば「2」−「2」−「2」のように同じ偶数を表す特別図柄が三つ揃った態様で停止表示される。また、大当たりの種類が3ラウンド確変大当たりである場合には、画像表示装置110には、例えば「1」−「3」−「5」のように、奇数を表す特別図柄が所定の組み合わせで揃った態様で停止表示される。
遊技状態表示器65は、普通図柄表示器61及び普通図柄保留表示器62の上側に設けられている。この遊技状態表示器65は、左端に配置された一つの時短状態表示ランプと、その時短状態表示ランプの右側に配置された三つの大当たり種別表示ランプとを有する。これらの各ランプはLEDで構成されている。三つの大当たり種別表示ランプは、大当たりの種類を報知するものである。パチンコ機が大当たり遊技状態に移行したとき、三つの大当たり種別表示ランプのうち、当該大当たりの種類に対応したランプが点灯する。また、本実施形態では、大当たり遊技が終了すると、パチンコ機は大当たり遊技状態から時短遊技が行われる時短遊技状態に移行する。時短遊技とは、普通図柄の変動表示を行う時間を通常よりも短くし、且つ、普通図柄抽選の結果が当たりである場合に電動チューリップ54の開放時間を長くした遊技状態における遊技のことである。この時短遊技状態は、例えば普通図柄の抽選が50回行われるまで継続する。時短状態表示ランプは、パチンコ機が時短遊技状態にあることを報知するものである。パチンコ機が時短遊技状態にある期間中、時短状態表示ランプが点灯する。
遊技領域の最下部にはアウト口56が設けられており、入賞しなかった遊技球はアウト口56を介して回収される。尚、遊技領域には、遊技球を予期せぬ方向へ跳ね返らせるための複数の釘や、遊技球を予期せぬ方向へ方向転換させるための風車等も取り付けられている。
演出ユニット100の上縁部は、遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する。また、演出ユニット100の左縁部には球案内通路101が形成されており、その下縁部には転動ステージ102が形成されている。球案内通路101は、その左上端の開口部101aを介して遊技領域内を流下する遊技球が球案内通路101の内部に流入したときに、その流入した遊技球を転動ステージ102に案内するものである。転動ステージ102の上面は滑らかな湾曲面となるように形成されている。遊技球は転動ステージ102上で左右方向に転動自在であり、やがて転動ステージ102から下方の遊技領域に流下する。また、転動ステージ102の中央位置には球放出路103が形成されている。この球放出路103は、始動入賞口53の真上に位置しており、遊技球が転動ステージ102から球放出路103に流下したときには、当該遊技球は始動入賞口53に流入しやすくなる。このように、球案内通路101、転動ステージ102及び球放出路103が形成されている演出ユニット100の部分も、遊技球が移動可能な遊技領域を構成する。
枠電飾表示部70は、複数の表示用ランプを点灯表示することにより、遊技に関わる演出を行う電飾表示手段である。本実施形態では、表示用ランプとしてLEDを用いている。かかるLEDはPWM制御が可能なものである。この枠電飾表示部70の制御は、主制御基板310からのコマンドに基づいて演出制御基板320により行われる。具体的に、枠電飾表示部70は、図1に示すように、トップランプユニット71と、左サイドランプユニット72と、右サイドランプユニット73と、受け皿ランプユニット74とを有する。各ランプユニット71,72,73,74は、複数のLEDとそれを搭載する基板とにより構成されている。
トップランプユニット71は、ガラス枠ユニット10の裏側であってその上部に設けられている。左サイドランプユニット72は、ガラス枠ユニット10の裏側であってその左側部に設けられ、右サイドランプユニット73は、ガラス枠ユニット10の裏側であってその右側部に設けられている。受け皿ランプユニット74は、受け皿ユニット20の裏側であって上皿21及び下皿22を取り囲む部分に設けられている。これらトップランプユニット71、左サイドランプユニット72、右サイドランプユニット73及び受け皿ランプユニット74は、外見上、パチンコ機の前面において一体的に繋がっているかのようにデザインされている。
スピーカ部80は、効果音、BGMや音声等を出力して遊技に関わる演出を行う音響出力手段である。スピーカ部80の制御は、主制御基板310からのコマンドに基づいて演出制御基板320により行われる。かかるスピーカ部80は、図1に示すように、一対のガラス枠上スピーカ81a,81bと、ガラス枠中スピーカ82と、受け皿スピーカ83とを有する。一対のガラス枠上スピーカ81a,81bはそれぞれガラス枠ユニット10の上部であってその左端部、右端部に内蔵されており、ガラス枠中スピーカ82はガラス枠ユニット10の上部であってその中央部に内蔵されている。また、受け皿スピーカ83は受け皿ユニット20の下皿22の上側部分に内蔵されている。
尚、画像表示装置110、第一可動演出部120、第二可動演出部130、第三可動演出部140、第一盤面電飾表示部150、第二盤面電飾表示部160、枠電飾表示部70、スピーカ部80はいずれも、遊技に関わる演出を行うものであり、以下では「演出手段」とも称することにする。
パチンコ機の裏側には、払出装置231、払出制御基板232、発射ソレノイド241、発射制御基板242、受皿中継端子板251、CR基板261、CRユニット接続端子板262、盤用外部端子板281、枠用外部端子板282、主制御基板310、演出制御基板320等が設置されている。ここで、図4に示すように、主制御基板310は、払出制御基板232及び演出制御基板320と通信ケーブル線を介して接続されている。払出制御基板232は、発射制御基板242及びCRユニット接続端子板262と通信ケーブル線を介して接続されている。発射制御基板242は受皿中継端子板251と通信ケーブル線を介して接続されている。そして、受皿中継端子板251は、CR基板261及びCRユニット接続端子板262と通信ケーブル線を介して接続されている。また、盤用外部端子板281は主制御基板310と接続され、枠用外部端子板282は払出制御基板242と接続されている。
払出装置231は、賞球や貸球を受け皿ユニット20に払い出すものである。この払出装置231の動作は払出制御基板232によって制御される。具体的に、遊技球が各入賞口52,53,55に入ると、主制御基板310は所定の賞球指示コマンドを払出制御基板232に送出し、払出制御基板232はその賞球指示コマンドに基づいて、要求された数の賞球を払い出すように払出装置231の動作を制御する。ここで、一般には、入賞口毎に賞球の数が異なる。
発射ソレノイド241は、所定の発射位置に送り出された遊技球を打撃し、遊技領域に向けて打ち出すものである。発射制御基板242は発射ソレノイド241の動作を制御するものである。具体的に、グリップユニット40には、図4に示すように、発射レバーボリューム41、タッチセンサ42が設けられている。発射レバーボリューム41は、遊技者によるグリップユニット40の操作量(回転量)に比例したアナログ信号を生成して出力する。タッチセンサ42は、静電容量の変化に基づいて遊技者の身体がグリップユニット40に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。受け皿ユニット20内には、受皿中継端子板251が設けられており、発射レバーボリューム41やタッチセンサ42からの信号は、受皿中継端子板251を経由して発射制御基板242に送出される。発射制御基板242は、かかる発射レバーボリューム41やタッチセンサ42からの信号に基づいて発射ソレノイド241を駆動することにより、遊技球の打ち出す強さを調整している。
CRユニット接続端子板262にはCRユニットが接続される。また、CR基板261には、球貸ボタン24が押されたことを検出する球貸ボタン操作検出センサ271からの信号、返却ボタン25が押されたことを検出する返却ボタン操作検出センサ272からの信号が入力する。これらの信号は、CR基板261から受皿中継端子板251、CRユニット接続端子板262を経由してCRユニットに送信される。CRユニットは、球貸ボタン操作検出センサ271からの信号を受けると、有価媒体に現在記憶されている度数から所定数の貸球を払い出すのに必要な度数を減算すると共に、所定数の貸球を払い出す旨の貸球指示コマンドを、CRユニット接続端子板262を経由して払出制御基板232に送出する。払出制御基板232はその貸球指示コマンドに基づいて、所定数の貸球を払い出すように払出装置231の動作を制御する。また、CRユニットは、返却ボタン操作検出センサ272からの信号を受けると、度数が残存している有価媒体を返却する。
盤用外部端子板281及び枠用外部端子板282は、遊技場の全体を管理するホールコンピュータと接続される。主制御基板310は、盤用外部端子板281を介してホールコンピュータへ遊技の進行状況を示す情報を送信し、また、払出制御基板232は、枠用外部端子板282を介してホールコンピュータへ払出情報を送信する。
主制御基板310は、主に遊技内容や遊技球の払出しの制御及び管理を行う。かかる主制御基板310は、図5に示すように、ROM311と、RAM312と、CPU(遊技制御手段)313とを備えている。ROM311には、遊技内容の制御等に関する各種のプログラムが格納されている。また、RAM312は、データを一時的に記憶する作業用のメモリである。尚、主制御基板310には、複数のカウンタ(不図示)が設けられている。これらのカウンタの中には、抽選処理で使用する乱数を発生させるための乱数発生用カウンタが多数含まれている。乱数発生用カウンタとしては、ハードウェアカウンタだけでなく、プログラム上で乱数を発生するソフトウェアカウンタも用いられている。
CPU313は、ROM311に格納されているプログラムを実行することにより、遊技内容の制御を行ったり、払出制御基板232を制御することによって賞球の払出しを制御したり、演出制御基板320を制御することによって演出の制御を行ったりする。具体的に、CPU313が行う遊技内容の制御に関する処理としては、入力イベント処理、普通図柄遊技処理、特別図柄遊技処理、大当たり遊技処理等がある。
まず、入力イベント処理について説明する。入力イベント処理は、始動ゲートセンサ211、普通入賞口センサ212、始動入賞口センサ213、大入賞口センサ214からの信号に基づいて遊技中に発生したイベントを認識し、その発生したイベントに応じた処理を実行する処理である。具体的に、CPU313は、始動ゲートセンサ211からの信号を受けると、遊技球が始動ゲート51を通過したことを認識する。そして、所定の乱数発生用カウンタが順次発生する所定範囲の数値の中から、所定のタイミングで一の数値を乱数値として取得し、その取得した乱数値を普通図柄抽選用乱数値としてRAM312に記憶する。ここで、普通図柄抽選用乱数値は最大4個まで記憶される。また、CPU313は、各入賞口センサ212,213,214からの信号を受けると、当該入賞口に遊技球が入賞したことを認識する。そして、各入賞口に入賞した遊技球の数をRAM312に記憶して管理している。このRAM312に記憶されている、各入賞口毎に入賞した遊技球の数についての情報を、「入賞記憶」と称することにする。特に、CPU313は、始動入賞口センサ213からの信号を受けたときには、所定の乱数発生用カウンタが順次発生する所定範囲の数値の中から、所定のタイミングで一の数値を乱数値として取得し、その取得した乱数値を特別図柄抽選用乱数値としてRAM312に記憶する。ここで、特別図柄抽選用乱数値は最大4個まで記憶される。
次に、普通図柄遊技処理について説明する。普通図柄遊技処理は、普通図柄抽選を行うと共に、その抽選の結果に応じて普通図柄表示器61や普通電動役物用ソレノイド221を制御する処理である。具体的に、CPU313は、RAM312に記憶されている一の普通図柄抽選用乱数値を読み出し、当該普通図柄抽選用乱数値が所定の当たり範囲内の数値に該当するか否かを判定する。当該普通図柄抽選用乱数値が当たり範囲内の数値に該当する場合、すなわち、普通図柄抽選の結果が当たりである場合、CPU313は、普通図柄表示器61を制御して、普通図柄表示器61に普通図柄の変動表示を行わせた後に、普通図柄を当たりの態様で停止表示させる。その後、CPU313は、普通電動役物用ソレノイド221に信号を送り、電動チューリップ54を所定時間だけ開放させる。一方、当該普通図柄抽選用乱数値が当たり範囲内の数値に該当しない場合、すなわち、普通図柄抽選の結果が外れである場合、CPU313は、普通図柄表示器61を制御して、普通図柄表示器61に普通図柄の変動表示を行わせた後に、普通図柄を外れの態様で停止表示させる。また、CPU313は、RAM312に記憶されている普通図柄抽選用乱数値について普通図柄抽選の処理が行われると、当該普通図柄抽選用乱数値をRAM312から消去する。更に、CPU313は、RAM312に現在記憶されている普通図柄抽選用乱数値の個数に基づいて普通図柄保留表示器62を制御して、普通図柄保留表示器62に普通図柄の変動表示の保留数を表示させる。
次に、特別図柄遊技処理について説明する。特別図柄遊技処理は、特別図柄抽選を行うと共に、その抽選の結果に応じて特別図柄表示器63や特別電動役物用ソレノイド222等を制御する処理である。具体的に、CPU313は、RAM312に記憶されている一の特別図柄抽選用乱数値を読み出し、当該特別図柄抽選用乱数値が所定の大当たり範囲内の数値に該当するか否か、すなわち特別図柄抽選の結果が大当たりであるか否かを判定する。ここで、この特別図柄抽選の結果は、RAM312に記憶される。この特別図柄抽選の結果が大当たりである場合、CPU313は、特別図柄表示器63を制御して、特別図柄表示器63に特別図柄の変動表示を行わせた後に、特別図柄を大当たりの態様で停止表示させる。その後、CPU313は、特別電動役物用ソレノイド222に信号を送り、大入賞口55を開放させる。一方、当該特別図柄抽選の結果が外れである場合、CPU313は、特別図柄表示器63を制御して、特別図柄表示器63に特別図柄の変動表示を行わせた後に、特別図柄を外れの態様で停止表示させる。また、CPU313は、RAM312に記憶されている特別図柄抽選用乱数値について特別図柄抽選の処理が行われると、当該特別図柄抽選用乱数値をRAM312から消去する。更に、CPU313は、RAM312に現在記憶されている特別図柄抽選用乱数値の個数に基づいて特別図柄保留表示器64を制御して、特別図柄保留表示器64に特別図柄の変動表示の保留数を表示させる。
また、CPU313は、特別図柄抽選を行った際に、この特別図柄抽選の結果を表示するための報知演出の制御に必要な情報を抽選で決定する。特別図柄抽選結果の報知演出は、画像表示装置110等の各演出手段で行われる。例えば、画像表示装置110では、上述したように、特別図柄を変動表示する変動表示演出が行われた後、特別図柄を停止表示する停止表示演出が行われ、この停止表示演出の内容により特別図柄抽選の結果が報知される。このとき、変動表示演出では、リーチ状態が発生することがある。リーチ状態とは、三つの特別図柄のうち二つの特別図柄だけが停止している状態であって、変動表示中の残り一つの特別図柄が所定の態様で停止表示すれば、大当たりになる可能性が存在している状態のことである。特別図柄抽選結果の報知演出の制御に必要な情報としては、リーチ状態の発生の有無、変動表示演出を実行する時間(変動表示時間)、停止表示演出を維持する時間(停止表示時間)、及び、当該特別図柄抽選の結果が大当たりである場合にあっては停止表示演出における特別図柄の停止表示態様、すなわち大当たり図柄等が挙げられる。CPU313は、かかる特別図柄抽選結果の報知演出の制御に必要な情報を決定すると、その決定した情報の内容をRAM312に記憶する。
次に、大当たり遊技処理について説明する。大当たり遊技処理は、パチンコ機が大当たり遊技状態にある場合に大当たり遊技を実行する処理である。具体的に、CPU313は、パチンコ機が大当たり遊技状態に移行すると、三つの大当たり種別表示ランプのうち当該大当たりの種類に対応するランプを点灯させると共に、当該大当たりの種類に応じた最大ラウンド数を所定のカウンタにセットする。ここで、このカウンタの値は、大入賞口55が開放する度に1だけ減じる。すなわち、このカウンタの値は残りラウンド数を示す。また、CPU313は、大入賞口55が開放する度に、その開放時からの経過時間を所定のタイマで計時する。CPU313は、大入賞口55が開放した後、大入賞口55に入賞した入賞記憶に基づいて当該ラウンドにおいて大入賞口55に入賞した遊技球の数が所定数に達したかどうかを判断すると共に、上記タイマの値が所定時間を示しているかどうかを判断する。そして、CPU313は、当該ラウンドにおいて、所定数の遊技球が大入賞口55に入賞するか、所定時間経過するかのいずれかの条件を満たしたと判断すると、特別電動役物用ソレノイド222に信号を送り、大入賞口55を閉じさせる。その後、残りラウンド数がゼロでなければ、CPU313は、特別電動役物用ソレノイド222に信号を送り、大入賞口55を再び開放させる。一方、残りラウンド数がゼロであれば、CPU313は、大当たり遊技を終了し、当該大当たり種別表示ランプを消灯させると共に、時短状態表示ランプを点灯させる。
また、CPU313は、遊技球が各入賞口52,53,55に入ったときに所定の数の賞球を払い出す賞球払出処理を行う。具体的に、CPU313は、各入賞口毎に入賞した入賞記憶がRAM312にあるかどうかを判断する。入賞記憶があると判断すると、CPU313は、当該入賞口に応じた数の賞球を払い出す旨の賞球指示コマンドを払出制御基板232に出力する。その後、CPU313は、その出力した賞球指示コマンドに対応する入賞記憶を消去する。CPU313は、入賞記憶がなくなるまで、かかる処理を繰り返す。
更に、CPU313は、演出制御基板320に各種のコマンドを出力する演出制御出力処理を行う。ここで、演出制御基板320に出力する各種のコマンドとしては、例えば、特別図柄抽選結果の報知演出に必要な情報に関するコマンド、すなわち、特別図柄抽選の結果を示す特別図柄抽選結果コマンド、変動表示演出時にリーチ状態を発生させるかどうかを示すリーチ状態発生コマンド、変動表示時間や停止表示時間を示す変動パターンコマンド、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合に大当たり図柄を示す大当たり図柄コマンド等がある。CPU313は、RAM312に記憶されている情報に基づいて特別図柄抽選結果の報知演出に必要な情報に関するコマンドを作成し、演出制御基板320に出力する。演出制御基板320は、これらのコマンドに基づいて、特別図柄抽選結果の報知演出についての具体的な内容を選択することになる。
尚、CPU313はパチンコ機の遊技状態を管理している。本実施形態のパチンコ機では、遊技状態として、上述したように、大当たり遊技状態、確率変動遊技状態、時短遊技状態等の各種の遊技状態が設定されている。CPU313は、遊技の状況に応じて遊技状態の移行を制御している。この遊技状態の管理は、例えばフラグを用いて行われる。CPU313は、パチンコ機の遊技状態を示す遊技状態コマンドも演出制御基板320に出力する。
演出制御基板320は、主に遊技の進行に伴う演出の制御を行う。この演出制御基板320は、図5に示すように、ROM321と、RAM322と、CPU(演出制御手段)323と、可動体駆動回路324と、ランプ駆動回路325と、スピーカ駆動回路326を有する。ROM321には、遊技演出に関する各種のプログラムが格納されている。また、RAM312は、データを一時的に記憶する作業用のメモリである。このRAM312には、例えば、主制御基板310から送られたコマンド等が記憶される。CPU323は、ROM321に格納されているプログラムを実行することにより、画像表示装置110、可動演出部120,130,140、電飾表示部150,160,70、スピーカ部80を制御する。尚、演出制御基板320には、複数のカウンタ(不図示)が設けられている。これらのカウンタの中には、抽選処理で使用する乱数を発生させるための乱数発生用カウンタが多数含まれている。
可動体駆動回路324には、駆動用IC等が備えられている。この駆動用ICは、CPU323からの駆動信号に基づいて、第一可動体用モータ122、第二可動体用モータ132,133、第三可動体用ソレノイド142の駆動を制御する。また、ランプ駆動回路325には、ランプ制御ICやスイッチング素子等が備えられている。このランプ制御ICは、CPU323からの点灯指令信号に基づいて、電飾表示部150,160,70に含まれる複数のLEDの点灯を駆動制御する。特に、本実施形態では、ランプ制御ICとして、各LEDについてPWM制御を行うことができるものを用いている。ここで、PWM制御とは、LEDに駆動用のパルス信号を出力し、デューティ比(パルス周期に対するパルス幅の割合)に応じて各LEDの点灯時間を変化させる制御のことである。更に、スピーカ駆動回路326には、音響制御IC、サウンドROM、アンプ等が備えられている。サウンドROMには複数の音源データが格納されており、音響制御ICはCPU323からの指令に基づいてスピーカ部80を駆動制御する。すなわち、このスピーカ駆動回路326はサウンドジェネレータである。
また、ROM321には、プログラムの他に、演出パターンデータ等の各種のデータが格納されている。次に、このROM321に格納されているデータの内容を詳しく説明する。図6は演出制御基板320のROM321に格納されているデータの内容を説明するための図である。ROM321のデータ格納領域としては、図6に示すように、画像演出パターンデータ格納領域321a、第一可動体演出パターンデータ格納領域321b、第二可動体演出パターンデータ格納領域321c、第三可動体演出パターンデータ格納領域321d、第一盤面電飾演出パターンデータ格納領域321e、第二盤面電飾演出パターンデータ格納領域321f、枠電飾演出パターンデータ格納領域321g、音響演出パターンデータ格納領域321h、低電流用第二可動体演出パターンデータ格納領域321p、低電流用第三可動体演出パターンデータ格納領域321q、低電流用第一盤面電飾演出パターンデータ格納領域321r、低電流用第二盤面電飾演出パターンデータ格納領域321s、低電流用枠電飾演出パターンデータ格納領域321t、第一電流上限値テーブル格納領域321x、第二電流上限値テーブル格納領域321y等がある。尚、このROM321は、本発明の「第一記憶手段」、「第二記憶手段」、「第三記憶手段」及び「第四記憶手段」に該当する。
画像演出パターンデータ格納領域321aには、画像表示装置110に実行させる演出内容を定めた複数の画像演出パターンデータが格納されている。第一可動体演出パターンデータ格納領域321bには、第一可動演出部120に実行させる演出内容を定めた複数の第一可動体演出パターンデータが格納され、第二可動体演出パターンデータ格納領域321cには、第二可動演出部130に実行させる演出内容を定めた複数の第二可動体演出パターンデータが格納され、第三可動体演出パターンデータ格納領域321dには、第三可動演出部140に実行させる演出内容を定めた複数の第三可動体演出パターンデータが格納されている。また、第一盤面電飾演出パターンデータ格納領域321eには、第一盤面電飾表示部150に実行させる演出内容を定めた複数の第一盤面電飾演出パターンデータが格納され、第二盤面電飾演出パターンデータ格納領域321fには、第二盤面電飾表示部160に実行させる演出内容を定めた複数の第二盤面電飾演出パターンデータが格納され、枠電飾演出パターンデータ格納領域321gには、枠電飾表示部70に実行させる演出内容を定めた複数の枠電飾演出パターンデータが格納されている。更に、音響演出パターンデータ格納領域321hには、スピーカ部80に実行させる演出内容を定めた複数の音響演出パターンデータが格納されている。
本実施形態では、画像表示装置110、可動演出部120,130,140、電飾表示部150,160,70、スピーカ部80のうち、第二可動演出部130、第三可動演出部140、第一盤面電飾表示部150、第二盤面電飾表示部160、枠電飾表示部70についての演出パターンデータの各々に対して、低電流用の演出パターンデータを設けている。ここで、第二可動体演出パターンデータ格納領域321c、第三可動体演出パターンデータ格納領域321d、第一盤面電飾演出パターンデータ格納領域321e、第二盤面電飾演出パターンデータ格納領域321f、枠電飾演出パターンデータ格納領域321gに格納されている演出パターンデータのことを、低電流用演出パターンデータと明確に区別するために、以下では「通常の演出パターンデータ」とも称することにする。また、低電流用演出パターンデータが設けられている第二可動演出部130、第三可動演出部140、第一盤面電飾表示部150、第二盤面電飾表示部160、枠電飾表示部70のことを「特定演出手段」とも称する。低電流用演出パターンデータは、当該低電流用演出パターンデータに対応する通常の演出パターンデータが定める通常の演出内容を当該特定演出手段に実行させたときに使用される電流の上限値よりも少ない電流の上限値で当該特定演出手段に実行させることができる低電流用の演出内容を定めたものである。
また、本実施形態では、各特定演出手段に予め所定の優先順位を付与している。かかる優先順位は、複数の特定演出手段の中で、通常の演出内容を低電流用の演出内容よりも優先的に実行させたい特定演出手段の順番を定めたものである。通常、低電流用の演出内容は、それに対応する通常の演出内容に比べて簡易的な内容になっている。このため、各特定演出手段の行う演出の重要度等を考慮して、優先順位が決められる。例えば、本実施形態では、最も高い優先順位「1」を第二可動演出部130に、二番目に高い優先順位「2」を第三可動演出部140に、三番目に高い優先順位「3」を第一盤面電飾表示部150に、四番目に高い優先順位「4」を第二盤面電飾表示部160に、そして、最も低い優先順位「5」を枠電飾表示部70に付与している。
低電流用第二可動体演出パターンデータ格納領域321pには、第二可動演出部130に実行させる低電流用の演出内容を定めた複数の低電流用第二可動体演出パターンデータが格納され、低電流用第三可動体演出パターンデータ格納領域321qには、第三可動演出部140に実行させる低電流用の演出内容を定めた複数の低電流用第三可動体演出パターンデータが格納されている。そして、低電流用第一盤面電飾演出パターンデータ格納領域321rには、第一盤面電飾表示部150に実行させる低電流用の演出内容を定めた複数の低電流用第一盤面電飾演出パターンデータが格納され、低電流用第二盤面電飾演出パターンデータ格納領域321sには、第二盤面電飾表示部160に実行させる低電流用の演出内容を定めた複数の低電流用第二盤面電飾演出パターンデータが格納され、低電流用枠電飾演出パターンデータ格納領域321tには、枠電飾表示部70に実行させる低電流用の演出内容を定めた複数の低電流用枠電飾演出パターンデータが格納されている。また、各低電流用演出パターンデータは、それに対応する通常の演出パターンデータと互いに関連付けられている。
ここで、低電流用演出パターンデータの具体例を説明する。電飾表示部についての低電流用演出パターンデータとしては、例えば、この低電流用演出パターンデータに対応する通常の演出パターンデータと比べてデューティ比を約半分に減らして各LEDの点灯時間を減少させたような内容のデータや、制御対象となるLEDの数を約半分に減らしたような内容のデータを用いることができる。これにより、かかる低電流用演出パターンデータが定める演出内容を電飾表示部に実行させると、理論上、その低電流用演出パターンデータに対応する通常の演出パターンデータが定める演出内容を当該電飾表示部に実行させた場合に比べて、当該電飾表示部で使用される電流値は約半分になる。特に、各LEDとして三色発光のLEDが用いられている電飾表示部についての低電流用演出パターンデータとしては、この低電流用演出パターンデータに対応する通常の演出パターンデータがフルカラー点灯表示を行うという内容を定めていれば、各LEDに複数色の発光を行なわせず、単色発光のみを行わせるような内容のデータを用いることができる。また、モータ駆動の可動体を有する可動演出部についての低電流用演出パターンデータとしては、例えば、モータの回転速度を低下させるような内容のデータ、可動体の動作時間を短くするような内容のデータ、或いは可動体を全く動作させない内容のデータを用いることができる。更に、ソレノイド駆動の可動体を有する可動演出部についての低電流用演出パターンデータとしては、例えば、可動体の動作時間を短くするような内容のデータや、可動体を全く動作させない内容のデータを用いることができる。
また、第一電流上限値テーブル格納領域321xには、複数の特定演出手段についての通常の演出パターンデータの各々に対して、当該通常の演出パターンデータが定める演出内容を当該特定演出手段に実行させたときに当該特定演出手段で使用される電流の上限値である第一の電流上限値を記した第一電流上限値テーブルが記憶されている。第二電流上限値テーブル格納領域321yには、複数の特定演出手段についての低電流用演出パターンデータの各々に対して、当該低電流用演出パターンデータが定める演出内容を当該特定演出手段に実行させたときに当該特定演出手段で使用される電流の上限値である第二の電流上限値を記した第二電流上限値テーブルが記憶されている。これら第一電流上限値テーブル及び第二電流上限値テーブルは、以下に述べるように、CPU323が演出内容を抽選で選択した後、演出内容を最終的に決定する処理において使用される。
各演出手段110,120,130,140,150,160,70,80に実行させる具体的な演出内容については、CPU323が決定する。具体的に、CPU323は、まず、主制御基板310から送られた各種のコマンド(特別図柄抽選結果コマンド、リーチ状態発生コマンド、変動パターンコマンド、大当たり図柄コマンド、遊技状態コマンド等)に基づいて、各演出手段110,120,130,140,150,160,70,80に実行させる演出内容を抽選で選択する。次に、CPU323は、それら選択した演出内容であって各特定演出手段130,140,150,160,70に実行させる演出内容を定めた通常の演出パターンデータに関する第一の電流上限値を、ROM321の第一電流上限値テーブル格納領域321xに格納されている第一電流上限値テーブルを参照して取得し、それら取得した第一の電流上限値を加算して電流合計値を求める。そして、CPU323は、その求めた電流合計値が所定の基準値よりも大きいかどうかを判断する。ここで、この基準値としては、すべての特定演出手段において当該基準値よりも大きな電流値が使用されると、パチンコ機で強制電断が行われる等の不具合が発生するおそれのある電流値を用いている。具体的に、かかる基準値は、例えば遊技場の設備内容や当該パチンコ機の仕様等に基づいて決定される。CPU323は、求めた電流合計値が基準値以下であると判断すると、各演出手段110,120,130,140,150,160,70,80に実際に実行させる演出内容として、抽選で選択した演出内容をそのまま用いることを決定する。
一方、CPU323は、求めた電流合計値が基準値よりも大きいと判断すると、優先順位の低い特定演出手段から順に、その特定演出手段に対して選択した演出内容を定めた演出パターンデータを、それに対応する低電流用演出パターンデータに差し替えることにより、電流合計値が基準値以下となるように制御する。具体的に、CPU323は、まず、一の優先順位を設定し、その設定した優先順位以下の優先順位が付与された特定演出手段の各々について、抽選で選択した演出内容を定めた演出パターンデータに対応する低電流用演出パターンデータに関する第二の電流上限値を、ROM321の第二電流上限値テーブル格納領域321yに格納されている第二電流上限値テーブルを参照して取得する。そして、その取得した第二の電流上限値を当該特定演出手段についての当該演出パターンデータに関する第一の電流上限値の代わりに用いて電流合計値を算出し、その算出した電流合計値が基準値よりも大きいかどうかを判断する処理を行う。ここで、かかる判断処理は、優先順位を低いものから順に設定しながら、電流合計値が基準値以下であると判断するまで繰り返し行われる。その後、CPU323は、ある優先順位を設定した際に電流合計値が基準値以下であると判断すると、各演出手段110,120,130,140,150,160,70,80に実際に実行させる演出内容として、特定演出手段以外の各演出手段110,120,80及び基準値以下になった電流合計値を算出した際に設定されていた優先順位よりも高い優先順位が付与された特定演出手段については、抽選で選択した演出内容をそのまま用い、基準値以下になった電流合計値を算出した際に設定されていた優先順位以下の優先順位が付与された特定演出手段については、抽選で選択した演出内容をそれに対応する低電流用の演出内容に変更することを決定する。したがって、この場合、すべての特定演出手段130,140,150,160,70のうち少なくとも一部が、低電流用の演出内容を実行することになる。
CPU323は、こうして決定した演出内容にしたがって各演出手段を制御する。具体的に、各演出手段の制御は次のように行われる。画像表示装置110を制御する場合、CPU323は、上記決定した画像表示装置110についての演出内容に対応する画像演出パターンデータをROM321から読み出し、液晶制御基板112に送出する。これにより、液晶制御基板112は、その画像演出パターンデータに基づいて画像の表示を制御する。また、第一可動演出部120を制御する場合、CPU323は、上記決定した第一可動演出部120についての演出内容に対応する第一可動体演出パターンデータをROM321から読み出し、その読み出した第一可動体演出パターンデータに基づいて駆動信号を生成する。そして、CPU323がその生成した駆動信号を可動体駆動回路324に送出すると、可動体駆動回路324がその駆動信号にしたがって第一可動体用モータ122を駆動し、これにより第一可動体121が動作する。第二可動演出部130を制御する場合には、CPU323は、上記決定した第二可動演出部130についての演出内容に対応する第二可動体演出パターンデータ又は低電流用第二可動体演出パターンデータをROM321から読み出し、その読み出した演出パターンデータに基づいて駆動信号を生成する。そして、CPU323がその生成した駆動信号を可動体駆動回路324に送出すると、可動体駆動回路324がその駆動信号にしたがって第二可動体用モータ132,133を駆動し、これにより第二可動体151が動作する。第三可動演出部140を制御する場合には、CPU323は、上記決定した第三可動演出部140についての演出内容に対応する第三可動体演出パターンデータ又は低電流用第三可動体演出パターンデータをROM321から読み出し、その読み出した演出パターンデータに基づいて駆動信号を生成する。そして、CPU323がその生成した駆動信号を可動体駆動回路324に送出すると、可動体駆動回路324がその駆動信号にしたがって第三可動体用ソレノイド142を駆動し、これにより第三可動体141が動作する。
また、第一盤面電飾表示部150を制御する場合、CPU323は、上記決定した第一盤面電飾表示部150についての演出内容に対応する第一盤面電飾演出パターンデータ又は低電流用第一盤面電飾演出パターンデータをROM321から読み出し、その読み出した演出パターンデータに基づいて点灯指令信号を生成する。そして、CPU323がその生成した点灯指令信号をランプ駆動回路325に送出すると、ランプ駆動回路325がその点灯指令信号にしたがって第一盤面電飾表示部150を制御する。第二盤面電飾表示部160を制御する場合には、CPU323は、上記決定した第二盤面電飾表示部160についての演出内容に対応する第二盤面電飾演出パターンデータ又は低電流用第二盤面電飾演出パターンデータをROM321から読み出し、その読み出した演出パターンデータに基づいて点灯指令信号を生成する。そして、CPU323がその生成した点灯指令信号をランプ駆動回路325に送出すると、ランプ駆動回路325がその点灯指令信号にしたがって第二盤面電飾表示部160を制御する。枠電飾表示部70を制御する場合には、CPU323は、上記決定した枠電飾表示部70についての演出内容に対応する枠電飾演出パターンデータ又は低電流用枠電飾演出パターンデータをROM321から読み出し、その読み出した演出パターンデータに基づいて点灯指令信号を生成する。そして、CPU323がその生成した点灯指令信号をランプ駆動回路325に送出すると、ランプ駆動回路325がその点灯指令信号にしたがって枠電飾表示部70を制御する。更に、スピーカ部80を制御する場合、CPU323は、上記決定したスピーカ部80についての演出内容に対応する音響演出パターンデータをROM321から読み出し、スピーカ駆動回路326に送出する。これにより、スピーカ駆動回路326は、その音響演出パターンデータに基づいてスピーカ部80からの音響の出力を制御する。
尚、電飾演出は画像演出や音響演出に比べてあまり目立たないので、電飾演出の内容が通常の内容から低電流用の演出内容に変わったとしても、遊技者が演出上の違和感を持つということはほとんどない。このため、本実施形態では、各電飾表示部について低電流用の演出パターンデータを設けているが、画像表示部910やスピーカ部80については低電流用の演出パターンデータを設けていないのである。また、可動体演出も画像演出等と同様に電飾演出に比べて目立つが、本実施形態では、三つの可動演出部120,130,140のうち第一可動演出部120に対してだけ低電流用の演出パターンデータを設けないことにより、可動体演出が不自然な形で行われるのを回避している。但し、一般には、どの演出手段に対しても低電流用の演出パターンデータを設けることが可能である。
次に、本実施形態のパチンコ機において主制御基板310のCPU313が行う処理の手順について説明する。図7は主制御基板310のCPU313が行う処理の手順を説明するためのフローチャートである。
主制御基板310のCPU313には、割り込み信号が一定周期で繰り返し入力されるような構成になっている。そして、CPU313は、割り込み信号が送られる度に、図7に処理フローに示される各処理、すなわち、入力イベント処理、普通図柄遊技処理、特別図柄遊技処理、大当たり遊技処理、賞球払出処理、演出制御出力処理をこの順序で繰り返し実行する。各処理は、独立した処理モジュール(サブルーチン)になっている。また、上記周期を複数の時間に区分し、その区分した各時間をそれぞれ、上記の各処理に振り分けている。これにより、各処理は、割り込み信号により上記周期毎に繰り返し実行される。尚、図7に示す各処理の詳細な内容は上述した通りである。
次に、本実施形態のパチンコ機において演出制御基板320のCPU323が行う処理の手順について説明する。図8は演出制御基板320のCPU323が行う処理の手順を説明するためのフローチャートである。
演出制御基板320のCPU323も、上記の主制御基板310のCPU313と同様に、割り込み信号が送られる度に、図8の処理フローに示される各処理、すなわち、コマンド受信処理、演出抽選処理、演出内容決定処理、画像演出表示出力処理、可動体駆動処理、ランプ駆動処理、スピーカ駆動処理をこの順序で繰り返し実行する。
まず、CPU323はコマンド受信処理を行う(S11)。このコマンド受信処理では、CPU323は、主制御基板310から送信される各種のコマンドを受信する。そして、CPU323は、受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM322に保存する。ここで、主制御基板310から送信されるコマンドには、特別図柄抽選結果コマンド、リーチ状態発生コマンド、変動パターンコマンド、大当たり図柄コマンド、遊技状態コマンド等がある。
次に、CPU323は演出抽選処理を行う(S12)。この演出抽選処理では、CPU323は、主制御基板310から送信された特別図柄抽選結果コマンド、リーチ状態発生コマンド、変動パターンコマンド、大当たり図柄コマンド、遊技状態コマンド等に基づいて、各演出手段110,120,130,140,150,160,70,80に実行させる演出内容を抽選で選択する。
次に、CPU323は演出内容決定処理を行う(S13)。図9はCPU323が行う演出内容決定処理を説明するためのフローチャートである。この演出内容決定処理では、CPU323は、上記の演出抽選処理で選択した演出内容に基づいて各演出手段110〜160,70,80に実際に実行させる演出内容を最終的に決定する。
具体的に、CPU323は、図9のフローにしたがって、まず、演出抽選処理で選択された各演出手段110〜160,70,80についての演出内容を定めた演出パターンデータをROM321から読み出し、RAM322に一時記憶する(S51)。次に、CPU323は、その記憶された各特定演出手段130〜160,70についての通常の演出パターンデータに関する第一の電流上限値をROM321から読み出す。すなわち、CPU323は、その記憶された第二可動演出部130についての第二可動体演出パターンデータに関する第一の電流上限値を、ROM321の第一電流上限値テーブル格納領域321xに格納されている第一電流上限値テーブルを参照して取得する(S52)。そして、CPU323は、その記憶された第三可動演出部140についての第三可動体演出パターンデータに関する第一の電流上限値を、第一電流上限値テーブルを参照して取得する(S53)。また、CPU323は、その記憶された第一盤面電飾表示部150についての第一盤面電飾演出パターンデータに関する第一の電流上限値を、第一電流上限値テーブルを参照して取得する(S54)。そして、CPU323は、その記憶された第二盤面電飾表示部160についての第二盤面電飾演出パターンデータに関する第一の電流上限値を、第一電流上限値テーブルを参照して取得する(S55)。更に、CPU323は、その記憶された枠電飾表示部70についての枠電飾演出パターンデータに関する第一の電流上限値を、第一電流上限値テーブルを参照して取得する(S56)。ここで、ステップS52〜S56の処理で取得された各第一の電流上限値はRAM322に一時記憶される。
次に、CPU323は、ステップS52〜S56の処理において取得した各特定演出手段130〜160,70についての通常の演出パターンデータに関する第一の電流上限値をRAM322から読み出して加算する(S57)。そして、CPU323は、その加算して得られる電流合計値が所定の基準値よりも大きいかどうかを判断する(S58)。CPU323が、電流合計値が基準値以下であると判断すると、演出内容決定処理は終了する。したがって、ステップS58の処理が最初に行われたときにその判断が否定的になれば、各演出手段110〜160,70,80に実際に実行させる演出内容としては、演出抽選処理で選択された演出内容、すなわちステップS51の処理で読み出されてRAM322に記憶されている各演出パターンデータにしたがった演出内容がそのまま決定される。
一方、CPU323は、ステップS58の処理において電流合計値が基準値よりも大きいと判断すると、一つの優先順位を選択し、その選択した優先順位を現在の優先順位として設定する(S59)。具体的に、このステップS59の処理が今回初めて行われる場合には、最も低い優先順位が選択され、現在の優先順位として設定される。本実施形態では、最も低い優先順位が「5」であるので、この場合、CPU323は、優先順位「5」を現在の優先順位としてRAM322に記憶することになる。また、このステップS59の処理が何度か行われ、既に現在の優先順位としてある優先順位が設定されている場合には、その優先順位よりも一つだけ高い優先順位が、新たに現在の優先順位として設定される。例えば、既に優先順位「5」が現在の優先順位としてRAM322に記憶されている場合には、その優先順位「5」に代えて、優先順位「4」が新たに現在の優先順位としてRAM322に記憶される。このように、ステップS59の処理が繰り返し行われることにより、優先順位が低いものから順に一つずつ設定される。
次に、CPU323は、RAM322に記憶されている現在の優先順位を認識し、この認識した現在の優先順位が付与された特定演出手段に実行させる演出内容を低電流用の演出内容に差し替える。すなわち、CPU323は、RAM322に既に記憶されている当該特定演出手段についての通常の演出パターンデータに対応する低電流用演出パターンデータを、ROM321から取得し、当該通常の演出パターンデータと差し替えてRAM322に記憶する(S61)。例えば、現在の優先順位が「5」である場合には、優先順位「5」は枠電飾表示部70に付与されているので、CPU323は、RAM322に既に記憶されている枠電飾表示部70についての枠電飾演出パターンデータに対応する低電流用枠電飾演出パターンデータを、ROM321の低電流用枠電飾演出パターンデータ格納領域321tから取得する。そして、その取得した低電流用枠電飾演出パターンデータを、当該枠電飾演出パターンデータと差し替えてRAM322に記憶する。その後、CPU323は、現在の優先順位が付与された特定演出手段について、ステップS61で差し替えて新たにRAM322に記憶された低電流用演出パターンデータに関する第二の電流上限値を、ROM321の第二電流上限値テーブル格納領域321yに格納されている第二電流上限値テーブルを参照して取得する(S62)。この取得した第二の電流上限値は、RAM322に既に記憶されている当該特定演出手段についての当該通常の演出パターンデータに関する第一の電流上限値と差し替えてRAM322に記憶される。
次に、CPU323は、RAM322に記憶されている第一の電流上限値、第二の電流上限値を加算することにより、各特定演出手段130〜160,70で使用される電流合計値を算出する(S63)。ここで、電流合計値の算出に際して、現在の優先順位以下の優先順位が付与された特定演出手段については第二の電流上限値が用いられ、それ以外の特定演出手段については第一の電流上限値が用いられる。その後、ステップS58に移行する。すなわち、CPU323は、ステップS63の処理で算出された電流合計値が基準値よりも大きいかどうかを判断する(S58)。CPU323が、電流合計値が基準値より大きいと判断すると、再びステップS59,S61,S62,S63の処理が実行される。一方、CPU323が、ステップS63で算出された電流合計値が基準値以下であると判断すると、演出内容決定処理は終了する。したがって、ステップS58の処理が最初に行われたときにその判断が肯定的になり、ステップS59,S61,S62,S63,S58の処理が何回か繰り返し行われた後にステップS58の処理における判断が否定的になれば、特定演出手段以外の各演出手段110,120,80及び現在の優先順位よりも高い優先順位が付与された各特定演出手段に実際に実行させる演出内容としては、ステップS51の処理で読み出されてRAM322に記憶されている当該各演出パターンデータにしたがった演出内容がそのまま決定され、現在の優先順位以下の優先順位が付与された各特定演出手段に実際に実行させる演出内容としては、上記のステップS61の処理で差し替えられた各低電流用演出パターンデータにしたがった演出内容が決定される。
次に、CPU323は画像演出表示出力処理を行う(S14)。この画像演出表示出力処理では、CPU323が画像表示装置110に対して演出内容についての情報を出力する。具体的に、CPU323は、演出内容決定処理によりRAM322に記憶された画像演出パターンデータを、液晶制御基板112に送出する。これにより、液晶制御基板112は、その画像演出パターンデータに基づいて画像の表示を制御する。
その後、CPU323は可動体駆動処理を行う(S15)。この可動体駆動処理では、CPU323が可動体駆動回路324を制御することにより第一可動体121、第二可動体131、第三可動体141の動作を制御する。具体的に、CPU323は、演出内容決定処理によりRAM322に記憶された第一可動演出部120の演出内容に対応する演出パターンデータに基づいて第一可動体用モータ122を駆動するための駆動信号を生成し、RAM322に記憶された第二可動演出部130の演出内容に対応する通常の演出パターンデータ又は低電流用演出パターンデータに基づいて第二可動体用モータ132,133を駆動するための駆動信号を生成し、そして、RAM322に記憶された第三可動演出部140の演出内容に対応する通常の演出パターンデータ又は低電流用演出パターンデータに基づいて第三可動体用ソレノイド142を駆動するための駆動信号を生成する。CPU323が第一可動体用モータ122に対する駆動信号を可動体駆動回路324に送出すると、可動体駆動回路324はその駆動信号にしたがって第一可動体用モータ122の駆動を制御し、これにより、第一可動体121が動作する。また、CPU323が第二可動体用モータ132,133に対する駆動信号を可動体駆動回路324に送出すると、可動体駆動回路324はその駆動信号にしたがって第二可動体用モータ132,133の駆動を制御し、これにより、第二可動体131が動作する。更に、CPU323が第三可動体用ソレノイド142に対する駆動信号を可動体駆動回路324に送出すると、可動体駆動回路324はその駆動信号にしたがって第三可動体用ソレノイド142の駆動を制御し、これにより、第三可動体141が動作する。
次に、CPU323はランプ駆動処理を行う(S16)。このランプ駆動処理では、CPU323がランプ駆動回路325を制御することにより第一盤面電飾表示部150、第二盤面電飾表示部160、枠電飾表示部70の点灯を制御する。具体的に、CPU323は、演出内容決定処理によりRAM322に記憶された各電飾表示部150,160,70の演出内容に対応する通常の演出パターンデータ又は低電流用演出パターンデータに基づいて各電飾表示部150,160,70を点灯するための点灯指令信号を生成する。そして、CPU323が第一盤面電飾表示部150に対する点灯指令信号をランプ駆動回路325に送出すると、ランプ駆動回路325はその駆動信号にしたがって第一盤面電飾表示部150を制御する。また、CPU323が第二盤面電飾表示部160に対する点灯指令信号をランプ駆動回路325に送出すると、ランプ駆動回路325はその駆動信号にしたがって第二盤面電飾表示部160を制御する。更に、CPU323が枠電飾表示部70に対する点灯指令信号をランプ駆動回路325に送出すると、ランプ駆動回路325はその駆動信号にしたがって枠電飾表示部70を制御する。
その後、CPU323はスピーカ駆動処理を行う(S17)。このスピーカ駆動処理では、CPU323がスピーカ駆動回路326を制御することによりスピーカ部80を制御する。具体的に、CPU323は、演出内容決定処理によりRAM322に記憶された音響演出パターンデータをスピーカ駆動回路326に送出する。これにより、スピーカ駆動回路326は、その音響演出パターンデータに基づいてスピーカ部80からの音響の出力を制御する。
次に、演出制御基板320のCPU323が一部の特定演出手段についての演出内容を低電流用の演出内容に差し替える場合の具体例を説明する。図10(a)は演出制御基板320のCPU323が一部の特定演出手段についての演出内容を低電流用の演出内容に差し替える具体例を説明するための図、図10(b)はその演出内容の差し替えが行われた後の各特定演出手段の演出例を説明するための図である。
この例では、図10(a)に示すように、演出制御基板320のCPU323が演出抽選処理により、優先順位「1」が付与された第二可動演出部130については演出内容aを、優先順位「2」が付与された第三可動演出部140については演出内容bを、優先順位「3」が付与された第一盤面電飾表示部150については演出内容cを、優先順位「4」が付与された第二盤面電飾表示部160については演出内容dを、そして、優先順位「5」が付与された枠電飾表示部70については演出内容eをそれぞれ選択したとする。ここで、第二可動演出部130の演出内容aに関する第一の電流上限値が3A、第三可動演出部140の演出内容bに関する第一の電流上限値が2A、第一盤面電飾表示部150の演出内容cに関する第一の電流上限値が2A、第二盤面電飾表示部160の演出内容dに関する第一の電流上限値が2A、そして、枠電飾表示70の演出内容eに関する第一の電流上限値が4Aであるとする。
また、上記の各演出内容a,b,c,d,eについては、次のような低電流用の演出内容が設定されているものとする。すなわち、第二可動演出部130の演出内容aに対応する低電流用の演出内容a′は、第二可動体131の動作を行わないという内容のものであり、その第二の電流上限値は0Aである。第三可動演出部140の演出内容bに対応する低電流用の演出内容b′も、第三可動体141の動作を行わないという内容のものであり、その第二の電流上限値は0Aである。また、第一盤面電飾表示部150の演出内容cに対応する低電流用の演出内容c′は、制御対象となるLEDの数を減らした内容のものであり、その第二の電流上限値は1Aである。第二盤面電飾表示部160の演出内容dに対応する低電流用の演出内容d′も、制御対象となるLEDの数を減らした内容であり、その第二の電流上限値は1Aである。そして、枠電飾表示70の演出内容eに対応する低電流用の演出内容e′は、制御対象となるLEDの数を減らした内容のものであり、その第二の電流上限値は2Aである。
いま、電流合計値に対する基準値が10Aに設定されているものとする。この場合、演出内容決定処理において、演出抽選で選択された上記各演出内容a,b,c,d,eに関する第一の電流上限値を加算すると、電流合計値が13Aとなって基準値(10A)を上回ってしまう。そして、現在の優先順位として優先順位「4」が設定されたときに、図10(a)に示すように、電流合計値が10Aとなり、初めて基準値(10A)以下に抑えられる。このため、CPU323は、優先順位「1」が付与された第二可動演出部130、優先順位「2」が付与された第三可動演出部140及び優先順位「3」が付与された第一盤面電飾表示部150についてはそれぞれ、演出抽選で選択された演出内容a,b,cにしたがった演出を実行させ、一方、優先順位「4」が付与された第二盤面電飾表示部160及び優先順位「5」が付与された枠電飾表示部70についてはそれぞれ、低電流用の演出内容d′,e′にしたがった演出を実行させる。具体的には、図10(b)に示すように、第二可動体131及び第三可動体141は所定の動作を行い、第一盤面電飾表示部150はすべてのLEDが点灯表示動作を行うが、第二盤面電飾表示部160と枠電飾表示部70とは一部のLEDだけが点灯表示動作を行う。ここで、図10(b)では、演出動作を行う演出要素を、斜線を付して示している。また、特定演出手段以外の演出手段については図示を省略している。
本実施形態のパチンコ機では、演出制御基板のCPUは、各演出手段に実行させる演出内容を抽選で選択した際に、各特定演出手段をその選択した演出内容を定めた演出パターンデータにしたがって制御するときに使用されることとなる電流の上限値の合計である電流合計値が所定の基準値よりも大きいかどうかを判断する。そして、演出制御基板のCPUは、その電流合計値が基準値よりも大きいと判断した場合、優先順位の低い特定演出手段から順に、その特定演出手段に対して選択した演出内容を定めた演出パターンデータを、それに対応する低電流用演出パターンデータに差し替えることにより、電流合計値が基準値以下となるように、各演出手段を制御する。このような制御を行うことにより、パチンコ機全体で使用される電流値を、それが電源で許容されている最大電流値を超えないように抑えることができるので、演出制御基板のCPUが演出抽選で各演出手段に実行させる演出内容としてどのようなものを選択したとしても、パチンコ機で強制電断が行われる等の不具合が発生するのを防止することができると共に、消費電力の低減を図ることができる。
また、演出制御基板のCPUは、各演出手段に実行させる演出内容を抽選で選択した後に、各特定演出手段で使用される電流合計値が基準値以下となるように、各特定演出手段に実行させる演出内容を最終的に決定している。これにより、演出抽選の際に選択され得る各演出手段の演出内容に対しては、パチンコ機全体で使用される電流値が電源で許容されている最大電流値を超えることがないように、例えば三つのモータを同時に駆動しない等の制限を予め課しておく必要はなく、それらの演出内容を自由に設定することができる。このため、例えば、演出抽選によりいくつかの特定演出手段の演出内容として三つのモータを同時に駆動するようなものが選択された場合であっても、これらの特定演出手段に付与された優先順位よりも低い優先順位が付与された他の特定演出手段に実行させる演出パターンデータを低電流用演出パターンデータに差し替えることにより、各特定演出手段で使用される電流合計値が基準値以下になれば、上記三つのモータの同時駆動に係わる特定演出手段については、低電流用演出パターンデータへの差し替えが行われず、演出抽選で選択された各演出内容がそのまま実際の演出内容として決定されることになる。したがって、この場合には、三つのモータが同時に駆動して所定の演出が行われる。このように、本実施形態のパチンコ機では、演出抽選の際に選択され得る各演出手段の演出内容を自由に設定し、各演出手段で実際に実行され得る演出内容のバリエーションを増やすことができる。
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
例えば、上記の実施形態では、パチンコ機が三つの可動演出部を備える場合について説明したが、可動演出部は一つ、二つ又は四つ以上備えていてもよい。その他、パチンコ機の構造や遊技盤の構成等は上記実施形態で説明したものに限らず、どのようなものであってもよい。
また、上記の実施形態では、五つの演出手段を特定演出手段として定めた場合を説明したが、特定演出手段の数は二つ、三つ、四つ又は六つ以上であってもよい。
更に、上記の実施形態では、本発明をパチンコ機に適用した場合について説明したが、本発明を、複数の回胴リールを備える回胴式遊技機等に適用してもよい。