JP5348098B2 - 全館空調システム - Google Patents

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本発明は、一つの空調ユニットで家屋の複数の部屋を空調する全館空調システムに関する。
例えばヒートポンプなどの一つの空調ユニットを用いて家屋の複数の部屋を空調する全館空調システムが公知である。図9に示すように、全館空調システム51では、空調ユニット52と各部屋A〜Dとの間を給気ダクト53〜56及び回収ダクト57〜60で接続し、空調ユニット52における熱交換で生成した冷気又は暖気を給気ダクト53〜56を経由して各部屋A〜Dに供給し回収ダクト57〜60を経由して回収している。そして、各部屋A〜Dのうち例えば居間など利用頻度の高い部屋Aに温度センサや温度設定器などを含むコントローラ61を設けており、ユーザーが全館の空調温度を所望の温度に設定すると、前記温度センサの検出温度に基づいて、前記空調ユニット52がオン、オフされて、各部屋A〜Dの温度がこの所望の設定温度となるように制御される。
なお、上記空調温度がユーザーにより所望の温度に設定されると、空調ユニット52では、通常、その設定温度を中間値とした空調温度制御範囲を設定し、空調温度がこの空調温度制御範囲内となるように前記温度センサの検出温度に基づいて空調ユニットの運転をオンオフするようにしている。
特開平5−52380号公報
ところで、上述した全館空調システム51においては、人が、空調されている部屋からドアを開閉して退出すると、ドアの開放によって外気(部屋外空気)が部屋内に流入し、空調低下を来す。このため、当該部屋に人が未だ残っていると、残っている人の快適性が損なわれてしまう。
そこで本発明の目的は、人が空調されている部屋から退出しても残存者に対する空調の快適性を損なわないようにできる全館空調システムを提供することにある。
本発明は次の点に着目してなされている。すなわち、全館空調システムとは異なる空調方式として、一部屋ごとに配置されるワンルームエアコンがあり、このワンルームエアコンにおいては、ドアの開閉をセンサで検知し、ドアの開閉が検知されたときに空調を強化する制御技術がある。これによれば、空調温度制御の応答性の高いワンルームエアコンであるから、ドアの開閉によって損失した空調温度をその後に比較的短時間で補償でき、このような制御技術は有効性が高い。
しかし、本願が対象とする全館空調システムでは、一つの空調ユニットのみで各部屋の空調を担っているため、上述のようにドア開閉後に空調ユニットにより空調強化を行ったとしても、当該部屋の空調回復には時間がかかり、ユーザーがその間不快感を味わうことになる。
ところで、本願発明者が、公知例調査を行ったところ、全館空調システムにおいて、人の出入りを考慮して空調能力を予め強化しておく技術として特許文献1を知り得た。この特許文献1の技術は、複数の機械電気設備室を備えた電子力発電所における全館空調システムであり、各機械電設備室に通じる廊下に人検知センサを配置し、通常は無人の上記各機械電気設備室に対して、点検作業者が各室に近づくことを前記センサで検出して空調を強化もしくは開始し、点検作業者が各室から離れたことを前記センサで検出して空調を弱化もしくは停止することを行う。
しかしながら、この特許文献1の技術は、人の入室が予測される部屋を予め空調を強化もしくは開始しておき、退出すると省エネのために空調を低下もしくは停止させるというものであり、つまり、入室者のための空調強化及び無人化された部屋の省エネを図る技術であって、残存者のためにドアの開閉に伴う空調低下を担保するものでない。
上述の事情を考慮した本願請求項1の全館空調システムは、運転能力が可変な空調ユニットと、この空調ユニットと家屋の複数の部屋とを夫々接続し冷風又は温風を前記各部屋に供給するダクトと、前記複数の部屋のいずれかに設置され、ユーザーによる温度設定入力が可能な温度設定手段と部屋の温度を検出する温度センサとを有するコントローラと、前記温度設定手段による設定温度と前記温度センサによる検出温度とに基づいて前記空調ユニットの運転をオンオフ制御する制御手段と、を備え、一つの前記空調ユニットで前記複数の部屋を空調する全館空調システムであって、夫々赤外線マトリクスセンサから構成され、前記複数の部屋のうち任意の部屋に、当該部屋の出入口を開閉するドアが存在する壁から該ドアと反対側の壁方向に複数に分割されたセンシングエリアを個別にセンシングするように設けられ、自身が担うセンシングエリアで人の検出が可能で人を検出したときに人検知信号を出力する複数の分割エリア用人検知センサと、焦電型赤外線センサから構成され、自身のセンシングエリアが前記ドアに最も近い分割エリア用人検知センサのセンシングエリアよりもさらにドア寄りの狭い範囲とされ、当該センシングエリアで人を検出するドアエリア用人検知センサと、前記複数の分割エリア用人検知センサのうち任意の分割エリア用人検知センサが人検知信号を出力している状態からこの後当該人検知信号の出力が無くなり且つ当該任意の分割エリア用人検知センサの次に前記ドアに遠いセンシングエリアを担う分割エリア用人検知センサが人検知信号を出力したことをもって、人が前記ドア方向へ移動したことを判断する移動判断手段と、前記移動判断手段により移動が判断されたときにおいて、いずれかの分割エリア用人検知センサが継続して人検知信号を出力していることをもって、移動者以外に人が残存していることを判断する残存者有無判断手段と、前記移動判断手段により人の移動が判断された以後に、前記ドアに最も近い分割エリア用人検知センサが人検知信号を出力し且つドアエリア用人検知センサも人検知信号を出力したことをもって、人が出入口に到達したと判断する出入口到達判断手段と、前記ドアに最も近い分割エリア用人検知センサが人検知信号を出力し且つドアエリア用人検知センサも人検知信号を出力している状態から、ドアエリア用人検知センサの人検知信号の出力が停止し、その後当該ドアに最も近い分割エリア用人検知センサが人検知信号の出力を停止し且つドアエリア用人検知センサが人検知信号を出力したことをもって、前記ドアからの人の退出を判断する退出判断手段と、を設け、前記制御手段は、空調運転として、前記空調ユニットの運転能力が所定能力に設定された状態で前記温度設定手段による設定温度と前記温度センサによる検出温度とに基づいて当該空調ユニットの運転をオンオフ制御する通常空調運転と、前記設定温度を空調強化方向へ変更し且つ前記空調ユニットの運転能力を空調強化方向へ変更して、前記変更された設定温度と温度センサの検出温度とに基づいて空調ユニットの運転をオンオフ制御する退出対応空調強化運転との実行が可能であり、さらに、前記通常空調運転の実行中に前記移動判断手段により人のドア方向への移動が有ると判断され、且つ残存者有無判断手段により移動者以外に人が残存していると判断されたときには、その時点で、前記通常空調運転に代えて前記退出対応空調強化運転を開始し、前記出入口到達判断手段により人の出入口への到達が判断されたときに予め設定されたドア開閉予測時間についてカウントを開始し、前記退出判断手段により人の退出が判断され且つ前記ドア開閉予測時間が満了したとき、又は人の退出が判断されないまま前記退出対応空調強化運転開始から所定時間が経過したとき、空調運転を当該退出対応空調強化運転から前記通常空調運転に戻すことを特徴とする。
今、参考図として示す図10のように、センシングエリアがnに分割されているものとし、n個の分割エリア用人検知センサのうちドアに最も近いセンシングエリアE1を担っている分割エリア用人検知センサを1番目の分割エリア用人検知センサと称し、ドアから最も遠いセンシングエリアEnを担う分割エリア用人検知センサをn番目の分割エリア用人検知センサと称する。この図10において、仮に、人が、ドアから最も遠いn番目のセンシングエリアEnと、n−1番目のセンシングエリアEn−1とに居る場合を考える。n番目のセンシングエリアEnに居る人は居座ったまま、n−1番目のセンシングエリアEn−1の人が、ドアの方向へ移動し、ドアを開け、退出し、ドアを閉めるといった挙動をとると、n個の分割エリア用人検知センサ及びドアエリア用人検知センサの出力は次のように変化する。
なお、各分割エリア用人検知センサを構成する赤外線マトリクスセンサは、静止人体及び移動人体の検出が可能であり、一方、ドアエリア用人検知センサを構成する焦電型赤外線センサは人の動きの変化により人を検出するものである。
まず、最初は、ドアから最も遠いセンシングエリアEnを担っているn番目の分割エリア用人検知センサと、n−1番目の分割エリア用人検知センサが人検知信号を出力している(図10(a)参照)。そしてn−1番目のセンシングエリアEn−1の人がドア方向へ移動すると、順次n−2番目、n−3番目の分割エリア用人検知センサが人検知信号を出力する。又、n番目の分割エリア用人検知センサは人検知信号を継続して出力したままである。
上述したn−1番目の分割エリア用人検知センサが人検知信号を出力している状態(図10(a)の状態)から、当該n−1番目の人検知信号の出力が無くなり且つn−2番目の分割エリア用人検知センサ(n−1番目の分割エリア用人検知センサの次にドアに遠いセンシングエリアEn−2を担う分割エリア用人検知センサ)が人検知信号を出力する(図10(b)参照)ことをもって前記移動判断手段が人のドア方向への移動を検出する。
このとき、n番目の分割エリア用人検知センサが継続して人検知信号を出力している(図10(a)→(b))ことをもって、残存者有無判断手段が、移動者以外に人が残存していることを判断する。
そして、人が、ドアに最も近いセンシングエリアE1に進入すると、1番目の分割エリア用人検知センサが人検知信号を出力すると共に、ドアエリア用人検知センサも人検知信号を出力する(図10(d)参照)。これをもってドア到達判断手段は、人のドアへの到達を判断する。
そして、人が止まってドアを開放する操作(例えばノブ操作)をすると、人の動きの変化が微小となるので、1番目の分割エリア用人検知センサは人検知信号を出力したままでドアエリア用人検知センサ14が人検知信号を出力しなくなる(図10(e)参照)。そして、人がドアを開けて出入口を出てゆく動作をすると、ドアエリア用人検知センサのセンシングエリアEdは1番目の分割エリア用人検知センサのセンシングエリアE1よりもさらにドア寄りの狭い範囲とされているため、1番目の分割エリア用人検知センサの人検知信号の出力が無くなるが、ドアエリア用人検知センサは人が出入口から出るまでの動きの変化を検知して人検知信号を出力する(図10(f)参照)。
前記退出判断手段は、上述した人検知信号の出力の変化(図10(d)→(e)→(f))、つまり、前記ドアに最も近い分割エリア用人検知センサが人検知信号を出力し且つドアエリア用人検知センサも人検知信号を出力している状態(図10(d))から、ドアエリア用人検知センサの人検知信号の出力が停止し(図10(e))、そして当該ドアに最も近い分割エリア用人検知センサが人検知信号の出力を停止し且つドアエリア用人検知センサが人検知信号を出力した(図10(f))ことをもって、前記ドアからの人の退出を判断する。
その後、人が完全に出口からでてドアを閉鎖すると、ドアエリア用人検知センサは人検知信号を出力しなくなる(図10(g))。
上述から分かるように、移動判断手段、残存者有無判断手段、ドア到達判断手段、退出判断手段は、それぞれ各人検知センサの出力状況に対応して判断するから、移動判断手段は、確実に人のドア方向への移動を判断でき、又、残存者有無判断手段は確実に人の残存者有りを判断でき、又、ドア到達判断手段は確実に人のドアへの到達を判断でき、さらに退出判断手段は確実に部屋に残存者があることを判断できる。
そして、前記制御手段が、通常空調運転の実行中に、残存者が居て且つ人が部屋から出ようと動き出したときに、この通常空調運転に代えて退出対応空調強化運転を開始するから、前もって、人の退出を見越して部屋の空調を強めておくことができ、従って、人の退出つまりドアの開閉によって外気の流入があっても、空調温度が、退出前の状態に戻るだけであるため、残存者に対する空調の快適性が低下することを回避できる。
又、前記退出判断手段により人の退出が判断され且つ前記ドア開閉予測時間が満了すれば、つまり、人が退出してドアが閉鎖されたと判断されれば、運転を元の通常空調運転に戻すことができる。
ここで、前記出入口到達判断手段により人の出入口への到達が判断されたときに予め設定されたドア開閉予測時間についてカウントを開始し、前記退出判断手段により人の退出が判断され且つ前記ドア開閉予測時間が満了することを判断する趣旨は次にある。すなわち、人がドアを開放しさらにドアが閉鎖されることを光センサやリミットスイッチなどのドア開閉センサを用いて検出して、ドア閉鎖時まで退出対応空調強化運転を継続することは、ドアの開閉に伴う空調低下を十分に担保することができるものであるが、反面ドアの開閉を検出するために新たなドア開閉検出手段を設けることはコスト高を来す。その点、本発明では、分割エリア用人検知センサ及びドアエリア用人検知センサを利用する前記出入口到達判断手段により人の出入口への到達が判断されたことをもってドアの開放を予測し、そして、設定されたドア開閉予測時間についてカウントを開始し、これも分割エリア用人検知センサ及びドアエリア用人検知センサを利用する前記退出判断手段により人の退出が判断され且つ前記ドア開閉予測時間が満了することを判断することをもって、ドアの閉鎖を予測するから、新たにドア開閉センサを用いることなくドアの開閉を検知できてコスト高を回避できる。
ところで、人の移動が有っても実際には人が部屋から退出しないこともある。この場合は、前記所定時間が経過したときに、退出対応空調強化運転を停止して通常空調運転に戻すから、いつまでも無意味に退出対応空調強化運転が実行されるということはない。この場合、人の移動時点で空調強化を図ったものの人の退出がない(外気流入がない)ことで、部屋内が空調過剰となることが予測されるが、本発明が対象とする全館空調システムでは、一つの空調ユニットで全部屋が運転制御され、応答性がさほど良くない。つまり、空調を強めるように変更しても、なだらかな空調温度特性を示すから、急激に空調温度が変化するワンルームエアコンとは違って、残存者や他の部屋の在室者が、空調が強すぎると感じるまでは至らない。このように応答性が良くないことがこのような退室対応空調強化運転にとってかえって好都合となる。
本発明の一実施形態の全館空調システムを示す概略構成図 分割エリア用人検知センサ及びドアエリア用人検知センサが配置された部屋の正面図 電気的構成を示すブロック図 各人検知センサの出力状況を時系列に示す図 制御内容のフローチャート(その1) 制御内容のフローチャート(その2) 通常空調運転における温度変化状況を示す図 通常空調運転途中で退出対応空調強化運転が実行されたときの温度変化状況を示す図 従来の全館空調システムの一例を示す概略構成図 参考例を示す図4相当図
以下、本発明の一実施形態について図1ないし図8を参照して説明する。全館空調システム1は、図1に示すように、複数の部屋A、部屋B、部屋C及び部屋Dを有する家屋2に設けられている。ここでは説明の簡単化のために4つの部屋を有する家屋2を例にとって説明するが、部屋数や部屋構成はこの家屋2には限定されるものではない。
全館空調システム1は、空調ユニット3と、給気ダクト4〜7と、回収ダクト8〜11と、コントローラ12(図2参照)と、エリア用人検知センサユニット13と、ドアエリア用人検知センサ14と、制御装置15(図3参照)とを有して構成されている。
前記空調ユニット3は、ヒートポンプを用いた冷風生成機と、ガスや石油を燃料として用いた燃料燃焼式温風生成機とを備えており、ヒートポンプのコンプレッサの回転数を変更することにより冷風生成運転の能力が可変(冷風温度の調整が可変)で、また、燃料燃焼式温風生成機の火力を調整することにより温風生成運転の能力が可変(温風温度の調整が可変)である。
各部屋A〜Dの任意の側壁の上部には、冷風又は温風の吹き出し口16〜19が形成されており、これら吹き出し口16〜19は前記給気ダクト4〜7を介して前記空調ユニット3に接続されている。又、各部屋A〜Dにおいて、前記吹き出し口16〜19が存在する側壁と対向する側壁の下部には冷風又は温風の回収口20〜23が形成されており、これら回収口20〜23は前記回収ダクト8〜11を介して前記空調ユニット3に接続されている。
前記コントローラ12は、前記部屋A〜Dのうち、例えば居間などのように人の利用が多い部屋Aに設置されており、このコントローラ12には、図3に示す冷房運転及び暖房運転を切替える運転切替スイッチ24、運転停止兼スタートスイッチ25、各運転の制御温度を設定するための温度設定手段としての温度設定スイッチ26、設定温度などを表示する表示器27、及び部屋の温度を検出する温度センサ28が設けられている。
図3に示す前記制御装置15はCPU、RAM、ROMなどを備えたマイクロコンピュータから構成されており、ROMに記憶された制御プログラムに従って全館空調システム1を総括的に制御するものであり、移動判断手段、残存者有無判断手段、出入口到達判断手段、退出判断手段、制御手段としても機能する。
前記エリア用人検知センサユニット13は、図2に示すように、各部屋A〜Dのうち例えば複数人の利用が多い部屋A(例えば居間)に設けられており、この場合、この部屋Aの出入口Aeを開閉するドアAdが存在する側壁W1とこれの反対側の対向側壁W2とに挟まれた側壁W3上部又は当該側壁W3上部近くの天井部位に設置されており、例えば5個の分割エリア用人検知センサ13−1〜13−5を有している。
この分割エリア用人検知センサ13−1〜13−5は、図2に示すように、前記ドアAdが存在する側壁W1から該ドアAdと反対側の側壁W2方向に複数に分割されたセンシングエリアE1〜E5を個別にセンシングするように設けられ、各センサ13−1〜13−5自身が担うセンシングエリアE1〜E5で人の検出が可能で人を検出したときに人検知信号K1〜K5(図3参照)を出力する。この分割エリア用人検知センサ13−1〜13−5は、赤外線マトリクスセンサから構成されている。この赤外線マトリクスセンサは、各センシングエリアE1〜E5の温度分布を検出可能で、その温度分布での最高温度が人検知用のしきい値Tp(図4(a)参照)を超えたときに人の存在を検出して前記人検知信号K1〜K5を出力するものである。
又、ドアエリア用人検知センサ14は焦電型赤外線センサから構成されており、前記分割エリア用人検知センサ13−1〜13−5が設けられた部屋と同じ部屋Aに設けられるものであり、当該部屋Aにおける前記出入口Aeの上方部にセンシング方向が下向きとなるように設置されている。このドアエリア用人検知センサ14は、ドアAd近傍のセンシングエリアEdで人を検出する。このセンシングエリアEdは、前記ドアAdに最も近い分割エリア用人検知センサ13−1のセンシングエリアE1よりもさらにドアAd寄りの狭い範囲とされている。なお、上述した焦電型赤外線センサは自身に入射する赤外線の変化をもって人の存在を検出するものである。つまり、上記センシングエリアEdに人が進入又は退出あるいは人の動きに変化があったときに人を検出するものである。
上記分割エリア用人検知センサ13−1〜13−5及びドアエリア用人検知センサ14は、人検知を電気的に行うためその検知速度は極めて速く、人がどんなに速く移動したとしても、通過した各センシングエリアで人を瞬時に検知できるものである。
さて、前記制御装置15が実行する空調温度制御について説明すると共に、移動判断手段、残存者有無判断手段、出入口到達判断手段、退出判断手段、制御手段の機能についても、図5を参照して説明する。
前記制御装置15における前記制御手段は、空調運転として、通常空調運転と退出対応空調強化運転とを択一的に実行可能である。
通常空調運転は、図7に示すように、前記空調ユニット3の運転能力が所定運転能力である通常運転能力[3℃/時](暖房時に1時間で3℃上げ得、冷房時に1時間で3℃下げ得る運転能力)に設定され、前記温度設定スイッチ26による設定温度Tsと前記温度センサ28による検出温度Taとに基づいて当該空調ユニット3の運転をオンオフ制御する運転モードである。この場合、上記設定温度Tsを中心温度として例えばプラスマイナス1℃の温度範囲で温度制御範囲(以下通常温度制御範囲Tshという)を設定しており、暖房時においては、この通常温度制御範囲Tshの上限温度である通常管理オフ温度Tsoff(図7参照)で空調ユニット3の運転がオフされ、下限温度である通常管理オン温度Tson(図7参照)で空調ユニット3がオンされる。この結果、空調温度が平均して上記設定温度Tsに制御される。なお、冷房時には通常温度制御範囲Tshの下限温度である通常管理オフ温度Tsoffとなり、上限温度が通常管理オン温度Tsonとなる。
又、退出対応空調強化運転は、前記設定温度Tsを空調強化方向へ変更し(その変更された設定温度を強化用温度Tkという、図8参照)且つ前記空調ユニット3の運転能力を空調強化方向へ変更して、前記変更された設定温度である強化用温度Tkと温度センサ28の検出温度とに基づいて空調ユニット3の運転をオンオフ制御する運転モードである。
上記強化用温度Tkは、図8に示すように、通常温度制御の設定温度Tsに比して例えば2℃強化(冷房時には2℃低く設定、暖房時には2℃高く設定)される。そして、この強化用温度Tkを中心値としてプラスマイナス0.5℃の強化用温度制御範囲Tkhに設定する。暖房時においては、この強化用温度制御範囲Tkhの上限温度である強化管理オフ温度Tkoff(図8参照)で空調ユニット3の運転がオフされ、下限温度である強化管理オン温度Tkon(図8参照)で空調ユニット3がオンされる。この結果、空調温度が平均して上記強化用温度Tkに制御される。なお、冷房時には強化用温度制御範囲Tkhの下限温度である強化管理オフ温度Tkoffとなり、上限温度が強化管理オン温度Tkonとなる。
又、空調強化方向へ変更された運転能力は、例えば[15℃/時](暖房時には部屋温度を1時間で15℃上げ得、冷房時には1時間で15℃下げ得る運転能力)としている。この空調強化のための運転能力は、空調ユニット3の最大運転能力などを考慮して適正な運転能力に設定されるものである。
なお、上記強化用温度Tkは、ドアAdが開閉された部屋の外気流入量(予測値)のみならず家屋2における総空調容積や、ダクトなどの熱損失などを考慮し、空調の強化に最適の温度に設定されるものである。又、上記強化用温度制御範囲Tkhも、目標とする強化用温度Tkの変動幅を適正に押さえる範囲に設定されるものである。
この図5に示す制御はスタートスイッチ25のオン操作によってスタートする。ステップT1では、運転形態(冷房運転か暖房運転)を前記運転切替スイッチ24により選択された運転形態に設定すると共に、ユーザーが前記温度設定スイッチ26により設定した温度を取得する。ステップT2では、上記設定温度Tsを中心温度として通常温度制御範囲Tshを設定する。
次のステップT3では、運転能力を予め定められた所定運転能力である前述の通常運転能力に設定する。
そして次のステップT4では、空調ユニット3を起動し、通常運転能力で冷風又は温風を給気ダクト4〜7を通して各部屋A〜Dに供給し、ステップT5で、上述した通常空調運転を開始する。すなわち、この通常空調運転においては、コントローラ12の温度センサ28の検出温度が前記通常温度制御範囲Tshの通常管理オフ温度Tsoff(図7参照)となったときに空調ユニット3をオフし、検出温度が前記通常温度制御範囲Tshの通常管理オン温度Tson(図7参照)となったときに空調ユニット3をオンすることを行い、もって、コントローラ12が設置された部屋Aの温度制御(通常温度制御)を行う。このとき、この通常温度制御によって他の部屋B〜Dも同様に温度制御されることになる。
ここで、例えば暖房運転が設定されている場合には、図7に示すように、例えば設定温度Tsが20℃であるとすると、通常温度制御範囲Tshの通常管理オン温度(下限温度)Tsonは19℃、通常管理オフ温度(上限温度)Tsoffは21℃とされており、上述した温度センサ28の検出温度(部屋Aの温度)が上昇して通常管理オフ温度Tsoffとなると空調ユニット3がオフされ、検出温度Ta(部屋Aの温度)が低下して通常管理オン温度Tsonとなると空調ユニット3がオンされる。なお、この図7では、温度制御の説明の便宜上、空調ユニット3のオンオフによって検出温度(部屋Aの温度)Taが瞬時に変化しているように描いているが、全部屋同時制御であるため実際には応答性があまり良くなく、若干のオーバーシュートやアンダーシュートがみられるものである。
上述したステップT5の後、ステップT6では、分割エリア用人検知センサ13−1〜13−5の出力状態及びドアエリア用人検知センサ14の出力状態の監視を開始する。
ここで人の移動判断及び残存者有無判断、出入口到達判断、退出判断について理解を容易にするために、人の移動、残存、出入口到達、退出に関連した前記各センサ13−1〜13−5、14の出力変化状況について説明する。
今、図4(a)のタイミングから、同図(b)、・・(g)の順に時間が経過したとき、センシングエリアE5に人がずっと居る場合だと、センシングエリアE5を担う分割エリア用人検知センサ13−5は、図4(a)〜(g)のいずれのタイミングでも人検知信号K5を出力している。
一方、図(a)のタイミングでセンシングエリアE4に人が居て、この人がドアAd方向へ移動し、出入口Aeに到達し、ドアAdを開け、当該出入口Aeから退出し、ドアAdを閉めるといった挙動をとると、最初は、センシングエリアE4を担う分割エリア用人検知センサ13−4が人検知信号K4を出力し、次のタイミング(図4(b)参照)で、人が、前記センシングエリアE4の次にドアAdに遠いセンシングエリアE3(センシングエリアE4に隣接し且つドア側のセンシングエリア)に進入すると、上記人検知信号K4の出力が無くなり、センシングエリアE3を担う分割エリア用人検知センサ13−3が人検知信号K3を出力する。これをもって人が移動した(最初の移動である)と判断できる。
次に上述の人(移動者)がこのセンシングエリアE3の次にドアAdに遠いセンシングエリアE2(センシングエリアE3に隣接し且つドアAd側のセンシングエリア)に進入すると(図4(c)参照)、前記人検知信号K3の出力が無くなり、センシングエリアE2を担う分割エリア用人検知センサ13−2が人検知信号K2を出力する。そして、上記移動者が、ドアAdに最も近いセンシングエリアE1に進入すると(図4(d)参照)、分割エリア用人検知センサ13−2の人検知信号K2の出力が無くなると共に、分割エリア用人検知センサ13−1が人検知信号K1を出力し、これとほぼ同時にドアエリア用人検知センサ14が人検知信号K14を出力する。これをもって、人(移動者)がドアAdに到達したと判断できる。
そして、移動者が止まってドアAdを開放する操作(例えばノブ操作)をすると、当該移動者の動きの変化が微小となるので、図4(e)に示すように、ドアに最も近い1番目の分割エリア用人検知センサ13−1は人検知信号K1を出力したままでドアエリア用人検知センサ14が人検知信号K14を出力しなくなる。
さらに、人がドアを開けて出入口Aeを出てゆくときには、このドアエリア用人検知センサ14のセンシングエリアEdは1番目の分割エリア用人検知センサ13−1のセンシングエリアE1よりもさらにドア寄りの狭い範囲とされているため、1番目の分割エリア用人検知センサ13−1の人検知信号K1の出力が無くなるが、ドアエリア用人検知センサ14が、前記出てゆく人が出入口Aeから出るまでは人検知信号K14を出力する(図4(f)参照)。これをもって、人が退出したと判断できる。
その後、人が出入口Aeから遠ざかるかドアAdを閉鎖すると、ドアエリア用人検知センサ14は人検知信号K14を出力しなくなる(図4(g)参照)。
上述から理解できるように、分割エリア用人検知センサ13−1〜13−5による人検知信号K1〜K5において、これら人検知信号の出力状態の変化がK5→K4、もしくは、K4→K3、K3→K2、K2→K1であれば、つまり、ドアAdに最も近いセンシングエリアE1を担う分割エリア用人検知センサ13−1以外の任意の分割エリア用人検知センサ13−5〜13−2の少なくとも一つが人検知信号を出力している状態から当該人検知信号の出力が無くなり且つ当該任意の分割エリア用人検知センサの次に前記ドアに遠いセンシングエリアを担う分割エリア用人検知センサが人検知信号を出力する状況となれば、人が移動したと判断できる。
さらに、上述の人の移動が判断されたときに、いずれかの分割エリア用人検知センサ(図4(a)、(b)の場合、分割エリア用人検知センサ13−5)が、人の移動があると判断される直前と判断直後で継続して人検知信号を出力していることをもって、移動者以外に人が残存していることを判断できる。
又、図4(d)から分かるように、人の移動が判断された後に、ドアAdに最も近い分割エリア用人検知センサ13−1が人検知信号K13を出力し且つドアエリア用人検知センサ14も人検知信号K14を出力したことをもって、人が出入口Aeに到達したと判断できる。
さらに又、図4(d)、(e)及び(f)から分かるように、ドアAdに最も近い分割エリア用人検知センサ13−1が人検知信号K1を出力し且つドアエリア用人検知センサ14が人検知信号K14を出力している状態から、ドアエリア用人検知センサ14の人検知信号K14の出力が停止し、そして当該ドアAdに最も近い分割エリア用人検知センサ13−1が人検知信号K1の出力を停止し且つドアエリア用人検知センサ14が人検知信号K14を出力したことをもって、ドアAdからの人の退出があったと判断できる。
さて、図5のフローチャートに戻って、ステップT7では、人がドアAd方向へ移動したか否かを判断する(移動判断手段)。すなわち、上述したように、分割エリア用人検知センサ13−1〜13−5による人検知信号K1〜K5において、これら人検知信号の出力状態の変化がK5→K4、もしくは、K4→K3、K3→K2、K2→K1であれば、これをもって人がドアAd方向へ移動したと判断する。例えば図4の場合では、図4(a)から同図(b)への時間経過において、K4→K3が判断され、人の移動が有ると判断される。
そして、人の移動が有ると判断されると、次のステップT8では、残存者が有るか否かの判断をする(残存者有無判断手段)。すなわち、前述したように、上述の人の移動が判断されたときに、いずれかの分割エリア用人検知センサが、移動判断前後で継続して人検知信号を出力しているか否かを判断する。そしていずれかの分割エリア用人検知センサが継続してタイミングで人検知信号を出力していれば、これをもって、移動者以外に人が残存していると判断する。例えば図4の場合であれば、図4(a)から同図(b)への時間経過において、分割エリア用人検知センサ13−5が継続して人検知信号K5を出力されている(K5→K5)から、残存者有りと判断される。
このステップT8で残存者有りと判断されると、ステップT9に移行して、退出対応空調制御を実行する。この退出対応制御は、サブルーチンとして図6に示している。ステップR1では、設定温度を空調強化方向へ変更する。つまり、暖房運転が設定されていれば暖房強化方向の強化用温度Tkに変更する。さらに、強化用温度制御範囲Tkhを設定し、且つ、空調ユニット3の運転能力を、退出対応運転能力[15℃/時]に変更する。
次のステップR2では、通常空調運転に代えて退出対応空調強化運転を開始する。
さらにステップR3では、移動者の移動所要時間をカウントするための移動所要時間タイマ(これは制御装置15のソフトタイマによって構成されている)を起動する。この移動所要時間はドアAdに最も遠いセンシングエリアE5からドアAdまで移動するのにかかる平均的な時間を想定して定められている。
ただし、この移動所要時間は、中間のセンシングエリアからドアまでの平均的な移動所要時間を固定的に設定しても良いし、移動が判断されたセンシングエリアがドアに近いほど短く設定するようにしても良い。
そして、ステップR4では、人(移動者)が出入口Aeに到達したか否かを判断する(出入口到達判断手段)。これは、分割エリア用人検知センサ13−1及びドアエリア用人検知センサ14の出力状態が図4(d)の状態、つまり、分割エリア用人検知センサ13−1が人検知信号K1を出力し且つドアエリア用人検知センサ14が人検知信号K14を出力している状態か否かを判断し、その状態であれば移動者が出入口Aeに到達したと判断し、ステップR5に移行する。
このステップR5では前記移動時間タイマを停止し、そして、ステップR6では、ドアAdの開閉が完了したことを予測するために予め設定されたドア開閉予測時間をカウントするドア開閉予測タイマ(これは制御装置15のソフトタイマによって構成されている)を起動する。次のステップR7では、人が退出したか否かを判断する(退出判断手段)。つまり、人検知センサ13−1及び14が前述した図4(d)の出力状態に続いて、(e)、(f)で示すような出力変化となったかを判断し、退出したと判断すると、ステップR8に移行し、退出していないと判断すると、ステップR9に移行する。
上記ステップR8では、前記ドア開閉予測タイマが予め設定されたドア開閉予測時間を満了したか否かを判断し、満了していなければ(当該ステップR8の「NO」)、ステップR9に移行し、部屋Aの温度(温度センサ28の検出温度Ta)が強化用温度制御範囲Tkhの強化管理オフ温度Tkoff(冷房中であれば下限温度、暖房中であれば上限温度)に到達したか否かを判断し、到達していなければ、前記ステップR7に戻り、退出したか否かを判断する。
ここで、前記ステップR8で、ドア開閉予測タイマがドア開閉予測時間を満了すると、ドアAdが閉められたと判断し(人が退出し、その後ドアAdが閉められたと判断し)、ステップR10に移行し、通常空調運転に戻す。
なお、前記ステップR9で「YES」であれば、ステップR11で通常空調運転に戻して前記ステップR7に移行する。つまり、ステップR9で、部屋Aの温度が強化用温度制御範囲Tkhの強化管理オフ温度Tkoff(冷房中であれば下限温度、暖房中であれば上限温度)に到達していれば、十分な空調強化がなされたと判断して、ステップR11で空調運転を退出対応空調強化運転から通常空調運転に戻す。
又、前記ステップR4で、「NO」と判断されると、ステップR12に移行して移動所要時間タイマが予め設定された移動所要時間を満了したか否かを判断する。満了していなければ、ステップR13に移行し、部屋Aの温度(温度センサ28の検出温度Ta)が強化用温度制御範囲Tkhの強化管理オフ温度Tkoff(冷房中であれば下限温度、暖房中であれば上限温度)に到達したか否かを判断する。そして、到達していれば、ステップR14で通常空調運転に戻して前記ステップR4に戻る。
前記ステップR12において、「YES」と判断されると、前記ステップR10に移行して、通常空調運転に戻す。
前記ステップR3で移動所要時間タイマを設定し、ステップR12で、当該移動所要時間タイマが満了したか否かを判断する趣旨は、次にある。すなわち、人の移動が検出された場合でも、実際には人が退出しないこともある。この場合は、前記移動所要時間タイマが所定時間である移動所要時間をカウントし満了したことをもって人が退出しないと判断するものである。この判断がなされたときには(ステップR12の「YES」)、退出対応空調強化運転を停止して通常空調運転に戻すから、いつまでも無意味に退出対応空調強化運転が実行されるということはない。
ここで、上記制御内容で実行される空調運転を具体的一例を示して説明する。今、図7において空調運転として暖房運転が実行されている状況において、時点t1で、人の移動が検出され且つ残存者有りが判断されると(ステップT7、ステップT8)、空調運転が通常空調運転から退出対応空調強化運転に変更される。これにより実線で示すように空調が強化(暖房が強化)され、部屋内の温度が上昇する。
そして、時点t2で移動者の出入口Aeに到達してドアAdが開放されると、低温度の外気が部屋内に流入するが、予め、暖房強化が図られていて暖房温度が高くなっているから、部屋内温度はほとんど低下しない。そして、時点t3で、人の退出が判断されたときには(この場合、退出とほぼ同時にドアAdが閉鎖されている)、ドアAdの開放によってほぼ1℃低下している。上述の退出検出後に、時点t4でドア開閉予測タイマが満了すると、空調運転が通常空調運転に戻る。
ここで、退出対応空調強化運転をしない場合には、破線で示すように、ドア開放によって部屋内温度が、すぐに低下し、そして、通常管理オン温度Tsonで空調ユニット3がオンされたとき部屋内温度の低下は幾分緩和されるが、通常温度制御範囲Tshから大きく低下する。これに対して退出対応空調強化運転を行う本実施形態によれば、暖房温度が低下することがなく、残存者(残存者)が不快な思いをすることがない。なお、この退出対応空調強化運転をすると、部屋内温度(暖房温度)が通常温度制御範囲よりも高くなるが、これは空調強化方向への温度変化であるので、つまり、もともと空調を欲しているユーザーに対して、空調が効かなく方向への制御ではないので、ユーザーである残存者がさほど不快に感じることはない。
上述した実施形態によれば、制御装置15における移動制御手段が、ドアAdに最も近いセンシングエリアE1を担う分割エリア用人検知センサ13−1以外の任意の分割エリア用人検知センサ13−5〜13−2の少なくとも一つが人検知信号を出力している状態から当該人検知信号の出力が無くなり且つ当該任意の分割エリア用人検知センサの次に前記ドアに遠いセンシングエリアを担う分割エリア用人検知センサが人検知信号を出力する状況となったことをもって人がドア方向へ移動したと判断するから、人のドア方向の移動を確実にできる。
そして、制御装置15における残存者有無判断手段が、いずれかの分割エリア用人検知センサが継続して人検知信号を出力していることをもって、移動者以外に人が残存すると判断するから、人のドア方向への移動があったときの残存者の有無を確実に判断できる。
又、制御装置15におけるドア到達判断手段が、人の移動が判断された後に、ドアAdに最も近い分割エリア用人検知センサ13−1が人検知信号K13を出力し且つドアエリア用人検知センサ14も人検知信号K14を出力したことをもって、人が出入口Aeに到達したと判断するから、人のドアAdへの到達を確実に判断できる。
さらに、制御装置15における退出判断手段が、ドアAdに最も近い分割エリア用人検知センサ13−1が人検知信号K1を出力し且つドアエリア用人検知センサ14が人検知信号K14を出力している状態から、ドアエリア用人検知センサ14の人検知信号K14の出力が停止し、そして当該ドアAdに最も近い分割エリア用人検知センサ13−1が人検知信号K1の出力を停止し且つドアエリア用人検知センサ14が人検知信号K14を出力したことをもって、ドアAdからの人の退出があったと判断するから、ドアAdからの人と退出を確実に判断できる。
さらに本実施形態によれば、制御装置15における制御手段が、残存者が居て且つ人が部屋から出ようと動き出したときに、通常空調運転に代えて退出対応空調強化運転を開始するから、前もって、人の退出を見越して部屋の空調を強めておくことができ、従って、人の退出つまりドアAdの開閉によって外気の流入があっても、空調温度が、退出前の状態に戻るだけであるため、残存者に対する空調の快適性が損なわれることはない。
又、本実施形態によれば前記退出判断手段により人の退出が判断され且つ前記ドア開閉予測時間が満了すれば、つまり、人が退出してドアが閉鎖されたと判断されれば、運転を元の通常空調運転に戻すことができる。従って、過剰な空調強化状態となることはない。
なお、前記出入口到達判断手段により人の出入口Aeへの到達が判断されたときに予め設定されたドア開閉予測時間についてカウントを開始し、前記退出判断手段により人の退出が判断され且つ前記ドア開閉予測時間が満了することを判断する趣旨は次にある。すなわち、人がドアAdを開放しさらに退出後ドアが閉鎖されるまでを検出して、この検出時点まで退出対応空調強化運転を継続することは、ドアAdの開閉に伴う空調低下を十分に担保することができるが、ドアの開閉を検出するために光センサやリミットスイッチなどの新たなドア開閉検出手段を設けることはコスト高を来す。その点、本実施形態では、分割エリア用人検知センサ13−1及びドアエリア用人検知センサ14を利用する前記出入口到達判断手段により人の出入口Aeへの到達が判断されたことをもってドアの開放を予測し、そして、設定されたドア開閉予測時間についてカウントを開始し、これも分割エリア用人検知センサ13−1及びドアエリア用人検知センサ14を利用する前記退出判断手段により人の退出が判断され且つ前記ドア開閉予測時間が満了することを判断することでドアAdの閉鎖を予測するから、新たにドア開閉センサを用いることなくドアAdの開閉を検知できてコスト高を回避できる。
この場合、前記ドア開閉予測時間は、人がドアAdの開閉に要する時間を実験的に求めて有る程度長めに設定すると良い。又、このドア開閉予測時間は、ユーザーによって設定するようにしても良い。
又、本実施形態によれば、人の移動が有っても実際には人が退出しないような場合には、人の退出がないまま所定時間(移動所要時間)が経過することで、退出対応空調強化運転を停止するから、いつまでも無意味に退出対応空調強化運転が実行されるということはない。
この場合、人の移動時点で空調強化を図ったものの人の退出がないことで、前記所定時間の退出対応空調強化運転が実行されて部屋内が空調過剰となることが予測されるが、本実施形態の全館空調システム1では、ワンルームエアコンとは異なり、応答性がさほど良くないから、空調を強めるように変更しても、なだらかな空調温度特性を示し、過剰なほどの空調温度とはならず、残存者や他の部屋の在室者が、空調が強すぎると感じるまでには至らない。このように応答性が良くないことがこのような退室対応空調強化運転にとってかえって好都合となる。
本発明は上記実施形態に限られるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で実施形態を変更しても良い。例えば、分割エリア用人検知センサ及びドアエリア用人検知センサを設置する部屋は複数であっても良い。又、上記実施形態における強化用温度Tk及び強化用温度制御範囲Tkhは、ユーザーによって設定できるようにしても良い。
図面中、1は全館空調システム、2は家屋、A〜Dは部屋、3は空調ユニット、12はコントローラ、13−1〜13−5は分割エリア用人検知センサ、14はドアエリア用人検知センサ、15は制御装置、26は温度設定スイッチ、28は温度センサを示す。

Claims (1)

  1. 運転能力が可変な空調ユニットと、
    この空調ユニットと家屋の複数の部屋とを夫々接続し冷風又は温風を前記各部屋に供給するダクトと、
    前記複数の部屋のいずれかに設置され、ユーザーによる温度設定入力が可能な温度設定手段と部屋の温度を検出する温度センサとを有するコントローラと、
    前記温度設定手段による設定温度と前記温度センサによる検出温度とに基づいて前記空調ユニットの運転をオンオフ制御する制御手段と、を備え、一つの前記空調ユニットで前記複数の部屋を空調する全館空調システムであって、
    夫々赤外線マトリクスセンサから構成され、前記複数の部屋のうち任意の部屋に、当該部屋の出入口を開閉するドアが存在する壁から該ドアと反対側の壁方向に複数に分割されたセンシングエリアを個別にセンシングするように設けられ、自身が担うセンシングエリアで人の検出が可能で人を検出したときに人検知信号を出力する複数の分割エリア用人検知センサと、
    焦電型赤外線センサから構成され、自身のセンシングエリアが前記ドアに最も近い分割エリア用人検知センサのセンシングエリアよりもさらにドア寄りの狭い範囲とされ、当該センシングエリアで人を検出するドアエリア用人検知センサと、
    前記複数の分割エリア用人検知センサのうち任意の分割エリア用人検知センサが人検知信号を出力している状態からこの後当該人検知信号の出力が無くなり且つ当該任意の分割エリア用人検知センサの次に前記ドアに遠いセンシングエリアを担う分割エリア用人検知センサが人検知信号を出力したことをもって、人が前記ドア方向へ移動したことを判断する移動判断手段と、
    前記移動判断手段により移動が判断されたときにおいて、いずれかの分割エリア用人検知センサが継続して人検知信号を出力していることをもって、移動者以外に人が残存していることを判断する残存者有無判断手段と、
    前記移動判断手段により人の移動が判断された以後に、前記ドアに最も近い分割エリア用人検知センサが人検知信号を出力し且つドアエリア用人検知センサも人検知信号を出力したことをもって、人が出入口に到達したと判断する出入口到達判断手段と、
    前記ドアに最も近い分割エリア用人検知センサが人検知信号を出力し且つドアエリア用人検知センサも人検知信号を出力している状態から、ドアエリア用人検知センサの人検知信号の出力が停止し、その後当該ドアに最も近い分割エリア用人検知センサが人検知信号の出力を停止し且つドアエリア用人検知センサが人検知信号を出力したことをもって、前記ドアからの人の退出を判断する退出判断手段と、を設け、
    前記制御手段は、空調運転として、前記空調ユニットの運転能力が所定能力に設定された状態で前記温度設定手段による設定温度と前記温度センサによる検出温度とに基づいて当該空調ユニットの運転をオンオフ制御する通常空調運転と、前記設定温度を空調強化方向へ変更し且つ前記空調ユニットの運転能力を空調強化方向へ変更して、前記変更された設定温度と温度センサの検出温度とに基づいて空調ユニットの運転をオンオフ制御する退出対応空調強化運転との実行が可能であり、
    さらに、前記通常空調運転の実行中に前記移動判断手段により人のドア方向への移動が有ると判断され、且つ残存者有無判断手段により移動者以外に人が残存していると判断されたときには、その時点で、前記通常空調運転に代えて前記退出対応空調強化運転を開始し、前記出入口到達判断手段により人の出入口への到達が判断されたときに予め設定されたドア開閉予測時間についてカウントを開始し、
    前記退出判断手段により人の退出が判断され且つ前記ドア開閉予測時間が満了したとき、又は人の退出が判断されないまま前記退出対応空調強化運転開始から所定時間が経過したとき、空調運転を当該退出対応空調強化運転から前記通常空調運転に戻すことを特徴とする全館空調システム。
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