JP5347650B2 - 車両用ヘッドレスト装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用ヘッドレスト装置に関するものである。
従来、車両用ヘッドレスト装置としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この車両用ヘッドレスト装置は、車両の後方からの衝突が予測されると、乗員の頭部および頸部等を保護するように、ヘッドレスト前部を車両前方に移動させるものである。この際、ヘッドレスト前部が乗員の頭部に接近したことを静電容量センサの検出結果に基づいて判断して、ヘッドレスト前部の車両前方への移動を停止させている。
具体的には、所定のタイミングにおける静電容量センサの静電容量値を基準の静電容量値とし、この基準の静電容量値に対する絶対容量変化が予め定められた所定閾値を超えたときにヘッドレスト前部と乗員頭部とが接近したと判断している。あるいは、静電容量センサの単位時間当たりの静電容量値の変化量が予め定められた所定閾値を超えたときにヘッドレスト前部と乗員頭部とが接近したと判断している。
特許第4018112号公報
ところで、特許文献1の車両用ヘッドレスト装置のように、基準の静電容量値に対する静電容量センサの静電容量値の単純な比較でヘッドレスト前部と乗員頭部との接近を判断する場合、例えば温度や湿度などの環境変化によって基準の静電容量値等が変化することにより誤判断を招く可能性がある。特に、頭部とヘッドレスト前部との距離がより離れた状態で判断しようとする場合、前記絶対容量変化が小さくなるため、ヘッドレスト前部と乗員頭部との接近判断に係る前記所定閾値をより小さく設定する必要があり、誤判断を招く可能性がよりいっそう高くなる。
あるいは、静電容量センサの単位時間当たりの静電容量値の変化量に基づいてヘッドレスト前部と乗員頭部との接近を判断する場合、温度や湿度などの環境変化の影響が緩和されるものの、ヘッドレスト前部を実際に移動させなければ、当該接近判断をすることができない。特に、乗員の頭部が既にヘッドレスト前部に接触している状態では、該ヘッドレスト前部が車両前方に移動することで乗員に不快感を与えることになる。
本発明の目的は、環境変化の影響を緩和しつつ、不要な作動を低減することができる車両用ヘッドレスト装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、シートバックに対して支持されたヘッドレスト後部と、前記ヘッドレスト後部に対して近接した全閉位置と、該ヘッドレスト後部に対して離間した全開位置との間で進退可能なヘッドレスト前部と、前記ヘッドレスト前部を移動させる駆動手段と、前記ヘッドレスト前部に設けられた、乗員頭部との間の距離の変動に伴って静電容量が変化する静電容量センサと、車両に対する衝突を検知または予知する衝突検知手段と、前記衝突検知手段により車両に対する衝突を検知または予知された際に、前記静電容量センサの検出結果に基づいて、前記駆動手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記駆動手段の非作動状態にあっては、前記衝突検知手段により車両に対する衝突を検知または予知された際に、予め設定された基準の静電容量値に対するその時点での静電容量値の変化量が第1の所定閾値を下回るときに、前記ヘッドレスト前部と乗員頭部とが離間していると判断して、前記ヘッドレスト前部の前記全開位置方向への移動を開始すべく前記駆動手段を制御する一方、前記基準の静電容量値に対するその時点での静電容量値の変化量が前記第1の所定閾値を超えるときには、前記衝突検知手段により車両に対する衝突を検知または予知されても、前記ヘッドレスト前部と乗員頭部とが接近していると判断して、前記ヘッドレスト前部の前記全開位置方向への移動を禁止すべく前記駆動手段を制御し、前記ヘッドレスト前部が前記全開位置方向へと移動している前記駆動手段の作動状態にあっては、前記静電容量センサの単位時間当たり又は単位変位当たりの静電容量値の変化量が予め定められた第2の所定閾値を超えたときに、前記ヘッドレスト前部と乗員頭部とが接近したと判断して、前記ヘッドレスト前部の前記全開位置方向への移動を停止すべく前記駆動手段を制御することを要旨とする。
同構成によれば、前記ヘッドレスト前部が前記全閉位置にある状態において、前記駆動手段の非作動状態にあっては、前記衝突検知手段により車両に対する衝突を検知または予知された際に、前記基準の静電容量値に対するその時点での静電容量値の変化量が第1の所定閾値を下回るときには、前記制御手段により前記ヘッドレスト前部と乗員頭部とが離間していると判断されて、前記ヘッドレスト前部の前記全開位置方向への移動が開始される。また、前記基準の静電容量値に対するその時点での静電容量値の変化量が前記第1の所定閾値を超えるときは、前記衝突検知手段により車両に対する衝突を検知または予知されても、前記制御手段により前記ヘッドレスト前部と乗員頭部とが接近していると判断されて、前記ヘッドレスト前部の前記全開位置方向への移動が禁止される。つまり、前記駆動手段の非作動状態においては、前記ヘッドレスト前部と乗員頭部との接近判断において、前記基準の静電容量値に対するその時点での静電容量値の変化量を用いた絶対値判定を行っている。そして、例えば乗員頭部が既に前記ヘッドレスト前部に接触(又は近接)している状態では、該ヘッドレスト前部が前記全開位置方向に移動することはなく、前記ヘッドレスト前部の不要な移動を回避することができる。一方、前記ヘッドレスト前部と乗員頭部とが離間している状態では、前記ヘッドレスト前部の前記全開位置方向への移動が開始される。
そして、前記ヘッドレスト前部が前記全開位置方向へと移動している前記駆動手段の作動状態にあっては、前記静電容量センサの単位時間当たり又は単位変位当たりの静電容量値の変化量が第2の所定閾値を超えたときは、前記制御手段により前記ヘッドレスト前部と乗員頭部とが接近していると判断されて、前記ヘッドレスト前部の前記全開位置方向への移動が停止される。つまり、前記駆動手段が作動状態に移行した際には、前記ヘッドレスト前部と乗員頭部との接近判断において、前記静電容量センサの単位時間当たり又は単位変位当たりの静電容量値の変化量を用いた微分値判定を行っている。この場合、前記ヘッドレスト前部と乗員頭部との接近判断は、温度や湿度などの環境変化の影響が緩和される前記静電容量センサの単位時間当たり又は単位変位当たりの静電容量値の変化量に基づいて行われるため、当該判断の精度を向上することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用ヘッドレスト装置において、前記制御手段は、前記ヘッドレスト前部が前記全開位置方向への移動を開始してからの経過時間又は変位が所定範囲内にあるときには、前記基準の静電容量値に対するその時点での静電容量値の変化量が第3の所定閾値を超えたときにも、前記ヘッドレスト前部と乗員頭部とが接近したと判断して、前記ヘッドレスト前部の前記全開位置方向への移動を停止すべく前記駆動手段を制御することを要旨とする。
同構成によれば、前記ヘッドレスト前部が前記全開位置方向への移動を開始してからの経過時間又は変位が所定範囲内にあるときには、前記基準の静電容量値に対するその時点での静電容量値の変化量が第3の所定閾値を超えたときも、前記制御手段により前記ヘッドレスト前部と乗員頭部とが接近していると判断されて、前記ヘッドレスト前部の前記全開位置方向への移動が停止される。従って、例えば前記静電容量センサの単位時間当たり又は単位変位当たりの静電容量値の変化量の立ち上がり遅れ(演算遅れなど)があっても、前記基準の静電容量値に対するその時点での静電容量値の変化量に基づいて前記ヘッドレスト前部と乗員頭部との接近判断を併せて行うことで、前記ヘッドレスト前部が前記全開位置方向へと必要以上に移動することを回避できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の車両用ヘッドレスト装置において、前記制御手段は、前記ヘッドレスト前部が前記全開位置方向への移動を開始してからの経過時間又は変位が所定範囲内にあるときには、前記静電容量センサの単位時間当たり又は単位変位当たりの静電容量値の変化量に基づく前記ヘッドレスト前部と乗員頭部との接近判断を禁止するとともに、前記基準の静電容量値に対するその時点での静電容量値の変化量が第3の所定閾値を超えたときに、前記ヘッドレスト前部と乗員頭部とが接近したと判断して、前記ヘッドレスト前部の前記全開位置方向への移動を停止すべく前記駆動手段を制御することを要旨とする。
同構成によれば、前記ヘッドレスト前部が前記全開位置方向への移動を開始してからの経過時間又は変位が所定範囲内にあるときには、前記制御手段により前記静電容量センサの単位時間当たり又は単位変位当たりの静電容量値の変化量に基づく前記ヘッドレスト前部と乗員頭部との接近判断が禁止される。従って、例えば前記静電容量センサの単位時間当たり又は単位変位当たりの静電容量値の変化量の立ち上がり遅れ(演算遅れなど)があっても、前記基準の静電容量値に対するその時点での静電容量値の変化量に基づいて前記ヘッドレスト前部と乗員頭部との接近判断を行うことで、前記ヘッドレスト前部が前記全開位置方向へと必要以上に移動することを回避できる。あるいは、前記静電容量センサの単位時間当たり又は単位変位当たりの静電容量値の変化量が発散するなどその立ち上がりが過早になっても、前記所定範囲内では、前記基準の静電容量値に対するその時点での静電容量値の変化量のみに基づいて前記ヘッドレスト前部と乗員頭部との接近判断を行うことができ、前記ヘッドレスト前部の前記全開位置方向への移動が不十分になることを回避できる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用ヘッドレスト装置において、前記制御手段は、車両が非使用状態であると判断した際に前記駆動手段の制御判断を行わない非起動状態となり、車両が使用状態であると判断した際に前記駆動手段の制御判断を行う起動状態となり、該起動状態になった際に、その時点での静電容量値を前記基準の静電容量値として更新することを要旨とする。
同構成によれば、前記制御手段は、車両が使用状態であると判断される前記起動状態になった際に、その時点での静電容量値を前記基準の静電容量値として更新するため、現状の環境に即した基準の静電容量値に基づいて、前記ヘッドレスト前部と乗員頭部との接近判断を行うことができる。
本発明では、環境変化の影響を緩和しつつ、不要な作動を低減することができる車両用ヘッドレスト装置を提供することができる。
車両用シートを示す側面図。 (a)(b)は、ヘッドレスト前部の作動を説明する側面図。 ヘッドレスト装置の電気的構成を示すブロック図。 制御態様を説明するための特性線図。 (a)(b)は、制御態様を説明するための特性線図。 第1の実施形態の制御態様の説明図。 同実施形態の制御態様を示すフローチャート。 第2の実施形態の制御態様の説明図。 同実施形態の制御態様を示すフローチャート。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態について図1〜図7に従って説明する。
図1に、本発明に係る車両用ヘッドレスト装置が適用された車両用シート1の側面図を示す。この車両用シート1は、車両の前席側に配置されるものである。図1に示すように、車両用シート1は、座席シート2と、該座席シート2に傾動可能に支持されたシートバック3と、車両用ヘッドレスト装置10とを備えている。
車両用ヘッドレスト装置10は、ヘッドレスト後部11と、ヘッドレスト前部12と、ヘッドレスト後部11に対してヘッドレスト前部12を移動させる駆動手段を構成するモータ13と、ヘッドレスト前部12に設けられた静電容量センサ14と、該静電容量センサ14の検出結果等に基づいてモータ13の駆動を制御する制御手段としてのECU20とを備えて構成される。
ヘッドレスト後部11は、シートバック3の上端部に設けられたヘッドレストステー5に支持されている。
ヘッドレスト前部12は、実線で示すようにヘッドレスト後部11に対して近接した全閉位置12Aと、二点鎖線で示すようにヘッドレスト後部11に対して離間した全開位置12Bとの間で進退可能とされている。車両の通常運転時は、ヘッドレスト前部12は全閉位置12Aに配置されている。
また、ヘッドレスト後部11とヘッドレスト前部12との間には駆動手段を構成する駆動機構15が設けられている。ヘッドレスト前部12は、駆動機構15がモータ13に駆動されて伸縮動作することで、ヘッドレスト後部11に対して進退移動する。
静電容量センサ14は、ヘッドレスト前部12に設けられており、被検出物即ち乗員の頭部との間の距離L(図2(a)参照)の変動に伴って静電容量が変化する公知の構成のものである。静電容量センサ14においては、基本的に乗員の頭部が近づくほど、検出される静電容量値が大きくなる。
ECU20は、車両の後方からの衝突が予測されると、必要に応じてヘッドレスト前部12を全閉位置12Aから全開位置12Bの方向に移動させ、その後、車両の後方からの衝突が回避されると、元の全閉位置12Aに戻すようにモータ13を制御する。また、ECU20は、静電容量センサ14の検出結果に基づいて、ヘッドレスト前部12と乗員の頭部とが接近していると判断する。
具体的には、ECU20は、ヘッドレスト前部12が乗員の頭部に接近していない、若しくは乗員自体が不在と推定しうる所定のタイミングにおける前記静電容量センサの静電容量値を前記タイミングに応じて変更可能な基準の静電容量値とし、該基準の静電容量値に対する絶対容量変化に基づいて、ヘッドレスト前部12(静電容量センサ14)が乗員の頭部に接近していると判断する。より具体的には、ECU20には、車両ドアの施解錠を検出するドアロック装置28(図3参照)が接続されており、ECU20は、ドアロック装置28による車両ドアの解錠検出時の静電容量センサ14の静電容量値を基準の静電容量値C0とし、この基準の静電容量値C0に対する静電容量センサ14の静電容量値Cnの増加量(=Cn−C0)が所定閾値(第1の所定閾値Cth1又は第3の所定閾値Cth3)を超えたときにヘッドレスト前部12と乗員の頭部とが接近していると判断する。
あるいは、ECU20は、ヘッドレスト前部12が全開位置方向に移動しているとき、静電容量センサ14の単位時間Δt当たりの静電容量値の変化量ΔCに基づいて、ヘッドレスト前部12(静電容量センサ14)が乗員の頭部に接近していると判断する。より具体的には、ECU20は、静電容量センサ14の単位時間Δt当たりの静電容量値の変化量ΔCが所定閾値(第2の所定閾値Cth2)を超えたときにヘッドレスト前部12と乗員の頭部とが接近したと判断する。
そして、ヘッドレスト前部12が全閉位置にあるとき、基準の静電容量値C0に対する絶対容量変化に基づいてヘッドレスト前部12と乗員の頭部とが接近していると判断されると、ECU20によりヘッドレスト前部12の全開位置方向への移動が禁止される。一方、ヘッドレスト前部12が全閉位置にあるとき、基準の静電容量値C0に対する絶対容量変化に基づいてヘッドレスト前部12と乗員の頭部とが接近していないと判断されると、ECU20によりヘッドレスト前部12の全開位置方向への移動が開始される。
また、ヘッドレスト前部12が全開位置方向に移動しているとき、基準の静電容量値C0に対する絶対容量変化若しくは単位時間当たりの静電容量値の変化量に基づいてヘッドレスト前部12と乗員の頭部とが接近していると判断されると、ECU20により頭部へ接近した停止位置12H(図2(b)参照)でヘッドレスト前部12の全開位置方向への移動が停止される。またこのとき、ヘッドレスト前部12と乗員の頭部とが接近していると判断されないと、ヘッドレスト前部12はECU20により図1に示す全開位置12Bまで移動された後に停止される。
次に、車両用ヘッドレスト装置10の電気的構成について説明する。
図3に示すように、車両用ヘッドレスト装置10は、前記ECU20、該ECU20に接続された前記モータ13及び前記静電容量センサ14に加えて、電源装置16及び衝突判断部17等を備えて構成される。
そして、ECU20は、CPU21と、該CPU21に接続された電源回路22、車両情報入力回路23、モータ駆動回路24、静電容量センサ回路25及びメモリ26等を備えて構成されている。
CPU21は、電源回路22及びイグニッションスイッチ(IGSW)27を介して電源装置16に接続されており、イグニッションスイッチ27のオン操作により電源回路22を介して電源装置16から電力が供給される。また、CPU21は、車両情報入力回路23を介して、衝突判断部17から後方接近情報等の車両情報を入力する。衝突判断部17は、車両後部のバンパーに設置されたレーダー(図示略)に接続されており、該レーダーからの信号を入力して後続車両との相対速度/距離と車両の速度とを総合的に判断し、自車両に後続車両が衝突したか否か、或いは、自車両に後続車両が衝突する可能性があるか否かを判断する。そして、衝突判断部17は、その判断結果を車両情報入力回路23に出力する。
また、CPU21は、車両情報入力回路23を介して、前記ドアロック装置28から車両ドアの施解錠情報を入力する。さらに、CPU21は、モータ駆動回路24を介してモータ13に接続されており、モータ駆動回路24を制御してモータ13(駆動機構15)を駆動制御する。
そして、CPU21は、暗電流低減の観点から、車両の非使用状態においては非起動状態(スリープモード)となり、車両の使用時に起動状態となるように設定されている。本実施形態においてCPU21は、エンジン停止状態においてドアロック装置28による車両ドアの施錠検出時に車両が非使用状態であると判断して非起動状態となり、ドアロック装置28による車両ドアの解錠検出時に車両が使用状態になったと判断して起動状態となる。そして、CPU21は、ドアロック装置28による車両ドアの解錠検出時、すなわち起動時にその都度、静電容量センサ14の現在の静電容量値を基準の静電容量値C0としてメモリ26に記憶する。この段階では、モータ13は停止した非作動状態となる。こうした起動状態においてCPU21は、車両の後方からの衝突が予測された際、前述の態様で予め設定された基準の静電容量値C0に対するその時点での静電容量値Cnの増加量が第1の所定閾値Cth1を下回るときには、ヘッドレスト前部12と乗員の頭部とが接近していない(離間している)と判断して、ヘッドレスト前部12の全閉位置12Aから全開位置方向への移動を開始する。その一方、CPU21は、車両の後方からの衝突が予測されたときであっても、基準の静電容量値C0に対するその時点での静電容量値Cnの増加量(=Cn−C0)が第1の所定閾値Cth1を超えるときには、ヘッドレスト前部12と乗員の頭部とが既に接近していると判断して、ヘッドレスト前部12の全開位置方向への移動を禁止する。
そして、ヘッドレスト前部12が全開位置方向に移動しているとき、即ちモータ13の作動状態において、CPU21は、基準の静電容量値C0に対するその時点での静電容量値Cnの増加量が第3の所定閾値Cth3(>Cth1)を超えるとき若しくは単位時間Δt当たりの静電容量値の変化量ΔCが第2の所定閾値Cth2を超えるときにヘッドレスト前部12と乗員の頭部とが接近したと判断して、ヘッドレスト前部12の全開位置方向への移動を停止する。なお、CPU21は、単位時間Δtをその内蔵するタイマによって計時する。またこのとき、ヘッドレスト前部12と乗員の頭部とが接近したと判断されないままヘッドレスト前部12が全開位置12Bまで移動すると、CPU21は当該全開位置12Bでヘッドレスト前部12の全開位置方向への移動を停止する。
つまり、モータ13の非作動状態においては、ヘッドレスト前部12と乗員頭部との接近判断において、基準の静電容量値C0に対するその時点での静電容量値Cnの変化量を用いた絶対値判定を行っている。また、モータ13が作動状態に移行した際には、ヘッドレスト前部12と乗員頭部との接近判断において、少なくとも単位時間Δt当たりの静電容量値の変化量ΔCを用いた微分値判定を行っている。
なお、第1〜第3の所定閾値Cth1〜Cth3は、前記メモリ26に予め記憶されている。特に、第2の所定閾値Cth2は、モータ13及び駆動機構15の作動速度を元に予め定められている。
図4は、乗員の頭部と静電容量センサ14(電極)との距離を横軸にとり、静電容量センサ14の静電容量値Cnを縦軸にとったときのこれらの関係を示すグラフである。同図から明らかなように、乗員の頭部と静電容量センサ14との距離が短くなる(接近する)ほど静電容量値Cnは徐々に大きくなり、基準の静電容量値C0に対する静電容量値Cnの増加量(=Cn−C0)は大きくなる。しかも乗員の頭部と静電容量センサ14との距離が短くなるほど静電容量値Cnの勾配が急峻になる。従って、基準の静電容量値C0に対するヘッドレスト前部12の突出動作中の静電容量値Cnの増加量が、予め設定された第3の所定閾値Cth3を超えることに基づいて、ヘッドレスト前部12と乗員の頭部との接近判断が可能となる。
一方、図5(a)(b)は、ヘッドレスト前部12の突出動作が開始されてからの時間を横軸にとり、静電容量センサ14の静電容量値Cn及び単位時間Δt当たりの静電容量値の変化量ΔCをそれぞれ縦軸にとったときのこれらの関係を示すグラフである。同図では、互いに異なる環境での前記関係を破線にて併せて描画している。図5(b)から明らかなように、ヘッドレスト前部12の突出動作が開始されてからの時間が長くなる(接近する)ほど単位時間Δt当たりの静電容量値の変化量ΔCは徐々に大きくなる。また、この特性は、温度や湿度などの環境変化の影響を受けて、図5(a)に示すように静電容量センサ14の静電容量値が変動した場合であってもその変動は僅少である。従って、ヘッドレスト前部12の突出動作中の単位時間Δt当たりの静電容量値の変化量ΔCが、予め設定された第2の所定閾値Cth2を超えることに基づいて、温度や湿度などの環境変化の影響を受けることなくヘッドレスト前部12と乗員の頭部との接近判断が可能となる。
そして、基準の静電容量値C0に対する静電容量値Cnの増加量若しくは単位時間Δt当たりの静電容量値の変化量ΔCに基づくヘッドレスト前部12と乗員の頭部との接近判断により、これらの間が好適に近付けられてヘッドレスト前部12が停止される。
図6は、ヘッドレスト前部12の突出動作を開始する前後における静電容量センサ14の検出結果の利用態様を説明する説明図である。まず、ヘッドレスト前部12の突出動作を開始する前は、CPU21は、基準の静電容量値C0に対する静電容量値Cnの増加量(絶対値)に基づいてヘッドレスト前部12と乗員の頭部との接近を判断する。これは、ヘッドレスト前部12を移動させることなく当該接近判断を行うことで、ヘッドレスト前部12の不要な移動を回避するためである。
続いて、ヘッドレスト前部12が突出動作を開始後、所定時間T1内は、CPU21は、基準の静電容量値C0に対する静電容量値Cnの増加量に加えて、単位時間Δt当たりの静電容量値の変化量ΔC(微分値)に基づいてもヘッドレスト前部12と乗員の頭部との接近を判断する。これは、単位時間Δt当たりの静電容量値の変化量ΔCの立ち上がり遅れ(演算遅れ)でこれに基づく接近判断が遅れることを回避するためである。なお、CPU21は、所定時間T1をその内蔵するタイマによって計時する。
そして、ヘッドレスト前部12が突出動作を開始後、所定時間T1を経過すると、CPU21は、単位時間Δt当たりの静電容量値の変化量ΔCに基づいてヘッドレスト前部12と乗員の頭部との接近を判断する。これは、温度や湿度などの環境変化の影響を緩和して、より高精度に接近判断を行うためである。
次に、CPU21によるヘッドレスト前部12の制御態様について、図7のフローチャートに基づき総括して説明する。なお、この処理は、前述の態様で車両の後方からの衝突が予測されたときに起動される。
処理がこのルーチンに移行すると、基準の静電容量値C0に対する静電容量値Cnの増加量(以下、静電容量変化量DECともいう)が前記第1の所定閾値Cth1以上か否かが判断される(S1)。そして、静電容量変化量DECが第1の所定閾値Cth1以上と判断されると、ヘッドレスト前部12と乗員の頭部とが接近していると判断して頭部検出判定が行われ(S2)、ヘッドレスト前部12が作動されないまま(S3)、その後の処理が終了される。つまり、処理の開始当初で既にヘッドレスト前部12と乗員の頭部とが接近していると判断される場合には、ヘッドレスト前部12の突出動作が禁止されている。
一方、S1において、静電容量変化量DECが第1の所定閾値Cth1未満と判断されると、ヘッドレスト前部12と乗員の頭部とが接近していない(離れている)と判断して、モータ13の駆動によりヘッドレスト前部12の作動が開始される(S4)。そして、ヘッドレスト前部12の作動が開始されてからの経過時間が前記所定時間T1以上か否かが判断される(S5)。
ここで、ヘッドレスト前部12の作動が開始されてからの経過時間が前記所定時間T1未満と判断されると、静電容量変化量DECが前記第3の所定閾値Cth3以上か否かが判断される(S6)。そして、静電容量変化量DECが第3の所定閾値Cth3未満と判断されると、ヘッドレスト前部12と乗員の頭部とが接近していないと判断して、静電容量値の単位時間Δt当たりの変化量ΔCが前記第2の所定閾値Cth2以上か否かが判断される(S7)。また、S5において、ヘッドレスト前部12の作動が開始されてからの経過時間が前記所定時間T1以上と判断されると、そのままS7の処理に移行される。
S7において、静電容量値の単位時間Δt当たりの変化量ΔCが前記第2の所定閾値Cth2未満と判断されると、ヘッドレスト前部12と乗員の頭部とが接近していないと判断して、ヘッドレスト前部12をフルストローク(全開位置12B)まで作動させたか否かが判断される(S8)。そして、ヘッドレスト前部12をフルストロークまで作動させていないと判断されると、S5に戻って同様の処理が繰り返される。つまり、本実施形態では、ヘッドレスト前部12の作動が開始されてからの経過時間が前記所定時間T1を超えるまでは、静電容量変化量DEC及び静電容量値の単位時間Δt当たりの変化量ΔCの両方に基づきこの順番の優先順位でヘッドレスト前部12と乗員の頭部との接近判断を行っており、前記所定時間T1を超えた後は、静電容量値の単位時間Δt当たりの変化量ΔCのみに基づきヘッドレスト前部12と乗員の頭部との接近判断を行っている。そして、ヘッドレスト前部12は、いずれかにおいて当該接近判断がなされない限りフルストロークまで作動することになる。
S6において、静電容量変化量DECが第3の所定閾値Cth3以上と判断されると、ヘッドレスト前部12と乗員の頭部とが接近していると判断して頭部検出判定が行われ(S9)、ヘッドレスト前部12の作動が停止されて(S10)、その後の処理が終了される。同様に、S7において、静電容量値の単位時間Δt当たりの変化量ΔCが第2の所定閾値Cth2以上と判断されると、ヘッドレスト前部12と乗員の頭部とが接近していると判断して頭部検出判定が行われ(S11)、ヘッドレスト前部12の作動が停止されて(S12)、その後の処理が終了される。また、S8において、ヘッドレスト前部12をフルストロークまで作動させたと判断されると(頭部検出判定が行われることなく)、ヘッドレスト前部12の作動が停止されて(S13)、その後の処理が終了される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、ヘッドレスト前部12が全閉位置12Aにある状態において、モータ13の非作動状態にあっては、衝突判断部17を通じて車両に対する衝突が予知された際に、基準の静電容量値C0に対するその時点での静電容量値Cnの変化量が第1の所定閾値Cth1を下回るときには、ヘッドレスト前部12と乗員頭部とが離間していると判断されて、ヘッドレスト前部12の全開位置方向への移動が開始される。また、基準の静電容量値C0に対するその時点での静電容量値Cnの増加量が第1の所定閾値Cth1を超えるときは、衝突判断部17を通じて車両に対する衝突が予知されても、ヘッドレスト前部12と乗員頭部とが接近していると判断されて、ヘッドレスト前部12の全開位置方向への移動が禁止される。そして、例えば乗員頭部が既にヘッドレスト前部12に接触(又は近接)している状態では、該ヘッドレスト前部12が全開位置方向に移動することはなく、ヘッドレスト前部12の不要な移動を回避することができる。また、乗員の頭部が既にヘッドレスト前部12に接触している状態で、該ヘッドレスト前部12が突出動作することで乗員に不快感を与えることを回避できる。特に、第1の所定閾値Cth1は、ヘッドレスト前部12の作動開始に先立って、ヘッドレスト前部12と乗員頭部との接近判断が可能であればよいことから、比較的大きな値に設定することができる。従って、これに基づく前記接近判断においても、環境変化の影響を相対的に受けにくくすることができる。一方、ヘッドレスト前部12と乗員頭部とが離間している状態では、ヘッドレスト前部12の全開位置方向への移動が開始される。
そして、ヘッドレスト前部12が全開位置方向へと移動しているモータ13の作動状態にあっては、静電容量センサ14の単位時間Δt当たりの静電容量値の変化量ΔCが第2の所定閾値Cth2を超えたときは、ヘッドレスト前部12と乗員頭部とが接近していると判断されて、ヘッドレスト前部12の全開位置方向への移動が停止される。この場合、ヘッドレスト前部12と乗員頭部との接近判断は、温度や湿度などの環境変化の影響が緩和される単位時間Δt当たりの静電容量値の変化量ΔCに基づいて行われるため、当該判断の精度を向上することができる。特に、ヘッドレスト前部12と乗員頭部との離隔距離が大きく、基準の静電容量値C0に対する静電容量値Cnの増加量が小さくても、精度よくヘッドレスト前部12と乗員頭部との接近判断を行うことができる。
(2)本実施形態では、ヘッドレスト前部12の作動が開始されてからの経過時間が前記所定時間T1を超えるまでは、基準の静電容量値C0に対するその時点での静電容量値Cnの増加量が第3の所定閾値Cth3を超えたときも、ヘッドレスト前部12と乗員頭部とが接近していると判断されて、ヘッドレスト前部12の全開位置方向への移動が停止される。従って、例えば単位時間Δt当たりの静電容量値の変化量ΔCの立ち上がり遅れ(演算遅れなど)があっても、基準の静電容量値C0に対するその時点での静電容量値Cnの増加量に基づいてヘッドレスト前部12と乗員頭部との接近判断を併せて行うことで、ヘッドレスト前部12が全開位置方向へと必要以上に移動することを回避できる。
(3)本実施形態では、第2の所定閾値Cth2と比較される静電容量値の変化量(単位時間Δt当たりの静電容量値の変化量ΔC)は、例えば内蔵するタイマによる計時のみで演算することができるため、該演算のための構成をより簡易化することができる。
(4)本実施形態では、車両が使用状態であると判断される前記起動状態になった際に、その時点での静電容量値を基準の静電容量値C0として更新するため、現状の環境に即した基準の静電容量値C0に基づいて、ヘッドレスト前部12と乗員頭部との接近判断を行うことができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態について図8及び図9に従って説明する。なお、第2の実施形態は、ヘッドレスト前部12の作動が開始されてからの経過時間が前記所定時間T1を超えるまでは、静電容量変化量DECのみに基づきヘッドレスト前部12と乗員の頭部との接近判断を行い、静電容量値の単位時間Δt当たりの変化量ΔCに基づく当該接近判断を禁止したことが第1の実施形態と異なる構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明は省略する。
図8は、ヘッドレスト前部12の突出動作を開始する前後における静電容量センサ14の検出結果の利用態様を説明する説明図である。本実施形態では、ヘッドレスト前部12が突出動作を開始後、所定時間T1内は、CPU21は、基準の静電容量値C0に対する静電容量値Cnの増加量のみに基づいてもヘッドレスト前部12と乗員の頭部との接近を判断する。これは、単位時間Δt当たりの静電容量値の変化量ΔCの立ち上がり遅れ(演算遅れ)でこれに基づく接近判断が遅れることを回避するためである。あるいは、単位時間Δt当たりの静電容量値の変化量ΔCが発散するなどその立ち上がりが過早になってこれに基づく接近判断が早まることを回避するためである。
なお、ヘッドレスト前部12が突出動作を開始後、所定時間T1を経過すると、単位時間Δt当たりの静電容量値の変化量ΔCのみに基づいてヘッドレスト前部12と乗員の頭部との接近が判断されることは前記第1の実施形態と同様である。
次に、CPU21によるヘッドレスト前部12の制御態様について、図9のフローチャートに基づき総括して説明する。なお、この処理は、前述の態様で車両の後方からの衝突が予測されたときに起動されるもので、S1〜S4までの処理は前記第1の実施形態と同様である。
この処理において、ヘッドレスト前部12が突出動作を開始後(S4)、ヘッドレスト前部12の作動が開始されてからの経過時間が前記所定時間T1以上か否かが判断される(S21)。
ここで、ヘッドレスト前部12の作動が開始されてからの経過時間が前記所定時間T1未満と判断されると、前記静電容量変化量DECが前記第3の所定閾値Cth3以上か否かが判断される(S22)。そして、静電容量変化量DECが第3の所定閾値Cth3未満と判断されると、ヘッドレスト前部12と乗員の頭部とが接近していないと判断して、ヘッドレスト前部12をフルストローク(全開位置12B)まで作動させたか否かが判断される(S24)。
一方、S21において、ヘッドレスト前部12の作動が開始されてからの経過時間が前記所定時間T1以上と判断されると、静電容量値の単位時間Δt当たりの変化量ΔCが前記第2の所定閾値Cth2以上か否かが判断される(S23)。そして、静電容量値の単位時間Δt当たりの変化量ΔCが前記第2の所定閾値Cth2未満と判断されると、前述のS24の処理に移行される。
そして、S24において、ヘッドレスト前部12をフルストロークまで作動させていないと判断されると、S21に戻って同様の処理が繰り返される。つまり、本実施形態では、ヘッドレスト前部12の作動が開始されてからの経過時間が前記所定時間T1を超えるまでは、静電容量変化量DECのみに基づきヘッドレスト前部12と乗員の頭部との接近判断を行っており、前記所定時間T1を超えた後は、静電容量値の単位時間Δt当たりの変化量ΔCのみに基づき当該接近判断を行っている。そして、ヘッドレスト前部12は、いずれかにおいて当該接近判断がなされない限りフルストロークまで作動することになる。
S22において、静電容量変化量DECが第3の所定閾値Cth3以上と判断されると、ヘッドレスト前部12と乗員の頭部とが接近していると判断して頭部検出判定が行われ(S25)、ヘッドレスト前部12の作動が停止されて(S26)、その後の処理が終了される。同様に、S23において、静電容量値の単位時間Δt当たりの変化量ΔCが第2の所定閾値Cth2以上と判断されると、ヘッドレスト前部12と乗員の頭部とが接近していると判断して頭部検出判定が行われ(S27)、ヘッドレスト前部12の作動が停止されて(S28)、その後の処理が終了される。また、S24において、ヘッドレスト前部12をフルストロークまで作動させたと判断されると(頭部検出判定が行われることなく)、ヘッドレスト前部12の作動が停止されて(S29)、その後の処理が終了される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、前記第1の実施形態の効果に加えて以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、ヘッドレスト前部12の作動が開始されてからの経過時間が前記所定時間T1を超えるまでは、単位時間Δt当たりの静電容量値の変化量ΔCに基づくヘッドレスト前部12と乗員頭部との接近判断が禁止される。従って、例えば単位時間Δt当たりの静電容量値の変化量ΔCの立ち上がり遅れ(演算遅れなど)があっても、基準の静電容量値C0に対する静電容量値Cnの増加量に基づいてヘッドレスト前部12と乗員頭部との接近判断を行うことで、ヘッドレスト前部12が全開位置方向へと必要以上に移動することを回避できる。あるいは、単位時間Δt当たりの静電容量値の変化量ΔCが発散するなどその立ち上がりが過早になっても、前記所定時間T1内では、基準の静電容量値C0に対するその時点での静電容量値Cnの増加量のみに基づいてヘッドレスト前部12と乗員頭部との接近判断を行うことができ、ヘッドレスト前部12の全開位置方向への移動が不十分になることを回避できる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記各実施形態において、ヘッドレスト前部12と乗員頭部との接近判断に係る絶対値判定を以下の態様で行ってもよい。すなわち、車両ドアの開扉を検出する開扉センサを設け、該開扉センサによる車両ドアの開扉検出時の静電容量センサ14の静電容量値を基準の静電容量値C0とし、該基準の静電容量値C0に対する静電容量センサ14の静電容量値の増加量に基づいてヘッドレスト前部12と乗員頭部との接近を判断してもよい。あるいは、イグニッションスイッチ27のオフからオンへの切替検出時の静電容量センサ14の静電容量値を基準の静電容量値C0とし、該基準の静電容量値C0に対する静電容量センサ14の静電容量値の増加量に基づいてヘッドレスト前部12と乗員頭部との接近を判断してもよい。あるいは、車両用シート1の乗員着座の有無を検出する乗員センサを設け、該乗員センサによる乗員非検知時の静電容量センサ14の静電容量値を基準の静電容量値C0とし、該基準の静電容量値C0に対する静電容量センサ14の静電容量値の増加量に基づいてヘッドレスト前部12と乗員頭部との接近を判断してもよい。あるいは、ヘッドレスト前部12に乗員頭部の接触を検出するタッチセンサを設け、該タッチセンサによる乗員頭部の接触検出時の静電容量センサ14の静電容量値を基準の静電容量値C0とし、該基準の静電容量値C0に対する静電容量センサ14の静電容量値の減少量に基づいてヘッドレスト前部12と乗員頭部との接近を判断してもよい。
・前記各実施形態において、ヘッドレスト前部12が全開位置方向へと移動しているとき(モータ13の作動状態)、該ヘッドレスト前部12と乗員頭部との接近判断は、ヘッドレスト前部12の単位変位当たりの静電容量値の変化量に基づいて行ってもよい。この場合、ヘッドレスト前部12の変位(メカニカルストローク)を検出する適宜の位置センサ(例えばモータ13の回転量を検出する回転センサや、ヘッドレスト後部11及びヘッドレスト前部12間の距離を検出する距離センサなど)を設ければよい。このように変更することで、第2の所定閾値Cth2と比較される静電容量値の変化量は、静電容量センサ14の単位変位当たりの静電容量値の変化量、即ち該静電容量センサ14の設けられたヘッドレスト前部12の実際の単位変位当たりの静電容量値の変化量であるため、例えばモータ13及び駆動機構15の製品ばらつきや組付ばらつきなどがあっても、ヘッドレスト前部12と乗員頭部との接近判断をより正確に行うことができる。
・前記各実施形態において、ヘッドレスト前部12が全開位置方向へと移動しているとき、該ヘッドレスト前部12と乗員頭部との接近判断は、静電容量センサ14の単位時間又は単位変位当たりの静電容量値の変化量のみに基づいて行うようにしてもよい。
・前記各実施形態において、所定時間T1や単位時間Δtなどの検出は、内蔵のタイマによる計時を利用してもよいし、特定のルーチンを繰り返す回数(サンプリング回数)の計数を利用してもよい。
・前記各実施形態において、ヘッドレスト前部12の作動は、実際に車両の後方の衝突が検出されることで開始するようにしてもよい。
1…車両用シート、3…シートバック、11…ヘッドレスト後部、12…ヘッドレスト前部、13…モータ(駆動手段)、14…静電容量センサ、15…駆動機構(駆動手段)、17…衝突判断部(衝突検知手段)、20…ECU(制御手段)。

Claims (4)

  1. シートバックに対して支持されたヘッドレスト後部と、
    前記ヘッドレスト後部に対して近接した全閉位置と、該ヘッドレスト後部に対して離間した全開位置との間で進退可能なヘッドレスト前部と、
    前記ヘッドレスト前部を移動させる駆動手段と、
    前記ヘッドレスト前部に設けられた、乗員頭部との間の距離の変動に伴って静電容量が変化する静電容量センサと、
    車両に対する衝突を検知または予知する衝突検知手段と、
    前記衝突検知手段により車両に対する衝突を検知または予知された際に、前記静電容量センサの検出結果に基づいて、前記駆動手段を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記駆動手段の非作動状態にあっては、前記衝突検知手段により車両に対する衝突を検知または予知された際に、予め設定された基準の静電容量値に対するその時点での静電容量値の変化量が第1の所定閾値を下回るときに、前記ヘッドレスト前部と乗員頭部とが離間していると判断して、前記ヘッドレスト前部の前記全開位置方向への移動を開始すべく前記駆動手段を制御する一方、前記基準の静電容量値に対するその時点での静電容量値の変化量が前記第1の所定閾値を超えるときには、前記衝突検知手段により車両に対する衝突を検知または予知されても、前記ヘッドレスト前部と乗員頭部とが接近していると判断して、前記ヘッドレスト前部の前記全開位置方向への移動を禁止すべく前記駆動手段を制御し、
    前記ヘッドレスト前部が前記全開位置方向へと移動している前記駆動手段の作動状態にあっては、前記静電容量センサの単位時間当たり又は単位変位当たりの静電容量値の変化量が予め定められた第2の所定閾値を超えたときに、前記ヘッドレスト前部と乗員頭部とが接近したと判断して、前記ヘッドレスト前部の前記全開位置方向への移動を停止すべく前記駆動手段を制御することを特徴とする車両用ヘッドレスト装置。
  2. 請求項1に記載の車両用ヘッドレスト装置において、
    前記制御手段は、
    前記ヘッドレスト前部が前記全開位置方向への移動を開始してからの経過時間又は変位が所定範囲内にあるときには、前記基準の静電容量値に対するその時点での静電容量値の変化量が第3の所定閾値を超えたときにも、前記ヘッドレスト前部と乗員頭部とが接近したと判断して、前記ヘッドレスト前部の前記全開位置方向への移動を停止すべく前記駆動手段を制御することを特徴とする車両用ヘッドレスト装置。
  3. 請求項1に記載の車両用ヘッドレスト装置において、
    前記制御手段は、
    前記ヘッドレスト前部が前記全開位置方向への移動を開始してからの経過時間又は変位が所定範囲内にあるときには、前記静電容量センサの単位時間当たり又は単位変位当たりの静電容量値の変化量に基づく前記ヘッドレスト前部と乗員頭部との接近判断を禁止するとともに、前記基準の静電容量値に対するその時点での静電容量値の変化量が第3の所定閾値を超えたときに、前記ヘッドレスト前部と乗員頭部とが接近したと判断して、前記ヘッドレスト前部の前記全開位置方向への移動を停止すべく前記駆動手段を制御することを特徴とする車両用ヘッドレスト装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用ヘッドレスト装置において、
    前記制御手段は、車両が非使用状態であると判断した際に前記駆動手段の制御判断を行わない非起動状態となり、車両が使用状態であると判断した際に前記駆動手段の制御判断を行う起動状態となり、該起動状態になった際に、その時点での静電容量値を前記基準の静電容量値として更新することを特徴とする車両用ヘッドレスト装置。
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