JP5347481B2 - トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
最近、これを解決する方法として、複数の孔(ノズル)を有するオリフィスから圧電素子により圧力パルスを加え、複数の液滴を形成する方法が提案された(特許文献3、4参照)。また、これの改良型として、ノズルを振動させて液滴を吐出させるものが本願出願人により提案されている(特許文献5参照)。これらの方法(以下「噴射造粒法」と呼ぶ)はいずれも、複数の孔(ノズル)を有し、各孔(ノズル)から1個ずつの液滴が吐出されるため、粒径が均一となる特徴を有する。
しかしながら長期間使用した時に、一定であった吐出状態が劣化して来るという問題があった。これは、孔(ノズル)の外面に固形物が付着し、ついには目詰まりして各孔(ノズル)の状態の変化することが一因であると考えられる。またその他、送液量(送流速度)の変化や、液粘度の変化等の原因も考えられる。
(1) 少なくとも結着樹脂及び着色剤からなるトナー材料を溶媒に溶解または分散させた材料液を液室(容器)に導入し、該液室の一つの面に設けられた複数の孔を有する吐出板から前記材料液を液滴として吐出した後、固化、乾燥させるトナーの製造方法において、前記液滴状態から固化、乾燥状態に至るまでの複数のトナー粒子からなるトナー群の透過率を測定し、この結果に基づいて、前記吐出板からの液滴の吐出条件を制御するに際し、更に次の(a)〜(c)の要件を満たすことを特徴とするトナーの製造方法。
(a)前記吐出板をクリーニングする工程を設ける。
(b)前記材料液に振動を与えて液滴を吐出する振動手段を設ける。
(c)前記液滴の吐出条件の制御を、前記振動手段に印加する電圧の制御、前記振動手段に印加する電圧の周波数の制御、および前記クリーニング工程を実行させて吐出板を清浄な状態に保つことから選ばれた少なくとも一つにより行う。
[第1実施形態]
まず、図1を用いて、本発明のトナーの製造方法について述べる。
溶媒に、少なくとも結着樹脂、顔料からなるトナー材料を溶解または分散させた材料液(以下、トナー組成液とも言う)が、この材料液を収容する液室(容器13)に収容される。
図1に示すように、原料収容部6に一時的に貯留されたトナー組成液は、ポンプ100により送液管7を介して、液供給孔20から容器13に至り、余剰のトナー組成液は、排出孔21の排液管9を介し、その先にバルブ32がトナー組成液の流れを制御するように連結されている。バルブ32を通過した余剰のトナー組成液は、排液管9により原料収容部6に戻る。
図中、配管7、9は煩雑さを避けるため実線で表記したが、実際はパイプである。
このようにして、トナー組成液の循環がなされる。トナー組成液の噴射(放出)時には、トナー組成液のバルブ32を開きながら循環的に流して噴射してもよく、バルブ32を閉め静止状態で噴射してもよい。静止状態の場合には、容器13の貯留部12内にトナー組成液がなくなると、バルブ32を空けて補充する。
容器13は液滴噴射ユニット2を構成する円柱状の部材13aが円状に座ぐられて形成され、部屋状に形成されている。
部材13aには、ユニットの上面に、液供給管7及び排出管9が形成され、トナー組成液10が供給管7から供給され、排出管9により排出されるようになっている。部材13aの底面には吐出板16が取り付けられ、容器13の底部を構成している。図1に示すように、吐出板16は吐出板が用いられ、その中心部には貫通したノズルが複数設けられている。この例に示すように、液滴噴射ユニットのヘッドは複数のノズル15を有する吐出板16の外面に同心円状に吐出板振動手段17が接着されて構成される。
この場合、吐出板16の中心部に複数のノズルが形成されているので、吐出板振動手段17の振動によって、吐出板の外周が固定された状態でその吐出板の中心部が突没(突出したり没入)するように変形しながら振動する。その結果、液室内に貯留されているトナー材料液が液滴23となってノズル15から放出される。その時の液滴23の初速度をv0とする。噴射された液滴は液滴のトナー群(トナー流れ)を構成する。
本発明は吐出性能の低下を、吐出された液滴状態から固化、乾燥状態に至るまでの複数のトナー粒子からなるトナー群の濃度、すなわちトナーのチャンバー内またはその下流に設けられた誘導管内でのトナー群濃度を、透過率を測定することにより評価し、その結果に基づき、前記吐出板から液滴を吐出条件を制御するものである。これによって、長時間に渡り、均一な吐出性能を維持し、もって、均一なトナーを安定して得ることができる。
このような照射手段である投光器51と、受光手段である受光器52のトナー製造装置への配置される詳細構成例を図2に示す。図2の例に示すように、投光器51はレーザー光源51−1と、光学系51−2を有して構成される。さらに投光器は、走査系(ポリゴンミラーまたは振動ミラーなど)を有することもできる。また受光器52は、受光した光を電気信号に変換する光電変換手段を有するか、あるいはそのまま電気信号に変換する画像入力手段(たとえばCCDなど)を有している。他に受光器52は、光学系を有することができる。
デジタル化された透過光強度Iをたとえば所定時間間隔毎に求め、測定開始時からの透過光強度をその製造の経過時間と共に、またはこの経過時間の情報を含む透過光強度Iデータとして、記憶しておくことができる。
予め求められたリファレンスの光強度を差し引いた値と閾値を比較する。
このように、閾値内にあるかどうかを制御部は判定し、たとえば閾値を外れた場合にはこれがフィードバックされ、吐出条件を制御部にI/Fを介して接続された各コントローラに制御信号を送って吐出条件を変化するように制御する。これによって、例えば吐出液の目詰まり等を解消する。このようにして、本発明では、長時間に渡り、均一な吐出性能が維持され、もって、均一なトナーを安定して得ることができる。なお前記した例に示す透過光強度を用いるのではなく、透過率を求めて上記したようなフィードバック制御を行なうことができる。この場合、出射光強度はたとえばトナーの製造装置によりトナーの製造を開始する前などに、投光器を稼働させて受光器でレーザー光強度を読み取り、これを記憶しておくことができる(この強度をI0とする)。そして前記透過光強度Iとレーザー光強度I0から、透過率I/I0を得るようにすることができる。前記した制御部はコンピュータ機能を有するデジタル装置であり、少なくともCPUと少なくとも一次的に記憶する記憶手段とを有して構成される。さらに制御部は、この制御部で制御される各部に関する制御方法を実行するためのプログラムを少なくとも一時的に保存する記憶手段も有することができる。
以下、これらの条件について、簡単に説明する。
<印加電圧値制御>
図1の例における吐出板の駆動電圧は標準で200Vであり、トナー群の透過率が増加して来る(先述のように孔への付着、目詰まり等による)に従い、駆動電圧を上げるように制御する。但しこの場合、上昇させる電圧として、高々300Vまでが好ましい。
<印加周波数制御>
振動付与手段に印加する印加電圧の周波数を制御してもよい。また、周波数の標準の60〜100kHzに対し、10〜30kHzに周波数を下げると、液内の共鳴振動数が変わり、それにより汚れ、すなわちコンタミ(Contamination)がノズルから乖離するように清浄化されることが実験で分かっている。この方法も制御に用いることができる。
最後に、制御方法として、クリーニング工程を付加し、作動させる制御方法について説明する。本発明では、制御方法の1つに、このクリーニング工程を含ませることができる。たとえば、クリーニング手段40を設け、透過率などが増加して来ると、このクリーニング手段40を稼動させて吐出板16のノズル15を清浄化することも有効である。
図5に示すように、チャンバー部18にはアーム制御装置42が取り付けられている。制御装置にはモーターが内蔵されており、モーターにはアーム制御ギアが結合され、モーターの回転あるいは逆回転によりアームが駆動状態または退避状態に置かれる。駆動状態では、アームの先に付いているモーターが回転され、モーター軸に結合されたシャフトの回転により、ブラシ軸の周りに植え込まれた毛からなるブラシがブラシ軸の中点を中心に回転される。回転によって吐出板16の外面が清浄され、初期状態に復帰させられ、もって吐出トナー群濃度が復帰させられる。なお本例では吐出板16の外面を清掃したが、液室内部にクリーニング装置を設置し、吐出板16の内面を清掃してもよい。なお本実施形態において、前記したクリーニング工程で用いられるクリーニング手段にはアーム制御装置42に換えてマニピュレータあるいはフレキシブルアームにすることができる。このようなクリーニング手段を、開口部30a上に配置されているノズルまで移動して自在にクリーニング工程を実行する。
本発明では、前記したような透過率などの測定により、たとえばその測定の結果、前記したように透過率が所定の閾値に達した場合に、前記した印加電圧値制御(1)、印加周波数制御(2)、クリーニング工程の追加による制御(3)を、単独で行うか、またはこれらの制御を2以上組み合わせて行うことができる。この場合に、トナー組成液を停止してトナー製造を行う場合の他、トナー組成液を循環しながら行う循環制御も行うことができる。この場合、停止とこのような循環制御とを交互に、あるいは所定時間間隔をもって制御することもできる。また印加電圧値制御(1)と、印加周波数制御(2)とを組み合わせて、設定することもできる。なお前記(1)と(2)を組み合わせたり、単独で行ったりする制御を行い、最終的に(3)の制御を行うように制御することができる。これらの制御は前記した制御部により行われる。
本実施形態におけるトナー製造装置は、図1に示すように、液滴噴射ユニットを装置上部に有し、液滴を噴射させ乾燥させるチャンバー部18と、そのチャンバー部18で得られたトナーをトナー貯留部に送るための誘導管92とを有して構成されている。
前記したように、本発明では、液滴として吐出した後の液滴状態から、固化、乾燥状態に至るまでの複数のトナー粒子からなるトナー群に光を照射し、その照射光の残りの光を受光して得られた透過率などの光学的情報に基づいて液滴の吐出条件を制御する。このようなトナーの製造装置では、液滴噴射ユニット2は、少なくとも樹脂及び着色剤を含有するトナー組成物を有機溶媒中に分散ないし溶解させたトナー組成液10を液滴化して放出させる液滴化手段11と、この液滴化手段11にトナー組成液10を供給する貯留部(液流路)12を形成した容器13とを備えている。
圧電体としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電セラミックスが挙げられ、一般に、積層して使用することにより、変位量を増加させることができる。その他、圧電体として、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの有機高分子や、水晶、LiNbO3、LiTaO3、KNbO3などの単結晶を挙げることもできる。
図6は本発明のトナー製造方法に用いられるトナー製造装置の第2実施形態を示す図である。本実施形態では、吐出部にはシュラウド(さや部または覆い部)を有し、トナー流の周囲に搬送気流を有して、この搬送気流により、吐出されたトナー群の群速度を増加させるように、また、吐出初速度が高い場合には逆に減少させるようにする。これにより、吐出されたトナーが固化するまでの乾燥工程中に互いに衝突することによる合着を効率よく防止し、得られるトナー群は合一物が極めて少なく、歩留などを含む生産性を向上させることができる。
液滴噴射ユニット2は、少なくとも樹脂及び着色剤を含有するトナー組成物を有機溶媒中に分散ないし溶解させたトナー組成液10を液滴化して放出させる液滴化手段11と、この液滴化手段11にトナー組成液10を供給する貯留部(液流路)12を形成した容器13とを備えている。
トナーの容器13には貯留部12にトナー組成液(材料液)10を供給する液供給孔20及び排出孔21がそれぞれ接続されている。液滴化手段11により、ノズル15から液滴23が放出される。
2 液滴噴射ユニット
2a ヘッド
3 チャンバー域(粒子固化域)
4 トナー捕集部
5 トナー貯留部
6 原料収容部
7 送液管
8 搬送気流
9 排液管
10 トナー組成液(材料液)
11 液滴化手段
12 貯留部
13 液室(容器)
14 供給路
15 ノズル
16 吐出板
17 振動手段
18 チャンバー部
20 液供給孔
21 排出孔
23 液滴
23a 液滴の流れ
30 シュラウド部
30a 開口部
30b 壁
30c 壁
30d 底部
30e テーパー
31 蓋部
32 バルブ
40 クリーニング手段
42 アーム制御装置
50 透過率測定装置(光学式測定装置)
51 投光器
52 受光器
91 噴出し用パイプ
92 誘導管
93 噴出口
95 搬送気流
96 気流
PG1 圧力計
PG2 圧力計
100 ポンプ
Claims (1)
- 少なくとも結着樹脂及び着色剤からなるトナー材料を溶媒に溶解または分散させた材料液を液室(容器)に導入し、該液室の一つの面に設けられた複数の孔を有する吐出板から前記材料液を液滴として吐出した後、固化、乾燥させるトナーの製造方法において、前記液滴状態から固化、乾燥状態に至るまでの複数のトナー粒子からなるトナー群の透過率を測定し、この結果に基づいて、前記吐出板からの液滴の吐出条件を制御するに際し、更に次の(a)〜(c)の要件を満たすことを特徴とするトナーの製造方法。
(a)前記吐出板をクリーニングする工程を設ける。
(b)前記材料液に振動を与えて液滴を吐出する振動手段を設ける。
(c)前記液滴の吐出条件の制御を、前記振動手段に印加する電圧の制御、前記振動手段に印加する電圧の周波数の制御、および前記クリーニング工程を実行させて吐出板を清浄な状態に保つことから選ばれた少なくとも一つにより行う。
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