本発明は、上述した一又はそれ以上の欠点及び要請に関する解決策を提供する。
一つの要旨において、本発明は、少なくとも1つのマニホールド・ボックスに接続されたバルク化学物質キャニスターであって、各々のマニホールド・ボックスは少なくとも2つの流出(output)ラインを有し、少なくとも1つの流出ラインは2次キャニスターに接続されている、バルク化学物質キャニスターを有して成るバルク化学物質供給(又は送出)システムである。
本発明のシステムは、複数のCVD反応器のような複数のプロセツ・ツールに、大量に高純度の液体化学物質を供給することを可能とすることができる。例として、図1及び図1Aに示した本発明の一の態様において、4つのバルブを有するマニホールド・ボックスを含み、これらの各々は、4つのキャビネットに化学物質を供給し、4つのキャビネットが各々4つの流出ラインを有することによって、本発明のシステムは化学物質を64のプロセス・ツールに供給し得る。しかし、マニホールド・ボックスからの流出ラインの数、バルク・キャビネットの数、及び2次キャビネットの数は広範に変更することができ、いかなる数の流出ラインも用いることができることは、理解されよう。化学物質のフィードを更に分岐するために、一又はそれ以上の追加のマニホールド・ボックスを直列に用いることができることも考えられる。
もう1つの広範な要旨において、本発明は、マニホールド・ボックスは少なくとも2つの流出ラインを有し、オプションとして、少なくとも1つの流出ラインをプロセス・ツール又は2次キャニスターに接続してよい少なくとも1つのマニホールド・ボックスに接続されたバルク化学物質キャニスターを有して成る、バルク化学物質供給システムである。別の態様において、本発明は、少なくとも2つの流出ラインを有し、流出ラインの少なくとも1つがキャニスターに接続されているマニホールド・ボックスを有して成る、バルク化学物質供給システムである。更にもう1つの態様において、本発明は、少なくとも2つの流出ラインを有し、少なくとも1つの流出ラインがプロセス・ツールに接続されているマニホールド・ボックスを有して成る、バルク化学物質供給システムである。
もう1つの広範な要旨において、本発明は、バルク・キャニスターによって化学物質を供給されるバルブ・マニホールド・ボックスから化学物質を供給される、2次キャニスターからプロセス・ツールに化学物質を供給することを含んで成る、電子デバイスの製造に用いられるプロセス・ツールに化学物質を供給する有用な方法である。1つの態様において、バルク・キャニスターは約200リットルの容量を有し、2次キャニスターはバルク・キャニスターより小さな容量を有する。1つの態様において、化学物質はテトラエチルオルトシリケートである。1つの態様において、オプションとして、第2バルク・キャニスターが、バルク・キャニスターに接続されたマニホールドを介して、バルブ・マニホールド・ボックスに化学物質を直接又は間接的に供給する。
更に、もう1つの広範な要旨において、本発明は、第1バルク・キャニスターを提供し、少なくとも2つの流出口を各々が有する少なくとも2つのバルブ・マニホールド・ボックスに、第1バルク・キャニスターを接続する工程;プロセス・ツールに化学物質を供給するようになっている2次キャニスターに、各々の流出口を接続する工程を含んで成る、バルク化学物質供給システムの製造方法である。
もう1つの広範な要旨において、本発明は、少なくとも2つの流出口を有する少なくとも1つのバルブ・マニホールド・ボックスに接続されたバルク・キャニスターを有して成り、流出口の少なくとも1つが2次キャニスターに接続されている、バルク化学物質供給システムである。
もう1つの広範な要旨において、本発明は、バルク・キャニスターから化学物質を供給されるバルブ・マニホールド・ボックスから化学物質を供給される第2キャニスターから化学物質をプロセス・ツールに供給する工程を含んで成る、電子デバイスの製造方法である。更に、本発明は、本発明の製造方法に基づいて製造された電子デバイスである。
本明細書において用いる場合、”プロセス・ツール(又は製造装置)”とは、本発明のシステム(又は機構)によって提供される化学物質を、最終的に使用する製造装置をいう。従って、本発明のシステムは、使用する間に化学物質を必要とするいずれのプロセス・ツールにも化学物質を供給することができる。そのようなプロセス・ツールは、化学気相成長法、フォトリソグラフィー、及びエッチングの用途等の装置を含むことができる。これらのプロセス・ツールは、集積回路、メモリー回路、平面ディスプレイ、光ファイバーの製造、マルチチップ・モジュール(例えば、MCM)等の電子デバイスの製造にしばしば用いられる。更に、本発明は、集積回路及びメモリー回路等の製造に用いられるCVD反応器のようなプロセス・ツールに、TEOSのような化学物質を供給するために用いることができるが、本発明のシステムは、その他の方法にも用いることができるということが理解されよう。
もう1つの広範な要旨において、本発明は、分配マニホールドに接続されたバルク化学物質キャニスターを収容するキャビネット;少なくとも1つの分配マニホールドに接続している少なくとも1つのマニホールド・ボックスを有して成り、マニホールド・ボックスは少なくとも2つの流出ラインを有し、少なくとも1つの流出ラインは、第2分配マニホールドに接続され、2次キャビネットに収容された2次キャニスターに接続されている、バルク化学物質供給システムである。
もう1つの広範な要旨において、本発明は、バルク・キャニスターによって化学物質を供給されるバルブ・マニホールド・ボックスから化学物質を供給される、2次キャニスターからプロセス・ツールに化学物質を供給する工程を含んで成る、電子デバイスの製造に用いられるプロセス・ツールに化学物質を供給する有用な製造方法である。
もう1つの広範な要旨において、本発明は、第1バルク・キャニスターを供給し、少なくとも2つの流出口を各々が有する少なくとも2つのバルブ・マニホールド・ボックスに第1バルク・キャニスターを接続する工程;プロセス・ツールに化学物質を供給するようになっている2次キャニスターに少なくとも1つの流出口を接続する工程を含んで成る、バルク化学物質供給システムの製造方法である。
更にもう1つの広範な要旨において、本発明は、バルク・キャニスターから化学物質を供給されるバルブ・マニホールド・ボックスから化学物質を供給される第2キャニスターからプロセス・ツールに化学物質を供給する工程を含んで成る、電子デバイスの製造方法である。
もう1つの広範な要旨において、本発明は、(1)真空供給バルブ;(2)真空発生器;(3)圧力ベント(排気)・バルブ;(4)キャリアーガス遮断バルブ;(5)バイパス・バルブ;(6)プロセス・ライン遮断バルブ;(7)コントロール・バルブ;(8)キャニスター入口バルブ;(9)キャニスター出口バルブを含んで成り;真空供給バルブは、真空発生器に接続され;真空発生器は、圧力ベント・バルブ及びコントロール・バルブに接続され;キャリアーガス遮断バルブは、圧力ベント・バルブ及びバイパス・バルブに接続され;バイパス・バルブは、更に遮断バルブ及びキャニスター入口バルブに接続され;プロセス・ライン遮断バルブは、キャニスター出口バルブに接続され;キャニスター入口バルブは、コントロール・バルブ及びキャニスター出口バルブに接続されている、化学物質を含むキャニスターの補充に用いるマニホールドである。
もう1つの広範な要旨において、本発明は、真空発生器に接続された真空供給バルブ;真空発生器及びガス入口バルブに接続された圧力ベント・バルブ;真空発生器に接続されたコントロール・バルブを有して成り;キャリアーガス遮断バルブはバイパス・バルブも接続され、プロセス・ライン遮断バルブはキャニスター出口バルブ及びバイパス・バルブに接続され、またキャニスター入口バルブは、バイパス・バルブ、コントロール・バルブ、及びキャニスター出口バルブに接続されている、液体の化学物質を含む2つのキャニスターを補充可能に接続するのに有用なマニホールドである。
もう1つの広範な要旨において、本発明は、キャニスターの取り付け具をマニホールドの取り付け具に接続して供給システムを構成する工程;及び供給システムをパージ(purge)する工程を含んで成り、マニホールドは、真空供給バルブ;真空発生器;圧力ベント・バルブ;キャリアーガス遮断バルブ;バイパス・バルブ;プロセス・ライン遮断バルブ;コントロール・バルブ;キャニスター入口バルブ;キャニスター出力バルブを有して成り;真空供給バルブは、真空発生器に接続され;真空発生器は、圧力ベント・バルブ及びコントロール・バルブに接続され;ガス入口バルブは、圧力ベント・バルブ及びバイパス・バルブに接続され;バイパス・バルブは、更にプロセス・ライン遮断バルブ及びキャニスター入口バルブに接続され;プロセス・ライン遮断バルブはキャニスター出口バルブに接続され;キャニスター入口バルブは、コントロール・バルブ及びキャニスター出口バルブに接続されている、キャニスターをマニホールドに接続する方法である。
もう1つの広範な要旨において、本発明は、真空供給バルブ、真空発生器、圧力ベント・バルブ、キャリアーガス遮断バルブ、バイパス・バルブ、プロセス・ライン遮断バルブ、コントロール・バルブ、及びキャニスター入口バルブを供給する工程;真空供給バルブは真空発生器に接続され、真空発生器は圧力ベント・バルブ及びコントロール・バルブに接続され、ガス入口バルブは圧力ベント・バルブ及びバイパス・バルブに接続され、バイパス・バルブは更にプロセス・ライン遮断バルブおよびキャニスター入口バルブに接続され、遮断バルブはキャニスター出口バルブに接続され、キャニスター入口バルブはコントロール・バルブ及びキャニスター出口バルブに接続されるようにバルブをラインと接続する工程を含んで成る、マニホールドの製造方法である。
もう1つの広範な要旨において、本発明は、(1)真空供給バルブ;(2)真空発生器;(3)キャリアーガス遮断バルブ;(4)バイパス・バルブ;(5)プロセス・ライン遮断バルブ;(6)コントロール・バルブ;(7)キャニスター入口バルブ;(8)キャニスター出口バルブを有して成り;真空供給バルブは、真空発生器に接続され;真空発生器は、コントロール・バルブに接続され;キャリアーガス遮断バルブは、バイパス・バルブに接続され;バイパス・バルブは、更にプロセス・ライン遮断バルブ及びキャニスター入口バルブに接続され;プロセス・ライン遮断バルブは、キャニスター出口バルブに接続され;キャニスター入口バルブは、コントロール・バルブ及びキャニスター出口バルブに接続されている、化学物質を含むキャニスターの補充(リフィル)に用いるマニホールドである。
もう1つの広範な要旨において、本発明は、(1)真空供給バルブを供給する工程;(2)真空発生器を供給する工程;(3)キャリアーガス遮断バルブを供給する工程;(4)バイパス・バルブを供給する工程;(5)プロセス・ライン遮断バルブを供給する工程;(6)コントロール・バルブを供給する工程;(7)キャニスター入口バルブを供給する工程;(8)キャニスター出口バルブを供給する工程;真空供給バルブを真空発生器に接続する工程;真空発生器をコントロール・バルブに接続する工程;キャリアーガス遮断バルブをバイパス・バルブに接続する工程;バイパス・バルブを更にプロセス・ライン遮断バルブ及びキャニスター入口バルブに接続する工程;プロセス・ライン遮断バルブを更にキャニスター出口バルブに接続する工程;キャニスター入口バルブをコントロール・バルブ及びキャニスター出口バルブに接続する工程を含んで成る、化学物質を含むキャニスターの補充に用いるマニホールドの製造方法である。
本発明のマニホールドは、低蒸気圧の物質及び有毒な化学物質をパージする効果を向上させることができる。
本発明は以下の態様を含み得る。
(態様1) 少なくとも1つのマニホールド・ボックスに接続されたバルク化学物質キャニスターを有して成る、バルク化学物質の供給システムであって、各マニホールド・ボックスは、少なくとも2つの流出ラインを有し、少なくとも1つの流出ラインは2次キャニスターにつながる供給システム。
(態様2) 各2次キャニスターは、プロセス・ツールに化学物質を供給するようになっているラインにつながる態様1に記載のシステム。
(態様3) システムを通過する化学物質の流れをコントロールするプログラム可能なコントローラーを更に有して成る態様1に記載のシステム。
(態様4) 各2次キャニスターは、キャビネット内に収容され、2またはそれ以上のキャニスターが適宜キャビネット内に収容されていてよい態様1に記載のシステム。
(態様5) バルク・キャニスターは、少なくとも約200リットルの容量を有する態様1に記載のシステム。
(態様6) バルク・キャニスターは、輸送カート内に収容されている態様1に記載のシステム。
(態様7) 少なくとも1つの2次キャニスターは、プロセス・ツールに接続される態様1に記載のシステム。
(態様8) システムは、微量金属を含まない、99.9999%またはそれ以上のテトラエチルオルトシリケートである化学物質を含む態様1に記載のシステム。
(態様9) システムは、微量金属を含まない、99.9999%またはそれ以上のテトラエチルオルトシリケート、トリエチルホスフェート、トリメチルフォスファイト、トリメチルボレート、チタニウムテトラクロライドまたはタンタル化合物である化学物質を含む態様1に記載のシステム。
(態様10) 第1バルク・キャニスターが化学物質を供給しない時、少なくとも1つのバルブ・マニホールド・ボックスに化学物質を供給する第2バルク・キャニスターを更に有して成る態様1に記載のシステム。
(態様11) バルク・キャニスターおよびマニホールド・ボックスにつながる第1供給マニホールドを更に有して成り、バルク・キャニスターおよび第1供給マニホールドはキャビネット内に収容されている態様1に記載のシステム。
(態様12) バルク・キャニスターは、少なくとも1つのプロセス・ツール、2次キャニスターまたはこれらの組み合わせにも直接つながっている態様1に記載のシステム。
(態様13) バルク・キャニスターは、キャビネット内に収容されている輸送および格納カート内に収容される態様1に記載のシステム。
(態様14) 分配マニホールドに接続されるバルク化学物質キャニスターを収容するキャビネット;少なくとも1つの分配マニホールドにつながる少なくとも1つのマニホールド・ボックスを有して成り、マニホールド・ボックスは少なくとも2つの流出ラインを含み、少なくとも1つの流出ラインは、第2分配マニホールドに接続され、かつ、2次キャビネット内に収容される2次キャニスターに接続される、バルク化学物質供給システム。
(態様15) 少なくとも1つの2次キャニスターは、プロセス・ツールに化学物質を供給するようになっているラインにつながる態様14に記載のシステム。
(態様16) システムを通過する化学物質の流れをコントロールするプログラム可能なコントローラーを更に有して成る態様14に記載のシステム。
(態様17) バルク・キャニスターは、少なくとも約200リットルの容量を有する態様14に記載のシステム。
(態様18) バルク・キャニスターは、輸送カート内に収容されている態様14に記載のシステム。
(態様19) 少なくとも1つの2次キャニスターは、プロセス・ツールに接続されている態様14に記載のシステム。
(態様20) システムは、微量金属を含まない、99.9999%またはそれ以上のテトラエチルオルトシリケートである化学物質を含む態様14に記載のシステム。
(態様21) システムは、微量金属を含まない、99.9999%またはそれ以上のテトラエチルオルトシリケート、トリエチルホスフェート、トリメチルフォスファイト、トリメチルボレート、チタニウムテトラクロライドまたはタンタル化合物である化学物質を含む態様14に記載のシステム。
(態様22) 電子デバイスの製造に用いるプロセス・ツールに化学物質を供給するのに有用である方法であって、
バルク・キャニスターにより化学物質を供給するバルブ・マニホールド・ボックスから化学物質を供給する2次キャニスターからプロセス・ツールに化学物質を供給することを含む方法。
(態様23) バルク・キャニスターは、約200リットルの容量を有し、2次キャニスターはバルク・キャニスターより小さい容量を有する態様22に記載の方法。
(態様24) 化学物質は、テトラエチルオルトシリケートである態様22に記載の方法。
(態様25) 第2バルク・キャニスターが、バルブ・マニホールド・ボックスに化学物質を適宜供給する態様23に記載の方法。
(態様26) 第1バルク・キャニスターを供給し(または提供し、もしくは設け)、それぞれが少なくとも2つの出口(または流出口)を有する少なくとも2つのバルブ・マニホールド・ボックスに第1バルク・キャニスターを接続すること;
プロセス・ツールに化学物質を供給するようになっている2次キャニスターに少なくとも1つの出口を接続すること
を含むバルク化学物質を供給するシステムを製造する方法。
(態様27) バルク・キャニスターから化学物質が供給されるバルブ・マニホールド・ボックスから化学物質が供給される第2キャニスターからプロセス・ツールに化学物質を供給することを含む、電子デバイスの製造方法。
(態様28) 分配マニホールドを介してバルク・キャニスターからバルブマニホールド・ボックスに化学物質が供給され、第2分配マニホールドを介して第2キャニスターからプロセス・ツールに化学物質が供給される態様27に記載の方法。
(態様29) 化学物質は、微量金属を含まない、99.9999%またはそれ以上のテトラエチルオルトシリケート、トリエチルホスフェート、トリメチルフォスファイト、トリメチルボレート、チタニウムテトラクロライドまたはタンタル化合物である態様27に記載の方法。
(態様30) 化学物質は、微量金属を含まない、99.9999%またはそれ以上のテトラエチルオルトシリケート、トリエチルホスフェート、トリメチルフォスファイト、トリメチルボレート、チタニウムテトラクロライドまたはタンタル化合物である態様28に記載の方法。
(態様31) 態様27に記載の方法により製造される電子デバイス。
(態様32) 態様28に記載の方法により製造される電子デバイス。
(態様33) 態様29に記載の方法により製造される電子デバイス。
(態様34) 態様30に記載の方法により製造される電子デバイス。
(態様35) 化学物質を含むキャニスターの補充に使用するマニホールドであって、
(1)真空供給バルブ;
(2)真空発生器;
(3)圧力ベント・バルブ;
(4)キャリヤーガス遮断バルブ;
(5)バイパス・バルブ;
(6)プロセス・ライン遮断バルブ;
(7)コントロール・バルブ;
(8)キャニスター入口バルブ;
(9)キャニスター出口バルブ
を有して成り、
真空供給バルブは真空発生器に接続され、
真空発生器は、圧力ベント・バルブおよびコントロール・バルブに接続され、
キャリヤーガス遮断バルブは、圧力ベント・バルブおよびバイパス・バルブに接続され、
バイパス・バルブは、遮断バルブおよびキャニスター入口バルブに更に接続され、
プロセス・ライン遮断バルブは、キャニスター出口バルブにも接続され、
キャニスター入口バルブは、コントロール・バルブおよびキャニスター出口バルブに接続されているマニホールド。
(態様36) バルブは空気により作動する態様35に記載のマニホールド。
(態様37) バルブはステンレススチール配管により接続され、バルブはステンレススチール製である態様35に記載のマニホールド。
(態様38) キャリヤーガス遮断バルブは、不活性ガス源にも接続されている態様35に記載のマニホールド。
(態様39) キャニスター入口バルブおよびキャニスター出口バルブは空気により作動するバルブである態様35に記載のマニホールド。
(態様40) 真空供給バルブは真空発生器に接続されている態様35に記載のマニホールド。
(態様41) 液体化学物質を含む2つのキャニスターを再充填可能に接続するのに有用なマニホールドであって、
真空発生器に接続される真空供給バルブ、
真空発生器およびガス入口バルブに接続される圧力ベント・バルブ、
真空発生器に接続されるコントロール・バルブ、
キャリヤーガス遮断バルブはバイパス・バルブにも接続されており、
キャニスター出口バルブおよびバイパス・バルブに接続されるプロセス・ライン遮断バルブ、ならびに
バイパス・バルブ、コントロール・バルブおよびキャニスター出口バルブに接続されるキャニスター入口バルブ
を含んで成るマニホールド。
(態様42) バルブは空気により作動する態様41に記載のマニホールド。
(態様43) バルブはステンレススチール配管により接続され、バルブはステンレススチール製である態様41に記載のマニホールド。
(態様44) 真空供給バルブは真空源に接続される態様41に記載のマニホールド。
(態様45) キャリヤーガス遮断バルブは、不活性ガス源に更に接続される態様41に記載のマニホールド。
(態様46) 真空供給バルブは第2マニホールドに更に接続される態様41に記載のマニホールド。
(態様47) マニホールドは、圧力ベント・バルブ、真空発生器およびコントロール・バルブを接続する第1T字継手を含む態様41に記載のマニホールド。
(態様48) 第2T字管が、キャニスター入口バルブおよびキャニスター出口バルブに直接的にまたは間接的に接続される態様41に記載のマニホールド。
(態様49) マニホールドにキャニスターを接続する方法であって、
キャニスターの取付部品(または取付部)をマニホールドの取付部品(または取付部)に接続し、それによって供給システムを提供すること、および供給システムから空気および水を除去(またはパージ)することを含んで成り、マニホールドは、
真空供給バルブ;
真空発生器;
圧力ベント・バルブ;
キャリヤーガス遮断バルブ;
バイパス・バルブ;
プロセス・ライン遮断バルブ;
コントロール・バルブ;
キャニスター入口バルブ;
キャニスター出口バルブ
を含んで成り、
真空供給バルブは、真空発生器に接続され、
真空発生器は、圧力ベント・バルブおよびコントロール・バルブに接続され、
ガス入口バルブは、圧力ベント・バルブおよびバイパス・バルブに接続され、
バイパス・バルブは、プロセス・ライン遮断バルブおよびキャニスター入口バルブに更に接続され、
プロセス・ライン遮断バルブは、キャニスター出口バルブにも接続され、
キャニスター入口バルブは、コントロール・バルブおよびキャニスター出口バルブに接続される方法。
(態様50) マニホールドを製造する方法であって、
真空供給バルブ、真空発生器、圧力ベント・バルブ、キャリヤーガス遮断バルブ、バイパス・バルブ、プロセス・ライン遮断バルブ、コントロール・バルブ、およびキャニスター入口バルブを供給(または提供し、もしくは設け)すること、
真空供給バルブは、真空発生器に接続され、真空発生器は、圧力ベント・バルブおよびコントロール・バルブに接続され、ガス入口バルブは、圧力ベント・バルブおよびバイパス・バルブに接続され、バイパス・バルブは、プロセス・ライン遮断バルブおよびキャニスター入口バルブに更に接続され、遮断バルブは、キャニスター出口バルブにも接続され、キャニスター入口バルブは、コントロール・バルブおよびキャニスター出口バルブに接続されるように、バルブをラインと接続すること
を含んで成る方法。
(態様51) 化学物質を含むキャニスターをリフィルする場合に使用するマニホールドであって、
(1)真空供給バルブ;
(2)真空発生器;
(3)キャリヤーガス遮断バルブ;
(4)バイパス・バルブ;
(5)プロセス・ライン遮断バルブ;
(6)コントロール・バルブ;
(7)キャニスター入口バルブ;
(8)キャニスター出口バルブ
を有して成り;
真空供給バルブは、真空発生器に接続され;
真空発生器は、コントロール・バルブに接続され;
キャリヤーガス遮断バルブは、バイパス・バルブに接続され;
バイパス・バルブは、プロセス・ライン遮断バルブおよびキャニスター入口バルブに更に接続され;
プロセスライン遮断バルブは、キャニスター出口バルブにも接続され;
キャニスター入口バルブは、コントロール・バルブおよびキャニスター出口バルブに接続される;
マニホールド。
(態様52) 化学物質を含むキャニスターのリフィルに使用するマニホールドの製造方法であって、
(1)真空供給バルブを供給する(または提供する、もしくは設ける、以下本態様において同様)こと;
(2)真空発生器を供給すること;
(3)キャリヤーガス遮断バルブを供給すること;
(4)バイパス・バルブを供給すること;
(5)プロセス・ライン遮断バルブを供給すること;
(6)コントロール・バルブを供給すること;
(7)キャニスター入口バルブを供給すること;
(8)キャニスター出口バルブを供給すること;
真空供給バルブを真空発生器に接続すること;
真空発生器をコントロール・バルブに接続すること;
キャリヤーガス遮断バブルをバイパス・バルブに接続すること;
バイパス・バルブをプロセス・ライン遮断バルブおよびキャニスター入口バルブに更に接続すること;
遮断バルブをキャニスター出口バルブに更に接続すること;
キャニスター入口バルブをコントロール・バルブおよびキャニスター出口バルブに接続すること;
を含んで成る方法。
本発明のキャビネットにて使用し得る金属製キャニスター、化学物質補充システム、操作手順、構成要素、および開始(starting)マニホールド・システムなどの一般的な説明は、米国特許第5,465,766号;同第5,562,132号、同第5,590,695号、同第5,607,002号、および同第5,711,354号に述べられており、これらの全ては引用することにより本明細書に組み込まれるが、これに限定されるものではない。
本発明の代表的なバルク供給システム100を図1に示す。図面中の各バルブについて、白三角は、常に開状態であるラインを示し、黒三角は、開状態とされるまでは閉状態であることを示す。このシステムは、少なくとも1つのバルク・キャニスター・キャビネット101を含み、これは化学物質を、直接または間接的にマニホールド・ボックス108を介して2次(中間)キャビネットへ、そして、化学物質を使用するプロセス・ツール(または器具)へ最終的に供給するバルク・キャニスター(図示せず)を収容している。このシステムは、オプションとして、代表的には約200リットルまたはそれ以上の容量を有する第2のバルク・キャニスター103を切除図に示すように保持する第2バルクキャビネット102を含んでよい。第2バルク・キャニスターは、第1バルク・キャニスター101を取り替える、補充する、修理する、あるいはその他の理由の場合に、化学物質をバルブ・マニホールド・ボックスに供給することができる。あるいは、第2バルク・キャビネット102は、通常の操作の間に第1キャビネット101を補充するのに用いてもよい。
キャビネット101、102は、図3〜5を参照して説明されるような構造を有し得る。キャビネット101または102は、各キャビネットにおいて同じでも、あるいは異なっていてよいマニホールド104を含み得る。第2キャニスターからのライン105は、キャビネット101の第1キャニスターのマニホールドと接続されていてよい。第2キャビネット102を使用する場合、第1キャビネット101を取り替える、または補充する間、システムが第2キャビネット102から化学物質を供給することができる機能のスイッチ(または切り替え)、例えばマニホールドのスイッチ(これは図6を参照して説明する)を用いてよい。第2バルク・キャニスター102へのスイッチングは、例えばOmron,Incなどの様々な市販ソースから入手可能なものなどの、当業者に周知のプロセス制御装置を用いるなどして自動化され得る。あるいは、例えば米国特許第5,465,766号および同第5,711,354号に記載されるようなMARS(商標)制御システムなどの、キャニスターの取り替えおよびパージ機能を管理し、システム・パラメータを制御および監視する、プログラム可能なコンピュータ制御システムを用いて、総合システム管理を制御してよい。コントローラは、パージ・シーケンスおよび通常の運転モードを管理することもできる。パージ・シーケンスは、終了後のバルク化学物質供給キャニスターを取り除く前に、あるいは新たなキャニスターを据え付けた後に、マニホールドとキャニスターとの接続ラインをパージするように機能する。運転モードの間、システムは化学物質をプロセス・ツールへ供給し、このことは、バルク化学物質供給キャニスターを据え付けた後に開始され得る。ある点においては、バルク・キャニスター・キャビネットにある単一のコントローラによって、二次キャビネットおよびバルブ・マニホールド・ボックスについてのコントローラの有無にかかわらず、該一次コントローラにデータを戻すように、総合システムを制御してよい。あるいは、各バルクおよび二次キャビネットならびに各バルブ・マニホールド・ボックスは、これらの機能を制御するように、別のコントローラを備えていてもよい。
ライン106は、キャビネット101内のマニホールドから、例えばバルブ・マニホールド・ボックス108などの1つまたはそれ以上のバルブ・マニホールド・ボックスにつながっている。いかなる数のマニホールド・ボックス108を用いてもよい。1つの実施態様においては、4個までのボックスが用いられる。各ボックス108は、本明細書において説明する、図2A、2B、および2Cに図示するようなバルブ・マニホールド・ボックス200であってよい。バルブ・マニホールド・ボックス108は、分配マニホールドによって化学物質のストリームを、化学物質を使用するプロセス・ツールへ、あるいは1つまたはそれ以上のより小さなキャニスター123を収容する二次キャビネット120および125へつながる複数のライン112に分割するように機能する。各キャビネットは、所望のいかなる数のキャニスターを含んでいてよく、1つまたはそれ以上のキャニスターは、別々の分配マニホールドを通じてプロセス・ツールへ供給され得る、異なる化学物質を含んでいてよい。図1においては、二次キャビネット120は、2つのより小さなキャニスター123を収容し、他方、二次キャビネット125は、1つのより小さなキャニスター123を収容している。バルブ・マニホールド・ボックスにおけるマニホールドの詳細な構造は、化学物質のストリームをシステムとプロセス・ツールとでバランスさせて供給する限り、本発明の実施に重要ではない。バルブ・マニホールド・ボックスにおけるバルブの構造は、バルブ・マニホールド・ボックスの下流における構成要素を実用的なものとし、また、個々のラインの独立したパージおよびメンテナンスを可能とするように、変更してよい。オプションとして、マニホールド・ボックス108から二次キャビネット120へのラインを切断して、システムを設計およびプログラムして、補充用キャニスター123が化学物質をもう1つのキャニスター123に供給(または送出)し、該他のキャニスターがプロセス・ツールに化学物質を供給するように切り替えるようにしてよい。化学物質をプロセス・ツールに主に供給するように構成されたキャニスター123の交換を容易にするために、補充用キャニスター123が化学物質をプロセス・ツールに供給できるように、マニホールドを構成し、コントローラをプログラムしてよい。しかし、代表的には、補充用または供給用キャニスターのいずれかを交換などする場合、マニホールド・ボックス108からの化学物質が切り替わり、プロセス・ツールへ直接的に供給されるように、システムが構成される。別法では、プロセス・ツールは、二次キャビネットを用いないでバルブ・マニホールド・ボックスから直接的に供給され得る。同様に、少なくとも1つのマニホールド・ボックスに化学物質を提供するのに加えて、バルク・キャビネットは、1つまたはそれ以上のプロセス・ツールに化学物質を直接的に供給することができる。バルブ・マニホールド・ボックスは、いかなる数の流出ラインを含んでいてよく、代表的には4個までの流出ラインが用いられる。図1および1Aでは、4個の流出ラインを用いている。
図1Aは、単一のバルク・キャニスター・キャビネット101を用いる、本発明の代表的なシステム100を示す。図1A中の符号は、図1中のものと対応している。図1と同様に、いかなる数のバルブ・マニホールド・ボックス108が含まれていてもよい。代表的には、4個までのバルブ・マニホールド・ボックス108が用いられる。同様に、用いられる二次キャビネット120および/または125の数は変更でき、代表的には4個までが用いられる。従って、バルブ・マニホールド・ボックス108は、別法では、所望の数の流出口を含むように構成され得る。所与のシステム100においては、二次キャビネットは、キャビネット125に示すように1つのキャニスターを含んでもよく、またはキャビネット120に示すように2つのキャニスターを含んでもよく、あるいは、1つまたはそれ以上のキャビネット120が単一のキャニスターを保持し、1つまたはそれ以上のキャビネット125が2つのキャニスターを保持するシステムのような、キャビネットの組合せを用いてもよい。加えて、キャビネット120および125は、より多い、またはより少ない数のキャニスターを含むのに望ましいように改変してもよく、これは、キャニスターの数に制限はなく、別の構成において用いられ得る。また、キャビネット101におけるバルク・キャニスターの寸法、あるいはキャビネット120および125におけるキャニスターの寸法に制限はないが、一般的には、キャビネット101におけるキャニスターは、キャビネット120および125におけるキャニスター123よりも大きい。
本発明の実施に使用され得るバルブ・マニホールド・ボックス200を図2A、2B、および2Cに図示する。図2Aにおいては、入口バルブ210は、図1の供給マニホールドからの出口ラインから化学物質を受け取る。入口バルブ210は、マニホールド・バルブを修理する必要がある場合にマニホールドの完全なパージを行うことができる、手動式または空気圧式バルブあるいは両用作動式(dual activator)バルブであってよい。バルブ・マニホールドは、オプションとして、2つまたはそれ以上のバルク・キャニスターなどの複数の供給源から化学物質を受け取ってよいことが考えられる。入口バルブと空気圧式アクティベータへの溶接接続を用いることにより、漏出検出に関する安全上の配慮を高め得る。入口バルブ210からのライン211は、2つまたはそれ以上の流出口(図2Aには4個の流出口を図示する)の群へつながる。ライン211は、圧力ライン220からの気体、例えばヘリウムなどで加圧される。圧力ライン220には気体の供給源(図示せず)により気体が供給され、気体入口バルブ221に加圧した気体が供給され、その後、ライン222を通して流し、ライン220への流れを制御するレギュレーターバルブ223へ移送される。圧力ライン220はオプションであるが、実用的見地から典型的には用いられている。化学物質は、バルブ・マニホールド・ボックス200の分流部(スプリッター・セクション)230において、2またはそれ以上の対の、適切にポーティングされた(ported、またはポート調節された)パージ・バルブ231および液体制御バルブ232を介して分流される。液体制御バルブ232を閉状態として、バルブのポーティングによって、パージ・バルブ231からのパージガスは、液体制御バルブ232のシート(seat)の頂部を横切って、中間キャビネットまたはプロセス・ツール(これはオプションとして、オンボード(on-board)の補充可能コンテナを用いてよい)に送る流出ラインに接続され得る流出口234に流れることができる。このパージングにより、一方の支流で液体をパージまたはドレン抜きし、他方、その他の支流をオン・ライン(または液体供給)のままとすることができる。出口バルブ233は、各流出ラインを経る化学物質の流出を調節する。バルブ・マニホールドは、6つの壁で作られる矩形ボックスの形態であり得るハウジング240に収容され得る。ハウジング240は、常套の方法を用いて、例えば溶接または適切な留め具の使用によって組み立てられる任意の適切な材料、例えばシートメタル(または板金)などから成っていてよい。前面の壁は、オプションとして、透明な材料、例えばPlexiglas(登録商標)などから成っていてよい。ハウジング240は、入口および出口ライン用に適切に寸法決められ、配置された穴を含んでよい。加えて、マニホールド・ボックスは、液体センサーおよびドレン排出口を含んでいてよく、この排出口から、マニホールド・ボックスの底部にて集められた液体化学物質を除去し得る。ボックスの底部は、漏出物(spill)を特定の位置で集め得るように、傾斜が付けられていてよい。センサーはコントローラに信号を供給することができ、よって、オペレータに警告し、マニホールド・ボックスへのラインがシャットダウンされるなどする。
図2Bは、バルブ・マニホールド・ボックス200の第1側面図である。図2Bのバルブ・マニホールド・ボックスの入口側の側面図においては、バルブ・マニホールド・ボックスへの配管(またはパイピング)および/または接続について、より融通がきき、より簡単な変更を可能とするように、各端部には取り外し可能なプレートが備えられる。取り外し可能なプレートは、分割プレートであってよい。
図2Cは、バルブ・マニホールド・ボックス200の第2側面図である。図2Cにおいては、出口側を示し、これもまた取り外し可能なプレートを用いており、この場合、1つまたはそれ以上のラインが所定の状態に既にある状態で、付加的なラインを加えるために、取り外しが簡単な分割プレートである。
例えば電子デバイス(例えば、集積回路)製造装置におけるような、常設の二次格納(containment、または閉じ込め)領域を有する代表的なバルク・キャビネットは、コンテナをキャビネット内へ持ち上げて入れることを必要とする。コンテナが5または10ガロンの化学物質を保有するとき、コンテナをキャビネットへ手動で(代表的には8〜12インチ)持ち上げるのは、非常に困難ではない。しかし、より大きなキャニスター、例えば200リットルのキャニスターについては、そのような持ち上げは実行できない。以下に考慮する構成は、大きな200リットルのキャニスターをキャビネットに配置する際に生じる課題および問題を軽減する。
バルク・キャニスター301は、図3〜5に図示するような輸送カート内に収容してよい。図3は、そのようなバルク供給システムを示す。このシステムは、バルク化学物質キャニスター301、移動式格納輸送カート300、ならびにキャニスター301およびカート300を収容するためのバルク化学物質キャビネット350を含む。実際には、キャニスター301は、適切な保持部がキャニスター301に存在する場合、天井クレーンなどを用いてこれを持ち上げることによって、カート300に配置され得る。
キャニスターまたは貯蔵容器とも種々に呼ばれ得るキャニスター301は、広範に種々の寸法を有してよいが、200リットルの寸法が、本発明の実施に使用するのに特に適切である。キャニスターは常套の構成を有してもよく、ならびに/あるいは特定の用途のために構成されていてよく、また概して、液体の化学物質を収容し、供給するようになっている。キャニスターは、代表的にはステンレス鋼から成り、ライナーを有しても、有さなくてもよい。キャニスター301は、ライン(図示せず)を接続でき、これにより、化学物質をキャニスターから高純度のままで供給することができる取り付け具(または継手部)303を含む。キャニスター301は、底部への内部ライン(図示せず)、ならびにキャニスター301中の化学物質のレベルを検出する1つまたはそれ以上のセンサー(1ダースまたは多くのセンサーを用い得る)を含んでよい。センサーは、不連続または連続式の液体センサーとすることができる。加えて、キャニスター301は、以下に説明するスクープ(又はスコップ部若しくは取り入れ口(scoop))383を受容するように、垂直シース304に穴305を含む。用いる取り付け具303は広範に変更でき、バルブ・マニホールド380から出るラインの適切な取り付け具に適合しさえすればよいことを考慮すべきである。また、キャニスター301は、キャニスターに溶接され得るか、あるいは静置するときにキャニスターの重量によって所定の状態で保持されるように、キャニスター301の下方に単に配置され得るスリーブ302を含んでよい。スリーブ302は、フォークリフトのフォークを受け入れるように、適切に構成され得る。カートは、一旦配置されるとキャビネット内でカートをしっかりと留める固定デバイスを含んでよい。貯蔵または輸送の間に取り付け具を保護するために、蓋306を用いてもよい。
圧力管理制御により、運転の間にヘリウムなどのための入口バルブを閉状態に維持し、体積が低下したときにだけ開状態とすることができるように、1つまたはそれ以上の圧力変換器(またはトランスデューサ)をキャニスターの予備の穴に加えてよい(冗長性(redundant)変換器を用い得る)。
図3に示すように、移動式カート(または「クレート(crate)」)300は、ベース316へ取り付けられているホイール(ローラ)310を有しており、キャニスター301の寸法に応じて適当な寸法及び好適な耐久性を有するものとすることができる。ホイール310は、パーキングブレーキまたはデッドマンズ・ブレーキ(deadman's brake)を含むブレーキ(制動手段)を有することができる。カート300は、例えば、フォークリフトのフォークを受け入れるためのスリーブ312を有することができ、スリーブ312はベース316の一部となっていても、またはベース316に取り付けられていてもよい。カート300は、キャビネット350からカート300を取り外す前に、液体漏出物(spill)の少なくとも一部、好ましくは大部分を除くことを容易にするためのドレン・ラインを有することができる。カート300は、キャビネット350の中へ配置する場合に、カート300の位置決め(又は配置)を容易に行うことができるように、キャビネット350内のガイド364と位置合わせされるガイド314を有することができる。ガイド314は、ベース316の一部であってもよいし、またはベース316へ取り付けられていてもよく、常套の方法を用いて(例えば、ねじもしくはボルトを用いて、または溶接によって)ベース316へ取り付けることもできる。別の態様では、ガイド314は、カート300の1またはそれ以上の側面に取り付けられた例えばレールの形態であってもよく、相補的なガイドがキャビネットの側面の適当な位置に取り付けられている。もう1つの態様では、ガイドは、当業者にとって容易に理解することができるように、カートが正しく位置合わせされるとスナップ嵌めして位置決めするバネ付きのボールベアリング・トラックであってもよい。ベース316には4つの外側壁318も取り付けられている。一般に、ベースと側面とは互いに溶接されているか、または継ぎ目のない側壁が用いられる。ベースは、センサー317へ向かって傾斜していたり、溝が設けられていたりなどしていてもよい。同様に、ベースは、場合によって、少量の漏出物を集めるための小容量のトラフ(又は樋)を有することができ、それによってセンサ317のそのような少量の漏出物を検出する能力を向上させることもできる。位置合わせガイド319を用いて、カート300内にキャニスター301を配置することもできる。カート300は、空気よりも密度の高い蒸気の換気を行うための排気ダクトを有することができる。カート300の操縦をする際にオペレータの助けとなるように、場合によってハンドル320をカート300に取り付けることもできる。カート300の頂部330には、キャニスター301の頂部を収容することができるように適当な寸法のホール(穴)334を有することができる。ホール334は、輸送及び移動する際にカート300内にキャニスター301を固定することを助長するように、キャニスター301の頂部がぴったりと嵌まるような大きさとなっていることが好ましい。頂部330には、場合によって孔332が設けられていてよい。孔332は、キャニスター301の上側領域における漏れ(leak)をカート300の下側領域へ排出する機能を有する。更に、取り付け具を周囲への暴露からシールする取外し可能な部材を使用することができ、そうすることは、使用するためにキャニスターをクリーンルームに配置する場合に有益である。このことによって、ダストなどがカート及びキャニスターにまたはそれらの内部に蓄積されることが防止される。更に、液体漏出物を検知するセンサ317を有することもできる。センサはコントローラに接続することができ、コントローラは漏出物を検知した場合にシステムをシャットダウンさせたり、またはオペレーターに信号で知らせたりすることができる。今日において工業的には、格納ユニットの容量はキャニスター301の容量の少なくとも110%であることが推奨される。従って、本発明の1つの態様では、カート300は、カート300が収容すべきキャニスター301の内部容量の少なくとも110%の容量を有するように構成されている。
キャビネット350は、3つの側面、ベース(底面)360、扉390及び頂面を有している。1又はそれ以上の支柱(ブレース)361をキャビネットに取り付け、キャビネットを設置する床にボルトで締め付けることなどによって、構造物を支えることもできる。1又はそれ以上の扉を用いることもできる。2枚の扉を使用する場合には、戸当たり362を有することもある。キャビネットは、プロセス制御計器装備を取り付けるためのコンパーメント(又は「コントロール・ボックス」)370を有することもできる。別の態様では、プロセス制御計器装備をキャビネットの外側に取り付けることもある。プロセス制御計器装備は周知であって、種々の供給源、例えばオムロン社(Omron, Inc.)などから入手することができる。プロセス制御計器装備は、図4に示すようなタッチスクリーン393に接続することができる。
キャビネットは、所定の数のバルブ382(例えば、空気作動バルブ)、例えば米国特許第5,465,766号、同第5,562,132号、同第5,590,695号、同第5,607,002号及び同第5,711,354号に開示されているようなバルブを有するバルブ・マニホールド380を有していてよく、これらの特許の全ては引用することによって本明細書に包含されるものと、又は本明細書に記載されているものとする。マニホールドは、マニホールド、ライン及び取り付け具(又は継手)内にパージされないデッド・レッグ(dead leg)が存在しないように構成することが有利であり得る。この点に関して、相互接続ラインにベンドがなく、また、曲がったラインもないように構成することが有利なこともある。一般に、システム内の圧力は、上流側の圧力が下流側の圧力よりも高くなるように調節される。バルク・キャニスター用のキャビネットにおける代表的なマニホールド及びシステム・ラインの構成を図6に示しているが、これに限定されるものではない。図3において、バルブ382はコントロール・ボックス370内に収容されているプロセス制御計器装備を用いて制御することができる。手動操作バルブ、空気作動バルブ又はその他の種々のバルブを含めて、これらに限定されず、多様な種類のバルブを使用することができるということを理解されたい。バルブマニホールドを閉鎖するためにマニホールド扉384を有することがある。スクープ383をキャビネット350内に設けて、そこからマニホールド・ラインを配設することもできる。スクープ383は、キャニスター301の穴305の中に嵌まり込むのに好適な寸法とすることができる。スクープ383を、適当な排出フロー(exhaust flow)が可能となるような寸法とすることもできる。スクープ383はこのようにキャビネット内における排出の流れ全体を含み、適当なバランスとなるように調節することができる。スクープ383は、マニホールド領域におけるすべての液体漏出物を、そのような漏出物を収容するようにカート300の下方へ導く機能をも有し得る。図3には、通気開口下側部分を有するチューブ386も示されており、チューブは排気部(exhaust)の中に結合されており、それによってキャビネットを通る排気フローを調節し及びバランスさせることができる。キャビネットは排気出口381を有していてもよい。場合により、キャビネット350の後方側面にバンパー392を取り付けて、カート301のストッパとして作用させることができる。
図4は、図3のキャビネット350における扉390として使用するための2枚扉システムを示している。図4においては2枚扉システムを示しているが、それに替えて1又はそれ以上の枚数の扉を使用することもできる。図4において、左側の扉399及び右側の扉391は、キャビネット350の内側面が見えるように示されている。各扉は、それらをキャビネット350へ取り付けるためのバネ付きのヒンジ394、扉ロック手段395、及び排気口396を有している。更に、扉391はプロセス制御計器装備に接続されるタッチ・スクリーン393を有することもできる。タッチ・スクリーン393は、オペレーターにプロセスの構成を観察させたり、又は変更させたりすることを可能にする機能を有する。
図5は、キャビネット350内に収容されているカート300内に設置された場合におけるキャニスター301を示している。従って、図5は、本発明のシステムの構成を示している。キャニスター301は例えばクレーンなどを用いてカート300の中に配置され、その後カート300には頂部330が取り付けられ、これによってキャニスター301が横方向に動いたり揺れたりすることは低減される。キャニスター301は、カート300の中へ装着する前又は後のいずれの時点で充填してもよい。図5では、スクープ383を垂直方向のシース304における穴305の中を通して挿入し、ピッグテイル(pigtail)(即ち、マニホールド・ライン)を穴305の縁部による摩滅から保護することができるということも理解することができる。バネ付きのリフティング・デバイスを用いて、分離した場合にピッグテイルを自動的に持ち上げるようにすることもできる。取り扱う際に取り付け具303を保護する垂直方向のシース304が、孔が設けられたカート頂部330のホール334の中に嵌め込まれることも示されている。
キャニスター301は、キャニスター301を持ち上げて、カート300の中へ移動させて設置することによってカート300内に設置することができる。カート300には高荷重に耐えられるホイール(ローラ)310が設けられているので、バルク・キャニスター301を収容しているカート300は単に手で押すことによって好都合に移動させることができる。有利な態様では、カート300は貯蔵及び供給キャビネット350の中に押して入れることができる。図3に示すように、キャビネット350及びカート300には、オペレーターがカート300をキャビネット350の中に設置する際に役立つガイド314及び364を有する構成となっている。本発明の利点は、漏出物が生じた場合に、移動式カート300は漏出物を収容する機能を有しており、キャニスターを吊るための格子(grating)を格納リザーバ上で用いる常套のキャビネットに比べて、バルク・キャビネット内においてそのような格子を本発明は必要とはしないため、本発明におけるキャビネット350は寸法に関して小さくすることができるということである。尤も、2次キャビネットにはそのような常套の構成を用いることができる。更に、キャニスター301を設置する場合に、キャビネット内には格子もリザーバーも設けないので、常套のキャビネットのように配置のために上昇させたり持ち上げたりする必要はない。本発明のキャビネット及び移動式自己格納システムは、このように、より小さいスペースしか必要としないにも拘わらず、格納を行うことができる。本発明のシステムをクリーンルーム環境において使用する場合には、大きなキャニスターをキャビネットの中へ設置するためにフォークリフトを必要としないことが有利である。クリーンルーム・フォークリフトはまれで、高価であること、並びにキャニスターを内部に設置するキャビネットの領域に広い領域およびクリアランスを必要とするので、このことは特に有利である。
本発明のバルク供給システムを用いて移送することができる化学物質の種類は、プロセス・ツール及び所望する結果の種類に応じて幅広く変動し得る。代表的な化学物質には、テトラエチルオルトシリケート(「TEOS」)、トリエチルホスフェート、トリメチルホスファイト、トリメチルボレート、四塩化チタン、タンタル化合物など;塩素化された炭化水素、ケトン、例えばアセトン及びメチルエチルケトン、エステル、例えば酢酸エチル、炭化水素、グリコール、エーテル、ヘキサメチルジシラザン(「HMDS」)などの溶媒;液体中に分散された固体配合物(または化合物)、例えばバリウム/ストロンチウム/チタネートカクテル(混合物)などが含まれるが、これらに限定されるものではない。送出する化学物質が有機液体中に懸濁された固体である場合、有機液体が蒸発する時にライン内に固形物が蓄積されることを防止するように、マニホールドの構成は、すべてのラインにて液体フラッシュさせることができるようにすることができる。分散液を使用する場合、ライン内の圧力を下げたときにライン内に配合物が沈降(または析出)しないように、トリグリム又はテトラヒドロフラン(THF)などの液体溶媒によってラインをフラッシュする(洗い流す)ことが好ましい。化学物質についてのこれらの例は本発明について何らかの限定をしようとするものではない。化学物質には、種々の純度の化学物質、及びそれらの混合物を使用することができる。1つの態様では、1種の化学物質を使用する。所定の化学物質は、微量金属に関して、99.999%又はそれ以上の純度を有することが有利である。
図6は、第2キャビネット102を含まない場合において、キャビネット101において用いるための、代表的なキャニスター、パージ・マニホールド、及びシステム供給マニホールドを示している。図6にはバルク・キャニスター610が示されており、これは200リットルのキャニスターであってよい。気体源630から、ライン631、キャリヤー・ガス遮断バルブ632、キャニスター・バイパス・バルブ634、第2フローイング・パージバルブ(「FP2」バルブ)636、及びキャニスター入口バルブ638を通して正圧をかけることによって、バルク・キャニスター610は、ライン611、612及び613、並びにキャニスター出口バルブ640、プロセスライン遮断バルブ(PLI)642、及びフィルター・アッセンブリ620を通して、4ポート・プロセス供給マニホールド670へ化学物質を供給し、そこで化学物質は4つのストリームに分けられ、出口バルブ672を通って排出される。出口バルブ672はラインを通して化学物質をバルブ・マニホールド・ボックス(図示せず)へ供給する。化学物質は、プロセス供給マニホールド670に入る前に、フィルター・アッセンブリ620を通過することによって不純物が除かれる。本発明の重要な特徴の1つは、フィルター隔離バルブ622A及び622Bを、流れがフィルター・バイパス・バルブ624を通って導かれるように操作することによって、フィルター容器621の全体を取り外したり、交換したりできるということである。(閉じている)PLI642と隔離バルブ622Aとの間、並びにフィルター遮断後方バルブ(PFI)626と隔離バルブ622Bとの間で適当な取り付け具(継手)を分離させた後、フィルター・アッセンブリを新たなアッセンブリと交換することができる。フィルター及び化学物質を含んでいる古いアッセンブリは、システムの停止時間をほとんど取らずに取り扱うことができる。このことは、煩雑で、誤りを犯しやすく、時間のかかるフィルター媒体自体の交換作業を避けることができるため、有利である。供給マニホールド670において、分配供給バルブ671は化学物質の出口バルブ672への流れを遮断する機能を果たす。マニホールドには、サンプリング・ポートが設けられていてもよい。マニホールドシステムは全体として、フローイングガスのパージ及び減圧(又は真空)サイクルを交互にさせることによってキャニスターを交換する前又はシャットダウンする前に清掃することができる。この点に関して、キャニスターの圧力を下げた後で、フローイングガス・パージサイクルはラインの液体ドレンによって完了させることができる。例えば、気体は、ソース630からCGI632、CBV634、PLI642、キャニスター出口バルブ640及びライン613を通して導くこともでき、そうすることによって液体をキャニスター内へ一掃することができる。所望する場合には、フィルター・アッセンブリをドレンすることもできるが、隔離バルブ622を閉じて、流れをフィルター・バイパス・バルブ624を通るように移動させ、キャニスター610を通りその中へ入るライン613を通る気体の流れによって液体ドレンを行うことが、より一般的である。液体ドレンを進める際に、キャニスター610からライン652を通して通気口654へ気体が放出されるように、FP2 636及び第1フローイング・パージバルブ(FP1)650は開いていると理解することができる。このことによってキャニスター610内に圧力がかかることが防止される。
ライン・ドレンの後で、減圧段階及びフローイング・ガス・パージを含むサイクル・パージを開始することができる。例えば、減圧供給バルブ(VGS)656を開いて、減圧源657、例えばベンチュリ・ジェネレーターの中へ気体を入らせることができ、キャニスター入口バルブ638及びキャニスター出口バルブ640を閉じると、ライン652を通じてマニホールドシステムは減圧状態となる。別の態様では、真空ポンプを使用することができる。その後、(キャニスター入口及び出口バルブ638及び640は閉じた状態に保って、)VGS656を閉じた後、所望するように気体源630からマニホールドの中へ気体を導入することによって、フローイング・パージ(flowing purge)を行うことができる。サイクル・パージを何回か繰り返して、キャニスター610を交換するために取り付け具を取り外す前に、ラインの中に化学物質が実質的に存在しないことを確実にする。
ライン613へ直接連結されてフローイング・パージ用の気体を供給するライン629を用いる代わりに、点線628のラインを用いることもできる。この別の態様の構成では、フィルター後方パージ・バルブ(PFP)627を開いて、化学物質をキャニスター610の中へ圧入することによって、ライン・ドレンを行うことができる。この構成では、PFI622Bは三方バルブであってよい。このようなアレンジメントによる利点は、PFI626の下流側のシステム及びラインを湿潤状態にとどめることができるということである。
図1又は1Aに示すシステムが第2バルク・キャビネット102を有する場合、第2バルク・キャニスターを接続するラインは、例えば、供給マニホールド670へフィードするライン613におけるポイント680にて連結することができる。この構成を用いる場合、キャニスター610を交換している場合、あるいはそれ以外にも保守や修理などのためにラインが機能していない場合等に、第2バルク・キャニスターがPFI 626の下流側で化学物質を供給することができるように、点線628で示すラインを用いて、PFP 627を通してパージ用の気体を供給することが好ましい。
キャニスターの出口バルブ640はまた、第3のフローイング・パージバルブとして作用することが考えられる。したがって、ガスはライン641を経由してシステムをパージし、それにより、マニホールドにおいてデッド・レッグは実質的に存在しないこととなる。
図1のキャビネット101に含まれるシステムの1つの実施態様は、米国特許第5,711,354号明細書の図36および37に示されており、それらは引用により本明細書に組み込まれる。
本発明のキャビネットは、それが危険な爆発する可能性のある環境で使用するのに適したものとなるように構成できる。一般に、これは、不活性ガスで覆われる領域に全ての電子要素を隔離することにより達成される。このようにして、電子要素から発する火花は、実質的に酸素を有しない環境にあることとなり、そのことは、キャビネットに存在し得る蒸気に起因する爆発の可能性を著しく減少させる。このキャビネットの1つの非限定的な代表的な実施態様を図7Aおよび7Bに示す。
図7Aおよび7Bにおいて、表示されている符号は、図7Aおよび7Bにおいて数字の後に文字「A」が付加されていることを条件として、図3に関して先に説明した要素に対応している。図7Aおよび7Bにおいて、コントロール・ボックス370Aおよびタッチ・スクリーン393Aは、キャビネット700において隔離されている。コントロール・ボックス370Aは、プロセス・コントロール回路(またはプロセス制御計器装置)のような電子計装(図示せず)を含んでいてよい。使用中、コントロール・ボックス370Aおよびタッチ・スクリーン393Aのハウジングは不活性ガスで満たされ、不活性ガスは1つまたは複数のパージ・ライン771で供給してよい。1つまたは複数のパージ・ライン771をタッチ・スクリーン393Aのハウジングに接続してよい。追加の導管を用いて、パージ・ライン771に接続されていないコントロール・ボックスに不活性ガスが直接に流れるようにしてもよい。このようにして、単一のラインを用いて不活性ガスの覆い(blanket;またはブランケット)をタッチ・スクリーンおよびコントロール・ボックスの両方に提供するようにしてよい。1つまたは複数の圧力解放バルブ772を用いて最初のパージを行い、また、コントロール・ボックスおよびタッチ・スクリーンに用いられるハウジングから過剰の不活性ガスを排出させてもよい。所定の時期に最初の高圧パージを実施し、隔離された要素への不活性ガスを監視、計測する、パージ・コントロール・ユニット773が含まれていてよい。常套のパージ制御装置、例えば、エキスポ・セーフティ・システムズ(Expo Safety Systems)から入手できるものを採用してよい。
図7Bに示すように、タッチ・スクリーン393Aは仮想線394Aで示されるハウジング内に収容してよい。タッチ・スクリーンを完全に隔離するために、追加の要素を採用してよく、例えば、ガスケット材料394B、パージ・ガス・フィードのための開口部を有するプラスチック製(例えばアクリル製)スペーサー394C、タッチ・スクリーン・ウィンドウのガスケット材料394E、およびパージ・エンクロージャー・フレーム(purge enclosure frame)394Fによって所定位置に保持されるプラスチック製のウィンドウ(例えば、導電性のポリカーボネート製シート)394Dを使用してよい。タッチ・スクリーンがこの代表的な様式において更に隔離される場合、タッチ・スクリーンへは、例えば、磁石の棒および紐394Hを使用して操作される鋼製のボール394Gを用いてアクセスできる。
図8には、この発明のマニホールド・システムが示されている。図8において、ベンチュリ(Venturi)真空発生装置のような真空源14をライン12を介して真空供給バルブ(「VGS」)10に接続してよい。VGS10は、真空源がベンチュリ真空発生装置である場合、不活性ガスライン11を経由する真空源14へのガス(例えば、窒素、ヘリウム、またはアルゴン)のフロー(または流れ)をコントロールするように機能する。真空源14はまた、排気口に出て行く排気ライン13に取り付けてよい。真空源14は低圧排気(またはベント)バルブ(low pressure vent valve;「LPV」)20、キャリヤーガス遮断バルブ(carrier gas isolation valve;「CGI」)30、キャニスター・バイパス・バルブ(canister bypass valve;「CBV」)40、および制御バルブ(コントロール・バルブ、control valve;「CP3」)60に接続してよい。CGIはまた、キャリヤーガス入口バルブと称してもよい。図8において、真空源14はライン15、T字管18およびライン17を介してLPV20に接続し;ライン15、T字管18、ライン16、T字管35、およびライン37を介してCGI30に接続し;ライン15、T字管18、ライン16、T字管35、ライン36、T字管44、およびライン43を介してCBV40に接続してよい。ライン37のチェック・バルブ(または逆止弁)33は、マニホールドが所定の開放圧力を超えない限り、またそれまで閉じられている。したがって、真空源14は一般に、ライン37を介してCGI30から遮断されている。一般に、チェック・バルブ33は、マニホールドの圧力が前もって設定されたレベル、例えば1平方インチあたり約100ポンドを超える場合に作動するようにセットしてよい。チェック・バルブは、システムの圧力が選択したレベルに達した場合に、ガスを排出する作用をする。LPV20の機能は、起動(スタートアップ)時およびキャニスターの切り替え時にマニホールドおよびキャニスターの通気および排気をコントロールすることである。また、真空ゲージ22をLPV20に接続してよい。真空ゲージ22は、パージ・サイクルの間の真空を監視するように機能し得る。ライン23はLPV20をCGI30に接続してよい。。ライン31は、加圧された不活性ガスのフローを供給するレギュレーター32にCGI30を接続し得る。供給圧力ゲージ36は、レギュレーター32に接続され、レギュレーターの圧力と全操作の間の圧力を監視する。
図8において、ライン34はCGI30をCBV40に接続してよい。ライン41および42は、CBV40をプロセス・ライン遮断バルブ(「PLI」)50および制御バルブ(「CP2」)70に接続する。PLI50の機能は、マニホールドから出る化学物質の流れを制御することである。CGI30は、加圧されたガスのマニホールドへの供給をコントロールするように機能する。CBV40の機能は、PLI50およびライン71への圧力または真空の供給をコントロールすることである。ライン51は化学物質をシステムの外部にある装置または補充すべきもう1つのキャニスターのいずれに運んでもよい。ライン52はPLI50を制御バルブ(「CP1」)80に繋ぐように作用してよい。ライン62は制御バルブ60を制御バルブ70に接続してよい。制御バルブ70から、ライン71はT字管継手72に接続してよく、T字管72からはライン73および74がそれぞれ制御バルブ80およびキャニスターの入口バルブ(「CI」)90に延びている。CI90はキャニスターの与圧および排気をコントロールするように機能する。制御バルブ80はライン81を介してキャニスターの出口バルブ(「CO」)100に繋がっていてよい。CO100は、化学物質が送り出されている間のキャニスター110からの化学物質の流れをコントロールし、また、キャニスターを交換する間のキャニスターの出口接合部のパージをコントロールするように機能する。CI90およびCO100は、マニホールドを、一般には雄型および雌型のねじ継手のような取付部品と共に、供給キャニスターにある対応する構造物に連結する作用をする。マニホールドをキャニスター110に接続する取付部品(カプラー)は一般に、CI90とT字管72との間、およびCO100とCP1 80との間に存在する。CO100が両用作動式バルブ(またはデュアル・アクチベーター・バルブ)である場合、T字管72は下方へずらされてCI90と直接に結合して、ラインが両用作動式バルブをCI90に直接に接続するようにする。
キャニスター110には、種々の化学物質が充填され得、一般には半導体製造に使用する高純度の化学物質を入れる。例えば、キャニスターはTEOS、砒素化合物、チタン化合物、ホウ素化合物、銅化合物等を含んでよい。本発明の1つの態様において、キャニスター110は少なくとも部分的に、化学物質中の微量金属の量に基づく純度が少なくとも99.9999%である化学物質で満たされる。
上述のラインは導管、配管材料、パイプ、通路等とも称されるものであり、これらは、例えばステンレス鋼製の管状材料のような、金属製の管状材料で構成してよい。各バルブは、常套の空気圧で作動するバルブ、例えば、ニュープロ(NUPRO)6L−M2D−111−P−IIIガス量調節バルブであってよい。同様に、レギュレーターは、標準タイプのものであってよく、例えば、エー・ピー・テック(AP Tech)1806S 3PW F4−F4 V3レギュレーターであってよい。システムは、例えば、圧入バルブ(pressure fitting valve)の使用および溶接等、常套の方法を使用して組み立ててよい。バルブは、常套のプロセス制御装置、例えば、タッチ・スクリーンのコントロール・パネルに接続されるオムロン(Omron)のプログラム可能なコントローラ・ボックスを用いて制御してよい。別法として、バルブは、エプロム(EPROM)に属するソフトウェアとともに、コマンドシーケンスを実行する内蔵されたマイクロプロセッサを組み込んでいるADCS APC(商品名)コントローラを用いて、コントロールしてよい。コントロール・ユニットは、例えば、開放または閉鎖された空気圧式バルブへの加圧されたガスのフローをコントロールしてよい。
使用中、本発明のマニホールドは次のように操作してよい。キャニスター110から供給ポイントへ化学物質を押し出すために、マニホールドのバルブを適当に開閉して、加圧されたガスがシステムおよびキャニスターの中に入るようにする。図9において、ライン120は加圧されたガスがキャニスター110に入る経路を示し、ライン111は、浸漬管121を経由してキャニスター110から出る液体化学物質の経路を示している。したがって、供給源(図示せず)からの加圧されたガスは、レギュレーター32によってライン31中に放出される。ガスはその後、開いているCGI30を通過し、それから、ライン34、CBV40、ライン71、CI90を経由してキャニスター110の中に入る。入ったガスの圧力は液体化学物質を浸漬管中を上方に押し進め、CO100、ライン81、CP1 80、ライン52、PLI50および排出ライン51を経由させて、受入れポイントに移動させる。
供給キャニスター(化学物質で満たされたキャニスターである場合をも含む)を取り替えている間、ラインをパージして残留化学物質をマニホールドから取り除いてもよい。第1の工程は減圧であり、これはキャニスター110のヘッド圧を取り除くように機能する。減圧は幾つかの方法で実施できる。例えば、減圧させる2つの手順が図10に示されている。実線130で示される1つの減圧方法においては、VGS10を開放し、ガスをライン11からライン12を経由させて真空源14内に流し、ライン13を経由して排出するフローによって真空が生じるようにする。真空源14で生じる真空は、ライン15、T字管18、ライン16、T字管35、ライン36、T字管44、ライン61で真空引きし、開いたCP3 60、ライン62、CP2 70、ライン71、T字管72、ライン74、および開いたCI90を経由し、それによりキャニスター110の上部空間で真空引きする。別法として、減圧は、LPV20、CP2 70およびCI90を開き、実線135を経由して真空引きすることにより実施できる。
減圧後、液体を排出させて(またはドレン抜きして)、液体のライン(接合部)を清掃する。したがって、図11において、ガスがレギュレーター32を介してライン31中に導入される。CGI30、CBV40、およびCO100は開いており、ガスがライン34、41、52および81を経由して流れ、液体の化学物質がキャニスター110に戻されるようになっている。ラインの排液の間のガスのフローは実線140によって示されている。
その後、サイクル・パージが実施される。サイクル・パージには、それぞれ図5および図6に示されるような、真空工程およびフローイング・パージ(流体を流すバージ)工程が含まれる。真空工程は種々の経路で実施してよく、図12において実線150および155で示される経路を介するものを含む。したがって、1つの態様において、CBV40およびLPV20は開いており、VGS10が開いていてガスがライン11および12を介して真空源14に入る場合に、真空がライン13を介して排出されるように引かれ、それにより、ライン15、17、23、34、41、52および81で真空に引かれるようになっている。別法では、LPV20およびCP2 70が開いていて、ライン15、17、23、34、42、71および74で真空に引かれるようになっている。更に、ライン42、71および74、ならびにライン41、52および81で真空に引かれるように、LPV20、CP2 70およびCBV40は全て開くことができる。交互に開放して、ライン42/71/74および41/52/81を間欠的に排気することが可能である。
図13では、サイクル・パージのフローイング・パージが図示されている。図13において、レギュレーター32は加圧されたガスをライン31中に導入している。図13において実線160で示されるように、CGI30、CBV40、CP1 80、およびCP3 60を開いた状態で(CI90およびCO100は閉じられていることに留意)、ガスはライン34、41、52、73、71、62、61、36、16、15および13を経由して流れ、それによりマニホールドをパージする。ライン23および17がパージされるように、LPV20は断続的に開いてよい。パージした後、マニホールドで正圧を維持している状態で、水分がマニホールドに入らないように、取付部品は一般に取りはずされる。例えば、取付部品を取りはずした後、CGI30、CBV40およびCP2 70を開き、ガスがライン74および81から流れるようにしてよい。新しいキャニスターを設置した後、一般にパージ・サイクルを繰り返して、新しいキャニスターの取付部品および接合部内に存在し得る水に加え、マニホールドに入った可能性のある水またはその他の汚染物質を取り除く。
図14において、この発明の別の態様を示す。当該態様は、LPV20、ライン17および23、ならびにゲージ22が無いことを除いては、図8に示す態様と同様である。CO100が両用作動式バルブ(またはデュアル・アクチベーター・バルブ)である場合には、ラインがデュアル・アクチベーターをCI90に直接に接続し、また、マニホールドにおいて潜在的なデッド・レッグの数が減るように、T字管72を下方にずらして、CI90と、また、デュアル・アクチベーターに直接に取り付けられている制御バルブ80とに直接に接続することができる。図14に示す態様において、CBV40へのライン43は適宜取り除いてよい。図9に示されるフロー・スキームと同じものを採用して、図14の構成に合うようにキャニスター110から化学物質を押し出してよい。図14に示す構成の減圧は、図10で線130として示されているフロー・スキームを使用して実施してよい。それから、図11で実線140として示されている液体の排出を、図14の構成に合わせて採用してよい。真空工程は、図15において線180で示すように実施してよい。図13のフローイング・パージを図14の構成に合わせて用いてよい。本発明の態様は多くの利点を有し、その中には、バルブの数が減り、それによりマニホールドのコストが下がること、漏れの生じ得る箇所の数が減ること、ならびに所定のマニホールドでバルブが故障する可能性が小さくなることが含まれる。この態様はまた、システムにおけるデッド・レッグの数を減らし、その結果、フローイング・パージの効率がより良くなる。キャニスターを取り替えている間にラインから化学物質をより良く取り除くことができるために、この態様のマニホールドは、危険な化学物質、例えば砒素化合物とともに使用してよいシステムを提供する。同様に、このマニホールドの態様は、分散体、例えば、ダイグリムおよびトリグリムのような有機キャリヤ液体に分散した金属または固体配合物をより良く使用することを可能にする。分散体を用いる場合、ラインが減圧されるときにラインに配合物が沈殿しないように、ラインを、例えば、トリグリムまたはテトラヒドロフラン(THF)のような液体溶媒で洗い流すことが好ましい。更に、この発明のいずれの態様についても、ラインでの化学物質の蒸発を促進するためにマニホールドを加熱し得ることが考えられる。この場合、マニホールドを、バリアック(variac)等に繋がれた加熱テープで巻いて、加熱された雰囲気中で維持し得る。フローイング・パージの間、蒸発を容易にするために、加熱したアルゴン、窒素、またはその他の不活性ガスのような、加熱したガスを代わりに用いることができる。これらの方法の組み合わせもまた採用することができる。幾つかの種類の化学物質に関しては、1つまたは複数の配合物とラインで反応してより容易に排出される化合物を生成する、反応性化学物質でパージすることも可能である。
この発明のマニホールドは、マニホールドのラインが化学物質を含んでいるかどうかを決定するために、例えばライン15に取り付けられたセンサーを含んでいてよい。同様に、サンプル・ポート(またはサンプル引出し口)がライン15に含まれていてよく、そこでは、ラインからのガスのサンプルを取り出し、化学物質の存在を検査する分析装置を用いて検査することができる。
この発明の更なる修正および別の態様は、この明細書を考慮すれば当業者に明らかであろう。したがって、この明細書の説明は例示的なものにすぎないと解釈されるべきであり、本発明を実施する方法を当業者に教示するためのものである。ここで示され、説明された本発明の形態は、現時点で好ましい態様として取り扱うべきものであることが理解されるべきである。本発明のこの説明の利点を有するに至った後、当業者において明らかであるように、ここで図示され、説明された要素を、等価な要素で置き換えてもよく、本発明のある特徴は他の特徴の使用とは別に独立して利用してよい。