JP5344851B2 - 簡易回転伝達ユニットおよび研削盤 - Google Patents
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Description
このねじ状ドラム10は、軸方向一方側つまり図8の右側から見て反時計方向に回転させ、このねじ状ドラム10を図8における左から右へ研削砥石11に対し相対的に移動させながら、案内ねじ面10a等が研削される。前記ねじ状ドラム10を軸回りに時計方向に回転させ、このねじ状ドラム10を図8における右から左へ研削砥石11に対し相対的に移動させながら、案内ねじ面10a等が研削される。このように、研削方向、すなわちねじ状ドラム10の回転方向が変わるので、従来のように、ケレ12とケレ回し13とが片側のみで接触している回転伝達ユニットでは、回転位相がずれ、円周方向に沿ってうまく研削できない。
しかしながら、ケレ回し13Aに取付けたボルト14,14で、ケレ12を挟んだ回転伝達ユニットの場合、駆動側である主軸15の回転中心L1と、従動側であるドラムスピンドル16の回転中心L2とに、例えば、数μmの僅かな芯ずれがある。このため、ケレ回し13Aのボルト14,14で挟み込んだケレ12、ドラムスピンドル16の軸方向一端部を振れ回し、その結果、ドラム10の研削面の振れ精度を悪化させる。
前記伝達機構は、前記主軸の径方向に沿う線を挟んで互いに離隔して配置した複数の摩擦低減部材を設けたケレ回しと、一の摩擦低減部材と他の摩擦低減部材との間に、回転方向隙間を無くし且つこのケレ回しに対して主軸の径方向に移動自在に挟み込んだケレとを備え、前記ケレ回しまたはケレに、少なくともいずれか1つまたは全部を前記回転スピンドルまたは前記主軸に対して前記回転方向隙間を無くす方向に移動可能に取り付けた移動ブロックを設け、前記いずれか1つまたは全部の前記移動ブロックに対し、前記回転方向隙間を無くす方向に押し付ける押付具を設け、この押付具で押し付けられた前記移動ブロックを移動不能にロックするロック手段を設け、
前記ケレ回しおよびケレのいずれか一方を、前記回転スピンドルの軸方向一端部に設けると共に、いずれか他方を前記主軸端部に設けたことを特徴とする。
この場合において、駆動側である主軸の回転中心と、従動側である回転スピンドルの回転中心とに、例えば数μm程度の僅かな芯ずれがあっても、ケレがケレ回しに対して主軸の径方向に円滑に相対移動し、前記芯ずれを許容する。これにより、回転スピンドルの軸方向一端部の振れ回しが生じ難くなる。したがって、回転スピンドルに装着した被加工物の加工面の振れ精度の向上を図ることが可能となる。それ故、被加工物の加工精度を簡単に向上することができる。ケレを回転スピンドル側に設け、ケレ回しを主軸側に設けても良い。逆に、ケレを主軸側に設け、ケレ回しを回転スピンドル側に設けても良い。
ケレとケレ回しという名称は、一般的に伝達装置において、従動側をケレ、駆動側をケレ回しと呼ぶが、ここではどちらも両方の役目を果たすことができるため、部材の名称を区別するための名称とし、駆動側、従動側には限定しない。
前記伝達機構は、前記主軸の径方向に沿う線を挟んで互いに離隔して配置した複数の摩擦低減部材を設けたケレ回しと、一の摩擦低減部材と他の摩擦低減部材の外側に配置し、これら摩擦低減部材を挟み込み、回転方向隙間を無くし且つこのケレ回しに対して主軸の径方向に移動自在であるケレとを備え、前記ケレ回しまたはケレに、少なくともいずれか1つまたは全部を前記回転スピンドルまたは前記主軸に対して前記回転方向隙間を無くす方向に移動可能に取り付けた移動ブロックを設け、前記いずれか1つまたは全部の前記移動ブロックに対し、前記回転方向隙間を無くす方向に押し付ける押付具を設け、この押付具で押し付けられた前記移動ブロックを移動不能にロックするロック手段を設け、前記ケレ回しおよびケレのいずれか一方を、前記回転スピンドルの軸方向一端部に設けると共に、いずれか他方を前記主軸端部に設けたことを特徴とする。この第2の発明に係る簡易回転伝達ユニットの構成においても、前述の第1の発明と同様の作用、効果を奏する。
この発明の第3の発明に係る簡易回転伝達ユニットは、回転可能に設けられ、外周に被加工物が装着される従動側の回転スピンドルと、この回転スピンドルの軸方向一端に対向して設けられ、同回転スピンドルの回転軸心と同心位置に設けられる端部を含む主軸であって、この主軸端部から前記回転スピンドルに回転駆動力を与える駆動側の主軸と、この主軸から回転スピンドルに回転駆動力を伝達する伝達機構とを有する簡易回転伝達ユニットにおいて、
前記伝達機構は、前記主軸の径方向に沿う線を挟んで互いに離隔して配置した複数の摩擦低減部材で、一の摩擦低減部材をケレ接触部に接するように設けたケレ回しと、他の摩擦低減部材をケレ回しに接するように設け、回転方向隙間を無くし且つこのケレ回しに対して主軸の径方向に移動自在であるケレとを備え、前記ケレ回しまたはケレに、少なくともいずれか1つまたは全部を前記回転スピンドルまたは前記主軸に対して前記回転方向隙間を無くす方向に移動可能に取り付けた移動ブロックを設け、前記いずれか1つまたは全部の前記移動ブロックに対し、前記回転方向隙間を無くす方向に押し付ける押付具を設け、この押付具で押し付けられた前記移動ブロックを移動不能にロックするロック手段を設け、前記ケレ回しおよびケレのいずれか一方を、前記回転スピンドルの軸方向一端部に設けると共に、いずれか他方を前記主軸端部に設けたことを特徴とする。この第3の発明に係る簡易回転伝達ユニットの構成においても、前述の第1の発明と同様の作用、効果を奏する。
前記伝達機構は、前記主軸の径方向に沿う線を挟んで互いに離隔して配置した複数の摩擦低減部材を設けたケレ回しと、一の摩擦低減部材と他の摩擦低減部材との間に、回転方向隙間を無くし且つこのケレ回しに対して主軸の径方向に移動自在に挟み込んだケレとを備え、前記ケレ回しまたはケレに、少なくともいずれか1つまたは全部を前記回転スピンドルまたは前記主軸に対して前記回転方向隙間を無くす方向に移動可能に取り付けた移動ブロックを設け、前記いずれか1つまたは全部の前記移動ブロックに対し、前記回転方向隙間を無くす方向に押し付ける押付具を設け、この押付具で押し付けられた前記移動ブロックを移動不能にロックするロック手段を設け、前記ケレ回しおよびケレのいずれか一方を、前記回転スピンドルの軸方向一端部に設けると共に、いずれか他方を前記主軸端部に設けたため、主軸と回転スピンドルとの芯ずれにより生じ得る振れ回しを小さくし、被加工物の加工精度の向上を図ることができる。
図2に示すように、簡易回転伝達ユニット21は、従動側の回転スピンドル23と、駆動側の主軸24と、伝達機構25とを有する。図5に示すように、回転スピンドル23は、一対の受け台26,26により図示外の転がり軸受等を介して回転可能に支持されている。これら受け台26,26は、図4に示す回転スピンドル23の軸方向一端、他端に離隔して配置されている。図4、図5に示すように、この回転スピンドル23のうち、受け台26が支持される部位を除く外周に、前記ワークWが回転スピンドル23に一体的に外嵌装着される。
図1、図2に示すように、伝達機構25は、主軸24から回転スピンドル23に回転駆動力を伝達する機構である。この伝達機構25は、主に、ケレ28と、ケレ回し27とを有する。本実施形態では、ケレ28を回転スピンドル23に設け、ケレ回し27を主軸24に設けている。逆に、ケレ28を主軸24に設け、ケレ回し27を回転スピンドル23に設けても良い。この場合であっても本実施形態と同様の効果を奏する。
前記円形部材29は、主軸端部24aと同心位置または略同心位置に固定されている。図2に示すように、この円形部材29の軸方向一端面29aのうち半径方向外径側の端面の一部に、ベースブロック30が例えば4本のボルト40により取外し可能に固定される。このベースブロック30は、ケレ回しブロック31を主軸軸方向に移動可能に取付けるための部材である。
また、図3に示すように、押し付けボルト固定部材37、押し付けボルト38、およびロックボルト39等は、同図において左右同一構造であるため左側のものだけ説明し、右側のものは同一の符号を付してその説明を省略する。
また前述の研削盤20の構成部品として、前記簡易回転伝達ユニット21を適用することで、ワークWの加工精度の向上を図ることができるうえ、研削盤20の稼働率を高めることが可能となる。
また前記簡易回転伝達ユニット21を旋盤に適用する場合でも同様の効果を奏する。
この比較結果によれば、図6(b)に示す軸受を用いた方が、回転スピンドルの振れが小さいことが分かる。
また、図13に示すように、一方の軸受33がケレ50の移動ブロック51に取り付けられ、他方の軸受がケレ回し55に取り付けられても良い。なお、移動ブロック51,51は、押し付けボルト53,53で軸受に押しつけられ、ケレブロック52に図示外のボルト等で固定される。また、ケレ回し55とケレ50は、いずれか一方が前記主軸端部に取り付けられ、いずれか他方が前記回転スピンドルの軸方向端部に取り付けられる。
本実施形態では、2個の転がり軸受を設けているが、3個以上の転がり軸受を適用しても良い。また摩擦低減部材として、ローラ軸受以外の転がり軸受を適用することも可能である。
本実施形態では、摩擦低減部材として転がり軸受を適用したが、他の摩擦低減部材として、すべり軸受を適用しても良い。
また、この軸受に代えて、図14に示すように、合成樹脂等の低摩擦材料から成る、あるいは低摩擦材料65,65が貼り付けられ、押し付けボルト66,66で内側に押された、ケレ回し62の移動ブロック64,64でケレ接触部60bを挟み込んでも良い。あるいは、移動ブロック64ではなく、ケレ接触部60bが合成樹脂等の低摩擦材料から成るブロックである、あるいはケレ接触部60bの両側に低摩擦材料を貼り付けても良い。あるいは、一方が低摩擦材料から成る、あるいは低摩擦材料65が貼り付けられたケレ回し62の移動ブロック64で、他方が低摩擦材料から成る、あるいは低摩擦材料65が貼り付けられたケレ接触部60bでも良い。
なお、移動ブロック64,64はケレ回しブロック63に図示外のボルト等で固定される。また、ケレ回し62とケレ60は、いずれか一方が前記主軸端部に取り付けられ、いずれか他方が前記回転スピンドルの軸方向端部に取り付けられる。
21…簡易回転伝達ユニット
22…回転砥石
23…回転スピンドル
24…主軸
25…伝達機構
27…ケレ回し
28…ケレ
33…転がり軸受
34…軸受ホルダー
38…押し付けボルト
51…移動ブロック
δ…回転方向隙間
Claims (7)
- 回転可能に設けられ、外周に被加工物が装着される従動側の回転スピンドルと、
この回転スピンドルの軸方向一端に対向して設けられ、同回転スピンドルの回転軸心と同心位置に設けられる端部を含む主軸であって、この主軸端部から前記回転スピンドルに回転駆動力を与える駆動側の主軸と、
この主軸から回転スピンドルに回転駆動力を伝達する伝達機構と、
を有する簡易回転伝達ユニットにおいて、
前記伝達機構は、
前記主軸の径方向に沿う線を挟んで互いに離隔して配置した複数の摩擦低減部材を設けたケレ回しと、
一の摩擦低減部材と他の摩擦低減部材との間に、回転方向隙間を無くし且つこのケレ回しに対して主軸の径方向に移動自在に挟み込んだケレとを備え、前記ケレ回しまたはケレに、少なくともいずれか1つまたは全部を前記回転スピンドルまたは前記主軸に対して前記回転方向隙間を無くす方向に移動可能に取り付けた移動ブロックを設け、前記いずれか1つまたは全部の前記移動ブロックに対し、前記回転方向隙間を無くす方向に押し付ける押付具を設け、この押付具で押し付けられた前記移動ブロックを移動不能にロックするロック手段を設け、
前記ケレ回しおよびケレのいずれか一方を、前記回転スピンドルの軸方向一端部に設けると共に、いずれか他方を前記主軸端部に設けたことを特徴とする簡易回転伝達ユニット。 - 回転可能に設けられ、外周に被加工物が装着される従動側の回転スピンドルと、
この回転スピンドルの軸方向一端に対向して設けられ、同回転スピンドルの回転軸心と同心位置に設けられる端部を含む主軸であって、この主軸端部から前記回転スピンドルに回転駆動力を与える駆動側の主軸と、
この主軸から回転スピンドルに回転駆動力を伝達する伝達機構と、
を有する簡易回転伝達ユニットにおいて、
前記伝達機構は、
前記主軸の径方向に沿う線を挟んで互いに離隔して配置した複数の摩擦低減部材を設けたケレ回しと、
一の摩擦低減部材と他の摩擦低減部材の外側に配置し、これら摩擦低減部材を挟み込み、回転方向隙間を無くし且つこのケレ回しに対して主軸の径方向に移動自在であるケレとを備え、前記ケレ回しまたはケレに、少なくともいずれか1つまたは全部を前記回転スピンドルまたは前記主軸に対して前記回転方向隙間を無くす方向に移動可能に取り付けた移動ブロックを設け、前記いずれか1つまたは全部の前記移動ブロックに対し、前記回転方向隙間を無くす方向に押し付ける押付具を設け、この押付具で押し付けられた前記移動ブロックを移動不能にロックするロック手段を設け、
前記ケレ回しおよびケレのいずれか一方を、前記回転スピンドルの軸方向一端部に設けると共に、いずれか他方を前記主軸端部に設けたことを特徴とする簡易回転伝達ユニット。 - 回転可能に設けられ、外周に被加工物が装着される従動側の回転スピンドルと、
この回転スピンドルの軸方向一端に対向して設けられ、同回転スピンドルの回転軸心と同心位置に設けられる端部を含む主軸であって、この主軸端部から前記回転スピンドルに回転駆動力を与える駆動側の主軸と、
この主軸から回転スピンドルに回転駆動力を伝達する伝達機構と、
を有する簡易回転伝達ユニットにおいて、
前記伝達機構は、
前記主軸の径方向に沿う線を挟んで互いに離隔して配置した複数の摩擦低減部材で、一の摩擦低減部材をケレ接触部に接するように設けたケレ回しと、他の摩擦低減部材をケレ回しに接するように設け、回転方向隙間を無くし且つこのケレ回しに対して主軸の径方向に移動自在であるケレとを備え、前記ケレ回しまたはケレに、少なくともいずれか1つまたは全部を前記回転スピンドルまたは前記主軸に対して前記回転方向隙間を無くす方向に移動可能に取り付けた移動ブロックを設け、前記いずれか1つまたは全部の前記移動ブロックに対し、前記回転方向隙間を無くす方向に押し付ける押付具を設け、この押付具で押し付けられた前記移動ブロックを移動不能にロックするロック手段を設け、
前記ケレ回しおよびケレのいずれか一方を、前記回転スピンドルの軸方向一端部に設けると共に、いずれか他方を前記主軸端部に設けたことを特徴とする簡易回転伝達ユニット。 - 請求項1または請求項3において、前記摩擦低減部材は、外輪が前記ケレまたはケレ回しに転接する転がり軸受を含む簡易回転伝達ユニット。
- 請求項1または請求項3において、前記摩擦低減部材は、外輪が前記ケレまたはケレ回しに転接するすべり軸受を含む簡易回転伝達ユニット。
- 請求項1または請求項3において、前記摩擦低減部材は、前記ケレまたはケレ回しにすべり接触させる低摩擦部材を含む簡易回転伝達ユニット。
- 請求項1ないし請求項6のいずれか1項の簡易回転伝達ユニットと、この簡易回転伝達ユニットのうちの回転スピンドルと平行な軸心回りで回転駆動され、この回転スピンドルの外周に装着された被加工物を研削加工する砥石とを有する研削盤。
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