JP4592144B2 - 割出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は割出装置に関するものであり、特に、剛性の向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
割出装置には、例えば、タレット装置がある。タレット装置は、タレットヘッドと、タレットヘッドと同軸に設けられたタレット軸と、タレット軸を回転させる回転駆動装置とを有する。タレットヘッドの外周部には、複数の加工工具が着脱可能に固定され、タレット軸は、ハウジングにより2つのテーパローラベアリングを介して回転可能に支持されている。また、回転駆動装置は、例えば、ローラギヤおよびローラギヤカムを含んで構成されている。ローラギヤはタレット軸と同軸かつ一体的に設けられ、カムフォロワたるローラがローラギヤカムのカムリブに係合させられ、ローラギヤカムが回転させられることにより、ローラギヤが回転させられるとともにタレット軸が所定角度ずつ回転させられ、タレットヘッドが間欠回転させられて、複数の加工工具が択一的に使用位置に位置決めされる。タレットヘッドはハウジングから突出させられるとともに、ハウジングに対して離間させられており、タレットヘッドとハウジングとの互いに対向する端面同士の間に隙間があり、タレットヘッドは、ハウジングとの間に摩擦を生ずることなく、スムーズに回転させられる。このタレット装置において加工時には、タレットヘッドに加えられる軸方向の負荷および半径方向の負荷は2つのテーパローラベアリングにより受けられ、タレット軸の軸線まわりの負荷はローラギヤカムによって受けられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果】
しかしながら、上記タレット装置においては、タレットヘッドがハウジングから離れているため、加工時に加工工具を介してタレットヘッドの外周部に軸方向の成分を有する負荷が加えられれば、タレットヘッドに撓みや変位が生ずることがある。タレットヘッドの剛性を高くすれば、撓みや変位の発生を防止することが可能であるが、タレットヘッドが重くなるため、限度があり、タレットヘッドの撓みや変位によって加工精度の低下が生ずる。この問題は、タレット装置に限らず、割出装置が、ワークピースを支持して複数の回転位置に選択的に位置決めするワークテーブル装置である場合にも同様に生ずる。
【0004】
本発明は、以上の事情を背景とし、剛性の高い割出装置を提供することを課題としてなされたものであり、本発明によって、下記各態様の割出装置が得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。また、一つの項に複数の事項が記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなければならないわけではない。一部の事項のみを選択して採用することも可能なのである。
【0005】
下記各項のうち、(1)項に(5)項に記載の事項を追加したものが請求項1に相当し、その請求項1に(2)項に記載の事項を追加したものが請求項2に、それら請求項1または2に(3)項に記載の事項を追加したものが請求項3に、請求項1ないし3のいずれかに(8)項に記載の事項を追加したものが請求項4に、請求項1ないし3のいずれかに(11)項に記載の事項を追加したものが請求項5に、それぞれ相当する。
(1)回転ヘッドと、
その回転ヘッドから延び出た回転軸と、
その回転軸を軸受装置を介して回転可能に支持する本体部材と、
前記回転軸を所定角度ずつ回転させ、その回転位置に保持する回転駆動装置と、
前記回転軸を前記本体部材に対して、軸方向に、引込位置と突出位置とに相対移動させる軸方向移動装置と
を含む割出装置であって、
前記回転ヘッドと前記本体部材とが、前記回転軸の引込位置において、それぞれ回転軸の軸線に直角な平面である当接面同士で当接する割出装置。
回転軸は、1回転する間に複数の回転位置に停止させられるが、複数の回転位置間の角度間隔は等間隔でもよく、不等間隔でもよい。前者であれば、回転駆動装置が回転軸を回転させる所定角度は一定となり、後者であれば、所定角度は複数に異なることとなる。
回転軸は、所定角度の回転に先立って、あるいは所定角度の回転の初期において、軸方向移動装置によって引込位置から突出位置へ移動させられ、回転ヘッドと本体部材との各当接面が離れた状態で回転ヘッドが回転させられる。また、回転軸は、所定角度の回転後、あるいは所定角度の回転の末期において、軸方向移動装置によって突出位置から引込位置へ移動させられ、回転軸が所定角度回転させられて停止した状態では、回転ヘッドと本体部材との当接面同士が当接した状態となる。回転ヘッドは、回転の大半において本体部材から離間させられるのであり、スムーズに回転させられる。回転ヘッドと本体部材とは、当接面同士において当接させられるため、噛合いクラッチによって噛み合わされる場合に比較して、回転ヘッドを本体部材から離間させるための回転軸の軸方向の移動距離は少なくて済み、容易に離間させることができる。そして、回転ヘッドと本体部材とが当接面同士において当接させられるため、当接させられない場合に比較して、静剛性および動剛性が向上する効果が得られる。回転ヘッドに加えられる軸方向の負荷が、当接面同士の当接を介して本体部材により剛性高く受けられるとともに、半径方向の負荷の一部が当接面間の摩擦力に基づいて本体部材により受けられ、回転ヘッドの支持剛性が向上するとともに、当接面間の摩擦により振動が減衰され、びびりが減少させられるのである。また、剛性の向上により、割出装置がワークピースの加工等に用いられる場合、加工工具の送り速度,ワークピースへの切込み量等を増大させることができ、加工能率が向上する効果が得られる。
(2)前記回転駆動装置が、
前記回転軸に同軸かつ一体的に設けられたローラギヤと、
前記本体部材に、前記回転軸の中心軸線と直角に立体交差する回転軸線のまわりに回転可能に支持され、前記ローラギヤと係合し、自身の一定速度の回転を前記ローラギヤの間欠回転に変えるローラギヤカムと、
そのローラギヤカムを回転させる回転駆動源と
を含む (1)項に記載の割出装置。
回転駆動装置をローラギヤおよびローラギヤカムを含むものとすれば、それらの係合により回転軸の回転位置が保たれる。
(3)前記回転ヘッドが、外周部に複数の工具保持部を有するタレットヘッドである (1)項または (2)項に記載の割出装置。
本態様においては、割出装置が複数の加工工具を保持してそれら加工工具を択一的に使用位置に位置決めするタレット装置となる。
工具保持部により保持された加工工具による加工は、タレットヘッドと本体部材とが当接面同士において当接した状態で行われる。そのため、加工工具を介してタレットヘッドに加えられる負荷が本体部材により剛性高く受けられ、精度良く加工が行われるとともに、能率良く加工を行うことができる。
(4)前記回転ヘッドが、前記回転軸側とは反対側の面にワークピースを固定するワーク固定部を有するワークテーブルである (1)項または (2)項に記載の割出装置。
本態様においては、割出装置が、ワークピースを支持して複数の回転位置に選択的に位置決めするワークテーブル装置となる。ワークテーブルは、複数、例えば、3つ以上のワーク固定部を有するものとし、3つ以上の回転位置のうちの1つをワークピースの交換を行う交換位置、残りをワークピースに加工を施す加工位置とし、ワークテーブルの所定角度ずつの回転により、複数のワーク固定部にそれぞれ固定されたワークピースの各々が順次加工位置に位置決めされ、複数のワークピースに並行して加工が施されるとともに、交換位置において、加工済みのワークピースと未加工のワークピースとが交換されるようにしてもよく、あるいは、ワークテーブルを2つのワーク固定部を有するものとし、2つの回転位置の一方をワークピースに加工を施す加工位置、他方の回転位置をワークピースの着脱を行うワークピース交換位置としてもよい。
ワーク固定部に固定されたワークピースへの加工は、ワークテーブルと本体部材とが当接面同士において当接させられた状態において行われ、ワークピースを介してワークテーブルに加えられる負荷が本体部材により剛性高く受けられ、ワークピースに精度良く加工が施されるとともに、能率良く加工が行われる。
(5)前記軸受装置が、
内輪と外輪と複数のテーパローラとを有して前記回転軸の前記回転ヘッドに近い部分を支持し、回転ヘッド側が大径側である第一テーパローラベアリングと、
内輪と外輪と複数のテーパローラとを有して前記回転軸の前記回転ヘッドから遠い部分を支持し、回転ヘッド側とは反対側が大径側であり、かつ、前記外輪が前記本体部材により軸方向に相対移動可能に支持された第二テーパローラベアリングと、
その第二テーパローラベリングの前記外輪を前記本体部材に対して前記回転ヘッドから遠ざかる向きに付勢する付勢装置と
を含む (1)項ないし (4)項のいずれか1つに記載の割出装置。
第一テーパローラベアリングは、内輪およびテーパローラが外輪に対して移動し、第二テーパローラベアリングは全体が付勢装置の付勢力に抗して移動させられて回転軸が軸方向移動装置によって引込位置から突出位置へ移動することを許容する。回転軸は、軸方向移動装置が回転軸の突出位置から引込位置への移動を許容する状態において、付勢装置の付勢により突出位置から引込位置へ移動させられる。回転ヘッドと本体部材との各当接面は、付勢装置の付勢によって互いに当接した状態に保たれ、当接面同士が当接しない場合に比較して回転ヘッドが剛性高く支持される。また、本態様によれば、回転軸を軸受装置によって回転可能に支持されたままの状態で移動させることができる。
(6)前記付勢装置が、前記本体部材と前記第二テーパローラベリングの外輪との間に予荷重を付与されて配設された皿ばねを含む (5)項に記載の割出装置。
付勢装置を皿ばねにより構成すれば、付勢装置をコンパクトに構成しつつ、回転ヘッドに負荷が加えられる状態において、回転ヘッドと本体部材との各当接面同士を当接した状態に保つのに十分な付勢力が容易に得られる。
(7)前記回転軸を、前記第二テーパローラベリングを介することなく引込方向に付勢する付勢装置を含む (5)項または (6)項に記載の割出装置。
(8)前記軸方向移動装置が、
前記回転軸と一体的に設けられ、回転軸の軸線に直角な端面がカム面とされた端面カムと、
前記本体部材に固定され、前記端面カムと係合するカムフォロワと
を含み、端面カムの回転軸と一体的な回転に基づいて回転軸を軸方向に移動させるカム装置である (1)項ないし (7)項のいずれか1つに記載の割出装置。
軸方向移動装置をカム装置とすれば、カム面の形状の設定により、回転軸の移動距離や回転に対する移動時期等の設定を容易に行うことができる。また、回転軸の回転に伴って端面カムが回転させられ、回転駆動装置と軸方向移動装置とが駆動源を共用し、装置を簡易にかつ安価に構成することができる。
(9)前記カムフォロワが、前記回転軸の中心軸線と直角に立体交差する回転軸線のまわりに回転可能なローラである (8)項に記載の割出装置。
(10)前記軸方向移動装置が、
前記ローラギヤカムと一体的に設けられ、ローラギヤカムの回転軸線に直角な端面に形成されたカム溝を備え、そのカム溝が、回転軸線からの距離が互いに異なる2つの円弧部とそれら円弧部を滑らかにつなぐ傾斜部とを有する溝カムと、
前記本体部材に、前記回転軸の中心軸線と直角に立体交差する回動軸線のまわりに回動可能に支持されたレバーと、
そのレバーの前記回動軸線から離れた部分に設けられ、前記溝カムと係合するカムフォロワと、
前記レバーの前記回動軸線から離れた部分に設けられ、前記回転軸の中心軸線と直交する肩面と係合する作用部と
を含み、前記溝カムの回転に伴う前記レバーの回動により、前記作用部が前記肩面を押して前記回転軸を軸方向に移動させる (2)項ないし (7)項のいずれか1つに記載の割出装置。
カムフォロワがカム溝の円弧部を移動するときには、レバーは回動せず、回転軸は軸方向に移動させられず、傾斜部を移動するとき、レバーが回動させられて回転軸が軸方向に移動させられる。カムフォロワが2つの傾斜部のうちの一方を移動する場合と、他方を移動する場合とでは、レバーの回動方向が互いに逆になり、回転軸の引込位置から突出位置への移動と、突出位置から引込位置への移動とが得られる。2つずつの傾斜部と円弧部とが交互に設けられており、回転軸が引込位置から突出位置へ移動した後、軸方向において停止した状態が得られる。したがって、回転軸が突出位置へ移動し、軸方向において停止した状態において、回転駆動装置によって回転させられるように溝カムを設ければ、換言すれば、ローラギヤカムがローラギヤを回転させることなく、回転している間に回転軸が軸方向に移動するように溝カムを設ければ、回転ヘッドを、その当接面が本体部材の当接面から離れた状態において回転させることができる。回転ヘッドを、その回転期間の全部において、当接面同士の当接を生ずることなく、回転させることができるのである。
(11)前記軸方向移動装置が、
前記ローラギヤカムと共に回転し、ローラギヤカムの回転軸線のまわりに形成されたカム面を備え、そのカム面が、回転軸線を中心とする円弧部と、その円弧部より回転軸線に近い側と遠い側とのいずれか一方に外れた部分と、その外れた部分の両端と前記円弧部の両端とを滑らかにつなぐつなぎ部とを有する回転カムと、
前記本体部材に、前記回転軸の中心軸線と直角に立体交差する回動軸線のまわりに回動可能に支持されたレバーと、
そのレバーの前記回動軸線から離れた部分に設けられ、前記回転カムと係合するカムフォロワと、
前記レバーの前記回動軸線から離れた部分に設けられ、前記回転軸の中心軸線と直交する肩面と係合する作用部と
を含み、前記カム面の前記円弧部から外れた部分が前記カムフォロワに対応する状態では前記回転軸が前記引込位置へ移動することを許容し、前記回転カムの回転に伴う前記つなぎ部と前記カムフォロワとの係合により前記レバーを回動させ、前記作用部と前記肩面との係合を介して前記回転軸を軸方向に移動させ、前記円弧部と前記カムフォロワとの係合により回転軸を前記突出位置に保つ (2)項ないし (7)項のいずれか1つに記載の割出装置。
回転カムを、前記(10)項におけるようにローラギヤカムと一体的に構成すれば軸方向移動装置の構成を単純化し得るが、不可欠ではない。例えば、回転カムを、ローラギヤカムあるいは回転駆動源と歯車列等により接続し、ローラギヤカムが回転する際にはその回転角度に対応した角度回転するようにすればよいのである。回転カムとしては、前記(10)項に記載の溝カムが代表的なものであるが、例えば、カム溝の両側面の一方のみをカム面として有するものとすることができる。外周面がカム面とされた板カムとすることも、内周面がカム面とされた環状カムとすることも可能なのである。ただし、両者は回転カムの回転軸線の互いに反対側においてカムフォロワと係合することとなる。また、「円弧部から外れた部分」は半径を異にする別の円弧部とすることも可能であるが、円弧であることは不可欠ではない。「円弧部から外れた部分」はカムフォロワと係合せず、カムフォロワから離間していてもよいからである。
(12)前記カムフォロワが、前記レバーにそのレバーの回動軸線に平行な回転軸線のまわりに回転可能に取り付けられたカムローラである(10)項または(11)項に記載の割出装置。
(13)前記作用部が、前記レバーにそのレバーの回動軸線に平行な回転軸線のまわりに回転可能に取り付けられた作用回転体である(10)項ないし(12)項のいずれか1つに記載の割出装置。
作用回転体は、ボールあるいはローラ等により構成される。
(14)前記レバーの回動軸線から前記カムフォロワまでの距離がレバーの回動軸線から前記作用部までの距離より大きい(10)項ないし(13)項のいずれか1つに記載の割出装置。
本態様によれば、作用回転体が回転軸の肩面を押す際に大きい力が得られる。(15)前記軸方向移動装置が、前記回転駆動源により駆動され、前記ローラギヤカムが前記ローラギヤを回転させることなく回転している間に前記回転軸を前記引込位置から突出位置へ移動させ、ローラギヤカムがローラギヤを回転させている全ての期間、回転軸を突出位置に保つものである (2)項ないし (7)項のいずれか1つに記載の割出装置。
本態様によれば、回転ヘッドを、その回転期間の全部において、当接面同士の当接を生ずることなく、回転させることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をタレット旋盤のタレット装置に適用した実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1において10は回転ヘッドたるタレットヘッドであり、タレットヘッド10の外周部には、複数の工具保持部12が等角度間隔に設けられ、加工工具14が着脱可能に固定されている。加工工具14には、例えば、ドリル等の切削工具あるいは研削工具がある。図1において工具保持部12および加工工具14はそれぞれ、代表的に1つずつ図示されている。工具保持部12は、本実施形態においては、タレットヘッド10の外周部に等角度間隔に設けられ、タレットヘッド10の回転軸線と直交する直線に対して直角な取付面16を備え、その取付面16に、加工工具14を保持した工具保持部材18が位置決めされて、ボルト等の固定手段により着脱可能に固定される。
【0007】
タレットヘッド10には、回転軸たるタレット軸20が同軸に固定されている。タレットヘッド10とタレット軸20とは、タレットヘッド10の中心線上に設けられた円形断面の位置決め凹部22に、タレット軸20の中心軸線上に設けられた円形断面の位置決め突部24が嵌合されることにより、軸心が合わされるとともに、タレットヘッド10とタレット軸20との一方に設けられた図示しない位置決め部材たる位置決めピンと、他方に設けられた位置決め穴との嵌合により、相対回転が防止された状態で固定手段の一種である複数本のボルト26によって着脱可能に固定され、タレット軸20はタレットヘッド10から同軸に延び出させられている。
【0008】
タレット軸20は段付状を為し、本体部材たるハウジング30により軸受装置32を会して、本実施形態では水平軸線まわりに回転可能に支持されている。ハウジング30は、製造の都合上、複数の部材が互いに一体的に組み付けられて成り、それら複数の部材は、組付け後は一体のハウジングとして機能する。ハウジング30は、図示しない移動装置を構成する移動部材上に設けられており、本実施形態においてタレット装置は、ワークピースを保持して回転する主軸の軸線に平行な方向と、水平面内において主軸回転軸線と直交する方向とに移動させられる。
【0009】
本実施形態の軸受装置32は、第一テーパローラベアリング(以下、第一ベアリングと略称する)34および第二テーパローラベアリング(以下、第二ベアリングと略称する)36を含む。第一ベアリング34は、内輪38と外輪40と複数のテーパローラ42とを有し、タレット軸20のタレットヘッド10に近い側の部分を支持しており、タレットヘッド10側が大径側とされている。内輪38の外周面および外輪40の内周面はそれぞれテーパ面とされ、タレットヘッド10側ほど、径が大きくなる向きに設けられているのである。内輪38はタレット軸20に圧入されており、外輪40は、ハウジング30に設けられた環状溝44に、軸方向においてスペーサ46を挟んで圧入されている。外輪40は、環状溝44の軸方向において隔たった2つの溝側面に挟まれてハウジング30に対して軸方向に移動不能であるが、第一ベアリング34は、タレットヘッド10側を大径側とされるとともに、内輪38はハウジング30によって軸方向の移動を規制されていないため、内輪38およびテーパローラ42は、外輪40に対して、タレットヘッド10側へ移動可能である。
【0010】
第二ベアリング36は、内輪54と外輪56と複数のテーパローラ58とを有して、タレット軸20のタレットヘッド10から遠い側の部分であって、第一ベアリング34により支持された部分より小径の小径部60を回転可能に支持しており、第二ベアリング36はタレットヘッド10側とは反対側が大径側とされている。内輪54の外周面および外輪56の内周面はそれぞれテーパ面とされ、タレットヘッド10側とは反対側ほど径が大きくなる向きに設けられているのである。内輪54は小径部60に圧入され、外輪56はハウジング30に軸方向に相対移動可能に嵌合されており、第二ベアリング36は、ハウジング30により軸方向に相対移動可能に支持されている。第二ベアリング36は第一ベアリング34より小径とされている。第二ベアリング36は、第一ベアリング34に対してタレットヘッド10とは反対側に設けられ、第二ベアリング36と第一ベアリング34との距離は、タレットヘッド10と第一ベアリング34との距離より大きく、第二ベアリング36に半径方向において加えられる負荷が第一ベアリング34のそれより小さいからである。
【0011】
第二ベアリング36の外輪56は、ハウジング30との間に配設された皿ばね66により、ハウジング30に対してタレットヘッド10から遠ざかる向きに付勢されている。本実施形態においては皿ばね66が付勢装置を構成しているのである。皿ばね66の一端部はハウジング30により支持され、他端部は、円環状のばね受け68を介して外輪56に当接させられている。タレット軸20の前記小径部60に設けられた雄ねじ部70には、ナット72,74が螺合され、内輪54の小径部60への圧入位置の調節により、皿ばね66の予荷重が調整され、その予荷重の大きさによって、内輪54,外輪56,テーパローラ58間のネガティブクリアランスの大きさが決まる。また、タレットヘッド10が、第二ベアリング36,タレット軸20を介して皿ばね66によりハウジング30側へ付勢され、タレットヘッド10とハウジング30とが、タレット軸20の中心軸線に直角な平面である当接面76,78同士で当接させられる。皿ばね66の付勢力はタレット軸20から第一ベアリング34にも作用し、第一ベアリング34のクリアランスは0あるいは僅かにネガティブとされている。当接面76,78同士が当接した状態におけるタレット軸20の位置がタレット軸20の引込位置であり、当接面76,78同士の当接によって皿ばね66の付勢によるタレット軸20の移動限度が規定される。
【0012】
当接面76,78同士が当接した状態では、前記第一ベアリング34の内輪38と、ハウジング30に、内輪38よりタレットヘッド10側に設けられたダストシール80との間に軸方向において隙間があり、内輪38,テーパローラ42が外輪40に対してタレットヘッド10側へ移動することが可能である。
【0013】
タレット軸20には、ローラギヤ84が同軸にかつ一体的に設けられている。ローラギヤ84は、タレット軸20に設けられ、前記小径部60より径の大きいローラ保持部86と、ローラ保持部86に保持された複数のカムフォロワたるローラ88とを含む。複数のローラ88は、ローラ保持部86の外周面の、タレット軸20の中心軸線を中心として等角度を隔てた位置に、タレット軸20の中心軸線と直交する軸線まわりに回転可能に取り付けられている。複数のローラ88は、ローラ保持部86に放射状に取り付けられているのである。なお、図1には、図の簡略化のために、ローラ88が代表的に2つのみ図示されている。
【0014】
ローラギヤ84は、ローラギヤカム90と係合させられる。ローラギヤカム90には軸92が一体的に設けられ、ハウジング30により、タレット軸20の中心軸線と直角に立体交差する回転軸線のまわりに回転可能に支持され、図示しない回転駆動源たる電動モータにより一定速度で回転させられる。ローラギヤカム90の外周面には、図示しないカムリブが設けられている。カムリブは、両側のリブ面が、ローラギヤ84の隣接する2個のローラ88の外周面のうち、カムリブに同時に接触する部分が成すテーパに対応するテーパを成すテーパリブである。カムリブは、ローラギヤカム90の回転軸線に直角な平面に対してリード角を有する傾斜部と、リード角を有しない直角部とを含む。
【0015】
ローラギヤカム90がローラギヤ84と噛み合わされて回転させられるとき、ローラギヤ84は、ローラ88がカムリブの傾斜部と噛み合う状態では回転させられ、直角部と噛み合う状態では停止させられる。ローラギヤカム90の傾斜部が設けられた部分が割出部であり、直角部が設けられた部分が停留部である。本実施形態では、ローラギヤカム90の1回転により、ローラギヤ84が1間欠回転角度ないし1割出角度、すなわち360度を工具保持部12の数で除することにより得られる角度ずつ、間欠回転させられる。本実施形態では、ローラギヤ84,ローラギヤカム90,電動モータを含んで回転駆動装置94が構成されている。
【0016】
タレット軸20にはまた、端面カム100が一体的に設けられている。前記ローラギヤ84のローラ保持部86の、タレット軸20の前記小径部60から半径方向外向きに突出した端面であって、タレットヘッド10とは反対側の端面がカム面102とされている。タレット軸20の軸線に直角な端面がカム面102とされているのであり、タレット軸20のカム面102が設けられた部分が端面カム100を構成し、端面カム100はタレット軸20の回転により回転させられる。ハウジング30には、ローラ104が、タレット軸20の中心軸線と直角に立体交差する回転軸線まわりに回転可能に設けられ、端面カム100と係合するカムフォロワを構成している。ローラ104は、ハウジング30に回転可能であるが、位置を固定して設けられているのである。
【0017】
カム面102には、図2に展開して示すように、タレットヘッド10の複数の工具保持部12と同じ数の凹部106が等角度間隔に設けられており、ローラ104は、凹部106に嵌入した状態において、皿ばね66の付勢により、当接面76,78同士が当接することを許容する。ローラ104が凹部106に嵌入した状態において、タレット軸20は引込位置に位置するのであり、この際、ローラ104は凹部106に嵌入するが、凹部106の底面には当たらない。そして、タレット軸20の回転により端面カム100が回転させられ、ローラ104が凹部106から抜け出させられて、カム面102の凹部106が形成されていない部分である駆動面110に係合すれば、タレット軸20は、皿ばね66の付勢力に抗してタレットヘッド10側へ移動させられ、当接面76が当接面78から離間させられる。当接面76,78が離間した状態におけるタレット軸20の位置が突出位置である。タレット軸20の移動距離は、当接面76,78同士を離間させるに足る大きさであればよく、僅かであり、ローラ104の凹部106への嵌入量は僅かである。なお、図2においては、図示および理解を容易にするために、凹部106の深さは実際より大きく図示されている。また、複数の凹部106は、複数の加工工具14の一つが使用位置に位置決めされ、タレット軸20の回転が停止させられた状態において、ローラ104が凹部106に嵌入し、タレット軸20を引込位置に位置させ、当接面76,78同士が当接した状態となる位相で形成されている。本実施形態においては、端面カム100,ローラ104を含んで軸方向移動装置たるカム装置112が構成されている。
【0018】
次に作動を説明する。
加工時には、タレット装置は図示しない移動装置によって移動させられ、使用位置に位置決めされた加工工具14によって図示しないワークピースに加工を施す。加工時には、複数の加工工具14の一つが使用位置に位置決めされ、タレット軸20は引込位置に位置して当接面76,78同士が当接させられるとともに、回転駆動装置94を構成するローラギヤ84とローラギヤカム90との係合により、加工に使用される加工工具14が使用位置に位置する回転位置に保持された状態にある。
【0019】
加工に用いる加工工具14を別の加工工具14に交替させる際には、ローラギヤカム90が電動モータによって一定速度で回転させられる。それによりローラギヤ84が回転させられれば、タレット軸20が回転させられるとともに、端面カム100が回転させられ、ローラ104が凹部106から駆動面110に乗り上げてタレット軸20を押し、タレット軸20を皿ばね66の付勢力に抗して引込位置から突出位置へ移動させる。タレット軸20の移動は、第一ベアリング34の内輪38およびテーパローラ42が外輪40およびハウジング30に対して、タレットヘッド10側へ移動させられるとともに、第二ベアリング36全体が皿ばね66の付勢力に抗してハウジング30に対して移動させられることにより許容される。タレット軸20は軸受装置32によって回転可能に支持されたままの状態で移動させられ、当接面76が当接面78から離間させられる。なお、このタレット軸20の移動に伴って、ローラギヤ84とローラギヤカム90との係合位置も変わるため、ローラギヤカム90のリブがそのことを考慮した形状とされることが望ましい。ただし、上記係合位置の変化は僅かであるため上記考慮は省略してもよい。
【0020】
複数の加工工具14の1つが使用位置に位置決めされ、タレット軸20が回転を停止させられた状態では、タレット軸20は引込位置にある。そのため、この状態からローラギヤカム90が回転させられれば、図3に示すように、ローラギヤ84が回転を開始させられ、タレット軸20が回転を開始させられた後、ローラ104がカム面102の駆動面110に乗り上げてタレット軸20が引込位置から突出位置へ移動させられ、当接面76,78が離間した状態が得られ、その状態から更にタレット軸20が回転させられてタレットヘッド10が回転させられる。この間、ローラ104は、カム面102の駆動面110に係合した状態を保ち、回転しつつ駆動面110に対して移動する。タレットヘッド10の1割出角度の回転の初期においてタレット軸20が引込位置から突出位置へ移動させられ、回転の大半において当接面76,78が離間した状態とされ、タレットヘッド10がスムーズに回転させられる。そして、タレットヘッド10の1割出角度の回転の末期においてローラ104が凹部106に嵌入し、タレット軸20の引込位置への移動を許容し、タレット軸20が皿ばね66の付勢により引込位置へ移動させられ、当接面76,78同士が当接させられる。タレット軸20は、タレットヘッド10が1割出角度、回転させられる毎に突出位置と引込位置との間を往復移動させられ、タレットヘッド10が所定回数、間欠回転させられることにより、次に加工に使用される加工工具14が使用位置に位置決めされる。位置決め後、ローラギヤカム90は回転を停止させられ、ローラギヤ84はローラ88がカムリブの直角部に係合した状態で停止しており、タレット軸20の回転位置は、ローラギヤ84とローラギヤカム90との係合により保持され、加工に使用される加工工具14が使用位置に位置する状態に保たれる。加工時にタレットヘッド10に加えられるタレット軸20の軸線まわりの負荷は、ローラギヤカム90により受けられる。
【0021】
また、タレット軸20が回転を停止させられ、加工工具14が使用位置に位置決めされた状態では、当接面76,78同士が当接した状態となる。そのため、加工時に加工工具14を介してタレットヘッド10に加えられる負荷であって、軸方向の成分を有する負荷が、当接面76,78同士の当接を介してハウジング30により剛性高く受けられ、半径方向の負荷は、一部が第一,第二ベアリング34,36によって受けられるとともに、一部が当接面76,78間の摩擦力に基づいてハウジング30により受けられ、タレットヘッド10はハウジング30により静剛性および動剛性高く支持され、ワークピースに精度良く加工が施されるとともに、能率良く加工が行われる。
【0022】
上記実施形態において第二ベアリング36は第一ベアリング34より小さいものとされていたが、第一ベアリング34と同様に大きいものとするとともに、皿ばね66のばね力を大きくし、当接面76,78間により大きい摩擦力および当接力が得られるようにしてもよい。
【0023】
あるいは、第二テーパローラベアリングの外輪を付勢する付勢装置に加えて別の付勢装置を設け、当接面76,78に作用する力を、第二テーパローラベアリングの外輪を付勢する付勢装置のみにより得られる力より大きくするようにしてもよい。また、上記実施形態においてタレット軸20は、1回の間欠回転の回転開始時と回転終了時とにそれぞれ、軸方向に移動させられるようにされていたが、タレット軸20の回転と軸方向移動とが全く異なる時期に行われるようにしてもよい。それらの例を図4および図5に基づいて説明する。その他の構成は上記実施形態と同じであり、同じ作用を為す構成要素には同一の符号を付して対応関係を示し、説明を省略する。
【0024】
タレット軸20の雄ねじ部70が設けられた端面には、雄ねじ部70より小径の段付きの突部140が突設され、ばね受け142が肩面143に当接するまで嵌合されるとともに、固定手段の一種であるボルト144によってタレット軸20に固定されている。ばね受け142とハウジング30の後端面との間に複数の皿ばね146が配設され、タレット軸20を、第二ベアリング36を介することなく、引込方向(タレット軸20が突出位置から引込位置へ移動する方向)へ付勢する付勢装置を構成している。皿ばね146の付勢力は、皿ばね66より大きく、タレット軸20には、複数の皿ばね146により、当接面76が当接面78に接近する向きの力が作用し、当接面76,78が互いに当接させられたとき、より大きい摩擦力が得られるとともに、第一ベアリング34に作用する引込方向の力を大きくすることができ、第一ベアリング34の内輪38,テーパローラ42,外輪40間のクリアランスがネガティブクリアランスとされている。本実施形態において、第二ベアリング36の外輪58を付勢する皿ばね66は、主として、第二ベアリング36のネガティブクリアランスの大きさを決める役割を果たす。
【0025】
ハウジング30には、レバー150の一端部が、軸152により、タレット軸20の中心軸線と直角に立体交差する回動軸線のまわりに回動可能に支持されている。レバー150の他端部には、カムフォロワたるカムローラ154が、レバー150の回動軸線に平行な回転軸線のまわりに回転可能に取り付けられ、ローラギヤカム90と一体的に設けられた溝カム156のカム溝158に回転可能に、かつカム溝158の幅方向において隙間なく嵌合されている。また、レバー150のハウジング30により支持された部分と、カムローラ154が取り付けられた部分との間であって、軸152に近接した位置に、作用回転体たるボール160が軸受162を介して回転可能に保持されており、タレット軸20の中心軸線と直交する肩面164と係合する。ボール160は、レバー150の回動軸線に平行な回転軸線のまわりに回転可能であることは勿論、あらゆる回転軸線のまわりに回転可能である。本実施形態においては、これらレバー150,カムローラ154,溝カム156,ボール160を含んで軸方向移動装置166が構成されている。
【0026】
カム溝158は、ローラギヤカム90の回転軸線に直角な端面に形成されている。カム溝158は、ローラギヤカム90の回転軸線からの距離が互いに異なる2つの円弧部170,172と、それら円弧部170,172を滑らかにつなぐ傾斜部174,176とを有し、カムローラ154が円弧部170,172に係合する状態では、レバー150が停止させられ、傾斜部174,176に係合する状態では、レバー150が回動させられる。
【0027】
溝カム156は、本実施形態では、ローラギヤカム90の回転により、図4において矢印で示す方向に回転させられ、レバー150を回動,停止させ、タレット軸20を軸方向に移動,停止させる。カムローラ154が、ローラギヤカム90の回転軸線からの距離が大きい円弧部170に係合する状態では、タレット軸20は引込位置に位置し、レバー150は非作用位置にあって、ボール160は肩面164から極く僅かに離れている。その状態からカムローラ154が傾斜部174に係合し、ローラギヤカム90の回転軸線からの距離が小さい円弧部172に向かってカム溝158内を相対的に移動するとき、レバー150が図4においては時計方向へ回動させられ、ボール160が肩面164に係合してタレット軸20を押し、皿ばね66,146の付勢力に抗して突出位置へ移動させる。そして、カムローラ154が円弧部172に係合する状態では、レバー150は、ボール160がタレット軸20を押す作用位置へ回動した状態に保たれ、タレット軸20は突出位置に位置する状態に保たれる。その後、カムローラ154が傾斜部176に係合し、円弧部170に向かって相対的に移動させられるとき、レバー150が図4においては反時計方向へ非作用位置に向かって回動させられ、ボール160が肩面164から離れる向きに移動させられてタレット20の引込位置への移動を許容し、タレット軸20は皿ばね66,146の付勢によって突出位置から引込位置へ移動させられる。円弧部170,傾斜部174,176は短く、カム溝158は、ローラギヤカム90がローラギヤ84を回転させることなく回転している間に、カムローラ154が傾斜部176,円弧部170,傾斜部174を移動し、タレット軸20を引込位置と突出位置との間で移動させる長さおよび位相で形成されており、ローラギヤカム90がローラギヤ84を回転させているすべての期間、カムローラ154は円弧部172に係合し、タレット軸20は突出位置に保たれる。本実施形態では、溝カム156は、タレット軸20とは別体に設けられており、タレット軸20の回転によらずに回転させられ、タレット軸20が回転していない状態において軸方向に移動させるようにすることができる。また、本実施形態では、円弧部170が、円弧部172より、ローラギヤカム90の回転軸線に遠い側に外れた部分を構成し、傾斜部174,176が円弧部170,172の各両端を滑らかにつなぐつなぎ部を構成している。
【0028】
加工に使用する加工工具14の交替時には、ローラギヤカム90が電動モータによって一定速度で回転させられる。そして、図5に示すように、まず、ローラギヤ84がローラギヤカム90によって回転させられていない状態において、カムローラ154と傾斜部174との係合によりタレット軸20が皿ばね66,146の付勢力に抗して引込位置から突出位置へ移動させられ、移動後、ローラギヤ84が回転させられてタレット軸20が回転させられる。この回転時には、カムローラ154は円弧部172に係合しており、タレット軸20は突出位置に保たれて当接面76,78同士は離れており、タレットヘッド10はスムーズに回転させられる。タレット軸20の1割出角度の回転後、カムローラ154が傾斜部176に係合する状態となり、タレット軸20が皿ばね66,146の付勢により、突出位置から引込位置へ移動させられ、当接面76,78同士が当接させられる。タレットヘッド10が回転しているすべての期間、当接面76,78は離間させられているのである。
【0029】
皿ばね146を設けることにより当接面76,78間の当接力および摩擦力が増大させられ、タレットヘッド10に加えられる軸方向の成分を有する負荷がハウジング30によって一層強固に受けられるとともに、クリアランスがネガティブに調節された第一ベアリング34により、半径方向の負荷がより強固に受けられ、剛性の高いタレット装置が得られる。当接面76,78間の摩擦力が大きくされても、タレット軸20は当接面76,78が離間した状態で回転させられるため、タレットヘッド10の回転が妨げられることがなく、ローラギヤカム90が1回転させられる毎に、タレットヘッド10が精度良く、1割出角度回転させられる。また、レバー150の回動軸線からカムローラ154の回転軸線までの距離が、レバー150の回動軸線からボール160の球心までの距離より大きくされており、ボール160がタレット軸20を押すのに十分な大きさの力が得られ、タレット軸20を皿ばね66,146の付勢力に抗して移動させることが容易である。
【0030】
なお、図4および図5に示す実施形態において、作用回転体としてボール160に代えてローラを用いてもよい。その場合、ローラは、レバーに、レバーの回動軸線に平行な回転軸線のまわりに回転可能に取り付ける。
【0031】
また、上記実施形態において、タレットヘッド10に複数の工具保持部12が等角度間隔に設けられていたが、不等角度間隔に設けてもよい。
【0032】
さらに、付勢装置に代えて、タレット軸を突出位置から引込位置へ機械的に引き込む引込装置を設け、回転ヘッドと本体部材との各当接面同士を互いに当接した状態に保つようにしてもよい。これら付勢装置および引込装置は、当接状態維持装置を構成していると考えることができる。
【0033】
また、本発明は、ワークテーブル装置にも適用することができる。ワークテーブル装置は、例えば、上記各実施形態において、タレットヘッド10に代えて回転ヘッドを設け、回転ヘッドの、タレット軸20に代えて設けられる回転軸とは反対側の面にワークピースを固定するワーク固定部を設けることにより得られ、図示および説明は省略する。
【0034】
以上、本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態であるタレット装置を示す正面断面図である。
【図2】上記タレット装置を構成する端面カムのカム面を示す展開図である。
【図3】上記タレット装置のタレット軸の回転と軸方向移動とのタイミングを説明する図である。
【図4】本発明の別の実施形態であるタレット装置を示す正面断面図である。
【図5】図4に示すタレット装置のタレット軸の回転と軸方向移動とのタイミングを説明する図である。
【符号の説明】
10:タレットヘッド 12:工具保持部 14:加工工具 20:タレット軸 30:ハウジング 32:軸受装置 34:第一テーパローラベアリング 36:第二テーパローラベアリング 38:内輪 40:外輪 42:テーパローラ 54:内輪 56:外輪 58:テーパローラ 66:皿ばね 76,78:当接面 84:ローラギヤ 88:ローラ 90:ローラギヤカム 92:電動モータ 94:回転駆動装置
100:端面カム 102:カム面 104:ローラ 112:カム装置 150:レバー 154:カムローラ 156:溝カム 158:カム溝 160:ボール 164:肩面 166:軸方向移動装置 170,172:円弧部 174,176:傾斜部

Claims (5)

  1. 回転ヘッドと、
    その回転ヘッドから延び出た回転軸と、
    その回転軸を軸受装置を介して回転可能に支持する本体部材と、
    前記回転軸を所定角度ずつ回転させ、その回転位置に保持する回転駆動装置と、
    前記回転軸を前記本体部材に対して、軸方向に、引込位置と突出位置とに相対移動させる軸方向移動装置と
    を含み、前記回転ヘッドと前記本体部材とが、前記回転軸の引込位置において、それぞれ回転軸の軸線に直角な平面である当接面同士で当接する割出装置であって、
    前記軸受装置が、
    内輪と外輪と複数のテーパローラとを有して前記回転軸の前記回転ヘッドに近い部分を支持し、回転ヘッド側が大径側である第一テーパローラベアリングと、
    内輪と外輪と複数のテーパローラとを有して前記回転軸の前記回転ヘッドから遠い部分を支持し、回転ヘッド側とは反対側が大径側であり、かつ、前記外輪が前記本体部材により軸方向に相対移動可能に支持された第二テーパローラベアリングと、
    その第二テーパローラベリングの前記外輪を前記本体部材に対して前記回転ヘッドから遠ざかる向きに付勢する付勢装置と
    を含むことを特徴とする割出装置。
  2. 前記回転駆動装置が、
    前記回転軸に同軸かつ一体的に設けられたローラギヤと、
    前記本体部材に、前記回転軸の中心軸線と直角に立体交差する回転軸線のまわりに回転可能に支持され、前記ローラギヤと係合し、自身の一定速度の回転を前記ローラギヤの間欠回転に変えるローラギヤカムと、
    そのローラギヤカムを回転させる回転駆動源と
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の割出装置。
  3. 前記回転ヘッドが、外周部に複数の工具保持部を有するタレットヘッドであることを特徴とする請求項1または2に記載の割出装置。
  4. 前記軸方向移動装置が、
    前記回転軸と一体的に設けられ、回転軸の軸線に直角な端面がカム面とされた端面カムと、
    前記本体部材に固定され、前記端面カムと係合するカムフォロワと
    を含み、端面カムの回転軸と一体的な回転に基づいて回転軸を軸方向に移動させるカム装置であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の割出装置。
  5. 前記軸方向移動装置が、
    前記ローラギヤカムと共に回転し、ローラギヤカムの回転軸線のまわりに形成されたカム面を備え、そのカム面が、回転軸線を中心とする円弧部と、その円弧部より回転軸線に近い側と遠い側とのいずれか一方に外れた部分と、その外れた部分の両端と前記円弧部の両端とを滑らかにつなぐつなぎ部とを有する回転カムと、
    前記本体部材に、前記回転軸の中心軸線と直角に立体交差する回動軸線のまわりに回動可能に支持されたレバーと、
    そのレバーの前記回動軸線から離れた部分に設けられ、前記回転カムと係合するカムフォロワと、
    前記レバーの前記回動軸線から離れた部分に設けられ、前記回転軸の中心軸線と直交する肩面と係合する作用部と
    を含み、前記カム面の前記円弧部から外れた部分が前記カムフォロワに対応する状態では前記回転軸が前記引込位置へ移動することを許容し、前記回転カムの回転に伴う前記つなぎ部と前記カムフォロワとの係合により前記レバーを回動させ、前記作用部と前記肩面との係合を介して前記回転軸を軸方向に移動させ、前記円弧部と前記カムフォロワとの係合により回転軸を前記突出位置に保つことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の割出装置。
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