JP5344827B2 - レードル用排気装置及びレードルの排気方法 - Google Patents

レードル用排気装置及びレードルの排気方法 Download PDF

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Description

本発明は、レードル用排気装置及びレードルの排気方法に関し、さらに詳しくは、銅などの金属製錬工程において溶体を次工程へ搬送するためのレードルから放出されるガスやダストを吸引排気するレードル用排気装置及びレードルの排気方法に関する。
初めに、銅製錬の概略の流れについて概説する。鉱山から採掘されたままの鉱石は「粗鉱」と呼ばれ、有用鉱物以外に多量の無価値物(脈石)を含んでいることから、「選鉱」と呼ばれる工程により粗鉱から脈石を尾鉱として取り除き高品位の精鉱を回収して製錬に供する。選鉱は鉱物の物理的又は物理化学的性質、例えば密度、硬度、磁性、導電率、湿潤性等の差異を利用して行われる。
選鉱によって得られた精鉱は製錬工程で使用される熱エネルギを節減し、鉱石の炉への供給、運搬などの取り扱いを容易にすると共に、水分による反応性の低下を防止することなどを目的として熱を用いる乾燥が行われる。乾燥は、例えば、僅かに傾斜した長い円筒形の形をした炉を有するロータリキルンと同じ形の回転乾燥機等を用いて行われる。
得られた精鉱を自溶炉に酸素富化空気あるいは高温熱風と同時に吹き込んで瞬間的に化学反応を起こさせてマットとスラグに分離する。自溶炉1は、図9に示すように、反応シャフト2、セットラ3、アップテイク4から構成され、反応シャフト2には1〜3本の精鉱バーナ5が備えられている。精鉱はこの精鉱バーナ5によって炉内に吹き込まれる。自溶炉1は精鉱の酸化反応熱を利用するため他の方法より燃料消費率が低いという特徴がある。尚、酸化反応熱だけでは熱量の不足をきたすおそれもあるので、精鉱バーナ5から重油等で助燃することもある。加熱溶融した精鉱は比重差によってマットとスラグに分かれるのでマットはマットタップホール6aから抜き出す。ここで得られたマットには銅が60〜65%含まれる。また、スラグには1%前後の銅が含まれるのでスラグタップホール6bから抜き出して錬かん炉1aで錬かんし、銅をマットとして回収し、自溶炉1からのマットとあわせて転炉7で処理する。
転炉7は円筒横型でマグネサイト、あるいはクロム・マグネサイト煉瓦で内張りされ、装入・排出に便利なように電動機により前後に傾転できるようになっている。炉の側面下方には多数の羽口を有し、これによりゲージ圧で100kPa(1kg/cm)程度の加圧空気を直接溶融マットへ吹き込んでいる。操業は回分でスラグ生成期(造かん期)と造銅期とに分けられ、スラグ生成期ではマット中の鉄をスラグとして除去する。このスラグ生成期を2〜3回繰り返し、生成した白かわが、ある量に達したのち造銅期に入り粗銅を得る。転炉操業の際には排ガスが工場内に漏出しないように排ガスフードによって転炉7を覆い排ガスを吸引排気している。そして、得られた粗銅を横型傾転タイプあるいは反射炉型の精製炉8で粗銅中のS、Oの調整を実施したのちアノードを鋳造し、電解精錬により高品位の電気銅を得る(図10参照)。
上述の銅製錬工程における自溶炉1、転炉7、精製炉8への溶体の搬送には搬送用容器としてレードル9が使用されている。レードル9は図示しない天井クレーン等の搬送装置によって吊下されて移送され、炉内への装入及び取り出しが行われる。各炉への搬送工程では、各炉の操業状態によって溶体の注入の時期を調整する必要があり、溶体をレードル9に充填した状態で一時的に待機させる場合があった。しかしながら、溶体の待機中にも溶体から発生するガスやダストが周囲に放出されることから工場内環境に影響を及ぼすおそれがあった。もちろん、工場内は空気を清浄する設備が設けられてはいるが、待機中のレードル9に充填された溶体から放出されるガスをそのままにしておくのは工場内の環境上よくない。また、ガスやダストは溶体を投入した後の空のレードル9からも放出される。
ここで、精製炉からの漏洩ガスをほぼ完全に集煙し得るフード構造が特許文献1(特開平6−25769号公報)に開示されている。このフード構造は、円筒状の炉体を実質上半周分跨いで設けられた固定フードと、炉前に設けられたレードル置場に置かれたレードルからの発煙を吸引し得る大きさの旋回フードを設けて構成されており、レードルからの発煙を固定フードに設けた排気ダクトを介して排気するようになっている。
特開平6−25769号公報
特許文献1に示されたフード構造は、レードルに投入される溶体から放出されるガスを周囲に漏洩させずに排気するものであり、あくまでも精製炉の操業時において発生する排ガスの漏洩の防止を図ることを目的としたものであって、銅製錬工程の各工程へ溶体を搬送する際における待機中のレードルから放出されるガスやダストの排気について着目したものではない。また、待機中の空のレードルから放出されるガスやダストについての対策は全く着目されていない。銅マットから発生するガスには約7〜12%のSOが含まれている。
さらに、銅製錬工程における自溶炉から転炉、精製炉へ溶体を搬送する場合のように、金属製錬工程において溶体を次工程へ搬送する際の待機中のレードルに投入された溶体や空のレードルから放出されるガスやダストによる工場内環境の悪化に対する効果的な改善策は未だ提供されていない。
そこで、本発明は、金属製錬工程において溶体を次工程へ搬送する際に使用されるレードルから発生するガスやダストが工場内に放出されるのを有効に防止するためのレードル用排気装置及び排気方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、安全且つ確実に動作するレードル用排気装置及び排気方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために請求項1に記載の本発明は、溶体を次工程へ移送するに際し、各工程における操業状態に合わせて移送の時期を調整するために待機させたレードルから放出されるガスやダストを吸引排気するレードル用排気装置であって、レードルの開口部を覆蓋可能に形成されたフードと、フードと連通され、レードルから放出されるガスやダストを吸引して排気する排気ダクトであって、垂直方向に立設されると共に排気ダクトの中心軸を中心に回転可能な可動ダクト部と、可動ダクト部から水平方向に枝分かれしてフードの頂部を支持するようにして連結される連結ダクト部とを有する排気ダクトとを備え、排気ダクトは、可動ダクト部の回転によって連結ダクト部と連結されたフードを所定の待機位置に置かれたレードルの開口部を覆う吸引位置及び搬送装置によるレードルの搬送を妨げることのない退避位置との間を移動可能としたことを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項2に記載の本発明は、溶体を次工程へ移送するに際し、各工程における操業状態に合わせて移送の時期を調整するために待機させたレードルから放出されるガスやダストを吸引排気するレードル用排気装置であって、レードルの開口部を覆蓋可能に形成されると共に、レードルから放出されるガスやダストを吸引して排気する排気ダクトと連通されたフードを備え、フードは、所定の待機位置に置かれたレードルの開口部を覆う吸引位置と、搬送装置によるレードルの搬送を妨げることのない退避位置との間を移動可能とされると共に、フードを吸引位置及び退避位置でそれぞれ自動的に停止させる第一のリミットスイッチと、フードが吸引位置及び退避位置をオーバーランした場合に緊急停止させる第二のリミットスイッチとを備えていることを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項に記載の本発明は、請求項1又は2に記載のレードル用排気装置において、フードの吸引位置又は退避位置への移動と連動して開閉動作が行われる吸引ダンパをさらに備えていることを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項4に記載の本発明は、請求項1からのいずれか1項に記載のレードル用排気装置において、搬送装置によってレードルが所定の待機位置まで搬送されてきたことを検出するセンサと、センサの検出信号に基づいてレードルが所定の待機位置に位置したことを知らせる通知手段とをさらに備えていることを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項に記載の本発明は、溶体を次工程へ移送するに際し、各工程における操業状態に合わせて移送の時期を調整するために待機させたレードルから放出されるガスやダストを吸引排気するレードルの排気方法において、レードルの開口部を覆蓋可能に形成したフードを所定の待機位置に置かれたレードルの開口部を覆う吸引位置へ移動させ、フードと連通された排気ダクトであって、垂直方向に立設されると共に排気ダクトの中心軸を中心に回転可能な可動ダクト部と、可動ダクト部から水平方向に枝分かれしてフードの頂部を支持するようにして連結される連結ダクト部とを有する排気ダクトを介してレードルから放出されるガスやダストを吸引して排気すると共に、レードルを搬送する際には搬送装置による搬送を妨げることのない退避位置へフードを退避させることを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項に記載の本発明は、請求項に記載のレードルの排気方法において、搬送装置により前記レードルを所定の待機位置へ搬送するステップと、レードルが所定の待機位置まで搬送されてきたことをセンサが検知し、センサの検知信号に基づいてレードルが所定の待機位置にあることを通知手段によって作業員に知らせると共にレードルを所定の待機位置で待機させるステップと、フードを吸引位置まで移動してレードルから放出されるガスやダストを排気ダクトを介して吸引排気するステップと、そして、吸引位置にあるフードをレードルの搬送を妨げることのない退避位置まで移動して待機位置にあるレードルを搬送装置によって次工程へ搬送するステップとを含み構成されたことを特徴とする。
本発明に係るレードル用排気装置及びレードルの排気方法によれば、待機中のレードルの上部の吸引位置にフードを移動させレードルから放出されるガスやダストを吸引排気すると共に、レードルを搬送する際にはフードをレードルの搬送を妨げない退避位置まで移動させるようにしたので、待機中のレードルから放出されるガスやダストの工場内への拡散を抑制することができ、工場内環境の悪化を防止することができるという効果がある。
また、本発明に係るレードル用排気装置及びレードルの排気方法によれば、フードを吸引位置及び退避位置でそれぞれ自動的に停止させるリミットスイッチ、レードルが所定の待機位置まで搬送されてきたときに所定の待機位置で搬送装置を停止させるセンサ、レードルが所定の待機位置に位置したときにそれを知らせる通知手段などを設けることしたので安全且つ確実にその動作を行うことができるという効果がある。
以下、本発明に係るレードル用排気装置及びレードルの排気方法について図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明に係るレードル用排気装置の全体配置図、図2は本発明に係るレードル用排気装置の一実施形態の概要を示す斜視図、図3はその側面図、図4はその平面図である。
初めに、図2に示されたレードル用排気装置10は、金属製錬、例えば、銅製錬工程におけるマットなどの溶体を次工程へ搬送するためのレードル9の開口部を覆蓋可能なフード11と、フード11の頂部と連通するようにして配置された排気ダクト20を備えて構成されている。ここで、レードル9は、概略として、ショベルカーのバケットの様な形状をしており、その両側面には係止部9aが設けられ、これに図示しない天井クレーン等の搬送装置のフックを係止することによって搬送するようになっている。また、レードル9内に投入された溶体を炉内に装入し易くするためにレードル9の上縁部には先端が窄まった注入部が形成され、その平面形状は概略いわゆるティアドロップ形状となっている。そのため、フード11は、その平面形状が金属製板材によってレードル9の開口部の形状に即したティアドロップ形状とされ、また、その側面形状は略三角錐形状となっている(図3、図4参照)。
排気ダクト20は、垂直方向に立設されると共に、その中心軸を中心にして回転可能とされた可動ダクト部21と、可動ダクト部21から枝分かれしてフード11の頂部と連結された連結ダクト部22を備えて構成されており、フード9は連結ダクト部22によって支持された状態となっている。可動ダクト部21は、その下端側に設置された電動モータ及び減速機を備えた駆動手段である駆動機構21aによって垂直方向に伸びる可動ダクト部21の中心軸を中心として左右いずれの方向にも回転することができるようになっている。一方、連結ダクト部22は、可動ダクト部21の途中から水平方向に枝分かれしたあと90°折れ曲がるようにして下側に向かって延伸し、その先端はフード11の頂部と連結されている。排気ダクト20は、金属製薄板を円筒状に形成することにより構成されているが、特に円筒形に限定されるものではなく、角筒状等、適宜の形状とすることができる。
この構造により、可動ダクト部21をその中心軸を中心に回転させることでフード11を可動ダクト部21を中心とした適宜の位置に配置させることが可能となる。しかし、少なくともフード11を待機位置に置かれたレードル9の上部側の吸引位置とレードル9の搬送を妨げることのない位置である退避位置との間を移動可能とされていれば良く、本実施形態ではフード11が吸引位置及び退避位置にあるときにおける連結ダクト部22のなす角θが90°又は60°となるような範囲で移動可能とされている。尚、吸引位置又は退避位置を超えるような角度までフード11を可動可能とするとかえって誤作動のおそれがあるので予め可動範囲は必要な範囲内に限定しておくことが好ましい。
ここで、フード11を吸引位置及び退避位置に移動させるに際し、フード11を吸引位置及び退避位置でそれぞれ自動的に停止させるための第一のリミットスイッチが設けられており、さらに、フード11が吸引位置及び退避位置をオーバーランした場合に備えてフード11を緊急停止させるための第二のリミットスイッチ(いずれも図示せず)が設けられている。これによりフード11は吸引位置及び退避位置で正確に停止すると共に、万一停止しなかった場合でも緊急停止用の第二のリミットスイッチによって確実に停止させることで安全性を確保している。
一方、レードル9を所定の待機位置に正しく位置させるためにその待機位置にはセンサが設けられており、図示しない天井クレーンなどの搬送装置によってレードル9が所定の待機位置、すなわちフード11を吸引位置に位置させたときに待機位置にあるレードル9の開口部をフード11によって完全に覆うことができる位置にきたときにそれを検知するようになっている。そして、レードル9が所定の待機位置まで搬送されてきたことをセンサが検知した場合にセンサの検知信号に基づいてそれを作業員に知らせる通知手段がさらに設けられている。通知手段としては、例えば、視覚で認知可能な赤色若しくは黄色回転灯や、聴覚で認知可能なブザーやサイレンなどがある。また、通知手段はそれらを組み合わせることもできる。このように、通知手段は作業員に搬送装置を停止させることを促し、その位置でレードル9を留め置くことでレードル9を所定の待機位置に位置させることができる。尚、センサの検知信号に基づいて搬送装置を自動停止させるようにしてもよい。
また、可動ダクト部21の上端側はさらに固定ダクト部25と連結されており、レードル9から放出されるガスやダストは固定ダクト部25を介して工場外へ排気されるようになっているが、銅製錬設備には自溶炉、転炉、精製炉から発生する排ガスを吸引排気するための既存の排気設備を備えていることから本実施形態では固定ダクト25をそれらの既存の排気設備と連結することによりレードル9内から発生するガスやダストを工場内へ拡散させることなく脱硫装置やバグフィルタを介して吸引排気を行なうようになっている(図1参照)。もちろん、固定ダクト部25を既存の排気設備とは別に設けた脱硫装置及びバグフィルタを備えた吸引装置によって吸引排気するように構成することもできる。
可動ダクト部21は、上述したように、その下部側に駆動機構21aが設置され、これによって可動ダクト部21がその中心軸を中心にして回転するようになっているが、可動ダクト部21の上部側には可動ダクト部21の回転をスムーズにするために、図6に示すように、ベアリング31が配設されている。ベアリング31は、コンパクトで剛性が高く交換等のメンテナンスも容易なカムフォロアが用いられている。ベアリング31は四角状に枠組みされた支持枠体34にボルトとナットなどの締着部材によって固定されたドーナッツ状の取付枠体33にその周囲を取り囲むようにして多数取り付けられている。本実施形態では可動ダクト部21を取り囲むようにして20個のベアリング31が取り付けられている。また、ベアリング31が接する可動ダクト部21の側面部にはベアリング31との密接性を確保するためにドーナッツ状の枕材32を介在させている。枕材32はベアリング31との接触性や摩耗性などを考慮し、炭素鋼などの材料で形成している。
また、図5に示すように、可動ダクト部21の上端部側は、可動することなく固定された円筒状の固定ダクト部25の内側に挿入されて摺動可能に連結されているが、この固定ダクト部25との連結部分にはパッキン部材37が嵌挿されている。パッキン部材37は、軟質の角パッキンであり、これをパッキンリング37aで押圧することでパッキン部材37を付勢し、可動ダクト部21の回転によってパッキン部材37が摩耗した場合でもその隙間を逐次埋めることにより常にガスシールが完全に行われるようになっている。
固定ダクト部25には、図2に示すように、固定ダクト部25の内部を開閉するためのダンパ40が設けられている。ダンパ40は、電動式のいわゆるバタフライ弁であり、固定ダクト部25の内径より僅かに小さい直径の円盤状の弁体を備え、弁体の直径を軸にして回転させることで固定ダクト部25内を遮蔽したり、開口させたりするようになっている。ダンパ40の開度は回転させる弁体の角度によって適宜調整することができる。すなわち、弁体を水平に位置させ固定ダクト部25内を遮蔽した場合の弁体の角度を0°とし、弁体の表面を固定ダクト部25の軸方向と平行にして固定ダクト部25内を完全に開口した場合の弁体の角度を90°とすれば、0〜90°の角度の範囲で弁体を位置させることでダンパ40の開度を調整することができる。
フード11の回転やダンパ40の動作は制御部50によってその動作が遠隔制御されるようになっている。すなわち、図7に示すように、制御部50は駆動機構21a及びダンパ40と電気的に接続されており、制御部50からの動作指示に基づいて駆動機構21aが可動ダクト部21を回転させると共にダンパ40の開閉動作が行われるようになっている。そして、吸引位置に設けられた吸引側第一リミットスイッチ60a又は退避位置に設けられた退避側第一リミットスイッチ61aによって可動ダクト部21の動作を検知して駆動機構21aを停止させる。これによりフード11を吸引位置及び退避位置にそれぞれ位置させることができる。尚、緊急時には吸引側第二リミットスイッチ60b又は退避側第二リミットスイッチ61bによって駆動機構21aの動作が停止されフード11のオーバーランの防止が図られている。制御部50を工程の集中管理を行うコントロール室や工場内の所定箇所に配置することでレードル用排気装置10の遠隔操作が可能となる。
上述したレードル用排気装置10は、図1に示すように、銅精錬設備内の複数個所に配置されており、本実施形態では自溶炉から転炉(いずれも図示せず)の間および転炉から精製炉(図示せず)の間の2か所にレードル用排気装置10がそれぞれ2つずつ配置されている。各レードル用排気装置10の固定ダクト部25は水平方向に伸びる排気ダクト27と連結され、さらに排気ダクト28を介して既存の排気設備であるメインダクト29と連結されている。これによりレードル9から発生するガスやダストは転炉などの排ガスと共に脱硫装置やバグフィルタを介して処理されるようになっている。
次に、上述したレードル用排気装置の動作について説明する。まず、図8に示すように、図示しない天井クレーンなどの移動装置のフックにレードル9の係止部9aを係止して溶体が貯えられたレードル9を所定の待機位置まで搬送する(ステップS1)。レードル9が所定の待機位置に近づくとセンサがそれを検知し、赤色回転灯又はサイレンなどの通知手段がそれを作業者に知らせる。そして、作業者は搬送装置を停止させてレードル9を所定の待機位置に留め置く(ステップS2)。尚、このときフード11は予め退避位置にある。
レードル9が所定の待機位置に留め置かれたら制御装置50によって退避位置にあるフード11を吸引位置へ移動させる。具体的には、移動させるべきレードル用排気装置10のフード11を制御装置50によって特定して駆動機構21aを動作させると可動ダクト部21が回転してフード11を吸引位置まで移動させる(ステップS3)。フード11が吸引位置に至ると吸引側第一リミットスイッチ60aがそれを検知して駆動機構21aの動作を停止させる。同時にダンパ40が開いてレードル用排気装置10は吸引排気可能状態となり、レードル9の上部に位置したフード11によって発生するガスやダクトの吸引排気を開始する(ステップS4)。万一、フード11が吸引位置で停止せずオーバーランした場合には吸引側第二リミットスイッチ60bが作動して駆動機構21aの動作を停止させる。
一方、レードル用排気装置10による吸引排気中のレードル9を移動させる場合には、制御装置50によってそのレードル用排気装置10を特定して駆動機構21aを動作させる。駆動機構21aの動作により可動ダクト部21が回転してフード11を退避位置まで移動させる(ステップS5)。フード11が退避位置に至ると退避側第一リミットスイッチ61aがそれを検知して駆動機構21aの動作を停止させる。また、フード11の退避位置への移動と同時にダンパ40が閉じて吸引排気が停止する(ステップS6)。万一、フード11が退避位置で停止せずオーバーランした場合には退避側第二リミットスイッチ61bが作動して駆動機構21aの動作を停止させる。そして、図示しない天井クレーンなどの移動装置によってレードル9を次工程まで搬送する(ステップS7)。
レードル用排気装置10を銅精錬設備内の自溶炉から転炉の間と、転炉から精製炉の間の2か所にそれぞれ2つずつ合計4か所に配置して作業を行った。吸引力は1,700Nm/minとした。これにより、溶体から放出されるガス中に含まれるダストがレードル周辺の環境に拡散することが効果的に防止できることが確認された。
以上のように、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能であることはいうまでもない。
本発明に係るレードル用排気装置の全体配置図である。 本発明に係るレードル用排気装置の一実施形態の概要を示す斜視図である。 図1に示すレードル用排気装置の側面図である。 図1に示すレードル用排気装置の平面図である。 可動ダクト部の拡大図である。 ベアリングの取付構造を示す平面断面図である。 制御部の制御構造を示すブロック図である。 本発明に係る排気方法の一実施形態のフローチャートである。 自溶炉の概要図である。 銅製錬工程の概要図である。
符号の説明
9 レードル
9a 係止部
10 レードル用排気装置
20 排気ダクト
21 可動ダクト部
21a 駆動機構
22 連結ダクト部
25 固定ダクト部
27 排気ダクト
28 排気ダクト
29 メインダクト
31 ベアリング
32 枕材
33 取付枠体
34 支持枠体
37 パッキン部材
37a パッキンリング
40 ダンパ
60a 吸引側第一リミットスイッチ
60b 吸引側第二リミットスイッチ
61a 退避側第一リミットスイッチ
61b 退避側第二リミットスイッチ

Claims (6)

  1. 溶体を次工程へ移送するに際し、各工程における操業状態に合わせて移送の時期を調整するために待機させたレードルから放出されるガスやダストを吸引排気するレードル用排気装置であって、
    前記レードルの開口部を覆蓋可能に形成されたフードと、
    前記フードと連通され、前記レードルから放出されるガスやダストを吸引して排気する排気ダクトであって、垂直方向に立設されると共に当該排気ダクトの中心軸を中心に回転可能な可動ダクト部と、前記可動ダクト部から水平方向に枝分かれして前記フードの頂部を支持するようにして連結される連結ダクト部とを有する排気ダクトと、
    を備え、
    前記排気ダクトは、前記可動ダクト部の回転によって前記連結ダクト部と連結された前記フードを所定の待機位置に置かれた前記レードルの開口部を覆う吸引位置及び搬送装置による当該レードルの搬送を妨げることのない退避位置との間を移動可能としたことを特徴とするレードル用排気装置。
  2. 溶体を次工程へ移送するに際し、各工程における操業状態に合わせて移送の時期を調整するために待機させたレードルから放出されるガスやダストを吸引排気するレードル用排気装置であって、
    前記レードルの開口部を覆蓋可能に形成されると共に、当該レードルから放出されるガスやダストを吸引して排気する排気ダクトと連通されたフードを備え、
    前記フードは、所定の待機位置に置かれた前記レードルの開口部を覆う吸引位置と、搬送装置による当該レードルの搬送を妨げることのない退避位置との間を移動可能とされると共に、
    前記フードを前記吸引位置及び前記退避位置でそれぞれ自動的に停止させる第一のリミットスイッチと、
    前記フードが前記吸引位置及び前記退避位置をオーバーランした場合に緊急停止させる第二のリミットスイッチと、
    を備えていることを特徴とするレードル用排気装置。
  3. 請求項1又は2に記載のレードル用排気装置において、
    前記フードの前記吸引位置又は前記退避位置への移動と連動して開閉動作が行われる吸引ダンパをさらに備えていることを特徴とするレードル用排気装置。
  4. 請求項1からのいずれか1項に記載のレードル用排気装置において、
    前記搬送装置によって前記レードルが所定の待機位置まで搬送されてきたことを検出するセンサと、
    前記センサの検出信号に基づいて当該レードルが所定の待機位置に位置したことを知らせる通知手段と、
    をさらに備えていることを特徴とするレードル用排気装置。
  5. 溶体を次工程へ移送するに際し、各工程における操業状態に合わせて移送の時期を調整するために待機させたレードルから放出されるガスやダストを吸引排気するレードルの排気方法において
    前記レードルの開口部を覆蓋可能に形成したフードを所定の待機位置に置かれた当該レードルの開口部を覆う吸引位置へ移動させ、前記フードと連通された排気ダクトであって、垂直方向に立設されると共に当該排気ダクトの中心軸を中心に回転可能な可動ダクト部と、前記可動ダクト部から水平方向に枝分かれして前記フードの頂部を支持するようにして連結される連結ダクト部とを有する排気ダクトを介して前記レードルから放出されるガスやダストを吸引して排気すると共に、前記レードルを搬送する際には搬送装置による搬送を妨げることのない退避位置へ前記フードを退避させることを特徴とするレードルの排気方法。
  6. 請求項に記載のレードルの排気方法において、
    前記搬送装置により前記レードルを所定の待機位置へ搬送するステップと、
    前記レードルが所定の待機位置まで搬送されてきたことをセンサが検知し、前記センサの検知信号に基づいて当該レードルが所定の待機位置にあることを通知手段によって作業員に知らせると共に当該レードルを所定の待機位置で待機させるステップと、
    前記フードを吸引位置まで移動して前記レードルから放出されるガスやダストを前記排気ダクトを介して吸引排気するステップと、そして、
    吸引位置にある前記フードを前記レードルの搬送を妨げることのない退避位置まで移動して待機位置にある前記レードルを搬送装置によって次工程へ搬送するステップと、
    を含み構成されたことを特徴とするレードルの排気方法。
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