JP5343923B2 - 時効硬化性鋼および機械部品の製造方法 - Google Patents
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Description
4C+Mn+0.7Cr+0.6Mo−0.2V≧2.5、
C≧Mo/16+V/5.7、V+0.15Mo≧0.4
を満たす関係が成立しており、
圧延、鍛造、または溶体化処理後に、温度800℃から300℃の間は0.05〜10℃/秒の平均冷却速度で冷却され、
時効処理前においては、ベイナイト組織の面積率が50%以上で、かつ硬さは40HRC以下であり、
時効処理によって、硬さが時効処理前の硬さよりも7HRC以上高くなる時効硬化鋼」が開示されている。
(1)Al:0.001〜0.3質量%、N:0.005〜0.025質量%の群から選ばれる少なくとも1種、
(2)Nb:0.5質量%以下、Ti:0.5質量%以下、およびZr:0.5質量%以下の群から選ばれる少なくとも1種、
(3)Cu:1.0質量%以下、Ni:1.0質量%以下の群から選ばれる少なくとも1種、
(4)S:0.01〜0.20質量%、Ca:0.003〜0.010質量%、Pb:0.3質量%以下、およびBi:0.3質量%以下の群から選ばれる少なくとも1種。
C+0.3Mn+0.25Cr≧0.65・・・・・(1)
C+0.1Si+0.2Mn+0.2Cr+0.35V≦0.76・・・・・(2)
上記の(1)式および(2)式中の元素記号は、その元素の質量%での含有量を意味する。
〈1〉Mo:0.30%未満
〈2〉B:0.005%以下
〈3〉Cu:0.6%以下、Ni:0.6%以下およびNb:0.1%以下
〈4〉Ca:0.005%以下およびBi:0.4%以下
C+0.3Mn+0.25Cr+0.6Mo+Beff≧0.65・・・・・(1')
C+0.1Si+0.2Mn+0.2Cr+0.35V+0.2Mo≦0.76・・・・・(2')
上記の(1')式および(2')式中の元素記号は、その元素の質量%での含有量を意味し、(1')式中のBeffは次の値を指す。
Bの含有量が0.0005%未満の場合:Beff=0、
Bの含有量0.0005〜0.005%の場合:Beff=0.05。
C:0.025〜0.25%
Cは、Vと結合して炭化物を形成し、鋼を強化する。しかしながら、Cの含有量が0.025%未満では、VCの析出駆動力が小さくなってVCが析出し難くなるため、所望の強化効果が得られない。一方、Cの含有量が0.25%を超えると、Vと結合しないCがFeと炭化物を形成し、時効処理前の組織を強化してしまうため、被削性が低下する。したがって、Cの含有量を0.025〜0.25%とした。Cの含有量は0.05%以上とすることが好ましい。一方、Cの含有量は0.20%以下とすることが好ましい。
Siは、製鋼時の脱酸元素として有用であると同時に、マトリックスに固溶して鋼の強度を向上させる作用を有する。これらの効果を十分に得るためには、Siは0.05%以上の含有量とする必要がある。しかしながら、Siの含有量が過剰になると、鋼の熱間加工性および被削性の低下を招き、特に、その含有量が0.50%を超えると、鋼の熱間加工性および被削性の低下が著しくなる。したがって、Siの含有量を0.05〜0.50%とした。Siの含有量は0.10%以上とすることが好ましい。一方、Siの含有量は0.40%以下とすることが好ましい。
Mnは、強度と焼入れ性を向上させる元素であると同時に、鋼中でMnSを形成して被削性を向上させる作用を有する。これらの効果を十分に得るためには、Mnは少なくとも0.50%の含有量とする必要がある。しかしながら、Mnの含有量が2.5%を超えると、焼入れ性が過剰になるとともに、Mnによる固溶強化量が大きくなることによって被削性および熱間加工性の低下が非常に著しくなる。したがって、Mnの含有量を0.50〜2.5%とした。Mnの含有量は0.60%以上とすることが好ましい。一方、Mnの含有量は2.3%以下とすることが好ましい。
Pは、不純物として不可避的に含有される元素であり、靱性を低下させる。Pの含有量が0.05%を超えると、靱性の低下が非常に著しくなる。したがって、Pの含有量を0.05%以下とした。Pの含有量は0.04%以下とすることが好ましい。
Sは、不純物として不可避的に含有される元素である。他方、Sは鋼中でMnと結合しMnSを形成して被削性を向上させるので、被削性が必要なときには積極的に含有させる。被削性向上の効果を十分に得るにはS含有量を0.01%以上とすることが望ましい。しかしながら、Sの含有量が高くなると、Mnの固溶量は少なくなり、また粗大化したMnSが疲労破壊の起点となるため疲労強度が低下する。特に、Sの含有量が0.10%を超えると、疲労強度の低下が著しくなる。したがって、Sの含有量を0.10%以下とした。より高い疲労強度が要求される場合には、Sの含有量は0.05%未満とすることが好ましく、0.02%以下とすることが一層好ましい。一方、疲労強度よりもSの被削性改善効果を優先して積極的に含有させる場合には、0.05%以上のSを含有させるのが好ましい。
Crは、焼入れ性を高め、熱間鍛造後の組織の主相をベイナイトとするとともに、その面積率を大きくする作用を有する。この効果を十分に得るためには、Crは0.05%以上の含有量とする必要がある。しかしながら、Crの含有量が2.5%を超えると、焼入れ性が過剰になるとともに、Crによる固溶強化量が大きくなることによって被削性および熱間加工性の低下が非常に著しくなる。したがって、Crの含有量を0.05〜2.5%とした。Crの含有量は2.3%以下とすることが好ましく、2.0%以下とすることが一層好ましい。
Alは、不純物として不可避的に含有される元素である。Alは、脱酸を目的に意図して含有させる場合もある。脱酸効果を十分に得るには、Alは0.005%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、鋼中のAlの残留量が0.06%を超えると靱性が低下する。したがって、Alの含有量を0.06%以下とした。Alの含有量は0.05%以下とすることが好ましい。
Tiは、TiNとしてNを固定することで、熱間鍛造中および鍛造後の冷却中におけるVNの析出を抑制する。この効果を十分に得るためには、Tiは0.005%以上の含有量とする必要がある。固溶状態のTiは、時効処理によりVと複合的に析出するので、硬さを上昇させる効果がある。しかし、Tiの含有量が0.20%よりも多くなると、鍛造時の加熱中においても粗大なTiCが析出し、靱性を低下させてしまう。したがって、Tiの含有量を0.005〜0.20%とした。Tiの含有量は、時効処理前の硬さを低くしたい場合は、0.06%以下とすることが好ましく、0.04%以下とすれば一層好ましい。一方、時効処理前の硬さが多少高くなっても、高い時効処理後の硬さを得て疲労強度を向上させたい場合は、0.06%を超えるTiを含有させるのが好ましい。高い時効処理後の硬さを得たい場合のTi含有量は0.15%未満とすることが好ましい。
Vは、本発明の鋼における重要な元素である。Vは、時効処理の際にCと結合して微細なVCを形成することで、強度を高める作用がある。この効果を十分に得るためには、Vは0.10%以上の含有量とする必要がある。しかしながら、Vの含有量が過剰になると、熱間鍛造時の加熱においても未固溶の炭窒化物が残りやすくなって靱性の低下を招き、特に、その含有量が0.60%を超えると、靱性の低下が著しくなる。Vの含有量が0.60%を超えると、被削性も著しく低下する。したがって、Vの含有量を0.10〜0.60%とした。被削性を重視する場合のVの含有量は、0.55%以下とすることが好ましく、0.50%以下とすることが一層好ましい。一方、被削性を多少犠牲にしてでも強度を重視する場合のVの含有量は、0.20%以上とすることが好ましく、0.25%以上とすることが一層好ましい。
Nは、本発明鋼においてはVをVNとして固定してしまうため、好ましくない元素である。また、その含有量が多くなりすぎると、Nを固定するためのTi量が多くなり、それに伴って生成されるTiNは粗大になって靱性を低下させる。したがって、Nの含有量を0.020%以下とした。Nの含有量は0.015%以下とすることが好ましく、0.012%以下とすることが一層好ましい。
Moは、焼入れ性を高め、熱間鍛造後の組織の主相をベイナイトとするとともに、その面積率を大きくする作用を有する。Moは、0.10%以上のVを含有する鋼において、Vと複合的に炭化物を形成して、時効硬化能を大きくする作用も有する。このため、必要に応じてMoを含有させてもよい。しかしながら、Moは非常に高価な元素であるため、含有量が多くなると鋼の製造コストが増大してしまう。したがって、含有させる場合のMoの量を0.30%未満とした。含有させる場合のMoの量は0.20%以下とすることが好ましい。一方、前記したMoの効果を確実に得るためには、含有させる場合のMoの量は、0.01%以上とすることが望ましい。
Bは、本発明鋼の焼入れ性を高め、熱間鍛造後の組織の主相となるベイナイトの面積率を大きくする作用を有する。このため、必要に応じてBを含有させてもよい。しかしながら、Bの含有量が0.005%を超えると上記の効果は飽和する。したがって、含有させる場合のBの量を0.005%以下とした。含有させる場合のBの量は0.003%以下とすることが好ましい。一方、前記したBの焼入れ性を高めてベイナイトの面積率を大きくする効果を確実に得るためには、含有させる場合のBの量は0.0005%以上とすることが望ましい。
〈3〉に属する元素であるCu、NiおよびNbは、いずれも、疲労強度を高める作用を有する。このため、より大きな疲労強度を得たい場合には、これらの元素を以下に述べる範囲で含有させてもよい。
Cuは、少量であれば固溶強化によって、多量であれば時効処理時の析出強化によって、それぞれ疲労強度を向上させる作用を有する。このため、必要に応じてCuを含有させてもよい。しかしながら、Cuの含有量が0.6%を超えると、熱間加工性が低下する。したがって、含有させる場合のCuの量を0.6%以下とした。含有させる場合のCuの量は0.5%以下とすることが好ましい。一方、前記したCuの疲労強度を高める効果を確実に得るためには、含有させる場合のCuの量は、0.1%以上とすることが望ましい。
Niは、疲労強度を向上させる作用を有する。さらに、Niは、Cuによる熱間加工性の低下を抑制する作用も有する。このため、必要に応じてNiを含有させてもよい。しかしながら、Niの含有量が0.6%を超えると、コストが嵩むことに加えて上記の効果も飽和する。したがって、含有させる場合のNiの量を0.6%以下とした。含有させる場合のNiの量は0.5%以下とすることが好ましい。一方、前記したNiの効果を確実に得るためには、含有させる場合のNiの量は、0.1%以上とすることが望ましい。
Nbは、Vと複合的に炭化物を形成することで、鋼の時効硬化能を向上させて疲労強度を向上させる作用を有する。このため、必要に応じてNbを含有させてもよい。しかしながら、Nbの含有量が0.1%を超えると、鍛造時の加熱中に粗大なNb炭窒化物が生成し、靱性を劣化させる。したがって、含有させる場合のNbの量を0.1%以下とした。含有させる場合のNbの量は0.05%以下とすることが好ましく、0.03%以下とすることが一層好ましい。一方、前記したNbの効果を確実に得るためには、含有させる場合のNbの量は、0.005%以上とすることが望ましい。
〈4〉に属する元素であるCaおよびBiは、いずれも、被削性を高める作用を有する。このため、より良好な被削性を得たい場合には、これらの元素を以下に述べる範囲で含有させてもよい。
Caは、被削性を向上させる作用を有する。このため、必要に応じてCaを含有させてもよい。しかしながら、Caの含有量が0.005%を超えると、熱間加工性の低下をきたす。したがって、含有させる場合のCaの量を0.005%以下とした。含有させる場合のCaの量は0.0035%以下とすることが好ましい。一方、前記したCaの被削性向上効果を確実に得るためには、含有させる場合のCaの量は、0.0005%以上とすることが望ましい。
Biは、被削性を向上させる作用を有する。このため、必要に応じてBiを含有させてもよい。しかしながら、Biの含有量が0.4%を超えると、熱間加工性の低下をきたす。したがって、含有させる場合のBiの量を0.4%以下とした。含有させる場合のBiの量は0.3%以下とすることが好ましい。一方、前記したBiの被削性向上効果を確実に得るためには、含有させる場合のBiの量は、0.03%以上とすることが望ましい。
本発明の時効硬化性鋼は、前記MoからBiまでの元素のうちの1種以上を含まない場合には、〔C+0.3Mn+0.25Cr〕が0.65以上、つまり、
C+0.3Mn+0.25Cr≧0.65・・・・・(1)
で表される(1)式を、前記MoからBiまでの元素のうちの1種以上を含む場合には、〔C+0.3Mn+0.25Cr+0.6Mo+Beff〕が0.65以上、つまり、
C+0.3Mn+0.25Cr+0.6Mo+Beff≧0.65・・・・・(1')
で表される(1')式を、それぞれ、満たす必要がある。
本発明の時効硬化性鋼は、前記MoからBiまでの元素のうちの1種以上を含まない場合には、〔C+0.1Si+0.2Mn+0.2Cr+0.35V〕が0.76以下、つまり、
C+0.1Si+0.2Mn+0.2Cr+0.35V≦0.76・・・・・(2)
で表される(2)式を、前記MoからBiまでの元素のうちの1種以上を含む場合には、〔C+0.1Si+0.2Mn+0.2Cr+0.35V+0.2Mo〕が0.76以下、つまり、
C+0.1Si+0.2Mn+0.2Cr+0.35V+0.2Mo≦0.76・・・・・(2')
で表される(2')式を、それぞれ、満たす必要がある。
本発明に係る機械部品は、Vの析出強化の効果を十分に得るために、所定の手法によって熱間鍛造とその後の冷却を行い、さらに、切削加工を施した後、時効処理を施す。以下、このことについて説明する。
熱間鍛造用素材の加熱温度は1000℃以上とする必要がある。これは、加熱温度が1000℃を下回ると、未固溶のVCが固溶しないからである。加熱温度が過度に高くなるとエネルギーコストが大きくなることに加えて、スケールロスも多くなる。このため、加熱温度は1300℃以下が望ましい。
前記(B−1)項で述べた条件で、熱間鍛造とその後の冷却を施された鋼は、次に切削加工を施されて所定の機械部品形状に加工される。
時効処理は、560〜700℃の温度で行わなければならない。時効処理温度が700℃を超えると、組織自体が焼戻されて軟化してしまう。一方、時効処理温度が560℃を下回ると、Vの拡散が遅くなるために時効処理に要する時間が長くなるので、生産性の低下および熱処理コストの増大をきたす。
Claims (3)
- 質量%で、C:0.025〜0.25%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.50〜2.5%、P:0.05%以下、S:0.10%以下、Cr:0.05〜2.5%、Al:0.06%以下、Ti:0.005〜0.20%、V:0.10〜0.60%、N:0.020%以下を含有し、残部はFeおよび不純物からなり、かつ、下記の(1)式および(2)式を満足することを特徴とする時効硬化性鋼。
C+0.3Mn+0.25Cr≧0.65・・・・・(1)
C+0.1Si+0.2Mn+0.2Cr+0.35V≦0.76・・・・・(2)
上記の(1)式および(2)式中の元素記号は、その元素の質量%での含有量を意味する。 - 質量%で、C:0.025〜0.25%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.50〜2.5%、P:0.05%以下、S:0.10%以下、Cr:0.05〜2.5%、Al:0.06%以下、Ti:0.005〜0.20%、V:0.10〜0.60%、N:0.020%以下を含有するとともに、下記の〈1〉から〈4〉までのいずれかに属する1種以上の元素を含有し、残部はFeおよび不純物からなり、かつ、下記の(1')式および(2')式を満足することを特徴とする時効硬化性鋼。
〈1〉Mo:0.30%未満
〈2〉B:0.005%以下
〈3〉Cu:0.6%以下、Ni:0.6%以下およびNb:0.1%以下
〈4〉Ca:0.005%以下およびBi:0.4%以下
C+0.3Mn+0.25Cr+0.6Mo+Beff≧0.65・・・・・(1')
C+0.1Si+0.2Mn+0.2Cr+0.35V+0.2Mo≦0.76・・・・・(2')
上記の(1')式および(2')式中の元素記号は、その元素の質量%での含有量を意味し、(1')式中のBeffは次の値を指す。
Bの含有量が0.0005%未満の場合:Beff=0、
Bの含有量0.0005〜0.005%の場合:Beff=0.05。 - 機械部品の製造方法であって、請求項1または2に記載の鋼を1000℃以上の温度で加熱し、仕上げ温度が900℃以上である熱間鍛造を施し、その後5℃/秒未満の平均冷却速度で少なくとも500℃まで冷却し、さらに、切削加工を施した後に560〜700℃の温度で時効処理を施すことを特徴とする機械部品の製造方法。
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