JP5343833B2 - 貯湯タンク及びそれを備えた貯湯式給湯機 - Google Patents

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Description

本発明は、特に給湯機として用いられ、任意の温度に加熱した温水を貯めておく貯湯タンクに関するものである。
従来、給湯機としては、ガスや石油を燃料として用い、その燃焼熱で水道水を加熱する給湯機が使用されてきたが、昨今エネルギー源を全て電気で行うというオール電化の住宅やマンションが徐々に増えてきており、このような住宅やマンションでは、加熱された温水を貯めておく大容量の貯湯タンクを備えた給湯機が用いられている。
この加熱方法としては、夜間割引の安価な電力を利用し、夜間に貯湯タンクの内部に配設された電気ヒータで加熱してできた一般的には80℃以上の温水を、貯湯タンクに貯めておき、この温水と水道水をミキシングして、使用者の欲する任意の温度にして、給湯端末から供給するものもあるが、エネルギー効率の観点から加熱方法として、ヒートポンプを用いた貯湯式のヒートポンプ式給湯機の利用が増えてきている。
これは、大容量の貯湯タンクと、ヒートポンプ回路を組み入れた室外機を備え、夜間割引の安価な電力を利用して、ヒートポンプ回路で水道水を温水に加熱して、その温水を貯湯タンクに貯めておき、この温水と水道水をミキシングして、使用者の欲する任意の温度にして、給湯端末から供給するものである。
このヒートポンプ式給湯機は、冷媒の状態変化を利用して加熱しているので、電気ヒータによる加熱よりエネルギー効率が良く、入力に対する能力は3倍以上確保することが可能であり、ランニングコストも安価となるなどの特徴を持ち、オール電化の住宅、マンションでも新たなインフラ整備を必要としないで手軽に設置することができ、普及率が年々上昇してきている。
このように用いられる給湯機に用いられる貯湯タンクは、図10に示すように、球面状の上部板と筒状の胴板と球面状の下部板で密閉空間を構成し、覆椀状の上部板あるいは下部板の頂部球面状部分や側方の立ち上がり部分には、配管を接続する配管接続部が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−214711号公報
しかしながら、前記特許文献1には、ステンレス板を深絞り加工を行う上部板、下部板に関して加工の際に配慮する点に関してはなんら記載されていない。
このような貯湯タンクの場合、水道による水道圧が直接貯湯タンクに加わり、変形することを防ぐために、水道の給水部と、貯湯タンクの間に水圧を減ずるための減圧弁を設ける。
ところが、給湯端末を開き給水した場合と、給湯端末を閉じた場合の開閉動作によって、開いた場合は大気圧に近い圧力となり、閉じた場合は減圧弁で設定した圧力となり、い
わゆる繰返し荷重が加わることとなる。
その際に、亀裂が生じて水漏れしてしまう恐れがある部位は、上記のバーリング加工を行った接続穴部であり、他の球面状部分と違い加工を行い、変曲しているために応力集中しやすく、亀裂の可能性が高いわけである。
それを防ぐには、貯湯タンクの材料であるステンレス板の板厚を上げることがあるが、それはコストアップにつながるし、質量も上がることで、設置のために搬送する時に搬送しにくくなるなどの課題を有している。
それ以外に、減圧弁の設定圧力を下げて、繰り返し荷重で加わる加圧幅を減ずる方法もあるが、それは給湯端末での水圧が減ずることとなり、シャワー圧が低くなり、シャワーの勢いがなくなってしまう、3階建て住宅で3階給湯するなど高所での給湯する際に、流量が少なく時間がかかる、などの課題が出てくることとなる。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、貯湯タンクに加圧による繰り返しに荷重が加わった際の強度を向上させることで、加工前材料の板厚を低減でき、コストダウンや軽量化による搬送性に優れた貯湯タンクを提供することをする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の貯湯タンクは、ステンレス材料で深絞り加工後に穴加工を施した半球状の上部板及び半球状の下部板を備え、少なくとも前記上部板、前記下部板を用いて貯湯空間を形成するとともに、前記上部板及び前記下部板に施す穴加工位置は、ステンレス材料のロール目方向、あるいは、前記ロール目と略直角方向であることを特徴とするもので、深絞り加工において、ロール目方向あるいはロール目と直角方向は材料の入り込みが良好なため、深絞り加工による減肉が低減することができることで、穴加工を行った部分の板厚と加工前材料の板厚と差が少なくなる。貯湯を行った際に、加圧された際に半球状の上部板、あるいは、下部板の中で最も応力が高くなるのは穴加工を行った部位であり、その部位に亀裂を生じやすくなっているが、板厚を厚くすることができることで、加工前材料の板厚を薄くすることができ、コストダウンと共に軽量化を図ることができる。
本発明によれば、貯湯タンクに加圧による繰り返しに荷重が加わった際の強度を向上させることで、加工前材料の板厚を低減でき、コストダウンや軽量化による搬送性に優れた貯湯タンクを提供できる。
本発明の実施の形態1における貯湯タンクの外観図 同貯湯タンクの上部板の詳細図 同貯湯タンクを用いた給湯機の全体図 同貯湯タンクを用いた給湯機の回路図 同貯湯タンクの応力シミュレーション図 同貯湯タンクの板厚測定図 同貯湯タンクの他の板厚測定図 同貯湯タンクの他の板厚測定図 同他の貯湯タンクの外観図 従来の貯湯タンクの外観図
第1の発明は、ステンレス材料で深絞り加工後に穴加工を施した半球状の上部板及び半球状の下部板を備え、少なくとも前記上部板、前記下部板を用いて貯湯空間を形成するとともに、前記上部板及び前記下部板に施す穴加工位置は、ステンレス材料のロール目方向、あるいは、前記ロール目と略直角方向であることを特徴とするもので、深絞り加工において、ロール目方向あるいはロール目と直角方向は材料の入り込みが良好なため、深絞り加工による減肉が低減することができることで、穴加工を行った部分の板厚と加工前材料の板厚と差が少なくなる。貯湯を行った際に、加圧された際に半球状の上部板、あるいは、下部板の中で最も応力が高くなるのは穴加工を行った部位であり、その部位に亀裂を生じやすくなっているが、板厚を厚くすることができることで、加工前材料の板厚を薄くすることができ、コストダウンと共に軽量化を図ることができる。
第2の発明は、上部板に形成した穴に給湯配管を、下部板に形成した穴に給水配管を接続したことを特徴とするもので、深絞り加工において、ロール目方向あるいはロール目と直角方向は材料の入り込みが良好なため、深絞り加工による減肉が低減することができることで、穴加工を行った部分の板厚と加工前材料の板厚と差が少なくなる。貯水あるいは貯湯を行った際に、加圧された際に半球状の上部板、あるいは下部板の中で最も応力が高くなるのは穴加工を行った部位であり、その部位に亀裂を生じやすくなっているが、板厚を厚くすることができることで、加工前材料の板厚を薄くすることができ、コストダウンと共に軽量化を図ることができる。
第3の発明は、上部板及び下部板に施す穴加工位置は、頂部R形状あるいは鉛直部に対して法線方向よりも、ステンレス材料のロール目方向、あるいは、前記ロール目と略直角方向を優先することを特徴とするもので、深絞り加工において減肉の大きな鉛直部の穴加工を優先的に、減肉率の小さな材料のロール目方向、あるいはロール目と略略直角方向に配することで、その部位の耐久性を増すことができ、そのことは加工前材料の板厚ダウンも可能であるし、貯湯タンクにかかる圧力を増すことも可能であり、コストダウンや使用性向上を図ることができる。
第4の発明は、ステンレス材料は、高耐食性フェライト系ステンレス材料としたことを特徴とするもので、加工性、耐久性に優れた材料とすることで、品質の向上を図ることができる。
第5の発明は、水道水を給水するための給水部と、前記給水部には配設した給水圧力を減圧する減圧弁を備え、前記減圧弁の設定圧力を0.25MPa以上としたことを特徴とするもので、貯湯タンクの強度を増していることにより、減圧弁の設定圧力を高くすることが可能となり、それにより、シャワー圧を上げて、シャワーの勢いを強くする、あるいは3階建て住宅で3階給湯するなど高所での給湯するために、給湯圧を上げて使用したり、湯はり時間の短縮化が図れることが可能となり、使用性が大幅に向上することとなる。
第6の発明は、熱源装置にて加熱した温水を第1〜第5のいずれかの発明の貯湯タンクに貯湯する貯湯式給湯機で、低コスト化を図りつつ、断熱性能を確保できることにより、より普及度を高めることが可能な給湯機とすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の貯湯タンクの図面であり、1は貯湯タンクの組立完成図、上に上面図、中央に正面図、下に下面図と3面図が記載している。
2は耐腐食性を有するフェライト系ステンレス鋼鈑を絞り加工して球面状に成形した上部板であり、この上部板には頂部に給水口や温水取り出し口である、頂部配管接続部2a、球面部に球面部配管接続部2b、側方の鉛直部に側方配管接続部2cが設けられている。
また、2dは上部板2の加工前のステンレス材料のロール目方向であり、球面部配管接続部2b、側方配管接続部2cはロール目方向2dに対してそれぞれ略直角、略平行方向に設けられている。また、球面部配管接続部2bは、球面状の頂部に対して法線方向に設けられており、側方配管接続部2cは、鉛直部に対して法線方向に設けられている。3は上部板2とTig溶接で一体化されたステンレス鋼鈑の胴板であり、平板をロール加工にて円筒状にし、縦方向にTig溶接してある。
4は胴板3の下方に配され胴板3とTig溶接で一体化された下部板であり、上部板2と同様に耐腐食性を有するフェライト系ステンレス鋼鈑を深絞り加工して球面状に成形しており、この下部板4には頂部に給水口や温水取り出し口である頂部配管接続部4a、球面部に球面部配管接続部4b、4cが設けられている。
また、4dは下部板4の加工前のステンレス材料のロール目方向であり、球面部配管接続部4b、球面部配管接続部4cはロール目方向4dに対してそれぞれ略平行、略直角方向に設けられている。
また、球面部配管接続部4b、4cは、球面状の頂部に対して法線方向に設けられている。そして、この3部品で閉塞空間を形成し、その内方に貯湯ことにより、タンクとしての役割を果たすようになっている。
5はこの貯湯タンクを支えるための脚であり、3箇所設けられている。6はこの脚5を保持するための脚金具であり、脚金具6は胴板3にスポット溶接で取り付けられている。図1の正面図においては、形状をわかりやすくするために脚5を一部透過させて下部板4の配管接続部4aを図示している。
上部板2の詳細断面図を記載したのが図2であり、図1の断面A−B−Cを記載している。2aは頂部配管接続部、2bは球面部配管接続部、2cは側方配管接続部であり、その部分の拡大断面図として球面部配管接続部2bを下方に記載している。この形状は、頂部配管接続部2a、側方配管接続部2cも同様である。2dは、貯湯タンクの上部板2の球面部に法線方向に設けられたバーリング穴、2fはバーリング穴に勘合するように設けられたステンレス製の配管ソケットであり、上部が拡大された形状をしている。そして、バーリング穴2eと配管ソケット2fはTig溶接2gで一体化されている。前述したように、球面部配管接続部2b、側方配管接続部2cはロール目方向2dに対してそれぞれ略直角、略平行方向に設けられている。
図2では上部板2について説明したが、下部板4に関しても同様の形状で、球面部配管接続部4b、球面部配管接続部4cなどが設けられている。図3はこの貯湯タンクを用いた給湯機の正面内観図、図4はこの貯湯タンクを用いた給湯機の回路図である。
7は貯湯タンクユニットであり、8はヒートポンプ回路を有するヒートポンプユニットである。そして、この貯湯タンクユニット7とヒートポンプユニット8は、2本の水配管9(9a、9b)で繋がっている。貯湯タンクユニット7内部には、ヒートポンプユニット8で加熱された温水を貯めておく貯湯タンク1があり、水道水をヒートポンプユニット8で加熱して温水として貯めておき、必要な際に、水道水とミキシングして、所定の温度にして給湯することとができる。
この貯湯タンク1は、薄板の耐腐食性に優れたフェライト系ステンレス製のプレス部品で構成されて、密閉空間を形成している。この貯湯タンク1の前方には、水道水を供給する給水管10があり、この給水管10から供給された水圧を一定の水圧に減ずるための減圧弁11が配されており、それ以外に水ポンプ12などの機能部品や、制御P板13などの制御部品が配されている。
減圧弁11は水道水の圧力を概して、従来は120kPa以下に減じて貯湯タンク1に供給するものであり、貯湯タンク1にかかる圧力を減ずることで、貯湯タンク1の変形防止、耐久性向上を確保している。
また、近年では高圧タイプとして、減圧弁11の設定を180kPaまで上げているものも登場しているが、今回のこの仕様では、減圧弁11の設定を250kPa以上として、280kPaまで上げて、さらに高圧タイプのタンクユニット7としている。また、この減圧弁11にはストレーナを組み込み、水道水内のゴミ、コンタミネーションを除去するようになっている。
14は密閉された圧力容器である貯湯タンク1の上死点に設けられた、圧力逃し安全弁であり、貯湯タンク1の破裂を防ぐ缶体内の異常圧力を抜くための装置として、減圧弁11の設定圧力よりも高く設定してある。この仕様では280kPaより高い設定として、減圧弁11のバラツキも考慮して、340kPa程度に設定している。
ヒートポンプユニット8には、圧縮機、放熱器、減圧手段、空気−冷媒熱交換器を順次接続した冷媒サイクルが組み込まれており、15は圧縮機、16は放熱器であり、水−冷媒熱交換器として、水道水を加熱する熱交換器であり、17は減圧手段である膨張弁である。
18は空気−冷媒熱交換器であり、19は空気−冷媒熱交換器18の前方に配された送風手段である送風ファンであり、空気−冷媒熱交換器18から、風を吸引し、蒸発能力を高め、ヒートポンプ加熱能力を高めるようになっている。
そして、ヒートポンプユニット8で80℃以上に加熱された水道水は、温水となって、水配管9bでタンクユニット7に運ばれ、貯湯タンク1に貯湯されるわけである。
以下、図面に基づいて、上記給湯機の動作を説明する。
給水管10から給水された水道水は、一旦貯湯タンク1内部に入る。その貯湯タンク1からポンプ12を介し、水配管9(9a)を通りヒートポンプユニット8に送られる。ヒートポンプユニット8では、圧縮機15を駆動させると、高圧まで圧縮されて吐出された冷媒は、水−冷媒熱交換器である放熱器16に送られ、ここで水配管9(9a)から送られてきた水道水と熱交換して放熱する。
これにより、水道水は高温に加熱され、他方の水配管9bで再度、タンクユニット7に送られる。高温となりタンクユニット7に戻った温水は、貯湯タンク1で貯湯される。そして、貯湯された温水は、給湯操作が行われると、貯湯タンク1の温水と、給水管10から、減圧弁11を介して給水された水道水が、混合弁20で混合され、所定の温度となって給湯管21を介して、蛇口や風呂などの給湯端末22で給湯される。
この際に、水道圧の圧力が貯湯タンク1に加わらないように、給水管10には圧力を減ずるための減圧弁11が設けられており、280kpa程度に減圧を行う。それにより、
給湯端末22をON−OFFすると、20〜60kPa程度の圧力と、減圧弁11の設定圧力である280kPaが繰り返し、貯湯タンク1にかかることとなる。
また、貯湯タンク1内の温度が上昇し、内部圧力が高くなった場合の圧力逃し弁14が開放されるまでの圧力330kPaが貯湯タンク1にかかることとなる。そのため、貯湯タンク1の胴板3は、Tig溶接してある上部板2胴板3の接合部3a、下部板4と胴板3の接合部3bを支点として、中央部が膨縮を繰返すこととなる。
それと共に、上部板2、下部板4についても、膨縮を繰返すこととなる。その際に、配管接続部であり、バーリング加工を行ったバーリング穴2eにも応力がかかり、最も高くなるのは、バーリング加工を施している部位の根元となる。
図5は、貯湯タンク1の上部板2に1.75MPaの内圧をかけた際の各部のミーゼス応力分布であり、色が濃い部分は応力が少なく、色の薄い部分は応力が高いことを示している。これを見れば、配管接続部であり、バーリング加工を行ったバーリング穴2eの根元部分の応力が高いことがわかる。
これは、球面状の部分と変曲した部分であること、バーリング穴2eの根元Rが大きくできないこと、バーリング穴2eを後加工することで、材料が伸ばされ、加工前板厚よりさらに減肉してしまうことによるといえる。
そのため、給湯端末22をON−OFFにより、20〜60kPa程度の圧力と、減圧弁11の設定圧力である280kPaが繰り返し、貯湯タンク1にかかることとなる。実際に長期間に渡って使用された際に、このいわゆる加圧繰返しが頻繁に行われることで、ミーゼス応力の高いバーリング穴2e根元部分が亀裂を生じてしまう恐れがあることとなる。
特に、配管ソケット2fが溶接で一体化されているために、溶接の際に、ステンレス部分の貯湯タンク1が加熱され、脆くなってしまうこともあり、応力が高い以上に、亀裂の生じる可能性が高くなっている。
そこで、対策としては、材料であるフェライト系ステンレス板の板厚を上げることが行なわれている。板厚を上げれば、ミーゼス応力が下がるので、前述した加圧繰り返しに対する耐力が強くなる訳である。
ところが、板厚を上げることは、コストアップにつながり、貯湯タンク1のコストアップと共に、タンクユニット7の強度アップ、梱包材料の強度アップによるコストアップも招く。また、重量アップともなり、設置の際に搬送性の悪化ともなってしまう。そこで、貯湯タンク1の板厚を上げないで強度を上げることが求められる。
図6は、貯湯タンク1の深絞り加工後の鉛直部の板厚を周方向に示したものである。上図の2点鎖線は、加工前のステンレス材料を示し、ここでは円状の材料としている。横に引いてある線は、ロール目方向2dである。このロール目方向2dは、ステンレス材料を延伸して、薄板にする際にロール形状とするために必ず生じるものである。そして、内方にある円が加工後の貯湯タンク1の上面図であり、その中に記載されているA〜Xが、下図のA〜Xの板厚にあたる。
ここでわかることは、深絞り加工後の板厚は、ロール目方向2dに対して、ロール目と平行方向、直角方向の板厚が厚いということである。これは深絞り加工の際に、金型上の材料が滑って入り込むことと、材料が伸ばされることで深絞り形状ができるのだが、ロー
ル目方向とロール目と直角方向は、材料がより入り込みやすいために、深絞り加工による減肉が低減されることで、相対的に板厚が厚くなるわけである。
そこで、この図1で示したように、深絞り加工を行った後に、バーリング加工を行い、バーリング穴2eを設けるのだが、このバーリング穴2eをロール目方向2dに対して、平行あるいは直角方向に設けることで、深絞り加工後に材料の板厚の相対的に厚い箇所に設けることとなる。
そのため、前述した加圧繰返し際の、応力を低減すことが可能となり、強度を増すことができる。そのことは、加工前のステンレス材料の板厚を薄くすることが可能となることを意味している。つまり、材料のコストを下げること、質量を下げることで搬送性を上げることが可能となる訳である。
図7は、加工前のステンレス材料を円状とした場合と、八角形とした場合の、深絞り加工後の鉛直部の板厚を周方向に示している。斜め四角の点と太い線でaと記した方が円状、三角形の点と細い線でbと記した方が八角形であるが、八角形の場合はその板厚バラツキが大きいことがわかる。
これは、八角形の場合、球状に深絞り加工を行う際に、加工後形状と、元の材料の距離が異なっているために、距離の長い箇所(図7では、B,Eなどの八角形の角部分)は材料の入り込みが悪くなり、減肉が大きくなるためである。加工前の材料形状としては、円状とすることが望ましいといえる。
ところで、図1で示したように、球面部配管接続部2bと、側方配管接続部2cなど、複数の配管接続部があり、貯湯タンク1にはそこにバーリング穴が設けられている場合、どちらを優先するかということがある。
図7は、バーリング穴加工を行う前の、貯湯タンク1の上部板2であり、深絞り加工による減肉の大きくなる、ロール目2eに対して、45度方向の板厚、減肉率を測定したものである。これでわかるように、頂部配管接続部2a、球面部配管接続部2bのある、球面部より、側方配管接続部2cのある鉛直部の方が減肉率が大きいことがわかる。
これは深絞り加工の際に、球面部は材料が伸ばされないで、材料が入り込んでいくことで成形され、鉛直部は材料が伸ばされて成形されるために、このようになっている。このことは、減肉率の大きな部位に対して、バーリング穴を設ける際に、その箇所の板厚を厚く保った方が良いということであり、鉛直部に配管接続部をロール目2eに対して、平行あるいは鉛直方向に配することを優先した方が良いということである。これは下部板4に関しても同様である。
また、今までは上部板2、胴板3、下部板4を用いた構成について説明してきたが、図9の様に、胴板3がなくて上部板2と下部板4で貯湯タンク1を構成した場合も同様である。
以上のように、本発明は、温水をためてそれを供給する給湯機に適用され、例えば家庭用のヒートポンプ給湯機などに適している。
1 貯湯タンク
2 上部板
2a、2b、2c 配管接続部
2d ロール目
2e 穴加工位置
3 胴板
4 下部板
10 給水部
11 減圧弁

Claims (6)

  1. ステンレス材料で深絞り加工後に穴加工を施した半球状の上部板及び半球状の下部板を備え、少なくとも前記上部板、前記下部板を用いて貯湯空間を形成するとともに、前記上部板及び前記下部板に施す穴加工位置は、ステンレス材料のロール目方向、あるいは、前記ロール目と略直角方向であることを特徴とする貯湯タンク。
  2. 上部板に形成した穴に給湯配管を、下部板に形成した穴に給水配管を接続したことを特徴とする請求項1に記載の貯湯タンク。
  3. 上部板及び下部板に施す穴加工位置は、頂部R形状あるいは鉛直部に対して法線方向よりも、ステンレス材料のロール目方向、あるいは、前記ロール目と略直角方向を優先することを特徴とする請求項1または2に記載の貯湯タンク。
  4. ステンレス材料は、高耐食性フェライト系ステンレス材料としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の貯湯タンク。
  5. 水道水を給水するための給水部と、前記給水部には配設した給水圧力を減圧する減圧弁を備え、前記減圧弁の設定圧力を0.25MPa以上としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の貯湯タンク。
  6. 熱源装置にて加熱した温水を請求項1〜5のいずれか1項に記載の貯湯タンクに貯湯する貯湯式給湯機。
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