JP5343799B2 - 信号処理装置及び転がり軸受ユニットの物理量測定装置 - Google Patents

信号処理装置及び転がり軸受ユニットの物理量測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、複数個の回転センサを備えた転がり軸受ユニットから送られてくる、これら各回転センサのパルス信号を入力して、これら各パルス信号の周期及びこれら各パルス信号同士の間の位相差を算出する信号処理装置と、当該転がり軸受ユニットを構成する静止側部材と回転側部材との間に作用する外力等の物理量を算出する、転がり軸受ユニットの物理量測定装置との改良に関する。
自動車の走行安定性確保の為の制御を、より高度に行わせる為に、自動車の車輪支持用転がり軸受ユニットに物理量測定装置を組み込み、各車輪に加わるアキシアル荷重やラジアル荷重を測定する事が考えられている。図9〜10は、この様な転がり軸受ユニットの物理量測定装置の従来構造の第1例として、特許文献1に記載されたものを示している。この従来構造の第1例は、懸架装置に支持された状態で使用時にも回転しない静止側部材である外輪1の内径側に、使用時に車輪を支持固定した状態でこの車輪と共に回転する、回転側部材であるハブ2を、複数個の転動体3、3を介して、回転自在に支持している。これら各転動体3、3には、互いに逆向きの(図示の場合には背面組み合わせ型の)接触角と共に、予圧を付与している。
又、前記ハブ2の内端部(軸方向に関して「内」とは、自動車への組み付け状態で車両の幅方向中央側を言い、図9、11、12の右側。反対に、自動車への組み付け状態で車両の幅方向外側となる図9、11、12の左側を、軸方向に関して「外」と言う。本明細書全体で同じ。)には、円筒状のエンコーダ4を、前記ハブ2と同心に支持固定している。又、前記外輪1の内端開口を塞ぐ有底円筒状のカバー5の内側に、1対の回転センサ6a1、6a2を支持すると共に、これら両回転センサ6a1、6a2の検出部を、前記エンコーダ4の被検出面である外周面に近接対向させている。
前記エンコーダ4は、磁性金属板製である。このエンコーダ4の軸方向内半部には、それぞれが「く」字形である、透孔7、7と柱部8、8とを、円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置している。そして、これら透孔7、7と柱部8、8とを形成した部分の外周面を、被検出面としている。又、この被検出面のうち、前記「く」字形の折れ曲がり部を挟んだ軸方向片側を第一特性変化部9とし、軸方向他側を第二特性変化部10としている。
又、前記1対の回転センサ6a1、6a2はそれぞれ、永久磁石と、検出部を構成するホールIC、ホール素子、MR素子、GMR素子等の磁気検知素子とを含んで構成されている。これら両回転センサ6a1、6a2は、前記カバー5の内側に支持固定した状態で、一方の回転センサ6a1の検出部を前記第一特性変化部9に、他方の回転センサ6a2の検出部を前記第二特性変化部10に、それぞれ近接対向させている。
上述の様に構成する転がり軸受ユニットの物理量測定装置の場合、車輪の回転時に、外輪1とハブ2との間にアキシアル荷重が作用(これら外輪1とハブ2とがアキシアル方向に相対変位)すると、1対の回転センサ6a1、6a2のパルス信号(出力信号)同士の間の位相差比(=位相差/周期)が変化する。この場合に、この位相差比は、当該アキシアル荷重(アキシアル方向の相対変位)に見合った値をとる。従って、この位相差比に基づいて、当該アキシアル荷重(アキシアル方向の相対変位)を算出する事ができる。尚、この算出処理は、図示しない演算器により行う。この為、この演算器には、予め理論計算や実験により調べておいた前記位相差比と前記アキシアル荷重(アキシアル方向の相対変位)との関係を、計算式やマップ等の形式で組み込んでおく。
次に、図11〜13は、転がり軸受ユニットの物理量測定装置の従来構造の第2例として、前記特許文献1に記載されたものを示している。本例の場合には、エンコーダ4の被検出面に対向させる回転センサの個数が、上述した従来構造の第1例の場合と異なる。即ち、本例の場合には、エンコーダ4の被検出面の第一、第二両特性変化部9、10に、それぞれ3個の回転センサ(6a1、6b1、6c1)(6a2、6b2、6c2)の検出部を対向させている。この様に、使用する回転センサ6a1、6a2、6b1、6b2、6c1、6c2の個数を合計6個とした本例の場合には、図示しない演算器により、これら各回転センサ6a1、6a2、6b1、6b2、6c1、6c2のパルス信号(出力信号)同士の間の位相差比(所定の5つの位相差比)を算出する事に基づいて、外輪1に対するハブ2の5方向変位(変位x、y、z及び傾きφx、φz)と、これら外輪1とハブ2との間に作用する5方向外力(荷重Fx、Fy、Fz及びモーメントMx、Mz)を算出する事ができる。尚、この様な従来構造の第2例に関する、より具体的な構造及び作用に就いては、前記特許文献1に記載されている為、これ以上の詳しい説明は省略する。
上述した各従来構造の場合には何れも、複数個の回転センサのパルス信号同士の間の位相差比(=位相差/周期)に基づいて、転がり軸受ユニットに作用する外力等の物理量を算出する。この為、この物理量を算出する演算器には、複数個の回転センサのパルス信号の周期、及び、これら各パルス信号同士の間の位相差を算出する為の信号処理装置を組み込んでおく必要がある。
この様な信号処理装置としては、例えば特許文献2、3に記載されている様なものを採用する事ができる。これら特許文献2、3に記載された信号処理装置は、カウンタと、FIFO(First In First Out)メモリとを備えており、入力された複数のパルス信号のデータを、カウンタの1クロック毎にFIFOメモリに書き込む様に構成している。例えば、図14の(A)(B)に示す様に、SEN0〜SEN5迄の6つのパルス信号が入力される場合には、これら6つのパルス信号のデータ(Low=0、High=1)を、カウンタの1クロック毎(カウント値が1増える毎に)に、「010000」等のパターンとして、「0000」等のカウント値と共にFIFOメモリに書き込む様に構成している。そして、この様にFIFOメモリに書き込まれたデータから、前記各パルス信号の変化時(立下り時又は立上り時)に於けるカウント値を求めると共に、この様に求めたカウント値から、前記各パルス信号の周期、及び、これら各パルス信号同士の間の位相差(時間差)を求める処理を行う。
ところが、この様な特許文献2、3に記載された信号処理装置の場合には、各パルス信号の変化時に於けるカウント値を求める為に、膨大なデータを処理する必要があり、これと並行して、周期及び位相差を求める処理を行う事を考慮すると、ソフトウェア処理やハードウェア構成が複雑となって、信号処理に時間が掛かり、又、信号処理装置の低コスト化を図りにくくなる事が懸念される。
特開2008−64731号公報 特開昭63−295974号公報 特開平3−160374号公報
本発明の信号処理装置及び転がり軸受ユニットの物理量測定装置は、上述の様な事情に鑑み、ハードウェア構成の簡素化と、ソフトウェア処理の容易化とを図れる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の信号処理装置及び転がり軸受ユニットの物理量測定装置のうち、請求項1に記載した信号処理装置は、それぞれが複数個の回転センサを備えた1乃至複数個の転がり軸受ユニットから送られてくる、前記各回転センサのパルス信号を入力して、前記1乃至複数個の転がり軸受ユニットのそれぞれに関する、前記各回転センサのパルス信号の周期、及び、これら各パルス信号同士の間の位相差を算出するものである。
特に、請求項1に記載した信号処理装置は、フリーランカウンタと、前記各回転センサと同数のフリップフロップと、チャンネルカウンタと、データセレクタと、FIFOメモリと、CPUと、制御手段とを備える。
このうちのフリーランカウンタは、所定のクロック周期でカウント動作を行う。尚、このフリーランカウンタのクロック周期は、上記各回転センサのパルス信号の周期の最小値と比べて小さい方が、測定精度を高める事ができ、好ましい。具体的には、当該最小値の1/1000以下にする事が、望ましい。但し、コスト面を考慮して、過度にオーバースペックとならない値に設定するのが好ましい。尚、この点を考慮して、後述する[発明を実施するための形態]に於いては、前記クロック周期を0.1μsとしている。
又、前記各フリップフロップは、前記各回転センサ毎に1個ずつ設けられていて、それぞれがこれら各回転センサのパルス信号の立下り時又は立上り時に於ける前記フリーランカウンタのカウント値をラッチする。
又、前記チャンネルカウンタは、前記信号処理装置に入力される前記各回転センサの総数をN個とした場合に、所定の周期(この周期は、上述したフリーランカウンタのクロック周期とは異なる。尚、後述する[発明を実施するための形態]に於いては、0.3μsとしている。)でN進のカウント動作を行うものであって、このチャンネルカウンタのN種類のカウント値はそれぞれ、前記各回転センサ及びこれら各回転センサ毎に1個ずつ設けられた前記各フリップフロップを識別する値として利用される。
又、前記データセレクタは、前記チャンネルカウンタの1クロック毎に、このチャンネルカウンタのカウント値によって識別される前記フリップフロップにラッチされている前記フリーランカウンタのカウント値を、順次出力する。
又、前記FIFOメモリには、前記データセレクタが出力した、前記各フリップフロップにラッチされていた前記フリーランカウンタのカウント値を、これら各フリップフロップ(及び上記各回転センサ)を識別する前記チャンネルカウンタのカウント値と共に書き込まれる。
又、前記CPUは、前記FIFOメモリに書き込まれた各カウント値を、このFIFOメモリから読み取った後、この読み取った各カウント値を利用して、前記1乃至複数個の転がり軸受ユニットのそれぞれに関する、前記各回転センサのパルス信号の周期、及び、これら各パルス信号同士の間の位相差を算出する。尚、この場合に、1つの回転センサのパルス信号の周期は、このパルス信号の互いに隣り合う2つの立下り点又は立上り点に於ける前記フリーランカウンタのカウント値のうち、時間的に後にカウントされたカウント値から、時間的に先にカウントされたカウント値を減算する事によって求められる。
ここで注意する事は、カウンタがフリーランカウンタである為、先のカウント値と後のカウント値との間にカウンタのオーバーフローが発生すると、必ずしも後のカウント値が先のカウント値よりも大きくなるとは限らない事である。オーバーフローが発生していなければ、必ず後のカウント値が先のカウント値より大きくなる。
ここで、本発明の転がり軸受ユニットの物理量測定装置を、自動車の車輪支持用の転がり軸受ユニットの荷重測定装置として使用する場合に於いては、車速が低速な場合には、荷重の測定を行わない。この為、荷重測定範囲に於ける各パルス信号の周期(各センサともほぼ同じ)の最大値(最低速時)が、フリーランカウンタが一巡する周期(オーバーフローが発生する周期)より小さい場合には、オーバーフローが発生しても、しなくても、必ず後のカウント値から先のカウント値を減算する事で周期又は位相差を正しく得られる。これに就いての詳しい説明は、後述する。
更に、前記制御手段は、前記各フリップフロップにラッチされた前記フリーランカウンタのカウント値が、新たな値に更新された場合のみ1回だけ前記FIFOメモリに書き込む様にする制御、並びに、このFIFOメモリに書き込まれた各カウント値を前記CPUが読み取るタイミングを指令する制御を実行する。
上述の様な請求項1に記載した信号処理装置を実施する場合には、例えば請求項2に記載した発明の構成を採用する事ができる。
この請求項2に記載した発明は、信号処理装置に複数個の回転センサのパルス信号を入力する転がり軸受ユニットの数が複数個であり、
FIFOメモリ及びCPUの数がそれぞれ、2個以上であって且つ前記各転がり軸受ユニットの数以下であり、
データセレクタが出力した、各フリップフロップにラッチされていたフリーランカウンタのカウント値はそれぞれ、これら各フリップフロップ(及び上記各回転センサ)を識別するチャンネルカウンタのカウント値と共に、前記各FIFOメモリのうち、前記各転がり軸受ユニット毎に予め定められた何れかのFIFOメモリに書き込まれ、これら各FIFOメモリに書き込まれた各カウント値はそれぞれ、前記各CPUのうち、前記各転がり軸受ユニット毎に予め定められた何れかのCPUによって読み取られ、その後、これら各CPUが、自身が読み取った各カウント値を利用して、前記各転がり軸受ユニットのそれぞれに関する、前記各回転センサのパルス信号の周期、及び、これら各パルス信号同士の間の位相差を算出する構成を有する。
又、請求項3に記載した転がり軸受ユニットの物理量測定装置は、1乃至複数個の転がり軸受ユニットと、物理量測定装置とを備える。
このうちの1乃至複数個の転がり軸受ユニットはそれぞれ、使用時にも回転しない静止側部材と、使用時に回転する回転側部材とを、複数個の転動体を介して相対回転自在に組み合わせて成る。
又、前記物理量測定装置は、前記1乃至複数個の転がり軸受ユニットのそれぞれに就いて1個ずつ設けられたエンコーダと、同じく複数個ずつ設けられた回転センサと、演算器とを備える。
このうちのエンコーダは、前記回転側部材に支持固定されると共に、この回転側部材と同心の被検出面を有し、この被検出面の特性を円周方向に関して交互に変化させている。
又、前記各回転センサは、それぞれの検出部を前記被検出面のうち互いに異なる部分に対向させた状態で、使用時にも回転しない部分に支持固定されている。
更に、前記演算器は、前記1乃至複数個の転がり軸受ユニットのそれぞれに関する、前記各回転センサのパルス信号の周期、及び、これら各パルス信号同士の間の位相差を算出すると共に、これら算出した周期及び各位相差を利用して、前記1乃至複数個の転がり軸受ユニットのそれぞれに関する、前記静止側部材と前記回転側部材との相対変位と、これら静止側、回転側両部材同士の間に作用する外力とのうちの、少なくとも一方の物理量を算出する。
特に、請求項3に記載した転がり軸受ユニットの物理量測定装置に於いては、前記演算器が、請求項1に記載した信号処理装置を含んで構成されている。
又、請求項4に記載した転がり軸受ユニットの物理量測定装置は、複数個の転がり軸受ユニットと、物理量測定装置とを備える。
このうちの各転がり軸受ユニットはそれぞれ、使用時にも回転しない静止側部材と、使用時に回転する回転側部材とを、複数個の転動体を介して相対回転自在に組み合わせて成る。
又、前記物理量測定装置は、前記各転がり軸受ユニットのそれぞれに就いて1個ずつ設けられたエンコーダと、同じく複数個ずつ設けられた回転センサと、演算器とを備える。
このうちのエンコーダは、前記回転側部材に支持固定されると共に、この回転側部材と同心の被検出面を有し、この被検出面の特性を円周方向に関して交互に変化させている。
又、前記各回転センサは、それぞれの検出部を前記被検出面のうち互いに異なる部分に対向させた状態で、使用時にも回転しない部分に支持固定されている。
又、前記演算器は、前記各転がり軸受ユニットのそれぞれに関する、前記各回転センサのパルス信号の周期、及び、これら各パルス信号同士の間の位相差を算出すると共に、これら算出した周期及び各位相差を利用して、前記各転がり軸受ユニットのそれぞれに関する、前記静止側部材と前記回転側部材との相対変位と、これら静止側、回転側両部材同士の間に作用する外力とのうちの、少なくとも一方の物理量を算出する。
特に、請求項4に記載した転がり軸受ユニットの物理量測定装置に於いては、前記演算器が、請求項2に記載した信号処理装置を含んで構成されている。
上述の様に構成する本発明の信号処理装置及び転がり軸受ユニットの物理量測定装置の場合には、各回転センサのパルス信号の立下り時又は立上り時に於けるフリーランカウンタのカウント値が、これら各回転センサに対応するフリップフロップにラッチされた後、データセレクタから順次出力され、これら各回転センサを識別するチャンネルカウンタのカウント値と共に、FIFOメモリに書き込まれる。従って、本発明に於いては、当該立下り時又は立上り時に於けるフリーランカウンタのカウント値を取得する為に、膨大なデータを処理する(前記特許文献2、3に記載された信号処理装置の様に、各パルス信号のデータを、カウンタの1クロック毎にFIFOメモリに書き込み、この書き込んだデータから、各パルス信号の立下り時又は立上り時に於けるカウント値を求める)必要がない。この為、FIFOメモリの容量も小さくて済み、ソフト処理も簡単となり、処理時間も短くする事ができる。
又、本発明の場合には、各回転センサのパルス信号の立下り時又は立上り時に関する情報が、これら各回転センサの識別番号(チャンネルカウンタのカウント値)+立下り時又は立上り時に於けるカウント値(フリーランカウンタのカウント値)の形式でFIFOメモリに書き込まれる。この為、CPUは、これらの情報を利用して、各転がり軸受ユニット毎の、各パルス信号の周期、及び、これら各パルス信号同士の間の位相差(時間差)を求める事ができる。この結果、ソフト処理が簡単となり、処理時間も短くする事ができる。
又、本発明の場合、信号処理装置を構成する、フリーランカウンタ、チャンネルカウンタ、及びデータセレクタの数は、それぞれ1個であり、これらの数は、入力されるパルス信号の数が増えた場合でも増やす必要がない。この為、入力されるパルス信号の数が多くなった場合でも、信号処理装置を小型に、且つ、簡素に構成できる。更に、請求項1、3に記載した発明の場合には、信号処理装置を構成する、FIFOメモリ、及びCPUの数も、入力されるパルス信号の数に拘らず、それぞれ1個とする事ができる。従って、信号処理装置をより小型に構成できる。又、信号処理装置の構成が簡素となり、コストダウンにもなる。
又、本発明の場合には、各回転センサのパルス信号の立下り時又は立上り時を計測する為のカウンタとして、フリーランカウンタを使用している。このフリーランカウンタのカウンタ長(bit数)及びクロック周期を適切な長さに設定しておく事によって、このフリーランカウンタのオーバーフローの発生時を考慮する事なく(オーバーフローの発生時にも)、各パルス信号の周期、及び、これら各パルス信号同士の間の位相差を正しく算出できる。この為、ソフト処理が簡単となり、処理時間を短くできる。この点に就いての詳しい説明は、後述の[発明を実施するための形態]に於いて述べる。
以上の事から、本発明の場合には、ハードウェア構成の簡素化及びソフトウェア処理の容易化(信号処理速度の向上)やコストダウンを図れる。
又、本発明の場合には、データセレクタが、各フリップフロップにラッチされているカウント値をスキャンする(チャンネルカウンタの1クロック毎に順次出力する)が、このスキャンの一巡時間(チャンネルカウンタのクロック周期×フリップフロップの個数)以内に、何れかのフリップフロップにラッチされたカウント値が2回以上更新される(当該フリップフロップに対応する回転センサのパルス信号に2回以上の立下り又は立上りが発生する)と、当該フリップフロップに関しては、最後に更新されたカウント値のみが上書きされて残り、それ以前のカウント値は上書きされてしまう為、消失する。ここで、データセレクタがカウント値をスキャンする一巡時間は、1例として、チャンネルカウンタの周期(0.3μs)×フリップフロップの個数(6個)=1.8μs程度に設定できる為、各回転センサのパルス信号の周期の最小値(1例として450μs等)に比べてかなり小さい。従って、正常時には、データセレクタがカウント値をスキャンする一巡時間1.8μs以内に、同じ回転センサのパルス信号に2回以上の立下り又は立上りが発生する事はない為、仮に発生したとすれば、それらは当該パルス信号に加わったノイズ又は異常な信号である。従って、データセレクタがカウント値をスキャンする一巡時間内に於けるカウント値を除去する事は、ノイズ除去の機能を有する事にもなり、本発明の転がり軸受ユニットの物理量測定装置(荷重測定装置)に於いては、むしろ好ましい特性である。
又、本発明のうち、請求項2、4に記載した発明によれば、例えば、4個の車輪を支持する各転がり軸受ユニット毎のデータ、又は、前側2輪(左前輪、右前輪)・後側2輪(左後輪、右後輪)を支持する2個ずつの転がり軸受ユニット毎のデータを、各FIFOメモリに分散して書き込む事ができ、これら各FIFOメモリに書き込んだデータを、別々のCPUで分散処理する事ができる。この為、これら各FIFO及び各CPUとして、比較的低スペックのものを使用する事ができ、小型CPUや低価格CPU等を使用して、小型化やコストダウンを図る事が可能となる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、転がり軸受ユニットの物理量測定装置のブロック図。 信号処理装置の一部を示す回路図例。 1個の回転センサのパルス信号の立下り時に於けるフリーランカウンタのカウント値が、FIFOメモリに書き込まれる際のタイムチャート。 3個の回転センサのパルス信号の立下りが同時に発生した場合のフリーランカウンタのカウント値が、FIFOメモリに書き込まれる際のタイムチャート。 チャンネルカウンタの一巡時間よりも短い周期を持ったパルス信号(ノイズが入った場合等)が入った場合のフリーランカウンタのカウント値が、FIFOメモリに書き込まれる際のタイムチャート。 FIFOメモリに書き込まれる、6個の回転センサのパルス信号のデータの内容を説明する為の図。 フリーランカウンタのオーバーフローと、2個の回転センサのパルス信号同士の位相差の算出処理との関係を説明する為の図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図1と同様の図。 転がり軸受ユニットの物理量測定装置の従来構造の第1例を示す断面図。 この従来構造の第1例に組み込むエンコーダの被検出面の一部を径方向外方から見た図。 転がり軸受ユニットの物理量測定装置の従来構造の第2例を示す断面図。 この従来構造の第2例を示す模式図。 回転センサの円周方向位置を示す図。 信号処理装置の従来構造の1例に関する、FIFOメモリに書き込まれる、6個の回転センサのパルス信号のデータの内容を説明する為の図。
[実施の形態の第1例]
請求項1、3に対応する、本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜8を参照しつつ説明する。尚、本例の特徴は、前述の図11〜13に示した転がり軸受ユニット(自動車用ハブ軸受ユニット)の物理量測定装置(荷重測定装置)に組み込んで使用する、6個の回転センサ6a1、6a2、6b1、6b2、6c1、6c2(SEN0〜SEN5)のパルス信号(出力信号)から、これら各パルス信号の周期、及び、これら各パルス信号同士の間の位相差を算出する為の信号処理装置21にある。その他の部分に関しては、前述の図11〜13に示した転がり軸受ユニットの物理量測定装置と同様であるから、重複する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の信号処理装置21は、図1にブロック図で示す様に、1個の時間測定用のフリーランカウンタ11と、6個のDフリップフロツプ12a〜12f(DFF_0〜DFF_5)と、1個のチャンネルカウンタ13と、1個のデータセレクタ14と、1個のFIFOメモリ15と、1個のCPU16と、制御手段である制御回路17とを備える。
又、本例の場合、前記各回転センサ(SEN0〜SEN5)はそれぞれ、ハブ2と共に回転するエンコーダ4の被検出面の磁気特性(透孔7、柱部8、図11〜12参照)の変化を検出する事で、前記ハブ2の1回転当たり50パルスの方形波パルス信号を発生する。自動車の速度は最大300km/h程度である為、車輪径を600mmとすると、前記各回転センサ(SEN0〜SEN5)のパルス信号の周期は、最小で450μs程度となる。
図1のブロック図に於いて、発振器18から出力されるパルスは、分周器19で分周され、0.1μs周期のクロック信号(CLK)として、前記フリーランカウンタ11及び前記チャンネルカウンタ13に入力される。
前記フリーランカウンタ11は、入力されたCLKと同じ0.1μsのクロック周期でカウント動作を行う。本例の場合、このフリーランカウンタ11のカウンタ長は、24bitに設定している。
又、前記各Dフリップフロップ12a〜12f(DFF_0〜DFF_5)は、前記各回転センサ(SEN0〜SEN5)毎に1個ずつ設けられている。これら各Dフリップフロップ12a〜12f(DFF_0〜DFF_5)は、それぞれ対応する回転センサ(SEN0〜SEN5)のパルス信号の立下り時に、前記フリーランカウンタ11のカウント値をラッチする。即ち、X番目(X=0〜5)のDフリップフロップ(DFF_X)は、X番目の回転センサ(SEN_X)のパルス信号の立下り時に於ける前記フリーランカウンタ11のカウント値をラッチする。
又、前記チャンネルカウンタ13は、前記データセレクタ14の出力切り換えを行う為のものであり、0.3μsのクロック周期で、0→1→2→3→4→5→0→・・・、と言った様に、6進のカウント動作を循環して行う。このチャンネルカウンタ13のカウント値X(X=0〜5)は、X番目の回転センサ(SENX)及びDフリップフロップ(DFF_X)を識別する、回転センサ識別番号として利用される。
又、前記データセレクタ14は、前記チャンネルカウンタ13のカウント値が、0.3μsのクロック周期で、0→1→2→3→4→5→0→・・・と変化するのに合わせて、DFF_0→DFF_1→DFF_2→DFF_3→DFF_4→DFF_5→DFF_0→・・・の順番に、これら各Dフリップフロップ12a〜12f(DFF_0〜DFF_5)にラッチされている前記フリーランカウンタ11のカウント値をスキャンして出力する。この場合に、前記データセレクタ14が、前記6個のDフリップフロップ12a〜12f(DFF_0〜DFF_5)を一巡してスキャンする時間は、0.3μs×6=1.8μsである。
又、前記FIFOメモリ15には、前記データセレクタ14が出力した、前記各Dフリップフロップ12a〜12f(DFF_0〜DFF_5)にラッチされていたカウント値(前記フリーランカウンタの値)が、これら各Dフリップフロップ12a〜12f(DFF_0〜DFF_5)を識別する回転センサ識別番号(前記チャンネルカウンタ13のカウント値)と共に書き込まれる。即ち、前記FIFOメモリ15には、前記各パルス信号の立下り時に関するデータが、回転センサ識別番号+カウント値の形式で書き込まれる。又、前記FIFOメモリ15には、前記各パルス信号の立下り時に関するデータが、ほぼ立下りが生じた時刻の順に書き込まれる。
又、前記CPU16は、前記FIFOメモリ15に書き込まれた、前記各パルス信号の立下り時に関するデータ(回転センサ識別番号+カウント値)を、このFIFOメモリ15から読み取った後、この読み取ったデータを利用して、前記各パルス信号の周期、及び、これら各パルス信号同士の間の位相差を算出するものである。
又、前記制御回路17は、前記各Dフリップフロップ12a〜12f(DFF_0〜DFF_5)にラッチされた前記フリーランカウンタ11のカウント値をこれら各Dフリップフロップ12a〜12f(DFF_0〜DFF_5)毎に、順次スキャンしながら前記FIFOメモリ15に書き込む為の書き込み信号{図1のFIFOメモリ15の_FWRT信号であり、この信号は前記各回転センサ(SEN0〜SEN5)のカウント値が更新された場合にのみ発生する信号である。}を発生したり、このFIFOメモリ15に書き込まれた、前記各パルス信号の立下り時に関するデータ(回転センサ識別番号+カウント値)を、前記CPU16が読み取るタイミングを指令する割り込み要求信号を出したり、前記フリーランカウンタ11がオーバーフローした事を前記CPU16に知らせる割り込み信号を出したりする機能を持っている。前記CPU16に前記FIFOメモリ15に書き込まれたデータを読み取るタイミングを知らせる割り込み要求信号は、前記各パルス信号の立下り時に限らず、或る特定のパルス信号の立下り時に割り込み要求信号を出し、この時に前記CPU16が前記FIFOメモリ15に書き込まれているデータを一括して読み取る様にする事もできる。この様にすれば、割り込み回数を減らし、前記CPU16の処理負担を減らす事ができる。
図2は、前記各回転センサ(SEN0〜SEN5)のうちの1個の回転センサ(同図ではSEN4の場合を例としている)のパルス信号の入力部から前記FIFOメモリ15に至る迄の信号処理回路を、図3は、当該1個の回転センサ(SEN4)のパルス信号の立下り時に於ける前記フリーランカウンタ11のカウント値が、前記FIFOメモリ15に書き込まれる迄のタイムチャートを、それぞれ示している。
これら図2、3に於いて、CLKは、フリーランカウンタ11及びチャンネルカウンタ13に入力されるクロック信号で、クロック周期は0.1μsである。前記回転センサ(SEN4)から出力されるパルス信号SEN4は、DFF_Kを通過する事で、前記CLKと同期化された信号SEN4_Aとなり、更にDFF_Lを通過する事で、信号SEN4_Bとなる。又、これら両信号SEN4_A、SEN4_Bから、前記回転センサ(SEN4)のパルス信号の立下り時に於ける前記フリーランカウンタ11のカウント値を検出する為に利用される、信号SEN4_Cが生成される。そして、この信号SEN4_Cが前記回転センサ(SEN4)に対応するDフリップフロップ12d(DFF_4)(24bit)のCE(クロックイネーブル)に入力される事で、前記パルス信号SEN4の立下り時に於ける前記フリーランカウンタ11のカウント値が、前記Dフリップフロップ12d(DFF_4)にラッチされる。又、これと同時に、前記信号SEN4_CがDFF_MのCEに入力される事で、前記フリーランカウンタ11のカウント値が前記Dフリップフロップ12d(DFF_4)にラッチされた事を示す、信号SEN4_Dが生成される。このDフリップフロップ12d(DFF_4)部分に記載したQ0-23(図3のDFF4_Q)は、このDフリップフロップ12d(DFF_4)の出力であり、前記パルス信号SEN4の立下り時に於ける前記フリーランカウンタ11のカウント値{図3に示す様な「105」、「132」(10進)}を示している。このDフリップフロップ12d(DFF_4)にラッチされているカウント値は、前記パルス信号SEN4の立下りが発生する度に更新される。
又、前記CLKは、3進カウンタ20に入力され、更にこの3進カウンタ20の出力が、6進カウンタである前記チャンネルカウンタ13に入力される事で、このチャンネルカウンタ13の出力Q0、Q1、Q2が生成される。そして、このチャンネルカウンタ13の出力により、0.3μs毎に、データセレクタ14の出力が、DFF_0にラッチされているカウント値→DFF_1にラッチされているカウント値→DFF_2にラッチされているカウント値→DFF_3にラッチされているカウント値→DFF_4にラッチされているカウント値→DFF_5にラッチされているカウント値→DFF_0にラッチされているカウント値→・・・、と言った様に、順次切り換えられる。図3には、この時のデータセレクタ14の出力が示されている。ここで、図3中の「***」は、このデータセレクタ14の出力がDFF_4以外のDフリップフロップにラッチされているカウント値になっている事を示すが、説明上不要な為、「***」と表示している。
前記Dフリップフロップ12d(DFF_4)にカウント値がラッチされた事を示す信号SEN4_Dが“H”であり、且つ、前記チャンネルカウンタ13の出力が“4”になった時に、信号SEN4_WRとして、FIFOメモリ15に書き込む為の“L”パルスが出力される。これによって、前記Dフリップフロップ12d(DFF_4)にラッチされているカウント値が、前記データセレクタ14から前記FIFOメモリ15に書き込まれる{前記SEN4_WRは、他の5つの回転センサからの信号SEN*_WRと負論理のORされている為、前記各Dフィリップフロップ12a〜12f(DFF_0〜DFF_5)にラッチされているカウント値は、それぞれ脱落する事なく前記FIFOメモリ15に書き込まれる}。
又、前記信号SEN4_Dは、この時にクリア(“H”→“L”)され、前記Dフリップフロップ12d(DFF_4)にラッチされているカウント値が前記FIFOメモリ15に書き込み済みである事が示される。そして、この様に信号SEN4_Dがクリアされる事で、前記Dフリップフロップ12d(DFF_4)にラッチされたカウント値が、新たな値に更新された時のみ、前記データセレクタ14から前記FIFOメモリ15に書き込まれる(前記制御回路17による制御が行われる)。
尚、以上の説明では、1個の回転センサ(SEN4)を例に採り上げたが、残りの回転センサ(SEN0〜SEN3、SEN5)に就いても、回路動作は同様である。
次に、図4は、3個の回転センサ(SEN3、SEN4、SEN5)のパルス信号の立下りが同時に発生した場合に於いて、これら3個の回転センサ(SEN3、SEN4、SEN5)のパルス信号の立下り時に於ける前記フリーランカウンタ11のカウント値が、それぞれ前記FIFOメモリ15(図1、2)に書き込まれる迄のタイムチャートを示している。
図4に於いて、3個の回転センサ(SEN3、SEN4、SEN5)のパルス信号SEN3、SEN4、SEN5は、互いに一致している(一括して「SEN3,4,5」と表記)。CLKにより同期化された信号SEN3_A、SEN3_B、SEN3_C迄の信号は、SEN4及びSEN5に就いても全く同じである(一括して「SEN3,4,5_A」、「SEN3,4,5_B」、「SEN3,4,5_C」と表記)。信号SEN3_D、SEN4_D、SEN5_Dは、Dフリップフロップ12c〜12e(DFF_3、DFF_4、DFF_5、図1)に新たなカウント値がラッチされた場合(DFF3_Q、DFF4_Q、DFF5_Qの出力が変化した場合)に“H”となる信号であるが、前記FIFOメモリ15に書き込まれるとクリア(“H”→“L”)される為、クリアされるタイミングが互いにずれている。同様に、前記FIFOメモリ15に書き込む為の信号SEN3_WR、SEN4_WR、SEN5_WRの“L”パルスも、互いにタイミングがずれて出力される。又、図2に示した様に、これらの信号(SEN*_WR)は負論理のORされている為、図4に示す様な_FWRT信号が得られ、3個の回転センサ(SEN3、SEN4、SEN5)のパルス信号SEN3、SEN4、SEN5の立下り時に於けるカウント値は、それぞれ脱落する事なく前記FIFOメモリ15に書き込まれる事が分かる。総ての回転センサ(SEN0〜SEN5)のパルス信号の立下りが同時に発生する場合に就いても同様である。
次に、図5は、前記1個の回転センサ(SEN4)のパルス信号SEN4の立下り時刻の間隔が、データセレクタ14が前記6個のDフリップフロップ12a〜12f(DFF_0〜DFF_5)を一巡してスキャンする時間(0.3μs×6=1.8μs)以下の場合に於いて、当該1個の回転センサ(SEN4)のパルス信号の立下り時に於ける前記フリーランカウンタ11のカウント値が、前記FIFOメモリ15(図1、2)に書き込まれる迄のタイムチャートを示している。
図5に於いて、前記回転センサ(SEN4)のパルス信号SEN4の立下り時に於けるカウント値は、それぞれ「105」、「116」、「124」、「132」であり、これらが前記Dフリップフロップ12d(DFF_4)にラッチされる(DFF4_Qの出力を参照)。ところが、このうちのカウント値「116」は、チャンネルカウンタ出力が“4”となる前(データセレクタ出力となる前)に、次のカウント値「124」に更新される。この為、カウント値「116」に就いては、SEN4_WRの“L”パルスが出力されず、前記FIFOメモリ15(図1、2)に書き込まれない事が分かる。
一方、本例の転がり軸受ユニット(自動車用ハブ軸受ユニット)の物理量測定装置(荷重測定装置)の場合、正常時に於ける(ノイズ等の外乱の影響が及ばない状態での)前記各回転センサ(SEN0〜SEN5)のパルス信号の周期(立下りの発生周期)は、最小で450μs程度である。この為、上述したデータセレクタ14によるスキャンの一巡時間(1.8μs)以内に、同一のパルス信号に立て続けに立下りが発生した場合には、ノイズ等の外乱の影響であると考えられる。従って、本例の転がり軸受ユニットの物理量測定装置に於いて、前記FIFOメモリ15がこの間のカウント値を読み込まない事は、ノイズ等の外乱の影響を低減する観点より、好ましい効果であると言える。本発明の場合には、この様にしてノイズ等の外乱の影響を低減できる分だけ、物理量の演算結果の信頼性を向上させる事ができる。
上述の様に構成する本例の転がり軸受ユニットの物理量測定装置の場合には、6個の回転センサのパルス信号(SEN0〜SEN5)が信号処理装置21に入力されると、これら各パルス信号(SEN0〜SEN5)の立下り時に於けるカウント値(フリーランカウンタ11のカウント値)が、Dフリップフロップ12a〜12f(DFF_0〜DFF_5)にラッチされた後、データセレクタ14により順次出力され、回転センサ識別番号(チャンネルカウンタ13のカウント値)と共に、FIFOメモリ15に書き込まれる。従って、本例の場合には、当該立下り時に於けるカウント値を取得する為に、膨大なデータを処理する{前述の図14の(A)(B)に示した様に、各パルス信号(SEN0〜SEN5)のデータを、カウンタの1クロック毎にFIFOメモリに書き込み、この書き込んだデータから、各パルス信号の立下り時に於けるカウント値を求める}必要がない。尚、図6の(A)(B)は、上記書き込み処理の際の信号処理の内容を、前述の図14の(A)(B)と同じ形式で図式化したものである。
又、本例の場合には、前記各回転センサのパルス信号(SEN0〜SEN5)の立下り時に関する情報が、回転センサ識別番号+立下り時に於けるカウント値の形式で、前記FIFOメモリに書き込まれる。この為、CPU16は、これらの情報を利用して、前記各回転センサのパルス信号(SEN0〜SEN5)の周期、及び、これら各パルス信号(SEN0〜SEN5)同士の間の位相差(時間差)を求める処理を、容易に行える。
又、本例の場合には、前記各パルス信号(SEN0〜SEN5)の立下り時を計測する為のカウンタとして、フリーランカウンタ11を使用し、且つ、このフリーランカウンタ11のカウンタ長(bit数)を適切な長さに設定している。この為、このフリーランカウンタ11のオーバーフローの発生時を考慮する事なく(オーバーフローの発生時にも)、前記各パルス信号(SEN0〜SEN5)の周期、及び、これら各パルス信号(SEN0〜SEN5)同士の間の位相差を正しく算出できる。この点に就いて、図7を参照しつつ、以下に詳しく説明する。
先ず、パルス信号SEN4の立下り時に於けるカウント値Ts4_1から、パルス信号SEN5の立下り時に於けるカウント値Ts5_1を減算(Ts4_1−Ts5_1)する事によって、これら両パルス信号同士の間の位相差を算出する場合に就いて考える。この場合には、これら両カウント値Ts5_1、Ts4_1に挟まれた時間帯にフリーランカウンタ11のオーバーフローが発生していない為、当該減算の結果は、正しい位相差を表す値となる。即ち、当該減算によって、正しい位相差を算出できる。
次に、パルス信号SEN4の立下り時に於けるカウント値Ts4_20から、パルス信号SEN5の立下り時に於けるカウント値Ts5_20を減算(Ts4_20−Ts5_20)する事によって、これら両パルス信号同士の間の位相差を算出する場合に就いて考える。この場合には、これら両カウント値Ts5_20、Ts4_20に挟まれた時間帯にフリーランカウンタ11のオーバーフローが1回発生している為、後のカウント値Ts4_20が、先のカウント値Ts5_20よりも小さく(Ts4_20<Ts5_20)なっている。従って、この場合、単純にTs4_20−Ts5_20(後のカウント値−先のカウント値)を計算しても、正しい位相差を得る事はできない(この点に就いては、1つのパルス信号の互いに隣り合う2つの立下り点に於けるカウント値のうち、時間的に後にカウントされたカウント値から、時間的に先にカウントされたカウント値を減算する事によって、当該パルス信号の周期を求める場合に就いても同様である)。正しい位相差(や周期)を得る為には、この間(減算する2つのカウント値に挟まれた時間帯)にフリーランカウンタ11のオーバーフローが発生したかどうかを知り、それにより処理方法を変える必要がある。
しかしながら、本発明の転がり軸受ユニット(自動車用ハブ軸受ユニット)の物理量測定装置(荷重測定装置)の様に、低速時に物理量(荷重)を測定する必要がない場合には、測定すべき各回転センサのパルス信号の周期の最大値(最低車速時)がフリーランカウンタ11の一巡周期(オーバーフローの発生周期)よりも小さくなる様に、このフリーランカウンタ11のカウンタ長(bit数)やクロック周期を設定しておけば、オーバーフローの発生を考慮せずに、正しい周期や位相差を得る事ができる。
ここで、説明の為に1例を挙げる。今、フリーランカウンタ11のbit長を24bitとし、FIFOメモリ15にもカウント値が24bitで書き込まれ、CPU16が24bitのカウント値を読み込み、このCPU16の内部に於いて32bit長で演算する事とする。この場合に、先のカウント値Ts5_20=16777210(10進。尚、参考として224=16777216)、後のカウント値Ts4_20=10(10進)となった場合(減算する2つのカウント値に挟まれた時間帯にオーバーフローが1回だけ発生した場合)には、以下に示す様に、減算結果の上位をマスクすれば、16(10進)と言う、正しい位相差を表す減算結果が得られる。
先のカウント値Ts5_20:16777210(10進)=FFFFFA(16進)
後のカウント値Ts4_20:10(10進)=00000A(16進)
Ts4_20−Ts5_20=0000000A−00FFFFFA=FF000010(16進)
この減算結果の上位25bit〜32bitの8bitをマスクして0とすると、
FF000010 AND 00FFFFFF=00000010(16進)
=16(10進)
フリーランカウンタ11のオーバーフローが発生していない時に、上述の様な方法で処理をしても、正しい位相差(や周期)を得られる事は自明である。従って、上述の様な方法で処理をすれば、フリーランカウンタ11のオーバーフローが発生する、しないに拘らず、正しい位相差(や周期)を得られる事が分かる。
この為、測定すべき速度範囲に於いては、フリーランカウンタ11のオーバーフローの発生の有無を考慮せず、各回転センサのパルス信号の位相差(や周期)を演算でき、ソフト処理が単純化され、処理速度の向上を図る事ができる。
尚、測定すべき各回転センサのパルス信号の最大値(最低車速時)が、フリーランカウンタ11の一巡周期よりも小さくなる様に、このフリーランカウンタ11のbit長やクロック周期を適切に設定しておけば、測定すべき速度範囲に於いて、各パルス信号の位相差(や周期)を計算するカウント値の間には、オーバーフローは1回以下しか発生せず、2回以上は発生しない。
自動車の低速走行時には、走行安定性確保の為の制御を実行する必要がない為、本例の転がり軸受ユニット(自動車のハブ軸受ユニット)の物理量測定装置(荷重測定装置)に於いても、荷重等の物理量を測定する必要がない。従って、自動車の速度が或る大きさ以上になった場合にのみ、上述した周期及び位相差の計算を行えれば良い。本例の場合には、これらの事を考慮して、前記フリーランカウンタ11のカウンタ長(bit数)を十分に長く(24bitに)設定し、クロック周期を0.1μsとする事により、荷重等の物理量を測定する必要がある速度範囲に於いては、各回転センサのパルス信号の周期がフリーランカウンタ11の一巡周期を越えない様にしている。
即ち、本例の場合、このフリーランカウンタ11の一巡周期は、0.1μs×24bit(224)=約1.68sである。これに対し、1例を挙げると、前記各回転センサのパルス信号(SEN0〜SEN5)は、車輪1回転当たり50パルス(50パルス/回転)発生する。従って、車輪が1回転するのに要する時間が、1.68s×50=83.9s未満であれば(車輪径を600mmとすると、自動車の速度が80.9m/hを超えていれば)、各回転センサのパルス信号の周期及びこれら各パルス信号同士の間の位相差は、フリーランカウンタ11の一巡時間より小さくなり、且つ、2つの立下り間(又は立上り間)のオーバーフローの発生は1回以下である。一方、本例の転がり軸受ユニットの物理量測定装置の場合には、通常、自動車の速度が5km/h(≫80.9m/h)以上の範囲で、荷重等の物理量の測定を行えれば良い。従って、本例の場合には、この5km/h以上の速度範囲で、オーバーフローの発生時を考慮する事なく、周期及び位相差を正しく算出できる。
尚、前記各パルス信号(SEN0〜SEN5)の立下り時を計測する為のカウンタを、フリーランカウンタとせずに、例えば、何れか1つの回転センサの立下りによってカウント値をリセットするカウンタとする場合には、6個の回転センサ相互の位相差が変化した場合や、その間のどこにオーバーフローが入るか等による影響に就いても、ソフト処理上で配慮する必要がある為、処理が非常に複雑となり、処理時間も増大する。これに対し、本例の場合には、当該カウンタをフリーランカウンタ11とし、且つ、適切なカウンタ長を設定する事により、前記物理量の演算処理を容易にしている。
以上の事から、本例の場合には、ハードウェア構成の簡素化、小型化、及びソフトウェア処理の容易化(信号処理速度の向上)を図ると共に、コストダウンを図る事もできる。
尚、本例の場合には、前記制御回路17から前記CPU16に対し、前記フリーランカウンタ11がオーバーフローした事を知らせる割り込み信号を送信する様にしている。これにより、例えば、或る回転センサのパルス信号の立下り又は立上りによる割り込み信号の間(周期)にオーバーフローの発生が2回以上であれば、車速が荷重測定する必要のない低速領域であると判断でき、この範囲に於いては、演算の必要がない事が分かる。
又、前述した様に、本例を実施する場合には、前記制御回路17が或る特定のパルス信号の立下り時に割り込み要求信号を出す事によって、当該立下り時に前記FIFOメモリ15に書き込まれているデータ(回転センサ識別番号+カウント値)を、前記CPU16に一括して読み取らせる様にする事ができるが、この場合、当該立下り時に前記FIFOメモリ15に書き込まれているデータの数は、前記各パルス信号相互間の位相差変動等によって、常に一定にはならない。これは、理想的な状態に於いては、毎回6個ずつのデータ数(回転センサが6個である為)が書き込まれているが、特定のパルス信号と各パルス信号間の位相差の変動や、CPU16がFIFOメモリ15からデータを読み込むタイミング等によって、若干変動する為である。しかしながら、本例の場合には、前記FIFOメモリ15により、当該データ数の変動に拘らず、適切にデータ処理を行う事ができる。又、前記CPU16が他の処理を実行する関係で、前記FIFOメモリ15からのデータの読み込みが遅れた場合でも、後から一括して多くのデータを読み込んで、適切な処理を実行する事ができる。
[実施の形態の第2例]
図8は、請求項2、4に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例は、自動車の全4輪分の転がり軸受ユニットの物理量測定装置に関する。信号処理装置21aには、1個の転がり軸受ユニットに就いて6個の回転センサのパルス信号が入力される為、全体で6×4=24個の回転センサのパルス信号(SEN0〜SEN5、SEN6〜SEN11、SEN12〜SEN17、SEN18〜SEN23)が入力される。本例の信号処理装置21aの回路構成は、基本的には、上述した第1例の信号処理装置21(図1、2参照)と同様であるが、Dフリップフロップ12a〜12w(DFF_0〜DFF_23)をパルス信号(SEN0〜SEN5、SEN6〜SEN11、SEN12〜SEN17、SEN18〜SEN23)に合わせて24個設けている点、及び、FIFOメモリ15a、15bとCPU16a、16bとを2個ずつ設けている点が、上述した第1例の場合と異なる。
又、本例の場合には、前記各パルス信号(SEN0〜SEN5、SEN6〜SEN11、SEN12〜SEN17、SEN18〜SEN23)の立下り時に関するデータ{回転センサ識別番号(チャンネルカウンタ13のカウント値)+カウント値(フリーランカウンタ11のカウント値)}のうち、前側2輪(左前輪、右前輪)に就いてのデータを一方のFIFOメモリ15aに、後側2輪(左後輪、右後輪)に就いてのデータを他方のFIFOメモリ16bに、それぞれ書き込む。これら各データを2個のFIFOメモリ15a、15bに書き込む方法は、基本的には上述した第1例の場合と同様である。そして、一方のCPU16aが一方のFIFOメモリ15aから、他方のCPU16bが他方のFIFOメモリ16bから、前記各データを読み取った後、この読み取ったデータを利用して、それぞれ各車輪毎の、6個の回転センサのパルス信号の周期、及び、これら各パルス信号同士の間の位相差を算出する。前記各FIFOメモリ15a、15bから前記各CPU16a、16bが前記各データを読み取る方法は、基本的には上述した第1例の場合と同様である。又、前記各FIFOメモリ15a、15bと前記各CPU16a、16bとのインターフェースは、これら各CPU16a、16bが前記各データを読み出す場合にアドレスの指定(アドレスバス)が不要な為、簡単なもので済む。
上述の様に構成する本例の転がり軸受ユニット(自動車用ハブ軸受ユニット)の物理量測定装置(荷重測定装置)の場合には、全4輪分の回転センサのパルス信号(SEN0〜SEN5、SEN6〜SEN11、SEN12〜SEN17、SEN18〜SEN23)を処理する構造でありながら、信号処理装置21aを構成するフリーランカウンタ11、チャンネルカウンタ13、及びデータセレクタ14の数を、上述した第1例の信号処理装置21の場合と同様、それぞれ1個ずつにできる。この為、信号処理装置21aを小型に構成できる。又、本例の場合には、前述した第1例の場合と比べて、信号処理装置21aに入力されるパルス信号の数が4倍になったが、前記フリーランカウンタ11及びチャンネルカウンタ13に入力するCLKの周期は、上述した第1例と同じ大きさ(0.1μs)のまま変更する事なく、正常な信号処理を行える。即ち、本発明の信号処理装置の回路構成に於いては、入力されるパルス信号の数が多くなっても、当該CLKの周期を大きくする必要はない為、この周期を小さくして、分解能を向上させる事ができる(言い換えると、この周期を大きくして、分解能を低下させる必要はない)。又、本例の場合には、前側2輪(左前輪、右前輪)に就いてのデータと、後側2輪(左後輪、右後輪)に就いてのデータとを、一方のFIFOメモリ15a及びCPU16aと、他方のFIFOメモリ16b及びCPU16bとによって、分散処理する事ができる。この為、これら各FIFOメモリ15a、15b及び各CPU16a、16bとして、比較的低スペックのものを使用し、コストダウンや小型化を図ったり、2個のCPUを使用し、高速に演算する事も可能である。
尚、本発明を実施する場合、フリーランカウンタのカウンタ長(bit数)を決定するに当たり、物理量の算出精度を向上させる為には、CLK周期が小さく、カウンタ長が長い方が良い為、これらの事に就いても考慮して決定する必要がある。
又、本発明の信号処理装置に於いて、時間測定用のフリーランカウンタは、同期式のカウンタである。分解能を向上させる為には、CLK周期を小さくする事が望ましいが、本発明の信号処理装置の回路に於いては、最小CLK周期は、ほぼ当該フリーランカウンタの動作速度により制約されるのみであり、それ以外の制約は少ない為、最小CLK周期を小さくする事が可能である。
又、上述した実施の形態の第2例では、全4輪に就いてのデータを、2個ずつのFIFOメモリとCPUとに分散処理させる構成を採用したが、本発明を実施する場合には、全4輪に就いてのデータを、1個のFIFOメモリと1個の高性能CPUとに処理させる構成を採用する事もできる。この点に就いて総括すると、本発明を実施する場合には、各車輪毎に1個ずつのFIFOメモリ及びCPUを使用する事や、前側2輪(左前輪、右前輪)、後側2輪(左後輪、右後輪)毎に1個ずつのFIFOメモリ及びCPUを使用する事や、全4輪で1個ずつのFIFOメモリ及びCPUを使用する事ができ、小型化要求、コスト要求、又は処理速度の要求等に応じて、種々の構成を採用する事ができる。
又、本発明を実施する場合、信号処理装置を構成するCPUには、周期及び位相差のみを算出させる(その後の物理量の算出は、他のCPUに行わせる)事もできるし、その後の物理量の算出まで行わせる事もできる。前者の場合には、信号処理装置と他のCPUとが合わさって演算器となり、後者の場合には、信号処理装置が単独で演算器となる。
又、本発明を実施する場合、信号処理装置の回路構成は、FIFOメモリやCPUを市販のICを使用して構成する事も可能であるが、この総て或いは一部をCPLDやFPGA等のPLD(プログラマブルロジックデバイス)やASICで構成する事も可能である。
前述した様に、本発明の場合には、データセレクタによるスキャンの一巡時間以内に、各パルス信号の立下り又は立上がりが2回以上発生すると、直近の立下り時又は立上がり時に於けるカウント値以外はFIFOメモリに書き込まれず、これによってノイズ等の外乱の影響を低減できる旨を説明した。
しかしながら、各パルス信号には、データセレクタによるスキャンの一巡時間よりも長い時間間隔で異常が発生する場合もあり、この様な場合には、上述した様な原理だけでは、当該異常の影響を十分に除去できない場合がある。以下、この様な場合に就いて説明する。
転がり軸受ユニットの物理量測定装置に於いては、通常の場合は、パルスエッジが任意の規則性を持って入力されるが、外乱ノイズ混入やパルス抜け等の異常があると正常な位相差検出ができないので、位相差演算を停止させると共に、異常発生を検出する必要がある。
又、異常状態ではなくても、例えば、エンコーダが想定している方向とは逆方向に回転している場合や、エンコーダの回転は停止しているが、停止中の車体のピッチング等によって回転センサがパルスエッジを出力してしまう場合は、やはり規則性の崩れたパルスエッジが入力される。これらの場合には、回転センサが失陥している訳ではないので、異常判定をするべきでなく、単に演算を停止させる、或いは異常検出機能を停止させる必要がある。
従って、これらの要求に応えつつ、本発明を実施する場合には、以下の様な措置を採用する事が好ましい。
即ち、転がり軸受ユニットの物理量測定装置が位相差の演算や異常判定に用いる回転センサ入力パルス情報は使用しないで、車両側の速度情報(エンジン回転、トランスミッション回転、トランスミッションギヤポジション、ABSコントローラ演算車速等)から、車両停止状態や後進状態を認識する。そして、車両停止状態や後進状態を認識したら、位相差の演算を停止する、或いは少なくともパルス異常判定は停止するか、異常判定しても外部に通知しない様にする。或いは、車両制御等を司る上位のCPUが、車両停止状態や後進状態を認識したら、その間は物理量演算用CPUにリセット信号を継続送信する等して、当該CPUの機能そのものを停止させる。
1 外輪
2 ハブ
3 転動体
4 エンコーダ
5 カバー
6a1、6a2、6b1、6b2、6c1、6c2 回転センサ
7 透孔
8 柱部
9 第一特性変化部
10 第二特性変化部
11 フリーランカウンタ
12a〜12w Dフリップフロップ
13 チャンネルカウンタ
14 データセレクタ
15、15a、15b FIFOメモリ
16、16a、16b CPU
17 制御回路
18 発振器
19 分周器
20 3進カウンタ
21、21a 信号処理装置

Claims (4)

  1. それぞれが複数個の回転センサを備えた1乃至複数個の転がり軸受ユニットから送られてくる、前記各回転センサのパルス信号を入力して、前記1乃至複数個の転がり軸受ユニットのそれぞれに関する、前記各回転センサのパルス信号の周期及びこれら各パルス信号同士の間の位相差を算出する信号処理装置であって、
    フリーランカウンタと、前記各回転センサと同数のフリップフロップと、チャンネルカウンタと、データセレクタと、FIFOメモリと、CPUと、制御手段とを備え、
    このうちのフリーランカウンタは、所定のクロック周期でカウント動作を行うものであり、
    前記各フリップフロップは、前記各回転センサ毎に1個ずつ設けられていて、それぞれがこれら各回転センサのパルス信号の立下り時又は立上り時に於ける前記フリーランカウンタのカウント値をラッチするものであり、
    前記チャンネルカウンタは、前記信号処理装置に入力される前記各回転センサの総数をN個とした場合に、所定の周期でN進のカウント動作を行うものであって、このチャンネルカウンタのN種類のカウント値はそれぞれ、前記各回転センサ及びこれら各回転センサ毎に1個ずつ設けられた前記各フリップフロップを識別する値として利用されるものであり、
    前記データセレクタは、前記チャンネルカウンタの1クロック毎に、このチャンネルカウンタのカウント値によって識別される前記フリップフロップにラッチされている前記フリーランカウンタのカウント値を、順次出力するものであり、
    前記FIFOメモリには、前記データセレクタが出力した、前記各フリップフロップにラッチされていた前記フリーランカウンタのカウント値を、これら各フリップフロップを識別する前記チャンネルカウンタのカウント値と共に書き込まれ、
    前記CPUは、前記FIFOメモリに書き込まれた各カウント値を、このFIFOメモリから読み取った後、この読み取った各カウント値を利用して、前記1乃至複数個の転がり軸受ユニットのそれぞれに関する、前記各回転センサのパルス信号の周期及びこれら各パルス信号同士の間の位相差を算出するものであり、
    前記制御手段は、前記各フリップフロップにラッチされた前記フリーランカウンタのカウント値が、新たな値に更新された場合にのみ、1回だけ前記FIFOメモリに書き込む様にする制御、並びに、このFIFOメモリに書き込まれた各カウント値を前記CPUが読み取るタイミングを指令する制御を実行するものである事を特徴とする、
    信号処理装置。
  2. 信号処理装置に、複数個の回転センサのパルス信号を入力する転がり軸受ユニットが複数個あり、
    FIFOメモリ及びCPUの数がそれぞれ、2個以上であって且つ前記各転がり軸受ユニットの数以下であり、
    データセレクタが出力した、各フリップフロップにラッチされていたフリーランカウンタのカウント値はそれぞれ、これら各フリップフロップを識別するチャンネルカウンタのカウント値と共に、前記各FIFOメモリのうち、前記各転がり軸受ユニット毎に予め定められた何れかのFIFOメモリに書き込まれ、これら各FIFOメモリに書き込まれた各カウント値はそれぞれ、前記各CPUのうち、前記各転がり軸受ユニット毎に予め定められた何れかのCPUによって読み取られ、その後、これら各CPUが、自身が読み取った各カウント値を利用して、前記各転がり軸受ユニットのそれぞれに関する、前記各回転センサのパルス信号の周期及びこれら各パルス信号同士の間の位相差を算出する構成を有する、
    請求項1に記載した信号処理装置。
  3. 1乃至複数個の転がり軸受ユニットと、物理量測定装置とを備え、
    このうちの1乃至複数個の転がり軸受ユニットはそれぞれ、使用時にも回転しない静止側部材と、使用時に回転する回転側部材とを、複数個の転動体を介して相対回転自在に組み合わせて成るものであり、
    前記物理量測定装置は、前記1乃至複数個の転がり軸受ユニットのそれぞれに就いて1個ずつ設けられたエンコーダと、同じく複数個ずつ設けられた回転センサと、演算器とを備え、
    このうちのエンコーダは、前記回転側部材に支持固定されると共に、この回転側部材と同心の被検出面を有し、この被検出面の特性を円周方向に関して交互に変化させたものであり、
    前記各回転センサは、それぞれの検出部を前記被検出面のうち互いに異なる部分に対向させた状態で、使用時にも回転しない部分に支持固定されたものであり、
    前記演算器は、前記1乃至複数個の転がり軸受ユニットのそれぞれに関する、前記各回転センサのパルス信号の周期及びこれら各パルス信号同士の間の位相差を算出すると共に、これら算出した周期及び各位相差を利用して、前記1乃至複数個の転がり軸受ユニットのそれぞれに関する、前記静止側部材と前記回転側部材との相対変位と、これら静止側、回転側両部材同士の間に作用する外力とのうちの、少なくとも一方の物理量を算出する演算器とを備えたものである、
    転がり軸受ユニットの物理量測定装置に於いて、
    前記演算器が、請求項1に記載した信号処理装置を含んで構成されている事を特徴とする転がり軸受ユニットの物理量測定装置。
  4. 複数個の転がり軸受ユニットと、物理量測定装置とを備え、
    このうちの各転がり軸受ユニットはそれぞれ、使用時にも回転しない静止側部材と、使用時に回転する回転側部材とを、複数個の転動体を介して相対回転自在に組み合わせて成るものであり、
    前記物理量測定装置は、前記各転がり軸受ユニットのそれぞれに就いて1個ずつ設けられたエンコーダと、同じく複数個ずつ設けられた回転センサと、演算器とを備え、
    このうちのエンコーダは、前記回転側部材に支持固定されると共に、この回転側部材と同心の被検出面を有し、この被検出面の特性を円周方向に関して交互に変化させたものであり、
    前記各回転センサは、それぞれの検出部を前記被検出面のうち互いに異なる部分に対向させた状態で、使用時にも回転しない部分に支持固定されたものであり、
    前記演算器は、前記各転がり軸受ユニットのそれぞれに関する、前記各回転センサのパルス信号の周期及びこれら各パルス信号同士の間の位相差を算出すると共に、これら算出した周期及び各位相差を利用して、前記各転がり軸受ユニットのそれぞれに関する、前記静止側部材と前記回転側部材との相対変位と、これら静止側、回転側両部材同士の間に作用する外力とのうちの、少なくとも一方の物理量を算出する演算器とを備えたものである、
    転がり軸受ユニットの物理量測定装置に於いて、
    前記演算器が、請求項2に記載した信号処理装置を含んで構成されている事を特徴とする転がり軸受ユニットの物理量測定装置。
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