JP5343774B2 - コークス乾式消火設備の装入装置 - Google Patents
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Description
この赤熱コークスの乾式消火チャンバーへの装入は、コークバケットをバケット台車からクレーンで持ち上げ、下向きに開放可能な装入蓋(防塵ゲート)が設けられた装入装置上に載置した後、コークバケットの底蓋と装入装置の装入蓋とを開放することで、装入シュートを介して行われている(例えば、特許文献1参照)。
このように、底蓋が完全に閉じていないコークバケットを、バケット台車上に降ろした場合、コークバケットが傾くため、バケット台車の走行時にコークバケットが他の設備に接触し、設備損傷を招く恐れがある。また、コークバケットには、コークス炉から窯出しされた赤熱コークスを、旋回しながら受ける構成になっているものもあるが、この場合も、旋回中にコークバケットが他の設備に接触し、設備損傷を招く恐れがある。
(1)側端部を支点として下向きに開放可能な底蓋を備えたコークバケットを載置可能で、かつ、下向きに開放可能な装入蓋が設けられた装入シュートを有し、該装入シュートに前記コークバケットを載置して前記底蓋を開放すると共に前記装入蓋を開放して、前記コークバケット内の赤熱コークスを前記装入シュートを介して乾式消火チャンバーへ装入するコークス乾式消火設備の装入装置において、
前記装入シュートには、前記底蓋の開放支点の側方で、開放する前記底蓋とは非接触の位置に、前記開放支点に向けて気体噴出ノズルを設け、しかも該気体噴出ノズルは基側から先側へかけて下方へ傾斜させた状態で位置決めされ、前記底蓋を開放する際に、開放した前記底蓋の上面で前記開放支点の部分に溜まった前記赤熱コークスの裾部に向けて気体を吹き付け、該赤熱コークスを下方へ落下させることを特徴とするコークス乾式消火設備の装入装置。
ここで、気体噴出ノズルは、基側から先側へかけて下方へ傾斜させた状態で位置決めされ、溜まった赤熱コークスの裾部に向けて気体を吹き付けるので、主として赤熱コークスの落下の妨げになっている部分に対し、気体の吹き付けを行うことができる。これにより、残留した赤熱コークス全体に気体を吹き付けることなく、短時間で効率的に、残留した赤熱コークスを落下させることができる。
従って、コークバケットの底蓋での赤熱コークスの噛み込みを防止し、赤熱コークスの受入れと搬送を安定に行うことができる。
図1、図2(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係るコークス乾式消火設備の装入装置(以下、単に装入装置ともいう)10は、下向きに開放可能な底蓋11を備えたコークバケット12を載置可能で、下向きに開放可能な装入蓋13が設けられた装入シュート14を有し、この装入シュート14にコークバケット12を載置して底蓋11を開放すると共に装入蓋13を開放して、コークバケット12内の赤熱コークスを装入シュート14を介して乾式消火チャンバー15へ装入する装置である。以下、詳しく説明する。
この乾式消火チャンバー15の装入口16には、装入装置10の装入シュート14の下端部が取り付け可能になっている。この装入装置10は、乾式消火チャンバー15の装入口16に対して、水平方向に移動可能であり、赤熱コークスの装入時以外は、装入口16が閉塞蓋(図示しない)で塞がれている。
この装入シュート14の上側には装入蓋13が設けられ、この装入蓋13が、閉じた状態では四角形となる両開き(観音開き)する2つの装入扉部17、18で構成されている。
各装入扉部17、18は、装入シュート14の両側に配置された回動軸19、20により、下向きに開放可能になっている。また、各装入扉部17、18には、その回動軸19、20とは反対側にバランサー(図示しない)が設けられ、自由状態では各装入扉部17、18が閉じた状態を維持し、各装入扉部17、18に上方から力が加わった状態では下向きに開放する。
底蓋11は、閉じた状態では円形となる両開き(観音開き)する2つの半円状の底扉部23、24で構成され、この各底扉部23、24が、容器21下端部の径方向両側端部に設けられた回動軸(開放支点の一例)25、26で、下向きに開放可能になっている。
これにより、クレーンのフックを枠体に引っ掛け、コークバケット12を持ち上げると、上限位置に移動する枠体によって各底扉部23、24が引き上げられ、各底扉部23、24の閉状態を維持できる。一方、コークバケット12を装入装置10上に降ろすと、容器21に対して枠体が下がり、これに連動して各底扉部23、24が自由状態になって、各底扉部23、24が開放される。
なお、各底扉部23、24は、回動軸25、26を支点として、水平位置に対し40〜45度の範囲内で下方に傾斜した状態で開く。
このとき、各底扉部23、24を枠体が引き上げるため、各底扉部23、24は閉じようとするが、上記したように、各底扉部23、24が傾斜していたことにより、各底扉部23、24の上面の回動軸25、26側には、その軸心方向の300mm程度の範囲に渡って赤熱コークスが残留(堆積)する。このため、赤熱コークスの噛み込みが発生して、各底扉部23、24が完全に閉じない。
この気体噴きノズル29〜32は、コンプレッサー(図示しない)に接続された配管33〜36の先端にそれぞれ連結されており、その内径は、例えば、5〜15mm程度であり、気体の噴出圧力(元圧)は、例えば、0.3〜0.5MPa程度である。なお、噴き出す気体としては、例えば、空気や窒素(不活性ガス)を使用できる。
一対の気体噴出ノズル29、30は、一方の底扉部23の回動軸25の両側方に、また他の一対の気体噴きノズル31、32は、他方の底扉部24の回動軸26の両側方に、それぞれ各回動軸25、26に向けて配置している。
このとき、気体噴出ノズル29、30は、開放する底扉部23とは非接触の位置(平面視して重ならない位置)に配置され、気体噴出ノズル29、30の対向する先端の間隔を、底扉部23の大きさに応じて、例えば、1000mm以上2000mm以下の範囲内にすることが好ましい。これは、気体噴出ノズルの先端の間隔が近過ぎると、気体噴出ノズルが落下する赤熱コークスに接触して破損する恐れがあり、一方、先端の間隔が離れ過ぎると、赤熱コークスに吹き付ける気体の吹き付け強さが弱くなり、また、気体を吹き出すためのコンプレッサーの圧力を更に高める必要があることによる。
まず、コークス炉(図示しない)から窯出しされた赤熱コークスを、バケット台車上に旋回しながら載置されているコークバケット12で受ける。
そして、バケット台車を乾式消火チャンバー15まで移動させ、クレーンのフックをコークバケット12の枠体に引っ掛け、コークバケット12を装入装置10の上方高さ位置まで持ち上げる。このとき、各底扉部23、24を枠体が引き上げるため、各底扉部23、24は閉状態を維持する。
このとき、各気体噴出ノズル29〜32により、各底扉部23、24の上面で、回動軸25、26の部分に溜まった赤熱コークスの裾部37に向けて、気体を吹き付け、赤熱コークスを下方へ落下させる。
ここで、各気体噴出ノズル29〜32からの気体の吹き付けは、タイマー等を利用して自動的に、コークバケット12の各底扉部23、24が開いてから閉じるまでの間中、連続的に、又は、例えば、1〜5秒の間隔で断続的に、行ってもよい。
上記した方法を繰り返し行い、乾式消火チャンバー15への赤熱コークスの装入を行う。
これにより、コークバケット12の底蓋11の各底扉部23、24での赤熱コークスの噛み込みを防止できるので、コークバケット12をバケット台車上に傾けることなく配置でき、赤熱コークスの受入れと搬送を安定に行える。
ここでは、気体噴出ノズルからの気体の吹き付け位置を変更すると共に、気体噴出ノズルの水平方向に対する下方への傾斜角度θを0〜30度の範囲で種々変更して、底蓋を開放する際に、開放した底蓋の上面で、回動軸の部分に溜まった赤熱コークスを、下方へ落下させたときの赤熱コークスの除去率を測定した結果について説明する。
なお、気体噴出ノズルは、各底扉部の回動軸の両側であって、非接触の位置に配置され、この気体噴出ノズルの対向する先端の間隔を1700mm(片側850mm)とした。また、ノズル径は15Aであり、気体の噴出圧力(元圧)を0.37MPaとした。
この結果を、表1に示す。
表1から明らかなように、気体噴出ノズルからの気体の吹き付け位置を、残留した赤熱コークスの裾部とした場合、残留した赤熱コークスの中央部とした場合よりも、赤熱コークスの除去率が上昇する傾向にあることが分かった。
また、気体噴出ノズルからの気体の吹き付け位置を、残留した赤熱コークスの裾部とした場合、気体噴出ノズルを水平状態としたときよりも、傾斜させたときの方が、赤熱コークスの除去率が上昇する傾向にあることが分かった。特に、気体噴出ノズルの傾斜角度θを15度以上20度以下の範囲にした場合は、残留した赤熱コークスの全部を下方へ落下させることができた(赤熱コークスの除去率:100体積%)。
従って、本発明のコークス乾式消火設備の装入装置を使用することで、コークバケットの底蓋での赤熱コークスの噛み込みを防止でき、赤熱コークスの受入れと搬送を安定に行えることを確認できた。
また、前記実施の形態においては、円筒状の容器の底部に、閉じた状態では円形となる2つの半円状の開閉蓋で構成された底蓋を設けたコークバケットについて説明したが、下向きに開放可能な底蓋を備えていれば、これに限定されるものではない。例えば、容器の形状は角筒状でもよく、また底蓋の形状を角形や楕円形にしてもよく、更に底蓋を1つの開閉蓋で構成してもよい。
Claims (2)
- 側端部を支点として下向きに開放可能な底蓋を備えたコークバケットを載置可能で、かつ、下向きに開放可能な装入蓋が設けられた装入シュートを有し、該装入シュートに前記コークバケットを載置して前記底蓋を開放すると共に前記装入蓋を開放して、前記コークバケット内の赤熱コークスを前記装入シュートを介して乾式消火チャンバーへ装入するコークス乾式消火設備の装入装置において、
前記装入シュートには、前記底蓋の開放支点の側方で、開放する前記底蓋とは非接触の位置に、前記開放支点に向けて気体噴出ノズルを設け、しかも該気体噴出ノズルは基側から先側へかけて下方へ傾斜させた状態で位置決めされ、前記底蓋を開放する際に、開放した前記底蓋の上面で前記開放支点の部分に溜まった前記赤熱コークスの裾部に向けて気体を吹き付け、該赤熱コークスを下方へ落下させることを特徴とするコークス乾式消火設備の装入装置。 - 請求項1記載のコークス乾式消火設備の装入装置において、前記気体噴出ノズルの傾斜角度は、水平位置に対して下方へ15度以上20度以下の範囲内であることを特徴とするコークス乾式消火設備の装入装置。
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