JP5342945B2 - 音声信号の振幅調整装置及び音声信号の振幅調整方法 - Google Patents

音声信号の振幅調整装置及び音声信号の振幅調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、入力された音声信号の振幅を所定範囲内に収めるべく自動調整して出力する音声信号の振幅調整装置及び音声信号の振幅調整方法に関する。
現在、マイクで集音された音声信号を録音する録音装置、或いは音声信号に対して各種信号処理を施す装置では、入力された音声信号がアナログ音声信号である場合には、これを一旦、A/D変換器によってディジタル音声信号に変換してから取り込むようにしている。この際、A/D変換器においては、その入力許容範囲を超えた振幅を有するアナログ音声信号が入力された場合にはこれを忠実にディジタル音声信号に変換することが困難になる。
そこで、A/D変換器の前段に、入力されたアナログ音声信号の振幅をA/D変換器の入力許容範囲内に収めるように調整する可変減衰器を設けるようにした自動振幅制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
かかる自動振幅制御装置では、入力されたアナログ音声信号のレベルに基づいて可変減衰器の減衰量を求め、この減衰量にてアナログ音声信号の振幅を調整する。例えばA/D変換器の入力許容範囲の上限を超える振幅を有するアナログ音声信号が入力された際には、その減衰量を増大させることによりアナログ音声信号の振幅を入力許容範囲内に低下させ、その後、入力されたアナログ音声信号の振幅自体が入力許容範囲内に推移した場合には、上記した如く増大させていた減衰量を低下させるのである。
又、上記の如き振幅調整を行うにあたり上記した自動振幅制御装置では、減衰量を増大させてから音声信号の振幅を入力許容範囲内に到らせるまでの応答期間(アタック期間と称する)を短くしている。そして、その後、入力された音声信号自体の振幅が入力許容範囲内に推移した場合に、減衰量を元の減衰量にまで低下させる応答期間(リカバリー期間と称する)を意図的に長くすることにより、振幅調整後の音声信号が聴覚上において不自然とならないようにしているのである。
しかしながら、このような自動振幅制御装置を録音装置に搭載し、単一のマイクを使って複数の人間の会話を録音すると、各発話者の発声音量の違い、或いはマイク及び各発話者間の位置関係による音声レベルの推移に伴い、上記リカバリー期間での減衰量の低下動作が追従しきれず、一時的に音声が途切れてしまうという問題が生じた。又、会話中に何らかの単発的なノイズ音が発せられた場合にもそのノイズ音の終息直後は、集音された会話の音量が小さくなり、一時的な音声の途切れが生じてしまう。
特開平06−314942号
本発明は、上記した問題を解決すべく為されたものであり、聴覚上の違和感を抑制させつつも音声を途切れさせることなく、各種の入力音声信号の推移に追従させてこの入力音声信号の振幅を常時聞き取り易いレベルに調整することが可能な音声信号の振幅調整装置及び音声信号の振幅調整方法を提供することを目的とする。
本発明による音声信号の振幅調整装置は、入力音声信号の振幅を調整する音声信号の振幅調整装置であって、前記入力音声信号の振幅を利得信号に応じて増加又は減衰させることにより振幅調整音声信号を得る可変減衰器と、前記振幅調整音声信号のレベルと基準レベルとの比較結果に基づいて利得値の系列からなる前記利得信号を生成する利得制御部と、を備え、前記利得制御部は、前記利得信号にて示される利得値の系列が低下傾向には無い又は低下傾向にあるもののその低下度が所定の利得低下レベルより小となる状態にあり、且つ前記振幅調整音声信号のエンベロープレベルが前記基準レベルよりも低く且つ所定の微小音声レベルよりも高い場合には、前記利得信号における利得値の系列を、所定の第1周期毎に増加する利得値の系列に変更する定常リカバリ部と、前記利得信号にて示される利得値の系列が低下傾向には無い又は低下傾向にあるもののその低下度が前記利得低下レベルより小となる状態にあり、且つ前記エンベロープレベルが前記微小音声レベルよりも低く且つ所定のノイズレベルよりも高い場合には、前記利得信号における利得値の系列を、前記第1周期よりも短い第2周期毎に増加する利得値の系列に変更する微小音声リカバリ部と、前記利得信号にて示される利得値の系列が低下傾向にあり且つその低下度が所定の利得低下レベルより大となる状態にあり、且つ前記エンベロープレベルが前記基準レベルよりも高い状態から低い状態に遷移した場合には、前記利得信号における利得値の系列を、前記第1周期よりも短い第3周期毎に増加する利得値の系列に変更する利得低下リカバリ部と、前記利得信号にて示される利得値の系列が低下傾向には無い又は低下傾向にあるもののその低下度が前記利得低下レベルより小となる状態にあり、且つ前記エンベロープレベルが前記ノイズレベルよりも低い場合には、前記利得信号における利得値の系列を、一定の利得値からなる系列に変更するノイズゲート部と、を有する。
又、本発明による音声信号の振幅調整方法は、入力音声信号の振幅を利得信号に応じて増加又は減衰させることにより振幅調整音声信号を得る可変減衰器と、前記振幅調整音声信号のレベルと基準レベルとの比較結果に基づいて利得値の系列からなる前記利得信号を生成する利得制御部とを備えた振幅調整装置における音声信号の振幅調整方法であって、
前記利得信号にて示される利得値の系列が低下傾向には無い又は低下傾向にあるもののその低下度が所定の利得低下レベルより小となる状態にあり、且つ前記振幅調整音声信号のエンベロープレベルが所定の基準レベルよりも低く且つ所定の微小音声レベルよりも高い場合には、前記利得信号における利得値の系列を、所定の第1周期毎に増加する利得値の系列に変更する定常リカバリステップと、前記利得信号にて示される利得値の系列が低下傾向には無い又は低下傾向にあるもののその低下度が所定の利得低下レベルより小となる状態にあり、且つ前記エンベロープレベルが前記微小音声レベルよりも低く且つ所定のノイズレベルよりも高い場合には、前記利得信号における利得値の系列を、前記第1周期よりも短い第2周期毎に増加する利得値の系列に変更する微小音声リカバリステップと、前記利得信号にて示される利得値の系列が低下傾向にあり且つその低下度が所定の利得低下レベルより大となる状態にあり、且つ前記エンベロープレベルが前記基準レベルよりも高い状態から低い状態に遷移した場合には、前記利得信号における利得値の系列を、前記第1周期よりも短い第3周期毎に増加する利得値の系列に変更する利得低下リカバリステップと、前記利得信号にて示される利得値の系列が低下傾向には無い又は低下傾向にあるもののその低下度が所定の利得低下レベルより小となる状態にあり、且つ前記エンベロープレベルが前記ノイズレベルよりも低い場合には、前記利得信号における利得値の系列を、一定の利得値からなる系列に変更するノイズゲートステップと、を有する。
本発明においては、音声信号の振幅を調整する可変減衰器の利得を以下の如く制御する。すなわち、音声信号の振幅が基準レベル〜微小音声レベルの範囲にある場合には、第1周期毎に利得を増加させて行くことにより比較的緩やかに利得を増加させる(定常リカバリ)。これにより、聴覚上違和感の無い音声信号が得られる。一方、音声信号の振幅がノイズレベルよりも大であるものの上記微小音声レベルより小となる場合には、上記第1周期よりも短い第2周期毎に利得を増加させて行くことにより比較的迅速に利得を増加させる(微小音声リカバリ)。これにより、音声信号の振幅が比較的大きなレベルから微小音声レベル以下に推移した直後は、定常リカバリの場合よりも迅速に利得増加が為されるので、音声の途切れを抑制させることができる。その後、音声信号の振幅が微小音声レベルより大となった場合には、上記定常リカバリが実施されるので、聴覚上違和感の無い音声信号が得られることになる。又、音声信号の振幅がホワイトノイズ等のノイズレベルよりも小となる場合には、一定の低い利得値を可変減衰器に供給する、或いは音声信号に対してミュートを掛けることにより、ノイズを遮断する(ノイズゲート)。これにより、無音時において目立つホワイトノイズを除去した良好な音声信号が得られるようになる。更に、音声信号中に、瞬時的大きなノイズ音が含まれている場合には、これを抑え込むべく為された利得低下状態を検出し、その後、かかるノイズ音の終息に伴い音声信号の振幅が基準レベルより小となった場合には、第1周期よりも短い第3周期毎に利得値を増加させて行くことにより比較的迅速にその利得を増加させる(利得低下リカバリ)。これにより、瞬時的なノイズ音が終息した後、直ちに、音声信号の振幅が聞き取り易いレベルにまで増加させることが可能となる。
本発明による音声信号の振幅調整装置の構成を示す図である。 アタック調整処理フローを示す図である。 リカバリ調整処理フローを示す図である。 アタックモード、微小音声リカバリモード及び定常リカバリモード各々の実行による振幅調整動作の一例を示す図である。 本発明による振幅調整装置の動作を説明する為の設置形態を示す図である。 アタックモード、利得低下リカバリモード及び定常リカバリモード各々の実行による振幅調整動作の一例を示す図である。
音声信号の振幅を調整する可変減衰器の利得を以下の如く制御する。すなわち、音声信号の振幅が基準レベル〜微小音声レベルの範囲にある場合には、第1周期毎に利得を増加させる。又、音声信号の振幅がノイズレベルよりも大であるものの上記微小音声レベルより小となる場合には、上記第1周期よりも短い第2周期毎に利得を増加させる。又、音声信号の振幅がノイズレベルよりも小となる場合には、一定の低い利得値を可変減衰器に供給することによりノイズを遮断する。更に、音声信号中に、瞬時的大きなノイズ音が含まれている場合には、これを抑え込むべく為された利得低下状態を検出し、その後、かかるノイズ音の終息に伴って音声信号の振幅が基準レベルより小となった場合に、第1周期よりも短い第3周期毎に利得値を増加させる。
図1は、本発明による音声信号の振幅調整装置の構成を示す図である。
図1に示す振幅調整装置は、可変減衰器101、音声波形検出部102、利得制御部103、利得低下検出部106、ゼロクロス検出部107、ミュート処理部108、基準レベル設定部109、ノイズレベル設定部110、微小音声レベル設定部111、及び利得低下レベル設定部112を備える。
可変減衰器101は、例えば可変利得アンプからなる音量調整器である。可変減衰器101は、入力音声信号ASIの振幅を、ゼロクロス検出部107から供給された利得信号Gにて示される利得(例えば−12dB〜+35dBなる範囲)にて増加又は減衰させて得られた振幅調整音声信号を音声信号ASとして音声波形検出部102及びミュート処理部108に供給する。
音声波形検出部102は、音声信号ASからエンベロープ波形を生成し、そのエンベロープ波形を表す音声エンベロープ信号AEを利得制御部103に供給する。
利得低下検出部106は、ローパスフィルタLPFと減算器SBとからなる。ローパスフィルタLPFは、利得制御部103から供給された利得信号GS、つまり可変減衰器101に設定すべき利得値の系列を表す利得信号GS中から所定周波数以下、例えば1〜2Hz以下の低域成分を抽出し、これを減算器SBに供給する。減算器SBは、利得信号GSからその低域成分を減算した減算結果を利得低下検出信号GLとして利得制御部103に供給する。これにより、一定の利得値の系列からなる利得信号GSが供給された場合には、利得低下検出部106は、レベル「0」の利得低下検出信号GLを生成する。しかしながら、利得信号GSによって示される利得値の系列が所定の低下度合いよりも大なる低下率にて急激に低下する状態を検出した場合には、利得低下検出部106は、その低下度合いに対応した負極性のレベルを有する利得低下検出信号GLを生成する。
ゼロクロス検出部107は、入力された入力音声信号ASIのレベルが、その振幅の中心レベルよりも低いレベルから、この中心レベルに推移した時点、或いは、中心レベルよりも高いレベルから、この中心レベルに推移した時点をゼロクロス時点として検出する。ここで、ゼロクロス検出部107は、かかるゼロクロス時点のみに、利得制御部103から供給された利得信号GSをそのまま上記利得信号Gとして、可変減衰器101に供給する。すなわち、入力音声信号ASIのレベルがその振幅の中心レベルにあるゼロクロス時点にだけ、可変減衰器101の利得が利得信号GSにて示される利得値に変更されるのである。これにより、利得変更時に発生するノイズの低減が図られる。尚、ゼロクロス検出部107は、上記したような利得値の変更動作を有効にするか或いは無効にするのかを任意に設定できるようにしている。つまり、ゼロクロス検出部107は、有効に設定されている場合にだけ、上記ゼロクロス時点にて利得制御部103から供給された利得信号GSをそのまま利得信号Gとして可変減衰器101に供給することにより、可変減衰器101の利得変更を行う。一方、無効に設定されている期間中は、ゼロクロス検出部107は、その直前の段階で可変減衰器101に供給した利得信号Gを継続して可変減衰器101に供給する。つまり、可変減衰器101に対する利得変更は為されない。
ミュート処理部108は、利得制御部103からミュート指令信号MUが供給された場合には、上記音声信号ASに対してその音声レベルを所定の微小レベルにまで低下させるべきミュート処理を施し、この際得られた信号を出力音声信号ASOとして出力する。尚、ミュート指令信号MUが供給されていない場合には、ミュート処理部108は、上記音声信号ASをそのまま出力音声信号ASOとして出力する。
基準レベル設定部109には、振幅調整後の音声信号の振幅を所定の一定振幅に維持させる際の基準となる閾値として、基準レベルRLが設定(記憶)されている。基準レベル設定部109は、この基準レベルRLを利得制御部103に供給する。
ノイズレベル設定部110には、ノイズゲート機能(後述する)を作動させる為のトリガとなる閾値として、ノイズレベルNLが設定(記憶)されている。ノイズレベル設定部110は、このノイズレベルNLを利得制御部103に供給する。
微小音声レベル設定部111には、リカバリモード(後述する)において音声レベルを増加させてリカバリさせた際の下限値として、微小音声レベルSLが設定(記憶)されている。微小音声レベル設定部111は、この微小音声レベルSLを利得制御部103に供給する。
利得低下レベル設定部112は、定常リカバリモード(後述する)及び利得低下リカバリモード(後述する)の内のどちらのモードを実施するのかを選択させる為の閾値として、利得低下レベルLLが設定(記憶)されている。利得低下レベル設定部112は、この利得低下レベルLLを利得制御部103に供給する。
尚、上記基準レベル設定部109、ノイズレベル設定部110、微小音声レベル設定部111、利得低下レベル設定部112の各々は、ユーザの入力操作によって、上記基準レベルRL、ノイズレベルNL、微小音声レベルSL、利得低下レベルLL各々を取り込み、夫々を上述したように設定する。
利得制御部103は、アタックステップ周期及びリカバリステップ周期を夫々記憶するアタックステップ周期メモリ104及びリカバリステップ周期メモリ105を備える。ここで、アタックステップ周期とは、音声信号ASの振幅の急激な増大に応じて、この振幅を低下させるべく利得制御部103が可変減衰器101の利得をステップ毎に例えば0.5dBずつ減少させて行く際の1ステップあたりの時間である。又、リカバリステップ周期とは、入力音声信号ASIの振幅が増加したが故に可変減衰器101に対する利得低下制御が為され、その後、入力音声信号ASIの振幅が低下した場合に、その振幅を増加させるべく利得制御部103が可変減衰器101の利得をステップ毎に0.5dBずつ増加させて行く際の1ステップあたりの時間である。尚、リカバリステップ周期メモリ105には、上記したような定常リカバリモードでのリカバリステップ周期(定常リカバリ周期と称する)、微小音声リカバリモードでのリカバリステップ周期(微小音声リカバリ周期と称する)、及び利得低下リカバリモードでのリカバリステップ周期(利得低下リカバリ周期と称する)の各々が個別に記憶される。アタックステップ周期メモリ104及びリカバリステップ周期メモリ105各々は、外部入力によって上記の如きアタックステップ周期、及び各種リカバリステップ周期が設定(記憶)可能な構成となっている。
又、利得制御部103は、入力音声信号ASIによって示される音声が例えばホワイトノイズの如き微小音量のノイズ音だけである場合には、このノイズ音の出力を遮断させるノイズゲート機能を有する。この際、ノイズゲート機能を「有効」にするか或いは「無効」にするのかを任意に設定可能となっている。又、ノイズゲート機能を「有効」にする場合には、これをミュート処理部108で実行する(ミュートゲートモード)のか、或いは可変減衰器101で実行する(利得減衰ゲートモード)のいずれで実行するのかを任意に選択できるようになっている。利得制御部103は、ノイズゲート機能が有効に設定されている場合にのみ、以下の如きノイズゲート機能を作動させる。すなわち、上記音声エンベロープ信号AEにおける各時点毎のレベルが上記ノイズレベルNLよりも小となる区間において、利得制御部103は、ノイズゲート機能を作動させる。例えば、上記ミュートゲートモードが選択されている場合には、利得制御部103は、音声信号ASに対してミュート処理を施すべきミュート指令信号MUをミュート処理部108に供給する。又、利得減衰ゲートモードが選択されている場合には、利得制御部103は、上記の区間に亘り一定の低利得値の系列からなる利得信号GSをゼロクロス検出部107を介して可変減衰器101に供給する。よって、入力音声信号ASI中に、微小音量のノイズ音だけを表す区間が存在しても、上記ノイズゲート機能が作動することにより、その区間に亘りノイズ音のレベルを低下、或いはノイズ音が除去された出力音声信号ASOが出力されるようになる。
又、利得制御部103は、上記音声エンベロープ信号AEにおける各時点毎のレベルと、上記基準レベルRLとを比較した比較結果に基づき、可変減衰器101に対する利得制御のモードとして、
・アタックモード
・リカバリモード
・利得固定モード
の内のいずれのモードを実行するのかを選択する。
尚、リカバリモードとは、定常リカバリモード、微小音声リカバリモード(後述する)、及び利得低下リカバリモードを総称したものである。
そして、利得制御部103は、その選択したモードに対応した処理(後述する)を実行することにより、可変減衰器101に設定すべき利得値を求め、その利得値の系列からなる利得信号GSをゼロクロス検出部107に供給する。
以下に、図1に示す振幅調整装置の動作について説明する。
利得制御部103は、図2に示す如きアタック調整処理フローに従った処理、及び図3に示す如きリカバリ調整処理フローに従った処理を順次、所定周期毎に繰り返し実行する。
図2に示すアタック調整処理フローにおいて、利得制御部103は、先ず、音声波形検出部102から供給された音声エンベロープ信号AEが図4に示す基準レベルRL以上であるか否かを判定する(ステップS702)。ステップS702において、音声エンベロープ信号AEが上記基準レベルRL以上であると判定された場合には、利得制御部103は、以下のステップS703の実行により、図4に示すアタック期間TAに亘り可変減衰器101に対して減衰制御を施すアタックモードとなる。
すなわち、先ず、利得制御部103は、アタックステップ周期メモリ104に記憶されているアタックステップ周期を読み出し、利得信号GSにて示される利得値の現在値を、このアタックステップ周期毎に段階的に0.5dBずつ減少させる(ステップS703)。これにより、図4に示すアタック期間TA内において、利得信号GSにて示される利得値の系列は徐々に低下し、それに伴い、可変減衰器101から出力される音声信号ASの振幅も図4に示すように減少して行く。この間、利得制御部103は、利得低下検出部106から供給された利得低下検出信号GLのレベルが、利得低下レベル設定部112に設定されている利得低下レベルLLより低下したか否かを判定する(ステップS704)。ステップS704において、利得低下検出信号GLが利得低下レベルLLより低下したと判定された場合、利得制御部103は、その後のリカバリ期間を短縮させる利得低下リカバリモードを有効にすべく、内蔵フラグレジスタ(図示せぬ)に、利得低下リカバリモードの有効を示す値を記憶させる(ステップS705)。尚、このステップS705が実施されるのは、主に、入力音声信号ASIに急峻な大音量のノイズ音が含まれるような異常入力時である。又、上記ステップS704において、利得低下検出信号GLが利得低下レベルLLよりも低下していないと判定された場合、利得制御部103は、利得低下リカバリモードの無効を示す値を上記内蔵フラグレジスタに記憶する(ステップS706)。上記ステップS705又はS706の実行後、利得制御部103は、上記ステップS702の実行に戻って上述した如き動作を繰り返し実行する。
ここで、図4に示すように、音声信号ASの振幅が低下したが故に、上記ステップS702において、音声エンベロープ信号AEが上記基準レベルRL以上ではないと判定された場合には、利得制御部103は、図2に示すアタック調整処理フローを抜けて、図3に示すリカバリ調整処理フローの実行に移る。
図3において、先ず、利得制御部103は、上記音声エンベロープ信号AEが図4に示す基準レベルRL以下であるか否かを判定する(ステップS802)。ステップS802において、音声エンベロープ信号AEが上記基準レベルRL以下であると判定されたとき、利得制御部103は、上記した内蔵フラグレジスタが利得低下リカバリモードの有効を示し、且つ利得低下検出信号GLが利得値の急激な低下傾向を示す負極性の値であるか否かを判定する(ステップS803)。
ステップS803において、利得低下リカバリモードが有効であり且つ利得低下検出信号GLが利得値の低下傾向を示す負極性の値であると判定されると、利得制御部103は、ノイズ発生等の異常入力に伴う急激な利得低下制御が為されていると判断して、以下の如きステップS804による利得低下リカバリモードの実行に移る。
すなわち、利得制御部103は、リカバリステップ周期メモリ105に記憶されている利得低下リカバリ周期を読み出し、利得信号GSにて示される利得値の現在値を、この利得低下リカバリ周期毎に段階的に0.5dBずつ増加させる(ステップS804)。この利得低下リカバリモードの実行により、利得信号GSにて示される利得値は徐々に増加し、それに伴い、可変減衰器101から出力される音声信号ASの振幅も増加して行く。ステップS804の実行後、利得制御部103は、上記ステップS802の実行に戻り前述した如き動作を繰り返し実行する。一方、上記ステップS803において、利得低下検出信号GLが利得値の急激な低下傾向を示す負極性の値ではないと判定されると、利得制御部103は、上記した内蔵フラグレジスタに記憶されている内容を、利得低下リカバリモードの無効を示す値に書き換える(ステップS805)。次に、利得制御部103は、ノイズゲート機能が「有効」に設定されているか否かを判定する(ステップS806)。
ステップS806においてノイズゲート機能が「有効」に設定されていると判定された場合、利得制御部103は、上記音声エンベロープ信号AEがノイズレベル設定部110から供給されたノイズレベルNL以下であるか否かを判定する(ステップS807)。ステップS807において、音声エンベロープ信号AEがノイズレベルNL以下であると判定された場合、つまり、入力音声信号ASIが微小音量からなるホワイトノイズ音だけを表す場合には、利得制御部103は、このノイズ音を除去するノイズゲート処理を実行する(ステップS808)。すなわち、ステップS808において、利得制御部103は、ノイズゲート機能としてミュートゲートモードが選択されている場合には、音声信号ASに対してミュート処理を施すべきミュート指令信号MUをミュート処理部108に供給する。又、ノイズゲート機能として利得減衰ゲートモードが選択されている場合には、利得制御部103は、所定の極めて低い利得値の系列からなる利得信号GSをゼロクロス検出部107を介して可変減衰器101に供給する。ステップS808の実行により、入力音声信号ASI中に微小音量のホワイトノイズ音の発生区間が存在しても、その区間に亘りノイズ音のレベルを低下、或いはノイズ音が除去された出力音声信号ASOが出力されるようになる。ステップS808の実行後、利得制御部103は、上記ステップS802の実行に戻り、前述した如き動作を繰り返し実行する。すなわち、上記ステップS802において音声エンベロープ信号AEが基準レベルRL以上であると判定される、或いは上記ステップS807において音声エンベロープ信号AEがノイズレベルNL以上であると判定されるまで、上述した如きノイズゲート機能を作動させるのである。
ここで、上記ステップS807において音声エンベロープ信号AEがノイズレベルNL以上であると判定された場合、或いは上記ステップS806においてノイズゲート機能が「無効」に設定されていると判定された場合、利得制御部103は、上記音声エンベロープ信号AEが、微小音声レベル設定部111から供給された微小音声レベルSL以下であるか否かを判定する(ステップS809)。例えば、利得制御部103は、上記音声エンベロープ信号AEが、図4に示す微小音声レベルSL以下であるか否かを判定する。ステップS809において、音声エンベロープ信号AEが微小音声レベルSL以下であると判定されたとき、例えば図4に示す時点Q1において、利得制御部103は、以下の如きステップS810による微小音声リカバリモードの実行に移る。
すなわち、利得制御部103は、リカバリステップ周期メモリ105に記憶されている微小音声リカバリ周期を読み出し、利得信号GSにて示される利得値の現在値を、この微小音声リカバリ周期毎に段階的に0.5dBずつ増加させる(ステップS810)。この際、微小音声リカバリ周期は、定常リカバリモードでの定常リカバリ周期よりも短い。よって、この微小音声リカバリモードの実行によれば、図4に示す第1リカバリ期間TR1内において、利得信号GSにて示される利得値は、後述する第2リカバリ期間TR2内での時間経過に伴う変化率よりも大なる変化率にて増加し、それに伴い、可変減衰器101から出力される音声信号ASの振幅も図4に示すように増加して行く。
上記ステップS810による微小音声リカバリモードの実行後、利得制御部103は、上記ステップS802の実行に戻って前述した如き動作を繰り返し実行する。すなわち、上記ステップS802において音声エンベロープ信号AEが基準レベルRL以上であると判定される、或いは上記ステップS809において音声エンベロープ信号AEが微小音声レベルSL以上であると判定されるまで、上述した如き微小音声リカバリモードを実行するのである。
ここで、上記ステップS809において音声エンベロープ信号AEが微小音声レベルSL以上であると判定されたとき、例えば図4に示す時点Q2において、利得制御部103は、以下の如きステップS811による定常リカバリモードの実行に移る。
すなわち、利得制御部103は、リカバリステップ周期メモリ105に記憶されている定常リカバリ周期を読み出し、利得信号GSにて示される利得値の現在値を、この定常リカバリ周期毎に段階的に0.5dBずつ増加させる(ステップS811)。この際、定常リカバリ周期は、上記微小音声リカバリモードでの微小音声リカバリ周期よりも長い。よって、この定常リカバリモードの実行によれば、図4に示す第2リカバリ期間TR2内において、利得信号GSにて示される利得値は、第1リカバリ期間TR1内での時間経過に伴う変化率よりも小なる変化率にて増加し、それに伴い、可変減衰器101から出力される音声信号ASの振幅も図4に示すように緩やかに増加して行く。
上記ステップS811による定常リカバリモードの実行後、利得制御部103は、上記ステップS802の実行に戻って前述した如き動作を繰り返し実行する。すなわち、上記ステップS802において音声エンベロープ信号AEが基準レベルRL以上であると判定されるまで、上述した如き定常リカバリモードを実行するのである。
ここで、上記ステップS802において音声エンベロープ信号AEが基準レベルRL以上であると判定されたとき、例えば図4に示す時点Q3において、利得制御部103は、図3に示すリカバリ調整処理フローに従った処理を終了する。
以下に、上記した如き振幅調整装置の動作について、図5に示すように、本振幅調整装置が搭載されている録音装置RECを、2人の会話者P1及びP2の間に設置して、両者の会話を録音する場合を一例にとって説明する。尚、録音装置RECは、その内蔵マイクにて集音して得られた音声信号を、この振幅調整装置を介して記録媒体に記録するものである。この際、図5に示す設置形態では、録音装置RECから会話者P2までの距離が、録音装置RECから会話者P1までの距離よりも大である。
ここで、本振幅調整装置には、例えば以下の如く各種の設定値が予め設定されているものとする。
基準レベルRL :−6dB
ノイズレベルNL :−60dB
微小音声レベルSL :−30dB
定常リカバリ周期 :83msec
微小音声リカバリ周期 :10msec
すなわち、基準レベルRLの「−6dB」は、録音時のダイナミックレンジを考慮した閾値である。又、ノイズレベルNLの「−60dB」は、録音する必要のない微小な音を、例えばホワイトノイズの如きノイズ音として判定させる為の閾値である。又、微小音声レベルSLの「−30dB」は、録音する必要性があるものの微小レベルの音声レベルを、可変減衰器101にて増加させた際に、少なくともこの微小音声レベルSL以上のレベルにリカバリさせる為の閾値である。又、定常リカバリ周期の「83msec」とは、可変減衰器101が、音声信号ASを微小音声レベルSL(−30dB)の状態から基準レベルRL(−6dB)の状態にまで増加させるのに費やすべきリカバリ期間を、音声の抑揚を考慮して4secとすることによって求められた時間である。つまり、音声信号ASを−30dBの状態から−6dBの状態にまで推移させるべく、1ステップ毎に0.5dBずつ利得を増加させて行く場合には、以下の式に示すように、48ステップ分の利得変更が必要となる。
48=[−6dB−(−30dB)]/0.5dB
従って、4secのリカバリ期間内において、1ステップあたりに費やされる利得変更時間、つまりリカバリステップ周期は約83msecとなる。
このように、
基準レベルRL>微小音声レベルSL>ノイズレベルNL
なる大小関係を有する基準レベルRL、微小音声レベルSL及びノイズレベルNLを夫々基準レベル設定部109、ノイズレベル設定部110及び微小音声レベル設定部111の各々に設定するのである。
微小音声リカバリ周期の「10msec」とは、定常リカバリ周期(83msec)の約1/8の周期である。ここで、微小音声リカバリ周期にて、例えば音声信号ASを微小音声レベルSL(−30dB)の状態からノイズレベルNL(−60dB)の状態にまで減衰させるには、以下の式に示されるように、60ステップ分の利得変更が必要となる。
60=[−30dB−(−60dB)]/0.5dB
よって、微小音声リカバリ周期にて音声信号ASを微小音声レベルSL(−30dB)の状態からノイズレベルNL(−60dB)の状態にまで減衰させるには、60×10msec=0.6secの時間が費やされることになる。
[微小音声リカバリモード]−[定常リカバリモード]動作
図5に示す状況下で、先ず、会話者P1が発話を開始する。すると、録音装置RECに搭載されている振幅調整装置は会話者P1の音声に対して振幅自動調整制御を開始する。この際、図2に示すステップS702において、この会話者P1の音声に対応した音声エンベロープ信号AEが基準レベルRL(−6dB)以上であると判定された場合には、図2に示すアタック調整処理フローに従ってアタックモードを実行する(ステップS703)。すなわち、会話者P1の音声に対応した音声エンベロープ信号AEが基準レベルRLより小さくなるまで、図4のアタック期間TAに示すように、そのレベルを減衰させるべき利得制御を可変減衰器101に対して施すのである。
ここで、会話者P1の発話が途絶えて、引き続き会話者P2の会話が開始されると、振幅調整装置は以下の如き振幅自動調整制御を開始する。
この際、会話者P2及び録音装置REC間の距離は、会話者P1及び録音装置REC間の距離よりも大である。よって、会話者P2の音声に対応した音声エンベロープ信号(AE)のレベルは、聞き取りづらい微小なレベルとなる可能性が高い。そこで、振幅調整装置では、この音声エンベロープ信号AEが微小音声レベルSL(−30dB)以下となる場合、例えば図4の時点Q1において、迅速に、会話者P2の音声に対応した音声信号ASの振幅を増大させるべく、微小音声リカバリモードの実行を開始する(S810)。微小音声リカバリモードでは、定常リカバリ周期(83msec)よりも短い微小音声リカバリ周期(10msec)毎に0.5dBずつ、可変利得減衰器101の利得が増加して行く(第1リカバリ期間TR1)。よって、可変減衰器101において減衰制御が実施されるほどにその音声レベルが大なる会話者P1の発話が途絶え、引き続き、その音声レベルが微小レベルな会話者P2の発話が開始された場合にも、迅速に、会話者P2の音声を聞き取ることが可能な程度のレベルSL(−30dB)にまで、音声信号ASの振幅が増大される。そして、この音声信号ASの振幅増大に伴い、会話者P2の音声に対応した音声エンベロープ信号AEが微小音声レベルSL(−30dB)より大となった場合、例えば図4の時点Q2において、定常リカバリモードの実行に移る(S811)。定常リカバリモードでは、上記した微小音声リカバリ周期(10msec)よりも長い定常リカバリ周期(83msec)毎に0.5dBずつ、可変利得減衰器101の利得が増加して行く(第2リカバリ期間TR2)。よって、可変利得減衰器101により、会話者P2に対応した音声信号ASの振幅は、聴覚上において違和感がでないように徐々に、聞き取り易いレベル、つまり基準レベルRL(−6dB)にまで増大される。
その後、つまり図4に示す時点Q3以降、会話者P2に対応した音声信号ASに大きな変化が生じていない場合には、前述した如く、会話者P2の音声に対応した音声エンベロープ信号AEを、上記した基準レベルLL(−6dB)に維持させるような利得制御が利得制御部103において為される。すなわち、上記したアタックモードでのアタックステップ周期毎の利得減衰制御(S703)と、定常リカバリモードでの定常リカバリ周期毎の利得増加制御(S811)とが、交互に実施されるのである。
[利得低下リカバリモード]−[定常リカバリモード]動作
会話者P1又はP2の発話中に、例えば机から重量物が落下した際の大音量の衝撃音が発せられた場合、録音装置RECの内蔵マイクは、この瞬時の衝撃音をも集音することになる。すると、音声エンベロープ信号AEが上記基準レベルRL以上となるが故にアタックモード(S703)が実施されることになり、一旦、可変減衰器101の利得が急激に低下する。その後、可変減衰器101の利得を適切な利得にまで戻すべく、リカバリモードによる利得増加制御が行われる。これにより、可変減衰器101の利得が低下してからその利得が適切な利得に戻るまでの間、会話者P1又はP2に対応した音声信号ASの振幅は低下し、会話が一時的に途切れてしまう。よって、このような大音量の瞬時のノイズ音が発せられた場合には、可変減衰器101の利得を迅速に増加させるべき利得増加制御を実施する必要がある。
そこで、振幅調整装置には、上記した如き大音量の瞬時のノイズ音を検出する為に、利得低下検出部106を設けるようにしている。利得低下検出部106では、大音量の瞬時のノイズ音に応じて為される利得制御部103の急激な利得低下動作を検出することにより、大音量の瞬時のノイズ音が発生したことを検出する。
例えば、音声信号AS中に大音量の瞬時ノイズ音が含まれたが故に、利得制御部103から送出された利得信号GSが図6の時点QQにおいて急激に低下したとする。この際、利得低下検出部106から出力されるGLのレベルは、図6の時点QQ以降、0の状態から徐々に低下して負極性の値となる。更に、利得信号GSが急激に低下したが故に、その値は図6に示すように、利得低下レベルLLより小なる値になる。よって、この際、内蔵フラグレジスタには、利得低下リカバリモードの有効を示す値が記憶され(S705)、利得低下リカバリモードが実行される(S804)。この利得低下リカバリモードでは、定常リカバリ周期(83msec)よりも短い利得低下リカバリ周期毎に0.5dBずつ、可変利得減衰器101の利得が増加して行く。ここで、急激な利得低下が、可変減衰器103の利得設定ステップ数の総数である95ステップの約1/4である24ステップ分(12cB)であるとする。この際、低下した利得を元の利得値にリカバリすべく、24ステップ分の利得増加制御を上記した定常リカバリ周期(83msec)で行った場合、図6に示すようにリカバリ期間としては約2秒必要となる。ここで、かかる2秒間の内の最初の500msecの間(図6の第1リカバリ期間TR1)に亘り、利得低下リカバリ周期毎に0.5dBずつ利得を増加するという高速リカバリを実施する場合には、1/500msec、つまり2Hzのカットオフ周波数を有するローパスフィルタLPFが必要となる。
このように、会話中に大音量の瞬時ノイズ音が発せられた場合には、このノイズ音に対応した音声信号ASの振幅を低減させるべく可変減衰器103の利得を急激に低下させた後、利得低下リカバリモードを実行することにより、その利得を迅速に増加させるのである。かかる動作によれば、瞬時ノイズ音が終息した後、直ちに、会話者に対応した音声信号ASの振幅を、聞き取り易いレベルにまで増加させることが可能となる。
以上の如く、本発明による音声信号の振幅調整装置においては、音声信号の振幅を調整する可変減衰器(101)の利得を以下の如く制御するようにしたものである。すなわち、音声信号の振幅が基準レベル(RL)〜微小音声レベル(SL)の範囲にある場合には、第1周期(定常リカバリ周期)毎に利得を増加させる(S811)。又、音声信号の振幅がノイズレベル(NL)よりも大であるものの微小音声レベルより小となる場合には、上記第1周期よりも短い第2周期(微小音声リカバリ周期)毎に利得を増加させる(S810)。又、音声信号の振幅がノイズレベルよりも小となる場合には、一定の低い利得値を可変減衰器に供給することによりノイズを遮断する(S808)。更に、音声信号中に、瞬時的大きなノイズ音が含まれている場合には、これを抑え込むべく為された利得低下状態を検出し(106、S704〜S706)、その後、かかるノイズ音の終息に伴って音声信号の振幅が基準レベルより小となった場合に、第1周期よりも短い第3周期(利得低下リカバリ周期)毎に利得値を増加させる(S804)のである。
かかる構成によれば、無音時に目立つホワイトノイズ等の微小なノイズを除去しつつも、音声信号の振幅が大なる状態から微小音声レベルより小なる状態に推移した直後、或いは瞬時的な大きなノイズ音が発生しこれが終息した直後の音声途切れを生じさせることなく、聴覚上において自然に入力音声信号の振幅を聞き取り易いレベルに調整することが可能となる。
101 可変減衰器
102 音声波形検出部
103 利得制御部
104 アタックステップ周期メモリ
105 リカバリステップ周期メモリ
106 利得低下検出部
107 0クロス検出部
108 ミュート処理部

Claims (7)

  1. 入力音声信号の振幅を調整する音声信号の振幅調整装置であって、
    前記入力音声信号の振幅を利得信号に応じて増加又は減衰させることにより振幅調整音声信号を得る可変減衰器と、前記振幅調整音声信号のレベルと基準レベルとの比較結果に基づいて利得値の系列からなる前記利得信号を生成する利得制御部と、を備え、
    前記利得制御部は、
    前記利得信号にて示される利得値の系列が低下傾向には無い又は低下傾向にあるもののその低下度が所定の利得低下レベルより小となる状態にあり、且つ前記振幅調整音声信号のエンベロープレベルが前記基準レベルよりも低く且つ所定の微小音声レベルよりも高い場合には、前記利得信号における利得値の系列を、所定の第1周期毎に増加する利得値の系列に変更する定常リカバリ部と、
    前記利得信号にて示される利得値の系列が低下傾向には無い又は低下傾向にあるもののその低下度が前記利得低下レベルより小となる状態にあり、且つ前記エンベロープレベルが前記微小音声レベルよりも低く且つ所定のノイズレベルよりも高い場合には、前記利得信号における利得値の系列を、前記第1周期よりも短い第2周期毎に増加する利得値の系列に変更する微小音声リカバリ部と、
    前記利得信号にて示される利得値の系列が低下傾向にあり且つその低下度が所定の利得低下レベルより大となる状態にあり、且つ前記エンベロープレベルが前記基準レベルよりも高い状態から低い状態に遷移した場合には、前記利得信号における利得値の系列を、前記第1周期よりも短い第3周期毎に増加する利得値の系列に変更する利得低下リカバリ部と、
    前記利得信号にて示される利得値の系列が低下傾向には無い又は低下傾向にあるもののその低下度が前記利得低下レベルより小となる状態にあり、且つ前記エンベロープレベルが前記ノイズレベルよりも低い場合には、前記利得信号における利得値の系列を、一定の利得値からなる系列に変更するノイズゲート部と、を有することを特徴とする音声信号の振幅調整装置。
  2. 前記利得信号中の所定周波数以下の低域成分のみを抽出するローパスフィルタと、前記利得信号中から前記低域成分を減算した減算結果を利得低下検出信号として生成する減算器と、からなる利得低下検出手段を更に備え、
    前記利得低下リカバリ部は、前記利得低下検出信号のレベルが前記利得低下レベルよりも高い場合には無効を表すフラグを設定する一方、低い場合には有効を表すフラグを設定する手段と、
    前記エンベロープレベルが前記基準レベルよりも低く且つ前記フラグが前記有効を表す場合にのみ、前記第1周期よりも短い前記第3周期毎に増加する利得値の系列を前記利得信号として生成する手段と、を含むことを特徴とする請求項1記載の音声信号の振幅調整装置。
  3. ミュート指令信号に応じて前記振幅調整音声信号に対してミュート処理を施すミュート手段を更に備え、
    前記ノイズゲート部は、前記エンベロープレベルが前記ノイズレベルよりも低い場合には、前記一定の利得値からなる系列を前記利得信号として生成する、又は前記ミュート指令信号を前記ミュート手段に供給することを特徴とする請求項1又は2に記載の音声信号の振幅調整装置。
  4. 前記ノイズレベルはホワイトノイズのレベルであることを特徴とする請求項3記載の音声信号の振幅調整装置。
  5. 前記基準レベル、前記ノイズレベル、前記微小音声レベルは
    前記基準レベル>前記微小音声レベル>前記ノイズレベル
    なる大小関係を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の音声信号の振幅調整装置。
  6. 前記基準レベル、前記ノイズレベル、前記微小音声レベル、前記利得低下レベル、及び前記第1〜第3周期の各々を外部から設定する設定手段を更に備えたことを特徴とする請求項2記載の音声信号の振幅調整装置。
  7. 入力音声信号の振幅を利得信号に応じて増加又は減衰させることにより振幅調整音声信号を得る可変減衰器と、前記振幅調整音声信号のレベルと基準レベルとの比較結果に基づいて利得値の系列からなる前記利得信号を生成する利得制御部とを備えた振幅調整装置における音声信号の振幅調整方法であって、
    前記利得信号にて示される利得値の系列が低下傾向には無い又は低下傾向にあるもののその低下度が所定の利得低下レベルより小となる状態にあり、且つ前記振幅調整音声信号のエンベロープレベルが所定の基準レベルよりも低く且つ所定の微小音声レベルよりも高い場合には、前記利得信号における利得値の系列を、所定の第1周期毎に増加する利得値の系列に変更する定常リカバリステップと、
    前記利得信号にて示される利得値の系列が低下傾向には無い又は低下傾向にあるもののその低下度が所定の利得低下レベルより小となる状態にあり、且つ前記エンベロープレベルが前記微小音声レベルよりも低く且つ所定のノイズレベルよりも高い場合には、前記利得信号における利得値の系列を、前記第1周期よりも短い第2周期毎に増加する利得値の系列に変更する微小音声リカバリステップと、
    前記利得信号にて示される利得値の系列が低下傾向にあり且つその低下度が所定の利得低下レベルより大となる状態にあり、且つ前記エンベロープレベルが前記基準レベルよりも高い状態から低い状態に遷移した場合には、前記利得信号における利得値の系列を、前記第1周期よりも短い第3周期毎に増加する利得値の系列に変更する利得低下リカバリステップと、
    前記利得信号にて示される利得値の系列が低下傾向には無い又は低下傾向にあるもののその低下度が所定の利得低下レベルより小となる状態にあり、且つ前記エンベロープレベルが前記ノイズレベルよりも低い場合には、前記利得信号における利得値の系列を、一定の利得値からなる系列に変更するノイズゲートステップと、を有することを特徴とする音声信号の振幅調整方法。
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