JP5342122B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、車両の操縦安定性を低下させることなく、トレッド表面の偏摩耗を抑制した空気入りタイヤに関する。
従来、車両の操縦安定性を確保するために、タイヤの赤道に沿って設けた複数本の周方向溝により区画され、タイヤの赤道上または赤道に隣接して周方向に延びる陸部を設けていた。さらに、タイヤの排水性の向上を図るために、上記した陸部に通常、トレッド幅方向に延びる横溝を設ける。
かようなタイヤにおいて、操縦安定性および排水性の確保に加え、上記した陸部における偏摩耗の抑制が望まれている。
例えば、特許文献1には、陸部のほぼ全周を面取りすることによって、操縦安定性および耐偏摩耗性を向上させる技術が提案されている。
また、特許文献2には、ブロック状とした陸部の端部の少なくとも一部に面取り加工を施し、局部的に増大する接地圧を均一化することによって、操縦安定性および耐偏摩耗性を向上させる技術が提案されている。
特開平2−179508号公報 特開平2002−36826号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2では、上記した陸部に、溝幅の広い横溝が設けられているから、路面への踏み込みおよび蹴り出し時に、横溝に接する陸部の端部と路面の接触頻度が多くなるため、騒音および振動が生じ易くなるだけでなく、偏摩耗の抑制に関しても十分な効果が得られるとはいい難かった。
そこで、特許文献3では、タイヤの赤道に沿って延びる周方向溝と、この周方向溝によって区画され、タイヤの赤道上に設けた中央陸部に、横溝の幅よりも細い幅である、サイプと呼ばれている細溝を、中央陸部の周方向に間隔を置いて配置することにより、中央陸部の偏摩耗の抑制および車両の操縦安定性の向上を図った技術を提案している。
特開2007−15596号公報
すなわち、特許文献3には、タイヤの赤道上に中央陸部を配置したことによって、車両の操縦安定性を向上させ、この中央陸部を、複数のサイプによって周方向に分断することにより、路面への踏み込みおよび蹴り出し時に、中央陸部に加わる周方向せん断力を抑制し、その結果、偏摩耗を抑制した空気入りタイヤが提案されている。
しかしながら、特許文献3の技術であっても、偏摩耗の抑制に関しては、十分な効果が得られているとはいい難く、そのため、良好な操縦安定性と共に、より一層優れた偏摩耗の抑制効果が望まれている。
そこで本発明は、車両の操縦安定性を維持しつつ、トレッド表面の陸部の偏摩耗、特に、タイヤの赤道上または赤道に隣接する陸部の偏摩耗を抑制した空気入りタイヤを提供することを目的とする。
さて、発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、タイヤの赤道上または赤道に隣接する陸部に設けたサイプにより周方向に分断されたブロック状の陸部片の形状に工夫を加え、該ブロック状陸部片の接地圧を分散させることによって、偏摩耗をさらに抑制できることを見出した。
本発明は上記の知見に立脚するものである。
すなわち、本発明の要旨は次の通りである。
(1)タイヤのトレッド表面に、タイヤの赤道に沿って延びる複数本の周方向溝によって区画された、赤道上に配置または赤道に隣接する中央陸部を有し、該中央陸部を、赤道を横切る向きに延びる複数本のサイプによって複数のブロック状陸部片に分断した空気入りタイヤであって、該サイプに隣接するブロック状陸部片の端部のいずれか少なくとも片側面取り部を有し、
前記面取り部を介して、隣接するブロック状陸部片間のトレッド表面での間隔が、該ブロック状陸部片の幅方向の、車両装着内側にある一端から車両装着外側にある他端に向かって次第に増大してなることを特徴とする空気入りタイヤ。
)上記ブロック状陸部片間の間隔が狭い側の幅方向端部は、面取りがされていないことを特徴とする上記()に記載の空気入りタイヤ。
)上記ブロック状陸部片間の間隔が広い側の幅方向端部における面取りの深さが、ブロック状陸部片の高さの20〜50%であることを特徴とする上記()または()に記載の空気入りタイヤ。
)上記ブロック状陸部片表面における面取り部の稜線の周方向溝に対する角度が、前記サイプの周方向溝に対する角度よりも小さいことを特徴とする上記(1)ないし()のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
)上記トレッド表面に、前記周方向溝を介して中央陸部と隣り合う周辺陸部を有し、該周辺陸部は、タイヤの赤道を横切る向きに延びる複数本の横溝を備え、前記面取り部と該横溝は、タイヤの赤道を横切る一連の線上に連なって延びることを特徴とする上記(1)ないし()のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
)上記中央陸部が、タイヤの赤道上に配置される場合に、前記中央陸部の幅方向の中心線が、該赤道よりも、車両装着時の車両内側に配置されていることを特徴とする上記(1)ないし()に記載の空気入りタイヤ。
)上記中央陸部の幅方向の中心線と赤道との間隔が、該中央陸部の幅の1/6〜1/2の範囲であることを特徴とする上記()に記載の空気入りタイヤ。
)上記空気入りタイヤの幅方向断面において、タイヤの赤道面を境とし、車両装着時に車両外側となる領域の最大幅位置からタイヤ回転軸に下ろした垂線の長さをSWHoutとし、車輌装着時に車輌内側となる領域のタイヤの最大幅位置からタイヤ回転軸に下ろした垂線の長さをSWHinとするとき、両者がSWHout>SWHinの関係を満足することを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
)上記SWHoutが、前記SWHinの1.1倍以上2.0倍以下であることを特徴とする上記()のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
本発明によれば、タイヤの赤道上および赤道に隣接する部位に設けた中央陸部を、赤道を横切る向きに延びる複数本のサイプによってブロック状陸部片に分断し、さらに、このブロック状陸部片の端部のいずれか少なくとも片側を面取りしたことによって、車両の操縦安定性のみならず、トレッド表面の偏磨耗を抑制することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
図1に、本発明に従うタイヤのトレッドパターンの代表例を示し、図2には、トレッドパターンの一部の拡大図を斜視面で示す。
図1において、符号1はトレッド表面、2a〜2dはタイヤの赤道に沿って延びる周方向溝、3は周方向溝2bおよび2cにて区画し、タイヤの赤道上に配置した中央陸部、3a〜3bは周方向溝2a〜2dにて区画し、中央陸部3に隣接して配置した周辺陸部であり、3c〜3dはトレッド端と周方向溝2aおよび2dにて区画し、周辺陸部3aおよび3bに隣接して配置した周辺陸部を示す。なお、Tでトレッド端、CLでタイヤの赤道、TCLでトレッドの中心線を示す。
そして、4はタイヤの赤道を横切る向きに延びるサイプ、5はサイプ4にて中央陸部3を分断したブロック状陸部片であり、6でブロック状陸部片の端部を面取りした面取り部を示す。なお、7aおよび7bは周辺陸部3aから周方向溝2aおよび2bに開口する横溝、7cはサイプおよび枝別れした溝を含み周方向溝2cに開口する横溝、7dは周方向溝2aに開口するサイプを含む横溝、7eは周方向溝2dに開口する横溝であり、7fは周方向溝2dに開口するサイプを含む横溝を示す。
ここで、車両の操縦安定性を維持するためにタイヤの接地形状を観察すると、タイヤの周方向の接地長さは、タイヤの赤道上でほぼ最大となり、タイヤ接地領域の重心もほぼタイヤ赤道上に位置することになるが、その際、最も効率よく操舵力(横方向力)を発生し、ドライバーのハンドル操作に対する応答性を向上させるためには、当該位置にできるだけ剛性の高い陸部を配置し、タイヤから路面間での力の伝達効率を高めることが重要となる。従って、本発明においても、タイヤの赤道上に中央陸部3を配置したので、車両の操縦安定性を維持することができる。
また、中央陸部3をタイヤの赤道上ではなくタイヤの赤道に隣接させて配置することによっても、同様に車両の操縦安定性を維持することができる。
さて、図1では、面取り部6に関し、隣接するブロック状陸部片5間のトレッド表面での間隔をブロック状陸部片5の一端から他端に向かって、次第に増大させた場合について示したが、本発明では、ブロック状陸部片5の端部のいずれか少なくとも片側に、形状を問わず、面取りが施されていれば良く、従って、ブロック状陸部片5の一端から他端に向かって、同じ間隔となるように面取りする場合も含まれる。
とりわけ、図1に示したように、隣接するブロック状陸部片5間のトレッド表面1での間隔が、該ブロック状陸部片5の幅方向の一端から他端に向かって次第に増大させるように面取りを施すことにより、以下に述べる偏摩耗の抑制に関し、一層の効果を上げることができる。
すなわち、図1に示すような面取りを施すと路面への踏み込みおよび蹴り出し時に、ブロック状陸部片5の接地圧を効果的に分散させることができるため、ブロック状陸部片5へのせん断力をより小さくすることができる。その結果、ブロック状陸部片5の偏摩耗がより一層抑制される。
なお、上記した面取りは、サイプ4に隣接するブロック状陸部片5の端部の片側および両側のいずれに施しても有利な効果を得ることができる。面取りをブロック状陸部片5の端部の両側に施した場合は、ブロック状陸部片5の端部へのせん断力をより小さくすることができ、ブロック状陸部片5の偏摩耗をより一層抑制することができる有利な効果を得ることができる。
ここで、面取りをブロック状陸部片5の端部の両側に施すに当たり、耐偏摩耗性に加えて路面への踏み込みおよび蹴り出し時に生じる騒音および振動特性を考慮する場合には、図3(a)に示すように、隣接するブロック状陸部片5間の間隔が増大する面取りを、ブロック状陸部片5の幅方向の一端から他端に向かって互いに逆向きとなるように施すことが効果的である。
同様に、面取りをブロック状陸部片5の端部の両側に施すに当たり、耐偏摩耗性に加えて中央陸部3の剛性を考慮する場合には、図3(b)に示すように、隣接するブロック状陸部片5間の間隔が次第に増大する面取りを、ブロック状陸部片5の両端が幅方向の一端から他端に向かって同じ向きとなるように施すことが推奨される。
また、ブロック状陸部片5間のトレッド表面での間隔が幅方向に次第に増加することによって、隣接するブロック状陸部片5間の間隔が次第に広くなるため、排水量を増加することができる。その結果、空気入りタイヤの排水性を向上することができる。
また、隣接するブロック状陸部片5間の間隔が次第に広くなる事によって、路面への踏み込みおよび蹴り出し時に生じる、接地圧を効果的に分散させることができるため、騒音および振動の低減効果を向上することができる。
次に、ブロック状陸部片5間の間隔が狭い側の幅方向端部を、面取りしていないことが好ましい。かように、ブロック状陸部片5間にて面取りしてない部分を設けたことによって、ブロック状陸部片5がトレッド接地域内にて荷重直下の接地状態となっているとき、隣接するブロック状陸部片5間の間隔が閉口して、隣接するブロック状陸部片5同士が連続する中央陸部3のような状態となる。その結果、ブロック状陸部片5の剛性を低下させることなく偏摩耗を抑制および排水性を向上することができる。
ここで、中央陸部3において、剛性が最も必要とされる部分は、この空気入りタイヤを車両に装着した際、車両の内側となる部分であるため、ブロック状陸部片5の端部の面取りされていない部分は、ブロック状陸部片5の車両の内側となる部分であることが好ましい。
また、ブロック状陸部片5間の間隔が狭い側の幅方向端部の面取りされていない部分は、周方向にブロック状陸部片5が連続することによって、陸部3の剛性が確保され、かつ効果的に排水性が向上する範囲として、ブロック状陸部片5の端部からブロック状陸部片の幅の20%以内であることが好ましい。
そして、図2に示すように、ブロック状陸部片5の間隔が広い側の幅方向端部における面取り深さdが、ブロック状陸部片5の高さHの20〜50%であることが好ましい。というのは、ブロック状陸部片5の高さHの20%未満では、ブロック状陸部片5に面取りしていない状態とほとんど同じ状態となってしまうので、ブロック状陸部片5の偏摩耗を抑制する効果を十分に得ることができず、一方、ブロック状陸部片5の高さHの50%を超えると、ブロック状陸部片5の面取り部6の、深さ方向の傾斜角度が、面取りされていないブロック状陸部片5の深さ方向の角度に近くなってしまうため、騒音および振動の低減効果を十分に得ることができない不利を生じてしまう。
そして、ブロック状陸部片5の表面における面取り部6の稜線の周方向溝に対する角度αが、サイプ4の周方向溝に対する角度βよりも小さいことが好ましい。ここで、図1に示すように、角度αおよび角度βは、当該ブロック状陸部片5を有する空気入りタイヤを車両に装着した際、ブロック状陸部片5間の間隔の広い側が車両の外側を向いているときは、周方向溝2cに対する角度であり、ブロック状陸部片5間の間隔の広い側が車両の内側を向いているときは、周方向溝2bに対する角度を意味する。
すなわち、角度αが角度βより小さいことによって、路面への踏み込みおよび蹴り出し時に、ブロック状陸部片5の接地圧を効果的に分散することができるため、騒音および振動の低減効果を十分に得ることができる。逆に、角度αが角度βより大きいと、路面への踏み込みおよび蹴り出し時に、路面に対して、ブロック状陸部片5の入力角度が直角に近くなるため、騒音および振動の低減効果が十分に得られない不利を生じてしまう。
なお、角度βが、90〜45°のとき、角度αは、75〜30°であることが好ましい。
そして、面取り部6の形状、横溝7bの形状および横溝7cの一部の形状は、タイヤの赤道から放射する方向に連なっていることが好ましい。ここで、タイヤの赤道から放射する方向に連なるとは、タイヤの赤道の、例えば任意の一点から、赤道を横切る一連の線上に、面取り部6横溝7b連なって延びていることを意味する。すなわち、車両走行時において、タイヤが赤道を横切る向きに排水する際、面取り部6の形状と横溝7bの形状が放射する方向に連なっていることによって、各々の形状が放射する方向に連なっていないトレッドパターンに比して、効果的に排水を確保する事が出来る。
ここで、面取り部6の形状は、図2に示すような形状の他に、例えば、図4(a)に示すように、ブロック状陸部片5の幅方向端部の任意の一点と周方向端部の任意の一点を、ブロック状陸部片5の内側に窪ませるように曲線で結んだ形状や、図4(b)に示すように、ブロック状陸部片5の四隅の一部を、丸く面取りした形状であっても、本発明の有利な効果を得ることができる。
さて、中央陸部をタイヤの赤道上に配置する場合、この中央陸部の幅方向の中心線TCLが、タイヤの赤道よりも、車両装着時の車両内側に配置されていることが好ましい。というのは、タイヤに対する路面凹凸の入力を実質的に車両装着内側に偏らせることができるからである。
ここで、車両の操縦安定性を低下させる外的要因として最も大きなものは、車両の上下方向または左右方向を問わず、走行中の車両に振動を与える路面の凹凸である。この凹凸がタイヤの赤道を境とする車両装着時の車両外側部分に衝突した場合と、同内側部分に衝突した場合とについて比較を行ってみると、路面の凹凸の大きさが同じであれば、殆どの車両においては、車両取り付け支持部(ホイールのハブ面)がオフセットされており荷重負担の割合の大きい車両装着外側部分の方がより大きな振動となる。そのため、車両装着外側部分での振動入力を抑制することが、操縦安定性の低下を抑制するのに効果的である。
従って、路面凹凸の入力を実質的に車両装着内側に偏らせることができれば、車両装着外側部分での振動入力が抑制されるから、結果として操縦安定性の低下を抑制することができる。
次に、中央陸部の幅方向の中心線TCLと赤道との間隔が、中央陸部の幅tの1/6〜1/2の範囲であることが好ましい。というのは、中央陸部の幅tの1/6未満では、路面凹凸によるタイヤの入力を、実質的に車両装着内側に偏在させる効果が充分に得られないからである。
一方、中央陸部の幅tの1/2を超えると、中央陸部は、タイヤの赤道に隣接する部位に配置したトレッドパターンとなり本発明の有利な効果は得られるが、かような配置は、タイヤの赤道上に中央陸部を配置したトレッドパターンと比較して、タイヤ接地領域の重心となる赤道上に陸部が無いことから、ドライバーのハンドル操作に対する応答性が充分に得られないからである。
また、タイヤ接地面の中心(重心)付近に配置して、車両装着時内側へオフセットさせることにより、路面の凹凸によるタイヤへの入力を同内側に偏在させる効果の両立を考えると、オフセット量は中央陸部の幅tの1/4程度であることが最適と考えられる。
ここで、図5に示す空気入りタイヤの幅方向断面において、タイヤの赤道を境とし、車両装着時に車両外側となる領域の最大幅位置Poutからタイヤ回転軸Lに下ろした垂線の長さをSWHoutとし、車両装着時に車両内側となる領域の最大幅位置Pinからタイヤ回転軸Lに下ろした垂線の長さをSWHinとするとき、両者がSWHout>SWHinの関係を満足することが好ましい。ここで、図5に示すタイヤの幅方向断面において、符号8はビードコア、9はカーカス、10はベルトであり、11はトレッドを示す。
すなわち、タイヤの最大幅位置Poutをトレッド部に近づけると、タイヤ断面で最も厚さが薄く剛性の低いトレッド部からサイドウォール部に至る曲線部分の曲率が小さくなり、当該部分の曲げ変形に対する剛性をさらに低くすることができる。従って、かような作用は、車両装着時に車両外側となる領域の断面構造に適用する。換言すると、SWHoutを長くする。すると、路面からトレッド部に加えられる振動を吸収し易くなる。
逆に、タイヤの最大幅位置Pinをトレッド部から遠ざけると、タイヤ断面でトレッド部からサイドウォール部に至る曲線部分の曲率が大きくなり、当該部分の曲げ変形に対する剛性を高くすることができる。従って、かような作用は、車両装着時に車両内側となる領域の断面構造に適用する。換言すると、SWHinを短くする。すると、ドライバーの意図する操舵力の路面への伝達は容易に達成されるようになる。
ここで、垂線の長さSWHoutが、垂線の長さSWHinの長さの1、1〜2.0倍であることが、車両装着時の外側および内側を機能分離し、特に外側での振動減衰効果を十分に発揮させるために好ましい。というのは、SWHoutがSWHinの1.1倍未満では、同様の効果は発揮されるものの、その効果の量が小さく、本発明が想定する一般的なドライバーには認知され難く利益とならないからであり、一方、2.0倍を超えると、外側と内側のサイドウォールで著しい剛性差が生じ、車両の挙動が唐突に不安定になる場合があるからである。
表1に示す種々の寸法を図1、図6および図7に示すトレッドに適用したサイズ、205/55R16の乗用車用空気入りラジアルタイヤを試作した。ここで、図6に示すトレッドパターンは、従来例のトレッドパターンであり、符号1〜7eは、図1と同様であるため説明を省略する。なお、符号6aは、ブロック先端部の面取り部分を示す。
そして、試作したタイヤを、サイズ、16×6.5JJのリムに組み込み、内圧220kPaに調整して、乗用車に装着し、この乗用車に2名の乗車担当者を乗車させて、ドライ操縦安定性、ノイズ、振動、偏摩耗および排水性を調査した。その結果を表2に示す。なお、表2に示す評価結果は、全て従来例の結果を100として、各々を指数化したものである。数値の大きい方が優れた結果を示す。
ここで、ドライ操縦安定性は、長い直線部分を含む周回路および緩やかなカーブの多いハンドリング評価路等からなるテストコース内を、低速から100km/h程度までの公道上で一般的なドライバーが経験する速度域で走行し、ドライパーのフィーリングによって調査した。
また、ノイズおよび振動は、長い直線部分を含む周回路および車内音評価路面やノイズテスト用の特殊路を、低速から100km/h程度までの公道で一般的なドライバーが経験する速度域で走行することによって調査した
そして、偏摩耗は、同一のタイヤおよび車両を用いて、一般道路、高速道路、山道を含むコースを走行した場合の結果を評価することによって調査した
また、排水性は、テストコース内の、一般道での雨の日を想定したウェット路面を、ドライバーによるフィーリング評価することによって調査した。
Figure 0005342122
Figure 0005342122
表2に示した通り、本発明に従う、ブロック状陸部の端部に面取りを施した発明例は、面取りを施していない従来例に比べて操縦安定性を低下させることなく、偏摩耗が向上している。
本発明に従うトレッドパターンを示す図である。 本発明に従う面取り部分の一部を示す斜視図である。 本発明に従うブロック状陸部片の両側に施した面取りを示す図である。 本発明に従う面取り部分の他の形状を示す図である。 本発明に従う空気入りタイヤの幅方向断面を示す図である。 従来例のトレッドパターンを示す図である。 本発明に従うトレッドパターンの一例を示す図である。
符号の説明
1 トレッド表面
2a〜2d 周方向溝
3 中央陸部
3a〜3d 周辺陸部
4 サイプ
5 ブロック状陸部片
6 面取り部
6a 面取り部
7a〜7e 横溝
8 ビードコア
9 カーカス
10 ベルト
11 トレッド

Claims (9)

  1. タイヤのトレッド表面に、タイヤの赤道に沿って延びる複数本の周方向溝によって区画された、赤道上に配置または赤道に隣接する中央陸部を有し、該中央陸部を、赤道を横切る向きに延びる複数本のサイプによって複数のブロック状陸部片に分断した空気入りタイヤであって、
    該サイプに隣接するブロック状陸部片の端部のいずれか少なくとも片側が面取り部を有し、
    前記面取り部を介して、隣接するブロック状陸部片間のトレッド表面での間隔が、該ブロック状陸部片の幅方向の、車両装着内側にある一端から車両装着外側にある他端に向かって次第に増大してなることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ブロック状陸部片間の間隔が狭い側の幅方向端部は、面取りがされていないことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ブロック状陸部片間の間隔が広い側の幅方向端部における面取り部の深さが、ブロック状陸部片の高さの20〜50%であることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ブロック状陸部片表面における面取り部の稜線の周方向溝に対する角度が、前記サイプの周方向溝に対する角度よりも小さいことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記トレッド表面に、前記周方向溝を介して中央陸部と隣り合う周辺陸部を有し、該周辺陸部は、タイヤの赤道を横切る向きに延びる複数本の横溝を備え、前記面取り部と該横溝は、タイヤの赤道を横切る一連の線上に連なって延びることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記中央陸部が、タイヤの赤道上に配置される場合に、前記中央陸部の幅方向の中心線が、該赤道よりも、車両装着時の車両内側に配置されていることを特徴とする請求項1ないし5に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記中央陸部の幅方向の中心線と赤道との間隔が、該中央陸部の幅の1/6〜1/2の範囲であることを特徴とする請求項6に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記空気入りタイヤの幅方向断面において、タイヤの赤道面を境とし、車両装着時に車両外側となる領域の最大幅位置からタイヤ回転軸に下ろした垂線の長さをSWHoutとし、車輌装着時に車輌内側となる領域のタイヤの最大幅位置からタイヤ回転軸に下ろした垂線の長さをSWHinとするとき、両者がSWHout>SWHinの関係を満足することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記SWHoutが、前記SWHinの1.1倍以上2.0倍以下であることを特徴とする請求項8に記載の空気入りタイヤ。
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