JP5341282B1 - アリピプラゾールの経口医薬製剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、酸味、苦みが抑えられ、患者の服用負担が少なく、溶出性が高く、患者自身が簡便に服用の確認ができるアリピプラゾールの経口医薬製剤を提供することを目的とし、アリピプラゾール及びゲル化剤を含有し、pHが4.6以上であることを特徴とする経口医薬製剤に関する。

Description

本発明は、経口投与に適したアリピプラゾール(aripiprazole)の経口医薬製剤に関する。
近年、精神病(統合失調症や双極性障害)の患者数は年々増加しており、現在、国民の約1%が罹患しているとも言われている。患者を取り巻く環境的背景因子には情報化社会と共に精神的ストレスが多様化する社会的環境の中、統合失調症の発病原因には諸説があり、例えば、ドパミン仮説、アドレノクロム仮説、グルタミン酸仮説、カルシニューリン系遺伝子の異常、遺伝的な欠陥、カルボニルストレス説、発達障害仮説、ストレス―脆弱性モデル、Two−hit theory、心因説、違法薬物説、栄養学仮説等、多方面から病因が研究されている。
また、双極性障害(躁うつ病)は、躁状態を伴う双極I型障害と、軽躁状態を伴う双極II型障害に区分されている。また各状態はうつ状態(大うつ病エピソード)、混合状態(混合性エピソード)、軽躁状態(軽躁病エピソード)、大うつ病性障害(うつ病)との違い、他の障害との関連もあり、診断と治療は、専門医でも極めて慎重な診断が要求される程、困難な病気とされている。
アリピプラゾールは、下記式
で示される7−{4−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−1−ピペラジニル]−ブトキシ}−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キノリノンであり、統合失調症や双極性障害の治療に有効な抗精神病剤の一つである。統合失調症や双極性障害の患者は未成年から現役の世代、さらには高齢者に至るまで、その患者範囲は広い。治療としては、統合失調症の場合、特徴をもった非定型抗精神病薬と呼ばれる新しいタイプの薬剤のリスペリドン、ペロスピロン、オランザピン、クエチアピンが開発され、治療の主流であるが、さらに、アリピプラゾール、ブロナンセリン、クロザピン、パリペリドンも加わり、日本では現在8種類の非定型抗精神病薬が使用されるようになった。
非定型抗精神病薬のうち、オランザピン、クエチアピン、アリピプラゾールに関しては、抗躁効果に加え、再発予防効果も報告されている。双極性障害の薬物療法の基本は、気分安定薬による再発予防である。炭酸リチウム、バルプロ酸、カルバマゼピン、ラモトリギン等があるが、2012年にはアリピプラゾールもこの適用が追加された。アリピプラゾールの剤形は、錠剤、OD錠、散剤、内服液剤が所望によりラインナップされている(例えば、特許文献1)。
製剤の剤形が多様化するなかで、患者によっては身体的機能の衰えや変化を自覚し、少しでも服用性の良い薬剤を選択する時代になってきた。そのため、日本ではOD錠等の服用しやすい錠剤も数多く発売されてきた。
しかしながら、OD錠には、「口中で崩壊して口に広がり飲みにくい」、「飲み込んだと思っても口中に残っている」等の欠点も報告されており、改善の余地がある。
また、アリピプラゾールの液剤を製造する場合は、酸性域(pH4.5以下)で溶解性が高く、中性域(pH5)以上で溶解性が低下し、結晶系で存在するため、中性域以上では製剤化しにくく、製剤における溶出性を確保するために、酸性のpH(2.5〜4.5)で製剤を製造する必要があると考えられていた(前記特許文献1参照)。
前記酸性域のpHで得られる経口製剤には、酸性域のpHであるが故の酸味及びアリピプラゾール特有の苦みがあり、甘味剤等のマスキング剤が必要となり、製剤自体の容量が多く、例えば、液剤として、製剤濃度が12mg/12mLのアリピプラゾール製剤が販売されている(非特許文献1)。
しかしながら、この製剤は分量的に多く、服用する患者に負担がかかっていた。また、pHは約3を示すために、「酸味と甘味」が強く、酸味を好まない患者や甘味を好まない患者には好適とは言えなかった。
そのため、アリピプラゾール製剤について、さらなる改善が求められていた。
特許第4401077号公報
2012年6月改訂、第14版、エビリファイ(登録商標)内用液0.1%インタビューフォーム
本発明は、酸味、苦みが抑えられ、患者の服用負担が少なく、溶出性が高く、患者自身が簡便に服用の確認ができるアリピプラゾールの経口医薬製剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ゲル化剤を含有し、pHが4.6以上の経口医薬製剤とすることによって、上記の課題を一挙に解決できることを見出し、この知見に基づいてさらに研究を進め、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の発明に関する。
[1]アリピプラゾール及びゲル化剤を含有し、pHが4.6以上であることを特徴とする経口医薬製剤。
[2]pHの調整に、医薬上使用可能な塩基性緩衝剤を使用し、該塩基性緩衝剤のモル濃度が0.03M以下であることを特徴とする前記[1]記載の経口医薬製剤。
[3]塩基性緩衝剤が、クエン酸塩又はその水和物、リンゴ酸塩又はその水和物、リン酸塩又はその水和物及びエデト酸塩又はその水和物からなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする前記[2]記載の経口医薬製剤。
[4]塩基性緩衝剤が、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、DL−リンゴ酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム及びエデト酸四ナトリウムからなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする前記[2]記載の経口医薬製剤。
[5]pHの調整に、医薬上使用可能な塩基性緩衝剤及び酸類を使用し、該塩基性緩衝剤のモル濃度が0.03M以下であることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の経口医薬製剤。
[6]さらに、糖類を含み、糖類の濃度が50W/W%以下であることを特徴とする前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の経口医薬製剤。
[7]半固形製剤であることを特徴とする前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の経口医薬製剤。
[8]液剤であることを特徴とする前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の経口医薬製剤。
[9]液剤が、トロミ液剤であることを特徴とする前記[8]記載の経口医薬製剤。
[10]ゲル化剤が、アラビアゴム、アラビアゴム末、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カラギーナン、カラヤガム末、カルメロースナトリウム、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、カロブビーンガム、カードラン、カンテン、カンテン末、キサンタンガム、グァーガム、サイリウムシードガム、ジェランガム、精製ゼラチン、ゼラチン、タマリンド種子ガム、タラガム、トラガント、トラガント末、ファーセルラン、プルラン及びペクチンからなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする前記[1]〜[9]のいずれか1項に記載の経口医薬製剤。
[11]アリピプラゾールに、ゲル化剤を加えて、医薬上使用可能な塩基性緩衝剤を使用してpHを4.6以上とすることを特徴とする前記[1]〜[10]のいずれか1項に記載された経口医薬製剤の製造方法。
[12]アリピプラゾール及びゲル化剤を含有し、pHが4.6以上であることを特徴とする精神病の治療での使用のための経口医薬組成物。
[13]アリピプラゾール及びゲル化剤を含有し、pHが4.6以上であることを特徴とする経口医薬組成物を用いた精神病の治療方法。
本発明の経口医薬製剤を用いることにより、OD錠とは異なり、口中に存在することを確認できると共に、飲み込んだ感覚もあるために、患者自身も服用の確認ができる等のメリットが得られる。また、本発明の経口医薬製剤は、苦みがなく、マスキング剤を必ずしも使用する必要がなく、液剤に比べて製剤の全量を減らすことができ、患者の服用負担を軽減することができる。さらに、本発明の経口医薬製剤は、日局第一液(pH1.2液)での溶出試験において、溶出の遅延が改善されて、良好な溶出性を示すと共に、抗精神病薬であるアリピプラゾールを懸濁状で均一に分散させることができる。
図1は、実施例1及び比較例1の溶出試験(溶出試験液pH1.2)の結果を示す。 図2は、実施例2〜3及び比較例2の溶出試験(溶出試験液pH1.2)の結果を示す。 図3は、実施例1の溶出性試験終了後の外観観察の結果を示す。 図4は、実施例4及び比較例3の溶出試験(溶出試験液pH1.2)の結果を示す。 図5は、実施例5〜6の溶出試験(溶出試験液pH1.2)の結果を示す。 図6は、実施例7〜8の溶出試験(溶出試験液pH1.2)の結果を示す。 図7は、実施例9〜10の溶出試験(溶出試験液pH1.2)の結果を示す。 図8は、実施例12〜15のゼリー状製剤の外観写真を示す。原薬が白濁して均一に分散したゼリー状製剤で、溶出試験液(試験液pH1.2)では、良好な溶出性を示す特性を保持したゼリー状製剤の試作例である。 図9は、実施例11〜15の溶出試験(溶出試験液pH1.2)の結果を示す。 図10は、実施例12〜15の溶出試験(溶出試験液pH4.0)の結果を示す。 図11は、実施例16〜19の溶出試験(溶出試験液pH1.2)の結果を示す。 図12は、実施例20〜21の溶出試験(溶出試験液pH1.2)の結果を示す。 図13は、実施例22の溶出試験(溶出試験液pH1.2)の結果を示す。 図14は、実施例23〜24の溶出試験(溶出試験液pH1.2)の結果を示す。 図15は、実施例25〜27の溶出試験(溶出試験液pH1.2)の結果を示す。 図16は、実施例28〜32の溶出試験(溶出試験液pH4.0)の結果を示す。
本発明の経口医薬製剤は、アリピプラゾール及びゲル化剤を含有し、pHが4.6以上であることを特徴とする。本発明の経口医薬製剤を完成するに際して、ゼリー状製剤について、溶解系のゼリー状製剤(酸性系)も試作検討したが、味や溶出性の問題で、十分満足できるものが得られなかった。本発明の経口医薬製剤は、半固形製剤又は液剤の形態が好適である。前記半固形製剤としては、特に限定されないが、例えば、ゲル状製剤、ゼリー状製剤等が挙げられる。ゲル状製剤とは、ゲル化剤として水溶性高分子を含み、流動性を示すものを意味し、ゼリー状製剤とは、ゲル化剤として水溶性高分子を含み、流動性のないものを意味する。ゲル状には、例えば、トロミ、ジェル、ゲル、ジュレ、ペースト、ジャム等が含まれる。前記液剤としては、特に限定されないが、例えば、懸濁液剤、トロミ液剤、これらの混合液剤等が挙げられる。前記トロミ液剤とは、ゲル化剤として水溶性高分子等を含み、粘度が10〜400mPa・sのものをいうが、50〜400mPa・sのものが好ましい。前記の粘度は、コーンプレート型回転粘度計を用いて、測定温度20℃、ずり速度50sec−1における測定値を意味する(「とろみの3段階 嚥下調整食学会基準案2012」(日本摂食嚥下リハビリテーション学会より引用))。
本発明の経口医薬製剤におけるアリピプラゾールの含有量(濃度)は、特に限定されるものではないが、製剤の重量比として0.01〜5.0W/W%の範囲であればよく、好ましくは、0.1〜3.0W/W%の濃度であり、より好ましくは0.3〜1.5W/W%である。本発明に用いるアリピプラゾールは、例えば、遊離塩基、全ての型の結晶多形体(例えば、無水物結晶、無水物B形結晶等)、水和物、薬理学的に許容される塩(例えば、酸付加塩等)等のいずれの形態であってもよい。本発明に用いるアリピプラゾールは、公知の方法によって、製造することができ、例えば、特開平2−191256号公報に記載の方法、特許第4284524号公報、特許第4614870号公報等に記載の方法によって製造することができる。
本発明の製剤重量は、薬剤の濃度にもよるが、所望により適宜最適な分量とすることができる。一回服用に適した分量としては、特に限定するものではないが、患者の服用性を鑑みれば、分量は少ない方が好適であり、20g以下が好ましく、より好ましくは10g以下、さらに好ましくは5g以下であれば、一回で口に含むこともできるし、むせたり、こぼしたりせずに服用が容易である。
本発明の一態様として、本発明のアリピプラゾール含有経口医薬製剤は、ゲル化剤を含有し、ゲル状製剤又はゼリー状製剤とすることができる。また、本発明の他の態様として、ゲル化剤を含有し、懸濁液剤又はトロミ液剤とすることができる。ゲル化剤としては、例えば、アラビアゴム、アラビアゴム末、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カラギーナン(ιカラギーナン、κカラギーナン等)、カラヤガム末、カルメロースナトリウム、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、カロブビーンガム、カードラン、カンテン、カンテン末、キサンタンガム、グァーガム、サイリウムシードガム、ジェランガム、精製ゼラチン、ゼラチン、タマリンド種子ガム、タラガム、トラガント、トラガント末、ファーセルラン、プルラン、ペクチン等が挙げられる。これらは、本発明の剤形に応じて、1種単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。また、懸濁液剤とする場合、ゲル化剤は、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、結晶セルロース・カルメロースナトリウム等が好適に使用できる。前記ゲル化剤のうち、好ましくは、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、カロブビーンガム、カンテン末、キサンタンガム、ペクチンが挙げられ、特に好ましくはカラギーナン、カロブビーンガムが挙げられる。ゲル化剤で水和により伸延した水溶性高分子が乱雑に絡み合ってゲル化が起こる。本発明の経口医薬製剤におけるゲル化剤の配合量は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されない。
本発明の経口医薬製剤は、pH4.6以上が好ましく、pH5.0以上がより好ましく、pH6以上がさらに好ましい。また、pHの上限は特に限定されるものではないが、アルカリ性が強いものは、口腔内や食道を荒らす恐れがあることと、味にエグさが加わることで、不快な味になるため、pH9以下が好ましく、より好ましくはpH8以下で、さらに好ましくはpH7以下であるが、製剤の特性や製造性を鑑み、好適なpHを4.6以上で設定することができる。
本発明の半固形製剤の一態様としては、例えば、ゼリー状製剤が挙げられる。以下、ゼリー状製剤について、説明する。
ゼリー状製剤において、pHを4.6以上に調整するには、医薬上使用可能な塩基性緩衝剤を用いる。本発明において、pHの調整には、前記塩基性緩衝剤に加えて、医薬上使用可能な酸類を加えてもよい。高い溶出性を得られる点からは、塩基性緩衝剤と酸類との組み合わせが好ましい。また、本発明において、アリピプラゾールの形態に応じて、本発明のpHに含まれる範囲内で、適宜、前記塩基性緩衝剤、酸類の量を調整することができる。例えば、アリピプラゾールとして酸付加塩等を使用した場合は、適宜、酸類の量を減じる等の調整をすることができる。
ゼリー状製剤に用いる塩基性緩衝剤としては、通常医薬品として使用できるものであれば、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、例えば、クエン酸塩又はその水和物、リンゴ酸塩又はその水和物、リン酸塩又はその水和物及びエデト酸塩又はその水和物、乳酸塩又はその水和物等が挙げられる。前記塩は、薬理学的に許容される塩であれば、特に限定されず、例えば、薬理学的に許容される金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩等が挙げられる。前記薬理学的に許容される金属塩としては、特に限定されず、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;例えばカルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩、亜鉛塩等が挙げられる。薬理学的に許容される有機アミン付加塩としては、特に限定されず、例えば、モルホリン、ピペリジン等の付加塩が挙げられる。薬理学的に許容されるアミノ酸付加塩としては、特に限定されず、例えば、リジン、グリシン、フェニルアラニン等の付加塩等が挙げられる。これらの塩は、無水物又は水和物のいずれであってもよい。
前記クエン酸塩又はその水和物としては、特に限定されず、例えば、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム等が挙げられる。前記リンゴ酸塩又はその水和物としては、特に限定されず、例えば、DL−リンゴ酸ナトリウム等が挙げられる。リン酸塩又はその水和物としては、特に限定されず、例えば、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム等が挙げられる。エデト酸塩又はその水和物としては、特に限定されず、例えば、エデト酸四ナトリウム等が挙げられる。乳酸塩又はその水和物としては、特に限定されず、例えば、乳酸ナトリウム等が挙げられる。前記した塩基性緩衝剤のうち、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、DL−リンゴ酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、エデト酸四ナトリウムが好適に挙げられ、特に好適にはクエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、エデト酸四ナトリウムが挙げられる。これらの塩基性緩衝剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
酸類としては、通常医薬品として使用できるものであれば、特に限定されず、有機酸(例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、D−酒石酸、クエン酸、DL−リンゴ酸、乳酸、シュウ酸、安息香酸、ベシル酸、アスコルビン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、エデト酸等)、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、沃化水素酸、硝酸、硫酸等)が挙げられる。前記した酸について、酸として使用できれば、薬理学的に許容される塩の形であってもよい。塩については、上記塩基性緩衝剤と同様であり、例えば、エデト酸塩又はその水和物(例えば、エデト酸二ナトリウム等)、リン酸塩又はその水和物(例えば、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム等)、酒石酸塩又はその水和物(例えば、DL−酒石酸ナトリウム、酒石酸水素カリウム等)、フマル酸塩又はその水和物(例えば、フマル酸一ナトリウム等)等が挙げられる。
前記した酸類のうち、塩酸、クエン酸、DL−リンゴ酸、リン酸、エデト酸、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム及びエデト酸二ナトリウムが好適に挙げられ、特に好適には塩酸、クエン酸、DL−リンゴ酸、エデト酸、リン酸二水素ナトリウム及びエデト酸二ナトリウムが挙げられる。これらの酸類は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記塩基性緩衝剤と酸類とを組み合わせて用いる場合、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、DL−リンゴ酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム及びエデト酸四ナトリウムからなる群から選ばれる1以上の塩基性緩衝剤と、塩酸、クエン酸、DL−リンゴ酸、リン酸、エデト酸、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム及びエデト酸二ナトリウムからなる群から選ばれる1以上の酸類との組み合わせが好ましく、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム及びエデト酸四ナトリウムからなる群から選ばれる1以上の塩基性緩衝剤と、塩酸、クエン酸、DL−リンゴ酸、エデト酸、リン酸二水素ナトリウム及びエデト酸二ナトリウムからなる群から選ばれる1以上の酸類との組み合わせがより好ましい。
ゼリー状製剤に用いる前記塩基性緩衝剤のモル濃度は、ゼリー状製剤の溶出性が良好である点から、0.03M以下が好ましく、0.02M以下がより好ましく、0.01M以下がさらに好ましく、0.005M以下が特に好ましい。塩基性緩衝剤の濃度の下限値は、緩衝効果が得られる範囲内にあればよく、特に限定されず、例えば、0.0001M程度であってもよく、緩衝効果が得られる限りこれを下回る値でもよい。塩濃度が高すぎると、アリピプラゾールが十分に溶出せずに、溶け残りが出ることがある。本発明において、塩基性緩衝剤と酸類を組み合わせて使用する場合、塩基性緩衝剤と酸類の分量バランスも重要である。酸類のモル濃度は、塩基性緩衝剤を1Mと仮定した場合、0.001〜0.95M程度の比率が好ましく、0.01〜0.85M程度の比率がより好ましい。
本発明のゼリー状製剤において、十分なゼリー強度や滑らかさ等の物性、ゲル化温度及び溶解温度をコントロールするために、糖類の配合が好適である。
ゼリー状製剤に用いる糖類としては、特に限定されないが、例えば、D−ソルビトール、D−ソルビトール液、マンニトール、エリスリトール、キシリトール、マルチトール、マルチトール液、ラクチトール、トレハロース、還元麦芽糖水アメ、白糖、精製白糖等が挙げられ、好ましくは、D−ソルビトール、D−ソルビトール液、キシリトール、還元麦芽糖水アメ、精製白糖が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明において、経口医薬製剤がゼリー状製剤の物性維持の目的を達成するためには、糖類の配合が好適である。糖類の配合重量により、溶出試験液pH1.2(日局第一液)での溶出挙動に影響するため、糖類を配合するゼリー状製剤では、糖類の濃度は、50W/W%以下とすることが好ましく、より好ましくは45W/W%以下であり、さらに好ましくは40W/W%以下である。なお、下限値としては、物性、ゲル化温度及び溶解温度をコントロールするために、少なくとも5W/W%以上であり、好ましくは10W/W%以上であり、さらに好ましくは15W/W%以上である。
本発明ではゼリー状製剤を製造するのに適度な糖類とともに、多価アルコール類を加えてもよい。多価アルコール類を加えることにより、保湿性や滑らかさを与えて、食感の良いゼリー状製剤とすることができる。前記多価アルコール類としては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシチレン〔160〕ポリオキシプロピレン〔30〕グリコール(プルロニックF68ともいう。)等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。本発明の経口医薬製剤における多価アルコール類の配合量は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されない。
この場合、製剤としての糖度(Brix)は、50%以下が好ましく、より好ましくは45%以下であり、さらに好ましくは40%以下である。前記範囲であれば良好な溶出性を維持し、食感のよい滑らかなゼリー状製剤を得ることが可能である。
本発明のゼリー状製剤には、必要に応じて、甘味料を配合してもよい。前記甘味料としては、特に限定されないが、例えば、スクラロース、アスパルテーム、果糖ブドウ糖液糖、還元麦芽糖水アメ、粉末還元麦芽糖水アメ、サッカリン、サッカリンナトリウム、ステビア、ソーマチン、エリスリトール、ソルビトール、ソルビトール液、乳糖、ハチミツ、キシリトール、グリセリン、濃グリセリン、マルチトール、マルチトール液等が挙げられ、好ましくは、スクラロースが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。本発明の経口医薬製剤における甘味料の配合量は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されない。
本発明のゼリー状製剤は、香料を加えなくても酸味、苦みを感じないが、必要に応じて、例えば小児が好む香料を風味付けとして行ってもよい。このような香料としては、例えば、オレンジフレーバー、バナナフレーバー、イチゴフレーバー、バニラフレーバーや各エッセンス類を加えてもよい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。本発明の経口医薬製剤における香料の配合量は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されない。
本発明のゼリー状製剤には、必要に応じて、防腐剤を配合してもよい。前記防腐剤としては、通常医薬用として用いられるものであれば制限するものではないが、例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸ベンジル、安息香酸ナトリウム、安息香酸、安息香酸ベンジル、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、アミノエチルスルホン酸、ソルビン酸、ソルビン酸塩等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。防腐剤を配合して保存性を高めておけば、長期間の製品劣化(微生物汚染)を防ぐことができる。本発明の経口医薬製剤における防腐剤の配合量は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されない。
本発明のゼリー状製剤は、医薬品の製造に適した製造環境下で、適切な撹拌装置付きの生産機や、加熱冷却装置付き撹拌機器、及び、充填・包装装置を医薬レベルで組み合せた機器類で、生産することができる。生産スケールは、生産性、効率性、採算性を加味して、好適なスケールで生産することができる。
本発明の半固形製剤の別の態様としては、ゲル状製剤が挙げられる。以下、ゲル状製剤について、説明する。
ゲル状製剤において、pHを4.6以上に調整するには、上記ゼリー状製剤と同様に、医薬上使用可能な塩基性緩衝剤を用いる。本発明において、pHの調整には、前記塩基性緩衝剤に加えて、医薬上使用可能な酸類を加えてもよい。高い溶出性を得られる点からは、塩基性緩衝剤と酸類との組み合わせが好ましい。また、上記ゼリー状製剤と同様に、本発明のゲル状製剤において、アリピプラゾールの形態に応じて、本発明のpHに含まれる範囲内で、適宜、前記塩基性緩衝剤、酸類の量を調整することができる。ゲル状製剤に用いる塩基性緩衝剤、酸類及び塩基性緩衝剤と酸類との組み合わせとしては、上記ゼリー状製剤と同様のものが使用できる。
ゲル状製剤に用いる塩基性緩衝剤のモル濃度は、ゲル状製剤の溶出性が良好である点から、0.03M以下が好ましく、0.02M以下がより好ましく、0.01M以下がさらに好ましく、0.005M以下が特に好ましい。塩基性緩衝剤の濃度の下限値は、緩衝効果が得られる範囲内にあればよく、特に限定されず、例えば、0.0001M程度であってもよく、緩衝効果が得られる限りこれを下回る値でもよい。塩濃度が高すぎると、アリピプラゾールが十分に溶出せずに、溶け残りが出ることがある。本発明において、塩基性緩衝剤と酸類を組み合わせて使用する場合、塩基性緩衝剤と酸類の分量バランスも重要である。酸類のモル濃度は、塩基性緩衝剤を1Mと仮定した場合、0.001〜0.95M程度の比率が好ましく、0.01〜0.85M程度の比率がより好ましい。
本発明のゲル状製剤において、滑らかさ等の物性、ゲル化温度及び溶解温度をコントロールするために、糖類の配合が好適である。
ゲル状製剤に用いる糖類及びその濃度は、上記ゼリー状製剤と同様である。
本発明において、経口医薬製剤がゲル状製剤の物性維持の目的を達成するためには、糖類の配合が好適である。糖類の配合重量により、溶出試験液pH1.2(日局第一液)での溶出挙動に影響するため、糖類を配合するゲル状製剤では、糖類の濃度は、50W/W%以下とすることが好ましく、より好ましくは45W/W%以下であり、さらに好ましくは40W/W%以下である。なお、下限値としては、物性、ゲル化温度及び溶解温度をコントロールするために、少なくとも5W/W%以上であり、好ましくは10W/W%以上であり、さらに好ましくは15W/W%以上である。
本発明ではゲル状製剤を製造するのに適度な糖類とともに、多価アルコール類を加えてもよい。多価アルコール類を加えることにより、保湿性や滑らかさを与えて、食感の良いゲル状製剤とすることができる。多価アルコール類は、上記ゼリー状製剤と同様である。この場合、製剤としての糖度(Brix)も、上記ゼリー状製剤と同様である。
本発明のゲル状製剤には、必要に応じて、甘味料、香料、防腐剤を配合してもよい、甘味料、香料及び防腐剤は、上記ゼリー状製剤と同様である。
本発明のゲル状製剤は、上記のゲル化剤から、当業者が技術常識に基づいてゲル化剤を適宜選択することにより製造することができる。例えば、κカラギーナンを使用せずに、ιカラギーナン及びカロブビーンガムを組み合わせて使用し、ゲル状製剤を得ることができる。なお、水溶性高分子には、合成高分子、半合成高分子(酸・塩基や熱処理による分子量の調製や金属塩の付加により可溶性の付加処理など)や天然高分子(動・植物や微生物由来高分子の精製物)がある。これらの高分子は、単独或いは併用又は金属塩を介してゼリー状に固まるものと、濃度に応じて粘性が増してゲル状になるものに分けることができる。
これらの特性を活かして、前記水溶性高分子を単独或いは併用して所望のゼリー状製剤又は下記に示すトロミ液剤を製することができるが、中には一度固まると水に対する分散性・溶解性が大変悪くなるものもあるので、ゼリー状製剤やトロミ液剤に用いる水溶性高分子は、製剤設計において留意しなければならない。従って、上述の水溶性高分子は、それぞれの組み合わせや、添加量を調整してアリピプラゾールのゼリー状製剤やトロミ液剤を製することができる。
本発明の液剤の一態様としては、例えば、トロミ液剤が挙げられる。以下、トロミ液剤について、説明する。
トロミ液剤において、pHを4.6以上に調整するには、上記ゼリー状製剤と同様に、医薬上使用可能な塩基性緩衝剤を用いる。本発明において、pHの調整には、前記塩基性緩衝剤に加えて、医薬上使用可能な酸類を加えてもよい。高い溶出性を得られる点からは、塩基性緩衝剤と酸類との組み合わせが好ましい。また、上記ゼリー状製剤と同様に、本発明のトロミ液剤において、アリピプラゾールの形態に応じて、本発明のpHに含まれる範囲内で、適宜、前記塩基性緩衝剤、酸類の量を調整することができる。トロミ液剤に用いる塩基性緩衝剤、酸類及び塩基性緩衝剤と酸類との組み合わせとしては、上記ゼリー状製剤と同様のものが使用できる。
トロミ液剤に用いる塩基性緩衝剤のモル濃度は、トロミ液剤の溶出性が良好である点から、0.03M以下が好ましく、0.02M以下がより好ましく、0.01M以下がさらに好ましく、0.005M以下が特に好ましい。塩基性緩衝剤の濃度の下限値は、緩衝効果が得られる範囲内にあればよく、特に限定されず、例えば、0.0001M程度であってもよく、緩衝効果が得られる限りこれを下回る値でもよい。塩濃度が高すぎると、アリピプラゾールが十分に溶出せずに、溶け残りが出ることがある。本発明において、塩基性緩衝剤と酸類を組み合わせて使用する場合、塩基性緩衝剤と酸類の分量バランスも重要である。酸類のモル濃度は、塩基性緩衝剤を1Mと仮定した場合、0.001〜0.95M程度の比率が好ましく、0.01〜0.85M程度の比率がより好ましい。
本発明のトロミ液剤において、水溶性高分子と併用で滑らかさを向上させ、さらに甘味の付与でより服用性を良くするために、糖類の配合が好適である。
トロミ液剤に用いる糖類及びその濃度は、上記ゼリー状製剤と同様である。
本発明において、経口医薬製剤がトロミ液剤の物性維持の目的を達成するためには、糖類の配合が好適である。糖類の配合重量により、溶出試験液pH1.2(日局第一液)での溶出挙動に影響するため、糖類を配合するトロミ液剤では、糖類の濃度は、50W/W%以下とすることが好ましく、より好ましくは45W/W%以下であり、さらに好ましくは40W/W%以下である。なお、下限値としては、物性、ゲル化温度及び溶解温度をコントロールするために、少なくとも5W/W%以上であり、好ましくは10W/W%以上であり、さらに好ましくは15W/W%以上である。
本発明ではトロミ液剤を製造するのに適度な糖類とともに、多価アルコール類を加えてもよい。多価アルコール類を加えることにより、保湿性や滑らかさを与えて、食感の良いトロミ液剤とすることができる。多価アルコール類は、上記ゼリー状製剤と同様である。この場合、製剤としての糖度(Brix)も、上記ゼリー状製剤と同様である。
本発明のトロミ液剤には、必要に応じて、甘味料、香料、防腐剤を配合してもよい、甘味料、香料及び防腐剤は、上記ゼリー状製剤と同様である。
本発明のトロミ液剤は、抗精神薬の服用によって、さらに嚥下力が低下した患者に対して、誤嚥の防止のため、好適に使用できる。
本発明の液剤の一態様としては、例えば、アリピプラゾールが溶解していない懸濁液剤が挙げられる。以下、懸濁液剤について、説明する。
懸濁液剤においても、上記ゼリー状製剤と同様にpHを4.6以上に調整するには、医薬上使用可能な塩基性緩衝剤を用いる。本発明において、pHの調整には、前記塩基性緩衝剤に加えて、医薬上使用可能な酸類を加えてもよい。高い溶出性を得られる点からは、塩基性緩衝剤と酸類との組み合わせが好ましい。また、上記ゼリー状製剤と同様に、本発明の懸濁液剤において、アリピプラゾールの形態に応じて、本発明のpHに含まれる範囲内で、適宜、前記塩基性緩衝剤、酸類の量を調整することができる。懸濁液剤に用いる塩基性緩衝剤、酸類及び塩基性緩衝剤と酸類との組み合わせとしては、上記ゼリー状製剤と同様のものが使用できる。
懸濁液剤に用いる塩基性緩衝剤のモル濃度は、懸濁液剤の溶出性が良好である点から、0.03M以下が好ましく、0.02M以下がより好ましく、0.01M以下がさらに好ましく、0.005M以下が特に好ましい。塩基性緩衝剤の濃度の下限値は、緩衝効果が得られる範囲内にあればよく、特に限定されず、例えば、0.0001M程度であってもよく、緩衝効果が得られる限りこれを下回る値でもよい。塩濃度が高すぎると、アリピプラゾールが十分に溶出せずに、溶け残りが出ることがある。本発明において、塩基性緩衝剤と酸類を組み合わせて使用する場合、塩基性緩衝剤と酸類の分量バランスも重要である。酸類のモル濃度は、塩基性緩衝剤を1Mと仮定した場合、0.001〜0.95M程度の比率が好ましく、0.01〜0.85M程度の比率がより好ましい。
本発明の懸濁液剤において、水溶性高分子との併用で滑らかさを向上させ、さらに甘味の付与でより服用性を良くするために、糖類の配合が好適である。
懸濁液剤に用いる糖類及びその濃度は、上記ゼリー状製剤と同様である。
本発明において、経口医薬製剤が懸濁液剤の物性維持の目的を達成するためには、糖類の配合が好適である。糖類の配合重量により、溶出試験液pH1.2(日局第一液)での溶出挙動に影響するため、糖類を配合する懸濁液剤では、糖類の濃度は、50W/W%以下とすることが好ましく、より好ましくは45W/W%以下であり、さらに好ましくは40W/W%以下である。なお、下限値としては、物性、ゲル化温度及び溶解温度をコントロールするために、少なくとも5W/W%以上であり、好ましくは10W/W%以上であり、さらに好ましくは15W/W%以上である。
本発明では懸濁液剤を製造するのに適度な糖類とともに、多価アルコール類を加えてもよい。多価アルコール類を加えることにより、保湿性や滑らかさを与えて、食感の良い懸濁液剤とすることができる。多価アルコール類は、上記ゼリー状製剤と同様である。この場合、製剤としての糖度(Brix)も、上記ゼリー状製剤と同様である。
本発明の懸濁液剤には、必要に応じて、甘味料、香料、防腐剤を配合してもよい、甘味料、香料及び防腐剤は、上記ゼリー状製剤と同様である。
本発明の懸濁液剤は、抗精神薬の服用によって、さらに嚥下力が低下した患者に対して、誤嚥の防止のため、好適に使用できる。
上記のようにして得られる本発明の経口医薬製剤は、後記する溶出試験で測定した場合に、測定開始から30分において50%以上の溶出率(%)を有するものが好ましく、測定開始から30分において60%以上の溶出率(%)を有するものがより好ましく、測定開始から30分において70%以上の溶出率(%)を有するものがさらに好ましい。
本発明の経口医薬製剤は、精神病に用いることができる。精神病としては、特に限定されないが、統合失調症、双極性障害等が挙げられる。双極性障害(躁うつ病)としては、特に限定されないが、躁状態を伴う双極I型障害、軽躁状態を伴う双極II型障害等が挙げられる。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。なお、本実施例及び比較例における配合量の値は、全て質量%(W/W%)として示す。
以下の実施例及び比較例で用いた化合物の分子量は、以下のとおりであり、いずれも日本薬局方の製造用を用いた。リン酸水素二ナトリウムは12水和物(分子量358.14)、クエン酸ナトリウムは2水和物(分子量294.1)、DL−リンゴ酸(分子量134.09)、クエン酸は無水物(分子量192.12)、リン酸二水素ナトリウムは2水和物(分子量156.01)である。
[製剤の試作装置]
本発明の実験的試作スケールは、小スケール(ビーカースケール)で実験を繰り返して実施するための装置として、加熱や撹拌、冷却が可能で、さらに、加熱による水分蒸散を防いで、正確な試作が可能な装置を工夫して実施した。すなわち、試作装置は密栓が可能な耐熱性のガラス製の容器を用い、撹拌にはマグネチックスターラー(東洋産業(株)製R−1)を撹拌機器とし、これに加熱冷却が可能な温浴装置(東洋産業(株)製B−UP)を用いて、100gスケールの試作を実施した。秤量器は電子天秤(メトラー社製PR1203及び(株)島津製作所製AW120)を用いて各原料を秤量した。
[実施例1〜3及び比較例1〜2]
下記表1に示した各原料を精密に秤取し、糖類(D−ソルビトール)にιカラギーナン、κカラギーナン及びカロブビーンガムを粉末混合して添加し、これに塩基性緩衝剤(リン酸水素二ナトリウム)と、酸類(DL−リンゴ酸又はクエン酸)を添加し、これに保存剤(パラオキシ安息香酸プロピル)を添加し、精製水と濃グリセリンを加えて密栓し、撹拌しながら温浴にて加熱80〜85℃に加温溶解した。80℃到達から1時間は同温度を維持して、泡等を巻き込まない程度で撹拌しながらゼリーベースを殺菌した。これに、下記表1に示す量に秤量したアリピプラゾールを加えて混和分散しながら、別に用意した50〜60℃の温浴層に移して撹拌分散した。この温度(50〜60℃)を維持しながら、一回投与単位(4gゼリー状製剤中にアリピプラゾール12mgを含有する分量)を予め準備しておいた、容器(アルミ製スティック容器又はPET製の透明容器)に分注してシーラーで封を施し、冷却固化してゼリー状製剤の分包品を得た。
[pH試験]:(株)掘場製作所製pHメータ(商品名:Twin pH、形式:B−212)を用いて、製剤をセンサー部に直接浸けてpHの指示値を読み取り測定した。
[糖度試験]:アタゴ社製PAL−Jを用いて、製剤をセンサー部に直接浸けて糖度%(Brix%)の指示値を読み取り測定した。
[外観観察]:製剤の調製工程や充填品の状態を観察すると共に、必要に応じてデジタルカメラ(Canon SX210 IS)で写真を撮り、観察記録のデータとした。また、溶出試験の状態観察も、溶解性や溶け残り等の状態を必要に応じて、同カメラで写真を撮り、観察記録のデータとした。実施例28〜32については、各分包品を50℃で3日間、40℃で7日間に保存し、25℃7日間の外観を対照に薬剤の沈降性を比較した。
[粘度測定試験]:東機産業社(株)粘度測定装置(TV−20)、ロータ:3°×R12を用いて、回転数:10rpm〜100rpmの粘度を測定し、ずり測度D(S)と粘度η(mPa・s)の粘度曲線図(両対数)から近似式をもとめて内挿法により、ずり速度50sec−1の粘度値を求めた。
[溶出試験]:溶出試験システムは、溶出試験器が富山産業(株)製NTR−6200AC、ルーピングポンプが富山産業(株)製AUTO−SAMPLER−W、UV測定装置が(株)島津製作所製UV−1800が連結された装置を用いて、溶出性をリアルタイムで分析した。
溶出試験条件:パドル法、50rpm
試験温度:37±1℃
溶出試験液量:900mL
試験液性:日局第一液(pH1.2)、薄めたマッキルベイン緩衝液(pH4.0)、日局第二液(pH6.8)
実施例1〜3及び比較例1〜2の試料について、pH試験及び糖度試験(糖度試験は実施例1のみ)の測定結果を下記表1に示し、溶出試験(溶出試験液pH1.2)の結果を図1及び図2に示す。実施例1の溶出性試験終了後の外観観察の結果を図3に示す。
(表中、各成分の配合量の単位はgである。)
0.01Mのリン酸水素二ナトリウムにDL−リンゴ酸を加えて製剤のpHを約6に調節した(実施例1)。図1から、この系の添加量を4倍量(比較例1)とすると、溶出性が低下することが観察された。また、図2に示されるように、0.04Mのリン酸水素二ナトリウムにクエン酸を加えて製剤のpHを約6に調節した(比較例2)。この系の添加量を1/2倍量(実施例3)及び1/4倍量(実施例2)に減らすと、さらに溶出性が向上することが確認された。また、図3から、薬剤やゼリー基剤の残渣もなく、良好な溶出性を示すことが目視で確認できた。
[実施例4及び比較例3]
塩基性緩衝剤としてクエン酸ナトリウムを用いて、酸類としてクエン酸を用い、下記表2の配合量とする以外は、実施例1と同様にして、ゼリー状製剤の分包品を得た。
実施例4及び比較例3の試料について、pH試験の測定結果を下記表2に示し、溶出試験(溶出試験液pH1.2)の結果を図4に示す。
[実施例5〜6]
塩基性緩衝剤としてリン酸水素二ナトリウムを用いて、酸類としてリン酸二水素ナトリウムを用い、下記表2の配合量とする以外は、実施例1と同様にして、ゼリー状製剤の分包品を得た。
実施例5〜6の試料について、pH試験の測定結果を下記表2に示し、溶出試験(溶出試験液pH1.2)の結果を図5に示す。
(表中、各成分の配合量の単位はgである。)
図4に示されるように、0.01Mのクエン酸ナトリウムにクエン酸を加えて製剤のpHを約6に調節した(実施例4)。この系の添加量を4倍量(比較例3)に増やすと、溶出性が低下することが確認された。図5に示されるように、0.005Mのリン酸水素二ナトリウムにリン酸二水素ナトリウムを加えて製剤のpHを約6に調節した(実施例5)。この系の添加量を1/2量(実施例6)に減らすと、さらに溶出性が向上することが確認された。
[実施例7〜8]
塩基性緩衝剤としてクエン酸ナトリウムを用いて、酸類としてDL−リンゴ酸を用い、下記表3の配合量とする以外は、実施例1と同様にして、ゼリー状製剤の分包品を得た。
実施例7〜8の試料について、pH試験の測定結果を下記表3に示し、溶出試験(溶出試験液pH1.2)の結果を図6に示す。
[実施例9〜10]
塩基性緩衝剤としてクエン酸ナトリウムを用いて、酸類としてリン酸二水素ナトリウムを用い、下記表3の配合量とする以外は、実施例1と同様にして、ゼリー状製剤の分包品を得た。
実施例9〜10の試料について、pH試験及び糖度試験(糖度試験は実施例10のみ)の測定結果を下記表3に示し、溶出試験(溶出試験液pH1.2)の結果を図7に示す。
(表中、各成分の配合量の単位はgである。)
0.005Mのクエン酸ナトリウムにDL−リンゴ酸を加えて製剤のpHを約6に調節した(実施例7)。図6に示されるように、この系の添加量を1/2量(実施例8)に減らしても、高い溶出性が得られることが確認された。図7に示されるように、0.005Mのクエン酸ナトリウムにリン酸二水素ナトリウムを加えて製剤のpHを約6に調節した(実施例9)。この系の添加量を1/2量(実施例10)に減らすと、さらに溶出性が向上することが確認された。
[実施例11]
塩基性緩衝剤としてリン酸水素二ナトリウムを用いて、酸類としてDL−リンゴ酸を用い、下記表4の配合量とする以外は、実施例1と同様にして、ゼリー状製剤の分包品を得た。
[実施例12〜15]
糖類を、D−ソルビトールの代わりに、キシリトール、還元麦芽糖水アメ、トレハロース又は精製白糖を用いた以外は、実施例11と同様にして、ゼリー状製剤の分包品を得た。実施例12〜15の試料の外観写真を図8に示す(図中、左から順に実施例12、13、14及び15を示す)。
実施例11〜15の試料について、pH試験及び糖度試験の測定結果を下記表4に示し、溶出試験の結果を図9(溶出試験液pH1.2)及び図10(溶出試験液pH4.0)に示す。
(表中、各成分の配合量の単位はgである。)
図9に示されるように、溶出試験液pH1.2では、糖類の種類により、若干溶出性に糖類の差異が出たが、全ての系で溶出時間30分後にはほぼ溶出することが明らかとなった。図10に示されるように、溶出試験液pH4.0では、糖類の種類により、溶出性の差は無く、全ての系で溶出時間30分以内に、ほぼ溶出することが明らかとなった(実施例11は溶出試験液pH1.2のみ)。
[実施例16〜19]
糖類について、D−ソルビトールの配合量を下記表5に記載の量とし、塩基性緩衝剤としてリン酸水素二ナトリウムを用いて、酸類としてDL−リンゴ酸を用い、下記表5の配合量とする以外は、実施例1と同様にして、ゼリー状製剤の分包品を得た。
実施例16〜19の試料について、pH試験及び糖度試験の測定結果を下記表5に示し、溶出試験(溶出試験液pH1.2)の結果を図11に示す。
(表中、各成分の配合量の単位はgである。)
0.004Mのリン酸水素二ナトリウムにDL−リンゴ酸を加えて製剤のpHを約6に調節した系で、D−ソルビトールの糖含有量を25%、30%、35%及び40%と振り分けて製剤を調製し、溶出性を測定したところ、図11から、糖類濃度が少なくなるに従って、さらに高い溶出性が得られた。
[実施例20〜21]
ゲル化剤からκカラギーナンを除き、塩基性緩衝剤としてリン酸水素二ナトリウムを用いて、酸類としてDL−リンゴ酸を用い、下記表6の配合量とする以外は、実施例1と同様にして、流動性のあるゲル状製剤を得た。
実施例20〜21の試料について、pH試験及び糖度試験の測定結果を下記表6に示し、溶出試験(溶出試験液pH1.2)の結果を図12に示す。
(表中、各成分の配合量の単位はgである。)
図12に示されるように、塩基性緩衝剤の分量を減らすことで、より高い溶出性が得られた。
[実施例22]
塩基性緩衝剤としてクエン酸ナトリウムを用いて、酸類としてエデト酸二ナトリウムを用い、スクラロースを加えて、各成分を下記表7の配合量とする以外は、実施例1と同様にして、ゼリー状製剤の分包品を得た。
実施例22の試料について、pH試験及び糖度試験の測定結果を下記表7に示し、溶出試験(溶出試験液pH1.2)の結果を図13に示す。
(表中、各成分の配合量の単位はgである。)
図13に示されるように、塩基性緩衝剤の分量を減らすことで、より高い溶出性が得られた。
[実施例23〜24]
塩基性緩衝剤としてリン酸水素二ナトリウムを用いて、酸類としてDL−リンゴ酸を用い、下記表8の配合量とする以外は、実施例1と同様にして、ゼリー状製剤の分包品を得た。
実施例23〜24の試料について、pH試験及び糖度試験の測定結果を下記表8に示し、溶出試験(溶出試験液pH1.2)の結果を図14に示す。
(表中、各成分の配合量の単位はgである。)
0.02Mリン酸水素ニナトリウムにDL−リンゴ酸の添加量を減らして製剤のpHを5以下に設定した場合の実施例について図14に示した(実施例24)。図14から、0.01Mに減らしたところ、溶出性が顕著に向上することが示された(実施例23)。従って製剤の設定pHが4.6以上では、塩基性緩衝剤の分量に伴い溶出性がコントロールされることが、さらに明らかとなった。
[実施例25〜27]
塩基性緩衝剤としてリン酸水素二ナトリウムを用いて、酸類として塩酸を用い、下記表9の配合量とする以外は、実施例1と同様にして、ゼリー状製剤の分包品を得た。
実施例25〜27の試料について、pH試験及び糖度試験の測定結果を下記表9に示し、溶出試験(溶出試験液pH1.2)の結果を図15に示す。
(表中、HCl以外の各成分の配合量の単位はgであり、HClについては、0.1mol/LのHClを上記表9に記載の量(単位:mL)で添加した。)
0.02Mのリン酸水素二ナトリウムに塩酸を加えて製剤のpHを約6に調節した(実施例27)。図15に示されるように、この系の添加量を1/2量(実施例26)、1/4量(実施例25)に減らすと、さらに溶出性が向上することが確認された。
また、本発明の経口医薬製剤は、マスキング剤を必ずしも使用しなくても、酸味、苦みが感じられなかった。
[実施例28〜32]
下記表10に示した各原料を精密に秤取し、糖類(D−ソルビトール)に、表10に示したゲル化剤を粉末混合して添加し、これに塩基性緩衝剤(リン酸水素二ナトリウム)と、酸類(DL−リンゴ酸)を添加し、これに保存剤(パラオキシ安息香酸プロピル)を添加し、精製水、濃グリセリン及びアリピプラゾールを加えて撹拌しながら温浴にて加熱80〜85℃に加温溶解した。80℃到達から1時間は同温度を維持して、泡等を巻き込まない程度で撹拌しながらゼリーベース殺菌した。別に用意した20℃の水層に移して撹拌しながら冷却してトロミ液剤を得た。なお、実験の必要に応じては、これを一回投与単位(4mL中にアリピプラゾール12mgを含有する分量)を予め準備しておいた、容器(アルミ製スティック容器又はPET製の透明容器)に分注してシーラーで封を施してトロミ液剤の分包品を得た。
実施例28〜32の試料について、pH試験及び粘度測定試験の測定結果並びに外観観察の結果を下記表10に示し、溶出試験(溶出試験液pH4.0)の結果を図16に示す。
(表中、結晶セルロース・カルメロースNaはセオラスRC-A591NF(旭化成ケミカルズ社製)で、結晶セルロースが89%、カルメロースNaが11%の混合物である。)
以上のように、本発明の経口医薬製剤は、マスキング剤を必ずしも使用しなくても、酸味、苦みが感じられないことに加えて、図に示されるように、溶出性に優れるため、製剤全体における薬効成分(アリピプラゾール)の含有割合を上げることができ、製剤の容量を抑えることができる。よって、患者の服用負担を減らすことができる。また、本発明の経口医薬製剤は、その剤形から患者自身が簡便に服用の確認ができるという効果も得られる。
本発明のアリピプラゾール含有経口医薬製剤は、抗精神病薬として、酸味、苦みが抑えられ、患者の服用負担が少なく、溶出性が高く、患者自身が簡便に服用の確認ができ、有用である。

Claims (11)

  1. アリピプラゾールゲル化剤及び医薬上使用可能な塩基性緩衝剤を含有し、pHが4.6以上9以下であり、該塩基性緩衝剤のモル濃度が0.03M以下であり、パドル法、50rpmの条件にて日局第一液(pH1.2)を用いる溶出試験において測定開始から30分における溶出率(%)が50%以上であることを特徴とする経口医薬製剤。
  2. 塩基性緩衝剤が、クエン酸塩又はその水和物、リンゴ酸塩又はその水和物、リン酸塩又はその水和物及びエデト酸塩又はその水和物からなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項記載の経口医薬製剤。
  3. 塩基性緩衝剤が、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、DL−リンゴ酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム及びエデト酸四ナトリウムからなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項記載の経口医薬製剤。
  4. pHの調整に、医薬上使用可能な塩基性緩衝剤及び酸類を使用し、該塩基性緩衝剤のモル濃度が0.03M以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の経口医薬製剤。
  5. さらに、糖類を含み、糖類の濃度が50W/W%以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の経口医薬製剤。
  6. 半固形製剤であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の経口医薬製剤。
  7. 液剤であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の経口医薬製剤。
  8. 液剤が、トロミ液剤であることを特徴とする請求項記載の経口医薬製剤。
  9. ゲル化剤が、アラビアゴム、アラビアゴム末、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カラギーナン、カラヤガム末、カルメロースナトリウム、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、カロブビーンガム、カードラン、カンテン、カンテン末、キサンタンガム、グァーガム、サイリウムシードガム、ジェランガム、精製ゼラチン、ゼラチン、タマリンド種子ガム、タラガム、トラガント、トラガント末、ファーセルラン、プルラン及びペクチンからなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の経口医薬製剤。
  10. アリピプラゾールに、ゲル化剤を加えて、医薬上使用可能な塩基性緩衝剤を使用してpHを4.6以上9以下し、該塩基性緩衝剤のモル濃度を0.03M以下とし、パドル法、50rpmの条件にて日局第一液(pH1.2)を用いる溶出試験において測定開始から30分における溶出率(%)を50%以上とすることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載された経口医薬製剤の製造方法。
  11. アリピプラゾールゲル化剤及び医薬上使用可能な塩基性緩衝剤を含有し、pHが4.6以上9以下であり、該塩基性緩衝剤のモル濃度が0.03M以下であり、パドル法、50rpmの条件にて日局第一液(pH1.2)を用いる溶出試験において測定開始から30分における溶出率(%)が50%以上であることを特徴とする精神病の治療での使用のための経口医薬組成物。
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