以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。しがたってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
図1は、本発明の実施形態の一つにおける車載システムの外観構成の一例を示す斜視図である。図1を参照して、車載システム1は、ナビゲーション装置10と、再生装置としてのオーディオ装置50とを含む。図1においては、ナビゲーション装置10が、オーディオ装置50から取り外された状態を示している。ナビゲーション装置10は、その表面に液晶表示装置23を備える。オーディオ装置50は、その前面に、電源キー53と、支持部材50Aと、接続コネクタ50Bとを備える。オーディオ装置50は、通常は、車両のコンソールボックスに収納される。このため、オーディオ装置50を車両のコンソールボックスに収納した後は、コンソールボックスの外部に前面が露出する。
図2は、本実施の形態における車載システムの側面図である。図2においては、ナビゲーション装置10を、オーディオ装置50に装着した状態を示している。図2を参照して、ナビゲーション装置10は、その裏面に支持部材50Aが挿入される被支持部10Aを有し、ナビゲーション装置10をオーディオ装置50に装着した状態では、被支持部10Aが支持部材50Aと結合する。この結合により、ナビゲーション装置10がオーディオ装置50によって脱落しないように支持される。また、ナビゲーション装置10は、その裏面に、オーディオ装置50が備える接続コネクタ50Bと接続される接続コネクタを備えており、支持部材50Aと被支持部10Aとが結合した状態で、2つの接続コネクタが接続されるように構成されている。オーディオ装置50が備える接続コネクタ50Bと、ナビゲーション装置10が備える接続コネクタとが接続されると、オーディオ装置50とナビゲーション装置とが電気的に接続される。
ナビゲーション装置10は、オーディオ装置50の前面を覆うように装着されるので、電源キー53は、ナビゲーション装置10により覆い隠され、外部から操作することができなくなる。しかしながら、後述するように、オーディオ装置50は、ナビゲーション装置10と電気的に結合されると、ナビゲーション装置10により制御されるので、ナビゲーション装置10が備える操作キーによりオーディオ装置50の電源のオンオフを切換えることができる。
図3は、本実施の形態における車載システムのハードウェア構成の概要を示す機能ブロック図である。図3においては、ナビゲーション装置10と、オーディオ装置50とが電気的に接続された状態における車載システム1の機能を示している。ナビゲーション装置10は、ナビゲーション装置10の全体を制御するための中央演算装置(CPU)11と、CPU11が実行するプログラム等を記憶するROM(Read Only Memo
ry)19と、CPU11の作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)21と、GPS受信機13と、液晶表示装置23と、タッチスクリーン25と、操作キー27と、オーディオコーデック29と、オーディオコーデック29に接続された切換器31と、増幅器33と、増幅器33と接続されたスピーカ35と、ビデオデコーダ37と、二次電池39と、電源回路41と、第1電源切換部43と、メモリインターフェース(I/F)15と、シリアル通信I/F17と、を含む。
GPS受信機13は、全地球測位システム(GPS)におけるGPS衛星からの電波を受信し、現在の地図上の位置を計測する。そして、計測した位置をCPU11に出力する。メモリI/F15には、着脱可能なメモリカード15Aが装着される。CPU11は、メモリカード15Aに記憶された地図データを読み出し、GPS受信機13から入力される現在位置を地図上に記した画像を液晶表示装置23に表示する。以下、CPU11が、メモリカード15Aに記憶された地図データを利用して情報を出力する処理をナビゲーション処理という。ナビゲーション処理は、一般的なナビゲーション装置が実行する処理、例えば、GPS受信機13から入力される現在位置の地図上への表示する処理、地図または地図上に存在する施設等の情報を検索または表示する処理、GPS受信機13から入力される現在位置から目的地までの経路を探索する処理等を含む。CPU11は、ナビゲーション処理を実行する際、音声合成された音声信号をオーディオコーデック29に出力する。なお、液晶表示装置23に代えて、有機ELD(Electro Luminescence Display)等のディスプレイを用いるようにしてもよい。
タッチスクリーンは、透明な部材からなり、液晶表示装置23の表示面上に設けられる。タッチスクリーンは、ユーザが指等で指示した液晶表示装置23の表示面における位置を検出し、CPU11に出力する。CPU11は、液晶表示装置23に各種ボタンを表示することにより、タッチスクリーンにより検出される指示された位置と組み合わせて、各種の操作指示を受け付ける。CPU11が液晶表示装置23に表示する操作画面は、ナビゲーション装置10を操作するための操作画面に加えて、オーディオ装置50を操作するための操作画面を含む。操作キー27は、ボタンスイッチであり、主電源のオンとオフとを切換える電源キーを含む。
オーディオコーデック29は、アナログの音声信号をデジタルデータに変換する回路と、デジタルデータをアナログの音声信号に変換する回路とを含み、音データを処理する。オーディオコーデック29は、圧縮符号化された音声データが入力されると、アナログの音声信号に変換し、切換器31に出力する。
切換器31は、入力端子がオーディオコーデック29の出力端子と接続される。切換器31は、2つの出力端子を有し、1つは増幅器33に接続され、他の1つはオーディオ装置50と接続される接続コネクタに接続される。切換器31は、CPU11により制御され、オーディオコーデック29から入力される音声信号を、2つの出力端子のいずれか一方に出力する。増幅器33は、切換器31から入力される音声信号を増幅し、スピーカ35に出力する。
CPU11は、メモリカード15Aに、例えば、MP3(MPEG Audio Layer−3)などの規格で圧縮符号化された音データが記憶されている場合、その音データを読み出し、オーディオコーデック29に出力することができる。これにより、切換器31が増幅器33に接続される出力端子に音声信号の出力を切換えている場合、メモリカード15Aに記憶された音楽等の音がスピーカ35から出力され、切換器31がオーディオ装置50と接続される接続コネクタに接続される出力端子に音声信号の出力を切換えている場合、メモリカード15Aに記憶された音楽がオーディオ装置50から出力される。
ビデオデコーダは、入力されるデジタルデータをアナログの映像信号に変換する復号回路を含む。ビデオデコーダ37は、CPU11により制御され、圧縮符号化された映像データが入力されると、それをアナログのビデオ信号に変換し、液晶表示装置23に出力する。ビデオデコーダは、入力端子がオーディオ装置50と接続される接続コネクタに接続される。したがって、ナビゲーション装置10がオーディオ装置50と接続された状態において、オーディオ装置50からデジタルデータが入力されると、それを復号したビデオ信号の画像が液晶表示装置23に表示される。
電源回路41は、その入力端子が、ナビゲーション装置10とオーディオ装置50とが接続されたときに、オーディオ装置50が備える電源回路67の出力端子と接続され、電力が供給される。電源回路41は、ナビゲーション装置10とオーディオ装置50とが接続されている間は、第1電源切換部43に電力を供給する。二次電池39は、電源回路41と並列接続される。二次電池39は、蓄電量が減少すると、電源回路41がオーディオ装置50の備える電源回路67から電力が供給されているときは、電源回路41から電力が供給され、充電される。二次電池39は、ナビゲーション装置10とオーディオ装置50とが切り離されたときは、電源回路41が電力を供給しなくなるので、放電し、電源回路41に代わって第1電源切換部43に電力を供給する。したがって、ナビゲーション装置10は、オーディオ装置50と接続されていなくても、二次電池39から電力の供給を受けて駆動することができる。
第1電源切換部43は、電源回路41から電力の供給を受ける入力端子と、入力端子で受けた電力をナビゲーション装置10の全体に供給するための出力端子とを備える。第1電源切換部43は、CPU11により制御され、副電源のオンオフを切り換える。第1電源切換部43は、CPU11から副電源をオンにする指令を受けると、ナビゲーション装置10の全体に電力を供給し、副電源をオフにする指令を受信すると、CPU11のみに電力を供給する。
CPU11は、電源回路41または二次電池39を電源として駆動するが、主電源がオンであれば駆動し、第1電源切換部43を制御して副電源のオンオフの切換が可能である。CPU11は、副電源をオフに切り換えているとき、主電源がオンであれば駆動する。主電源がオンで副電源がオフのとき、CPU11以外の回路に電力が供給されない。CPU11が副電源をオンに切り換えると、ナビゲーション装置10全体に電源回路41または二次電池39から電力が供給される。CPU11は、主電源がオンの間は電源回路41または二次電池39から電力の供給を受けるので、オーディオ装置50と通信することができる。
オーディオ装置50は、オーディオ装置50の全体を制御するCPU51と、ディスク再生装置63と、ラジオ受信部57と、オーディオ信号処理部59と、増幅器61と、電源キー53と、赤外線信号を受信する受信部55と、電源回路67と、第2電源切換部69と、を含む。
CPU51は、車両のアクセサリー電源(ACC電源)から電力の供給を受ける。したがって、ACC電源が供給されている間は駆動する。CPU51が電力の供給を受けるアクセサリー電源をここではオーディオ装置50の主電源という。
ラジオ受信部57は、アンテナ71に接続され、アンテナ71により受信されたラジオ放送の無線信号が入力される。ラジオ受信部57は、CPU51により制御され、入力される無線信号を変調し、音声信号をオーディオ信号処理部59に出力する。
ディスク再生装置63は、CPU51により制御され、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクを再生し、音声信号をオーディオ信号処理部59に出力する。ディスク再生装置63の映像信号の出力端子は、ナビゲーション装置10が備えるビデオデコーダ37と接続するための接続コネクタと接続される。したがって、ディスク再生装置63が出力する映像信号は、ナビゲーション装置10と電気的に接続された場合に、ナビゲーション装置10に出力される。
オーディオ信号処理部59は、3つの入力端子を有し、1つがディスク再生装置63の音声出力端子と接続され、1つがラジオ受信部57の音声出力端子と接続され、他の1つがナビゲーション装置10の備える切換器31の出力端子と接続するための接続コネクタに接続される。オーディオ信号処理部59は、CPU51により制御され、音声信号の出力を切換える。具体的には、オーディオ信号処理部59は、ナビゲーション装置10の備えるCPU11がMP3などの規格で圧縮符号化された音データを読み出し、オーディオコーデック29に出力する場合、3つの入力端子それぞれから入力される音声信号のうちからいずれか1つを選択し、その音声信号のボリュームを調整し、増幅器61に出力する。
また、オーディオ信号処理部59は、ナビゲーション装置10の備えるCPU11がナビゲーション処理を実行する場合、ディスク再生装置63の音声出力端子とラジオ受信部57の音声出力端子のいずれか一方から出力される音声信号と、切換器31から入力される音声信号とをミキシングし、ミキシングした音声信号のボリュームを調整し、増幅器61に出力する。増幅器61は、車載スピーカと接続されており、オーディオ信号処理部59により選択された音声信号を、車載スピーカに出力する。
受信部55は、リモートコントローラ70が出力する赤外線信号を受光する。受信部55は、受光した赤外線信号を、CPU51に出力する。したがって、オーディオ装置50は、リモートコントローラ70により遠隔制御される。
電源回路67は、車両に搭載された車両バッテリに接続され、車両バッテリから電力が供給される。電源回路67の出力端子は、第2電源切換部69の入力端子と、ナビゲーション装置10が備える電源回路41の入力端子が接続される接続コネクタとに接続される。したがって、電源回路67は、第2電源切換部69に電力を供給するとともに、ナビゲーション装置10とオーディオ装置50とが電気的に接続されているときは、電源回路41にも電力を供給する。
第2電源切換部69は、電源回路67から電力の供給を受ける入力端子と、入力端子で受けた電力をディスク再生装置63、オーディオ信号処理部59、増幅器61およびラジオ受信部57それぞれに供給するための出力端子とを備える。第2電源切換部69は、CPU51により制御され、副電源のオンオフを切り換える。第2電源切換部69は、CPU51から副電源をオンにする指令を受けると、ディスク再生装置63、オーディオ信号処理部59、増幅器61およびラジオ受信部57に電力を供給し、副電源をオフにする指令を受信すると、ディスク再生装置63、オーディオ信号処理部59、増幅器61およびラジオ受信部57に供給していた電力を遮断する。
CPU51は、電源回路67を電源として駆動するが、主電源がオンであれば駆動し、第2電源切換部69を制御して副電源のオンオフの切換が可能である。CPU51は、副電源をオフに切り換えているとき、主電源がオンであれば駆動する。主電源がオンで副電源がオフのとき、CPU51以外のディスク再生装置63、オーディオ信号処理部59、増幅器61およびラジオ受信部57に電力が供給されない。CPU51が副電源をオンに切り換えると、ディスク再生装置63、オーディオ信号処理部59、増幅器61およびラジオ受信部57に電源回路67から電力が供給される。CPU51は、主電源がオンの間は電源回路67から電力の供給を受けるので、ナビゲーション装置10と通信することができる。
ナビゲーション装置10はCPU11を備え、オーディオ装置50はCPU51を備えるため、それらが電気的に接続されていないときは、それぞれ単独で機能する。一方、ナビゲーション装置10と、オーディオ装置50とは、電気的に接続されると、ナビゲーション装置10のCPU11とオーディオ装置50のCPU51とが接続され、ナビゲーション装置10のCPU11がマスタとなり、オーディオ装置50のCPU51がスレーブとなって一体化して機能する。
図4は、ナビゲーション装置が備えるCPUの機能の概要を示す機能ブロック図である。図4を参照して、CPU11は、液晶表示装置23の表示を制御するための表示制御部103と、ユーザの操作を受け付ける操作受付部115と、受け付けられた操作を記憶するための操作情報記憶部102と、ナビゲーション機能を司るナビゲーション制御部101と、音データの入出力を制御する音データ制御部109と、オーディオ装置50を制御するためのオーディオ制御部111と、オーディオ装置50と通信するための第1通信部113と、切換器31を制御するための切換制御部105と、オーディオ装置50との接続状態を検出するための第1接続状態検出部107と、オーディオ装置50の動作状態を検出するための第1動作状態検出部117と、第1電源切換部43を制御するための第1電源制御部119と、を備える。
表示制御部103は、液晶表示装置23を制御し、液晶表示装置23に表示する画像を切換える。表示する画像は、ユーザの操作を受け付けるための操作画面、ナビゲーション制御部101が出力するナビゲーション用の地図を表した画面、オーディオ装置50から入力される画像を含む。画像は静止画と動画とを含む。ユーザの操作を受け付ける操作画面は、メインメニューと、オーディオ装置50に対する操作を受け付けるための画面と、ナビゲーション装置10に対する操作を受け付けるための画面とを含む。
操作受付部115は、操作キー27およびタッチスクリーン25と接続され、ユーザが操作キー27またはタッチスクリーン25に入力する操作を受け付ける。表示制御部103が操作画面を表示しているとき、ユーザが指示した位置とその操作画面に表示されたボタンの位置とを照合して、ボタンを指示する操作を受け付ける。
操作情報記憶部102は、操作受付部115により受け付けられた操作を含む操作情報をRAM21に記憶する。操作受付部115により受け付けられる操作は、ナビゲーション装置10に対する操作とオーディオ装置50に対する操作とを含む。
ナビゲーション制御部101は、RAM21に記憶された操作情報を読出し、読み出した操作情報で特定される操作に従って動作する。ナビゲーション制御部101は、GPS受信機13から入力される現在位置データと、メモリI/F15に装着されたメモリカード15Aに記憶されている地図データとから、地図上に現在位置を示した画像を表示制御部103に出力する。また、ナビゲーション制御部101は、目的地までの経路探索、現在位置周辺の施設などユーザの操作に応じて種々の画像を生成し、表示制御部103に出力する。さらに、ナビゲーション制御部101は、目的地までの経路案内を音声合成した音声データをオーディオコーデック29に出力する。これにより、オーディオコーデック29により音声データが復号され、復号された音声信号が切換器31に出力される。
音データ制御部109は、RAM21に記憶された操作情報を読出し、読み出した操作情報で特定される操作に従って、メモリI/F15に装着されたメモリカード15Aから圧縮音声データを読出し、オーディオコーデック29に出力する。これにより、オーディオコーデック29により圧縮音声データが復号され、復号された音声信号が切換器31に出力される。
第1接続状態検出部107は、オーディオ装置50との電気的な接続を検出する。具体的には、ナビゲーション装置10がオーディオ装置50に装着された状態で、CPU11と、オーディオ装置50のCPU51とが、ケーブルで接続される。このケーブルと接続される接続ピンの電圧が所定の値を超えているか否かで電気的に接続されているか否かを判断する。接続ピンの電圧が所定の値を超えていればオーディオ装置50と電気的に接続されていることを検出する。第1接続状態検出部107は、オーディオ装置50と電気的に接続されていることを検出している間は、接続信号を切換制御部105、オーディオ制御部111および第1電源制御部119に出力し、電気的に接続されていることを検出していない間は、切断信号を切換制御部105、オーディオ制御部111および第1電源制御部119に出力する。
切換制御部105は、第1接続状態検出部107から接続信号または切断信号が入力され、それらに基づいて切換器31を制御する。切換制御部105は、接続信号が入力されているときは、音声信号がオーディオ装置50に出力されるよう切換器31を制御し、切断信号が入力されているときは、音声信号が増幅器33に出力されるよう切換器31を制御する。このため、ナビゲーション装置10がオーディオ装置50と電気的に接続されているときは、ナビゲーション装置10が出力する音声信号は、オーディオ装置50に出力され、オーディオ装置50に接続されている車載スピーカから音が出力される。一方、ナビゲーション装置10がオーディオ装置50と電気的に接続されておらず、単独で機能しているときは、ナビゲーション装置10は、内蔵のスピーカ35から音を出力する。
第1通信部113は、オーディオ装置50と通信するための通信インターフェースである。第1通信部113は、ナビゲーション装置10がオーディオ装置50と結合した状態で、オーディオ装置50が備える第2通信部125と接続コネクタを介して接続される。
オーディオ制御部111は、第1接続状態検出部107から接続信号または切断信号が入力され、ナビゲーション制御部101および音データ制御部109それぞれから動作状態が入力される。オーディオ制御部111は、第1接続状態検出部107から接続信号が入力されているとき、ナビゲーション制御部101および音データ制御部109それぞれから入力される動作状態を、第1通信部113を介して、オーディオ装置50に出力する。また、オーディオ制御部111は、RAM21にオーディオ装置50に対する操作を含む操作情報(以下「オーディオ操作情報」という)が記憶されている場合、そのオーディオ操作情報を含む制御信号を、第1通信部113を介してオーディオ装置50に送信する。制御信号は、オーディオ装置50を制御するための信号である。したがって、ナビゲーション装置10とオーディオ装置50とが電気的に接続されているとき、オーディオ装置50は、ナビゲーション装置10により制御される。このため、ユーザは、ナビゲーション装置10のタッチスクリーン25または操作キー27を操作することにより、オーディオ装置50を操作することができる。
操作受付部115は、オーディオ装置50と電気的に接続されていない場合であってもオーディオ装置50に対する操作を受け付け、操作情報記憶部102が操作受付部115により受け付けられた操作を含むオーディオ操作情報をRAM21に記憶する。このため、ナビゲーション装置10がオーディオ装置50と電気的に接続されていないときにナビゲーション装置10に入力された操作が、ナビゲーション装置10がオーディオ装置50と電気的に接続されたときにオーディオ制御部111によりオーディオ装置50に送信される。このように、ナビゲーション装置10が単独で動作するときに、オーディオ装置50を動作させるための操作を事前にナビゲーション装置10に入力することができるので便利である。例えば、車両に乗車する前にナビゲーション装置10にオーディオ装置50に対する操作を入力しておき、車両に乗車した後にナビゲーション装置10をオーディオ装置50に装着すれば直ちにオーディオ装置50を動作させることができる。
第1動作状態検出部117は、第1通信部113を介して、オーディオ装置50と通信し、オーディオ装置50の動作状態を取得する。ここでは、第1動作状態検出部117は、オーディオ装置50の副電源がオンの動作状態または副電源がオフの動作状態のいずれかを取得する。第1動作状態検出部117は、取得したオーディオ装置50の動作状態を第1電源制御部119に出力する。
第1電源制御部119は、第1電源切換部43を制御して、副電源のオンとオフとを切換える。第1電源制御部119は、第1接続状態検出部107から接続信号または切断信号のいずれかが入力され、第1動作状態検出部127からオーディオ装置50の動作状態が入力され、ナビゲーション制御部101および音データ制御部109それぞれから動作状態が入力される。
第1電源制御部119は、第1電源切換部43が副電源をオフに切換えているときに第1接続状態検出部107から入力される信号が切断信号から接続信号に切換わり、第1動作状態検出部117からオーディオ装置50が副電源をオンに切換えている動作状態が入力されると、第1電源切換部43に副電源をオンに切り換えさせる。ナビゲーション装置10が、その副電源がオフの状態でオーディオ装置50と電気的に接続されたとき、オーディオ装置50の副電源がオンであればナビゲーション装置10の副電源が自動的にオンとなる。このため、例えば、液晶表示装置23にオーディオ装置50を操作するための操作画面を表示するなどして、ナビゲーション装置10が、オーディオ装置50を直ちに操作可能な状態とすることができる。
また、第1電源制御部119は、第1電源切換部43が副電源をオンに切換えているときに第1接続状態検出部107から入力される信号が接続信号から切断信号に切換わり、ナビゲーション制御部101および音データ制御部109それぞれから動作していないことを示す動作状態が入力されていることを条件に、第1電源切換部43に副電源をオフに切り換えさせる。ナビゲーション装置10が、その副電源がオンの状態でオーディオ装置50と電気的に接続された状態から電気的に切断されたとき、ナビゲーション機能とMP3などの音データの再生とのいずれも実行していなければ、ナビゲーション装置10の副電源が自動的にオフとなる。ナビゲーション装置10が、ナビゲーション機能とMP3などの音データの再生とのいずれも実行していなければ、オーディオ装置50を操作する処理のみを実行している。ナビゲーション装置10がオーディオ装置50から切断された後は、オーディオ装置を操作する処理を実行する必要がないため、副電源をオフにする。このため、ナビゲーション装置10で電力が無駄に消費されるのを防止することができるとともに、ユーザは副電源をオフにする操作をする必要がなく、操作を簡略にすることができる。
図5は、オーディオ装置が備えるCPUの機能の概要を示す機能ブロック図である。図5を参照して、CPU51は、第2電源切換部69を制御するための第2電源制御部121と、ナビゲーション装置10との電気的な接続を検出するための第2接続状態検出部123と、ナビゲーション装置10と通信するための第2通信部125と、ナビゲーション装置の動作状態を検出するための第2動作状態検出部127と、ナビゲーション装置10または受信部55から操作指示を受け付ける指示受付部129と、ディスク再生装置63、オーディオ信号処理部59およびラジオ受信部57を制御するためのAV制御部131と、を含む。
第2接続状態検出部123は、ナビゲーション装置10との電気的な接続を検出する。具体的には、ナビゲーション装置10がオーディオ装置50と結合した状態で、CPU51と、ナビゲーション装置10のCPU11とが、ケーブルで接続される。このケーブルと接続される接続ピンの電圧が所定の値を超えているか否かで電気的な接続を検出する。接続ピンの電圧が所定の値を超えていればナビゲーション装置10との間で電気的に接続されていると判断し、接続ピンの電圧が所定の値を超えていなければ電気的に接続されていないと判断する。第2接続状態検出部123は、ナビゲーション装置10と電気的な接続を検出している間は、接続信号を第2電源制御部121およびAV制御部131に出力し、電気的な接続を検出していない間は、切断信号を第2電源制御部121およびAV制御部131に出力する。
第2通信部125は、ナビゲーション装置10と通信するための通信インターフェースである。第2通信部125は、オーディオ装置50がナビゲーション装置10と電気的に接続された状態で、ナビゲーション装置10が備える第1通信部113と接続される。第2通信部125は、第2動作状態検出部127および指示受付部129と接続される。
指示受付部129は、受信部55または第2通信部125から操作指示を受け付ける。従って、オーディオ装置50は、ナビゲーション装置10と電気的に接続されている間は、第2通信部125を介してナビゲーション装置10から制御信号を受信する。そして、制御信号に含まれる操作に従って、処理を実行する。したがって、オーディオ装置50は、ナビゲーション装置10と電気的に接続されている間は、ナビゲーション装置10に入力された操作に従って、処理を実行することが可能である。指示受付部129は、受け付けた操作を第2電源制御部121およびAV制御部131に出力する。
第2動作状態検出部127は、第2通信部125を介して、ナビゲーション装置10と通信し、ナビゲーション装置10の動作状態を取得する。ここでは、第2動作状態検出部127は、副電源がオンまたはオフの動作状態と、副電源がオンの動作状態の場合はさらに、音データ再生中か否かを示す動作状態と、ナビゲーション機能起動中か否かを示す動作状態と、を取得する。副電源がオンの動作状態で、音データ再生中でない動作状態かつナビゲーション機能起動中でない動作状態は、例えば、ナビゲーション装置10がメニュー、ナビゲーション装置10に対する操作を受け付けるためのナビゲーションメニュー、またはオーディオ装置50に対する操作を受け付けるためのオーディオメニューを表示し、操作を受け付けている状態を含む。
第2電源制御部121は、第2接続状態検出部123から接続信号または切断信号のいずれかが入力され、第2動作状態検出部127からナビゲーション装置10の動作状態が入力され、指示受付部129から操作指示が受け付けられ、それらに基づき第2電源切換部69を制御する。第2電源制御部121は、第2電源切換部69に副電源をオンにする指令を出力しているときに、第2接続状態検出部123から接続信号が入力され、かつ、第2動作状態検出部127から動作していない動作状態が入力されると、第2電源切換部69に副電源をオフにする指令を出す。このため、ナビゲーション装置10が駆動していないときに、副電源がオンのオーディオ装置50に装着されると、オーディオ装置50の副電源がオフに切換わるので、ユーザは、オーディオ装置50の副電源をオフにするための操作をする必要がない。
また、第2電源制御部121は、第2電源切換部69に副電源をオンにする指令を出力しているときに、第2接続状態検出部123から入力される信号が接続信号から切断信号に切換わると、AV制御部131が、ディスク再生装置63またはラジオ受信部57を駆動していなければ、第2電源切換部69に副電源をオフにする指令を出す。このため、副電源がオンのオーディオ装置50であってディスク再生装置63またはラジオ受信部57を駆動していないときに、ナビゲーション装置10が取り外されると、オーディオ装置50の副電源がオフに切換わるので、オーディオ装置50で電力が無駄に消費されるのを防止することができるとともに、ユーザは、オーディオ装置50の副電源をオフにするための操作をする必要がなく、操作を簡略にすることができる。
また、第2電源制御部121は、第2電源切換部69に副電源をオンにする指令を出力しているときに、第2接続状態検出部123から入力される信号が接続信号から切断信号に切換わると、AV制御部131が、ディスク再生装置63またはラジオ受信部57を駆動していれば、第2電源切換部69に副電源をオンにする指令を継続して出力する。このため、ナビゲーション装置10とオーディオ装置50とが電気的に接続していないときに、オーディオ装置50を単独で機能させることができる。
なお、第2電源切換部69に副電源をオンにする指令を出力しているときに、第2接続状態検出部123から切断信号が入力された場合は、ディスク再生装置63またはラジオ受信部57の駆動にかかわらず、第2電源切換部69に副電源をオフにする指令を出すようにしてもよい。
また、第2電源制御部121は、第2電源切換部69に副電源をオフにする指令を出力しているときに、第2接続状態検出部123から入力される信号が切断信号から接続信号に切換わり、第2動作状態検出部127からナビゲーション装置10の副電源がオンの動作状態が入力されると、第2電源切換部69に副電源をオンにする指令を出す。これにより、ナビゲーション装置10が、音データ再生中の動作状態、またはナビゲーション機能起動中の動作状態の場合には、ナビゲーション装置10から出力される音声信号を、車載スピーカから出力することができる。このため、ユーザは。オーディオ装置50の副電源をオンにする操作をする必要がない。
また、第2電源制御部121は、ナビゲーション装置10が音データ再生中の動作状態、またはナビゲーション機能起動中の動作状態のいずれでもなく、オーディオ装置50を操作する操作画面(オーディオメニュー)を表示している状態の場合には、ナビゲーション装置10から出力される制御信号を受信し、その制御信号に含まれる操作に従って直ちに処理を実行することができる。このため、ユーザは、ナビゲーション装置10とオーディオ装置50とが切断された状態で、ナビゲーション装置10にオーディオ装置50に対する操作を予め設定することができる。
なお、第2電源制御部121は、第2動作状態検出部127からナビゲーション装置10の副電源がオフの動作状態が入力された場合は、副電源をオンにしない。
AV制御部131は、第2接続状態検出部123、指示受付部129および第2動作状態検出部127と接続されている。AV制御部131は、指示受付部129から入力される操作指示に従って、ディスク再生装置63またラジオ受信部57の駆動を制御する。AV制御部131は、第2接続状態検出部123から接続信号が入力され、第2動作状態検出部127により音データ再生中の動作状態が入力されると、ディスク再生装置63またはラジオ受信部57の駆動を停止させる。これにより、ナビゲーション装置10により再生されている音データを、スピーカ35から出力させることができる。したがって、ユーザは、オーディオ装置50を操作して、ディスク再生装置63またはラジオ受信部57の駆動を停止させる操作を入力する必要がない。
図6は、操作受付処理の流れの一例を示すフローチャートである。操作受付処理は、ナビゲーション装置10が備えるCPU11がROM19に記憶された制御プログラムを実行することにより、CPU11により実行される処理である。また、操作受付処理は、ナビゲーション装置10がオーディオ装置50と電気的に接続されているか否かに係わらず、副電源がオンのときに実行される。
図6を参照して、CPU11は、RAM21に記憶されているオーディオ装置50に対する操作(以下「オーディオ操作情報」という)をクリアする(ステップS61)。オーディオ装置50に送信するオーディオ操作を1種類に制限し、ナビゲーション装置10に表示する操作画面と、オーディオ装置50に送信するオーディオ操作とを整合させるためである。また、オーディオ装置50に複数のオーディオ操作が送信されることによりオーディオ装置50が誤動作するのを防止するためである。次のステップS62においては、メインメニューを液晶表示装置23に表示する。
図7は、メインメニューを表示する画面の一例を示す。メインメニューは、ナビゲーション装置に対する操作を入力するための画面(以下「ナビゲーションメニュー」という)に遷移するためのボタンと、オーディオ装置50に対する操作を入力するための画面(以下「オーディオメニュー」という)に遷移するためのボタンとを含む。
ナビゲーションメニューに遷移するためのボタンは、ナビゲーション機能を設定するための「Navigation」の文字が表されたボタンと、通信機能を設定するための「Comunication」の文字が表されたボタンと、音声データ再生機能を設定するための「Music」の文字が表されたボタンと、ビデオ機能を設定するための「Video」の文字が表されたボタンと、写真機能を設定するための「Photo」の文字が表されたボタンと、撮影機能を設定するための「Camera」の文字が表されたボタンと、システム設定をするための「System」の文字が表されたボタンと、を含む。
オーディオメニューに遷移するためのボタンは、「Receiver」の文字が表されたボタンである。
なお、ここではナビゲーション装置10が有する機能(実行可能な動作)として、ナビゲーション機能、通信機能、音声データの再生機能、ビデオ機能、写真機能、撮影機能、システム設定機能を有し、メインメニューがそれらの機能を設定するための画面に遷移するためのボタンを含む例を示したが、以下の説明を簡単にするために、ナビゲーション装置10が、ナビゲーション機能および音声データ再生機能を有する場合を例に説明する。従って、以下の説明でナビゲーション装置10が動作している動作状態は、ナビゲーション機能および音声データ再生機能が実行されている状態をいう。なお、ナビゲーション装置10が通信機能、ビデオ機能、写真機能、撮影機能、システム設定機能を有する場合には、それらが実行されている場合にナビゲーション装置10が動作している動作状態とすればよい。
図8は、オーディオメニューの一例を示す図である。図8を参照して、オーディオ装置50の各機能を設定するための遷移ボタンを含む。「Disc」の文字が表されたボタンは、CD等の光ディスクを再生するディスク再生装置63に対する操作を設定するための画面に遷移するボタンである。「Radiio」の文字が表されたボタンは、ラジオ受信部57に対する操作を設定するための画面に遷移するボタンである。「AUX」の文字が表されたボタンは、オーディオ装置50が有する外部入力端子からの入力信号に対する設定をするための画面に遷移するボタンである。「Satellite」の文字が表されたボタンは、衛星放送を受信するための操作を設定するための画面に遷移するボタンである。「ipod」の文字が表されたボタンは、オーディオ装置50に接続された音楽プレーヤに対する設定をするための画面に遷移するボタンである。「Audio Setting」の文字が表されたボタンは、音量、音質などオーディオ装置50が出力する音に対する設定をするための画面に遷移するボタンである。
図9は、ディスク再生装置63に対する操作を設定するための画面の一例を示す図である。図9を参照して、ディスク再生装置63に対する再生、早送り、巻き戻しを指示するためのボタン、再生するフィールドまたはトラックを指示するためのボタン、ランダム再生または繰り返し再生をそれぞれ指示するためのボタンを含む。また、設定された操作内容を表示する領域を含む。
図6に戻って、ステップS62において、図7に示したメインメニューを液晶表示装置23に表示した後、メニューが選択されたか否かを判断する(ステップS63)。選択されたメニューにより処理を分岐させる。せんたくされたメニューが、オーディオメニューならば処理をステップS64に進め、ナビゲーションメニューならば処理をステップS68に進める。
ステップS64においては、図8に示したオーディオメニューを液晶表示装置23に表示する。そして、操作が受け付けられたか否かを判断する(ステップS65)。例えば、図9に示したオーディオ装置50に対する操作を設定するための画面において、オーディオ装置50に対する操作が入力されたか否かを判断する。操作が受け付けられたならば処理をステップS66に進め、そうでなければ処理をステップS67に進める。
ステップS66においては、受け付けられたオーディオ装置50に対する操作(以下「オーディオ操作」という)を含むオーディオ操作情報をRAM21に記憶する。次のステップS67においては、オーディオ装置に対する操作の設定が終了したか否かを判断する。操作キー27が有する終了キーが押下されたか否かを判断する。オーディオ装置に対する操作の設定が終了したならば処理をステップS62に戻し、終了していなければ処理をステップS64に戻す。
一方、ステップS68においては、ナビゲーションメニューを液晶表示装置23に表示する。そして、操作が受け付けられたか否かを判断する(ステップS69)。例えば、図7に示したメインメニューにおいて「Navigation」の文字が表されたボタンが指示され、ナビゲーション機能を設定する画面で設定される操作を受け付ける。操作が受け付けられたならば処理をステップS70に進め、そうでなければ処理をステップS71に進める。
ステップS70においては、受け付けられたナビゲーション装置10に対する操作(以下「ナビゲーション操作」という)を含むナビゲーション操作情報をRAM21に記憶する。次のステップS71においては、ナビゲーション装置10対する操作の設定が終了したか否かを判断する。操作キー27が有する終了キーが押下されたか否かを判断する。オーディオ装置に対する操作の設定が終了したならば処理をステップS62に戻し、終了していなければ処理をステップS68に戻す。
図10は、ナビゲーション装置で実行される処理の流れを示すフローチャートである。図10に示す処理は、ナビゲーション装置10が備えるCPU11がROM19に記憶された制御プログラムを実行することにより、CPU11により実行される処理である。
図10を参照して、ナビゲーション装置10のCPU11は、副電源がオンか否かを判断する(ステップS01)。副電源がオンならば処理をステップS02に進め、副電源がオフならば処理をステップS18に進める。
ステップS18においては、オーディオ装置50との電気的な接続が検出されたか否かを判断する。オーディオ装置50のCPU51と接続される接続ピンの電圧が所定値を超えたならば接続されたと判断する。オーディオ装置50との接続が検出されたならば処理をステップS19に進め、そうでなければ処理をステップS01に戻す。
ステップS19においては、ナビゲーション装置10の動作状態をオーディオ装置50に送信する。ここでは、副電源がオフなので、副電源がオフの動作状態を送信する。次に、オーディオ装置50から動作状態を受信する(ステップS20)。そして、受信したオーディオ装置の動作状態に基づき、オーディオ装置50が副電源オンの動作状態か否かを判断する(ステップS21)。オーディオ装置50が副電源オンの動作状態ならば処理をステップS22に進め、そうでなければ処理をステップS01に戻す。ステップS22においては、副電源をオンに切換えて、処理をステップS06に進める。ナビゲーション装置10とオーディオ装置50とがともに副電源がオフならば、ナビゲーション装置10の装置の副電源をオンにしないが、オーディオ装置50の副電源がオンの場合に、ナビゲーション装置10の副電源をオンにする。このため、ナビゲーション装置10をオーディオ装置50と接続したときにナビゲーション装置10の副電源をオンにする操作をする必要がない。さらに、ナビゲーション装置10をオーディオ装置に接続後直ちにオーディオ装置50をナビゲーション装置10で操作することができる。
一方、ステップS02においては、ナビゲーション操作情報がRAM21に記憶されているか否かを判断する。ナビゲーション操作情報がRAM21に記憶されていれば処理をステップS03に進め、記憶されていなければ処理をステップS05に進める。
ステップS03においては、RAM21に記憶されているナビゲーション操作情報を読出し、読み出したナビゲーション操作情報で特定される操作に従って処理を実行する。ステップS04においては、RAM21に記憶されているナビゲーション操作情報をクリアする。RAM21に記憶されているナビゲーション操作情報を消去することにより、次にステップS02が実行されて、同じ操作が繰り返して実行されることがないようにするためである。
ステップS05においては、ステップS18と同様にオーディオ装置50との電気的な接続が検出されたか否かを判断する。オーディオ装置50との接続が検出されたならば処理をステップS06に進め、そうでなければステップS06をスキップして処理をステップS07に進める。ステップS06においては、音声出力をオーディオ装置50への出力に切り換える。これにより、ナビゲーション装置10で再生されている音データが、オーディオ装置50に接続された車載スピーカから出力される。
ステップS07においては、オーディオ装置50と電気的に接続されているか否かを判断する。オーディオ装置50のCPU51と接続される接続ピンの電圧が所定値を超えた状態が継続するか否かを判断する。オーディオ装置50と接続されていれば処理をステップS08に進め、そうでなければ処理をステップS13に進める。ステップS08およびステップS09の処理は、ナビゲーション装置10とオーディオ装置50とが電気的に接続されている間、繰り返し実行される処理である。なお、ステップS08およびステップS09の処理を、ナビゲーション装置10とオーディオ装置50とが電気的に接続されている間、所定時間間隔で実行するようにしてもよい。
ステップS08においては、ナビゲーション装置10の動作状態をオーディオ装置50に送信する。ここでは、副電源がオンの動作状態、音データ再生中か否かを示す動作状態およびナビゲーション機能起動中か否かを示す動作状態を送信する。次に、オーディオ装置50から動作状態を受信する(ステップS09)。
次のステップS10においては、RAM21にオーディオ操作情報が記憶されているか否かを判断する。オーディオ操作情報が記憶されていれば処理をステップS11に進め、記憶されていなければ処理をステップS12に進める。ステップS11においては、読み出したオーディオ操作情報をオーディオ装置50に送信する。そして、RAM21に記憶されているオーディオ操作情報をクリアする(ステップS12)。RAM21に記憶されているオーディオ操作情報を消去することにより、次にステップS10が実行されて、同じ操作が繰り返してオーディオ装置50に送信されることがないようにするためである。ステップS22が実行された後に、ステップS10〜ステップS12が実行される場合、ナビゲーション装置10がオーディオ装置50と接続されると、接続前にナビゲーション装置10に入力されたオーディオ操作がオーディオ装置50に送信される。このため、ナビゲーション装置10に、オーディオ装置50と接続される前にオーディオ装置50に対する操作を入力することができる。
ステップS13においては、オーディオ装置50と電気的な接続が切断されたか否かを判断する。オーディオ装置50と接続される接続ピンの電圧が所定値以下ならば切断されたと判断する。オーディオ装置50と電気的な接続が切断されたことが検出されたならば処理をステップS14に進め、そうでなければ処理をステップS17に進める。ステップS14においては、処理を実行中か否かを判断する。具体的には、音データ再生処理を実行中で音データを再生中の状態またはナビゲーション機能の処理を実行中でナビゲーション機能起動中の状態か否かを判断する。処理を実行中ならば処理をステップS15に進め、そうでなければ処理をステップS16に進める。
ステップS15においては、音声出力をオーディオ装置50への出力から内蔵のスピーカ35への出力に切り換え、処理をステップS17に進める。これにより、ナビゲーション装置10をオーディオ装置50から切り離した後であっても、ナビゲーション装置10で再生されている音が内臓のスピーカ35から出力される。
ステップS16においては、副電源をオフに切換え、処理をステップS17に進める。音データを再生中の状態またはナビゲーション機能起動中の状態でなく、オーディオ装置50と電気的に接続されていなければ副電源をオフにすることにより、ナビゲーション装置10で電力が無駄に消費されるのを防止することができるとともに、ユーザは副電源をオフにする操作をする必要がないので、操作を簡略にすることができる。
ステップS17においては、主電源がオフに切換えられたか否かを判断する。主電源がオフに切換えられたならば処理を終了し、そうでなければ処理をステップS01に戻す。
図11および図12は、オーディオ装置で実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。図11および図12に示す処理は、オーディオ装置50が備えるCPU51がROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、CPU51により実行される処理である。図11および図12を参照して、オーディオ装置50のCPU51は、副電源がオンか否かを判断する(ステップS31)。副電源がオンならば処理をステップS32に進め、副電源がオフならば処理をステップS45に進める。
ステップS45においては、ナビゲーション装置10との電気的な接続が検出されたか否かを判断する。ナビゲーション装置10のCPU11と接続される接続ピンの電圧が所定値を超えたならば接続されたと判断する。ナビゲーション装置10との接続が検出されたならば処理をステップS46に進め、そうでなければ処理をステップS31戻す。
ステップS46においては、ナビゲーション装置10から動作状態を受信する。そして、オーディオ装置50の動作状態をナビゲーション装置10に送信する(ステップS47)。ここでは、副電源がオフの動作状態を送信する。
次のステップS48においては、ステップS46において受信したナビゲーション装置10の動作状態に基づいて、ナビゲーション装置10の副電源がオンか否かを判断する。ナビゲーション装置10の副電源がオンならば処理をステップS49に進め、そうでなければ処理をステップS51に進める。ステップS49においては、自装置の副電源をオンに切り換え、処理をステップS37に進める。これにより、自装置の電源の動作状態が、ナビゲーション装置10の電源の動作状態に合わせられるので、それぞれが単独で駆動する各装置が一体化したときの動作を整合させることができ、動作モードを判り易くすることができる。また、オーディオ装置50の副電源をオンにする操作をしなくてもよいので、操作を簡略にすることができる。
一方、ステップS32においては、操作を受け付けたか否かを判断する。操作を受け付けたならば処理をステップS33に進め、そうでなければ処理をステップS34に進める。操作は、ナビゲーション装置10から受信される制御信号に含まれる操作と、リモートコントローラ70から受信される操作とを含む。ナビゲーション装置10およびリモートコントローラ70のいずれかから操作が入力されると、処理をステップS33に進める。
ステップS33においては、ステップS32において受け付けられた操作に従って処理を実行する。操作に従って実行される処理は、例えば、ディスク再生装置63を制御するための処理、オーディオ信号処理部59を制御するための処理、ラジオ受信部57を制御するための処理を含む。
ステップS34においては、ナビゲーション装置10との電気的な接続が検出されたか否かを判断する。ナビゲーション装置10のCPU11と接続される接続ピンの電圧が所定値を超えたならば接続されたと判断する。ナビゲーション装置10との接続が検出されたならば処理をステップS35に進め、そうでなければ処理をステップS51に進める。
ステップS35においては、ナビゲーション装置10から動作状態を受信する。そして、オーディオ装置50の動作状態をナビゲーション装置10に送信する(ステップS36)。ここでは、副電源がオンの動作状態と、ステップS33において実行した処理の状態を含む動作状態とを送信する。
そして、ナビゲーション装置10からオーディオ操作情報を受信したか否かを判断する(ステップS37)。ナビゲーション装置10から制御信号を受信し、その制御信号がオーディオ操作情報を含むか否かを判断する。オーディオ操作情報を受信したならば処理をステップS38に進め、そうでなければ処理をステップS39に進める。
このように、オーディオ装置50は、ナビゲーション装置10と電気的に接続されたときに、ナビゲーション装置10からオーディオ操作情報が受信されることに応じて、そのオーディオ操作情報で特定される操作に従った処理を実行する。このため、ナビゲーション装置10に予めオーディオ装置50に対する操作を設定しておくことができる。
特に、処理がステップS49からステップS37に進む場合、オーディオ装置50の副電源がオフの場合に、ナビゲーション装置10と電気的に接続されると、オーディオ装置50の副電源がオンとなり(ステップS49)、その後、オーディオ装置50はナビゲーション装置10からオーディオ操作情報を受信し(ステップS37)、受信したオーディオ操作情報で特定される操作に従って処理を実行する(ステップS38)。このため、ナビゲーション装置10にオーディオ装置50に対する操作を予め設定しておき、オーディオ装置50にナビゲーション装置10を装着するだけの簡単な操作で、オーディオ装置50に予めナビゲーション装置10に設定した操作に従って動作させることができる。
ステップS39においては、ステップS35において受信したナビゲーション装置10の動作状態に基づき、ナビゲーション装置10が動作中か否かを判断する。動作中であれば処理をステップS40に進め、そうでなければ処理をステップS44に進める。ここでの動作中と判断するのは、ナビゲーション装置10が、音データ再生中の動作状態またはナビゲーション機能起動中の動作状態のときである。
ステップS40においては、ナビゲーション装置10の動作状態が音データ再生中の状態か否かを判断する。音データ再生中の状態ならば処理をステップS41に進め、そうでなければ処理をステップS51に進める。処理をステップS51に進める場合、オーディオ装置50において、ラジオ受信部57またはディスク再生装置63が駆動中であっても、その駆動が継続されるので、ナビゲーション装置10が装着されることによって、音の再生が中断されることがない。一方、ナビゲーション装置10は動作していないので、ユーザが車載システム1の動作に違和感を受けることがない。
ステップS41においては、自装置が再生中か否かを判断する。ラジオ受信部57またはディスク再生装置63が駆動中か否かを判断する。いずれかを駆動している場合には、処理をステップS42に進め、いずれも駆動していなければ処理をステップS43に進める。
ステップS43においては、ナビゲーション装置10が再生中の音と、オーディオ装置50が再生中の音とをミキシングする。処理をステップS43に進める場合、ナビゲーション装置10は、ナビゲーション機能起動中である。したがって、ナビゲーション機能により発生される音声合成された音と、ラジオ受信部57またはディスク再生装置63から出力される音とがミキシングされる。このため、オーディオ装置50において、ラジオ受信部57またはディスク再生装置63が駆動中であっても、その駆動が継続されるので、ナビゲーション装置10を装着することによって、音の再生が中断されることがない。また、ナビゲーション装置10がナビゲーション機能起動中に出力される音声案内等の音声が、ミキシングしてスピーカ35から出力されるので、ユーザは、ナビゲーション装置10が出力する音声をスピーカ35から出力するように切換える操作をする必要がない。
ステップS42においては、ラジオ受信部57またはディスク再生装置63のうち駆動中のものを停止させる。これにより、ナビゲーション装置10で再生されている音データが車載スピーカから出力される。
ステップS44においては、副電源をオフに切り換える。ナビゲーション装置10が、電源が動作していない状態でオーディオ装置50に装着されると、オーディオ装置50の副電源がオフになるので、互いに単独で駆動する各装置が一体化したときの動作を整合させることができ、動作モードを判り易くすることができる。また、オーディオ装置50の副電源をオフにする必要がないので、操作を簡略にすることができる。
ステップS51においては、ナビゲーション装置10との電気的な接続の切断が検出されたか否かを判断する(ステップS51)。ナビゲーション装置10のCPU11と接続される接続ピンの電圧が所定値を超えた状態から所定値以下になると、接続が切断されたと判断する。ナビゲーション装置10との切断が検出されたならば処理をステップS52に進め、そうでなければ処理をステップS55に進める。ステップS52においては、自装置が再生中か否かを判断する。ラジオ受信部57またはディスク再生装置63が駆動中か否かを判断する。いずれかを駆動している場合には、処理をステップS53に進め、いずれも駆動していなければ処理をステップS54に進める。ステップS53においては、再生を継続し処理を終了する。オーディオ装置50において、ラジオ受信部57またはディスク再生装置63が駆動中のときは、その駆動が継続されるので、音の再生が中断されることがない。ナビゲーション装置10との電気的な接続が切断された場合には、それぞれを単独で機能させることができる。
ステップS54においては、副電源をオフに切換える。ラジオ受信部57およびディスク再生装置63のいずれも駆動していない場合は、副電源をオフにすることで、消費電力を低減することができる。また、ナビゲーション装置10を操作しながらオーディオ装置50から取り外した場合は、オーディオ装置50が再生中でなければ副電源がオフになるので、オーディオ装置50の副電源をオフにする操作が不要である。このため、操作を簡略化することができる。
ステップS55においては、主電源がオフに切換えられたか否かを判断する。主電源がオフに切換えられたならば処理を終了し、そうでなければ処理をステップS31に戻す。
なお、本実施の形態における車載システム1においては、ナビゲーション装置10のCPU11が第1接続状態検出部107を備え、オーディオ装置50のCPU51が第2接続情報検出部123を備え、ナビゲーション装置10と、オーディオ装置50それぞれにおいて、他方との電気的な接続を検出するようにしたが、いずれか一方が他方との電気的な接続を検出するようにしてもよい。この場合、他方との電気的な接続を検出する側の装置が、他方の装置との電気的な接続を検出している間、他方の装置に電気的に接続されていることを示す信号を定期的または継続して送信するようにすればよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。