JP5340200B2 - 空調用装置、熱交換器及びドレン水の処理方法 - Google Patents

空調用装置、熱交換器及びドレン水の処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、空調用素子へ外部から浸入する水や素子自体からの凝縮水などの塩化リチウムを含有するドレン水の潮解性を無効化して乾燥させる空調用装置、熱交換器及びドレン水の処理方法に関する。
空調用素子を備えた空調用機器は、空気に温湿度などの空気質の変化を与えるための機器であるがゆえに、条件にもよるが主に熱交換を行う部分において、空気の温度が低下して水分が凝縮することによって水(凝縮水)が発生する。
また、空調用機器の中でも、特に屋外から空気を取り込むもの(換気装置など)は、屋外の気象(例えば雨や霧、もやなど)や機器の設置状況(例えば、屋外空気取込口から機器までの間に水の遮蔽板やフィルタなどが設けられていない状況)によっては、機器内へ水(雨水など)が導入される場合もある。
これらの凝縮水や浸入する雨水など(以下、これらを合わせて「ドレン水」という。)が空調用機器内部に溜まると、電気系統部分に流れこんで回路を短絡させて機器を故障させたり、機器の筐体の隙間から外部へ流出して機器の設置場所やその周囲を濡らすなどする。機器の設置場所は、天井裏、壁内、居室に隣接した機械室などが一般的であり、大型の商用ビルなどでは地階に機械室を設置する場合もある。天井裏に機器が設置された場合には、機器から流出したドレン水が天井を汚損したり、天井を伝ってドレン水が壁に入り、壁内の湿度が上昇してカビを発生させることがある。
空調用機器のドレン水に対応するために、特許文献1に開示される発明は、ドレン水が接触する空調用素子に保水性を持たせ、ドレン水発生時には一時的に保水させ、ドレン水が発生しない条件となったときに、保水するドレン水を空調用空気へ蒸発させて処理している。
また、特許文献2に開示される発明は、ドレン水を溜めるための箱体(いわゆるドレンパン)を機器内部に設置するか、筐体を水密構造にし、ドレンパン又は水密構造の筐体にドレン水を溜め、空調用空気へ蒸発させて処理している。
また、ドレンパンを機器内部に設置し、ドレンパンから機外へドレン水を流す流路を設けて排水する構造も用いられている。
ところで、空調用機器などでは吸湿剤等の用途で塩化リチウムが使用されている。例えば、特許文献3には吸湿剤として塩化リチウムを用いた回転型熱交換換気装置が開示されている。また、特許文献4には、吸湿剤として塩化リチウムを用いた静止型熱交換装置が開示されている。さらに、特許文献5には、吸湿剤として塩化リチウムを用いた除湿装置が開示されている。
特開2000−55575号公報 特許第4311110号公報 特許第3553163号公報 特開2002−228393号公報 特許第3860374号公報
塩化リチウムは水溶性であるため、上記従来の技術によれば、機器にドレン水が生じ、塩化リチウムを含有する部材と水とが接触した場合、塩化リチウムを含有したドレン水(以下、塩化リチウム含有ドレン水と言う。)が生じることとなる。しかしながら、塩化リチウム含有ドレン水の処理に関しては下記の問題がある。
まず、塩化リチウム含有ドレン水は、その濃度にもよるが粘性を持つため、普通の水よりも流れにくい。したがって、ドレンパンから流路を設けて塩化リチウム含有ドレン水を機外に流そうとしても、ドレンパンの上に残留しやすくなる。
さらに、特許文献2のようにドレンパンや筐体の上でドレン水を乾かそうとしても、塩化リチウム含有ドレン水は塩化リチウムの吸湿作用のために非常に乾きにくい。しかも、たとえ水が蒸発して乾いたとしても、塩化リチウムは塩化リチウム含有ドレン水として付着していたドレンパンや筐体の表面に残り、吸湿作用によって空気中から水を吸収して再度湿り、結局のところ、塩化リチウムの表面は常に湿潤する。空調用機器の場合、その湿った表面に空気中のホコリなどが吸着しやすくなる。
このため、特許文献1のように、塩化リチウムを使用した空調用素子自体に保水性を持たせ、ドレン水を保持させる方法がとられることもあるが、外部からの霧や雨水などが浸入する場合には、空調用素子の保水量の限界を容易に超えてしまう問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、塩化リチウムを含有するドレン水の潮解性を無効化してドレン水を乾燥できる空調用機器、熱交換器及びドレン水の処理方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、空気を導入する吸気口と、該吸気口から吸い込まれた空気が通過する通気路と、該通気路を通過した空気を送り出す排気口とを備えた筐体と、塩化リチウムを含有する材料で形成され、通気路上に設置されて、該通気路を通過前後で空気の温度及び湿度の少なくとも一方を変化させる空調用素子と、塩化リチウムと反応して非水溶性化合物を生成する金属水酸化物を含有し、空調用素子の下方に設置されて、空調用素子において発生したドレン水に含まれる塩化リチウムを、非水溶性化合物化するドレン水処理部材とを有することを特徴とする。
本発明によれば、ドレン水に含まれる塩化リチウムを非水溶性の別の化合物に変化させ、塩化リチウムに起因する潮解性を無効化できるという効果を奏する。
図1は、本発明にかかる空調用素子の実施の形態1としての熱交換素子を用いた全熱交換換気装置の斜視図である。 図2は、実施の形態1にかかる全熱交換換気装置の断面図である。 図3は、実施の形態1にかかるドレン水処理部材の下面を示す図である。 図4は、本発明にかかる空調用素子の実施の形態2としての熱交換素子を用いた全熱交換換気装置の断面図である。 図5は、片面コルゲート形状または両面コルゲート形状としたドレン水処理部材を示す図である。 図6は、本発明にかかる空調用素子の実施の形態3としての熱交換素子を用いた全熱交換換気装置の断面図である。 図7は、本発明にかかる空調用素子の実施の形態4としての熱交換素子を示す図である。 図8は、実施の形態4にかかる熱交換素子を示す図である。
以下に、本発明にかかる空調用装置、熱交換器及びドレン水の処理方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる空調用素子の実施の形態1としての熱交換素子を用いた全熱交換換気装置の分解斜視図である。全熱交換換気装置101は、対向する側面の一方に室内側の吸込口104と吹出口106とを有し、他方に室外側の吸込口105と吹出口107とを有する箱体102内に、吸込口104、105と吹出口106、107との間に設けた熱交換素子112において互いに交差し熱交換するよう設けられた給気通路109及び排気通路108を備えている。
箱体102に着脱可能に取り付けられた給気通路109と排気通路108とに、それぞれ給気流又は排気流を形成する羽根121及びモータ126からそれぞれ構成される送風機110、111に対して、給気通路109と排気通路108とに設けられた羽根ケーシング211と、本体の他の側面に設けた開口115とから挿脱可能に設けられ、上記給気流と排気流との間で熱交換する熱交換素子112を備えている。
上記のように構成された全熱交換換気装置101において、熱交換素子112を利用した空調換気については、それぞれ送風機110、111を運転することにより、室内空気は、ダクトを介して室内側の吸込口104から矢印Aで示すように吸い込まれ、熱交換素子112及び排気通路108を矢印Bで示すように通り、排気用の送風機110により室外側の吹出口107から矢印Cで示すように吹き出される。
また、室外空気は、ダクトを介して室外側の吸込口105から矢印Dで示すように吸い込まれ、熱交換素子112及び給気通路109を矢印Eで示すように通り、給気用の送風機111により室内側の吹出口106から矢印Fのように吹き出され、ダクトを介して室内へ給気される。このとき、熱交換素子112では、排気流と給気流との間で熱交換が行われ、排気熱を回収して冷暖房負荷を軽減する。
全熱交換換気装置101は、室外からの給気空気と室内からの排気空気とを熱交換素子112で熱交換させることによって、顕熱や潜熱を排気空気から給気空気へ回収する機器である。本実施の形態に係る全熱交換換気装置101は、熱交換部分が動かない静止型である。熱交換部分で潜熱を交換するために吸湿性が要求されるため、本実施の形態にかかる全熱交換換気装置101の熱交換素子112には塩化リチウムが用いられている。このため、室外からの給気中に雨や霧などの水分が含まれていたり、熱交換によって空気が冷却されて空気中の水蒸気が凝縮することによって、熱交換素子112の内部で塩化リチウム含有ドレン水が発生する。
図2は、実施の形態1に係る全熱交換換気装置101の図1におけるII−II断面図である。設置時に熱交換素子112の鉛直下方となる部分には、ドレン水貯留部としてのドレンパン10を設置することによって、ドレン水が外部へ流出することを阻止している。熱交換素子112の内部で発生した塩化リチウム含有ドレン水は、排気流や空気流中の粉塵等を除去するための空調用フィルタ113を介してドレンパン10に落下する。
ドレンパン10にはドレン水処理部材11が静置されている。ドレン水処理部材11は、ドレンパン10に貯留されている塩化リチウム含有ドレン水の塩化リチウムに起因する潮解性を無効化する。ドレン水処理部材11には、水に溶解しやすい金属水酸化物の粒子などが添着されている。これらの金属水酸化物は、塩化リチウム含有ドレン水と接触すると、徐々に溶解してイオン化する。金属水酸化物の金属成分としては、水に溶解しやすい水酸化物となるという点と、弱アルカリに溶解しやすい(塩化リチウムを溶解させた水はpH7〜10の弱アルカリ性となるため)という点とから、両性金属(アルミニウムなど)、マグネシウム、カルシウムなどが適している。
ドレンパン10に貯留された塩化リチウム含有ドレン水の中には、塩化リチウム由来の塩化物イオン及びリチウムイオン、並びに金属水酸化物由来の金属イオン及び水酸化物イオンが存在することとなる。金属の種類によって反応性は異なるが、このときにリチウムイオンと金属イオンとが中心となって、水に不溶な物質が生成される。特に、金属がアルミニウムである場合にはこの反応が顕著であり、その場合には、下記化学反応式に示す反応が生じて、水に不溶な物質(塩化リチウムアルミニウム水酸化物)が生成される。これにより、塩化リチウムが示す吸湿性・潮解性が失われる。すなわち、塩化リチウムを、化学反応で別の化合物とすることによって、塩化リチウムに起因する潮解性を無効化する。
LiCl・mH2O+2Al(OH)3→[LiAl2(OH)6]・mH2O
上記化学反応式から明らかなように、実際には塩化リチウムを別の化合物に変化させており、潮解性のみを除去して塩化リチウムのまま存在させているわけではないが、便宜上、以下の説明においては、この反応を「塩化リチウムの潮解性を無効化」と表現する。
上記化学反応式と同様に塩化リチウムと反応する金属水酸化物を含有したドレン水処理部材11をドレンパン10に静置することで、ドレン水に含まれる塩化リチウムの吸湿性、潮解性を無効化する効果が得られる。ただし、その反応は塩化リチウム含有ドレン水と金属水酸化物とが接するとすぐに完了する訳ではなく、数時間〜数日といった期間をかけて進行するため、反応速度を速めるには金属水酸化物と塩化リチウム、水との接触面積を極力大きくする必要がある。そのため、ドレン水処理部材11には、これら金属水酸化物を細かい粉末状(例えば粒径数μm程度)として含有させたものを使うことが望ましい。本実施の形態においては、水との接触を保ったままの金属水酸化物の粉末が、空調用機器の動作によって飛散してしまうことを極力避けるために、親水性及び吸水性を有する叩解した繊維としてのセルロース(紙)にバインダー樹脂を少量使用して金属水酸化物の粉末を担持させた多孔質シートをドレン水処理部材として用いた。
ここでは多孔質シートを例としたが、ドレン水処理部材11は、水や塩化リチウムとの接触面積を十分に確保できるのであればこの他の形態でもよい。例えば、金属水酸化物の粉末自体をバインダー樹脂でそのまま固めても良いし(ただし、この場合は水や塩化リチウムとの接触性を保つため、金属水酸化物の表面全てをバインダー樹脂で覆わないようにする必要がある。)、水を通過させることができる袋などに入れてドレンパン10に静置しても良い。設置するドレン水処理部材11の面積や、その中に内包される金属水酸化物の量は、空調用機器に使用されている塩化リチウム量や、そのうちどの程度の塩化リチウムが水に溶解して流出してくるかを想定し、塩化リチウムと反応する金属水酸化物の量を化学反応式に基づいて算出すれば良い。
本実施の形態においては、より多くの水を保持させ、さらに吸水時でもドレンパン10の表面を乾いた状態としてホコリなどの付着を防ぐために、吸水して膨張する高分子樹脂(ポリアクリル酸ナトリウムなど、以下、「保水樹脂」と言う。)をドレン水処理部材11に含浸させるか又は表面へ塗布している。塩化リチウム含有ドレン水がドレン水処理部材11の保水量を上回って発生した場合、塩化リチウム含有ドレン水がドレン水処理部材11から他の部分へ広がってしまう。塩化リチウムの潮解性を無効化する性質を持つ素材(金属水酸化物)とともに保水樹脂をドレン水処理部材11に適用することにより、ドレン水処理部材11の保水量を増加させることができる。これにより、塩化リチウム含有ドレン水を一旦保水樹脂に保水させてドレン水処理部材外11への流出を防止し、その後保水樹脂に保水したドレン水中の塩化リチウムを処理することにより、ドレン水処理部材11以外の部分への塩化リチウムの拡散を防ぎながら塩化リチウムの潮解性を効率的に無効化できる。
なお、これら保水樹脂を添加した場合でも、多孔質のドレン水処理部材11内は塩化リチウム含有ドレン水で満たされ、その中に塩化リチウムがイオン化して溶解しているため、保水樹脂自体が塩素イオン、リチウムイオンをトラップ又はイオン交換などで別種のイオンへの置き換えを行わない限りそれらイオンはドレン水処理部材11内(水の中)で自由に移動することが可能であり、塩化リチウムと金属水酸化物との接触の妨げとはならない。
塩化リチウムの潮解性が無効化された後は、保水樹脂に吸水された水が全熱交換換気装置101内の気流によって蒸発し、ドレン水処理部材11は乾燥する。
また、塩化リチウムの潮解性を無効化した後のドレン水は潮解性を示さない水となるため、最終的には自然蒸発するが、蒸発するまでの間はドレン水処理部材11に水が滞留し、また保水樹脂なども存在することから、ドレン水処理部材11の表面にはカビなどの菌類が繁殖する可能性がある。これも衛生上問題となりうるため、ドレン水処理部材11には抗菌剤・防カビ剤などを添加してもよい。ドレン水処理部材11を用いこれに抗菌剤・防カビ剤を使用することにより、ドレンパン10や本体筐体内面に抗菌・防カビ剤を使用する場合に比べて、抗菌剤・防カビ剤の使用量を大幅に削減できる。
また、塩化リチウムの潮解性が無効化されるまでの間に、ドレン水処理部材11に鉄粉などが付着すると、塩化リチウムの作用によって酸化されて赤茶色の錆びが表面に発生することがある。これは外観上好ましくないため、ドレン水処理部材11をカビや錆びなどが表面に付着しても変色等が分かりにくいような色(茶色や灰色など)に予め着色しておくことで、外見上の変化を小さくし、美観の低下を防ぐことができる。
ドレン水処理部材11をドレンパン10に静置する際には、送風機が発生させる気流によって位置がずれないようにするために、薄い両面テープや接着剤などで固定すると良い。図3に示すようにあらかじめドレン水処理部材11の下面に耐水性のある両面テープ12などを張り付けておくと、ドレン水処理部材11の設置が比較的容易になる。ただし、水との接触性を良くするため、テープの張り付け面積や接着剤の塗布面積は最小限とすることが好ましい。
また、ドレン水処理部材11は、ドレン水との接触時間を極力長くするために、発生したドレン水がどのように流れるかを考慮して、ドレン水が溜まる部分(例えばドレンパン10の一番低い部分)に優先的に設置することが好ましい。ドレン水処理部材11として吸水性を持ちかつ多孔質なもの(例えば紙)を適用した場合は、発生したドレン水がドレンパン10の最も低い部分に溜まっても、そこにドレン水処理部材11が存在していれば毛細管現象を利用してドレン水を吸い上げてドレン水処理部材11全体へ行き渡らせ、十分な接触時間を確保することが可能となる。
このように、ドレン水処理部材11を設置することにより、ドレンパン10の表面は、いつまでも湿った表面とはならず、乾いた表面となるため、ホコリの付着やカビの発生を防ぐことができ、空調用機器をより衛生的に使用できる。
また、ドレン水処理部材11を適切な場所に設置するだけで効果が得られるため、既設の空調用機器へ適用して、塩化リチウムの潮解性を無効化する効果を得ることも容易である。さらに、塩化リチウムの潮解性を無効化する機能が薄れた場合でも、ドレン水処理部材を交換するだけで機能を回復できる。
また、塩化リチウム含有ドレン水は電気の良導体であり、かつ金属の錆びを誘発しやすいため、例えば空調用機器の空気の流れによってドレン水の液滴やミストが飛散し、電気系統部分に接触した場合には回路の短絡などが、また動作部品の金属部分などに付着した場合には錆びが発生し部品の腐食破壊などによって最悪の場合は機器の故障に発展する可能性がある。しかし、本実施の形態においては、ドレン水処理部材11にドレン水を吸収してしまうため、ドレンパン10からのドレン水の液滴やミストの飛散を防止でき、製品の安全性、耐久性向上にも寄与する。
さらに、塩化リチウムを使用した空調用機器では一般に、塩化リチウムを含む空調用素子と水との接触を防止するために、例えば機器の給気口やそこから空調用機器までのダクティングや、製品内の風路構造などで液体の水が入らないような様々な工夫を行っている。その対策のために製品構造は複雑になり、また機器設置に条件が付くことが多い。本実施の形態においては、これらの問題も解決でき、より単純な構造とすることによって製品の使用素材の削減、部品点数の削減、製造エネルギー量の低減、機器の施工性の向上、空調用機器の特性の向上、及び機器設置環境条件の緩和などの効果が期待できる。
実施の形態2.
図4は、本発明にかかる空調用素子の実施の形態2としての熱交換素子を用いた全熱交換換気装置の断面図である。実施の形態1とほぼ同様であるが、ドレンパン10にはドレン水処理部材13が配置されている点で相違する。熱交換素子112で使用している塩化リチウムの量が多い場合には、処理剤である金属水酸化物の量も多くなり、実施の形態1のドレン水処理部材11のように1層のシート状に形成できないことがある。このような場合には、ドレン水処理部材13を両面コルゲート形状(図5(a)参照)又は片面コルゲート形状(図5(b)参照)とすることで、ドレン水を吸い上げさせ、ドレン水と直に接触しない部分の金属水酸化物を、塩化リチウムの潮解性の無効化に寄与させることができる。したがって、単なるシート状の場合よりも塩化リチウムの潮解性の無効化に寄与する金属水酸化物の量を増やすことができる。さらに、多層積層とする場合よりも空気との接触面積が大きいため、塩化リチウムの潮解性を無効化した後のドレン水が乾きやすい。
コルゲート形状を形成するために使用する接着剤は液体の水と接触することとなるため、ドレン水処理部材11が分解することを防ぐために耐水性を有するものを用いる。なお、接着剤が透水性を有すれば、波板状の部分や上側の平板状の部分がドレン水と直に接していなくても、接着剤を介してドレン水が吸い上げられるため、これらの部分にも塩化リチウムの潮解性の無効化に寄与させることが可能となる。また、実施の形態1と同様に、ドレン水処理部材13の裏面に固定用の両面テープ等を張り付けた上で、ドレンパン10に静置しても良い。その他の構成、効果は実施の形態1と同様である。
実施の形態3.
図6は、本発明にかかる空調用素子の実施の形態3としての熱交換素子を用いた全熱交換換気装置の断面図である。実施の形態1、2とほぼ同様であるが、ドレンパン14にドレン水処理部材が配置されていない点で相違する。実施の形態1、2においては、ドレンパン10にドレン水処理部材11、13を配置したが、そのためには、ドレン水処理部材11、13の原材料を新たに用意したり、ドレン水処理部材11、13を製造・設置する作業の追加が必要となる。
このため、本実施の形態においては、塩化リチウムの潮解性を無効化する反応に必要な量の金属水酸化物が含まれた材料でドレンパン14を形成し、塩化リチウムの潮解性をドレンパン14自体で無効化できるようにしている。このように、元来空調用機器に搭載されていた部品(ドレンパン14)に塩化リチウムの潮解性を無効化する機能を持たせるため、空調用機器の動作を妨げたり、空調性能を損なうことなく塩化リチウムの潮解性を無効化できる。さらに、塩化リチウムの潮解性を無効化するための部材を追加で設置する必要がないため、そのための作業や費用が不要である。
その他については、実施の形態1、2と同様である。
実施の形態4.
図7は、本発明にかかる空調用素子の実施の形態4としての熱交換素子を示す図であり、空調用機器(全熱交換換気装置)のうち、塩化リチウムが使用された部分である熱交換素子112を拡大して示している。熱交換素子112は、熱交換する二つの流体の間に置かれ、透湿性を発現させるために吸湿剤として塩化リチウムを使用した仕切部材2(図中の平板状部分)と、それらの間隔を保持する間隔保持部材3(図では波状に加工されているが、他にも様々な形状がある。)とを、図示するように接着して構成されることが一般的である。
上記のようにドレン水への対策として、ドレン水が発生する熱交換素子自体に保水力を持たせる方法があるが、間隔保持部材3に塩化リチウムの潮解性を無効化する金属水酸化物を含有させることにより、熱交換素子112から出た塩化リチウム含有ドレン水(熱交換素子112の保水力を超えて発生した塩化リチウム含有ドレン水)の塩化リチウムの潮解性を無効化し、余分な水分を乾燥しやすくできる。
ただし、塩化リチウムと金属水酸化物とが水を仲立ちとして繋がると、塩化リチウムの潮解性の無効化が始まり、機能面で問題が生じるため、塩化リチウムを添加する仕切部材2はもちろん、保水時に仕切部材2と水で繋がってしまう恐れがある部材には、塩化リチウムの潮解性を無効化する性質のある材料を用いることができない。そこで、本実施の形態においては、図8に示すように、仕切部材2と金属水酸化物を含有させた間隔保持部材3との間に実質的に水を通さない何らかの水遮断部材4(例えば、非透水性の接着剤や樹脂シート、アルミシート)を挟み込んでいる。
塩化リチウムを使用する仕切部材2と、金属水酸化物を含有する間隔保持部材3とを組み合わせて熱交換素子112とすることで、金属水酸化物を含有した部材をドレン水処理部材として別途設置する手間を軽減し、設置忘れを確実に防止できる。
上記の実施の形態は、本発明の好適な実施の一例であり、本発明はこれに限定されることはない。例えば、上記の実施の形態においては、空調用素子が熱交換素子である場合を例としたが、これ以外の空調用素子であっても良い。例えば、吸湿することによって水溶性の臭気物質(例えばアンモニア)を除去する消臭用素子であっても良い。また、上記の実施の形態では、静止型の熱交換換気装置を例としたが、回転型(ローレット型)の熱交換換気装置に適用することも可能である。また、上記の実施の形態では、ドレンパンを設置することによってドレン水貯留部が形成された構造を例としたが、筐体の隙間を封止することによってドレン水貯留部が形成された構造であっても良い。さらに、ドレンパンから機器外部へ排水口が設けられてドレン水を排水できるようになっていても良い。このように、本発明は様々な変形が可能である。
以上のように、本発明にかかる空調用装置、熱交換器及びドレン水の処理方法は、塩化リチウムを含むドレン水を処理できる点で有用であり、特に、天井裏、壁内、居室に隣接した機械室などに設置して使用する熱交換換気装置に適している。
2 仕切部材
3 間隔保持部材
4 水遮断部材
10、14 ドレンパン
11、13 ドレン水処理部材
12 両面テープ
101 熱交換換気装置
102 箱体
104、105 吸込口
106、107 吹出口
108 排気通路
109 吸気通路
110、111 送風機
112 熱交換素子
115 開口
121 羽根
126 モータ
211 羽根ケーシング

Claims (11)

  1. 空気を導入する吸気口と、該吸気口から吸い込まれた空気が通過する通気路と、該通気路を通過した空気を送り出す排気口とを備えた筐体と、
    塩化リチウムを含有する材料で形成され、前記通気路上に設置されて、該通気路を通過前後で空気の温度及び湿度の少なくとも一方を変化させる空調用素子と、
    塩化リチウムと反応して非水溶性化合物を生成する金属水酸化物を含有し、前記空調用素子の下方に設置されて、該空調用素子において発生したドレン水に含まれる塩化リチウムを、前記非水溶性化合物化するドレン水処理部材とを有する空調用装置。
  2. 前記筐体は、室内から導入した室内空気を室外へ送り出す第1の系統用と、室外から導入した室外空気を室内へ送り出す第2の系統用とで、前記吸気口、前記通気路及び前記排気口を別々に備え、
    前記空調用素子は、前記第1の系統用の通気路と前記第2の系統用の通気路とが隣接する箇所に設置され、前記室内空気と前記室外空気との間で全熱交換を行うことを特徴とする請求項1記載の空調用装置。
  3. 前記ドレン水処理部材が、前記金属水酸化物を添着させた親水性の繊維を材料として形成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の空調用装置。
  4. 前記ドレン水処理部材は、前記金属水酸化物を添着させた親水性の繊維を材料とするシートを平板状にした平面部材と、該シートをコルゲート形状にしたコルゲート部材とを、透水性の接着剤で接着して形成されたことを特徴とする請求項3記載の空調用装置。
  5. 前記ドレン水処理部材に、吸水性の高分子樹脂化合物が添着されたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の空調用装置。
  6. 前記ドレン水処理部材は、前記ドレン水を貯留するドレン受け又は前記ドレン水の排出路を形成する排水部材であり、前記金属水酸化物を混入させた樹脂で形成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の空調用装置。
  7. 前記金属水酸化物は、アルミニウム又はマグネシウムの水酸化物であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の空調用装置。
  8. 間隔保持部材によって間隔を保持して積層された仕切部材を隔てて二つの気流を流通させ、該二つの気流の間で前記仕切部材を介して全熱交換を行う熱交換器であって、
    前記間隔保持部材と前記仕切部材との間に非透水性の水遮断部材を有し、
    前記仕切部材は、親水性繊維と塩化リチウムとを含む材料で形成されており、
    前記間隔保持部材は、親水性繊維と塩化リチウムと反応して非水溶性化合物を生成する金属水酸化物とを含む材料で形成されていることを特徴とする熱交換器。
  9. 前記金属水酸化物は、アルミニウム又はマグネシウムの水酸化物であることを特徴とする請求項8記載の熱交換器。
  10. 塩化リチウムを使用して空気の温度及び湿度の少なくとも一方を変化させる空調用素子から流出した前記塩化リチウムを含むドレン水と、金属水酸化物とを反応させて前記塩化リチウムを非水溶性化合物化する工程を含むことを特徴とするドレン水の処理方法。
  11. 前記金属水酸化物として、アルミニウム又はマグネシウムの水酸化物を用いることを特徴とする請求項10記載のドレン水の処理方法。
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