しかしながら、桁、母屋、棟木等の横架材に対して垂木を木ねじで直接止めつける手法にあっては、当該止めつけ垂木上に野地板施工等を施してしまうと当該垂木の止めつけ状態を確認することができなくなり、垂木の止めつけ施工の確認作業を当該野地板施工等に入る前に完了しておく必要があり、垂木の止めつけ施工確認の作業スケジュール管理が難しくなる不具合があった。
また、桁等の横架材に対して垂木を木ねじで止めつけ、これに野地板等を張り込み、瓦を葺く等して構成される屋根は、台風や竜巻等の風に煽られた際に、木ねじの頭部が垂木内に沈み込むことがあり、桁等の横架材に垂木を止めつけている木ねじの頭部の下方に空隙(いわゆるパンチング現象)を生ずる不具合があった。また、かかる横架材に対する垂木の取り付けにおいて、必要以上に垂木に木ねじがねじ込まれて、垂木にねじ込まれる木ねじの頭部等で当該垂木にひび割れ等の不具合を生ずることがあった。
かかる点から、垂木の取り付けが容易であり、しかも、野地板等の施工後においても当該垂木の取り付け施工状態の確認をすることができると共に、垂木を桁等の横架材に安定に止めつける垂木の止めつけ方法及び垂木の止め具の提供が求められていた。
かかる課題を解決するために、この発明にあっては、木ねじの軸部の挿通される孔を備えていると共に垂木の上面に添装されるプレートと、前記孔から前記垂木を貫通して該垂木の載せかけられる横架材にねじ込まれる木ねじとを用意し、
前記プレートを前記垂木の上面に、該プレートの少なくとも一部が当該垂木の側方に張り出すように添装すると共に、該垂木から側方に張り出される該プレートの張り出し部分を下方から視認し得るように前記孔から前記垂木を貫通して前記横架材に木ねじをねじ込んで、当該垂木を該横架材に止めつけることを特徴とする垂木の止めつけ方法としてある。
このように構成される垂木の止めつけ方法では、プレートの少なくとも一部を添装対象とされる垂木の上面から側方に張り出すように当該垂木の上面に添装すると共に、この張り出し部分が、横架材に垂木を載せかけ止めつけた際に、下方から視認し得るように該プレートの孔から該垂木を貫通して該横架材に木ねじをねじ入れて垂木を横架材に止めつけてあり、垂木を簡易に横架材に止めつける得ると共に、垂木が横架材に木ねじによって、止めつけてあるか、否かを、屋根上からは勿論、建物の下方からも容易に視認で確認することができる。
このように構成される垂木の止めつけ方法に用いられる止め具は、横架材に架け渡した垂木の上面にプレートを位置づけると共に、木ねじを当該垂木の上方からのねじ入れ操作によって垂木を確実かつ容易に当該横架材に止めつけることができ、垂木の取り付け施工を、ひねり金物におけるような無理な姿勢でなす必要が無く、垂木の取り付けを短時間で、かつ、少ない労力でなすことができる。
また、このように構成される垂木の止めつけ方法に用いられる止め具は、木ねじの軸部の挿通される孔を備えているプレートと、通例の木ねじとで構成することができ、比較的安価に提供できると共に保管管理等が容易であり、現場での取り扱いも容易であって、垂木の取り付け施工コストを割安とすることができると共に、台風や竜巻等で屋根が風で煽られた際にも、木ねじの頭部が垂木内に沈み込むことが無く、当該プレートで確実に支承され、垂木の横架材に対する止めつけ状態を安定に維持することができる。また、プレートの孔の孔縁部によって、木ねじの頭部が支承され、ねじ込み機等による木ねじの必要以上なねじ込みが防止され、木ねじ頭部の垂木内への無理な押し込みに伴う当該垂木の損傷等を効果的に防ぐことができる。
また、このように構成される垂木の止めつけ方法では、横架材に対する垂木の止めつけ状態を、屋根上からだけでなく、下方からも、随意に、容易かつ確実に視認により確認することができ、垂木上に野地板の張り込み施工や瓦葺き施工等をなした後にあっても、桁等の横架材に架け渡し止めつけられた垂木の止めつけ施工状態を下方から、確実に、かつ、容易に視認によって確認をすることができ、垂木の止めつけ施工の確認管理作業に大幅な自由度をもたらし、施工確認作業の管理スケジュールの設定を容易とすることができる。
また、かかる課題を解決するために、この発明にあっては、桁等の横架材に垂木を止めつける止め具であって、木ねじの軸部の挿通される孔を備えていると共に前記垂木の上面に添装された際に当該垂木の上面から側方に張り出す張り出し部を備えているプレートと、前記孔から前記垂木を貫通して前記横架材にねじ込まれる木ねじとを備えており、
前記張り出し部の張り出し量が、前記垂木の上面に前記プレートを該プレートの前記孔を該垂木の幅方向のほぼ中央部に位置づけて添装し、かつ、前記木ねじを該プレートの孔から前記垂木を貫通して前記横架材にねじ込み止めつけた際に下方から視認可能な量としてあることを特徴とする止め具としてある。
このように構成される止め具にあっては、横架材に架け渡した垂木の上面にプレートを位置づけると共に、木ねじを当該垂木の上方からのねじ入れ操作によって垂木を確実かつ容易に当該横架材に止めつけることができ、垂木の取り付け施工を、ひねり金物におけるような無理な姿勢でなす必要が無く、垂木の取り付けを短時間で、かつ、少ない労力でなすことができる。
また、かかる止め具は、木ねじの軸部の挿通される孔を備えているプレートと、通例の木ねじとで構成することができ、比較的安価に提供できると共に保管管理等が容易であり、現場での取り扱いも容易であって、垂木の取り付け施工コストを割安とすることができると共に、台風や竜巻等で屋根が風で煽られた際にも、木ねじの頭部が垂木内に沈み込むことが無く、当該プレートで確実に支承され、垂木の横架材に対する止めつけ状態を安定に維持することができる。
また、このように構成される止め具は、横架材に対する垂木の止めつけ状態を、屋根上からだけでなく、下方からも、随意に、容易かつ確実に視認により確認することができ、垂木上に野地板の張り込み施工や瓦葺き施工等をなした後にあっても、桁等の横架材に架け渡し止めつけられた垂木の止めつけ施工状態を下方から、確実に、かつ、容易に視認によって確認をすることができ、垂木の止めつけ施工の確認管理作業に大幅な自由度をもたらし、施工確認作業の管理スケジュールの設定を容易とすることができる。
また、前記課題を解決するために、前記プレートが、当該プレートの添装される垂木面に押し込まれる爪片を備えていることを特徴とする止め具にあっては、前記特長に併せて、垂木の所要位置に、容易かつ確実にプレートを仮留め状態にセットすることができ、プレートを垂木の目的位置に正確に位置づけた状態で、容易に、木ねじのねじ入れをなすことができる。
また、前記課題を解決するために、前記プレートが、前記垂木上面の幅寸法よりも直径寸法の大きい円板状プレートとしてあることを特徴とする止め具にあっては、前記特長に併せて、当該プレートを垂木上面に対して、当該プレートの周側部分のいずれか一部を垂木の側面から突き出すようにセットすることのみで、当該プレートを下方から視認可能にセットすることができ、横架材に対して前記プレートを備えた状態での垂木の、より円滑かつ確実な止めつけをなすことができる。
この発明に係る垂木の止めつけ方法及び垂木の止め具は、桁等の横架材に対して、容易かつ確実に垂木を止めつけ得ると共に、当該横架材に対する垂木の止めつけ状態を下方から容易に視認でき、垂木の止めつけ状態の確認を野地板施工等の後においても確実になし得るようにして、施工状態の確認管理スケジュールを組み易くし、施工工程の管理を容易とすることができる。
この発明に係る典型的な垂木の止めつけ方法は、木ねじ12の軸部12bの挿通される孔11aを備えていると共に垂木20の上面20aに添装されるプレート11と、前記孔11aから前記垂木20を貫通して該垂木20の載せかけられる横架材30にねじ込まれる木ねじ12とを用意し、ついで、前記プレート11を前記垂木20の上面20aに、該プレート11の少なくとも一部が当該垂木20の側方に張り出すように添装すると共に、該垂木20から側方に張り出される該プレート11の張り出し部11’を下方から視認し得るように前記孔11aから前記垂木20を貫通して前記横架材30に木ねじ12をねじ込み、木ねじ12の頭部12aを前記プレート11の上面に押し当てて、当該垂木20を該横架材30に止めつけることで、垂木20を横架材30に止めつけることができる。
かかる垂木20の止めつけ方法では、プレート11の少なくとも一部を添装対象とされる垂木20の上面20aから側方に張り出すように当該垂木20上面20aに添装すると共に、この張り出し部11’が、横架材30に垂木20を載せかけ止めつけた際に、下方から視認し得るように、該プレート11の孔11aから該垂木20を貫通して該横架材30に木ねじ12をねじ入れて該プレート11を座とするようにして、該垂木20と前記横架材30とを止めつけるようにしてあり、これによって、垂木20を容易かつ迅速に横架材30に止めつけ得ると共に、垂木20が横架材30に木ねじ12によって、止めつけてあるか、否かを下方から容易に確認することができる。
なお、ここで、垂木20とは、典型的には、木造建築にあって、屋根又は屋根の下地材を支えるために棟木30cから母屋30bまたは軒桁30aに架け渡す材をいう。
また、ここで用いられるプレート11は、木ねじ12の座として機能し、台風や竜巻等の強風に伴う煽りだしに際して孔11aに挿通された木ねじ12の頭部12aを確実に支承し、当該煽り出しに伴って変形したり、木ねじ頭部12aのめり込まない硬さを備えたものであれば、いかなる素材によって構成してあってもよい。
また、添装対象とされる垂木20の側方から張り出されると共に、前記木ねじ12を当該プレート11の孔11aから垂木20を貫通して横架材30にねじ入れた際に、下方から視認可能な張り出し部11’を備えるものであれば、いかなる大きさ、形状に構成してあってもよい。従って、該プレート11を各種の角形、円形、楕円形に構成してあっても、雲形等の任意の形状に構成してあってもよく、当該プレート11に備えられている孔11aから木ねじ12を垂木20を貫通して横架材30にねじ入れて横架材30に垂木20を止めつけた際に、当該プレート11の少なくとも一部が、該添装垂木20の側方に張り出して、下方から視認し得る張り出し量となるように構成されておれば、いかなるプレート11であってもよい。例えば、長方形に構成されたプレート11のほぼ中央部に孔11aを設け、この孔11aから垂木20を貫通して横架材30に木ねじ12をねじ入れて、当該垂木20に備え付けたプレート11が、垂木20の幅y方向(すなわち短幅方向)から各側方に突き出して下方から視認可能な張り出し部11’を備えるように構成してあっても、また、このように長方形に構成されプレート11を、その長方形に構成されたプレート11の長手向きにある一側部側を当該垂木20から突き出さずに当該垂木20の上面20a内に留まる形状とし、かつ、当該長手向きの他側部側を当該垂木20の側方から突き出して垂木20に添装すると共に、当該プレート11の孔11aから垂木20を貫通して横架材30に木ねじ12をねじ入れて横架材30に垂木20を止めつけた際に、この垂木20からの突き出し部分が、下方から視認可能な張り出し部11’をなすように構成してあってもよい。
また、当該プレート11に備えられている孔11aは、垂木20を桁等の横架材30に止めつける木ねじ12の軸部12bが挿通可能であり、かつ、孔周縁のプレート部分で該木ねじ12の頭部12aを支承しうる孔11aであれば、いかなる形態の孔11aであってもよく、この木ねじ12の頭部12aを受け入れるように孔11aの周縁のプレート部分を凹ませるように構成してあってもよい。
また、前記木ねじ12は、桁30a、母屋30b、棟木30c等の横架材30に載せかけられる垂木20を貫通して、当該垂木20から横架材30にねじ込まれて、当該垂木20を横架材30に確実に止めつけ得る強度と長さとを備えるものであれば、いかなる態様の木ねじ12であってもよい。また、この木ねじ12は、プレート11の孔11aの孔径よりも大きい直径の頭部12aを備えており、この頭部12aが孔11a周縁のプレート11の面に接して、該プレート11の孔11aに軸部12bを挿通した当該木ねじ12が抜け出さない構成としてある。
このように構成される止め具10にあっては、横架材30に架け渡した垂木20の上面20aにプレート11を位置づけると共に、木ねじ12を当該垂木20の上方からのねじ入れ操作によってプレート11を座として垂木20を確実かつ容易に当該横架材30に止めつけることができ、垂木20の取り付け施工を、ひねり金物におけるような無理な姿勢でなす必要が無く、垂木20の取り付けを短時間で、かつ、少ない労力でなすことができる特長を有する。
また、かかる止め具10は、木ねじ12の軸部12bの挿通される孔11aを備えているプレート11と、通例の木ねじ12とで構成することができ、比較的安価に提供できると共に保管管理等が容易であり、現場での取り扱いも容易であって、垂木20の取り付け施工コストを割安とすることができると共に、台風や竜巻等で屋根が風で煽られた際にも、木ねじ12の頭部12aがプレート11の面で受けられて垂木20内に沈み込むことが無く、当該プレート11で確実に支承され、垂木20の横架材30に対する止めつけ状態を安定に維持することができる特長を有する。
また、このように構成される止め具10は、横架材30に対する垂木20の止めつけ状態を、屋根上からだけでなく、下方からも、随意に、容易かつ確実に視認により確認することができ、垂木20上に野地板40の張り込み施工や瓦葺き施工等をなした後にあっても、桁等の横架材30に架け渡し止めつけられた垂木20の止めつけ施工状態を下方から、確実に、かつ、容易に視認によって確認をすることができ、垂木20の止めつけ施工の確認管理作業に大幅な自由度をもたらし、施工確認作業の管理スケジュールの設定を容易とすることができる特長を有する。
かかる垂木20の止めつけ方法は、桁30a、母屋30b、棟木30c等の横架材30に架け渡される垂木20の止めつけ部の全てに前記の止めつけ方法で当該垂木20を横架材30に止めつけるように施してあっても、また、横架材30に対する垂木20の止めつけ部の一部分だけを前記垂木20の止めつけ方法で当該垂木20を横架材30に止めつけるように施してあってもよい。すなわち、かかる止めつけ方法による垂木20の横架材30に対する止めつけは、例えば、従来のひねり金物等の用い難い垂木20の止めつけ部分である横架材30としての桁30aに垂木20を止めつける際にのみ用い、他の横架材30に対する垂木20の止めつけを従来の手法によって止めつけるようにしてあっても、また、安定した止めつけ状態の維持が特に要請される横架材30としての桁30aと棟木30cとに対する垂木20の止めつけを、前記垂木20の止めつけ方法で止めつけ、母屋30bに対する垂木20の止めつけを従来手法によって止めつけるようにしてあってもよい。また、桁30a、母屋30b、棟木30c等の横架材30に垂木20を架け渡して構成される小屋組の要所を前記垂木20の止めつけ方法で当該垂木20を横架材30に止めつけ、他の部分を従来手法で止めつけるようにしてあってもよい。さらにまた、桁30a、母屋30b、棟木30c等の横架材30に載せかけられる垂木20の当該載せかけ部分の全てを前記垂木20の止めつけ方法で当該垂木20と横架材30とを止めつけるようにしてあってもよい。
ついで、当該垂木20の止めつけに用いられる典型的な止め具10は、桁等の横架材30に垂木20を止めつける止め具10であって、木ねじ12の軸部12bの挿通される孔11aを備えていると共に前記垂木20の上面20aに添装された際に当該垂木20の上面20aから側方に張り出す張り出し部11’を備えているプレート11と、前記孔11aから前記垂木20を貫通して前記横架材30にねじ込まれる木ねじ12とを備えており、
前記張り出し部11’の張り出し量が、前記垂木20の上面20aに前記プレート11を該プレート11の前記孔11aを該垂木20の幅y方向(すなわち短幅y方向)のほぼ中央部に位置づけて添装し、かつ、前記木ねじ12を該プレート11の孔11aから前記垂木20を貫通して前記横架材30にねじ込み、該木ねじ12の頭部12aをプレート11の上面に押しつけるように止めつけた際に、下方から視認可能な量となるように構成してある。
なお、ここで用いられるプレート11は、木ねじ12の座として機能し、台風や竜巻等の強風に伴う煽りだしに際して木ねじ12の頭部12aを確実に支承し、当該煽り出しに伴って変形したり、木ねじ頭部12aのめり込まない硬さを備えたものであれば、いかなる素材によって構成してあってもよい。
また、添装対象とされる垂木20の上面20aに、前記プレート11を該プレート11の前記孔11aを該垂木20の幅y方向のほぼ中央部に位置づけて添装し、かつ、前記木ねじ12を該プレート11の孔11aから前記垂木20を貫通して前記横架材30にねじ込み、該木ねじ12の頭部12aをプレート11の上面に押しつけるように止めつけた際に、下方から視認可能な張り出し部11’を備えるものであれば、いかなる大きさ、形状に構成してあってもよい。従って、該プレート11を各種の角形、円形、楕円形に構成してあっても、雲形等の任意の形状に構成してあってもよく、当該プレート11に備えられている孔11aを垂木20の幅y方向のほぼ中央部に位置づけ状態に添装すると共に該孔11aから、木ねじ12を垂木20を貫通して該木ねじ12の頭部12aをプレート11の上面に押しつけるように横架材30にねじ入れた際に、当該プレート11の少なくとも一部が、該添装垂木20の側方に張り出して、下方から視認し得る張り出し量となるように構成されておれば、いかなるプレート11であってもよい。例えば、長方形に構成されたプレート11のほぼ中央部に孔11aを設け、垂木20の上面20aの幅y方向のほぼ中央部に該孔11aを位置づけて、この孔11aから垂木20を貫通して横架材30に木ねじ12をねじ入れて、当該垂木20に備え付けたプレート11が、垂木20の幅y方向から各側方に突き出して下方から視認可能な張り出し部11’を備えるように構成してあっても、また、このように長方形に構成されプレート11を、その長方形に構成されたプレート11の長手向きにある一側部側を当該垂木20から突き出さずに当該垂木20の上面20a内に留まるように添装し、かつ、この垂木20の幅y方向のほぼ中央部に該プレート11の孔11aを位置づけるようになすと共に、当該長手向きの他側部側を当該垂木20の側方から突き出させた状態で、当該プレート11の孔11aから垂木20を貫通して横架材30に木ねじ12をねじ入れ、この垂木20からの突き出し部分を、下方から視認可能な張り出し部11’をなすように構成してあってもよい。
また、当該プレート11に備えられている孔11aは、垂木20を桁等の横架材30に止めつける木ねじ12の軸部12bが挿通可能であり、かつ、孔周縁のプレート部分で該木ねじ12の頭部12aを支承しうる孔11aであれば、いかなる形態の孔11aであってもよく、この木ねじ12の頭部12aを受け入れ支承するように孔11aの周縁のプレート部分を凹ませるように構成してあってもよい。
また、前記木ねじ12は、桁30a、母屋30b、棟木30c等の横架材30に載せかけられる垂木20を貫通して、当該垂木20から横架材30にねじ込まれて、当該垂木20を横架材30に確実に止めつけ得る強度と長さとを備えるものであれば、いかなる態様の木ねじ12であってもよい。
このように構成される止め具10にあっては、横架材30に架け渡した垂木20の上面20aの幅y方向のほぼ中央部にプレート11の孔11aを位置づけると共に、木ねじ12を該孔11aから当該垂木20に向けて、該プレート11の上面に木ねじ12の頭部12aを押しつけるようにねじ入れる操作のみで垂木20を確実かつ容易に当該横架材30に止めつけることができ、垂木20の取り付け施工を、ひねり金物におけるような無理な姿勢でなす必要が無く、垂木20の取り付けを短時間で、かつ、少ない労力でなすことができる特長を有する。
また、かかる止め具10は、木ねじ12の軸部12bの挿通される孔11aを備えているプレート11と、通例の木ねじ12とで構成することができ、比較的安価に提供できると共に保管管理等が容易であり、現場での取り扱いも容易であって、垂木20の取り付け施工コストを割安とすることができると共に、台風や竜巻等で屋根が風で煽られた際にも、木ねじ12の頭部12aが垂木20内に沈み込むことが無く、当該プレート11で確実に支承され、垂木20の横架材30に対する止めつけ状態を安定に維持することができる特長を有する。
また、このように構成される止め具10は、横架材30に対する垂木20の止めつけ状態を、屋根上からだけでなく、下方からも、随意に、容易かつ確実に視認により確認することができ、垂木20上に野地板40の張り込み施工や瓦葺き施工等をなした後にあっても、桁等の横架材30に架け渡し止めつけられた垂木20の止めつけ施工状態を下方から、確実に、かつ、容易に視認によって確認をすることができ、垂木20の止めつけ施工の確認管理作業に大幅な自由度をもたらし、施工確認作業の管理スケジュールの設定を容易とすることができる特長を有する。
また、前記構成からなる止め具10にあって、前記プレート11が、当該プレート11の添装される垂木20面に押し込まれる爪片11cを備えていることを特徴とする止め具10にあっては、垂木20の所要位置に、容易かつ確実にプレート11を仮留め状態にセットすることができ、プレート11を垂木20の目的位置に正確に位置づけた状態で、容易に、木ねじ12のねじ入れをなすことができる特長を有する。
また、前記構成からなる止め具10にあって、前記プレート11が、前記垂木20の上面20aの幅寸法よりも直径寸法の大きい円板状プレート11としてあることを特徴とする止め具10にあっては、当該プレート11を垂木20上面20aに対して、当該プレート11の周側部分のいずれか一部を垂木20の側面から突き出すようにセットすることのみで、当該プレート11を下方から視認可能にセットすることができ、横架材30に対して前記プレート11を備えた状態での垂木20の、より円滑かつ確実な止めつけをなすことができる特長を有する。
まず、図1〜図4に示される典型的な垂木20の止めつけ方法及び垂木20の止め具10について説明する。当該垂木20は、典型的には、小屋組を構成する桁30a、母屋30b、棟木30cに架け渡し止めつけられて屋根又は屋根の下地材を支える手段として用いられる。
この図示例に係る止め具10は、木ねじ12と当該木ねじ12の頭部12aが通り抜けず、且つ、軸部12bの挿通される孔11aを備えるプレート11を備えて構成してある。また、当該止め具10の用いられる垂木20は、所定間隔毎に、桁30a、母屋30b、棟木30c等の横架材30間に架け渡されるように並設されて野地板40の張り込み等に供されるものであって、垂木欠き31の施された桁30a、母屋30b、棟木30c等の横架材30間に架け渡されるように当該垂木欠き31部上に載せかけられて当該止め具10で該横架材30に止めつけられる。
この図示例に係るプレート11は、前記垂木20上面20aの幅(短幅)寸法よりも直径寸法の大きい円形板の円板状プレート11として構成してあり、その、ほぼ中央部分に孔11aを備えており、この孔11aの孔縁に続く周縁のプレート部分を該プレート11の表面側から裏面側に向けてプレスで屈曲した凹部11bとしてあり、この凹部11bの孔11aに連続している底板部11b”に木ねじ12の頭部12aを支承した状態で該凹部11b内に木ねじ12の頭部12aが納まって該凹部11bから木ねじ12の頭部12aが上方に突き出さない周壁部11b’の落とし込み寸法となるように、該凹部11bを構成してある。従って、該凹部11bは、用いられる木ねじ12の各形態に都合よく適合するように構成されるのが好ましい。また、孔11aは、該孔11aに木ねじ12の軸部12bを挿通して該木ねじ12の頭部12aが前記底板部11b”によって確実に支承される孔径としてあることが好ましい。
また、この図示例では、前記プレート11の打ち抜きや、孔11aの打ち抜き、凹部11bのプレス等に際して爪片11cを打ち抜き形成してある。この爪片11cは、例えばV字状の抜き刃とV字状に打ち抜かれるプレート部分を裏側に押し出すプレス部とを備える成形手段によって構成することができ、プレート11に対してほぼ直角に裏面側に突き出すように構成してある。
このように構成されるプレート11は、桁30a、母屋30b、棟木30c等の横架材30に掛け渡し状態に組み付けられる垂木20の上面20aの幅寸法よりも直径寸法が大きく構成されており、この上面20aの幅寸法を超えた外周部分が当該垂木20の上面20aから張り出すようにしてあり、しかも、この垂木20の上面20aからの張り出し部11’の張り出し量が、垂木20を横架材30の垂木欠き31に載せ掛けて木ねじ12の頭部12aをプレート11の上面に押しつけるように当該木ねじ12を垂木20を貫通して横架材30にねじ入れ止めつけた際に、下方から視認できる量となるように構成してある。
この図示例にあっては、横架材30の垂木欠き31に載せ掛けるように掛け渡した垂木20の上面20aの幅y方向のほぼ中心を通る長手向きの仮想の線分上に、該プレート11の孔11aを位置づけるようにして(すなわち、垂木20の上面20aの幅y方向のほぼ中央部に孔11aを位置づけるようにして)、この孔11aから、垂木20を貫通して横架材30に木ねじ12を該木ねじ12の頭部12aをプレート11の上面に押しつけるようにねじ入れて当該垂木20を横架材30に止めつける。
かかる木ねじ12は、垂木20から横架材30に十分にねじ入れ得る長さを備え、かつ、台風や竜巻等の強風の煽りによって垂木20が横架材30から分離されることのない強度を備えるものが用いられる。
また、前記プレート11は、該プレート11の孔11aから垂木20を貫通させて横架材30に木ねじ12を強くねじ入れた際や、木ねじ12で該横架材30に止めつけた垂木20が台風や竜巻等の強風で煽られた際にも、変形や、木ねじ12の頭部12aによる孔11aの縁部の破損等を生じない強度を備えた構成としてあり、例えば、所定厚さの鋼板やステンレス板等で構成することができる。
かかる止め具10は、前記垂木20の止めつけ方法で、例えば、図1〜図4に示されるように横架材30に対する垂木20の止めつけに用いることができる。まず、横架材30の垂木欠き31上に載せ掛けた垂木20の上面20aに、当該垂木20の上面20aから該プレート11の少なくとも一部を側方に張り出して、この垂木20の上面20aから側方に張り出した張り出し部11’(この、図示例では、円板状プレート11の孔11aを垂木20の上面20aの幅y方向のほぼ中央部に位置づけて、この円板状プレート11における垂木20の上面20aから側方に張り出した張り出し部11’)が、垂木20の横架材30に対する止めつけ後に下方から視認し得るようにし、爪片11cを垂木20の上面20aに打ち付け、仮止め状態にする。この状態で、孔11aから木ねじ12を、横架材30に対して垂木20側から、この木ねじ12の頭部12aをプレート11の上面に押しつけるようにねじ入れ、当該垂木20を横架材30に止めつける。
このように横架材30に止めつけられる垂木20は、下方からプレート11の張り出し部11’の存在の有無を確認することで、その止めつけ状態を確認することができる。
また、このように止めつけられる垂木20は、台風や竜巻等の強風で煽られた際にも、木ねじ12の頭部12aがプレート11のプレート面や凹部11bの底板部11b”によって支承され、木ねじ12がプレート11を座として垂木20と横架材30にねじ込まれるように機能し、垂木20を強固に横架材30にねじ止めする。
また、この図示例のように孔11aの周側のプレート部分に凹部11bを備えたプレート11では、プレート面と木ねじ12の頭部12a頂面とが面一となって、垂木20の止めつけ面に引っ掛かり等の凹凸部を生ずることがなく、野地板40施工等を安全かつ円滑に行うことができる。
なお、図2においては、桁30a、母屋30b、棟木30c等の横架材30に対する垂木20の止めつけを前記垂木20の止めつけ方法及び止め具10で止めつけてあるが、横架材30としての桁30aに対する垂木20の止めつけに前記垂木20の止めつけ方法及び止め具10を用い、他の母屋30b、棟木30cに対する垂木20の止めつけを、プレート11を用いない木ねじ12のみや従前のひねり金物による止めつけでなすようにしてあってもよい。また、桁30aと棟木30cに対する垂木20の止めつけを前記垂木20の止めつけ方法及び止め具10でなすと共に母屋30bに対する垂木20の止めつけを、プレート11を用いない木ねじ12のみや、従前のひねり金物でなすようにしてあってもよい。さらに、特に、煽りに対応する必要な部分にある垂木20を前記垂木20の止めつけ方法及び止め具10で横架材30に止めつけ、他の部分にある垂木20は、プレート11を用いない木ねじ12のみや従前のひねり金物によって横架材30に止めつけるようにしてあってもよい。
図5〜図7は、横架材30の典型例である桁30aに垂木20を前記垂木20の止めつけ方法及び止め具10で止めつけた状態を示すものであって、軒先における垂木20の止めつけを上方からの作業のみで可能とし、手際よく、安全に、かつ、効率良く垂木20の止めつけを可能とし、しかも、図7に示されるように下方からプレート11の張り出し部11’を随時に視認することができ、逐一、屋根に上がって、垂木20の止めつけ状態を確認する必要がなく、垂木20の止めつけ状態の確認を容易なものとし、しかも、野地板40等の施工後においても、下方から、当該垂木20の止めつけ状態を前記張り出し部11’の有無の確認によってなすことができる。
図8及び図9は、横架材30の典型例である母屋30bに垂木20を前記垂木20の止めつけ方法及び止め具10で止めつけた状態を示すものであって、垂木20の止めつけを上方からの作業のみで可能とし、手際よく、かつ、効率良く垂木20の止めつけを可能とし、しかも、下方からプレート11の張り出し部11’を随時に視認することができ、逐一、屋根に上がって、垂木20の止めつけ状態を確認する必要がなく、垂木20の止めつけ状態の確認を容易なものとし、しかも、野地板40等の施工後においても、下方から、当該垂木20の止めつけ状態を前記張り出し部11’の有無の確認によってなすことができる。
図10及び図11は、横架材30の典型例である棟木30cに対して、その両側方から垂木20を前記垂木20の止めつけ方法及び止め具10で止めつけた状態を示すものであって、垂木20の止めつけを上方からの作業のみで可能とし、手際よく、かつ、効率良く垂木20の止めつけを可能とし、しかも、下方からプレート11の張り出し部11’を随時に視認することができ、逐一、屋根に上がって、垂木20の止めつけ状態を確認する必要がなく、垂木20の止めつけ状態の確認を容易なものとし、しかも、野地板40等の施工後においても、下方から、当該垂木20の止めつけ状態を前記張り出し部11’の有無の確認によってなすことができる。