JP5339948B2 - 高純度多結晶シリコン製造方法 - Google Patents

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本発明は、反応炉内でクロロシランと水素とを反応させて高純度多結晶シリコンを製造するシーメンス法による高純度多結晶シリコン製造方法に関し、特に水素ガスの循環使用のために、反応炉で発生する排ガスから高純度の水素ガスを効率よく回収する経済性に優れた高純度多結晶シリコンの製造方法に関する。
シーメンス法による多結晶シリコンの製造においては、その反応炉で化学式1に示す3つの反応が同時並行的に起こる。即ち、反応炉に原料ガスとしてトリクロロシラン(SiHCl3 )及び水素(H2 )が供給されると、(1)及び(2)の反応により多結晶シリコン(Si)が製造されると同時に、四塩化珪素(SiCl4 )、塩化水素(HCl)及び水素(H2 )が発生する。また(3)の反応によりジクロロシラン(SiH2 Cl2 )及び塩化水素(HCl)が発生する。このため、反応炉からの排ガスには、水素ガスの他に、未反応のトリクロロシラン(SiHCl3 )、副生物である塩化水素(HCl)、四塩化珪素(SiCl4 )、ジクロロシラン(SiH2 Cl2 )、ポリマー(SixHyClz)などの各種塩化物が含まれる。
Figure 0005339948
このような多結晶シリコン製造プロセスにおいては、反応炉から排出される排ガス中の水素ガスが循環使用されており、このために排ガスの精製処理が行われる。この排ガス精製処理で重要な課題は、低沸点である塩化水素の除去と、更に低沸点のメタン(CH4 )の除去である。排ガスへのメタンの混入原因は、反応炉内に設置された電極等の炭素材が、原料の水素ガスと反応して生じることにあると考えられている。そして、反応炉に循環する水素ガスにメタンが混入していると、そのメタンが多結晶シリコンに取り込まれるため、炭素汚染の原因となる。この炭素汚染は半導体用の高純度多結晶シリコンの製造では特に大きな問題となる。ちなみにトリクロロシランの沸点は31.8℃、塩化水素の沸点は−85℃、メタンの沸点は−162℃である。
塩化水素及びメタンの除去を考慮した排ガスの精製処理としては、冷却方式と吸着方式がある。これらを図2及び図3を参照して簡単に説明する。
冷却方式では、図2に示すように、反応炉1から排出された排ガスAが、まず凝縮器2に通される。凝縮器2では、排ガスAがトリクロロシランの沸点より低い例えば−30℃程度に冷却され、排ガスA中の主にトリクロロシランが凝縮分離される。凝縮器2から排出される排ガスBはコンプレッサ3で加圧されて吸収塔4に送られる。吸収塔4では、付属する冷却装置5及び図示されないポンプにより、トリクロロシランを主とする塩化物凝縮液が−50℃程度に冷却されて循環しており、ここに排ガスBが導入されて塩化物凝縮液と向流接触することにより、排ガス中の残留塩化物が凝縮分離されると共に、塩化水素が塩化物凝縮液中に吸収除去される。吸収塔から排出される排ガスCは、活性炭が充填された吸着塔6に通される。吸着塔6では、排ガス中に残留する塩化水素及び他の残留塩化物が吸着除去される。こうして、吸着塔6から排出される排ガスDは高純度の水素ガスとなって反応炉1に原料ガスとして再導入される。
冷却方式におけるメタンの除去プロセスについては後で詳しく説明する。
特許文献1により提示された排ガス処理方法はこの冷却方式の一種であり、吸着塔6に代えて第2の凝縮器を使用しており、前段の活性炭による変成塔で塩化水素を高沸点の塩化物に変成した後、その塩化物を他の残留塩化物と共に第2の凝縮器で凝縮分離する。
一方、吸着方式では、図3に示すように、反応炉1から排出された排ガスAが、まず凝縮器2に通される。凝縮器2では、排ガスAがトリクロロシランの沸点より低い例えば−30℃程度に冷却され、排ガスA中の主にトリクロロシランが凝縮分離される。凝縮器2から排出される排ガスBはコンプレッサ3で加圧されて第1吸着塔61 に送られる。第1吸着塔61 では、塔内に充填された活性炭により排ガスB中の主に塩化水素が吸着除去される。第1吸着塔61 から排出された排ガスD1 は第2吸着塔62 に送られる。第2吸着塔62 では排ガスD1 中の主にメタンが吸着除去される。第2吸着塔62 排出される排ガスD2 はピュアーな水素ガスであり、反応炉1に原料ガスとして再導入される。
特許文献2により提示された多結晶シリコン製造方法では、この吸着方式の排ガス精製処理により、排ガス中の塩化水素及びメタンが除去される。塩化水素の方がメタンよりも優先的に吸着処理されるのは、メタンは物性的に塩化水素より吸着されにくく、両者の混合ガスを活性炭吸着塔に通すと、塩化水素の吸着が完了するまでメタンの吸着が始まらないためと考えられる。
冷却方式でも吸着方式でも塩化水素の除去については大きな問題はない。しかし、メタンの除去については、何れの方式においても1ppmまでの除去は比較的容易であるが、それ以下の除去は困難である。これに加え、吸着方式では、塩化水素もメタンも活性炭のみで吸着するために、吸着塔の規模が大きくなり、塔内に充填される活性炭の量も多くなるため、冷却方式に比べて設備コストが高くなる。吸着塔を大きくし、活性炭量を多くすれば、メタンの更なる除去も可能であるかもしれないが、設備コストの更なる増大が大きな問題となる。
特開2001−59677号公報 特許第3727470号公報
本発明の目的は、反応炉に再導入される水素ガス中のメタン濃度を現状以上にしかも経済的に低下させることができる高純度多結晶シリコン製造方法を提供することにある。
図2に示した冷却法における排ガス精製プロセスは次のとおりである。凝縮器2では、反応炉1からの排ガスAがトリクロロシランの沸点より低い温度に冷却されることにより、排ガスA中のトリクロロシランが液化し、排ガスAから分離除去される。塩化水素及びメタンは、それらの沸点がトリクロロシランより低く、凝縮器2における冷却温度よりも低いので、凝縮器2では除去されない。凝縮器2の下流側に配置された吸収塔4は、凝縮器2を通過した後の排ガスB中のトリクロロシラン等の塩化物を凝縮させると共に、塩化水素をトリクロロシランの凝縮液に吸収させるためのものであり、吸収塔4の更に下流側に配置された吸着塔6は、吸収塔4を通過した後の排ガスC中の残留塩化水素を活性炭に吸着させて除去するためのものである。
これから分かるように、従来の冷却法による排ガス精製プロセスは、メタンを除去することを意図していない。しかし、実際には吸着塔6から排出される排ガスD1 中のメタン濃度は大幅に低下する。すなわち、反応炉1から排出される排ガスA中のメタン濃度はおおよそ20ppm程度であるところ、吸着塔6から排出される排ガスD1 中のメタン濃度は1ppm程度まで低下する。この理由を、これまでは吸着塔6内の活性炭による吸着作用と考えてきた。
すなわち、メタンの除去に活性炭が有効なことは特許文献3に記載されているとおりである。ただし、活性炭の特性として、メタンに対する吸着作用は、塩化水素に対する吸着作用よりも優先度が低いということがある。このため、活性炭が充填された吸着塔6内に流入する排ガスC中の塩化水素量が多い場合は、吸着塔6内の活性炭はその塩化水素の除去に使用され、吸着塔6から排出される排ガスD1 中のメタンは除去されない。逆に、吸着塔6内に流入する排ガスC中の塩化水素量が少ない場合は、吸着塔6内の活性炭はその塩化水素を吸着した後にメタンを吸着する。吸着塔6内に流入する排ガスC中に塩化水素が存在していなければ、吸着塔6内の活性炭の全量がメタンの除去に寄与する。
従来の冷却法による排ガス精製プロセスは、メタンを除去することを意図していないにもかかわらず、吸着塔6から排出される排ガスD1 中のメタン濃度が大幅に低下するのは、吸着塔4での塩化水素除去能力が高く、吸着塔6内に流入する排ガスC中には殆ど塩化水素が含まれていないために、吸着塔6内の活性炭の多くがメタンの除去に寄与し、この結果としてメタン濃度が低下することが理由と考えてきたのである。
しかしながら、本発明者が冷却法による排ガス精製プロセスにおける各ポイントで排ガス中のメタン濃度を測定したところによると、これまでの考えとは異なる新たな事実が明らかになってきた。それは、多くはないが凝縮器2でもメタン濃度が低下するという事実であり、更には吸収塔4でもメタン濃度が低下するという事実である。そして、勿論、吸着塔6でもメタン濃度は低下する。凝縮器2及び吸収塔4でメタン濃度が低下するのは、トリクロロシランの凝縮液にメタンが溶解するためと考えられる。ちなみに、凝縮器2でのメタン濃度の低下率は10%程度である。
本発明者はこれらの事実のなかの特に凝縮器2におけるメタン濃度の低下現象に着目し、ここにおける排ガスAの滞留時間を長くすれば、トリクロロシラン凝縮液へのメタンの溶解が進んで、最終的には反応炉1に再導入される排ガスD1 中のメタン濃度が低下すると考え、その効率について比較検討した。その結果、凝縮器2の規模増大(増設やサイズアップ)でメタン濃度の低下を図ることが、吸収塔4や吸着塔6の規模増大でメタン濃度の低下を図るよりも格段に経済的であることが判明した。
すなわち、凝縮器2は、通常はシェルアンドチューブ型熱交換器からなり、比較的安価であるので、通常1基のところ、2基乃至3基を並列或いは直列に接続しても、これによるコスト高は多くなく、その反面、メタン濃度低下効果は非常に大きいのである。換言すれば、凝縮器2の規模は、これまでは排ガスA中のトリクロロシランの凝縮分離の観点から、排ガスAの排出量や排ガスA中のトリクロロシラン濃度等に基づいて決定されてきたが、今回はこれを排ガスAの滞留時間、トリクロロシラン凝縮液へのメタン溶解促進の観点から、従来よりオーバースペックとするのである。
本発明の高純度多結晶シリコン製造方法は、かかる知見を基礎として完成されたものであり、反応炉内でクロロシランと水素とを反応させて多結晶シリコンを製造するシリコン製造方法において、反応炉から排出される排ガス中の水素ガスを精製し循環使用するために、前記排ガスを凝縮器に通して未反応のクロロシランを凝縮分離する際に、凝縮温度をメタンの沸点より高い−70〜−20℃に維持しつつ、前記凝縮器における排ガス滞留時間を0.1〜1.0秒とすることにより、前記凝縮器で排ガス中のメタン濃度を3/4以下に低下させるものである。
反応炉から排出される排ガス中のクロロシランを凝縮分離する凝縮器において、排ガス中のメタン濃度を3/4以下にする(低下率で25%以上とする)ならば、凝縮器より下流側での各種処理とあいまって、反応炉に戻る排ガス(水素ガス)中のメタン濃度を大幅に下げることができる。より具体的には、凝縮器から排出される排ガス中のメタン濃度が15ppm以上でも、反応炉に還流する排ガス(水素ガス)中のメタン濃度を1ppm未満とすることが可能である。
前記凝縮器において排ガス中のメタン濃度を3/4以下に低下させるためには、従来より使用されている凝縮器を複数基用意して並列又は直列、若しくは直並列に接続することにより排ガス滞留時間を長くする。或いは従来より使用されている凝縮器より大容量の凝縮器を使用して、凝縮器における排ガス滞留時間を長くする。経済性の点からは、従来より使用されている凝縮器を複数基接続して使用するのが望ましい。
凝縮器において排ガス中のメタン濃度を3/4以下に低下させる条件を排ガス滞留時間で言えば0.1〜1.0秒となり、0.2〜0.6秒が更に望ましい。排ガス滞留時間が短すぎると、本発明の効果が十分に得られないおそれがある。一方、排ガス滞留時間が長すぎると、本発明における設備コストが安価と言えども、設備コスト増を無視できなくなる。
前記凝縮器より下流側に配置される処理機器としては、塩化水素及び残余のメタンを除去する観点から、吸収塔と活性炭吸着塔との組合せを主体とする冷却方式(図2)でもよいし、活性炭吸着塔を主体とする吸着方式(図3)でもよく、更に別の方式であってもよく、その詳細は問わないが、経済性の点からは吸収塔と活性炭吸着塔との組合せを主体とするものが特に好ましい。
反応炉の下流側に配置される凝縮器での排ガス冷却温度を−70〜−20℃としたのは次の理由による。−20℃超ではクロロシラン類を十分に凝縮除去できない。−70℃未満では、クロロシラン類の凝縮量と比較して凝縮器の冷却に用いる冷凍機の負荷が過大となり、非効率である。ちなみに、この温度域でもメタンは気体である。
反応炉の下流側に配置された凝縮器でのメタンの除去量の上限については、反応炉に還流される水素ガス中のメタン濃度を低下させる点から多い方が望ましいが、除去量を多くするほど凝縮器の規模増大を招き、経済性が低下する。この観点から除去量の上限については1/4以上(低下率で75%以下)が望ましく、1/2以上(低下率で50%以下)が特に望ましい。
本発明の高純度多結晶シリコン製造方法は、反応炉から排出される排ガス中の水素ガスを精製し循環使用するために、前記排ガスを凝縮器に通して未反応のクロロシランを凝縮分離する際に、凝縮温度をメタンの沸点より高い−70〜−20℃に維持しつつ、前記凝縮器における排ガス滞留時間を0.1〜1.0秒として、前記凝縮器で排ガス中のメタン濃度を3/4以下に低下させることにより、循環水素ガス中のメタン濃度を大幅に低下させることができる。具体的には、前記凝縮器より下流側での各種処理とあいまって、前記凝縮器から排出される排ガス中のメタン濃度が15ppm以上であっても、前記反応炉に還流する排ガス中のメタン濃度を1ppm未満とすることができる。このように、本発明の高純度多結晶シリコン製造方法は、専用の活性炭吸着塔を使用したり、最終段の活性炭吸着塔を大型化することなく、凝縮器の僅かの設計変更(オーバースペック化)により、これを可能とするので、経済性に著しく優れる。
本発明の一実施形態を説明するための高純度多結晶シリコン製造設備のガス系統図である。 従来の高純度多結晶シリコン製造設備のガス系統図である。 従来の別の高純度多結晶シリコン製造設備のガス系統図である。
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態では、図1に示すように、CVD反応炉1に原料ガスとしてトリクロロシラン(SiHCl3 )及び水素(H2 )が供給される。これにより、CVD反応炉1では、多結晶シリコン(Si)が製造されると同時に、四塩化珪素(SiCl4 )、ジクロロシラン(SiH2 Cl2 )、塩化水素(HCl)及び水素(H2 )が発生する。その結果、CVD反応炉1からは、未反応の原料ガスを含め、四塩化珪素(SiCl4 )、トリクロロシラン(SiHCl3 )、ジクロロシラン(SiH2 Cl2 )、塩化水素(HCl)及び水素(H2 )の混合ガスからなる排ガスAが排出される。
この排ガスAは凝縮器2に送られる。凝縮器2は複数の多管式熱交換器からなり、具体的には、従来から使用されている多管式熱交換器からなる凝縮器2を複数並列に接続して、従来の単一使用の場合と比べてガス滞留時間を複数倍に延長する構成となっている。ガス冷却温度は−70〜−20℃、好ましくは−40〜−30℃の範囲内に設定される。これにより、排ガスA中の主だった塩化物〔主に低沸点であるHCl以外の塩化物(SiCl4 ,SiHCl3 ,SiH2 Cl2 )〕が凝縮除去される。また、凝縮器2の設計変更によるガス滞留時間の延長により、排ガスA中のメタン濃度が3/4〜1/4、好ましくは3/4〜1/2に低減される。
凝縮器2から排出される排ガスBは、コンプレッサ3で加圧されて吸収塔4に送られる。吸収塔4では、トリクロロシランの凝縮液が冷却器5で−50℃程度に冷却され、図示されないポンプにより吸収塔4に循環される。具体的には、低温のトリクロロシランの凝縮液が塔下部から抜き出されて塔上部から塔内に散布される。これと共に、排ガスBが塔下部から塔内に導入され、塔内を上昇して塔頂部から排出される。これにより、吸収塔4では排ガスBがトリクロロシランの凝縮液と向流接触し、排ガスB中の主に塩化水素が凝縮分離される。また、排ガスB中のメタンもトリクロロシランの凝縮液中に溶解し、メタン濃度が低下する。
吸収塔4から排出される排ガスCは、僅かの塩化物及びメタンを含む水素ガスである。この排ガスCは、活性炭が充填された吸着塔6に送られ、僅かに残る塩化物が活性炭により吸着除去されることにより、高純度の精製水素ガスDになる。この精製水素ガスDは、凝縮器2及び吸収塔4でメタンを溶解除去していることにより、メタン濃度も低い。精製水素ガスDは、CVD反応炉1に原料ガスとして再供給される。
吸収塔4の上流側には、特許文献1に示されるように、活性炭が充填された変成塔を設けることもできる。変成塔では、内部に充填された活性炭の触媒作用により、凝縮しにくい低沸点のHClが比較的低沸点のSiH2 Cl2 と反応し、比較的高沸点のSiHCl3 に変成される。それと同時に、変成されたSiHCl3 が、過剰に存在するHClと反応して、更に高沸点の塩化物であるSiCl4 に変成する。その結果、下流側に配置される吸収塔4の負担が軽減される。
また、吸収塔4に代えて、凝縮器を使用して排ガスB中の塩化水素を除去することも可能である。その場合、ガス冷却温度は、塩化物の除去効率を優先して低温が望ましく、具体的には−40℃未満が好ましい。排ガスB中のメタン除去の点からは、メタンの溶解除去効果の高い吸収塔4が好ましい。
以下に、本実施形態の有効性を定量的に示す。
従来例1として、図3に示す吸着方式により、反応炉から排出される排ガスA中の水素ガスを精製処理した。従来例2として、図2に示す冷却方式により、反応炉から排出される排ガスA中の水素ガスを精製処理した。
本発明の実施例1として、従来例1(吸着方式)において、排ガスA中のトリクロロシランを凝縮分離するための凝縮器を2基に増設し、並列接続して使用した。実施例2として、従来例2(冷却方式)において、排ガスA中のトリクロロシランを凝縮分離するための凝縮器を2基に増設し、並列接続して使用した。実施例3として、従来例2(冷却方式)において、排ガスA中のトリクロロシランを凝縮分離するための凝縮器を3基に増設し、並列接続して使用した。
比較例として、従来例2(冷却方式)において、排ガスA中のトリクロロシランを凝縮分離するための凝縮器を1基のままとし、吸着塔の更に下流側にメタン除去用の吸着器を増設して精製水素ガス中のメタン濃度を低下させた。
各例における各ポイントでの排ガス中のメタン濃度の測定結果、及び設備コストを表1に示す。反応炉1から排出される排ガスA中のメタン濃度はいずれの例でも20ppmである。設備コストは、従来例2(冷却方式)を1としたときの比率で表した。
Figure 0005339948
従来例1(吸着方式)、従来例2(冷却方式)ともに、凝縮器から排出される排ガスB中のメタン濃度は18ppmであり、排ガスA中のメタン濃度に対する比率は0.9である。また、反応炉に還流する排ガス(精製水素ガス)中のメタン濃度は1.0ppmである。設備費については、従来例1(吸着方式)の設備費は塩化水素及びメタンの除去に共に大規模な吸着塔を使用するために、従来例2(冷却方式)の設備費の1.6倍となる。吸収塔と吸着塔との組合せによる塩化水素及びメタンの除去プロセスは基本的に効率的である。
実施例1では、従来例1(吸着方式)において、排ガスA中のトリクロロシランを凝縮分離するための凝縮器を2基使用した。凝縮器から排出される排ガスB中のメタン濃度は15ppmに低下し、排ガスA中のメタン濃度に対する比率は0.75(3/4)である。この結果、反応炉に還流する排ガス(精製水素ガス)中のメタン濃度は0.7ppmに低下した。設備費の増加は1.6から1.7へと僅かである。
実施例2では、従来例2(冷却方式)において、排ガスA中のトリクロロシランを凝縮分離するための凝縮器を2基使用した。凝縮器から排出される排ガスB中のメタン濃度は15ppmに低下し、排ガスA中のメタン濃度に対する比率は0.75(3/4)である。この結果、反応炉に還流する排ガス(精製水素ガス)中のメタン濃度は0.7ppmに低下した。設備費の増加は1.0から1.15へと僅かである。元々の設備費が安価なため、従来例1(吸着方式)と比べて未だ十分に安価である。
実施例3では、従来例2(冷却方式)において、排ガスA中のトリクロロシランを凝縮分離するための凝縮器を3基使用した。凝縮器から排出される排ガスB中のメタン濃度は10ppmに低下し、排ガスA中のメタン濃度に対する比率は0.5(1/2)である。この結果、反応炉に還流する排ガス(精製水素ガス)中のメタン濃度は0.5ppmに低下した。設備費の増加は1.0から1.3へと大きくはない。元々の設備費が安価なため、従来例1(吸着方式)と比べて未だ十分に安価である。
比較例では、従来例2(冷却方式)において、排ガスA中のトリクロロシランを凝縮分離するための凝縮器は1基のままとし、吸着塔の下流側にメタン除去用の吸着塔を増設した。凝縮器から排出される排ガスB中のメタン濃度は18ppmであり、排ガスA中のメタン濃度に対する比率は0.9である。反応炉に還流する排ガス(精製水素ガス)中のメタン濃度は、実施例2(冷却式)と同じ0.7ppmに低下したが、設備費は実施例2(冷却方式)より格段に高くなり、吸着方式である従来例1、実施例1よりも更に高くなった。
これらの例から分かるように、排ガスA中のトリクロロシランを凝縮分離する凝縮器の規模増大は、反応炉に還流する排ガス(精製水素ガス)中のメタン濃度の低下に有効であり、設備コストの上昇を抑制するのにも有効である。また、凝縮器の規模増大がメタン濃度の低下に有効なのは、凝縮器の増大(並列化)によるガス滞留時間の増大によることが分かる。
1 反応炉
2 凝縮器
3 コンプレッサ
4 吸収塔
5 冷却装置
6,61 ,62 吸着塔

Claims (3)

  1. 反応炉内でクロロシランと水素とを反応させて多結晶シリコンを製造するシリコン製造方法において、反応炉から排出される排ガス中の水素ガスを精製し循環使用するために、前記排ガスを凝縮器に通して未反応のクロロシランを凝縮分離する際に、凝縮温度をメタンの沸点より高い−70〜−20℃に維持しつつ、前記凝縮器における排ガス滞留時間を0.1〜1.0秒とすることにより、前記凝縮器で排ガス中のメタン濃度を3/4以下に低下させることを特徴とする高純度多結晶シリコン製造方法。
  2. 請求項1に記載の高純度多結晶シリコン製造方法において、前記凝縮器から排出される排ガス中のメタン濃度が15ppm以上であり、前記反応炉に還流する排ガス中のメタン濃度が1ppm未満である高純度多結晶シリコンの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の高純度多結晶シリコン製造方法において、前記凝縮器から排出された排ガスを、吸収塔又は凝縮器、及び吸着塔を経て前記反応炉に還流させる高純度多結晶シリコン製造方法。
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