JP5339862B2 - 吐出状態検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット方式のプリンタにおいて、ノズルから吐出するインク滴を直接検出して不吐を検出する技術分野に関する。
インクジェット方式のプリントヘッドは、インクを吐出するための複数のノズルが並んで列を形成している。プリントヘッドを長時間放置したり取り扱いの仕方によっては、ノズルが目詰まりを起こして、一部のノズルがインク不吐出(以下、不吐と言う)となることがある。目詰まりを起こしたノズルを不良ノズルと言う。この状態でプリントを行なうと、プリント画像の中で不良ノズルに対応した位置に横スジが入ってしまい、プリント品質が劣化する。
この問題に対して、特許文献1は、光源と受光器を含む検出器を設けて、光源と受光器の間の検出光束を、インクノズル列の配列方向と平行に走査して、インク滴が吐出しているかどうかを1ノズルごとに検出する手法を開示している。
特開平4−269549号公報
光検出器の光源には小型で安価な光源、例えばLEDを用いることが好ましい。しかし、安価な光源は完全な平行光を得ることは難しい。発散光束であれば、光源から離れるほど単位面積当たりの光強度が弱まり、検出光束をインク滴が通過する際の受光器の出力は、検出位置によって変化する。この検出感度の位置依存性は、ノズル列が長尺であるほど顕著となる。出願人の実験により、光源と受光器の中間付近でインク滴を検出する場合の光の変調度が最も高く、光源側・受光器側に近づくにつれて変調度が小さくなる現象が確認された。
本発明は上記課題の認識に基づいてなされたものである。本発明の目的は、安価な光源を用いても、もしくは長尺のプリントヘッドであっても、位置によらず精度良く不良ノズルを検出することができる手法の提供である。
本発明は、上記目的を達成するため、インクを吐出するノズルが所定方向に複数配列されたノズル列が設けられたプリントヘッドと、該プリントヘッドを交換可能に搭載して移動するキャリッジと、光源と受光器と該受光器で受光した信号を増幅する増幅回路を有し、前記ノズルから吐出され前記光源と前記受光器の間の検出光束を通過するインクを光学的に検出する検出動作を行う検出手段を備えるプリンタにおける吐出状態検出方法において、前記プリントヘッドを交換したときに、前記ノズル列を複数に分割した領域ごとに、前記検出手段に前記検出動作を行わせたときの結果に基づいて前記増幅回路の増幅率を決定する決定工程と、前記ノズルごとに、当該ノズルからインクを吐出させたときに前記受光器で受光した信号と前記決定工程で決定された当該ノズルが属する領域の増幅率とに基づいて正常にインクが吐出されているかを検出する検出工程と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、LED等の安価な光源を用いても、もしくは長尺のプリントヘッドであっても、位置によらず精度良く不良ノズルを検出することができる。これにより、不良ノズルの影響を排除した信頼性の高いプリンタを実現することができる。
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示する。ただしこの実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する主旨のものではない。
以下、インクジェット方式のプリンタを例に挙げて説明するが、本発明のプリンタは、複写機能やスキャン機能を持った複合機、いわゆるマルチファンクションプリンタにも適用可能である。インクジェット方式は、発熱体を用いた方式、ピエゾ素子を用いた方式、静電素子を用いた方式、MEMS素子を用いた方式など、さまざまな方式を用いることができる。
(実施形態1)
図1は、本実施形態のインクジェットプリンタにおける、キャリッジ付近の主要部の構成を示す正面図である。キャリッジ101はプリントヘッド102を着脱可能に搭載し、プリントヘッド102にはインクタンク(不図示)から各色のインクを個別に供給する。キャリッジ101はシャフト103で案内して、キャリッジモータ104によって回転するキャリッジ搬送ベルト105によって、プラテン106上を主走査方向(X方向)に往復移動する。このシート状のメディア107は、搬送ローラ(不図示)によってプラテン106上を主走査方向と直交する副走査方向(Y方向)に搬送する。
プラテン106の横には、通過するインク滴を光学的に検出する検出器108を設けている。この詳細については後述する。さらに検出器108の横には、回復ユニット109を設けている。これは、非使用時にプリントヘッド102のインクが乾燥しないようにノズルをキャップで覆う機構、ノズルの外から負圧を与えて吸引することで不良ノズルの目詰まりを解消する回復機構、プリントヘッド102内にインクの充填する機構を備える。
図2は、プリントヘッド102のノズル面のノズル配列を示す。ノズル面はプリントの際にメディア107と対向する面であり、複数(本実施形態では6個)のノズルチップ201が主走査方向(X方向)に沿って配列されている。各ノズルチップ201は、副走査方向(Y方向)に沿って640個のノズル202が600dpiの密度で1列(ノズル列)を形成し、これを2列に配置したものである。2列のノズル列は、互いに副走査方向に半ピッチだけずれており、一度の主走査で副走査方向に1200dpiのプリント解像度を得ている。各ノズルチップ201にはそれぞれ異なった色のインクを供給し、本実施形態ではC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、LC(淡シアン)、LM(淡マゼンタ)、K(ブラック)の6色のインクを用いる。すなわち、プリントヘッド102全体では、6つのノズルチップ×各2列のノズル列で、計12列のノズル列を有する。
図3は、検出器108の構成を示す断面図である。検出器108は、光源であるLED301、受光器であるフォトダイオード302、インク吸収体303及び検出回路304から構成される。LED301とフォトダイオード302は対向し、LED301から発生する検出光束305の中心の光軸306は、副走査方向(Y方向)すなわちプリントヘッド102のノズル面のノズル列の形成方向と平行である。また、検出光束305の光軸306のZ方向における位置は、プラテン106に載置したメディア107のプリント面とほぼ同等の高さとなっている。LED301とフォトダイオード302との間隔は、プリントヘッド102のノズル列の副走査方向の長さよりも僅かに大きい程度であり、ノズル列に含まれる全てのノズルについてインク滴の検出を可能としている。各ノズルから吐出したインクは、スポンジ等のインク吸収体303で吸収する。LED301とフォトダイオード302は検出回路304に接続してる。
図4は、検出器108を中心とする制御部の電気ブロック図を示す。図の点線で囲まれた範囲が検出回路304の回路ブロックであり、CPU402とメモリ407はインクジェットプリンタ本体側のコントローラである。これらが一体として装置全体の制御部をなしている。
LED301は、CPU402の指令に基づいてLED駆動回路401で駆動して発光する。フォトダイオード302の受光出力は、I/V変換回路403で電流を電圧信号に変換する。LED駆動回路401は、I/V変換回路403の信号を監視し、電圧レベルが所望の一定値となるようにLED301の駆動電流を自動調整する。これにより経時的なLED301の特性変化が起きても常に一定の出力を維持することができる。I/V変換回路403からの信号は、微分回路404を経て、増幅回路405で変動成分を増幅する。増幅回路405はその増幅率をステップ的に変更可能であり、CPU402の制御によって所望の増幅率を設定する。
比較回路406では検出信号を基準電圧と比較する。検出光束をインク滴が通過して横切ると検出信号に出力変動が生じて、増幅回路405からの信号レベルが低下する。これが設定した基準電圧を下回ったら、比較回路406はインク滴が検出されたことを示す信号を出力する。CPU402はこれを受けてメモリ407に記憶する。検出信号が基準電圧を下回らない限り比較回路406は信号を出力しない。CPU402は複数の各ノズルを順次駆動してインクを吐出させ、吐出から所定の期間内に比較回路406からの信号がなかった場合は、そのノズルを不良ノズルと判断する。
<予備測定: 補正データの測定方法>
次に、図5のフローチャート図を用いて、予備測定の方法について説明する。予備測定では、検出器108での検出値を補正するための補正データテーブル(各ノズルに関する補正データ)を取得する。予備測定を行なうタイミングとしては、プリンタの初期セットアップ時やプリントヘッド102の交換直後などが望ましい。プリントヘッド102には僅かな個体差があるので、プリントヘッド102を交換するごとに、補正データを測定することで、個体差を吸収して不吐検出の精度を維持することができる。
ステップS501では、キャリッジ101を移動して、プリントヘッド102に含まれる12個のノズル列のうちの1つを、検出器108と対向する検査位置に位置させる。
ステップS502では、検出器108の調整値である増幅率を設定する。ここでは検出回路304内の増幅回路405での増幅率を設定する。最初に設定する増幅率は、メモリ407に予め決められた値として記憶したものを読み出す。
ステップS503では、検査するノズルチップ201のノズル列の中の所定のノズルを選択して、選択した検査ノズルからインクを吐出させる。補正データの測定においては、1つのノズル列を複数領域(本実施形態では5領域)に分割する。そして、それぞれの領域において、領域中央付近の5つのノズルを用いて検査する。すなわち、1列の全ノズルについて検査するのではなく、5領域で各5つのノズル、計25個のノズルのみを代表的に用いて測定する。25個のノズルについてインク滴の吐出は1ノズルごとに行ない、一度の検査において1ノズルあたり10発のインク滴を連続吐出させる。インク滴が検出器108の検出光束を横切る瞬間、フォトダイオード302での受光量が低下する。これを捉えるために、I/V変換回路403、微分回路404、増幅回路405を経たフォトダイオード302の出力信号を、比較回路406にて基準電圧と比較する。出力信号が基準電圧を下回る時(期間)だけ、比較回路406からインク滴を検出したことを示す信号が出力される。比較回路406から出力された信号はCPU402で受けて、検査ノズルに駆動信号を与えてから検出信号が得られるまでの時間をメモリ407に記憶する。次のノズル駆動までの間に検出信号が得られなかった場合も、得られなかったことをメモリに407に記憶する。同様にして、各領域の検査対象ノズル全てに関して検出を繰り返す。
図6は、インク滴吐出位置、増幅後のセンサ出力信号、閾値の関係図である。図6(a)は、5つの領域(1)〜(5)に分割したノズル列と、検出器108の検出光束との位置関係を示す。図6(b)は、それぞれの領域(1)〜(5)について、ある増幅率で増幅したセンサ信号の例であり、縦軸はセンサ出力の振幅を示し、グラフ中の横線は比較回路406で設定する基準電圧である。同図を見ると、中央の領域(3)での信号の振幅(光の変調度合い)がいちばん大きい。これに較べて、LED301やフォトダイオード302も近い領域になるほど振幅が小さい。このように、光源と受光器の中間付近でインク滴を検出する場合の光の変調度が最も高く、光源側・受光器側に近づくにつれて変調度が小さくなる。これは、光源付近ではインク滴が遮光する光強度は大きいものの回折の影響によって受光器の出力変動は小さくなるためと考えられる。逆に、受光器付近では光強度が小さいため受光部の出力変動も小さくなる。
図5のステップS504では、以上のように25個の全ての検査対象ノズルについてインク滴の検出を行なったら、ここで用いた増幅率が、閾値(補正データ)として適切か否かを判定して閾値を決定する。判定の手順は以下のとおりである。
各領域ごとに、選択した5つのノズルのうち、3つ以上のノズルで信号が得られた(増幅後のセンサ出力信号が基準電圧を下回った)場合は“適切”、3つ未満であれば“不適切”と判定する。この判定を5つの領域全てについて行なう。
1回だけでは閾値を決定することはできないので、1回目の判定結果を元に増幅回路405の増幅率の変化(増加させるか減少させるか)を決定して、ステップS502に戻って、2度目の検査を同様に行なう。具体的には、ある領域の1回目の判定結果が適切であった場合、その領域は2回目の検査では1回目での増幅率よりも1ステップ低い増幅率を設定する。逆に、1回目の判定結果が不適切であった場合、その領域は2回目の検査では1回目での増幅率よりも1ステップ高い増幅率を設定する。このように増幅率を設定し直して(ステップS502)、2回目の検査を行なう(ステップS503)。
2回目の検査の結果を元に再度判定を行なう。具体的には、1回目の検査では適切であったが2回目では不適切になった場合は、1回目の検査での増幅率をその領域における閾値として決定する。逆に、1回目の検査では不適切であったが2回目では適切となった場合は、2回目での増幅率をその領域における閾値として決定する。また、1回目、2回目のいずれも適切となった場合は、さらに1ステップ低い増幅率を設定して3回目の検査を行なう。また、1回目、2回目のいずれも不適切となった場合は、さらに1ステップ高い増幅率を設定して3回目の検査を行なう。このように、1列を構成する各領域について、前の検査結果に対し、判定結果が反転するまで増幅率の変更と検査を行ない、全ての領域について閾値が決定するまで繰り返す。(ステップS504)
ステップS505では、プリントヘッドが有する全てのノズル列(12列)について、上述の領域ごとの閾値の決定が終了したか判断する。NOの場合は、ステップS510に戻って、別のノズル列を検査位置に移動させて、同様の手順で検査を繰り返す。YESの場合は、ステップS506に移行する。
ステップS506では、ノズル列ごと、領域ごとに求めた全ての閾値を、補正データテーブルとしてメモリ407に記憶する。図6(b)に示したとおり、検出器108の検出感度は検出位置によって変動する。上述の手順で決定した閾値は、検出位置に依存した感度変動を反映して、感度変動の影響を補正するための値である。すなわち、検出感度の高い領域では低い増幅率を、検出感度の低い領域では高い増幅率を設定するための閾値であり、これにより、不良ノズル検出の際には、全体としては均一な検出を行なうことができる。
図6(c)のグラフ図は、各領域に対応して決定した閾値をプロットしたものである。検出感度の高い中央の領域(3)では閾値は低くなり、周辺にいくほど閾値は高くなる。このように領域ごとに求めた閾値を、補正データテーブルとしてメモリ407に記憶する。これは、以下に説明する実際の不良ノズルの検出において、検出器の出力を補正するために用いる。
<不良ノズルの検出方法>
上述の予備測定で得た補正データテーブルを用いた不良ノズルの検出手順について、図7のフローチャート図を用いて説明する。不吐検出を行なうタイミングとしては、プリントヘッド102を交換した直後や、一定の枚数のプリントを行なった後、あるいはユーザがクリーニング動作を指示した場合である。
ステップS701では、不吐検出を行なうノズル列が検出器108上の検査位置に来るようにキャリッジ101を移動させる。
ステップS702では、上述の手順でメモリ407に記憶した補正データテーブルを参照して、そのノズル列の中で最初に吐出する領域(5分割した領域の1つ)に対応した補正データを読み出し、それに応じた増幅率を増幅回路405に設定する。補正データとして記憶しているのは閾値である。実際に設定する増幅率は、その閾値に対し数カウント分だけ上の値となる。増幅率の変化量が入力値に対し線形であるとすれば、閾値から同じカウント数だけ増幅率を上げたことによるセンサ信号の振幅レベルの変化量はほぼ均一と考えることができる。そのため、閾値に対して数カウント分だけ増幅率を上げたセンサ信号レベルは、ノズル列中のどの領域においても同等であり、且つインク滴を検出するための閾値に対して十分なレベルとなる。
ステップS703では、領域ごとに1ノズルずつ順にインク滴の吐出を行なう。ノズルの不吐検出においては、実際のプリント時と同等の吐出周波数および加熱条件にてノズルの吐出駆動を行なう。1ノズルあたり10発のインク滴を連続吐出させる。インク滴が検出器108の検出光束を横切る瞬間、フォトダイオード302での受光量が低下する。設定した増幅率での増幅後のセンサ出力が基準電圧を下回る時(期間)だけ、比較回路406からインク滴を検出したことを示す信号が出力される。ノズルを駆動をしたにもかかわらず吐出されなかった場合には、センサ出力は基準電圧よりも高いままとなり、比較回路406から信号が出力されない。ノズルに吐出信号を与えてから所定期間内(次のノズルの駆動までの間)に、比較回路406から信号が出力されない場合は、そのノズルが不良ノズルであることが判る。CPU402は、検査ノズルに駆動信号を与えてから検出信号が得られるまでの時間をメモリ407に記憶する。検出信号が得られなかった場合も、得られなかったことをメモリに407に記憶する。分割した1つの領域中の全てのノズルに対して同様に吐出と検出を行なう。
ステップS704では、1列のノズルが全て終了したかを判断して、NOの場合はステップS702に戻って、次の領域に適した増幅率に設定し直して、同様の処理を繰り返す。YESの場合は、ステップS705に移行する。
ステップS705では、検査対象であるノズル列の全てにおいて検査が終了したかを判断する。NOの場合は、ステップS701に戻って、別のノズル列を検査位置に位置合わせてして、同様の処理を繰り返す。YESの場合は、ステップS706に移行する。
ステップS706では、メモリ407に記憶された検出情報を解析して、不良ノズルの有無を判断する。上述のように検出信号が得られなかったノズルは、不良ノズルと判断する。また、吐出信号を与えてから検出信号が得られるまでの時間が、近傍の他のノズルの平均的な時間に較べて著しくずれているものがないかを調べて、正常ノズルか不良ノズルかを判断する。著しく時間がずれているものは、吐出はしているものの、インク滴の吐出方向が本来の方向からずれていたり、ノズル近傍に異物があって吐出量が少ない等の理由によるものと考えられる。このノズルを用いてプリントを行なうと、結果として画像品位を下げてしまう可能性が大きい。よって、このようなノズルも不良ノズルと判断する。
ステップS706で、不良ノズルが全く無し(YES)と判断した場合は、処理を終了する。不良ノズルが有り(NO)と判断した場合は、ステップS707に移行して回復動作の必要の有無を判断する。その判断手法は次のとおりである。
ステップS707では、それまでに何度の回復動作を行なったかカウントした回数を参照する。所定の回数(N回)以下であれば、ステップS708に移行して回復動作を実行する。一方、所定の回数(N回)よりも多くの回復動作を既に行なっている場合は、回復の見込みが無い、あるいは検出器108に何かしらの異常があるものと判断し、エラーを表示して装置の動作を中断する。
ステップS708の回復動作では、不良ノズルと判断したノズルは実際のプリントの際に使用しないように駆動を制御する。すなわち、不良ノズルでプリントすべき領域は、他の正常ノズルによって補完してプリントを行なう。また、別の回復動作として、プリントヘッド102を回復ユニット109に移動させて、ノズル目詰まりを除去するクリーニング処理を行なうようにしてもよい。クリーニング処理には、例えば、多量のインクを吐出させるようにプリントヘッドを駆動する方法、ノズルの外部から負圧を与えてインクを強制的に吸引して目詰まりを除去する方法、インクタンク側からインクを加圧して強制的にインクを押し出す方法などがある。
なお、以上の説明では、補正データの測定とその後の不吐検出において、ノズル列の分割数を同じにしているが、不吐検出の分割数をより多くするようにすれば、補正データ測定に要する時間を短縮することが可能となる。この場合、測定した補正データから補間演算によって間の領域のデータを決定する。
以上説明した本実施形態によれば、安価な光源を用いても位置によらず精度良く不良ノズルを検出することができる。また、プリントヘッドが長尺になるほど、その効果は大きなものとなる。
(実施形態2)
実施形態1では、増幅回路405における増幅率を変更して検出器108の感度を調整するものであるが、本実施形態では、比較回路406における基準電圧を変更する。なお、装置の全体構成や動作は実施形態1と類似が多いので、異なる箇所を中心に説明する。
図8は本実施形態の電気ブロック図である。D/Aコンバータ801は、CPU402からの指示値をアナログ信号に変換して、これを比較回路406に基準電圧として入力する。増幅回路405の増幅率は一定に固定する。
補正データの測定時には、実施形態1と同様、複数回の検査を行なう。各領域について、前の検査結果に対し、判定結果が反転するまで基準電圧の変更と検査を行ない、全ての領域について閾値が決定するまで繰り返す。具体的には、ある領域を“適切”と判断した場合は、次の検査では1ステップ高い基準電圧を設定する。逆に、“不適切”と判断した場合は、次の検査では1ステップ低い基準電圧になるように設定する。
このように、検出器108の感度調整に、増幅率ではなく、比較回路406の基準電圧を変更することで、実施形態1と同様、均一な検出感度を得ることが可能となる。これにより、安価な光源を用いても位置によらず精度良く不良ノズルを検出することができる。
(実施形態3)
本実施形態は、センサ信号をA/D変換しCPU402が信号の解析を行なって、不良ノズルを検出するものである。図9の電気ブロック図において、A/D変換回路901は、増幅回路405で増幅されたセンサ信号をデジタル変換して、CPU402に入力する。
図10は、補正データの測定手順を表すフローチャート図である。ステップS1001では、キャリッジ101を移動して、ノズル列のうちの1つを、検出器108と対向する検査位置に位置させる。ステップS1002では、インク滴の吐出を1ノズルごとに行なう。インク滴が検出器108の検出光束を横切る瞬間、フォトダイオード302での受光量が低下する。フォトダイオード302の出力信号は、I/V変換回路403、微分回路404を経て、増幅回路405で増幅する。増幅した出力信号は、A/D変換回路901によってデジタル値に変換して、CPU402では一定の周期でサンプリングする。サンプリングデータはメモリ407に記憶する。
ステップS1003では、1つの領域を代表する5ノズルのうち、1ノズルに相当するサンプリングデータについて、領域の中での最小値を抽出する。同様に残りのノズルで得たサンプリングデータについても最小値を抽出して、同一領域での5ノズルの平均最小値を求める。各領域の最小値は、図6(b)における領域(1)〜(5)のそれぞれの最小値に対応する。ステップS1004では、全てのノズル列について同様の処理を繰り返す。ステップS1005では、上述の手順で得られた、領域ごとの平均最小値を、補正データとしてメモリ407に記憶する。本実施形態では、補正データ測定での吐出が1ノズルあたり1回で良いため、測定時間がより短縮されるという利点がある。
以上の初期動作の後、不良ノズルの検出を行なう。不良ノズル検出のために、あるノズルからインク滴を吐出したら、CPU402はA/D変換回路901からのデジタル値をサンプリングして測定データ(各ノズルごとに対応した複数のサンプリングデータ)を得る。CPU402は、そのノズルに該当する領域の補正データ(平均最小値)をメモリ407から読み出して、補正データとインクを吐出させない時の信号レベルとの中央値を閾値とする。そして、CPU402は測定データと閾値とを比較して、対応する全てのサンプリングデータが閾値を下回わらなければ、そのノズルは不吐出ノズルと判定する。閾値を下回るデータがあれば、インク滴の吐出開始から信号が閾値を下回るまでの時間ズレから、上述した手法により正常・不良の判断を行なう。
(実施形態4)
実施形態1および実施形態2では、補正データを用いて不良ノズル検出を行なう際に、回路の増幅率や基準電圧を順次調整しながら検査を行なう。しかしながら、増幅率や基準電圧を変更して安定した測定を行なうには、回路が安定するのに要する待ち時間を持たせることが望ましい。この待ち時間は短時間ではあるが、ノズル列を複数領域に分割してそれぞれの切り替わりで待ち時間を挿入すると、全ノズル列のトータルとしては比較的大きな遅延につながる。そこで本実施形態では、遅延を最小限にするために、領域単位で増幅率や基準電圧の大小に応じて、小さい順又は大きい順に吐出の順序を入れ替える。
図11の表は、ある1つのノズル列における分割領域について、増幅率と吐出順序を表したものである。なお。実施形態2(図8)の形態に適用する場合は、増幅率の欄を基準電圧に置き換えて考えればよい。各領域における増幅率や基準電圧の求め方は、実施形態1や実施形態2で説明したとおりである。
不吐検出を行なう領域の順序は、各領域における増幅率の大小を比較して、増幅率が小さいものから大きいもの順とする。逆に、大きいものから小さいのの順にしてもよい。あるいは、増幅率が同じ複数の領域をまとめて順に行ない、他の領域はその前後どちらかに行なう順序としてもよい。
図11の例では、最も増幅率が小さいのは領域(3)である(増幅率2)ので、これを最初に検査する。CPU402は、増幅回路405(図4)に増幅率2を設定した上で、領域(3)に含まれるノズルを1つずつ順番に吐出を不吐検査を行なう。次に増幅率が小さいのは、ともに増幅率5で同値の領域(2)と領域(4)である。CPU402は増幅回路405を増幅率5に変更する。増幅率を変えたので回路が安定するのに必要な時間だけ待ち時間(ウェイト)を入れる。その後、領域(2)の吐出と検査を行ない、続いて領域(4)の吐出と検査を行なう。これら領域(2)と領域(4)の間には待ち時間を入れない。なぜなら、これらは増幅率が同じで変更がないため、安定化までの待ち時間は必要ないからである。続いて、領域(5)、領域(6)の順に吐出と検査を行なう。
このように、分割領域の検査の順序を、増幅率や基準電圧の大小に応じて設定し、同じ値の領域をまとめて順に検出するようにしたので、領域の切り替わりでの増幅率や基準電圧の変更の回数、すなわち待ち時間の挿入回数を最小限に抑えることができる。したがって、トータルの検査時間をより短縮することが可能となる。
(実施形態5)
予備測定で補正データを取得する際に、各領域の代表として選んだノズルの中に不良ノズルが含まれる可能性がある。このような状態で予備測定を行なうと、正しい補正データを得ることができない。そこで、本実施例では、代表ノズルが正常であるかを判断して、不良ノズルがあれば別のノズルに変更するものである。
図12は、補正データの測定手順を表すフローチャート図である。ステップS1201〜S1203は、図5で説明したステップS501〜S503と同様である。ステップS1204では、ある領域を代表する5つのノズルの検出の結果が、全て一致するか否かを判定する。もし、5つのノズル全てで設定された同じ出力変動が得られた場合はすべて正常ノズルと判定して、次のステップS1205に移行する。もし、5つ全てが一致しなかった場合(例えば、4ノズルが検出、1ノズルが非検出という結果になった場合)は、ステップS1208に移行して、非検出の1ノズルが不良なのか正常なのかの判定を行なう。
ステップS1208では、次のように判定を行なう。ある領域内での各ノズルの検出感度はほぼ同等なので、ノイズの影響を考慮して1ステップ分の増幅率の誤差は許容するものとする。この場合、増幅率を2ステップ変更しても、やはり非検出となったノズルは異常ノズルの可能性が高い。そこで増幅率を1ステップずつ上げながら、再度、吐出と検査を2回行なう。その結果もやはり5つのノズルが一致しなければ、非検出のノズルは不良と判断する。そして、ステップS1209に移行して、代表ノズルを別のノズルに変更して置き換える。置き換えるノズルは不良ノズルに近接したものとする。その後、ステップ1203に戻って、再度吐出を検査を行ない、ステップS1205に抜けるまで同様に繰り返す。ステップS1205から先は先の図5で説明したものと同じ手順である。
キャリッジ付近の主要部の構成を示す正面図 ノズル面のノズル配列を示す図 検出器の構成を示す断面図 検出器を中心とする電気ブロック図 補正データの測定手順を示すフローチャート図 インク滴吐出位置、センサ信号、閾値の関係図 ヘッド不吐検出フローチャート図 別の実施形態における電気ブロック図 別の実施形態における電気ブロック図 補正データの測定手順を示すフローチャート図 増幅率設定値と吐出順序を表す表 補正データの測定動手順を示すフローチャート図
符号の説明
101 キャリッジ
102 プリントヘッド
103 シャフト
104 キャリッジ搬送モータ
105 搬送ベルト
106 プラテン
107 メディア
108 検出器
109 回復ユニット
301 LED
302 フォトダイオード
303 インク吸収体
304 検出回路

Claims (4)

  1. インクを吐出するノズルが所定方向に複数配列されたノズル列が設けられたプリントヘッドと、該プリントヘッドを交換可能に搭載して移動するキャリッジと、光源と受光器と該受光器で受光した信号を増幅する増幅回路を有し、前記ノズルから吐出され前記光源と前記受光器の間の検出光束を通過するインクを光学的に検出する検出動作を行う検出手段を備えるプリンタにおける吐出状態検出方法において、
    前記プリントヘッドを交換したときに、前記ノズル列を複数に分割した領域ごとに、前記検出手段に前記検出動作を行わせたときの結果に基づいて前記増幅回路の増幅率を決定する決定工程と、
    前記ノズルごとに、当該ノズルからインクを吐出させたときに前記受光器で受光した信号と前記決定工程で決定された当該ノズルが属する領域の増幅率とに基づいて正常にインクが吐出されているかを検出する検出工程と、を備えることを特徴とする吐出状態検出方法。
  2. 前記決定工程は、前記領域に属する一部のノズルを用いて当該領域の増幅率を決定することを特徴とする請求項1に記載の吐出状態検出方法。
  3. 前記検出工程は、前記分割した領域ごとに検出動作を行うものであり、各領域の増幅率の大小に基づいて前記検出動作を行う領域の順序を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の吐出状態検出方法。
  4. 前記プリンタは、前記決定工程で決定された増幅率を記憶するためのメモリをさらに備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の吐出状態検出方法。
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