JP5339597B2 - 製鉄所でのエネルギー運用方法 - Google Patents

製鉄所でのエネルギー運用方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5339597B2
JP5339597B2 JP2009065735A JP2009065735A JP5339597B2 JP 5339597 B2 JP5339597 B2 JP 5339597B2 JP 2009065735 A JP2009065735 A JP 2009065735A JP 2009065735 A JP2009065735 A JP 2009065735A JP 5339597 B2 JP5339597 B2 JP 5339597B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
blast furnace
air
power generation
nitrogen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009065735A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009257324A (ja
Inventor
二彦 中川
博之 井田
たかし 原岡
啓 岸本
卓 那須
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
JFE Engineering Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
JFE Engineering Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp, JFE Engineering Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2009065735A priority Critical patent/JP5339597B2/ja
Publication of JP2009257324A publication Critical patent/JP2009257324A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5339597B2 publication Critical patent/JP5339597B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E20/00Combustion technologies with mitigation potential
    • Y02E20/16Combined cycle power plant [CCPP], or combined cycle gas turbine [CCGT]

Landscapes

  • Engine Equipment That Uses Special Cycles (AREA)
  • Industrial Gases (AREA)
  • Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)

Description

本発明は、製鉄所で発生する副生ガスを燃焼させて発電するガスタービンコンバインド発電設備の運転方法に関し、詳しくは、高炉ガスから窒素及び二酸化炭素を分離・除去した改質高炉ガスを燃料ガスとするガスタービンコンバインド発電設備の運転方法に関し、また、前記ガスタービンコンバインド発電設備により製鉄所の電力を供給したときの製鉄所でのエネルギー運用方法に関するものである。
銑鋼一貫製鉄所において、鉄鉱石を還元して溶銑を製造する高炉の炉頂から排出される高炉ガスは、熱風炉燃料ガス、コークス炉燃料ガス及び発電用燃料ガスとして有効利用されている。
しかしながら高炉ガスは、その組成が、一酸化炭素:21.1〜26.2体積%、二酸化炭素:19.3〜23.2体積%、水素:2.9〜5.3体積%、窒素:52.5〜59.2体積%であり、可燃性ガス成分が少なく、その発熱量が3031〜3784kJ(723〜903kcal/Nm3)と低く(第4版鉄鋼便覧(CD-ROM)No.1第2巻製銑・製鋼、2002年7月30日発行、表42-5・7(2000)を参照)、単独で燃料ガスとして使用すると、燃焼ガス温度が低くて高温用途には適していない。これは、水素、一酸化炭素、メタンなどの可燃性ガス成分が少ない上に、これらの可燃性ガス成分の燃焼で発生する熱量が可燃性ガス成分以外の不活性ガス成分である窒素や二酸化炭素の加熱に消費されることによるものである。
そこで、高炉ガスと同様に製鉄所の副生ガスであるコークス炉ガスや転炉ガスなどの2000kcal/Nm3以上の発熱量を有する高カロリー副生ガスと混合して、上記用途に利用している。高炉ガスとコークス炉ガス及び/または転炉ガスと混合したガスは混合ガス或いはMガスと呼ばれている。尚、製鉄所における副生ガスの発生量では、高炉ガスの発生量が他の副生ガスに比べて極めて多く、高炉ガスを混合ガス化する理由は、発熱量を上げて、この高炉ガスを有効利用するためである。
この混合ガスを燃料ガスとして利用したガスタービンコンバインド発電設備の例を図1に示す。図1において、符号1はガスタービン、2は蒸気タービン、3は発電機、4は燃料ガス圧縮機、5は空気圧縮機、6は燃焼器、7は排ガスボイラー、8は2つの歯車からなる変速機である。図1に示すように、ガスタービンコンバインド発電設備は、ガスタービン1、蒸気タービン2、発電機3が同軸上に配置されて構成されている。ガスタービンコンバインド発電設備は、従来の蒸気タービン式の発電設備よりも発電効率が高いことから、銑鋼一貫製鉄所やゴミ焼却設備などにおいて広く採用されている。
このガスタービンコンバインド発電設備では、燃料ガス圧縮機4を出た高温高圧の燃料ガスと、空気圧縮機5を出た高温高圧の空気とを、燃焼器6に導入して燃焼させ、高温高圧の燃焼ガスを発生させる。この高温高圧の燃焼ガスを、ガスタービン1に導いてガスタービン1を回転駆動させ、これにより発電機3を回転駆動させて発電する。また、ガスタービン1から排気された排ガスを排ガスボイラー7に導き、そこで蒸気を発生させ、この蒸気を、蒸気タービン2に供給して蒸気タービン2を回転駆動させ、これにより発電機3を回転駆動させて発電する。即ち、燃料ガスの燃焼によって発生する高温高圧の燃焼ガスで発電機3を回転駆動させるとともに、この燃焼ガスの排熱を利用して生成させた蒸気で発電機3を回転駆動させて発電する設備である。
従来、製鉄所においては、ガスタービンコンバインド発電設備の燃料ガス圧縮機4に導入する燃料ガスとしては、発熱量が900〜1000kcal/Nm3程度の混合ガスを使用することが一般的であった(例えば、特許文献1を参照)。因みに、高炉ガスの発熱量を800kcal/Nm3、コークス炉ガスの発熱量を4500kcal/Nm3とすると、高炉ガスにおよそ5体積%のコークス炉ガスを混合すると、発熱量が1000kcal/Nm3の混合ガスを得ることができる。
特開平2−119639号公報
しかしながら、製鉄所における従来のガスタービンコンバインド発電設備では、上記のように燃料ガスとして、発熱量が900〜1000kcal/Nm3程度の混合ガス(Mガス)を使用しており、混合ガス中の可燃性ガス成分が少ないことから、燃料ガス圧縮機の動力負荷が高く、ガスタービンコンバインド発電設備の発電効率は、現状最も高いものでも49%程度であり、燃焼温度が同一である、LNGを燃料ガスとするガスタービンコンバインド発電設備での発電効率(=55%以上)に比較して低いという問題点があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、製鉄所で発生する副生ガスを燃焼させて発電するガスタービンコンバインド発電設備において、従来に比べて発電効率を高くすることのできるガスタービンコンバインド発電設備の運転方法を提供するとともに、発電効率を高くしたガスタービンコンバインド発電設備を用いて製鉄所の電力を供給したときの製鉄所での最適のエネルギー運用方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係るガスタービンコンバインド発電設備の運転方法は、高炉炉頂から排出される高炉ガスからガス中の二酸化炭素及び窒素を分離除去して前記高炉ガスに比較して発熱量を高めた改質高炉ガスを製造し、この改質高炉ガスを、燃料ガスとしてガスタービンコンバインド発電設備の燃料ガス圧縮機に導入し、ガスタービンコンバインド発電設備の燃焼器で燃焼させて発電することを特徴とするものである。
第2の発明に係るガスタービンコンバインド発電設備の運転方法は、第1の発明において、前記高炉ガス中の二酸化炭素及び窒素は、製鉄所の排熱または第1の発明に記載のガスタービンコンバインド発電設備の運転方法により得られた電力を利用して分離除去されることを特徴とするものである。
第3の発明に係るガスタービンコンバインド発電設備の運転方法は、第1または第2の発明において、前記改質高炉ガスの発熱量は1070kcal/Nm3以上であることを特徴とするものである。
第4の発明に係るガスタービンコンバインド発電設備の運転方法は、第1ないし第3の発明の何れかにおいて、前記高炉には、空気よりも酸素濃度を高めた酸素富化空気が吹き込まれることを特徴とするものである。
第5の発明に係るガスタービンコンバインド発電設備の運転方法は、第4の発明において、前記酸素富化空気の酸素濃度は、25〜96体積%であることを特徴とするものである。
第6の発明に係るガスタービンコンバインド発電設備の運転方法は、第4または第5の発明において、前記酸素富化空気は、圧力の増加または温度の低下に伴って窒素吸着量が増加する窒素吸収用吸着剤が配置された、軸心を中心として回転可能な円筒型容器を有し、前記窒素吸収用吸着剤に対してそれぞれ反対側の方向から、圧力または温度が異なる乾燥した空気を供給し、相対的に圧力を高めた空気または相対的に温度を低くした空気に対して脱窒素処理を施し、相対的に圧力を下げた空気または相対的に温度を高くした空気に対して窒素富化を施し、相対的に圧力を高くした空気または相対的に温度を低くした空気の酸素富化を行う回転式酸素富化空気製造装置によって製造された酸素富化空気であることを特徴とするものである。
第7の発明に係る製鉄所でのエネルギー運用方法は、第1ないし第6の発明の何れか1つに記載のガスタービンコンバインド発電設備の運転方法で発電される電力を製鉄所の各設備に供給し、余剰の電力を用いて二酸化炭素地中貯蔵のための電力または鉄スクラップ溶解のための電力として利用することを特徴とするものである。
第8の発明に係る製鉄所でのエネルギー運用方法は、第1ないし第6の発明の何れか1つに記載のガスタービンコンバインド発電設備の運転方法で発電される電力を製鉄所の各設備に供給し、余剰の電力分に相当する発電を中止し、この発電量に必要な改質高炉ガスの熱量に相当する高炉ガスまたは改質高炉ガス若しくはコークス炉ガスを、高炉に吹き込むことを特徴とするものである。
本発明によれば、不活性ガス成分が分離・除去された、高炉ガスに比較して発熱量を高めた改質高炉ガスを、ガスタービンコンバインド発電設備の燃料ガスとして使用するので、ガスタービンコンバインド発電設備の燃料ガス圧縮機の動力が削減され、この動力の削減分に相当する量の発電量を増加させることができ、その結果、従来に比べて発電効率を大幅に高くすることが達成される。また、ガスタービンコンバインド発電設備の発電効率が上昇することで、製鉄所の電力をガスタービンコンバインド発電設備による発電量のみで補うことができ、余剰の電力の有効活用によって二酸化炭素の削減が推進される。
本発明を実施したガスタービンコンバインド発電設備の構成を示す概略図である。 本発明に好適な回転式酸素富化空気製造装置の概略斜視図である。 図2に示す回転式酸素富化空気製造装置の一部分を構成する第1の円筒型容器及び第2の円筒型容器の概略斜視図である。 ゼオライトの窒素吸着量と圧力との関係を定性的に示す図である。 ゼオライトの窒素吸着量と圧力及び温度との関係を定性的に示す図である。
以下、本発明を具体的に説明する。
製鉄所で発生する副生ガスを燃料ガスとするガスタービンコンバインド発電設備において、発電効率を高めるべく検討した結果、従来、燃料ガスとして使用している、副生ガスからなる混合ガスは発熱量が低く、そのために、ガスタービンコンバインド発電設備の燃料ガス圧縮機での負荷が大きく、多大の動力を消費していることが分かった。従って、燃料ガスの発熱量を高めることにより、燃料ガス圧縮機の負荷が減少して動力が削減され、動力の削減分に相当する分の発電量を高められることが分かった。
そこで、ガスタービンコンバインド発電設備で使用する燃料ガスの発熱量を高めることを検討した。前述したように、製鉄所で発生する副生ガスのうちで、コークス炉ガス及び転炉ガスは、高炉ガスに比較しておよそ3倍以上の発熱量を有しており、コークス炉ガス及び転炉ガスを単独で使用すれば目的を容易に達成するが、最も発生量の多い高炉ガスの用途が確保できず、高炉ガスを無駄にするという問題が発生する。また、混合ガス中の高炉ガスの配合比率を下げ、その分、コークス炉ガス及び転炉ガスの配合比率を高くすれば、混合ガスの発熱量を高めることはできるが、コークス炉ガス及び転炉ガスの発生量は限られる上に、コークス炉ガス及び転炉ガスは、従前から製鉄所下工程の鋼材加熱炉において高炉ガスの増熱用として利用されており、これ以上の余裕のないのが実情である。
これらを考慮して、本発明では、高炉ガスから不活性ガス成分を分離・除去した改質高炉ガスを、ガスタービンコンバインド発電設備の燃料ガスとすることとした。
表1に、水素(以下、「H2」とも記す)を4.4体積%、窒素(以下、「N2」とも記す)を49.9体積%、一酸化炭素(以下、「CO」とも記す)を23.6体積%、二酸化炭素(以下、「CO2」とも記す)を22.1体積%含有する高炉ガスから、二酸化炭素のみを完全に除去したとき(改質高炉ガス1)、及び、二酸化炭素と窒素を除去したとき(改質高炉ガス2)のガス成分と発熱量を示す。尚、改質高炉ガス2の二酸化炭素及び窒素は、それぞれ90%除去可能(CO2:22.1体積%→2.2体積%、N2:49.9体積%→5.0体積%)として算出している。体積比は、高炉ガスの体積を1.0としたときの体積の比率である。
Figure 0005339597
表1に示すように、発生ままの高炉ガスの発熱量は825kcal/Nm3であり、この高炉ガスから二酸化炭素のみを完全に分離したとき(改質高炉ガス1)には、可燃性ガス成分の増加分はおよそ8体積%に止まり、可燃性ガス成分の合計量は36体積%程度しかなく、発熱量は1062kcal/Nm3で、発熱量の増加分は少ない。これに対して、二酸化炭素及び窒素をそれぞれ90%分離除去したとき(改質高炉ガス2)には、可燃性ガス成分の合計量はおよそ80体積%に達し、発熱量は2346kcal/Nm3まで増加する。
これらの結果から、二酸化炭素のみを分離・除去しただけでは、従来のガスタービンコンバインド発電設備の操業と大差なく、改善効果は少ないことが分かったので、本発明では、高炉ガスから二酸化炭素及び窒素を分離・除去した高カロリーの改質高炉ガスをガスタービンコンバインド発電設備の燃料ガスとして使用することとした。この場合、二酸化炭素及び窒素の除去率に応じて発熱量は変化するが、発電効率を高めるには、少なくとも1070kcal/Nm3以上の発熱量が得られるように二酸化炭素及び窒素を除去することが好ましい。尚、改質高炉ガスの発熱量は高いほど望ましく、1500kcal/Nm3以上の発熱量が得られるように、二酸化炭素及び窒素を除去することが更に好ましい。発熱量の上限は、高炉ガスの組成を考慮すれば2950kcal/Nm3程度である。
ここで、改質高炉ガスの発熱量を更に高める手法として、製鉄所内で許容される範囲内で(例えば、従来ベースの使用量の範囲内で)コークス炉ガスや転炉ガスを混合することも可能であり、本発明の範囲内である。
本発明は、これらの検討結果に基づきなされたものであり、高炉炉頂から排出される高炉ガスからガス中の二酸化炭素及び窒素を分離除去して前記高炉ガスに比較して発熱量を高めた改質高炉ガスを製造し、この改質高炉ガスを、燃料ガスとしてガスタービンコンバインド発電設備の燃料ガス圧縮機に導入し、ガスタービンコンバインド発電設備の燃焼器で燃焼させて発電することを特徴とする。
本発明において、高炉炉頂から排出される高炉ガスからガス中の二酸化炭素及び窒素を分離・除去する方法は特に規定する必要はなく、二酸化炭素及び窒素は、化学吸収法、物理吸収法、膜分離法、吸着法などの如何なる方法で分離・除去してもよい。例えば、二酸化炭素の分離方法としては、アミン法、膜分離法、PSA法などを用い、窒素の分離方法としては、膜分離法、PSA法などを用いることができる。但し、二酸化炭素及び窒素を同時に分離除去するのではなく、2段分離、つまりどちらか一方を除去した後に残りの他の一方を除去することとする。ここで、高炉ガスからの二酸化炭素及び窒素の分離に費やす動力などのエネルギー源は、省エネルギー及び二酸化炭素発生量の削減などの観点から、高炉炉体の冷却水、転炉排ガスの冷却水、加熱炉排ガスなどの製鉄所の排熱から回収したエネルギーを利用することが好ましい。また、本発明を適用することにより、ガスタービンコンバインド発電設備の発電効率が向上し、電力の供給に余裕の生ずることが期待できるので、その余った電力を利用して高炉ガスからの二酸化炭素及び窒素の分離を行うこともできる。
二酸化炭素の分離に関して、アミン法は、他の方法よりも安価に分離し且つ大形化が可能であることから、設備規模が大きい場合には有利であるが、窒素の同時分離はできないため、2段分離構成とし、2段目に窒素分離を実施する。また、膜分離法、PSA法においては、用いる材料により分離特性が異なるため、2段分離構成とした方が、分離率が向上する上に、可燃性ガス成分のロス率も低下する。従って、好ましくは、1段目の二酸化炭素の分離は、安価で設備規模を大きくすることのできるアミン法または安価に処理が可能で中小規模の設備として実績のあるPSA法を使用し、2段目の窒素の分離は、PSA法を使用するものとする。二酸化炭素及び窒素の分離・除去の目安は、前述したように、分離・除去後の改質高炉ガスの発熱量が1070kcal/Nm3以上、更に好ましくは1500kcal/Nm3以上となるようにすればよい。
このようにして高炉ガスから二酸化炭素及び窒素を分離・除去して製造した改質高炉ガスを、ガスタービンコンバインド発電設備の燃料ガスとして使用する。以下、図1を参照して、ガスタービンコンバインド発電設備の運転方法を説明する。尚、図1は、本発明を実施したガスタービンコンバインド発電設備の構成を示す概略図である。
改質高炉ガスを燃料ガスとして燃料ガス圧縮機4に導入し、この燃料ガス圧縮機4により改質高炉ガスの温度及び圧力を高める。そして、高温高圧化された改質高炉ガスを燃焼器6に供給する。また、燃焼用の空気を空気圧縮機5に導入し、この空気圧縮機5により高温高圧の空気を得る。この高温高圧化された空気を燃焼器6に供給する。高温高圧化された改質高炉ガスは、高温高圧化された空気によって燃焼器6で燃焼し、高温高圧の燃焼ガスを生成する。この燃焼ガスをガスタービン1に導いてガスタービン1を回転駆動させ、これにより発電機3を回転駆動させて発電する。
また、ガスタービン1から排気された排ガスを排ガスボイラー7に導き、そこで蒸気を発生させ、この蒸気を、蒸気タービン2に供給して蒸気タービン2を回転駆動させ、これにより発電機3を回転駆動させて発電する。
ガスタービンコンバインド発電設備では、ガスタービン1、蒸気タービン2、発電機3、空気圧縮機5が同軸上に配置されており、そのために発電が効率的に行われる。そして、本発明では、燃料ガスとして発熱量を高めた改質高炉ガスを使用するので、つまり、不活性ガス成分が分離・除去された改質高炉ガスを使用するので、従来、混合ガスを燃料ガスとしていたときには燃料ガス圧縮機4において不活性ガス成分の昇温・加圧に費やされていた動力が不必要となり、その分に相当する動力が削減され、発電量が増加する。
発電量が300MW級のガスタービンコンバインド発電設備においては、燃料ガス圧縮機4における動力の削減分は40MW以上に達し、発電量を10%以上増加させることが可能となる。燃料ガス圧縮機4は、ガスタービン1、蒸気タービン2及び発電機3などと同軸上に配置されておらず、変速機8を介して接続されているので、燃料ガス圧縮機4で使用される動力量は、変速機8を調整することにより容易に調整することができる。
以上説明したように、本発明によれば、不活性ガス成分が分離・除去された、発熱量の高い改質高炉ガスをガスタービンコンバインド発電設備の燃料ガスとして使用するので、ガスタービンコンバインド発電設備の燃料ガス圧縮機の動力が削減され、この動力の削減分に相当する量の発電量を増加させることができる。
本発明においては、高炉ガスから二酸化炭素及び窒素を分離・除去した改質高炉ガスを、ガスタービンコンバインド発電設備の燃料ガスとして使用する。この二酸化炭素及び窒素の分離の効率を高めるために、高炉には空気ではなく酸素富化空気を吹き込み、高炉ガスに含有される窒素を予め少なくするとともに、高炉ガスの発生量を少なくすることが好ましい。
即ち、本発明においては、高炉炉頂から排出される高炉ガスを回収し、回収した高炉ガスから二酸化炭素及び窒素を分離・除去するが、高炉下部に設けた羽口から空気を吹き込んだ場合、排出される高炉ガスには55体積%程度の窒素が含有され、また、窒素の含有量が多いことから高炉ガスの発生量が多くなる。多量の高炉ガスを分離処理の対象とすることによるコスト上昇、及び、大量に含まれる窒素を分離処理することによるコスト上昇を抑制するために、本発明においては、25体積%以上の酸素を含有する酸素富化空気を羽口から高炉に吹き込み、高炉ガスに含有される窒素を少なくするとともに、高炉ガスの発生量を少なくすることが好ましい。酸素富化空気を吹き込む場合には、空気を吹き込んだ場合の酸素吹き込み量と同量の酸素を吹き込めばよく、吹き込み量は空気を吹き込んだ場合と比較して少なくなる。尚、高炉ガスに含有される窒素を少なくするためには、酸素富化空気中の酸素濃度は高い方が望ましく、30体積%以上の酸素を含有することが好ましく、35体積%以上の酸素を含有することが更に好ましい。酸素富化空気の酸素濃度が25体積%未満では、窒素の削減量が少なく、効果が小さい。
酸素富化空気の酸素濃度の上限は、酸素製造コストを考慮すれば、96体積%以下とするのが好ましい。高炉の操業上からは、70体積%程度までの酸素濃度で十分である。勿論、製鉄所内における酸素の需給バランスから、酸素富化空気として純酸素を用いても良い。しかし、空気から酸素濃度が96体積%超えの酸素富化空気を分離するためには、窒素以外にアルゴンを分離する必要があり、そのための分離エネルギーが必要になり、経済的でない。
高炉内に吹き込まれた空気中の窒素は反応に寄与せず、供給した量がそのまま炉頂から排出しており、従って、酸素富化空気を高炉内に吹き込むことにより、空気よりも窒素含有量が減少した分、高炉ガス中の窒素含有量が減少し、且つ、高炉ガス発生量が減少する。これにより、分離処理の対象となる高炉ガス量が減少し、且つ排出される高炉ガス中の窒素濃度が減少することにより、二酸化炭素及び窒素の分離が効率化される。
因みに、窒素濃度が54体積%である高炉ガスが排出される高炉操業において、空気に替えて酸素濃度が25体積%の酸素富化空気を吹き込んだ場合には、高炉ガス中の窒素含有量はおよそ48体積%になって、窒素量はおよそ20体積%削減され、また、空気に替えて酸素濃度が30体積%の酸素富化空気を吹き込んだ場合には、高炉ガス中の窒素含有量はおよそ42体積%になって、窒素量はおよそ38体積%削減される。また更に、空気に替えて酸素濃度が35体積%の酸素富化空気を吹き込んだ場合には、高炉ガス中の窒素含有量はおよそ36体積%になって、窒素量はおよそ50体積%削減され、更に、酸素濃度が50体積%の酸素富化空気を吹き込んだ場合には、高炉ガス中の窒素含有量はおよそ24体積%になる。
本発明において、高炉に酸素富化空気を吹き込む理由は、排出される高炉ガス中の窒素含有量を、上記のように大幅に低減させるためである。
酸素富化空気の製造方法としては、深冷分離装置、膜分離装置、回転式酸素富化空気製造装置などを用いることができ、何れの方法で製造しても構わないが、酸素濃度が50体積%程度までの比較的酸素濃度の低い酸素富化空気を製造する場合には、安価で且つ省エネルギーに酸素富化空気を製造可能な回転式酸素富化空気製造装置を採用することが好ましい。深冷分離装置は、大量製造には向いているが、低酸素濃度の酸素富化空気の製造にはコスト的に不向きである。
以下に、回転式酸素富化空気製造装置について説明する。図2は、本発明で使用した回転式酸素富化空気製造装置の概略斜視図、図3は、図2に示す回転式酸素富化空気製造装置の一部分を構成する第1の円筒型容器及び第2の円筒型容器の概略斜視図であり、(A)が第1の円筒型容器、(B)が第2の円筒型容器を示している。
図2に示すように、管体23の内部には、軸心12aを中心として電動機(図示せず)により回転可能な第1の円筒型容器12が配置され、この第1の円筒型容器12を挟み、軸心12aの方向に相対して第2の円筒型容器13及び第3の円筒型容器14が配置されている。第2の円筒型容器13及び第3の円筒型容器14は、その軸心方向を第1の円筒型容器12の軸心12aと同一とし、軸心12aを中心として電動機(図示せず)により回転可能となっている。この場合、これらの第1〜第3の円筒型容器を同一の電動機で回転させても、また、それぞれ個別の電動機で回転させてもどちらでも構わない。個別の電動機で回転させる場合に回転数がそれぞれ異なっていても構わない。また、図2では回転方向が同一であるが、異なっていても構わない。
第1の円筒型容器12の内部は、図3(A)に示すように、軸心12aから放射状に伸びる仕切板18によって複数に仕切られており、仕切られたそれぞれの部位には、金網、ネット(図示せず)などで囲まれて、窒素吸収用吸着剤15が充填されている。また、窒素吸収用吸着剤15を表面に塗布したハニカム構造体を、仕切られたそれぞれの部位に配置するようにしてもよい。窒素吸収用吸着剤15としては、窒素吸収能に優れることからゼオライトを用いることが好ましい。尚、ゼオライトとは、結晶性無機酸化物であり、具体的には、結晶性シリケート、結晶性アルミノシリケート、結晶性メタロシリケート、結晶性アルミノホスフェート、結晶性メタロアルミノホスフェートなどで構成された結晶性マイクロポーラス物質である。また、仕切板18は、第1の円筒型容器12の剛性を確保するための補強材としても機能している。
第2の円筒型容器13の内部構造は、図3(B)に示すように、第1の円筒型容器12の内部構造と同様であり、仕切板18によって仕切られたそれぞれの部位には、金網、ネットなどで囲まれて、水分吸収用吸着剤16が充填されている。また、水分吸収用吸着剤16を表面に塗布したハニカム構造体を、仕切られたそれぞれの部位に配置するようにしてもよい。図示はしないが第3の円筒型容器14の内部構造も第2の円筒型容器13の内部構造と同一であり、仕切板18によって仕切られたそれぞれの部位には、水分吸収用吸着剤17が配置されている。水分吸収用吸着剤16及び水分吸収用吸着剤17としては、シリカゲルなどの慣用の水分吸収用吸着剤を使用することができる。
管体23の内部には、第1の円筒型容器12、第2の円筒型容器13及び第3の円筒型容器14を挟んで管体23の中心線を通る位置に分離板24が設置されており、分離板24によって管体23の内部に2つの流路が形成されている。つまり、図2において、左側下段の第1の空気供給流路19に供給された空気は、第2の円筒型容器13、第1の円筒型容器12、第3の円筒型容器14の順に通過し、右側下段の第1の空気排出流路21に排出するようになっている。一方、図2において、右側上段の第2の空気供給流路20に供給された空気は、第3の円筒型容器14、第1の円筒型容器12、第2の円筒型容器13の順に通過し、左側上段の第2の空気排出流路22に排出するようになっている。
この回転式酸素富化空気製造装置11においては、このように空気を逆向き方向に流すことを必須条件としている。但し、第1の円筒型容器12、第2の円筒型容器13及び第3の円筒型容器14は軸心12aを中心として連続的或いは断続的に回転しており、そのために、第1の空気供給流路19から供給された空気の全てが第1の空気排出流路21から排出するわけではなく、同様に、第2の空気供給流路20から供給された空気の全てが第2の空気排出流路22から排出するわけではなく、一部分の空気は相互に混合するが、この回転式酸素富化空気製造装置11においては、一部分の空気の混合は問題としない。
第1の空気供給流路19、第2の空気供給流路20、第1の空気排出流路21及び第2の空気排出流路22にはそれぞれ配管(図示せず)が連結されており、これらの配管を介して第1の空気供給流路19及び第2の空気供給流路20へ空気が供給され、また、これらの配管を介して第1の空気排出流路21及び第2の空気排出流路22から排出される空気が所定の場所に導かれる。
このようにして構成される回転式酸素富化空気製造装置11を用い、以下のようにして空気から酸素富化空気を製造する。
先ず、窒素吸収用吸着剤15として用いるゼオライトの窒素吸着能について説明する。図4は、ゼオライトの窒素吸着量と圧力との関係を定性的に示す図で、図5は、ゼオライトの窒素吸着量と圧力及び温度との関係を定性的に示す図である。
図4に示すように、ゼオライトは圧力が高くなるほど窒素吸着量が増加する性質があり、圧力P1の雰囲気下で空気をゼオライトに接触させると、ゼオライトは吸着量がC1値となるまで窒素を吸着する。これにより、空気の窒素は減少し、窒素が減少した分に相当するだけ酸素富化が行われる。一方、圧力P2ではゼオライトの窒素吸着量はC2値に低下するので、C1値まで吸着していたゼオライトは、圧力P2の空気に触れると吸着していた窒素を放出し、ゼオライトの吸着量はC1値からC2値まで低下する。窒素が放出された空気の窒素含有量は増加し、窒素富化が行われる。
つまり、ゼオライトに圧力の異なる空気を接触させることで、圧力差により定まる窒素吸着量の差に応じて、相対的に圧力の高い空気の酸素富化が行われ、一方、相対的に圧力の低い空気の窒素富化が行われる。ゼオライトに圧力の異なる空気を交互に接触させることで、ゼオライトは窒素の吸着と放出とを繰り返し行い、窒素吸着量が飽和状態のままで留まることはなく、半永久的に酸素富化が行われる。
また、図5に示すように、ゼオライトは温度によっても窒素吸着量が異なり、圧力が一定であっても、温度の低下に伴って窒素吸着量が増加する。つまり、圧力をP3の一定値として、温度T2よりも低温の温度T1の空気をゼオライトに接触させると、ゼオライトは吸着量がC3値となるまで窒素を吸収する。これにより、空気の窒素は減少し、窒素が減少した分に相当するだけ酸素富化が行われる。一方、温度T2ではゼオライトの窒素吸着量はC4値に低下するので、ゼオライトは、温度T2の空気に触れると吸着していた窒素を放出し、ゼオライトの吸着量はC3値からC4値まで低下する。窒素が放出された空気の窒素含有量は増加し、窒素富化が行われる。
つまり、ゼオライトに温度の異なる空気を接触させることで、温度差により定まる窒素吸着量の差に応じて、相対的に温度の低い空気の酸素富化が行われ、一方、相対的に温度の高い空気の窒素富化が行われる。ゼオライトに温度の異なる空気を交互に接触させることで、ゼオライトは窒素の吸着と放出とを繰り返し行い、窒素吸着量が飽和状態のままで留まることはなく、半永久的に酸素富化が行われる。
この場合、酸素富化する側の空気の圧力を高め且つ温度を低くすることで、図5からも伺い知れるように、ゼオライトの窒素吸着量の差はより大きくなり、酸素富化を効率的に行うことが可能となる。
次に、このようなゼオライトの窒素吸着能を利用して、空気から酸素富化空気を製造する方法を説明する。
即ち、図2において、第1の円筒型容器12、第2の円筒型容器13及び第3の円筒型容器14を、軸心12aを中心として連続的或いは断続的に回転させながら、第1の空気供給流路19から供給する空気の圧力を第2の空気供給流路20から供給する空気の圧力よりも高くするか、または、第1の空気供給流路19から供給する空気の温度を第2の空気供給流路20から供給する空気の温度よりも低くするか、または、第1の空気供給流路19から供給する空気を、第2の空気供給流路20から供給する空気に比べて圧力を高く温度を低くして、第1の空気供給流路19及び第2の空気供給流路20から空気を供給する。供給する空気の圧力調整は、例えば、空気を送風するための送風機の吐出圧力の調整などによって行い、供給する空気の温度調整は、供給配管にヒーターなどを設置することによって行うことができる。
第1の空気供給流路19から供給された空気は、第2の円筒型容器13に配置された水分吸収用吸着剤16と接触して水分が除去され(「脱水分処理」という)、脱水分処理された空気は、第1の円筒型容器12に配置された窒素吸収用吸着剤15と接触する。ここで、第1の空気供給流路19から供給された空気は、第2の空気供給流路20から供給された空気に比較して圧力が高い、または温度が低い、または圧力が高く温度が低いので、ゼオライトなどからなる窒素吸収用吸着剤15によって窒素が吸着され、窒素が減少して、酸素富化が行われる(「脱窒素処理」という)。脱窒素処理は「酸素富化処理」ともいう。
一方、第2の空気供給流路20から供給された空気は、第3の円筒型容器14に配置された水分吸収用吸着剤17と接触して脱水分処理が施され、脱水分処理された空気は第1の円筒型容器12に流入し、第1の円筒型容器12に配置された窒素吸収用吸着剤15と接触する。第2の空気供給流路20から供給された空気は、第1の空気供給流路19から供給された空気に比較して圧力が低い、または温度が高い、若しくは圧力が低く温度が高いので、この空気と接触することによってゼオライトなどからなる窒素吸収用吸着剤15の窒素吸着量が低下し、窒素吸着量の差分の窒素が第2の空気供給流路20から供給された空気に放出される。これにより、第2の空気供給流路20から供給された空気の窒素濃度が増加する(「窒素富化処理」という)。このようにすることで、窒素吸収用吸着剤15は窒素吸着量が飽和状態のままで留まることはなく、連続して窒素の吸着・放出を遂行する。
その後、第2の空気供給流路20から供給された、窒素富化処理された空気は、第2の円筒型容器13に流入し、水分吸収用吸着剤16と接触する。水分吸収用吸着剤16は第1の空気供給流路19から供給された空気と接触し、この空気に含まれる水分を吸着しているが、第2の空気供給流路20から供給された空気は、第3の円筒型容器14に配置された水分吸収用吸着剤17によって既に水分が除去された乾燥状態の空気であるので、水分吸収用吸着剤16に吸着した水分は、第2の空気供給流路20から供給された空気に放出され、この空気の水分濃度は上昇する(「水分富化処理」という)。つまり、水分吸収用吸着剤16は水分吸着量が飽和状態のままで留まることはなく、連続して水分の吸着・放出を遂行する。
同様に、第1の空気供給流路19から供給された、脱窒素処理つまり酸素富化処理された空気は、第3の円筒型容器14に流入し、水分吸収用吸着剤17と接触する。水分吸収用吸着剤17は第2の空気供給流路20から供給された空気と接触して、この空気に含まれる水分を吸着しているが、第1の空気供給流路19から供給された空気は、第2の円筒型容器13に配置された水分吸収用吸着剤16によって既に水分が除去された乾燥状態の空気であるので、水分吸収用吸着剤17に吸着した水分は、第1の空気供給流路19から供給された空気に放出される。つまり、水分吸収用吸着剤17も水分吸着量が飽和状態のままで留まることはなく、連続して水分の吸着・放出を遂行する。
第1の円筒型容器12、第2の円筒型容器13及び第3の円筒型容器14の回転数は、各吸着剤の吸着量が飽和吸着量に達しないうちに180度回転(半回転)するように、各吸着剤の吸着能力に応じて設定すればよい。
このように、本発明に好適な回転式酸素富化空気製造装置11では、窒素吸収用吸着剤15を挟んでその両側に水分吸収用吸着剤16及び水分吸収用吸着剤17を配置し、これらの吸着剤に対して各々反対側の方向から空気を供給するので、窒素吸収用吸着剤15には常に乾燥した空気がそれぞれ反対側の方向から送られ、窒素吸収用吸着剤15は水分の影響を受けることなく、供給される空気から窒素を吸収するとともに、吸収した窒素を反対側から供給される空気に放出する。また、水分吸収用吸着剤16及び水分吸収用吸着剤17は水分の吸着及び放出を交互に繰り返して行う。これにより、窒素吸収用吸着剤15、水分吸収用吸着剤16及び水分吸収用吸着剤17の吸着量は飽和状態のままで留まることはなく、長期間にわたって連続的に酸素富化空気を製造することが可能であるという、優れた特徴を有する。
尚、上記説明の回転式酸素富化空気製造装置11では、窒素吸収用吸着剤15、水分吸収用吸着剤16及び水分吸収用吸着剤17がそれぞれ分離した円筒型容器に配置されているが、円筒型容器を1つとし、その1つの円筒型容器の内部に、水分吸収用吸着剤16、窒素吸収用吸着剤15、水分吸収用吸着剤17の順に配置してもよく、また、円筒型容器を管体23の内部に配置するとともに、空気の流路を管体23の内部に配置しているが、円筒型容器のみを管体23の内部に配置し、空気の流路は独立した配管としてもよい。
このようにして回転式酸素富化空気製造装置11を用いて酸素富化空気を製造することにより、深冷分離装置により純酸素を製造し、この純酸素を空気に混合して酸素富化空気を製造する場合に比較して、電力原単位を大幅に削減することが可能となる。
ところで、本発明を適用することで、ガスタービンコンバインド発電設備の発電効率が向上する。本発明者等の検討によれば、製鉄所下工程の鋼材加熱炉においては、従前通り、高炉ガスとともに、高炉ガスの増熱用としてコークス炉ガス及び転炉ガスを使用し、それ以外の高炉ガスから得られる、二酸化炭素及び窒素の分離・除去された改質高炉ガスを、ガスタービンコンバインド発電設備の燃料ガスとして発電することで、発電効率が大幅に向上することから、その発電量は製鉄所の各設備で使用する電力量を十分に上回ることが分かっている。つまり、本発明を適用することで、改質高炉ガスを燃料ガスとするガスタービンコンバインド発電設備のみの発電量で十分に製鉄所の各設備の電力を供給可能となることが分かっている。
この余剰の電力の有効利用の方法としては、近年の地球温暖化防止対策の一環として、CO2地中貯蔵のための電力として使用する、または、電気炉における鉄スプラップ溶解用電力として活用することが好ましい。尚、鉄源としては、通常、高炉にて鉄鉱石を還元して製造される溶銑と鉄スクラップとが使用されているが、高炉での溶銑の製造には、鉄鉱石を還元し且つ溶融するための多大なエネルギーを要するのに対し、鉄スクラップは溶解熱のみを必要としており、鉄スクラップを利用した場合には、鉄鉱石の還元熱分のエネルギー使用量を少なくすることができるという利点、つまり、省エネルギー及びCO2削減という利点が得られるからである。
また、余剰の電力を発電せずに、この余剰の電力を発電するために必要な改質高炉ガスの熱量に相当する高炉ガスまたは改質高炉ガスを、還元剤として高炉に吹き込むことも可能である。高炉ガス及び改質高炉ガスには、一酸化炭素及び水素が含有されており、これらが鉄鉱石の還元剤として機能する。この場合、余剰の電力の発電に相当する高炉ガスまたは改質高炉ガスの代わりに、コークス炉ガスを高炉に吹き込むことも可能である。
即ち、本発明を適用することにより高炉ガスの発熱量が高くなり、製鉄所内下工程の鋼材加熱炉、均熱炉、焼鈍炉、保持炉などにおいて、改質された高発熱量の高炉ガスを優先的に使用することにより、燃料発熱量調整用のコークス炉ガスに余裕がでてくる。これにより、余裕が生じたコークス炉ガスを高炉に吹き込むことが可能となる。コークス炉ガスには一酸化炭素のみならず、水素やメタンガスが含まれており、水素やメタンガスによる高炉内での鉄鉱石の還元が起こり、水素やメタンガスに相当する当量分のコークスを削減することができる。
高炉では炉頂から、主原料である鉄鉱石、還元剤及び燃料であるコークス、及び造滓剤である石灰石などを装入し、下部側壁に設けた羽口から1000℃以上に加熱された熱風を吹き込んで鉄鉱石を還元して溶銑を製造している。鉄鉱石は、炉内を降下する間に、コークスの燃焼熱及び熱風によって加熱されるとともに、コークスや微粉炭の燃焼によって生成するCOによって還元される。この還元反応は、「FeOn+nCO→Fe+nCO2」で表され、「間接還元」と呼ばれている。また、コークス或いは微粉炭と直接反応することでも還元されている。この還元反応は、「FeOn+nC→Fe+nCO」で表され、「直接還元」と呼ばれている。
羽口から、改質高炉ガスまたは高炉ガス若しくはコークス炉ガスを熱風とともに炉内に吹き込むことにより、改質高炉ガスまたは高炉ガス若しくはコークス炉ガスに含有されるCO、H2、メタンガスなどにより、鉄鉱石は還元される。従って、改質高炉ガス、高炉ガス或いはコークス炉ガスの供給量に相当する当量分の還元剤を削減することができる。この場合、高炉の熱効率を高める上で、改質高炉ガス、高炉ガス及びコークス炉ガスも熱風と同様に、500℃以上まで加熱した後に炉内に供給することが好ましい。
発電量が300MW規模である、図1に示すガスタービンコンバインド発電設備において、燃料ガスとして、前述した表1に示す、二酸化炭素及び窒素を90%分離・除去した改質高炉ガス2(発熱量:2346kcal/Nm3)を使用した場合(本発明例)と、発熱量825kcal/Nm3の高炉ガスと発熱量4250kcal/Nm3のコークス炉ガスとの混合ガス(発熱量:1050kcal/Nm3、コークス炉ガスの配合量:6.6体積%)を使用した場合(従来例)とで、発電量を比較した。
その結果、表2に示すように、本発明例においては、燃料ガス圧縮機の動力が従来例に比較して30MW削減され、この30MW分の発電量の増加が得られた。これにより発電効率は49%から53%に向上し、効率的な発電が可能となった。
Figure 0005339597
年間粗鋼生産量が1000万トンの製鉄所において、本発明を適用した場合の検討結果を説明する。検討の前提条件として、製鉄所で発生する副生ガスを、製鉄所下工程の鋼材加熱炉などで所定通り使用し、それ以外の高炉ガスを、前述した表1に示す改質高炉ガス2に改質し、ガスタービンコンバインド発電設備の燃料ガスとした。ガスタービンコンバインド発電設備の発電効率は、高炉操業の変動による高炉ガス発生量の変動の影響を考慮して、50%と若干低目に見積もった。当然ながら、LNGやLPGなどの購入エネルギーの使用はゼロとした。この製鉄所のエネルギーバランスを表3に示す。また、表3には、比較例として、蒸気タービンで発電する従来の発電所が設置された製鉄所におけるエネルギーバランスも併せて示している。従来の発電所の発電効率は、実績に則り37%とした。
Figure 0005339597
製鉄所に投入されるエネルギーは、原料炭及びコークスからなる還元剤であり、1000万トン/年の粗鋼生産に対して、年間47.8兆kcalの還元剤が投入され、この還元剤から、副生ガスとして、7.8兆kcalのコークス炉ガス、12.2兆kcalの高炉ガス、1.7兆kcalの転炉ガスが発生し、これらの副生ガスが回収される。一方、投入されるエネルギーのうち、還元反応熱は16.5兆kcal、高炉や転炉などの炉体からの放散熱は9.6兆kcalであり、これらはエネルギーとしては回収されない。
実績に則ると、回収した副生ガスのうち、12.2兆kcal分の副生ガスは、製鉄所下工程の鋼材加熱炉などに使用されることから、発電所には、本発明例及び比較例ともに、9.5兆kcal分の副生ガスが供給されることになる。
本発明例においては、9.5兆kcal分の高炉ガスの全量から、二酸化炭素及び窒素を除去して、改質高炉ガスを製造し、ガスタービンコンバインド発電設備の燃料ガスとした。その結果、発電効率が50%であり、年間あたり55.2億kWhの電力が得られる結果となった。製鉄所の年間電力使用量は、実績に則ると44.3億kWhであるので、年間あたり10.9億kWhの電力が余剰として発生する結果となった。
この余剰の電力を、CO2地中貯蔵のための電力として使用する、或いは、電気炉での鉄スクラップの溶解用電力として使用可能であることが分かった。また、余剰の電力を発電しない場合には、余剰の電力を発電するに必要な高炉ガスが使用されずに余り、この高炉ガス或いは該高炉ガスを改質した改質高炉ガス、若しくは改質高炉ガスの代替としてコークス炉ガスを、高炉に還元用ガスとして吹き込むことが可能であることが分かった。
一方、比較例では、高炉ガスとコークス炉ガスとの混合ガスの9.5兆kcal分を蒸気タービン型の発電所に供給したが、発電所の発電効率が37%であり、本発明例と同一量のエネルギーを投入したにも拘わらず、年間あたり40.9億kWhの電力が得られるのみであり、年間あたり3.4億kWh分の電力が不足し、外部からこの相当分の電力を購入しなければならない結果となった。
1 ガスタービン
2 蒸気タービン
3 発電機
4 燃料ガス圧縮機
5 空気圧縮機
6 燃焼器
7 排ガスボイラー
8 変速機
11 回転式酸素富化空気製造装置
12 第1の円筒型容器
12a 軸心
13 第2の円筒型容器
14 第3の円筒型容器
15 窒素吸収用吸着剤
16 水分吸収用吸着剤
17 水分吸収用吸着剤
18 仕切板
19 第1の空気供給流路
20 第2の空気供給流路
21 第1の空気排出流路
22 第2の空気排出流路
23 管体
24 分離板

Claims (7)

  1. 高炉炉頂から排出される高炉ガスからガス中の二酸化炭素及び窒素を分離除去して前記高炉ガスに比較して発熱量を高めた改質高炉ガスを製造し、この改質高炉ガスを、燃料ガスとしてガスタービンコンバインド発電設備の燃料ガス圧縮機に導入し、前記ガスタービンコンバインド発電設備の燃焼器で燃焼させて発電される電力を製鉄所の各設備に供給し、
    製鉄所の排熱または前記ガスタービンコンバインド発電設備により得られた電力を利用して、前記高炉ガス中の二酸化炭素及び窒素を分離除去することを特徴とする、製鉄所でのエネルギー運用方法。
  2. 高炉炉頂から排出される高炉ガスからガス中の二酸化炭素及び窒素を分離除去して前記高炉ガスに比較して発熱量を高めた改質高炉ガスを製造し、この改質高炉ガスを、燃料ガスとしてガスタービンコンバインド発電設備の燃料ガス圧縮機に導入し、前記ガスタービンコンバインド発電設備の燃焼器で燃焼させて発電される電力を製鉄所の各設備に供給し、余剰の電力を二酸化炭素地中貯蔵のための電力または鉄スクラップ溶解のための電力として利用することを特徴とする、製鉄所でのエネルギー運用方法
  3. 高炉炉頂から排出される高炉ガスからガス中の二酸化炭素及び窒素を分離除去して前記高炉ガスに比較して発熱量を高めた改質高炉ガスを製造し、この改質高炉ガスを、燃料ガスとしてガスタービンコンバインド発電設備の燃料ガス圧縮機に導入し、前記ガスタービンコンバインド発電設備の燃焼器で燃焼させて発電される電力を製鉄所の各設備に供給し、余剰の電力分に相当する発電を中止し、この発電量に必要な改質高炉ガスの熱量に相当する高炉ガスまたは改質高炉ガス若しくはコークス炉ガスを、高炉に吹き込むことを特徴とする、製鉄所でのエネルギー運用方法
  4. 前記改質高炉ガスの発熱量は4.48MJ/Nm 3 以上であることを特徴とする、請求項1ないし請求項3の何れか1つに記載の製鉄所でのエネルギー運用方法
  5. 前記高炉には、空気よりも酸素濃度を高めた酸素富化空気が吹き込まれることを特徴とする、請求項1ないし請求項の何れか1つに記載の製鉄所でのエネルギー運用方法
  6. 前記酸素富化空気の酸素濃度は、25〜96体積%であることを特徴とする、請求項に記載の製鉄所でのエネルギー運用方法
  7. 前記酸素富化空気は、圧力の増加または温度の低下に伴って窒素吸着量が増加する窒素吸収用吸着剤が配置された、軸心を中心として回転可能な円筒型容器を有し、前記窒素吸収用吸着剤に対してそれぞれ反対側の方向から、圧力または温度が異なる乾燥した空気を供給し、相対的に圧力を高めた空気または相対的に温度を低くした空気に対して脱窒素処理を施し、相対的に圧力を下げた空気または相対的に温度を高くした空気に対して窒素富化を施し、相対的に圧力を高くした空気または相対的に温度を低くした空気の酸素富化を行う回転式酸素富化空気製造装置によって製造された酸素富化空気であることを特徴とする、請求項または請求項に記載の製鉄所でのエネルギー運用方法
JP2009065735A 2008-03-18 2009-03-18 製鉄所でのエネルギー運用方法 Expired - Fee Related JP5339597B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009065735A JP5339597B2 (ja) 2008-03-18 2009-03-18 製鉄所でのエネルギー運用方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008069109 2008-03-18
JP2008069109 2008-03-18
JP2009065735A JP5339597B2 (ja) 2008-03-18 2009-03-18 製鉄所でのエネルギー運用方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009257324A JP2009257324A (ja) 2009-11-05
JP5339597B2 true JP5339597B2 (ja) 2013-11-13

Family

ID=41385022

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009065735A Expired - Fee Related JP5339597B2 (ja) 2008-03-18 2009-03-18 製鉄所でのエネルギー運用方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5339597B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5646226B2 (ja) * 2010-06-29 2014-12-24 Jfeスチール株式会社 製鉄所におけるガス分離回収設備の操業方法
CN112076551B (zh) * 2020-09-24 2021-08-27 南京幸庄科技创新产业园管理有限公司 一种钢铁冶炼废气环保处理系统

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6275033A (ja) * 1985-09-27 1987-04-06 Toshiba Corp ガスタ−ビン
JP2754843B2 (ja) * 1990-03-13 1998-05-20 日本鋼管株式会社 高カロリーガスの製造方法
JP2004309067A (ja) * 2003-04-09 2004-11-04 Nippon Steel Corp 高炉ガスの利用方法
US20090223229A1 (en) * 2006-12-19 2009-09-10 Hua Wang Method and System for Using Low BTU Fuel Gas in a Gas Turbine

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009257324A (ja) 2009-11-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101268167B1 (ko) 고로가스의 분리방법
JP6513680B2 (ja) 炉頂ガス循環高炉設備を操業する方法
JP6531912B2 (ja) 燃焼ガスからの集積二酸化炭素ガス分離の為のプロセス
JP2004309067A (ja) 高炉ガスの利用方法
JP5640786B2 (ja) 高炉又は製鉄所の操業方法
CN103415628A (zh) 用于来自生铁制造用的设备的排气的或者用于合成气的热值调节的方法
TWI803522B (zh) 用於製造熱合成氣(尤其用於鼓風爐操作)之方法
WO2014189109A1 (ja) 直接還元鉄の製造装置、及び直接還元鉄の製造方法
JP5339597B2 (ja) 製鉄所でのエネルギー運用方法
JP5270903B2 (ja) 高炉ガスの熱量増加方法
JP5069087B2 (ja) 高炉ガスの利用方法
JP2009186101A (ja) 蓄熱式バーナーを有する加熱炉の運転方法
ES2953872T3 (es) Procedimiento y una planta de reducción directa para producir hierro reducido directo
JP4930932B2 (ja) 汚泥処理設備および汚泥処理方法
JP2009257736A (ja) 高炉ガスの分離方法
JP2010255420A (ja) ガス発電システム
JP5646226B2 (ja) 製鉄所におけるガス分離回収設備の操業方法
KR101695497B1 (ko) 순산소연소 발전시스템의 효율 향상 방법
JP2004224926A (ja) 製鉄所副生ガスの利用方法
JP2019178230A (ja) ガス化炉システム
JPH01230416A (ja) 高炉ガスからの炭酸ガス回収方法
JP5654338B2 (ja) 窒素ガス製造装置およびこれを用いたガス化複合発電システム
JP2002068708A (ja) 水素発生装置とその運転方法
JP2005283073A (ja) ガス化溶融炉ガスの利用方法
JP2008207172A (ja) 酸素富化空気の製造方法及び製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120118

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20120321

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120327

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130731

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130805

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5339597

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees